JP5926128B2 - 光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法並びに静電容量型入力装置とその製造方法及びそれを備えた画像表示装置 - Google Patents

光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法並びに静電容量型入力装置とその製造方法及びそれを備えた画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法、指の接触位置を静電容量の変化として検出可能な静電容量型入力装置の製造方法、および、当該製造方法によって得られる静電容量型入力装置、並びに、当該静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置に関するものである。
携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、券売機、銀行の端末などの電子機器では、近年、液晶装置などの表面にタブレット型の入力装置が配置され、液晶装置の画像表示領域に表示された指示画像を参照しながら、この指示画像が表示されている箇所に指またはタッチペンなどを触れることで、指示画像に対応する情報の入力が行えるものがある。
このような入力装置(タッチパネル)には、抵抗膜型、静電容量型などがある。しかし、抵抗膜型の入力装置は、フィルムとガラスとの2枚構造でフィルムを押下してショートさせる構造のため、動作温度範囲の狭さや、経時変化に弱いという欠点を有している。
これに対して、静電容量型の入力装置は、単に一枚の基板に透光性導電膜を形成すればよいという利点がある。かかる静電容量型の入力装置では、例えば、互いに交差する方向に電極パターンを延在させて、指などが接触した際、電極間の静電容量が変化することを検知して入力位置を検出するタイプのものがある(例えば、下記特許文献1参照)。
また、静電容量型の入力装置としては、透光性導電膜の両端に同相、同電位の交流を印加し、指が接触あるいは近接してキャパシタが形成される際に流れる微弱電流を検知して入力位置を検出するタイプのものもある。このような静電容量型入力装置として、複数のパッド部分を、接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターンと前記第一の透明電極パターンと層間絶縁層を介して電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターンを備えた静電容量型入力装置が開示されている(例えば、下記特許文献2参照)。しかしながら、当該静電容量型入力装置は作製した静電容量型入力装置にガラス製の前面板を積層するため、特許文献2に記載の静電容量型入力装置は厚く、また重いものであった。
さらに、前面板の非接触側表面に、マスク層、センス回路、層間絶縁層が一体に形成されている静電容量型タッチパネルが開示されている(例えば、下記特許文献3参照)。当該特許文献3には、静電容量型タッチパネルは、前面板が静電容量型入力装置と一体化しているため、薄層/軽量化が可能となるとの記載があるが、詳細な製造方法については記載されていない。
一方、第一および第二の透明電極の材質としてITO(酸化インジウムスズ)を用い、真空蒸着、液体レジストによるパターニング形成(露光/現像)をした後、液体レジストに被覆されていない部分をエッチング処理し、所望の透明電極パターンを形成する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、当該方法によると製造装置が高価であり、コスト低減が容易でない、という問題がある。
一方、薄層/軽量化が実現できる静電容量型入力装置を形成する観点から、ガラス以外の可撓性の支持体として、枚葉のプラスチック基板や、ロール状のプラスチックフィルムなどが提案されている(例えば、下記特許文献5参照)。
特開2007−122326号公報 特許第4506785号公報 特開2009−193587号公報 米国特許出願公開第2008−0264699号 特開平4−264613号公報 特開2006−307056号公報 特開2004−272043号公報 特開2008−242190号公報 特開2011−095716号公報
しかしながら、特許文献5に記載の方法で可撓性支持体上に光硬化性樹脂層を積層した場合、可撓性支持体と光硬化性樹脂層との密着性に改善が求められるものであった。また、光硬化性樹脂層を硬化したときの欠陥の観点からも、改善が求められるものであった。
本発明が解決しようとする課題は、可撓性支持体上に光硬化性樹脂層有し、硬化後に可撓性支持体と光硬化性樹脂層の密着性に優れ、硬化後に可撓性支持体の端部まで欠陥が少ない光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法を提供することにある。
ここで、従来のガラス支持体に対して、光硬化性樹脂層を形成する場合には、シランカップリング剤で表面処理を行ったり、プラズマ処理、紫外線処理により支持体表面に凹凸を作ったりすることにより、上層の密着性を向上させられることが知られている。しかしながら、本発明者が検討したところ、これらの方法はプラスチック基板などの可撓性支持体と光硬化性樹脂層との密着性向上に対しては必ずしも有効ではなかったことがわかった。
ここで、静電容量型入力装置以外の表示装置分野において、特許文献6および7には可撓性支持体の表面を改良する方法として、セルロースアシレートフィルムをアルカリ鹸化する方法が記載されているものの、光硬化性樹脂と積層したときの密着性向上については何ら検討されていなかった。
特許文献8には、従来のガラス基板の代わりにプラスチックフィルムを用い、液状の黒色レジストを用いて遮光層を形成したカラーフィルターが記載されているものの、この文献に記載の方法では硬化後にフィルム端部まで遮光層を形成することが困難であった。
また、特許文献9には、着色感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を有する転写材料を、無アルカリガラス基板上にラミネートした後、パターン露光して硬化させたカラーフィルター用の着色樹脂パターンが記載されているものの、可撓性支持体上に感光性樹脂層を転写した例は記載されていなかった。さらに本発明者が検討したところ、特許文献9に記載の感光性フィルムを用いて可撓性支持体上に光硬化性樹脂層を形成すると、硬化後に可撓性支持体の端部まで遮光パターンなどの光硬化性樹脂層を形成することができるものの、パターニングした際に密着が不十分でハガレを生じることがあることがわかった。
これに対し、本発明者が、可撓性支持体の少なくとも一方の表面をアルカリ処理してから、光硬化性樹脂層を具備する感光性フィルム転写材料を転写したところ、硬化後の可撓性支持体と光硬化性樹脂層との密着性が向上し、さらに硬化後の硬化後に可撓性支持体の端部まで欠陥が少なくなることを見出すに至った。
前記課題を解決するための具体的手段である本発明は以下のとおりである。
[1] 可撓性支持体の少なくとも一方の表面をアルカリ処理する工程と、前記可撓性支持体のアルカリ処理した表面上に、仮支持体上に光硬化性樹脂層を具備する感光性フィルムの該光硬化性樹脂層を重ねて、圧着する工程と、を含むことを特徴とする光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法。
[2] [1]に記載の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法は、前記感光性フィルムが少なくとも前記仮支持体と熱可塑性樹脂層と前記光硬化性樹脂層とをこの順で有することが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法は、前記光硬化性樹脂層がカルボン酸基含有樹脂を含有することが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法は、前記可撓性支持体が、セルロース系支持体またはポリエステル系支持体であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法は、前記圧着工程を、加熱しながら行うことが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法は、前記光硬化性樹脂層が、黒色着色剤および白色着色剤のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体を露光してなる硬化物積層体を含むことを特徴とする静電容量型入力装置。
[8] [7]に記載の静電容量型入力装置は、前記硬化物積層体が、パターニングされてなることが好ましい。
[9] [7]または[8]に記載の静電容量型入力装置は、マスク層を有し、前記硬化物積層体の少なくとも1層が前記マスク層であることが好ましい。
[10] [7]〜[9]のいずれか一項に記載の静電容量型入力装置は、下記(1)〜(5)の要素を有し、前記硬化物積層体の少なくとも1層が前記(1)マスク層であることが好ましい。
(1)マスク層
(2)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
(3)前記第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、前記第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
(4)前記第一の透明電極パターンと前記第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層
(5)前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
[11] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体を、露光する工程を含むことを特徴とする静電容量型入力装置の製造方法。
[12] [11]に記載の静電容量型入力装置の製造方法は、前記光硬化性樹脂層を有する積層体をパターニング露光することが好ましい。
[13] [11]または[12]に記載の静電容量型入力装置の製造方法は、マスク層を有する静電容量型入力装置の製造方法であり、前記光硬化性樹脂層を有する積層体を露光して前記マスク層を形成することが好ましい。
[14] [11]〜[13]のいずれか一項に記載の静電容量型入力装置の製造方法は、下記(1)〜(5)の要素を有する静電容量型入力装置の製造方法であり、前記光硬化性樹脂層を有する積層体を露光して前記(1)マスク層を形成することが好ましい。
(1)マスク層
(2)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
(3)前記第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、前記第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
(4)前記第一の透明電極パターンと前記第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層
(5)前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
[15] [7]〜[10]のいずれか一項に記載の静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置。
本発明によれば、可撓性支持体上に光硬化性樹脂層を有し、硬化後に可撓性支持体と光硬化性樹脂層の密着性に優れ、硬化後に可撓性支持体の端部まで欠陥が少ない光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法を提供することができる。
また、本発明の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法を含む本発明の静電容量型入力装置の製造方法によれば、薄層/軽量化が可能な静電容量型入力装置を、簡便な工程で高品位に製造可能にすることできる。
本発明の静電容量型入力装置の構成の一例を示す断面図である。 本発明の静電容量型入力装置の構成の他の一例を示す断面図である。 本発明の静電容量型入力装置の構成の他の一例を示す断面図である。 本発明の静電容量型入力装置の構成の他の一例を示す断面図である。 本発明の静電容量型入力装置の一例をマスク層側から見た説明図である。 本発明における第一の透明電極パターンおよび第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。 開口部が形成された強化処理ガラスの一例を示す上面図である。 マスク層が形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一の透明電極パターンが形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一および第二の透明電極パターンが形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素が形成された前面板の一例を示す上面図である。 金属ナノワイヤー断面を示す説明図である。 実施例で用いた各マスクのパターンを示す概略図である。 実施例で用いたマスクAの構造を示す概略図である。 マスクAを用いて得られた光硬化性樹脂層を有する積層体の構造を示す概略図である。 実施例で用いたマスクBの構造を示す概略図である。 マスクBを用いて得られた光硬化性樹脂層を有する積層体の構造を示す概略図である。
以下、本発明の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法、静電容量型入力装置の製造方法、静電容量型入力装置および画像表示装置について説明する。
[光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法]
本発明の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法(以下、本発明の製造方法とも言う)は、可撓性支持体の少なくとも一方の表面をアルカリ処理する工程と、前記可撓性支持体のアルカリ処理した表面上に、仮支持体上に光硬化性樹脂層を具備する感光性フィルムの該光硬化性樹脂層を重ねて、圧着する工程と、を含むことを特徴とする。
このような構成により、本発明の製造方法によれば、可撓性支持体上に光硬化性樹脂層を有し、硬化後に可撓性支持体と光硬化性樹脂層の密着性に優れ、硬化後に可撓性支持体の端部まで欠陥が少ない光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法を提供することができる。
《可撓性支持体の少なくとも一方の表面をアルカリ処理する工程》
本発明の製造方法は、可撓性支持体の少なくとも一方の表面をアルカリ処理する工程を含む。
(可撓性支持体)
本発明の製造方法に用いられる可撓性支持体について説明する。
本発明における可撓性支持体は、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等のセルロース系支持体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系支持体、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、等を挙げることが出来る。
これらの中でも、透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、セルロース系支持体またはポリエステル系支持体であることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルムであることがより好ましい。
また前記可撓性支持体の厚さとしては、30μmから250μmであることが望ましく、30〜100μmであることがより好ましく、30〜90μmであることが特に好ましい。
また、前記可撓性支持体は、単層構造であっても、2層以上の積層構造であってもよい。2層以上の積層構造である場合、全層の合計厚みが上記範囲であることが好ましい。
(アルカリ処理条件)
本発明における可撓性支持体は、後述する可撓性支持体のアルカリ処理した表面上に、仮支持体上に光硬化性樹脂層を具備する感光性フィルムの該光硬化性樹脂層を重ねて、重ねて、圧着する工程の前に可撓性支持体の少なくとも一方の表面をアルカリ処理することを特徴とする。
アルカリ処理としては、アルカリ溶液中に可撓性支持体を浸漬する方法、又は可撓性支持体表面にアルカリ溶液を吹き付けもしくは塗布する方法等のいずれの方法も用いることができる。本発明においては、可撓性支持体の片面のみをムラなく均一に鹸化できる、塗布方式によるアルカリ鹸化を行うこと、すなわち可撓性支持体にアルカリ溶液を塗布する工程によって鹸化することがより好ましい。一方浸漬方法による鹸化は、特に有機溶媒を含むアルカリ鹸化では、有機溶媒を含まないものと比較し、格段に処理速度を早くすることが可能となる。
鹸化は、鹸化を行う可撓性支持体の変形、アルカリ溶液の変質等が生じない温度、120℃を超えない範囲の処理温度で行うことが好ましく、より好ましくは温度25℃以上120℃以下、さらには温度25℃以上115℃以下で行うことが好ましい。
また、鹸化時間は、アルカリ溶液、鹸化の際の温度により適宜調整して決定するが、1秒から60秒の範囲で行われるのが好ましく、1〜20秒行うことがより好ましく、5〜15秒行うことが特に好ましい。
更に、本発明のアルカリ鹸化方法は、温度が室温(25℃)以上の可撓性支持体にアルカリ溶液を塗布する工程を有することが好ましい。さらにまた、これらの工程に加えて可撓性支持体の温度を少なくとも室温以上に維持する工程を有することが好ましい。鹸化の際の温度を前記の所望の温度とすることができ、好ましい。
また、本発明においては、さらに、可撓性支持体を、所定の温度にするのに、アルカリ溶液を塗布する前に可撓性支持体を予め所定の温度(室温以上の温度)に調整する工程を有することが好ましい。また、アルカリ溶液を予め所定の温度に調整しておく工程を組み合わせる事も好ましい。特に、塗布する前に予め所定の温度(室温以上の温度)に加熱する工程を有することが好ましい。尚、「可撓性支持体を、所定の温度にする」「温度が室温以上の可撓性支持体」「可撓性支持体の温度を室温以上に維持する」とは可撓性支持体全体の温度を所定の温度とする必要はなく、鹸化により処理される表面、すなわち鹸化反応が起こる可撓性支持体表面が所定の温度となっていればよい。
ここで、可撓性支持体を室温以上の温度に加熱する手段としては、熱風の衝突(吹き付け)による直接加熱、加熱ロールによる接触伝熱、マイクロ波による誘導加熱、あるいは赤外線ヒーターによる輻射熱加熱等が好ましく利用できる。特に加熱ロールによる接触伝熱は、熱伝達効率が高く小さな設置面積で行える点、搬送開始時の可撓性支持体温度の立ち上がりが速い点で好ましい。一般の2重ジャケットロールや電磁誘導ロール(トクデン社製)が利用できる。加熱後のフィルム表面温度は、25〜120℃であることが好ましく、25〜100℃がさらに好ましい。
(アルカリ溶液)
本発明においてアルカリ処理に用いられるアルカリ溶液は、pH11以上のアルカリ溶液が好ましい。より好ましくはpH12〜14である。アルカリ溶液に用いられるアルカリ剤の例として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機アルカリ剤、また、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルブチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤も用いられる。これらのアルカリ剤は単独又は2種以上を組み合わせて使用することもでき、一部を例えばハロゲン化したような塩の形で添加してもよい。
これらのアルカリ剤の中でも、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、特に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの使用が、これらの量の調整により広い領域でのpH調整が可能となるため好ましい。アルカリ溶液における水酸化イオン濃度は、使用するアルカリ剤の種類、反応温度及び反応時間に応じて決定されるが、水酸化イオン濃度は、アルカリ溶液中0.1〜5mol/kgが好ましく、0.3〜3mol/kgがより好ましい。本発明のアルカリ溶液の溶媒は、水及び水溶性有機溶媒の混合溶液が好ましい。有機溶媒としては、水と混和可能な有機溶媒であればいずれも用いることができるが、沸点が120℃以下、更には60〜120℃、特には60〜100℃以下のものが好ましい。
溶媒は、無機性/有機性値(I/O値)が0.5以上で、且つ溶解度パラメーターが16〜40[mJ/m31/2の範囲のものが好ましい。より好ましくは、I/O値が0.6〜10で、且つ溶解度パラメーターが18〜31[mJ/m31/2の範囲のものである。I/O値がその上限値以下で(無機性が強すぎず)、且つ溶解度パラメーターがその下限値以上であれば、アルカリ鹸化速度が低下したり、また鹸化度の全面均一性が不満足となったりするなどの不都合が生じないので好ましい。一方、I/O値がその下限値以上で(有機性側に偏りすぎず)、且つ溶解度パラメーターがその上限値以下であれば、鹸化速度が速く、ヘイズを生じ易くなるなどの不都合を生じることがないので、全面均一性の点で優れたものとなるので好ましい。
具体的には、一価脂肪族アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等)、脂環式アルカノール(例えば、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、メトキシシクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、シクロヘキシルエタノール、シクロヘキシルプロパノール等)、フェニルアルカノール(例えば、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、フェニルプロパノール、フェノキシエタノール、メトキシベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール等)、複素環式アルカノール類(例えば、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等)、グリコール化合物のモノエーテル類(例えば、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピルセルソルブ、メトキシメトキシエタノール、ブチルセルソルブ、ヘキシルセルソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、エトキシトリグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等)ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)及びエーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ピラン、ジオキサン、トリオキサン、ジメチルセルソルブ、ジエチルセルソルブ、ジプロピルセルソルブ、メチルエチルセルソルブ、ジメチルカルビトール、ジメチルカルビトール、メチルエチルカルビトール等)等が挙げられる。用いる有機溶媒は、単独もしくは2種以上を混合して用いてもよい。有機溶媒を単独又は2種以上を混合する場合の、少なくとも1種の有機溶媒は、水への溶解性が大きなものが好ましい。有機溶媒の水への溶解度は、50質量%以上が好ましく、水と自由に混合するものがより好ましい。これによりアルカリ剤、鹸化を実施することで副生する脂肪酸の塩、空気中の二酸化炭素を吸収して生じた炭酸の塩等に対する溶解性が充分なアルカリ溶液を調製できる。
本発明に用いるアルカリ溶液は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤を含有することが好ましい。
また、本発明に用いられるアルカリ溶液には、ポリオール化合物、糖類等のヒドロキシル基及び/又はアミド基を有する繰り返し単位を含む水溶性重合体等の相溶化剤を含有させることも好ましい。
《可撓性支持体のアルカリ処理した表面上に、感光性フィルムの光硬化性樹脂層を重ねて、圧着する工程》
本発明の製造方法は、前記可撓性支持体のアルカリ処理した表面上に、仮支持体上に光硬化性樹脂層を具備する感光性フィルムの該光硬化性樹脂層を重ねて、圧着する工程を含む。
(感光性フィルム)
次に、本発明の製造方法に用いられる感光性フィルムについて説明する。
前記感光性フィルムは、仮支持体上に光硬化性樹脂層を具備する。
さらに、本発明における感光性フィルムは、仮支持体と光硬化性樹脂層との間に熱可塑性樹脂層を有することが好ましい。すなわち、本発明の製造方法は、前記感光性フィルムが少なくとも前記仮支持体と熱可塑性樹脂層と前記光硬化性樹脂層とをこの順で有することが好ましい。前記熱可塑性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて、マスク層等を形成すると、光硬化性樹脂層を転写して形成した要素に気泡が発生し難くなり、画像表示装置に画像ムラなどが発生し難くなり、優れた表示特性を得ることができなる。
本発明に用いる感光性フィルムは、ネガ型材料であってもポジ型材料であってもよい。
<仮支持体>
前記仮支持体としては、可撓性を有し、加圧下または、加圧および加熱下で著しい変形、収縮もしくは伸びを生じない材料を用いることができる。このような仮支持体の例として、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚みには、特に制限はなく、5〜200μmの範囲が一般的であり、取扱い易さ、汎用性などの点で、特に10〜150μmの範囲が好ましい。
また、仮支持体は透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していてもよい。
また、本発明の製造方法に用いられる仮支持体には、特開2005−221726記載の方法などにより、導電性を付与することができる。
<熱可塑性樹脂層>
本発明における感光性フィルムは、仮支持体と着色感光性樹脂層との間に熱可塑性樹脂層が設けられることが好ましい。前記熱可塑性樹脂層はアルカリ可溶性であることが好ましい。熱可塑性樹脂層は、下地表面の凹凸(既に形成されている画像などによる凹凸等も含む。)を吸収することができるようにクッション材としての役割を担うものであり、対象面の凹凸に応じて変形しうる性質を有していることが好ましい。
熱可塑性樹脂層は、特開平5−72724号公報に記載の有機高分子物質を成分として含む態様が好ましく、ヴィカー(Vicat)法〔具体的には、アメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法〕による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれる少なくとも1種を含む態様が特に好ましい。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニルまたはそのケン化物等とのエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステルまたはそのケン化物との共重合体、ポリ塩化ビニルや塩化ビニルと酢酸ビニルまたはそのケン化物等との塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルまたはそのケン化物等とのスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルまたはそのケン化物等とのビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロン等のポリアミド樹脂などの有機高分子が挙げられる。
熱可塑性樹脂層の層厚は、3〜30μmが好ましい。熱可塑性樹脂層の層厚が3μm未満の場合には、ラミネート時の追随性が不十分で、下地表面の凹凸を完全に吸収できないことがある。また、層厚が30μmを超える場合には、仮支持体への熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥(溶剤除去)に負荷がかかったり、熱可塑性樹脂層の現像に時間を要したりし、プロセス適性を悪化させることがある。前記熱可塑性樹脂層の層厚としては、4〜25μmが更に好ましく、5〜20μmが特に好ましい。
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性の有機高分子を含む調製液を塗布等して形成することができ、塗布等の際に用いる調製液は溶媒を用いて調製できる。溶媒には、該層を構成する高分子成分を溶解し得るものであれば特に制限なく、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。
<光硬化性樹脂層>
本発明における感光性フィルムは、光硬化性樹脂層を具備する。また、その用途に応じて光硬化性樹脂層に添加物を加えることができる。即ち、マスク層の形成に前記感光性フィルムを用いる場合には、光硬化性樹脂層に着色剤を含有させることができる。また、本発明における感光性フィルムが導電性光硬化性樹脂層を有する場合は、前記光硬化性樹脂層に導電性繊維等が含有させることができる。
本発明における感光性フィルムがネガ型材料である場合、光硬化性樹脂層には、光硬化性樹脂(好ましくはアルカリ可溶性樹脂)、重合性化合物、重合開始剤または重合開始系、を含むことが好ましい。さらに、着色剤、添加剤、などが用いられるがこれに限られたものではない。
本発明に用いる感光性フィルムに含まれる前記光硬化性樹脂としては、特開2011−95716号公報の段落[0025]、特開2010−237589号公報の段落[0033]〜[0052]に記載のポリマーを用いることができる。その中でも、本発明の製造方法は、前記光硬化性樹脂層がカルボン酸基含有樹脂を含有することが、アルカリ処理された前記可撓性支持体の少なくとも一方の表面との密着性を高める観点から好ましい。
前記重合性化合物としては、特許第4098550号の段落[0023]〜[0024]に記載の重合性化合物を用いることができる。
前記重合開始剤または重合開始系としては、特開2011−95716号公報に記載の[0031]〜[0042]に記載の重合性化合物を用いることができる。
(導電性光硬化性樹脂層(導電性繊維))
前記導電性光硬化性樹脂層を積層した本発明における感光性フィルムを透明電極パターン、あるいは別の導電性要素の形成に用いる場合には、以下の導電性繊維などを光硬化性樹脂層に用いることができる。
導電性繊維の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中実構造および中空構造のいずれかが好ましい。
ここで、中実構造の繊維を「ワイヤー」と称することがあり、中空構造の繊維を「チューブ」と称することがある。また、平均短軸長さが5nm〜1,000nmであって、平均長軸長さが1μm〜100μmの導電性繊維を「ナノワイヤー」と称することがある。
また、平均短軸長さが1nm〜1,000nm、平均長軸長さが0.1μm〜1,000μmであって、中空構造を持つ導電性繊維を「ナノチューブ」と称することがある。
前記導電性繊維の材料としては、導電性を有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属およびカーボンの少なくともいずれかが好ましく、これらの中でも、前記導電性繊維は、金属ナノワイヤー、金属ナノチューブ、およびカーボンナノチューブの少なくともいずれかが特に好ましい。
−−金属ナノワイヤー−−
−金属−
前記金属ナノワイヤーの材料としては、特に制限はなく、例えば、長周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、および第6周期からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、第2族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の金属がより好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、および第14族から選ばれる少なくとも1種の金属が更に好ましく、主成分として含むことが特に好ましい。
前記金属としては、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、これらの合金などが挙げられる。これらの中でも、導電性に優れる点で、銀を主に含有するもの、または銀と銀以外の金属との合金を含有するものが好ましい。
前記銀を主に含有するとは、金属ナノワイヤー中に銀を50質量%以上、好ましくは90質量%以上含有することを意味する。
前記銀との合金で使用する金属としては、白金、オスミウム、パラジウムおよびイリジウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−形状−
前記金属ナノワイヤーの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円柱状、直方体状、断面が多角形となる柱状など任意の形状をとることができるが、高い透明性が必要とされる用途では、円柱状、断面の多角形の角が丸まっている断面形状が好ましい。
前記金属ナノワイヤーの断面形状は、基材上に金属ナノワイヤー水分散液を塗布し、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより調べることができる。
前記金属ナノワイヤーの断面の角とは、断面の各辺を延長し、隣り合う辺から降ろされた垂線と交わる点の周辺部を意味する。また、「断面の各辺」とはこれらの隣り合う角と角を結んだ直線とする。この場合、前記「断面の各辺」の合計長さに対する前記「断面の外周長さ」との割合を鋭利度とした。鋭利度は、例えば図9に示したような金属ナノワイヤー断面では、実線で示した断面の外周長さと点線で示した五角形の外周長さとの割合で表すことができる。この鋭利度が75%以下の断面形状を角の丸い断面形状と定義する。前記鋭利度は60%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。前記鋭利度が75%を超えると、該角に電子が局在し、プラズモン吸収が増加するためか、黄色みが残るなどして透明性が悪化してしまうことがある。また、パターンのエッジ部の直線性が低下し、ガタツキが生じてしまうことがある。前記鋭利度の下限は、30%が好ましく、40%がより好ましい。
−平均短軸長さ径および平均長軸長さ−
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さ(「平均短軸径」、「平均直径」と称することがある)としては、150nm以下が好ましく、1nm〜40nmがより好ましく、10nm〜40nmが更に好ましく、15nm〜35nmが特に好ましい。
前記平均短軸長さが、1nm未満であると、耐酸化性が悪化し、耐久性が悪くなることがあり、150nmを超えると、金属ナノワイヤー起因の散乱が生じ、十分な透明性を得ることができないことがある。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子(株)製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均短軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーの短軸が円形でない場合の短軸長さは、最も長いものを短軸長さとした。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さ(「平均長さ」と称することがある)としては、1μm〜40μmが好ましく、3μm〜35μmがより好ましく、5μm〜30μmが更に好ましい。
前記平均長軸長さが、1μm未満であると、密なネットワークを形成することが難しく、十分な導電性を得ることができないことがあり、40μmを超えると、金属ナノワイヤーが長すぎて製造時に絡まり、製造過程で凝集物が生じてしまうことがある。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子(株)製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均長軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、および曲率から算出される値を長軸長さとした。
導電性光硬化性樹脂層の層厚は、塗布液の安定性や塗布時の乾燥やパターニング時の現像時間などのプロセス適性の観点から、0.1〜20μmが好ましく、0.5〜18μmが更に好ましく、1〜15μmが特に好ましい。前記導電性光硬化性樹脂層の全固形分に対する前記導電性繊維の含有量は、導電性と塗布液の安定性の観点から、0.01〜50質量%が好ましく、0.05〜30質量%が更に好ましく、0.1〜20質量%が特に好ましい。
(マスク層(着色剤))
また、本発明に用いる感光性フィルムの光硬化性樹脂層を、静電容量型入力装置のマスク層として用いる場合には、光硬化性樹脂層に着色剤を用いることができる。本発明に用いる着色剤としては、公知の着色剤(有機顔料、無機顔料、染料等)を好適に用いることができる。尚、本発明においては、黒色着色剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。
本発明の製造方法は、前記光硬化性樹脂層が、黒色着色剤および白色着色剤のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。
前記光硬化性樹脂層を黒色のマスク層として用いる場合には、光学濃度の観点から、黒色着色剤を含むことが好ましい。黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
前記光硬化性樹脂層を白色のマスク層として用いる場合には、特開2005−7765公報の段落[0015]や[0114]に記載のホワイト顔料を用いることができる。その他の色のマスク層として用いるためには、特許第4546276号公報の段落[0183]〜[0185]などに記載の顔料、あるいは染料を混合して用いてもよい。具体的には、特開2005−17716号公報の段落番号[0038]〜[0054]に記載の顔料および染料、特開2004−361447号公報の段落番号[0068]〜[0072]に記載の顔料、特開2005−17521号公報の段落番号[0080]〜[0088]に記載の着色剤等を好適に用いることができる。
前記着色剤(好ましくは顔料、より好ましくはカーボンブラック)は、分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記着色剤と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(またはビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を形成する成分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。
前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
本発明で用いる着色剤は、分散安定性の観点から、数平均粒径0.001μm〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01μm〜0.08μmのものが好ましい。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について前記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
着色剤を含む光硬化性樹脂層の層厚は、他層との厚み差の観点から、0.5〜10μmが好ましく、0.8〜5μmが更に好ましく、1〜3μmが特に好ましい。本発明における着色感光性樹脂組成物の固形分中の着色剤の含有率としては、特に制限はないが、十分に現像時間を短縮する観点から、15〜70質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましく、25〜50質量%であることが更に好ましい。
本明細書でいう全固形分とは着色感光性樹脂組成物から溶剤等を除いた不揮発成分
の総質量を意味する。
(絶縁層)
尚、前記感光性フィルムを用いて絶縁層を形成する場合、光硬化性樹脂層の層厚は、絶縁性の維持の観点から、0.1〜5μmが好ましく、0.3〜3μmが更に好ましく、0.5〜2μmが特に好ましい。
(透明保護層)
前記感光性フィルムを用いて透明保護層を形成する場合、光硬化性樹脂層の層厚は、十分な表面保護能を発揮させる観点から、0.5〜10μmが好ましく、0.8〜5μmが更に好ましく、1〜3μmが特に好ましい。
<添加剤>
さらに、前記光硬化性樹脂層は、添加剤を用いてもよい。前記添加剤としては、例えば特許第4502784号公報の段落[0017]、特開2009−237362号公報の段落[0060]〜[0071]に記載の界面活性剤や、特許第4502784号公報の段落[0018]に記載の熱重合防止剤、さらに、特開2000−310706号公報の段落[0058]〜[0071]に記載のその他の添加剤が挙げられる。
また、本発明における感光性フィルムを塗布により製造する際の溶剤としては、特開2011−95716号公報の段落[0043]〜[0044]に記載の溶剤を用いることができる。
以上、本発明における感光性フィルムがネガ型材料である場合を中心に説明したが、前記感光性フィルムは、ポジ型材料であってもよい。前記感光性フィルムがポジ型材料である場合、光硬化性樹脂層に、例えば特開2005−221726記載の材料などが用いられるが、これに限られたものではない。
(熱可塑性樹脂層および光硬化性樹脂層の粘度)
本発明における熱可塑性樹脂層の100℃で測定した粘度が1000〜10000Pa・secの領域にあり、光硬化性樹脂層の100℃で測定した粘度が2000〜50000Pa・secの領域にあり、さらに次式(A)を満たすことが好ましい。
式(A):熱可塑性樹脂層の粘度<光硬化性樹脂層の粘度
ここで、各層の粘度は、次のようにして測定できる。大気圧および減圧乾燥により、熱可塑性樹脂層あるいは光硬化性樹脂層用塗布液から溶剤を除去して測定サンプルとし、例えば、測定器として、バイブロン(DD−III型:東洋ボールドウィン(株)製)を使用し、測定開始温度50℃、測定終了温度150℃、昇温速度5℃/分および振動数1Hz/degの条件で測定し、100℃の測定値を用いることができる。
<他の層>
本発明で用いる感光性フィルムには、光硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層との間に中間層を設けたり、あるいは光硬化性樹脂層の表面に保護フィルムなどを更に設けたりして好適に構成することができる。
本発明で用いる感光性フィルムには、複数層を塗布する際および塗布後の保存の際における成分の混合を防止する目的で、中間層を設けることが好ましい。中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜が好ましく、露光時の感度がアップし、露光機の時間負荷を低減し得、生産性が向上する。
前記中間層および保護フィルムとしては、特開2006−259138号公報の段落[0083]〜[0087]および[0093]に記載のものを適宜使用することができる。
<感光性フィルムの作製方法>
本発明における感光性フィルムは、特開2006−259138号公報の段落[0094]〜[0098]に記載の感光性転写材料の作製方法に準じて作製することができる。
具体的に中間層を有する本発明における感光性フィルムを形成する場合には、仮支持体上に、熱可塑性の有機高分子と共に添加剤を溶解した溶解液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥させて熱可塑性樹脂層を設けた後、この熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤に樹脂や添加剤を加えて調製した調製液(中間層用塗布液)を塗布し、乾燥させて中間層を積層し、この中間層上に更に、中間層を溶解しない溶剤を用いて調製した着色感光性樹脂層用塗布液を塗布し、乾燥させて着色感光性樹脂層を積層することによって、好適に作製することができる。
<カバーフィルム除去工程>
可撓性支持体のアルカリ処理した表面上に感光性フィルムの光硬化性樹脂層を重ねて、圧着する方法の前に、感光性フィルムがカバーフィルムを有する場合は前記カバーフィルムを除去するカバーフィルム除去工程を含むことが好ましい。
<可撓性支持体のアルカリ処理した表面上に感光性フィルムの光硬化性樹脂層を重ねて、圧着する工程>
光硬化性樹脂層の可撓性支持体のアルカリ処理した表面上への圧着(貼り合わせ、または、転写とも言うことがある)は、光硬化性樹脂層を可撓性支持体のアルカリ処理した表面上に重ね、加圧することに行われる。
前記圧着工程での線圧は60〜200N/cmであることが好ましく、70〜160N/cmであることがより好ましく、80〜120N/cmであることが特に好ましい。
前記圧着工程での搬送速度は0.3〜10m/分であることが好ましく、0.4〜m/分であることがより好ましく、0.5〜3m/分であることが特に好ましい。
貼り合わせには、ラミネータ、真空ラミネータ、および、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネータを使用することができる。
また、本発明の製造方法は可撓性支持体のアルカリ処理した表面と、感光性フィルムの光硬化性樹脂層が隣接するように重ねあわせることが好ましい。すなわち、本発明の製造方法は可撓性支持体の表面をアルカリ処理するため、接着剤や粘着剤を介して重ね合せなくても、感光性フィルムの光硬化性樹脂層と可撓性支持体との密着性を向上させることができる。
本発明の製造方法は、前記圧着工程を、加熱しながら行うことが好ましい。
前記圧着工程での加熱温度は50〜140℃であることが好ましく、60〜120℃であることがより好ましく、70〜100℃であることが特に好ましい。
可撓性支持体のアルカリ処理した表面上に感光性フィルムの光硬化性樹脂層を重ねて、圧着する工程(以下、転写工程とも言う)後、仮支持体を除去することが好ましい。
[静電容量型入力装置およびその製造方法]
本発明の静電容量型入力装置は、本発明の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体を露光してなる硬化物積層体を含むことを特徴とする。
また、本発明の静電容量型入力装置の製造方法は、本発明の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体を、露光する工程を含むことを特徴とする。
以下、本発明の静電容量型入力装置およびその製造方法について説明する。
本発明の静電容量型入力装置は、マスク層を有し、前記硬化物積層体の少なくとも1層が前記マスク層であることが好ましい。すなわち、本発明の静電容量型入力装置の製造方法は、マスク層を有する静電容量型入力装置の製造方法であり、前記光硬化性樹脂層を有する積層体を露光して前記マスク層を形成することが好ましい。
本発明の静電容量型入力装置は、下記(1)〜(5)の要素を有し、前記硬化物積層体の少なくとも1層が前記(1)マスク層であることが好ましい。すなわち、本発明の静電容量型入力装置の製造方法は、下記(1)〜(5)の要素を有する静電容量型入力装置の製造方法であり、前記光硬化性樹脂層を有する積層体を露光して前記(1)マスク層を形成することが好ましい。
(1)マスク層
(2)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
(3)前記第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、前記第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
(4)前記第一の透明電極パターンと前記第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層
(5)前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
<静電容量型入力装置の構成>
まず、本発明の製造方法によって形成される本発明の静電容量型入力装置の構成について説明する。図1A〜図1Dは、本発明の静電容量型入力装置の構成を示す断面図である。
図1Aにおいて静電容量型入力装置10は、可撓性支持体1と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、導電性要素6と、透明保護層7と、透明接着剤層14と、前面板(ガラス)1’と、マスク層2と、カバーガラス13から構成されている。
図1Bにおいて静電容量型入力装置10は、可撓性支持体1と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、導電性要素6と、透明保護層7と、透明接着剤層14と、前面板(ガラス)1’と、マスク層2と、カバーガラス13から構成されている。
図1Cにおいて静電容量型入力装置10は、可撓性支持体1と、マスク層2と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、導電性要素6と、透明保護層7と、透明接着剤層(不図示)と前面板(ガラス)1’から構成されている。
図1Dにおいて静電容量型入力装置10は、可撓性支持体1と、マスク層2と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、導電性要素6と、透明保護層7から構成されている。
可撓性支持体1は、本発明の製造方法における可撓性支持体である。本発明の静電容量型入力装置は、可撓性支持体1を用いることにより、薄層化/軽量化を達成することができる。
特に、本発明の静電容量型入力装置は、後述する前面板(ガラス)1’の代わりに可撓性支持体1を用いて構成することにより、大幅な薄層化/軽量化を達成することができる。このような構成の本発明の静電容量型入力装置10においては、可撓性支持体1が最外部に配置されている場合は、可撓性支持体1の接触面(前面層1の各要素が設けられている側(非接触面)の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。
但し、本発明の静電容量型入力装置は、可撓性支持体1に加えて、前面板(ガラス)1’も有していてもよく、その場合でも前面板(ガラス)1’のみを基板として用いる場合に比べると薄層化/軽量化を達成することができる。可撓性支持体上に黒色層を形成してガラス基板上に透明電極パターンを形成する場合、以下の理由によってガラス上に黒色層と透明電極パターンを両方形成する場合よりも、装置全体として薄層/軽量化が達成できる。黒色層を形成した可撓性支持体を前面板に貼り合せることにより、前面板の強度が増すために、前面板を薄層/軽量化することができる。
前面板1は、ガラス基板等の透光性基板で構成されており、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。本発明の静電容量型入力装置10においては、可撓性支持体1よりも前面板1が外部に配置されている場合は、前面板1’の接触面(非接触面の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。
更に、可撓性支持体1および/または前面板1’には、図2に示すように一部に開口部8を設けることができる。開口部8には、押圧によるメカニカルなスイッチを設置することができる。
また、本発明の静電容量型入力装置はマスク層2が設けられていることが好ましく、前記光硬化性樹脂層を有する積層体を露光してなる硬化物積層体の少なくとも1層がマスク層であることが好ましい。マスク層2は、タッチパネル前面板の非接触側に形成された表示領域周囲の額縁状のパターンであり、引回し配線等が見えないようにするために形成される。
本発明の静電容量型入力装置10には、図2に示すように、一部の額縁部の領域(図2においては入力面以外の領域)を覆うようにマスク層2が設けられていることが好ましい。
可撓性支持体1および/または前面板1’の非接触面には、複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン3と、第一の透明電極パターン3と電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン4と、必要に応じて第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4を電気的に絶縁する絶縁層5とが形成されていることが好ましい。前記第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、後述する導電性要素6とは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性の導電性金属酸化膜で作製することができる。このような金属膜としては、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられる。この際、各要素の、膜厚は10〜200nmとすることができる。また、焼成により、アモルファスのITO膜を多結晶のITO膜とするため、電気的抵抗を低減することもできる。また、前記第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、導電性要素6とは、前記導電性繊維を用いた光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて製造することもできる。その他、ITO等によって第一の導電性パターン等を形成する場合には、特許第4506785号公報の段落[0014]〜[0016]等を参考にすることができる。
また、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4の少なくとも一方は、可撓性支持体1および/または前面板1’の非接触面、ならびに、マスク層2の可撓性支持体1および/または前面板1’とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置することができる。図1Cおよび図1Dにおいては、第二の透明電極パターンが、可撓性支持体1の非接触面およびマスク層2の可撓性支持体1とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置されている図が示されている。このように、一定の厚みが必要なマスク層と可撓性支持体裏面とにまたがって感光性フィルムをラミネートする場合でも、本発明の特定の層構成を有する感光性フィルムを用いることで真空ラミネータなどの高価な設備を用いなくても、簡単な工程でマスク部分境界に泡の発生がないラミネートが可能になる。
図3を用いて第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4について説明する。図3は、本発明における第一の透明電極パターンおよび第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。図3に示すように、第一の透明電極パターン3は、パッド部分3aが接続部分3bを介して第一の方向に延在して形成されている。また、第二の透明電極パターン4は、第一の透明電極パターン3と絶縁層5によって電気的に絶縁されており、第一の方向に交差する方向(図3における第二の方向)に延在して形成された複数のパッド部分によって構成されている。ここで、第一の透明電極パターン3を形成する場合、前記パッド部分3aと接続部分3bとを一体として作製してもよいし、接続部分3bのみを作製して、パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)してもよい。パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)する場合、図3に示すように接続部分3bの一部とパッド部分3aの一部とが連結され、且つ、絶縁層5によって第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4とが電気的に絶縁されるように各層が形成される。
図1A〜図1Dにおいて、マスク層2の正射影上には導電性要素6が設置されている。導電性要素6は、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4の少なくとも一方に電気的に接続され、且つ、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4とは別の要素である。図1A〜図1Dにおいては、導電性要素6が第二の透明電極パターン4に接続されている図が示されている。
また、図1A〜図1Dにおいては、(1)〜(5)の各構成要素の全てを覆うように透明保護層7が設置されている。透明保護層7は、各構成要素の一部のみを覆うように構成されていてもよい。絶縁層5と透明保護層7とは、同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。絶縁層5と透明保護層7とを構成する材料としては、表面硬度、耐熱性が高いものが好ましく、公知の感光性シロキサン樹脂材料、アクリル樹脂材料などが用いられる。
本発明の静電容量型入力装置の製造方法においては、マスク層2と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、導電性要素6と、必要に応じて透明保護層7との少なくとも一要素が、本発明における感光性フィルムを用いて形成されることが好ましい。
前記マスク層2、絶縁層5および透明保護層7は、本発明における感光性フィルムを用いて光硬化性樹脂層を前面板1に転写することで形成することができる。例えば、黒色のマスク層2を形成する場合には、前記光硬化性樹脂層として黒色光硬化性樹脂層を有する本発明における感光性フィルムを用いて、前記前面板1の表面に前記黒色光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。絶縁層5を形成する場合には、前記光硬化性樹脂層として絶縁性の光硬化性樹脂層を有する本発明における感光性フィルムを用いて、第一の透明電極パターンが形成された前記前面板1の表面に前記光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。透明保護層7を形成する場合にも、前記光硬化性樹脂層として透明の光硬化性樹脂層を有する本発明における感光性フィルムを用いて、各要素が形成された前記可撓性支持体1および/または前面板1’の表面に前記光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。
また、本発明の製造方法によって、前記感光性フィルムを用いて形成される前記マスク層2のサイズに特に制限はないが、可撓性支持体1および/または前面板1’の境界ギリギリまでマスク層(パターン)を欠陥なく製造する観点からは、例えば、外周が100〜700mmのマスク層とすることができ、300〜500mmのマスク層とすることが好ましい。また、マスク層が中央に空洞を有する図12に記載のような形状の場合、可撓性支持体1および/または前面板1’の境界ギリギリまでマスク層(パターン)を欠陥なく製造する観点からは、パターン内周が50〜400mmのマスク層とすることができ、100〜300mmのマスク層とすることが好ましい。また、同様の観点から、得られるマスク層の面積は1〜150cm2とすることができ、30〜120cm2とすることが好ましい。
前記マスク層2等を、前記感光性フィルムを用いて形成すると、開口部を有する基板(前面板)でも開口部分からレジスト成分のモレがなく、特に可撓性支持体1および/または前面板1’の境界ギリギリまで遮光パターンを形成する必要のあるマスク層でのガラス端からのレジスト成分のはみ出しがないため基板裏側を汚染することなく、簡略な工程で、薄層/軽量化のメリットがあるタッチパネルの製造を可能となる。
さらに、遮光性が必要なマスク層2の形成に、光硬化性樹脂層と仮支持体との間に熱可塑性樹脂層を有する感光性フィルムを用いることで感光性フィルムラミネート時の気泡発生を防止し、光モレのない高品位なマスク層2等を形成することができる。
前記第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および導電性要素6は、エッチング処理または導電性光硬化性樹脂層を有する本発明における感光性フィルムを用いて形成することができる。
エッチング処理によって、前記第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および別の導電要素6を形成する場合、可撓性支持体1および/または前面板1’の非接触面上にITO等の透明電極層をスパッタリングによって形成する。次いで、前記透明電極層上に前記光硬化性樹脂層としてエッチング用光硬化性樹脂層を有する本発明における感光性フィルムを用いて露光・現像によってエッチングパターンを形成する。その後、透明電極層をエッチングして透明電極をパターニングし、エッチングパターンを除去することで、第一の透明電極パターン3等を形成することができる。
導電性光硬化性樹脂層を有する本発明における感光性フィルムを用いて、前記第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および別の導電要素6を形成する場合、前記前面板1の表面に前記導電性光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。
前記第一の透明電極パターン3等を、前記導電性光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて形成すると、開口部を有する基板(前面板)でも開口部分からレジスト成分のモレがなく、基板裏側を汚染することなく、簡略な工程で、薄層/軽量化のメリットがあるタッチパネルの製造を可能となる。
さらに、第一の透明電極パターン3等の形成に、導電性光硬化性樹脂層と仮支持体との間に熱可塑性樹脂層を有する特定の層構成を有する本発明における感光性フィルムを用いることで感光性フィルムラミネート時の気泡発生を防止し、導電性に優れ抵抗の少ないに第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および別の導電要素6を形成することができる。
本発明の製造方法の過程で形成される静電容量型入力装置の態様例として、図4〜8の態様を挙げることができる。図4は、開口部8が形成された強化処理ガラス11の一例を示す上面図である。図5は、マスク層2が形成された前面板の一例を示す上面図である。図6は、第一の透明電極パターン3が形成された前面板の一例を示す上面図である。図7は、第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4が形成された前面板の一例を示す上面図である。図8は、第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素6が形成された前面板の一例を示す上面図である。これらは、上記説明を具体化した例を示すものであり、本発明の範囲はこれらの図面により限定的に解釈されることはない。
<静電容量型入力装置の製造方法の各工程>
−露光工程、現像工程、およびその他の工程−
前記露光工程、現像工程、およびその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落番号[0035]〜[0051]に記載の方法を本発明においても好適に用いることができる。
前記露光工程は、基材上に転写された前記光硬化性樹脂層を露光する工程である。
具体的には、前記基材上に形成された光硬化性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、熱可塑性樹脂層、および中間層を介してマスク上方から露光する方法が挙げられる。
ここで、前記露光の光源としては、光硬化性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
前記現像工程は、露光された光硬化性樹脂層を現像する工程である。
前記現像は、現像液を用いて行うことができる。前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は光硬化性樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、前記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
前記現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等のいずれでもよい。ここで、前記シャワー現像について説明すると、露光後の光硬化性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、熱可塑性樹脂層や中間層を設けた場合には、現像の前に光硬化性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、圧力をかけて超純水を噴射するか、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
本発明の静電容量型入力装置の製造方法は、ポスト露光工程、ポストベーク工程等、その他の工程を有していてもよい。
本発明の静電容量型入力装置は、前記硬化物積層体が、パターニングされてなることが好ましい。すなわち、本発明の静電容量型入力装置の製造方法は、前記光硬化性樹脂層を有する積層体をパターニング露光することが好ましい。本発明の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法によれば、パターニングされてなる硬化物積層体のパターン欠陥を少なくすることができ、具体的には、基板外周端欠陥、基板内周のパターン欠陥およびパターン内ピンホールを少なくすることができる。また、可撓性支持体と光硬化性樹脂層の密着性にも優れることから、このようなパターンも密着性に優れる。
尚、パターニング露光は、仮支持体を剥離してから行ってもよいし、仮支持体を剥離する前に露光し、その後、仮支持体を剥離してもよい。マスクを介した露光でもよいし、レーザー等を用いたデジタル露光でもよい。
前記パターニング露光に用いるマスクについては特に限定はないが、本発明の静電容量型入力装置の製造方法によれば、作成される細線パターンが10〜50μmとなるマスクであっても欠陥を少なくすることができ、10〜40μmとなるマスクであっても欠陥を少なくすることができ、10〜20μmとなるマスクであっても欠陥を少なくすることができる。
本発明における感光性フィルムをエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いる場合にも、前記方法と同様にして、レジストパターンを得ることができる。前記エッチングは、特開2010−152155公報の段落[0048]〜[0054]等に記載の公知の方法でエッチング、レジスト剥離を適用することができる。
例えば、エッチングの方法としては、一般的に行われている、エッチング液に浸漬するウェットエッチング法が挙げられる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、エッチングの対象に合わせて酸性タイプまたはアルカリ性タイプのものを適宜選択すればよい。酸性タイプのエッチング液としては、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸等の酸性成分単独の水溶液、酸性成分と塩化第2鉄、フッ化アンモニウム、過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。酸性成分は、複数の酸性成分を組み合わせたものを使用してもよい。また、アルカリ性タイプのエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのような有機アミンの塩等のアルカリ成分単独の水溶液、アルカリ成分と過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせたものを使用してもよい。
エッチング液の温度は特に限定されないが、45℃以下であることが好ましい。本発明でエッチングマスク(エッチングパターン)として使用される樹脂パターンは、上述した光硬化性樹脂層を使用して形成されることにより、このような温度域における酸性およびアルカリ性のエッチング液に対して特に優れた耐性を発揮する。したがって、エッチング工程中に樹脂パターンが剥離することが防止され、樹脂パターンの存在しない部分が選択的にエッチングされることになる。
前記エッチング後、ライン汚染を防ぐために必要に応じて、洗浄工程・乾燥工程を行ってもよい。洗浄工程については、例えば常温で純水により10〜300秒間基材を洗浄して行い、乾燥工程については、エアブローを使用して、エアブロー圧(0.1〜5kg/cm2程度)を適宜調整し行えばよい。
《静電容量型入力装置、および静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置》
本発明の製造方法によって得られる静電容量型入力装置、および当該静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置は、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
以下、実施例により、本発明の光硬化性樹脂層の形成方法を用いた静電容量型入力装置、画像表示装置の作製方法を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
(セルロースアシレートフィルム(CAF−1)の作製)
特開2006−307056号公報の[0237]〜[0243]に記載の以下の方法で厚さ80μmの可撓性フィルム(セルロースアシレートフィルム)CAF−1を作製した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液(SA−1)(内層用ドープ及び外層用ドープ)を調製した。
外層用セルロースアシレート溶液のシリカ微粒子に関しては、下記シリカ微粒子を20質量部、メタノール80質量部を30分間良く攪拌し混合シリカ分子分散液としたものを使用した。
・セルロースアシレート(SA−1)溶液組成
セルロースアシレート溶液組成物 内層用 外層用(単位:質量部)
アシル置換度2.87のセルロースアセテート 100 100
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8 7.8
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9 3.9
メチレンクロライド(第1溶媒) 293 314
メタノール(第2溶媒) 71 76
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5 1.6
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0 0.8
下記レターデーション調整剤A 1.5 0
レターデーション調整剤A
Figure 0005926128
得られた外層用ドープについて、シリカ微粒子分散物の粒度分布を測定したところ、粒径500nm以上の粒子は0%であった。ここで体積平均粒径は、『粒度分布測定装置LA920(堀場製作所製)』で測定した。
(セルロースアシレートフィルムの作製)
得られた内層用ドープ及び外層用ドープを、三層共流延ダイを用いて、−5℃に冷却したドラム上に流延した。
該ドラムの算術平均粗さ(Ra)は0.006μmで、最大高さ(Ry)は0.06μmであり、また十点平均粗さ(Rz)は0.009μmであった。算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、十点平均粗さ(Rz)の各測定は、JIS B 0601に規定によった。
残留溶媒量が70質量%のフィルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて保持しながら搬送方向のドロー比を110%として搬送しながら80℃で乾燥させ、残留溶媒量が10%となったところで、110℃で乾燥させた。その後、140℃の温度で30分乾燥し、残留溶媒が0.3質量%のセルロースアシレートフィルム(CAF−1、外層:3μm、内層:74μm、外層:3μm)を作製した。得られたCAF−1の幅は1340mmであり、厚さは80μmであった。
<アルカリ鹸化処理>
続いて、上記フィルムCAF−1の片面に、特開2006−307056号公報の[0249]〜[0250]に記載の以下の方法でアルカリ鹸化処理を行い、アルカリ処理した可撓性支持体CFS−01を得た。
すなわち、フィルム(可撓性支持体CAF−1)を、温度60℃の誘電式加熱ロール上を通過させ、フィルム表面温度40℃に昇温した後に、下記に示す組成のアルカリ溶液(S−1)を、ロッドコーターを用いて塗布量17mL/m2で塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に10秒滞留させた。続けて、同じくロッドコーターを用いて10%イソプロピルアルコール水溶液であるアルカリ希釈液および掻き取り後塗布量2.8mL/m2(コーター2次側の液量)で掻き取る工程を行い、表面鹸化フィルム試料(CFS−01)を作製した。フィルム温度は40℃であった。次いで、ファウンテンコーターによる水洗(水洗水温度40℃)とエアナイフによる水切りを4回繰り返した後に70℃の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥した。
(アルカリ溶液(S−1)組成)
水酸化カリウム 8.6質量部
水 24.1質量部
イソプロパノール 56.3質量部
界面活性剤(K−1:C1633O(CH2CH2O)10H) 1.0質量部
プロピレングリコール 10.0質量部
<感光性フィルムの作製>
以下の方法で、仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、黒色の光硬化性樹脂層および保護フィルムをこの順で具備する感光性フィルムK1を作製した。
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記黒色組成物K1を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が15.1μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、光学濃度が4.0となるように乾燥膜厚が2.2μmの黒色の光硬化性樹脂層を設け、最後に保護フィルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)と黒色の光硬化性樹脂層とが一体となった感光性フィルム(転写材料)を作製し、サンプル名を黒色の感光性フィルムK1とした。
(熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1)
・メタノール:11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:6.36質量部
・メチルエチルケトン:52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃):5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃):13.6質量部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製):9.1質量部
・フッ素系ポリマー:0.54質量部
(C613CH2CH2OCOCH=CH240部とH(OCH(CH3)CH27OCOCH=CH255部とH(OCHCH27OCOCH=CH25部との共重合体、重量平均分子量3万、メチルエチルケトン30質量%溶液、大日本インキ化学工業製、商品名:メガファックF780F)
(中間層用塗布液:処方P1)
・PVA205:32.2質量部
(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550)
・ポリビニルピロリドン:14.9質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)
・蒸留水:524質量部
・メタノール:429質量部
アルカリ処理した可撓性フィルムCFS−01を基板予備加熱装置で80℃にて2分間加熱しておき、黒色の感光性フィルムK1から保護フィルムを除去した。
<光硬化性樹脂層を有する積層体の製造>
除去後に露出した黒色の光硬化性樹脂層の表面と、可撓性支持体CFS−01のアルカリ処理した表面とが接するように重ね合わせ、ラミネーター(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、ゴムローラー温度100℃、線圧100N/cm、搬送速度1.0m/分でラミネートした。得られた可撓性支持体、黒色の光硬化性樹脂層、中間層、熱可塑性樹脂層および仮支持体をこの順で有する積層体を、実施例1の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体とした。
[評価]
実施例1の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体を用いて以下の方法にしたがって黒色パターンAおよび黒色パターンBを製造し、以下の評価を行った。
<黒色パターンAを用いたパターン欠落評価>
(黒色パターンAの製造)
実施例1の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体から、ポリエチレンテレフタレートの仮支持体を、熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、実施例1の光硬化性樹脂層を有する積層体から仮支持体を除去した基板と、図11に記載の構造であって、光透過パターン部24として図10に示すマスクパターンを有す石英露光マスクであるマスクAを垂直に立てた状態で、露光マスク面と該黒色の光硬化性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2でパターン露光した。マスクAはパターン欠落評価用である。図11の光透過パターン部24では遮光部は不図示であるが、図10に示すマスクパターンが形成されている。マスクAにおける光透過パターン部24は、具体的には大きさが縦横ともに1mm(1000μm)である遮光部23が、遮光部23どうしの隙間の大きさが50μmで配置されたものである。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1質量部と純水11質量部の割合で混合)に希釈した液)を30℃で60秒間、フラットノズル圧力0.1MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、このガラス基板の上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。
その後、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム系現像液(商品名:T−CD1(富士フイルム(株)製)を純水で5倍(T−CD1を1質量部と純水4質量部の割合で混合)に希釈した液)を用いて32℃でシャワー圧を0.1MPaに設定して、50秒現像し、純水で洗浄した。
引き続き、界面活性剤含有洗浄液(商品名:T−SD3(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.1MPaにてシャワーで吹きかけ、更にやわらかいナイロン毛を有する回転ブラシにより、形成されたパターン像を擦って残渣除去を行った。さらに、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で超純水を噴射して残渣除去を行い、所望の黒色パターンを得た。マスクAを使用したときに得られた、パターン外周400mm、パターン内周280mm、パターン面積51cm2のパターン欠落評価用の黒色パターンAの概略を図12に示した。
得られた黒色パターンAについて以下の評価を行った。
(1)基板の外周部分の黒色パターン欠落
透過濃度5.0を有する黒色板を、マスクAを用いて作成した図12に示した構造の黒色パターンA(以下、基板)のサイズにくり抜き、黒色板をくり抜いた部分に基板をはめ込んだ。次に作成した基板面内の図12におけるパターン非形成部分27を黒色紙で遮光した。この状態で、光学顕微鏡(オリンパス製;MX50)にて作成した基板の外周部分21’に沿って、透過光による観察を行い、黒色パターンAのパターン欠落(以下、パターン欠陥とも言う)を調べた。
(1−1)パターン欠落の頻度
パターン欠落数を、観察した基板の外周距離400mmで割って、1cm当りのパターン欠陥の頻度とした。値が少ないほど欠陥が発生しにくい。
実用レベルはC以上である。
(評価基準)
A;0個
B:1〜2個
C:3〜5個
D;6〜10個
E;11個以上
(1−2)欠陥部分の大きさ
パターン欠落部分の大きさ(基板の外周部分21’からどれだけ基板内側まで欠落しているか)を計測した。値が少ないほど欠陥は小さく、欠陥部分が目視で視認しにくい。
実用レベルはC以上である。
(評価基準)
A;20μm以下
B:20μmより大きく、50μm以下
C:50μmより大きく、100μm以下
D;100μmより大きく、300μm以下
E;300μmを超える
(2)基板面内のパターン端面における黒色パターン欠落
透過濃度5.0を有する黒色板を、マスクAを用いて作成した図12に示した構造の黒色パターンA(基板)のサイズにくり抜き、黒色板をくり抜いた部分に基板をはめ込んだ。次に作成した基板面内のパターン非形成部分27を正確に計測し、黒色紙で黒色パターン26の内側の境界ぎりぎりを覆うように遮光した。この状態で、光学顕微鏡(オリンパス製;MX50)にて作成した面内の黒色パターン26の内側の端面に沿って、透過光による観察を行い、パターン欠落を調べた。
(2−1)パターン欠落の頻度
欠落数を、観察した基板面内の黒色パターン26の内周距離280mmで割って、1cm当りの欠陥頻度とした。値が少ないほど欠陥が発生しにくい。
実用レベルはC以上である。
(評価基準)
A;0個
B:1〜2個
C:3〜5個
D;6〜10個
E;11個以上
(2−2)欠陥部分の大きさ
欠落部分の大きさ(基板面内の黒色パターン26の内周端からどれだけパターン内側まで欠落しているか)を計測した。値が少ないほど欠陥は小さく、欠陥部分が目視で視認しにくい。
実用レベルはC以上である。
(評価基準)
A;20μm以下
B:20μmより大きく、50μm以下
C:50μmより大きく、100μm以下
D;100μmより大きく、300μm以下
E;300μmを超える
(3)形成された黒色パターン内のピンホール欠陥
(2)と同様の方法でマスクAを用いて作成した黒色パターン26の全体を光学顕微鏡(オリンパス製;MX50)にて観察し、ピンホール欠陥を調べた。
(3−1)ピンホール欠陥の頻度
ピンホール欠落数を、観察したパターン面積51cm2で割って、1cm2当りの欠陥頻度とした。値が少ないほど欠陥が発生しにくい。
実用レベルはC以上である。
(評価基準)
A;0個
B:1〜2個
C:3〜5個
D;6〜10個
E;11個以上
(3−2)欠陥部分の大きさ
ピンホール欠落部分の円近似直径を、画像解析装置をもちいて計算し、大きい順に10個(10個以下の場合は発生数)の円近似直径(単位:μm)の平均値を算出した。値が少ないほど欠陥は小さく、欠陥部分が目視で視認しにくい。
実用レベルはC以上である。
(評価基準)
A;20μm以下
B:20μmより大きく、50μm以下
C:50μmより大きく、100μm以下
D;100μmより大きく、300μm以下
E;300μmを超える
<黒色パターンBを用いた密着性評価>
(黒色パターンBの製造)
マスクAの代わりに図13に記載の構造であって、光透過パターン部24として図10に示すマスクパターンを有す石英露光マスクであるマスクBを8種類使用した以外は上述のパターン欠落評価用の黒色パターンAの製造と同様にして、黒色パターンBを製造した。マスクBは密着性評価用である。図13の光透過パターン部24では遮光部は不図示であるが、図10に示すマスクパターンが形成されている。光透過パターン部24は、具体的には大きさが縦横ともに1mm(1000μm)である8種類のマスクBは、それぞれ遮光部23どうしの隙間が、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μmおよび80μmとなるように配置されたこと以外は、同じものである。
得られたパターン外周400mm、パターン面積100cm2の8種類の黒色パターンBの概略を図14に示した。
得られた8種類の黒色パターンBを用いて、以下の評価を行った。
(4)形成された黒色パターンの密着性
(4−1)形成された黒色パターンの細線密着性
8種類のマスクBを用いて作成した図14に記載の構造の8種類の黒色パターン26の、B1〜B8の部分(それぞれ、縦横ともに10mmの範囲)を光学顕微鏡(オリンパス製;MX50)にて観察し、微細パターンの欠落を調べ、欠落がまったく発生していない微細パターンのサイズ(8種類のマスクBの遮光部23どうしの隙間の大きさ)を密着性の指標とした。値が小さいほど微細パターンの密着性は良好で、パターン内にロゴマーク等を作成するのに適している。
実用レベルはA〜Eであり、A〜Dであることが好ましく、AまたはBであることがより好ましい。
(評価基準)
A; 10μmの細線パターンが欠落しない
B: 20μmの細線パターンが欠落しない
C: 30μmの細線パターンが欠落しない
D; 40μmの細線パターンが欠落しない
E; 50μmの細線パターンが欠落しない
F; 60μmの細線パターンが欠落しない
G; 70μmの細線パターンが欠落しない
H; 80μmの細線パターンが欠落しない
(4−2)形成された黒色パターンのクロスカット密着性
8種類のマスクBのうち、遮光部23どうしの隙間の大きさが30μmのマスクBを用いて作成したパターンの、B11〜B15部分(それぞれ、縦横ともに20mmの範囲)にてJIS−K5400法に準拠したクロスカット試験を実施した。5箇所についてJIS−K5400に基づく評価点に換算し、その平均点を求めた。値が高いほうが密着は良好であり、パターン形成後の工程適性や、パターン作成基板の機械的強度に優れる。
実用レベルはC以上である。
(評価基準)
A;剥がれが見られない
B:剥がれが見られるものの、1%以下である
C:剥がれが、1%より多く、3%以下である
D;剥がれが、3%より多く、5%以下である
E;剥がれが、5%より多い
以上の(1)〜(4)の評価結果を下記表1に示す。
[実施例2]
実施例1で行ったアルカリ処理で、110℃に加熱したスチーム式遠赤外ヒーターの下に10秒滞留させたのを、90℃に加熱したスチーム式遠赤外ヒーターの下に10秒滞留させた以外は実施例1と同様にして、実施例2の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体を製造した。
続いて、実施例2の光硬化性樹脂層を有する積層体を用いた以外は実施例1と同様にして、黒色パターンAおよび黒色パターンBを得た。得られた黒色パターンAおよび黒色パターンBを用い、実施例1と同様の評価を行った。その結果を下記表1に示す。
[実施例3]
実施例1で、厚さ80μmの可撓性フィルム(セルロースアシレートフィルム)CAF−1の代わりに、厚さ75μmの可撓性フィルム(二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)PET−1を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体を製造した。
続いて、実施例3の光硬化性樹脂層を有する積層体を用いた以外は実施例1と同様にして、黒色パターンAおよび黒色パターンBを得た。得られた黒色パターンAおよび黒色パターンBを用い、実施例1と同様の評価を行った。その結果を下記表1に示す。
[比較例1]
可撓性フィルムCAF−1をアルカリ処理せずに用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体を製造した。
続いて、比較例1の光硬化性樹脂層を有する積層体を用いた以外は実施例1と同様にして、黒色パターンAおよび黒色パターンBを得た。得られた黒色パターンAおよび黒色パターンBを用い、実施例1と同様の評価を行った。その結果を下記表1に示す。
[比較例2]
可撓性フィルムCAF−1に、シランカップリング液(N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。これを予備加熱装置で加熱した以外は実施例1と同様にして、比較例2の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体を製造した。
続いて、比較例2の光硬化性樹脂層を有する積層体を用いた以外は実施例1と同様にして、黒色パターンAおよび黒色パターンBを得た。得られた黒色パターンAおよび黒色パターンBを用い、実施例1と同様の評価を行った。その結果を下記表1に示す。
Figure 0005926128
上記表1より、本発明の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体を露光して得られた黒色パターンは、基板端欠陥、基板内のパターン端欠陥およびパターン内ピンホールが少なく、密着性に優れていることがわかった。
[実施例101〜103、比較例101および102]
<静電容量型入力装置の製造と評価>
ガラス1’の両面にそれぞれ第一の透明電極パターン3であるXセンサーおよび第二の透明電極パターン4であるYセンサーのうち一方ずつを形成した図1Aに記載の構造の第一および第二の透明電極パターンを有する基板に、高透明性接着剤層14を用いて各実施例および比較例においてマスクAを用いて得られた黒色パターン(図1A中、可撓性支持体1および黒色パターンであるマスク層2の積層体に相当する)を貼りあわせ、さらにカバーガラス13を貼りあわせて、各実施例および比較例の静電容量型入力装置を作製した。また作製した各実施例および比較例の静電容量型入力装置をLCDモジュールに貼りあわせて、各実施例および比較例の画像表示装置とした。
本発明の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法により作製した黒色パターンを用いて作製した画像表示装置は欠陥がなく、表示特性に優れることがわかった。一方、比較例に示した作製した黒色パターンを用いて作製した画像表示装置は、額縁部の欠陥が多く、欠陥部が視認できるため、表示品質上劣るものであった。
1 可撓性支持体
1’ 前面板(ガラス)
2 マスク層
3 第一の透明電極パターン
3a パッド部分
3b 接続部分
4 第二の透明電極パターン
5 絶縁層
6 導電性要素
7 透明保護層
8 開口部
10 静電容量型入力装置
11 強化処理ガラス
12 別の導電性要素
13 カバーガラス
14 透明接着剤層
21 光硬化性樹脂層を有する積層体(ワーク)の配置位置
21’ 基板(光硬化性樹脂層を有する積層体中の可撓性支持体)の外周部分
22 マスク外周
23 マスク遮光部
24 光透過パターン部(黒色パターンが形成される領域)
25 マスク
26 黒色パターン(光硬化性樹脂層を有する積層体中の光硬化性樹脂層が硬化されてなる層)
27 パターン非形成部分

Claims (12)

  1. 可撓性支持体の少なくとも一方の表面をアルカリ処理する工程と、
    前記可撓性支持体のアルカリ処理した表面上に、仮支持体上に光硬化性樹脂層を具備する感光性フィルムの該光硬化性樹脂層を重ねて、圧着する工程と、
    を含み、
    前記光硬化性樹脂層がカルボン酸基含有樹脂を含有し、
    前記可撓性支持体がセルロース系支持体またはポリエステル系支持体であることを特徴とする光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法。
  2. 前記感光性フィルムが少なくとも前記仮支持体と熱可塑性樹脂層と前記光硬化性樹脂層とをこの順で有することを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法。
  3. 前記圧着工程を、加熱しながら行うことを特徴とする請求項1または2に記載の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法。
  4. 前記光硬化性樹脂層が、黒色着色剤および白色着色剤のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法。
  5. 可撓性支持体の少なくとも一方の表面上に光硬化性樹脂層を有する硬化物積層体を含み、
    遮光部どうしの隙間の大きさが50μmで配置されたマスクパターンを用いて露光した場合に前記可撓性支持体のパターン端面における前記光硬化性樹脂層のパターン欠陥が1cm当り5個以下であり、
    遮光部どうしの隙間の大きさが30μmで配置されたマスクパターンを用いて露光した場合にJIS−K5400法に準拠したクロスカット試験を実施した後の前記光硬化性樹脂層の剥がれが3%以下であり、
    前記光硬化性樹脂層がカルボン酸基含有樹脂を含有し、
    前記可撓性支持体がセルロース系支持体またはポリエステル系支持体であることを特徴とする静電容量型入力装置。
  6. マスク層を有し、前記硬化物積層体の少なくとも1層が前記マスク層であることを特徴とする請求項に記載の静電容量型入力装置。
  7. 下記(1)〜(5)の要素を有し、前記硬化物積層体の少なくとも1層が前記(1)マスク層であることを特徴とする請求項5または6に記載の静電容量型入力装置。
    (1)マスク層
    (2)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
    (3)前記第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、前記第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
    (4)前記第一の透明電極パターンと前記第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層
    (5)前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂層を有する積層体の製造方法で製造された光硬化性樹脂層を有する積層体を、露光する工程を含むことを特徴とする静電容量型入力装置の製造方法。
  9. 前記光硬化性樹脂層を有する積層体をパターニング露光することを特徴とする請求項に記載の静電容量型入力装置の製造方法。
  10. マスク層を有する静電容量型入力装置の製造方法であり、前記光硬化性樹脂層を有する積層体を露光して前記マスク層を形成することを特徴とする請求項またはに記載の静電容量型入力装置の製造方法。
  11. 下記(1)〜(5)の要素を有する静電容量型入力装置の製造方法であり、前記光硬化性樹脂層を有する積層体を露光して前記(1)マスク層を形成することを特徴とする請求項10のいずれか一項に記載の静電容量型入力装置の製造方法。
    (1)マスク層
    (2)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
    (3)前記第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、前記第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
    (4)前記第一の透明電極パターンと前記第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層
    (5)前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
  12. 請求項のいずれか一項に記載の静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置。
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