JP5934733B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
従来においては、例えば特許文献1に記載された発明のように、ラックリテーナーの外周面にOリングを配置することによって、ステアリング操作によってラックバーが移動した後に初期位置に戻る場合、ラックバーに係合して成るラックリテーナーの軸線とハウジングの軸線とを出来る限り一致した状態に維持していた。
特開2012−218512号公報
しかしながら、従来においては、連続したステアリング操作時に、Oリングの形状が直前のステアリング操作の影響を受けたままの状態であることがあった。これにより、ステアリング操作で切り増す場合と、切り戻す場合との操舵感を比較すると、差異が生じることがあった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、円滑なステアリング操作を妨げず、切り増しと切り戻しとの間に操舵感の差異が生じない又は生じ難いステアリング装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、ステアリング装置は、ラック及びピニオンを備えるステアリング装置であって、ピニオンを外周面に有するピニオンシャフトと、ピニオンに歯合するラックを有するラックシャフトと、ラックシャフトのピニオンシャフトとは反対側において、ラックシャフトをその軸線に沿って案内するラックガイドと、ラックをピニオン側に押圧するために、ラックガイドをラックシャフトに対して付勢する付勢部材と、ラックガイド及び付勢部材を収容するガイドハウジングと、ラックガイドの外周面とガイドハウジングの内周面との間に設けられる緩衝部材と、を備え、緩衝部材は、筒状部材と弾性部材とを有し、弾性部材は、筒状部材の内周面及び外周面の少なくとも一方に配置され、第1弾性部材と、前記第1弾性部材より小さい弾性率を有する第2弾性部材とを有し、前記第2弾性部材は、前記第1弾性部材より前記ピニオンシャフト及び前記ラックシャフト側に配置される。
ステアリング装置において、弾性部材は、筒状部材の内周面およびラックガイドの外周面のそれぞれに当接して配置されることが好ましい。
ステアリング装置において、弾性部材は、筒状部材の外周面に当接して配置され、筒状部材の内周面が、ラックガイドの外周面に当接して配置されることが好ましい。
ステアリング装置において、筒状部材は、小径の第1筒状部材と、大径の第2筒状部材とを有し、第1筒状部材が前記第2筒状部材内に配置され、弾性部材が第1筒状部材の外周面と第2筒状部材の内周面との間に配置されることが好ましい。
ステアリング装置において、弾性部材は、ラックガイドのラックシャフト側の端部に配置されることが好ましい。
ステアリング装置において、弾性部材は、ラックガイドの軸線に沿って配置されることが好ましい。
本発明によると、緩衝部材は弾性部材を有するので、ラックガイドはガイドハウジング内でピニオンシャフト及びラックシャフト側が傾斜することができる。よって、ステアリング操作時において、ラックシャフトがその軸方向に沿って動いた場合に、ラックシャフトに付勢されるラックガイドがラックシャフトの動きに追従することができる。これにより、円滑なステアリング操作を妨げないステアリング装置を提供することができる。
更に、本発明によると、緩衝部材は筒状部材を有するので、ラックガイドは、傾斜し過ぎることがなく、更に弾性部材の弾性力によって、初期位置に復元し易い。これにより、ステアリング操作における切り増し及び切り戻しの間に操舵感の差異が生じない又は生じ難いステアリング装置を提供することができる。
図1は、本発明に係るステアリング装置の一実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1に示したステアリング装置の一部拡大断面図である。 図3(A)は、ステアリング操作前の図1に示したステアリング装置を示す断面概略図である。図3(B)は、ステアリング操作時の図1に示したステアリング装置を示す断面概略図である。 図4は、ステアリング操作時のピニオン回転角とピニオン回転トルクとの関係性を示すグラフである。 図5(A)及び図5(B)は、本発明における緩衝部材の変形例を示す一部拡大断面図である。 図6は本発明における緩衝部材の変形例を示す説明図である。図6(A)は、ラックガイド及び緩衝部材の端面を示す概略図であり、図6(B)は、図6(A)のX−X線における断面図であり、図6(C)は、図6(A)のY−Y線における断面図である。
本発明に係るステアリング装置は、ステアリング操作を要し、ピニオン及びラックを有するステアリング機構を備えて成る適宜の車両に適用することができる。本発明に係るステアリング装置の一実施形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。
図1は、本発明に係るステアリング装置の一実施形態であるステアリング装置1の一部を示す斜視図である。
図1に示すように、ステアリング装置1は、ピニオンシャフト2と、ピニオンハウジング3と、ラックハウジング4と、ガイドハウジング5と、固定部6と、タイロッド7と、ブーツ8とを備える。
ピニオンシャフト2は、略円柱形状を有する軸体であり、一端部にステアリングホイール、ステアリングシャフト及び適宜の連結部材(いずれも図示せず)が接続され、他端部の外周面にピニオン(図1には図示せず)が形成されている。ピニオンシャフト2は、ステアリングホイールの回転によるステアリング操作がなされると、ピニオンシャフト2の軸線を中心として回転可能な部材である。
ピニオンハウジング3は、ピニオンシャフト2における他端部のピニオンが形成される部位を収容する筒状の筐体である。また、ラックハウジング4は、ステアリング装置1が配置される車体の幅方向に延在し、ラックシャフト(図1には図示せず)が挿通される筒状の筐体である。更に、ガイドハウジング5は、ラックガイド(図1には図示せず)を収容する筒状の筐体である。ピニオンハウジング3、ラックハウジング4及びガイドハウジング5は、一箇所において交差し、一体的に形成されている。なお、該交差部位の内部構造については図2を参照しつつ後述する。
固定部6は、ステアリング装置1を車体の構成部材の一部、例えばクロスメンバ等に対して適宜の固定手段によって固定的に取付けるための部材であり、ラックハウジング4に複数個付設される。
タイロッド7は、ラックハウジング4内を挿通するラックシャフトの両端にそれぞれ連結される軸体である。タイロッド7の軸線と、ラックシャフトの軸線とは略一致している。タイロッド7は、ラックハウジング4の延在方向と同様に、車体の幅方向に延在し、左右の前輪に対して適宜の連結部材を介して接続されている。ステアリング操作がなされると、タイロッド7がラックシャフトと共に、それぞれの軸線に沿って車体の幅方向に動くことによって、左右の前輪の向きを変えることができ、結果として車両の進行方向を変えることができる。ブーツ8は、タイロッド7とラックシャフトとの連結部位を覆う部材である。
図2は、図1における破線で囲った部位、つまりピニオンハウジング3とラックハウジング4とガイドハウジング5とが交差する部位の断面概略図である。なお、図2に示す断面図は、ステアリング装置1におけるピニオンハウジング3及びガイドハウジング5の各軸線に沿って切断している。
図2に示すように、ピニオンハウジング3とガイドハウジング5とは相互に略直交し、一体的に形成されている。ピニオンハウジング3内には、ピニオンハウジング3の軸線と一致する中心軸線を有するピニオンシャフト2が配置されている。また、ガイドハウジング5との交差部位においてピニオンシャフト2の外周面にピニオン9が形成されている。
ピニオン9に歯合するラック10を有するラックシャフト11は、ピニオンシャフト2の軸線に直交して延在するように配置されている。ラックシャフト11は、断面略円形を成す棒状部材であり、外周面の一部にラック10が列設される。ステアリング操作によってピニオンシャフト2が回転すると、ピニオン9及びラック10の噛み合いにより、ラックシャフト11はその軸線に沿って動くことができる。つまり、ラックシャフト11は図2の手前側又は奥側に可動である。
なお、ピニオン9及びラック10の歯数、ピッチ、歯の形成方向等のギヤの特性については、例えばステアリング装置1を適用する車種、適用車両の使用環境、ステアリングホイール及び前輪の可動範囲等を考慮して、適宜に設定することができる。
ラックシャフト11の外周面において、ピニオン9と歯合するラック10が形成される側とは反対側にラックガイド12が当接している。ラックガイド12は、動くラックシャフト11を案内する部材であり、ガイドハウジング5内に配置される。
ガイドハウジング5は、ピニオンシャフト2とラックシャフト11との交差部位近傍においてピニオンハウジング3及び図1に示すラックハウジング4から突出して形成され、ラックシャフト11からピニオンシャフト2に向かう方向に沿って延在している。ガイドハウジング5の外側開口部は、押さえ部材13が固定的に取付けられ、封止されている。
ラックガイド12と押さえ部材13とは、ガイドハウジング5内において、ガイドハウジング5の外側開口部から並んで配置され、ラックガイド12と押さえ部材13との間にコイルばね14が配置されている。
なお、コイルばね14は、本発明に係るステアリング装置の付勢部材の一例である。本発明においては、コイルばね14以外にも、例えば板バネ、空気バネ、又はたけのこバネ等を用いることができる。
押さえ部材13はガイドハウジング5に対して固定されているので、コイルばね14の付勢力は、ラックガイド12をラックシャフト11の外周面に押し付けるように作用する。これにより、ラックガイド12は、ラック10をピニオン9側に押圧している。ラック10がピニオン9に対して押し付けられることによって、ステアリング操作前、操作時及び操作後のいかなる場合においても、ラック10とピニオン9との歯合状態が維持されることになる。
ラックガイド12はラックシャフト11の外周面に対して直接当接しても良いが、接触部位の摩擦を低減する部材を介設することによって、円滑なステアリング操作を確保することができる。
ラックガイド12は、円柱体の一端部をラックシャフト11の外周面に沿って曲面となるように切削され、他端部をコイルばね14が安定的に当接するように凹部が形成されて成る。ラックガイド12の外周面には、ラックガイド12を囲む緩衝部材15が配設されている。
緩衝部材15は、筒状部材151と、弾性部材152とを有している。筒状部材151は、ラックガイド12の外周面を囲む金属製又は樹脂製の筒体である。また、弾性部材152は、適宜の弾性材料で形成される筒体であり、筒状部材151の内周面に固定的に取付けられている。緩衝部材15は、緩衝部材15に対して外的な応力が作用した時に、弾性部材152のように衝撃を吸収可能な部位を有する部材である。例えば図2に示す実施形態においては、緩衝部材15が当接するラックガイド12から緩衝部材15に対して任意の応力が作用すると、弾性部材152が変形する等して応力を吸収することができる。
なお、弾性部材152がエラストマー等の弾性材料を用いて形成される場合は、未加硫状態の弾性部材152の材料に対して加硫しつつ、筒状部材151に対して圧接し、適宜に加熱することによって、弾性部材152を形成すると共に筒状部材151に対して接着固定が可能である。加硫以外の固定方法を採用することもでき、例えば圧着、溶着、又は筒状部材に溝又は被係合部等を設け、弾性部材の一部に凸部又は係合部等を設けて機械的に固定する方法等を採用しても良い。
図2に示すように、緩衝部材15は、ラックガイド12の一端部においてラックシャフト11に対する接触部位近傍に、ラックガイド12の外周面に沿って配置されている。緩衝部材15は、その径方向内側に配置される弾性部材152の内周面がラックガイド12の外周面に当接し、径方向外側に配置される筒状部材151の外周面がガイドハウジング5の内周面に当接している。緩衝部材15を設けることによって、ラックガイド12の一端部の外周面とガイドハウジング5の内周面との間隙を埋めることができるので、ラックガイド12は、ガイドハウジング5内において、ガタつき無くラックシャフト11に対して付勢されることになる。
次に、ラックシャフト11、ラックガイド12及び緩衝部材15の挙動について、図3を参照しつつ説明する。
図3は、図2に示した各部材において、ラックシャフト11及びラックガイド12の動きが判別し易いように、ガイドハウジング5内においてラックシャフト11及びラックガイド12の各軸線に対して直交する視点で見た場合の、一部断面概略図として示している。図3(A)は、ステアリング操作前の初期状態のステアリング装置1を示す一部断面概略図である。また、図3(B)は、ステアリング操作時のステアリング装置1を示す一部断面概略図である。
なお、図3(A)及び図3(B)において図示はしていないが、上記ピニオンシャフト2は、図に対して手前と奥との間に延在し、ラックシャフト11の上方に配置されることになる。
図3(A)に示すように、緩衝部材15は、ラックガイド12の一端部における外周面の形状に沿って形成されている。つまり、ラックガイド12の一端部はラックシャフト11の外周面に沿って曲面に形成され、更に緩衝部材15におけるラックシャフト11側の端部はラックガイド12の外形に沿って形成されるので、緩衝部材15における一端部はラックシャフト11の外周面に沿った形状を有する。
緩衝部材15、筒状部材151、及び弾性部材152は、本発明に係るステアリング装置の緩衝部材、筒状部材及び弾性部材の一例である。
弾性部材152の内径は、ラックガイド12の外径よりも若干小さく、又は同一に形成されるのが好ましい。このような内径の弾性部材152を有する緩衝部材15が一旦ラックガイド12の外周面に当接して配置されると、ステアリング操作の入力、走行中の振動及び衝撃等が生じた時に、弾性部材152が滑り止めとなって緩衝部材15のずれを防止することができる。
続いて、図3(B)に示すステアリング装置1は、ステアリング操作された状態を示す。ステアリング操作時における図2及び図3(A)に示した各部材の挙動としては次のようになる。
先ず、ステアリングホイールを回転させる。ステアリングホイールが回転すると、ステアリングシャフト及び適宜の連結部材が、図2に示したピニオンシャフト2に回転を伝達する。回転が伝達されたピニオンシャフト2は、その軸線を中心として回転する。ピニオンシャフト2が回転すると、上記ピニオン9が回転する。ピニオン9が回転すると、ピニオン9に歯合するラック10に動力が伝達される。ラック10に動力が伝達されると、ラック10が形成されるラックシャフト11がその軸線に沿って、車体の右方向又は左方向に送出される。ラックシャフト11がその軸線に沿って動くと、ラック10をピニオン9側に押圧しているラックガイド12が、ラックシャフト11の外周面から摩擦を受ける。これにより、ラックガイド12のピニオン9側の端部が、ラックシャフト11の動きに追従する。つまり、ラックガイド12は、摩擦力によりラックシャフト11に引っ張られるようにして、ピニオンシャフト2及びラックシャフト11側の端部がラックシャフト11の移動方向と同方向に、図3(A)に示した初期状態から傾く。図3(B)において一点鎖線及び二点鎖線で示すように、ラックガイド12は、ラックシャフト11の動きに追従してガイドハウジング5内で傾くことができる。
図3(B)に示すように、ラックシャフト11は、ステアリング操作によって、白抜きの矢印の方向に沿って動く。ラックシャフト11が動くことによって、ラックガイド12は、図3(A)に示した初期状態からガイドハウジング5内で傾くことになる。なお、ラックガイド12は、図2に示したラックガイド12とコイルばね14との接触面と、ラックガイド12の軸線との交点を支点にして、様々な方向に揺動可能である。
ここで、従来のラックガイド及びその周辺部材の挙動について説明する。
仮に、上述した緩衝部材15を設けずに、単にガイドハウジング5内にラックガイド12を配置してコイルばね14で付勢するだけの場合、ラックガイド12のガイドハウジング5内における挙動の自由度が高まる。つまり、ラックガイド12が、ラックシャフト11の動きに追従して傾き易くなる。ラックガイド12がラックシャフト11の動きに追従し易いと、ラックシャフト11が大きく又は急激に動いたとき等に、ラックガイド12の一部がガイドハウジング5の内周面に強く接触する可能性が生じる。この接触によって、異音が発生してしまうことがある。
この異音の発生を防止するために、ガイドハウジング5内で傾斜し過ぎないように従来Oリングが設けられていた。
なお、ステアリング操作を開始するときには、Oリングの弾性力に抗して、Oリングを径方向に圧縮しつつラックガイド12を傾斜させる必要がある。つまり、Oリングの線径を小さくすると、弾性率が小さくなるので、弾性力に抗してOリングを径方向に圧縮するための必要な応力が小さくなる。よって、Oリングの線径を小さくすると、ステアリング操作の初動に要する応力が小さくなるので好ましい。逆に、Oリングの線径を大きくすると、弾性率も大きくなるので、弾性力に抗してOリングを径方向に圧縮するための必要な応力が大きくなる。よって、Oリングの線径を大きくすると、ステアリング操作の初動に要する応力が大きくなる。
従来においては、ステアリング操作の形態に応じて、ガイドハウジング5内のラックガイド12の挙動が異なることがある。ラックガイド12の挙動に差異が生じるステアリング操作の例としては、例えば切り戻しと切り増しとを挙げることができる。
具体的には、切り戻しの一形態として、ステアリングホイールを左に切った状態から、右に切ることによって車両が直進可能な初期位置まで戻し、更に間を空けずに再度左に切ることによってステアリングホイールを左に切った状態にする形態を挙げることができる。
更に、切り増しの一形態として、ステアリングホイールを右に切った状態から、左に切ることによって車両が直進可能な初期位置まで戻し、更に間を空けずに追加で左に切ることによってステアリングホイールを左に切った状態にする形態を挙げることができる。
上述した切り戻しを行う場合、先ずステアリングホイールを左に切った状態において、ガイドハウジング5内では従来はOリングの弾性力が作用することによって、ラックシャフト11の動きに追従して傾いていたラックガイド12が初期位置に戻っている。
この状態からステアリングホイールを初期位置に戻すと、ラックシャフト11の動きに追従してラックガイド12は例えば右側に傾く。更に、ラックガイド12が初期位置に戻る前に、間を空けずにステアリングホイールを左に切ると、右側に傾いたラックガイド12が左側に傾くことになる。これにより、ラックガイド12は、初期位置に戻る場合、又は初期位置より若干左側に傾く場合を採り得る。このとき、ラックガイド12は特に問題ある挙動をしないので、操舵感は途中で変化しない。
上述した切り増しを行う場合、先ずステアリングホイールを右に切った状態において、ガイドハウジング5内では従来はOリングの弾性力が作用することによって、ラックシャフト11の動きに追従して傾いていたラックガイド12が初期位置に戻っている。
この状態からステアリングホイールを初期位置に戻すと、ラックシャフト11の動きに追従してラックガイド12は左側に傾く。更に、ラックガイド12が初期位置に戻る前に、間を空けずにステアリングホイールを左に切ると、左側に傾いたラックガイド12が更に左側に傾くことになる。一方向に傾き過ぎたラックガイド12は、ガイドハウジング5の内周面に接触する可能性が生じる。このとき、上述したように異音が発生する。更に、ステアリング操作の途中でガイドハウジング5とラックガイド12との接触が生じることにより、ラックガイド12が傾斜を途中で停止することになるので、ラックシャフト11とラックガイド12との接触部位に作用する摩擦力に変化が生じる。これにより、操舵感が途中で変化する。
特に、従来技術のように断面円形のOリングを用いる場合、該Oリングの線径が小さいと、ラックガイド12が傾斜し易いので、ステアリング操作で切り増しを行うと、ラックガイド12がガイドハウジング5の内周面に接触し易い。これにより、上述したようにステアリング操作の初動に要する応力は小さく抑えることはできるが、切り増した時の異音の発生、及び操舵途中で操舵感の変化が生じ易い。
上述したステアリング操作の形態では、切り戻し及び切り増しにおいて、ステアリングホイールを例えば左側に切るという操作は共通している。しかしながら、直前のステアリング操作である、ステアリングホイールを初期位置に一旦戻して車両を直進状態とする操作において、ステアリングホイールの操舵方向が、切り戻しと切り増しとにおいて相違している。
切り戻し及び切り増しの様に、同一方向へのステアリング操作を行っても、直前のステアリング操作の相違によって、車両は両操作共通して直進状態となっているにもかかわらず、ラックガイド12の状態が相違していることに起因して、操舵感に差異が生じてしまうことがあった。
ここで、図4において、ピニオン回転角と、ピニオン回転トルクとの関係性を示すグラフを示す。該関係性は、例えばステアリングホイールの回転角と、ステアリング操作に要するトルクとの関係性と同様である。つまり、ステアリングホイールを回転させ始めることによって、ピニオンが回転し始めたときに、ピニオンとラックとの噛み合いによってラックシャフトが動き始める。ラックシャフトが動き始めたとしても、ラックガイドが追従して傾きつつある状態では、ラックシャフトとラックガイドとは同一部位が接触しているので静止摩擦力が作用している。ステアリング操作が継続して行われることによってピニオン回転トルクが更に追加で入力されると、ラックシャフトに対して静止摩擦力を超える応力が入力されることになる。これにより、ラックシャフトがラックガイドの表面を摺動し始める。つまり、ピニオン回転トルクが静止摩擦力から動摩擦力と同等の大きさに変化する。ピニオン回転トルク、又はステアリング操作に要するトルクが一旦動摩擦力と同等の大きさになると、その後のトルクは動摩擦力と同等の大きさのまま略一定となる。
従来のOリングを用いた場合は、ラックシャフトがラックガイドの表面を摺動し始めるときに、図4のグラフ中に実線で示す理想の場合に比べて、破線で示すように、ピニオン回転トルクが一旦オーバーシュートしてしまうことがある。具体的には、ピニオン回転角を一定角度まで増大させると、つまりステアリングホイールをある一定角度まで回転させると、回転に必要なトルクが動摩擦力と同等の大きさに減るので、ステアリングホイールが一気に回転してしまう状態である。
特に、従来のOリングの線径を大きくした場合は、Oリングの大きい弾性率によりラックガイドが傾斜し難いので、ピニオン回転角が小さい段階から静止摩擦力と同等の大きさのピニオン回転トルクが必要となる。
ラックガイドが傾斜し易い場合は、ピニオン回転トルクを高めていくと、ステアリング操作で入力するトルクがラックガイドの傾斜にある程度吸収され、限界までラックガイドの傾斜した後にラックシャフトがラックガイドの表面を摺動し始めることにより、静止摩擦力から動摩擦力と同等の大きさの必要トルクに変化する。しかしながら、Oリングの線径を大きくしてラックガイドを傾斜し難くすると、ステアリング操作で入力するトルクがラックガイドの傾斜にある程度吸収されず、必要トルクの大きさが静止摩擦力から動摩擦力の大きさに突然変化するので、図4のグラフ中に破線で示すようなトルクのオーバーシュートを生じることが多い。
なお、実際には、必要トルクの大きさが上述したように静止摩擦力から動摩擦力の大きさに変化するとき、理想のステアリング操作に要するピニオン回転トルクよりも若干大きなトルクが必要である場合が多い。よって、ステアリングホイールが一気に回転してしまう程度も小さいので、ハンドル操作を誤ってしまう等の安全性が低下する程ではないが、ステアリング操作に微小な違和感を生じる可能性はある。これは、ステアリング操作の円滑性の低下につながる。
以上に説明したように、従来においてOリングを設け、更にその線径調整のみでは様々な問題点が生じ得る状態であったのに対して、本発明の一実施形態であるステアリング装置1は、緩衝部材15を備えているので、該問題点は生じない又は生じ難い。
ラックガイド12が傾いた場合、緩衝部材15における筒状部材151は、一部に弾性部材152が押し付けられているので、筒状部材151の外周面がガイドハウジング5の内周面に当接した状態を維持し、筒状部材151の変形及び移動は生じない又は生じ難い。また、緩衝部材15における弾性部材152は、その内周面がラックガイド12の外周面に当接した状態を維持し、ラックガイド12の傾きに合わせて変形する。
緩衝部材15が弾性部材152を有していることにより、ラックガイド12は、弾性部材152を径方向に圧縮しつつラックシャフト11の動きに追従して傾くことができる。つまり、緩衝部材15の弾性部材152によって、ラックガイド12は、ラックシャフト11の動きに追従してある程度の傾斜は許容されている。これにより、ピニオン回転トルクを静止摩擦力から動摩擦力の大きさに円滑に移行させることができ、図4に破線で示したピニオン回転トルクのオーバーシュートが生じない又は生じ難い。
これにより、ステアリング装置1は円滑なステアリング操作を妨げられることはない。
更に、ラックシャフト11の動きに追従してラックガイド12が傾いたときに、ステアリング操作を一旦停止してラックシャフト11が動いた後の位置で停止したとしても、弾性部材152の弾性力によってラックガイド12が初期位置に戻り易い。
これにより、ステアリング操作において切り増し又は切り戻しをする場合、いずれの場合であっても、ラックガイド12が傾斜しても迅速にかつ正確に初期位置に戻るので、操舵感は一定である。よって、弾性部材152を有する緩衝部材15を設けたステアリング装置1は、ステアリング操作における切り増しと切り戻しとの間に操舵感の差異が生じない又は生じ難い。
また、緩衝部材15の筒状部材151は、ラックガイド12の可動範囲を狭めて、実質的に該可動範囲を規制することになる。ラックガイド12が傾くときに最も大きく動く部位は、ラックガイド12の傾斜の中心、すなわち上述したラックガイド12の揺動中心から最も離れた部位であり、ラックガイド12におけるラックシャフト11との接触部位近傍である。該接触部位近傍において、筒状部材151を設けているので、弾性部材152は最大でも筒状部材151の内周面までしか径方向に圧縮され得ない。これにより、ラックガイド12の過度の傾斜を防止することができる。つまり、筒状部材151を設けることによって、ガイドハウジング5とラックガイド12との間隙を狭め、ラックガイド12の可動範囲を実質的に規制することができる。ラックガイド12の可動範囲が適切であれば、図4のグラフに破線で示すオーバーシュートが生じ難いので、円滑なステアリング操作が可能となる。
更に、ラックガイド12、コイルばね14、ガイドハウジング5、ピニオンシャフト2、及びラックシャフト11等の部材が設計変更されて各大きさ及び各形状が変更された場合であっても、筒状部材の厚みによってラックガイドの可動範囲を設定することができるので、操舵感の制御が容易である。
なお、筒状部材151を設けることによって、ラックガイド12がガイドハウジング5の内周面に接触して異音を生じることはない。
また、ラックガイド12がラックシャフト11の動きに追従し易いことと、ラックガイド12が初期位置に戻り易いこととによって、ラックシャフト11が動く際のラックガイド12の挙動を理想に近付けることができる。したがって、緩衝部材15を設けることによって、図4に示したグラフにおいて、ピニオン回転角とピニオン回転トルクとの関係性を、破線で示す状態から実線で示す状態に近付けることができる。
なお、ラックガイド12に許容される傾斜の範囲については、例えば、ラックシャフト11とラックガイド12との間に作用する摩擦力、ラックガイド12の外周面とガイドハウジング5の内周面との間の空隙の大きさ、ラックシャフト11の動く速度、走行中にステアリング装置1に対して作用する振動及び衝撃等を考慮して設定することができる。
また、ラックガイド12の傾斜の範囲に基づいて、緩衝部材15の径方向における筒状部材151の厚み、及び弾性部材152の厚み、及び弾性部材152の材料等を適宜に決定するのが良い。筒状部材151の厚みは、ラックガイド12の傾斜範囲をピニオン回転トルクが静止摩擦力から動摩擦力に円滑に移行可能な範囲とすることができれば良い。また、弾性部材152の厚みは、ラックガイド12が適切に傾斜可能であり、ラックガイド12を傾斜しても初期位置に戻し易い弾性力を実現可能であれば良い。
図5及び図6には、本発明における緩衝部材の種々の変形例を示した。図5は、緩衝部材及びその周辺部材を拡大して示している。また、図6は、緩衝部材、ラックガイド及びラックシャフトの一部のみを示している。
なお、図5及び図6に示す緩衝部材以外のラックガイド、ガイドハウジング及びラックシャフト等は図2及び図3に示したラックガイド12、ガイドハウジング5及びラックシャフト11と同一部材を用いているので、同一の参照符号を付し、該同一部材についての詳細な説明は省略する。なお、図5及び図6には図示していないが、図5の左側がピニオンシャフト及びラックシャフト側であり、図6(A)の手前側、図6(B)及び図6(C)の上側がピニオンシャフト側である。
図5(A)に示す実施形態においては、ラックガイド12の外周面とガイドハウジング5の内周面との間に緩衝部材16が配置されている。緩衝部材16は、上記緩衝部材15の筒状部材151と弾性部材152との位置を入れ替えて成る形態である。つまり、緩衝部材16は、弾性部材161及び筒状部材162を有し、筒状部材162の外周面に弾性部材161が加硫接着等の固定方法によって取付けられている。緩衝部材16は、筒状部材162の内周面がラックガイド12の外周面に当接し、弾性部材161の外周面がガイドハウジング5の内周面に当接している。
図5(B)に示す実施形態においては、ラックガイド12の外周面とガイドハウジング5の内周面との間に緩衝部材17が配置されている。緩衝部材17は、小径の第1筒状部材171と大径の第2筒状部材172とを有し、第1筒状部材171が第2筒状部材172内に挿入配置され、弾性部材173が第1筒状部材171の外周面と第2筒状部材172の内周面との間に加硫接着等の固定方法によって取付けられている。緩衝部材17は、第1筒状部材171の内周面がラックガイド12の外周面に当接し、第2筒状部材172の外周面がガイドハウジング5の内周面に当接している。
緩衝部材16が弾性部材161を有し、緩衝部材17が弾性部材173を有していることにより、ラックガイド12は、筒状部材162又は第1筒状部材171を介して弾性部材161又は173を径方向に圧縮しつつラックシャフト11の動きに追従して傾くことができる。つまり、弾性部材161又は173によって、ラックガイド12は、ラックシャフト11の動きに追従してある程度の傾斜は許容されている。これにより、ピニオン回転トルクを静止摩擦力から動摩擦力の大きさに円滑に移行させることができ、図4に破線で示したピニオン回転トルクのオーバーシュートが生じない又は生じ難い。
これにより、ステアリング装置1は円滑なステアリング操作を妨げられることはない。
更に、ラックシャフト11の動きに追従してラックガイド12が傾いたときに、ステアリング操作を一旦停止してラックシャフト11が動いた後の位置で停止したとしても、弾性部材161又は173の弾性力によってラックガイド12が初期位置に戻り易い。
これにより、ステアリング操作において切り増し又は切り戻しをする場合、いずれの場合であっても、ラックガイド12が傾斜しても迅速にかつ正確に初期位置に戻るので、操舵感は一定である。よって、弾性部材161を有する緩衝部材16又は弾性部材173を有する緩衝部材17を設けたステアリング装置1は、ステアリング操作における切り増しと切り戻しとの間に操舵感の差異が生じない又は生じ難い。
ラックガイド12が傾いた場合、筒状部材162及び第1筒状部材171は、その内周面がラックガイド12の外周面に当接した状態を維持し、筒状部材162及び第1筒状部材171の変形及び移動は生じない又は生じ難い。更に、緩衝部材17における第2筒状部材172は、一部に弾性部材173が押し付けられているので、第2筒状部材172の外周面がガイドハウジング5の内周面に当接した状態を維持し、第2筒状部材172の変形及び移動は生じない又は生じ難い。また、弾性部材161及び173は、その内周面が筒状部材162及び第1筒状部材171の外周面に当接した状態を維持し、ラックガイド12の傾きに合わせて変形する。
また、緩衝部材16の筒状部材162、緩衝部材17の第1筒状部材171及び第2筒状部材172は、ラックガイド12の可動範囲を狭めて、実質的に該可動範囲を規制することになる。ラックガイド12が傾くときに最も大きく動く部位は、ラックガイド12の傾斜の中心、すなわち上述したラックガイド12の揺動中心から最も離れた部位であり、ラックガイド12におけるラックシャフト11との接触部位近傍である。該接触部位近傍において、筒状部材162、第1筒状部材171及び第2筒状部材172を設けているので、弾性部材161及び173は最大でも筒状部材162及び第2筒状部材172の内周面までしか径方向に圧縮され得ない。これにより、ラックガイド12の過度の傾斜を防止することができる。
つまり、筒状部材162、第1筒状部材171及び第2筒状部材172を設けることによって、ガイドハウジング5とラックガイド12との間隙を狭め、ラックガイド12の可動範囲を実質的に規制することができる。ラックガイド12の可動範囲が適切であれば、ラックガイド12が傾斜し過ぎなくなり、図4のグラフに破線で示すオーバーシュートが生じ難いので、円滑なステアリング操作が可能となる。
更に、ラックガイド12及びその周辺部材が設計変更されて各大きさ及び各形状が変更された場合であっても、筒状部材162、第1筒状部材171及び第2筒状部材172の厚みによってラックガイド12の可動範囲を設定することができるので、操舵感の制御が容易である。
なお、筒状部材162、第1筒状部材171及び第2筒状部材172を設けることによって、ラックガイド12がガイドハウジング5の内周面に接触して異音を生じることはない。
また、図5(A)及び図5(B)に示した実施形態は、ラックガイド12がラックシャフト11の動きに追従し易いことと、ラックガイド12が初期位置に戻り易いこととによって、ラックシャフト11が動く際のラックガイド12の挙動を理想に近付けることができる。したがって、緩衝部材16又は17を設けることによって、図4に示したグラフにおいて、ピニオン回転角とピニオン回転トルクとの関係性を、破線で示す状態から実線で示す状態に近付けることができる。
続いて図6に示す実施形態は、ラックシャフト11の軸線に沿った動きに対してラックガイド12が追従して動くことに特化している。
図6に示す実施形態と、図5(B)に示した実施形態との相違点は、弾性部材の形状である。なお、図6は、ラックガイド12及び緩衝部材18の形状を視認し易くするために、ラックガイド12が押圧するラックシャフト11を破線で示している。
図6(A)は、ラックガイド12及び緩衝部材18を、ラックガイド12におけるラックシャフト11側の一端面から見た場合の概略図である。図6(B)は、図6(A)に示したラックガイド12及び緩衝部材18をX−X面で切断した場合の一部拡大断面図である。図6(C)は、図6(A)に示したラックガイド12及び緩衝部材18をY−Y面で切断した場合の一部拡大断面図である。
図6(A)に示すように、緩衝部材18は、小径の第1筒状部材181と大径の第2筒状部材182とを有し、第1筒状部材181が第2筒状部材182内に挿入配置され、弾性部材183が第1筒状部材181の外周面と第2筒状部材182の内周面との間の一部に加硫接着等の固定方法によって取付けられている。弾性部材183は、筒形状ではなく、ラックガイド12の外周面の一部に沿った板形状を有している。緩衝部材18は、第1筒状部材181の内周面がラックガイド12の外周面に当接し、第2筒状部材182の外周面がガイドハウジングの内周面に当接している。
特に図6(A)及び図6(C)に示すように、弾性部材183は、ラックガイド12の外周面において、ラックシャフト11の軸線方向に対して直交する部位を含むように配置されている。
緩衝部材18が弾性部材183を有していることにより、ラックガイド12は、第1筒状部材181を介して弾性部材183を径方向に圧縮しつつラックシャフト11の動きに追従して傾くことができる。特に、ラックガイド12の外周面において、ラックガイド12最も動く可能性のあるラックシャフト11の軸線方向に沿った方向に対して直交する部位を含むように弾性部材183が配置されているので、ラックガイド12がラックシャフト11に追従して傾斜すると弾性部材183が確実に圧縮される。
弾性部材183によって、ラックガイド12は、ラックシャフト11の動きに追従してある程度の傾斜は許容されている。これにより、ピニオン回転トルクを静止摩擦力から動摩擦力の大きさに円滑に移行させることができ、図4に破線で示したピニオン回転トルクのオーバーシュートが生じない又は生じ難い。
これにより、ステアリング装置1は円滑なステアリング操作を妨げられることはない。
更に、ラックシャフト11の動きに追従してラックガイド12が傾いたときに、ステアリング操作を一旦停止してラックシャフト11が動いた後の位置で停止したとしても、弾性部材183の弾性力によってラックガイド12が初期位置に戻り易い。
これにより、ステアリング操作において切り増し又は切り戻しをする場合、いずれの場合であっても、ラックガイド12が傾斜しても迅速にかつ正確に初期位置に戻るので、操舵感は一定である。よって、弾性部材183を有する緩衝部材18を設けたステアリング装置1は、ステアリング操作における切り増しと切り戻しとの間に操舵感の差異が生じない又は生じ難い。
ラックガイド12が傾いた場合、第1筒状部材181は、その内周面がラックガイド12の外周面に当接した状態を維持し、第1筒状部材181の変形及び移動は生じない又は生じ難い。更に、第2筒状部材182は、一部に弾性部材183が押し付けられているので、第2筒状部材182の外周面がガイドハウジングの内周面に当接した状態を維持し、第2筒状部材182の変形及び移動は生じない又は生じ難い。また、弾性部材183は、その内側面が第1筒状部材181の外周面に当接した状態を維持し、ラックガイド12の傾きに合わせて変形する。
また、緩衝部材18の第1筒状部材181及び第2筒状部材182は、ラックガイド12の可動範囲を狭めて、実質的に該可動範囲を規制することになる。ラックガイド12が傾くときに最も大きく動く部位は、ラックガイド12の傾斜の中心、すなわち上述したラックガイド12の揺動中心から最も離れた部位であり、具体的にはラックガイド12におけるラックシャフト11との接触部位近傍である。
該接触部位近傍において、第1筒状部材181及び第2筒状部材182を設けているので、弾性部材183は最大でも第2筒状部材182の内周面までしか径方向に圧縮され得ない。これにより、ラックガイド12の過度の傾斜を防止することができる。
つまり、第1筒状部材181及び第2筒状部材182を設けることによって、ガイドハウジング5とラックガイド12との間隙を狭め、ラックガイド12の可動範囲を実質的に規制することができる。ラックガイド12の可動範囲が適切であれば、ラックガイド12が傾斜し過ぎなくなり、図4のグラフに破線で示すオーバーシュートが生じ難いので、円滑なステアリング操作が可能となる。
更に、ラックガイド12及びその周辺部材が設計変更されて各大きさ及び各形状が変更された場合であっても、第1筒状部材181及び第2筒状部材182の厚みによってラックガイド12の可動範囲を設定することができるので、操舵感の制御が容易である。
なお、第1筒状部材181及び第2筒状部材182を設けることによって、ラックガイド12がガイドハウジングの内周面に接触して異音を生じることはない。
また、図6に示した実施形態は、ラックガイド12がラックシャフト11の動きに追従し易いことと、ラックガイド12が初期位置に戻り易いこととによって、ラックシャフト11が動く際のラックガイド12の挙動を理想に近付けることができる。したがって、緩衝部材18を設けることによって、図4に示したグラフにおいて、ピニオン回転角とピニオン回転トルクとの関係性を、破線で示す状態から実線で示す状態に近付けることができる。
以上に説明したように、緩衝部材18は、ラックシャフト11の軸線方向に沿ってラックガイド12を支持することができる。つまり、緩衝部材18は、ラックガイド12が傾斜し易い箇所を重点的に支持することができる。
従来のOリングを設ける実施形態においては、ラックガイドの外周面を囲むようにOリングを配置する必要があった。ラックガイドにおけるラックシャフトとの接触部位近傍はラックシャフトの外周面に沿って曲面に形成されることが多いので、該接触部位近傍にはラックガイドの外周面を囲むOリングを配置することはできなかった。
これに対して、本発明に係るステアリング装置は、緩衝部材15、16及び17のように、各筒状部材及び各弾性部材の形状を、ラックガイドの外周面におけるラックシャフトとの接触部位の形状に合わせて適宜に形成することができる。更に、ラックシャフトの軸線に沿ったラックガイドの支持を実現できれば良い場合は、緩衝部材18のように弾性部材を筒形状に形成する必要はなく、板形状又は棒形状等の弾性部材をラックガイドの支持すべき部位に配置すれば良い。
したがって、本発明に係るステアリング装置は、ラックガイドが動く範囲及び方向が決定されれば、その範囲及び方向に基づいて最適なラックガイドの支持態様を採ることができる。よって、本発明に係るステアリング装置は設計自由度が高いので好ましい。
なお、ラックガイドにおけるラックシャフトとの接触部位近傍は、ラックシャフトの動きに追従して傾斜し易いのが好ましい。本発明において、弾性部材として第1弾性部材と第1弾性部材より小さい弾性率を有する第2弾性部材とを設け、第2弾性部材を第1弾性部材よりピニオンシャフト及びラックシャフト側に配置することによって、ラックガイドがラックシャフトの動きに追従して傾斜し易くなる。
第1弾性部材と第2弾性部材とは、二色成形等で一体的に形成される形態であっても良く、別体的に形成される形態であっても良い。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:ステアリング装置、2:ピニオンシャフト、3:ピニオンハウジング、4:ラックハウジング、5:ガイドハウジング、6:固定部、7:タイロッド、8:ブーツ、9:ピニオン、10:ラック、11:ラックシャフト、12:ラックガイド、13:押さえ部材、14:コイルばね、15、16、17、18:緩衝部材、151、162:筒状部材、171、181:第1筒状部材、172、182:第2筒状部材、152、161、173、183:弾性部材

Claims (6)

  1. ラック及びピニオンを備えるステアリング装置であって、
    前記ピニオンを外周面に有するピニオンシャフトと、
    前記ピニオンに歯合する前記ラックを有するラックシャフトと、
    前記ラックシャフトの前記ピニオンシャフトとは反対側において、前記ラックシャフトをその軸線に沿って案内するラックガイドと、
    前記ラックを前記ピニオン側に押圧するために、前記ラックガイドを前記ラックシャフトに対して付勢する付勢部材と、
    前記ラックガイド及び前記付勢部材を収容するガイドハウジングと、
    前記ラックガイドの外周面と前記ガイドハウジングの内周面との間に設けられる緩衝部材と、を備え、
    前記緩衝部材は、筒状部材と弾性部材とを有し、
    前記弾性部材は、前記筒状部材の内周面及び外周面の少なくとも一方に配置され、第1弾性部材と、前記第1弾性部材より小さい弾性率を有する第2弾性部材とを有し、
    前記第2弾性部材は、前記第1弾性部材より前記ピニオンシャフト及び前記ラックシャフト側に配置される、
    ステアリング装置。
  2. 前記弾性部材は、前記筒状部材の内周面および前記ラックガイドの外周面のそれぞれに当接して配置される、
    請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記弾性部材は、前記筒状部材の外周面に当接して配置され、
    前記筒状部材の内周面が、前記ラックガイドの外周面に当接して配置される、
    請求項1に記載のステアリング装置。
  4. 前記筒状部材は、小径の第1筒状部材と、大径の第2筒状部材とを有し、
    前記第1筒状部材が前記第2筒状部材内に配置され、
    前記弾性部材が前記第1筒状部材の外周面と前記第2筒状部材の内周面との間に配置される、
    請求項1に記載のステアリング装置。
  5. 前記弾性部材は、前記ラックガイドの前記ラックシャフト側の端部に配置される、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  6. 前記弾性部材は、前記ラックガイドの軸線に沿って配置される、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のステアリング装置
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