JP5941935B2 - タッチパネル装置及びその電極構造 - Google Patents

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Description

本発明は、タッチパネル装置及びその電極構造に関し、特に光反射防止機能を有する金属電極構造及びその金属電極構造からなるタッチパネル装置に関する。
金属電極導線(金属メッシュ)を採用したパネルの従来技術においては、光反射によって表示品質が低下する問題が生じる可能性があることから、パネルにおける金属導線によって生じる金属反射を除去するために、防眩処理(Anti−Glare)膜を別途形成しなければならない。
従来採用されている防眩処理膜は、タッチパネルの厚さを増加させて、透光領域の透光性に影響を及ぼす可能性がある。同時に、光学グレードのプラスチック基板自体も光反射を引き起こす可能性があり、光反射によって人は眼に視覚疲労を覚えやすくなる。従って、もし光学グレードのプラスチック基板による光反射が前述した金属導線による光反射と合わさると、光反射の干渉が更に激しくなり、人の眼は金属導線の干渉現象を一層捉えやすくなる。以下において、これらの光反射による表示品質の低下現象を表示ムラと称する。
図1は、従来技術におけるタッチ表示装置に適用された基板と電極構造の断面構造を示す。
タッチパネルは、基板10と、その上下2つの表面の電極構造101、102とを含む。タッチ表示装置を構成する場合、その上方には光学接着剤(optically clear adhesive)11が設けられる。光学接着剤11によってパネルにおける金属材料の光反射を除去するための防眩処理膜12が粘着される。次いで、光学接着剤13によって上方基板14が貼り付けられる。この構造の下方において、基板10は光学接着剤15を介して液晶表示モジュール16に設けられることができる。以下において、基板10の表面の電極構造101、102を形成する金属メッシュをメッシュ構造と称し、メッシュ構造以外の透光領域である部分をスクリーンと称する。
従来技術において、前述した金属反射を低減するための解決方法として、例えば、スクリーンとメッシュ構造との表示ムラを調整するように、金属(例えば銅)メッシュの構造に黒化層をコーティングする方法がある。しかしながら、この黒化層では、どのような金属又は酸化層を使用したとしても、金属層の導電率が低下してしまい、環境腐食に対する耐性が悪くなるという問題があった。
従来技術のタッチパネルにおける導電電極と基板との積層構造の断面図を図2に示す。
図2に示すように、パネルにおけるプラスチック基板21の上方には第1の電極23が形成される。このような電極構造は金属材料であるため、金属反射を生じる。従って、金属とスクリーンとに生じる表示ムラを低減するために、その表面に第1の黒化層25を形成することができる。図2に示すように、入射光201が第1の電極23に入射すると、本来の反射光202には第1の黒化層25によって金属反射が視覚的に捉えられる。次いで、入射光203の場合、プラスチック基板21に入射する光線も基板によって反射され、反射光204が生じる。
図2に示すように、プラスチック基板21の他方の表面にも他の電極層が形成されることによって、第2の電極29を有する。同様に、第2の電極29の外側の表面には、第2の黒化層27が形成される。図2に示すように、プラスチック基板21に入射する光線は、プラスチック基板21を貫通した後、第2の電極29に入射され、反射光205が視覚的に捉えられる。
このように、従来技術において、金属反射現象を低減するために防眩構造を利用する方法、又は、金属とスクリーンとに生じる表示ムラを低減するために電極構造に黒化層を形成する方法では、いずれも反射問題を効果的に解決することはできないばかりか、パネルの厚さの増加、被覆された箇所の金属導電率の低下、耐腐食能力が低いといった問題が生じている。
従来技術において採用される金属電極導線によって金属反射が生じることや、電極に防眩処理膜を直接被覆することによってパネルの表示品質が低下すること、或いは金属とスクリーンとに生じる表示ムラの問題を回避するために黒化層をコーティングすることによって、却って導電率が低下する問題が生じていることに鑑みて、本発明は、電極構造が、金属又は基板によって生じる光反射を効果的に除去することができ、更にタッチパネルの厚さを効果的に低減することができ、尚且つ表示品質に影響を及ぼすことがなく、高い透光性と金属導電率を備え、同時に極めて良好な耐候性を有し、高温塩浴の環境下でも耐食性を示すように構成された、タッチパネル装置、電極構造及びその製造工程を提供することを課題とする。
1つの実施例において、電極構造は主として、基板の表面に形成され、電極構造の導電構造である金属導電層と、金属導電層の表面に引き続いて形成され、金属反射による光線を散乱させる又は金属導電層及び基板の両者から合成される光反射を低減するのに用いられ、金属導電層にエッチング若しくは加工を施すこと又は電解、スパッタリング、蒸着若しくは塗布方法を利用することで形成される艶消粗化構造と、艶消粗化構造の表面に引き続いて形成され、艶消作用を奏し、金属反射を抑えるように、金属導電層に入射する光線を吸収すると共に、入射した光線が同一方向に一致して反射することがないようにするための黒化層と、を有する。
前述した電極構造は、電極構造を基板と結合させ、電極構造と基板との接着性を向上させるための接着層を更に含んでもよい。接着層は、艶消粗化の構造を有してもよい。
他の実施例において、電極構造は主として、金属導電層及び粗面を有する黒化層を含む。この実施例では、直接黒化層にエッチング又は加工を施すことで粗面を形成する。この粗面を有する黒化層は、光反射量を低減するように、表面構造を介して金属導電層からの反射によって形成された反射光を散乱させる。同様に、電極構造と基板との間に接着性を向上させる接着層を形成してもよい。接着層は、艶消粗化の構造を有してもよい。
前述した実施例において、黒化層の表面には、耐食及び黒化の能力を増強できるように、他の黒化層が更に形成されてもよい。接着層と金属導電層との間には、付着性を向上させる他の接着層が更に形成されてもよい。他の接着層は、艶消粗化の構造を有してもよい。
更に他の実施例において、電極構造は主として、接着層、金属導電層及び第1の黒化層を有する。この第1の黒化層は、金属導電層の表面に引き続いて形成され、金属反射を抑えるように、当該金属導電層に入射する光線を吸収するのに用いられる。続いて第1の黒化層の表面に、第2の黒化層を形成する。次いで、耐光反射の効果を強化して、スクリーンとの表示ムラを減少させるように、第2の黒化層の表面にエッチング又は加工を施して粗面構造を形成する。本発明の実施態様に係る電極構造は、2層以上の接着層、黒化層及び艶消粗化層を有してもよいが、本発明はそれに限定されない。
上述した各実施例における電極構造は、基材と結合され、タッチパネル装置として組立形成される。
更に他の実施例において、基材表面には同様に、艶消粗化構造が形成されてもよい。その主な目的は、視覚的に不快な光反射が引き起こされることを効果的に回避するように、基材に入る光線を散乱させることができるようにすることにある。
前述した基材と電極構造に艶消粗化構造を形成する実施例において、他の素子と結合する場合、光学接着剤を封入してもよい。光学接着剤が基材の透光領域表面の艶消粗化構造の間隙に充填されることで、艶消粗化によって上昇したヘイズ値(Haze、即ち曇り度)を低減することができ、粗面を有する黒化層の色を更に黒くすることができ、スクリーンとの表示ムラを減少させることができる。
このように、本発明に係るタッチパネル装置における電極構造は、従来の金属メッシュタッチパネルにおける銅層上方に黒化層をコーティングすることで金属反射を低減する処理とは異なり、構造中に積層構造と材料構成を利用することで、金属とプラスチック基板の光反射問題を解消することができるだけでなく、タッチパネルの厚さを効果的に低減することができ、尚且つ透光領域のヘイズ値にも影響を及ぼすことがない。また、本発明に係るタッチパネル装置における電極構造は、銅導電層の導電率にも影響を及ぼすことがなく、極めて良好な耐候性を兼ね備え、高温塩浴の環境下でも極めて良好な寿命特性を示すことができる。
従来技術におけるタッチ表示装置を示す断面構造図である。 従来技術におけるタッチパネルの導電電極と基板との積層構造を示す断面図である。 本発明に係る基本的な電極構造の実施例を示す図である。 本発明に係る基本的な電極構造の実施例を示す図である。 本発明に係る電極構造の他の実施例を示す図である。 本発明に係る基板表面構造の実施例を示す図である。 本発明に係る基板表面構造の実施例を示す図である。 本発明に係る電極構造と基板との結合の実施例を示す図である。 本発明に係る電極構造と基板との結合の実施例を示す図である。 本発明に係るタッチパネルの実施例を示す図である。 本発明に係る電極構造の実施例を示す図である。 本発明に係る電極構造の実施例を示す図である。 本発明に係る電極構造の実施例を示す図である。 本発明に係る電極構造の製造工程を示すフローチャートである。
本発明において所定の目的を達成するために採用した技術、方法及び効果をより深く理解することができるように、以下、図面を参照しながら詳細に説明する。これにより、当業者は本発明の特徴及び特性をより具体的に理解することができる。但し、図面は参考と説明のために用いるものに過ぎず、本発明を制限するものではない。
本発明に係るタッチパネル装置、電極構造及びその製造工程において、タッチパネルに金属製若しくは金属ベースの電極構造又は導線を採用する。電極構造は、金属反射を除去するために、金属材料に表面処理によって耐食黒化層が形成される。これにより、従来技術における光反射防止のために構造の厚さが増加する問題を回避することができ、通常の黒化処理によって導電率が低下する問題をも回避することができ、透光性と金属導電率に影響を及ぼすことのない光反射防止機能を有する金属電極導線を有するタッチパネル構造を提供することが可能である。
本発明に係るタッチパネル装置への適用において、実施例の構造は主として透明基板とその基板上に形成される金属電極又は導線を含み、一般的なタッチパネル又はフレキシブルタイプのタッチパネルに適用される。導電金属の表面には、エッチング等の加工方式又はその他の材料の電解、スパッタリング若しくは蒸着方式によって、艶消粗化構造が形成されている。また、反射光エネルギーを低減し、ひいては光学的整合及び構造強化の機能をもたせるように、黒化層を別途形成してもよい。
本発明に係るタッチパネル装置の実施例において、導電金属又は基板の表面に形成された艶消粗化構造は、薄層である。この層は厚さが1nm〜10μmであってもよく、好ましくは50nm〜2μmである。導電金属の表面に形成される黒化層の特性は、反射光エネルギーを低減する目的を達成するために、L(明度)、a(赤/緑)及びb(黄/青)からなる色度座標値における範囲が、それぞれL<50、a<−0.1、及びb<−0.1である。
<第1の実施例>
図3は、本発明に係る基本的な電極構造の実施例を示す図である。図3に示すように、基板30には電極構造32が形成されている。この電極構造32の基本構造は、導電媒体としての金属導電層301、艶消粗化層302及び黒化層303を含む。その構造特徴及び製作については、図4の説明も参照されたい。
本実施例において、電極構造32は、基板30の上表面又は下表面に直接形成してもよい。その構造は主として金属導電層301を含む。金属導電層301は、電極構造32における主要な導電構造であり、電解(electrolysis)、スパッタリング(sputtering)又は印刷(printing)等の方式により特定構造の上に形成することができる。
金属を導電構造とする方式では、金属が外部からの光線を容易に反射してしまうため、表示装置に適用した場合、視覚的な影響が生じる可能性がある。そこで本発明では、この電極構造に粗化の手段を導入する。粗化の方式には様々な種類があるが、本実施例では、金属導電層301の表面に艶消粗化層302を形成する。艶消粗化層302を形成する方式には様々な種類があり、例えば金属導電層301に表面処理を施すことで形成してもよく、或いは表面構造を有する粗構造層を直接金属導電層301に別途形成してもよい。こうした表面構造によって、金属導電層301からの反射によって形成された反射光を散乱させることができる。
本実施例において、続いて金属導電層301及び艶消粗化層302に黒化層303を形成する。黒化層303は、電極構造32における例えば金属導電層301の上方に設けられる。黒化層303は、外部から電極構造32に入射した光線を吸収するのに用いられ、特にスクリーンとの表示ムラを減少させることができ、強化構造、防食等の保護構造とすることもできる。
<第2の実施例>
本発明に係るタッチパネルの基本的な電極構造を図4に示す。その製造工程については、図12に示すフローチャートも参考にすることができる。
先ず基板40を用意する(図12、S121)。基板40に電極構造42を金属を主な材料として形成する。本実施例では1つの電極構造を例とするが、実際に実施する場合は必要に応じて複数のアレイ形式に配列された電極構造となる構成としてもよい。基板40は、ガラス基板又はフレキシブルタイプのタッチパネルに適用されるプラスチック基板などであってもよい。プラスチック基板の材料は、PET(Polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)、PEI(Polyetherimide、ポリエーテルイミド)、PPSU(Polyphenylensulfon、ポリフェニルサルフォン)、PI(Polyimide、ポリイミド)又はそれらの組み合わせであってもよい。
電極構造42には、基板40に隣接して接触する接着層401が含まれる。接着層401が先ず基板40の表面に形成され(図12のS123)、電極構造42が接着層401を介して基板40と結合される。この接着層401は、引き続き形成される電極構造と基板40との接着性を向上させるのに用いられ、本実施例においては別途形成された接着層を介して付着性を強化することができる。その後、接着層401に金属導電層402を形成する(図12のS125)。金属導電層402は、電極構造42における主要な導電構造であり、電解、スパッタリング又は印刷等の方式により特定構造の上に形成することができる。金属導電層402の材料は、例えば銀、銅等の導電金属材料であってもよい。
1つの実施例において、スクリーンとの表示ムラを低減するため又は金属導電層402によって生じる光反射現象を回避するために、金属導電層402に電解、スパッタリング、蒸着又は塗布方式によって黒化層404を直接形成してもよい(図12のS129)。黒化層404は、スクリーンとの表示ムラを減少させるとともに光反射を防止するだけでなく、強化構造、防食等の保護構造とすることもできる。
本実施例において、金属導電層402に黒化層404を形成する前に、金属導電層402の表面に艶消粗化層403を予め形成してもよい(図12のS127)。この艶消粗化層403は艶消粗化構造であり、例えばエッチング、表面加工処理等によって、金属導電層402に表面処理(粗化)を施すことで形成される表面構造であってもよく、或いは、例えば電解、スパッタリング又は蒸着等の方式によって、直接金属導電層402に別途形成される表面構造を有する粗構造層であってもよい。こうした表面構造によって、金属導電層402からの反射によって形成された反射光を散乱させることができ、また同時に金属導電層402及び基板40の両者から合成される光反射を低減することができる。
艶消粗化層403には、黒化層404が更に形成されてもよい。黒化層404は、艶消粗化層403の表面に引き続いて形成され、電解、スパッタリング、蒸着又は塗布によって艶消粗化層403の上に粗い黒化層構造として形成される。従って、非平面の連続構造が金属導電層402の上方に形成されることで、金属導電層402に入射する光線を乱反射又は吸収して、金属反射を抑えることができ、同時に電子トンネルが生じる確率を増加させて導電率が低下しないようにすることが可能である。更には、黒化層構造は、結合強度、硬度が金属導体よりも優れているため、耐食性の保護層としての作用をも有する。黒化層404は、電極構造42全体の外層に設けられるため、金属電極の外観を規定することを補助する効果を奏する。
更に、1つの実施例において、電極構造42は上方の他の構造に接触する。例えば電極構造42が光学接着剤(optically clear adhesive、OCA)を介して他の構造と結合することで、上方の膜体、基板、下方の膜体、表示モジュール等を含むタッチ表示装置が形成される。光学接着剤と本実施例の電極構造42最上層の黒化層404とが結合されると、黒化層はその特性上、光学接着剤によりその黒化とコントラストの程度を強化するとともに、粗面における白濁干渉を低減することができる。これにより、使用者はこのタッチ表示装置を快適に見ることができる。
<第3の実施例>
他の実施例における電極構造を図5に示す。電極構造52は、基板50の上に形成される。基板50は、例えばプラスチック、ガラス等の透明材料によって用意される。電極構造52は主として、基板50と電極構造52との間を連結する第1の接着層501を含む。第1の接着層501によって、電極構造52と基板50との接合性を向上させることができる。次いで、第1の接着層501の表面に例えば第2の接着層502である他の接着層を形成する。この第2の接着層502によって、引き続き形成される金属導電層構造と基板50、第1の接着層501との付着性をより向上させることができる。
第2の接着層502には続いて金属導電層503が形成される。金属導電層503は電極構造における導電層であり、材料は銀、銅等であってもよいが、実際の実施においては特定の材料に限定されない。本実施例において、金属導電層503の表面には、加工を施す方式によって直接金属表面にエッチングを行うことによって、表面構造を有する艶消粗化層504を形成してもよく、或いは、電解、スパッタリング又は蒸着の方式によって表面構造を有する艶消粗化層504を別途形成してもよい。艶消粗化層504は、光線が一致した光反射現象が生じないように、表面構造によって進入する光線を散乱させることができる。
前述した金属導電層503自体の金属材料は、入射した光線を反射させやすく、また酸化しやすいため、導電率が低下する問題を引き起こす。従って、次いで艶消粗化層504に耐食能力を有する第1の黒化層505を形成してもよい。この第1の黒化層505は黒色又は濃色であり、効果的に金属反射を低減させ、スクリーンとの表示ムラを減少させることができる。また、第1の黒化層505は、金属ベースの材料からなるため、保持電極構造52の導電性を保持することができる。また、第1の黒化層505は、金属導電層503又はその他の構造よりも優れた耐食性を有しているため、電極構造の外形を規定する補助層として、被覆構造にしてもよい。
上述した各層構造以外に、例えば図に示す第2の黒化層506のように、第1の黒化層505に更に積層構造の形式で他の黒化層を形成してもよい。第2の黒化層506は、同様に耐食能力を有し、導電率を維持する等の利点を有するため、黒色色度を更に向上させることができ、粗構造によって反射率の低減(耐光反射)を強化することもできる。
上述した構造において、接着層、艶消粗化構造、黒化層等の構造による光学的整合を介して、低反射又は無反射の電極構造を形成することができる。これにより、人の眼が外光の映り込みの影響を受けることはなく、関連する表示装置の表示内容を快適に観賞することが可能となる。
前述した電極構造に形成される黒化層は、金属反射を防止すると共にスクリーンとの表示ムラを減少させることができる。艶消粗化構造は、内部と外部の光反射を低減することができる。図6に示す実施例のように、構造全体の光反射を抑制するために、基板の上下表面に表面を有する艶消粗化構造を形成してもよい。これらをタッチパネルに適用することで、視覚的な快適性を増加させることが可能である。
<第4の実施例>
図6Aに示すように、艶消粗化構造は、基板の上に形成されてもよい。本実施例では、直接基板60に表面処理を施すことで艶消粗化構造601、602を形成している。製造工程としては例えばエッチング又は表面加工である。更に詳しく述べると、艶消粗化構造601、602は、化学エッチング(硫酸、過マンガン酸等)、機械物理的洗浄又はプラズマ洗浄(例えば圧延、イオンビーム、コロナ放電、大気圧プラズマ)等の方式を利用することで形成することができる。本実施例の艶消粗化構造601、602の材質は基板の材質と同一である。
基板60の表面に電極構造が形成された場合、基板60の表面に形成された艶消粗化構造によって、入射光は1つの方向に一致して反射することがなく、光反射を低減する効果を補助し、基板60の表面から直接反射する光をも低減することができる。
基板60’に形成された光反射を低減する表面構造を図6Bに示す。本実施例では、基板60’の上表面に第1の艶消粗化層601’を形成している。艶消粗化構造の目的は、基板60’全体の表面に形成され得る光反射を低減することにある。本実施例の艶消粗化層601’、602’は、例えば電解、スパッタリング、塗布、圧印又は蒸着等の方式により材料を追加して艶消粗化構造が形成されてもよい。
本実施例では、基板60’の下表面にも第2の艶消粗化層602’を形成してもよい。第2の艶消粗化層602’を形成する方式は、上述した第1の艶消粗化層601’の形成方式と同様である。基板60’の上下表面に形成された第1の艶消粗化層601’及び第2の艶消粗化層602’の組み合わせにより、外部から光線が構造に入射することによって生じる光反射と、内部(例えばバックライトモジュール)から射出されて視覚的な影響を生じる光線とを効果的に低減することができる。スクリーンのバックライトがカラーフィルター(color filter)のブラックマトリクス(black matrix)と金属電極の配列を通ることによって生じやすいモアレ(moire)干渉現象も、第2の艶消粗化層の作用によって、ブラックマトリクスによって生じた規則性バックライトが破壊されることで、モアレ問題を減少させることができる。基板に艶消粗化構造を設けることにより、効果的に素子の厚さを低減し、金属反射とモアレ干渉現象を減少させるといった新規性と進歩性を備えることができる。
光線が入射する態様については、従来技術を示す図2を参考にすることができる。入射光線が基板表面によって反射する方式によれば、本実施例の基板60’における第2の艶消粗化層602’には、基板60’の下表面に設けられた他の電極構造(図6A、図6Bには図示せず)が連結され得るため、光線が下表面の電極構造に入射した場合、基板表面の艶消粗化構造によって電極構造の金属反射を効果的に低減することができる。従って、下表面に第2の艶消粗化層602’を設けることにより、光反射を効果的に低減することも可能となる。
本実施例の第1の艶消粗化層601’と第2の艶消粗化層602’を形成する方式は、例えばUV接着剤有機シリコン樹脂硬化層又は無機シリコン樹脂硬化層等の材料を別途塗布することによって実現される。この方式によって形成される艶消粗化層の材質は、基板の材質と異なる。
図6Aに示す実施例における艶消粗化構造601、602並びに本実施例の第1の艶消粗化層601’及び第2の艶消粗化層602’の粗さ(Ra、中心線平均粗さ)の範囲は、好ましくは0.001μm〜0.2μmであり、最も好ましい粗さの範囲は、Ra=0.02μm〜0.1μmである。
<第5の実施例>
図7Aは、表面に艶消粗化構造を有する基板70に電極構造72を形成した実施例を示す図である。
電極構造72は、積層構造となるように基板70の表面に形成される。電極構造72は主として、基板70と連結される第1の接着層721を含む。基板70と接触する表面は、図6に示すような艶消粗化構造として形成されてもよく、本実施例においては艶消粗化層701である。
第1の接着層721には、図に示す第2の接着層722のように、引き続いて形成される金属導電層723を補強するための他の接着層が更に形成されてもよい。金属導電層723を形成する方式は、上記各実施例を参考にすることができる。金属導電層723によって生じる光反射を低減又は回避するために、本実施例では更に金属導電層723に電極構造72内の他の艶消粗化層724を形成するとともに、耐食能力及び黒化効果を有することのできる第1の黒化層725を引き続いて形成する。図に示す第2の黒化層726のように、スクリーンとによって生じる表示ムラを減少させる効果をもたせるために、第1の黒化層725に耐食性及び黒化効果を強化する機能を有する他の黒化層を形成してもよい。
本実施例の積層構造は、外側に面する表面に艶消粗化構造又は黒化構造が形成されているため、基板70又は金属導電層723による光反射を低減又は回避する効果を有すると同時に、スクリーンとの表示ムラを減少させることができる。
<第6の実施例>
図7Bは、製造工程において艶消粗化構造(図7Aの724)を直接最後に加工することで、基板と電極に同時に艶消粗化構造を形成できることを示す。最後の加工を行う場合、実施例ではUV接着剤、有機シリコン樹脂硬化層又は無機シリコン樹脂硬化層等の材料を別途塗布することによってこの艶消粗化構造を形成することができる。この方式によって形成される艶消粗化層の材質は、電極及び基板の材質と異なる。加工方式としては、例えば電解、スパッタリング、塗布、圧印又は蒸着等の方式によってこの艶消粗化構造を形成してもよい。
図7Bに示すように、基板70’に形成された電極構造72’中には、図7Aに示すような金属導電層723に形成された艶消粗化層724は設けられていない。そもそも基板70’には艶消粗化層(図7Aの701)を予め形成しなくてもよく、金属導電層723に第1の黒化層725’を直接形成したり、その上に更に第2の黒化層726’を形成し、その後で最後の加工工程において、基板70’と電極構造72’に艶消粗化構造727を同時に一括して形成するようにしてもよい。
上述した各実施例において、図7A又は図7Bを例にすると、第1の接着層721及び/又は第2の接着層722は、高分子、酸化物若しくは金属材料、又はそれら材料の組み合わせからなるものであってもよい。詳しく述べると、第1の接着層721中に含まれる高分子材料は、第1の接着層721と基板70との付着性を向上させるのに有用である。第1の接着層721及び/又は第2の接着層722中に含まれる酸化物材料は、接着層に耐反射、耐干渉、耐ニュートンリング、耐摩耗、耐スクラッチの性質を付与する特性を有する。第1の接着層721中に含まれる金属材料は、第1の接着層721と第2の接着層722との付着性を向上させることができる効果を奏する。
積層構造中の各層の製作材料において、高分子材料は、アクリル(acrylic)、PET、PEI、PPSU、PI、PEDOT、ポリアニリン(Polyaniline)、ポリピロール(Polypyrrole)又はそのうちの複合材料の組み合わせを含む。酸化物は、非晶質又は多結晶の酸化物薄膜又は粉末構造であってもよい。酸化物の組成は、酸化チタン(titanium oxide)、酸化タンタル(tantalum oxide)、酸化シリコン(silicon oxide)、酸化アルミニウム(aluminum oxide)又はそのうちの複合材料の組み合わせであってもよい。金属は、銅、銀、アルミニウム、モリブデン、ニッケル、クロム、タングステン、チタン、シリコン、亜鉛、スズ、鉄及びその他の合金又はそのうちの複合材料の組み合わせを含んでもよい。また、高分子、金属及び酸化物のうちの2種類又は3種類を組み合わせてもよく、例えば、金属と酸化物との結合、高分子と金属との結合、高分子と酸化物との組み合わせ又は金属と酸化物と高分子との組み合わせ等の複合材料を用いてもよい。複合材料を使用する場合、高分子が占める割合は10%〜90%であり、酸化物が占める割合は10%〜90%であり、金属が占める割合は10%〜90%である。酸化物は多層の構造であってもよい。
1つの実施例において、前述した酸化チタンの厚さは900nm程度であってよく、酸化シリコンの厚さは100nm程度であってよい。第1の接着層721及び/又は第2の接着層722の厚さは好ましくは0.001μm〜1μmの範囲である。第1の接着層721及び/又は第2の接着層722の反射率は1%〜50%の範囲でなければならず、好ましくは30%よりも低い。また、第1の接着層721及び/又は第2の接着層722は、反射光を除去する効果を達成するように、加工方式によって粗化されてもよい。第1の接着層721及び/又は第2の接着層722を形成する方式は、(1)接着層の材料が基材に食い込むように、第1の接着層をスパッタリングするエネルギーを増加する、(2)添加ポリアニリンといった着色高分子を接着層に添加する、(3)接着層材料を多孔構造にエッチングする等である。
金属導電層723の材料は、銅、金、銀、アルミニウム、タングステン、鉄、ニッケル、クロム、チタン、モリブデン、インジウム、スズ又はそのうちの複合材料の組み合わせであってもよく、厚さは好ましくは0.001μm〜5μmの範囲である。
電極構造72の接着性及び導電性を高めるために、もし金属導電層723が純金属である場合、それと隣接する第2の接着層722にこの純金属が50%を超える含有量で含まれ、第1の接着層721に純金属が50%よりも低い含有量で含まれる段階的構造としてもよい。例を挙げると、金属導電層723がもし純銅である場合、第1の接着層721はニッケル銅クロム鉄合金であってもよく、その組成はニッケル:銅:クロム:鉄=60:30:10:0又はニッケル:銅:クロム:鉄=80:10:5:5である。また第1の接着層721はニッケルタングステン合金であってもよく、その組成はニッケル:タングステン=50:50である。第1の接着層721にはシリコン又はリン等を別途添加してもよい。第2の接着層722は銅ニッケルクロム合金であってもよく、その組成は銅:ニッケル:クロム=60:30:10である。また第2の接着層722は銅ニッケルタングステン合金であってもよく、その組成は銅:ニッケル:タングステン=60:20:20である。第2の接着層722にはシリコン又はリン等を別途添加してもよい。
電極構造72内に設けられた艶消粗化層724は艶消粗化構造であり、物理機械的粗化(圧延、プラズマエッチング)又は化学エッチングの方式を利用して、破壊的な方式でその表面粗さを向上させるようにしてもよい。従って、艶消粗化層724の材質は金属導電層723と同一の材質である。
艶消粗化層(図7Aの724)の構造において、その構造を別途延在させ、艶消粗化層724を拡大して金属導電層723の上方を覆う構成としてもよい。艶消粗化層724の材料は、金属導電層723と異なってもよい。例えば、(1)スパッタリング、蒸着等の乾式コーティング又は電気めっき、化学めっき等の湿式コーティングを含むコーティング条件を変更して、不連続な島状に分布して粗面又は多孔構造が形成されるように艶消粗化層724をコーティングする、或いは(2)平滑な連続構造となるように予め艶消粗化層724の材料をコーティングして、物理機械的な粗化(圧延、プラズマエッチング)又は化学エッチングの方式を利用して、破壊的な方式でその表面粗さを向上させる。成長させる方式を利用して製作された艶消粗化層724の材料は、高分子、酸化物又は金属であってもよく、金属導電層723と同一か又は第1の黒化層725と同一であってもよい。
艶消粗化層724は、電極構造72の表面粗さに影響を及ぼすことができ、耐光反射の性質と、感光性又は感熱性耐食剤の電極構造72表面への付着性を高める能力とを有するため、別途タッチパネルに防眩処理膜を増設する必要がない。従って、コストを低減できるだけでなく、同時に微細回路のエッチングに影響を及ぼすこともない。艶消粗化層724の表面粗さ範囲は、好ましくはRa=0.001μm〜0.2μmであり、最も好ましい粗さはRa=0.02μm〜0.1μmであるため、光学的ヘイズ値は2よりも小さい。
前述した第1の黒化層725及び/又は第2の黒化層726の材料は、銅、銀、アルミニウム、モリブデン、ニッケル、クロム、タングステン、チタン、シリコン、亜鉛、スズ若しくは鉄、又はそれらの材料の組み合わせであってもよい。第1の黒化層725及び/又は第2の黒化層726の厚さは、好ましくは0.001μm〜1μmの範囲である。第1の黒化層725及び/又は第2の黒化層726の反射率は、1%〜50%の範囲であってよく、好ましくは30%よりも低い。
上述した第2の黒化層726は、形成される他の黒化層であり、第1の黒化層725に被覆することができる。これにより、耐食性及び黒化の能力を向上させて、構造全体の環境適応性を高めると共に、第1の黒化層725と協調して電極全体の色の色度及び光反射能力を調整することができる。第2の黒化層726の材料は、酸化物、高分子、炭素又はそれらの混合物であってもよい。酸化物は、酸化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウム又はそれらの混合物であってもよい。高分子は、アクリル(acrylic)、アルキルベンゾイミダゾール(alkylbenzimidazole)混合物、アルキルベンゾイミダゾール化合物、PET又はPEDOT、ポリアニリン若しくはそれらの混合物である着色有機物であってもよい。
第2の黒化層726の混合物において、高分子の割合は10%〜90%であってよく、酸化物の割合は10%〜90%であってよい。第2の黒化層726の厚さは好ましくは0.001μm〜1μmの範囲である。第2の黒化層726の反射率は1%〜50%の範囲でなければならず、好ましくは30%よりも低い。また、第1の黒化層725と第2の黒化層726とによる全体反射率は、好ましくは30%よりも低くなければならない。例えば、本発明に係る装置がディスプレイに適用された場合、スクリーンのバックライトをオフにした時、その反射率は30%よりも低く、色度座標の赤緑軸(a/−a axis)は−2よりも低くなり、黄青軸(b/−b axis)は−4よりも低くなる。特に、偏光板が搭載されたスクリーンでは、色度は更に青緑色寄りとなり、当該偏光板が搭載されたスクリーンのb値は約−7である。
従って、第1の黒化層725によって、同時に金属細線自体の金属色を調整して、第1の黒化層725と合わせて用いられる金属微細回路自体の色(例えば金属母材である純銅の反射率>50%、L>90%、a<0.1、b>2)をスクリーンのブラックマトリクス(Black matrix、BM)の色に近づかせ、コントラストや表示ムラを減少させることができる。なぜならb値が1よりも大きい又は反射率が50%よりも大きい場合、人の眼では黄色寄りの金属反射を容易に捉えるからである。第1の黒化層725と第2の黒化層726の材料自体の色度は、材料の厚さによって変化する。第2の黒化層726によって、第2の黒化層726が被覆している第1の黒化層725の色度を調整して、その色度をスクリーンのブラックマトリクスの色により近づかせると同時に、耐表示ムラ、耐反射、耐モアレ干渉、耐ニュートンリング、耐摩耗、耐スクラッチの特性を有することができる。
しかしながら、本明細書に記載する内容は、電極構造において粗化を形成し反射光を低減する特定の実施例であり、本発明は本明細書に記載される各実施例に限定されない。
<第7の実施例>
更に他の実施例を図8に示す。図8は、本実施例において本発明の基板と電極構造とがタッチパネル内に適用されたことを示す図である。
基板の表面に艶消粗化構造が形成されたことに加え、本実施例では、更に基板80の上下表面のいずれにも、第1の艶消粗化層801及び第2の艶消粗化層802のように、艶消粗化構造が形成されている。艶消粗化構造は、化学エッチング(硫酸、過マンガン酸等)、機械物理的洗浄又はプラズマ洗浄(圧延、イオンビーム、コロナ放電、大気圧プラズマ等)等の方式を利用することで形成することができる。
基板80の上表面の第1の艶消粗化層801の上方に形成される第1の電極構造82と、下方に形成される第2の電極構造84とは、同一の構造であってもよい。構造については、図7A又は図7Bを参考にすることができる。第1の電極構造82及び第2の電極構造84内には、例えば接着層、黒化層、艶消粗化構造等の、耐表示ムラ、耐反射、耐モアレ干渉、耐ニュートンリング、耐摩耗、耐スクラッチの構造を有する。その実施例については図7A又は図7Bの記述を参照されたい。基板80の外側に面する表面には基板80からの光反射を抑制する第1の艶消粗化層801が形成されている。第2の艶消粗化層802は、第2の電極構造84によって形成された金属反射を低減又は回避することができる。従って、外部(図で示す上方)を見た場合、金属反射が大幅に低減されて視覚効果が改善されているため、人の眼による観賞の快適性を高めることができ、素子の厚さを効果的に低減し、モアレ干渉現象を減少させる効果を奏する。
基板80、電極構造82、電極構造84によってタッチパネル装置が形成される。図8に示すように、この装置と他の素子とが結合されてタッチ表示パネル装置が組み合わされる場合、光学接着剤811、812を接着剤とする。例を挙げて言うと、基板80、電極構造82、電極構造84によって形成されるタッチパネル装置は、光学接着剤811によって、図に示す透明基板803と関連する光学素子のような上方の光学部材と組み合わされ、更に光学接着剤812によって液晶表示モジュール804(本実施例では下方)と結合される。前述した基材80における電極構造82、84が組み合わされる表面に艶消粗化構造が形成されている場合、その他の部材と結合される際に、光学接着剤811、812が封入されると、光学接着剤811、812が表面の粗化構造の間隙に充填されるため、粗化によって上昇した透光領域のヘイズ値を低減して、透光領域の透光率を増加させることができる。
しかしながら、光学接着剤811、812を張り付けた後、基板80の表面に形成された第1の艶消粗化層801及び第2の艶消粗化層802の粗さは、光学接着剤811、812によって、人の眼が透光領域を視認した際の曇り度合を低減する可能性がある。また、光学接着剤811、812は、材質が基板80に近似しており、屈折率の差異が小さいため、タッチパネル装置における粗面に充填されることによって、基板80の透光領域の透光度を増加させることができるだけでなく、耐食黒化層の色をより真っ黒寄りに又はスクリーンのブラックマトリクスに一層類似した色度寄りにすることもできる。従って、光学接着剤811、812は、効果的に金属メッシュを遮蔽して、人の眼による観賞の快適性を高めるように、曇ることによって生じる白濁効果を低減すると共に、電極上の艶消粗化層の効果に影響を及ぼすこともない。
特筆すべきことは、本発明は、一般的に基板に屈折率が低い薄膜材料(即ち耐反射膜)をコーティングするのとは異なり、基板の透過率を高めることができる方式である。本発明で採用された光学接着剤の適用において、基板(例えばPET)の表面を粗化した場合、光学接着剤で被覆することで表面の粗化構造に充填できるほか、更に粗化によって上昇したヘイズ値を低減することができる。例を挙げて言うと、光学接着剤及びパネル装置のガラスの屈折率はいずれもPETよりも低いため、透過率を高めることができる。上述した各構造のデータは、表面ガラスの屈折率が1.53で、光学接着剤の屈折率が1.46〜1.47で、光学グレードPETの屈折率が1.62である。
電極構造の実施態様は、上述した図面に限定されない。以下、各図面において異なる電極構造の実施例を示すが、記載された接着層、金属導電層、艶消粗化層、黒化層的材料、製作方法及び積層構造の関係は、上述した各実施例に記載の通りであるため、ここでは詳しい説明を省略する。
図9に示す1つの実施例において、基板90の表面には、例えば艶消粗化層901である光反射を低減する艶消粗化構造を有する。艶消粗化層901の上方には電極構造が形成される。実施例に示す電極構造の主要な素子については、上述した図7A、図7B及び図8を参考にすることができる。但し、実際の実施においては上述した構造に限定されない。金属導電層923が直接侵食又は加工されて艶消粗化構造が形成され、艶消粗化層が形成されることで、引き続き形成される構造にも粗面が形成される。例えば、第1の黒化層924及び第2の黒化層925のいずれにも金属導電層923の艶消粗化構造に伴って粗面が形成される。
図10に示す電極構造の実施例のように、基板90の表面の艶消粗化層901に形成された電極構造において、金属導電層923’に形成された第1の黒化層924’が直接エッチング又は加工されて粗化されることで、粗面を有する黒化層が形成される。即ち、前述した艶消粗化構造は、黒化層を加工することで直接形成される。この第1の黒化層924’は、電解、スパッタリング、蒸着又は塗布方法によって金属導電層923’に形成される。この粗面は、第1の黒化層924’の表面にエッチング又は加工を施して形成される。粗面を有する第1の黒化層924’は、表面構造を介して金属導電層923’から反射して形成された光反射を散乱させることができ、ひいては光反射量を低減することができる。
次いで、粗面を有する第1の黒化層924’に、例えば図10に示す第2の黒化層925’である他の黒化層を更に形成することができる。同様に第1の黒化層924’の表面構造に伴って粗面が形成される。
更に図11に示す実施例のように、電極構造における金属導電層923’’の上には同様に第1の黒化層924’’がある。第2の黒化層925’’を直接エッチング又は加工することで、その表面を粗化して粗面が形成される。この粗面を有する第2の黒化層925’’は、第1の黒化層924’’の表面に引き続いて形成され、表面構造を介して金属導電層923’’から反射して形成された光反射を散乱させると共に、光反射量を低減する。
2層の黒化層を作成する工程において、第1の黒化層924’’は、電解、スパッタリング、蒸着又は塗布方法によって金属導電層923’’の上に形成される。第2の黒化層925’’は、電解、スパッタリング、蒸着又は塗布方法によって第1の黒化層924’’の上に形成される。即ち、両者は類似の作成方式で作成される。
図11に示す実施例において、電極構造における各素子の材料及び組成については、上記各実施例の記述を参照されたい。本実施例の第1の黒化層又は第2の黒化層の材料の組み合わせ、厚さ、要求される反射率についても上記各実施例に記述した内容を参照されたい。
このように、本発明に係るタッチパネル装置における電極構造は、従来の金属メッシュタッチパネルにおける銅層上方に黒化層をコーティングすることで金属反射を低減する処理とは異なり、構造中に積層構造と材料構成を利用することで、金属とプラスチック基板の光反射問題を解消することができるだけでなく、タッチパネルの厚さを効果的に低減することができ、尚且つ透光領域のヘイズ値にも影響を及ぼすことがない。同時に、銅導電層の導電率にも影響を及ぼすことがなく、極めて良好な耐候性を兼ね備え、高温塩浴の環境下でも極めて良好な寿命特性を示すことができる。
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲に基づいて為された均等の変更又は修正は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
10 基板 101、102 電極構造
11、13、15 光学接着剤 12 防眩処理膜
14 上方基板 16 液晶表示モジュール
21 プラスチック基板 23 第1の電極
25 第1の黒化層 29 第2の電極
27 第2の黒化層 201、203 入射光
202、204、205 反射光 30 基板
32 電極構造 301 金属導電層
302 艶消粗化層 303 黒化層
40 基板 401 接着層
42 電極構造 402 金属導電層
403 艶消粗化層 404 黒化層
52 電極構造 50 基板
501 第1の接着層 502 第2の接着層
503 金属導電層 504 艶消粗化層
505 第1の黒化層 506 第2の黒化層
60、60’ 基板 601’ 第1の艶消粗化層
602’ 第2の艶消粗化層 601、602 艶消粗化構造
70、70’ 基板 72、72’ 電極構造
701、724 艶消粗化層 721 第1の接着層
722 第2の接着層 723 金属導電層
725、725’ 第1の黒化層 726、726’ 第2の黒化層
727 艶消粗化構造 80 基板
801 第1の艶消粗化層
802 第2の艶消粗化層 82 第1の電極構造
84 第2の電極構造 811、812 光学接着剤
803 透明基板 804 液晶表示モジュール
90 基板 901 艶消粗化層
923、923’、923’’ 金属導電層
924、924’、924’’ 第1の黒化層
925、925’、925’’ 第2の黒化層

Claims (19)

  1. 表示装置に適用される電極構造において、
    上方に非平面の連続構造が形成され、前記電極構造の導電構造である金属導電層と、
    前記金属導電層の上方に設けられ、前記金属導電層の左右方向の幅と同じ長さの左右方向の幅を有し、前記金属導電層によって生じる光反射を除去すると共に、前記金属導電層が設置されていない部分である透光領域との表示ムラを減少させるように、前記電極構造に入射する光線を吸収するための黒化層と、
    粗さの範囲がRa=0.001μm〜0.2μmである表面構造を備え、前記金属導電層の表面又は前記黒化層の表面に形成されるように前記電極構造中に形成されており、前記表面構造を介して前記電極構造に入る光線又は前記金属導電層によって反射して形成される光反射を散乱させる特性及び耐モアレ干渉の特性を備える艶消粗化構造と、
    を含むことを特徴とする電極構造。
  2. 前記艶消粗化構造が引き続いて前記金属導電層の表面に形成され、前記艶消粗化構造の材質は前記金属導電層と同一であることを特徴とする請求項1に記載の電極構造。
  3. 前記艶消粗化構造が引き続いて前記金属導電層の表面に形成される場合、前記艶消粗化構造は、前記金属導電層に前記表面構造を有する艶消粗化層が形成されて成り、前記艶消粗化構造の材質は前記金属導電層と異なることを特徴とする請求項1に記載の電極構造。
  4. 前記艶消粗化構造が前記黒化層の表面に形成され、前記艶消粗化構造の材質は前記黒化層と同一であることを特徴とする請求項1に記載の電極構造。
  5. 前記艶消粗化構造が前記黒化層の表面に形成される場合、前記艶消粗化構造は、前記黒化層に前記表面構造を有する艶消粗化層が形成されて成り、前記艶消粗化構造の材質は前記黒化層と異なることを特徴とする請求項1に記載の電極構造。
  6. 前記黒化層にも、前記艶消粗化構造に伴って粗面が形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電極構造。
  7. 前記黒化層の材料は、銅、銀、アルミニウム、モリブデン、ニッケル、クロム、タングステン、チタン、シリコン、亜鉛、スズ若しくは鉄、又はそれらの組み合わせから成り、前記黒化層の厚さ範囲は0.001μm〜1μmであり、前記黒化層の反射率の範囲は1%〜50%であることを特徴とする請求項に記載の電極構造。
  8. 前記電極構造は、基板に形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電極構造。
  9. 前記基板の表面には艶消粗化構造が形成され、前記艶消粗化構造の材質は前記基板と同一であることを特徴とする請求項に記載の電極構造。
  10. 前記艶消粗化構造は、前記基板に前記表面構造を有する艶消粗化層が形成されて成り、前記艶消粗化構造の材質は前記基板と異なることを特徴とする請求項に記載の電極構造。
  11. 前記金属導電層と前記基板との間に形成され、前記電極構造と前記基板とを結合し、前記電極構造と基板との接着性を向上させるための接着層を更に含むことを特徴とする請求項に記載の電極構造。
  12. 前記接着層は、高分子、酸化物若しくは金属材料、又はそれらの組み合わせから成り、前記接着層の厚さ範囲は0.001μm〜1μmであり、前記接着層の反射率範囲は1%〜50%であることを特徴とする請求項11に記載の電極構造。
  13. 前記艶消粗化構造の粗さの範囲はRa=0.02μm〜0.1μmであり、光学的ヘイズ値は2よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の電極構造。
  14. 少なくとも表面を有する基板と、
    前記表面に形成される1つ又は複数の電極構造であって、上方に非平面の連続構造が形成され、前記電極構造の導電構造である金属導電層と、前記金属導電層の上方に設けられ、前記金属導電層の左右方向の幅と同じ長さの左右方向の幅を有し、前記金属導電層によって生じる光反射を除去すると共に、前記金属導電層が設置されていない部分である透光領域との表示ムラを減少させるように、前記電極構造に入射する光線を吸収するための黒化層と、粗さの範囲がRa=0.001μm〜0.2μmである表面構造を備え、前記金属導電層の表面又は前記黒化層の表面に形成されるように前記電極構造中に形成されており、前記表面構造を介して前記電極構造に入る光線又は前記金属導電層によって反射して形成される光反射を散乱させる艶消粗化構造と、を含む1つ又は複数の電極構造と、
    を含むことを特徴とするパネル装置。
  15. 前記基板の表面に艶消粗化構造が形成されていることを特徴とする請求項14に記載のパネル装置。
  16. 前記基板と前記1つ又は複数の電極構造との組み合わせが前記パネル装置内の他の部材と結合される場合、光学接着剤が封入されることを特徴とする請求項14に記載のパネル装置。
  17. 前記光学接着剤は、粗化によって上昇した透光領域のヘイズ値を低減することで透光領域の透光率を増加させるように、前記基板と前記1つ又は複数の電極構造の表面の艶消粗化構造との間隙を充填するのに用いられることを特徴とする請求項16に記載のパネル装置。
  18. 少なくとも表面を有する基板と、
    前記表面に形成される1つ又は複数の電極構造であって、上方に非平面の連続構造が形成され、前記電極構造の導電構造である金属導電層と、前記金属導電層の上方に設けられ、前記金属導電層の左右方向の幅と同じ長さの左右方向の幅を有し、前記金属導電層によって生じる光反射を除去すると共に、前記金属導電層が設置されていない部分である透光領域との表示ムラを減少させるように、前記電極構造に入射する光線を吸収するための黒化層と、粗さの範囲がRa=0.001μm〜0.2μmである表面構造を備え、前記1つ又は複数の電極構造と前記基板の表面に同時に形成され、前記表面構造を介して前記電極構造と前記基板に入る光線が反射して形成された光反射を散乱させる艶消粗化構造と、を含む1つ又は複数の電極構造と、
    を含むことを特徴とするパネル装置。
  19. 前記電極構造と前記基板の表面の艶消粗化構造は、UV接着剤、有機シリコン樹脂硬化層又は無機シリコン樹脂硬化層を塗布することによって形成されることを特徴とする請求項18に記載のパネル装置。
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