JP5947057B2 - フィレットローラ欠損判定装置およびその方法 - Google Patents

フィレットローラ欠損判定装置およびその方法 Download PDF

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Description

本発明は、フィレットローラ欠損判定装置およびその方法に関し、特に、フィレットローラをワークに押し当ててフィレットロール加工を行なうフィレットロール加工装置におけるフィレットローラの欠損を判定するフィレットローラ欠損判定装置およびその方法に関する。
従来、この種のフィレットローラ欠損判定装置としては、ローリング加工中における潤滑油不足や異物噛み込みなどに起因するフィレットローラの剥離や破損などを検出するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この装置では、フィレットローラをワークに押し当てるための油圧駆動機構における押圧力の変化量を検出することでフィレットローラの剥離や破損を検知している。
特開平9−47960号公報
しかしながら、本発明者らが確認したところ、フィレットローラが欠損している場合と欠損していない場合とでは、押圧力の変化量に大きな差異は見られず、押圧力の変化量ではフィレットローラの欠損を適確に判定できない場合があることを見出した。
本発明のフィレットローラの欠損判定装置およびその方法は、簡易な制御でありながら、精度良くフィレットローラの欠損を判定することを目的とする。
上述の主目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、フィレットロール加工の際にワークに対してフィレットローラを押圧する押圧力の所定時間あたりの変化量をフィレットロール加工1サイクル分積算した値が、フィレットローラが欠損している場合と欠損していない場合とで大きな差異を生じることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のフィレットローラの欠損判定装置は、
フィレットローラをワークに押し当ててフィレットロール加工を行なうフィレットロール加工装置における前記フィレットローラの欠損を判定するフィレットローラ欠損判定装置であって、
前記ワークに対して前記フィレットローラを押圧する押圧手段と、
フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクルの間、所定時間毎に前記押圧手段による押圧力を検出する押圧力検出手段と、
前記所定時間あたりの前記押圧力の変化量を押圧力変化量として逐次算出する算出手段と、
算出された前記1サイクル分の前記押圧力変化量を押圧力変化量積算値として積算する積算手段と、
積算した前記押圧力変化量積算値を記憶する記憶手段と、
記憶された複数の前記押圧力変化量積算値に基づいて該押圧力変化量積算値の許容範囲としての積算値許容範囲を設定し、今回記憶した前記押圧力変化量積算値が前記積算値許容範囲内であれば前記フィレットローラは欠損していないと判定し、今回積算した前記押圧力変化量積算値が前記積算値許容範囲外であれば前記フィレットローラは欠損していると判定する判定手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のフィレットローラの欠損判定装置では、フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクルの間、ワークに対してフィレットローラを押圧する押圧力を所定時間毎に検出し、所定時間あたりの押圧力の変化量を逐次算出して、算出した1サイクル分の押圧力の変化量を押圧力変化量積算値として積算すると共に、積算した押圧力変化量積算値を記憶する。そして、記憶された複数の押圧力変化量積算値に基づいて当該押圧力変化量積算値の許容範囲としての積算値許容範囲を設定し、今回記憶した押圧力変化量積算値が積算値許容範囲内であればフィレットローラは欠損していないと判定し、今回積算した押圧力変化量積算値が積算値許容範囲外であればフィレットローラは欠損していると判定する
押圧力変化量積算値が許容範囲内であるか否かを判定するのみであるため、簡易な制御でありながら、精度良くフィレットローラに欠損が生じたか否かを判定することができる。
こうした本発明のフィレットローラの欠損判定装置において、
前記フィレットロール加工装置は、前記ワークの複数個所にフィレットロール加工を施すことが可能なように前記フィレットローラを支持するフィレットローラ支持部材が複数設けられてなり、前記押圧手段は、前記フィレットローラ支持部材を介して前記フィレットローラに押圧力を付与する手段であり、前記押圧力検出手段は、前記フィレットローラ支持部材毎に前記押圧力を検出可能な手段であるものとすることもできる。
こうすれば、フィレットローラ支持部材毎に押圧力変化量積算値を算出することができる。即ち、複数のフィレットローラ支持部材を有するフィレットロール加工装置においても、どのフィレットローラ支持部材のフィレットローラが欠損したのかを判定することができる。この結果、フィレットローラの交換を効率良く行うことができる。
また、本発明のフィレットローラの欠損判定装置において、
前記押圧力検出手段は、前記フィレットローラ支持部材毎に設けられてなるものとすることもできる。
こうすれば、簡易な構成でフフィレットローラ支持部材毎の押圧力を検出することができる。
また、発明のフィレットローラの欠損判定装置において、
前記判定手段は、前記記憶手段により記憶された最新所定個の前記押圧力変化量積算値の移動平均および標準偏差を算出し、該移動平均と該標準偏差とに基づいて前記積算値許容範囲を設定する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、品質管理図の考えた方の1つに基づいた許容範囲、即ち、管理限界線を設定することができる。この結果、フィレットローラの欠損判定を精度良く判定することができる。
押圧力変化量積算値が積算値許容範囲内か否かによってフィレットローラの欠損の有無を判定する態様の本発明のフィレットローラの欠損判定装置において、
前記算出手段により算出した前記押圧力変化量の中から最大値としての押圧力変化量最大値を抽出する抽出手段を備え、前記記憶手段は、抽出された前記押圧力変化量最大値を記憶する手段であり、前記判定手段は、記憶された複数の前記押圧力変化量最大値に基づいて該押圧力変化量最大値の許容範囲としての最大値許容範囲を設定し、今回記憶した前記押圧力変化量積算値が前記積算値許容範囲外であるとともに今回記憶した前記押圧力変化量最大値が前記最大値許容範囲外であるときに前記フィレットローラが欠損していると判定する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、押圧力変化量積算値と押圧力変化量最大値とを用いて、何れもが許容範囲外となったときだけフィレットローラが欠損していると判定するから、フィレットローラの欠損をより精度良く判定することができる。
こうした本発明のフィレットローラの欠損判定装置において、
前記判定手段は、前記記憶手段により記憶された最新所定個の前記押圧力変化量最大値の移動平均および標準偏差を演算し、該移動平均と該標準偏差とに基づいて前記最大値許容範囲を設定する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、品質管理図の考えた方の1つに基づいた許容範囲、即ち、管理限界線を設定することができる。この結果、フィレットローラの欠損判定を精度良く判定することができる。
本発明のフィレットローラの欠損判定装置において、
前記判定手段は、記憶した前記押圧力変化量積算値のうち今回積算された前記押圧力変化量積算値を含む最新所定個の前記押圧力変化量積算値の傾向に基づいて前記フィレットローラの欠損を判定する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、最新所定個の押圧力変化量積算値の傾向に基づいてフィレットローラの欠損を判定するだけだから判定を簡易なものとすることができる。
また、本発明の第2のフィレットローラの欠損判定装置は、
フィレットローラをワークに押し当ててフィレットロール加工を行なうフィレットロール加工装置における前記フィレットローラの欠損を判定するフィレットローラ欠損判定装置であって、
前記ワークに対して前記フィレットローラを押圧する押圧手段と、
フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクルの間、所定時間毎に前記押圧手段による押圧力を検出する押圧力検出手段と、
前記所定時間あたりの前記押圧力の変化量を押圧力変化量として逐次算出する算出手段と、
算出された前記1サイクル分の前記押圧力変化量を押圧力変化量積算値として積算する積算手段と、
積算した前記押圧力変化量積算値を記憶する記憶手段と、
記憶した前記押圧力変化量積算値のうち今回積算された前記押圧力変化量積算値を含む最新所定個の前記押圧力変化量積算値の傾向に基づいて前記フィレットローラの欠損を判定する判定手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2のフィレットローラの欠損判定装置では、フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクルの間、ワークに対してフィレットローラを押圧する押圧力を所定時間毎に検出し、所定時間あたりの押圧力の変化量を逐次算出して、算出した1サイクル分の押圧力の変化量を押圧力変化量積算値として積算すると共に、積算した押圧力変化量積算値を記憶する。そして、記憶した押圧力変化量積算値のうち今回積算された押圧力変化量積算値を含む最新所定個の押圧力変化量積算値の傾向に基づいてフィレットローラの欠損を判定する
最新所定個の押圧力変化量積算値の傾向に基づいてフィレットローラの欠損を判定するだけだから判定を簡易なものとすることができる。
こうした本発明の第2のフィレットローラの欠損判定装置において、
前記判定手段は、今回積算した前記押圧力変化量積算値と前回積算した前記押圧力変化量積算値とを比較し、該比較の結果、前記押圧力変化量積算値が所定回数連続して増加または前記押圧力変化量積算値が前記所定回数連続して減少した場合に前記フィレットローラは欠損していると判定する手段であるものとすることもできる。ここで、前記所定回数は、6回であるものとすることもできる。
こうすれば、品質管理図の考え方の1つを用いるだけだから判定を簡易なものとすることができる。
また、本発明の第2のフィレットローラの欠損判定装置において、
前記判定手段は、前記押圧力変化量積算値が積算される毎に最新所定個の前記押圧力変化量積算値の移動平均値を算出するとともに該移動平均値と今回積算した前記押圧力変化量積算値とを比較し、該比較の結果、今回積算した前記押圧力変化量積算値が前記移動平均値を上回る状態が第2所定回数連続した場合または前記比較の結果、今回積算した前記押圧力変化量積算値が前記移動平均値を下回る状態が前記第2所定回数連続した場合に前記フィレットローラは欠損していると判定する手段であるものとすることもできる。ここで、前記第2所定回数は、9回であるものとすることもできる。
こうすれば、品質管理図の考え方の1つを用いるだけだから判定を簡易なものとすることができる。
本発明のフィレットローラの欠損判定方法は、
フィレットローラをワークに押し当ててフィレットロール加工を行なうフィレットロール加工装置における前記フィレットローラの欠損を判定するフィレットローラ欠損判定方法であって、
(a)前記ワークに対して前記フィレットローラを押圧し、
(b)フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクルの間、所定時間毎に前記押圧手段による押圧力を検出し、
(c)前記所定時間あたりの前記押圧力の変化量を押圧力変化量として逐次算出し、
(d)算出された前記1サイクル分の前記押圧力変化量を押圧力変化量積算値として積算し、
(e)積算した前記押圧力変化量積算値を記憶し、
(f)記憶された複数の前記押圧力変化量積算値に基づいて該押圧力変化量積算値の許容範囲としての積算値許容範囲を設定し、今回記憶した前記押圧力変化量積算値が前記積算値許容範囲内であれば前記フィレットローラは欠損していないと判定し、今回積算した前記押圧力変化量積算値が前記積算値許容範囲外であれば前記フィレットローラは欠損していると判定する
ことを要旨とする。
この本発明のフィレットローラの欠損判定方法では、フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクルの間、ワークに対してフィレットローラを押圧する押圧力を所定時間毎に検出し、所定時間あたりの押圧力の変化量を逐次算出して、算出した1サイクル分の押圧力の変化量を押圧力変化量積算値として積算すると共に、積算した押圧力変化量積算値を記憶する。そして、記憶された複数の押圧力変化量積算値に基づいて当該押圧力変化量積算値の許容範囲としての積算値許容範囲を設定し、今回記憶した押圧力変化量積算値が積算値許容範囲内であればフィレットローラは欠損していないと判定し、今回積算した押圧力変化量積算値が積算値許容範囲外であればフィレットローラは欠損していると判定する。
押圧力変化量積算値が許容範囲内であるか否かを判定するのみであるため、簡易な制御でありながら、精度良くフィレットローラに欠損が生じたか否かを判定することができる。
本発明の第2のフィレットローラの欠損判定方法は、
フィレットローラをワークに押し当ててフィレットロール加工を行なうフィレットロール加工装置における前記フィレットローラの欠損を判定するフィレットローラ欠損判定方法であって、
(a)前記ワークに対して前記フィレットローラを押圧し、
(b)フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクルの間、所定時間毎に前記押圧手段による押圧力を検出し、
(c)前記所定時間あたりの前記押圧力の変化量を押圧力変化量として逐次算出し、
(d)算出された前記1サイクル分の前記押圧力変化量を押圧力変化量積算値として積算し、
(e)積算した前記押圧力変化量積算値を記憶し、
(f)記憶した前記押圧力変化量積算値のうち今回積算された前記押圧力変化量積算値を含む最新所定個の前記押圧力変化量積算値の傾向に基づいて前記フィレットローラの欠損を判定する。
ことを要旨とする。
この本発明の第2のフィレットローラの欠損判定方法では、最新所定個の押圧力変化量積算値の傾向に基づいてフィレットローラの欠損を判定するだけだから判定を簡易なものとすることができる。
本発明の一実施例であるフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1の構成の概略を示す構成図である。 フィレットロール加工装置30の構成の概略を示す構成図である。 フィレットロール加工装置30の要部を拡大して示す拡大図である。 フィレットローラ欠損判定装置10により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。 図4のフローチャートから分岐したフィレットローラ欠損判定処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施例のフィレットローラ欠損判定装置10により実行されるフィレットローラ欠損判定処理の一例を示すメインフローチャートである。 図6のメインフローチャートから分岐したサブフローチャートである。 フィレットロール加工装置30によってフィレットロール加工を行なった際の押圧力変化量積算値の加工サイクル毎の変化の一例を示す説明図である。 第3実施例のフィレットローラ欠損判定装置10により実行されるフィレットローラ欠損判定処理の一例を示すメインフローチャートである。 図9のメインフローチャートから分岐したサブフローチャートである。 フィレットロール加工装置30によってフィレットロール加工を行なった際の押圧力変化量積算値の加工サイクル毎の変化の一例を示す説明図である。 第4実施例のフィレットローラ欠損判定装置10により実行されるフィレットローラ欠損判定処理の一例を示すメインフローチャートである。 図12のメインフローチャートから分岐したサブフローチャートである。 図12のメインフローチャートから分岐したサブフローチャートである。 図14のフローチャートから分岐したサブフローチャートである。 各加工サイクル毎の押圧力変化量積算値ΔPjの推移の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1の構成の概略を示す構成図である。
実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えるフィレットロール加工システム1は、図示するように、ベース2と、ベース2上に取り付けられたレール2a上を移動可能に配置された駆動ヘッド4と、同じくレール2a上を移動可能に駆動ヘッド4に対向配置された従動ヘッド6と、レール2aに対してほぼ直交するようにベース2上に取り付けられたレール2b上を移動可能に配置されたフィレットロール加工装置30と、フィレットロール加工装置30におけるフィレットローラRの欠損の有無を判定する実施例のフィレットローラ欠損判定装置10と、システム全体をコントロールする電子制御ユニット50
とを備える。
駆動ヘッド4は、駆動ヘッドモータMと、駆動ヘッドモータMの回転軸に接続されるとともにワークとしてのクランクシャフトCSの一端を掴む駆動側チャック4aとを備えており、ベース2上に固定配置された駆動ヘッド用エアシリンダ14の作動によりレール2a上を往復動(図1中左右方向)する。
従動ヘッド6は、駆動ヘッド4の駆動側チャック4aと同心状であってクランクシャフトCSの他端を支持可能なセンタ6aを備えており、ベース2上に固定配置された従動ヘッド用エアシリンダ16の作動によりレール2a上を往復動(図1中左右方向)する。即ち、クランクシャフトCSは、一端側を駆動側チャック4aでチャックされ、他端側をセンタ6aにより支持されて、駆動ヘッドモータMの回転駆動によりクランクシャフトCSの図示しないジャーナル部Jを中心として回転する。
図2は、フィレットロール加工装置30の構成の概略を示す構成図である。
フィレットロール加工装置30は、図示するように、レール2b上を移動可能に配置されたテーブル32と、テーブル32上に固定配置された支持プレート34と、クランクシャフトCSの軸線と平行な支軸31によって支持プレート34に揺動可能に取り付けられた上部アーム36と、同じく支軸31によって支持プレート34に揺動可能に取り付けられた下部アーム38と、上部アーム36の一端側に取り付けられたロールカセット40と、ロールカセット40に対向するように下部アーム38の一端側に取り付けられたワークレスト42と、上部アーム36および下部アーム38の他端側に架橋的に接続された加圧シリンダ44とを備えており、加圧シリンダ44のロッド44aの伸縮作動により上部アーム36および下部アーム38の一端側が開閉する(支軸31を中心に揺動する)ように構成されている。
なお、フィレットロール加工装置30は、図1に示すように、クランクシャフトCSの加工部位であるジャーナル部Jおよびピン部Pごとに独立して支持プレート34,上部アーム36,下部アーム38,ロールカセット40,ワークレスト42および加圧シリンダ44をそれぞれ有している。また、フィレットロール加工装置30は、ベース2に固定配置されたテーブル用エアシリンダ18の作動によりテーブル32をレール2b上で往復動(図2中左右方向)することによって、クランクシャフトCSに接近したり遠ざかったりする。
図3は、フィレットロール加工装置30の要部を拡大して示す拡大図である。
ロールカセット40には、図2および図3に示すように、バックアップローラ40aを介して図示しないカセットハウジングに回転可能に保持されたフィレットローラRを備えており、クランクシャフトCSのジャーナル部Jのフィレット部fやピン部Pのフィレット部fを加圧加工する。また、各ロールカセット40毎のフィレットローラRによるフィレット部fの加圧加工における押圧力を保障するために、フィレットローラRの実際の押圧力を測定できるロードセル(歪ゲージ)86が各ロールカセット40に内蔵されている。図3では、ジャーナル部Jの両端のフィレット部f,fを加圧加工するために、ほぼハの字状の一対のフィレットローラR,Rが記載されているが、片側のフィレット部fだけを加圧加工する場合には、何れか一方のフィレットローラRがあれば良いのは言うまでもない。
ワークレスト42は、図2に示すように、クランクシャフトCSの周方向に沿って配置された一対のレストローラ42aを備えており、フィレットローラRによりクランクシャフトCSのジャーナル部Jのフィレット部fやピン部Pのフィレット部fをフィレットロール加工する際に、クランクシャフトCSのジャーナル部Jのフィレット部fを除く軸方向のほぼ全域やピン部Pのフィレット部fを除く軸方向のほぼ全域に接触してクランクシャフトCSの下部側を支持する。
フィレットローラ欠損判定装置10は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサを備え、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM76と、データを一時的に記憶するRAM74と、フィレットロール加工装置30の状態やフィレットローラRの欠損判定結果などを表示する図示しない表示器と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。フィレットローラ欠損判定装置10には、例えば、各ロールカセット40毎のフィレットローラRによる実際の押圧力を測定する複数のロードセル86からの押圧力P、駆動ヘッドモータMに供給される電力を検出する電力計82からの電力などが入力ポートを介して入力されている。フィレットローラ欠損判定装置10は、後述する電子制御ユニット50と通信しており、必要に応じて各ロードセル86からの押圧力Pに関するデータや駆動ヘッドモータMに供給される電力に関するデータを電子制御ユニット50に出力する。
電子制御ユニット50は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、操作パネル(図示せず)で設定された指示を受けて、フィレットロール加工装置30の動作制御や駆動ヘッドモータMへの電力量,駆動ヘッド用エアシリンダ14や従動ヘッド用エアシリンダ16,テーブル用エアシリンダ18へのエア供給の切替えを行う切替弁84の駆動制御などシステム全体の運転制御を行う。
次に、こうして構成された実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えるフィレットロール加工システム1の動作、特に、フィレットローラ欠損判定装置10によるフィレットローラRの欠損の有無を判定する際の動作について説明する。
図4は、フィレットローラ欠損判定装置10により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。このルーチンは、フィレットロール加工の開始指示がなされたときに実行される。
メイン処理が実行されると、フィレットローラ欠損判定装置10のCPU72は、図5に例示するフィレットローラ欠損判定処理を実行する(ステップS10)。このフィレットローラ欠損判定処理は、各ロードセル86からの押圧力Pの入力に基づき各ローラカセット40毎にフィレットローラRが欠損しているか否かの判定を実行する処理である。フィレットローラ欠損判定処理についての詳細は後述する。続いて、各カセットローラ40毎のフィレットローラRについてのフィレットローラ欠損判定処理の結果から、何れかのカセットローラ40のフィレットローラRに欠損が生じている否かを判定する(ステップS20)。欠損がある場合には、フィレットローラRに欠損が生じていることの情報およびどのカセットローラ40におけるフィレットローラRが欠損しているかの情報を図示しない表示装置に表示して(ステップS30)、本処理を終了する。ステップS20において何れのカセットローラ40のフィレットローラRにも欠損が生じていないと判定された場合には何もせずに、本処理を終了する。
[フィレットローラ欠損判定処理]
フィレットローラ欠損判定処理が実行されると、図5に示すように、フィレットローラ欠損判定装置10のCPU72は、先ず、後述する押圧力変化量最大値ΔPmaxの値をリセット、即ち、値0にセットするとともに(ステップS100)、ロードセル86からの押圧力Pを入力する(ステップS102)。そして、入力した押圧力Pから押圧力変化量ΔPiを計算するとともに、計算した押圧力変化量ΔPiをRAM74の所定領域に設定された押圧力変化量用バッファに格納する(ステップS104)。押圧力変化量ΔPiは、実施例では、今回読み込んだ押圧力Pnから前回読み込んだ押圧力Pn−1を減じて絶対値を算出するものとした。
次に、算出した押圧力変化量ΔPiと押圧力変化量最大値ΔPmaxとを比較する(ステップS106)。この分岐に入ってくるのが初回の場合には、押圧力変化量最大値ΔPmaxは値0に設定されているので、算出した押圧力変化量ΔPiを押圧力変化量最大値ΔPmaxとしてRAM74の所定領域に設定された押圧力変化量最大値一時保管用バッファに格納するとともに(ステップS108)、押圧力測定時間Tmが経過したか否かの判定を行なう(ステップS110)。一方、この分岐に入ってくるのが2回目以降の場合には、算出した押圧力変化量ΔPiと押圧力変化量最大値一時保管用バッファに格納された押圧力変化量最大値ΔPmaxとを比較して(ステップS106)、算出した押圧力変化量ΔPiが押圧力変化量最大値一時保管用バッファに格納された押圧力変化量最大値ΔPmaxよりも大きければ押圧力変化量ΔPiを押圧力変化量最大値ΔPmaxに置き換えるとともに(ステップS108)、押圧力測定時間Tmが経過したか否かの判定を行う(ステップS110)。また、算出した押圧力変化量ΔPiが押圧力変化量最大値ΔPmax以下であれば何もせずに押圧力測定時間Tmが経過した否かの判定を行う(ステップS110)。ここで、押圧力測定時間Tmは、実施例では、1回のフィレットロール加工に要する時間に設定するものとし、フィレットロール加工の開始指示がなされてから図示しないタイマにより計時されるものとした。
押圧力測定時間Tmが経過していないときには、押圧力測定時間Tmが経過するまでステップS102〜ステップS110までの処理を繰り返し実行する。押圧力測定時間Tmが経過すると、押圧力変化量最大値一時保管用バッファに格納されている押圧力変化量最大値ΔPmaxを今回のフィレットロール加工における押圧力変化量最大値ΔPmaxjとしてRAM74の所定領域に設定された押圧力変化量最大値用バッファに格納する(ステップS112)。
続いて、今回のフィレットロール加工における押圧力変化量積算値ΔPjを計算するとともに、計算した押圧力変化量積算値ΔPjをRAM74の所定領域に設定された押圧力変化量積算値用バッファに格納する(ステップS114)。そして、今回、押圧力変化量最大値用バッファおよび押圧力変化量積算値用バッファに格納された押圧力変化量最大値ΔPmaxjおよび押圧力変化量積算値ΔPjを含む、今回までに押圧力変化量最大値用バッファおよび押圧力変化量積算値用バッファに格納された直近20ケの押圧力変化量最大値ΔPmaxj−19〜ΔPmaxjおよび押圧力変化量積算値ΔPj−19〜ΔPjを用いて、今回のフィレットロール加工における押圧力変化量最大値の移動平均値ΔPmaxjmavおよび押圧力変化量積算値の移動平均値ΔPjmavと、今回のフィレットロール加工における押圧力変化量最大値の標準偏差σmjおよび押圧力変化量積算値の標準偏差σsjとを算出する(ステップS116)。ここで、各移動平均値ΔPmaxjmavやΔPjmavおよび各標準偏差σmjやσsjは、周知の移動平均値算出方法および標準偏差算出方法により求めることができる。
実施例では、移動平均値ΔPmaxjmavは、前回に求めた移動平均値ΔPmax(j−1)mavに、今回求めた押圧力変化量最大値ΔPmaxjを値20で除したものを加え、一番古い、即ち21ケ前に押圧力変化量最大値用バッファに格納した押圧力変化量最大値ΔPmax(j−20)を値20で除したものを差し引くことにより求めるものとした。また、標準偏差σmjは、今回求めた押圧力変化量最大値ΔPmaxjを含む過去20ケの押圧力変化量最大値ΔPmax(j−19)〜ΔPmaxjのそれぞれと今回求めた移動平均値ΔPmaxjmavとの差の総和を求め、二乗平均平方根をとるものとした。
こうして求めた移動平均値ΔPmaxjmav,ΔPjmavおよび標準偏差σmj,σsjから押圧力変化量最大値ΔPmaxjおよび押圧力変化量積算値ΔPjの許容範囲を設定する(ステップS118)。押圧力変化量最大値ΔPmaxjおよび押圧力変化量積算値ΔPjの許容範囲は、実施例では、各移動平均値ΔPmaxjmav,ΔPjmavに、各標準偏差σmj,σsjに定数3を乗じたものを加減算することにより設定するものとし、それぞれΔPmaxjmav±3σmjおよびΔPjmav±3σsjとした。
そして、今回求めた押圧力変化量最大値ΔPmaxjと押圧力変化量積算値ΔPjが許容範囲ΔPmaxjmav±3σmjおよびΔPjmav±3σsjの範囲内であるか否かを判定し(ステップS120)、今回求めた押圧力変化量最大値ΔPmaxjと押圧力変化量積算値ΔPjとの何れか一方でも許容範囲ΔPmaxjmav±3σmjおよびΔPjmav±3σsjの範囲内であればフィレットローラRには欠損は生じていない、即ち、正常であるとして、何もせずに本処理を終了する。
一方、今回求めた押圧力変化量最大値ΔPmaxjと押圧力変化量積算値ΔPjとの何れもが許容範囲ΔPmaxjmav±3σmjおよびΔPjmav±3σsjの範囲外であったときにはフィレットローラRに欠損が生じていると判断して、フィレットローラRに「欠損が生じている」ことの情報と、その発生個所、即ち、欠損が生じているカセットローラ40を特定できる情報を出力して(ステップS122)、本処理を終了する。
以上説明した第1実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1によれば、逐次算出した所定時間あたりの押圧力変化量ΔPiを用いて今回のフィレットロール加工における押圧力変化量積算値ΔPjおよび押圧力変化量最大値ΔPmaxjを算出し、算出した押圧力変化量積算値ΔPjと押圧力変化量最大値ΔPmaxjとを含む押圧力変化量積算値用バッファおよび押圧力変化量最大値用バッファに格納された直近20ケの押圧力変化量積算値ΔPj−19〜ΔPjおよび押圧力変化量最大値ΔPmaxj−19〜ΔPmaxjを用いて許容範囲ΔPjmav±3σsjおよびΔPmaxjmav±3σmjを設定して、押圧力変化量積算値ΔPjおよび押圧力変化量最大値ΔPmaxjが許容範囲ΔPjmav±3σsjおよびΔPmaxjmav±3σmjの範囲内であるか否かによってフィレットローラRが欠損しているか否かを判定するから、従来のように、所定時間毎に許容範囲を設定する必要がない。即ち、1回のフィレットロール加工を通して押圧力変化量積算値ΔPjと押圧力変化量最大値ΔPmaxjとが許容範囲内であるか否かを判定するだけで良いから、フィレットローラRの欠損判定を簡易な制御とすることができる。しかも、押圧力変化量積算値ΔPjおよび押圧力変化量最大値ΔPmaxjは、フィレットローラRの欠損に対する指標のうち感度が高いものの一つであることから、精度良くフィレットローラRの欠損を判定することができる。
また、第1実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1によれば、各カセットローラ40毎に設置したロードセル86からの押圧力Pの入力に基づき各ローラカセット40毎にフィレットローラRが欠損しているか否かの判定をするから、どのカセットローラ40のフィレットローラRに欠損が生じたのかを検出できる。この結果、フィレットローラRの交換を効率良く行なうことができる。しかも、押圧力Pの測定は、各ロールカセット40毎のフィレットローラRによるフィレット部fの加圧加工における押圧力を保障するために設けたロードセル86を用いるから、部品点数が増加することもない。
また、第1実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1によれば、今回のフィレットロール加工における押圧力変化量積算値ΔPjおよび押圧力変化量最大値ΔPmaxjを含む直近20ケの押圧力変化量積算値ΔPj−19〜ΔPjおよび押圧力変化量最大値ΔPmaxj−19〜ΔPmaxjを用いて許容範囲ΔPjmav±3σsjおよびΔPmaxjmav±3σmjを設定するから、フィレットローラRの欠損判定をより精度良く判定することができる。
第1実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1では、押圧力変化量積算値ΔPjおよび押圧力変化量最大値ΔPmaxjを算出し、算出した押圧力変化量積算値ΔPjおよび押圧力変化量最大値ΔPmaxjが、許容範囲ΔPjmav±3σsjおよびΔPmaxjmav±3σmjの範囲内であるか否かによってフィレットローラRが欠損しているか否かを判定するものとしたが、押圧力変化量積算値ΔPjのみを算出し、算出した押圧力変化量積算値ΔPjが許容範囲ΔPjmav±3σsjの範囲内であるか否かのみによってフィレットローラRが欠損しているか否かを判定するものとしても差し支えない。
第1実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1では、各移動平均値ΔPmaxjmav,ΔPjmavに、各標準偏差σmj,σsjに定数3を乗じたものを加減算することにより許容範囲ΔPjmav±3σsjおよびΔPmaxjmav±3σmjを設定するものとしたが、各標準偏差σmj,σsjに乗じる定数は3に限られることはなく、2や4など如何なる値であっても構わない。また、例えば、許容範囲をΔPjmav±3σsjおよびΔPmaxjmav±4σmjなどとするなど各標準偏差σmj,σsjに乗じる値を互いに異なるものとしても構わない。
次に、第2実施例のフィレットローラ欠損判定装置を備えたフィレットロール加工システムについて説明する。
第2実施例のフィレットローラ欠損判定装置を備えたフィレットロール加工システムは、フィレットローラ欠損判定装置10における処理が異なる点を除いて第1実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1と同一の構成をしている。従って、第2実施例のフィレットローラ欠損判定装置を備えたフィレットロール加工システムでは、図1〜図3に例示する実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1の構成を用いて第1実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1とは異なる処理の部分、即ち、フィレットローラ欠損判定処理について説明する。
[フィレットローラ欠損判定処理]
図6は、第2実施例のフィレットローラ欠損判定装置10により実行されるフィレットローラ欠損判定処理の一例を示すメインフローチャートであり、図7は、図6のメインフローチャートから分岐したサブフローチャートである。このルーチンは、フィレットロール加工の開始指示がなされたときに実行される。
フィレットローラ欠損判定処理が実行されると、フィレットローラ欠損判定装置10のCPU72は、まず、ロードセル86からの押圧力Pを入力し(ステップS200)、入力した押圧力Pから押圧力変化量ΔPiを計算するとともに、計算した押圧力変化量ΔPiをRAM74の所定領域に設定された押圧力変化量用バッファに格納する処理を実行する(ステップS202)。そして、押圧力測定時間Tmが経過したか否か、即ち、1回(1サイクル)のフィレットロール加工が終了したか否かの判定を行う(ステップS204)。ここで、押圧力変化量ΔPiは、実施例では、今回読み込んだ押圧力値Pnから前回読み込んだ押圧力値Pn−1を減じて絶対値を算出するものとした。また、押圧力測定時間Tmは、実施例では、1回のフィレットロール加工に要する時間に設定するものとし、フィレットロール加工の開始指示がなされてから図示しないタイマにより計時されるものとした。
押圧力測定時間Tmが経過していないときには、押圧力測定時間Tmが経過するまでステップS200〜ステップS204までの処理を繰り返し実行する。ここで、ステップS200〜S202の処理は、実施例では、12msec毎に実行されるものとした。押圧力測定時間Tmが経過、即ち、1サイクルのフィレットロール加工が終了すると、押圧力変化量用バッファに格納されている押圧力変化量ΔPiを積算することにより今回のフィレットロール加工における押圧力変化量積算値ΔPjを計算するとともに、計算した押圧力変化量積算値ΔPjをRAM74の所定領域に設定された押圧力変化量積算値用バッファに格納する(ステップS206)。
そして、今回、押圧力変化量積算値用バッファに格納した押圧力変化量積算値ΔPjと、前回、押圧力変化量積算値用バッファに格納した押圧力変化量積算値ΔPj−1とを比較する(ステップS208)。この比較において、今回に押圧力変化量積算値用バッファに格納した押圧力変化量積算値ΔPjの方が、前回に押圧力変化量積算値用バッファに格納した押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きければ、連続増加フラグf1の値を調べ(ステップS210)、連続増加フラグf1が値1であれば欠損判定カウンタC1を値1だけインクリメントする(ステップS212)。ここで、連続増加フラグf1は、押圧力変化量積算値ΔPjが押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きい状態が連続しているか否かを判定するためのフラグであり、押圧力変化量積算値ΔPjと押圧力変化量積算値ΔPj−1との比較において、押圧力変化量積算値ΔPjが押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きいと判断され続ける限りは値1が設定され、押圧力変化量積算値ΔPjが押圧力変化量積算値ΔPj−1以下となったとき、即ち、押圧力変化量積算値ΔPjが押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きい状態が連続しなくなったとき、或いは、後述する本ルーチンのステップS216においてフィレットローラRに欠損が生じていると判定されたときに値0にリセットされる。また、欠損判定カウンタC1は、フィレットローラRが欠損したか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜5までを順に値1ずつインクリメントされ、フィレットローラRが欠損していると判定されたときに値0にリセットされる。
一方、ステップS210において、連続増加フラグf1が値1でないと判定されたときは、連続増加フラグf1を値1にセットするとともに(ステップS220)、連続減少フラグf2の値を調べ(ステップS222)、連続減少フラグf2が値0であれば欠損判定カウンタC1を値1だけインクリメントする(ステップS212)。連続減少フラグf2が値0でないときには、連続減少フラグf2および欠損判定第2カウンタC2をそれぞれ値0にリセットするとともに(ステップS224)、欠損判定カウンタC1を値1だけインクリメントする(ステップS212)。ここで、連続減少フラグf2は、押圧力変化量積算値ΔPjが押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも小さい状態が連続しているか否かを判定するためのフラグであり、押圧力変化量積算値ΔPjと押圧力変化量積算値ΔPj−1との比較において、押圧力変化量積算値ΔPjが押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも小さいと判断され続ける限りは値1が設定され、押圧力変化量積算値ΔPjが押圧力変化量積算値ΔPj−1以上となったとき、即ち、押圧力変化量積算値ΔPjが押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも小さい状態が連続しなくなったとき、或いは、ステップS216においてフィレットローラRに欠損が生じていると判定されたときに値0にリセットされる。また、欠損判定第2カウンタC2は、フィレットローラRに欠損が生じているか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では欠損判定カウンタC1と同様、0〜5までを順に値1ずつインクリメントされ、フィレットローラRに欠損が生じていると判定されたときに値0にリセットされる。
また、ステップS208において、押圧力変化量積算値ΔPjが押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも小さければ、図7に示すように、連続減少フラグf2の値を調べ(ステップS226)、連続減少フラグf2が値1であれば欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントする(ステップS228)。一方、ステップS226において、連続減少フラグf2が値1でないと判定されたときは、連続減少フラグf2を値1にセットするとともに(ステップS230)、連続増加フラグf1の値を調べ(ステップS232)、連続増加フラグf1が値0であれば欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントする(ステップS228)。連続増加フラグf1が値0でないときには、連続増加フラグf1および欠損判定カウンタC1をそれぞれ値0にリセットするとともに(ステップS236)、欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントする(ステップS228)。
こうして欠損判定カウンタC1や欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントしたら(ステップS214,S228)、続いて欠損判定カウンタC1または欠損判定第2カウンタC2が値5以上であるか否かを判定し(ステップS214)、欠損判定カウンタC1または欠損判定第2カウンタC2の何れか一方でも値5以上であると判定されたとき、即ち、今回の押圧力変化量積算値ΔPjと前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1との比較において5回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きいと判定されたとき、または、今回の押圧力変化量積算値ΔPjと前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1との比較において5回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも小さいと判定されたときに、フィレットローラRに欠損が生じているものとして、フィレットローラRに「欠損が生じている」ことの情報と、その発生個所、即ち、欠損が生じているカセットローラ40を特定できる情報を出力するとともに(ステップS216)、全てのカウンタC1,C2および全てのフラグf1,f2を値0にリセットして(ステップS218)、本処理を終了する。
図8は、フィレットロール加工装置30によってフィレットロール加工を行なった際の押圧力変化量積算値の加工サイクル毎の変化の一例を示す説明図である。
今回の押圧力変化量積算値ΔPjと前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1との比較において5回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きい(または小さい)と判定されたときとは、実施例では、図8に示すように、最初に今回の押圧力変化量積算値ΔPjが前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きいと判断されたときの前回の加工サイクル数a1における押圧力変化量積算値ΔPj−1を第1点目として、第6点目である加工サイクル数a6まで連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きい(または小さい)と判断されたときを意味するものとした。
一方、ステップS214において、欠損判定カウンタC1や欠損判定カウンタC2の何れもが値5未満、即ち、今回の押圧力変化量積算値ΔPjと前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1との比較において、今回の押圧力変化量積算値ΔPjが前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きいまたは小さいとの判定が5回連続しなかったときには、何もせずに本処理を終了する。
なお、ステップS208において、押圧力変化量積算値ΔPjと押圧力変化量積算値ΔPj−1とが同値であると判定されたときには、全てのカウンタC1,C2および全てのフラグf1,f2を値0にリセットして(ステップS218)、本処理を終了する。
以上説明した第2実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1によれば、フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクル分の押圧力変化量ΔPiを押圧力変化量積算値ΔPjとして積算し、今回の押圧力変化量積算値ΔPjとして記憶するとともに、今回記憶した押圧力変化量積算値ΔPjと前回記憶した押圧力変化量積算値ΔPj−1とを比較して、5回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjの方が前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きい(増加)または小さい(減少)と判定したときに、フィレットローラRに欠損が生じているものと判断するだけだから、フィレットローラRの欠損の有無を簡易な制御で判定することができる。しかも、押圧力変化量積算値ΔPjは、フィレットローラRの欠損を判断する指標の中でも感度が高いものの一つであることから、精度良くフィレットローラRの欠損を判定することができる。
また、第2実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1においても、第1実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1と同様、どのカセットローラ40のフィレットローラRに欠損が生じたのかを検出できるから、フィレットローラRの交換を効率良く行うことができる。しかも、押圧力Pの測定は、各ロールカセット40毎のフィレットローラRによるフィレット部fの加圧加工における押圧力を保障するために設けたロードセル86を用いるから、部品点数が増加することもない。
第2実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1では、5回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きいと判定されたときとは、図8に示すように、最初に今回の押圧力変化量積算値ΔPjが前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きい(または小さい)と判断されたときの前回の加工サイクル数a1における押圧力変化量積算値ΔPj−1を第1点目として、第6点目である加工サイクル数a6まで連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きい(または小さい)と判断されたときを意味するものとしたが、最初に今回の押圧力変化量積算値ΔPjが前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きいと判断されたときの今回の加工サイクル数における押圧力変化量積算値ΔPj−1を第1点目として、第7点目である加工サイクル数まで連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きい(または小さい)と判断されたときを意味するものとしても構わない。
次に、第3実施例のフィレットローラ欠損判定装置を備えたフィレットロール加工システムについて説明する。
第3実施例のフィレットローラ欠損判定装置を備えたフィレットロール加工システムは、フィレットローラ欠損判定装置10における処理が異なる点を除いて第1,2実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1と同一の構成をしている。従って、第3実施例のフィレットローラ欠損判定装置を備えたフィレットロール加工システムでは、図1〜図3に例示する第1,2実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1の構成を用いて第1,2実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1とは異なる処理の部分、特に、第2実施例のフィレットローラ欠損判定装置10により実行されるフィレットローラ欠損判定処理とは異なる処理の部分について説明する。
[フィレットローラ欠損判定処理]
図9は、第3実施例のフィレットローラ欠損判定装置10により実行されるフィレットローラ欠損判定処理の一例を示すメインフローチャートであり、図10は、図9のメインフローチャートから分岐したサブフローチャートである。このルーチンは、フィレットロール加工の開始指示がなされてときに実行される。
フィレットローラ欠損判定処理が実行されると、フィレットローラ欠損判定装置10のCPU72は、まず、図6のフィレットローラ欠損判定処理のステップS200〜S206の処理と同様に、押圧力値Pを入力し(ステップS300)、入力した押圧力Pから押圧力変化量ΔPiを計算するとともに、計算した押圧力変化量ΔPiを押圧力変化量用バッファに格納し(ステップS302)、押圧力測定時間Tmが経過したか否かの判定を行なって(ステップS304)、押圧力測定時間Tmが経過していないときには、押圧力測定時間Tmが経過するまでステップS300〜S304までの処理を繰り返し実行する。ここで、押圧力変化量ΔPiの算出は、第2実施例と同様、今回読み込んだ押圧力値Pnから前回読み込んだ押圧力値Pn−1を減じて絶対値を算出するものとし、押圧力測定時間Tmについても、第2実施例と同様、1回のフィレットロール加工に要する時間に設定するものとし、フィレットロール加工の開始指示がなされてから図示しないタイマにより計時するものとした。
そして、押圧力測定時間Tmが経過したときに、今回のフィレットロール加工における押圧力変化量積算値ΔPjを計算するとともに、計算した押圧力変化量積算値ΔPjを押圧力変化量積算値用バッファに格納する(ステップS306)。次に、今回、押圧力変化量積算値用バッファに格納した押圧力変化量積算値ΔPjを含む、押圧力変化量積算値用バッファに格納された直近の20ケの押圧力変化量積算値ΔPj−19〜ΔPjを用いて、今回のフィレットロール加工における押圧力変化量積算値ΔPjの移動平均値ΔPmavjを算出するとともに、RAM76の所定領域に設定された移動平均値用バッファに格納する(ステップS308)。ここで、押圧力変化量積算値ΔPjを含む直近20ケの押圧力変化量積算値ΔPj−19〜ΔPjの移動平均値ΔPmavjは、第1実施例と同様の算出方法により求めることができる。
算出した移動平均値ΔPmavjを移動平均値用バッファに格納すると、今回格納した押圧力変化量積算値ΔPjと、今回求めた移動平均値ΔPmavjとを比較する(ステップS310)。この比較において、今回、押圧力変化量積算値用バッファに格納した押圧力変化量積算値ΔPjの方が、今回求めた移動平均値ΔPmavjよりも大きければ、連続増加フラグf1の値を調べ(ステップS312)、連続増加フラグf1が値1であれば欠損判定カウンタC1を値1だけインクリメントする(ステップS314)。ここで、連続増加フラグf1は、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きい状態が連続しているか否かを判定するためのフラグであり、押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとの比較において、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きいと判断され続ける限りは値1が設定され、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavj以下となったとき、即ち、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きい状態が連続しなくなったとき、或いは、後述する本ルーチンのステップS318において、フィレットローラRに欠損が生じていると判定されたときに値0にリセットされる。また、欠損判定カウンタC1は、フィレットローラRに欠損が生じているか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜9までを順に値1ずつインクリメントされ、フィレットローラRに欠損が生じていると判定されたときに値0にリセットされる。
一方、ステップS312において、連続増加フラグf1が値1でないと判定されたときは、連続増加フラグf1を値1にセットするとともに(ステップS322)、連続減少フラグf2の値を調べ(ステップS324)、連続減少フラグf2が値0であれば欠損判定カウンタC1を値1だけインクリメントする(ステップS314)。連続減少フラグf2が値0でないときには、連続減少フラグf2および欠損判定第2カウンタC2をそれぞれ値0にリセットするとともに(ステップS326)、欠損判定カウンタC1を値1だけインクリメントする(ステップS314)。ここで、連続減少フラグf2は、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも小さい状態が連続しているか否かを判定するためのフラグであり、押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとの比較において、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも小さいと判断され続ける限りは値1が設定され、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavj以上となったとき、即ち、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも小さい状態が連続しなくなったとき、或いは、ステップS318において、フィレットローラRに欠損が生じていると判定されたときに値0にリセットされる。また、欠損判定第2カウンタC2は、フィレットローラRに欠損が生じているか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では欠損判定カウンタC1と同様、0〜9までを順に値1ずつインクリメントされ、フィレットローラRに欠損が生じていると判定されたときに値0にリセットされる。
また、ステップS310において、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも小さければ、図10に示すように、連続減少フラグf2の値を調べ(ステップS330)、連続減少フラグf2が値1であれば欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントする(ステップS332)。一方、ステップS330において、連続減少フラグf2が値1でないと判定されたときは、連続減少フラグf2を値1にセットするとともに(ステップS334)、連続増加フラグf1の値を調べ(ステップS336)、連続増加フラグf1が値0であれば欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントする(ステップS332)。連続増加フラグf1が値0でないときには、連続増加フラグf1および欠損判定カウンタC1をそれぞれ値0にリセットするとともに(ステップS338)、欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントする(ステップS332)。
こうして欠損判定カウンタC1や欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントしたら(ステップS314,S332)、続いて欠損判定カウンタC1または欠損判定第2カウンタC2が値9以上であるか否かを判定し(ステップS316)、欠損判定カウンタC1または欠損判定第2カウンタC2の何れか一方でも値9以上であると判定されたとき(ステップS316)、即ち、今回の押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとの比較において9回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きいと判定されたとき、または今回の押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとの比較において9回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも小さいと判定されたときに、フィレットローラRに欠損が生じているものとして、フィレットローラRに「欠損が生じている」ことの情報と、その発生個所、即ち、欠損が生じているカセットローラ40を特定できる情報を出力するとともに(ステップS318)、全てのカウンタC1,C2および全てのフラグf1,f2を値0にリセットして(ステップS320)、本処理を終了する。
図11は、フィレットロール加工装置30によってフィレットロール加工を行なった際の押圧力変化量積算値の加工サイクル毎の変化の一例を示す説明図である。
今回の押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとの比較において9回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きい(または小さい)と判定されたときとは、実施例では、図11に示すように、最初に今回の押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きい(または小さい)と判断されたときの今回の加工サイクル数a1における押圧力変化量積算値ΔPjを第1点目として、第9点目である加工サイクル数a9まで連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きい(または小さい)と判断されたときを意味するものとした。
一方、ステップS316において、欠損判定カウンタC1や欠損判定カウンタC2の何れもが値9未満、即ち、今回の押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとの比較において、今回の押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きいまたは小さいとの判定が9回連続しなかったときには、何もせずに本処理を終了する。
なお、ステップS310において、押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとが同値であると判定されたときには、全てのカウンタC1,C2および全てのフラグf1,f2を値0にリセットして(ステップS320)、本処理を終了する。
以上説明した第3実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1によれば、フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクル分の押圧力変化量ΔPiを電力変化量積算値ΔPjとして積算するとともに、今回積算した電力変化量積算値ΔPjを含む、直近の20ケの押圧力変化量積算値ΔPj−19〜ΔPjの移動平均値ΔPmavjを算出し、今回積算した押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとを比較して、9回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjの方が移動平均値ΔPmavjよりも大きい(増加)または小さい(減少)と判定したときに、フィレットローラRに欠損が生じているものと判断するだけだから、フィレットローラRの欠損の有無を簡易な制御で判定することができる。しかも、押圧力変化量積算値ΔPjは、フィレットローラRの欠損を判断する指標の中でも感度が高いものの一つであることから、精度良くフィレットローラRの欠損を判定することができる。
また、第3実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1においても、第1,2実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1と同様、どのカセットローラ40のフィレットローラRに欠損が生じたのかを検出できるから、フィレットローラRの交換を効率良く行うことができる。しかも、押圧力Pの測定は、各ロールカセット40毎のフィレットローラRによるフィレット部fの加圧加工における押圧力を保障するために設けたロードセル86を用いるから、部品点数が増加することもない。
次に、第4実施例のフィレットローラ欠損判定装置を備えたフィレットロール加工システムについて説明する。
第4実施例のフィレットローラ欠損判定装置を備えたフィレットロール加工システムは、フィレットローラ欠損判定装置10における処理が異なる点を除いて第1〜3実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1と同一の構成をしている。従って、第4実施例のフィレットローラ欠損判定装置を備えたフィレットロール加工システムでは、図1〜図3に例示する第1〜3実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1の構成を用いて第1〜3実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1とは異なる処理の部分、特に、第2,3実施例のフィレットローラ欠損判定装置10により実行されるフィレットローラ欠損判定処理とは異なる処理の部分について説明する。
[フィレットローラ欠損判定処理]
第4実施例のフィレットローラ欠損判定装置10では、図6および図7のフィレットローラ欠損判定処理に代えて図12〜図15のフィレットローラ欠損判定処理が実行される。この処理では、図6のフィレットローラ欠損判定処理のステップS214において、欠損判定カウンタC1および欠損判定第2カウンタC2の値が何れも5未満であった場合に、何もせずに処理を終了していたのに代えて図14および図15の処理を実行する点を除いて図6および図7のフィレットローラ欠損判定処理と同一である。
ここで、図14および図15の処理は、図9および図10のフィレットローラ欠損判定処理と同一のものである。即ち、第4実施例のフィレットローラ欠損判定装置10では、今回記憶した押圧力変化量積算値ΔPjと前回記憶した押圧力変化量積算値ΔPj−1とを比較して(ステップS414)、5回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjの方が前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きい(増加)または小さい(減少)と判定されなかったときには、今回積算した押圧力変化量積算値ΔPjと今回積算した押圧力変化量積算値ΔPjを含む直近の20ケのV変化量積算値ΔPj−19〜ΔPjの移動平均値ΔPmavjとを比較して(ステップS448)、9回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjの方が移動平均値ΔPmavjよりも大きい(増加)または小さい(減少)と判定したときに、フィレットローラRに欠損が生じているものと判断する(ステップS416)。
以下、異なる処理を中心に第4実施例のフィレットローラ欠損判定装置10が実行するフィレットローラ欠損判定処理について説明する。
フィレットローラ欠損判定処理が実行されると、フィレットローラ欠損判定装置10のCPU72は、図12のフィレットローラ欠損判定処理のステップS400〜S414の処理を実行する。即ち、押圧力Pを入力し(ステップS400)、入力した押圧力Pから押圧力変化量ΔPiを計算するとともに、計算した押圧力変化量ΔPiを押圧力変化量用バッファに格納し(ステップS402)、押圧力測定時間Tmが経過したか否かの判定を行なって(ステップS404)、押圧力測定時間Tmが経過していないときには、押圧力測定時間Tmが経過するまでステップS400〜S404までの処理を繰り返し実行し、押圧力測定時間Tmが経過したときに、今回のフィレットロール加工における押圧力変化量積算値ΔPjを計算するとともに、計算した押圧力変化量積算値ΔPjを押圧力変化量積算値用バッファに格納する(ステップS406)。
そして、今回、押圧力変化量積算値用バッファに格納した押圧力変化量積算値ΔPjと、前回、押圧力変化量積算値用バッファに格納した押圧力変化量積算値ΔPj−1とを比較し(ステップS408)、今回、押圧力変化量積算値用バッファに格納した押圧力変化量積算値ΔPjの方が前回、押圧力変化量積算値用バッファに格納した押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きければ、連続増加フラグf1の値を調べ(ステップS410)、連続増加フラグf1が値1であれば欠損判定カウンタC1を値1だけインクリメントする(ステップS412)。一方、ステップS410において、連続増加フラグf1が値1でないと判定されたときは、連続増加フラグf1を値1にセットするとともに(ステップS420)、連続減少フラグf2の値を調べ(ステップS422)、連続減少フラグf2が値0であれば欠損判定カウンタC1を値1だけインクリメントする(ステップS412)。連続減少フラグf2が値0でないときには、連続減少フラグf2および欠損判定第2カウンタC2をそれぞれ値0にリセットするとともに(ステップS424)、欠損判定カウンタC1を値1だけインクリメントする(ステップS412)。
一方、ステップS408において、押圧力変化量積算値ΔPjが押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも小さければ、図13に示すように、連続減少フラグf2の値を調べ(ステップS426)、連続減少フラグf2が値1であれば欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントし(ステップS428)、ステップS426において連続減少フラグf2が値1でないと判定されたときは、連続減少フラグf2を値1にセットするとともに(ステップS432)、連続増加フラグf1の値を調べ(ステップS432)、連続増加フラグf1が値0であれば欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントする(ステップS436)。ステップS432において、連続増加フラグf1が値0でないときには、連続増加フラグf1および欠損判定カウンタC1をそれぞれ値0にリセットするとともに(ステップS436)、欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントする(ステップS428)。
こうして欠損判定カウンタC1や欠損判定第2カウンタC2を値1だけインクリメントしたら、続いて欠損判定カウンタC1または欠損判定第2カウンタC2が値5以上であるか否かを判定し(ステップS414)、欠損判定カウンタC1または欠損判定第2カウンタC2の何れか一方でも値5以上であると判定されたときに、フィレットローラRに欠損が生じているものとして、フィレットローラRに「欠損が生じている」ことの情報と、その発生個所、即ち、欠損が生じているカセットローラ40を特定できる情報を出力するとともに(ステップS416)、カウンタC1,C2およびフラグf1,f2を値0にリセットして(ステップS418)、本処理を終了する。
一方、ステップS414において、欠損判定カウンタC1や欠損判定カウンタC2の何れもが値5未満のときには、図14に示すように、今回、押圧力変化量積算値用バッファに格納した押圧力変化量積算値ΔPjを含む、押圧力変化量積算値用バッファに格納された直近の20ケの押圧力変化量積算値ΔPj−19〜ΔPjを用いて、今回のフィレットロール加工における押圧力変化量積算値ΔPjの移動平均値ΔPmavjを算出し(ステップS440)、今回格納した押圧力変化量積算値ΔPjと今回求めた移動平均値ΔPmavjとを比較して(ステップS442)、今回格納した押圧力変化量積算値ΔPjの方が今回求めた移動平均値ΔPmavjよりも大きければ、連続増加フラグf3の値を調べ(ステップS444)、連続増加フラグf3が値1であれば欠損判定第3カウンタC3を値1だけインクリメントする(ステップS446)。ここで、連続増加フラグf3は、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きい状態が連続しているか否かを判定するためのフラグであり、押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとの比較において、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きいと判断され続ける限りは値1が設定され、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavj以下となったとき、即ち、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きい状態が連続しなくなったとき、或いは、後述するステップS450において、フィレットローラRに欠損が生じていると判定されたときに値0にリセットされる。また、欠損判定第3カウンタC3は、フィレットローラRに欠損が生じているか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜9までを順に値1ずつインクリメントされ、フィレットローラRに欠損が生じていると判定されたときに値0にリセットされる。
一方、ステップS444において連続増加フラグf3が値1でないと判定されたときは、連続増加フラグf3を値1にセットするとともに(ステップS454)、連続減少フラグf4の値を調べ(ステップS456)、連続減少フラグf4が値0であれば欠損判定第3カウンタC3を値1だけインクリメントする(ステップS446)。連続減少フラグf4が値0でないときには、連続減少フラグf4および欠損判定第4カウンタC4をそれぞれ値0にリセットするとともに(ステップS458)、欠損判定第3カウンタC3を値1だけインクリメントする(ステップS446)。ここで、連続減少フラグf4は、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも小さい状態が連続しているか否かを判定するためのフラグであり、押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとの比較において、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも小さいと判断され続ける限りは値1が設定され、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavj以上となったとき、即ち、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも小さい状態が連続しなくなったとき、或いは、後述するステップS450において、フィレットローラRに欠損が生じていると判定されたときに値0にリセットされる。また、欠損判定第4カウンタC4は、フィレットローラRに欠損が生じているか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では欠損判定第3カウンタC3と同様、0〜9までを順に値1ずつインクリメントされ、フィレットローラRに欠損が生じていると判定されたときに値0にリセットされる。
一方、ステップS442において、押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも小さければ、図15に示すように、連続減少フラグf4の値を調べ(ステップS360)、連続減少フラグf4が値1であれば欠損判定第4カウンタC4を値1だけインクリメントする(ステップS462)。一方、ステップS460において、連続減少フラグf4が値1でないと判定されたときは、連続減少フラグf4を値1にセットするとともに(ステップS464)、連続増加フラグf3の値を調べ(ステップS466)、連続増加フラグf3が値0であれば欠損判定第4カウンタC4を値1だけインクリメントする(ステップS462)。連続増加フラグf3が値0でないときには、連続増加フラグf3および欠損判定第3カウンタC3をそれぞれ値0にリセットするとともに(ステップS468)、欠損判定第4カウンタC4を値1だけインクリメントする(ステップS462)。
こうして欠損判定第3カウンタC3や欠損判定第4カウンタC4を値1だけインクリメントしたら、続いて欠損判定第3カウンタC3または欠損判定第4カウンタC4が値9以上であるか否かを判定し(ステップS448)、欠損判定第3カウンタC3または欠損判定第4カウンタC4の何れか一方でも値9以上であると判定されたとき、即ち、今回の押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとの比較において9回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きい、或いは小さいと判定されたときに、フィレットローラRに欠損が生じているものとして、フィレットローラRに「欠損が生じている」ことの情報と、その発生個所、即ち、欠損が生じているカセットローラ40を特定できる情報を出力するとともに(ステップS450)、全てのカウンタC1,C2,C3,C4および全てのフラグf1,f2,f3,f4を値0にリセットして(ステップS452)、本処理を終了する。
一方、ステップS448において、欠損判定カウンタC3や欠損判定カウンタC4の何れもが値9未満、即ち、今回の押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとの比較において、今回の押圧力変化量積算値ΔPjが移動平均値ΔPmavjよりも大きいまたは小さいとの判定が9回連続しなかったときには、何もせずに本処理を終了する。
以上説明した第4実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1によれば、フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクル分の押圧力変化量ΔPiを押圧力変化量積算値ΔPjとして積算し、今回の押圧力変化量積算値ΔPjとして記憶するとともに、今回記憶した押圧力変化量積算値ΔPjと前回記憶した押圧力変化量積算値ΔPj−1とを比較して、5回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjの方が前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きい(増加)または小さい(減少)と判定したときには、フィレットローラRに欠損が生じているものと判断し、今回の押圧力変化量積値ΔPjの方が前回の押圧力変化量積算値ΔPj−1よりも大きい(増加)または小さい(減少)との判定が5回連続しないときには、今回の押圧力変化量積算値ΔPjを含む直近の20ケの押圧力変化量積算値ΔPj−19〜ΔPjの移動平均値ΔPmavjを算出するとともに、今回の押圧力変化量積算値ΔPjと移動平均値ΔPmavjとを比較して、9回連続して今回の押圧力変化量積算値ΔPjの方が移動平均値ΔPmavjよりも大きい(増加)または小さい(減少)と判定したときに、フィレットローラRに欠損が生じているものと判断するから、フィレットローラRの欠損の有無を簡易な制御でより確実に判定することができる。
各実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1では、品質管理図の考え方に基づいてフィレットローラに欠損が生じたか否かを判定するものとしたが、各加工サイクル毎の押圧力変化量積算値ΔPjを図示しない表示器に表示して、表示された押圧力変化量積算値ΔPjの傾向から作業者がフィレットローラに欠損が生じたか否かを判断するものとしても構わない。
図16は、各加工サイクル毎の押圧力変化量積算値ΔPjの推移の一例を示す説明図である。
フィレットローラに欠損が生ずると、押圧力変化量積算値ΔPjは、図16に示すように、急激な変化となって表れる(図中における破線領域rc)。従って、作業者が図示しない表示器に表示された押圧力変化量積算値ΔPjの推移を、例えば、加工終了毎に確認することにより、フィレットローラに欠損が生じたか否かを確認することができる。フィレットローラに欠損が生じた際に、こうした急激な変化が生じるのは、各加工サイクル毎の押圧力変化量積算値ΔPjだけであり、例えば、各加工サイクル毎の押圧力最大値や、各加工サイクル毎の押圧力最大変化量、各加工サイクル毎の単なる押圧力の積算値などでは、こうした急激な変化は見られない。
各実施例のフィレットローラ欠損判定装置10を備えたフィレットロール加工システム1では、システム全体の運転制御を行なう電子制御ユニット50とは別にフィレットローラ欠損判定装置10を設けるものとしたが、フィレットローラ欠損判定装置10は設けず電子制御ユニット50がフィレットローラRの欠損を判定するものとしても構わない。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
1 フィレットロール加工システム
2 ベース
2a,2b レール
4 駆動ヘッド
4a 駆動側チャック
6 従動ヘッド
6a センタ
10 フィレットローラ欠損判定装置
14 駆動ヘッド用エアシリンダ
16 従動ヘッド用エアシリンダ
18 テーブル用エアシリンダ
30 フィレットロール加工装置
31 支軸
32 テーブル
34 支持プレート
36 上部アーム
38 下部アーム
40 ロールカセット
40a バックアップローラ
42 ワークレスト
44 加圧シリンダ
44a ロッド
50 電子制御ユニット
72 CPU
74 RAM
76 ROM
82 電力計
84 切替弁
86 ロードセル
CS クランクシャフト
M 駆動ヘッドモータ
R フィレットローラ
J ジャーナル部
f フィレット部
P ピン部

Claims (14)

  1. フィレットローラをワークに押し当ててフィレットロール加工を行なうフィレットロール加工装置における前記フィレットローラの欠損を判定するフィレットローラ欠損判定装置であって、
    前記ワークに対して前記フィレットローラを押圧する押圧手段と、
    フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクルの間、所定時間毎に前記押圧手段による押圧力を検出する押圧力検出手段と、
    前記所定時間あたりの前記押圧力の変化量を押圧力変化量として逐次算出する算出手段と、
    算出された前記1サイクル分の前記押圧力変化量を押圧力変化量積算値として積算する積算手段と、
    積算した前記押圧力変化量積算値を記憶する記憶手段と、
    記憶された複数の前記押圧力変化量積算値に基づいて該押圧力変化量積算値の許容範囲としての積算値許容範囲を設定し、今回記憶した前記押圧力変化量積算値が前記積算値許容範囲内であれば前記フィレットローラは欠損していないと判定し、今回積算した前記押圧力変化量積算値が前記積算値許容範囲外であれば前記フィレットローラは欠損していると判定する判定手段と、
    を備えるフィレットローラ欠損判定装置。
  2. 前記フィレットロール加工装置は、前記ワークの複数個所にフィレットロール加工を施すことが可能なように前記フィレットローラを支持するフィレットローラ支持部材が複数設けられてなり、
    前記押圧手段は、前記フィレットローラ支持部材を介して前記フィレットローラに押圧力を付与する手段であり、
    前記押圧力検出手段は、前記フィレットローラ支持部材毎に前記押圧力を検出可能な手段である請求項1記載のフィレットローラ欠損判定装置。
  3. 前記押圧力検出手段は、前記フィレットローラ支持部材毎に設けられてなる請求項2記載のフィレットローラ欠損判定装置。
  4. 前記判定手段は、前記記憶手段により記憶された最新所定個の前記押圧力変化量積算値の移動平均および標準偏差を算出し、該移動平均と該標準偏差とに基づいて前記積算値許容範囲を設定する手段である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフィレットローラ欠損判定装置。
  5. 前記算出手段により算出した前記押圧力変化量の中から最大値としての押圧力変化量最大値を抽出する抽出手段を備え、
    前記記憶手段は、抽出された前記押圧力変化量最大値を記憶する手段であり、
    前記判定手段は、記憶された複数の前記押圧力変化量最大値に基づいて該押圧力変化量最大値の許容範囲としての最大値許容範囲を設定し、今回記憶した前記押圧力変化量積算値が前記積算値許容範囲外であるとともに今回記憶した前記押圧力変化量最大値が前記最大値許容範囲外であるときに前記フィレットローラが欠損していると判定する手段である
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載のフィレットローラ欠損判定装置。
  6. 前記判定手段は、前記記憶手段により記憶された最新所定個の前記押圧力変化量最大値の移動平均および標準偏差を演算し、該移動平均と該標準偏差とに基づいて前記最大値許容範囲を設定する手段である請求項記載のフィレットローラ欠損判定装置。
  7. 前記判定手段は、記憶した前記押圧力変化量積算値のうち今回積算された前記押圧力変化量積算値を含む最新所定個の前記押圧力変化量積算値の傾向に基づいて前記フィレットローラの欠損を判定する手段である
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載のフィレットローラ欠損判定装置。
  8. フィレットローラをワークに押し当ててフィレットロール加工を行なうフィレットロール加工装置における前記フィレットローラの欠損を判定するフィレットローラ欠損判定装置であって、
    前記ワークに対して前記フィレットローラを押圧する押圧手段と、
    フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクルの間、所定時間毎に前記押圧手段による押圧力を検出する押圧力検出手段と、
    前記所定時間あたりの前記押圧力の変化量を押圧力変化量として逐次算出する算出手段と、
    算出された前記1サイクル分の前記押圧力変化量を押圧力変化量積算値として積算する積算手段と、
    積算した前記押圧力変化量積算値を記憶する記憶手段と、
    記憶した前記押圧力変化量積算値のうち今回積算された前記押圧力変化量積算値を含む最新所定個の前記押圧力変化量積算値の傾向に基づいて前記フィレットローラの欠損を判定する判定手段と、
    を備えるフィレットローラ欠損判定装置。
  9. 前記判定手段は、今回積算した前記押圧力変化量積算値と前回積算した前記押圧力変化量積算値とを比較し、該比較の結果、前記押圧力変化量積算値が所定回数連続して増加または前記押圧力変化量積算値が前記所定回数連続して減少した場合に前記フィレットローラは欠損していると判定する手段である
    請求項8記載のフィレットローラ欠損判定装置。
  10. 前記所定回数は、6回である請求項9記載のフィレットローラ欠損判定装置。
  11. 前記判定手段は、前記押圧力変化量積算値が積算される毎に最新所定個の前記押圧力変化量積算値の移動平均値を算出するとともに該移動平均値と今回積算した前記押圧力変化量積算値とを比較し、該比較の結果、今回積算した前記押圧力変化量積算値が前記移動平均値を上回る状態が第2所定回数連続した場合または前記比較の結果、今回積算した前記押圧力変化量積算値が前記移動平均値を下回る状態が前記第2所定回数連続した場合に前記フィレットローラは欠損していると判定する手段である
    請求項8ないし10のいずか1項に記載のフィレットローラ欠損判定装置。
  12. 前記第2所定回数は、9回である請求項11記載のフィレットローラの欠損判定装置。
  13. フィレットローラをワークに押し当ててフィレットロール加工を行なうフィレットロール加工装置における前記フィレットローラの欠損を判定するフィレットローラ欠損判定方法であって、
    (a)前記ワークに対して前記フィレットローラを押圧し、
    (b)フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクルの間、所定時間毎に前記押圧手段による押圧力を検出し、
    (c)前記所定時間あたりの前記押圧力の変化量を押圧力変化量として逐次算出し、
    (d)算出された前記1サイクル分の前記押圧力変化量を押圧力変化量積算値として積算し、
    (e)積算した前記押圧力変化量積算値を記憶し、
    (f)記憶された複数の前記押圧力変化量積算値に基づいて該押圧力変化量積算値の許容範囲としての積算値許容範囲を設定し、今回記憶した前記押圧力変化量積算値が前記積算値許容範囲内であれば前記フィレットローラは欠損していないと判定し、今回積算した前記押圧力変化量積算値が前記積算値許容範囲外であれば前記フィレットローラは欠損していると判定する
    フィレットローラ欠損判定方法。
  14. フィレットローラをワークに押し当ててフィレットロール加工を行なうフィレットロール加工装置における前記フィレットローラの欠損を判定するフィレットローラ欠損判定方法であって、
    (a)前記ワークに対して前記フィレットローラを押圧し、
    (b)フィレットロール加工が開始されてから終了するまでの1サイクルの間、所定時間毎に前記押圧手段による押圧力を検出し、
    (c)前記所定時間あたりの前記押圧力の変化量を押圧力変化量として逐次算出し、
    (d)算出された前記1サイクル分の前記押圧力変化量を押圧力変化量積算値として積算し、
    (e)積算した前記押圧力変化量積算値を記憶し、
    (f)記憶した前記押圧力変化量積算値のうち今回積算された前記押圧力変化量積算値を含む最新所定個の前記押圧力変化量積算値の傾向に基づいて前記フィレットローラの欠損を判定する
    フィレットローラ欠損判定方法。
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