JP5949028B2 - 無機化合物用分散剤、およびそれを含んでなる導電性無機化合物分散体 - Google Patents
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Description
例えば、無機化合物を分散させる分散剤として、ノニオン系表面処理剤が提案されているが、塗膜強度や密着性が不十分である。それを改善するためにはバインダー樹脂を多量に添加する必要があり、その結果導電性が低下してしまうという問題を有している(特許文献1)。
また分散剤として、カルボキシ基末端ポリラクトン化合物を使用する技術が提案されている(特許文献2)。分散性は良好な分散剤であるが、導電性が十分でないという問題を有している。
また分散剤として、片末端領域に水酸基を有するビニル重合体を使用する技術が提案されている(特許文献3)。分散性は良好であるが、その他コーティング材料を積層するための溶剤にたいする耐性が不十分であるという問題を有している。
また本発明は、分子内に水酸基とチオール基とを有する化合物(a)の存在下、エチレン性不飽和単量体(b)(ただし、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(c)を除く)と、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(c)とをラジカル重合させた後、下記一般式(1)の化合物とを反応させる、活性メチレン基または活性メチン基が導入された活性メチレン基または活性メチン基が導入された無機化合物分散用ビニル重合体の製造方法に関する。
また本発明は、エチレン性不飽和単量体(b)(ただし、活性メチレン基または活性メチン基を有するエチレン性不飽和単量体(d)を除く)と、活性メチレン基または活性メチン基を有するエチレン性不飽和単量体(d)とをリビング重合させた後、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(c)を添加して更にリビング重合させる、活性メチレン基または活性メチン基が導入された無機化合物分散用ビニル重合体の製造方法に関する。
また本発明は、エチレン性不飽和単量体(b)(ただし、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(c)を除く)をリビング重合させた後、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(c)を添加して更にリビング重合することにより片末端領域に水酸基を導入し、当該水酸基と下記一般式(1)の化合物とを反応させる、活性メチレン基または活性メチン基が導入された無機化合物分散用ビニル重合体の製造方法に関する。
また本発明は、重量平均分子量が、5000〜50000である上記無機化合物分散用ビニル重合体に関する。
さらに本発明は、さらに、硬化剤(H)を含有することを特徴とする上記導電性無機化合物分散体の製造方法に関する。
さらに本発明は、上記無機化合物(P)が、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、スズ含有酸化インジウム(ITO)、リン含有酸化スズ(PTO)、フッ素含有酸化スズ(FTO)アルミニウム含有酸化亜鉛(AZO)、およびガリウム含有酸化亜鉛(GZO)からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする上記導電性無機化合物分散体の製造方法に関する。
くわえて本発明は、上記方法により製造された導電性無機化合物分散体から形成される導電膜の製造方法に関する。
くわえて本発明は、基材と上記方法により製造された導電膜とを有することを特徴とする導電性積層体の製造方法に関する。
本発明の無機化合物用分散剤は下記方法により製造することができるが、これらの製造方法に限定されない。
分子内に水酸基とチオール基とを有する化合物(a)の存在下、エチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合することにより、分子内に水酸基とチオール基とを有する化合物(a)が連鎖移動剤として機能し、生成するビニル重合体の片末端領域(一方の末端領域)に水酸基を導入する事ができる。
(一般式(1)中、R1またはR3は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、又は、置換基を有していてもよいフェニル基であり、R2は、水素原子またはメチル基である。)
メルカプトメタノール、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、1−メルカプト−2−ブタノール、2−メルカプト−3−ブタノール、トリメルカプトペンタエリスリトール等の1つの水酸基を有するチオール化合物類;
1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(別名:1−チオグリセロール)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4‐ジメルカプト‐2,3‐ブタンジオール、ジメルカプトペンタエリスリトール等の2つの水酸基を有するチオール化合物類;
メルカプトペンタエリスリトール、4−チオ−D−ガラクトース等の3つ以上の水酸基を有するチオール化合物類が挙げられ、無機化合物への吸着能の観点から、水酸基を複数有する化合物が好ましく、特に1−チオグリセロール、及びジメルカプトペンタエリスリトールが好ましい。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロぺンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ−(5,2,1,0,2.6)−デカニル(メタ)アクリレート、トリシクロ−(5,2,1,0,2.6)−デカニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族エチレン性不飽和単量体類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ロジンアクリレート等の芳香族エチレン性不飽和単量体類;
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体類;
1−(t−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(t−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有エチレン性不飽和単量体類;
グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジエーテル、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、4−メチル−4,5−エポキシペンチル(メタ)アクリレート、5−メチル−5,6−エポキシヘキシル(メタ)アクリレート、α−エチルアクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、クロトニルグリシジルエール、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、N−(3,5−ジメチル−4−グリシジル)ベンジルアクリルアミド、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体類;
オキセタン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、(2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカ−2−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、3−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、2−(1−メタクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等の複素環式エチレン性不飽和単量体類;
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール含有エチレン性不飽和単量体類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、イソブチル(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の非置換もしくはN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;
片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー、および片末端メタクリロイル化ポリエチレングリコール等の重合性オリゴマー等が挙げられる。
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN置換マレイミド類が挙げられる。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシフェニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、2‐アセトアセトキシ‐1‐メチルエチル(メタ)アクリレート、4−アセトセトキシブチル(メタ)アクリレート等の活性メチレン基含有エチレン性不飽和単量体類が挙げられる。
2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、1,1−(ビスメタリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等のイソシアネート基含有エチレン性不飽和単量体類;
アクロレイン、メタクロレイン、2−クロロアクロレイン、2−クロロメタクロレイン等のアルデヒド基含有エチレン性不飽和単量体類などが挙げられる。
なお、本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による、ポリスチレン換算の値である。
重合開始剤としては、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。
アゾ系化合物の例としては、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
有機過酸化物の例としては、
過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等があげられる。これらの重合開始剤は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
無機化合物としては、公知のものが制限なく使用できるが、例えば、金属、非金属、亜金属の酸化物であり、具体例としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸化銀、酸化金、酸化クロム、珪素酸化物、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化バリウム等が挙げられる。
導電性の観点から、より好ましくは、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズや、ドープ剤を固溶することにより導電性を向上した無機化合物であるアンチモン含有酸化スズ(ATO)、スズ含有酸化インジウム(ITO)、リン含有酸化スズ(PTO)、フッ素含有酸化スズ(FTO)、アルミニウム含有酸化亜鉛(AZO)、またはガリウム含有酸化亜鉛(GZO)などが挙げられる。
この場合、平均粒径30〜2000nmの粒子と平均粒径2〜200nmの粒子との混合であるのが好ましく、平均粒径30〜500nmの粒子と平均粒径5〜100nmの粒子との混合がより好ましい。一方の無機化合物の平均粒径が大きすぎると、無機化合物同士の空隙が大きくなり、その結果、十分な導電性が得られなかったり、膜の強度、密着性、および膜特性が低下することがある。一方の無機化合物の平均粒径が小さすぎると、導電性粒子の表面積の増大に伴う経時的な膜特性の変化が顕著になることがある。
無機化合物(P)、無機化合物用分散剤、その他の樹脂、添加剤は、すべての成分を混合してから分散してもよいが、初めに無機化合物(P)と無機化合物用分散剤とのみ、あるいは、無機化合物(P)と、無機化合物用分散剤と、その他の樹脂のみを分散し、次いで、他の成分を添加して再度分散を行ってもよい。
硬化剤(H)としては、活性メチレンまたは活性メチン基と反応しうる官能基を有している化合物を使用できるが、例えば、メラミンまたはその誘導体、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物、多官能アクリレートモノマーが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は2つ以上のイソシアネート基を有する化合物でよく、例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、あるいはこれらの混合物等のトルエンジイソシアネート)、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、あるいはこれらの混合物等のジフェニルメタンジイソシアネート)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジフェニルエーテルジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類;
プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)などの脂肪族ポリイソシアネート類;
シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂環族ポリイソシアネート類が挙げられる。
また、これら芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、ビウレット変性ポリイソシアネート、アロファネート変性ポリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDIまたはポリメリックMDI)、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、
エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アクリレートエステル(ジオキサングリコールジアクリレート)、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化(30)ビスフェノールAジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレートなのの2官能アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリ(繰り返し数1〜3)プロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジフェニルジアクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜4)プロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜4)エトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜6)プロポキシヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜6)エトキシヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリ(繰り返し数1〜4)プロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリ(繰り返し数1〜4)エトキシジ(メタ)アクリレート、さらにはポリウレタンアクリレートポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、エポキシポリアクリレート等の3官能以上のアクリレート類が挙げられる。
基材上に、本発明の導電性無機化合物分散体を用いて導電膜を形成することにより、導電性積層体を得ることができる。
[実施例1]
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート150部と、2−アセトアセトキシエチルアクリレート50部とを仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール10部を添加して、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認し、反応を終了した。メチルエチルケトンを用いて固形分を50%に希釈することにより、重量平均分子量35000のビニル重合体溶液(1)を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ブチルメタクリレート150部と、メチルメタクリレート40部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、2−メルカプトエタノール3部を添加して、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認し、反応を終了させた後、メチルイソブチルケトンを用いて固形分を50%に希釈した。さらにt−ブチルアセトアセテート10部と、メチルイソブチルケトン10部を添加し、120℃にてさらに12時間反応させることで、固形分が50%であり、重量平均分子量65000のビニル重合体溶液(2)を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルエチルケトン 200部、ブチルメタクリレート150部と、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート40部と、ブロモイソ酪酸エチル3.4部、テトラメチルエチレンジアミン8部を仕込み、窒素ガスで置換した。塩化第一銅 3.4部を投入し、窒素気流下で70℃まで昇温し、3時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。続けて反応容器にメチルエチルケトン10部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部を添加し、70℃で3時間重合を行った。固形分測定により95%が反応したことを確認し、反応を終了させた。メチルエチルケトンを用いて固形分を50%に希釈することにより、重量平均分子量10000のビニル重合体溶液(3)を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルイソブチルケトン 200部と、シクロヘキシルメタクリレート150部、エチルアクリレート40部、ブロモイソ酪酸エチル1.7部、テトラメチルエチレンジアミン8部を仕込み、窒素ガスで置換した。塩化第一銅 1.7部を投入し、窒素気流下で70℃まで昇温し、3時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。続けて反応容器にメチルイソブチルケトン20部と2−ヒドロキシエチルアクリレート20部を添加し、70℃で3時間重合を行った。固形分測定により95%が反応したことを確認した。さらにt−ブチルアセトアセテート16部と、メチルイソブチルケトン16部を添加し、120℃にて12時間反応させることで、固形分50%であり、重量平均分子量25000のビニル重合体溶液(4)を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、12−ヒドロキシステアリン酸315部、ε―カプロラクトン685部、およびジブチル錫ジラウレート3gを仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を180℃に加熱して、5時間反応した。固形分測定により95%以上が反応したことを確認し、反応を終了した。メチルエチルケトンを用いて固形分を50%に希釈することにより、重量平均分子量1300のカルボキシル基末端ポリカプロラクトン樹脂溶液を得た。
[実施例5]
ATO粉体(球状粒子、一次粒子径20nm)34部、実施例1のビニル重合体溶液(A1)を12部(固形分6部)、メチルエチルケトン34部と、直径1mmのジルコニアビーズ150部を加え、ペイントコンディショナーで3時間分散し、固形分50%の導電性無機化合物分散体を作製した。
表1に示す組成で作製した以外は、実施例5と同様にして、固形分50%の導電性無機化合物分散体を作製した。
本発明の導電性無機化合物分散体の性能を評価するために、分散体の粘度をB型粘度計で測定した。さらに分散体を50℃の恒温機に1週間保存、経時促進させた後、再度粘度を測定し、経時前後での無機化合物分散体の粘度変化を測定した。粘度安定性は50℃1週間保存前後での粘度の変化率が±10%以内なら○、±10%を超えたら×とした。
また、導電性無機化合物分散体を、バーコーター(#14)を用いて易接着処理PET上に塗布した。硬化剤(H)を含まない実施例5および7〜9では100℃にて2分間乾燥させ、硬化剤(H)を含む6および10〜12では140℃にて30分乾燥および硬化させて得られた塗膜を用いて、密着性試験はクロスカット法(JIS K5600−5−6)を行い、導電性はロレスタHP(三菱化学社製)で表面抵抗値を測定し、透明性はNDH2000(日本電色工業社製)で全光線透過率を測定した。密着性および全光線透過率は大きいほど良好である。表面抵抗値は小さいほど良好であり、測定範囲の上限を超えた時はoverと示す。
可撓性は、塗膜が積層されたPET基材を直径1センチメートルの円柱に巻きつけて、塗膜に変化がなければ○、ひびや欠け、表面荒れ等が生じれば×とした。密着性、導電性、透明性、および可撓性で分散体塗膜の性能を評価した。
耐溶剤性は、メチルエチルケトンを綿棒に染み込ませたものでラビングすることにより確認した。塗膜が剥がれ、下地が見えたラビング回数が50回以上の塗膜は○、50回未満の塗膜は×とした。
結果を表1に示す。
ノニオン系表面処理剤:アデカトールLA−875(旭電化社製ノニオン系ラウリルアルコールアルコキシレート)
ATO:アンチモン含有酸化スズ
ITO:スズ含有酸化インジウム
PTO:リン含有酸化スズ
FTO:フッ素含有酸化スズ
AZO:アルミニウム含有酸化亜鉛
GZO:ガリウム含有酸化亜鉛
ポリイソシアネート:イソシアヌレート変性IPDI
多官能アクリレート:トリメチロールプロパントリアクリレート
バインダー樹脂:ダイヤナールBR87(三菱レイヨン社製アクリル樹脂)
これに対して、比較例1では、塗膜の密着性および溶剤耐性が低い。密着性を向上させる目的でバインダー樹脂を添加すると、目的どおり密着性は向上するが、表面抵抗値が大きく低下した(比較例2)。また比較例3から得られた塗膜は、導電性および溶剤耐性に問題が生じていることが分かった。
Claims (10)
- 分子内に水酸基とチオール基とを有する化合物(a)の存在下、エチレン性不飽和単量体(b)(ただし、活性メチレン基または活性メチン基を有するエチレン性不飽和単量体(d)を除く)と、活性メチレン基または活性メチン基を有するエチレン性不飽和単量体(d)とをラジカル重合させる、活性メチレン基または活性メチン基が導入された無機化合物分散用ビニル重合体の製造方法。
- 分子内に水酸基とチオール基とを有する化合物(a)の存在下、エチレン性不飽和単量体(b)(ただし、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(c)を除く)と、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(c)とをラジカル重合させた後、下記一般式(1)の化合物とを反応させる、活性メチレン基または活性メチン基が導入された無機化合物分散用ビニル重合体の製造方法。
一般式(1):
- エチレン性不飽和単量体(b)(ただし、活性メチレン基または活性メチン基を有するエチレン性不飽和単量体(d)を除く)と、活性メチレン基または活性メチン基を有するエチレン性不飽和単量体(d)とをリビング重合させた後、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(c)を添加して更にリビング重合させる、活性メチレン基または活性メチン基が導入された無機化合物分散用ビニル重合体の製造方法。
- エチレン性不飽和単量体(b)(ただし、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(c)を除く)をリビング重合させた後、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(c)を添加して更にリビング重合することにより片末端領域に水酸基を導入し、当該水酸基と下記一般式(1)の化合物とを反応させる、活性メチレン基または活性メチン基が導入された無機化合物分散用ビニル重合体の製造方法。
一般式(1):
- 重量平均分子量が、5000〜50000であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の無機化合物分散用ビニル重合体の製造方法。
- 請求項1〜5いずれか記載の方法により製造された無機化合物分散用ビニル重合体と、無機化合物(P)とを含有することを特徴とする導電性無機化合物分散体の製造方法。
- さらに、硬化剤(H)を含有することを特徴とする請求項6記載の導電性無機化合物分散体の製造方法。
- 無機化合物(P)が、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、スズ含有酸化インジウム(ITO)、リン含有酸化スズ(PTO)、フッ素含有酸化スズ(FTO)アルミニウム含有酸化亜鉛(AZO)、およびガリウム含有酸化亜鉛(GZO)からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項6または7記載の導電性無機化合物分散体の製造方法。
- 請求項6〜8いずれか記載の方法により製造された導電性無機化合物分散体から形成されることを特徴とする導電膜の製造方法。
- 基材と請求項9記載の方法により製造された導電膜とを有することを特徴とする導電性積層体の製造方法。
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