JP5927927B2 - 現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5927927B2 JP5927927B2 JP2012008137A JP2012008137A JP5927927B2 JP 5927927 B2 JP5927927 B2 JP 5927927B2 JP 2012008137 A JP2012008137 A JP 2012008137A JP 2012008137 A JP2012008137 A JP 2012008137A JP 5927927 B2 JP5927927 B2 JP 5927927B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rolling
- less
- temperature
- steel sheet
- hot
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
これらの環境条件の変化に対応してラインパイプに要求される特性はますます高度化かつ多様化しており、大きく分けると、(a)厚肉/高強度化、(b)高靭性化、(c)現地溶接性の向上、(d)耐食性の厳格化、(e)凍土、地震・断層地帯での高変形性能の要求、である。また、これらの特性は使用環境に従い、複合して要求されるのが普通である。
しかしながら、この技術は、現地溶接性について何ら言及されておらず、さらにNbの添加が必須であるために現地溶接性の改善は期待できない。
しかしながら、やはり、Nbの添加が必須となっており、本発明が目的とする余熱、溶接後熱処理なしの溶接性を実現するには至っていないと推定される。
そのため、低温靭性の指標として、DWTT(Drop Weight Tear Test)試験の延性破面率(SA)を−20℃の試験温度において85%以上に、吸収エネルギーを240J以上に、さらに高強度化の観点から板厚12.7mm以上でホットコイルC方向の強度がAPI5L−X65規格(YS:448〜600MPa、TS:531〜758MPa)を満たす高強度なラインパイプ用の熱延鋼板(ホットコイル)およびその熱延鋼板を安価に安定して製造できる方法を提供することを目的とするものである。
ここで、前記エリア平均粒径とは、測定された結晶粒のサイズ分布をヒストグラムで描き、そのヒストグラムのサイズステップごとの数値にその平均面積を重み付けをしたヒストグラムを描き、その平均値として求められる値を示す。
T1(℃)=850+10×(C+N)×Mn+350×Nb+250×Ti+
40×B+10×Cr+100×Mo+100×V ・・・(1)
t1=0.001×((Tf−T1)×P1/100)2−0.109×((Tf−
T1)×P1/100)+3.1 ・・・(2)
ここで、式(1)の各元素記号はその元素の含有量(質量%)であり、式(2)のTfは30%以上の最終圧下後の温度(℃)、P1は30%以上の最終圧下の圧下率である。
εeff=Σεi(t2,T2) ・・・(3)
ここで、
εi(t2,T2)=εi0/exp{(t2/τR)2/3}、
τR=τ0・exp(Q/RT2)、
τ0=8.46×10-6、
Q=183200J、
R=8.314J/K・molであり、
iは粗圧延のパスを、t2当該パスでの仕上げ圧延直前までの累積時間(秒)を、T2は当該パスでの圧延温度(℃)を、εi0は当該パスで加えられたひずみを示す。
ミクロ組織が拡散変態で生成するフェライトを主相とする場合は、フェライト粒径を細粒化するためには、γ→α変態時のαの核生成サイトを増加させることが有効であり、その核生成サイトとなりうるオーステナイトの結晶粒界や転位密度の増加が条件となる。
その手段としては、γ→α変態点温度以上で出来る限り低温で圧延すること、言いかえるとオーステナイトを未再結晶とし、未再結晶率が高い状態でγ→α変態をさせることが必要となる。なぜならば、再結晶後のオーステナイト粒は、再結晶温度では粒成長が早く、非常に短時間で粗大化してγ→α変態後のα相でも粗大粒となり、著しい靭性劣化が起こるためである。
このパケットサイズは変態前のオーステナイト粒径に強い相関があることが知られており、オーステナイト粒を細粒化するためには熱間圧延中に未再結晶→再結晶を繰返し、オーステナイトの再結晶粒を細粒化することが必要となる。また、オーステナイトの再結晶粒径は完全に再結晶が完了しない段階で細粒となるため、オーステナイトが完全に再結晶するまえに変態させることが必要である。
その結果、これまで再結晶すると考えられていた温度以上であっても、十分に大きな圧下量で圧延した後にごく短時間で十分に低温まで冷却すれば、圧延後の再結晶は抑制され、さらにその状態から変態して得られたミクロ組織が十分に微細化してNb添加鋼と同等の低温靭性が得られるプロセス条件があることを新たに見出した。
Cは、目的とするAPI5L−X65規格以上の強度、ミクロ組織を得るために必要な元素である。ただし、0.02%未満では必要な強度を得ることが出来ず、0.1%超添加すると破壊の起点となる炭化物が多く形成されるようになり靭性、特に吸収エネルギーを低下されるばかりでなく、現地溶接性が著しく劣化する。従って、Cの添加量は0.02%以上0.1%以下とする。また、圧延後の冷却において冷却速度によらず均質な強度を得るためには0.07%以下が望ましい。
Ca及、REMおよびMgの含有量は、いずれも0.0005%未満では上記効果を発揮しない。また、Mgの含有量を0.01%超、Caの含有量を0.01%超、REMの含有量を0.1%超としても上記効果が飽和して経済性が低下する。
したがって、添加する場合のMg含有量は0.0005%以上0.01%以下、Ca含有量は0.0005%以上0.01%以下、REM含有量は、0.0005以上0.1%以下とする。
鋼板のミクロ組織は、目的の強度および低温靭性等を達成するためには、板厚中心でのミクロ組織において初析フェライト分率が3%未満で他が低温変態相であり、前記ミクロ組織全体の個数平均結晶粒径が2.5μm以下かつエリア平均粒径が9μm以下であり、前記エリア平均粒径の標準偏差が2.3μm以下であることが必要である。
12.7mm以上の板厚の場合には、板の表裏面と板厚中心には大きな温度偏差が生じ、圧延開始から終了までの各板厚位置での温度履歴が直接的にミクロ組織等の形成に影響する。特に板厚中心部はその3軸応力度が最も高く、破壊の起点は板厚中心部である。さらに、そのミクロ組織等とDWTT試験での延性破面率(SA)等の材質が最もよい相関があった事実から1/2厚でのミクロ組織等を全板厚の代表とした。
EBSP−OIM法による一定測定ステップごとの方位測定で、隣りあう測定点の方位差が、一般的に結晶粒界として認識されている大傾角粒界の閾値である15°を超えた位置を粒界とし、その粒界に囲まれた領域を結晶粒として、その粒径を求める。
この測定された粒のサイズ分布をヒストグラムで描き、その平均値が本発明で定義する「個数平均結晶粒径」である。一方、このヒストグラムのサイズステップごとの数値にその平均面積を重み付け(積を求める)をしたヒストグラムを描き、その平均値が本発明で定義する「エリア平均粒径」である。この値は、光学顕微鏡観察等を肉眼で見えるミクロ組織の印象やJISに定義されている比較法、切断法により近い値となる。
本発明で対象としているようにAPI−X65グレード以上の高強度鋼の場合は、必然的に「初析フェライト」と「低温変態相」の混合したミクロ組織となるため、一般的な平均結晶粒径は「エリア平均粒径」すなわち「低温変態相」の粒径を代表しているに過ぎず適当ではない。
この場合、「初析フェライト」と「低温変態相」のどちらが最も弱い単位であるかは別として、その各々でその弱さの下限を規定する閾値(この場合は「個数平均結晶粒径」と「エリア平均粒径」)が必要となる。また、これらのバラツキも重要であり、安定した靭性を得るためには。その「標準偏差」も規定しなければならない。
本発明においてそれらの閾値は、個数平均結晶粒径が2.5μm以下、かつエリア平均粒径が9μm以下、その標準偏差が2.3μm以下である。
従って、低温靭性の指標であるDWTT試験でのSAをセパレーションの発生を抑制しつつ向上させるためには極力中心偏析、特にMnのそれを低減すべきである。しかしながら、中心偏析部の最高硬度が300Hv以下で、母材平均硬度+50Hv以上の偏析帯幅が200μm以下ならば、SAを担保した上でセパレーションの発生を抑制できる。また、板厚方向の硬質なバンド状組織の幅も狭い方が、望ましくMn濃度1.8%以上の偏析帯の厚さが板厚方向で140μm以下ならば、更にセパレーションの発生を抑制できる。
本発明において連続鋳造工程に先行する製造方法は特に限定するものではない。すなわち、高炉から出銑後に溶銑脱燐および溶銑脱硫等の溶銑予備処理を経て転炉による精錬を行うかもしくは、スクラップ等の冷鉄源を電炉等で溶解する工程に引き続き、各種の2次精練で目的の成分含有量になるように成分調整を行い、次いで通常の連続鋳造、インゴット法による鋳造の他、薄スラブ鋳造などの方法で鋳造すればよい。
ただし、スラブ鋳造に際し、中心偏析を低減するために連続鋳造セグメントにおいて未凝固圧下等の偏析対策を施すことが望ましい。もしくはスラブ鋳造厚を薄くし、中心偏析の板厚方向の幅を抑えることが望ましい。
一方、1260℃超であるとオーステナイトの粒径が粗大化し、後の制御圧延における旧オーステナイト粒が粗大化し、変態後の平均結晶粒径も粗大化して低温靭性の改善効果が期待できない。さらに望ましくは1230℃以下である。
一方、仕上げ圧延工程はタンデム式であるためにパス数は圧延機の数と同数となるが各パス間時間が短く、制御圧延効果を得やすい特徴を持つ。従って、優れた低温靭性を実現するためには鋼成分に加えて、これら圧延工程の特徴を十分に生かした工程設計が必要となる。
εeff=Σεi(t2,T2) ・・・(3)
ここで、
εi(t2,T2)=εi0/exp{(t/τR)2/3}
τR=τ0・exp(Q/RT2)
τ0=8.46×10-6
Q=183200J
R=8.314J/K・molであり、
iは粗圧延のパスを示し、t2は当該パスでの仕上げ圧延直前までの累積時間、すなわち、被圧延材が当該パスを通過した後仕上げ圧延機に到達するまでの時間(秒)を、T2は当該パスでの圧延温度(℃)を、εi0は当該パスで加えられたひずみをそれぞれ示す。
同様に、再結晶温度領域での各圧下パスの圧下率が25%以上であると、特に後段の低温域では圧下中に転位の導入と回復を繰返すことによって転位セル壁が形成され、亜粒界から大角粒界へと変化する動的再結晶が起こるが、この動的再結晶粒主体のミクロ組織のような転位密度の高い粒とそうでない粒が混在する組織では短時間に粒成長が起こるため、未再結晶域圧延前までに比較的粗大な粒に成長し、後の未再結晶域圧延により粒が生成してしまい低温靭性が劣化する懸念があるので、再結晶温度域での各圧下パスでの圧下率は25%未満とすることが望ましい。
また、必要に応じて未再結晶温度域に温度が低下するまで時間待ちをするか、冷却装置による冷却を行っても良い。後者の方が時間待ちの時間を短縮できるので生産性ということではより望ましい。
T1(℃)=850+10×(C+N)×Mn+350×Nb+250×Ti
+40×B+10×Cr+100×Mo+100×V ・・・(1)
T1温度自体は経験的に求めたものである。T1温度を基準として、通常の圧延ではT1温度以上で各鋼のオーステナイト域での再結晶が促進されることを発明者らは実験により経験的に知見した。
一方、合計圧下率が90%を超えると加工発熱により再結晶が抑制できなくなったり、圧延荷重が増加し圧延が困難となる恐れがある。
Ar3=910−310×C+25×Si−80×[Mneq]・・・(6)
ただし、Bが添加されていない場合、[Mneq]は下記式(4)によって示される。
[Mneq]=Mn+Cr+Cu+Mo+Ni/2+10(Nb−0.02) ・・・(4)
または、Bが添加されている場合、[Mneq]は下記式(5)によって示される。
[Mneq]=Mn+Cr+Cu+Mo+Ni/2+10(Nb−0.02)+1 ・・(5)
また、この冷却での冷却速度が25℃/sec未満であると再結晶が進行してしまい低温靭性が劣化する。一方、冷却速度の上限は特に定めないが板形状の観点から200℃/sec以下が妥当と思われる。
t1=0.001×((Tf−T1)×P1/100)2−0.109×((Tf−
T1)×P1/100)+3.1 ・・・(2)
ここで、Tfは30%以上の最終圧下後の温度(℃)、P1は30%以上の最終圧下の圧下率である。
さらに冷却停止温度は450℃未満とする。この温度以上では、巻き取り後に低温変態相のラス間にセメンタイト等の炭化物が生成し、強度が低下するともに脆性破壊の起点となり靭性が低下する恐れがある。
表1に示す化学成分を有するA〜Lの鋼は、転炉にて溶製して、CASまたはRHで二次精練を実施した。脱酸処理は二次精練工程にて実施した。これらの鋼は、連続鋳造後、直送もしくは再加熱し、粗圧延に続く仕上げ圧延で18.4mmの板厚に圧下し、ランナウトテーブルで冷却後に巻き取った。ただし、表中の化学組成についての表示は質量%である。
また、「T1+30℃未満の合計圧下率」とは、仕上げ圧延工程におけるT1+30℃未満の温度域での合計圧下率を、「Tf」とは最終圧下後の温度を、「P1」とは最終圧下後の圧下率をいう。
さらに、「t1」とは数式(1)にて算出される仕上げ圧延終了後に一次冷却を開始するまでの望ましい上限時間を、「冷却開始までの時間」とは、仕上げ圧延終了後に一次冷却を開始するまでの時間を、「一次冷却速度」とは、仕上げ圧延終了後から一次冷却温度変化分の冷却を完了するまでの平均冷却速度を、「一次冷却停止温度」とは一次冷却終了温度後の温度を、「二次冷却速度」とは、二次冷却開始から巻き取りまでの平均冷却速度を、「CT」とは、巻き取り工程においてコイラーにて巻取る温度を示している。
引張試験はパイプの円周方向に相当する方向よりJIS Z 2201に記載の5号試験片を切出し、JIS Z2241の方法に従って実施した。シャルピー衝撃試験は板厚中心のパイプの円周方向に相当する方向よりJIS Z 2202に記載の試験片を切出し、JIS Z 2242の方法に従って実施した。DWTT試験はパイプの円周方向に相当する方向より、300mmL×75mmW×板厚(t)mmの短冊状の試験片を切り出し、これに5mmのプレスノッチを施したテストピースを作製して実施した。
また、ミクロ組織については、EBSP−OIMに装備されているKAM法にて初析フェライト体積分率を求めた。
このうち「初析フェライト体積分率」とは、上述の、EBSP−OIMのKAM法にて測定した値であり、「個数平均粒径」、「エリア平均粒径」、「標準偏差」とは同じくEBSP−OIMTMでの測定結果である。
「引張試験」結果は、JIS5号試験片の結果を、「SA(−20℃)」は、−20℃でのDWTT試験における延性破面率を、「セパレーション有無」とは同じく−20℃でのDWTT試験における破断面のセパレーションの有無を、「母材靭性vE−20℃」は、シャルピー衝撃試験における−20℃で得られる吸収エネルギーを、「HAZ靭性vE−20℃」は、HAZ部のシャルピー衝撃試験における−20℃で得られる吸収エネルギーを、「現地溶接性」は、Y−スリット溶接割れ試験(JIS G3158)においてHAZの低温割れ防止に必要な最低予熱温度を示している。ただし、予熱不要のものは「予熱不要」と記した。
鋼番2は、「T1+30℃未満の合計圧下率」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番3は、「P1」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番4は、「Tf」と「冷却までの時間」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番5は、「冷却までの時間」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番6は、「一次冷却速度」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番7は、「一次冷却停止温度」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番8は、「二次冷却速度」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番9は、「CT」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番13は、C含有量が本発明の範囲外であるので、現地溶接性が悪い。
鋼番14は、Ti含有量およびN*が本発明請求項1の範囲外であるので、SA(−20℃)が低い。
鋼番15は、N含有量が本発明の範囲外であるので、SA(−20℃)が低い。
鋼番16は、Cが本発明の範囲外であるので、強度が低く、API5L−X65グレードに達していない。
鋼番22は、Nb含有量が本発明の範囲外であるので、現地溶接性が悪い。
Claims (5)
- 質量%にて、
C :0.02〜0.1%、
Si:0.05〜0.5%、
Mn:1〜2%、
P :0.03%以下、
S :0.005%以下、
O :0.003%以下、
Al:0.005〜0.1%、
N :0.0015〜0.006%、
Nb:0.005%未満、
Ti:0.005〜0.02%、
を含有し、且つ
N−14/48×Ti≧0%、
を満足し、残部がFe及び不可避的不純物元素からなる鋼板であって、板厚中心でのミクロ組織において初析フェライト分率が3%未満で他が低温変態相であり、前記ミクロ組織全体の個数平均結晶粒径が2.5μm以下かつエリア平均粒径が9μm以下で、前記エリア平均粒径の標準偏差が2.3μm以下であり、さらに、DWTT試験の延性破面率が−20℃の試験温度において85%以上であることを特徴とする現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板。
ここで、前記エリア平均粒径とは、測定された結晶粒のサイズ分布をヒストグラムで描き、そのヒストグラムのサイズステップごとの数値にその平均面積を重み付けをしたヒストグラムを描き、その平均値として求められる値を示す。
- 前記鋼板が、さらに質量%にて、
V :0.15%以下(0%を含まない)、
Mo:0.3%以下(0%を含まない)、
Cr:0.05〜0.3%、
Cu:0.05〜0.3%、
Ni:0.05〜0.3%、
B :0.0002〜0.003%、
のうち一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板。 - 前記鋼板が、さらに質量%で、
Mg:0.0005〜0.01%、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.1%、
のいずれか一種又は二種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の成分を有する熱延鋼板を得るために溶製され、鋳造された鋳片を熱間圧延することにより熱延鋼板を製造するに際し、仕上げ圧延において、鋼板成分により下記式(1)で決定される温度をT1とすると、T1+30℃未満の温度範囲における最終パスでの圧下率P1が少なくとも30%以上で、且つ、該温度範囲での圧下率の合計を50%以上とし、圧延後冷却開始までの時間を、圧延温度および圧下率により下記式(2)で決定されるt1秒以内として冷却を開始し、25℃/sec以上の冷却速度でT1−30℃以下の温度域まで冷却を行い、さらに3秒以内に10℃/sec以上の冷却速度で450℃未満の温度域まで冷却し、巻き取ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板の製造方法。
T1(℃)=850+10×(C+N)×Mn+350×Nb+250×Ti+
40×B+10×Cr+100×Mo+100×V ・・・(1)
t1=0.001×((Tf−T1)×P1/100)2−0.109×((Tf−
T1)×P1/100)+3.1 ・・・(2)
ここで、式(1)の各元素記号はその元素の含有量(質量%)であり、式(2)のTfは30%以上の最終圧下後の温度(℃)、P1は30%以上の最終圧下の圧下率である。 - 請求項4に記載の熱延鋼板の製造方法において、圧延温度と仕上げ圧延直前までの累積時間により下記式(3)で決定される粗有効累積ひずみ(εeff)が0.4以上となる粗熱間圧延を行うことを特徴とする現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板の製造方法。
εeff=Σεi(t2,T2) ・・・(3)
ここで、
εi(t2,T2)=εi0/exp{(t2/τR)2/3}、
τR=τ0・exp(Q/RT2)、
τ0=8.46×10-6、
Q=183200J、
R=8.314J/K・molであり、
iは粗熱間圧延のパスを、t2は当該パスでの仕上げ圧延直前までの累積時間(秒)を、T2は当該パスでの圧延温度(℃)を、εi0は当該パスで加えられたひずみを示す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012008137A JP5927927B2 (ja) | 2012-01-18 | 2012-01-18 | 現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012008137A JP5927927B2 (ja) | 2012-01-18 | 2012-01-18 | 現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013147694A JP2013147694A (ja) | 2013-08-01 |
JP5927927B2 true JP5927927B2 (ja) | 2016-06-01 |
Family
ID=49045492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012008137A Active JP5927927B2 (ja) | 2012-01-18 | 2012-01-18 | 現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5927927B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105786052B (zh) | 2014-12-16 | 2020-09-08 | 艺康美国股份有限公司 | 一种用于pH调节的在线控制和反应方法 |
JP7440740B2 (ja) | 2019-12-06 | 2024-02-29 | 日本製鉄株式会社 | タンク用鋼板 |
CN114645181A (zh) * | 2022-03-14 | 2022-06-21 | 安阳钢铁集团有限责任公司 | 一种降低x65管线钢冲击断口分离比例的方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1171615A (ja) * | 1997-08-29 | 1999-03-16 | Nippon Steel Corp | 低温靱性に優れた厚鋼板の製造方法 |
JP3922805B2 (ja) * | 1998-06-22 | 2007-05-30 | 新日本製鐵株式会社 | 低温靭性に優れた高張力鋼材の製造方法 |
JP3869747B2 (ja) * | 2002-04-09 | 2007-01-17 | 新日本製鐵株式会社 | 変形性能に優れた高強度鋼板、高強度鋼管および製造方法 |
JP4970625B2 (ja) * | 2010-06-30 | 2012-07-11 | 新日本製鐵株式会社 | 熱延鋼板及びその製造方法 |
-
2012
- 2012-01-18 JP JP2012008137A patent/JP5927927B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013147694A (ja) | 2013-08-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5223375B2 (ja) | 低温靭性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP4700765B2 (ja) | 低温靭性と延性破壊停止性能に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP5223379B2 (ja) | 低温靭性に優れるスパイラルパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP4970625B2 (ja) | 熱延鋼板及びその製造方法 | |
JP5776398B2 (ja) | 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP5590253B2 (ja) | 変形性能と低温靭性に優れた高強度鋼管、高強度鋼板、および前記鋼板の製造方法 | |
JP5741483B2 (ja) | 現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
WO2013011791A1 (ja) | 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP7155702B2 (ja) | 耐サワーラインパイプ用厚鋼板およびその製造方法 | |
JP2012172256A (ja) | 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
WO2014115548A1 (ja) | 引張強さ540MPa以上の高強度ラインパイプ用熱延鋼板 | |
WO2014175122A1 (ja) | H形鋼及びその製造方法 | |
JP6519024B2 (ja) | 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板の製造方法 | |
JP2010037567A (ja) | 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP5927927B2 (ja) | 現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP2009084598A (ja) | 変形能ならびに低温靱性に優れた超高強度ラインパイプ用鋼板の製造方法および超高強度ラインパイプ用鋼管の製造方法 | |
JP7048378B2 (ja) | 高強度高延性鋼板 | |
KR101139540B1 (ko) | 저온 인성이 우수한 스파이럴 파이프용 고강도 열연 강판 및 그 제조 방법 | |
JP7206792B2 (ja) | ラインパイプ用鋼材 | |
JP5020691B2 (ja) | 低温靱性に優れた高強度ラインパイプ用鋼板および高強度ラインパイプならびにこれらの製造方法 | |
JP2012193446A (ja) | 高延性超高強度溶接鋼管用鋼板および鋼管ならびにその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140212 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141212 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150106 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150304 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150915 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151112 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160329 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160411 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5927927 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |