JP5948540B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5948540B2
JP5948540B2 JP2013050439A JP2013050439A JP5948540B2 JP 5948540 B2 JP5948540 B2 JP 5948540B2 JP 2013050439 A JP2013050439 A JP 2013050439A JP 2013050439 A JP2013050439 A JP 2013050439A JP 5948540 B2 JP5948540 B2 JP 5948540B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
gear
housing
shaft
pulley
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013050439A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014177138A (ja
Inventor
礼 田代
礼 田代
辰義 丸山
辰義 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2013050439A priority Critical patent/JP5948540B2/ja
Publication of JP2014177138A publication Critical patent/JP2014177138A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5948540B2 publication Critical patent/JP5948540B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Description

本発明は、例えば自動車の操舵装置に適用され、ベルトを介して伝達されるモータの回転力でもってラック軸の移動をアシストする、いわゆるラックアシスト式のパワーステアリング装置に関する。
従来のラックアシスト式のパワーステアリング装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
すなわち、このパワーステアリング装置は、所定の制御装置により駆動制御される電動モータの出力軸の先端部外周に固定された入力側プーリと、周知のラック・ピニオン機構を介してステアリングホイールに連係されるラック軸の外周にボールねじ機構を介して設けられ、前記入力プーリに対し径方向に並列配置される出力プーリと、が回転伝達部材たるベルトによって接続されることで、電動モータの回転力がラック軸の軸方向移動力へと変換・伝達される構成となっている。
そして、この装置では、前記電動モータのモータ要素を収容するモータハウジングと一体的に設けられる、モータの出力軸に対し偏心した回転軸を有する可動ハウジングが前記ラック軸を収容するギヤハウジングにボルト締結される構成となっていて、前記ギヤハウジングに対して前記回転軸を中心として前記可動ハウジングを相対回動させることで、前記ベルトの張力を調整するようになっている。
特開2003−220959号公報
ところで、前記可動ハウジングと前記ギヤハウジングとの間には、防水等の目的でハウジング内部を液密に保持するシール部材が介装されることになるが、当該シール部材はその締め代が大きいため、前記相対回動時におけるギヤハウジングに対する可動ハウジング摺動抵抗が過大となってしまい、これによって、前記ベルトの張力調整作業が困難なものとなっていた。
本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたもので、ギヤハウジングに対するモータハウジングの摺動抵抗を低減し得るパワーステアリング装置を提供するものである。
本願発明は、とりわけ、軸間調整手段においてギヤハウジングとモータハウジングの相対回動支持に供する相対回動支持機構を、ギヤハウジング側のギヤ側調整部とモータハウジング側のモータ側調整部の一方に設けられた円筒状の嵌挿部と、前記両調整部の他方に前記嵌挿部が前記両ハウジングの相対回動軸である第3基準軸を中心として回動可能となるように設けられ、その内周側に前記嵌挿部が嵌合可能な内周面を有する受容部と、前記嵌挿部と前記受容部の間に介装される樹脂製の環状部材であって、その外表面に前記樹脂、前記ギヤハウジング及び前記モータハウジングのいずれよりも摩擦係数の小さい材料で被覆された被覆部を有し、前記嵌挿部と前記受容部との間を液密にシールするシール部材と、によって構成したことを特徴としている。
本願発明によれば、前記シール部材に外表面に設けられた低摩擦状の被覆部によって、ギヤハウジングに対するモータハウジングの相対回動時の摺動抵抗を低減することが可能となり、これによって、当該軸間調整作業の作業効率を向上させることができる。
本発明に係るパワーステアリング装置の構成を表した概略図である。 図1に示すモータユニット近傍の拡大斜視図である。 図2のA方向矢視図である。 図3のB−B線断面図である。 図4のC−C線断面に相当する図である。 ベルトの張力調整作業の説明に供するモータハウジングとギヤハウジングの締結部近傍の拡大断面図である。 図6のD部拡大図である。
以下、本発明に係るパワーステアリング装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。なお、下記の実施形態では、このパワーステアリング装置を、従来と同様、自動車の操舵装置に適用したものを示している。
すなわち、このパワーステアリング装置は、図1に示すように、その一端側がステアリングホイール1と一体回転可能に連係される入力軸2と、その一端側が図示外のトーションバーを介して入力軸2の他端側に相対回転可能に連結され、その他端側がラック・ピニオン機構4を介して転舵輪5L,5Rに連係される出力軸3と、入力軸2の外周側に配置され、この入力軸2と出力軸3の相対回転変位量に基づいて操舵トルクを検出するトルクセンサ6とこのトルクセンサ6や図示外の車速センサ等の検出結果に基づいて運転者の操舵トルクに応じた操舵アシストトルクを後述のラック軸7に付与するモータユニットMUと、該モータユニットMUの出力(回転力)を減速しつつ後述のラック軸7の軸方向移動力へと変換して伝達する伝達機構20と、から主として構成されている。
前記ラック・ピニオン機構4は、出力軸3の一端部の外周に形成された図外のピニオン歯と当該出力軸3の一端部にほぼ直交するように配置されるラック軸7の軸方向所定範囲に形成される図外のラック歯とが噛合してなるもので、出力軸3の回転方向に応じてラック軸7が軸方向に移動するようになっている。そして、ラック軸7の各端部はそれぞれタイロッド8,8及びナックルアーム9,9を介して転舵輪5R,5Lに連係されており、ラック軸7が軸方向へと移動して各タイロッド8,8を介して各ナックルアーム9,9が引っ張られることで、転舵輪5R,5Lの向きが変更されるようになっている。
前記ラック軸7は、図2、図4に示すように、前記ラック・ピニオン機構4を含む軸方向一端側の収容に供する第1ギヤハウジング11と、前記伝達機構20及びこれより他端側の収容に供する第2ギヤハウジング12と、を一体的に構成してなるギヤハウジング10内に、軸方向に沿って移動自在に収容支持されている。
なお、前記第1ギヤハウジング11と前記第2ギヤハウジング12は、第1ギヤハウジング11の接合面に穿設された凹部11aに、第2ハウジング12の接合面に突設された凸部12aを嵌合させた状態で、ギヤハウジング10とモータユニットMUとを締結する複数(本実施形態では3つ)のボルトB1〜B3により、モータユニットMUに共締め固定されている。
また、特に図4に示すように、前記第2ギヤハウジング12の内端部には、ラック軸7の周方向の所定範囲において径方向外側へと膨出形成され、その内部に前記伝達機構10を収容する伝達機構収容部13が設けられている。この伝達機構収容部13は、ラック軸7の軸線(後述する第1基準軸A1)を中心として横断面ほぼ円形状に画成された出力側収容部13aと、該出力側収容部13aに対し径方向にオフセットして設けられ、モータユニットMUの出力軸35の軸線(後述する第2基準軸A2)を中心として横断面ほぼ円形状に画成された入力側収容部13bと、前記両収容部13a,13bを相互に連通する連通部13cと、から構成されている。
前記伝達機構20は、前記出力側収容部13a内に収容配置され、ラック軸7の外周において後述のナット23と一体的に構成され、該ナット23の回転軸である第1基準軸A1を中心として回転する円筒状の出力側プーリ21と、該出力側プーリ21の内周側に収容固定され、この出力側プーリ21の回転をラック軸7へと伝達する円筒状のナット23と、前記入力側収容部13b内にてモータユニットMU(後述の電動モータ31)の出力軸35の先端部外周に当該出力軸35と一体回転可能に設けられ、前記第1基準軸A1に対し径方向にオフセットして設けられる第2基準軸A2を回転軸として回転する円筒状の入力側プーリ22と、該入力側プーリ22と出力側プーリ21とに跨って巻回され、入力側プーリ22の回転を出力側プーリ21へと伝達することで前記両プーリ21,22の同期回転に供する回転伝達部材であるベルト24と、前記ナット23とラック軸7の径方向間に介装され、前記入力側プーリ22の回転を減速しつつラック軸7の軸方向移動へと変換する減速機構であるボールねじ機構25と、から主として構成されている。
前記出力側プーリ21は、ナット23に対し第2ギヤハウジング12側から被嵌するかたちで当該ナット23と一体的に、すなわち一体回転可能に設けられると共に、その外周面のうち第2ギヤハウジング12側の所定の軸方向範囲には、ベルト24の巻回に供する横断面凹状のベルト巻回溝21aが周方向に沿って切欠形成されている。具体的には、軸方向の一端(第1ギヤハウジング11側の端)が開口形成されると共に、他端部(第2ギヤハウジング12側の端部)にラック軸7を挿通させ且つナット23の第2ギヤハウジング12側の端面を覆う端壁21bが構成されていて、前記一端側からナット23に対して当該ナット23の軸方向ほぼ全範囲を包囲するかたちで被嵌する。そして、前記端壁21bにおいてラック軸7が挿通する軸挿通孔21cの外周域に複数設けられたボルト挿通孔21dに挿通する複数のボルトB0により、ナット23の第2ギヤハウジング12側の端部に締結されている。
さらに、この出力側プーリ21の一端側には、ナット23を回転自在に支持する軸受26が配設されている。この軸受26は、出力側プーリ21の一端と第1ギヤハウジング11において段差縮径状に構成された軸受収容部11cの端壁との間で挟持固定された外輪26aと、前記軸受収容部11cの端壁と対向するナット23の一端部に一体に構成された内輪26bと、前記両輪26a,26b間に転動自在に収容された複数の転動体26cと、から構成されている。
前記入力側プーリ22は、前記出力側プーリ21と比べて比較的小径に形成され、当該電動モータ31の出力軸35の先端部外周に圧入固定されることによって当該出力軸35と一体に同期回転可能に構成されると共に、その外周部には、前記出力側プーリ21と同様の横断面凹状をなすベルト巻回溝22aが周方向に沿って切欠形成されている。なお、本実施形態における電動モータ31の回転速度の主たる減速は、前述したように当該入力側プーリ22の外径の比率ではなく、前記ボールねじ機構25によって行われる。
前記ベルト24は、いわゆるVベルトであり、内部にガラス繊維や鋼線等が芯材として埋設されることによって伸びを極力抑え(15μm程度)、高トルク耐え得る構成となっている。
前記ボールねじ機構25は、周知のボールねじ機構であって、ラック軸7の外周に螺旋状に形成された外側ボールねじ溝7aとナット23の内周に螺旋状に形成された内側ボールねじ溝23aとで構成されるボール循環溝25aと、該ボール循環溝25a内を循環する複数のボール25bと、該各ボール25bを前記ボール循環溝25aの一端側から他端側へ循環させる図示外の循環機構と、によって構成されている。
前記モータユニットMUは、特に図2、図4に示すように、後述する出力軸35が突出する軸方向の一端側が第2ギヤハウジング12の伝達機構収容部13の外側部に取付固定され、前記操舵アシストトルクを発生させる電動モータ31と、該電動モータ31の他端側に付設され、前記操舵トルクや車両速度等に応じて前記電動モータ31を駆動制御する電子コントローラ32と、が結合され、一体的に構成されたものである。そして、このモータユニットMUは、複数(本実施形態では3つ)のボルトB1〜B3を介して後述のモータハウジング30を第1、第2ギヤハウジング11,12と締結することによってギヤハウジング10に取付固定されている。
前記電動モータ31は、いわゆる3相交流式の表面磁石型同期モータであり、軸方向の一端(第2ギヤハウジング12と対向する側)に後述する出力軸35を挿通し且つ第2ギヤハウジング12との連結に供する端壁30aが構成され、他端(電子コントローラ32と対向する側)が開口形成されたモータハウジング30と、該モータハウジング30の内周面に圧入ないし焼き嵌めによって固定されたほぼ円筒状のステータ33と、該ステータ33の内周側に微小隙間を隔てて配置されたほぼ円筒状のロータ34と、該ロータ34の内周に一体回転可能に固定され、前記ロータ34の回転の外部への出力に供する出力軸35と、を備えている。
前記電子コントローラ32は、所定の回転角センサ37からの出力信号に基づいて電動モータ31の通電を制御するマイクロコンピュータ38など所定の電子部品が搭載された制御基板39がモータハウジング30の他端側開口を閉塞するように取り付けられる制御ハウジング36内に収容されることによって構成されている。そして、この電子コントローラ32は、特に図5に示すように、その重心位置(同図中のG)が後述する第3基準軸A3に対して径方向にオフセットするかたちで当該電動モータ31に取り付けられている。
前記ギヤハウジング10とモータハウジング30には、前記第1基準軸A1と第2基準軸A2との軸間距離Hを変化させることによってベルト24の張力調整に供する軸間調整手段40が設けられている。この軸間調整手段40は、第1、第2ギヤハウジング12の各接合端部の外周にそれぞれ設けられた第1、第2ギヤ側調整部41〜43,44〜46と、モータハウジング30の内端部(第2ギヤハウジング12との対向端部)の外周に設けられたモータ側調整部47〜49と、第1、第2ギヤハウジング11,12をモータハウジング30へと共締めするかたちでギヤハウジング10とモータハウジング30とを連結する前記各ボルトB1〜B3と、前記両ハウジング10,30の相対回動を支持する相対回動支持機構50と、によって構成されている。
そして、かかる構成から、前記軸間調整手段40は、前記相対回動支持機構50による支持状態において、前記第1基準軸A1及び第2基準軸A2と平行で且つこれら両基準軸A1,A2に対して径方向にオフセットするように設けられた第3基準軸A3を中心に第2ギヤハウジング12に対してモータハウジング30を相対回動させることによって、前記両基準軸A1,A2の軸間距離Hを変化させることが可能となっている(図4、図6参照)。
前記第1、第2ギヤ側調整部41〜43,44〜46は、図4、図5に示すように、第1、第2ギヤハウジング11,12の接合端部外周における周方向の所定位置にて径方向外側に延設された第1ギヤ側フランジ部41a〜43a及び第2ギヤ側フランジ部44a〜46aと、該第1ギヤ側フランジ部41a〜43a及び第2ギヤ側フランジ部44a〜46aに、ギヤハウジング10に対してモータハウジング30を相対回動させたときの後述の各雌ねじ部47b〜49b(前記各ボルトB1〜B3)の軌道に沿うような円弧状に形成され、その厚さ幅方向へと貫通して前記各ボルトB1〜B3が挿通可能に構成された第1スリット41b〜43b及び第2スリット44b〜46bと、から構成されている。
前記モータ側調整部47〜49は、モータハウジング30の第2ギヤハウジング12との対向端部外周における周方向の所定位置に第2ギヤ側フランジ部44a〜46aと対向するように設けられたモータ側フランジ部47a〜49aと、該各フランジ部47a〜49aの第2ギヤ側フランジ部44a〜46aとの対向端面に穿設され、前記各ボルトB1〜B3の軸部が第1スリット41b〜43b及び第2スリット44b〜46bにそれぞれ挿通した状態にて螺着可能な雌ねじ部47b〜49bと、から構成されている。
そして、前記第1、第2ギヤ側調整部41〜43,44〜46及びモータ側調整部47〜49は、特に図5に示すように、それぞれ全3箇所に設けられ、そのうちの1箇所(以下、「第1点」という。)は、ベルト24の張力(同図中のT1及びT2)の反作用方向の延長線(同図中のL1及びL2)上に前記各ボルトB1〜B3を配置可能となる位置に設定されている。これにより、前記ベルト24の張力に対し効果的に対抗することができ、前記両ハウジング10,30の良好な締結剛性の確保に供されている。また、前記各調整部41〜49の残余の2箇所(以下、「第2点、第3点」という。)については、電子コントローラ32の重心位置Gに対して前記第3基準軸A3を挟んだ径方向反対側であって且つ前記第1点を含む全3点がほぼ均等に配置されるような位置に設定されている。
前記相対回動支持機構50は、図4、図6に示すように、モータハウジング30の第2ギヤハウジング12との接合面に突設された円筒状の嵌挿部51と、第2ギヤハウジング12のモータハウジング30との接合面に前記嵌挿部51が相対回動可能に且つその内周側に当該嵌挿部51が嵌合可能な内周面52aが形成されてなる円形の受容部52と、前記嵌挿部51と受容部52の間に介装される環状のシール部材53と、によって構成されている。
前記嵌挿部51は、モータハウジング30の第2ギヤハウジング12との接合面に、第3基準軸A3を中心とした円筒状に突出形成され、その内周部には、電動モータ31の出力軸35の挿通に供する軸挿通孔51cが貫通形成されている。さらに、この嵌挿部51の外周面51aには、図7に示すように、前記シール部材53をその径方向範囲の一部を収容するかたちで嵌着可能なシール収容溝51bが、周方向に連続して切欠形成されている。かかる構成により、この嵌挿部51には、その径方向範囲の一部を当該嵌挿部51の外周面51aから露出するかたちでシール部材53が収容され、当該嵌挿部51の前記受容部52への嵌合時にシール部材53が受容部52の内周面52aに弾接可能な構成となっている。
一方、前記受容部52は、特に図6に示すように、第2ギヤハウジング12のモータハウジング30との接合面に、その内周面52aが前記嵌挿部51と同様に前記第3基準軸A3を中心とした円形状となるように穿設されている。そして、この受容部52では、前記嵌挿部51がほとんど隙間なく嵌合可能となるように前記内周面52aの内径が設定されることで、ギヤハウジング10に対するモータハウジング30の相対回動を支持可能としている。
前記シール部材53は、図7に示すように、横断面ほぼ円形状をなす円環状に形成され、ゴム等の樹脂材からなるシール本体53aの外表面に、前記樹脂材、ギヤハウジング10及びモータハウジング30のいずれよりも摩擦係数の小さい材料(本実施形態ではフッ素樹脂)で被覆された被覆部53bが設けられることによって構成されている。そして、前記嵌挿部51と受容部52との間に弾性変形可能に介装されることで、当該両者51,52間を液密にシールして、外部からの水分など異物の侵入が抑制可能となっている。
以下、前記パワーステアリング装置におけるベルト24の張力の調整作業について、図5、図6に基づいて説明する。
まず、前記ギヤハウジング10に対するモータハウジング30の相対回動が可能となるように当該両ハウジング10,30を仮締結(前記各ボルトB1〜B3を仮止め)した状態で、図6に示すように、前記電子コントローラ32が鉛直上側に位置するように当該装置を図示外の調整設備に設置する。そして、本体側であるギヤハウジング10を固定した状態で、モータハウジング30の前記第1点に相当するモータ側フランジ部47aの周方向端部(前記相対回動方向の反対側の端部)に設けられた基準面BLを所定のシリンダ(図示外)で押圧することによって、ギヤハウジング10に対してモータハウジング30を相対回動させる。
例えば、前記ベルト24の張力が増大するように調整する場合には、図5の矢印Rの方向にモータハウジング30を相対回動させる。すると、このモータハウジング30はその軸線たる第2基準軸A2に対して径方向にオフセット(偏心)した第3基準軸A3を中心に、前記各ボルトB1〜B3の軸部が前記第1、第2スリット41b〜43b,44b〜46bに沿って前記矢印Rの方向へと移動することにより、出力側プーリ21の回転軸たる第1基準軸A1に対して入力側プーリ22の回転軸たる第2基準軸A2が点P1から点P2へと離間する側に移動することとなる。
このようにして、前記ギヤハウジング10に対してモータハウジング30を相対回動させ、ベルト24の張力が規定値に到達したところで当該相対回動を停止させる。そして、当該状態(位相)を維持したまま、前記各ボルトB1〜B3を増し締めして前記両ハウジング10,30を完全に締結することにより、前記ベルト24の張力調整作業が完了することとなる。
ここで、前記ベルト24の張力調整時(前記両ハウジング10,30の相対回動時)においてベルト24の張力が前記規定値を超えてしまったことにより、モータハウジング30を再び他方向へと回動させることによって当該張力の再調整を行う。なお、前述の張力調整を含め、当該張力調整にあたっては、前記両基準軸A1,A2の軸間距離1μmあたりベルト24の張力が1N変化することとなる。
かかる条件下において、従来では、前記両ハウジング10,30間に生ずる摩擦抵抗(特に両ハウジング10,30間に介装されるシール部材によるギヤハウジング10に対するモータハウジング30の摺動抵抗)が大きく、再度の相対回動自体も困難であるうえ、上記条件下でのベルト24の張力の微調整は非常に困難であった。
これに対して、本実施形態では、前記シール部材53に外表面に設けられた低摩擦状の被覆部53bにより、前記ギヤハウジング10に対するモータハウジング30の相対回動時における摺動抵抗の基となる当該シール部材53と第2ギヤハウジング12(受容部52の内周面52a)との摩擦抵抗を低減することができる。その結果、前記ギヤハウジング10に対するモータハウジング30の相対回動時における摺動抵抗が低減され、前記張力調整作業の容易化やその作業効率の向上を図ることができる。
また、前記ベルト24の張力調整作業にあたっては、前述のように電子コントローラ32が鉛直上側となるように装置を横たえて設置するところ、本装置では電子コントローラ32の重心位置Gが電動モータ31に対して偏った位置となるように配設されることから、前記モータハウジング30の相対回動時において、重心位置Gの偏った上部の電子コントローラ32による荷重がモータハウジング30を傾倒させるように作用することとなる。その結果、かかる電子コントローラ32の偏荷重によっても前記両ハウジング10,30間の摩擦抵抗の増大を招来するなど、当該張力調整作業が困難となってしまうおそれがある。
しかしながら、本実施形態では、前記第1、第2スリット41b〜43b,44b〜46bの全3箇所のうち少なくとも1箇所が電子コントローラ32の重心位置Gに対し第3基準軸A3を挟んだ径方向反対側に設定されているため、この電子コントローラ32の重心位置Gに対し径方向反対側に設定された当該第1、第2スリット41b〜43b,44b〜46bの内周面により前記電子コントローラ32の偏荷重を受け止めることが可能となる。これにより、当該偏荷重によるモータハウジング30の傾倒を抑制し、前記張力調整作業の円滑化に供されることとなる。
特に、本実施形態の場合は、前記第1、第2スリット41b〜43b,44b〜46b全3点のうち前記第2点と第3点の2点が電子コントローラ32の重心位置Gに対し第3基準軸A3を挟んだ径方向反対側に設定されていることから、前記電子コントローラ32の偏荷重を前記2点によって分散して受け止めることができ、当該偏荷重をより適切に受け止めることが可能となる。その結果、前記電子コントローラ32の偏荷重によるモータハウジング30の傾倒のさらなる抑制が図れ、前記張力調整作業をより円滑に行えるメリットがある。
また、本実施形態では、前記シール部材53を介装するにあたり、該シール部材53を、前記嵌挿部51の外周面51aに形成したシール収容溝51b内に収容させる構成としているため、当該嵌挿部51の外周面51aと前記受容部52の内周面52aとの径方向隙間をより小さく設定することが可能となる。この結果、受容部52に対する嵌挿部51の同軸性が高められ、かかる構成によっても、前記モータハウジング30の相対回動の円滑化を図ることができる。
加えて、前記シール収容溝51bを嵌挿部51の外周面51aに形成するようにしたことで、これを受容部52の内周面52aに形成する場合に比べて、当該シール収容溝51bの形成作業についても容易に行うことができる。
本発明は、前記実施形態の構成等に限定されるものではなく、例えば本発明の特徴とは直接関係しない前記第1、第2ギヤハウジング11,12やモータハウジング30の各接合部を除く他の形状等の具体的な構成は勿論、本発明の特徴となる前記第1、第2ギヤ側調整部41〜43,44〜46及びモータ側調整部47〜49の数量や周方向位置等といった具体的構成についても、前記作用効果を奏し得る形態であれば、適用するパワーステアリング装置の仕様等に応じて自由に変更可能である。
また、前記実施形態では、前記第1、第2スリット41b〜43b,44b〜46b全3点のうち前記第2点及び第3点の2点を電子コントローラ32の重心位置Gに対し第3基準軸A3を挟んだ径方向反対側に設定したものを例示して説明したが、前記モータハウジング30の傾倒抑制作用を得るにあたっては、前述のとおり少なくとも1箇所が前記重心位置Gと径方向反対側の周方向位置に設定されていればよい。
1…ステアリングホイール
5L,5R…転舵輪
7…ラック軸
7a…外側ボールねじ溝
10…ギヤハウジング
21…出力側プーリ
22…入力側プーリ
23…ナット
23a…内側ボールねじ溝
24…ベルト(回転伝達部材)
25…ボールねじ機構
25a…ボール循環溝
25b…ボール
25c…循環機構
30…モータハウジング
31…電動モータ
32…電子コントローラ
33…ステータ
34…ロータ
35…出力軸
40…軸間調整手段
41〜43…第1ギヤ側調整部(ギヤ側調整部)
44〜46…第2ギヤ側調整部(ギヤ側調整部)
47〜49…モータ側調整部
50…相対回動支持機構
51…嵌挿部
52…受容部
53…シール部材
53b…被覆部
A1…第1基準軸
A2…第2基準軸
A3…第3基準軸

Claims (2)

  1. その外周に螺旋状の内側ボールねじ溝を有し、ステアリングホイールの回転に伴って軸方向移動することで転舵輪の転舵に供する転舵軸と、
    その内周に前記内側ボールねじ溝と共にボール循環溝を構成する外側ボールねじ溝を有し、前記転舵軸の外周側に当該転舵軸を包囲するように設けられる筒状のナットと、
    前記ボール循環溝と、該ボール循環溝内を循環する複数のボールと、該複数のボールを前記ボール循環溝の一端側から他端側へと循環させる循環機構とによって構成され、前記ナットの回転速度を減速しながら該ナットの回転を前記転舵軸の軸方向移動へと変換するボールねじ機構と、
    前記ナットと一体回転可能に設けられ、該ナットの回転軸である第1基準軸を回転軸として回転する円筒状の出力側プーリと、
    モータハウジングとこれに収容されるロータ及びステータとから構成される電動モータと、
    前記電動モータを駆動制御する電子コントローラと、
    前記電動モータの出力軸と一体回転可能に設けられ、前記第1基準軸に対し径方向にオフセットして設けられる第2基準軸を回転軸として回転する円筒状入力側プーリと、
    前記出力側プーリと前記入力側プーリとに跨って巻回され、前記入力側プーリの回転を前記出力側プーリへと伝達する回転伝達部材と、
    前記出力側プーリ、前記入力側プーリ及び前記回転伝達部材を収容するギヤハウジングと、
    前記ギヤハウジングに設けられたギヤ側調整部と、前記モータハウジングに設けられたモータ側調整部と、前記両ハウジングの相対回動支持に供する相対回動支持機構とにより構成され、前記第1基準軸及び第2基準軸と平行で且つ当該両基準軸に対し径方向にオフセットするように設けられた第3基準軸を中心に前記ギヤハウジングに対して前記モータハウジングを相対回動させることによって、前記第1基準軸と前記第2基準軸の軸間距離を変化させる軸間調整手段と、
    を備え、
    前記相対回動支持機構は、
    前記ギヤ側調整部と前記モータ側調整部の一方に設けられた円筒状の嵌挿部と、
    前記両調整部の他方に前記嵌挿部が前記第3基準軸を中心に回動可能となるように設けられ、その内周側に前記嵌挿部が嵌合可能な内周面を有する受容部と、
    前記嵌挿部と前記受容部の間に介装される樹脂製の環状部材であって、その外表面に前記樹脂、前記ギヤハウジング及び前記モータハウジングのいずれよりも摩擦係数の小さい材料で被覆された被覆部を有し、前記嵌挿部と前記受容部との間を液密にシールするシール部材と、
    から構成され
    前記電子コントローラは、前記モータハウジングと一体的に構成されると共に、その重心が前記第3基準軸に対し径方向にオフセットするように構成され、
    前記ギヤ側調整部及び前記モータ側調整部は、前記入力側プーリの外周域に設けられたギヤ側フランジ部と該ギヤ側フランジ部と対向するかたちで設けられたモータ側フランジ部の一方に設けられ、前記ギヤハウジングと前記モータハウジングとを締結する複数のボルトが螺着される複数の雌ねじ部と、前記両ハウジングの他方に設けられ、前記各ボルトが挿通可能な長孔状に構成された複数のスリットと、によって構成され、
    前記複数のスリットは、前記各ボルトが当該各スリットに挿通し且つ前記各雌ねじ部に螺着された状態で前記第3基準軸を中心に前記ギヤハウジングに対して前記モータハウジングを回動可能な円弧状に構成されると共に、そのうちの少なくとも1つは前記電子コントローラの重心位置に対して前記第3基準軸を挟んだ径方向反対側に配置されることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記複数のスリットは全3箇所に設けられると共に、そのうちの2箇所が、前記電子コントローラの重心位置に対して前記第3基準軸を挟んだ径方向反対側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
JP2013050439A 2013-03-13 2013-03-13 パワーステアリング装置 Active JP5948540B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013050439A JP5948540B2 (ja) 2013-03-13 2013-03-13 パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013050439A JP5948540B2 (ja) 2013-03-13 2013-03-13 パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014177138A JP2014177138A (ja) 2014-09-25
JP5948540B2 true JP5948540B2 (ja) 2016-07-06

Family

ID=51697553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013050439A Active JP5948540B2 (ja) 2013-03-13 2013-03-13 パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5948540B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6083415B2 (ja) * 2014-06-05 2017-02-22 日本精工株式会社 電動パワーステアリング用ブラシレスモータ並びにそれを搭載した電動パワーステアリング装置及び車両
KR102210686B1 (ko) * 2015-03-23 2021-02-02 현대모비스 주식회사 차량용 조향장치
JP2020026185A (ja) * 2018-08-10 2020-02-20 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動パワーステアリング装置
JP7188134B2 (ja) * 2019-01-28 2022-12-13 株式会社ジェイテクト ステアリング装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3950696B2 (ja) * 2002-01-29 2007-08-01 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置
JP2005329913A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Showa Corp 電動パワーステアリング装置
JP2006027577A (ja) * 2004-07-22 2006-02-02 Kayaba Ind Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP4781738B2 (ja) * 2005-07-13 2011-09-28 リンナイ株式会社 弁装置
JP2009054332A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Nok Corp 携帯型電子機器用密封構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014177138A (ja) 2014-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101381047B1 (ko) 랙구동형 동력 보조 조향장치
KR20100137170A (ko) 랙 구동식 전동 파워 스티어링 장치
JP5948540B2 (ja) パワーステアリング装置
KR20160087004A (ko) 자동차의 감속기
JP2016082621A (ja) 駆動装置、及び、電動パワーステアリング装置
KR20170040493A (ko) 랙구동형 동력 보조 조향장치
JP2017109654A (ja) ステアリング装置
US20190382047A1 (en) Power steering apparatus
JP2015000594A (ja) ステアリング装置
WO2007119876A1 (ja) 減速装置及びそれを備えた電動パワーステアリング装置
KR100897787B1 (ko) 전동식 파워 스티어링 장치의 웜축 유격보상장치
KR101472201B1 (ko) 랙구동형 동력 보조 조향 장치
JP2016203707A (ja) 駆動装置
JP2016159668A (ja) 車両用転舵装置
US20140260743A1 (en) Wheel driving apparatus
JP2008094381A (ja) 減速歯車機構及び電動パワーステアリング装置
KR101993295B1 (ko) 전동식 동력 보조 조향장치의 감속기
US20190106146A1 (en) Worm wheel of electric power steering apparatus
JP2015093512A (ja) ステアリング装置
KR20060101622A (ko) 전동식 파워 스티어링 장치의 감속기 유격보상구조
JP2006218896A (ja) 電動パワーステアリング装置用減速ギヤ
KR101421339B1 (ko) 자동차의 조향컬럼
JP6605982B2 (ja) パワーステアリング装置
KR20110104647A (ko) 전동식 동력조향장치의 댐핑장치
JP2010023561A (ja) 車両用操舵装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160405

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160516

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5948540

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250