JP5929992B2 - ワイヤ放電加工装置、ワイヤ放電加工方法 - Google Patents

ワイヤ放電加工装置、ワイヤ放電加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤ放電加工装置、ワイヤ放電加工方法に関し、加工液槽内の加工液によるワイヤのブレを低減し、被加工物を適切に放電加工する技術に関する。
近年、半導体材料や太陽電池材料、硬質材料等の被加工材料を、放電加工により、短時間で同時に複数切り出す方法が開発されている。
たとえば、ワイヤ放電加工装置は、当該被加工材料を薄板状に切り出すために、給電子を介してワイヤに電圧を印加しながら走行させ、そのワイヤに当該被加工材料を近づけることで放電現象を発生させ、当該被加工材料を放電加工するものである。
特許文献1には、走行する複数本のワイヤで被加工物を放電加工することにより、薄片に切断することが記載されている。
特開2010−260151号公報
しかしながら、従来、例えば、走行するワイヤの速度が速くなるにつれ、また、ワイヤ電極の本数が多くなるにつれ、また、ワイヤ間隔が狭小するにつれて、加工水槽内の加工液が、走行するワイヤによって加工水槽の外に運び出されてしまい、加工水槽内にワイヤ放電加工に必要な加工液の水量を十分に確保することができない場合がある。
そのため、放電発生部である、被加工物(ワーク)とワイヤとの間に、放電加工に必要な加工液の水量を十分に確保できない場合には、例えば、空中放電等が発生し、被加工物であるワークやワイヤを破損してしまい、被加工物を適切に放電加工することができないおそれがあった。
ワイヤ放電加工装置の被加工物(ワーク)とワイヤとの間(放電発生部)には、このような空中放電等を防止するため、加工液で満たす必要である。そこで、放電発生部を加工液で満たすために、加工液槽の下部から放電発生部に対して大量の加工液を供給する仕組みにした場合、加工液槽の下部から供給される大量の加工液の噴流によりワイヤがぶれてしまうおそれがあった。そして、大量の加工液の噴流によりワイヤがぶれてしまうと、被加工物を均一に加工することが出来ず、被加工物を適切に放電加工することができなかった。
また、放電加工装置では、大きな被加工物をスライス加工する場合もあれば、小さな被加工物をスライス加工する場合もある。
そのため、大きな被加工物のスライス加工の場合には、多くのワイヤを必要とし、そのワイヤ数に応じた大きさのメインローラを用いることが考えられる。
すなわち、大きな被加工物のスライス加工の場合、メインローラは、大きく重たいものを使用し、一方、小さな被加工物のスライス加工の場合、メインローラは小さいものを使用するように、被加工物の大きさに応じて、メインローラを取り替えることが考えられる。
しかしながら、メインローラを取り替える場合には、ワイヤをメインローラから外して、再度取り替えるメインローラにワイヤを巻き直さなければならないなど、非常に煩雑な操作を必要とする。
そこで、メインローラを出来るだけ交換しなくて済むように、小さな被加工物をスライス加工する場合でも、大きな被加工物のスライス加工で用いる大きさ(大型)のメインローラを取り付けておくことが考えられる。
ところで、図1に示すメインローラ8とメインローラ9とに巻かれたワイヤが一定の張力を維持して走行するために、メインローラ8、メインローラ9の両方のそれぞれに、各メインローラをそれぞれ回転させる駆動モータを設けることが考えられるが、メインローラ8、メインローラ9の両方のそれぞれに駆動モータを設けると、駆動モータがメインローラの数分必要になるだけではなく、各駆動モータが完全に同期をとり回転する高価な駆動モータ、及びそのシステムが必要となる。その結果、生産コストが高くなると共に、多くの電気を消費することになる。
そこで、省エネ、生産コスト低減等のため、ワイヤが巻かれた複数のメインローラ(8、9)のうち1つのメインローラ(9)にのみ、メインローラを回転させるモータ(駆動モータ23)を設けることが考えられる。
しかしながら、メインローラ(8、9)間でワイヤを走行させ、当該ワイヤのワイヤ走行時の張力を一定にするべく、駆動モータが設けられていないメインローラ8を回転させる必要がある。
そこで、各メインローラ(8、9)間に放電で用いるワイヤが巻きつけられるので、その放電で用いるワイヤの走行により、メインローラ(8)を連れ回しすることが考えられる。
しかしながら、メインローラをできるだけ交換しなくて済むようにするために、小さな被加工物をスライス加工する場合でも、大型の重たいメインローラ(8、9)が取り付けられている場合、放電に用いるワイヤ数が少ないため、そのワイヤのみで、メインローラ(8)を連れ回しすることが難しい。
そこで、放電で用いるワイヤと同じ一本のワイヤであり、メインローラ8を連れ回しするためのワイヤ(連れ回し用のワイヤ)を、複数のメインローラ(8,9)間で巻き、駆動モータ23が回転することで、メインローラ8も、ワイヤの走行速度に応じた連れ回しを行うことが可能となる。
しかしながら、その連れ回し用のワイヤが加工液槽内を走行すると、加工液槽内の加工液の水流が増してしまい、その加工液の水流により加工に用いるワイヤの間隔が変動して(ワイヤがぶれてしまい)、被加工物を適切に放電加工することができない可能性が増してしまう。
そのため、駆動モータが接続されていないメインローラ8を回転させるためのワイヤ(連れ回し用のワイヤ)が加工液槽内を走行することによる加工液槽内の加工液の水流を無くして、被加工物を適切に放電加工するための仕組みが必要となる。
本発明は、加工液槽内の加工液によるワイヤのブレを低減し、被加工物を適切に放電加工するための仕組みを提供することを目的とする。
本発明は、ワイヤと被加工物との間の放電により前記被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、ローラを回転させる駆動部と接続され、前記駆動部による駆動により回転する第1のローラと、前記駆動部と接続されていない第2のローラであって、前記駆動部による駆動により前記第1のローラが回転することで走行するワイヤにより回転する第2のローラと、を備え、前記第1のローラ、及び前記第2のローラは、前記被加工物との放電に用いられるワイヤと共に、前記被加工物との放電に用いられない、前記第2のローラを回転させるために走行するワイヤが、前記第1のローラと前記第2のローラとの間で張られるために巻かれるローラであり、前記ワイヤ放電加工装置は、更に、前記被加工物と当該ワイヤとの間の放電により前記被加工物を加工するために用いられる加工液が貯留される加工液槽であって、前記被加工物との放電に用いられるワイヤが前記加工液槽内の加工液に接するように設けられ、かつ、前記被加工物との放電に用いられないワイヤが前記加工液槽内の加工液に接しないように設けられた加工液槽を備え、前記加工液槽は、前記被加工物との放電に用いられるワイヤの前記加工液槽内からの出口である第1のワイヤ走行口と、前記第1のワイヤ走行口よりも上部に、当該ワイヤの走行による、前記加工液槽内に貯留される加工液の当該加工液槽からの流出を抑制する第1の流出抑制板と、を更に備えることを特徴とする。
また、本発明は、ワイヤと被加工物との間の放電により前記被加工物を加工するワイヤ放電加工装置によるワイヤ放電加工方法であって、前記ワイヤ放電加工装置が備える第1のローラ、及び第2のローラは、前記被加工物との放電に用いられるワイヤと共に、前記被加工物との放電に用いられない、前記第2のローラを回転させるために走行するワイヤが、前記第1のローラと前記第2のローラとの間で張られるために巻かれるローラであり、前記ワイヤ放電加工装置が備える加工液槽は、前記被加工物との放電に用いられるワイヤとの間の放電により前記被加工物を加工するために用いられる加工液が貯留される加工液槽であって、前記被加工物との放電に用いられるワイヤが前記加工液槽内の加工液に接するように設けられ、かつ、前記被加工物との放電に用いられないワイヤが前記加工液槽内の加工液に接しないように設けられた加工液槽であり、前記加工液槽は、前記被加工物との放電に用いられるワイヤの前記加工液槽内からの出口である第1のワイヤ走行口と、前記第1のワイヤ走行口よりも上部に、当該ワイヤの走行による、前記加工液槽内に貯留される加工液の当該加工液槽からの流出を抑制する第1の流出抑制板と、を更に備え、前記第1のローラが、ローラを回転させる駆動部と接続され、前記駆動部による駆動により回転し、前記駆動部と接続されていない前記第2のローラが、前記駆動部による駆動により前記第1のローラが回転することで走行するワイヤにより回転することを特徴とする。


本発明によれば、加工液によるワイヤのブレを低減し、被加工物を適切に放電加工することができる。
マルチワイヤ放電加工システムを前方から見た正面図である。 図1に示す点線16枠内の拡大図である。 ワイヤ7とワイヤ17が巻かれているメインローラ8と、駆動モータ23により回転するメインローラ9の斜視図の一例である。 図1、図2に示す加工液槽6の斜視図の一例である。 図4に示す加工液槽6の正面図の一例である。 図4に示す加工液槽6の側面図の一例である。 ワイヤ7とワイヤ17とが加工液槽6のワイヤ走行口402を走行可能に構成された加工液槽6の側面図の一例である。 図7に示す加工液槽6と、メインローラ8、9の上面図の一例である。 図4、図6に示す加工液槽6、メインローラ8、9の上面図の一例である。 図8に示す点線801、図9の点線802の拡大図であって、加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 図10に示す断面Bの断面図と、図10に示す断面C(図4に示す断面Cと同じ断面)の断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 図4に示す断面Aの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 図4、図12に示す断面Dの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 図4に示す断面Cの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 図4に示す断面Aの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 図4に示す断面Dの断面図一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 図4に示す断面Cの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 図4に示す断面Aの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 図4に示す断面Dの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 図4に示す断面Cの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 傾斜部を有する囲い板12が設けられた加工液槽6の図4に示す断面Cの断面図と、傾斜部を有しない囲い板12が設けられた加工液槽6の図4に示す断面Cの断面図の一例を示す図であって、囲い板12内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。 給液管20から加工液槽6内に加工液を注入する給液口(穴)の大きさと、給液口(穴)が給液管20に設けられている間隔を説明するための図である。 加工液槽6と、メインローラ9と、整流板24と、メインローラ9と整流板24とに加工液を噴射する給水部13とを示す側面図の一例である。 整流板24の上を走行するワイヤ7の上部、及び下部を流れる加工液の流れ方向を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
図1は、マルチワイヤ放電加工システムを前方から見た正面図である。尚、図1に示す各機構の構成は一例であり、目的や用途に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
本発明の実施の形態に係るマルチワイヤ放電加工システムは、マルチワイヤ放電加工装置1、電源ユニット(電源装置)15、加工液供給装置18から構成されている。
マルチワイヤ放電加工システムは、放電により、並設された複数本のワイヤ7(ワイヤ電極)の間隔で被加工物(図1の例では、シリコンインゴット5)を薄片にスライスすることができる。
マルチワイヤ放電加工装置1は、大きな被加工物をスライス加工することも、小さな被加工物をスライス加工することも可能である。
マルチワイヤ放電加工装置1は、電源ユニット15と電線(電圧印加線)を介して接続されており、電源ユニット15から供給される電力により作動する。
マルチワイヤ放電加工装置1は、不図示のサーボモータにより駆動されるワーク送り装置3が上下方向に移動することにより、ワーク送り装置3に接着剤(接着部4の接着剤)により接着されているワーク(ワークは、被加工物を示し、図1の例ではシリコンインゴット5である)を上下方向に移動することができる。
また、マルチワイヤ放電加工装置1は、本発明のワイヤ放電加工装置の適用例であり、ワイヤと被加工物との間で発生する放電により被加工物を加工する。
本発明の実施の形態では、シリコンインゴット5が下方向に移動することで、シリコンインゴット5とワイヤ7とが接近し、シリコンインゴット5とワイヤ7との間で放電が発生し、シリコンインゴット5の放電加工を行う。このとき、シリコンインゴット5とワイヤ7との間の空間(放電ギャップ(シリコンインゴット5とワイヤ7との間の隙間))には加工液が満たされており、この加工液が所定幅の電気抵抗値を有していることから、シリコンインゴット5とワイヤ7との間で放電が発生し、シリコンインゴット5の放電加工を行うことができる。
また、ワーク送り装置3をワイヤ7よりも下部へ設け、シリコンインゴット5を上方向へ移動させることにより、シリコンインゴット5とワイヤ7との間で放電加工を行わせるようにすることも可能である。
本実施の形態では、被加工物の一例としてシリコンインゴット5を用いて説明するが、SIC(炭化シリコン)などの、絶縁体ではない他の材料(導体又は半導体)を用いることもできる。
マルチワイヤ放電加工装置1は、図1に示すように、マルチワイヤ放電加工装置1の土台として機能するブロック19と、ブロック19の上部の装置内に設置されている、ブロック2と、ワーク送り装置3と、接着部4と、シリコンインゴット5と、加工液槽6と、メインローラ8と、ワイヤ7、14と、メインローラ9と、給電ユニット10と、給電子11と、囲い板12と、給水部13と、整流板24と、加工液供給口21、22と、加工液槽6が備える給液管20とを備えている。
15は、電源ユニット(電源装置)であり、3は、サーボモータを制御する放電サーボ制御回路が放電の状態に応じて効率よく放電を発生させるために放電ギャップを一定の隙間に保つように制御し、またワークの位置決めを行い、放電加工を進行させる。
18は、加工液供給装置であり、放電加工部の冷却、加工チップ(屑)の除去に必要な加工液をポンプによりシリコンインゴット5とワイヤ7へ送液すると共に、加工液中の加工チップの除去、イオン交換樹脂による比抵抗または電導度(1μS〜250μS)の管理、液温(20℃付近)の管理を行う。加工液には、主に水が使用されるが、放電加工油を用いることもできる。本実施の形態では、加工液の例として水を用いるが、放電加工油でもよい。
8,9はメインローラであり、メインローラには、所望する厚さで加工出来るようにあらかじめ決められたピッチ、数で溝が形成されており、ワイヤ供給ボビンからの張力制御されたワイヤが2つのメインローラに必要数巻きつけられ、巻き取りボビンへ送られる。ワイヤ速度は100m/minから900m/min程度が用いられる。
メインローラ9は、本発明の第1のローラの適用例であり、メインローラ9が回転することによりメインローラ9に巻きつけられたワイヤ7を走行させる。
2つのメインローラが同じ方向でかつ同じ速度で連動して回転することにより、ワイヤ繰出し部から送られた1本のワイヤ7がメインローラ(2つ)の外周を周回し、並設されている複数本のワイヤ7を同一方向に走行させることができる。
ワイヤ7、14は、1本の繋がった同一のワイヤであり、図示しないボビンから繰り出され、メインローラ8、9の外周面のガイド溝(図示しない)に嵌め込まれながら、当該メインローラの外側に多数回(最大で2000回程度)螺旋状に巻回された後、図示しないボビンに巻き取られる。
加工液槽6は、所定の範囲の比抵抗(電気伝導度)に管理されたイオン交換水を、並設されたワイヤ7(ワイヤ電極とも言う)とシリコンインゴット5とが近接する放電ギャップの位置(放電点)に加工液として供給している。
加工液槽6は、本発明の加工液槽の適用例であり、被加工物とワイヤとの間で放電加工されるために用いられる加工液が貯留される。
給水部13から噴射される冷却水の比抵抗は、イオン交換水(加工液)の比抵抗とほぼ等しく、冷却水の比抵抗も加工液と同様にイオン交換樹脂により管理されている。これは冷却水と加工液が混ざっても放電に影響をあたえないためである。
すなわち、給水部13から噴射される冷却水は、メインローラ8、9、ワイヤ7、14を冷却する加工液である。
また、給水部13から噴射される加工液は、加工液槽6に貯留されている加工液と同一、又はほぼ同一の比抵抗を有する加工液である。
また、整流板24は、給水部13から噴射される加工液を、走行しているワイヤ7により、加工液槽6に流し込むための機構である。整流板24の構成については、後で詳しく説明する。
また、囲い板12は、加工液槽6、及びワイヤ7の上部に設けられており、加工液槽6内に流入する加工液の界面(液面)がワイヤ7よりも高い位置になるように、ワークの周りを囲っている、囲い板12を用いることで、加工液の水位がワイヤ7よりも高くすることが可能となる。
囲い板12は、本発明の流出抑制板の適用例であり、加工液槽よりも上部に設けられ、加工液槽内に貯留される加工液の当該加工液槽からの流出を抑制する。また、流出抑制板と加工液槽との間の隙間には、走行するワイヤが設けられている。
囲い板12は、加工液槽6の縁上に設けられているが、加工液槽6の縁の直上ではなく、加工液槽6の内側、又は外側に設けるようにすることもできる。
また、流出抑制板は、加工液槽6内の加工液を囲むように構成されているが、少なくとも、被加工物に対してワイヤの走行方向側に設けることで、加工液槽6内の加工液が、ワイヤが走行している方向に運び出され加工液槽6の外に運び出されるのを防ぎ、ワークとワイヤとの間の隙間(放電ギャップ)に、放電加工に必要な加工液の水量を確保することができるようになる。
流出抑制板は、被加工物に対してワイヤの走行方向側の加工液槽の縁よりも上部に設けられている。
また、加工液槽6の内部には、加工液供給口701からの水流を分散して抑制するための水流制御機構(水流抑制機構とも言う)を備えている。
加工液槽6内への加工液の供給は、加工液槽6の下部に備えられた給液管20(単に管とも言う)から行われる。
この管は、加工液槽に導通し、加工液を供給する加工液供給装置18から加工液槽6内に加工液を供給する口(給液口とも言う)が設けられている。
そのため、給液口から供給された加工液の水流がワイヤ7の下部からワイヤ7にあたり、その加工液の水流によりワイヤの間隔が変動してしまい(ワイヤがぶれてしまい)、被加工物を均一に加工することが難しくなるおそれがある。
そのため、後で説明するが、加工水の水流による被加工物の加工の不均一性の増大を抑えるために、給液口から供給された加工液の水流を減速するために、水流制御機構を、加工液槽6内に設けている。
加工液供給口21、22は、加工液槽6の下部の左右にそれぞれ設けられており、加工液槽6内の給液管20に左右から加工液を供給する口である。このように、加工液槽6には、加工液を加工液槽6内に供給する加工液供給口が複数設けられている。
加工液槽6の左右の加工液供給口21、22から給液管20に加工液が供給されると、給液管20に設けられた複数の口(給液口)から、加工液槽6に加工液を供給される。
次に、図2について、説明する。
図2は、図1に示す点線16枠内の拡大図である。
ブロック2は、ワーク送り装置3と接合されている。また、ワーク送り装置3は、シリコンインゴット5と接着部4により接着(接合)されている。
本実施例では、被加工材料として、シリコンインゴット5を例に説明する。
接着部4は、ワーク送り装置3と、シリコンインゴット5(ワーク)とを接着(接合)するためのものであれば何でもよく、例えば、導電性接着剤が用いられる。
ワーク送り装置3は、接着部4により接着(接合)されているシリコンインゴット5を上下方向に移動する機構を備えた装置であり、ワーク送り装置3が下方向に移動することにより、シリコンインゴット5をワイヤ7に近づけることが可能となる。
加工液槽6は、加工液を溜めるための容器である。加工液は、例えば、抵抗値が高い脱イオン水である。ワイヤ7と、シリコンインゴット5との間に、加工液が設けられることにより、ワイヤ7と、シリコンインゴット5との間で放電が発生し、シリコンインゴット5を削ることが可能となる。
また、図1でも説明したが、マルチワイヤ放電加工装置1は、加工液槽6の上部に囲い板12を備えている。
囲い板12は、放電発生部である、ワークとワイヤとの間(放電ギャップ)に、放電加工に必要な加工液の量を確保するために備えている。
囲い板12は、加工液槽6の上部に設けられ、加工液槽6内に貯留される加工液の水位をワイヤ7よりも上位になるように貯留し、ワイヤが走行することによる、加工液槽内の加工液の加工漕外への流出量を減らすように機能する。
また、囲い板12と加工液槽6との間には、隙間(ワイヤ走行口401、402)があり、その隙間を走行するワイヤが設けられている。
図2に示すように、加工液槽6の上部に囲い板12が設けられ、更に、給水部13から加工液がメインローラ9、ワイヤ7、14に、噴射され、当該噴射された加工液が、整流板24を通り、さらに、ワイヤ走行口401、402を通り、加工液槽6内に貯留される。このようにして加工液槽6内に貯留される加工液の水位がワイヤ7よりも上位になるように貯留することができ、ワイヤが走行することによる、加工液槽内の加工液の加工漕外への流出量を減らすことができる。
これにより、放電発生部である、ワークとワイヤとの間(放電ギャップ)に、放電加工に必要な加工液の量を確保することが出来るようになり、放電加工を安定して行うことができ被加工物への欠陥の発生を防ぐことが可能となる。
図2に示すように、マルチワイヤ放電加工装置1は、整流板24と給水部13を備えている。
給水部13は、加工液を、メインローラ9の上部でありメインローラ9に巻きつけられたワイヤの上部、及び/又はメインローラ9と加工液槽6との間のワイヤの上部に流すように、これらの上部に配置されている。
給水部13は、メインローラ9と加工液槽との間の走行するワイヤ、及び/又はメインローラ9に加工液を噴射する。
この給水部13は、ワイヤ7、14の走行方向とは逆方向に設けられたメインローラ9と加工液槽6との間のワイヤ7、14、及び/又はメインローラ9に加工液を噴射する。
また、給水機構は、ワイヤ7、14の走行方向とは逆方向に設けられたメインローラ9と加工液槽6との間のワイヤ7、14、及び/又はメインローラ9よりも上部に設けられている。
給水部13は、ワイヤ7、14に給電されている場合にワイヤ電極(ワイヤ7、14)から発する熱から、メインローラ9を保護するために、メインローラ9の上部でかつ、メインローラ9に巻きつけられたワイヤの上部に、冷却水としての加工液を噴射する。
ここでは、シリコンインゴット5とワイヤ7との間の隙間に、放電加工に必要な加工液の量を確保するために、この冷却水としての加工液を利用する。そのために、整流板24を設けて、メインローラ9を伝わってきた冷却用の加工液を加工液槽6に運ぶように構成している。これにより、ワイヤの静止状態からワイヤの走行状態まで放電加工に必要な加工液槽6内の加工液量の確保が可能となる。
例えば、給水部13からの加工液の噴射を行わず、ワイヤを走行した場合、囲い板12と加工液槽6との間の隙間(ワイヤ走行口)を走行しているワイヤにより、空気が加工液槽6内に大量に入り込むこと共に、囲い板12と加工液槽6との間の隙間(ワイヤ走行口)から、加工液槽6内の加工液が漏れ出し加工液槽6内の水位が低下してしまうおそれがある。
このような課題を解消するために、マルチワイヤ放電加工装置1は、整流板24と給水部13を備えている。
メインローラ8、9(ガイドローラとも言う)には、ワイヤ7、14を取り付けるための溝が複数列形成されており、その溝にワイヤ7、14が取り付けられている。そして、メインローラ8、9が右又は左回転することにより、ワイヤ7、14が走行する。
メインローラにワイヤ7、14が複数回巻きつけられており、メインローラに刻まれた溝に従い、所定ピッチでワイヤ7、14が整列している。
メインローラ8、9は中心に金属を使用し、外側は樹脂で覆う構造である。
給電子11は、機械的摩耗に強く、導電性があることが要求され超硬合金が使用されている。
メインローラの間の中央部の上部に、シリコンインゴット5が配置され、シリコンインゴット5はワーク送り装置3に取付けられており、ワーク送り装置3が上下方向に移動することにより、シリコンインゴット5が上下方向に移動し、シリコンインゴット5の加工を行う。
また、メインローラ間の中央部に加工液槽6を設け、ワイヤ7およびシリコンインゴット5を加工液槽6に浸漬し、放電加工部の冷却、加工チップの除去を行う。
ワイヤ7、14は、図2に示すように、メインローラ8、9に取り付けられ、メインローラ8、9の上側、及び下側にワイヤ列を形成している。
また、ワイヤ7、14は、伝導体であり、電源ユニット15から電圧が供給された給電ユニット10の給電子11と、ワイヤ7とが接触することにより、当該供給された電圧が給電子11からワイヤ7に印加される。(給電子11がワイヤ7に電圧を印加しているが、給電子11は、ワイヤ14に直接電圧を印加していない。)
そして、ワイヤ7と、シリコンインゴット5との間で放電が起き、シリコンインゴット5を削り(放電加工を行い)、薄板状のシリコン(シリコンウエハ)(加工物)を作成することが可能となる。
次に、図3を用いて、ワイヤ7とワイヤ17が巻かれているメインローラ8と、駆動モータ23により回転するメインローラ9について説明する。
大きな被加工物のスライス加工の場合、メインローラ8、9は、大きく重たいものを使用し、一方、小さな被加工物のスライス加工の場合、メインローラは小さいものを使用するように、被加工物の大きさに応じて、メインローラ8、9を取り替えることが可能である。
すなわち、メインローラ8、9は、マルチワイヤ放電加工装置1に着脱可能に構成されている。
しかしながら、メインローラ8,9を取り替える場合には、ワイヤをメインローラ8、9から外して、再度取り替えるメインローラにワイヤを巻き直さなければならないなど、非常に煩雑な操作を必要となる。
そこで、メインローラを交換しないようにするために、小さな被加工物をスライス加工する場合でも、大きな被加工物のスライス加工で用いる大きさのメインローラをマルチワイヤ放電加工装置1に取り付けておく。
すなわち、本実施形態に示すメインローラ8、9は、比較的大きな被加工物のスライス加工で用いる大きさの重たいメインローラである。
図3は、ワイヤ7とワイヤ17が巻かれているメインローラ8と、駆動モータ23により回転するメインローラ9の斜視図の一例である。
ワイヤ7は、被加工物との放電に用いられるワイヤであり、ワイヤ17は、被加工物との放電に用いられない、メインローラ8を回転させるために走行するワイヤである。
すなわち、被加工物との放電に用いられるワイヤ7は、加工液槽6内の加工液に接するように設けられ、ワイヤ17は、加工液槽内の加工液に接しないように設けられている。
メインローラ9(第1のローラ)は、ローラを回転させる駆動モータ23(駆動部)と接続され、駆動モータによる駆動により回転する。
この駆動モータ23(駆動部)は、メインローラ9の回転方向を反転する(逆方向に回転する)反転手段を有している。
また、メインローラ8(第2のローラ)は、駆動モータ23と接続されていないローラであって、駆動モータ23による駆動によりメインローラ9が回転することで走行するワイヤ7、17により回転する。
メインローラ8、及びメインローラ9は、被加工物との放電に用いられるワイヤ7と共に、被加工物との放電に用いられない、メインローラ8を回転させるためにのみ走行するワイヤ17が、メインローラ8とメインローラ9との間で張られるために巻かれるローラである。
図3に示すように、メインローラ8、メインローラ9の両方のそれぞれに、駆動モータ23を設けておらず、メインローラ9にのみ駆動モータ23を設けているため、生産コストを低減できると共に、消費電力を低減させることができる。
また、メインローラをできるだけ交換しなくて済むようにするために、大きく重たいメインローラ8、9が取り付けられているため、各メインローラ8、9間の、放電で用いるワイヤ7(このワイヤは、小さな被加工物のスライス加工の場合に用いる本数のワイヤであり、少ない本数のワイヤである)のみにより、メインローラ8を連れ回しすることは困難である(ワイヤの本数が少ないため)が、放電で用いるワイヤ7と同じ一本でつながったワイヤ17であり、メインローラ8を連れ回しするためのワイヤ17(連れ回し用のワイヤ17)を、複数のメインローラ8、9間で巻き、駆動モータ23が回転することで、メインローラ8も、ワイヤの走行速度に応じた連れ回しを行うことが可能となる。
また、本実施形態では図示していない連れ回し用のベルト(ゴム等の材料)を、各メインローラ(8、9)間に巻きつけ、メインローラ(9)の回転に連動して、メインローラ(8)を連れ回しすることも考えられる。
しかしながら、メインローラを交換しないようにするために、小さな被加工物をスライス加工する場合でも、大きな被加工物のスライス加工で用いる大きさのメインローラ(8、9)が取り付けられている場合、高速でメインローラ9を回転させると、ベルトと重いメインローラとの間ですべりが生じてしまう。
その結果、ワイヤの走行と、ベルトの走行とが同期しなくなってしまい、メインローラの回転、及びワイヤの走行が進むにつれて、ワイヤの張力に変化が生じてしまう。そして、ワイヤの安定した走行が難しくなってしまい、適切な放電加工を行うことが出来なくなってしまうおそれがある。
ベルトだけでは、ワイヤの走行速度に適したメインローラ8の連れ回しが出来ない理由の1つとして、ベルト(ゴムなどの材料で構成されている)とメインローラ(メインローラの表面はウレタンなどで構成されている)との摩擦力と、ワイヤ(中心は鉄でその表面は真鍮で構成されている)のメインローラとの摩擦力との違い(ベルトとメインローラとの間の摩擦力が、複数の(多数の)ワイヤとメインローラとの間の摩擦力よりも小さい)が考えられる。
そこで、放電で用いるワイヤ7と同じ材料の一本のワイヤ17であって、メインローラ8を連れ回しするために、駆動モータ23(単にモータとも言う)が接続されていないメインローラ8を回転させるためのワイヤ17(連れ回し用のワイヤ)を、その複数のメインローラ8、9間で巻き、駆動モータ23が回転することで、メインローラ8も、ワイヤの走行速度に応じた連れ回しを行うことが可能となる。
次に、図1、図2に示す加工液槽6について説明する。
図4は、図1、図2に示す加工液槽6の斜視図の一例である。
図4に示す加工液槽6は、ワイヤ放電加工装置1に対して着脱可能に構成されており、後述する図7に示す加工液槽6もワイヤ放電加工装置1に対して着脱可能である。図4に示す加工液槽6は、小さな被加工物を放電加工する際に用いることが適しており、後述の図7に示す加工液槽6は、大きな被加工物を放電加工する際に用いることが適している。
加工液槽6は、被加工物とワイヤ7との間の放電により被加工物を加工するために用いられる加工液が貯留される加工液槽である。
図4に示す通り、被加工物との放電に用いられるワイヤ7は、加工液槽6内の加工液に接するように設けられており、被加工物との放電に用いられないワイヤ17は、加工液槽6内の加工液に接しないように設けられている。
すなわち、図4に示すように、被加工物との放電に用いられるワイヤ7は、加工液槽6内の位置に設けられており、被加工物との放電に用いられないワイヤ17は、加工液槽6外の位置に設けられている。
本マルチワイヤ放電加工装置1が、このような構成を備えていることにより、加工液槽内の加工液によるワイヤのブレを低減し、被加工物を適切に放電加工することができる。
すなわち、本マルチワイヤ放電加工装置1が、このような構成を備えていることにより、連れ回し用のワイヤ17が加工液槽内を走行することにより、加工液槽内の加工液の水流が増加し、その結果、その加工液の水流により加工に用いるワイヤ7の間隔が変動して(ワイヤがぶれてしまい)、被加工物を適切に放電加工することができない可能性が増してしまうという課題を解消することができる。
すなわち、駆動モータ23が接続されていないメインローラ8を回転させるためのワイヤ(連れ回し用のワイヤ)17が加工液槽6内を走行することによる加工液槽6内の加工液の水流を無くして、被加工物を適切に放電加工することができる。
図4に示すように、加工液槽6は、囲い板12を備えており、囲い板12は、被加工物との放電に用いられるワイヤ7の加工液槽内からの出口であるワイヤ走行口401(第1のワイヤ走行口)よりも上部に、ワイヤ7の走行による、加工液槽6内に貯留される加工液の加工液槽6からの流出を抑制する第1の流出抑制板403を含んでいる。
また、第1のワイヤ走行口の上部に設けられた第1の流出抑制板403は、ワイヤの走行方向に傾斜している傾斜部を有している。
また、囲い板12は、被加工物との放電に用いられるワイヤ7の加工液槽6内への入り口であるワイヤ走行口402(第2のワイヤ走行口)よりも上部に、ワイヤ7の走行による、加工液槽6内に貯留される加工液の加工液槽6からの流出を抑制する第2の流出抑制板404を含んでいる。
また、第2の流出抑制板404は、駆動モータ23の反転手段により回転方向が反転したメインローラ9(第1のローラ)に巻かれるワイヤ7の走行方向に傾斜している傾斜部を有している。
図5は、図4に示す加工液槽6の正面図の一例である。
図5の通り、加工液槽6は、囲い板12を有している。加工液槽6に囲い板12を含むようにしてもよいし、加工液槽6とは別に囲い板12を設けても良い。
図5に示すように、囲い板12の第1の流出抑制板403、第2の流出抑制板404は、傾斜部を有しており、加工液槽6は、ワイヤ7が加工液槽6の内部を走行するためのワイヤ走行口402と、ワイヤ走行口401とを備えている。
図6は、図4に示す加工液槽6の側面図の一例である。
図6に示すように、加工液供給口22から加工液が加工液槽6に供給され、加工液槽6の下側から加工液が溜まっていく仕組みになっている。
そして、加工液槽6のワイヤ走行口402にワイヤ7が入り走行する。加工液槽6の上部には、囲い板12が備えられているため、ワイヤ7と被加工物との間に、十分な加工液を入れることが可能となる。
また、放電しないワイヤ17は、加工液槽6の中に配置されないため、走行するワイヤ17により加工液槽6内の加工液の水流を大きくしないため、適切な放電加工を行い易くなる。
加工液槽6は、被加工物との放電に用いられるワイヤ7の走行方向に対して垂直方向の、ワイヤ7が加工液に接し被加工物が入る加工液槽6の被加工物挿入部の幅が、ワイヤ7の走行方向に対して垂直方向の、メインローラ9(第1のローラ)の幅、及びメインローラ8(第2のローラ)の幅よりも短くなるように、設けられている。
図6に示す被加工物挿入部は、被加工物が上部から加工液槽6に移動してきて、切断された加工物が加工液槽6に入る部分である。そのため、被加工物が入る深さになっている。
図7は、ワイヤ7とワイヤ17とが加工液槽6のワイヤ走行口402を走行可能に構成された加工液槽6の側面図の一例である。
図7は、被加工物との放電に用いられるワイヤ7だけではなく、被加工物との放電に用いられないワイヤ17も加工液槽6内に入れている図である。
また、図8は、図7に示す加工液槽6と、メインローラ8、9の上面図の一例である。
図8に示すように、被加工物との放電に用いられるワイヤ7だけではなく、被加工物との放電に用いられないワイヤ17も加工液槽6内に入っている。
図9は、図4、図6に示す加工液槽6、メインローラ8、9の上面図の一例である。
図9に示すように、被加工物との放電に用いられるワイヤ7だけは、加工液槽6内の加工液に接するように設けられ、被加工物との放電に用いられないワイヤ17は、加工液槽6内の加工液に接しないように設けられている。
図10は、図8に示す点線801、図9の点線802の拡大図であって、加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
図8に示す点線801の拡大図は、被加工物との放電に用いられるワイヤ7だけではなく、被加工物との放電に用いられないワイヤ17も加工液槽6内に入っているため、加工液槽6内の水流が、ワイヤが走行することで速くなり、乱れ易くなる。
そのため、多数のワイヤの走行による水流により、被加工物との放電に用いられるワイヤ7がぶれ易くなり、適切な放電加工を行い難くなる(例えば、フラットなウエハを得ることは難しくなる)。
一方、図9の点線802の拡大図は、被加工物との放電に用いられるワイヤ7だけは、加工液槽6内の加工液に接するように設けられ、被加工物との放電に用いられないワイヤ17は、加工液槽6内の加工液に接しないように設けられているため、必要最低限のワイヤの走行による水流しか発生しないため、図8に示す点線801の拡大図に比べて、ワイヤ7がぶれ難くなり、適切な放電加工を行い易くなる(例えば、フラットなウエハを得やすくなる)。
図11は、図10に示す断面Bの断面図と、図10に示す断面C(図4に示す断面Cと同じ断面)の断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
図11に示すように、断面Bは、ワイヤ7、17が加工液槽6内で走行することで、加工液槽6内の加工液の水流が回転しやすくなり、水流が強くなり、ワイヤ7がぶれ易くなり、適切な放電加工を行い難くなることを示している。
また、断面Cは、ワイヤ7のみが加工液槽6内で走行するため、加工液槽6内の加工液の水流が、断面Bの場合よりも、回転せず、ワイヤ7がぶれ難くなり、適切な放電加工を行い易くなることを示している。
図12は、図4に示す断面Aの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
図13は、図4、図12に示す断面Dの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
図14は、図4に示す断面Cの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
図12、図13に示すように、給液管20は、加工液槽6に導通し、加工液を供給する加工液供給装置18から加工液槽6内に加工液を供給する口(給液口)が設けられた管である。
給液管20の口(給液口)から加工液が加工液槽6内に供給される。
図12、図13、図14に示すように、給液管20、及び、給液管20の口(給液口)は、加工液槽6の下部に設けられており、図12、図13、図14に示す矢印の通りに加工液が加工液槽6の被加工物挿入部の上部へと上昇して、図12、図14に示すような液面となる。
図12、14に示すように、放電加工には大量の加工液が必要になるため、ワイヤ7のうち一部のワイヤに強い水流が当たることになる。そのため、一部のワイヤがぶれる可能性がある。
このような課題を改善するための仕組みについても、以下に説明する。
図15は、図4に示す断面Aの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
図16は、図4に示す断面Dの断面図一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
図17は、図4に示す断面Cの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
図15、図16、図17は、図12、図13、図14の加工液槽6に、水流制御板1401、水流制御板1402を更に設けた図である。
水流制御板1401、水流制御板1402は、口(給液口)から加工液槽6内に供給される加工液の流束を分散させ、当該加工液の流速を減速させる水流抑制板である。
加工液槽6に、水流制御板1401、水流制御板1402を設けることで、加工液槽6内に供給される加工液が、水流制御板1401、水流制御板1402を迂回して、加工液槽6の上部に流れるため、加工液の流速を減速させることが可能となり、ワイヤ7がぶれ難くなり、適切な放電加工を行い易くなる。
図17に示すように、図17の液面は、加工液の流束を分散させ、当該加工液の流速が減速しているため、図14の液面に比べて、安定している。
図18は、図4に示す断面Aの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
図19は、図4に示す断面Dの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
図20は、図4に示す断面Cの断面図の一例であって、加工液槽6内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
図18、図19、図20は、図15、図16、図17の加工液槽6に、多孔質素材としてスポンジ1701を更に設けた図である。
スポンジ1701は、口(給液口)から加工液槽6内に供給される加工液の流束を分散させ、当該加工液の流速を減速させる分散機構である。
スポンジ1701は、多孔質材料を含む材料で構成されている。また、多孔質材料は、ウレタンを含む材料により構成されている。
このように、加工液槽6に、スポンジ1701を設けることで、加工液槽6内に供給される加工液の流束がスポンジ1701で分散され、加工液の流速を減速することが可能となり、ワイヤ7がぶれ難くなり、適切な放電加工を行い易くなる。
加工水は、スポンジの気孔により、その水流が緩衝(緩和)され、スポンジから加工液槽6の被加工物挿入部に流れ出る。
図20に示すように、図20の液面は、加工液の流束を分散させ、当該加工液の流速が減速しているため、図14、図17の液面に比べて、安定している。
加工液槽6は、給液管に設けられた給液口から加工液槽6内に供給される加工液の、加工液槽内の加工液の水面方向への水流を抑えるように設置された水流制御機構を備えている。この水流制御機構は、ワイヤ7と給液口との間に設けており、スポンジ1701、水流制御板1401、水流制御板1402を含む。
図21は、傾斜部を有する囲い板12が設けられた加工液槽6の図4に示す断面Cの断面図と、傾斜部を有しない囲い板12が設けられた加工液槽6の図4に示す断面Cの断面図の一例を示す図であって、囲い板12内の加工液の流れ、及びその方向を示す図である。
傾斜部を有しない囲い板12が設けられた加工液槽6の図4に示す断面Cの断面図は、図21に示すように、ワイヤ7の上を矢印の方向に流れる加工液が、第1の流出抑制板403、又は第2の流出抑制板404に当たって跳ね返ってしまい、ワイヤ7に再度当たってしまい易く、その結果、ワイヤがぶれやすくなってしまう。
これを改善するために、傾斜部を有する囲い板12が設けられた加工液槽6の図4に示す断面Cの断面図(図12の左図)のように、第1の流出抑制板403、又は第2の流出抑制板404が、ワイヤの走行方向に傾斜しているため、第1の流出抑制板403、又は第2の流出抑制板404に当たって跳ね返ってしまうことを低減することが可能となる。その結果、第1の流出抑制板403、又は第2の流出抑制板404に当たって跳ね返ってワイヤ7に再度当たってしまうことを減り、ワイヤのブレを低減させることが可能となる。
図22は、給液管20から加工液槽6内に加工液を注入する給液口(穴)の大きさと、給液口(穴)が給液管20に設けられている間隔を説明するための図である。
図22は、給液管20の給液口(穴)の径を、加工液供給口21、22の出口からの距離に応じて変えることにより、給液管20から加工液槽6内に全面均一な流量の加工液を噴出させることを示している。
図22の(A)は、同径の給液口(穴)が等間隔に設けられた給液管20の外観図と、同径の給液口(穴)が等間隔に設けられた給液管20の断面図とを示す図である。
図22の(A)に示す給液管20は、同じ穴径で均一の距離に給液口(穴)をあけられている。そのため、両端の加工液供給口21、22から共に加工液が給液管20内に供給される場合には、給液管20の中央、または中央付近の給液口(穴)から出てくる加工水の水圧が一番高くなり、中央から端方向(加工液供給口21、22の方向)にいくにつれて給液口(穴)から出てくる加工水の水圧は下がる。
その結果、給液管20の中央の部分の加工水の噴出量が一番大きく、端に行くに従い、噴出量が少なくなってしまう。
そのため、給液管20の中央の部分の給液口(穴)から出てくる加工水の噴出量が大きくなり、その噴流によりワイヤのブレが増大してしまうおそれがある。
そこで、本実施例では、図22の(B)に示す給液管20を用いる。
図22の(B)は、中央付近に行くにつれて、給液管20に設けられた給液口(穴)の径は小さくなり、給液口(穴)が設けられている間隔が狭い給液管20の外観図と、そのチューブの断面図とを示す図である。
図22の(B)に示す給液管20は、図の通り、両端の加工液供給口21、22から、中央に付近に行くにつれて、径が小さくなるように給液口(穴)が設けられており、さらに、中央に付近に行くにつれて、給液口(穴)が設けられている間隔が狭くなるように給液口(穴)が設けられている。
すなわち、中央付近の給液口(穴)を小さくして、更に中央付近の給液口(穴)の数を多くし、端方向(加工液供給口21、22の方向)の給液口(穴)は、中央の給液口(穴)より大きくし、給液口(穴)の数も少なくする。
このように、図22の(B)に示す給液管20を用いることで、給液管20のどの給液口(穴)から出てくる加工水の水流、水圧、噴出量は均一となる。
このように、中央付近に行くにつれて、給液管20に設けられた給液口(穴)の径は小さくなり、給液口(穴)が設けられている間隔が狭い給液管20を用いることにより、給液管20から加工液槽に入る加工液の噴流が分散化され、給液管20の中央の部分の給液口(穴)から出てくる加工水の噴出量を小さくし、噴流によりワイヤのブレが低減させることが可能となる。その結果、被加工物を適切に放電加工することができるようになる。
このように、給液管20は、複数の加工液供給口21、22からの距離に従った間隔で設けられた給液口(穴)であって、複数の加工液供給口21、22からの距離に応じた大きさの給液口(穴)を有する。すなわち、給液管20は、複数の加工液供給口21、22からの距離が遠くなる従って、給液管20に設けられる給液口(穴)は小さく、かつ、給液管20に設けられる給液口(穴)の数は多くなるよう構成されている。
給液管20は、加工液槽6に設けられた複数の加工液供給口(21、22)から供給される加工水を通す同一の管である。
給液管20に設けられた加工液を加工液槽内に供給する給液口(a、b、c)は、複数の加工液供給口(21、22)からの距離に従った間隔で設けられた口であって、複数の加工液供給口からの距離に応じた大きさの口である。
給液管20(単に管とも言う)は、複数の加工液供給口(21、22)からの距離が遠くなる従って、給液管20に設けられた給液口(単に口とも言う)は小さく、かつ、給液管20に設けられる給液口の数は多い。
図23は、加工液槽6と、メインローラ9と、整流板24と、メインローラ9と整流板24とに加工液を噴射する給水部13とを示す側面図の一例である。
図24は、整流板24の上を走行するワイヤ7の上部、及び下部を流れる加工液の流れ方向を示す図である。
給水部13から、メインローラ9、ワイヤ7に対して、メインローラ9、ワイヤ7を冷やすために、加工液を噴射して給水する。
そして、メインローラ9と、加工液槽6との間のワイヤ7の下部には、整流板24を設けているため、給水部13からワイヤ7に噴射された加工液は、図24に示すように、ワイヤ7の上部、又は下部の整流板24上を通り、加工液槽6のワイヤ走行口402に入り、加工液槽6内に入る。
このように、整流板24が、給水部13からワイヤ7に噴射された加工液が、加工液槽6のワイヤ走行口402に入るように設けられているため、メインローラ9、ワイヤ7を冷やすと共に、加工液槽6内に十分な加工液を流入させることができ、さらに、ワイヤ走行口402から、空気等の気体が加工液槽6内に入ることを減らすことができる。その結果、空中放電などを防止すると共に、被加工物を削り取った後の欠片を取り除き易くすることもでき、適切に放電加工を行い易くすることが可能となる。
以上、本発明によれば、加工液によるワイヤのブレを低減し、被加工物を適切に放電加工することができる。
また、本発明によれば、さらに、放電加工部(放電ギャップ)における、放電加工に必要な加工液の量を確保し、被加工物を適切に放電加工することができる。
また、本実施の形態で説明したワイヤ放電加工方法により、被加工物を放電加工されることにより加工された加工物も本発明の特徴である。
1 マルチワイヤ放電加工装置
2 ブロック2
3 ワーク送り装置
4 接着部
5 シリコンインゴット(被加工物)
6 加工液槽
7 ワイヤ
8 メインローラ
9 メインローラ
10 給電ユニット
11 給電子
12 囲い板
13 給水部
14 ワイヤ
15 電源ユニット
18 加工液供給装置
19 ブロック
20 給液管
21 加工液供給口
22 加工液供給口
24 整流板

Claims (17)

  1. ワイヤと被加工物との間の放電により前記被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、
    ローラを回転させる駆動部と接続され、前記駆動部による駆動により回転する第1のローラと、
    前記駆動部と接続されていない第2のローラであって、前記駆動部による駆動により前記第1のローラが回転することで走行するワイヤにより回転する第2のローラと、
    を備え、
    前記第1のローラ、及び前記第2のローラは、前記被加工物との放電に用いられるワイヤと共に、前記被加工物との放電に用いられない、前記第2のローラを回転させるために走行するワイヤが、前記第1のローラと前記第2のローラとの間で張られるために巻かれるローラであり、
    前記ワイヤ放電加工装置は、更に、前記被加工物と当該ワイヤとの間の放電により前記被加工物を加工するために用いられる加工液が貯留される加工液槽であって、前記被加工物との放電に用いられるワイヤが前記加工液槽内の加工液に接するように設けられ、かつ、前記被加工物との放電に用いられないワイヤが前記加工液槽内の加工液に接しないように設けられた加工液槽を備え
    前記加工液槽は、
    前記被加工物との放電に用いられるワイヤの前記加工液槽内からの出口である第1のワイヤ走行口と、
    前記第1のワイヤ走行口よりも上部に、当該ワイヤの走行による、前記加工液槽内に貯留される加工液の当該加工液槽からの流出を抑制する第1の流出抑制板と、
    を更に備えることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 前記第1のローラ、及び前記第2のローラに巻かれたワイヤを更に備え、
    前記ワイヤは、前記被加工物との放電に用いられるワイヤと、前記被加工物との放電に用いられない、前記第2のローラを回転させるために走行するワイヤとを含み、
    前記被加工物との放電に用いられるワイヤは、前記加工液槽内の加工液に接するように設けられ、
    前記被加工物との放電に用いられないワイヤは、前記加工液槽内の加工液に接しないように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 前記被加工物との放電に用いられるワイヤと、前記被加工物との放電に用いられない、前記第2のローラを回転させるために走行するワイヤとは、同じ1本のワイヤであることを特徴とする請求項2に記載のワイヤ放電加工装置。
  4. 前記加工液槽は、前記被加工物との放電に用いられるワイヤの走行方向に対して垂直方向の、当該ワイヤが加工液に接し前記被加工物が入る前記加工液槽の被加工物挿入部の幅が、当該ワイヤの走行方向に対して垂直方向の、前記第1のローラの幅、及び前記第2のローラの幅よりも短くなるように、設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。
  5. 前記第1のワイヤ走行口の上部に設けられた第1の流出抑制板は、ワイヤの走行方向に傾斜している傾斜部を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。
  6. 前記駆動部は、前記第1のローラの回転方向を反転する反転手段を更に備え、
    前記加工液槽は、
    前記被加工物との放電に用いられるワイヤの前記加工液槽内への入り口である第2のワイヤ走行口と、
    前記第2のワイヤ走行口よりも上部に、前記ワイヤの走行による、前記加工液槽内に貯留される加工液の当該加工液槽からの流出を抑制する第2の流出抑制板と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。
  7. 前記第2の流出抑制板は、前記反転手段により回転方向が反転した前記第1のローラに巻かれるワイヤの走行方向に傾斜している傾斜部を備えることを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工装置。
  8. 前記加工液槽に導通し、前記加工液を供給する加工液供給装置から前記加工液槽内に前記加工液を供給する口が設けられた管を更に備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。
  9. 前記加工液槽は、前記管に設けられた口から前記加工液槽内に供給される前記加工液の、前記加工液槽内の前記加工液の水面方向への水流を抑えるように設置された水流制御機構を更に備え、
    前記水流制御機構は、前記ワイヤと前記口との間に設けることを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工装置。
  10. 前記水流制御機構は、前記口から前記加工液槽内に供給される加工液の流束を分散させ、当該加工液の流速を減速させる水流抑制板を含むことを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工装置。
  11. 前記水流制御機構は、前記口から前記加工液槽内に供給される加工液の流束を分散させ、当該加工液の流速を減速させる分散機構を含むことを特徴とする請求項又は1に記載のワイヤ放電加工装置。
  12. 前記分散機構は、多孔質材料を含む材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  13. 前記多孔質材料は、ウレタンを含む材料により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  14. 前記分散機構は、スポンジであることを特徴とする請求項1乃至1の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。
  15. 前記加工液槽は、加工液を加工液槽内に供給する加工液供給口を複数設けられており、
    前記管は、前記加工液槽に設けられた複数の加工液供給口から供給される加工水を通す同一の管であり、
    前記管に設けられた前記加工液を前記加工液槽内に供給する口は、前記複数の加工液供給口からの距離に従った間隔で設けられた口であって、前記複数の加工液供給口からの距離に応じた大きさの口であることを特徴とする請求項乃至1の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。
  16. 前記管は、前記複数の加工液供給口からの距離が遠くなる従って、前記管に設けられた口は小さく、かつ、前記管に設けられる口の数は多いことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  17. ワイヤと被加工物との間の放電により前記被加工物を加工するワイヤ放電加工装置によるワイヤ放電加工方法であって、
    前記ワイヤ放電加工装置が備える第1のローラ、及び第2のローラは、前記被加工物との放電に用いられるワイヤと共に、前記被加工物との放電に用いられない、前記第2のローラを回転させるために走行するワイヤが、前記第1のローラと前記第2のローラとの間で張られるために巻かれるローラであり、
    前記ワイヤ放電加工装置が備える加工液槽は、前記被加工物との放電に用いられるワイヤとの間の放電により前記被加工物を加工するために用いられる加工液が貯留される加工液槽であって、前記被加工物との放電に用いられるワイヤが前記加工液槽内の加工液に接するように設けられ、かつ、前記被加工物との放電に用いられないワイヤが前記加工液槽内の加工液に接しないように設けられた加工液槽であり、
    前記加工液槽は、
    前記被加工物との放電に用いられるワイヤの前記加工液槽内からの出口である第1のワイヤ走行口と、
    前記第1のワイヤ走行口よりも上部に、当該ワイヤの走行による、前記加工液槽内に貯留される加工液の当該加工液槽からの流出を抑制する第1の流出抑制板と、
    を更に備え、
    前記第1のローラが、ローラを回転させる駆動部と接続され、前記駆動部による駆動により回転し、
    前記駆動部と接続されていない前記第2のローラが、前記駆動部による駆動により前記第1のローラが回転することで走行するワイヤにより回転することを特徴とするワイヤ放電加工方法。
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