JP5929748B2 - 全固体電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、全固体電池の製造方法に関する。
近年、二次電池は、パソコン、ビデオカメラ、及び携帯電話等の電源として、あるいは自動車や電力貯蔵用の電源として、なくてはならない重要な構成要素となってきている。
二次電池の中でも特にリチウムイオン二次電池は、他の二次電池よりも容量密度が高く、高電圧での動作が可能という特徴を有している。そのため、小型軽量化を図りやすい二次電池として情報関連機器や通信機器に使用されており、近年、低公害車としての電気自動車やハイブリッド自動車用の高出力且つ高容量のリチウムイオン二次電池の開発が進められている。
リチウムイオン二次電池またはリチウム二次電池には、正極層及び負極層と、これらの間に配置されるリチウム塩を含む電解質とが備えられ、電解質は、非水系の液体又は固体によって構成される。電解質に非水系の液体電解質が用いられる場合には、電解液が正極層の内部へと浸透するため、正極層を構成する正極活物質と電解質との界面が形成されやすく、性能を向上させやすい。ところが、広く用いられている電解液は可燃性であるため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止等の安全性を確保するためのシステムを搭載する必要がある。これに対し、液体電解質を固体電解質に変えて、電池を全固体化した全固体電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられており、開発が進められている。
固体電解質層が正極層と負極層との間に配設される全固体電池では、イオン伝導抵抗を低減すること等を目的として、正極層、固体電解質層、及び負極層を合わせ、それらを比較的高い圧力でプレスすることがある。
このような全固体電池に関する技術として、正極層と負極層との短絡を防止するために、正極活物質及び固体電解質からなる正極層に、または正極活物質からなる正極層に固体電解質層を積層した後、加圧成形して正極部材を得る工程と、負極活物質及び固体電解質からなる負極層に、または負極活物質からなる負極層に固体電解質層を積層した後、加圧成形して負極部材を得る工程と、上記各工程で得られた正極部材と負極部材とを、それぞれの固体電解質同士を合わせて加圧成形する工程とを具備する全固体電池の製造方法が開示されている(特許文献1)。
特開2012−69248号公報
特許文献1によれば、固体電解質を貫く正極層と負極層との短絡を防止することは可能であるが、正極層、固体電解質層、及び負極層を積層してプレスするときに、電極層の外周部が崩れることがあった。電極層の外周部が崩れると、崩れた部分の電極層を十分に使用することができず、電極層の利用率が低下して、電池の容量低下を招くおそれがある。特に正極層と負極層のうち面積が小さい電極層の端部には、プレス時に応力が集中しやすく、外周部の崩れが大きくなりやすい。また、電極層をあらかじめプレスして緻密化することにより正極層、固体電解質層、及び負極層のプレス時の電極層の外周部の崩れを防止しようとすると、プレス時に固体電解質層を電極層が突き破り正極層と負極層との間で短絡が生じるおそれもあった。
したがって、正極層と負極層との短絡を防止しつつ、従来よりも、電極層の利用率を高くすることができる全固体電池の製造方法が望まれている。
本発明は、正極層、固体電解質層、及び負極層を含む電極体を含む全固体電池の製造方法であって、
(A)面積が互いに異なる正極層及び負極層を提供する工程であって、正極層及び負極層のうち面積がより小さい電極層は、外周部が中央部よりも厚い形状を有する、工程;
(B)正極層及び負極層のうち、面積がより小さい電極層よりも大きな面積を有する固体電解質層を提供する工程;
(C)正極層及び負極層のうち、面積がより大きい電極層に、固体電解質層を積層して、固体電解質層と面積がより大きい電極層との積層体Cを形成する積層工程;
(D)積層体Cをプレスして、面積がより大きい電極層に固体電解質層が圧着された積層体Dを形成するプレス工程;
(E)積層体Dと面積がより小さい電極層とを積層する工程であって、固体電解質層と面積がより小さい電極層とが隣接するように積層して、正極層、固体電解質層、及び負極層を含む積層体Eを形成する積層工程;並びに
(F)積層体Eをプレスして電極体を形成するプレス工程、
を含む、全固体電池の製造方法である。
本発明によれば、正極層と負極層との短絡を防止しつつ、従来よりも、電極層の利用率を高めた全固体電池を得ることができる。
図1は、一般的な全固体電池の製造方法を表した断面模式図である。 図2は、プレスにより外側に押し出された正極層部分を表した断面模式図である。 図3は、本発明に係る方法に含まれる正極層及び負極層の提供工程(A)の一例を表す断面模式図である。 図4は、本願における面積が異なる正極層及び負極層の形状を説明するための上面模式図である。 図5は、面積がより小さい電極層の一例を表す断面模式図である。 図6は、面積がより小さい電極層の一例を表す断面模式図である。 図7は、面積がより小さい電極層の一例を表す断面模式図である。 図8は、本発明に係る方法に含まれる固体電解質層の提供工程(B)の一例を表す断面模式図である。 図9は、本発明に係る方法に含まれる積層工程(C)の一例を表す断面模式図である。 図10は、本発明に係る方法に含まれるプレス工程(D)の一例を表す断面模式図である。 図11は、プレス工程(D)で得られた積層体Dの一例を表す断面模式図である。 図12は、本発明に係る方法に含まれる積層工程(E)の一例を表す断面模式図である。 図13は、本発明に係る方法に含まれるプレス工程(F)の一例を表す断面模式図である。 図14は、プレス工程(F)で得られた電極体の一例を表す断面模式図である。 図15は、本発明に係る全固体電池の構成の一例を表す断面模式図である。 図16は、中央部が外周部よりも盛り上がった形状を有する集電体上に正極(電極)合材を塗工する方法を表した断面模式図である。 図17は、(正極)集電体を含み且つ外周部が中央部よりも厚い形状を有する正極(電極)層の断面模式図である。 図18は、(負極)集電体を含む負極(電極)層の断面模式図である。 図19は、正極集電体を含む正極層、及び負極集電体を含み正極層よりも面積が大きい負極層を用いて形成した、負極集電体5、負極層3、固体電解質層2、正極層1、及び正極集電体4を含む全固体電池の断面模式図である。 図20は、PETフィルム付きの外周部が中央部よりも厚い形状を有する電極層の断面模式図である。
図1に、一般的な全固体電池の製造方法を示す。負極集電体5、負極層3、固体電解質層2、正極層1、正極集電体4を積層し、これらをラミネート等の電池ケース6に入れて冷間静水等方圧プレス(CIP)等のプレス方法を用いて、プレス成形することが行われている。白抜き矢印は圧力が等方的に加わることを表している。以下の図面において正極集電体4及び負極集電体5を図示しないものがあるが、特に明示されていない場合は、正極集電体4及び負極集電体5は含まれていても含まれていなくてもよい。
上記のように、正極層と、負極層及び固体電解質層とを重ねてプレスするとき、負極層及び固体電解質層を前もってプレスして緻密度を上げることで、正極層が、固体電解質層に食い込むことによる正極層及び負極層の短絡を防止することが行われている。しかしながら、緻密度を高めた負極層及び固体電解質層と緻密度の低い正極層とを積層してプレスすると、図2に示すように正極層1の外周部が外側に押し出されるようにして崩れてしまう。
図2は、プレス工程で、正極集電体4及び負極集電体5とともに正極層1、固体電解質層2、及び負極層3をプレスした場合の外側に押し出された正極層部分24を模式的に表した断面図である(電池ケースは図示せず)。
この外側に押し出された正極層部分24は緻密度が低く、また、図2に示すように拘束治具9を用いて全固体電池100を拘束して用いるときに拘束フリーとなり、Liイオンの伝導パスが形成しにくく、電極層として十分に機能することができず、電極層の利用率が低下して、全固体電池の容量低下を招いてしまう。
図1及び2では、集電体とともに正極層、固体電解質層、及び負極層を合わせてプレスした場合を示したが、正極層、固体電解質層、及び負極層のプレス成形体を形成した後に、集電体を積層してプレスする場合も、外側に押し出された正極層部分24と集電体との接触面積が減ってしまい、あるいは集電体を外側に押し出された正極層部分24と接するように形成した場合でも、拘束フリー部を減らすことはできない。
また、上記の方法において、プレス方法を、冷間静水等方圧プレス(CIP)に代えて一軸の剛体プレスにしたとしても、正極層の外周部が外側に押し出されるようにして崩れてしまうことは避けられない。
本発明者は、このような事情に鑑みて、外周部を中央部よりも厚めに形成した正極層を用いた全固体電池の製造方法を見出した。
本発明は、正極層または負極層のいずれかと固体電解質層との積層体をプレスして、正極層または負極層を固体電解質層に圧着し、次いで、正極層または負極層を圧着した固体電解質層に、外周部が中央部よりも厚い形状を有する負極層または正極層を圧着することを含む方法を対象とし、上記のような従来の課題を解決することができる。
本発明によれば、プレスによって電極層が外側に押し出される分を考慮して、外周部が中央部よりも厚い電極層を形成し、この外周部が中央部よりも厚い電極層と、固体電解質層及びもう一方の電極層とをプレスすることで、電極層における実質的に均一な緻密度及び厚みを有する面積率を高くすることができる。これにより、正極層と負極層との短絡を防止しつつ、従来よりも電極層の利用率を高めた全固体電池を形成することができる。電極層の利用率を高めることによって、従来よりも容量及び出力を高めた全固体電池を得ることができる。
以下、本発明に係る方法を、図面を参照しながら説明する。
図3に、本発明に係る方法に含まれる提供工程(A)の一例を表す断面模式図を示す。本発明に係る方法は、図3に示すように、互いに面積が異なる正極層1及び負極層3を提供する工程(A)を含み、正極層及び負極層のうち面積がより小さい正極層は、外周部が中央部よりも厚い形状を有する。面積がより大きい負極層は、図3のように平坦な表面を有することが好ましい。なお、各図面に図示しないが、正極層1、固体電解質層2、及び負極層3は、基材を有してもよい。
図3は、正極層1の面積が負極層3に面積よりも小さい場合を例示したものであり、正極層1の面積が負極層3の面積より大きくてもよく、この場合、面積がより小さい負極層3は、外周部が中央部よりも厚い形状を有し、面積がより大きい正極層は、平坦な表面を有することが好ましい。
本願において、「面積がより小さい」とは、説明のために図示した図4に示すように、例えば円盤状の正極層及び負極層を接するように配置して上面からみたとき、一方の層の面積が他方の層の面積よりも小さく、一方の層の外周が全て他方の層の面内に入る大きさをいう。「面積がより大きい」とは、一方の層の面積が他方の層の面積よりも大きく、一方の層の面内に他方の層の外周が全て入る大きさをいう。「面積が同じ」とは、両方の層が実質的に同じ面積且つ同じ形状を有することをいう。
正極層1及び負極層3は、図4に表すように上面からみた場合の投影形状が好ましくは相似形状であり、より好ましくはそれぞれが円盤形状または四角形状である。
正極層と負極層の面積の差は、正極層1、固体電解質層2、及び負極層3を積層してプレスしたときに、正極層1と負極層3との間の短絡が生じないような差であればよく、例えば、正極層1または負極層3の面積が、固体電解質層2の面積の75〜99.9%、または90〜99.9%である。
面積がより小さい電極層は、外周部が中央部よりも厚い形状を有すれば、図3に記載した外周部にかけて厚みが増す形状に限られず、例えば、図5に示すような外周部に矩形の突出部を有する形状、図6に示すような外周部にかけて厚みが増し且つ外周部に矩形の突出部を有する形状、または図7に示すように外周部に実質的に突出部を有していれば丸い角を有した形状でもよい。
面積がより小さい電極層は、好ましくは、外周部が中央部よりも厚く、且つ中央部と外周部との境界の角度が、図3または6に示すような90°よりも大きい形状である。面積がより小さい電極層がこのような形状を有することにより、プレス後に実質的に均一な密度を有する電極層をより得やすくなる。
また、面積がより小さい電極層は、自立していても自立していなくてもよいが、好ましくは自立膜である。面積が自立膜である場合、基材はあってもなくてもよく、その他の目的に応じて基材の有無を選択することができる。面積がより小さい電極層が自立膜ではない場合、少なくとも積層するまでか圧着するまで基材とともに面積がより小さい電極層を取り扱うことができる。
図8に、本発明に係る方法に含まれる提供工程(B)の一例を表す模式図を示す。本発明に係る方法は、図8に示すように、正極層1及び負極層3のうち、面積がより小さい電極層よりも大きな面積を有する固体電解質層2を提供する工程(B)を含む。固体電解質層2がこのような面積を有する場合、電極体における正極層1及び負極層3の間の短絡を防止することができる。
図8は、固体電解質層2の面積は、正極層1及び負極層3のうち、面積がより小さい正極層1よりも大きな面積を有し、負極層3と同じ面積を有する場合を例示したものである。正極層1の面積が負極層3の面積より大きい場合は、固体電解質層2の面積は、負極層3よりも大きな面積を有する。
固体電解質層2は、好ましくは、面積がより大きい電極層の面積と同じかそれ以上の大きさの面積を有し、より好ましくは、面積がより大きい電極層の面積と実質的に同じ面積を有する。固体電解質層2がこのような面積を有する場合、面積がより大きい電極層の外周部の全てが固体電解質層2に接した状態でプレスされるため、電極体における正極層1及び負極層3の間の短絡をより防止しやすくなる。
図9に、本発明に係る方法に含まれる積層工程(C)の一例を表す模式図を示す。本発明に係る方法は、図9に示すように、正極層1及び負極層3のうち、面積がより大きい電極層に、固体電解質層2を積層して、固体電解質層2と面積がより大きい電極層との積層体Cを形成する積層工程(C)を含む。
図9は、固体電解質層2を、正極層1及び負極層3のうち、面積がより大きい負極層3上に積層する場合を例示したものである。正極層1の面積が負極層3の面積より大きい場合は、固体電解質層2と面積がより大きい正極層とを積層する。
図10に、本発明に係る方法に含まれるプレス工程(D)の一例を表す模式図を示す。本発明に係る方法は、積層体Cをプレスする工程であって、図10に示すように、例えば下金型7及び上金型8を用いて、積層体Cをプレスして、図11に示すような面積がより大きい電極層に固体電解質層が圧着された積層体Dを形成するプレス工程(D)を含む。
プレス工程(D)におけるプレス圧力は、面積がより大きい電極層に固体電解質層を圧着することができる圧力で行うことができ、例えば90〜780MPaまたは290〜780MPaで行うことができる。
プレス工程(D)におけるプレスの方法は、特に限定されるものではなく、市販の加圧成型装置を用いて行うことができ、一軸プレス、静水圧プレス、またはホットプレス等の方法が挙げられ、例えば、所定サイズの金型を用いて積層体Cを一軸プレスすることにより、あるいは積層体Cを真空パックに入れて静水圧プレスを行うことにより、加圧成型することができる。
図10及び11は、固体電解質層2を、正極層1及び負極層3のうち、面積がより大きい負極層3上に圧着する場合を例示したものである。正極層1の面積が負極層3の面積より大きい場合は、固体電解質層2と面積がより大きい正極層とを圧着する。
図12は、本発明に係る方法に含まれる積層工程(E)の一例を表す模式図を示す。本発明に係る方法は、図12に示すように、積層体Dと面積がより小さい電極層とを積層する工程であって、固体電解質層2と面積がより小さい電極層1とを隣接するように積層して、正極層1、固体電解質層2、及び負極層3を含む積層体Eを形成する積層工程(E)を含む。
図12は、固体電解質層2を、正極層1及び負極層3のうち、面積がより大きい負極層3と固体電解質層2とを含む積層体Dに、面積がより小さい正極層1を積層する場合を例示したものである。正極層1の面積が負極層3に面積より大きい場合は、面積がより大きい正極層1と固体電解質層2を含む積層体Dと、面積がより小さい負極層3とを積層する。
図13は、本発明に係る方法に含まれるプレス工程(F)の一例を表す断面模式図を示す。本発明に係る方法は、図13に示すように積層体Eをプレスして、図14に示すような電極体10を形成するプレス工程(F)を含む。
プレス工程(F)におけるプレス圧力は、正極層、固体電解質層、及び負極層に含まれる空隙を少なくして密度を高め、電池としての性能を高めることができる所望の圧力で行うことができ、例えば290〜780MPaで行うことができる。圧力を加える時間及び温度は特に限定されるものではなく、所望の密度が得られるように設定することができる。
プレス工程(F)におけるプレスの方法は、特に限定されるものではなく、市販の加圧成型装置を用いて行うことができ、一軸プレス、静水圧プレス、またはホットプレス等の方法が挙げられ、例えば、所定サイズの金型を用いて一軸プレスを行うことにより、あるいは積層体Eを真空パックに入れて静水圧プレスを行うことにより、加圧成型することができる。
図14に示す電極体10において、面積がより小さい電極層を上面からみたときの投影面積の全体に対する密度及び厚みの一定領域26の面積率は、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。このように電極層において密度及び厚みが一定である領域の面積率を大きくすることよって、電極層の利用率が高い全固体電池を得ることができる。密度及び厚みの一定領域26の密度及び厚みのばらつきはそれぞれ、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは実質的に0%である。
なお、本発明に係る方法において、工程(A)〜(F)を、別個の工程で行ってもよく、連続して、または同時に行ってもよい。
例えば、提供工程(A)及び(B)を同時に行い、面積が互いに異なる正極層及び負極層を提供すると同時に、正極層及び負極層のうち、面積がより小さい電極層よりも大きな面積を有する固体電解質層を提供してもよい。
また、例えば、積層工程(C)及びプレス工程(D)を同時に行い、正極層及び負極層のうち、面積がより大きい電極層に、固体電解質層を積層して、固体電解質層と面積がより大きい電極層との積層体Cを形成すると同時に積層体Cをプレスして、面積がより大きい電極層に固体電解質層が圧着された積層体Dを形成してもよい。
また、例えば、積層工程(E)及びプレス工程(F)を同時に行い、積層体Dの固体電解質層側と面積がより小さい電極層とが隣接するように積層して、正極層、固体電解質層、及び負極層を含む積層体Eを形成すると同時に、積層体Eをプレスして電極体を形成してもよい。
本発明において、固体電解質層に含まれる固体電解質材料としては、全固体電池の固体電解質として利用可能な材料を用いることができる。例えば、例えば、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Li2S−P25、LiI−Li2S−B23、Li3PO4−Li2S−Si2S、Li3PO4−Li2S−SiS2、LiPO4−Li2S−SiS、LiI−Li2S−P25、LiI−Li3PO4−P25、若しくはLi2S−P25等の硫化物系非晶質固体電解質、Li2O−B23−P25、Li2O−SiO2、Li2O−B23、若しくはLi2O−B23−ZnO等の酸化物系非晶質固体電解質、Li1.3Al0.3Ti0.7(PO43、Li1+x+yxTi2-xSiy3-y12(Aは、AlまたはGa、0≦x≦0.4、0<y≦0.6)、[(B1/2Li1/21-zz]TiO3(Bは、La、Pr、Nd、またはSm、CはSrまたはBa、0≦z≦0.5)、Li5La3Ta212、Li7La3Zr212、Li6BaLa2Ta212、若しくはLi3.6Si0.60.44等の結晶質酸化物、Li3PO(4-3/2w)w(w<1)等の結晶質酸窒化物、またはLiI、LiI−Al23、Li3N、若しくはLi3N−LiI−LiOH等を用いることができる。硫化物系非晶質固体電解質が、優れたリチウムイオン伝導性を有する点で好ましく用いられる。また、本発明の固体電解質として、リチウム塩を含むポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリフッ化ビニリデン、またはポリアクリロニトリル等の半固体のポリマー電解質も使用することができる。
本発明において、正極層及び負極層に含まれる活物質材料としては、全固体電池の電極活物質として利用可能な材料を用いることができる。活物質材料として、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/32、Li1+xMn2-x-yy4(Mは、Al、Mg、Co、Fe、Ni、及びZnから選ばれる1種以上の金属元素)で表される組成の異種元素置換Li−Mnスピネル、チタン酸リチウム(LixTiOy)、リン酸金属リチウム(LiMPO4、MはFe、Mn、Co、またはNi)、酸化バナジウム(V25)及び酸化モリブデン(MoO3)等の遷移金属酸化物、硫化チタン(TiS2)、グラファイト及びハードカーボン等の炭素材料、リチウムコバルト窒化物(LiCoN)、リチウムシリコン酸化物(LixSiyz)、リチウム金属(Li)、リチウム合金(LiM、Mは、Sn、Si、Al、Ge、Sb、またはP)、リチウム貯蔵性金属間化合物(MgxMまたはNySb、MはSn、Ge、またはSb、NはIn、Cu、またはMn)等、並びにこれらの誘導体が挙げられる。
本発明において、正極活物質と負極活物質には明確な区別はなく、2種類の充放電電位を比較して、充放電電位が貴な電位を示すものを正極層に、卑な電位を示すものを負極層に用いて、任意の電圧の電池を構成することができる。
正極層は、所望により、全固体電池に使用可能な公知の固体電解質を含むことができる。そのような固体電解質としては、固体電解質層に含有させることが可能な上記固体電解質を例示することができる。正極層に固体電解質を含有させる場合、正極活物質と固体電解質との混合比率は、特に限定されないが、好ましくは正極活物質:固体電解質の体積比率が40:60〜90:10である。
正極層に硫化物固体電解質を含有させる場合、正極活物質と硫化物固体電解質との界面に高抵抗層が形成され難くすることにより、電池抵抗の増加を防止しやすい形態にする観点から、正極活物質は、イオン伝導性酸化物で被覆されていることが好ましい。正極活物質を被覆するリチウムイオン伝導性酸化物としては、例えば、一般式LixAOy(Aは、B、C、Al、Si、P、S、Ti、Zr、Nb、Mo、Ta又はWであり、x及びyは正の数である。)で表される酸化物を挙げることができる。具体的には、Li3BO3、LiB2、Li2CO3、LiAlO2、Li4SiO4、Li2SiO3、Li3PO4、Li2SO4、Li2TiO3、Li4Ti512、Li2Ti25、Li2ZrO3、LiNbO3、Li2MoO4、Li2WO4等を例示することができる。また、リチウムイオン伝導性酸化物は、複合酸化物であってもよい。
正極活物質を被覆する複合酸化物としては、上記リチウムイオン伝導性酸化物の任意の組み合わせを採用することができ、例えば、Li4SiO4−Li3BO3、Li4SiO4−Li3PO4等を挙げることができる。
また、正極活物質の表面をイオン伝導性酸化物で被覆する場合、イオン伝導性酸化物は、正極活物質の少なくとも一部を被覆してればよく、正極活物質の全面を被覆していても良い。また、正極活物質を被覆するイオン伝導性酸化物の厚さは、例えば、0.1nm以上100nm以下であることが好ましく、1nm以上20nm以下であることがより好ましい。なお、イオン伝導性酸化物の厚さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて測定することができる。
正極層、固体電解質層、及び負極層はそれぞれ、バインダーを含んでもよい。バインダーの材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリエチレン、ニトリルゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、水素添加ブチレンゴム、ポリスチレン、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエンラテックス、多硫化ゴム、ニトロセルロース、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等が望ましいが、特に制限されない。
正極層及び負極層はそれぞれ、所望により導電助材粒子を含んでもよい。導電助材粒子としては、特に制限されるものではなく、黒鉛、カーボンブラック等を用いることができる。バインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリエチレン、ニトリルゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエンラテックス、多硫化ゴム、ニトロセルロース、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等が望ましいが、特に制限されない。
プレス前の固体電解質層の厚みは、15〜250μmが好ましく、30〜100μmがより好ましい。プレス前の固体電解質層の厚みが上記範囲にあることにより、プレス後の固体電解質層の厚みを、好ましくは5μm〜50μm、より好ましくは10〜20μmにすることができ、固体電解質層を貫通する正極層及び負極層の間の短絡を防止することができる。
プレス前の正極層の中央部の厚みは1.5〜3000μmが好ましく、7.5〜300μmがより好ましい。プレス前の正極層の厚みが上記範囲にあることにより、プレス後の正極層の厚みが、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは5〜100μmにすることができる。
プレス前の負極層の厚みは、1.5〜3000μmが好ましく、7.5〜300μmがより好ましい。プレス前の負極層の厚みが上記範囲にあることにより、プレス後の負極層の厚みが、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは5〜100μmにすることができる。
図3〜6に示すプレス前の電極層の外周部の厚み21は最も厚い部分で5〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。また、プレス前の電極層の外周部の幅22は10〜300μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。プレス前の電極層の外周部の厚み及び幅が上記範囲にあることにより、プレスにより電極層の密度及び厚みが一定である領域26をより大きく得ることができる。
正極層1、負極層3、及びこれらの間に配置される固体電解質層2を有する電極体10は、必要とする電池の特性、大きさ等に応じて、例えば1〜300cm2等の任意の面積、及び20〜250μm厚等の任意の厚みを有することができる。
図15は、本発明に係る全固体電池100の構成の一例を表す断面模式図である。図15に示すように、本発明に係る方法により作製される全固体電池100は、正極層1、負極層3、及びこれらの間に配置される固体電解質層2を有する電極体10を含む。正極層1には正極集電体4が電気的に接続され得、負極層3には負極集電体5が電気的に接続され得る。電極体10並びに正極集電体4及び負極集電体5を、集電体または集電体に接続した引き出し電極を引き出した電池ケース6で覆って、全固体電池100を構成することができる。
正極集電体4の材料としては、導電性を有し正極集電体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばSUS、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン、およびカーボン等を挙げることができ、SUS及びアルミニウムが好ましい。さらに、正極集電体4の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
負極集電体5の材料としては、導電性を有し負極集電体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばSUS、銅、ニッケル、およびカーボン等を挙げることができ、SUS及び銅が好ましい。さらに、負極集電体5の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
正極集電体4及び負極集電体5の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば10〜500μm程度の厚みの金属箔を用いることができる。
全固体電池を包む電池ケース6としては、全固体電池で使用可能な公知のケースを用いることができ、例えばラミネートフィルムや拘束可能な治具付きケース等を用いることができる。ラミネートフィルムとしては、樹脂製のラミネートフィルムや、樹脂製のラミネートフィルムに金属を蒸着させたフィルム等を例示することができる。
全固体電池100は、円筒型、角型、ボタン型、コイン型、または扁平型等、所望の形状をとることができ、これらに限定されるものではない。
工程(A)及び(B)で提供される正極層、固体電解質層、及び負極層は、それぞれ、基材上に形成して提供することができる。正極層、固体電解質層、及び負極層の基材上への形成は、スラリー塗工プロセス、ブラスト法、エアロゾルデポジション法、コールドスプレー法、スパッタリング法、気相成長法、または溶射法等を用いて行うことができ、スラリー塗工プロセスが簡便なプロセスで正極層、固体電解質層、及び負極層を得ることができ、好ましく用いられる。
基材は、電極層または固体電解質層をその上に形成することができるものであれば特に制限されるものではなく、フィルム状の柔軟性を有する基材や硬質基材等を用いることができ、例えば、箔状の正極集電体4及び/若しくは負極集電体5を基材として用いることができ、または、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の基材を用いることができる。
スラリー塗工プロセスとしては、ダム式スラリーコーター、ドクターブレード法、グラビヤ転写法、スクリーン印刷、リバースロールコータ等が挙げられ、正極材料、固体電解質材料、及び負極材料のスラリーまたはペーストを用いる。
スラリー塗工プロセスによって正極材料、固体電解質材料、及び負極材料のスラリーまたはペーストをそれぞれ、基材上に塗工及び乾燥して、正極層、固体電解質層、及び負極層を形成する場合、正極材料、固体電解質材料、及び負極材料のぞれぞれのスラリーまたはペーストの調製に用いる溶媒は、正極活物質、固体電解質、及び負極活物質の性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、例えば炭化水素系有機溶媒のヘプタン、トルエン、ヘキサン等が挙げられ、好ましくは脱水処理して水分含有量を低くした炭化水素系有機溶媒が用いられる。
本発明に係る方法においては、工程(A)及び(B)にて基材を取り外した正極層、固体電解質層、及び負極層を提供してもよく、また、工程(A)〜(F)のいずれの工程で基材を取り外してもよい。
工程(A)で提供される、外周部が中央部よりも厚い形状を有する面積がより小さい電極層は任意の方法で形成され得、限定されるものではないが、例えば以下に説明する方法で形成され得る。
工程(A)は、中央部が外周部よりも盛り上がった形状を有する第1の基材を提供する工程;及び第1の基材上に、電極合材を塗工して、第1の基材を含み且つ外周部が中央部よりも厚い形状を有する面積がより小さい電極層を形成する工程、を含むことができる。
本願において、電極合材とは、正極合材または負極合材を意味し、上述した活物質材料、固体電解質材料、バインダー、導電助材粒子、溶媒、その他分散剤やチクソ剤等を混合して調製されるスラリーまたはペーストを意味する。
例えば、第1の基材上に電極合材を塗工し、必要に応じて塗膜の乾燥を行い、次いで外周部のみに、さらに電極合材を塗工し、必要に応じて塗膜の乾燥を行って、外周部が中央部よりも厚い形状を有する面積がより小さい電極層を形成することができる。所望の外周部の厚みに応じてさらに繰り返して電極合材の塗工を行ってもよい。塗工方法は、上述のスクリーン印刷等を用いて行うことができる。
別法では、第1の基材上に電極合材を塗工し、必要に応じて塗膜の乾燥を行い、別の基材上に電極合材を塗工し、必要に応じて塗膜の乾燥を行い、次いで別の基材上に塗工した電極合材を第1の基材上に塗工した電極層の外周部のみに転写して、外周部が中央部よりも厚い形状を有する面積がより小さい電極層を形成することができる。所望の外周部の厚みに応じてさらに繰り返して電極合材の塗工及び転写を行ってもよい。
さらに別法では、第1の基材は第1の集電体層であることができ、
工程(A)の第1の基材を提供する工程は、
第1の集電体層を提供する工程;及び
第1の集電体層の中央部をかさ上げして、中央部が外周部よりも盛り上がった形状を有する第1の集電体層を形成する工程、
を含み、並びに
面積がより小さい電極層を形成する工程が、
中央部が外周部よりも盛り上がった形状を有する第1の集電体層上に、電極合材を塗工する工程;及び
第1の集電体層からかさ上げを除いて、第1の集電体層を含む外周部が中央部よりも厚い形状を有する面積がより小さい電極層を形成する工程、
を含むことができる。
正極層の面積が、負極層の面積より小さい場合を例に以下説明する。正極層の面積が負極層の面積より小さい場合、中央部が外周部よりも盛り上がった形状を有するAl箔等の正極集電体を用いて、正極集電体を基材に用いて正極集電体上に正極合材を塗工することができる。
図16に、中央部が外周部よりも盛り上がった形状を有する集電体上に電極合材を塗工する方法を模式的に表した断面図を示す。
基材として用いるAl箔等の正極集電体の中央部を外周部よりも盛り上がった形状にするために、塗工するときに、例えば、図16に示すように、塗工テーブル14上にかさ上げ部15を配置し、かさ上げ部15が正極集電体4の中央部の下面に位置するように正極集電体4を配置することができる。
かさ上げ部15は任意の方法で配置することができ、例えば、かさ上げに必要な厚みを有する部材を別途配置してもよく、あるいは、塗工機が、塗工テーブル14の中央部に、上下に駆動してもよいかさ上げ部15を有しており、塗工テーブル面から突出させてかさ上げ部15を配置する等の方法が挙げられる。
かさ上げ部15には任意の部材を用いることができ、例えば正極集電体と同じAl箔でもよく、塗工テーブルと同じ金属材料等でもよい。
図16に示すように、かさ上げ部により中央部が外周部よりも盛り上がった形状を有する正極集電体上に塗工ブレード17を用いて正極合材16を塗工することできる。
塗工した正極合材16は、必要に応じて乾燥を行い、塗工機から基材である正極集電体4ごと取り出し、図17に示すような正極集電体4を含み且つ外周部が中央部よりも厚い形状を有する正極層1を得ることができる。
また、工程(A)は、
第2の基材を提供する工程、
第2の基材上に電極合材を塗工して、基材を含む面積がより大きい電極層を形成する工程、
を含むことができる。
第2の基材は第2の集電体層であることができる。
正極層の面積が負極層の面積より小さい場合、Cu箔等の負極集電体を基材に用いて負極集電体上に負極合材を塗工して、必要に応じて乾燥を行い、塗工機から基材である負極集電体ごと取り出し、図18に示すような負極集電体5を含む負極層3を得ることができる。
上述のようにして本発明に係る方法に含まれる工程(A)において、正極集電体を含む正極層、負極集電体を含み正極層よりも面積が大きい負極層を提供することができる。このようにして得た正極層及び負極層を用い、正極層よりも面積が大きい固体電解質層を提供し、
負極層と固体電解質層とが隣接するように積層して、負極集電体5、負極層3、及び固体電解質層2を含む積層体Cを形成し、
積層体Cをプレスして、負極集電体を含む負極層に固体電解質層が圧着された積層体Dを形成し、
積層体Dの固体電解質層と正極層とを隣接するように積層して、負極集電体5、負極層3、固体電解質層2、正極層1、及び正極集電体4を含む積層体Eを形成し、
積層体Eをプレスして、図19に示すような負極集電体5、負極層3、固体電解質層2、正極層1、及び正極集電体4を含む全固体電池を形成することができる。
基材に集電体を用いる場合、集電体を別途配置する工程が不要であり、また、正極層及び/または負極層が自立膜ではない場合に、集電体とともに取り扱いが可能になる点で有利である。
基材に集電体以外の材料も用いることができ、例えばPETフィルム上に電極合材を塗工して、同様に、図20に示すようなPETフィルム付きの外周部が中央部よりも厚い形状を有する電極層を得ることができる。
このように集電体以外のPETフィルム等の基材を用いる場合も、集電体を基材として用いた場合と同様にして、ペットフィルムが上下に配置された負極層、固体電解質層、及び正極層を含む電極体を得ることができる。この場合、PETフィルムを剥離し、電極体の上下に正極集電体及び負極集電体を配置することができる。
また、固体電解質層をPETフィルム等の基材上に形成した場合、面積がより大きい負極層に、PETフィルム付きの固体電解質層を積層して積層体Cを形成し、積層体Cをプレスして積層体Dを形成した後に、固体電解質層側のPETフィルムを剥離し、固体電解質層と面積がより小さい正極層とを隣接するように積層して、正極層、固体電解質層、及び負極層を含む積層体Eを形成し、積層体Eをプレスして電極体を得ることができる。正極層及び負極層がPETフィルム付きの場合は、積層体Eのプレス後に負極層側のPETフィルムと正極層側のPETフィルムを剥離してもよい。
電極体を形成した後に正極集電体及び負極集電体を配置する場合、配置は任意の方法で行うことができる。例えば、集電体の配置前に、カーボンスプレーを正極層及び負極層の面にコーティングして集電体と電極層との接触性を向上してもよく、及び/または集電体の配置後に集電体面に垂直方向にプレスしてもよい。また、例えば、プレス工程(F)において、正極集電体、積層体E、及び負極集電体を、同時にプレスしてもよい。
1 正極層
2 固体電解質層
3 負極層
4 正極集電体
5 負極集電体
6 電池ケース
7 下金型
8 上金型
9 拘束治具
10 電極体
11 積層体C
12 積層体D
13 積層体E
14 塗工テーブル
15 かさ上げ部
16 正極(電極)合材
17 塗工ブレード
18 PETフィルム
21 電極層の外周部の厚み
22 電極層の外周部の幅
24 押し出された正極層部分
26 密度及び厚みの一定領域
100 全固体電池

Claims (7)

  1. 正極層、固体電解質層、及び負極層を含む電極体を含む全固体電池の製造方法であって、
    (A)面積が互いに異なる正極層及び負極層を提供する工程であって、前記正極層及び前記負極層のうち面積がより小さい電極層は、外周部が中央部よりも厚い形状を有する、工程;
    (B)前記正極層及び前記負極層のうち、面積がより小さい電極層よりも大きな面積を有する固体電解質層を提供する工程;
    (C)前記正極層及び前記負極層のうち、面積がより大きい電極層に、前記固体電解質層を積層して、前記固体電解質層と前記面積がより大きい電極層との積層体Cを形成する積層工程;
    (D)前記積層体Cをプレスして、前記面積がより大きい電極層に前記固体電解質層が圧着された積層体Dを形成するプレス工程;
    (E)前記積層体Dと前記面積がより小さい電極層とを積層する工程であって、前記固体電解質層と前記面積がより小さい電極層とが隣接するように積層して、前記正極層、前記固体電解質層、及び前記負極層を含む積層体Eを形成する積層工程;並びに
    (F)前記積層体Eをプレスして電極体を形成するプレス工程、
    を含
    前記工程(F)のプレス後において、前記面積がより小さい電極層の面積が、前記固体電解質層の面積以下である、
    全固体電池の製造方法。
  2. 前記工程(B)において、前記固体電解質層が、前記面積がより大きい電極層の面積と同じかそれ以上の大きさの面積を有する、請求項1に記載の全固体電池の製造方法。
  3. 前記工程(A)が、
    中央部が外周部よりも盛り上がった形状を有する第1の基材を提供する工程;及び
    前記第1の基材上に電極合材を塗工して、前記第1の基材を含む前記外周部が中央部よりも厚い形状を有する面積がより小さい電極層を形成する工程、
    を含む、請求項1または2に記載の全固体電池の製造方法。
  4. 前記第1の基材を提供する工程が、
    第1の集電体層を提供する工程;及び
    前記第1の集電体層の中央部をかさ上げして、中央部が外周部よりも盛り上がった形状を有する第1の集電体層を形成する工程、
    を含み、並びに
    前記面積がより小さい電極層を形成する工程が、
    前記中央部が外周部よりも盛り上がった形状を有する第1の集電体層上に、電極合材を塗工する工程;及び
    前記第1の集電体層からかさ上げを除いて、前記第1の集電体層を含む前記外周部が中央部よりも厚い形状を有する面積がより小さい電極層を形成する工程、
    を含む、請求項3に記載の全固体電池の製造方法。
  5. 前記工程(A)が、
    第2の基材を提供する工程、
    前記第2の基材上に電極合材を塗工して、前記第2の基材を含む前記面積がより大きい電極層を形成する工程、
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の全固体電池の製造方法。
  6. 前記第2の基材が第2の集電体層である、請求項5に記載の全固体電池の製造方法。
  7. 正極集電体及び負極集電体を提供する工程、
    前記正極集電体を、前記電極体の前記正極層に接するように配置し、前記負極集電体を、前記電極体の前記負極層に接するように配置すること、
    を含む、請求項1または2に記載の全固体電池の製造方法。
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