JP5931684B2 - 海藻種苗の培養方法 - Google Patents

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Description

本発明は、海藻種苗の培養方法に関し、特にウガノモク、フシスジモク、ヨレモク、スギモク、ヤツマタモク、ノコギリモク、アカモク等のホンダワラ類、ホソメコンブ、マコンブ、ガゴメ等のコンブ類、ワカメ等の海藻において、その海藻種苗を効率良く培養する海藻種苗の培養方法に関する。
従来、海藻種苗を培養する方法として、例えば、海藻種苗21のホンダワラ類の一種であるウガノモクの幼体を培養する場合、図14に示すように、海藻種苗21を培養するための培養水22を入れた高さが低い浅底タイプの水槽23を用意し、この水槽23は上部に蓋24を設けると共に、全体を光が通るように透明にする。一方、ウガノモクの幼体を着生させた海藻着生基質25を複数用意する。この海藻着生基質25は、例えば、図示していないが、糸を撚ってつくった撚り糸と、この撚り糸を通す穴を複数設けて撚り糸を取り付けるようにしたベース板26とから成り、撚り糸にウガノモクの幼体を着生させ、この撚り糸をベース板26に設けた複数の穴にわたって通すことにより、ベース板26にウガノモクの幼体を着生させた撚り糸を取り付けるようにしている。
この複数用意したウガノモクの幼体を着生させた海藻着生基質25を、浅底タイプの水槽23の培養水22の内に並べるようにして入れる。そして、ウガノモクの幼体を着生させた複数の海藻着生基質25を並べるようにして入れた水槽23の上方に海藻種苗21を培養するための光源27である蛍光灯28を設置する。これは例えば、図15に示すように、ウガノモクの幼体を着生させた複数の海藻着生基質25を入れた水槽23を、作業台の上に多数載置し、この作業台の上に載置した多数の水槽23の上方に複数本の蛍光灯28を設置する。そして、この複数本の蛍光灯28の光を、作業台の上に載置した多数の水槽23の内部に入れた海藻着生基質25に着生したウガノモクの幼体に照射して、ウガノモクの幼体を培養している。
かかる従来の海藻種苗を培養する方法では、前述したように、海藻種苗であるウガノモクの幼体を着生させた複数の海藻着生基質を入れた水槽を、作業台の上に多数載置するようにしていたため、海藻種苗を培養する作業を行う際、非常に大きな作業スペースが必要となることから、作業場所の省スペース化及び作業設備のコンパクト化を図ることが難しかった。
また、前述したように、作業台の上方に設置した複数本の蛍光灯の光を、作業台の上に載置した多数の水槽の内部に入れたそれぞれの海藻着生基質に着生したウガノモクの幼体に照射するようにしていたが、すべての藻着生基質に着生したウガノモクの幼体に均一に蛍光灯の光を照射するには、蛍光灯を離して設置する必要があるが、離して設置すると光が弱くなり、近づけて設置するとウガノモクの幼体の生長にムラができてしまうといったことがあり、大量の海藻種苗を培養する場合、効率良く培養することが難しかった。
これらのことから、海藻種苗の培養において、効率的な海藻種苗の大量培養を可能にし、延いては効率的な海藻種苗の大量培養による低コスト化を実現するといったことがなかなか難しいといった問題があった。
そこで、本発明は、これらの問題点に鑑み、海藻種苗の大量培養を効率的なものにし、この効率的な海藻種苗の大量培養によって海藻種苗の培養の低コスト化を実現できるようにした海藻種苗の培養方法を提供することを、その課題とする。
第一の発明は、海藻種苗を培養するための培養水を入れた前後幅が狭い縦長のスリムタイプの水槽を備えると共に、海藻種苗を海藻着生基質の表面に着生し、この海藻種苗を表面に着生した海藻着生基質を、当該海藻着生基質の表面が水槽の前後面に向くように水槽内に縦向きに配置し、この縦向きに配置した海藻着生基質の表面が向く水槽の前後面に正対するように海藻種苗を培養するための光源を設置し、この光源の光を、水槽の前後面から海藻着生基質に着生した海藻種苗に照射するようにした海藻種苗の培養方法である。
第二の発明は、第一の発明において、前記水槽の前後面に正対するように設置した海藻種苗を培養するための光源として、LEDを用いた海藻種苗の培養方法である。
第三の発明は、第二の発明において、前記LEDを複数個用意し、水槽内に縦向きに配置した海藻着生基質の表面に着生した海藻種苗それぞれに対して、用意した複数個のLEDを海藻種苗一つ一つに相対するように配置した海藻種苗の培養方法である。
第四の発明は、第二及び第三の発明において、前記LEDにあっては、光の波長が異なる複数色のLEDを一組とすると共に、予め実験において複数色のLEDにおける海藻種苗の種類及び生長段階に応じた最適な培養を可能とする培養データを求めて、この実験において求めた培養データに基づいて複数色のLEDの中から海藻種苗の種類及び生長段階に応じて単独あるいは組み合わせによる最適となるLEDの最適培養条件を決定し、この決定したLEDの最適培養条件に基づいて海藻種苗を培養するようにした海藻種苗の培養方法である。
本発明によれば、水槽を前後幅が狭い縦長のスリムタイプとし、海藻種苗を表面に着生した海藻着生基質を、当該海藻着生基質の表面が水槽の前後面に向くように水槽内に縦向きに配置すると共に、水槽の前後面に正対するように海藻種苗を培養するための光源を設置し、この光源の光を、水槽の前後面から海藻着生基質の表面に着生した海藻種苗に照射するようにしたことで、水槽やその側面に設置する光源等をコンパクトなものにすることができ、これにより、作業場所の水平方向の省スペース化を図ることができ、しかも、これら作業設備のコンパクト化も図ることができる。
また、海藻種苗を培養するための光源にLEDを用いると共に、このLEDを複数個用意し、水槽内に縦向きに配置した海藻着生基質の表面に着生した海藻種苗一つ一つに複数個のLEDを相対するように配置することで、このLEDの光を、海藻着生基質に着生した海藻種苗すべてに均一にかつ無駄なく照射することができ、海藻種苗の生長するスピードを均等にすることにより、大量の海藻種苗を培養する場合でも、効率良く培養することができる。これにより、効率的な海藻種苗の大量培養による低コスト化を実現することができる。
さらに、光の波長が異なる複数色のLEDを一組とし、予め実験において複数色のLEDにおける海藻種苗の種類及び生長段階に応じた最適な培養を可能とする培養データを求めて、この培養データに基づいて最適となるLEDの最適培養条件を決定し、この決定したLEDの最適培養条件に基づいて海藻種苗を培養するようにしたことで、海藻種苗の生長を常に良好にコントロールすることができ、海藻種苗の生長期間を従来と比べて大幅に短縮することができ、海藻種苗の培養における更なる効率化を図ることができる。
海藻種苗の生長段階を示す説明図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における水槽の正面図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における水槽の右側面図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における水槽の斜視図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における海藻種苗を着生させた海藻着生基質の斜視図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における水槽内に海藻着生基質を配置した状態を示す上面図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における水槽及び光源を設置した状態を示す斜視図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における水槽及び光源を設置した状態を示す斜視図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における水槽内に配置した海藻着生基質への光の照射状態を示す上面図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における光源のLEDを示す説明図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における水槽及び光源を複数設置した状態を示す説明図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における別の海藻着生基質の正面図である。 本発明の海藻種苗の培養方法における水槽内に別の海藻着生基質を配置した状態を示す斜視図である。 従来の海藻種苗を培養するための水槽内に海藻着生基質を配置した状態を示す斜視図である。 従来の海藻種苗を培養するための作業状態を示す説明図である。
本発明による海藻種苗の培養方法の一実施形態について説明する。
本発明の海藻種苗の培養方法を用いることのできる海藻としては、ウガノモク、フシスジモク、ヨレモク、スギモク、ヤツマタモク、ノコギリモク、アカモク等のホンダワラ類、ホソメコンブ、マコンブ、ガゴメ等のコンブ類、ワカメ等、その他のほぼすべての海藻である。また、ここで言う海藻種苗とは、図1に示すように、海藻における受精卵の段階、幼胚の段階、幼体の段階、そして若い藻体の段階のものである。
まず、海藻種苗1を培養するための培養水2を入れた水槽3を備え、この水槽3に入れる培養水2としては基本的には海水である。そして、図2、図3、図4に示すように、水槽3は、高さが高く、左右長も長いが、前後幅が狭い縦長のスリムタイプで、その容量が400L(リットル)程度のものである。ただし、容量については、これに限定されるものではない。また、水槽3は幅が狭くても、その内部に後述する海藻種苗1を着生した海藻着生基質5を配置可能にする。さらに、水槽3は上部に蓋4を設けると共に、光が通るようにするために全体を透明にしている。
一方、海藻種苗1を海藻着生基質5の表面に着生し、この海藻種苗1を着生した海藻着生基質5を複数用意する。この海藻着生基質5に着生した海藻種苗1としては、ホンダワラ類の一種であるウガノモクの幼体である。この海藻着生基質5は、図5に示すように、糸を撚ってつくった撚り糸6と、この撚り糸6を通す穴7を複数設けて撚り糸6を取り付けるようにした合成樹脂製の平板状のベースプレート8とから成り、この海藻着生基質5へのウガノモクの幼体の着生は、撚り糸6の撚った糸の間にウガノモクの幼体を挟み込むようにして着生し、このウガノモクの幼体を着生した撚り糸6をベースプレート8に設けた複数の穴7にわたって通すことにより、ベースプレート8に、ウガノモクの幼体を着生した撚り糸6を取り付けることで、海藻着生基質5にウガノモクの幼体を着生するようにしている。
そして、ウガノモクの幼体を着生した海藻着生基質5を縦横に平面状に配列し、この平面状に配列した複数の海藻着生基質5を、前記水槽3内に縦向きに配置することで、海藻着生基質5の表面が水槽の前後面に向くようになる。これは、水槽3内の前後中央に左右方向にわたって複数本の断面略H形のガイド柱9を所定の間隔で立設し、この左右隣り合うガイド柱9間にウガノモクの幼体を着生した海藻着生基質5を縦向きにして嵌め込むように入れてゆくことで、水槽3内にウガノモクの幼体を着生した藻着生基質5を縦向きに複数配置し、これを左右においても同じように行うことにより、水槽2内において、海藻着生基質5を縦横に平面状に配列しつつ、この平面状に配列した複数の海藻着生基質5を縦向きに配置する。
このとき、図6に示すように、2つの海藻着生基質5を背中合わせにして水槽3内に配置してゆくことにより、水槽3の前面3fと後面3bとに海藻着生基質5の表面に着生したウガノモクの幼体がそれぞれ向く、すなわち海藻着生基質5の表面が水槽の前後面に向くようになる。これにより、例えば、ウガノモクの幼体を着生した海藻着生基質5を縦に5個、左右方向である横に5個配置し、これを水槽3の前面3fと後面3bそれぞれに向くように配置することで、合計50個の海藻着生基質5を水槽3内に縦向きに配置することができる。
そして、この縦向きに複数配置したウガノモクの幼体を着生した海藻着生基質5の表面が向く水槽3の前後面に正対するように海藻種苗1を培養するための光源10を設置し、この光源10の光を、水槽3の前後面から海藻着生基質5に着生したウガノモクの幼体に照射するようにする。この光源としては、LED11を用いる。なお、この光源10についてはLED11に限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、複数本の直管型の蛍光灯12を用いるようにしても良い。
この光源10にLED11を用いた場合について説明する。まず、LED11を複数個用意し、水槽3内に縦横に平面状に配列して縦向きに配置した複数の海藻着生基質5の表面に着生したウガノモクの幼体それぞれに対して、用意した複数個のLED11をウガノモクの幼体一つ一つに相対するように配置する。これは、図8に示すように、水槽3の高さ及び左右長さよりも若干小さな大きさの取り付け用ボード13を2枚備え、この取り付け用ボード13に複数個のLED11を縦横所定の間隔で取り付ける。そして、図9に示すように、複数個のLED11を取り付けた取り付け用ボード13を、水槽3の前後面に正対するように設置することにより、取り付け用ボード13に取り付けた複数個のLED11が水槽3内に縦横に平面状に配列して縦向きに配置した複数の海藻着生基質5の表面に着生したウガノモクの幼体一つ一つに相対するように配置されるようになる。
このように複数個のLED11を水槽3内に縦向きに配置した海藻着生基質5の表面に着生したウガノモクの幼体一つ一つに相対するように配置したことで、LED11の光における指向性が高いといった特性によって、LED11の光を、すべての海藻着生基質5に着生したウガノモクの幼体に均一にかつ無駄なく照射することができ、エネルギー効率の良い省エネルギー化を図ると共に、海藻種苗1の生長するスピードを均等にすることができる。なお、複数個のLED11をウガノモクの幼体一つ一つに相対するように配置していたが、LED11の光をある程度均一に照射できるのであれば、この代わりに、ウガノモクの幼体複数個、例えば4個のウガノモクの幼体に1個のLED11を相対するように配置し、1個のLED11の光を4個のウガノモクの幼体に照射するようにしても良い。
また、この取り付け用ボード13に取り付けたLED11にあっては、図10に示すように、光の波長が異なる複数色のLEDを一組にして、例えば、赤色LED11r、青色LED11b、緑色LED11g、白色LED11wといった光の波長が異なる4色のLEDを一組にして取り付けるようにしている。これら4色のLEDそれぞれの光の波長は、一般的には、赤色LED11rが660nm前後、青色LED11bが450nm前後、緑色LED11gが520nm前後、白色LED11wが445nm前後及び555nm前後である。
そして、この複数色のLEDにおいて、海藻種苗1の種類及び生長段階に応じた最適な培養を可能とする培養データを予め実験において求める。これは、本願の発明者らが鋭意研究を重ねた結果、ウガノモク、フシスジモク、ヨレモク、スギモク、ヤツマタモク、ノコギリモク、アカモク等のホンダワラ類、ホソメコンブ、マコンブ、ガゴメ等のコンブ類、ワカメ等の種類に応じて、また、その受精卵、幼胚、幼体、若い藻体といった生長段階に応じて、照射する光の波長によって海藻種苗1の生長するスピードが異なるということを見つけた。
そこで、これらすべての種類、生長段階において、海藻種苗1の生長するスピードが最も早くなる光の波長を予め実験にて見つけ出し、これを海藻種苗1の種類及び生長段階に応じた最適な培養を可能とするための培養データとして求めておく。なお、この培養データには、培養水2の温度や照射時間等といったことも加味する。
そして、この予め実験において求めた培養データに基づいて、赤色LED11r、青色LED11b、緑色LED11g、白色LED11wといった光の波長が異なる4色のLEDの中から海藻種苗1の種類及び生長段階に応じて単独あるいは組み合わせによる最適となるLEDを選択し、例えば、赤色LED11rを単独で、あるいは赤色LED11rと白色LED11wを組み合わせるといったようにする。そして、この選択したものを最適となるLED11の最適培養条件として決定し、この決定したLED11の最適培養条件に基づいてLED11の光を照射して、ウガノモクの幼体を培養し、要するに、海藻種苗1を培養するようにする。なお、赤色LED11r、青色LED11b、緑色LED11g、白色LED11wといった光の波長が異なる4色のLEDを用いることにより、これらを単独あるいは組み合わせることで、430nm前後から680nm前後までの所望の光の波長を作り出すことができる。
このように予め実験において求めた培養データに基づいて最適となるLED11の最適培養条件を決定し、この決定したLED11の最適培養条件に基づいて海藻種苗1を培養するようにしたことにより、海藻種苗1の生長を良好にコントロールすることができる。例えば、ウガノモクの幼体の場合、従来の培養方法では生長期間が約4〜5ヶ月かかっていたのを、2〜3ヶ月に短縮することができる。また、そのときのコストも光源にLED11を用いることで、消費電力を50%削減し、全体で40〜50%削減することができる。また、コンブの幼体の場合、従来の培養方法では生長期間が約60日かかっていたのを、30〜40日に短縮することができる。すなわち、海藻種苗1の生長期間を従来と比べて大幅に短縮することができる。
また、このように水槽3を前後幅が狭い縦長のスリムタイプとし、海藻種苗1を表面に着生した海藻着生基質5を、当該海藻着生基質5の表面が水槽3の前後面に向くように水槽3内に縦向きに配置すると共に、水槽3の前後面に正対するように海藻種苗1を培養するためのLED11を用いた光源10を設置したものにおいて、さらに効率的な海藻種苗1の大量培養を可能にするため、例えば、図11に示すように、上下多段に、そして、前後、左右それぞれ複数設置することにより、狭いスペースでの効率の良い海藻種苗1の培養を可能にし、要するに作業場所の省スペース化及び作業設備全体のコンパクト化を図って海藻種苗1の大量培養をさらに良好に行えるようにしても良い。
以上のように、水槽3を前後幅が狭い縦長のスリムタイプとし、これを複数設置するようにしたことで、海藻種苗1の大量培養における水槽3の分散化・小型化をすることができ、例えば、大きな水槽で海藻種苗1の大量培養を行うと、コンタミネーション(汚染)が起きた場合、水槽全体に発生してしまい海藻種苗1すべてに悪影響を及ぼす危険があるが、水槽3の分散化・小型化をしておくことで、コンタミネーション(汚染)が起きても、その水槽3のみで、他の水槽3に悪影響を及ぼす危険がなく、海藻種苗1の大量培養にあっては、それを良好に行える。
次に、本発明による海藻種苗の培養方法の別の実施形態について説明すると、基本的には前述した実施形態と同じであるが、水槽3内に縦向きに配置する海藻着生基質5及びこの海藻着生基質5の表面に着生する海藻種苗1が前述した実施形態のものと異なる。
まず、海藻種苗1としては、マコンブであり、このマコンブにおける受精卵、幼胚、幼体の段階のものである。そして、水槽3は、前述の実施形態と同様、前後幅が狭い縦長のスリムタイプである。
一方、この水槽3内に縦向きに配置する海藻着生基質5としては、図12に示すように、水槽3の高さ及び左右長さよりも若干小さな大きさで断面逆T字形となる合成樹脂製のプレート15と、このプレート15に隙間なく縦方向に巻き付ける糸を撚ってつくった撚り糸16とから成り、プレート15の両端が水槽3の左右において固定されている。そして、この海藻着生基質5へのマコンブの受精卵の着生は、マコンブの受精卵をプレート15に縦方向に巻き付けた撚り糸に直接着生するようにしている。
そして、マコンブの受精卵を着生した海藻着生基質5にあっては、マコンブの受精卵を直接着生する撚り糸16とこの撚り糸16を巻き付けたプレート15とから成ることで、全体が略平板状となり、水槽3内に縦向きに配置する。これにより、水槽3の前面3fと後面3bとに海藻着生基質5の表面に着生したマコンブの受精卵がそれぞれ向く、すなわち海藻着生基質5の表面が水槽3の前後面に向くようになる。
そして、前述の実施形態と同様、図13に示すように、この縦向きに配置したマコンブの受精卵を着生した海藻着生基質5の表面が向く水槽3の前後面に正対するように海藻種苗1を培養するための光源10であるLED11を設置し、このLED11の光を、水槽3の前後面から海藻着生基質5の表面に着生したマコンブの受精卵に照射するようにし、マコンブにおいて、受精卵から幼胚、幼胚から幼体へと生長させる。
1…海藻種苗、2…培養水、3…水槽、3f…前面、3b…後面、4…蓋、5…海藻着生基質、6…撚り糸、7…穴、8…ベースプレート、9…ガイド柱、10…光源、11…LED、11r…赤色LED、11b…青色LED、11g…緑色LED、11w…白色LED、12…蛍光灯、13…取り付け用ボード、15…プレート、16…撚り糸、21…海藻種苗、22…培養水、23…水槽、24…蓋、25…海藻着生基質、26…ベース板、27…光源、28…蛍光灯

Claims (4)

  1. 海藻種苗1を培養するための培養水2を入れた前後幅が狭い縦長のスリムタイプの水槽3を備えると共に、
    海藻種苗1を海藻着生基質5の表面に着生し、この海藻種苗1を表面に着生した海藻着生基質5を、当該海藻着生基質5の表面が水槽の前後面に向くように水槽3内に縦向きに配置し、
    この縦向きに配置した海藻着生基質5の表面が向く水槽の前後面に正対するように海藻種苗1を培養するための光源10を設置し、この光源10の光を、水槽3の前後面から海藻着生基質5の表面に着生した海藻種苗1に照射するようにしたことを特徴とする海藻種苗の培養方法。
  2. 前記水槽3の前後面に正対するように設置した海藻種苗1を培養するための光源10として、LED11を用いたことを特徴とする請求項1記載の海藻種苗の培養方法。
  3. 前記LED11を複数個用意し、水槽3内に縦向きに配置した海藻着生基質5の表面に着生した海藻種苗1それぞれに対して、用意した複数個のLED11を海藻種苗1一つ一つに相対するように配置したことを特徴とする請求項2記載の海藻種苗の培養方法。
  4. 前記LED11にあっては、光の波長が異なる複数色のLEDを一組とすると共に、
    予め実験において複数色のLEDにおける海藻種苗1の種類及び生長段階に応じた最適な培養を可能とする培養データを求めて、この実験において求めた培養データに基づいて複数色のLEDの中から海藻種苗1の種類及び生長段階に応じて単独あるいは組み合わせによる最適となるLED11の最適培養条件を決定し、この決定したLED11の最適培養条件に基づいて海藻種苗1を培養するようにしたことを特徴とする請求項2及び3記載の海藻種苗の培養方法。
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