JP5933562B2 - N−カルボキシアルキル−アウリスタチンおよびその使用 - Google Patents

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Description

本出願は、N末端がカルボキシアルキル基によって置換されているモノメチルアウリスタチンFの新しい誘導体、該誘導体の調製のためのプロセス、疾患の処置および/または予防のための該誘導体の使用、ならびに疾患、特に、過剰増殖性障害および/または抗原性の障害(例えば、がん障害など)の処置および/または予防のための医薬を作製するための該誘導体の使用に関する。かかる処置は単独療法として、あるいは他の医薬またはさらなる治療手段と併用して行なわれ得る。
がん障害は、多種多様な組織における制御不能な細胞成長の帰結である。多くの場合、新しい細胞が、既に存在している組織内に貫入するか(浸潤性成長)、または遠隔器官に転移する。がんは多種多様な器官において発生し、多くの場合、組織特異的様式で進行する。このため、用語「がん性障害」は、種々の器官、組織および細胞型の定義された1つの大きな疾患群を示す。
初期段階の腫瘍は、外科的治療手段および放射線療法的手段によって除去され得る。転移した腫瘍は、通常、待機的医療として化学療法剤の使用でのみ処置される。この場合の主な目的は、生活の質の改善と延命の最適な並存を見出すことである。
現在使用されている非経口で投与される化学療法剤のほとんどは、多くの場合、腫瘍組織または腫瘍細胞を特異的に狙うものではなく、全身性投与のため体内に非特異的に、したがって、その薬物への曝露が望ましくない箇所(例えば、健常な細胞、組織および器官)にも分布する。これにより、一般毒性作用までのおよび一般毒性作用を含む望ましくない副作用がもたらされることがあり、多くの場合、その薬物の治療上使用可能な投薬量が制限され、さらには投薬の中止に至ることもあり得る。
腫瘍細胞または周囲組織におけるこのような化学療法剤の改善された選択的利用可能性は、その薬物の効果を最大にするためだけでなく毒性副作用を最小限にするためにも、長年、新しい化学療法剤の開発の焦点であった。上記薬物を標的細胞に直接投与するための効率的な方法が何度も試みられている。薬物と細胞内標的との結合の最適化、および細胞内薬物分布(例えば、近接細胞内)の最小限化は、依然として困難な課題であることが示されている。
例えば、モノクローナル抗体は、腫瘍組織および腫瘍細胞の特異的標的化に適している。がん性障害の臨床処置のためのかかる抗体の重要性は、トラスツズマブ(ハーセプチン)、リツキシマブ(リツキサン)、セツキシマブ(エルビタックス)およびベバシズマブ(アバスチン)(これらはすべて、個々の特定の腫瘍障害の治療について認可を受けている)などの薬剤の有効性に基づいて、ここ数年で顕著に増大している。[例えば、非特許文献1参照]。このため、いわゆるイムノコンジュゲートにおける関心が著しく増大してきている。腫瘍関連抗原に向けられた内部移行抗体を、連結単位(「リンカー」)によって細胞傷害剤に共有結合で連接させたものである。腫瘍細胞内に導入され、該コンジュゲートから分離すると、それは直接的かつ選択的に奏功し得る。これにより、潜在的に、がん性障害の従来の化学療法と比べて正常組織の損傷が有意に低減され得る[例えば、非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5参照]。
また、抗体の代わりに、特定の標的(受容体など)に選択的に結合する低分子薬物の範囲由来のリガンドを使用することも可能である[例えば、非特許文献6;非特許文献7参照]。また、細胞傷害薬とアドレス(adressierendem)リガンドから作製されたコンジュゲートも知られており、これは、活性薬物を遊離させるための、リガンドと薬物間の明白な切断部位を示す。かかる「所定の分断点」はペプチド鎖内に存在し得、必要とされる位置で特異的酵素によって特定の位置で選択的に切断され得る[例えば、R.A.FirestoneおよびL.A.Telan,米国特許出願第US2002/0147138号参照]。
アウリスタチンE(AE)およびモノメチルアウリスタチンE(MMAE)は、最初に海洋供給源から単離され、一部において腫瘍細胞に対して非常に強力な細胞傷害活性が示された線状のプソイドペプチドの特定の一群であるドラスタチンの合成類似体である[概説については、例えば、非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10を参照のこと]。
Figure 0005933562
しかしながら、MMAEは、残念なことに比較的高い全身毒性を有する。さらに、抗体/活性薬剤−コンジュゲート(イムノコンジュゲート)の使用は、酵素的による所定の分断点を持つ、抗体と活性化合物間のリンカーと不適合である[非特許文献11]。
モノメチルアウリスタチンF(MMAF)は、C末端フェニルアラニン単位を有するアウリスタチン誘導体であるが、MMAEと比較すると、示される抗増殖活性は中程度にすぎない。これは遊離カルボキシル基に起因し得る可能性が非常に高く、その極性および電荷が該誘導体の細胞到達能力に有害に影響している。これとの関連において、MMAFのメチルエステル(MMAF−OMe)が、細胞到達能を有する中性に荷電したプロドラッグ誘導体として報告されており、さまざまな癌細胞系に対して、MMAFと比べて数桁高いインビトロ毒性が示されている[非特許文献11]。この効果は、そのプロドラッグが細胞内に導入された後、細胞内エステル加水分解によって速やかに遊離するMMAF自体によってもたらされることが推測され得る。
Figure 0005933562
しかしながら、単純なエステル誘導体の基づく薬物化合物は、一般的に、意図される作用部位に無関係である非特異的エステル加水分解のため(例えば、血漿中に存在しているエステラーゼにより)、化学的不安定性のリスクに晒される;これにより、治療目的のためのこれらの化合物の有用性が著しく制限され得る。さらに、MMAEおよびMMAFなどのアウリスタチン誘導体は、多くの腫瘍細胞で発現される輸送体タンパク質の基質でもあり、このような薬物に対する耐性の発生がもたらされ得る。
G.P.AdamsおよびL.M.Weiner,Nat.Biotechnol.23,1147−1157(2005) J.M.Lambert,Curr.Opin.Pharmacol.5,543−549(2005) A.M.WuおよびP.D.Senter,Nat.Biotechnol.23,1137−1146(2005) P.D.Senter,Curr.Opin.Chem.Biol.13,235−244(2009) L.DucryおよびB.Stump,Bioconjugate Chem.21,5−13(2010) E.Ruoslahtiら,Science 279,377−380(1998) D.Karkanら,PLoS ONE 3(6),e2469(2008年6月25日) G.R.Pettit,Prog.Chem.Org.Nat.Prod.70,1−79(1997) G.R.Pettitら,Anti−Cancer Drug Design 10,529−544(1995) G.R.Pettitら,Anti−Cancer Drug Design 13,243−277(1998) S.O.Doroninaら,Bioconjugate Chem.17,114−124(2006)
したがって、本発明の意図は、有効性が中程度にすぎないモノメチルアウリスタチンF(MMAF)を出発物質として、一方において全細胞アッセイで有意に高い細胞傷害活性を示し、他方において輸送体タンパク質に対して低い基質特性を示す新しい結合体を同定すること、およびこのような結合体を、特にがん性疾患の治療に利用可能にすることであった。かかる物質は、抗増殖性(イムノ)コンジュゲートを形成するためのタンパク質(抗体など)との結合または場合によっては低分子量のリガンドとの結合のための坦毒体として特に好適であり得る。
モノメチルアウリスタチンF(MMAF)およびそのいくつかのエステルおよびアミド誘導体は、既に、WO2005/081711−A2に開示されている。C末端アミド置換フェニルアラニン単位を有するいくつかの他のアウリスタチン類似体が、WO01/18032−A2に記載されている。WO02/088172−A2およびWO2007/008603−A1には、フェニルアラニンの側鎖が改変されているMMAF類似体が記載されており、WO2007/008848−A2には、該フェニルアラニンのカルボキシル基が改変された類似体が記載されている。とりわけ、WO2004/010957−A2およびWO2009/117531−A1には、N末端またはC末端で結合したさらなるアウリスタチンコンジュゲートが記載されている[S.O.Doroninaら,Bioconjugate Chem.19,1960−1963(2008)も参照のこと]。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
式(I)
Figure 0005933562


の化合物(式中、
Lは、直鎖(C 〜C 12 )−アルカンジイルを表し、これはメチルで4回まで置換されていてもよく、ここで、(a)2個の炭素原子が、互いに1,2−、1,3−または1,4−の関係で結合されていてもよく、必要であれば、両原子間に存在する炭素原子を含めて(C 〜C )−シクロアルキル環またはフェニル環を形成していてもよく、あるいは(b)互いに隣接していない3つまでのCH 基が−O−に代えて置換されていてもよく、
は、水素またはメチルを表し、
は、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、1−ヒドロキシエチル、フェニル、ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、1−フェニルエチル、ジフェニルメチル、1H−イミダゾール−4−イルメチルまたは1H−インドール−3−イルメチルを表すか、
あるいは
とR は、これらがともに結合している炭素原子と一緒に、式
Figure 0005933562


の2−フェニルシクロプロパン−1,1−ジイル基(式中、#は、該分子の他の部分との結合点に印をつけたものである)
を形成しており、
Tは、式−C(=O)−OR 、−C(=O)−NR 、−C(=O)−NH−NH−R または−CH −O−R を有する基を表し、ここで、
は、水素、(C 〜C )−アルキルまたは(C 〜C 10 )−シクロアルキルを表し、該(C 〜C )−アルキルはフェニル、ナフチルまたは(C 〜C 10 )−シクロアルキルで置換されていてもよく、
は、水素または(C 〜C )−アルキルを表し、
は、水素、(C 〜C )−アルキルまたは(C 〜C 10 )−シクロアルキルを表し、該(C 〜C )−アルキルはフェニルで置換されていてもよいか、
あるいは
とR は、互いに結合され、これらが結合している窒素原子と一緒に5〜7員の飽和アザ−複素環式化合物を形成しており(該複素環式化合物は、>N−H、>N−CH
または−O−などのさらなる環へテロ原子を含んでいてもよい);該窒素原子に対して1,3−または1,4−のいずれかの位置に存在し、
は、(C 〜C )−アルキル、(C 〜C )−アルキルカルボニル、フェニルまたはベンゾイルを表し、
は、(C 〜C )−アルキルを表し、これはフェニルで置換されていてもよく、また、該フェニルも(C 〜C )−アルコキシカルボニルまたはカルボキシルで置換されていてもよい)
およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物。
(項目2)
項目1に記載のとおりの式(I)の化合物であって、
Lが、直鎖(C 〜C )−アルカンジイルを表し、ここで、(a)2個の炭素原子が互いに1,3−または1,4−の関係で連結され、両原子間に存在する1個または2個の炭素原子を含めてフェニル環を形成しているか、あるいは(b)互いに隣接していない2つまでのCH 基が−O−に代えて置換されていてもよく、
が、水素を表し、
が、ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、1−フェニルエチルまたは1H−インドール−3−イルメチルを表すか、
あるいは
とR は、これらがともに結合している炭素原子と一緒に、式
Figure 0005933562


の2−フェニルシクロプロパン−1,1−ジイル基(式中、#は、該分子の他の部分との結合点に印をつけたものである)
を形成しており、
Tが、式−C(=O)−OR 、−C(=O)−NR 、−C(=O)−NH−NH−R または−CH −O−R を有する基を表し、ここで、
は、水素または(C 〜C )−アルキルを表し、これはフェニル、ナフチルまたは(C 〜C 10 )−シクロアルキルで置換されていてもよく、
は、水素またはメチルを表し、
は、水素または(C 〜C )−アルキルを表し、これはフェニルで置換されていてもよいか、
あるいは
とR は互いに結合され、これらが結合している窒素原子と一緒にピペリジン環またはモルホリン環を形成しており、
は、(C 〜C )−アルキルカルボニルまたはベンゾイルを表し、
は、(C 〜C )−アルキルまたはベンジルを表し、これは該フェニル基において(C 〜C )−アルコキシカルボニルまたはカルボキシルで置換されていてもよい、
化合物、およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物。
(項目3)
項目1または項目2に記載のとおりの式(I)の化合物であって、
Lが、直鎖(C 〜C )−アルカンジイルを表し、
が、水素を表し、
が、ベンジル、1−フェニルエチルまたは1H−インドール−3−イルメチルを表すか、
あるいは
とR は、これらがともに結合している炭素原子と一緒に、式
Figure 0005933562


の(1S,2R)−2−フェニルシクロプロパン−1,1−ジイル基(式中、
#1は、隣接している窒素原子との結合点に印をつけたものであり、
#2は、T基の結合点に印をつけたものである)
を形成しており、
Tが、式−C(=O)−OR 、−C(=O)−NR 、−C(=O)−NH−NH−R または−CH −O−R を有する基を表し、ここで、
は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、ベンジルまたはアダマンチルメチルを表し、
は、水素またはメチルを表し、
は、水素、メチル、エチル、n−プロピルまたはベンジルを表し、
は、ベンゾイルを表し、
は、ベンジルを表し、これは、該フェニル基においてメトキシカルボニルまたはカルボキシルで置換されていてもよい、
化合物、およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物。
(項目4)
式(I−A)
Figure 0005933562


を有する、項目1、2および3に記載のとおりの化合物(式中、L、R 、R およびTは、項目1、2または3に定義したとおりであり、ラジカルR およびR を担持しているC −炭素原子は、該図示した立体配置を有する)
およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物。
(項目5)
式(II)
Figure 0005933562


の化合物(式中、R 、R およびTは、項目1〜4に記載の意味に従う)
を、不活性溶媒中で、
[A]塩基誘導性アルキル化によって、
式(III)
Figure 0005933562


の化合物(式中、Lは、項目1および4に示した意味を有し、
は、水素、(C 〜C )−アルキルまたはベンジルを表し、
Xは、クロリド、ブロミド、イオダイド、メシラート、トリフラートもしくはトシラートなどの脱離基を表す)
とカップリングさせて式(IV)
Figure 0005933562


の化合物(式中、E 、L、R 、R およびTは上記に定義のとおりである)
にし、このとき、E が(C 〜C )−アルキルまたはベンジルを表す場合は、このエステルラジカルを一般的な方法を用いて切り離し、
(III)のE が水素を表す場合と同様に、式(I)
Figure 0005933562
の本発明によるカルボン酸(式中、L、R 、R およびTは上記に定義のとおりである)
が保存されるようにするか、
あるいは
[B]式(V)
Figure 0005933562


の化合物(式中、
は、水素、(C 〜C )−アルキルまたはベンジルを表し、
は、項目1〜4に記載のLの意味に従うが、該アルキル鎖長はCH 単位1つ分短い)
で、適切な還元剤の存在下で処理することによって式(VI)
Figure 0005933562


の化合物(式中、E 、L 、R 、R およびTは上記に定義のとおりである)
にし、このとき、E が(C 〜C )−アルキルまたはベンジルを表す場合は、このエステルラジカルを一般的な方法を用いて切り離し、(V)のE が水素を表す場合と同様に、式(I−B)
Figure 0005933562


の本発明に適合するカルボン酸(式中、L 、R 、R およびTは上記に定義のとおりである)
が保存されるようにするか、
のいずれかを行ない、
得られた該式(I)および(I−B)の化合物は、必要に応じて、そのエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーに分離され得る、および/または適切な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いてその溶媒和物、塩および/または該塩の溶媒和物に変換され得ること
を特徴とする、項目1〜4に記載の式(I)の化合物を製造するための方法。
(項目6)
疾患の処置および/または予防のための項目1〜4に記載の化合物。
(項目7)
がんおよび腫瘍疾患を処置および/または予防するための手順における使用のための項目1〜4のうちの1項に記載の化合物。
(項目8)
がんおよび腫瘍疾患を処置および/または予防するための薬物の作製のための項目1〜4のうちの1項に記載の化合物の使用。
(項目9)
項目1〜4のうちの1項に記載の化合物を、1種類以上の不活性な無毒性の薬学的に適し得る賦形剤との組合せで含む薬物。
(項目10)
項目1〜4のうちの1項に記載の化合物を1種類以上の物質との組合せで含む薬物。
(項目11)
がんおよび腫瘍疾患の処置および/または予防のための項目9または10に記載のとおりの薬物。
(項目12)
有効量の少なくとも1種類の、項目1〜4のうちの1項に記載の化合物または項目9〜11のうちの1項に記載の薬物を使用する、ヒトまたは動物のがんおよび腫瘍疾患の処置および/または予防のための方法。
本発明の目的は、一般式(I)
Figure 0005933562
の化合物、(式中、
Lは、直鎖(C〜C12)−アルカンジイルを表し、これはメチルで4回まで置換されていてもよく、(a)2個の炭素原子が、互いに1,2−、1,3−または1,4−の関係で結合されていてもよく、必要であれば、それらの間に存在する炭素原子を含めて、(C〜C)−シクロアルキル環またはフェニル環を形成しているものでもよく、あるいは(b)互いに隣接していない3つまでのCH基がOに代えて置換されていてもよく、
は、水素またはメチルを表し、
は、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、1−ヒドロキシエチル、フェニル、ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、1−フェニルエチル、ジフェニルメチル、1H−イミダゾール−4−イルメチルまたは1H−インドール−3−イルメチルを表すか、
あるいは
とRは、これらがともに結合している炭素原子と一緒に、式
Figure 0005933562
の2−フェニルシクロプロパン−1,1−ジイル基(式中、#は、その分子の他の部分との結合点に印をつけたものである)
を形成しており、
Tは、式−C(=O)−OR、−C(=O)−NR、−C(=O)−NH−NH−Rまたは−CH−O−Rを有する基を表し、ここで、
は、水素、(C〜C)−アルキルまたは(C〜C10)−シクロアルキルを表し、該(C〜C)−アルキルはフェニル、ナフチルまたは(C〜C10)−シクロアルキルで置換されていてもよく、
は、水素または(C〜C)−アルキルを表し、
は、水素、(C〜C)−アルキルまたは(C〜C10)−シクロアルキルを表し、該(C〜C)−アルキルはフェニルで置換されていてもよいか、
あるいは
とRは、互いに結合し、これらが結合している窒素原子と一緒に5〜7員の飽和アザ複素環式化合物を形成しており(該複素環式化合物は、>N−H、>N−CHまたは−O−などのさらなる環へテロ原子を含んでいてもよい);上記窒素原子に対して1,3−または1,4−のいずれかの位置に存在し、
は、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキルカルボニル、フェニルまたはベンゾイルを表し、
は、(C〜C)−アルキルを表し、これはフェニルで置換されていてもよく、該フェニルも(C〜C)−アルコキシカルボニルまたはカルボキシルで置換されていてもよい)
およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物である。
本発明の化合物は、式(I)の化合物およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物式(I)を包含する、以下に挙げる式の化合物、およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物、また、以下において作業実施例として紹介する、式(I)を包含する化合物およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物である(以下に挙げる化合物は、既に塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物でないものと想定している)。
その構造によっては、本発明の化合物は、異なる立体異性体形態で、すなわち、立体配置異性体の形態で、あるいは適切な場合は、立体配座異性体(エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー(アトロプ異性体を含む))の形態で存在し得る。したがって、本発明は、エナンチオマーおよびジアステレオマーならびにそのそれぞれの複合物を包含する。立体異性体的に均一な成分は、通常の様式で、かかるエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの複合物から抽出され得る;好ましくは、これは、クロマトグラフィー法、特に、アキラル相またはキラル相でのHPLCクロマトグラフィーを用いて行なわれる。
本発明の化合物が互変異性体形態で存在する場合、本発明は、あらゆる互変異性体形態を包含する。
本発明との関連において好ましい塩は、本発明の化合物の生理学的に無害の塩である。また、薬学的用途に適していない塩も、これらが、本発明の化合物の単離または精製するために使用できるため、包含される。
本発明の化合物の生理学的に無害の塩としては、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が挙げられる。
また、本発明の化合物の生理学的に無害の塩としては、慣用的な塩基の塩、例えば好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウムの塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウムの塩)、ならびにアンモニアまたは1〜16個のC原子を有する有機アミン、例えば好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリスエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、プロカイン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リシンおよび1,2−エチレンジアミンから誘導されるアンモニウム塩も挙げられる。
本発明との関連において、溶媒分子との配位によって固体状態または液体状態のいずれかの複合体を形成する、本発明の化合物のそのような形態を溶媒和物と称する。水和物は、上記配位が水と行なわれる溶媒和物の特別な一形態である。本発明との関連において、水和物が溶媒和物として好ましい。
また、さらに、本発明は、本発明の化合物のプロドラッグも包含する。用語「プロドラッグ」は、本明細書において、生物学的に活性であっても不活性であってもよいが、体内に存在している期間中に本発明の化合物に変換される(例えば、代謝により、または加水分解によって)化合物をいう。
本発明との関連において、置換基は、特に指定していない限り、以下に定義するとおりである。
(C〜C)−アルキルおよび(C〜C)−アルキルは、本明細書において、それぞれ、1〜6および1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状アルキルラジカルを表す。1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状アルキルラジカルが本明細書において好ましい。一例としておよび優先的には、以下のものが挙げられる:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシルおよび3−ヘキシル。
(C〜C)−アルキルカルボニルおよび(C〜C)−アルキルカルボニルは、本発明との関連において、カルボニル基[−C(=O)−]を介して結合される、それぞれ、1〜6および1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状アルキルラジカルを表す。上記アルキルラジカルに1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状アルキルカルボニル基が本明細書において好ましい。一例としておよび優先的には、以下のものが挙げられる:アセチル、プロピオニル、n−ブチリル、イソ−ブチリル、n−ペンタノイル、ピバロイル、n−ヘキサノイルおよびn−ヘプタノイル。
(C〜C)−アルコキシおよび(C〜C)−アルコキシは、本発明との関連において、それぞれ、1〜6および1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状アルコキシラジカルを表す。1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状アルコキシラジカルが本明細書において好ましい。一例としておよび優先的には、以下のものが挙げられる:メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシ。
(C〜C)−アルコキシカルボニルおよび(C〜C)−アルコキシカルボニルは、本発明との関連において、酸素原子を介してカルボニル基[−C(=O)−]によって結合される、それぞれ、1〜6および1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状アルコキシラジカルを表す。上記アルコキシラジカルに1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状アルコキシカルボニル基が本明細書において好ましい。一例としておよび優先的には、以下のものが挙げられる:メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニルおよびn−ヘキソキシカルボニル。
(C〜C12)−アルカンジイル、(C〜C)−アルカンジイルおよび(C〜C)−アルカンジイルは、本明細書において、それぞれ、1〜12、1〜8および1〜6個の炭素原子を有する直鎖α,ω−二価アルキルラジカルを表す。1〜8、特に1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルカンジイル基が本明細書において好ましい。一例としておよび優先的には、以下のものが挙げられる:メチレン、エタン−1,2−ジイル(1,2−エチレン)、プロパン−1,3−ジイル(1,3−プロピレン)、ブタン−1,4−ジイル(1,4−ブチレン)、ペンタン−1,5−ジイル(1,5−ペンチレン)、ヘキサン−1,6−ジイル(1,6−ヘキシレン)、ヘプタン−1,7−ジイル(1,7−ヘキシレン)、オクタン−1,8−ジイル(1,8−オクチレン)、ノナン−1,9−ジイル(1,9−ノニレン)、デカン−1,10−ジイル(1,10−デシレン)、ウンデカン−1,11−ジイル(1,11−ウンデシレン)およびドデカン−1,12−ジイル(1,12−ドデシレン)。
(C〜C)−シクロアルキルは、本発明との関連において、3〜6個の炭素原子を有する単環式の飽和シクロアルキル基を表す。一例としておよび優先的には、以下のものが挙げられる:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル。
(C〜C10)−シクロアルキルは、本発明との関連において、3〜10個の炭素原子を有する単環式または必要な場合は二環式もしくは三環式の飽和シクロアルキル基を表す。一例としておよび優先的には、以下のものが挙げられる:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、ヘキサヒドロインダニル、デカリニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.3.1]デシルおよびアダマンチル。
本発明との関連において、5〜7員のアザ複素環は全部で5〜7個の環原子を有する単環式の飽和複素環を表し、該複素環は、1個の窒素環原子を含み、該窒素環原子で結合されており、さらに、上記窒素環原子に対して1,3−位または必要な場合は1,4−位に存在する以下の>N−H、>N−CHまたは−O−からの別の環へテロ原子を含有していてもよい。一例としておよび優先的には、以下のものが挙げられる:ピロリジニル、1,3−オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、N’−メチルピペラジニルおよびモルホリニル。
本発明との関連において、複数回存在しているラジカルはすべて、互いに独立した意味を有する。本発明の化合物のラジカルが置換型である場合、該ラジカルは、特に指定していない限り、1回置換されていても複数回置換されていてもよい。1つもしくは2つの同一の置換基または異なる置換基での置換が好ましい。1つの置換基での置換が特に好ましい。
本発明との関連において、式(I)の化合物であって、
Lが、直鎖(C〜C)−アルカンジイルを表し、そこでは、(a)2個の炭素原子が互いに1,3−または1,4−の関係で連結され、両原子間に存在する1個または2個の炭素原子を含めてフェニル環を形成しているか、あるいは(b)互いに隣接していない2つまでのCH基が−O−に代えて置換されていてもよく、
が、水素を表し、
が、ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、1−フェニルエチルまたは1H−インドール−3−イルメチルを表すか、
あるいは
とRは、これらがともに結合している炭素原子と一緒に、式
Figure 0005933562
の2−フェニルシクロプロパン−1,1−ジイル基(式中、#は、その分子の他の部分との結合点の印をつけたものである)
を形成しており、
Tが、式−C(=O)−OR、−C(=O)−NR、−C(=O)−NH−NH−Rまたは−CH−O−Rを有する基を表し、ここで、
は、水素または(C〜C)−アルキルを表し、これはフェニル、ナフチルまたは(C〜C10)−シクロアルキルで置換されていてもよく、
は、水素またはメチルを表し、
は、水素または(C〜C)−アルキルを表し、これはフェニルで置換されていてもよいか、
あるいは
とRは互いに結合され、これらが結合している窒素原子と一緒にピペリジン環またはモルホリン環を形成しており、
は、(C〜C)−アルキルカルボニルまたはベンゾイルを表し、
は、(C〜C)−アルキルまたはベンジルを表し、これはそのフェニル基において(C〜C)−アルコキシカルボニルまたはカルボキシルで置換されていてもよい、
化合物、およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物に対して優先的に選択される。
本発明との関連において、式(I)の化合物であって、
Lが、直鎖(C〜C)−アルカンジイルを表し、
が、水素を表し、
が、ベンジル、1−フェニルエチルまたは1H−インドール−3−イルメチルを表すか、
あるいは
とRは、これらがともに結合している炭素原子と一緒に、式
Figure 0005933562
の(1S,2R)−2−フェニルシクロプロパン−1,1−ジイル基(式中、
#1は、隣接している窒素原子との結合点に印をつけたものであり、
#2は、T基の結合点に印をつけたものである)
を形成しており、
Tが、式−C(=O)−OR、−C(=O)−NR、−C(=O)−NH−NH−Rまたは−CH−O−Rを有する基を表し、ここで、
は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、ベンジルまたはアダマンチルメチルを表し、
は、水素またはメチルを表し、
は、水素、メチル、エチル、n−プロピルまたはベンジルを表し、
は、ベンゾイルを表し、
は、ベンジルを表し、これは、そのフェニル基においてメトキシカルボニルまたはカルボキシルで置換されていてもよい、
化合物、およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物も特に好ましい。
本発明との関連において、式(I−A)
Figure 0005933562
の化合物(式中、L、R、RおよびTは、上記に定義のとおりであり、該ラジカルRおよびRを担持しているC−炭素原子は、図示した立体配置を有する)
およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物も特に重要である。
また、本発明との関連において、
Lが、プロパン−1,3−ジイルを表す、
式(I)および(I−A)の化合物、およびその塩、溶媒和物ならびに該塩の溶媒和物も特に重要である。
示したそれぞれのラジカルの組合せとは独立して、それぞれのラジカルまたは好ましいラジカルの組合せで示した具体的なラジカルの定義はまた、他のラジカルの組合せの定義でも置き換えられる。特に、上記に示した好ましい範囲のうちの2つ以上が優先される。
また、本発明は、
式(II)
Figure 0005933562
の化合物(式中、R、RおよびTは上記に定義のとおりである)
を、不活性溶媒中で、
[A]塩基誘導性アルキル化によって、
式(III)
Figure 0005933562
の化合物(式中、Lは、上記に定義のとおりであり、
は、水素、(C〜C)−アルキルまたはベンジルを表し、
Xは、クロリド、ブロミド、イオダイド、メシラート、トリフラートもしくはトシラートなどの脱離基を表す)
とカップリングさせて式(IV)
Figure 0005933562
の化合物(式中、E、L、R、RおよびTは上記に定義のとおりである)
にし、このとき、Eが(C〜C)−アルキルまたはベンジルを表す場合は、このエステルラジカルを一般的な方法を用いて切り離し、
(III)のEが水素を表す場合と同様に、本発明による式(I)
Figure 0005933562
のカルボン酸(式中、L、R、RおよびTは上記に定義のとおりである)
が保存されるようにするか、
あるいは
[B]適切な還元剤の存在下、式(V)
Figure 0005933562
の化合物(式中、
は、水素、(C〜C)−アルキルまたはベンジルを表し、
は、上記でLについて定義のとおりであるが、そのアルキル鎖長はCH単位1つ分短い)
での処理により式(VI)
Figure 0005933562
の化合物(式中、E、L、R、RおよびTは上記に定義のとおりである)
にし、このとき、Eが(C〜C)−アルキルまたはベンジルを表す場合は、このエステルラジカルを一般的な方法を用いて切り離し、(V)のEが水素を表す場合と同様に、式(I−B)
Figure 0005933562
の本発明に適合するカルボン酸(式中、L、R、RおよびTは上記に定義のとおりである)
が保存されるようにするか、
のいずれかを行ない、
得られた式(I)および(I−B)の化合物は、必要に応じて、そのエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーに分離され得る、および/または適切な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いてその溶媒和物、塩および/または該塩の溶媒和物に変換され得ること
を特徴とする、本発明の式(I)の化合物を調製するプロセスを提供する。
カップリング反応(II)+(III)→(IV)に好適な不活性溶媒は、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンもしくはビス−(2−メトキシエチル)−エーテルなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンもしくは鉱油留分など)、または双極性非プロトン性溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N’−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、N−メチルピロリジノン(NMP)もしくはピリジンなど)である。また、これらの溶媒の混合物を使用することも可能である。アセトンまたはN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
アルキル化反応に好適な塩基は、特に、アルカリ水酸化物(リチウム、ナトリウムもしくはカリウムの水酸化物など)、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムもしくはセシウムの炭酸塩など)または通常の有機アミン(トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンもしくは4−N,N−ジメチルアミノピリジンなど)である。カリウムまたはセシウムの炭酸塩が好ましい。必要であれば、アルキル化触媒(リチウムブロミドもしくはリチウムイオダイド、ナトリウムイオダイドもしくはカリウムイオダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドもしくはテトラ−n−ブチルアンモニウムイオダイドまたはベンジルトリエチルアンモニウムブロミドなど)を添加することが好都合である。
上記反応(II)+(III)→(IV)は、通常、−20℃〜+100℃、好ましくは0℃〜+50℃の温度範囲で行なわれる。上記反応は、大気圧で行なっても、高圧でも減圧でも(例えば、0.5〜5バール)行なってもよい;通常、上記反応は大気圧で行なわれる。
反応(II)+(V)→(VI)は、通常、還元アミノ化に標準的であり、かつその反応条件下で不活性な溶媒中で、必要であれば、触媒としての酸および/または脱水剤の添加により行なわれる。かかる溶媒は、例えば、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなど)、エーテル(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンもしくはビス−(2−メトキシエチル)−エーテルなど)、または他の溶媒(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミドもしくは水など)である。また、これらの溶媒の混合物を使用することも可能である。触媒としての酢酸または希塩酸の添加の下では、1,4−ジオキサン/水混合物が優先的に使用される。
この反応に好適な還元剤は、特に、水素化ホウ素複合体(水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはテトラ−n−ブチルアンモニウムボロヒドリドなど)である。シアノ水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。
上記反応(II)+(V)→(VI)は、通常、0℃〜+120℃の温度範囲、好ましくは+50℃〜+100℃の範囲で行なわれる。上記反応は、大気圧で行なっても、高圧でも減圧でも(例えば、0.5〜5バール)行なってもよい;通常、上記反応は大気圧で行なわれる。
ステップ(IV)→(I)および(VI)→(I−B)におけるエステルラジカルE[E=(C〜C)−アルキルまたはベンジル]の切断は、標準的な手順を用いて、エステルを酸または塩基で、不活性溶媒中で処理することにより、および生成するカルボン酸塩を酸で処理して遊離カルボン酸を生成させることにより(後者の場合)行なわれる。tert−ブチルエステルの場合、上記切断は酸によって行なわれる。ベンジルエステルの場合、上記切断は、適切なパラジウム触媒(パラジウム活性炭など)の存在下での水素化分解を用いてなされ得る。
反応(III)および(V)で生成させるエステルラジカルEは、その切断条件が、反応(IV)および(VI)での対応するT基のものと適合するように選択される。
エステル加水分解に好適な塩基は標準的な無機塩基である。このようなものとしては、特に、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムもしくは水酸化バリウムなど)、またはアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムもしくは炭酸カルシウムなど)が挙げられる。水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが好ましい。
エステルの切断に好適な酸は、一般に、硫酸、塩化水素/塩酸、臭化水素/臭化水素酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸もしくはトリフルオロメタンスルホン酸またはその混合物であり、必要な場合は、水の添加を伴う。tert−ブチルエステルの場合は塩化水素またはトリフルオロ酢酸が、メチルエステルの場合は塩酸が好ましい。
このような反応に好適な不活性溶媒は、水またはエステル切断に使用される標準的な有機溶媒である。好ましくは、このようなものとしては、低級アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノールもしくはイソプロパノールなど)、エーテル(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンもしくは1,2−ジメトキシエタンなど)、または他の溶媒(ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホキシドなど)が挙げられる。また、これらの溶媒の混合物を使用することも可能である。塩基性エステル加水分解の場合、水と1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールおよび/またはジメチルホルムアミドとの混合物が好ましい。トリフルオロ酢酸を用いた反応の場合は、ジクロロメタンが好ましく、塩化水素を用いた反応の場合は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンまたは水が好ましい。
エステルの切断は、一般的に、−20℃〜+100℃、好ましくは0℃〜+50℃の温度範囲で行なわれる。
式(II)の化合物は、例えば、標準的なペプチド化学手順を使用し、式(VII)
Figure 0005933562
の化合物(式中、
PGは、アミノ保護基((9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル、tert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルなど)を表す)
を、不活性溶媒中で、(VII)のカルボキシル官能部の活性化の下、
[C]まず、式(VIII)
Figure 0005933562
の化合物(式中、
は、水素、(C〜C)−アルキルまたはベンジルを表す)
またはこの化合物の塩とカップリングさせて式(IX)
Figure 0005933562
の化合物(式中、EおよびPGは上記に定義のとおりである)
とし、
このとき、Eが(C〜C)−アルキルまたはベンジルを表す場合は、該エステルラジカルを標準的な手順を用いて切除し、次いで、得られた式(X)
Figure 0005933562
のカルボン酸(式中、PGは上記に定義のとおり)
を、不活性溶媒中で、該カルボキシル官能部を活性化させることによって、式(XI)
Figure 0005933562
の化合物(式中、R、RおよびTは上記に定義のとおり)
またはこの化合物の塩とカップリングさせて式(XII)
Figure 0005933562
の化合物(式中、PG、R、RおよびTは定義のとおり)
とするか、
あるいは
[D]式(XIII)
Figure 0005933562
の化合物(式中、R、RおよびTは上記に定義のとおり)
またはこの化合物の塩とカップリングさせて式(XII)
Figure 0005933562
の化合物(式中、PG、R、RおよびTは上記に定義のとおり)
とし、次いで、式(XII)の化合物を通常の様式で脱保護して式(II)
Figure 0005933562
の化合物(式中、R、RおよびTは上記に定義のとおりである)
とするか
のいずれかにより作製され得る。
上記のカップリング反応(すなわち、それぞれ、アミン成分およびカルボン酸成分からのアミドの形成)は、標準的なペプチド化学手順を用いて行なわれる[例えば、M.Bodanszky,Principles of Peptide Synthesis,Springer−Verlag,Berlin,1993;M.BodanszkyおよびA.Bodanszky,The Practice of Peptide Synthesis,Springer−Verlag,Berlin,1984;H.D.JakubkeおよびH.Jeschkeit,Aminosaeuren,Peptide,Proteine,Verlag Chemie,Weinheim,1982を参照のこと]。
カップリング反応(VII)+(VIII)→(IX)、(X)+(XI)→(XII)および(VII)+(XIII)→(XII)のための不活性溶媒は、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンもしくはビス−(2−メトキシエチル)−エーテルなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンもしくは鉱油留分など)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレンもしくはクロロベンゼンなど)、または双極性非プロトン性溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、ピリジン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N’−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)もしくはN−メチルピロリジノン(NMP)など)である。また、これらの溶媒の混合物を使用することも可能である。N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
このようなカップリングに好適な活性化剤/縮合剤は、例えば、カルボジイミド(N,N’−ジエチル−、N,N’−ジプロピル−、N,N’−ジイソプロピル−、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)もしくはN−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)など)、ホスゲン誘導体(N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)もしくはクロロギ酸イソブチルなど)、1,2−オキサゾリウム化合物(2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム−3−スルフェートもしくは2−tert−ブチル−5−メチルイソオキサゾリウム−ペルクロレートなど)、アシルアミノ−化合物(2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、α−クロレナミン(α−chlorenamine)(1−クロロ−2−メチル−1−ジメチルアミノ−1−プロペンなど)、ホスホル−化合物(プロパンホスホン酸無水物、シアノホスホン酸ジエチルエステル、ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスホリルクロリド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェートもしくはベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ピロリジノ)ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)など)またはウロニウム−化合物(O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−テトラフルオロボレート(TBTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−テトラフルオロボレート(TPTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HATU)もしくはO−(1H−6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−テトラフルオロボレート(TCTU)など)であり、必要であれば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)もしくはN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、あるいは塩基として、アルカリカーボネート(例えば、炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム)または第三アミン(トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンもしくは4−N,N−ジメチルアミノピリジンなど)の補助と併用する。
本発明との関連において、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N’−エチルカルボジイミド−塩酸塩(EDC)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミンとの併用、またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HATU)とN,N−ジイソプロピルエチルアミンとの併用が、このようなカップリング反応に好ましい活性化剤/縮合剤である。
カップリング反応(VII)+(VIII)→(IX)、(X)+(XI)→(XII)および(VII)+(XIII)→(XII)は、一般的に、−20℃〜+60℃、好ましくは0℃〜+40℃の温度範囲で行なわれる。上記反応は、大気圧で行なっても、高圧でも減圧でも(例えば、0.5〜5バール)行なってもよい;通常、反応は大気圧で行なわれる。
必要であれば、既に存在している官能基(特にアミノ基、ヒドロキシル基およびカルボキシル基)を、本明細書に記載のステップにおいて、機能し、または必要であれば、一時的に保護された形態で存在させてもよい。かかる保護基の導入および除去は、ペプチド化学の標準的な方法を用いて行なわれる[例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts,Protective groups in Organic Synthesis,Wiley,New York,1999;M.BodanszkyおよびA.Bodanszky,The Practice of Peptide Synthesis,Springer−Verlag,Berlin,1984を参照のこと]。保護された基がいくつか存在する場合、これらは、ワンポット反応で同時に遊離させてもよく、別々の反応ステップで遊離させてもよい。
好ましいアミノ保護基は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Z)または(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル(Fmoc)であり;ヒドロキシルまたはカルボキシル官能部には、tert−ブチルまたはベンジルが好ましい保護基である。tert−ブチル−またはtert−ブトキシカルボニル基の除去は、典型的には、不活性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジクロロメタンまたは酢酸)中での強酸(塩化水素、臭化水素またはトリフルオロ酢酸など)での処理によって行なわれ:必要な場合は、この反応は、不活性溶媒の添加なしで行なわれ得る。上記保護基がベンジルまたはベンジルオキシカルボニルである場合、これらは、好ましくは、適切なパラジウム触媒(パラジウム活性炭など)の存在下での水素化分解によって除去される。(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル基は、通常、第二級アミン塩基(ジエチルアミンまたはピペリジンなど)を用いて除去される。
化合物(VIII)のエステルラジカルE[E=(C〜C)−アルキルまたはベンジル]は、その切断条件が、化合物(VII)の具体的な保護基と適合するように選択される。
式(VII)の化合物も同様の様式で、まず、式(XIV)
Figure 0005933562
のN−(ベンジルオキシカルボニル)−L−バリン(式中、Zは、ベンジルオキシカルボニル保護基を表す)
を、縮合剤の補助により、式(XV)
Figure 0005933562
の化合物(式中、Eは(C〜C)−アルキルを表す)
またはこの化合物の塩にカップリングさせて式(XVI)
Figure 0005933562
の化合物(式中、EおよびZは上記に定義のとおりである)
にし、上記Z−保護基を水素化分解で除去した後、これを、縮合剤の存在下で、式(XVII)
Figure 0005933562
のN−保護N−メチル−L−バリン(式中、
PGは、アミノ保護基((9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル、tert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルなど)を表す)
とカップリングさせて式(XVIII)
Figure 0005933562
の化合物(式中、EおよびPGは上記に定義のとおりである)
にし、最後に、標準的な手順を用いて、(XVIII)のエステル基−C(O)O−Eを交換反応によって遊離カルボン酸(VII)に変換させることにより、作製され得る。
カップリング反応(XIV)+(XV)→(XVI)およびZ−脱保護(XVI)+(XVII)→(XVIII)は、ステップ[C]および[D]に記載のものと同様の反応条件下で行なわれる。
ステップ(XVIII)→(VII)におけるエステル基−C(O)O−Eの加水分解は、エステルラジカルEについてステップ[A]および[B]に記載したものと同様の様式で行なわれる。化合物(XV)のアルキル基Eは、本明細書において、その切断条件が、化合物(XVII)の選択された保護基PGと適合するように選択される。
式(XIII)の化合物自体は、上記の化合物(XI)と化合物(XIX)
Figure 0005933562
(式中、Bocは、tert−ブトキシカルボニル保護基を表す)
とのカップリングによって式(XX)
Figure 0005933562
の化合物(式中、Boc、R、RおよびTは上記に定義のとおりである)
にし、その後、Boc保護基の切断を利用可能にすることによって、入手可能である。
カップリング反応(XI)+(XIX)→(XX)は、手順[C]および[D]の上記カップリングステップに関して記載したものと類似の条件下で行なわれる。
式(III)、(V)、(VIII)、(XI)、(XIV)、(XV)、(XVII)および(XIX)の化合物は、それぞれ、適切な場合は、市販のキラル形態もしくはジアステレオマー形態であるか、または文献にそのようなものとして記載されたものであるか、または当業者には標準的な様式で、文献に公開された方法と類似して作製され得るものである。数多くの包括的教示(例えば、出発化合物の作製のための文献情報源)が、出発化合物および中間体の作製に関するセクションの実験の部において見出すことができる。
該当する異性体的に純粋な出発化合物が入手可能でない場合は、本発明による化合物を対応するエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーに切断することを、(II)、(IV)、(VI)、(XI)、(XII)、(XIII)および(XX)の化合物段階において行なうことができ、次いで、該化合物を、さらに、記載するような分離された形態で後続の反応工程において使用することができる。立体異性体の切断は、当業者によって標準的な方法を用いて行なわれ得る。アキラルならびにキラル分離相でのクロマトグラフィー法の使用が好ましく;中間体として遊離カルボキシル基の場合は、切断は、キラル塩基の補助によりジアステレオマー塩を介して行なわれ得る。
本発明の化合物の作製は、以下のスキームを用いて視覚化することができる:
スキーム1
Figure 0005933562
スキーム2
Figure 0005933562
スキーム3
Figure 0005933562
スキーム4
Figure 0005933562
本発明の化合物は有益な薬理学的特性を有するものであり、ヒトおよび動物の疾患の処置および予防のために使用され得る。
よく知られた他のアウリスタチン誘導体と比較すると、本発明の化合物に含まれているN末端カルボキシアルキル基[式(I)のHOOC-L-]は、抗体タンパク質または他のリガンドとの潜在的結合のためのリンカーとしての機能を果たすだけでなく、驚くべきことにこの化合物に好都合な特性を有する構成的構造要素であることも示されている。
例えば、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)と比較すると、本発明の化合物は、明らかにより強力な細胞傷害活性を示すが、同時に細胞内輸送体タンパク質の基質として作用する可能性が低いことが示されるものでもある。
したがって、本発明の化合物は、特に、ヒトおよび哺乳動物の過剰増殖性疾患全般の処置に適している。該化合物は、一方において細胞増殖および細胞***を阻害、阻止、減少または低減できるが、アポトーシスも増大させるものである。
本発明の化合物で処置され得る過剰増殖性疾患は、特に、がん性障害および腫瘍障害である。本発明との関連において、このようなものとしては、とりわけ:乳癌および乳腺腫瘍(腺管型および小葉型、また上皮内)、呼吸道の腫瘍(小細胞癌および非小細胞癌、気管支癌)、脳腫瘍(例えば、脳幹のもの、および視床下部のもの、星状細胞腫、脳室上衣腫、グリア芽腫、グリオーム、髄芽腫、髄膜腫、また、神経外胚葉性腫瘍および松果体部の腫瘍)、消化器官(食道、胃、胆嚢、小腸および大腸、直腸および肛門)の腫瘍、肝臓の腫瘍(肝細胞癌、胆管癌および肝細胞癌胆管癌混合型など)、頭頚部領域の腫瘍(喉頭、下咽頭、鼻咽頭、中咽頭、唇および口腔、口腔黒色腫)、皮膚の腫瘍(基底細胞腫、棘細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、非悪性皮膚がん、メルケル細胞癌、肥満細胞腫瘍)、軟部組織の腫瘍(軟部組織肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、線維肉腫、血管肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫および横紋筋肉腫など)、目の腫瘍(眼内黒色腫および網膜芽腫など)、内分泌腺および外分泌腺の腫瘍(例えば、甲状腺および副甲状腺、膵臓ならびに唾液腺、腺癌)、尿路の腫瘍(膀胱、陰茎、腎臓、腎盂および尿管)ならびに生殖器官の腫瘍(女性の子宮内膜、子宮頸部、卵巣、膣、外陰部および子宮の癌ならびに男性の前立腺および精巣の癌)が挙げられる。また、このようなものとしては、充実性形態の、および循環細胞としての血液、リンパ系および脊髄の増殖性疾患(白血病、リンパ腫および骨髄増殖性疾患、例えば、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病およびヘアリーセル白血病、また、AIDS関連リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫および中枢神経系のリンパ腫など)も挙げられる。
これらの充分に報告されたヒトの疾患は、他の哺乳動物においても、同等の病因で存在し得、その場合も本発明の化合物で処置することができる。
本発明の化合物での上記のがんの処置は、充実性腫瘍だけでなく、転移型および循環型の処置も包含する。
用語「処置」または「処置する」は、本明細書において慣用的な意味で用いており、疾患または健康異常に対処する、減少、低減させる、または緩和すること、およびがんの場合のように上記疾患によって冒された生活の質を改善することを目的とした患者の援助、ケアおよび管理を示す。
したがって、本発明のさらなる要点は、疾患、特に、上記の疾患の処置および/または予防のための、本発明の化合物の適用である。
本発明のさらなる要点は、疾患、特に、上記の疾患の処置および/または予防のための、医薬の開発のための、本発明の化合物の適用である。
したがって、本発明のさらなる要点は、疾患、特に、上記の疾患の処置および/または予防のためのプロセスのための、該化合物の適用である。
本発明のさらなる要点は、少なくとも1種類の本発明の化合物を有用な量で使用しながら、疾患、特に、上記の疾患の処置および/または予防のための工程における本発明の化合物の適用である。
本発明の化合物は、単独で使用してもよく、必要な場合は、1種類以上の他の薬理学的に有用な物質とともに使用してもよい(この併用により、望ましくないそして許容され得ない副作用がもたらされない限り)。したがって、本発明のさらなる要点は、特に、上記の疾患の処置および/または予防のための、少なくとも1種類の本発明の化合物および1種類以上の活性物質を含む医薬である。
例えば、本発明の化合物は、がんの処置のための既知の抗過剰増殖性物質、細胞増殖抑制性物質または細胞傷害性物質と併用することができる。好適な併用薬剤は、例えば:アルデスロイキン、アレンドロン酸、アルファフェロン、アリトレチノイン、アロプリノール、アロプリム、アロキシ、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミホスチン、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンズメト(anzmet)、アラネスプ、アルグラビン、三酸化ヒ素、アロマシン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BCGまたはタイスBCG、ベスタチン、酢酸ベタメタゾン ベタメタゾンリン酸ナトリウム、ベキサロテン、硫酸ブレオマイシン、ブロクスウリジン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カルシトニン、キャンパス、カペシタビン、カルボプラチン、カソデックス、セフェゾン、セルモロイキン、セルビジン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノキソーム(daunoxome)、デカドロン、リン酸デカドロン、デレストロゲン、デニロイキンジフチトックス、デポメドロール、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジエチルスチルベストロール、ジフルカン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロナビノール、DW−166HC、エリガード、エリテック、エレンス、エメンド、エピルビシン、エポエチンα、エポジェン、エプタプラチン、エルガミゾール、エストレース、エストラジオール、リン酸エストラムスチンナトリウム、エチニルエストラジオール、エチヨル(ethyol)、エチドロン酸、エトポホス、エトポシド、ファドロゾール、ファルストン、フィルグラスチム、フィナステリド、フリグラスチム、フロクスウリジン、フルコナゾール、フルダラビン、5−フルオロデオキシウリジンモノホスフェート、5−フルオロウラシル(5−FU)、フルオキシメステロン、フルタミド、フォルメスタン、フォステアビン、フォテムスチン、フルベストラント、ガンマガード、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グリベック、グリアデル、ゴセレリン、塩酸グラニセトロン、ヒストレリン、ハイカムチン、ヒドロコルトン、エリトロ−ヒドロキシノニルアデニン、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロン−α、インターフェロン−α−2、インターフェロン−α−2α、インターフェロン−α−2β、インターフェロン−α−n1、インターフェロン−α−n3、インターフェロン−β、インターフェロン−γ−1α、インターロイキン−2、イントロンA、イレッサ、イリノテカン、カイトリル、硫酸レンチナン、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、レボホリン酸カルシウム塩、レボスロイド、レボキシル、ロムスチン、ロニダミン、マリノール、メクロレタミン、メコバラミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メネスト、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メトビックス(metvix)、ミルテホシン、ミノサイクリン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、モドレナル、ミオセット、ネダプラチン、ニューラスタ、ニューメガ、ニューポジェン、ニルタミド、ノルバデックス、NSC−631570、OCT−43、オクトレオチド、塩酸オンダンセトロン、オラプレド、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペジアプレド、ペグアスパラガーゼ、ペガシス、ペントスタチン、ピシバニール、塩酸ピロカルピン、ピラルビシン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニムスチン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレマリン、プロカルバジン、プロクリット、ラルチトレキセド、レビフ、レニウム−186エチドロネート、リツキシマブ、ロフェロン−A、ロムルチド、サラジェン、サンドスタチン、サルグラモスチム、セムスチン、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソル・メドロール、ストレプトゾシン、塩化ストロンチウム−89、シンスロイド、タモキシフェン、タムスロシン、タソネルミン、タストラクトン、タキソテール、テセロイキン、テモゾロミド、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、テストレド、チオグアニン、チオテパ、チロトロピン、チルドロン酸、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレオスルファン(teosulfan)、トレチノイン、トレキサル、トリメチルメラミン、トリメトレキサート、酢酸トリプトレリン、パモ酸トリプトレリン、UFT、ウリジン、バルルビシン、ベスナリノン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビルリジン、ジネカルド(zinecard)、ジノスタチンスチマラマー、ゾフラン;ABI−007、アコルビフェン、アクティミューン、アフィニタク、アミノプテリン、アルゾキシフェン、アソプリスニル、アタメスタン、アトラセンタン、アバスチン、BAY 43−9006(ソラフェニブ)、CCI−779、CDC−501、セレブレックス、セツキシマブ、クリスナトール、酢酸シプロテロン、デシタビン、DN−101、ドキソルビシン−MTC、dSLIM、デュタステリド、エドテカリン、エフロルニチン、エキサテカン、フェンレチニド、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリンハイドロゲル埋没物、ホルミウム−166−DOTMP、イバンドロン酸、インターフェロンγ、イントロン−PEG、イクサベピロン、キーホールリンペットヘモシアニン、L−651582、ランレオチド、ラソフォキシフェン、リブラ、ロナファルニブ、ミプロキシフェン、ミノドロネート、MS−209、リポソームMTP−PE、MX−6、ナファレリン、ネモルビシン、ネオバスタット、ノラトレキセド、オブリメルセン、オンコ−TCS、オシデム、ポリグルタメート化パクリタキセル、パミドロン酸二ナトリウム、PN−401、QS−21、クアゼパム、R−1549、ラロキシフェン、ランピルナーゼ、13−シス−レチノイン酸、サトラプラチン、セオカルシトール、T−138067、タルセバ、タキソプレキシン、チモシン−α−1、チアゾフリン、チピファルニブ、チラパザミン、TLK−286、トレミフェン、トランスMID−107R、バルスポダール、バプレオチド、バタラニブ、ベルテポルフィン、ビンフルニン、Z−100、ゾレドロン酸およびこれらの組合せである。
好ましい形態では、本発明の化合物は、以下のもののうちの1つであり得る抗過剰増殖剤と併用され得る。しかしながら、この列挙は排他的でない:
アミノグルテチミド、L−アスパラギナーゼ、アザチオプリン、5−アザシチジン、ブレオマイシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエチルスチルベストロール、2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン、ドセタキセル、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エポチロンおよびその誘導体、エリトロ−ヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、エトポシド、リン酸フルダラビン、5−フルオルデオキシウリジン、5−フルオルデオキシウリジンモノホスフェート、5−フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシ尿素、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロン、イリノテカン、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、パクリタキセル、ペントスタチン、N−ホスホノアセチルL−アルパルテート(PALA)、プリカマイシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、セムスチン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トリメチルメラミン、ウリジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビン。
本発明の化合物は、抗体(例えば、アバスチン、リツキサン、エルビタックス、ハーセプチン)などの生物学的治療薬と有望な様式で併用され得る。また、本発明の化合物により、血管新生に対して指向される治療、例えば、アバスチン、アキシチニブ、レセンチン、レゴラフェニブ、ソラフェニブまたはスニチニブなどとの併用でプラスの効果が得られる。プロテアソームの阻害薬およびmTORの阻害薬との併用、ならびに抗ホルモンおよびステロイド系代謝酵素阻害薬との併用もまた、その好都合な副作用プロフィールのため特に好適である。
一般的に、本発明の化合物を他の細胞増殖抑制剤または細胞傷害剤と併用して使用する場合、以下の目的が追求され得る:
・単独薬物での処置と比べたときの腫瘍の成長の遅滞、腫瘍の大きさの縮小、さらには、腫瘍の完全な消失における有効性の増大;
・単独療法と比べてより少ない投薬量で化学療法剤を施与できる可能性;
・単独薬物投与と比べてより少ない副作用でより快適な治療ができる可能性
・より広範な腫瘍障害を処置できる可能性;
・より高い治療応答速度の達成;
・現在の標準的な治療と比べて患者の生存率の長期化。
また、さらに、本発明の化合物は、放射線療法および/または外科的介入とともに使用してもよい。
本発明のさらなる要点は、少なくとも1種類の本発明の化合物を、通常、1種類以上の不活性な無毒性の薬学的に適し得る賦形剤とともに含む医薬、および上記に挙げた目的のためのその使用である。
本発明の化合物は、全身および/または局所で働き得るものである。これを達成するため、該化合物は、好適な様式で、例えば、経口で、非経口で、肺に、鼻腔に、舌下に、舌に、口腔内も、直腸に、皮膚に、経皮で、経結膜で、または埋没物もしくはステントを介して適用され得る。
このような適用方法のために、本発明の化合物は、適用方法に適した形態で施与され得る。
経口適用のためには、本発明の化合物は、即時型および/または調節型施薬方法を用いて投与され得、該施薬方法は該化合物を、結晶性形態および/または非晶質化形態および/または可溶性形態、例えば、錠剤(非コート型もしくはコート型、例えば、胃酸に抵抗性であるか、もしくは遅延様式で溶解するか、もしくは溶解せず、したがって、本発明の化合物の放出を制御するコーティングを有するもの)、口内で速やかに溶解する錠剤もしくはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥製剤、カプセル剤(例えば、硬質もしくは軟質ゼラチンカプセル剤)、丸剤、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアロゾル剤または液剤で含んでもよい。
非経口適用は、吸収工程を回避することにより(例えば、静脈内、動脈内、心臓内もしくは腰椎内)、または吸収を利用することにより(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮もしくは腹腔内)により行なわれ得る。非経口適用に適した適用形態は、とりわけ、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤または滅菌粉末剤の形態の注射調製物および注入調製物である。
他の適用方法として、例えば、吸入投薬(粉末剤吸入器、ネブライザ)、点鼻薬、液剤もしくはスプレー剤、舌に、舌下にもしくは口腔内に適用される錠剤、フィルム/オブラートもしくはカプセル剤、坐剤、耳用もしくは目用の調製物、膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション剤、振る必要がある混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム剤、経皮治療系(例えば、硬膏剤)、乳液剤、ペースト剤、フォーム剤、散布粉末剤、埋没物またはステントが使用され得る。
経口および非経口適用、特に、経口および静脈内適用が好ましい。
本発明の化合物は、上記の適用方法に変換させることができる。これは、不活性で無毒性の薬学的に適し得る賦形剤と混合することにより標準的な様式で行なわれ得る。このような賦形剤は、例えば、キャリア物質(微晶質セルロース、ラクトース、マンニトールなど)、溶媒(液状ポリエチレングリコールなど)、乳化剤および分散剤もしくは湿潤剤(ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエートなど)、結合剤(ポリビニルピロリドンなど)、合成および天然ポリマー(アルブミンなど)、安定剤(例えば、アスコルビン酸などの酸化防止剤)、着色剤(例えば、酸化鉄などの無機顔料)ならびに矯味剤および/または矯臭剤であり得る。
一般的に、非経口適用を使用する場合、有効な成績を得るためには、およそ0.001から1mg/kgまで、好ましくは、およそ0.01から0.5mg/kg体重までの用量を投与することが好都合であることがわかった。経口適用では、上記用量は約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは、およそ0.01〜20mg/kg体重、理想的には0.1〜10mg/kg体重である。
しかしながら、体重、適用方法、活性薬剤に対する個体の挙動、調製物の型および適用が行なわれる期間または間隔に応じて、上記の用量からの逸脱が必要な場合があり得る。一部の場合では、記載の最小用量より少量でも充分であるが、一部の場合では、
記載の最大用量より多くの量が必要とされ得る可能性がある。多くの量の適用が必要とされる場合、この量を、1日を通して数回のより少ない用量に分配することが推奨され得る。
以下の実施例に本発明の実例を示す。本発明は、これらの実施例に限定されない。
以下の試験および実施例におけるパーセンテージの数字は、特に記載のない限り、体重パーセンテージを指し;部は重量部である。液体/液体溶液の溶媒の比率、希釈率および濃度のデータは容量を指す。
A.実施例
略号および頭文字:
abs. 無水
Ac アセチル
aq. 水性,水溶液
Boc tert−ブトキシカルボニル
br. ブロード(NMRにおいて)
Ex. 実施例
ca. およそ(circa):およそ
CI 化学イオン化(MSにおいて)
d 二重線(NMRにおいて)
d 日間
TLC 薄層クロマトグラフィー
DCI 直接化学イオン化(MSにおいて)
dd 二重線の二重線(NMRにおいて)
DMAP 4−N,N−ジメチルアミノピリジン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DPBS ダルベッコリン酸緩衝塩溶液
dt 三重線の二重線(NMRにおいて)
o.th. 理論値(化学収率について)
EDC N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩
EI 電子衝撃イオン化(MSにおいて)
eq. 当量
ESI エレクトロスプレーイオン化(MSにおいて)
FCS ウシ胎仔血清
Fmoc (9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル
sat. 飽和
GTP グアノシン−5’−三リン酸
h 時間
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸
HOAc 酢酸
HOBt 1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物
HOSu N−ヒドロキシスクシンイミド
HPLC 高圧,高速液体クロマトグラフィー
conc. 濃縮
LC−MS 液体クロマトグラフィー一体型質量分析
m 多重線(NMRにおいて)
min 分
MS 質量分析
MTT 3−(4,5−ジメチルチアゾル−2−イル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウムブロミド
NMM N−メチルモルホリン
NMP N−メチル−2−ピロリジノン
NMR 核磁気共鳴分光分析
PBS リン酸緩衝塩溶液
Pd/C パラジウム活性炭
quant. 定量的(収率に関して)
quart 四重線(NMRにおいて)
quint 五重線(NMRにおいて)
Rf 保持指数(DCにおいて)
RT 室温
Rt 保持時間(HPLCにおいて)
s 一重線(NMRにおいて)
t 三重線(NMRにおいて
tert. 第三
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
UV 紫外分光分析
v/v 容量対容量比(溶液の)
Z ベンジルオキシカルボニル
tog. 一緒に
HPLCおよびLC−MS法:
方法1(LC−MS):
機器:Waters Acquity SQD UPLC System;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ 50mm×1mm;溶離液A:1lの水+0.25mlの99%のギ酸,溶離液B:1lのアセトニトリル+0.25mlの99%のギ酸;勾配:0.0分で90%のA→1.2分で5%のA→2.0分で5%のA;流速:0.40ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210−400nm。
方法2(LC−MS):
機器:Waters UPLC Acquityを備えたMicromass Quattro Premier;カラム:Thermo Hypersil GOLD 1.9μ 50mm×1mm;溶離液A:1lの水+0.5mlの50%のギ酸,溶離液B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%のギ酸;勾配:0.0分で90%のA→0.1分で90%のA→1.5分で10%のA→2.2分で10%のA;流速:0.33ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法3(LC−MS):
機器:HPLC Agilent Series 1100を備えたMicromass Quattro Micro MS;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20mm×4mm;溶離液A:1lの水+0.5mlの50%のギ酸,溶離液B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%のギ酸;勾配:0.0分で100%のA→3.0分で10%のA→4.0分で10%のA→4.01分で100%のA(流速2.5ml/分)→5.00分で100%のA;オーブン:50℃;流速:2ml/分;UV検出:210nm。
方法4(LC−MS):
MS機器の型:Micromass ZQ;HPLC機器の型:HP 1100 Series;UV DAD;カラム:Phenomenex Gemini 3μ 30mm×3.00mm;溶離液A:1lの水+0.5mlの50%のギ酸,溶離液B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%のギ酸;勾配:0.0分で90%のA→2.5分で30%のA→3.0分で5%のA→4.5分で5%のA;流速:0.0分で1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分で2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法5(HPLC):
機器:HP 1090 Series II;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP−18e,50mm×4.6mm;プレカラム:Merck Chromolith Guard Cartridge Kit RP−18e,5mm×4.6mm;インジェクション容量:5μl;溶離液A:70%HClO含有水(4ml/リットル),溶離液B:アセトニトリル;勾配:0.00分で20%のB→0.50分で20%のB→3.00分で90%のB→3.50分で90%のB→3.51分で20%のB→4.00分で20%のB;流速:5ml/分;カラム温度:40℃。
方法6(HPLC):
機器:DAD 996を備えたWaters 2695;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP−18e,50mm×4.6mm;プレカラム:Merck Chromolith Guard Cartridge Kit RP−18e,5mm×4.6mm;溶離液A:70%HClO含有水(4ml/リットル),溶離液B:アセトニトリル;勾配:0.00分で5%のB→0.50分で5%のB→3.00分で95%のB→4.00分で95%のB;流速:5ml/分。
方法7(LC−MS):
MS機器の型:Waters ZQ;HPLC機器の型:Agilent 1100 Series;UV DAD;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20mm×4mm;溶離液A:1lの水+0.5mlの50%のギ酸,溶離液B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%のギ酸;勾配:0.0分で100%のA→3.0分で10%のA→4.0分で10%のA→4.1分で100%のA(流速2.5ml/分);オーブン:55℃;流速:2ml/分;UV検出:210nm。
方法8(LC−MS):
MS機器の型:Waters ZQ;HPLC機器の型:Agilent 1100 Series;UV DAD;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20mm×4mm;溶離液A:1lの水+0.5mlの50%のギ酸,溶離液B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%のギ酸;勾配:0.0分で100%のA→2.0分で60%のA→2.3分で40%のA→3.0分で20%のA→4.0分で10%のA→4.2分で100%のA(流速2.5ml/分);オーブン:55℃;流速:2ml/分;UV検出:210nm。
方法9(LC−MS):
機器:Waters Acquity SQD UPLC System;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ 50mm×1mm;溶離液A:1lの水+0.25mlの99%のギ酸,溶離液B:1lのアセトニトリル+0.25mlの99%のギ酸;勾配:0.0分で95%のA→6.0分で5%のA→7.5分で5%のA;オーブン:50℃;流速:0.35ml/分;UV検出:210−400nm。
方法10(HPLC):
機器:Agilent 1200 Series;カラム:Agilent Eclipse XDB−C18 5μ 4.6mm×150mm;プレカラム:Phenomenex KrudKatcher Disposable Pre−Column;インジェクション容量:5μl;溶離液A:1lの水+0.01%のトリフルオロ酢酸;溶離液B:1lのアセトニトリル+0.01%のトリフルオロ酢酸;勾配:0.00分で10%のB→1.00分で10%のB→1.50分で90%のB→5.5分で10%のB;流速:2ml/分;カラム温度:30℃。
方法11(LC−MS):
機器:Waters Acquity SQD UPLC System;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ 30mm×2mm;溶離液A:1lの水+0.25mlの99%のギ酸,溶離液B:1lのアセトニトリル+0.25mlの99%のギ酸;勾配:0.0分で90%のA→1.2分で5%のA→2.0分で5%のA;流速:0.60ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208−400nm。
合成を明白に記載しなかった反応体または試薬については、すべて、容易に入手可能な供給元から商業的に得たものであると想定してよい。合成を明白に記載しなかったが商業的に、または容易に入手可能でなかった反応体または試薬については、すべて、その調製が記載された文献を示している。
出発化合物および中間体:
出発化合物1
(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパン酸(Boc−ドラプロイン)ジシクロヘキシルアミン塩
Figure 0005933562
この化合物は、文献の参考資料、例えば、Pettitら,Synthesis 1996,719;Shioiriら,Tetrahedron Lett.1991,32,931;Shioiriら,Tetrahedron 1993,49,1913;Kogaら,Tetrahedron Lett.1991,32,2395;Vidalら,Tetrahedron 2004,60,9715;Poncetら,Tetrahedron 1994,50,5345に従ってさまざまな様式で作製され得る。ここでは、該化合物を、Shioiriら(Tetrahedron Lett. 1991,32,931)による指示を用いて合成した。
出発化合物2
tert−ブチル−(3R,4S,5S)−3−メトキシ−5−メチル−4−(メチルアミノ)ヘプタノエート−塩酸塩(ドライソロイシン−OtBuxHCl)
Figure 0005933562
この化合物は、文献の参考資料、例えば、Pettitら,J.Org.Chem.1994,59,1796;Kogaら,Tetrahedron Lett.1991,32,2395;Shioiriら,Tetrahedron Lett.1991,32,931;Shioiriら,Tetrahedron 1993,49,1913に従ってさまざまな様式で作製され得る。ここでは、該化合物を、Kogaら(Tetrahedron Lett.1991,32,2395)による指示を用いて合成した。
中間体1
tert−ブチル−(3R,4S,5S)−4−[{N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル}(メチル)アミノ]−3−メトキシ−5−メチルヘプタノエート
Figure 0005933562
425mg(1.7mmol)のN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリンを50mlのDMFに溶解させ、引き続き、500mg(1.7mmol)のtert−ブチル−(3R,4S,5S)−3−メトキシ−5−メチル−4−(メチルアミノ)−ヘプタノエート塩酸塩(出発化合物2)、356mg(1.9mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、285mg(1.9mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物および655mg(5.1mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンと混合した。その混合物を室温で20時間撹拌した。さらに142mg(0.5mmol)のN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリン、119mg(0.6mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、95mg(0.6mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物および218mg(1.7mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加し、その混合物を超音波で90分間処理した。次いで、その混合物を、半飽和水性塩化アンモニウムと酢酸エチルの溶液に注入した。有機相を分取し、引き続き、飽和炭酸水素ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、エバポレートした。その残留物を、分取用HPLCを用いて精製した。329mg(40% 理論値)の標題化合物を無色の油状物として得た。
HPLC(方法5):R=2.5分;
LC−MS(方法1):R=1.45分;MS(ESIpos):m/z=493(M+H)
中間体2
tert−ブチル−(3R,4S,5S)−3−メトキシ−5−メチル−4−[メチル(L−バリル)アミノ]ヘプタノエート
Figure 0005933562
500mg(1mmol)のtert−ブチル−(3R,4S,5S)−4−[{N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−バリル}(メチル)アミノ]−3−メトキシ−5−メチルヘプタノエート(中間体1)を50mlのメタノールに溶解させ、100mgの10%パラジウム活性炭を添加後、大気圧下で室温にて1時間含水させた。次いでその触媒を濾別し、溶解剤を真空除去した。370mg(定量的)の標題化合物をほぼ無色の油状物で得た。
HPLC(方法5):R=1.59分;
LC−MS(方法1):R=0.74分;MS(ESIpos):m/z=359(M+H)
中間体3
N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−tert−ブトキシ−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
396mg(1.1mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリンを20mlのDMFに溶解させ、365mg(1mmol)のtert−ブチル−(3R,4S,5S)−3−メトキシ−5−メチル−4−[メチル(L−バリル)アミノ]ヘプタノエート(中間体2)、234mg(1.2mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩および187mg(1.2mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物を引き続き添加した。その混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、その混合物を、半飽和水性塩化アンモニウムと酢酸エチルの溶液に注入した。有機相を分取し、引き続き、飽和炭酸水素ナトリウム溶液と飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、エバポレートした。残渣を、精製せずに次の工程に直接使用した。
収量:660mg(68% 理論値)
HPLC(方法5):R=3.0分;
LC−MS(方法1):R=1.61分;MS(ESIpos):m/z=694(M+H)
中間体4
N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
650mg(0.94mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−tert−ブトキシ−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体3)を5mlのジクロロメタン中で吸収させ、5mlのトリフルオロ酢酸を添加し、次いで室温で一晩撹拌した。次いで、その混合物を真空でエバポレートし、残留した残渣を、HPLCを用いて精製した。430mg(72% 理論値)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):Rt=2.4分。
LC−MS(方法2):R=1.51分;MS(ESIpos):m/z=638(M+H)
中間体5
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
51mg(0.08mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)を10mlのDMFに溶解させ、0.5mlのピペリジンを添加した。室温で10分間撹拌した後、その混合物を真空でエバポレートし、残渣をジエチルエーテルに溶解させた。不溶性成分を濾別し、ジエチルエーテルで数回洗浄した。濾過残渣を5mlのジオキサン/水(1:1)に添加し、1N水酸化ナトリウムを用いてその溶液をpH値11に調整した。超音波処理下で、349mg(1.6mmol)のジ−tert−ブチルジカルボネートを数段階で添加した。溶液のpH値11を維持した。反応終了後、上記ジオキサンをエバポレートし、水性液を、クエン酸を用いてpH値2〜3に調整した。その後、各々50mlの酢酸エチルでの抽出を2回行なった。有機相を精製し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空でエバポレートした。その残渣をジエチルエーテル中で吸収させ、ペンタンを用いて生成物を析出させた。デカンテーションを用いて溶解剤を分離した。その残渣をペンタンで数回温浸させ、次いで、高真空にて乾燥させた。かくして、31mg(93% 理論値)の標題化合物を得た。
HPLC(方法6):Rt=2.2分。
LC−MS(方法2):R=1.32分;MS(ESIpos):m/z=516(M+H)
中間体6
N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
315mg(0.494mmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)を12mlのDMFに溶解させ、104mg(0.543mmol)の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩と83mg(0.543mmol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物を添加し、室温で90分間撹拌した。次いで、112μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと149mg(0.494mmol)(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパン酸トリフルオロ酢酸塩(これは、最初に出発化合物1から、トリフルオロ酢酸を用いたBoc保護基の切断によって合成しておいた)を添加した。この組成物を室温で2時間撹拌し、次いで高真空でエバポレートした。次いで、残留した残渣を、分取用HPLCを用いて2回精製した。140mg(35% 理論値)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):Rt=2.4分。
LC−MS(方法1):R=1.38分;MS(ESIpos):m/z=807(M+H)
中間体7
ベンジル−(βS)−N−{(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノイル}−β−メチル−L−フェニルアラニナートトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
まず、(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパン酸を、351mg(0.75mmol)のジシクロヘキシルアミン塩(出発化合物1)を酢酸エチル中で吸収させ、硫酸水素カリウム水溶液によって析出させることにより放出させた。その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、エバポレートした。次いで、その残渣を10mlのDMF中で吸収させ、373mg(0.75mmol)のベンジル−(βS)−β−メチル−L−フェニルアラニナートトリフルオロ酢酸塩[市販の(βS)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−β−メチル−L−フェニルアラニンを使用し、ベンジルアルコールでのEDC/DMAP補助エステル化およびその後のトリフルオロ酢酸の補助によるBoc保護基の切断によって合成]、428mg(1.125mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HATU)および392μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを引き続き添加した。その混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、その混合物を、半飽和水性塩化アンモニウムと酢酸エチルの溶液に注入した。その有機相を分取し、炭酸水素ナトリウム溶液、次いで塩化ナトリウム溶液を用いて精製し、最後にエバポレートした。その残渣を、分取用HPLCを用いて精製した。かくして、230mg(57% d.Th.)のBoc保護中間体ベンジル−(βS)−N−{(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル}−β−メチル−L−フェニルアラニナートを得た。
HPLC(方法6):R=2.3分;
LC−MS(方法1):R=1.36分;MS(ESIpos):m/z=539(M+H)
230mg(0.42mmol)のこの中間体を5mlのジクロロメタン中で吸収させ、次いで5mlのトリフルオロ酢酸を添加し、室温で30分間撹拌した。次いで、これを真空でエバポレートした。残留した残渣をさらに真空にて乾燥させ、次いで、アセトニトリル/水から凍結乾燥させた。かくして、230mg(定量的)の標題化合物を得た。
HPLC(方法6):R=1.6分。
中間体8
ベンジル−N−{(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノイル}−L−フェニルアラニナートトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
中間体7の合成と同様にして、標題化合物を出発化合物1とベンジル−L−フェニルアラニナートから合成した。
HPLC(方法5):R=1.6分;
LC−MS(方法1):R=0.85分;MS(ESIpos):m/z=425(M+H)
中間体9
N−ベンジル−N−メチル−L−フェニルアラニンアミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
1000mg(3.77mmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニンを10mlのDMFに溶解させ、457mg(3.77mmol)のN−メチルベンジルアミン、2150mg(5.65mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートおよび657μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加した。このバッチを室温で30分間撹拌し、次いで真空でエバポレートした。その残渣をジクロロメタン中で吸収させ、水で3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレートした。その残渣を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒として3:1の石油エーテル/酢酸エチルを使用)を用いて精製した。その生成物画分をエバポレートし、その残渣を高真空にて乾燥させた。かくして、1110mg(75% 理論値)のBoc保護中間体N−ベンジル−Nα−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−フェニルアラニンアミドを得た。
HPLC(方法5):R=2.1分;
LC−MS(方法1):R=1.14分;MS(ESIpos):m/z=369(M+H)
1108mg(3,007mmol)のこの中間体を30mlのジクロロメタン中で吸収させ、次いで10mlのトリフルオロ酢酸を添加し、室温で30分間撹拌した。続いて、これを真空でエバポレートし、残留した残渣をジクロロメタンに溶解させ、溶解剤を蒸留した。残渣をペンタンに2回溶解させ、そのたびに溶解剤をデカンテーションして除去し、最後に生成物を高真空にて乾燥させた。かくして、1075mg(93% 理論値)の樹脂形態の標題化合物を得た。
HPLC(方法5):R=1.6分;
LC−MS(方法1):R=0.6分;MS(ESIpos):m/z=269(M+H)
中間体10
N−ベンジル−Nα−{(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノイル}−N−メチル−L−フェニルアラニンアミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
まず、(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパン酸を、141mg(0.491mmol)のジシクロヘキシルアミン塩(出発物質1)を酢酸エチルに溶解させ、次いで、5%水性硫酸を用いて析出させることにより放出させた。その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、エバポレートした。その残渣を10mlのDMF中で吸収させ、187.6mg(0.49mmol)のN−ベンジル−N−メチル−L−フェニルアラニンアミドトリフルオロ酢酸塩(中間体9)、190.3mg(1.47mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HATU)および256μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加した。この組成物を室温で1時間撹拌した。次いで、このバッチをエバポレートし、残渣を酢酸エチル中で吸収させ、次いで、この溶液を、引き続き、飽和塩化アンモニウム溶液、炭酸水素ナトリウム溶液および水を用いて手作業溶媒抽出に供した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレートした。その残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液として30:1のアセトニトリル/水を使用)を用いて精製した。生成物画分をエバポレートし、次いで残渣を高真空にて乾燥させた。かくして、168mg(64% 理論値)のBoc保護中間体tert−ブチル−(2S)−2−[(1R,2R)−3−({(2S)−1−[ベンジル(メチル)アミノ]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。
HPLC(方法5):R=2.2分;
LC−MS(方法2):R=1.22分;MS(ESIpos):m/z=538(M+H)
168mg(0.312mmol)のこの中間体を15mlのジクロロメタン中で吸収させ、次いで、3mlのトリフルオロ酢酸を添加し、室温で30分間撹拌した。次いで、これを真空でエバポレートした。残留した残渣を、まずジクロロメタンに、次いでジエチルエーテルに溶解させ、そのたびに溶解剤を蒸留して除去した。高真空にて乾燥後、170mg(99% 理論値)の標題化合物を樹脂状物として得た。
HPLC(方法5):R=1.7分;
LC−MS(方法1):R=0.73分;MS(ESIpos):m/z=438(M+H)
中間体11
メチル−N−{(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノイル}−L−フェニルアラニナートトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
中間体10の合成と同様にして、標題化合物を、(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパン酸ジシクロヘキシルアミン塩(出発物質1)とメチル−L−フェニルアラニナート塩酸塩を用いて合成した。
HPLC(方法6):R=0.6分;
LC−MS(方法3):R=1.17分;MS(ESIpos):m/z=349(M+H)
中間体12
ベンジル−N−{(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノイル}−L−トリプトファナートトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
中間体10の合成と同様にして、標題化合物を、(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパン酸ジシクロヘキシルアミン塩(出発物質1)とベンジル−L−トリプトファナートを用いて合成した。
HPLC(方法5):R=2.0分;
LC−MS(方法1):R=0.8分;MS(ESIpos):m/z=464(M+H)
中間体13
ベンジル−(1S,2R)−1−({(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノイル}アミノ)−2−フェニルシクロプロパンカルボキシラートトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
中間体10の合成と同様にして、標題化合物を、(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパン酸ジシクロヘキシルアミン塩(出発物質1)とベンジル−(1S,2R)−1−アミノ−2−フェニルシクロプロパンカルボキシレートを用いて合成した。後者は、標準的な手順を使用し、市販の(1S,2R)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−フェニルシクロプロパンカルボン酸のベンジルアルコールでのエステル化、続いてトリフルオロ酢酸を用いたBoc切断によって合成した。
HPLC(方法6):R=1.5分;
LC−MS(方法2):R=0.93分;MS(ESIpos):m/z=437(M+H)
中間体14
ベンジル−(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパン酸トリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
まず、(2R,3R)−3−[(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパン酸を1.82g(3.88mmol)のジシクロヘキシルアミン塩(出発物質1)から、150mlの酢酸エチル中への吸収および100mlの0.5%水性硫酸での抽出によって放出させた。その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、エバポレートした。その残渣を10mlのジオキサンと10mlの水中で吸収させ、1517mg(4.66mmol)の炭酸セシウムを添加し、次いで、その混合物を超音波浴中で5分間処理した。次いで、これを真空でエバポレートし、その残渣をDMFと1回共蒸留した。次いで、その残渣を15mlのDMF中で吸収させ、1990mg(11.64mmol)の臭化ベンジルに添加した。その混合物を超音波浴中で15分間処理し、次いで真空でエバポレートした。その残渣を酢酸エチルと水間に分配した。有機相を分取し、塩化ナトリウム溶液を用いて精製し、次いでエバポレートした。次いで、その残渣を、分取用HPLCを用いて精製した。かくして、1170mg(80% 理論値)のBoc保護中間体tert−ブチル−(2S)−2−[(1R,2R)−3−(ベンジルオキシ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。
この1170mgの中間体を、すぐに15mlのジクロロメタンに添加し、次いで、これを5mlのトリフルオロ酢酸に添加した。室温で15分間撹拌した後、その混合物を真空でエバポレートした後、ジオキサンを用いてその残渣を凍結乾燥させた。高真空にて乾燥後、1333mg(84% 理論値)の標題化合物を黄色油状物として得た。
HPLC(方法5):R=1.5分;
LC−MS(方法1):R=0.59分;MS(ESIpos):m/z=278(M+H)
中間体15
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
1200mg(2.33mmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体5)を、910.8mg(2.33mmol)のベンジル−(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノエートトリフルオロ酢酸塩(中間体14)、1327mg(3.49mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートと2027μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを含む50mlのDMFとを混合し、室温で5分間撹拌した。その後、その溶媒を真空下でエバポレートした。残留した残渣を酢酸エチル中で吸収させ、引き続き、5%のレモン酸溶液中および飽和炭酸水素ナトリウム溶液中で抽出した。有機相を分離し、エバポレートした。残渣を分取用HPLCによって精製した。その生成物画分を合わせ、エバポレートし、残渣を高真空にて乾燥させた。このようにして、1000mg(55% 理論値)のベンジルエステル−中間体N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−(ベンジルオキシ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを樹脂状物として得た。
LC−MS(方法1):R=1.56分;MS(ESIpos):m/z=775(M+H)
全量のこの中間体をメタノールとジクロロメタン(20:1)の25mlの組成物中で吸収させ、ベンジルエステル基を、常圧で10%パラジウム活性炭(触媒として)下での水和によって除去した。室温で30分間撹拌した後、その触媒を濾別し、濾液を真空エバポレートした。その収量は803mg(91% 理論値)の標題化合物(白色固形物質として)であった。
HPLC(方法5):R=2.1分;
LC−MS(方法1):R=1.24分;MS(ESIpos):m/z=685(M+H)
中間体16
(1S,2R)−1−アミノ−2−フェニル−N−プロピルシクロプロパンカルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
標題化合物を、市販の(1S,2R)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−フェニルシクロプロパンカルボン酸とn−プロピルアミンとのカップリング(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HATU)の存在下)、続いて、トリフルオロ酢酸を用いたBocの切断によって作製した(両段階での収率85% 理論値).
HPLC(方法5):R=1.2分;
LC−MS(方法1):R=0.52分;MS(ESIpos):m/z=219(M+H)
中間体17
エチル−(1S,2R)−1−アミノ−2−フェニルシクロプロパンカルボキシラートトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
標題化合物を、標準的な手順を使用し、市販の(1S,2R)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−フェニルシクロプロパンカルボン酸のエタノールでのエステル化、続いてトリフルオロ酢酸を用いたBoc切断によって合成した。
LC−MS(方法1):R=0.50分;MS(ESIpos):m/z=206(M+H)
中間体18
1−ナフチルメチル−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナート
Figure 0005933562
1192mg(6.2mmol)のEDC、578μl(4.1mmol)のトリエチルアミン、345mg(2.8mmol)のDMAP、および328mg(2.1mmol)の1−ナフチルメタノールを室温で、500mg(1.89mmol)のN−Boc−L−フェニルアラニンを含む25mlのジクロロメタンの溶液に添加した。その反応組成物を一晩撹拌し、次いで50mlのジクロロメタンで希釈し、引き続き、10%クエン酸水溶液、水および飽和生理食塩水中で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いでエバポレートし、その残渣を、分取用HPLCを用いて精製した。その収量は501mg(66% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.33分;m/z=406(M+H)
中間体19
1−ナフチルメチル−L−フェニルアラニナート−塩酸塩
Figure 0005933562
500mg(1.2mmol)の1−ナフチルメチル−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナート(中間体18)を、20mlの4N塩酸溶液(ジオキサン中で希釈)中で撹拌し、室温で1時間撹拌した。次いで、その反応組成物をエバポレートし、残渣を真空乾燥させた。その収量は421.5mg(定量的)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=0.80分;m/z=306(M+H)
中間体20
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1−ナフチルメトキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
15.3μl(88μmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、6.7mg(44μmol)のHOBtと6.7mg(35μmol)のEDCを、20mg(29μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)を含む1mlのDMFの溶液に添加し、次いで、この組成物を30分間撹拌した。次いで、11mg(32μmol)の1−ナフチルメチル−L−フェニルアラニナート−塩酸塩(中間体19)を添加した。その反応組成物を一晩撹拌した後、その成分を直接、分取用HPLCによって分離した。その収量は26.1mg(92% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.61分;m/z=973(M+H)
中間体21
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1−ナフチルメトキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
26mg(27μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1−ナフチルメトキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体20)を1mlのジクロロメタンに溶解させ、0.2mlのTFAと混合した。その反応組成物を室温で30分間撹拌し、次いでエバポレートした。その収量は26.3mg(99.7% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.02分;m/z=873(M+H)
中間体22
アダマンタン−1−イル−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナート
Figure 0005933562
1192mg(6.2mmol)のEDC、578μl(4.1mmol)のトリエチルアミン、345mg(2.8mmol)のDMAP、および316mg(2.1mmol)の1−アダマンタノールを室温で、500mg(1.89mmol)のN−Boc−L−フェニルアラニンを含む25mlのジクロロメタンの溶液に添加した。その反応組成物を一晩撹拌し、次いで50mlのジクロロメタンで希釈し、引き続き、10%クエン酸水溶液、水および飽和生理食塩水中で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いでエバポレートし、その残渣を、分取用HPLCを用いて精製した。その収量は336mg(43% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.49分;m/z=400(M+H)
中間体23
アダマンタン−1−イル−L−フェニルアラニナート−塩酸塩
Figure 0005933562
336mg(840μmol)のアダマンタン−1−イル−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナート(中間体22)を12mlの4N塩酸溶液(ジオキサン中で希釈)に溶解させ、室温で1時間撹拌した。次いで、その反応組成物をエバポレートし、残渣を分取用HPLCで精製した(メタノール/水+0.01%TFAの勾配溶出)。その収量は228mg(81% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法2):R=1.03分;m/z=300(M+H)
中間体24
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(アダマンタン−1−イルオキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
15.3μl(88μmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、6.7mg(44μmol)のHOBt、および6.7mg(35μmol)のEDCを、20mg(29μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)を含む1mlのDMFの溶液に添加し、次いでこの組成物を30分間撹拌した。次いで、9.6mg(32μmol)のアダマンタン−1−イル−L−フェニルアラニナート−塩酸塩(中間体23)を添加した。その反応組成物を一晩撹拌した後、その成分を直接、分取用HPLCによって分離した。その収量は15mg(90%純度,48% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.67分;m/z=967(M+H)
中間体25
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(アダマンタン−1−イルオキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
15mg(16μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(アダマンタン−1−イルオキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−プロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体24)を1mlのジクロロメタンに溶解させ、0.2mlのTFAと混合した。その反応組成物を室温で30分間撹拌し、次いでエバポレートした。そのままの生成物を分取用HPLCで精製した。その収量は4.8mg(32% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.10分;m/z=867(M+H)
中間体26
アダマンタン−1−イルメチル−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナート
Figure 0005933562
1192mg(6.2mmol)のEDC、578μl(4.1mmol)のトリエチルアミン、345mg(2.8mmol)のDMAP、および345mg(2.1mmol)の1−アダマンチルメタノールを室温で、500mg(1.89mmol)のN−Boc−L−フェニルアラニンを含む25mlのジクロロメタンの溶液に添加した。その反応組成物を一晩撹拌し、次いで50mlのジクロロメタンで希釈し、引き続き、10%クエン酸水溶液、水および飽和生理食塩水中で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いでエバポレートし、その残渣を、分取用HPLCを用いて精製した。その収量は769mg(90% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法2):R=1.84分;m/z=414(M+H)
中間体27
アダマンタン−1−イルメチル−L−フェニルアラニナート−塩酸塩
Figure 0005933562
769mg(1.86mmol)のアダマンタン−1−イルメチル−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナート(中間体26)を25mlの4N塩酸溶液(ジオキサン中で希釈)に溶解させ、室温で1時間撹拌した。次いで、その反応組成物をエバポレートし、その残渣を真空乾燥させた。その収量は619mg(95% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=0.82分;m/z=314(M+H)
中間体28
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(アダマンタン−1−イルメトキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
15.3μl(88μmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、6.7mg(44μmol)のHOBtおよび6.7mg(35μmol)のEDCを、20mg(29μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)を含む1mlのDMFの溶液に添加し、次いでこの組成物を30分間撹拌した。次いで、10.1mg(32μmol)のアダマンタン−1−イル−L−フェニルアラニナート−塩酸塩(中間体27)を添加した。その反応組成物を一晩撹拌した後、その成分を直接、分取用HPLCによって分離した。その収量は27.5mg(93% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.70分;m/z=980(M+H)
中間体29
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(アダマンタン−1−イルメトキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
27.5mg(28μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(アダマンタン−1−イルメトキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体28)を1.8mlのジクロロメタンに溶解させ、361μlmlのTFAと混合した。その反応組成物を室温で30分間撹拌し、次いでエバポレートした。その残渣を水中で吸収させ、凍結乾燥させた。その収量は22.7mg(81% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.14分;m/z=880(M+H)
中間体30
tert−ブチル−[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−フェニルプロパン−2−イル]カルバメート
Figure 0005933562
500mg(1.99mmol)のN−Boc−L−フェニルアラニノールを5mlのDMFに溶解させ、アルゴン雰囲気下で0℃まで冷却した。次いで、159mg(3.98mmol)の60%水素化ナトリウム懸濁液を流動パラフィンに添加した。次いで、その反応組成物をガス形成の終了まで撹拌し、次いで、260μl(2.19mmol)の臭化ベンジルと混合した。冷却浴を外し、その反応組成物を室温で2時間撹拌した。その後、このバッチをエバポレートし、残渣を氷水中で吸収させ、その組成物をジクロロメタンで抽出した。有機相を飽和生理食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレートした。その残渣を分取用HPLCによって精製した。その収量は226mg(33% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.28分;m/z=342(M+H)
中間体31
(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−フェニルプロパン−2−アミン−塩酸塩
Figure 0005933562
220mg(644μmol)のtert−ブチル−[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−フェニルプロパン−2−イル]カルバメート(中間体30)を11mlの4N塩酸溶液(ジオキサン中で希釈)に溶解させ、室温で1時間撹拌した。次いで、このバッチをエバポレートし、その残渣を真空乾燥させた。その収量は138mg(77% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=0.65分;m/z=242(M+H)
中間体32
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
15.3μl(88μmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、6.7mg(44μmol)のHOBt、および6.7mg(35μmol)のEDCを、20mg(29μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)を含む1mlのDMFの溶液に添加し、次いでこの組成物を30分間撹拌した。次いで、7.8mg(32μmol)の(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−フェニルプロパン−2−アミン−塩酸塩(中間体31)を添加した。その反応組成物を一晩撹拌した後、その成分を直接、分取用HPLCによって分離した。その収量は26mg(98% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.51分;m/z=909(M+H)
中間体33
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
26mg(29μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体32)を1.8mlのジクロロメタンに溶解させ、370μlのTFAと混合した。その反応組成物を室温で30分間撹拌し、次いでエバポレートした。その残渣を水中で吸収させ、凍結乾燥させた。その収量は26.4mg(定量的)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=0.97分;m/z=809(M+H)
中間体34
tert−ブチル−[(2S)−1−(2−ベンゾイルヒドラジノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]カルバメート
Figure 0005933562
200mg(754μmol)のN−Boc−L−フェニルアラニンを8mlのDMFに溶解させ、131μl(754μmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、346mg(2261μmol)のHOBt、434mg(2261μmol)のEDC、および411mg(3015μmol)のベンゾイルヒドラジンと混合した。その反応組成物を室温で一晩撹拌し、次いでエバポレートし、その残渣を分取用HPLCで精製した。その収量は313mg(95%純度,100% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=0.94分;m/z=384(M+H)
中間体35
N’−[(2S)−2−アミノ−3−フェニルプロパノイル]ベンゾイルヒドラジノ−塩酸塩
Figure 0005933562
313mg(818μmol)のtert−ブチル−[(2S)−1−(2−ベンゾイルヒドラジノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]カルバメート(中間体34)を13mlの4N塩酸溶液(ジオキサン中で希釈)中で撹拌し、室温で1時間撹拌した。次いで、その反応組成物をエバポレートし、その残渣を真空乾燥させた。その収量は255mg(92% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=0.44分;m/z=284(M+H)
中間体36
tert−ブチル−[(2S)−1−{[(2S)−1−{[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(2−ベンゾイルヒドラジノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル](メチル)アミノ}−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル]アミノ}−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル]メチルカルバメート
Figure 0005933562
15.3μl(88μmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、6.7mg(44μmol)のHOBtと6.7mg(35μmol)のEDCを、20mg(29μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)を含む1mlのDMFの溶液に添加し、次いでこの組成物を30分間撹拌した。次いで、9.1mg(32μmol)のN’−[(2S)−2−アミノ−3−フェニルプロパノイル]ベンゾイルヒドラジノ−塩酸塩(中間体35)を添加した。その反応組成物を一晩撹拌した後、その成分を直接、分取用HPLCによって分離した。その収量は6.7mg(24% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.32分;m/z=951(M+H)
中間体37
(2S)−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(2−ベンゾイルヒドラジノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N,3−ジメチル−2−{[(2S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタノイル]アミノ}ブタンアミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
6.7mg(7μmol)のtert−ブチル−[(2S)−1−{[(2S)−1−{[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(2−ベンゾイルヒドラジノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル](メチル)アミノ}−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル]アミノ}−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル]メチルカルバメート(中間体36)を454μlのジクロロメタンに溶解させ、91μlのTFAと混合した。その反応組成物を室温で30分間撹拌し、次いでエバポレートした。その残渣を水中で吸収させ、凍結乾燥させた。その収量は6.8mg(定量的)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=0.80分;m/z=851(M+H)
中間体38
ベンジル−(1S,2R)−1−アミノ−2−フェニルシクロプロパンカルボキシレートトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
後者は、標準的な手順を使用し、市販の(1S,2R)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−フェニルシクロプロパンカルボン酸のベンジルアルコールでのエステル化、続いてトリフルオロ酢酸を用いたBoc切断によって合成した。
LC−MS(方法1):R=0.72分;MS(ESIpos):m/z=268(M+H)
中間体39
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S)−1−カルボキシ−2−フェニルエチル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
383mg(0.743mmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体5)を、485mg(0.743mmol)のベンジル−N−{(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノイル}−L−フェニルアラニナートトリフルオロ酢酸塩(中間体8)、424mg(1.114mmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート、および388μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを含む15mlのDMFと混合し、室温で10分間撹拌した。その後、その溶媒を真空下でエバポレートした。残留した残渣を酢酸エチル中で吸収させ、引き続き、5%のレモン酸溶液中および飽和炭酸水素ナトリウム溶液中で抽出した。有機相を単離し、残渣を分取用HPLCによって精製し:その生成物画分を合わせ、エバポレートし、その残渣を高真空にて乾燥させた。その収量は335mg(48% 理論値)のベンジルエステル中間体(泡状物の形態)であった。
LC−MS(方法1):R=1.49分;MS(ESIpos):m/z=922(M+H)
100mg(0.11mmol)のこの中間体を15mlのメタノール中で吸収させ、ベンジルエステル基を、常圧下で10%Pd/C(触媒として)を用いる水和によって除去した。室温で1時間撹拌した後、その触媒を濾別し、濾液を真空エバポレートした。ジオキサンからの凍結乾燥後、その収量は85mg(94% 理論値)の標題化合物(白色固形物質の形態)であった。
HPLC(方法5):R=2.4分;
LC−MS(方法1):R=1.24分;MS(ESIpos):m/z=832(M+H)
中間体40
N−ベンジル−L−トリプトファンアミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
202mg(0.5mmol)の2,5−ジオキソピロリジン−1−イル−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファナートと45mg(0.42mmol)のベンジルアミンを10mlのDMFに溶解させ、110μl(630μmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンと混合した。このバッチを室温で3時間撹拌した。次いで、これを真空下でエバポレートし、その残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(シリカゲルを吸着剤として使用(溶離液:20:0.5:0.05のジクロロメタン/メタノール/17%アンモニア水))。その適切な画分を混合し、エバポレートした。これにより得られた残渣をジエチルエーテルで温浸させ、次いで高真空にて乾燥させた。これにより得られた残渣を、次いで、10mlのジクロロメタン中で吸収させ、3mlの無水トリフルオロ酢酸と混合した。室温で45分間撹拌した後、これをエバポレートし、その残渣を分取用HPLCによって精製した。高真空にて乾燥させた後、117mg(両段階で57% 理論値)の標題化合物を得た。
HPLC(方法5):R=1.6分;
LC−MS(方法1):R=0.66分;MS(ESIpos):m/z=294(M+H)
中間体41
(1S,2R)−1−アミノ−2−フェニルシクロプロパンカルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
50mg(180μmol)の市販の(1S,2R)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−フェニルシクロプロパンカルボン酸を5mlのDMFに溶解させ、94μl(541μmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、31mg(270μmol)のN−ヒドロキシスクシンイミド、および41.5mg(216μmol)のEDCと混合し、次いで室温で一晩撹拌した。次いで、その反応組成物をエバポレートし、その残渣をジオキサン中で吸収させ、71mg(901μmol)の炭酸水素アンモニウムと混合し、そのバッチを室温で3日間放置した。次いでその反応組成物を、酢酸エチルと水の1:1の混合物中で希釈した。次いで、飽和生理食塩水を用いて有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレートした。これにより得られた残渣を、次いで、3mlのジクロロメタン中で吸収させ、3mlの無水トリフルオロ酢酸と混合した。1時間の撹拌後、これをエバポレートした。その残渣をペンタンと混合し、吸引し、ジオキサンから凍結乾燥させた。このようにして、32mg(両段階で62% 理論値)の標題化合物を得た。
HPLC(方法5):R=0.38分;
LC−MS(方法1):R=0.20分;MS(ESIpos):m/z=177(M+H)
中間体42
α−{(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノイル}−L−トリプトファンアミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
中間体7の合成と同様にして、標題化合物を出発化合物1とL−トリプトファンアミド−塩酸塩から合成した。
HPLC(方法5):R=1.4分;
LC−MS(方法1):R=0.92分;MS(ESIpos):m/z=473(M+H)
中間体43
tert−ブチル−4−(ブロモメチル)ベンゾエート
Figure 0005933562
1000mg(4.65mmol)の4−(ブロモメチル)安息香酸を6mlのジクロロメタンに添加し、次いで、まず18μl(0.23mmol)のDMFを添加し、その後、811μl(9.3mmol)のシュウ酸ジクロリドを滴下して加えた。このバッチを、ガス形成が終了するまで15分間撹拌し、エバポレートした。その残渣を10mlのトルエン中で吸収させ、もう一度エバポレートした。次いで、かくして得られた安息香酸塩化物を30mlのジエチルエーテル中に懸濁させ、522mg(4.65mmol)のカリウム−tert−ブチレートを含む40mlのジエチルエーテルの懸濁液と複数回に分けて混合した。その反応組成物を室温で1時間撹拌し、次いでエバポレートした。濾液を水、飽和塩化アンモニウムおよび飽和塩化ナトリウム溶液で、各々3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過後、真空下でエバポレートした。得られたそのままの生成物を(溶離液は10:1のシクロヘキサン/酢酸エチル)シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。その収量は770mg(51% 理論値)の標題化合物であった。
MS(DCI):m/z=217(M−54)
中間体44
4−({[(2S)−2−アミノ−3−フェニルプロピル]オキシ}メチル)安息香酸トリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
168.5mg(0.67mmol)のtert−ブチル−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン−2−イル]カルバメートをアルゴン下で4.9mlのDMFに添加し、53.6mg(1.3mmol)の水素化ナトリウム(流動パラフィン中60%分散体として)と0℃の温度で混合した。30分後、200mg(0.74mmol)のtert−ブチル−4−(ブロモメチル)ベンゾエートを0℃の温度で添加した。測定終了後、このバッチを室温で2時間撹拌した。その後、このバッチをロータリーエバポレーターでエバポレートし、残渣を氷水中で吸収させ、上記化合物を各々50mlのジクロロメタンで抽出した。有機相を飽和水素化ナトリウム溶液中で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空でエバポレートした。かくして得られたそのままの生成物を分取用HPLCによって精製する。50.2mg(17% 理論値)の中間体tert−ブチル−4−[({(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピル}オキシ)メチル]ベンゾエートを得た。
HPLC(方法10):R=4.06分;
LC−MS(方法1):R=1.45分;MS(ESIpos):m/z=442(M+H)
50mg(0.11mmol)のこの中間体を室温で1.3mlのトリフルオロ酢酸と6.4mlのジクロロメタンに溶解させ、15分間撹拌した。次いで、このバッチをロータリーエバポレーターでエバポレートし、残渣を真空乾燥させた。その収量は51.2mg(99% 理論値)の標題化合物であった。
HPLC(方法10):R=2.40分;
LC−MS(方法1):R=0.53分;MS(ESIpos):m/z=286(M+H)
中間体45
メチル−4−({[(2S)−2−アミノ−3−フェニルプロピル]オキシ}メチル)ベンゾエート塩酸塩
Figure 0005933562
51.2mg(128μmol)の4−({[(2S)−2−アミノ−3−フェニルプロピル]オキシ}メチル)安息香酸トリフルオロ酢酸塩を5mlのメタノールに添加し、2.4mg(13μmol)の4−トルエンスルホン酸一水和物と混合した。このバッチを還流下で一晩撹拌した。次いで、18.7μl(256μmol)の塩化チオニルを添加し、その組成物を還流下で6時間再度加熱した。次いで、その反応組成物をロータリーエバポレーターでエバポレートし、残渣を真空乾燥させた。かくして、42.3mg(80%純度,88% 理論値)の標題化合物を得、これを、さらに精製せずに逐次反応に使用した。
HPLC(方法10):R=2.48分;
LC−MS(方法1):R=0.68分;MS(ESIpos):m/z=300(M+H)
中間体46
N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−3−{[(2S)−1−{[4−(メトキシカルボニル)ベンジル]オキシ}−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 0005933562
20mg(29μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)を0.59mlのDMFに添加し、13.3mg(35μmol)のHATUおよび20μl(117μmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンと混合した。30分後、9.6mg(32μmol)のメチル−4−({[(2S)−2−アミノ−3−フェニルプロピル]オキシ}メチル)ベンゾエート塩酸塩(中間体45)を添加した。その反応組成物を一晩撹拌し、次いで、さらに処理せずに直接、分取用HPLCによってその成分に分離した。収量15.2mg(54% 理論値)のBoc保護中間体N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−3−{[(2S)−1−{[4−(メトキシカルボニル)ベンジル]オキシ}−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
LC−MS(方法1):R=1.49分;MS(ESIpos):m/z=967(M+H)
トリフルオロ酢酸を用いたBoc保護基の切断後、15.8mg(99% 理論値)の標題化合物を得た。
LC−MS(方法11):R=0.90分;MS(ESIpos):m/z=867(M+H)
実施形態:
実施例1
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1−ナフチルメトキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
24mg(24μmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(1−ナフチルメトキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩(中間体21)と31.5μlの15%水性コハク酸アルデヒド溶液(49μmol)を900μlの1:1−ジオキサン/水組成物に溶解させ、100℃の温度で1時間加熱した。短時間の冷却期間後、1.7mg(27μmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。その反応組成物を、0.1N塩酸を加えてpH3にし、100℃の温度で2時間加熱した。これに、同量のコハク酸アルデヒド溶液、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよび塩酸をもう一度添加した後、再度100℃で2時間再加熱した。その後、その反応組成物を直接、分取用HPLCによって分離した。その収量は20.1mg(86% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.06分;m/z=959(M+H)
H−NMR(500MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.73−0.81(m,3H),0.82−1.05(m,15H),1.19−1.48(m,3H),1.53−2.10(m,4H),2.12−2.41(m,5H),2.79(d,2H),2.85−3.06(m,3H),3.06−3.13(m,3H),3.13−3.28(m,6H),3.35−3.43(m,1H),3.89−4.14(m,1H),4.45−4.81(m,3H),5.48−5.73(m,2H),7.13−7.33(m,5H),7.45−7.53(m,1H),7.53−7.64(m,3H),7.91−8.05(m,3H),8.21−8.60(m,1H),8.69−9.01(m,1H),9.27−9.60(m,1H)[溶媒のピークに隠れたさらなるシグナル]。
実施例2
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(アダマンタン−1−イルオキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
4.8mg(5μmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(アダマンタン−1−イルオキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩(中間体25)と6.3μlの15%水性コハク酸アルデヒド溶液(10μmol)を180μlの1:1−ジオキサン/水組成物に溶解させ、100℃の温度で1時間加熱した。短時間の冷却期間後、0.34mg(5μmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。その反応組成物を、0.1N塩酸を加えてpH3にし、100℃の温度で2時間加熱した。これに、同量のコハク酸アルデヒド溶液、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよび塩酸をもう一度添加した後、再度100℃で2時間再加熱した。その後、反応組成物を直接、分取用HPLCによって分離した。その収量は3.2mg(69% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.14分;m/z=952(M+H)
実施例3
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(アダマンタン−1−イルメトキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
26mg(26μmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(アダマンタン−1−イルメトキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩(中間体29)と33.9μlの15%水性コハク酸アルデヒド溶液(53μmol)を957μlの1:1−ジオキサン/水組成物に溶解させ、100℃の温度で1時間加熱した。短時間の冷却期間後、1.81mg(29μmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。その反応組成物を0.1N塩酸を加えてpH3にし、100℃の温度で2時間加熱した。これに、同量のコハク酸アルデヒド溶液、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよび塩酸をもう一度添加した後、再度100℃で2時間再加熱した。その後、その反応組成物を直接、分取用HPLCによって分離した。その収量は18.5mg(73% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.17分;m/z=967(M+H)
実施例4
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
24mg(26μmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩(中間体33)と33.7μlの15%水性コハク酸アルデヒド溶液(52μmol)を953μlの1:1−ジオキサン/水組成物に溶解させ、100℃の温度で1時間加熱した。短時間の冷却期間後、1.80mg(29μmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。反応組成物を、0.1N塩酸を加えてpH3にし、100℃の温度で2時間加熱した。これに、同量のコハク酸アルデヒド溶液、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよび塩酸をもう一度添加した後、再度100℃で2時間再加熱した。その後、その反応組成物を直接、分取用HPLCによって分離した。その収量は15.2mg(65% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=1.01分;m/z=895(M+H)
H−NMR(500MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.72−0.81(m,3H),0.81−1.00(m,15H),1.03(dd,3H),1.12−1.56(m,3H),1.62−2.45(m,10H),2.61−2.73(m,1H),2.78(br.s,2H),2.84−3.07(m,3H),3.11(br.s,2H),3.17(s,1H),3.21(d,3H),3.26(s,3H),3.30−3.35(m,2H),3.51−3.94(m,4H),4.00(br.s,1H),4.08−4.35(m,1H),4.50(s,1H),4.53(s,1H),4.55−4.78(m,2H),7.12−7.16(m,1H),7.16−7.25(m,4H),7.30(d,1H),7.33−7.42(m,4H),7.76および8.01(2d,1H),8.73−8.98(m,1H)[溶媒のピークに隠れたさらなるシグナル]。
実施例5
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
53mg(84μmol)のN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)と45mg(84μmol)のベンジル−N−{(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノイル}−L−フェニルアラニナートトリフルオロ酢酸塩(中間体8)を2mlのDMF中で吸収させ、19μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミン、14mg(92μmol)のHOBt、および17.6mg(92μmol)のEDCと混合し、次いで室温で一晩撹拌した。次いで、その反応組成物をエバポレートし、その残渣を分取用HPLCによって精製した。このようにして、59mg(68% 理論値)のFmoc保護中間体N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
LC−MS(方法1):R=1.55分;m/z=1044(M+H)
57mg(0.055mmol)のこの中間体を、Fmoc保護基の脱離のために1.2mlのピペリジンを含む5mlのジクロロメタンで処理した。エバポレーションおよび精製(HPLCの補助による)後、39mg(76% 理論値)の遊離アミン中間体N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として得た。
HPLC(方法5):R=1.9分;
LC−MS(方法1):R=1.01分;m/z=822(M+H)
37mg(0.045mmol)のこの中間体を5mlのジオキサン/水(1:1)に溶解させ、実施例6の作製と同様にしてシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下にて15%4−オキソ−酪酸水溶液で処理した。16mg(39% 理論値)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R=2.1分;
LC−MS(方法1):R=1.01分;MS(ESIpos):m/z=908(M+H)
実施例6
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S,3S)−1−(ベンジルオキシ)−1−オキソ−3−フェニルブタン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
初めに、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S,3S)−1−(ベンジルオキシ)−1−オキソ−3−フェニルブタン2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを、実施例5に記載の合成と同様にして中間体4と7を基にして作製した。
30mg(0.032mmol)のこの化合物を6mlのジオキサン/水(1:1)に溶解させ、41μl(0.063mmol)の15%水性4−オキソ酪酸溶液と混合した。次いで、このバッチを100℃で1時間撹拌した。その混合物を室温に冷却後、2.2mg(0.035mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、およそ300μlの0.1N塩酸を添加することによりその組成物をpH値3に調整した。次いで、このバッチを100℃で2時間撹拌した。冷却後、41μl(0.063mmol)の15%水性4−オキソ酪酸溶液を再度添加し、そのバッチを100℃で1時間、再度撹拌した。次いで、さらに2.2mg(0.035mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、次いで、300μlの0.1N塩酸でpH値3に再度調整した。この場合も、バッチを100℃で2時間撹拌した。その処理が不完全である場合、3回目のこの手順を繰り返した。最後にそのバッチをエバポレートし、そのままの生成物を分取用HPLCによって精製した。24mg(82% 理論値)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R=1.9分;
LC−MS(方法9):R=5.15分;MS(ESIpos):m/z=922(M+H)
実施例7
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−3−{[(2S)−1−メトキシ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
初めに、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−3−{[(2S)−1−メトキシ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを、実施例5に記載の合成と同様にして中間体4と11を基にして作製した。7mg(0.009mmol)のこの化合物から2mg(22% 理論値)の標題化合物を得た(実施例6の作製と同様にしてシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下にて4−オキソ酪酸で処理して)。
HPLC(方法5):R=1.9分;
LC−MS(方法2):R=1.06分;MS(ESIpos):m/z=832(M+H)
実施例8
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
212mg(411μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体5)と237mg(411μmol)のベンジル−N−{(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノイル}−L−トリプトファナートトリフルオロ酢酸塩(中間体12)を30mlのDMF中で吸収させ、188mg(493μmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートおよび215μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと混合した。このバッチを室温で20時間撹拌し、次いで真空下でエバポレートし、その残渣を分取用HPLCによって精製した。その生成物画分を合わせ、エバポレートし、その残渣を高真空にて乾燥させた。収量315mg(80% 理論値)のBoc保護中間体N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを無色の泡状物として得た。
LC−MS(方法1):R=1.45分;m/z=961(M+H)
50mg(52μmol)のこの中間体を、Boc保護基の切断のために1mlのピペリジンを含む9mlのジクロロメタンで処理した。エバポレーションおよび精製(HPLCの補助による)後、29mg(57% 理論値)の遊離アミン中間体N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルオキシ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として得た。
LC−MS(方法1):R=0.99分;m/z=861(M+H)
29mg(0.03mmol)のこの中間体を6mlのジオキサン/水(1:1)に溶解させ、39μl(0.059mmol)の15%水性4−オキソ酪酸溶液と混合した。次いで、このバッチを100℃で1時間撹拌した。混合物を室温に冷却後、2mg(0.033mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、およそ300μlの0.1N塩酸を添加することによりその混合物をpH値3に調整した。次いで、このバッチを100℃で2時間撹拌した。冷却後、39μl(0.059mmol)の15%水性4−オキソ酪酸溶液を再度添加し、そのバッチを100℃で1時間、再度撹拌した。次いで、さらに2mg(0.033mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、次いで、300μlの0.1N塩酸でpH値3に再度調整した。次いで、この組成物を100℃で2時間撹拌した。次いで、このバッチを、半飽和水性塩化アンモニウム溶液と酢酸エチルの1:1の混合物に注入した。有機相を分離し、飽和水素化ナトリウム溶液でスクラビングし、水素化ナトリウムで乾燥させ、エバポレートした。その残渣を水/アセトニトリルから凍結乾燥させた。27mg(94% 理論値)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R=2.2分;
LC−MS(方法9):R=5.04分;MS(ESIpos):m/z=947(M+H)
実施例9
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−({(2S)−1−[ベンジル(メチル)アミノ]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
初めに、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−({(2S)−1−[ベンジル(メチル)アミノ]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル}アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを、実施例5に記載の合成と同様にして中間体4と10を基にして作製した。次いで、25mg(0.026mmol)のこの化合物から、13mg(54% 理論値)の標題化合物を得た(実施例6の作製と同様にしてシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下での4−オキソ酪酸での処理によって)。
HPLC(方法5):R=2.2分;
LC−MS(方法9):R=5.01分;MS(ESIpos):m/z=921(M+H)
実施例10
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−({(1S,2R)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−2−フェニルシクロプロピル}アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
50mg(73μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)および28mg(73μmol)のベンジル−(1S,2R)−1−アミノ−2−フェニルシクロプロパンカルボキシレートトリフルオロ酢酸塩(中間体38)を5mlのDMF中で吸収させ、42mg(110μmol)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートおよび38μlのN,N−ジイソプロピルエチルアミンと混合した。このバッチを室温で5時間撹拌し、次いで真空下でエバポレートし、その残渣を分取用HPLCによって精製した。その生成物画分を混合し、エバポレートした。ジオキサン/水で凍結乾燥後、35mg(51% 理論値)のBoc保護中間体N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−({(1S,2R)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−2−フェニルシクロプロピル}アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを無色の泡状物の形態で得た。
LC−MS(方法1):R=1.52分;m/z=934(M+H)
35mgのこの中間体を、Boc保護基の切断のために1mlのトリフルオロ酢酸を含む5mlのジクロロメタンで処理した。エバポレーションおよびジオキサン/水での凍結乾燥後、34mg(97% 理論値)の遊離アミン中間体N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−({(1S,2R)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−2−フェニルシクロプロピル}アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として得た。
LC−MS(方法1):R=0.91分;m/z=834(M+H)
11mg(0.011mmol)のこの中間体から2.5mg(24% 理論値)の標題化合物を無色の泡状物の形態で得た(実施例6の作製と同様にして、シアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で4−オキソ酪酸での処理によって)。
HPLC(方法5):R=2.2分;
LC−MS(方法9):R=5.1分;MS(ESIpos):m/z=920(M+H)
実施例11
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−{[(1S,2R)−2−フェニル−1−(プロピルカルバモイル)シクロプロピル]アミノ}プロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
まず、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−{[(1S,2R)−2−フェニル−1−(プロピルカルバモイル)シクロプロピル]アミノ}プロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として、実施例10に記載の合成と同様にして、N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)と(1S,2R)−1−アミノ−2−フェニル−N−プロピルシクロプロパンカルボキサミドトリフルオロ酢酸塩(中間体16)とのカップリング(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートの存在下)、続いて、トリフルオロ酢酸の補助によるBoc保護基の切断により作製した。14mg(0.016mmol)のこの化合物から11.3mg(83% 理論値)の標題化合物を得た(実施例6の作製と同様にしてシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で4−オキソ酪酸で処理して)。
HPLC(方法5):R=1.9分;
LC−MS(方法2):R=1.27分;MS(ESIpos):m/z=871(M+H)
実施例12
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S,2R)−1−(エトキシ−カルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
まず、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S,2R)−1−(エトキシカルボニル)−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として、実施例10に記載の合成と同様にして、N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)とエチル−(1S,2R)−1−アミノ−2−フェニルシクロプロパンカルボキシレートトリフルオロ酢酸塩(中間体17)とのカップリング(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートの存在下)、続いて、トリフルオロ酢酸の補助によるBoc保護基の切断により作製した。70mg(0.079mmol)のこの化合物から46mg(68% 理論値)の標題化合物を得た(実施例6の作製と同様にして、シアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で4−オキソ酪酸での処理によって)。
HPLC(方法5):R=1.9分;
LC−MS(方法2):R=1.28分;MS(ESIpos):m/z=858(M+H)
H−NMR(500MHz,DMSO−d):δ=8.95および8.8(2m,1H),8.85および8.7(2s,1H),7.4−7.1(m,5H),4.8および4.65(2m,1H),4.55(m,1H),4.12−3.95(m,2H),3.9−3.8(m,1H),3.8−3.4(m,5H),3.35,3.30,3.20,3.15,3.10,3.00,2.81and2.79(8s,12H),2.85−2.7(m,2H),2.7−2.6(m,1H),2.4−2.2(m,3H),2.1−1.6(m,9H),1.5−1.2(m,3H),1.2−0.7(m,24H)[溶媒のピークに隠れたさらなるシグナル]。
実施例13
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
まず、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として、実施例10に記載の合成と同様にして、N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)とL−フェニルアラニンアミド−塩酸塩とのカップリング(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートの存在下)、続いて、トリフルオロ酢酸の補助によるBoc保護基の切断により作製した。47mg(0.049mmol)のこの化合物から39mg(96% 理論値)の標題化合物を得た(実施例6の作製と同様にしてシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で4−オキソ酪酸で処理して)。
HPLC(方法5):R=1.7分;
LC−MS(方法9):R=4.44分;MS(ESIpos):m/z=817(M+H)
H−NMR(500MHz,DMSO−d):δ=8.95および8.8(2m,1H),8.25および8.0(2d,1H),7.45,7.35および7.0(3s,幅広,2H),7.3−7.1(m,5H),4.8−4.4(2m,3H),3.95(m,1H),3.82(m,1H),3.72(d,1H),3.22,3.18,3.15,3.05および3.00(5s,9H),2.85−2.7(m,4H),2.45−1.6(m,12H),1.5−1.2(m,3H),1.1−0.7(m,21H)[溶媒のピークに隠れたさらなるシグナル]。
実施例14
(3R,4S,7S,10S)−3−(2−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(2−ベンゾイルヒドラジノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−2−オキソエチル)−4−[(2S)−ブタン−2−イル]−7,10−ジイソプロピル−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2−オキサ−5,8,11−トリアザペンタデカン−15−酸
Figure 0005933562
6.2mg(6μmol)の(2S)−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(2−ベンゾイルヒドラジノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N,3−ジメチル−2−{[(2S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタノイル]アミノ}ブタンアミドトリフルオロ酢酸塩(中間体37)と8.3μlの15%水性コハク酸アルデヒド溶液(13μmol)を235μlの1:1−ジオキサン/水組成物に溶解させ、100℃の温度で1時間加熱した。短い冷却期間後、0.5mg(7μmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。その反応組成物を、0.1N塩酸を加えてpH3にし、100℃の温度で2時間加熱した。これに、同量のコハク酸アルデヒド溶液、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよび塩酸をもう一度添加した後、再度100℃で2時間再加熱した。その後、その反応組成物を直接、分取用HPLCによって分離した。その収量は4.1mg(68% 理論値)の標題化合物であった。
LC−MS(方法1):R=0.86分;m/z=936(M+H)
H−NMR(500MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.71−0.81(m,3H),0.82−1.02(m,15H),1.05(d,2H),1.19−1.51(m,3H),1.56−1.89(m,3H),1.89−2.12(m,2H),2.18−2.44(m,5H),2.71−2.90(m,3H),2.94−3.28(m,10H),3.36−3.67(m,3H),3.71−4.02(m,1H),4.53−4.91(m,3H),7.14−7.20(m,1H),7.24(dd,2H),7.31(d,1H),7.35(d,1H),7.52(dd,2H),7.60(dd,1H),7.92(d,2H),8.24および8.46(2d,1H),10.2−10.3(m,1H),10.44−10.52(m,1H)[溶媒のピークに隠れたさらなるシグナル]。
実施例15
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルアミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
36mg(43μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S)−1−カルボキシ−2−フェニルエチル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体39)と4.6mg(43μmol)のベンジルアミンを5mlのDMF中で吸収させ、7.5μl(88μmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、10mg(65μmol)のHOBtならびに10mg(52μmol)のEDCと混合し、次いで、室温で一晩撹拌した。次いで、その反応組成物をエバポレートし、その残渣を分取用HPLCによって精製した。このようにして、29mg(73% 理論値)のBoc保護中間体N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルアミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを得た。
LC−MS(方法1):R=1.43分;m/z=921(M+H)
29mgのこの中間体を、Boc保護基の切断のために1mlのトリフルオロ酢酸を含む6mlのジクロロメタンで処理した。エバポレーションおよびジオキサン/水での凍結乾燥後、30mg(定量的)の遊離アミン中間体N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルアミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として得た。
LC−MS(方法1):R=0.95分;m/z=821(M+H)
17mg(0.018mmol)のこの中間体から13mg(80% 理論値)の標題化合物を無色の泡状物の形態で得た(実施例6の作製と同様にしてシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下にて4−オキソ酪酸で処理して)。
HPLC(方法6):R=1.7分;
LC−MS(方法9):R=4.97分;MS(ESIpos):m/z=907(M+H)
実施例16
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジル−アミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
まず、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルアミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−プロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として、実施例10に記載の合成と同様にして、N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)とN−ベンジル−L−トリプトファンアミドトリフルオロ酢酸塩(中間体40)とのカップリング(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートの存在下)、続いて、トリフルオロ酢酸の補助によるBoc保護基の切断により作製した。10mg(0.01mmol)のこの化合物から2.5mg(26% 理論値)の標題化合物を得た(実施例6の作製と同様にしてシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下にて4−オキソ酪酸で処理によって)。
HPLC(方法6):R=1.7分;
LC−MS(方法2):R=1.13分;MS(ESIpos):m/z=946(M+H)
実施例17
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S,2R)−1−カルバモイル−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
まず、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S,2R)−1−カルバモイル−2−フェニルシクロプロピル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として、実施例10に記載の合成と同様にして、N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)と(1S,2R)−1−アミノ−2−フェニルシクロプロパンカルボキサミドトリフルオロ酢酸塩(中間体41)とのカップリング(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートの存在下)、続いて、トリフルオロ酢酸の補助によるBoc保護基の切断により作製した。15mg(0.0175mmol)のこの化合物から11mg(76% 理論値)の標題化合物を得た(実施例6の作製と同様にしてシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下にて4−オキソ酪酸で処理によって)。
HPLC(方法5):R=1.7分;
LC−MS(方法9):R=4.66分;MS(ESIpos):m/z=829(M+H)
実施例18
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
まず、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドを、トリフルオロ酢酸塩として、実施例5および10に記載の合成と同様にして、N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−N−メチル−L−バリル−N−[(2R,3S,4S)−1−カルボキシ−2−メトキシ−4−メチルヘキサン−3−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体4)とNα−{(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパノイル}−L−トリプトファンアミドトリフルオロ酢酸塩(中間体42)とのカップリング(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートの存在下)、続いて、ピペリジンの補助によるFmoc保護基の切断により作製した。78mg(0.088mmol)のこの化合物から68mg(90% 理論値)の標題化合物を得た(実施例6の作製と同様にしてシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下にて4−オキソ酪酸で処理によって)。
HPLC(方法6):R=1.8分;
LC−MS(方法9):R=4.49分;MS(ESIpos):m/z=856(M+H)
実施例19
N−(5−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
標題化合物を、実施例18の合成と同様にして、20mg(26μmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−アミノ−3−(1H−インドール−3イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩と6−オキソヘキサン酸でシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下にて作製した。
収量:5mg(25% 理論値)
HPLC(方法6):R=1.6分;
LC−MS(方法11):R=0.72分;MS(ESIpos):m/z=884(M+H)
実施例20
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−tert−ブトキシ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
まず、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−tert−ブトキシ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として、実施例16に記載の合成と同様にして、N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)とtert−ブチル−L−フェニルアラニナート−塩酸塩とのカップリング(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートの存在下)、続いて、トリフルオロ酢酸の補助によりBoc保護基を注意深く切断し、tert−ブチルエステル基を維持すること(これを10%のトリフルオロ酢酸を含むジクロロメタンとともに室温で40分間撹拌)により作製した。22mg(0.02mmol,80%純度)のこの化合物から16mg(94% 理論値)の標題化合物を得た(実施例1の作製と同様にしてシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下にて4−オキソ酪酸で処理して)。
HPLC(方法5):R=2.0分;
LC−MS(方法9):R=5.05分;MS(ESIpos):m/z=874(M+H)
実施例21
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−tert−ブトキシ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
標題化合物を3段階で、実施例20に記載の合成と同様にして、230mg(336μmol)のN−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)とtert−ブチル−L−トリプトファナート−塩酸塩を基にして作製した。
収量:95mg(3段階で31% 理論値)
HPLC(方法5):R=2.0分;
LC−MS(方法9):R=5.05分;MS(ESIpos):m/z=913(M+H)
実施例22
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S)−1−カルボキシ−2−(1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
8mg(9μmol)の実施例21の化合物を、1mlのトリフルオロ酢酸を含む3mlのジクロロメタンとともに室温で4時間撹拌した。バッチを真空下でエバポレートした後、そのままの生成物を分取用HPLCによって精製した。
収量:3mg(37% 理論値)
LC−MS(方法1):R=0.77分;MS(ESIpos):m/z=857(M+H)
実施例23
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
まず、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−{[(2S)−1−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として、実施例15に記載の合成と同様にして、N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S)−1−カルボキシ−2−フェニルエチル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体39)とモルホリンとのカップリング(EDCとHOBtの存在下)、続いて、トリフルオロ酢酸の補助によるBoc保護基の切断により作製した。30mg(0.033mmol)のこの化合物から、次いで、22mg(76% 理論値)の標題化合物を得た(実施例1の作製と同様にして、シアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で4−オキソ酪酸での処理によって)。
HPLC(方法6):R=1.6分;
LC−MS(方法9):R=4.58分;MS(ESIpos):m/z=887(M+H)
実施例24
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(1S)−1−カルボキシ−2−フェニルエチル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
0.4mg(0.5μmol)の実施例20の化合物を1mlのジクロロメタン中で吸収させ、1mlのトリフルオロ酢酸と混合した。室温で1時間の撹拌後、この混合物をエバポレートし、その残渣をジオキサン/水で凍結乾燥させた。0.37mg(99% 理論値)の標題化合物を無色の泡状物として得た。
HPLC(方法5):R=1.6分;
LC−MS(方法1):R=0.8分;MS(ESIpos):m/z=818(M+H)
実施例25
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S,3R)−1−(ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソブタン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
まず、アミン化合物N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S,3R)−1−(ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソブタン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドをトリフルオロ酢酸塩として、実施例16に記載の合成と同様にして、N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−2−カルボキシ−1−メトキシプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(中間体15)とN−ベンジル−L−トレオニンアミドトリフルオロ酢酸塩とのカップリング(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートの存在下)、続いて、トリフルオロ酢酸の補助によるBoc保護基の切断により作製した。21mg(0.024mmol)のこの化合物から20mg(97% 理論値)の標題化合物を得た(実施例1の作製と同様にして、シアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で4−オキソ酪酸での処理によって)。
HPLC(方法5):R=1.5分;
LC−MS(方法9):R=4.49分;MS(ESIpos):m/z=861(M+H)
実施例26
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−3−{[(2S)−1−{[4−(メトキシカルボニル)ベンジル]オキシ}−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
11.5mg(12μmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−3−{[(2S)−1−{[4−(メトキシカルボニル)ベンジル]オキシ}−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩(中間体46)を0.7mlのジオキサン/水(1:1)に溶解させ、実施例1と同様にして、シアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で4−オキソ酪酸の15%水溶液で処理した。ジオキサンからの凍結乾燥後、その収量は8.3mg(74% 理論値)の標題化合物(白色固形物質の形態)であった。
LC−MS(方法1):R=0.95分;MS(ESIpos):m/z=953(M+H)
実施例27
N−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−({(2S)−1−[(4−カルボキシベンジル)オキシ]−3−フェニルプロパン−2−イル}アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
7.5mg(8μmol)のN−(3−カルボキシプロピル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−3−{[(2S)−1−{[4−(メトキシカルボニル)ベンジル]オキシ}−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド(実施例26)を0.25mlのTHF/水(1:1)に溶解させた。0.8mg(32μmol)の水酸化リチウムを添加し、そのバッチを室温で3時間撹拌した。次いで、その反応組成物を1N塩酸で酸性化し、各々5mlの酢酸エチルで3回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空でエバポレートした。ジオキサンからの凍結乾燥後、収量は2.3mg(71%純度,22% 理論値)の標題化合物(白色固形物質の形態)であった。
LC−MS(方法1):R=0.91分;MS(ESIpos):m/z=939(M+H)
実施例28
N−(5−カルボキシペンチル)−N−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルアミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミド
Figure 0005933562
標題化合物を、実施例16の合成と同様にして、100mg(103μmol)のN−メチル−L−バリル−N−[(3R,4S,5S)−1−{(2S)−2−[(1R,2R)−3−{[(2S)−1−(ベンジルアミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−イル}−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N−メチル−L−バリンアミドトリフルオロ酢酸塩を6−オキソヘキサン酸で、シアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下にて処理することによって作製した。
収量:40mg(40% 理論値)
HPLC(方法5):R=1.9分;
LC−MS(方法1):R=0.92分;MS(ESIpos):m/z=974(M+H)
B.生物学的有効性の評価
本革新的化合物の生物学的活性は、平均的な専門技術者に知られたインビトロおよびインビボ試験によって実証することができる。例えば、本発明の化合物の薬理学的特性および薬物動態特性は、下記のアッセイによって測定することができる。
B−1.腎細胞癌786−O細胞系の抗増殖効果の測定:
定義の細胞数のヒト腎癌細胞系786−Oを、富栄養培地中の96ウェルマイクロタイタープレート内で培養し(2500または7000細胞/ウェル)、次いで、37℃/5%COで一晩インキュベートした。18時間後、シード培地を無血清培地または2%FCSを含む培地と交換した。種々の濃度(10−5M〜10−14M)のそれぞれの試験物質を測って分配することにより処理を開始した。48時間〜96時間のインキュベーション時間を選択した。MTTアッセイ(ATCC,Manassas,Virginia,USA,カタログ番号30−1010K)によって増殖を測定した。インキュベーション期間の終了後、MTT試薬を細胞とともに4時間インキュベートした後、デタージェントを測って分配することにより溶解を一晩行なった。生じた染色を570nmで検出した。その他の細胞と同一に処理したが試験物質なしの細胞の増殖を100%の値と定義した。この試験で得られたデータは三連の測定のものを表し、少なくとも2つの実験は互いに独立して行なった。
このアッセイの代表的な実施形態のIC50値を以下の表1に示す。
Figure 0005933562
比較として、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)は、この試験で260nMのIC50値を示す。
B−2.HT29 wt細胞系の抗増殖効果の測定:
定義の細胞数のヒト結腸癌細胞系HT29wt(野生型)を、富栄養培地(10% FCS−RPMI)中の96ウェルマイクロタイタープレート内で培養し(2500細胞/ウェル)、次いで、37℃/5%COで一晩インキュベートした。18時間後、シード培地を、10%のFCSを含む新鮮培地と交換した。それぞれの試験物質を測って分配することにより処理を開始した。10−5M〜10−14M(1:10の希釈度)の濃度の試験対象物質の用量応答曲線を決定した。48時間〜96時間のインキュベーション時間を選択した。MTTアッセイ(ATCC,Manassas,Virginia,USA,カタログ番号30−1010K)によって増殖を検出した。選択したインキュベーション期間の終了後、MTT試薬を細胞とともに4時間インキュベートした後、デタージェントを測って分配することにより溶解を一晩行なった。生じた染色を570nmで検出した。その他の細胞と同一に処理したが試験物質なしの細胞の増殖を100%の値と定義した。この試験で得られたデータは三連の測定のものを表し、少なくとも2つの実験は互いに独立して行なった。
このアッセイの代表的な実施形態のIC50値を以下の表2に示す。
Figure 0005933562
比較として、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)は、この試験で10nMのIC50値を示す。
B−3.チューブリンの重合に対する影響の測定:
がん細胞は、非常に多くの場合、細胞***の増大によって腫瘍形成ももたらす変性細胞である。微小管は、紡錐体器官の紡錘糸を形成しており、細胞周期の必須成分である。微小管の構成と分解の調和により、娘核への染色体の正確な分布を可能とし連続的な動的プロセスを形成する。この動的周期の破壊により欠陥性の細胞***がもたらされ、最終的に細胞死に至る。また、がん細胞は、細胞***が増大すると、化学療法の不可欠部分である紡錘糸毒に対して特に感受性になる。パクリタキセルまたはエポチロンなどの紡錘糸毒は、微小管の重合速度を大きく増大させるが、ビンカアルカロイド(またはモノメチルアウリスタチンE(MMAE)も)は、微小管の重合速度を有意に低減させる。どちらの場合も、必要な細胞周期のダイナミクスがかなり破壊される。本発明において試験した化合物は、微小管の重合速度の低減をもたらすものである。
チューブリンの重合の試験には、Cytoskeleton社の「蛍光系Microtubule Polymerization Assay Kit」(Denver,Colorado,USA;注文番号:BK011)を使用した。このアッセイでは、非重合チューブリンGTPを添加して自発重合を誘発させた。このアッセイは、フルオロフォアの4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)のチューブリンに対する結合に基づいたものである。遊離型と結合型のDAPIは、発光スペクトルが異なるため識別することができる。DAPIは、非重合チューブリンとは対照的に重合チューブリンに対して有意により高い親和性を有するため、チューブリンの重合は、蛍光結合型DAPIフルオロフォアが増大するにつれて観察することができる。
このアッセイを行なうため、DMSOに溶解させた試験物質を、初期濃度10mMから1μMまで水で希釈した。バッファー対照に加え、重合促進パクリタキセルを用いたアッセイ対照を実施し、他方では、重合抑制ビンブラスチンを用いた対照を行なった。測定には、96ウェル有孔プレートの床スペースの半分を使用した。37℃の1時間の期間のチューブリン重合のキネティクスを、蛍光光度計を用いてモニタリングした。励起波長は355nmとし、発光は460nmで観察した。最初の10分以内の線形増大領域で、1分あたりの蛍光の変化(ΔF/分)(これは、微小管の重合速度である)を計算した。試験物質の効力を、それぞれの重合速度の低減によって定量化した。
B−4.インビトロでの血漿安定性の測定:
方法A:
1mgのそれぞれの試験物質を0.5mlのアセトニトリル/DMSO(9:1)に溶解させ、この溶液から20μlを抽出し、1mlのラット血漿およびヒト血漿にそれぞれ添加し、37℃まで加熱した(それぞれ、Fa.Harlan & WinkelmannのLi−ヘパリン加雄Wistarラットの血漿のおよび採血された全血由来の新鮮ヒト白血球枯渇血漿)。充分に振っておいたこの血漿溶液から、試料の添加の直後に100μlのアリコートを(参照としての基底値)、次いで、各々、5、10、30、60、120、180および240分後、ならびに必要であれば24時間後に100μlのアリコートを抽出し、300μlのアセトニトリルに添加した。沈殿した血漿タンパク質を5000rpmで10分間遠心分離し、30μlの上清を、未変化の試験物質の濃度に関してHPLCによって解析した。定量化は、個々のピークの面積割合によって行なった。
ラット血漿についてのHPLC法:
機器:DAD、バイナリーポンプ、オートサンプラー、カラムオーブンおよびサーモスタットを備えたAgilent 1200、カラム:Kromasil 100 C18,250mm×4mm,5μm;カラム温度:45℃;溶離液A:5mlの過塩素酸/1Lの水,溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜8分 98%のA,2%のB;8〜15分 56%のA,44%のB;15〜20分 10%のA,90%のB;20〜21分 10%のA,90%のB;21〜23分 98%のA,2%のB;23〜25分 98%のA,2%のB;流速:2ml/分;UV検出:220nm。
ヒト血漿についてのHPLC法:
機器:DAD、バイナリーポンプ、オートサンプラー、カラムオーブンおよびサーモスタットを備えたAgilent 1100,カラム:Kromasil 100 C18,250mm×4mm,5μm;カラム温度:45℃;溶離液A:5mlの過塩素酸/1Lの水,溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜3分 98%のA,2%のB;3〜10分 65%のA,35%のB;10〜15分 40%のA,60%のB;15〜21分 10%のA,90%のB;21〜22分 10%のA,90%のB;22〜24分 98%のA,2%のB;24〜26分 98%のA,2%のB;流速:2ml/分;UV検出:220nm。
方法B:
対応する試験物質を、それぞれラット血漿およびヒト血漿中で、軽く撹拌しながら37℃で5時間インキュベートした。種々の時間点(0、2、5、10、20、30、60、120、180、および300分)で、100μlのアリコートを抽出した。内部標準(10μl)の添加後、200μlのアセトニトリルを添加することによりタンパク質を沈殿させ、上記化合物を実験室用遠心分離機にて5分間遠心分離した。150μlの酢酸アンモニウムバッファー溶液(pH3)を150μlの上清に添加した後、未変化の試験物質の濃度をLC/MSMSによって解析した。
B−5.細胞浸透性の測定:
物質の細胞浸透性は、Caco−2細胞を用いたフラックスアッセイでのインビトロ試験によって解析することができる[M.D.TroutmanおよびD.R.Thakker,Pharm.Res.20(8),1210−1224(2003)]。この解析のため、上記細胞を24メンブレンフィルタープレートで15〜16日間培養した。浸透を調べるため、対象試験物質を上記細胞に対して頂端部(A)のHEPESバッファーまたは基底部(B)のHEPESバッファーのいずれかに施与し、2時間インキュベートした。試料を0時間後と2時間後に、シス区画およびトランス区画から採取した。上記試料をHPLC(Agilent 1200,Boeblingen,Germany)によって逆相カラムを用いて分離した。このHPLCシステムは、トリプル四重極質量分析計API 4000(Applied Biosystems Applera,Darmstadt,Germany)にターボイオンスプレーによって連結させた。上記浸透性をPapp値によって評価し、該値は、Schwabらによって公開された式の補助により計算した[D.Schwabら,J.Med.Chem.46、1716−1725(2003)]。物質は、Papp(A−B)に対するPapp(B−A)の比が>2または<0.5である場合、活性であると分類した。
BからAへの浸透性[Papp(B−A)]は、細胞内で放出される坦毒体について特に重要である:浸透性が低いほど、細胞内放出後の細胞内でのその物質の滞留時間が長く、そのため、生化学的標的(ここでは:チューブリン)との相互作用に利用可能な時間が長くなる。
このアッセイの代表的な実施形態の浸透性データを以下の表3に示す。
Figure 0005933562
比較として、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)およびモノメチルアウリスタチンF(MMAF)は、この試験でそれぞれ89nm/sおよび73nm/sのPapp(B−A)値を示す。
B−6.P−糖タンパク質(P−gp)に対する基質特性の測定:
多くの腫瘍細胞は薬物に対する輸送タンパク質を発現し、多くの場合、細胞増殖抑制薬に対する耐性の発達に関与する。したがって、例えばP−糖タンパク質(P−gp)またはBCRPなどの輸送タンパク質の基質でない物質では、有効性の改善を示すことができる。
P−gp(ABCB1)に対する物質の基質特性を、P−gpを過剰発現するLLC−PK1細胞(L−MDR1細胞)を用いたフラックスアッセイによって決定した[A.H.Schinkelら,J.Clin.Invest.96,1698−1705(1995)]。この解析のため、LLC−PK1細胞またはLMDR1細胞を96メンブレンフィルタープレートで3〜4日間培養した。浸透を調べるため、適切な試験物質を単独またはインヒビター(例えば、イベルメクチンもしくはベラパミルなど)の存在下で、細胞に対して頂端部(A)または基底部(B)のいずれかのHEPESバッファー溶液に添加し、2時間インキュベートした。試料を0時間後と2時間後に、シス区画およびトランス区画から採取した。その試料をHPLCによって逆相カラムを用いて分離した。このHPLCシステムは、トリプル四重極質量分析計API 3000(Applied Biosystems Applera,Darmstadt,Germany)にターボイオンスプレーによって連結させた。上記浸透性をPapp値によって評価し、該値は、Schwabらによって公開された式の補助により計算した[D.Schwabら,J.Med.Chem.46,1716−1725(2003)]。物質は、流出比であるPapp(B−A)とPapp(A−B)の比が>2である場合、P−gp基質であると分類した。
P−gp基質特性のさらなる評価基準は、L−MDR1細胞とLLC−PK1細胞の流出比の比較、またはインヒビターの存在下もしくは非存在下での流出比の比較であり得る。これらの値が2倍より大きく異なる場合、その対象物質はP−gp基質である。
C.薬学的化合物の実施形態
本発明の化合物は以下のように変換され得る:
錠剤:
組成:
100mgの本発明による化合物、50mgのラクトース(一水和物)、50mgのコーンスターチ(天然)、10mgのポリビニルピロリドン(PVP 25)(Fa.BASF,Ludwigshafen,Germany)および2mgのステアリン酸マグネシウム。
錠剤の重量212mg.直径8mm,曲率半径12mm。
作製:
本発明による化合物、ラクトースおよびデンプンからなる組成物を、PVPの5%水溶液(m/m)を用いて造粒する。乾燥後、この顆粒材料をステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を、慣用的な錠剤用プレス機で打錠する(上記のような錠剤の形態に)。15kNのプレス力が打錠の指標値として使用される。
経口懸濁剤:
組成:
1000mgの本発明による化合物、1000mgのエタノール(96%)、400mgのRhodigel(登録商標)(FMC社(Pennsylvania,USA)のキサンタンガム)および99gの水。
単回用量100mgの本発明による化合物が10mlの経口懸濁剤に相当する。
作製:
上記Rhodigelをエタノール中に懸濁させ、この懸濁液に本発明による化合物を添加する。撹拌しながら水を添加する。上記Rhodigelの浸軟が終了するまで撹拌をおよそ6時間継続する。
経口液剤:
組成:
500mgの本発明による化合物、2.5gのポリソルベートおよび97gのポリエチレングリコール400。単回用量100mgの本発明による化合物が20gの経口懸濁剤に相当する。
作製:
本発明による化合物をポリエチレングリコールとポリソルベートの組成物中で撹拌する。本発明による化合物が完全に溶解するまで撹拌を継続する。
IV液剤:
本発明による化合物を飽和溶解度より下の濃度で、生理学的に許容され得る溶媒(例えば、等張性生理食塩水溶液、5%グルコース溶液および/または30%PEG400溶液)に溶解させる。この溶液を濾過し、次いで、無菌でパイロジェンフリーの注射容器内に充填する。

Claims (17)

  1. 式(I)
    Figure 0005933562

    の化合物(式中、
    Lは、直鎖(C〜C12)−アルカンジイルを表し
    は、水素またはメチルを表し、
    1−ヒドロキシエチルベンジル1−フェニルエチルまたは1H−インドール−3−イルメチルを表すか、
    あるいは
    とRは、これらがともに結合している炭素原子と一緒に、式
    Figure 0005933562

    の2−フェニルシクロプロパン−1,1−ジイル基(式中、#は、該分子の他の部分との結合点に印をつけたものである)
    を形成しており、
    Tは、式−C(=O)−OR、−C(=O)−NR、−C(=O)−NH−NH−Rまたは−CH−O−Rを有する基を表し、ここで、
    は、水素、(C〜C)−アルキルまたは(C〜C10)−シクロアルキルを表し、(C〜C)−アルキルはフェニル、ナフチルまたは(C〜C10)−シクロアルキルで、必要に応じて置換されており、
    は、水素または(C〜C)−アルキルを表し、
    は、水素、または(C〜C)−アルキル表し、(C〜C)−アルキルはフェニルで、必要に応じて置換されているか、
    あるいは
    とRは、互いに結合され、これらが結合している窒素原子と一緒に5〜7員の飽和アザ−複素環式化合物を形成しており該複素環式化合物は、窒素原子に対して1,3−または1,4−のいずれかの位置に、さらなる環へテロ原子>N−H、>N−CHまたは−O−含んでおり
    は、ンゾイルを表し、
    は、フェニルで置換されている(C〜C)−アルキルを表しフェニルは、(C〜C)−アルコキシカルボニルまたはカルボキシルで、必要に応じて置換されている)
    またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物。
  2. 請求項1に記載のとおりの式(I)の化合物であって、
    Lが、直鎖(C〜C)−アルカンジイルを表し
    が、水素を表し、
    が、ベンジル1−フェニルエチルまたは1H−インドール−3−イルメチルを表すか、
    あるいは
    とRは、これらがともに結合している炭素原子と一緒に、式
    Figure 0005933562
    の2−フェニルシクロプロパン−1,1−ジイル基(式中、#は、該分子の他の部分との結合点に印をつけたものである)
    を形成しており、
    Tが、式−C(=O)−OR、−C(=O)−NR、−C(=O)−NH−NH−Rまたは−CH−O−Rを有する基を表し、ここで、
    は、水素または(C〜C)−アルキルを表し、これはフェニル、ナフチルまたは(C〜C10)−シクロアルキルで、必要に応じて置換されており、
    は、水素またはメチルを表し、
    は、水素または(C〜C)−アルキルを表し、これはフェニルで、必要に応じて置換されているか、
    あるいは
    とRは互いに結合され、これらが結合している窒素原子と一緒にルホリン環を形成しており、
    は、ンゾイルを表し、
    は、ンジルを表し、これは該フェニル基において(C〜C)−アルコキシカルボニルまたはカルボキシルで、必要に応じて置換されている、
    化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のとおりの式(I)の化合物であって、
    Lが、直鎖(C〜C)−アルカンジイルを表し、
    が、水素を表し、
    が、ベンジル、1−フェニルエチルまたは1H−インドール−3−イルメチルを表すか、
    あるいは
    とRは、これらがともに結合している炭素原子と一緒に、式
    Figure 0005933562

    の(1S,2R)−2−フェニルシクロプロパン−1,1−ジイル基(式中、
    #1は、隣接している窒素原子との結合点に印をつけたものであり、
    #2は、T基の結合点に印をつけたものである)
    を形成しており、
    Tが、式−C(=O)−OR、−C(=O)−NR、−C(=O)−NH−NH−Rまたは−CH−O−Rを有する基を表し、ここで、
    は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、ベンジルまたはアダマンチルメチルを表し、
    は、水素またはメチルを表し、
    は、水素、メチル、エチル、n−プロピルまたはベンジルを表し、
    は、ベンゾイルを表し、
    は、ベンジルを表し、これは、該フェニル基においてメトキシカルボニルまたはカルボキシルで、必要に応じて置換されている、
    化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物。
  4. 式(I−A)
    Figure 0005933562

    を有する、請求項1、2または3のうちの1項に記載のとおりの化合物(式中、L、R、RおよびTは、請求項1、2または3に定義したとおりであり、ラジカルRおよびRを担持しているC−炭素原子は、該図示した立体配置を有する)
    またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物。
  5. 式(II)
    Figure 0005933562

    の化合物(式中、R、RおよびTは、請求項1〜4のうちの1項に記載の意味に従う)
    を、不活性溶媒中で、
    [A]塩基誘導性アルキル化によって、
    式(III)
    Figure 0005933562

    の化合物(式中、Lは、請求項1〜4のうちの1項に示した意味を有し、
    は、水素、(C〜C)−アルキルまたはベンジルを表し、
    Xは、離基を表す)
    とカップリングさせて式(IV)
    Figure 0005933562

    の化合物(式中、E、L、R、RおよびTは上記に定義のとおりである)
    にし、このとき、Eが(C〜C)−アルキルまたはベンジルを表す場合は、このエステルラジカルを一般的な方法を用いて切り離し、
    (III)のEが水素を表す場合と同様に、式(I)
    Figure 0005933562
    の本発明によるカルボン酸(式中、L、R、RおよびTは上記に定義のとおりである)
    が保存されるようにするか、
    あるいは
    [B]式(V)
    Figure 0005933562

    の化合物(式中、
    は、水素、(C〜C)−アルキルまたはベンジルを表し、
    は、請求項1〜4のうちの1項に記載のLの意味に従うが、該アルキル鎖長はCH単位1つ分短い)
    で、適切な還元剤の存在下で処理することによって式(VI)
    Figure 0005933562


    の化合物(式中、E、L、R、RおよびTは上記に定義のとおりである)
    にし、このとき、Eが(C〜C)−アルキルまたはベンジルを表す場合は、このエステルラジカルを一般的な方法を用いて切り離し、(V)のEが水素を表す場合と同様に、式(I−B)
    Figure 0005933562

    の本発明に適合するカルボン酸(式中、L、R、RおよびTは上記に定義のとおりである)
    が保存されるようにするか、
    のいずれかを行ない、
    得られた該式(I)および(I−B)の化合物は、必要に応じて、そのエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーに分離され得る、および/または適切な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いてその溶媒和物、塩および/または該塩の溶媒和物に変換され得ること
    を特徴とする、請求項1〜4のうちの1項に記載の式(I)の化合物を製造するための方法。
  6. 疾患の処置および/または予防のための組成物であって、請求項1〜4のうちの1項に記載の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物を含む、組成物。
  7. がんおよび腫瘍疾患を処置および/または予防するための手順における使用のための組成物であって、請求項1〜4のうちの1項に記載の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物を含む、組成物。
  8. がんおよび腫瘍疾患を処置および/または予防するための薬物の作製のための、請求項1〜4のうちの1項に記載の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物の使用。
  9. 請求項1〜4のうちの1項に記載の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物を、1種類以上の不活性な無毒性の薬学的に適し得る賦形剤との組合せで含む薬物。
  10. 請求項1〜4のうちの1項に記載の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物を1種類以上の物質との組合せで含む薬物。
  11. がんおよび腫瘍疾患の処置および/または予防のための請求項9または10に記載のとおりの薬物。
  12. ヒトまたは動物のがんおよび腫瘍疾患の処置および/または予防のための組成物であって、有効量の少なくとも1種類の、請求項1〜4のうちの1項に記載の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物、または有効量の請求項9〜11のうちの1項に記載の薬物を含む、組成物。
  13. 前記化合物が、
    Figure 0005933562
    Figure 0005933562
    Figure 0005933562
    Figure 0005933562
    Figure 0005933562
    Figure 0005933562
    Figure 0005933562
    Figure 0005933562
    からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  14. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物、あるいは請求項13に記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物がタンパク質と連結されている、抗増殖結合体。
  15. 前記タンパク質が抗体である、請求項14に記載の抗増殖結合体。
  16. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは該塩の溶媒和物、あるいは請求項13に記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が、N末端カルボキシアルキル基によって前記抗体と連結されている、請求項15に記載の抗増殖結合体。
  17. 前記脱離基が、クロリド、ブロミド、イオダイド、メシラート、トリフラートもしくはトシラートである、請求項5に記載の方法。
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