JP5927927B2 - 現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板およびその製造方法に関するものである。
近年、原油、天然ガスなどエネルギー資源の開発域は、北海、シベリア、北米、サハリンなどの寒冷地、また、北海、メキシコ湾、黒海、地中海、インド洋などの深海へと、その自然環境の苛酷な地域に進展してきた。さらには、地球環境重視の観点から天然ガス開発が増加すると同時に、パイプラインシステムの経済性の観点から操業圧力の高圧化が求められている。
これらの環境条件の変化に対応してラインパイプに要求される特性はますます高度化かつ多様化しており、大きく分けると、(a)厚肉/高強度化、(b)高靭性化、(c)現地溶接性の向上、(d)耐食性の厳格化、(e)凍土、地震・断層地帯での高変形性能の要求、である。また、これらの特性は使用環境に従い、複合して要求されるのが普通である。
さらに、最近の原油・天然ガス需要の増大を背景に、これまで採算性がないために開発を見送っていた遠隔地や自然環境の苛酷な地域での開発が本格化しようとしている。特に原油・天然ガスを長距離輸送するパイプラインに使用するラインパイプは、輸送効率向上のための厚肉・高強度化に加えて、寒冷地での使用に耐えうる高靭性化、現地溶接施工の容易化が強く求められており、これら要求特性の両立が技術的な課題となっている。
パイプラインを敷設する際、現地にてラインパイプ同士を溶接するが、本発明が対象とする高強度鋼を通常の溶接方法で溶接すると、溶接時に割れが発生したり、溶接後に溶接熱影響部の硬さが著しく上昇し、靭性が劣化する恐れがある。また、輸送流体中に硫化水素が含有されている場合には、溶接熱影響部の硬さ上昇は硫化物応力割れを誘発する原因となることが知られており、パイプライン敷設の際の懸念事項となっている。
これら現地溶接の際に懸念される溶接割れや溶接熱影響部の靭性低下を抑制する対策として、溶接前に余熱を施したり、溶接後熱処理を施すことが行われているが、ラインパイプ敷設現場でこのような熱処理を実施することは、現地での溶接施工性の悪化や、また熱処理自体の温度管理や品質保証の困難性、更にはこれらの作業が膨大な費用を要するなどの多くの問題があり、通常の溶接方法で溶接しても溶接割れが無く、溶接熱影響部の硬さ上昇が少なく、かつ溶接熱影響部も含めた低温靭性に優れたラインパイプが求められている。
更に、最近では、不連続凍土地帯のように地盤が凍結と融解によって動く地域でのパイプラインの敷設も増加しており、このような地域に敷設されたパイプラインでは、地盤の変動によるパイプラインの曲がり変形が起き、不連続凍土地帯以外でのパイプラインには生じない長手方向の応力が発生するため、円周方向に施される現地溶接部の靭性がより優れていることが望まれている。
非特許文献1および非特許文献2によれば、溶接割れおよび熱影響部の硬度上昇による靭性の低下は、一般的に鋼成分により決定される溶接割れ感受性組成(PCM値)および炭素当量(Ceq: Carbon equivalent)と相関があり、これらPCM値、Ceq値の上限値を超えないように鋼成分を設計することで、溶接割れおよび熱影響部の靭性は回避されている。例えば、高強度かつ高靭性がえられるTMCP(Thermo Mechanical Control Process)鋼ではPCM値、Ceq値ともに低い値に制御されており、一般的なラインパイプ用鋼板として現地溶接性は問題ないと考えられている。
しかしながら、最も有効な制御圧延元素であるためTMCP鋼に積極的に添加されるNbは焼き入れ性効果が大きい元素であるにも関わらず、溶接割れおよび熱影響部の靭性の指標となるこれらPCM値、Ceq値にはNbの項がなく、Nbの影響については考慮されていない。
従って、今後広く求められる不連続凍土地帯での敷設を前提とした高強度、高靭性且つ現地溶接性に優れるラインパイプ用鋼板としては、可能な限りNb添加量を低減した合金設計が必要であるが、一般的な熱間圧延設備で生産性を落とさずに母材強度、靭性得るためにはNbをある程度添加せざるを得ないために現地溶接性が犠牲となっていた。
特許文献1には、ラインパイプ用ホットコイルで高強度、厚肉化と低温靭性を両立させる技術として精錬時にCa−Siを添加することで介在物を球状化し、Nb、Ti、Mo、Niの強化元素に加えて結晶粒微細化効果のあるVを添加し、強度を担保するために低温圧延と低温巻取りを組み合わせる発明が開示されている。
しかしながら、この技術は、現地溶接性について何ら言及されておらず、さらにNbの添加が必須であるために現地溶接性の改善は期待できない。
特許文献2には、電縫鋼管用ホットコイルで強度、低温靭性と共に優れた現地溶接性を実現する技術としてPCM値を限定して溶接部の硬度上昇を抑制すると共に、ミクロ組織をベイニティックフェライト単相し、さらにNbの析出割合を限定することで高強度、低温靭性と現地溶接性を両立させる開示がある。
しかしながら、やはり、Nbの添加が必須となっており、本発明が目的とする余熱、溶接後熱処理なしの溶接性を実現するには至っていないと推定される。
特表2005−503483号公報 特開2004−315957号公報
新版溶接・接合技術特論、溶接学会編、産報出版 土師利昭ほか:溶接熱影響部靱性の優れた海洋構造物用鋼板,製鉄研究,Vol.326,p.36,(1987)
そこで、本発明は、不連続凍土地帯のように地盤が凍結と融解によって動く地域でもその使用に耐えうる高靭性と強度を兼ね備え、輸送効率や余熱、溶接後熱処理フリーという現地溶接施工性などの観点からラインパイプ用の熱延鋼板を提供することを課題とする。
そのため、低温靭性の指標として、DWTT(Drop Weight Tear Test)試験の延性破面率(SA)を−20℃の試験温度において85%以上に、吸収エネルギーを240J以上に、さらに高強度化の観点から板厚12.7mm以上でホットコイルC方向の強度がAPI5L−X65規格(YS:448〜600MPa、TS:531〜758MPa)を満たす高強度なラインパイプ用の熱延鋼板(ホットコイル)およびその熱延鋼板を安価に安定して製造できる方法を提供することを目的とするものである。
上述の如き問題点を解決するために、本発明者らは、以下に示す現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板とその製造法を発明した。
(1)質量%にて、C:0.02〜0.1%、Si:0.05〜0.5%、Mn:1〜2%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、O:0.003%以下、Al:0.005〜0.1%、N:0.0015〜0.006%、Nb:0.005%未満、Ti:0.005〜0.02%、を含有し、且つ、N−14/48×Ti≧0%、を満足し、残部がFe及び不可避的不純物元素からなる鋼板であって、板厚中心でのミクロ組織において初析フェライト分率が3%未満で他が低温変態相であり、前記ミクロ組織全体の個数平均結晶粒径が2.5μm以下かつエリア平均粒径が9μm以下で、前記エリア平均粒径の標準偏差が2.3μm以下であり、さらに、DWTT試験の延性破面率が−20℃の試験温度において85%以上であることを特徴とする現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板。
ここで、前記エリア平均粒径とは、測定された結晶粒のサイズ分布をヒストグラムで描き、そのヒストグラムのサイズステップごとの数値にその平均面積を重み付けをしたヒストグラムを描き、その平均値として求められる値を示す。
(2)前記鋼板が、さらに質量%にて、V:0.15%以下(0%を含まない)、Mo:0.3%以下(0%を含まない)、Cr:0.05〜0.3%、Cu:0.05〜0.3%、Ni:0.05〜0.3%、B:0.0002〜0.003%、のうち一種または二種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板。
(3)前記鋼板が、さらに質量%で、Mg:0.0005〜0.01%、Ca:0.0005〜0.01%、REM:0.0005〜0.1%、のいずれか一種又は二種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の成分を有する熱延鋼板を得るために溶製され、鋳造された鋳片を熱間圧延することにより熱延鋼板を製造するに際し、仕上げ圧延において鋼板成分により下記式(1)で決定される温度をT1とすると、T1+30℃未満の温度範囲における最終パスでの圧下率P1が少なくとも30%以上で、且つ、該温度範囲での圧下率の合計を50%以上とし、圧延後冷却開始までの時間を、圧延温度および圧下率により下記式(2)で決定されるt1秒以内として冷却を開始し、25℃/sec以上の冷却速度でT1−30℃以下の温度域まで冷却を行い、さらに3秒以内に10℃/sec以上の冷却速度で450℃未満の温度域まで冷却し、巻き取ることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板の製造方法。
T1(℃)=850+10×(C+N)×Mn+350×Nb+250×Ti+
40×B+10×Cr+100×Mo+100×V ・・・(1)
t1=0.001×((Tf−T1)×P1/100)−0.109×((Tf−
T1)×P1/100)+3.1 ・・・(2)
ここで、式(1)の各元素記号はその元素の含有量(質量%)であり、式(2)のTfは30%以上の最終圧下後の温度(℃)、P1は30%以上の最終圧下の圧下率である。
(5)上記(4)に記載の製造方法において、圧延温度と仕上げ圧延直前までの累積時間により下記式(3)で決定される粗有効累積ひずみ(εeff)が0.4以上となる粗熱間圧延を行うことを特徴とする現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板の製造方法。
εeff=Σεi(t2,T2) ・・・(3)
ここで、
εi(t2,T2)=εi0/exp{(t2/τR2/3}、
τR=τ0・exp(Q/RT2)、
τ0=8.46×10-6
Q=183200J、
R=8.314J/K・molであり、
iは粗圧延のパスを、t2当該パスでの仕上げ圧延直前までの累積時間(秒)を、T2は当該パスでの圧延温度(℃)を、εi0は当該パスで加えられたひずみを示す。
本発明の熱延鋼板を電縫鋼管およびスパイラル鋼管に用いることにより厳しい耐破壊特性が要求される寒冷地においても12.7mm以上の板厚でAPI5L−X65規格以上の現地溶接性が良好な高強度なラインパイプが製造可能となるばかりでなく、本発明の製造方法により、ラインパイプ用ホットコイルを安価に安定的に得ることが可能となる。
本発明者等は、まず、ラインパイプ用途を前提に現地溶接性にとって有害なNbの添加無しに強度と靭性に優れた熱延鋼板を得ることを念頭に、ホットコイル製造工程にて生産される熱延鋼板の圧延パススケジュール、熱履歴と靭性に関わるミクロ組織、破面単位の関係について鋭意研究を重ねた。その結果以下の新たな知見を得た。
一般的に、低温靭性を向上させるためには脆性破面の破面単位の微細化すなわち、ミクロ組織単位の細粒化が効果的である。
ミクロ組織が拡散変態で生成するフェライトを主相とする場合は、フェライト粒径を細粒化するためには、γ→α変態時のαの核生成サイトを増加させることが有効であり、その核生成サイトとなりうるオーステナイトの結晶粒界や転位密度の増加が条件となる。
その手段としては、γ→α変態点温度以上で出来る限り低温で圧延すること、言いかえるとオーステナイトを未再結晶とし、未再結晶率が高い状態でγ→α変態をさせることが必要となる。なぜならば、再結晶後のオーステナイト粒は、再結晶温度では粒成長が早く、非常に短時間で粗大化してγ→α変態後のα相でも粗大粒となり、著しい靭性劣化が起こるためである。
一方、ミクロ組織が、本発明が対象とするような比較的せん断変態で生成するベイナイトもしくはマルテンサイトを主相とする場合は、破面単位が晶癖面を共有するブロックの集合体であるパケットサイズと強い相関があり、このパケットサイズを細粒化することが重要であることが知られている。
このパケットサイズは変態前のオーステナイト粒径に強い相関があることが知られており、オーステナイト粒を細粒化するためには熱間圧延中に未再結晶→再結晶を繰返し、オーステナイトの再結晶粒を細粒化することが必要となる。また、オーステナイトの再結晶粒径は完全に再結晶が完了しない段階で細粒となるため、オーステナイトが完全に再結晶するまえに変態させることが必要である。
すなわち、何れのミクロ組織においてもγ→α変態前にオーステナイトが細粒且つ、未再結晶状態であることが脆性破面の破面単位の微細化に有効であり、靭性の向上に効果的である。
ここで、Nbは再結晶を抑制する元素として最も効果的であることが知られている。このため、高強度のTMCP鋼には、ほぼ例外なくNbが活用され、その再結晶抑制効果により、再結晶下限温度を高温化し、生産性を劣化させる低温圧延を指向することなく、十分細粒なミクロ組織を得ることができる。しかしながら、Nbは上述したように現地溶接性を劣化させるばかりでなく、合金コストの観点から可能な限り低減することが望ましい。
本発明者等は、Nbを無添加とし、且つ生産性を劣化させる低温圧延を指向することなく、十分に細粒なミクロ組織を得ることができるような再結晶を抑制するプロセス(圧延パススケジュール、熱履歴)について検討を重ねた。
その結果、これまで再結晶すると考えられていた温度以上であっても、十分に大きな圧下量で圧延した後にごく短時間で十分に低温まで冷却すれば、圧延後の再結晶は抑制され、さらにその状態から変態して得られたミクロ組織が十分に微細化してNb添加鋼と同等の低温靭性が得られるプロセス条件があることを新たに見出した。
すなわち、鋼板成分により前記式(1)で決定される温度を再結晶下限温度T1℃とすると、T1+30℃未満の温度範囲における仕上げ圧延の最終パスでの圧下率P1が少なくとも30%以上で、且つ、該温度範囲での圧下率の合計を50%以上とし、圧延終了後冷却開始までの時間を、圧延温度および圧下率により前記式(2)で決定されるt1秒以内として冷却を開始し、25℃/sec以上の冷却速度でT1−50℃以下の温度域まで冷却を行い、さらに3秒以内に15℃/sec以上の冷却速度で450℃未満の温度域まで冷却して得られたミクロ組織は、Nbを添加すること無しに、板厚中心でのミクロ組織において初析フェライト分率が3%未満で他が低温変態相であり、前記ミクロ組織全体の個数平均結晶粒径が2.5μm以下かつエリア平均粒径が9μm以下であり、前記エリア平均粒径の標準偏差が2.3μm以下であることを特徴とする優れた強度、靭性を得ることができる。
続いて、本発明の化学成分の限定理由について説明する。なお、各元素の含有量の%は質量%である。
Cは、目的とするAPI5L−X65規格以上の強度、ミクロ組織を得るために必要な元素である。ただし、0.02%未満では必要な強度を得ることが出来ず、0.1%超添加すると破壊の起点となる炭化物が多く形成されるようになり靭性、特に吸収エネルギーを低下されるばかりでなく、現地溶接性が著しく劣化する。従って、Cの添加量は0.02%以上0.1%以下とする。また、圧延後の冷却において冷却速度によらず均質な強度を得るためには0.07%以下が望ましい。
Siは、破壊の起点となる炭化物の析出を抑制する効果があるので0.05%以上添加するが、0.5%超添加すると現地溶接性が劣化する。現地溶接性の観点で汎用性を考慮すると0.3%以下が望ましい。さらに0.15%超ではタイガーストライプ状のスケール模様を発生させ表面の切欠き効果により靭性が損なわれる恐れがあるので、望ましくは、その上限を0.15%とする。
Mnは、固溶強化元素であるので必要に応じて添加する。ただし、1%未満ではその効果が得られないので1%以上添加する。しかしながら、鋳造時に鋳片中心に偏析して、吸収エネルギーを低下させるセパレーションの起点となる硬質な偏析バンドを形成する。そのため2%超添加するとどのように鋳造しても最大Mn偏析量が2%超になる可能性が大きく、セパレーションの発生が顕著になり、本発明の要件を満たさなくなる。最大Mn偏析量の変動も加味してセパレーションを低減するためには1.8%以下とすることが望ましい。
Pは、不純物であり低いほど望ましく、0.03%超含有すると連続鋳造鋼片の中心部に偏析し、粒界破壊を起こし低温靭性を著しく低下させるので、0.03%以下とする。さらにPは、造管および現地での溶接性に悪影響を及ぼすのでこれらを考慮すると0.015%以下が望ましい。
Sは、熱間圧延時の割れを引き起こすばかりでなく、多すぎると低温靭性を劣化させるので、0.005%以下とする。さらに、Sは連続鋳造鋼片の中心付近にMnSとして偏析し、圧延後に伸張したMnSを形成し脆性破壊の起点となるばかりでなく、二枚板割れ等の擬似セパレーション(本発明ではセパレーションとして取り扱う)の発生の原因となる。また、耐サワー性を考慮すると0.001%以下が望ましい。
Oは、不純物であり、酸化物の集積を抑制して、耐水素誘起割れ性を向上させるために、含有量の上限を0.003%以下に制限する。酸化物の生成を抑制して、母材及びHAZ靭性を向上させるためには、O量の上限値を0.002%とすることが望ましい。
Alは、脱酸元素であり、その効果を得るためには0.005%以上添加する。一方、0.1%を超えて添加しても効果が飽和する。また0.03%を超えるとAl酸化物の集積クラスターが確認されるため、0.03%以下とすることが望ましい。さらに厳しい低温靭性が要求される場合には、Al量の上限を0.017%以下にすることが好ましい。
Nは、上述したようにTi窒化物を形成し、スラブ再加熱中のオーステナイト粒の粗大化を抑制して後の制御圧延においてオーステナイト粒径を細粒化し、変態後の平均粒径を細粒化することで低温靭性を改善する。ただし、その含有量が0.0015%未満ではその効果が得られない。一方、0.006%超含有すると時効により延性や靱性が低下し、造管する際の成形性が低下する。N含有量がTiとの化学量論組成未満(N−14/48×Ti<0%)となると残存したTiがCと結合し、耐HIC性や靱性を低下させる恐れがある。
Nbは、一般的に固溶状態でのドラッギング効果および/または炭窒化析出物としてのピンニング効果により圧延中もしくは圧延後のオーステナイトの回復・再結晶および粒成長を抑制し、変態後の平均結晶粒径を細粒化し、低温靭性を向上させる効果を有するが、本発明においては、最も重要かつ好ましくない元素である。NbはPCM値、Ceq値に影響を及ぼさないが、焼き入れ性が高く、現地溶接での熱影響部の硬度を上昇させ、溶接割れを助長するとともに、熱影響部の靭性を劣化させるために添加しないことが望ましい。ただし、0.005%未満の含有量では、その影響はほとんどなく、許容できる。下限は特に規定しないが、実質的に0.0005%以上は通常の製鐵プロセスで不可避的に含まれる。
Tiは、連続鋳造もしくはインゴット鋳造で得られる鋳片の凝固直後の高温で窒化物として析出を開始する。このTi窒化物を含む析出物は高温で安定であり、後のスラブ再加熱においても完全に固溶することなく、ピンニング効果を発揮し、スラブ再加熱中のオーステナイト粒の粗大化を抑制し、ミクロ組織を微細化して低温靭性を改善する。このような効果を得るためには、少なくとも0.005%以上のTi添加が必要である。一方、0.02%超添加しても、その効果が飽和する。さらに、Ti添加量がNとの化学量論組成超(N−14/48×Ti<0%)となると、残存したTiがCと結合し、靱性や耐HIC性を低下させる。
次にV、Mo、Cr、Ni、Cu、Bの一種または二種以上とMg、Ca、REMの一種または二種を必要に応じて添加する理由について説明する。以上の基本となる成分にさらにこれらの元素を添加する主たる目的は、本発明鋼の優れた特徴を損なうことなく、製造可能な板厚の拡大や母材の強度・靭性などの特性の向上を図るためである。
Vは、ホットコイル製造工程の特徴である巻取り工程において微細な炭窒化物を生成し、その析出強化により強度の向上に寄与する。ただし、0.15%超添加してもその効果は飽和する。また、0.1%以上添加すると現地溶接性を低下させる懸念があるので、0.1%未満が望ましい。また、微量でも効果を奏するが、0.02%以上添加することが望ましい。
Moは、焼入れ性を向上させ、強度を上昇させる効果がある。また、MoはNbと共存して制御圧延時にオーステナイトの再結晶を強力に抑制し、オーステナイト組織を微細化し、低温靭性を向上させる効果がある。ただし、0.3%超添加してもその効果は飽和する。また、0.2%以上添加すると延性が低下し、造管する際の成形性が低下させる懸念があるので、0.2%未満が望ましい。また、微量でも効果を奏するが、0.02%以上添加することが望ましい。
Crは、強度を上昇させる効果がある。ただし、0.3%超添加してもその効果は飽和する。また、0.15%以上添加すると現地溶接性を低下させる懸念があるので、0.15%未満が望ましい。また、0.05%未満添加してもその効果は期待できないため、0.05%以上添加することが望ましい。
Cuは、耐食性、耐水素誘起割れ特性の向上に効果がある。ただし、0.3%超添加してもその効果は飽和する。また、0.2%以上添加すると熱間圧延時に脆化割れを生じ、表面疵の原因となる懸念があるので、0.2%未満が望ましい。また、0.05%未満添加してもその効果は期待できないため、0.05%以上添加することが望ましい。
Niは、MnやCr、Moに比較して圧延組織(特にスラブの中心偏析帯)中に低温靭性、耐サワー性に有害な硬化組織を形成することが少なく、従って、低温靭性や現地溶接性を劣化させることなく強度を向上させる効果がある。ただし、0.3%超添加してもその効果は飽和する。また、Cuの熱間脆化を防止する効果があるのでCu量の1/3以上を目安に添加する。0.05%未満添加してもその効果は期待できないため、下限を0.05%とする。
Bは、強度の向上がある。従って、必要に応じ添加する。ただし、0.0002%未満ではその効果を得るために不十分であり、0.003%超添加すると現地溶接性を劣化させる懸念がある。
Mg、CaおよびREM(希土類元素)は、アルミナ系介在物を改質することにより、微細な酸化物を溶鋼中に均一に分散し、さらにこれら酸化物が等軸晶生成の核になり易くする効果があり、。ただし、過少に添加してもその効果がなく、過剰に添加するとそれらの酸化物が大量に生成してクラスター、粗大介在物して生成し、溶接シームの低温靭性の劣化や、現地溶接性にも悪影響を及ぼす。また、破壊の起点となり、耐サワー性を劣化させる非金属介在物の形態を変化させて無害化する元素である。
Ca及、REMおよびMgの含有量は、いずれも0.0005%未満では上記効果を発揮しない。また、Mgの含有量を0.01%超、Caの含有量を0.01%超、REMの含有量を0.1%超としても上記効果が飽和して経済性が低下する。
したがって、添加する場合のMg含有量は0.0005%以上0.01%以下、Ca含有量は0.0005%以上0.01%以下、REM含有量は、0.0005以上0.1%以下とする。
なお、これらを主成分とする熱延鋼板には、Zr、Sn、Co、Zn、Wを合計で1%以下含有しても構わない。しかしながらSnは、熱間圧延時に疵が発生する恐れがあるので0.05%以下とする。
次に本発明における鋼板のミクロ組織等ついて詳細に説明する。
鋼板のミクロ組織は、目的の強度および低温靭性等を達成するためには、板厚中心でのミクロ組織において初析フェライト分率が3%未満で他が低温変態相であり、前記ミクロ組織全体の個数平均結晶粒径が2.5μm以下かつエリア平均粒径が9μm以下であり、前記エリア平均粒径の標準偏差が2.3μm以下であることが必要である。
12.7mm以上の板厚の場合には、板の表裏面と板厚中心には大きな温度偏差が生じ、圧延開始から終了までの各板厚位置での温度履歴が直接的にミクロ組織等の形成に影響する。特に板厚中心部はその3軸応力度が最も高く、破壊の起点は板厚中心部である。さらに、そのミクロ組織等とDWTT試験での延性破面率(SA)等の材質が最もよい相関があった事実から1/2厚でのミクロ組織等を全板厚の代表とした。
ここで、個数平均結晶粒径とエリア平均粒径の違いについて言及する。この数値は何れも、EBSP−OIM(Electron Back Scatter Diffraction Pattern-Orientation Image Microscopy・商標)法により得られる。
EBSP−OIM法による一定測定ステップごとの方位測定で、隣りあう測定点の方位差が、一般的に結晶粒界として認識されている大傾角粒界の閾値である15°を超えた位置を粒界とし、その粒界に囲まれた領域を結晶粒として、その粒径を求める。
この測定された粒のサイズ分布をヒストグラムで描き、その平均値が本発明で定義する「個数平均結晶粒径」である。一方、このヒストグラムのサイズステップごとの数値にその平均面積を重み付け(積を求める)をしたヒストグラムを描き、その平均値が本発明で定義する「エリア平均粒径」である。この値は、光学顕微鏡観察等を肉眼で見えるミクロ組織の印象やJISに定義されている比較法、切断法により近い値となる。
ここで、本発明が対象とするラインパイプ用のホットコイルのミクロ組織は、詳細に見ると本発明で定義する「初析フェライト」に相当する非常に細粒な組織とそれ以外の「低温変態相」に分類される。言い換えると「個数平均結晶粒径」とはこの「初析フェライト」の粒径を主に代表しており、「エリア平均粒径」は「低温変態相」の粒径を代表している。また、「標準偏差」はこれらの粒径差を表す指標となっている。
本発明者らの詳細な研究の成果によると、これまで考えられてきた「結晶粒」と「靭性」の関係において細粒化するほど靭性が向上するという解釈は汎用的な法則ではなく、ミクロ組織がフェライトもしくはベイナイト等のほぼ単一相と見なせる場合にのみ成り立つ関係である。
本発明で対象としているようにAPI−X65グレード以上の高強度鋼の場合は、必然的に「初析フェライト」と「低温変態相」の混合したミクロ組織となるため、一般的な平均結晶粒径は「エリア平均粒径」すなわち「低温変態相」の粒径を代表しているに過ぎず適当ではない。
さらに、へき開破壊においては最弱リンクモデルが提案されている。これは、例えばへき開破壊の場合、き裂先端近傍だけでなく、塑性域全部にわたってき裂発生起点となりうる。これをプロセスゾーンと定義するとその中で最も弱い単位が破壊すれば全体の破壊に至るというものである。
この場合、「初析フェライト」と「低温変態相」のどちらが最も弱い単位であるかは別として、その各々でその弱さの下限を規定する閾値(この場合は「個数平均結晶粒径」と「エリア平均粒径」)が必要となる。また、これらのバラツキも重要であり、安定した靭性を得るためには。その「標準偏差」も規定しなければならない。
本発明においてそれらの閾値は、個数平均結晶粒径が2.5μm以下、かつエリア平均粒径が9μm以下、その標準偏差が2.3μm以下である。
スラブ鋳造の際に生じる中心偏析は、DWTT試験での脆性き裂の伝播に悪影響を及ぼし、さらにセパレーションの発生を助長する。DWTT試験は、試験の際にプレスノッチ部から発生した脆性き裂の伝播を、延性破面を形成する塑性変形で如何に遅延させるかを評価する試験方法であるが、中心偏析の結果として生じる硬質なバンド状組織は、塑性変形しにくいために脆性き裂の伝播を促進する。また、中心偏析はセパレーションの起点となる擬似へき開を発生させる。
従って、低温靭性の指標であるDWTT試験でのSAをセパレーションの発生を抑制しつつ向上させるためには極力中心偏析、特にMnのそれを低減すべきである。しかしながら、中心偏析部の最高硬度が300Hv以下で、母材平均硬度+50Hv以上の偏析帯幅が200μm以下ならば、SAを担保した上でセパレーションの発生を抑制できる。また、板厚方向の硬質なバンド状組織の幅も狭い方が、望ましくMn濃度1.8%以上の偏析帯の厚さが板厚方向で140μm以下ならば、更にセパレーションの発生を抑制できる。
天然ガスパイプラインを想定した場合に必要な延性破壊停止性能の指標である吸収エネルギーを向上させるためには、セメンタイト等の粗大な炭化物含むミクロ組織を含まないことが必要である。すなわち、本発明における低温変態相にはセメンタイト等の粗大な炭化物含むミクロ組織を含まない。
ここで、低温変態相とは、ランナウトテーブルでの冷却時もしくは巻取り後において、平衡状態より過冷した場合に出現するミクロ組織に代表され、例えば日本鉄鋼協会基礎研究会ベイナイト調査研究部会/編;低炭素鋼のベイナイト組織と変態挙動に関する最近の研究−ベイナイト調査研究部会最終報告書−(1994年 日本鉄鋼協会)に記載されている連続冷却変態組織(Zw)に準じるミクロ組織である。
すなわち、連続冷却変態組織(Zw)とは光学顕微鏡観察組織として上記参考文献125〜127項にあるようにそのミクロ組織は主にBainitic ferrite(α°B)、Granular bainitic ferrite(αB)、Quasi-polygonal ferrite(αq)から構成され、さらに少量の残留オーステナイト(γr)、Martensite-austenite(MA)を含むミクロ組織であると定義されている。αqとはポリゴナルフェライト(PF)と同様にエッチングにより内部構造が現出しないが、形状がアシュキュラーでありPFとは明確に区別される。ここでは、対象とする結晶粒の周囲長さlq、その円相当径をdqとするとそれらの比(lq/dq)がlq/dq≧3.5を満たす粒がαqである。
さらに、低温靭性を向上させるためにはこれらを含めたミクロ組織全体の個数平均結晶粒径が2.5μm以下、かつエリア平均粒径が9μm以下、その標準偏差が2.3μm以下にする必要がある。これは、脆性破壊におけるへき開破壊伝播の主な影響因子と考えられている破面単位と直接的な関係のある結晶粒径が細粒化し低温靭性が向上するからである。
次に、本発明のラインパイプ用熱延鋼板の製造方法について、以下に詳細に述べる。
本発明において連続鋳造工程に先行する製造方法は特に限定するものではない。すなわち、高炉から出銑後に溶銑脱燐および溶銑脱硫等の溶銑予備処理を経て転炉による精錬を行うかもしくは、スクラップ等の冷鉄源を電炉等で溶解する工程に引き続き、各種の2次精練で目的の成分含有量になるように成分調整を行い、次いで通常の連続鋳造、インゴット法による鋳造の他、薄スラブ鋳造などの方法で鋳造すればよい。
ただし、スラブ鋳造に際し、中心偏析を低減するために連続鋳造セグメントにおいて未凝固圧下等の偏析対策を施すことが望ましい。もしくはスラブ鋳造厚を薄くし、中心偏析の板厚方向の幅を抑えることが望ましい。
連続鋳造もしくは薄スラブ鋳造などによって得たスラブの場合には高温鋳片のまま熱間圧延機に直送してもよいし、室温まで冷却後に加熱炉にて再加熱した後に熱間圧延してもよい。ただし、スラブ直送圧延(HCR:Hot Charge Rolling)を行う場合は、γ→α→γ変態により、鋳造組織を壊し、スラブ再加熱時のオーステナイト粒径を小さくするために、Ar3変態点温度未満まで冷却することが望ましい。さらに望ましくはAr1変態点温度未満まで冷却するとよい。
熱間圧延に際して、スラブ再加熱温度は1000℃未満の加熱ではスケールオフ量が少なくスラブ表層の介在物をスケールと共に後のデスケーリングによって除去できなくなる可能性があるので、スラブ再加熱温度は1000℃以上が望ましい。
一方、1260℃超であるとオーステナイトの粒径が粗大化し、後の制御圧延における旧オーステナイト粒が粗大化し、変態後の平均結晶粒径も粗大化して低温靭性の改善効果が期待できない。さらに望ましくは1230℃以下である。
続く熱間圧延工程は、通常、リバース圧延機を含む数段の圧延機からなる粗圧延工程と6〜7段の圧延機をタンデムに配列した仕上げ圧延工程より構成されている。一般的に粗圧延工程はパス数や各パスでの圧下量が自由に設定できる利点を持つが各パス間時間が長く、パス間での回復・再結晶が進行する恐れがある。
一方、仕上げ圧延工程はタンデム式であるためにパス数は圧延機の数と同数となるが各パス間時間が短く、制御圧延効果を得やすい特徴を持つ。従って、優れた低温靭性を実現するためには鋼成分に加えて、これら圧延工程の特徴を十分に生かした工程設計が必要となる。
また、例えば、製品厚が16mmを超えるような場合で、仕上げ圧延1号機の噛み込みギャップが設備制約上制限されている場合等は、仕上げ圧延工程のみで本発明の要件である未再結晶温度域の圧下率を稼いで靭性を向上させることが出来ないので、粗圧延工程のを有効に活用し、再結晶域圧延で、未再結晶域圧延直前での再結晶オーステナイト粒径を細粒化することが非常に重要である。
本発明は製品厚が12.7mm以上を対象としているが、特に製品厚が16mm以上の場合においては、この再結晶オーステナイト粒径を如何に細粒化するかが重要である。しかしながら、パススケジュール、圧延開始温度および圧延速度が決まれば冶金学的に重要な圧延ひずみ、圧延温度およびパス間時間が決定されてしまう多段タンデム圧延機を用い、連続圧延である仕上げ圧延と違い、粗圧延は、単スタンド圧延機の組合せであり、その操業自由度が大きい裏返しとして、上述した再結晶オーステナイト粒径を細粒化する最適なパススケジュール、圧延開始温度および圧延速度の組合せは無数に存在し、本発明を実現化するための手法を定量化することに本発明者らは苦心した。
そこで、粗圧延のパススケジュール、圧延開始温度および圧延速度、さらに具体的には、温度、パス間時間、圧延ひずみを一律に評価できる指標を確立した。すなわち、下記式(3)で算出される有効累積ひずみ(εeff)を用いることで、16mm以上の板厚の厚い鋼板の圧延に際し、それらの条件を統一的に表すことができることを見出した。
εeff=Σεi(t2,T2) ・・・(3)
ここで、
εi(t2,T2)=εi0/exp{(t/τR2/3
τR=τ0・exp(Q/RT2)
τ0=8.46×10-6
Q=183200J
R=8.314J/K・molであり、
iは粗圧延のパスを示し、t2は当該パスでの仕上げ圧延直前までの累積時間、すなわち、被圧延材が当該パスを通過した後仕上げ圧延機に到達するまでの時間(秒)を、T2は当該パスでの圧延温度(℃)を、εi0は当該パスで加えられたひずみをそれぞれ示す。
この粗圧延の有効累積ひずみ(εeff)が0.4以上であると未再結晶域圧延直前の再結晶オーステナイトが細粒となり、目的とする靭性を得ることができる。
この粗圧延工程での再結晶温度域圧延を行うが、その各圧下パスでの圧下率は、本発明では限定しない。ただし、粗圧延の各パスでの圧下率が10%以下では再結晶に必要な十分なひずみが導入されず、粒界移動のみによる粒成長が起こり、粗大粒が生成し、低温靭性が劣化する懸念があるので、再結晶温度域において各圧下パスで10%超の圧下率で行うことが望ましい。
同様に、再結晶温度領域での各圧下パスの圧下率が25%以上であると、特に後段の低温域では圧下中に転位の導入と回復を繰返すことによって転位セル壁が形成され、亜粒界から大角粒界へと変化する動的再結晶が起こるが、この動的再結晶粒主体のミクロ組織のような転位密度の高い粒とそうでない粒が混在する組織では短時間に粒成長が起こるため、未再結晶域圧延前までに比較的粗大な粒に成長し、後の未再結晶域圧延により粒が生成してしまい低温靭性が劣化する懸念があるので、再結晶温度域での各圧下パスでの圧下率は25%未満とすることが望ましい。
また、必要に応じて未再結晶温度域に温度が低下するまで時間待ちをするか、冷却装置による冷却を行っても良い。後者の方が時間待ちの時間を短縮できるので生産性ということではより望ましい。
仕上げ圧延は、鋼板成分(元素の種類とその含有量)により決定される温度をT1℃とすると、T1+30℃未満の温度範囲において、最終パスでの圧下率P1を少なくとも30%以上とし、且つ、圧下率の合計を50%以上として熱間圧延を終了する必要がある。ここでT1とは、質量%で表される各成分元素の含有量を用いた下記の式(1)で算出される温度である。
T1(℃)=850+10×(C+N)×Mn+350×Nb+250×Ti
+40×B+10×Cr+100×Mo+100×V ・・・(1)
T1温度自体は経験的に求めたものである。T1温度を基準として、通常の圧延ではT1温度以上で各鋼のオーステナイト域での再結晶が促進されることを発明者らは実験により経験的に知見した。
T1+30℃以上の温度範囲で圧延では、再結晶を押えることができずミクロ組織微細化による靭性向上が望めない。また、最終パスでの圧下率P1が30%未満かつ合計圧下率が50%未満であると熱間圧延中に蓄積される圧延ひずみが不均一となり、未再結晶が不均一となりその後のミクロ組織の組織単位が不均一となり、靭性値にバラツキが生じる恐れがある。望ましくは合計圧下率が70%以上であると温度変動等に起因するバラツキを考慮しても十分な不均一性が得られる。
一方、合計圧下率が90%を超えると加工発熱により再結晶が抑制できなくなったり、圧延荷重が増加し圧延が困難となる恐れがある。
仕上げ圧延の下限は特に定めないが、Ar3変態点温度以上が望ましい。この温度以下になると二相域圧延となり、DWTT試験等の靭性評価試験においてセパレーションの発生が顕著になり、吸収エネルギーが低下する恐れがある。
なお、Ar変態点温度とは、例えば下記式(6)の計算式により鋼成分との関係で簡易的に示される。
Ar=910−310×C+25×Si−80×[Mneq]・・・(6)
ただし、Bが添加されていない場合、[Mneq]は下記式(4)によって示される。
[Mneq]=Mn+Cr+Cu+Mo+Ni/2+10(Nb−0.02) ・・・(4)
または、Bが添加されている場合、[Mneq]は下記式(5)によって示される。
[Mneq]=Mn+Cr+Cu+Mo+Ni/2+10(Nb−0.02)+1 ・・(5)
仕上げ圧延終了後には、下記の式(2)によって決定されるt1秒以内に25℃/sec以上の冷却速度でT1−30℃以下の温度域まで冷却を行う必要がある。冷却までの時間がt1秒超であると再結晶が進行してしまい低温靭性が劣化する。一方、この冷却停止温度がT1−30℃超であるとやはり再結晶が進行してしまい低温靭性が劣化する。
また、この冷却での冷却速度が25℃/sec未満であると再結晶が進行してしまい低温靭性が劣化する。一方、冷却速度の上限は特に定めないが板形状の観点から200℃/sec以下が妥当と思われる。
t1=0.001×((Tf−T1)×P1/100)−0.109×((Tf−
T1)×P1/100)+3.1 ・・・(2)
ここで、Tfは30%以上の最終圧下後の温度(℃)、P1は30%以上の最終圧下の圧下率である。
上述の規定した圧延が行われているか否は、圧延率は圧延荷重、板厚測定などから実績または計算により求めることができるし、温度についてもスタンド間温度計があれば実測可能で、またはラインスピードや圧下率などから加工発熱を考慮した計算シミュレーション、或いはその両方によって得ることができる。
なお、本発明において圧延速度については特に限定しないが、仕上げ最終スタンド側での圧延速度が50mpm未満であるとやはり再結晶が進行してしまい低温靭性が劣化する。また、上限については特に限定しなくとも本発明の効果を奏するが、設備制約上400mpm以下が現実的である。従って、仕上げ圧延工程において圧延速度は、必要に応じて50mpm以上400mpm以下とすることが望ましい。
その後、さらに3秒以内に10℃/sec以上の冷却速度で冷却を行う。即ち、3秒超もしくは10℃/sec未満の冷却速度であると高温相である初析フェライトが析出し、強度が低下するとともに強度と靭性のバランスに優れる低温変態相が十分に得られなくなる。なお、冷却速度の上限は、特に限定しなくとも本発明の効果を得ることができるが、熱ひずみによる板そりを考慮すると、300℃/sec以下とすることが望ましい。
さらに冷却停止温度は450℃未満とする。この温度以上では、巻き取り後に低温変態相のラス間にセメンタイト等の炭化物が生成し、強度が低下するともに脆性破壊の起点となり靭性が低下する恐れがある。
以下に、実施例により本発明をさらに説明する。
表1に示す化学成分を有するA〜Lの鋼は、転炉にて溶製して、CASまたはRHで二次精練を実施した。脱酸処理は二次精練工程にて実施した。これらの鋼は、連続鋳造後、直送もしくは再加熱し、粗圧延に続く仕上げ圧延で18.4mmの板厚に圧下し、ランナウトテーブルで冷却後に巻き取った。ただし、表中の化学組成についての表示は質量%である。
Figure 0005927927
製造条件の詳細を表2に示す。ここで、「成分」とは表1に示した各鋳片の記号を、「加熱温度」とはスラブ加熱温度実績を、「粗有効累積ひずみ」とは下記(3)式で算出された粗圧延で実施された圧延の有効累積ひずみを、ここで、「T1」とは数式(2)にて算出される温度を、「Ar3変態点温度」とは数式(5)または(6)にて算出される温度をいう。
また、「T1+30℃未満の合計圧下率」とは、仕上げ圧延工程におけるT1+30℃未満の温度域での合計圧下率を、「Tf」とは最終圧下後の温度を、「P1」とは最終圧下後の圧下率をいう。
さらに、「t1」とは数式(1)にて算出される仕上げ圧延終了後に一次冷却を開始するまでの望ましい上限時間を、「冷却開始までの時間」とは、仕上げ圧延終了後に一次冷却を開始するまでの時間を、「一次冷却速度」とは、仕上げ圧延終了後から一次冷却温度変化分の冷却を完了するまでの平均冷却速度を、「一次冷却停止温度」とは一次冷却終了温度後の温度を、「二次冷却速度」とは、二次冷却開始から巻き取りまでの平均冷却速度を、「CT」とは、巻き取り工程においてコイラーにて巻取る温度を示している。
Figure 0005927927
このようにして得られた鋼板の材質を表3に示す。調査方法を以下に示す。
引張試験はパイプの円周方向に相当する方向よりJIS Z 2201に記載の5号試験片を切出し、JIS Z2241の方法に従って実施した。シャルピー衝撃試験は板厚中心のパイプの円周方向に相当する方向よりJIS Z 2202に記載の試験片を切出し、JIS Z 2242の方法に従って実施した。DWTT試験はパイプの円周方向に相当する方向より、300mmL×75mmW×板厚(t)mmの短冊状の試験片を切り出し、これに5mmのプレスノッチを施したテストピースを作製して実施した。
次に、HAZ靱性(シャルピー試験の−20℃での吸収エネルギー:vE−20)はパイプの長手方向に相当する方向より再現熱サイクル試験片を切出し、再現熱サイクル装置で再現したHAZで評価した(最高加熱温度:1400℃,800〜500℃の冷却時間〔Δt800−500 〕:25秒)。また現地溶接性はY−スリット溶接割れ試験(JIS G3158)においてHAZの低温割れ防止に必要な最低予熱温度で評価した(溶接方法:ガスメタルアーク溶接,溶接棒:引張強さ100MPa,入熱:0.5kJ/mm,溶着金属の水素量:3cc/100g)。
次に、DWTT試験片各々の圧延方向に平行な破断面近傍部位から切出したミクロサンプルよりまず、結晶粒径とミクロ組織を測定するためにEBSP−OIMを用いた。サンプルはコロイダルシリカ研磨剤で30〜60分研磨し、倍率400倍、160×256μmエリア、測定ステップ0.5μmの測定条件でEBSP測定を実施した。
また、ミクロ組織については、EBSP−OIMに装備されているKAM法にて初析フェライト体積分率を求めた。
表3において、「ミクロ組織」とは、試験後のDWTT試験片各々から切出したミクロサンプルの1/2tにおけるミクロ組織である。
このうち「初析フェライト体積分率」とは、上述の、EBSP−OIMのKAM法にて測定した値であり、「個数平均粒径」、「エリア平均粒径」、「標準偏差」とは同じくEBSP−OIMTMでの測定結果である。
「引張試験」結果は、JIS5号試験片の結果を、「SA(−20℃)」は、−20℃でのDWTT試験における延性破面率を、「セパレーション有無」とは同じく−20℃でのDWTT試験における破断面のセパレーションの有無を、「母材靭性vE−20℃」は、シャルピー衝撃試験における−20℃で得られる吸収エネルギーを、「HAZ靭性vE−20℃」は、HAZ部のシャルピー衝撃試験における−20℃で得られる吸収エネルギーを、「現地溶接性」は、Y−スリット溶接割れ試験(JIS G3158)においてHAZの低温割れ防止に必要な最低予熱温度を示している。ただし、予熱不要のものは「予熱不要」と記した。
Figure 0005927927
本発明に沿うものは、鋼番1、10、11、17、18、19、20、21の8鋼であり、所定の量の鋼成分を含有し、板厚中心でのミクロ組織で初析フェライト分率が3%未満で他が低温変態相であり、前記ミクロ組織全体の個数平均結晶粒径が2.5μm以下かつエリア平均粒径が9μm以下であり、前記エリア平均粒径の標準偏差が2.3μm以下であることを特徴とする現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板が得られている。
上記以外の鋼は、以下の理由によって本発明の範囲外である。
鋼番2は、「T1+30℃未満の合計圧下率」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番3は、「P1」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番4は、「Tf」と「冷却までの時間」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番5は、「冷却までの時間」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番6は、「一次冷却速度」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番7は、「一次冷却停止温度」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番8は、「二次冷却速度」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番9は、「CT」が本発明の範囲外であるので、目的とするミクロ組織が得られず、SA(−20℃)が低い。
鋼番12は、Nb含有量が本発明の範囲外であるので、現地溶接性が悪い。
鋼番13は、C含有量が本発明の範囲外であるので、現地溶接性が悪い。
鋼番14は、Ti含有量およびN*が本発明請求項1の範囲外であるので、SA(−20℃)が低い。
鋼番15は、N含有量が本発明の範囲外であるので、SA(−20℃)が低い。
鋼番16は、Cが本発明の範囲外であるので、強度が低く、API5L−X65グレードに達していない。
鋼番22は、Nb含有量が本発明の範囲外であるので、現地溶接性が悪い。
本発明は、鉄鋼業における電縫鋼管およびスパイラル鋼管に用いる熱延鋼板の製造に、利用することができる。特に用いることにより厳しい耐破壊特性が要求される寒冷地においても現地溶接性を損なうことなく12.7mm以上の板厚でAPI5L−X65規格以上の高強度なラインパイプが製造に利用することができる。

Claims (5)

  1. 質量%にて、
    C :0.02〜0.1%、
    Si:0.05〜0.5%、
    Mn:1〜2%、
    P :0.03%以下、
    S :0.005%以下、
    O :0.003%以下、
    Al:0.005〜0.1%、
    N :0.0015〜0.006%、
    Nb:0.005%未満、
    Ti:0.005〜0.02%、
    を含有し、且つ
    N−14/48×Ti≧0%、
    を満足し、残部がFe及び不可避的不純物元素からなる鋼板であって、板厚中心でのミクロ組織において初析フェライト分率が3%未満で他が低温変態相であり、前記ミクロ組織全体の個数平均結晶粒径が2.5μm以下かつエリア平均粒径が9μm以下で、前記エリア平均粒径の標準偏差が2.3μm以下であり、さらに、DWTT試験の延性破面率が−20℃の試験温度において85%以上であることを特徴とする現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板。
    ここで、前記エリア平均粒径とは、測定された結晶粒のサイズ分布をヒストグラムで描き、そのヒストグラムのサイズステップごとの数値にその平均面積を重み付けをしたヒストグラムを描き、その平均値として求められる値を示す。
  2. 前記鋼板が、さらに質量%にて、
    V :0.15%以下(0%を含まない)、
    Mo:0.3%以下(0%を含まない)、
    Cr:0.05〜0.3%、
    Cu:0.05〜0.3%、
    Ni:0.05〜0.3%、
    B :0.0002〜0.003%、
    のうち一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板。
  3. 前記鋼板が、さらに質量%で、
    Mg:0.0005〜0.01%、
    Ca:0.0005〜0.01%、
    REM:0.0005〜0.1%、
    のいずれか一種又は二種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の成分を有する熱延鋼板を得るために溶製され、鋳造された鋳片を熱間圧延することにより熱延鋼板を製造するに際し、仕上げ圧延において、鋼板成分により下記式(1)で決定される温度をT1とすると、T1+30℃未満の温度範囲における最終パスでの圧下率P1が少なくとも30%以上で、且つ、該温度範囲での圧下率の合計を50%以上とし、圧延後冷却開始までの時間を、圧延温度および圧下率により下記式(2)で決定されるt1秒以内として冷却を開始し、25℃/sec以上の冷却速度でT1−30℃以下の温度域まで冷却を行い、さらに3秒以内に10℃/sec以上の冷却速度で450℃未満の温度域まで冷却し、巻き取ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板の製造方法。
    T1(℃)=850+10×(C+N)×Mn+350×Nb+250×Ti+
    40×B+10×Cr+100×Mo+100×V ・・・(1)
    t1=0.001×((Tf−T1)×P1/100)−0.109×((Tf−
    T1)×P1/100)+3.1 ・・・(2)
    ここで、式(1)の各元素記号はその元素の含有量(質量%)であり、式(2)のTfは30%以上の最終圧下後の温度(℃)、P1は30%以上の最終圧下の圧下率である。
  5. 請求項4に記載の熱延鋼板の製造方法において、圧延温度と仕上げ圧延直前までの累積時間により下記式(3)で決定される粗有効累積ひずみ(εeff)が0.4以上となる粗熱間圧延を行うことを特徴とする現地溶接性に優れるラインパイプ用高強度熱延鋼板の製造方法。
    εeff=Σεi(t2,T2) ・・・(3)
    ここで、
    εi(t2,T2)=εi0/exp{(t2/τR2/3}、
    τR=τ0・exp(Q/RT2)、
    τ0=8.46×10-6
    Q=183200J、
    R=8.314J/K・molであり、
    iは粗熱間圧延のパスを、t2は当該パスでの仕上げ圧延直前までの累積時間(秒)を、T2は当該パスでの圧延温度(℃)を、εi0は当該パスで加えられたひずみを示す。
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