JP5944574B2 - 電力創出制御システム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電力創出制御システム及び方法に関し、例えば電力取引システムに適用して好適なものである。
デマンドレスポンスは、卸市場価格の高騰時又は系統信頼性の低下時において、電気料金の変更又は報酬の支払いにより、需要家が電力の使用を一時的に抑制するよう電力消費パターンを変化させることを意味する。米国などの電力取引市場では、発電所で発電された電力のみならず、デマンドレスポンスによって創出されるネガワットと呼ばれる電力も取引されている。
また近年では、小規模の需要家のネガワットをまとめ、電力会社や系統運用機関と取引するアグリゲータと呼ばれる業者が登場している。今後、再生エネルギーによる発電力の拡大により、電力需要バランスの不安定化や電力価格のボラティリティの拡大が懸念されており、その意味でもアグリゲータがまとめるネガワットの有効活用が期待されている。
通常、アグリゲータは、ネガワットを創出するため、需要家や需要家を束ねる他のアグリゲータとデマンドレスポンスプログラムと呼ばれる契約を締結する。需要家がDRプログラムへの参加登録を完了したことを以って、アグリゲータがこれら需要家の設備を、ネガワットを創出するためのリソースとして利用することが可能となる。
米国特許第7333880号明細書
ところで、通常、需要家の建物の状況や、地域、需要家が所有する設備の機種及び設置条件などによって、ネガワットの創出量や、ネガワットが創出されるまでの時間的な応答性、並びに、ネガワットの創出(消費電力量の削減)により生活に影響が出るまでの時間的な応答性が異なる。
一方で、電力市場における電力の買い手の要求は様々であり、上述のような種々の特性を有する各需要家の設備をどのように利用して買い手の要求に合致したネガワットを創出するかという検討は非常に時間を有する煩雑な作業となる。
従って、電力市場における様々な要求に応じたネガワットを短時間にかつ容易に創出し、電力市場に提供することができれば、再生エネルギーによる発電力の拡大に伴う電力需要バランスの不安定化や電力価格のボラティリティの拡大を抑制し得るものと考えられる。
また、例えば風力発電や太陽光発電などは天候への依存性が高く、どの程度の電力を発電できるかを正確には予想できない。この場合において、風力発電や太陽光発電などにより発電された再生エネルギーの電力量が予想以上に多いときに、その状態を放置しておくことは、種々の障害の原因ともなり得る。
従って、再生エネルギーの電力量が予想以上に多い場合に、例えば需要家の消費電力量を増加させるなどして、その余剰分の電力量を引き取るような電力商品を電力市場に提供できれば、再生エネルギーによる発電力の拡大に伴う電力需要バランスの不安定化や電力価格のボラティリティの拡大をより一層と抑制し得るものと考えられる。
しかしながら、再生エネルギーの発電量は予測困難であり、上述のような電力商品を電力市場に提供するに際しても、時々刻々と変化する余剰分の電力量に応じた電力商品を迅速に提供できるような工夫が必要となる。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、電力需要バランスの不安定化や電力価格のボラティリティの拡大を抑制し得る電力創出制御システム及び方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、アグリゲータと契約した各需要家のリソースの稼働を制御することにより電力を創出する電力創出制御システムにおいて、前記リソースの消費電力量を減少することによりネガワットを創出し、又は、前記リソースの消費電力量を減少することによりポジワットを創出する際の前記リソースの特性に関する情報、並びに、前記アグリゲータ及び対応する前記需要家との契約内容に関する情報が記述された、前記リソースごとのプロファイルと、消費電力量を低減又は増加させるための前記リソースの制御内容が記述された電力取引の形態ごとの制御シナリオと、を記憶する記憶デバイスと、各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、取引対象の電力商品の条件を満たす前記ネガワット又は前記ポジワットを創出できるように組み合せた複数の前記リソースからなるリソースグループを生成するリソースグループ生成部と、当該電力商品の取引形態に応じた前記制御シナリオを選択する制御シナリオ選択部と、前記リソースグループ生成部により生成された前記リソースグループを構成する各前記リソースを、前記制御シナリオ選択部により選択された前記制御シナリオに従って制御する制御部とを設け、前記電力商品の条件は、少なくとも当該電力商品の電力量でなる量と、前記電力商品を販売する時間帯の開始時刻と、当該開始時刻から電力量が当該量に到達するまでの時間でなるランプピリオドとを含み、前記プロファイルには、実際に消費電力量が低減又は増加し始めてから消費電力の低減量又は増加量が目標値に到達するまでの時間でなるランプピリオドが記述され、前記リソースグループ生成部は、各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、前記リソースグループを生成するようにした。
また本発明においては、アグリゲータと契約した各需要家のリソースの稼働を制御することにより電力を創出する電力創出制御システムにおいて実行される電力創出制御方法であって、前記電力創出制御システムは、前記リソースの消費電力量を減少させることによりネガワットを創出し、又は、前記リソースの消費電力量を増加させることによりポジワットを創出する際の前記リソースの特性に関する情報、並びに、前記アグリゲータ及び対応する前記需要家との契約内容に関する情報が記述された、前記リソースごとのプロファイルと、消費電力量を低減又は増加させるための前記リソースの制御内容が記述された電力取引の形態ごとの制御シナリオと、を記憶する記憶デバイスを有し、前記電力創出制御システムが、各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、取引対象の電力商品の条件を満たす前記ネガワット又は前記ポジワットを創出できるように組み合わせた複数の前記リソースからなるリソースグループを生成すると共に、当該電力商品の取引形態に応じた前記制御シナリオを選択する第1のステップと、前記電力創出制御システムが、生成した前記リソースグループを構成する各前記リソースを、選択した前記制御シナリオに従って制御する第2のステップとを設け、前記電力商品の条件は、少なくとも前記電力商品の電力量でなる量と、前記電力商品を販売する時間帯の開始時刻と、当該開始時刻から電力量が当該量に到達するまでの時間でなるランプピリオドとを含み、前記プロファイルには、実際に消費電力量が低減又は増加し始めてから消費電力の低減量又は増加量が目標値に到達するまでの時間でなるランプピリオドが記述され、前記第1のステップにおいて、前記電力創出制御システムは、各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、前記リソースグループを生成するようにした。
本発明によれば、電力市場における様々な要求に応じたネガワット又は前記ポジワットを短時間にかつ容易に創出して電力市場に提供することができ、かくして電力需要バランスの不安定化や電力価格のボラティリティの拡大を抑制し得る電力創出制御システム及び方法を実現できる。
本実施の形態による電力取引システムの全体構成を示すブロック図である。 HP給湯システム及びCHPシステムの構成を簡略的に示す簡略図である。 リソース管理装置の構成を示すブロック図である。 EMS統括装置の構成を示すブロック図である。 電力小売装置の構成を示すブロック図である。 配電管理装置の構成を示すブロック図である。 電力中央指令装置の構成を示すブロック図である。 電力市場装置の構成を示すブロック図である。 EMSの構成を示すブロック図である。 リソースプロファイルの構成を示す概念図である。 制御シナリオの構成例を示すプログラムリストである。 電力商品プロファイルの構成を示す概念図である。 電力商品プロファイルの説明に供する概念図である。 ネガワット創出制御に関するリソース管理装置及びEMS統括装置の機能構成を示すブロック図である。 リソースグループ生成処理の処理手順を示すフローチャートである。 リソースグループ生成処理の処理手順を示すフローチャートである。 アグリゲータ及び中給事業者間のネガワットの取引の流れを示すタグチャートである。 アグリゲータ及び電力小売業者間のネガワットの取引の流れを示すタグチャートである。 アグリゲータ及び配電管理業者間のネガワットの取引の流れを示すタグチャートである。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)電力取引の概要
まず、以下の説明に必要な背景知識である電力取引市場について説明する。
電力取引市場(以下、これを市場と呼ぶ)は、電力の需要と供給をマッチする場である。翌日受け渡す電気を取引するスポット市場、翌日よりも後に受け渡す電気を取引する先物市場や先渡し市場、当日受け渡す電気を取引するインバランス市場などがある。
市場においては、1日に受け渡される電気を、例えば30分ごとの時間(以下、これをコマと呼ぶ)に区分して、48コマのそれぞれについて取引を行う。市場参加者は、1又は複数のコマに対して価格と量とを指定し、電力の売り又は買いの入札を行う。売り又は買いの入札は、ザラバ方式や板寄せ方式によりマッチされて約定する。約定することにより、反対売買が行われない限り、電力の売り手は受渡し期間中に約定した量の電気を供給し、電力の買い手は約定した量に約定した価格を掛けた代金を売り手に払う義務が生じる。
市場で約定する価格(以下、これを電力価格と呼ぶ)は、電力の需要及び供給の状況により時々刻々と変動する。通常は、平日昼間の時間帯が高く、休日や夜間は安い。また冷房や暖房の需要の大きな真夏や真冬は電力価格が高くなる。発電に必要な石油や石炭や天然ガスの値段が高騰した場合も電力価格は高くなる。発電所の急なメンテナンスや事故などの場合にも電力価格は高くなる。また風力発電や太陽光発電の割合が大きい場合、風の強さや天候の予測に応じて電力価格が動く。
このような電力価格の変動に対処するために、デマンドレスポンスにより創出されるネガワットが注目されている。一例として、ある需要家が長期契約で電力を購入しているとし、ある日、強烈な寒波により翌日の需要急増が予測されて、翌日受渡しの電力価格が暴騰したとする。このとき長期契約を締結している需要家は契約価格で電力を購入できるが、例えばエアコンに代えて石油ストーブを使用することで契約している電力量(以下、これを契約電気量と呼ぶ)よりも電力消費量を低く抑えることができる。このようにして得られた契約電気量と電力消費量との差分であるネガワットは市場において高値で売却することができ、これにより需要家が大きな利益を得ることができる。このような需要家が増えることで、需給バランスが改善され、電力価格の上昇をある程度抑えることができる。
また別の例として、給湯タンク付きヒートポンプ温水システム(以下、これをHP給湯システムと呼ぶ)を持つ需要家がいるとする。HP給湯システムは蓄熱機能を持つため、利便性を損なうことなく、ある程度の稼働時間の調整が可能である。通常は、電力価格の安い夜間にHP給湯システムを稼働し、昼間の給湯の需要に備えている。例えば、ある日、翌日の昼間の強風が予想されて翌日の昼間に受け渡しの電力価格が暴落したとする。このとき需要家は、その日の夜間のHP給湯システムの稼働を抑制し(抑制した分の電力を売却し)、電力価格が暴落している翌日の昼間の時間帯にHP給湯システムを稼働させる(稼働させる分の電力を購入する)ことで、より安く電力を調達することができる。また更に、翌日の夜間の稼働分の電力を、翌日の昼間に調達することもできる。また逆に、発電所の急なメンテナンスなどにより、翌日の昼間の電力価格が暴騰した場合は、稼働時間の調整により、高い電力で調達することを避けることができる。
まとめると、元々HP給湯システムを稼働させるはずであった時間帯の電力価格が他の時間帯の電力価格よりも高い場合、元々の稼働させるはずだった時間帯の稼働を抑制し、電力価格が安い時間帯に稼働させることで、電力の調達を有利にすることができる。ここで、抑制の時間帯と稼働の時間帯とはどちらが先であっても良い。このような、市場メカニズムに基づくネガワットの売買が活発化することにより、結果的に市場価格の安定化が実現できると考えられる。
一般的には、需要家が直接市場とやり取りするのではなく、需要家をまとめるアグリゲータが、日々の電力価格に応じて上述のような売買を行い、需要家の電気機器を直接的に、又は、(需要家に連絡して)間接的に制御する。アグリゲータは自ら利益を得ると共に、需要家には報酬を支払う。
このようなネガワットの売買を適切に実現するためには、アグリゲータは買い手側の様々な要求に応じた形態のネガワットを創出できるようにすることが重要である。そこで、本発明では、買い手側の様々な要求に応じた形態のネガワットを創出するための制御方式を提案する。以下、このような本発明を適用した電力取引システムの詳細について説明する。
(2)本実施の形態による電力取引システムの構成
図1において、1は全体として本実施の形態による電力取引システムを示す。この電力取引システム1は、アグリゲータ2が所有するリソース管理装置3及びEMS(Energy Management System)統括装置4と、電力小売業者5が所有する電力小売装置6と、配電管理業者7が所有する配電管理装置8と、中給事業者(TSO:Transmission system operator)9が所有する電力中央指令装置10と、電力市場会社11が保有する電力市場装置12とがネットワークNWを介して相互に接続され、電力中央指令装置10が発電事業者13の発電装置14に接続されて構成されている。
ここで、発電事業者13は、発電を行う事業者であり、中給事業者9は、発電事業者13の発電装置14により発電された電力の送電を行う事業者である。アグリゲータ2及び電力小売業者5は、電力市場において電力の買い入札を行い、購入した電力を契約需要家に提供する事業者であり、配電管理業者7は、配電線(以下、電線と呼ぶ)の保守管理を行う事業者である。
アグリゲータ2、電力小売業者5及び配電管理業者7及び中給事業者9は、それぞれ自己が所有するリソース管理装置3、電力小売装置6、配電管理装置8又は電力中央指令装置10を用いて電力市場装置12にアクセスし、電力市場装置12が提供する電力市場において電力商品の売り入札や買い入札を行う。例えば、電力中央指令装置10は、発電事業者13により発電される電力を電力市場において売り入札する一方、中給事業者9が所有する送電網の電圧を監視し、需要増加等により当該送電網の電圧が既定値よりも低くなった場合には、電力市場に対して買い入札を行う。
電力市場装置12は、リソース管理装置3、電力小売装置6、配電管理装置8又は電力中央指令装置10を介して行われた電力商品の売り入札及び買い入札をコマごとにマッチングし、電力取引を約定させる。また電力市場装置12は、かかる約定の内容を約定データとして対応するリソース管理装置3、電力小売装置6、配電管理装置8及び又は電力中央指令装置10に送信する。そして電力中央指令装置10は、かかる約定データに従って発電装置14を制御することにより、約定に従った量の電力を発電させる。
発電装置14により発電された電気は、超高圧(基準電圧77kV)の超高圧系統15に送電される。そして、超高圧系統15に送電された電気は、変電所16において高圧(基準電圧6.6kV)に降圧されて高圧系統17に送電され、さらに柱上変圧器18により低圧(基準電圧200V)に降圧されて低圧配電線19に送電される。なお、基準電圧6.6kVの電気は、工業用需要家20A及びマンション用需要家20Bに送電されて消費され、基準電圧200Vの電気は、低圧発電線21を介して商業用需要家20C及び家庭用需要家20Dに送電されて消費される。この際、工業用需要家20A、マンション用需要家20B、商業用需要家20C及び家庭用需要家20D(以下、適宜、これらをまとめて需要家20と呼ぶ)における消費電気量(受電量)は、各需要家20側にそれぞれ設置された電気メータ22A〜22Dにより計量される。
各需要家20側では、その需要家20側に設置された熱源機23A〜23DがEMS24A〜24Dにより制御される。なお、以下においては、需要家20A,20B側にはHP給湯システムが設置され、需要家20C,20D側には給湯タンク付き熱電併合システム(以下、これをCHP(Combined Heat and Pump)システムと呼ぶ)が設置されているものとする。従って、需要家20側に設置された熱源機23A,23Bはヒートポンプであり、需要家20C,20D側に設置された熱源機23C,23DはCHPである。
ヒートポンプは、EMS22A,22Bの制御に従って稼働を開始又は停止しながら、供給される電気により熱を発生させて水道水を加熱する。そして、この加熱により得られた温水が給湯タンク25A,25Bに蓄えられる。同様に、CHPは、EMS22C,22Dの制御に従って稼働を開始若しくは停止しながら、図示しないガス事業者から供給されるガスにより電気と熱を同時に発生させる。そしてこのとき発生された電気が電気機器に供給されると共に、このとき発生された熱により水道水が加熱され、この加熱により得られた温水が給湯タンク25Dに蓄えられる。
なお需要家20側に設置されるHP給湯システムやCHPシステムの概略構成を図2に示す。HP給湯システム/CHPシステム30は、EMS24A〜24D、熱源機23A〜23D及び給湯タンク25A〜25Dから構成される。
上述のように、熱源機23A〜23Dにより水道水を加熱することにより得られた温水は給湯タンク25A〜25Dに蓄えられる。そして、この給湯タンク25A〜25Dに蓄えられた温水は、台所や洗面所の蛇口31やシャワー設備32に供給されて生活用水として利用されるほか、床暖房設備33に供給されて床暖房の熱源としても利用される。
またEMS24A〜24Dは、給湯タンク25A〜25Dに設けられた温度センサ34のセンサ出力や、給湯タンクに設けられた水温・水位センサ(図示せず)のセンサ出力を常時監視し、必要に応じて熱源機23A〜23Dを稼働又は稼働停止させることにより、給湯タンク25A〜25D内に常に一定温度の温水が一定量蓄えられているように、その需要家20のHP給湯システム/CHPシステム30全体を制御する。
一方、アグリゲータ2は、EMS統括装置4によりデマンドレスポンスプログラムの参加登録を行った各需要家20のEMS22A〜22Dを必要に応じて制御し、熱源機23A〜23Dの稼働率や床暖房設備33に供給される温水の流量を調整するバルブをステッピングモータ等で操作して流量を低減させたり、熱源機23の稼働を停止させることにより、その需要家20の消費電力量を低減させてネガワットを創出することができる。EMS24A〜24DはHEMSと呼ばれる装置であり、特に本実施形態ではコントローラ(制御器)の機能を備えている。熱原機23A〜23Dが内部に稼動状態を制御するコントローラ(制御器)を備えていて、EMS24A〜24Dが熱源機内のコントローラ(制御器)に対して制御目標値を指示するようにして制御を実現しても良いことは言うまでもない。
そして、アグリゲータ2は、このようにして創出されるネガワットを電力商品として電力市場に売り入札し、又は、電力小売業者5や中給事業者9などからの買い入札に応札して、かかるネガワットを電力商品として販売する。
またアグリゲータ2は、EMS統括装置4によりデマンドレスポンスプログラムの参加登録を行った各需要家20のEMS22A〜22Dを必要に応じて制御し、熱源機23A〜23Dの稼働率や床暖房設備33に供給される温水の流量を増加させたり、停止している熱源機23の稼働を開始させることにより、その需要家20の消費電力量を増加させることができる。
そしてアグリゲータ2は、例えば発電事業者13が有する風力発電機などにより予想以上に多くの電力が発電されたときに、中給事業者9に対して上述のようにして意図的に創出した消費電力(以下、これをポジワットと呼ぶ)を、電力商品として販売する。
図3は、リソース管理装置3の具体的な構成例を示す。このリソース管理装置3は、内部バス40を介して相互に接続されたCPU41、メインメモリ42、記憶装置43、入出力インタフェース44及びネットワークインタフェース45を備えて構成される。
CPU41は、リソース管理装置3全体の動作制御を司るプロセッサである。またメインメモリ42は、CPU41のワークメモリとして利用される。記憶装置43は、ハードディスク装置などの大容量の記憶デバイスから構成され、各種プログラムや各種情報が格納される。リソース管理装置3の起動時や各処理時に必要なプログラムが記憶装置43からメインメモリ42に読み出され、このプログラムをCPU41が実行することにより、リソース管理装置3全体としての各種処理が行われる。
入出力インタフェース44は、リソース管理装置3のユーザに対するインタフェースであり、キーボード46、ディスプレイ47及び外部通信端子48から構成される。ディスプレイ47は、例えば液晶パネルなどから構成され、外部通信端子48は、所定の通信規格に準拠したシリアルポートなどから構成される。
またネットワークインタフェース45は、リソース管理装置3をネットワークNWに接続するためのインタフェースであり、例えばNIC(Network Interface Card)などから構成される。リソース管理装置3は、このネットワークインタフェース45を介してEMS統括装置4や電力市場装置12などのネットワークNWに接続された他のコンピュータ装置との通信を行う。
本実施の形態の場合、リソース管理装置3の記憶装置43には、プログラムとして、市場取引処理プログラム50、リソースグループ生成プログラム51及び制御シナリオ選択プログラム52が格納され、データとして、1又は複数のリソースプロファイル53、1又は複数の制御シナリオ54及び1又は複数の電力商品プロファイル55が格納される。
市場取引処理プログラム50は、電力市場装置12にアクセスして電力市場に対する売り入札や買い入札を行う機能を有するプログラムである。またリソースグループ生成プログラム51は、各需要家20の設備をリソースとして、これらのリソースをグループ化する機能を有するプログラムであり、制御シナリオ選択プログラム52は、対応する電力取引の形態に応じた制御シナリオ54を選択する機能を有するプログラムである。
なお、電力取引の形態としては、例えば、電力量(30分を1コマとして1コマ当たりに供給するkWh)及び時間帯等の電力商品の条件を予めすべて定めて売買する形態や、常に存在する待機電力の一部又は全部を量及び時間帯を指定して売買する形態などがある。前者の場合、アグリゲータ2は、電力商品を受け渡す時間帯にのみ取引した電力商品に合致したネガワット又はポジワットを創出し、後者の場合、アグリゲータ2は、創出可能な量のネガワットを常に創出して電力市場で売り出すことになる。
リソースプロファイル53は、リソースの特性に関する情報と、そのリソースに関してアグリゲータ2(図1)及び需要家20(図1)間で締結したデマンドレスポンスプログラムの契約に関する情報となどが記述されたメタデータである。このリソースプロファイル53は、アグリゲータ2が契約を締結した需要家20のリソースごとに作成される。制御シナリオ54は、リソースの稼働を制御(消費電力量を減少又は増加)してネガワット又はポジワットを創出するためにリソースをどのように制御すべきかといった、ネガワット又はポジワット創出のためのリソースの制御内容が記述されたメタデータである。この制御シナリオ54は、電力取引の形態ごとに予め作成される。また電力商品プロファイル55は、アグリゲータ2が電力市場に売り入札する電力商品の内容が記述されたメタデータである。これらリソースプロファイル53、制御シナリオ54及び電力商品プロファイル55の詳細については後述する。
図4は、EMS統括装置4の具体的な構成例を示す。EMS統括装置4は、内部バス60を介して相互に接続されたCPU61、メインメモリ62、記憶装置63、入力インタフェース64及びネットワークインタフェース65を備えて構成される。これらCPU61、メインメモリ62、記憶装置63、入力インタフェース64及びネットワークインタフェース65の構成及び機能は、リソース管理装置3(図3)の対応部位と同様であるため、ここでの説明は省略する。
EMS統括装置4の記憶装置63には、制御条件受信プログラム66、制御権確立プログラム67及び制御指令プログラム68が格納される。制御条件受信プログラム66は、後述のようにリソース管理装置3から送信されるリソースグループ情報や制御シナリオ54(図3)のデータなどを受信する機能を有するプログラムであり、制御権確立プログラム67は、必要なリソースと通信し、そのリソースの制御権を確立する機能を有するプログラムである。また制御指令プログラム68は、受信したリソースグループ情報や制御シナリオ54のデータに基づいて必要な制御指令を対応するリソースのEMS24A〜24Dに送信することにより、そのリソースの稼働を制御する機能を有するプログラムである。
図5は、電力小売装置6の具体的な構成例を示す。電力小売装置6は、内部バス70を介して相互に接続されたCPU71、メインメモリ72、記憶装置73、入力インタフェース74及びネットワークインタフェース75を備えて構成される。これらCPU71、メインメモリ72、記憶装置73、入力インタフェース74及びネットワークインタフェース75の構成及び機能は、リソース管理装置3(図3)の対応部位と同様であるため、ここでの説明は省略する。
電力小売装置6の記憶装置73には、需要予測プログラム76、確保容量不足量算定プログラム77、年間最大需要日推定プログラム78及びネガワット調達プログラム79が格納される。需要予測プログラム76は、天候情報や過去の統計などに基づいて、電力を提供すべき需要家20全体のコマごとの需要電力量を予測する機能を有するプログラムである。また確保容量不足量算定プログラム77は、需要予測プログラム76により算出されたコマごとの需要電力量に対する、現在確保している電力量の不足分を算定する機能を有するプログラムである。さらに年間最大需要日推定プログラム78は、天候情報及び過去の統計などに基づいて年間を通して電力需要が最大となる日を推定する機能を有するプログラムである。そして、ネガワット調達部は、電力市場に買い入札を行うことにより、確保容量不足量算定プログラム77により算定された不足電力をコマ単位で調達する機能を有するプログラムである。
図6は、配電管理装置8の具体的な構成例を示す。配電管理装置8は、内部バス80を介して相互に接続されたCPU81、メインメモリ82、記憶装置83、入力インタフェース84及びネットワークインタフェース85を備えて構成される。これらCPU81、メインメモリ82、記憶装置83、入力インタフェース84及びネットワークインタフェース85の構成及び機能は、リソース管理装置3(図3)の対応部位と同様であるため、ここでの説明は省略する。
配電管理装置8の記憶装置83には、電線容量記録プログラム86、電線電流量推定プログラム87、電線容量超過検出プログラム88及びネガワット調達プログラム89が格納される。電線容量記録プログラム86は、地域ごとの電線の容量を図示しないテーブルに記録する機能を有するプログラムであり、電線電流量推定プログラム87は、電線を流れる電流量を地域ごとに推定する機能を有するプログラムである。また電線容量超過検出プログラム88は、電線を流れる電流量がその電線の容量を超過しているか否かを検出する機能を有するプログラムであり、ネガワット調達プログラム89は、電線容量超過検出プログラム88により電線を流れる電流量がその電線の容量を超過していると判定された地域について、超過分の電流量(電力)を電力市場で買い入札を行う機能を有するプログラムである。
図7は、電力中央指令装置10の具体的な構成例を示す。電力中央指令装置10は、内部バス90を介して相互に接続されたCPU91、メインメモリ92、記憶装置93、入力インタフェース94及びネットワークインタフェース95を備えて構成される。これらCPU91、メインメモリ92、記憶装置93、入力インタフェース94及びネットワークインタフェース95の構成及び機能は、リソース管理装置3(図3)の対応部位と同様であるため、ここでの説明は省略する。
電力中央指令装置10の記憶装置93には、供給予備率予測プログラム96及び市場電力調達プログラム97が格納される。供給予備率予測プログラム96は、天候情報や過去の統計情報などに基づいてコマごとの供給予備率を予測する機能を有するプログラムである。通常、中給事業者9(図1)は、電力需要が増加した場合に備えて、電力小売業者5(図1)やアグリゲータ2(図1)との間の約定により定まる総電力量(以下、これを総約定電力と呼ぶ)よりも余剰分の電力(以下、これを予備電力と呼ぶ)を発電するよう発電事業者13の発電装置14を制御する。供給予備率とは、総約定電力に対する予備電力の比率をいう。また市場電力調達プログラム97は、供給予備率が予め定められた閾値を下回った場合に、電力市場に買い入札を行い、不足分電力分の電力を調達する機能を有するプログラムである。
図8は、電力市場装置12の具体的な構成例を示す。電力市場装置12は、内部バス100を介して相互に接続されたCPU101、メインメモリ102、記憶装置103、入力インタフェース104及びネットワークインタフェース105を備えて構成される。これらCPU101、メインメモリ102、記憶装置103、入力インタフェース104及びネットワークインタフェース105の構成及び機能は、リソース管理装置3(図3)の対応部位と同様であるため、ここでの説明は省略する。
電力市場装置12の記憶装置103には、売買受付けプログラム106、約定決定プログラム107及び約定データ送信プログラム108が格納される。売買受付けプログラム106は、リソース管理装置3(図1)、電力小売装置6(図1)、配電管理装置8(図1)及び電力中央指令装置10(図1)により行われる売り入札や買い入札を受け付ける機能を有するプログラムである。また約定決定プログラム107は、電力の売り入札や買い入札をザバラ方式又は板寄せ方式などによりマッチングするする機能を有するプログラムである。さらに約定データ送信プログラム108は、約定決定プログラム107により約定された電力取引の約定内容を約定データとしてその電力取引を行ったリソース管理装置3、電力小売装置6、配電管理装置8及び又は電力中央指令装置10に送信する機能を有するプログラムである。
図9は、各需要家20側に設置されるEMS24A〜24Dの具体的な構成例を示す。図9において上段は、設備(リソース)としてHP給湯システムが設置された需要家20に対して設置されるEMS24A,24Bの構成例である。
このEMS24A,24Bは、内部バス110Aを介して相互に接続されたCPU111A、メインメモリ112A、記憶装置113A、入力インタフェース114A及びネットワークインタフェース115Aを備えて構成される。これらCPU111A、メインメモリ112A、記憶装置113A、入力インタフェース114A及びネットワークインタフェース115Aの構成及び機能は、リソース管理装置3(図3)の対応部位と同様であるため、ここでの説明は省略する。
かかるEMS24A,24Bの記憶装置113Aには、制御指令受信プログラム116A、HP制御パラメータ変更プログラム117A及びHP稼働指示プログラム118Aが格納される。このうち制御指令受信プログラム116Aは、上述のようにEMS統括装置4の制御指令プログラム68(図4)から送信される制御指令を受信する機能を有するプログラムである。
またHP制御パラメータ変更プログラム117Aは、制御指令受信プログラム116Aが受信した制御指示に従って、必要に応じてヒートポンプの制御パラメータや、床暖房設備33(図2)に供給される温水の流量を調整するための制御パラメータを変更する機能を有するプログラムである。ヒートポンプや床暖房設備33の制御パラメータを変更することにより、ヒートポンプの稼働率(そのリソースの稼働率)や床暖房設備33に供給される温水の流量を増加又は低減させることができる。さらにHP稼働指示プログラム118Aは、制御指令受信プログラム116Aが受信した制御指示に従って、必要に応じてヒートポンプの稼働を停止又は再開させる機能を有するプログラムである。
また図9において下段は、設備(リソース)としてCHPシステムが設置された需要家20に対して設置されるEMS24C,24Dの構成例である。
このEMS24C,24Dは、内部バス110Bを介して相互に接続されたCPU111B、メインメモリ112B、記憶装置113B、入力インタフェース114B及びネットワークインタフェース115Bを備えて構成される。これらCPU111B、メインメモリ112B、記憶装置113B、入力インタフェース114B及びネットワークインタフェース115Bの構成及び機能は、リソース管理装置3(図3)の対応部位と同様であるため、ここでの説明は省略する。
かかるEMS24C,24Dの記憶装置113Bには、制御指令受信プログラム116B、CHP制御パラメータ変更プログラム117B及びCHP稼働指示プログラム118Bが格納される。このうち制御指令受信プログラム116Bは、上述のようにEMS統括装置4の制御指令プログラム68(図4)から送信される制御指令を受信する機能を有するプログラムである。
またCHP制御パラメータ変更プログラム117Bは、制御指令受信プログラム116Bが受信した制御指示に従って、必要に応じてCHPの制御パラメータや、床暖房設備33(図2)に供給される温水の流量を調整するための制御パラメータを変更する機能を有するプログラムである。CHPや床暖房設備33の制御パラメータを変更することにより、CHPの稼働率(そのリソースの稼働率)や床暖房設備33に供給される温水の流量を増加又は低減させることができる。さらにCHP稼働指示プログラム118Bは、制御指令受信プログラム116Bが受信した制御指示に従って、必要に応じてCHPの稼働を停止又は再開させる機能を有するプログラムである。
なお、以下においては、設備(リソース)がHP給湯システムであるか又はCHPシステムであるかを特に区別する必要がない場合には、HP給湯システム用のEMS24A,24Bと、CHPシステム用のEMS24C,24DとをまとめてEMS24と呼ぶものとする。
図10は、リソース管理装置3の記憶装置43(図3)に保持されるリソースプロファイル53の構成例を示す。リソースプロファイル53は、リードタイム、ランプピリオド、想定制御量、場所及びタイプ・機種といった、対応するリソース(ここではHP給湯システム又はCHPシステム)の特性に関する情報D1〜D5と、制御可能時間帯、制御継続可能時間、実施料及び予約料金といった、そのリソースの稼働を制御してネガワット又はポジワットを創出することに関連してアグリゲータ2(図1)及び需要家20(図1)間で締結したデマンドレスポンスプログラムの契約内容に関する情報D6〜D9とを含む。
このうちリードタイム(情報D1)は、対応するリソースの稼働に対する制御を開始してから実際に消費電力量が低減又は増加し始めるまでの時間(制御を開始してから実際にネガワット又はポジワットが創出され始めるまでの時間)を表し、ランプピリオド(情報D2)は、実際に消費電力量が低減又は増加し始めてから消費電力の低減量(ネガワットの創出量)又は増加量(ポジワットの創出量)が目標値に到達するまでの時間を表す。
また想定制御量(情報D3)は、対応するリソースの稼働制御により低減又は増加される消費電力量(創出されるネガワット又はポジワットの量)を表す。さらに場所(情報D4)は、そのリソースが設置された場所を表し、例えば、住所、緯度及び経度、そのリソースに電気を供給する変電所の識別子、そのリソースに電気を供給する電柱の識別子、そのリソースに電気を供給する電線の識別子などが適用される。さらにタイプ・機種(情報D5)は、そのリソースのタイプや機種を表す。
制御可能時間帯(情報D6)は、アグリゲータ2がそのリソースの所有者である需要家20との間で予め定めたそのリソースの稼働を制御可能な時間帯を表す。また制御継続可能時間(情報D7)は、そのリソースの稼働を連続して制御可能な時間を表す。この制御継続可能時間は、リソースのタイプや機種に応じて予め決定される。
実施料(情報D8)は、リソースに対する上述の稼働制御により創出されたネガワット又はポジワットについて需要家20に支払われる単位電力量当たりの価格を表し、予約料金(情報D9)は、かかるリソースの稼働制御が行われるごとにその需要家20に支払われる基本料金を表す。
一方、図11は、上述のようにリソース管理装置3の記憶装置43(図3)に保持される制御シナリオ54の具体的な構成例を示す。この図11に示す制御シナリオ54は、ネガワット制御に関するPIDタイプの制御シナリオ54の一例である。
この制御シナリオ54では、リソースグループの情報(配列によりリソースを指示したリソースリストB{})と、電力商品プロファイル(C{})の指定を受け、電力商品の規定を満たすようなネガワットを、リソースグループで指定されたリソースを利用して創出する制御を規定している。ここでは、リソースグループの中で最も応答速度の早いリソースをB{}のリストの中から検索し、リソースAとして識別する。リソースAに対して、リソースグループ全体が創出するネガワットが、電力商品プロファイルでの規定と不一致する場合に、その不一致を補正するような制御運転を行うことを指示しることを規定する(setup(A)までのスクリプト)。
さらに、補正を行うPID制御のパラメータKp、Ki、KdをリソースリストとリソースAの特性を参照し、ナイキスト線図分析によるゲイン調整方法により決定する(sim_安定化(主たるリソース A, リソースリストB{}))。ネガワット受渡しの開始時刻から予告時間前になると、各々のリソースへ抑制制御が指示される(dispatch(B{},商品プロファイルC))。その後10分間隔で、PIDタイプのフィードバック制御がリソースAに対してなされる。前述のラメータKp、Ki、KdによるPID制御による補正操作量Xの算出が規定されている。算出された補正操作量XをリソースAに送信することが規定されている。
他方、図12は、上述のようにリソース管理装置3の記憶装置43(図3)に保持される電力商品プロファイル55の具体的な構成例を示す。電力商品プロファイル55は、予告時間、ランプピリオド、量、開始時刻、ランダマイジ、継続時間、価格及び場所に関する各情報D10〜D17を含む。
このうち開始時刻(情報D13)は、図13に示すように、対応する電力商品を販売するコマの開始時刻を表す。また予告時間(情報D10)は、開始時刻前に買い手側がアグリゲータ2に「予告」と呼ばれるタイミング信号(以下、これを予告信号と呼ぶ)を送信すべき時間を表し、量(情報D12)は、その電力商品の電力量を表す。またランプピリオド(情報D11)は、その電力商品の開始時刻から電力量がその電力商品の「量」に到達するまでの時間を表す。さらにランダマイジ(情報D14)は開始時刻に対して実際に買い手にその電力商品の電力が提供されるまでの時間的なずれ量の範囲を表す。
また継続時間(情報D15)は、その電力商品の継続時間(その電力商品が提供されるコマの合計時間)を表し、価格(情報D16)は、アグリゲータ2が希望するその電力商品の単価(単位時間当たりの電気料金)を表す。さらに場所(情報D17)は、アグリゲータ2がその電力商品を提供可能な場所を表す。
(3)ネガワット又はポジワットの創出に関するリソース管理装置及びEMS統括装置の処理
図14は、アグリゲータ2がデマンドレスポンスによりネガワット又はポジワッを創出する際にリソース管理装置3及びEMS統括装置4において実行されるネガワット創出制御処理又はポジワット創出制御処理に関する、リソース管理装置3及びEMS統括装置4の機能構成を示す。図14において、リソースグループ生成部120は、図3について上述したリソース管理装置3の記憶装置43からメインメモリ42に読み出されたリソースグループ生成プログラム51をCPU41が実行することにより生成される機能である。また制御条件受信部121、制御権確立部122及び制御指令部123は、それぞれ図4について上述したEMS統括装置4の記憶装置63からメインメモリ62に読み出された対応する制御条件受信プログラム66、制御権確立プログラム67又は制御指令プログラム68をCPU61が実行することにより生成される機能である。
アグリゲータ2が電力市場で電力商品の売り入札を行い、又は、電力小売業者5(図1)、配電管理業者7(図1)若しくは中給事業者9(図1)などから電力市場に出された電力商品の買い入札にアグリゲータ2が応札し、その売り入札又は買い入札が約定すると、リソース管理装置3のリソースグループ生成部120は、約定したその電力商品(以下、これを約定電力商品と呼ぶ)の条件をすべて満たすネガワット又はポジワットを創出するためにどのリソースRS(RS1,RS2,……)とどのリソースRSとを組み合わせるべきかといった、約定電力商品に応じたネガワット又はポジワットを創出可能なリソースRSの組み合せ方を検討する。
この検討は、約定電力商品が、アグリゲータ2が電力市場に売り入札したネガワット又はポジワットである場合には、その約定電力商品に対応する電力商品プロファイル55と、そのとき利用可能な各リソースRSのリソースプロファイル53とに基づいて行われ、約定電力商品が、電力市場に出された買い入札にアグリゲータ2が応札したネガワットである場合には、アグリゲータ2が応札した約定電力商品の内容と、そのとき利用可能な各リソースRSのリソースプロファイル53とに基づいて行われる。なお、電力市場に出される売り入札及び買い入札の内容は、図12について上述した電力商品プロファイル55の内容と同様である。
そしてリソースグループ生成部120は、かかる検討により組み合せるべきリソース群を選出すると、これらのリソース群により1つのリソースグループRG(RG1,RG2,……)を生成し、生成したリソースグループRGを構成する各リソースRSの識別情報をリソースグループ情報としてEMS統括装置4に送信する。またリソースグループ生成部120は、かかる約定電力商品の電力取引形態に応じた制御シナリオ54を選択し、選択した制御シナリオ54のデータをEMS統括装置4に送信する。かくして、EMS統括装置4の制御条件受信部121は、これらリソースグループ情報及び制御シナリオ54のデータを受信すると、これらをメインメモリ62(図4)に格納する。
一方、リソースグループ生成部120は、かかる約定電力商品の開始時刻の予告時間前にその約定電力商品の買い手側から上述の予告信号が与えられると、これをEMS統括装置4に転送する。そして、この予告信号を受信したEMS統括装置4の制御権確立部122は、メインメモリ62に格納されているその約定電力商品について生成されたリソースグループ情報に基づいて、対応するリソースグループRGを構成する各リソースRSのEMS24にアクセスし、そのリソースRSの制御権を確立する。
またEMS統括装置4の制御指令部123は、制御権確立部122が上述のようにして対応する各リソースRSの制御権を確立すると、その電力商品に対する制御スレッド124を生成する。かくして、このとき生成された制御スレッド124は、メインメモリ62に格納されている対応するリソースグループ情報及び制御シナリオ54のデータに基づいて、そのリソースグループRGを構成する各リソースRSのEMS24を制御シナリオ54に従って制御する。以上の処理により、約定電力商品に応じたネガワット又はポジワットが創出される。
図15A及び図15Bは、以上のようなネガワット創出制御処理又はポジワット創出制御処理のうち、リソース管理装置3のリソースグループ生成部120により実行されるリソースグループ生成処理の処理手順を示す。リソースグループ生成部120は、この図15A及び図15Bに示す処理手順に従って、ネガワット又はポジワットを創出するためのリソースグループRGとして、約定電力商品の各条件(予告時間、リードタイム、ランプピリオド、量及び時間帯など)を満たし、かつ、実施料が安いリソースRSを優先的に組み合せたリソースグループRGを生成する。
実際上、リソースグループ生成部120は、アグリゲータ2が電力市場で売り入札した電力商品(ネガワット又はポジワット)の売買が約定し又は電力市場でアグリゲータ2が応札した電力商品(ネガワット又はポジワット)の売買が約定すると、この図15A及び図15Bに示すリソースグループ生成処理を開始し、まず、後述するカウンタ(以下、これをリソースグループ生成処理カウンタと呼ぶ)をリセットする。またリソースグループ生成部120は、この後、その約定電力商品を時間帯及び又は電力量で複数の電力商品に分割し(SP1)、かくして得られた分割後の個々の電力商品(以下、これを分割電力商品と呼ぶ)の中から1つの分割電力商品を選択する(SP2)。
続いて、リソースグループ生成部120は、記憶装置43(図3)に格納されているリソースプロファイル53(図3)の中から、分割電力商品の時間帯に稼働を制御可能なすべてのリソース(以下、これを候補リソースと呼ぶ)RS(図14)のリソースプロファイル53(図10)を読み出す(SP3)。
次いで、リソースグループ生成部120は、ステップSP3において読み出した各リソースプロファイル53を参照して、実施料が安い順に候補リソースRSを並べたリスト(以下、これを実施料順リストと呼ぶ)を作成する(SP4)。またリソースグループ生成部120は、これと併せて、後述する仮リストをリセットする。
さらにリソースグループ生成部120は、上述のようにして作成した実施料リストに登録された候補リソースRSのうち、仮リストに登録されておらず、かつ実施料リスト上の順位が最も高い候補リソースRSを仮リストに登録する(SP5)。
続いて、リソースグループ生成部120は、仮リストに登録された各候補リソースRSのリソースプロファイルをそれぞれ参照して、これら候補リソースRSの想定制御量(図10参照)の合計値を、仮リストに登録された各候補リソースRSの総制御量として算出し(SP6)、この後、ステップSP6において算出した総制御量が、かかる分割電力商品の量よりも所定の予備電力量だけ多い、当該分割電力商品に応じた量に到達したか否かを判断する(SP7)。
リソースグループ生成部120は、この判断で否定結果を得るとステップSP5に戻り、この後、ステップSP5〜ステップSP7の処理を繰り返す。そしてリソースグループ生成部120は、やがて仮リストに登録された候補リソースRSの総制御量が分割電力商品に応じた電力量に到達することによりステップSP7において肯定結果を得ると、その仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRG(図14)を生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットのランプピリオドが、分割電力商品のランプピリオドと一致するか否かを判断する(SP8)。
リソースグループ生成部120は、この判断で否定結果を得ると、実施料リストに登録されている候補リソースRSを、そのランプピリオドの短い順に並べたリスト(以下、これをランプピリオド順リストと呼ぶ)を作成する(SP9)。
続いて、リソースグループ生成部120は、仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットのランプピリオドが分割電力商品のランプピリオドに近づくように、仮リストに登録されている1つの候補リソースRSをランプピリオド順リストに登録されている他の候補リソースRSに差し替える(SP10)。
具体的に、リソースグループ生成部120は、ステップSP10において、仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットのランプピリオドが分割電力商品のランプピリオドよりも短い場合には、仮リストに登録された候補リソースRSの中からランプピリオドが最も短い候補リソースRSを差替え対象として選択する。以下においては、差替え対象として選択された候補リソースRSを差替え対象リソースRSと呼ぶ。そしてリソースグループ生成部120は、ランプピリオド順リストに登録されているが仮リストには登録されていない候補リソースRSの中から、想定制御量が差替え対象リソースRSと同じ又はほぼ同じで、ランプピリオドが最も長く、かつランプピリオドが同じ場合には実施料が最も安い候補リソースRSを選択し、選択した候補リソースRSを差替え対象リソースRSと差し替えるようにして仮リストに登録する。
またリソースグループ生成部120は、ステップSP10において、仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットのランプピリオドが分割電力商品のランプピリオドよりも長い場合には、仮リストに登録された候補リソースRSの中からランプピリオドが最も長い候補リソースRSを差替え対象リソースRSとして選択する。そしてリソースグループ生成部120は、ランプピリオド順リストに登録されているが仮リストには登録されていない候補リソースRSの中から、想定制御量が差替え対象リソースRSと同じ又はほぼ同じで、ランプピリオドが最も短く、かつランプピリオドが同じ場合には実施料が最も安い候補リソースRSを選択し、選択した候補リソースRSを差替え対象リソースRSと差し替えるようにして仮リストに登録する。
この後、リソースグループ生成部120は、ステップSP8に戻り、仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットのランプピリオドが、分割電力商品のランプピリオドと一致するか否かを再度判断する(SP8)。
そしてリソースグループ生成部120は、この判断で否定結果を得ると、この後、ステップSP8〜ステップSP10の処理を繰り返す。以上の処理を繰り返すことにより、仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットのランプピリオドが分割電力商品のランプピリオドに近づいてゆく。
そしてリソースグループ生成部120は、やがてステップSP8において肯定結果を得ると、そのとき仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットの予告時間が分割電力商品の予告時間と一致するか否かを判断する(SP11)。
リソースグループ生成部120は、この判断で否定結果を得ると、実施料リストに登録されているが仮リストには登録されていない候補リソースRSを、そのリードタイムの短い順に並べたリスト(以下、これをリードタイム順リストと呼ぶ)を作成する(SP12)。
続いて、リソースグループ生成部120は、仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットの予告時間が分割電力商品の予告時間に近づくように、仮リストに登録されている1つの候補リソースRSをランプピリオド順リストに登録されている他の候補リソースRSに差し替える(SP13)。
具体的に、リソースグループ生成部120は、ステップSP13において、仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットの予告時間が分割電力商品の予告時間よりも短い場合には、仮リストに登録された候補リソースRSの中から最もリードタイムが短い候補リソースRSを差替え対象リソースRSとして選択する。そしてリソースグループ生成部120は、リードタイム順リストに登録されているが仮リストには登録されていない候補リソースRSの中から、想定制御量が差替え対象リソースRSと同じ又はほぼ同じで、リードタイムが最も長く、かつリードタイムが同じ場合には実施料が最も安い候補リソースRSを選択し、選択した候補リソースRSを差替え対象リソースRSと差し替えるようにして仮リストに登録する。
またリソースグループ生成部120は、ステップSP13において、仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットの予告時間が分割電力商品の予告時間よりも長い場合には、仮リストに登録された候補リソースRSの中から最もリードタイムが長い候補リソースRSを差替え対象リソースRSとして選択する。そしてリソースグループ生成部120は、リードタイム順リストに登録されているが仮リストには登録されていない候補リソースRSの中から、想定制御量が差替え対象リソースRSと同じ又はほぼ同じで、リードタイムが最も短く、かつリードタイムが同じ場合には実施料が最も安い候補リソースRSを選択し、選択した候補リソースRSを差替え対象リソースRSと差し替えるようにして仮リストに登録する。
この後、リソースグループ生成部120は、ステップSP11に戻り、仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットのリードタイムが分割電力商品のリードタイムと一致するか否かを再度判断する(SP11)。
リソースグループ生成部120は、この判断で否定結果を得ると、この後、ステップSP11〜ステップSP13の処理を繰り返す。以上の処理を繰り返すことにより、仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットのリードタイムが分割電力商品のリードタイムに近づいてゆく。
そしてリソースグループ生成部120は、やがてステップSP11において肯定結果を得ると、そのとき仮リストに登録されているすべての候補リソースRSにより1つのリソースグループRGを生成した場合に、そのリソースグループRG全体として創出されるネガワット又はポジワットの量、ランプピリオド及びリードタイムのすべてが、分割電力商品の量、ランプピリオド及びリードタイムとそれぞれ一致するか否かを判断する(SP14)。
そしてリソースグループ生成部120は、この判断で否定結果を得ると、上述したリソースグループ生成処理カウンタを1つカウントアップさせた後(SP15)、当該リソースグループ生成処理カウンタのカウント値が予め定められた閾値に達したか否かを判断する(SP16)。
ここで、このステップSP16で否定結果を得ることは、分割電力商品と量、ランプピリオド及びリードタイムが一致するネガワット又はポジワットを創出し得るリソースグループRGの生成には失敗したが、当該リソースグループRGを生成しようとする試みの回数がまた既定回数(閾値と同じ回数)には達していないことを意味する。かくして、このときリソースグループ生成部120は、ステップSP8に戻り、この後、ステップSP8以降の処理をリトライする。
これに対して、ステップSP16で否定結果を得ることは、分割電力商品と量、ランプピリオド及びリードタイムが一致するネガワット又はポジワットを創出し得るリソースグループRGの生成を既定回数実行したが、そのようなリソースグループRGを生成できなかったことを意味する。かくして、このときリソースグループ生成部120は、ディスプレイ47(図3)に警告を表示するなどして、アグリゲータ2にその旨を通知し(SP17)、この後、このリソースグループ生成処理を終了する。
一方、リソースグループ生成部120は、ステップSP14の判断で肯定結果を得ると、そのときの仮リストを本リストに確定し(SP18)、この後、すべての分割電力商品についてステップSP2以降の処理を実行し終えたか否かを判断する(SP19)。
そしてリソースグループ生成部120は、この判断で否定結果を得るとステップSP2に戻り、この後、ステップSP2において選択する分割電力商品を、未処理の他の分割電力商品に切り替えながら、ステップSP2以降の処理を繰り返す。
そしてリソースグループ生成部120は、やがてすべての分割電力商品についての本リストを得ることによりステップSP19で肯定結果を得ると、以上のようにして得られた本リストを上述のリソースグループ情報として、これらのリソースグループ情報と、制御シナリオ54(図11)のデータとをEMS統括装置4に送信すると共に、これらリソースグループ情報及び制御シナリオ54に従ったデマンドレスポンスの実行をEMS統括装置4に依頼する(SP20)。そしてリソースグループ生成部120は、この後、このリソースグループ生成処理を終了する。
(4)ネガワットの取引の流れ
次に、以上のようなリソース管理装置3及びEMS統括装置4によるネガワット創出制御処理及びポジワット創出制御処理のうちのネガワット創出制御処理について、中給事業者9(図1)、電力小売業者5(図1)又は配電管理業者7(図1)が電力市場に電力商品の買い入札を行い、その買い入札にアグリゲータ2が応札する場合を例として、より詳細に説明する。
(4−1)アグリゲータ及び発電事業者間のネガワット取引の流れ
中給事業者9は、アグリゲータ2(図1)や電力小売業者5(図1)及び需要家などと事前に約定した電力量の総量に応じた量の電力を発電するが、上述のように供給予備率分の電力が不足すると推定した場合には、電力市場にコマ単位で電力商品の買い入札を行う。
図16は、このように中給事業者9が電力市場に電力商品の買い入札を行い、その買い入札にアグリゲータ2が応札する場合の一連の処理の流れを示す。
中給事業者9の電力中央指令装置10は、天候情報や過去の統計などに基づいてコマごとの供給予備率の予測値を計算し、算出したコマごとの供給予備率の予測値と、既に約定されている販売済みの電力商品の合計電力量とに基づいて供給予備率を逐次予測する(SP30)。そして電力中央指令装置10は、供給予備率が閾値を下回った場合、電力市場装置12に電力商品の買い入札を行う(SP31)。
一方、アグリゲータ2側では、デマンドレスポンスプログラムに参加登録した各需要家20側にそれぞれ設置されたEMS24から、対応するリソースRS(図14)のリソースプロファイル53のデータがEMS統括装置4に定期的(例えば1日ごと)に送信される(SP32)。なお、このように各EMS24からリソースプロファイル53が定期的にEMS統括装置4に送信されるのは、リソースRSの物理的な特性が経時変化するからである。
そしてEMS統括装置4は、受信したリソースプロファイル53のデータをリソース管理装置3に転送する(SP33)。またリソース管理装置3は、転送されてきたリソースプロファイル53のデータに基づいて、対応するリソースファイル53を最新の情報に更新する(SP34)。
他方、リソース管理装置3は、電力市場における電力商品の買い入札を常時監視しており、上述のように中給事業者9からの電力商品の買い入札があったときには、その買い入札に対して同じ電力商品を売り入札(応札)する応札処理を実行する(SP35)。
そして電力市場装置12は、かかるアグリゲータ2の応札により、中給事業者9からの電力商品の買い入札と、アグリゲータ2の売り入札とをマッチングし、電力取引を約定させる約定処理を実行する。また電力市場装置12は、このときの約定された電力商品(約定電力商品)の内容を約定データとして電力中央指令装置10及びリソース管理装置3に送信する(SP36)。
リソース管理装置3は、かかる約定データを受信すると、図15A及び図15Bについて上述したリソースグループ生成処理を実行することにより、その約定電力商品の時間帯(中給事業者9が電力を買い取る時間帯)に稼働を制御可能なリソースRSの中から、1又は複数のリソースRSを選択してリソースグループRGを生成する(SP38)。
またリソース管理装置3は、そのリソースグループRGについて使用すべき制御シナリオ54を選択し、選択した制御シナリオ54のデータと、上述のようにして生成したリソースグループRGのリソースグループ情報とをEMS統括装置4に送信する(SP38)。かくして、EMS統括装置4は、かかるリソースグループ情報及び制御シナリオ54のデータを受信すると、これらをメインメモリ62(図4)に格納する。
この後、電力中央指令装置10は、約定電力商品の開始時刻よりも予告時間だけ早い時刻となると、上述の予告信号をリソース管理装置3に送信する(SP39)。またリソース管理装置3は、かかる予告信号を受信すると、これをEMS統括装置4に転送する(SP40)。
そしてEMS統括装置4は、かかる予告信号を受信すると、メインメモリ62に格納されている対応する制御シナリオ54をデコードし(SP41)、デコードした制御シナリオ54に従って、対応するリソースグループRGを構成する各リソースRSのEMS24の制御権を確立するアクティベーションを実行する(SP42)。
かくして、かかるリソースグループRGを構成する各リソースRSのEMS24は、EMS統括装置4の指示に従って、対応するリソースRSの制御パラメータを変更することによりそのリソースRSの稼働率を低減させる。これによりそのリソースRSの消費電力量が低減されてネガワットが創出される。またEMS24は、このとき電気メータ22A〜22D(図1)を参照することにより認識される、そのとき創出されたネガワットの電力量を実行データとしてEMS統括装置4に送信する(SP43)。
EMS統括装置4は、対応する各EMS24からそれぞれ送信される実行データに基づいて、そのとき創出されたネガワットの総量(総電力量)を算出する。またEMS統括装置4は、算出したネガワットの総量と、約定電力商品の量(電力量)とを比較し、そのとき創出されたネガワットの総量が、約定電力商品の量と一致しているか否かを判定する。
そしてEMS統括装置4は、そのとき創出されたネガワットの総量が、約定電力商品の量と一致していない(つまりそのとき創出しているネガワットの総量が約定電力商品の量よりも多い又は少ない)と判定した場合には、過剰分又は不足分の電力量を算出し(SP44)、算出した電力量分だけそのとき創出しているネガワットの総量を低減又は増加させるように、対応するリソースグループRGを構成する一部又は全部のリソースRSのEMS24に、リソースRSの制御パラメータを再度変更するよう指示を与える(SP46)。
アグリゲータ2側では、以上のステップSP43〜ステップSP46の処理を、対応するリソースグループRGにおいてネガワットの創出を開始してから10分周期で繰り返す。これにより、かかる約定電力商品の時間帯中は、そのリソースグループRGにおいて創出されるネガワットの総量がその約定電力商品の量と一致するよう制御されることになる。
そしてEMS統括装置4は、やがて約定電力商品の時間帯が経過すると、対応するリソースグループRGを構成する各リソースRSのEMS24に、対応するリソースRSの制御パラメータを元に戻す(つまりそのリソースRSの稼働状態を元の状態に戻す)よう指示を与え(SP47)、この後、上述のステップSP43において対応するEMS24からそれぞれ送信されてきた各実行データのログ情報を実行ログデータとしてリソース管理装置3に送信する(SP48)。
またリソース管理装置3は、かかる実行ログデータを受信すると、この実行ログデータをコマごとに集約した検証データを生成する検証データ生成処理を実行し、生成した検証データを電力中央指令装置10に送信する(SP49)。かくして電力中央指令装置10は、リソース管理装置3から送信されてきた検証データに基づいて、買い入札を行った上述の約定電力商品に応じたネガワットがアグリゲータ2から提供されたかを検証する。
以上により、中給事業者9及びアグリゲータ2間におけるネガワットの取引が終了する。
(4−2)アグリゲータ及び電力小売業者間のネガワット取引の流れ
電力小売業者5(図1)は、自己に課せられている容量確保義務(契約している需要家が必要とする電力を、通年を通して確保する義務)に対して、確保している通年での電力量が各需要家20とそれぞれ契約している電力量の総量よりも少なく、年間のうちの数日間において販売する電力が不足したときに問題となる容量確保の不足を解消するため、上述のように需要家20全体のコマごとの需要電力量を予測し、予測した需要電力量に対して現在確保している電力量では不足すると判定した場合には、電力市場に不足電力量分の買い入札を行う。これにより、複数の電力小売業者5に対して年間の最大需要日における販売電力量に比例して配電設備費用を負担させる配電原価負担制度に対して、最大需要日における販売電力量を抑制することで配電原価負担を有利にすることができる。
図17は、このように電力小売業者5が電力市場に電力商品の買い入札を行い、その買い入札にアグリゲータ2が応札する場合の一連の処理の流れを示す。
電力小売業者5の電力小売装置6は、天候情報や過去の統計などに基づいて需要家20全体のコマごとの不足電力量を推定し(SP50)、不足電力が発生するコマについての買い入札を電力市場で不行う(SP51)。
また電力小売装置6は、天候情報や過去の統計などに基づいて、所定のタイミングで本日が、年間を通じて電力需要が最大となる日(以下、これを電力需要最大日)であるか否かを判断し(SP52)、本日が電力需要最大日であると判断した場合には、電力市場に不足すると推定される電力分の買い入札を電力市場で行う(SP53)。
そしてこの買い入札に対してリソース管理装置3が応札する応札処理を行うと(SP54)、この後、図16のステップSP36〜ステップSP49について上述した処理と同様の処理が実行される(ステップSP55〜ステップSP67)。このようにして、アグリゲータ2及び電力小売業者5間のネガワットの取引が行われる。
(4−3)アグリゲータ及び配電管理業者間のネガワット取引の流れ
配電管理業者7(図1)の配電管理装置8は、電線の容量を超える電流が流れるほどの需要が発生している場合、超過した電流分の電力の買い入札を電力市場で行うことにより、電線に当該電線の容量を超過する電流が流れるのを抑制する。
図8は、このように配電管理業者7が電力市場に電力商品の買い入札を行い、その買い入札にアグリゲータ2が応札する場合の一連の処理の流れを示す。
配電管理業者7の配電管理装置8は、いずれかの地域について電線を流れる電流量がその電線の容量を超過していることを検出すると、超過分の電流に応じた電力の買い入札を電力市場において行う。
そしてこの買い入札に対してリソース管理装置3が応札する応札処理を行うと、この後、図16のステップSP36〜ステップSP49について上述した処理と同様の処理が実行される(ステップSP73〜ステップSP85)。このようにして、アグリゲータ2及び配電管理業者7間のネガワットの取引が行われる。
(5)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態による電力取引システム1では、リソース管理装置3が、リソースRSの特性に関する情報と、そのリソースRSに関してアグリゲータ2(図1)及び需要家20(図1)間で締結したデマンドレスポンスプログラムの契約に関する情報となどが記述された、リソースRSごとのリソースプロファイル53を保持しており、このリソースRSごとのリソースプロファイル53に基づいて、電力商品の条件を満たすネガワット又はポジワットを創出可能なリソースグループRGを生成し、このリソースグループRGを構成する各リソースRSを制御シナリオ54に従って制御するため、電力市場における様々な要求に応じたネガワット又はポジワットを短時間にかつ容易に創出し、提供することができる。かくするにつき、再生エネルギーによる発電力の拡大に伴う電力需要バランスの不安定化や電力価格のボラティリティの拡大を抑制することができる。
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明を図1のように構成された電力取引システム1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を有する電力取引システムに広く適用することができる。
また上述の実施の形態においては、リソース管理装置3及びEMS統括装置4を別個に構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらの機能を1つの装置(例えばコンピュータ装置)に搭載するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、ネガワットを創出する際に利用するリソースプロファイル53と、ポジワットを創出する際に利用するリソースプロファイル53と併用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら別個に用意して記憶装置43に格納しておき、ネガワットを創出する際にはネガワット用のリソースプロファイル53を利用し、ポジワットを創出する際にはポジワット用のリソースプロファイル53を利用するようにしても良い。なお、現実的には、ネガワットを創出する際のリソースRSのランプピリオド等の特性と、ポジワットを創出する際のリソースRSのランプピリオド等の特性とは異なるため、ネガワットを創出する際に利用するリソースプロファイル53と、ポジワットを創出する際に利用するリソースプロファイル53とを別個に用意する必要がある。
本発明は電力取引システムに適用することができる。
1……電力取引システム、2……アグリゲータ、3……リソース管理装置、4……EMS統括装置、5……電力小売業者、6……電力小売装置、7……配電管理業者、8……配電管理装置、9……中給事業者、10……電力中央指令装置、12……電力市場装置、13……発電事業者、14……発電装置、20,20A〜20D……需要家、23A〜23D……熱源機、24,24A〜24D……EMS、41,61,111A,111B……CPU、51……リソースグループ生成プログラム、52……制御シナリオ選択プログラム、53……リソースプロファイル、54……制御シナリオ、55……電力商品プロファイル、68……制御指令プログラム、117A……HP制御パラメータ変更プログラム、117B……CHP制御パラメータ変更プログラム、120……リソースグループ生成部、123……制御指令部、RG……リソースグループ、RS……リソース。

Claims (10)

  1. アグリゲータと契約した各需要家のリソースの稼働を制御することにより電力を創出する電力創出制御システムにおいて、
    前記リソースの消費電力量を減少させることによりネガワットを創出し、又は、前記リソースの消費電力量を増加させることによりポジワットを創出する際の前記リソースの特性に関する情報、並びに、前記アグリゲータ及び対応する前記需要家との契約内容に関する情報が記述された、前記リソースごとのプロファイルと、消費電力量を低減又は増加させるための前記リソースの制御内容が記述された電力取引の形態ごとの制御シナリオと、を記憶する記憶デバイスと、
    各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、取引対象の電力商品の条件を満たす前記ネガワット又は前記ポジワットを創出できるように組み合わせた複数の前記リソースからなるリソースグループを生成するリソースグループ生成部と、
    当該電力商品の取引形態に応じた前記制御シナリオを選択する制御シナリオ選択部と、
    前記リソースグループ生成部により生成された前記リソースグループを構成する各前記リソースを、前記制御シナリオ選択部により選択された前記制御シナリオに従って制御する制御部と
    を備え、
    前記電力商品の条件は、
    少なくとも前記電力商品の電力量でなる量と、前記電力商品を販売する時間帯の開始時刻と、当該開始時刻から電力量が当該量に到達するまでの時間でなるランプピリオドとを含み、
    前記プロファイルには、
    実際に消費電力量が低減又は増加し始めてから消費電力の低減量又は増加量が目標値に到達するまでの時間でなるランプピリオドが記述され、
    前記リソースグループ生成部は、
    各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、前記リソースグループを生成する
    ことを特徴とする電力創出制御システム。
  2. 前記電力商品の条件は、
    さらに前記開始時刻から当該開始時刻前に当該電力商品の買い手が行う予告までの時間でなる予告時間と、前記電力商品の継続時間とを含み、
    前記プロファイルには、
    さらに対応する前記リソースの特性に関する情報として、少なくとも当該リソースの稼働に対する制御を開始してから実際に消費電力が低減又は増加し始めるまでの時間でなるリードタイムと、当該リソースの稼働制御により低減又は増加される消費電力量でなる想定制御量とが記述され、
    前記リソースグループ生成部は、
    各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、前記リソースグループを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力創出制御システム。
  3. 前記プロファイルには、
    前記アグリゲータ及び対応する前記需要家との契約内容に関する情報として、少なくとも前記アグリゲータが当該需要家との間で予め定めた対応する前記リソースの稼働を制御可能な時間帯でなる制御可能時間帯と、当該リソースの稼働を連続して制御可能な時間でなる制御継続可能時間とが記述され、
    前記リソースグループ生成部は、
    各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、前記電力商品の時間帯に稼働を制御可能な前記リソースの中から複数の前記リソースを組み合せて前記リソースグループを生成する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力創出制御システム。
  4. 前記プロファイルには、
    前記アグリゲータ及び対応する前記需要家との契約内容に関する情報として、対応する前記リソースに対する稼働制御により創出された前記ネガワット又は前記ポジワットについて当該需要家に支払われる単位電力量当たりの価格が記述され、
    前記リソースグループ生成部は、
    前記電力商品の時間帯に稼働を制御可能な各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、前記需要者に支払うべき実施料が安い前記リソースを優先的に組み合せて前記リソースグループを生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力創出制御システム。
  5. 前記制御部は、
    前記制御シナリオに従って稼働制御した各前記リソース側からそれぞれ送信される当該稼働制御により創出された前記ネガワットの電力量に基づいて、そのとき創出した前記ネガワットの総量を算出し、
    算出した前記ネガワットの総量と、前記電力商品の電力量とを比較し、
    そのとき創出した前記ネガワットの総量が、当該電力商品の電力量と一致していないと判断した場合には、過剰分又は不足分の電力量を算出し、
    算出した過剰分又は不足分の電力量分だけそのとき創出している前記ネガワットの総量を低減又は増加させるように、対応する前記リソースグループを構成する一部又は全部の前記リソースの稼働を制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の電力創出制御システム。
  6. アグリゲータと契約した各需要家のリソースの稼働を制御することにより電力を創出する電力創出制御システムにおいて実行される電力創出制御方法であって、
    前記電力創出制御システムは、
    前記リソースの消費電力量を減少させることによりネガワットを創出し、又は、前記リソースの消費電力量を増加させることによりポジワットを創出する際の前記リソースの特性に関する情報、並びに、前記アグリゲータ及び対応する前記需要家との契約内容に関する情報が記述された、前記リソースごとのプロファイルと、消費電力量を低減又は増加させるための前記リソースの制御内容が記述された電力取引の形態ごとの制御シナリオと、を記憶する記憶デバイスを有し、
    前記電力創出制御システムが、各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、取引対象の電力商品の条件を満たす前記ネガワット又は前記ポジワットを創出できるように組み合わせた複数の前記リソースからなるリソースグループを生成すると共に、当該電力商品の取引形態に応じた前記制御シナリオを選択する第1のステップと、
    前記電力創出制御システムが、生成した前記リソースグループを構成する各前記リソースを、選択した前記制御シナリオに従って制御する第2のステップと
    を備え、
    前記電力商品の条件は、
    少なくとも前記電力商品の電力量でなる量と、前記電力商品を販売する時間帯の開始時刻と、当該開始時刻から電力量が当該量に到達するまでの時間でなるランプピリオドとを含み、
    前記プロファイルには、
    実際に消費電力量が低減又は増加し始めてから消費電力の低減量又は増加量が目標値に到達するまでの時間でなるランプピリオドが記述され、
    前記第1のステップにおいて、前記電力創出制御システムは、
    各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、前記リソースグループを生成する
    ことを特徴とする電力創出制御方法。
  7. 前記電力商品の条件は、
    さらに前記開始時刻から当該開始時刻前に当該電力商品の買い手が行う予告までの時間でなる予告時間と、前記電力商品の継続時間とを含み、
    前記プロファイルには、
    さらに対応する前記リソースの特性に関する情報として、少なくとも当該リソースの稼働に対する制御を開始してから実際に消費電力が低減又は増加し始めるまでの時間でなるリードタイムと、当該リソースの稼働制御により低減又は増加される消費電力量でなる想定制御量とが記述され、
    前記第1のステップにおいて、前記電力創出制御システムは、
    各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、前記リソースグループを生成する
    ことを特徴とする請求項6に記載の電力創出制御方法。
  8. 前記プロファイルには、
    前記アグリゲータ及び対応する前記需要家との契約内容に関する情報として、少なくとも前記アグリゲータが当該需要家との間で予め定めた対応する前記リソースの稼働を制御可能な時間帯でなる制御可能時間帯と、当該リソースの稼働を連続して制御可能な時間でなる制御継続可能時間とが記述され、
    前記第1のステップにおいて、前記電力創出制御システムは、
    各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、前記電力商品の時間帯に稼働を制御可能な前記リソースの中から複数の前記リソースを組み合せて前記リソースグループを生成する
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の電力創出制御方法。
  9. 前記プロファイルには、
    前記アグリゲータ及び対応する前記需要家との契約内容に関する情報として、対応する前記リソースに対する稼働制御により創出された前記ネガワット又は前記ポジワットについて当該需要家に支払われる単位電力量当たりの価格が記述され、
    前記第1のステップにおいて、前記電力創出制御システムは、
    前記電力商品の時間帯に稼働を制御可能な各前記リソースの前記プロファイルに基づいて、前記需要者に支払うべき実施料が安い前記リソースを優先的に組み合せて前記リソースグループを生成する
    ことを特徴とする請求項8に記載の電力創出制御方法。
  10. 前記第2のステップにおいて、前記電力創出制御システムは、
    前記制御シナリオに従って稼働制御した各前記リソース側からそれぞれ送信される当該稼働制御により創出された前記ネガワットの電力量に基づいて、そのとき創出した前記ネガワットの総量を算出し、
    算出した前記ネガワットの総量と、前記電力商品の電力量とを比較し、
    そのとき創出した前記ネガワットの総量が、当該電力商品の電力量と一致していないと判断した場合には、過剰分又は不足分の電力量を算出し、
    算出した過剰分又は不足分の電力量分だけそのとき創出している前記ネガワットの総量を低減又は増加させるように、対応する前記リソースグループを構成する一部又は全部の前記リソースの稼働を制御する
    ことを特徴とする請求項9に記載の電力創出制御方法。
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