JP5930307B2 - 流動性と溶解性に優れるパラスチレンスルホン酸ナトリウム、及びその製造方法 - Google Patents

流動性と溶解性に優れるパラスチレンスルホン酸ナトリウム、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、流動性と溶解性に優れるパラスチレンスルホン酸ナトリウム、並びにその製造方法に関する。即ち、適度な粒径で低水分のパラスチレンスルホン酸ナトリウムであり、流動性および溶解性に優れたパラスチレンスルホン酸ナトリウム、並びにその製造方法に関するものである。
パラスチレンスルホン酸ナトリウムに代表されるパラスチレンスルホン酸(塩)は、分子内にラジカル重合性ビニル基、π電子を有する疎水性のベンゼン環、及び強電解質であるスルホン酸(塩)基を有する機能性モノマーであり、産業上の様々な分野で重用されている。例えば、エマルジョン重合において、エマルジョンの安定性、及び(エマルジョン)ポリマーの耐水性やカチオン染料染色性を向上させるため、反応性乳化剤として使用されている。また、パラスチレンスルホン酸ナトリウムの重合体や共重合体は、顔料、酸化防止剤、各種ポリマー(粘着付与樹脂、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸エステル、ポリエステル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリシリコーン、導電性ポリマーなど)、ナノカーボン材料、熱間鍛造離型剤や研磨材用のシリカ粒子、電池電極材料(カーボン、リン酸鉄リチウム、リン酸マンガンリチウムなど)、写真用ハロゲン化銀などの各種水性分散体を製造するための分散剤として使用されている。さらに、パラスチレンスルホン酸(塩)の重合体は、アイロン剤などの衣料仕上げ用の合成糊、ヘアケア用品、帯電防止剤、レジスト酸発生剤、水処理剤、アレルゲン補足剤、イオン交換樹脂、メッキ液添加剤、半導体やハードディスク製造用の洗浄剤、シェールオイル採掘用流体の添加剤として利用されている。
従来から、パラスチレンスルホン酸ナトリウムは、β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸と水酸化ナトリウムとの反応によって製造できることが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1には、窒素雰囲気下、反応器に重合禁止剤として微量の亜硝酸ナトリウムを含む水酸化ナトリウム水溶液を仕込み、ここへβ−ブロモエチルベンゼンスルホン酸を滴下しながら90℃で反応させ、パラスチレンスルホン酸ナトリウムの結晶を得た後、冷却、遠心濾過、及び強制流動してパラスチレンスルホン酸ナトリウムの半水和物を製造する方法が記載されている。パラスチレンスルホン酸ナトリウムの粒径については、通常、数μm〜数mmであると記載されているのみであり、実測値の記載はない。現在、市場に流通しているものと同程度の粒径、即ち、20μm程度のメジアン径を有するものと推測される。また、粒径、水分、溶解性、及び流動性の関係については一切言及されていない。
特許文献2には、反応器に重合禁止剤として微量の亜硝酸ナトリウムを含む水酸化ナトリウム水溶液、及びβ−ブロモエチルベンゼンスルホン酸をそれぞれ同時にフィードしながら90℃で反応させ、生成したパラスチレンスルホン酸ナトリウム結晶スラリーを連続的に抜出し、遠心濾過、及び強制流動してパラスチレンスルホン酸ナトリウムの半水和物を製造する方法が記載されている。パラスチレンスルホン酸ナトリウムの形状は鱗片状であり、粒径の実測値は160μm〜760μmと記載されている。また、特許文献1と同様、粒径、水分、溶解性、及び流動性の関係については一切言及されていない。
しかしながら、従来のメジアン径が25μm未満のパラスチレンスルホン酸ナトリウムは、プラントで大量使用する際、投入ホッパーの詰まりが発生するなど、取扱い性に課題があった。即ち、粉体としての流動性が不足していた。一方、パラスチレンスルホン酸ナトリウムのメジアン径が150μmを超えると、流動性は良好だが、プラント使用の際、水への溶解速度が低下し、ストレーナーが閉塞するなどの問題があった。即ち、パラスチレンスルホン酸ナトリウムの溶解性を損なうことなく、流動性が向上したパラスチレンスルホン酸ナトリウムが求められていた。
また近年、上記した半導体、ハードディスク製造用の洗浄剤、導電性ポリマー用の分散剤、写真用ハロゲン化銀乳剤など、特に電子材料用途において、パラスチレンスルホン酸(塩)及びパラスチレンスルホン酸(塩)重合体に含まれる臭化ナトリウム、未反応β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸及びパラスチレンスルホン酸ナトリウムの核臭素化物など、余剰の金属や臭素分など、不純物の低減が求められている。臭化ナトリウムなどの不純物は、水性溶媒による洗浄や再結晶によって低減できることが知られている(例えば、特許文献3)。特許文献3には純度が記載されているが、ハロゲン化アルカリ金属の含量は不明瞭であり、その他の不純物に関する記載は一切ない。また、精製前のパラスチレンスルホン酸ナトリウムの粒径が、精製効率、即ち精製後の純度に及ぼす影響については一切言及されていない。
特許第3601222号公報 特許第3890642号公報 特公昭58−22477号公報
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、メジアン径が25.00〜150.00μm、10.00μm未満の小粒が10.00%以下である、流動性、溶解性に優れたパラスチレンスルホン酸ナトリウムの粉体(粒子)を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の条件で製造されたメジアン径が25.00〜150.00μm、10.00μm未満の小粒が10.00%以下のパラスチレンスルホン酸ナトリウムが、流動性と溶解性のバランスに優れ、さらに、水性溶媒を用いて当該パラスチレンスルホン酸ナトリウムを精製し、高純度化する際に、極めて効率よく精製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、レーザー回折・散乱式粒度分析計で測定したメジアン径が25.00〜150.00μm、10.00μm未満の小粒が10.00%以下の粒子であって、水分が10.00wt%以下、及び安息角が55度以下であることを特徴とするパラスチレンスルホン酸ナトリウムに関する。
本発明のパラスチレンスルホン酸ナトリウムとしては、溶解性、流動性、及び精製効率の観点から、さらに、レーザー回折・散乱式粒度分析計で測定したメジアン径が40.00〜90.00μm、10.00μm未満の小粒が3.00%以下の粒子であって、水分が8.00wt%以下、及び安息角が50度以下であることが好ましい。
また、本発明のパラスチレンスルホン酸ナトリウムは、純度の観点から、臭化ナトリウム含量が0.20wt%以下であることが好ましい。
次に、本発明は、反応釜へ水酸化ナトリウムとβ−ブロモエチルベンゼンスルホン酸を一定速度で同時フィードし、パラスチレンスルホン酸ナトリウムを製造する方法において、反応釜内の水酸化ナトリウム濃度(フィードした全水酸化ナトリウムの重量/反応釜内の全反応液重量×100)を10.00〜20.00wt%に保ち、かつ、β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸濃度〔(フィードした全β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸の重量/反応釜内の全反応液重量)×100〕を、1〜7時間かけて0.00wt%から30.00〜50.00wt%に増加させるように制御しながら、60〜110℃で1〜7時間反応晶析させ、固液分離して得られた湿潤ケーキを強制流動することを特徴とする、上記パラスチレンスルホン酸ナトリウムの製造方法に関する。
本発明により、粒径を制御することによって、良好な溶解性を維持したまま、従来の課題だった流動性が向上したパラスチレンスルホン酸ナトリウムが提供される。さらに、本発明の粒径が制御されたパラスチレンスルホン酸ナトリウムは、再結晶精製などによる高純度化に際して、精製効率が優れる。
実施例1のパラスチレンスルホン酸ナトリウムのマイクロトラック粒径分布を示す。 実施例1のパラスチレンスルホン酸ナトリウムの走査型電子顕微鏡像〔倍率500倍〕を示す。 比較例1のパラスチレンスルホン酸ナトリウムのマイクロトラック粒径分布を示す。 比較例1のパラスチレンスルホン酸ナトリウムの走査型電子顕微鏡像〔倍率500倍〕を示す。 実施例1で得た(及び実施例4で使用した)パラスチレンスルホン酸ナトリウムのHPLCクロマトグラフィーであり、図5中、縦軸はピーク強度(検出器の吸収強度であり、単位は任意)を示し、横軸は溶出時間(単位は分)を示す。 実施例の安息角測定に用いられる安息角測定装置と、これに用いられる分度器、および電子上皿天秤の構成図である。
本発明のパラスチレンスルホン酸ナトリウムの最大の特徴は粒径と水分にある。一般に、パラスチレンスルホン酸ナトリウム(下記の「化1」中のMがナトリウムの場合)は下記の方法で製造されており、その形状と粒径は、主としてビニル化工程(反応晶析)の条件によって左右されると考えられる。
化学原料として、パラスチレンスルホン酸ナトリウムを工場で大量使用する際、メジアン径が25.00μm未満と小さい場合、水への溶解性は良好だが、流動性が不足し、原料投入ホッパーの目詰まりが起り易くなり、一方、メジアン径が150.00μmを超えると、流動性は良好となるが、水への溶解速度が著しく低下し、ストレーナーの目詰まりが起り易くなることを見出した。
また、本発明者らは、パラスチレンスルホン酸ナトリウムのメジアン径が25.00μm未満、又は10.00μm未満の小粒が10.00%を超える場合、水性溶媒を用いて当該パラスチレンスルホン酸ナトリウムを洗浄、又は再結晶精製する際、濾過性(液切れ性)が低下し、効率良く精製できないことを見出した。
かくて、本発明は、レーザー回折・散乱式粒度分析計で測定したメジアン径が25.00〜150.00μm、10.00μm未満の小粒が10.00%以下の粒子であって、水分が10.00wt%以下、及び安息角が55度以下であることを特徴とするパラスチレンスルホン酸ナトリウムである。流動性と溶解性のバランスの面から、メジアン径が40.00〜90.00μm、10.00μm未満の小粒が3.00%以下、水分が8.00wt%以下、及び安息角が50度以下であるのがさらに好ましい。
上記のように、パラスチレンスルホン酸ナトリウムのメジアン径が25.00μm未満、又は10.00μm未満の小粒が10.00%を超える場合、水性溶媒を用いて当該パラスチレンスルホン酸ナトリウムを洗浄、又は再結晶精製する際、濾過性(液切れ性)が低下し、効率良く精製できない。一方、150.0μmを超えると、(水分が少なくなる結果)流動性は良好であり、水性溶媒を用いて洗浄、又は再結晶精製する際の濾過性も良好であるが、溶解性が劣る。
ここで、上記メジアン径を25.00〜150.00μm、好ましくは40.00〜90.00μmの範囲に調整するには、上記反応晶析条件、即ち原料であるβ−ブロモエチルベンゼンスルホン酸と水酸化ナトリウムのフィード条件と反応温度を調整することにより、晶析速度を制御すればよい。
また、10.00μm未満の小粒を10.00%以下、好ましくは3.00%以下にするには、上記した方法によって、メジアン径が25.00μm以上となるように制御すれば良く、必然的に10.00μm未満の小粒は減少する。
本発明のパラスチレンスルホン酸ナトリウムは、上記特定範囲のメジアン径を有する粒子であるが、「楕円盤状二次粒子」であることが好ましい。ここで、「楕円盤状二次粒子」とは、図2の電子顕微鏡写真に示したような楕円盤状の粒子であり、多数のパラスチレンスルホン酸ナトリウム半水和物の結晶(一次粒子)が物理的な力で凝集したものである。本発明のパラスチレンスルホン酸ナトリウムにおいて、得られる粒子が「楕円盤状二次粒子」となることは詳らかではないが、反応晶析中の晶析速度や撹拌条件、及び後記する強制流動などの物理的な力が上記一次粒子に作用して凝集することによるものと考えられる。
パラスチレンスルホン酸ナトリウムは、保存安定性が優れる理由で半水和物が好ましく、100%純度のパラスチレンスルホン酸ナトリウム半水和物中の水分(結晶水)は、理論上4.18wt%である。従って、4.18wt%を超える水分は付着水である。パラスチレンスルホン酸ナトリウムのメジアン径が小さいほど、トータル表面積の増大によって付着水が増加する結果、流動性が低下し、一方、メジアン径が大きいほど、トータル表面積の低減によって付着水が減少する結果、流動性が良好になったと考えられる。付着水の増加は、流動性の低下のみならず、パラスチレンスルホン酸ナトリウムの純度(製品有姿重量当たりのパラスチレンスルホン酸ナトリウム含量)低下を意味するので、実用上好ましくない。
この点から、本発明のパラスチレンスルホン酸ナトリウムは、水分が10.00重量%以下、好ましくは8.0重量%以下、さらに好ましくは4.5〜7.0重量%の半水和物である。水分が10重量%を超えると、パラスチレンスルホン酸ナトリウムの粒径に関わらず流動性が低下し、また、有姿製品の純度低下を意味するので好ましくない。このように、本発明のパラスチレンスルホン酸ナトリウムを水分が10%以下の半水和物として得るには、上記反応晶析条件、即ち原料であるβ−ブロモエチルベンゼンスルホン酸と水酸化ナトリウムのフィード条件と反応温度を調整し、晶析速度を制御することによって、メジアン径が25.00μm以上となるようにすればよい。
また、本発明のパラスチレンスルホン酸ナトリウムは、後記で定義される安息角が55度以下、好ましくは50度以下である。55度を超えると、流動性が劣るものとなる。安息角が55度以下であると、流動性に優れ、工場で大量使用する際に、ホッパーでの目詰まりなどのトラブルが解消され好ましい。安息角を小さくするためには、粉体の流動性を高くすればよい。流動性とパラスチレンスルホン酸ナトリウム粉体の構造、組成との関係は必ずしも明らかではないが、粉体中の水分の影響が大きいと考えられる。即ち、粉体の粒径が小さいほど、全表面積の増大によって水分が増大する結果、流動性が低下するものと考えられ、水分は上記した粒径制御により調整することができる。
なお、本発明のパラスチレンスルホン酸ナトリウムの水への溶解性(後記「溶解速度の測定」を参照)は、好ましくは200秒以下、さらに好ましくは160秒以下である。溶解性が高すぎることによる弊害はないが、200秒を超えると、化学原料としてパラスチレンスルホン酸ナトリウムを工場で大量使用する際に、生産性が低下したり、ストレーナーの目詰まりなどのトラブルが起り易くなり好ましくない。この溶解性は、上記した粒径制御により調整することができる。
次に、本発明のパラスチレンスルホン酸ナトリウムの製造法について説明する。パラスチレンスルホン酸ナトリウムの製造法は、特に限定するものではないが、例えば、反応釜内の水酸化ナトリウム濃度〔(フィードした全水酸化ナトリウムの重量/反応釜内の全反応液重量)×100〕を10.00〜20.00wt%に保ち、かつ、β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸濃度〔(フィードした全β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸の重量/反応釜内の全反応液重量)×100〕を、1〜7時間かけて0.00wt%から30.00〜50.00wt%まで増加させるようにフィードしながら、60〜110℃で1〜7時間反応晶析させることが重要である。生成したパラスチレンスルホン酸ナトリウムのスラリーを、好ましくは10〜40℃まで冷却後、例えば遠心濾過器で固液分離して、パラスチレンスルホン酸ナトリウムの湿潤ケーキを得る。次いで、当該湿潤ケーキを一軸のスクリュー式ブレンダーを用いて、例えば20〜40℃で5〜30分強制流動させることにより、本発明のパラスチレンスルホン酸ナトリウムの半水和物を製造することができる。
全反応液中の濃度が20wt%を超える水酸化ナトリウム水溶液に、例えば、濃度70wt%のβ−ブロモエチルベンゼンスルホン酸をフィードすると(例えば、特許第3601222号公報)、得られるパラスチレンスルホン酸ナトリウム結晶が小さくなりすぎるため、水分が多く、流動性が劣るパラスチレンスルホン酸ナトリウム半水和物が得られる。また、水性溶媒を用いて洗浄又は再結晶精製する際、固液分離性が低下して精製効率が悪化する。一方、全反応液中の水酸化ナトリウム濃度が20wt%以下であっても、β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸のフィード速度が速すぎる場合(特許第3890642号公報)、例えば、フィード開始1時間以内に全反応液中のβ−ブロモエチルベンゼンスルホン酸濃度が40wt%を超えると、得られるパラスチレンスルホン酸ナトリウム結晶が大きくなりすぎるため、流動性は良好だが溶解性が悪いパラスチレンスルホン酸ナトリウム半水和物が得られる。
本発明で製造されるパラスチレンスルホン酸ナトリウムは、反応晶析条件の改良によって、粒径を制御したものであり、優れた溶解性を維持したまま、流動性が向上しているため、取扱い性が良く、さらに、高純度なパラスチレンスルホン酸ナトリウムを効率よく製造できるため、上記した産業分野において利用価値が高い。
なお、本発明は、パラスチレンスルホン酸ナトリウム(以下「PSSナトリウム」ともいう)中の不純物でとしては、臭化ナトリウムが2.50wt%未満であり、(a)オルソスチレンスルホン酸ナトリウム、(b)β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、(c)メタスチレンスルホン酸ナトリウム、(d)ブロモスチレンスルホン酸ナトリウム、(e)β−ヒドロキシエチルベンゼンスルホン酸ナトリウムの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で求めたピーク面積比が、各々(a)≦0.40%、(b)≦4.00%、(c)≦8.00%、(d)≦0.10%、及び(e)≦0.80%(ただし、パラスチレンスルホン酸ナトリウムと(a)〜(e)ピーク面積の総和は100)であることが好ましい。
通常、市販のパラスチレンスルホン酸ナトリウムは、主要不純物である臭化ナトリウム(上記式においてM=ナトリウムの場合)の他に、未反応臭素化中間体、有機異性体が不純物として含まれる。本発明の製造方法や下記に示す精製方法により、これらの不純物を低減することができる。
パラスチレンスルホン酸ナトリウムに含まれる不純物としては、主要不純物である臭化ナトリウムの他に、(a)オルソスチレンスルホン酸ナトリウム、(b)β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、(c)メタスチレンスルホン酸ナトリウム、(d)ブロモスチレンスルホン酸ナトリウム、(e)β−ヒドロキシエチルベンゼンスルホン酸ナトリウムが含まれる。
本発明者らは、本発明の上記の製造方法、あるいは上記不純物を含むパラスチレンスルホン酸ナトリウムを水性溶媒に一部溶解し、再結晶する方法、純水で洗浄する方法又は反応温度などの製造条件をコントロールすることにより、臭化ナトリウムが2.50wt%未満、好ましくは0.20wt%以下であり、(a)オルソスチレンスルホン酸ナトリウム、(b)β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、(c)メタスチレンスルホン酸ナトリウム、(d)ブロモスチレンスルホン酸ナトリウム、(e)β−ヒドロキシエチルベンゼンスルホン酸ナトリウムの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で求めたピーク面積比が、各々(a)≦0.40%、(b)≦4.00%、(c)≦8.00%、(d)≦0.10%、及び(e)≦0.80%(ただし、パラスチレンスルホン酸ナトリウムと(a)〜(e)ピーク面積の総和は100)である高純度パラスチレンスルホン酸ナトリウムを製造することができることを見出した。
これらの不純物を除去する方法は、特に限定するものではないが、例えば、本発明の上記の製造方法、あるいはこれに加えて、パラスチレンスルホン酸ナトリウムを純水、又はアセトン、メタノール、イソプロパノールなどの水溶性溶媒と水の混合溶媒に投入し、40〜70℃で30〜1時間加熱、撹拌、一部溶解させた後、30分〜2時間かけて30℃以下まで冷却し、パラスチレンスルホン酸ナトリウムを洗浄、又は再結晶することによって、臭化ナトリウム、異性体、及びβ−ハロエチルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの主要不純物を低減できる。この操作を繰返すことにより、鉄以外の不純物を低減できる。この再結晶化の操作は1回以上、生産性やコストを考慮すると、好ましくは1〜3回である。
さらに具体的に上記この精製方法を示すと、例えばパラスチレンスルホン酸ナトリウムを、5〜6wt%濃度でメタノールに加熱溶解(通常、40〜50℃で10〜60分程度)し、ゆっくり常温〜10℃付近まで冷却することにより、パラスチレンスルホン酸ナトリウムの結晶を析出させた後、濾過、乾燥することによって、高純度パラスチレンスルホン酸ナトリウムを得ることができる。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるものではない。
なお、以下の実施例において、パラスチレンスルホン酸ナトリウムは以下の条件で分析した。
<試料中のスチレンスルホン酸ナトリウム分(純分)の定量>
酸化還元滴定法により、活性二重結合を定量し、試料中のスチレンスルホン酸ナトリウム含量(即ち、パラ体の他、オルソ、メタ体も含む)とした。
(1)器具及び装置
1)秤量瓶:直径50mm、深さ70mm
2)500ml、1000mlメスフラスコ
3)500ml共栓付三角フラスコ
3)電子化学天秤
(2)試薬
1)臭素液:臭化カリウム(KBr)22.00g、臭素酸カリウム(KBrO)3.00gを純水に溶解し、全体を1000mlとした。
2)硫酸水溶液(濃硫酸/純水体積比=1/1)
3)ヨウ化カリウム水溶液(200g/L)
4)0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液
5)でんぷん水溶液:6.00gのでんぷんを純水に溶解し、全体を1000mlとした。
(3)操作
1)試料20gを0.1mgの桁まで秤量瓶に秤取る。
2)500mlメスフラスコに純水で洗い移し、液量を約400mlとする。
3)磁気回転子を入れて撹拌し、試料を溶解する。
4)回転子を取り出し、純水で標線を合わせて振り混ぜ、検液とする。
5)純水200mlを入れた500ml共栓付三角フラスコに臭素液25mlを加える。
6)検液5mlを加えた後、硫酸水溶液10mlを加えて密栓し、20分間放置する。
7)ヨウ化カリウム水溶液10mlを素早く加えて10分間放置する。
8)チオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定し、溶液の黄色が薄くなってから、指示薬として、でんぷん溶液1mlを加え、生じたヨウ素でんぷんの青色が消えるまで滴定する。
9)別に空試験として、純水200mlを加えて共栓付三角フラスコに臭素液25mlを加え、ヨウ化カリウム水溶液10ml、硫酸水溶液10mlを素早く加え、8)の操作を行う。
(4)計算
次式によってスチレンスルホン酸ナトリウム含量を算出する。
A=100×[0.01031×(a−b)×f]/(S×5/500)
A:スチレンスルホン酸ナトリウム含量(%)
a:空試験に要したチオ硫酸ナトリウム水溶液(ml)
b:本試験に要したチオ硫酸ナトリウム水溶液(ml)
f:チオ硫酸ナトリウム水溶液の力価
S:試料量(g)
<水分の測定>
試料2gを0.1mgの桁まで秤量瓶(直径55mm×高さ30mm)に秤とり、乾燥機(105±5℃)で90分乾燥した。直ちにデシケータに移して室温まで冷却後、その質量を0.1mgの桁まで量り、次式から水分を算出した。
水分(wt%)=100×[(a−b)/S]
a=乾燥前の試料と秤量瓶の重量(g)、b=乾燥後の試料と秤量瓶の重量(g)、S=試料量(g)
<パラスチレンスルホン酸ナトリウム中の臭化ナトリウムの定量>
(1)試料の調製
試料20gを0.1mgの桁まで秤量瓶(50mmφ×70mm)に秤取り、500mlメスフラスコに純水で洗い移し、液量を約400mlとした。磁気撹拌子を入れて攪拌、溶解後、撹拌子を取出し、標線まで純水を加えて振り混ぜた。当該溶液5mlを100mlメスフラスコに正しく採取し、標線まで純水を加えて試料溶液とした。
上記試料溶液及び混合標準液(関東化学(株)製の標準液を用い、Br=5,000μg/100ml、Cl=500μg/100ml、SO=2,000μg/100mlとなるように調製)をイオンクロマトグラフに注入し、各ピーク面積から試料中の臭化ナトリウム量を算出した。
(2)測定条件
機種=東ソー社製、イオンクロマトグラフィーシステム8020
カラム=TSK−Gel IC−Anion−PW
カラム温度=40℃
試料注入量=100μl
流量=0.7ml
溶離液=フタル酸水素カリウム5gとアセトニトリル300mlに純水を加えてトータル3000mlに調製した。
(3)計算
次式によって臭化ナトリウム(NaBr)の含有量を算出した。
A=〔〔(5,000μg×1.288×a/b)+(500μg×2.899×c/d)〕/(S×5/500)〕×10−4
A:臭化ナトリウム(NaBr)の含有量(%)
a:試料面積(Br)
b:標準面積(Br)
c:試料面積(Cl)
d:標準面積(Cl)
S:試料量(g)
<HPLCによるパラスチレンスルホン酸ナトリウム中の不純物の分析>
パラスチレンスルホン酸ナトリウム(結晶水及び付着水を含む有姿の試料)試料を下記溶離液Aで溶解して濃度0.5mg/mlの溶液を調製し、HPLC分析を実施した。測定条件は以下の通りである。
機種=東ソー社製LC−8020
(デガッサー:SD−8022、ポンプ:CCPM−II、カラムオーブン:CO−8020、紫外可視検出器:UV−8020)
カラム=TSKgel ODS-80TsQA(4.6mm×25cm)
溶離液=
A液)水/アセトニトリル体積比=95/5+0.1wt%トリフルオロ酢酸
B液)水/アセトニトリル体積比=80/20+0.1wt%トリフルオロ酢酸
グラジエント条件=55分までA液100%、55分〜95分までB液100%
流量=0.8ml/min、UV検出条件=230nm、カラム温度=常温、注入量=20μl
各不純物(a)〜(e)の含有率は、パラスチレンスルホン酸ナトリウムと本条件で検出される(a)〜(e)のHPLCピーク面積の総和を100とした面積比である。
なお、HPLCで検出される各ピークは、予め下記の方法で同定した。
HPLCで検出される各成分を分取し、カチオン交換樹脂で処理してパラスチレンスルホン酸塩をスルホン酸型へ変換した後、スルホン酸基をジアゾメタンでメチルエステル化し、ガスクロマトグラフ質量分析(日立製作所製M−80B)、フーリエ変換赤外分析(パーキンエルマー社製、System2000)、有機元素分析(ヤナコ製、CHNコーダーMT−3)、及び核磁気共鳴分析(バリアン社製、VXR−300)を実施し、構造を決定した。
<形状観察>
電界放出形走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−4500)を用い、加速電圧15kVで観察した。
<粒径分布の測定>
試料0.55gとイソプロパノール15.0gを30mlガラス製サンプル瓶に採取し、超音波洗浄機で4分間処理してスラリーを調製後、レーザー回折・散乱式粒度分析計マイクロトラックHRA(日機装株式会社製)を用い、下記の条件で粒度分布測定を行なった。
Particle Transparency =Transp
Spherical Particles =No
Particle Refractive Index=1.55
Fluid Refractive Index =1.38
<安息角の測定>
(1)器具及び装置
1)安息角測定装置、2)分度器、および3)電子上皿天秤は、図6のとおりの構成とした。
(2)操作
1)試料80gを、装置のロートを通してシャーレ上に自然落下させる。
2)シャーレ上にできた円錐の頂角(a)を分度器で整数の桁まで読みとる。
3)この操作を3回繰り返し、円錐の頂角(a)の平均値を求める。
(3)計算
次式によって安息角を算出する。安息角が小さいほど流動性が優れる。
A=(180−a)/2
ここに、A:安息角(度)、a:円錐の頂角(度)
<溶解速度〔水への溶解性〕の測定>
25℃の恒温室で、20mlガラス製サンプルビン(外径27mm×深さ55mm)にパラスチレンスルホン酸ナトリウム粉体(不純物や水分を含む有姿)を1.00g精秤した後、純水9.00gを素早く加えた。その後、当該サンプル瓶の上下を1秒間に1サイクルの周期で逆転させ、パラスチレンスルホン酸ナトリウムが溶解するまでの時間を目視判定した。
実施例1
ジャケットを備えた攪拌機付のステンレス製反応器に、11.7wt%水酸化ナトリウム水溶液750KGと亜硝酸ナトリウム2.5KGを仕込み、90℃まで加熱し、同温度にて73wt%β-ブロモエチルベンゼンスルホン酸水溶液2,000KGと48wt%水酸化ナトリウム950KGとを一定速度で4時間かけ別々に導入し(反応釜内の水酸化ナトリウム濃度は、反応開始時の11.66wt%から反応開始4時間後(反応終了時)の14.69wt%まで徐々に増加、β-ブロモエチルベンゼンスルホン酸濃度は、反応開始時の0.00wt%から反応開始4時間後(反応終了時)の39.43wt%まで徐々に増加)、パラスチレンスルホン酸ナトリウムを反応晶析させ、そのスラリーを2時間かけて40℃まで冷却した。その後遠心分離によって固液分離した。分離は極めて容易であり、30分の振りきりで、スチレンスルホン酸ナトリウム含量が88.5wt%の高純度の湿潤ケーク940KGを得た。この湿潤ケークに対し一軸のスクリューブレンダーを用いて、40℃、20rpmの回転速度で60分間強制流動させた。得られたパラスチレンスルホン酸ナトリウムはメジアン径63.1μm、10.00μm未満の小粒1.50%、水分7.1wt%、安息角47度、及び水への溶解時間は160秒であった。比較例2に対して、僅かに流動性は劣るものの、溶解性は遥かに優れることから、流動性と溶解性のバランスが優れることが明らかである。
なお、臭化ナトリウムや有機不純物などの不純物の数値は、表1に示すとおりであった。
また、実施例1で得られたパラスチレンスルホン酸ナトリウムのマイクロトラック粒径分布を図1に、電子顕微鏡像を図2に、HPLCクロマトグラフィーを図5に示した。
実施例2
実施例1において、β-ブロモエチルベンゼンスルホン酸水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を一定速度4時間でフィードした代わりに、一定速度2.5時間でフィードした他は全て実施例1と同じ条件でパラスチレンスルホン酸ナトリウムを反応晶析させ(反応釜内の水酸化ナトリウム濃度は、反応開始時11.66wt%から反応開始2.5時間後(反応終了時)14.69wt%まで徐々に増加、β-ブロモエチルベンゼンスルホン酸濃度は、反応開始時の0.00wt%から反応開始2.5時間後(反応終了時)の39.43wt%まで徐々に増加)、そのスラリーを2時間かけて40℃まで冷却した。その後、遠心分離によって固液分離した。分離は極めて容易であり、30分の振りきりで、スチレンスルホン酸ナトリウム含量が88.9wt%の高純度の湿潤ケーク930KGを得た。この湿潤ケークに対し一軸のスクリューブレンダーを用いて、40℃、20rpmの回転速度で60分間強制流動させた。得られたパラスチレンスルホン酸ナトリウムはメジアン径110μm、10.00μm未満の小粒0.00%、水分6.1wt%、及び安息角は43度であった。水への溶解時間は200秒であり、比較例2と比較して、流動性と溶解性のバランスが優れることが明らかである。なお、臭化ナトリウムや有機不純物などの不純物の数値は、表1に示すとおりであった。
実施例3
実施例1において、β-ブロモエチルベンゼンスルホン酸水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を一定速度4時間でフィードした代わりに、一定速度5時間でフィードした他は全て実施例1と同じ条件でパラスチレンスルホン酸ナトリウムを反応晶析させ(反応釜内の水酸化ナトリウム濃度は、反応開始時11.66wt%から反応開始5時間後(反応終了時)14.69wt%まで徐々に増加、β-ブロモエチルベンゼンスルホン酸濃度は、反応開始時の0.00wt%から反応開始5時間後(反応終了時)の39.43wt%まで徐々に増加)、そのスラリーを2時間かけて40℃まで冷却した。その後、遠心分離によって固液分離した。分離は極めて容易であり、30分の振りきりで、スチレンスルホン酸ナトリウム含量が88.9wt%の高純度の湿潤ケーク950KGを得た。この湿潤ケークに対し一軸のスクリューブレンダーを用いて、40℃、20rpmの回転速度で60分間強制流動させた。得られたパラスチレンスルホン酸ナトリウムはメジアン径37μm、10.00μm未満の小粒3.1%、水分8.6wt%、及び安息角51度であった。水への溶解時間は140秒だった。比較例1及び3と比較して、僅かに溶解性が劣るものの、流動性は遥かに優れることから、流動性と溶解性のバランスが優れることが明らかである。
なお、臭化ナトリウムや有機不純物などの不純物の数値は、表1に示すとおりであった
実施例4(精製)
ジャケットを備えた攪拌機付のステンレス製反応器に、実施例1で得たパラスチレンスルホン酸ナトリウム1,000g、亜硝酸ナトリウム1.0g、苛性ソーダ20.0g、純水950.0gを仕込み、窒素雰囲気下、40℃で1時間撹拌した。その後、3時間かけて室温まで冷却後、遠心分離機で固液分離して、高純度パラスチレンスルホン酸ナトリウムの湿潤ケーキ898.0gを得た。
得られた精製後の高純度パラスチレンスルホン酸ナトリウムはメジアン径48μm、水分8.6wt%、安息角50度、及び10.00μm未満の小粒は2.5%であった。水への溶解時間は130秒だった。比較例1及び3と比較して、僅かに溶解性が劣るものの、流動性は遥かに優れることから、流動性と溶解性のバランスが優れることが明らかである。
また、上記パラスチレンスルホン酸ナトリウムの純度は89.1%、水分8.6wt%、臭化ナトリウム分は0.20wt%、異性体等の有機不純物は、(a)0.06%、(b)0.03%、(c)1.34%、(d)0.10%、(e)0.00%だった。
なお、精製前のパラスチレンスルホン酸ナトリウムの純度は88.5%、水分は7.1wt%、臭化ナトリウム分は2.10wt%、異性体等の有機不純物は、(a)0.16%、(b)0.43%、(c)2.64%、(d)0.12%、(e)0.48%(ただし、パラスチレンスルホン酸ナトリウムと(a)〜(e)ピーク面積の総和は100))であり、比較例3と比べて、精製度が高いことが明らかである。遠心濾過性が良く、固液分離がスムーズに進行したためと考えられる。
比較例1(粒径が小さいパラスチレンスルホン酸ナトリウム)
市販のパラスチレンスルホン酸ナトリウムを分析した結果、メジアン径19.8μm、10.00μm未満の小粒13.60%(図3にマイクロトラック粒径分布、図4に電子顕微鏡像を示した)、水分10.40wt%、及び安息角59度、水への溶解時間は130秒だった。また、臭化ナトリウムや有機不純物などの不純物の数値は、表1に示すとおりであった。実施例3及び4と比較して、溶解性は同等以上だが、流動性が劣り、水分も多い(パラスチレンスルホン酸ナトリウム含量が低い)ことが明らかである。
次いで、ジャケットを備えた攪拌機付のステンレス製反応器に、上記の市販パラスチレンスルホン酸ナトリウム1,000g、亜硝酸ナトリウム1.0g、苛性ソーダ20.0g、純水950.0gを仕込み、窒素雰囲気下、40℃で1時間撹拌した。その後、3時間かけて室温まで冷却後、遠心分離機で固液分離して、高純度パラスチレンスルホン酸ナトリウムの湿潤ケーキ897.0gを得た。
得られた精製後のパラスチレンスルホン酸ナトリウムは、メジアン径22.3μm、水分10.8wt%、安息角58度、及び10.00μm未満の小粒は3.1%であった。水への溶解時間は128秒だった(結果は表1にまとめた)。
また、上記パラスチレンスルホン酸ナトリウムの純度は85.5%、水分10.8wt%、臭化ナトリウム分は1.10wt%、異性体等の有機不純物は、(a)0.22%、(b)2.80%、(c)6.93%、(d)0.05%、(e)0.20%だった。
なお、精製前のパラスチレンスルホン酸ナトリウムの純度は83.4%、水分10.4wt%、臭化ナトリウム分は2.10wt%、異性体等の有機不純物は、(a)0.35%、(b)3.46%、(c)7.74%、(d)0.06%、(e)0.70%(ただし、パラスチレンスルホン酸ナトリウムと(a)〜(e)ピーク面積の総和は100)であり、実施例4と比べて、精製度が低いことが明らかである。遠心濾過性が悪く、固液分離がスムーズに進行しなかったためと考えられる。
比較例2(粒径が大きいパラスチレンスルホン酸ナトリウム)
ジャケットを備えた攪拌機付のステンレス製反応器に、反応温度60℃で、1時間当たり70wt%β-ブロモエチルベンゼンスルホン酸水溶液179KGと25wt%水酸化ナトリウム203KG(0.2wt%の亜硝酸ナトリウムを含有)とを別々に連続して導入し、パラスチレンスルホン酸ナトリウムを反応晶析させた(反応釜内の水酸化ナトリウム濃度は、反応開始から反応開始1時間後まで13.29wt%だが、β-ブロモエチルベンゼンスルホン酸濃度も、反応開始時から反応開始1時間後まで32.80wt%と高い)。晶析スラリーを5分毎に間欠的に連続して1時間当たり382KG抜出した。スラリーを2時間かけて40℃まで冷却し、遠心分離によって固液分離した。30分の振りきりで、スチレンスルホン酸ナトリウム含量が85.1wt%の湿潤ケークを得た。この湿潤ケークに対し一軸のスクリューブレンダーを用いて、40℃、20rpmの回転速度で60分間強制流動させた。得られたパラスチレンスルホン酸ナトリウムはメジアン径160μm、10μm未満の小粒0.00%、水分5.9wt%、及び安息角45度であった。しかし、水への溶解時間は270秒であり、実施例1及び2と比較して、溶解性が劣ることが明らかである。なお、臭化ナトリウムや有機不純物などの不純物の数値は、表1に示すとおりであった。
比較例3
ジャケットを備えた攪拌機付のステンレス製反応器に、35wt%水酸化ナトリウム1054KGと亜硝酸ナトリウム1.2KGを仕込み、90℃まで加熱し、窒素雰囲気中、撹拌下、70wt%β-ブロモエチルベンゼンスルホン酸水溶液1,012KGを一定速度3時間かけて導入し、パラスチレンスルホン酸ナトリウムを反応晶析させ(反応開始時の反応釜内の水酸化ナトリウム濃度は34.96wt%と高く、反応開始3時間後(反応終了時)は17.85wt%まで徐々に低下、β-ブロモエチルベンゼンスルホン酸濃度は、反応開始時の0.00wt%から反応開始3時間後(反応終了時)の34.29wt%まで徐々に増加)、そのスラリーを2時間かけて40℃まで冷却した。その後、遠心分離によって固液分離した。40分の振りきりで、スチレンスルホン酸ナトリウム含量が84.2wt%の湿潤ケーク980KGを得た。この湿潤ケークに対し一軸のスクリューブレンダーを用いて、40℃、20rpmの回転速度で60分間強制流動させた。得られたパラスチレンスルホン酸ナトリウムはメジアン径22.0μm、10.00μm未満の小粒12.50wt%、水分10.2wt%、及び安息角59度であった。水への溶解時間は127秒だったが、実施例4と比較して、流動性が劣り、水分も多い(パラスチレンスルホン酸ナトリウム含量が低い)ことが明らかである。
次いで、ジャケットを備えた攪拌機付のステンレス製反応器に、上記パラスチレンスルホン酸ナトリウム1,000g、亜硝酸ナトリウム1.0g、苛性ソーダ20.0g、純水950.0gを仕込み、窒素雰囲気下、40℃で1時間撹拌した。その後、3時間かけて室温まで冷却後、遠心分離機で固液分離して、高純度パラスチレンスルホン酸ナトリウムの湿潤ケーキ891.0gを得た。
上記精製後のパラスチレンスルホン酸ナトリウムの純度は85.5%、水分10.5wt%、臭化ナトリウム分は1.21wt%、異性体等の有機不純物は、(a)0.15%、(b)2.56%、(c)6.20%、(d)0.03%、(e)0.20%だった。
なお、精製前のパラスチレンスルホン酸ナトリウムの純度は84.2%、水分は10.2wt%、臭化ナトリウム分は2.20wt%、異性体等の有機不純物は、(a)0.41%、(b)3.21%、(c)7.12%、(d)0.05%、(e)0.70%(ただし、パラスチレンスルホン酸ナトリウムと(a)〜(e)ピーク面積の総和は100)であり、実施例4と比べて、精製度が低いことが明らかである。遠心濾過性が悪く、固液分離がスムーズに進行しなかったためと考えられる。















本発明の流動性と溶解性に優れるパラスチレンスルホン酸ナトリウムは、エマルジョン重合用の反応性乳化剤、及び顔料、酸化防止剤、各種ポリマー(粘着付与樹脂、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸エステル、ポリエステル、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、シリコーンポリマー、導電性ポリマーなど)、ナノカーボン材料、熱間鍛造離型剤(シリカ粒子などのスラリー)、電池電極材料(カーボン、リン酸鉄リチウム、リン酸マンガンリチウムなど)、化学機械研磨(所謂CMP)スラリー、写真用ハロゲン化銀などの水性分散体に必要な分散剤の製造など、幅広い産業分野で利用価値が高い。

Claims (4)

  1. レーザー回折・散乱式粒度分析計で測定したメジアン径が25.00〜150.00μm、10.00μm未満の小粒が10.00%以下の粒子であって、水分が10.00wt%以下、及び安息角が55度以下であることを特徴とする流動性と溶解性に優れるパラスチレンスルホン酸ナトリウム。
  2. レーザー回折・散乱式粒度分析計で測定したメジアン径が40.00〜90.00μm、10.00μm未満の小粒が3.00%以下の粒子であって、水分が8.00wt%以下、及び安息角が50度以下である請求項1に記載の流動性と溶解性に優れるパラスチレンスルホン酸ナトリウム。
  3. 臭化ナトリウム含量が0.20wt%以下である請求項1または2に記載の流動性と溶解性に優れるパラスチレンスルホン酸ナトリウム。
  4. 反応釜へ水酸化ナトリウムとβ−ブロモエチルベンゼンスルホン酸を一定速度で同時フィードし、パラスチレンスルホン酸ナトリウムを製造する方法において、反応釜内の水酸化ナトリウム濃度〔(フィードした全水酸化ナトリウムの重量/反応釜内の全反応液重量)×100〕を10.00〜20.00wt%に保ち、かつ、β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸濃度〔(フィードした全β−ブロモエチルベンゼンスルホン酸の重量/反応釜内の全反応液重量)×100〕を、1〜7時間かけて0.00wt%から30.00〜50.00wt%に増加させるように制御しながら、60〜110℃で1〜7時間反応晶析させ、固液分離して得られた湿潤ケーキを強制流動することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の流動性と溶解性に優れるパラスチレンスルホン酸ナトリウムの製造方法。


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