JP5935332B2 - 物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器 - Google Patents

物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP5935332B2
JP5935332B2 JP2012004818A JP2012004818A JP5935332B2 JP 5935332 B2 JP5935332 B2 JP 5935332B2 JP 2012004818 A JP2012004818 A JP 2012004818A JP 2012004818 A JP2012004818 A JP 2012004818A JP 5935332 B2 JP5935332 B2 JP 5935332B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixed electrode
base substrate
physical quantity
quantity sensor
wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012004818A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013145126A (ja
Inventor
成二 山▲崎▼
成二 山▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2012004818A priority Critical patent/JP5935332B2/ja
Publication of JP2013145126A publication Critical patent/JP2013145126A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5935332B2 publication Critical patent/JP5935332B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Description

本発明は、物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器に関するものである。
物理量センサーとしては、固定配置された固定電極と、固定電極に対して間隔を隔てて対向するとともに変位可能に設けられた可動電極とを有し、固定電極と可動電極との間の静電容量に基づいて、加速度、角速度等の物理量を検出する物理量センサー素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載の物理量センサー素子は、基板と、基板に固定された一対の支柱部材と、可動電極を備え基板に対して変位可能な重錘体と、重錘体と各支柱部材とを連結する一対の梁部材と、基板に固定された固定電極とを有している。基板は、ガラス基板で構成されており、支柱部材、重錘体、梁部材および固定電極は、単一のシリコン基板をエッチングすることにより構成されている。
このような物理量センサーでは、基板上に複数の配線が形成されており、所定の配線に各固定電極を接触させることにより、配線と各固定電極とを電気的に接続し、他の配線に支柱部材を接触させることにより、配線と各可動電極とを電気的に接続するように構成する場合が考えられる。
しかしながら、シリコン材料で構成された各固定電極や支柱部材は、電気抵抗が比較的高く、配線と各固定電極(可動電極についても同様)とが高い抵抗を持って電気的に接続される。したがって、物理量センサーの特性の安定化を図ることができないという問題がある。
特開2011−169630号公報
本発明の目的は、安定したデバイス特性を発揮することのできる物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の物理量センサーは、ベース基板と、
前記ベース基板の上方に支持され、且つ、可動電極部を備えた可動構造体と、を備え、
前記ベース基板上には、
前記可動電極部に対向して配置された固定電極部と、
前記固定電極部に電気的に接続された第1配線と、
前記可動構造体に電気的に接続された第2配線と、が設けられ、
前記可動構造体および前記固定電極部は、前記ベース基板との接合面に不純物が拡散された不純物拡散部が設けられ、前記不純物拡散部を介して前記第1配線および前記第2配線に接続されていることを特徴とする。
これにより、第1配線と固定電極部および第2配線と可動構造体が、それぞれ、低い電気抵抗で電気的に接続されるため、安定したデバイス特性を発揮することのできる物理量センサーが得られる。
本発明の物理量センサーでは、前記不純物拡散部は、前記可動構造体および前記固定電極部の前記ベース基板と対向する面の全域に設けられていることが好ましい。
これにより、不純物拡散部の選択的な形成が不要となり、不純物拡散部の形成が容易となる。
本発明の物理量センサーでは、前記不純物拡散部は、前記可動構造体および前記固定電極部の前記ベース基板と反対側の面の全域に設けられていることが好ましい。
これにより、固定電極部および可動構造体の撓みを抑制することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記不純物拡散部は、前記可動構造体および前記固定電極部の前記ベース基板と対向する面のうち、平面視で前記ベース基板と重なり合う領域に設けられていることが好ましい。
これにより、不純物拡散部の総面積を抑えることができる。また、固定電極部および可動構造体の撓みを抑制することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記不純物拡散部は、前記固定電極部と前記第1配線との接点部分、および前記可動構造体と前記第2配線との接点部分に設けられていることが好ましい。
これにより、不純物拡散部の総面積を抑えることができる。また、固定電極部および可動構造体の撓みを抑制することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記可動構造体および前記固定電極部は、単一の部材から構成されていることが好ましい。
これにより、例えば、単一の部材をエッチング等によりパターニングすることで、簡単に、固定電極部および可動構造体を形成することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記可動構造体および前記固定電極部は、半導体材料で構成され、
前記不純物拡散部に拡散された不純物は、ボロン、リンの少なくとも1つであることが好ましい。
これにより、電気抵抗の低い不純物拡散部を簡単に形成することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記ベース基板はアルカリ金属イオンを含む材料で構成され、
前記固定電極部および前記可動構造体は、前記ベース基板に対して陽極接合法により接合されていることが好ましい。
これにより、固定電極部の撓みを効果的に抑制することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記固定電極部は、前記ベース基板と対向する面の全域が前記ベース基板に支持されていることが好ましい。
これにより、固定電極部および可動構造体とベース基板とを強固に接合することができる。
本発明の物理量センサーの製造方法は、第1配線および第2配線が形成された第1基板と、不純物を拡散した不純物拡散部が主面の少なくとも一部に形成された第2基板と、を用意する準備工程と、
前記不純物拡散部を前記第1配線および前記第2配線に接触させて、前記第1基板の前記主面に第2基板を接合する接合工程と、
前記第2基板をエッチングすることにより、可動電極部を備えた可動構造体および前記可動電極部に対向して配置された固定電極部を形成するエッチング工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、安定したデバイス特性を発揮することのできる物理量センサーを簡単に製造することができる。
本発明の電子機器は、本発明の物理量センサーを備えたことを特徴とする。
これにより、信頼性に優れる電子機器が得られる。
また、本発明の物理量センサーは、ベース基板と、前記ベース基板の上方に支持され、且つ、可動電極部を備えた可動構造体と、を備え、前記ベース基板上には、前記可動電極部に対向して配置された固定電極部と、前記固定電極部に電気的に接続された第1配線と、前記可動構造体に電気的に接続された第2配線と、が設けられ、前記可動構造体および前記固定電極部は、前記ベース基板との接合面に不純物が拡散された不純物拡散部が設けられ、前記不純物拡散部を介して前記第1配線および前記第2配線に接続され、前記不純物拡散部は、前記可動構造体および前記固定電極部の前記ベース基板と対向する面のうち、平面視で前記ベース基板と重なり合う領域に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の物理量センサーは、ベース基板と、前記ベース基板の上方に支持され、且つ、可動電極部を備えた可動構造体と、を備え、前記ベース基板上には、前記可動電極部に対向して配置された固定電極部と、前記固定電極部に電気的に接続された第1配線と、前記可動構造体に電気的に接続された第2配線と、が設けられ、前記可動構造体および前記固定電極部は、前記ベース基板との接合面に不純物が拡散された不純物拡散部が設けられ、前記不純物拡散部を介して前記第1配線および前記第2配線に接続され、前記不純物拡散部は、前記固定電極部と前記第1配線との接点部分、および前記可動構造体と前記第2配線との接点部分に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の物理量センサーは、ベース基板と、前記ベース基板の上方に支持され、且つ、可動電極部を備えた可動構造体と、を備え、前記ベース基板上には、前記可動電極部に対向して配置された固定電極部と、前記固定電極部に電気的に接続された第1配線と、前記可動構造体に電気的に接続された第2配線と、が設けられ、前記可動構造体および前記固定電極部は、前記ベース基板との接合面に不純物が拡散された不純物拡散部が設けられ、前記不純物拡散部を介して前記第1配線および前記第2配線に接続されており、前記ベース基板はアルカリ金属イオンを含む材料で構成され、前記固定電極部および前記可動構造体は、前記ベース基板に対して直接的に接合されていることを特徴とする。
また、本発明の物理量センサーは、ベース基板と、前記ベース基板の上方に支持され、且つ、可動電極部を備えた可動構造体と、を備え、前記ベース基板上には、前記可動電極部に対向して配置された固定電極部と、前記固定電極部に電気的に接続された第1配線と、前記可動構造体に電気的に接続された第2配線と、が設けられ、前記可動構造体および前記固定電極部は、前記ベース基板との接合面に不純物が拡散された不純物拡散部が設けられ、前記不純物拡散部を介して前記第1配線および前記第2配線に接続されており、前記固定電極部は、前記ベース基板と対向する面の全域が前記ベース基板に支持されていることを特徴とする。
本発明の第1実施形態に係る物理量センサーを示す斜視図である。 図1に示す物理量センサーを示す平面図である。 図2中のA−A線断面図である。 図3の部分拡大図(部分拡大断面図)である。 図2中のB−B線断面図である。 図5の部分拡大図(部分拡大断面図)である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。 図10に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第3実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。 図12に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第4実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。 本発明の第5実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。 本発明の第5実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。 本発明の物理量センサーを適用したセンサー装置の一例を示す模式図である。 本発明の電子機器(ノート型パーソナルコンピュータ)である。 本発明の電子機器(携帯電話機)である。 本発明の電子機器(ディジタルスチルカメラ)である。
以下、本発明の物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の物理量センサーの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る物理量センサーを示す斜視図、図2は、図1に示す物理量センサーを示す平面図、図3は、図2中のA−A線断面図、図4は、図3の部分拡大図(部分拡大断面図)、図5は、図2中のB−B線断面図、図6は、図5の部分拡大図(部分拡大断面図)である。
なお、以下では、説明の便宜上、図2中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。また、図1〜図3では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸が図示されている。また、以下では、X軸に平行な方向(左右方向)を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向(上下方向)を「Z軸方向」と言う。また、図1〜図3では、説明の便宜上、後述する絶縁膜9およびそれに対応するものの図示を省略している。なお、本実施形態では、物理量センサーを加速度、角速度等の物理量を測定するための物理量センサー素子として用いる場合の例について説明する。
[物理量センサー]
図1および図2に示す物理量センサー1は、絶縁基板であるベース基板2と、このベース基板2に接合・支持された素子片(基体)3と、素子片3に電気的に接続された導体パターン4と、素子片3を覆うように設けられた蓋部材5とを有する。以下、物理量センサー1を構成する各部を順次詳細に説明する。
(ベース基板)
ベース基板2は、素子片3を支持する機能を有する。このベース基板2は、板状をなし、その上面(一方の面)には、空洞部21が設けられている。この空洞部21は、ベース基板2を平面視したときに、後述する素子片3の可動部33、可動電極部36、37および連結部34、35を包含するように形成されていて、内底を有する。このような空洞部21は、素子片3の可動部33、可動電極部36、37および連結部34、35がベース基板2に接触するのを防止する逃げ部を構成する。これにより、素子片3の可動部33の変位を許容することができる。
なお、この逃げ部は、空洞部21(凹部)に代えて、ベース基板2をその厚さ方向に貫通する開口部であってもよい。また、本実施形態では、空洞部21の平面視形状は、四角形(具体的には長方形)をなしているが、これに限定されるものではない。
また、ベース基板2の上面には、前述した空洞部21の外側に、その外周に沿って、凹部22、23、24が設けられている。この凹部22、23、24は、平面視で導体パターン4に対応した形状をなしている。具体的には、凹部22は、後述する導体パターン4の配線41および電極44に対応した形状をなし、凹部23は、後述する導体パターン4の配線42および電極45に対応した形状をなし、凹部24は、後述する導体パターン4の配線43および電極46に対応した形状をなす。
また、凹部22の電極44が設けられた部位の深さは、凹部22の配線41が設けられた部位よりも深くなっている。同様に、凹部23の電極45が設けられた部位の深さは、凹部23の配線42が設けられた部位よりも深くなっている。また、凹部24の電極46が設けられた部位の深さは、凹部24の配線43が設けられた部位よりも深くなっている。
このように凹部22、23、24の一部の深さを深くすることにより、後述する物理量センサー1の製造時において、素子片3を形成する前の基板103を基板102Aに接合したとき、その基板103が電極44、45、46と接合してしまうのを防止することができる。
このようなベース基板2の構成材料としては、具体的には、高抵抗なシリコン材料、ガラス材料を用いるのが好ましく、特に、素子片3がシリコン材料を主材料として構成されている場合、アルカリ金属イオン(可動イオン)を含むガラス材料(例えば、パイレックスガラス(登録商標)のような硼珪酸ガラス)を用いるのが好ましい。これにより、素子片3がシリコンを主材料として構成されている場合、ベース基板2と素子片3とを陽極接合することができる。
また、ベース基板2の構成材料は、素子片3の構成材料との熱膨張係数差ができるだけ小さいのが好ましく、具体的には、ベース基板2の構成材料と素子片3の構成材料との熱膨張係数差が3ppm/℃以下であるのが好ましい。これにより、ベース基板2と素子片3との接合時等に高温化にさらされても、ベース基板2と素子片3との間の残留応力を低減することができる。
(素子片)
素子片3は、可動構造体3’と、固定電極部38、39とで構成されている。また、可動構造体3’は、一対の固定部31、32と、可動電極部36、37を備える可動部33と、固定部31、32と可動部33とを連結する一対の連結部34、35とにより構成されている。これら固定部31、32、可動部33、可動電極部36、37および連結部34、35は、一体的に形成されている。
このような素子片3は、例えば、加速度、角速度等の物理量の変化に応じて、可動部33(可動電極部36、37)が、連結部34、35を弾性変形させながら、X軸方向に変位する。このような変位に伴って、可動電極部36と固定電極部38との間の隙間、および、可動電極部37と固定電極部39との間の隙間の大きさがそれぞれ変化する。すなわち、このような変位に伴って、可動電極部36と固定電極部38との間の静電容量、および、可動電極部37と固定電極部39との間の静電容量の大きさがそれぞれ変化する。したがって、これらの静電容量に基づいて、加速度、角速度等の物理量を検出することできる。
固定部31、32は、それぞれ、前述したベース基板2の上面に接合されている。具体的には、固定部31は、ベース基板2の上面の空洞部21に対して−X方向側の部分に接合され、また、固定部32は、ベース基板2の上面の空洞部21に対して+X方向側の部分に接合されている。また、固定部31、32は、平面視したときに、それぞれ、空洞部21の外周縁を跨ぐように設けられている。なお、固定部31、32の位置および形状等は、連結部34、35や導体パターン4等の位置および形状等に応じて決められ、上述したものに限定されない。
このような2つの固定部31、32の間には、可動部33が設けられている。本実施形態では、可動部33は、X軸方向に延びる長手形状をなしている。なお、可動部33の形状は、素子片3を構成する各部の形状、大きさ等に応じて決められるものであり、上述したものに限定されない。
可動部33は、固定部31に対して連結部34を介して連結されるとともに、固定部32に対して連結部35を介して連結されている。より具体的には、可動部33の左側の端部が連結部34を介して固定部31に連結されるとともに、可動部33の右側の端部が連結部35を介して固定部32に連結されている。
この連結部34、35は、可動部33を固定部31、32に対して変位可能に連結している。本実施形態では、連結部34、35は、図2にて矢印aで示すように、X軸方向(+X方向または−X方向)に可動部33を変位し得るように構成されている。
具体的に説明すると、連結部34は、2つの梁341、342で構成されている。そして、梁341、342は、それぞれ、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に延びる形状をなしている。言い換えると、梁341、342は、それぞれ、Y軸方向に複数回(本実施形態では3回)折り返された形状をなしている。なお、各梁341、342の折り返し回数は、1回または2回であってもよいし、4回以上であってもよい。
同様に、連結部35は、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に延びる形状をなす2つの梁351、352で構成されている。
なお、連結部34、35は、可動部33をベース基板2に対して変位可能に支持するものであれば、上述したものに限定されず、例えば、可動部33の両端部から+Y方向および−Y方向にそれぞれ延出する1対の梁で構成されていてもよい。
このようにベース基板2に対してX軸方向に変位可能に支持された可動部33の幅方向での一方側(+Y方向側)には、可動電極部36が設けられ、他方側(−Y方向側)には、可動電極部37が設けられている。
可動電極部36は、可動部33から+Y方向に突出し、櫛歯状をなすように並ぶ複数の可動電極指361〜365を備えている。この可動電極指361、362、363、364、365は、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。同様に、可動電極部37は、可動部33から−Y方向に突出し、櫛歯状をなすように並ぶ複数の可動電極指371〜375を備える。この可動電極指371、372、373、374、375は、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。
このように複数の可動電極指361〜365および複数の可動電極指371〜375は、それぞれ、可動部33の変位する方向に並んで設けられている。これにより、後述する固定電極指382、384、386、388と可動電極部36との間の静電容量、および、固定電極指381、383、385、387と可動電極部36との静電容量を可動部33の変位に応じて効率的に変化させることができる。同様に、後述する固定電極指392、394、396、398と可動電極部36との間の静電容量、および、固定電極指391、393、395、397と可動電極部36との静電容量を可動部33の変位に応じて効率的に変化させることができる。そのため、物理量センサー1を物理量センサー素子として用いた場合に検出精度を優れたものとすることができる。
このような可動電極部36は、固定電極部38に対して間隔を隔てて対向する。また、可動電極部37は、固定電極部39に対して間隔を隔てて対向する。
固定電極部38は、前述した可動電極部36の複数の可動電極指361〜365に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指381〜388を備える。このような複数の固定電極指381〜388の可動部33とは反対側の端部は、それぞれ、ベース基板2の上面の空洞部21に対して+Y方向側の部分に接合されている。そして、各固定電極指381〜388は、その固定された側の端を固定端とし、自由端が−Y方向へ延びている。
この固定電極指381〜388は、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。そして、固定電極指381、382は、対をなし、前述した可動電極指361、362の間に、固定電極指383、384は、対をなし、可動電極指362、363の間に、固定電極指385、386は、対をなし、可動電極指363、364の間に、固定電極指387、388は、対をなし、可動電極指364、365の間に臨むように設けられている。
ここで、固定電極指382、384、386、388は、それぞれ、第1固定電極指であり、固定電極指381、383、385、387は、それぞれ、ベース基板2上で当該第1固定電極指に対して空隙(間隙)を介して離間した第2固定電極指である。このように、複数の固定電極指381〜388は、交互に並ぶ複数の第1固定電極指および複数の第2固定電極指で構成されている。言い換えれば、可動電極指の一方の側に第1固定電極指が配置され、他方の側に第2固定電極指が配置されている。
このような第1固定電極指382、384、386、388と第2固定電極指381、383、385、387とは、ベース基板2上で互いに分離している。言い換えると、第1固定電極指382、384、386、388、第2固定電極指381、383、385、387は、ベース基板2上において、互いに連結されておらず、島状に孤立している。これにより、第1固定電極指382、384、386、388と第2固定電極指381、383、385、387とを電気的に絶縁することができる。そのため、第1固定電極指382、384、386、388と可動電極部36との間の静電容量、および、第2固定電極指381、383、385、387と可動電極部36との間の静電容量を別々に測定し、それらの測定結果に基づいて、高精度に物理量を検出することができる。
本実施形態では、固定電極指381〜388がベース基板2上で互いに分離している。言い換えると、固定電極指381〜388は、それぞれ、ベース基板2上において、互いに連結されておらず、島状に孤立している。これにより、固定電極指381〜388のY軸方向での長さを揃えることができる。そのため、各固定電極指381〜388とベース基板2との各接合部の十分な接合強度を得るのに必要な面積を確保しつつ、固定電極指381〜388の小型化を図ることができる。そのため、物理量センサー1の耐衝撃性を優れたものとしつつ、物理量センサー1の小型化を図ることができる。
同様に、固定電極部39は、前述した可動電極部37の複数の可動電極指371〜375に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指391〜398を備える。このような複数の固定電極指391〜398の可動部33とは反対側の端部は、それぞれ、ベース基板2の上面の空洞部21に対して−Y方向側の部分に接合されている。そして、各固定電極指391〜398は、その固定された側の端を固定端とし、自由端が+Y方向へ延びている。
この固定電極指391〜398は、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。そして、固定電極指391、392は、対をなし、前述した可動電極指371、372の間に、固定電極指393、394は、対をなし、可動電極指372、373の間に、固定電極指395、396は、対をなし、可動電極指373、374の間に、固定電極指397、398は、対をなし、可動電極指374、375の間に臨むように設けられている。
ここで、固定電極指392、394、396、398は、それぞれ、第1固定電極指であり、固定電極指391、393、395、397は、それぞれ、ベース基板2上で当該第1固定電極指に対して空隙(間隙)を介して離間した第2固定電極指である。このように、複数の固定電極指391〜398は、交互に並ぶ複数の第1固定電極指および複数の第2固定電極指で構成されている。言い換えれば、可動電極指の一方の側に第1固定電極指が配置され、他方の側に第2固定電極指が配置されている。
このような第1固定電極指392、394、396、398と第2固定電極指391、393、395、397とは、前述した固定電極部38と同様、ベース基板2上で互いに分離している。これにより、第1固定電極指392、394、396、398と可動電極部37との間の静電容量、および、第2固定電極指391、393、395、397と可動電極部37との間の静電容量を別々に測定し、それらの測定結果に基づいて、高精度に物理量を検出することができる。
本実施形態では、複数の固定電極指391〜398は、前述した固定電極部38と同様、ベース基板2上で互いに分離している。これにより、各固定電極指391〜398とベース基板2との各接合部の面積を十分なものとしつつ、固定電極指391〜398の小型化を図ることができる。そのため、物理量センサー1の耐衝撃性を優れたものとしつつ、物理量センサー1の小型化を図ることができる。
このような素子片3(固定部31、32、可動部33、連結部34、35、複数の固定電極指381〜388、391〜398および複数の可動電極指361〜365、371〜375)は、後述する1つの基板103をエッチングすることより形成されたものである。
これにより、固定部31、32、可動部33、連結部34、35、複数の固定電極指381〜388、391〜398および複数の可動電極指361〜365、371〜375の厚さを厚くすることができる。また、これらの厚さを簡単かつ高精度に揃えることができる。このようなことから、物理量センサー1の高感度化を図ることができるとともに、物理量センサー1の耐衝撃性を向上させることができる。
また、素子片3の構成材料としては、前述したような静電容量の変化に基づく物理量の検出が可能であれば、特に限定されないが、半導体が好ましく、具体的には、例えば、単結晶シリコン、ポリシリコン等のシリコン材料を用いるのが好ましい。
すなわち、固定部31、32、可動部33、連結部34、35、複数の固定電極指381〜388、391〜398および複数の可動電極指361〜365、371〜375は、それぞれ、シリコンを主材料として構成されているのが好ましい。
シリコンはエッチングにより高精度に加工することができる。そのため、素子片3をシリコンを主材料として構成することにより、素子片3の寸法精度を優れたものとし、その結果、物理量センサー素子である物理量センサー1の高感度化を図ることができる。また、シリコンは、疲労が少ないため、物理量センサー1の耐久性を向上させることもできる。
また、素子片3は、前述したように、ベース基板2の上面に固定部31、32および固定電極部38、39が接合されることにより、ベース基板2に支持されている。本実施形態では、後述する絶縁膜9を介してベース基板2と素子片3とが接合されている。このような素子片3(具体的には、前述した固定部31、32および各固定電極指381〜388、391〜398)とベース基板2との接合方法は、特に限定されないが、陽極接合法を用いるのが好ましい。これにより、固定部31、32および固定電極部38、39(各固定電極指381〜388、391〜398)をベース基板2に強固に接合することができる。そのため、物理量センサー1の耐衝撃性を向上させることができる。また、固定部31、32および固定電極部38、39をベース基板2の所望の位置に高精度に接合することができる。そのため、物理量センサー素子である物理量センサー1の高感度化を図ることができる。この場合、前述したようにシリコンを主材料として素子片3を構成し、かつ、アルカリ金属イオンを含むガラス材料でベース基板2を構成する。
以上、素子片3の構成について説明した。図3に示すように、このような素子片3(可動構造体3’および固定電極部38、39)の下面(ベース基板2との接合面)の全域には、不純物が拡散されてなる不純物拡散部30が形成されている。
例えば、素子片3をシリコン材料で構成した場合などは、不純物拡散部30は、素子片3の下面に、ボロン、リン等の不純物を拡散することにより形成することができる。このような不純物拡散部30を形成することにより、素子片3の導電性を向上させることができる。特に、不純物として、上述したようなボロン、リン等を用いることにより、不純物拡散部30を簡単に形成することができるとともに、素子片3の導電性を効果的に向上させることができる。なお、不純物拡散部30の形成方法、すなわち素子片3への不純物の拡散方法としては、特に限定されず、例えば、熱拡散法、イオン注入法などを用いることができる。
また、不純物の素子片3への拡散量(ドープ量)としては、特に限定されないが、1.0×1020atoms/cc以上であるのが好ましい。これにより、不純物拡散部30の電気抵抗をより小さくすることができる。
このような素子片3は、導体パターン4(後述する配線41、42、43)と、不純物拡散部30を介して電気的に接続されている。そのため、素子片3と導体パターン4とを比較的低い電気抵抗、言い換えれば不純物拡散部30が形成されていない場合と比較して低い電気抵抗にて電気的に接続されるため、物理量センサー1の特性の安定化を図ることができる。
また、本実施形態では、前述したように、素子片3の下面全域に不純物拡散部30が形成されている。これにより、不純物拡散部30を選択的に形成する必要がないため、不純物拡散部30の形成が容易となる。
(導体パターン)
導体パターン4は、前述したベース基板2の上面上に設けられている。この導体パターン4は、図2に示すように、配線41、42、43と、電極44、45、46とで構成されている。
配線(第1の配線)41は、前述したベース基板2の空洞部21の外側に設けられ、空洞部21の外周に沿うように形成されている。そして、配線41の一端部は、ベース基板2の上面の外周部上において、電極44に接続されている。
このような配線41は、素子片3の第1固定電極指である各固定電極指382、384、386、388および各固定電極指392、394、396、398に電気的に接続されている。なお、前述したように、各固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398の下面には不純物拡散部30が形成されているため、これら各固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398と配線41とは、低い電気抵抗(接点抵抗)で電気的に接続される。
また、配線(第1の配線)42は、前述した配線41の内側、かつ、前述したベース基板2の空洞部21の外側でその外周縁に沿って設けられている。そして、配線42の一端部は、前述した電極44に対して間隔を隔てて並ぶようにベース基板2の上面の外周部上において、電極45に接続されている。
このような配線42は、素子片3の第2固定電極指である各固定電極指381、383、385、387および各固定電極指391、393、395、397に電気的に接続されている。なお、前述したように、各固定電極指381、383、385、387、391、393、395、397の下面には不純物拡散部30が形成されているため、これら各固定電極指381、383、385、387、391、393、395、397と配線42とは、低い電気抵抗で電気的に接続される。
配線(第2の配線)43は、ベース基板2上の固定部31との接合部から、ベース基板2の上面の外周部上に延びるように設けられている。そして、配線43の固定部31とは反対側の端部は、前述した電極44、45に対して間隔を隔てて並ぶようにベース基板2の上面の外周部(ベース基板2上の蓋部材5の外側の部分)上において、電極46に接続されている。
このような配線43は、素子片3の固定部31に電気的に接続されている。なお、前述したように、固定部31の下面には不純物拡散部30が形成されているため、固定部31と配線43とは、低い電気抵抗で電気的に接続される。
このような配線41〜43の構成材料としては、それぞれ、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができるが、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物(透明電極材料)、Au、Pt、Ag、Cu、Alまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、配線41〜43の構成材料としては、透明電極材料(特にITO)を用いるのが好ましい。配線41、42がそれぞれ透明電極材料で構成されていると、ベース基板2が透明基板である場合、ベース基板2の固定電極部38、39側の面上に存在する異物等をベース基板2の固定電極部38、39とは反対の面側から容易に視認することができる。そのため、高感度な物理量センサー素子として物理量センサー1をより確実に提供することができる。
また、電極44〜46の構成材料としては、それぞれ、前述した配線41〜43と同様、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができる。本実施形態では、電極44〜46の構成材料として、後述する突起471、472、481、482の構成材料と同じものが用いられている。
このような配線41、42がベース基板2の上面に設けられていることにより、配線41を介して第1固定電極指382、384、386、388と可動電極部36との間の静電容量および第1固定電極指392、394、396、398と可動電極部37との間の静電容量を測定するとともに、配線42を介して第2固定電極指381、383、385、387と可動電極部36との間の静電容量および第2固定電極指391、393、395、397と可動電極部37との間の静電容量を測定することができる。
本実施形態では、電極44および電極46を用いることにより、第1固定電極指382、384、386、388と可動電極部36との間の静電容量および第1固定電極指392、394、396、398と可動電極部37との間の静電容量を測定することができる。また、電極45および電極46を用いることにより、第2固定電極指381、383、385、387と可動電極部36との間の静電容量および第2固定電極指391、393、395、397と可動電極部37との間の静電容量を測定することができる。
また、このような配線41、42は、ベース基板2の上面上に設けられているので、固定電極部38、39に対する電気的接続およびその位置決めが容易である。そのため、物理量センサー1の信頼性(特に、耐衝撃性および検出精度)を向上させることができる。
また、配線41および電極44は、前述したベース基板2の凹部22内に設けられ、配線42および電極45は、前述したベース基板2の凹部23内に設けられ、配線43および電極46は、前述したベース基板2の凹部24内に設けられている。これにより、配線41〜43がベース基板2の板面から突出するのを防止することができる。そのため、各固定電極指381〜388、391〜398とベース基板2との接合を確実なものとしつつ、固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398と配線41との電気的接続および固定電極指381、383、385、387、391、393、395、397と配線42との電気的接続を行うことができる。同様に、固定部31とベース基板2との接合を確実なものとしつつ、固定部31と配線43との電気的接続を行うことができる。
ここで、配線41〜43の厚さをそれぞれtとし、前述した凹部22〜24の配線41が設けられた部分の深さをそれぞれdとしたとき、t<dなる関係を満たすのが好ましい。
特に、配線41上には、導電性を有する複数の突起481および複数の突起482が設けられている。複数の突起481は、固定電極指382、384、386、388に対応して設けられ、複数の突起482は、固定電極指392、394、396、398に対応して設けられている。そして、突起481を介して固定電極指382、384、386、388と配線41とが電気的に接続されるとともに、突起482を介して固定電極指392、394、396、398と配線41とが電気的に接続されている。これにより、配線41と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)を防止しつつ、各固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398と配線41との電気的接続を行うことができる。
同様に、配線42上には、導電性を有する複数の突起471および複数の突起472が設けられている。複数の突起471は、固定電極指381、383、385、387に対応して設けられ、複数の突起472は、固定電極指391、393、395、397に対応して設けられている。そして、突起471を介して固定電極指381、383、385、387と配線42とが電気的に接続されるとともに、突起472を介して固定電極指391、393、395、397と配線42とが電気的に接続されている。これにより、配線42と他の部位との不本意な電気的接続を防止しつつ、各固定電極指381、383、385、387、391、393、395、397と配線42との電気的接続を行うことができる。
同様に、配線43上には、導電性を有する突起50が設けられている。突起50は、固定部31に対応して設けられている。そして、突起50を介して固定部31と配線43とが電気的に接続されている。これにより、配線43と他の部位との不本意な電気的接続を防止しつつ、固定部31と配線43との電気的接続を行うことができる。
このような突起471、472、481、482、50の構成材料としては、それぞれ、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができるが、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Al等の金属単体またはこれらを含む合金等の金属が好適に用いられる。このような金属を用いて突起471、472、481、482、50を構成することにより、配線41、42、43と固定電極部38、39、固定部31との間の接点抵抗を小さくすることができる。
また、配線41〜43の厚さをそれぞれtとし、前述した凹部22〜24の配線41が設けられた部分の深さをそれぞれdとし、突起471、472、481、482の高さをそれぞれhとしたとき、d≒t+hなる関係を満たすのが好ましい。
また、配線41〜43上には、絶縁膜9が設けられている。そして、前述した各突起471、472、481、482、50上の絶縁膜9は形成せずに突起の表面が露出している。この絶縁膜9は、導体パターン4と素子片3との不本意な電気的接続を防止する機能を有する。
本実施形態では、絶縁膜9は、後述する突起471、472、481、482、50および電極44〜46の形成領域を除いて、ベース基板2の上面の略全域にわたって形成されている。なお、絶縁膜9の形成領域は、配線41〜43を覆うことができれば、これに限定されず、例えば、ベース基板2の上面の素子片3との接合部位や蓋部材5との接合部位を除くような形状をなしていてもよい。
また、配線41〜43の厚さをそれぞれtとし、前述した凹部22〜24の配線41が設けられた部分の深さをそれぞれdとしたとき、d>tなる関係を満たすことが好ましい。これにより、例えば、図4に示すように、固定電極指391と配線41上の絶縁膜9との間には、隙間221が形成されている。図示しないが、この隙間221と同様の隙間が他の各固定電極指と配線41、42上の絶縁膜9との間にも形成されている。このような隙間は、後述する物理量センサー1の製造において、基板102と基板103との間にも同様に形成され、陽極接合時に生じるガスを排出することができる。
また、図6に示すように、蓋部材5と配線43上の絶縁膜9との間には、隙間222が形成されている。図示しないが、この隙間222と同様の隙間が蓋部材5と配線41、42上の絶縁膜9との間にも形成されている。これらの隙間は、蓋部材5内を減圧したり、不活性ガスを充填したりするのを用いることができる。なお、これらの隙間は、蓋部材5とベース基板2とを接着剤により接合する際に、接着剤により塞いでもよい。
このような絶縁膜9の構成材料としては、特に限定されず、絶縁性を有する各種材料を用いることができるが、ベース基板2がガラス材料(特に、アルカリ金属イオンが添加されたガラス材料)で構成されている場合、二酸化珪素(SiO)を用いるのが好ましい。これにより、前述したような不本意な電気的接続を防止するとともに、ベース基板2の上面の素子片3との接合部位に絶縁膜9が存在していても、ベース基板2と素子片3とを陽極接合することができる。
また、絶縁膜9の厚さ(平均厚さ)は、特に限定されないが、10〜1000nm程度であるのが好ましく、10〜200nm程度であるのがより好ましい。このような厚さの範囲で絶縁膜9を形成すると、前述したような不本意な電気的接続を防止することができる。また、ベース基板2がアルカリ金属イオンを含むガラス材料で構成され、かつ、素子片3がシリコンを主材料として構成されている場合、ベース基板2の上面の素子片3との接合部位に絶縁膜9が存在していても、絶縁膜9を介してベース基板2と素子片3とを陽極接合することができる。
(蓋部材)
蓋部材5は、前述した素子片3を保護する機能を有する。
この蓋部材5は、板状をなし、その一方の面(下面)に凹部51が設けられている。この凹部51は、素子片3の可動部33および可動電極部36、37等の変位を許容するように形成されている。
そして、蓋部材5の下面の凹部51よりも外側の部分は、前述したベース基板2の上面に接合されている。本実施形態では、前述した絶縁膜9を介してベース基板2と蓋部材5とが接合されている。
蓋部材5とベース基板2との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤を用いた接合方法、陽極接合法、直接接合法等を用いることができる。
また、蓋部材5の構成材料としては、前述したような機能を発揮し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、シリコン材料、ガラス材料等を好適に用いることができる。
[物理量センサーの製造方法]
次に、本発明の物理量センサーの製造方法を説明する。なお、以下では、前述した物理量センサー1を製造する場合の一例を説明する。
図7〜図9は、それぞれ、図1に示す物理量センサー1の製造方法を説明するための断面図である。なお、図7〜図9は、それぞれ、図2中のB−B線断面に対応する断面を示す。また、以下では、ベース基板2がアルカリ金属イオンを含むガラス材料で構成され、かつ、素子片3がシリコンで構成されている場合を例に説明する。
物理量センサー1の製造方法は、導体パターン4が形成された第1基板102Aと、不純物を拡散した不純物拡散部30が主面の少なくとも一部に形成された第2基板103とを用意する準備工程と、不純物拡散部30を導体パターン4に接触させて、第1基板102Aの主面に第2基板103を接合する接合工程と、第2基板103をエッチングすることにより可動構造体3’および可動電極部36、37に対向して配置された固定電極部38、39を形成するエッチング工程とを有している。以下、詳細に説明する。
[1]準備工程
[1−1]ベース基板製造工程
まず、図7(a)に示すように、第1基板である基板102を用意する。この基板102は、後述する工程を経てベース基板2となるものである。また、基板102は、アルカリ金属を含むガラス材料で構成されている。
次に、図7(b)に示すように、基板102の上面をエッチングすることにより、空洞部21、と凹部22、23を形成する。このとき、図7(b)では図示しないが、上記エッチングにより凹部24も同時に形成する。これにより、空洞部21と凹部22〜24が形成された基板102Aを得る。
空洞部21と凹部22〜24の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、プラズマエッチング、ビームエッチング、等の物理的エッチング法、リアクティブイオンエッチング、光アシストエッチング、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、以下の各工程におけるエッチングにおいても、同様の方法を用いることができる。
また、上述したようなエッチングに際しては、例えば、フォトリソグラフィー法により形成されたマスクを好適に用いることができる。また、マスク形成、エッチング、マスク除去を複数繰り返し、空洞部21と凹部22〜24を順に形成することができる。そして、このマスクは、エッチング後に、除去される。このマスクの除去方法としては、例えば、マスクがレジスト材料で構成される場合には、レジスト剥離液、マスクが金属材料で構成される場合には、リン酸溶液のようなメタル剥離液等を用いることができる。
なお、マスクとして、例えば、グレースケールマスクを用いることにより、空洞部21と凹部22〜24(深さの異なる複数の凹部)を一括形成してもよい。
次に、図7(c)に示すように、基板102Aの上面上に、導体パターン4を形成する。その後、図7(c)では図示しないが、絶縁膜を形成する。ここで、絶縁膜は、後述する個片化を経て絶縁膜9となるものである。
[1−2]第2基板準備工程
まず、図7(d)に示すように、第2基板である基板103を用意する。この基板103は、後述するような薄肉化、パターンニングおよび個片化を経て素子片3となるものである。また、基板103は、シリコン基板である。また、基板103の厚さは、素子片3の厚さよりも厚くなっている。これにより、基板103の取り扱い性を向上させることができる。なお、基板103の厚さが素子片3の厚さと同じであってもよい。この場合、後述する薄肉化の工程を省略すればよい。
次に、図7(e)に示すように、基板103の下面(一方の面)の全域に、ボロン(不純物)を拡散させ、基板103の下面側に不純物拡散部30を形成する。ボロンの拡散方法としては、熱拡散法、イオン注入法等が挙げられるが、熱拡散法を用いるのが好ましい。これにより、簡単に、不純物拡散部30を形成することができる。
[2]接合工程
まず、図8(a)に示すように、前述した工程[1−1]によって得られた導体パターン4および絶縁膜9が形成された基板102Aの上面に、工程[1−2]で得られた基板103を、不純物拡散部30が基板102A側に位置するように載置する。次に、基板103を基板102Aに陽極接合法により接合する。これにより、基板103と各突起471、472、50とが接続される。
次に、基板103をその上面側から薄肉化して、図8(b)に示すように、基板103Aを得る。この薄肉化は、基板103Aの厚さが素子片3の厚さと同じになるように行われる。また、基板103の薄肉化方法は、特に限定されないが、例えば、CMP法、ドライポリッシュ法を好適に用いることができる。
[3]エッチング工程
次に、基板103Aをエッチングすることにより、図8(c)に示すように、素子片3を得る。エッチング方法としては、特に限定されず、前述したような各種エッチングを用いることができる。
[4]蓋部配設工程
次に、図9(a)に示すように、基板102Aの上面に、凹部51を有する蓋部材105を接合する。これにより、基板102Aと蓋部材105とが素子片3を収納するようにして接合された接合体101が得られる。この蓋部材105は、後述する個片化を経て蓋部材5となるものである。
[5]個片化工程
次に、接合体101を個片化(ダイシング)することにより、図9(b)に示すように、物理量センサー1が得られる。
以上説明した第1実施形態に係る物理量センサー1の製造方法によれば、簡単に不純物拡散部30を有する素子片3を形成することができ、そのため、物理量センサー1の製造の容易化を図ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の物理量センサーの第2実施形態について説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る物理量センサーを示す断面図、図11は、図10に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。なお、図10、図11は、図2中のA−A線断面に対応する断面を示す。
本実施形態にかかる物理量センサーは、不純物拡散部の構成(形成位置)が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる物理量センサーと同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の物理量センサーに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図10では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
(物理量センサー)
本実施形態の物理量センサー1Aでは、素子片3の下面全域に加えて、上面の全域にも不純物拡散部30が形成されている。ここで、第1実施形態のように、素子片3の下面のみに不純物拡散部30を形成した場合、不純物拡散部30に引っ張り応力が発生し、素子片3にZ方向の撓みが発生する場合がある。そこで、本実施形態のように、素子片3の下面および上面の両面に不純物拡散部30を形成することにより、下面側の不純物拡散部30に発生する引っ張り応力と、上面側の不純物拡散部30に発生する引っ張り応力とを相殺することができ、素子片3の撓みを効果的に防止することができる。その結果、可動電極部36、37と、固定電極部38、39との重なり合いのズレがなくなり、所望の特性を発揮することのできる物理量センサー1Aとなる。
(物理量センサーの製造方法)
次に、物理量センサー1Aの製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、[2]接合工程が異なる以外は、前述した第1実施形態の製造方法と同様である。そのため、以下では、接合工程のみについて、その他の工程については、その説明を省略する。
[2]接合工程
まず、図11(a)に示すように、導体パターン4および絶縁膜9が形成された基板102Aの上面に、基板103を、不純物拡散部30が基板102A側に位置するように載置する。次に、基板103を基板102Aに陽極接合法により接合する。これにより、基板103と各突起471、472、50とが接続される。
次に、基板103をその上面側から薄肉化して、図11(b)に示すように、基板103Aを得る。この薄肉化は、基板103Aの厚さが素子片3の厚さと同じになるように行われる。
次に、基板103Aの上面の全域に、ボロン(不純物)を拡散させ、基板103Aの上面側に不純物拡散部30を形成する。ボロンの拡散方法としては、熱拡散法、イオン注入法等が挙げられるが、イオン注入法を用いるのが好ましい。これにより、簡単に、不純物拡散部30を形成することができる。なお、熱拡散法を用いた場合には、その過程にて基板102Aが熱により溶けたり変形したりする場合があるため、イオン注入法を用いることにより、このような問題の発生を確実に防止することもできる。
以上説明したような第2実施形態に係る物理量センサー1Aによっても、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の物理量センサーの第3実施形態について説明する。
図12および図13は、本発明の第3実施形態に係る物理量センサーを示す断面図、図14は、図12に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。なお、図12、図14は、図2中のA−A線断面に対応する断面を示し、図13は、図2中のB−B線断面に対応する断面を示す。
本実施形態にかかる物理量センサーは、不純物拡散部の構成(形成位置)が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる物理量センサーと同様である。
なお、以下の説明では、第3実施形態の物理量センサーに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図12、図13では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
(物理量センサー)
図12および図13に示すように、本実施形態の物理量センサー1Bでは、素子片3の下面のうち、ベース基板2と重なり合っている領域に、不純物拡散部30が形成されている。具体的には、各固定電極指381〜388、391〜398の基端部の下面と、固定部31の下面とに、不純物拡散部30が形成されている。
このような領域に、不純物拡散部30を形成することにより、不純物拡散部30の形成領域(総面積)を小さく抑え、前述した第2実施形態で説明したような素子片3の撓みの発生を効果的に抑制することができるとともに、各固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398と配線41、各固定電極指381、383、385、387、391、393、395、397と配線42、および、固定部31と配線43とを、確実に不純物拡散部30を介して電気的に接続させることができる。その結果、所望の特性を発揮することができるとともに、特性の安定化が図られた物理量センサー1Bとなる。
(物理量センサーの製造方法)
次に、物理量センサー1Bの製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、[1−2]第2基板準備工程が異なる以外は、前述した第1実施形態の製造方法と同様である。そのため、以下では、第2基板準備工程のみについて、その他の工程については、その説明を省略する。
[1−2]第2基板準備工程
まず、図14(a)に示すように、第2基板である基板103を用意する。この基板103は、後述するような薄肉化、パターンニングおよび個片化を経て素子片3となるものである。基板103の厚さは、素子片3の厚さよりも厚くなっている。
次に、図14(b)に示すように、基板103の下面であって、後の接合工程にて、ベース基板2と重なり合う領域、言い換えれば、各固定電極指381〜388、391〜398の基端部となる領域と、固定部31となる領域とに、ボロン(不純物)を拡散させ、基板103の下面側に不純物拡散部30を選択的に形成する。
以上説明したような第3実施形態に係る物理量センサー1Bによっても、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の物理量センサーの第4実施形態について説明する。
図15および図16は、それぞれ、本発明の第4実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。なお、図15は、図4に対応する断面を示し、図16は、図6に対応する断面を示す。
本実施形態にかかる物理量センサーは、不純物拡散部の構成(形成位置)が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる物理量センサーと同様である。
なお、以下の説明では、第4実施形態の物理量センサーに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図15では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
(物理量センサー)
図15および図16に示すように、本実施形態の物理量センサー1Cでは、素子片3の下面のうち、各突起471、472、481、482、50と重なり合っている領域(配線41、42、43との接点部分)に、不純物拡散部30が形成されている。具体的には、各固定電極指381〜388、391〜398の基端部の下面の一部と、固定部31の下面の一部とに、不純物拡散部30が形成されている。
このような領域に不純物拡散部30を形成することにより、不純物拡散部30の形成領域(総面積)をより小さく抑え、前述した第2実施形態で説明したような素子片3の撓みの発生を効果的に抑制することができるとともに、各固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398と配線41、各固定電極指381、383、385、387、391、393、395、397と配線42、および、固定部31と配線43とを、確実に不純物拡散部30を介して電気的に接続させることができる。その結果、所望の特性を発揮することができるとともに、特性の安定化が図られた物理量センサー1Cとなる。
なお、本実施形態の構成によれば、不純物拡散部30の形成領域の位置決め精度が前述した第3実施形態よりも高く要求されるが、第3実施形態よりも、不純物拡散部30の形成領域を小さく抑えることができるため、第3実施形態よりも、その効果を顕著に発揮することができる。
以上説明したような第4実施形態に係る物理量センサー1Cによっても、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様の効果を発揮することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の物理量センサーの第5実施形態について説明する。
図17および図18は、それぞれ、本発明の第5実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。なお、図17は、図2中のA−A線断面に対応する断面を示し、図18は、図2中のB−B線断面に対応する断面を示す。
本実施形態にかかる物理量センサーは、ベース基板2の構成(形状)が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる物理量センサーと同様である。
なお、以下の説明では、第5実施形態の物理量センサーに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図17、図18では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
(物理量センサー)
図17および図18に示すように、本実施形態の物理量センサー1Dでは、各固定電極指381〜388、391〜398の先端側が自由端となっておらず、その全域がベース基板2Dに支持(接合)されている。すなわち、ベース基板2Dは、空洞部21に突出し、各固定電極指381〜388、391〜398に対応した形状をなす突出部29Dを有し、各突出部29Dとそれに対応する固定電極指とが接合されている。
これにより、例えば、前述した第2実施形態で説明したような、不純物拡散部30に発生する引っ張り応力に起因する各固定電極指381〜388、391〜398の撓みを効果的に防止することができる。その結果、所望の特性を発揮することができるとともに、特性の安定化が図られた物理量センサー1Dとなる。また、ベース基板2Dに支持されることにより、固定電極指381〜388、391〜398の強度が補強され、より耐久性に優れた物理量センサー1Dとなる。
以上説明したような第5実施形態に係る物理量センサー1Dによっても、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様の効果を発揮することができる。
(センサー装置)
次に、図19に基づいて、本発明の物理量センサーを適用したセンサー装置の一例を説明する。
図19に示すセンサー装置200は、前述した物理量センサー1と、物理量センサー1に電気的に接続された電子部品201とを有する。
電子部品201は、例えば集積回路素子(IC)であり、物理量センサー1を駆動する機能を有する。この電子部品201に角速度検出回路や加速度検出回路を形成することによりセンサー装置200をジャイロセンサーや加速度センサーとして構成することができる。
なお、図19では、センサー装置200が1つの物理量センサー1を有する場合を図示しているが、センサー装置200が複数の物理量センサー1を有していてもよい。また、センサー装置200は、物理量センサー1と、物理量センサー1とは異なる構成の物理量センサーとを有していてもよい。
このようなセンサー装置200は、感度および耐衝撃性の優れた物理量センサー1を備えるので、優れた信頼性を有する。
(電子機器)
次に、本発明の電子機器を説明する。
図20は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピューター1100には、物理量センサー1が内蔵されている。
図21は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、アンテナ(図示せず)、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部が配置されている。
このような携帯電話機1200には、物理量センサー1が内蔵されている。
図22は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部は、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリ1308に転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリ1308に格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。
このようなディジタルスチルカメラ1300には、物理量センサー1が内蔵されている。
このような電子機器は、高感および耐衝撃性に優れた物理量センサー1を備えるので、優れた信頼性を有する。
なお、本発明の電子機器は、図20のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図21の携帯電話機、図22のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンタ)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ等に適用することができる。
以上、本発明の物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器について図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
例えば、固定電極部は、櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指の少なくとも1つの固定電極指がその他の固定電極指に対してベース基板上で分離していれば、前述した実施形態に限定されない。
また、固定電極部の複数の固定電極指と、これに噛み合うように設けられた可動電極部の複数の可動電極指との本数、配置および大きさ等の形態は、前述した実施形態に限定されない。
また、可動部をY軸方向に変位させるように構成してもよいし、可動部をX軸に平行な軸線まわりに回動させるように構成してもよい。この場合、可動電極指と固定電極指との対向面積の変化による静電容量変化に基づいて物理量を検出すればよい。
1、1A、1B、1C、1D‥‥物理量センサー 2、2D‥‥ベース基板 3‥‥素子片 3’……可動構造体 4‥‥導体パターン 5‥‥蓋部材 21‥‥空洞部 22‥‥凹部 221‥‥隙間 222‥‥隙間 23‥‥凹部 24‥‥凹部 29D……突出部 30‥‥不純物拡散部 31‥‥固定部 32‥‥固定部 33‥‥可動部 34‥‥連結部 341、342‥‥梁 35‥‥連結部 351、352‥‥梁 36‥‥可動電極部 361〜365‥‥可動電極指 37‥‥可動電極部 371〜375‥‥可動電極指 38‥‥固定電極部 381〜388‥‥固定電極指 39‥‥固定電極部 391〜398‥‥固定電極指 41‥‥配線 42‥‥配線 43‥‥配線 44‥‥電極 45‥‥電極 46‥‥電極 471‥‥突起 472‥‥突起 481‥‥突起 482‥‥突起 50‥‥突起 51‥‥凹部 9‥‥絶縁膜 101‥‥接合体 102‥‥基板 102A‥‥基板 103‥‥基板 103A‥‥基板 105‥‥蓋部材 200‥‥センサー装置 201‥‥電子部品 1100‥‥パーソナルコンピューター 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥メモリ 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥入出力端子 1430‥‥テレビモニタ 1440‥‥パーソナルコンピューター

Claims (10)

  1. ベース基板と、
    前記ベース基板の上方に支持され、且つ、可動電極部を備えた可動構造体と、を備え、
    前記ベース基板上には、
    前記可動電極部に対向して配置された固定電極部と、
    前記固定電極部に電気的に接続された第1配線と、
    前記可動構造体に電気的に接続された第2配線と、が設けられ、
    前記可動構造体および前記固定電極部は、前記ベース基板との接合面に不純物が拡散された不純物拡散部が設けられ、前記不純物拡散部を介して前記第1配線および前記第2配線に接続され
    前記不純物拡散部は、前記可動構造体および前記固定電極部の前記ベース基板と対向する面のうち、平面視で前記ベース基板と重なり合う領域に設けられていることを特徴とする物理量センサー。
  2. ベース基板と、
    前記ベース基板の上方に支持され、且つ、可動電極部を備えた可動構造体と、を備え、
    前記ベース基板上には、
    前記可動電極部に対向して配置された固定電極部と、
    前記固定電極部に電気的に接続された第1配線と、
    前記可動構造体に電気的に接続された第2配線と、が設けられ、
    前記可動構造体および前記固定電極部は、前記ベース基板との接合面に不純物が拡散された不純物拡散部が設けられ、前記不純物拡散部を介して前記第1配線および前記第2配線に接続され
    前記不純物拡散部は、前記固定電極部と前記第1配線との接点部分、および前記可動構造体と前記第2配線との接点部分に設けられていることを特徴とする物理量センサー。
  3. ベース基板と、
    前記ベース基板の上方に支持され、且つ、可動電極部を備えた可動構造体と、を備え、
    前記ベース基板上には、
    前記可動電極部に対向して配置された固定電極部と、
    前記固定電極部に電気的に接続された第1配線と、
    前記可動構造体に電気的に接続された第2配線と、が設けられ、
    前記可動構造体および前記固定電極部は、前記ベース基板との接合面に不純物が拡散された不純物拡散部が設けられ、前記不純物拡散部を介して前記第1配線および前記第2配線に接続されており、
    前記ベース基板はアルカリ金属イオンを含む材料で構成され、
    前記固定電極部および前記可動構造体は、前記ベース基板に対して直接的に接合されていることを特徴とする物理量センサー。
  4. ベース基板と、
    前記ベース基板の上方に支持され、且つ、可動電極部を備えた可動構造体と、を備え、
    前記ベース基板上には、
    前記可動電極部に対向して配置された固定電極部と、
    前記固定電極部に電気的に接続された第1配線と、
    前記可動構造体に電気的に接続された第2配線と、が設けられ、
    前記可動構造体および前記固定電極部は、前記ベース基板との接合面に不純物が拡散された不純物拡散部が設けられ、前記不純物拡散部を介して前記第1配線および前記第2配線に接続されており、
    前記固定電極部は、前記ベース基板と対向する面の全域が前記ベース基板に支持されていることを特徴とする物理量センサー。
  5. 前記不純物拡散部は、前記可動構造体および前記固定電極部の前記ベース基板と対向する面の全域に設けられている請求項1ないし4のいずれか一項に記載の物理量センサー。
  6. 前記不純物拡散部は、前記可動構造体および前記固定電極部の前記ベース基板と反対側の面の全域に設けられている請求項5に記載の物理量センサー。
  7. 前記可動構造体および前記固定電極部は、単一の部材から構成されている請求項1ないしのいずれか一項に記載の物理量センサー。
  8. 前記可動構造体および前記固定電極部は、半導体材料で構成され、
    前記不純物拡散部に拡散された不純物は、ボロン、リンの少なくとも1つである請求項1ないしのいずれか一項に記載の物理量センサー。
  9. 第1配線および第2配線が形成された第1基板と、不純物を拡散した不純物拡散部が主面の少なくとも一部に形成された第2基板と、を用意する準備工程と、
    前記不純物拡散部を前記第1配線および前記第2配線に接触させて、前記第1基板の前記主面に第2基板を接合する接合工程と、
    前記第2基板をエッチングすることにより、可動電極部を備えた可動構造体および前記可動電極部に対向して配置された固定電極部を形成するエッチング工程と、を含むことを特徴とする物理量センサーの製造方法。
  10. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の物理量センサーを備えたことを特徴とする電子機器。
JP2012004818A 2012-01-13 2012-01-13 物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器 Expired - Fee Related JP5935332B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012004818A JP5935332B2 (ja) 2012-01-13 2012-01-13 物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012004818A JP5935332B2 (ja) 2012-01-13 2012-01-13 物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013145126A JP2013145126A (ja) 2013-07-25
JP5935332B2 true JP5935332B2 (ja) 2016-06-15

Family

ID=49040994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012004818A Expired - Fee Related JP5935332B2 (ja) 2012-01-13 2012-01-13 物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5935332B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4151119B2 (ja) * 1998-07-28 2008-09-17 株式会社デンソー 半導体力学量センサとその製造方法
JP2011169630A (ja) * 2010-02-16 2011-09-01 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 静電容量型加速度センサ及び静電容量型加速度検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013145126A (ja) 2013-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5750867B2 (ja) 機能素子、機能素子の製造方法、物理量センサーおよび電子機器
JP5790297B2 (ja) 物理量センサー及び電子機器
JP5790429B2 (ja) 物理量センサー素子、物理量センサー素子の製造方法及び電子機器
JP2016042074A (ja) 物理量センサー、電子機器および移動体
CN106441259B (zh) 物理量传感器、电子设备以及移动体
JP6245316B2 (ja) 機能素子、機能素子の製造方法、物理量センサーおよび電子機器
JP6171402B2 (ja) モジュール、電子機器、および移動体
US20180292210A1 (en) Physical quantity sensor, electronic device, and vehicle
JP6089397B2 (ja) 物理量センサー、物理量センサーの製造方法、および電子機器
JP6035733B2 (ja) 物理量センサーの製造方法
JP5949965B2 (ja) 機能素子、機能素子の製造方法、物理量センサーおよび電子機器
JP5737454B2 (ja) 機能素子、機能素子の製造方法、物理量センサーおよび電子機器
JP5935332B2 (ja) 物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器
JP6477836B2 (ja) 物理量センサー素子、物理量センサーおよび電子機器
JP2013140084A (ja) 物理量センサー、物理量センサーの製造方法および電子機器
JP2013068450A (ja) 物理量センサー素子、物理量センサーおよび電子機器
JP2013015478A (ja) 物理量センサー及び電子機器
JP2016097454A (ja) Mems構造体の製造方法
JP2013140085A (ja) 物理量センサーの製造方法、物理量センサーおよび電子機器
JP6369200B2 (ja) 物理量センサー、電子機器および移動体
JP2013130484A (ja) センサー素子の製造方法、センサー素子および電子機器
JP2016099174A (ja) 物理量センサー、物理量センサーの製造方法、電子機器および移動体
JP2016023988A (ja) 機能素子、物理量センサーおよび電子機器
JP2017219459A (ja) 物理量センサー、電子機器、および移動体
JP2014173917A (ja) センサー、電子機器、および移動体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141119

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160425

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5935332

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees