本発明は、折損人骨の一方の人骨に挿着するステム部と、前記ステム部と交差して一体となることにより前記折損人骨の一方の人骨から他方の人骨にかけて挿着するラグスクリュー部とよりなる体内埋設可能に構成したインプラントにおいて、前記ステム部と前記ラグスクリュー部とは、樹脂を材料とし、しかも、前記ステム部と前記ラグスクリュー部との樹脂強度を、双方が交差する部分を最高強度とするように構成したことを特徴とするインプラントを提供するものである。
以下では、本発明の理解を容易とするために、まず、骨治癒メカニズムについて説明し、その後本発明の具体的な構成について説明する。
〔骨治癒メカニズムについて〕
図1は、骨折の治癒メカニズムの説明図である。骨治癒のメカニズムは、一次性骨癒合メカニズムと、自然治癒メカニズムとの2つのメカニズムに分類することができる。
一次性骨癒合メカニズムは、従来のインプラント等を用いた骨折治療が行われた際に主に生起される骨治癒のメカニズムであり、骨折直後から始まる炎症期を経て直接改変期に至るものである。
従来のインプラントは、骨折した部位やその周辺の骨にかかる負荷を極力減少させるべく設計されており、折損した骨に対して強固な固定を行いながら治療がなされることとなる。
このように骨片間に強固な固定が行われると、骨折部位では、初期仮骨の形成が比較的早期になされるものの、その後の成熟した骨組織が形成されるまでには、時間を要する場合があった。
また、従来のインプラントでは、骨折部に屈曲力や剪断力、捻転力、牽引力が加わるのを防止する効果は高いものの、成熟した骨組織の形成を促進する適度な圧迫力をも防いでストレスシールディングの状態が発生し、治癒を遅らせてしまう場合もあった。
一方、自然治癒メカニズムは、炎症期、修復期、改変期の3期に区分される。
炎症期では、折損人骨の骨折部位を中心にして血腫が形成され、局所に強い炎症反応が起こる。
修復期では、血腫の中の組織球や繊維芽細胞の浸潤がみられ、これを基盤として、毛細血管が骨折部位に侵入し肉芽組織が形成される。さらに成長して繊維軟骨様になり、初期仮骨が形成される。仮骨内の細胞は、外力の影響を強く受ける状態にあり、適度な圧縮応力の存在下では骨細胞化が加速される。したがって、この修復期において、骨折部位に力学的刺激による圧縮応力を作用させることは非常に重要である。
改変期では、先に形成された界面骨様の仮骨が局所の整った力学的条件と要請に対応して、十分な強度を有する骨組織に改変されていく。このように骨組織は、力学的刺激によって適応形態形成(Adaptive Remodeling)される。
適応形態形成とは、骨が荷重条件に合わせて適宜形状を変化させていく適応形態形成機能のことである。H.M.Frost ( Bone's Mechanostat: A 203 Update. The Anatomical Record Part A 275A: 1081-1101,2003,2003 WILEY-LISS,Inc.)の文献によれば、100μεのひずみ以下で骨の退行が発現し、1000με〜3000μεのひずみで増骨作用が発現し、25000μεのひずみ以上で骨破壊が発現することが記載されている。なお、「με」は、1m当たりのひずみを示す単位であり、例えば、1000μεは、1m当たり1000μm(10cm当たり100μm)のひずみであることを示している。
本実施形態に係るインプラントでは、上記2つの骨治癒メカニズムのうち、後者の自然治癒メカニズムを利用することにより、ストレスシールディング状態を防ぎつつ、仮骨形成から成熟した骨組織形成に至る過程を早めて、十分な強度を有する骨組織への改変を促すようにしている。
特に本実施形態に係るインプラントは、単一の硬質素材で形成した柔軟性の無いインプラントや、骨頭部旋回が生じやすいインプラントなどの従来のインプラントに比して、造骨作用が発現しやすい1000με〜3000μεのひずみを骨に与えることができる。
〔本実施形態に係るインプラントについて〕
次に、本実施形態に係るインプラントについて具体的に説明する。本実施形態に係るインプラントは、大腿骨近位部骨折時に骨同士を接合しつつ上記増骨作用が発現する構造を備えるものである。
本実施形態に係るインプラントは、折損人骨の一方の人骨に挿着するステム部と、前記ステム部と交差して一体となることにより前記折損人骨の一方の人骨から他方の人骨にかけて挿着するラグスクリュー部とよりなり、体内埋設可能に構成している。
本実施形態に係るインプラントは、特に、長管骨頚部外側骨折のうち、大転子部から小転子部にかけて切断された安定型の長管骨転子部骨折の補綴を行う際に優れた骨治癒効果を発揮する。
ここで、長管骨は、例えば、大腿骨や上腕骨と解することができる。なお、本実施形態に係るインプラントを用いた上腕骨転子部骨折の補綴については、後述する大腿骨転子部骨折の補綴と略同様となるため、本明細書では大腿骨での適用について主に言及する。
大腿骨Aは長尺状の骨であり、骨盤の寛骨とつながり股関節を形成する端部(図3参照:以下、同端部を「近位端」といい、この近位端近傍を「近位部」という。)と、脛骨とつながり膝関節を構成する端部(図示せず:以下、同端部を「遠位端」といい、この遠位端近傍を「遠位部」という。)と、両端部間に存在する長尺状の大腿骨幹部Dとで構成される。
近位部は、大腿骨頭部Fと、大腿骨頚部Eと、大転子部Bと、小転子部Hとから構成される。この大腿骨頚部Eと大腿骨幹部Dとは、約125度の傾斜角度をなして一体に形成されている。
大腿骨幹部Dは、幹状に形成され、その内部に中空状の大腿骨髄内Cが形成されている。すなわち、大腿骨頚部外側骨折とは、大腿骨の近位部での骨折であり、例えば、大転子部Bと小転子部Hの位置より下方において生じる大腿骨転子下骨折や、大転子部Bと小転子部Hの位置の間で生じる大腿骨転子部骨折を指称する。
本実施形態に係るインプラントのステム部とラグスクリュー部とは、ポリエーテル・エーテル・ケトン(以下、PEEKと称する:polyetheretherketone)樹脂を材料としている。ステム部とラグスクリュー部との双方が交差する部分は、PEEK樹脂強度を最高強度とするように構成している。
なお、樹脂は、PEEK樹脂に限定されるものではなく、例えば、PPSU樹脂、PES樹脂、又はこれらの混合樹脂を用いるようにしても良く、これらの樹脂の他に他の樹脂を混合した複合樹脂を用いるようにしても良い。特に、PEEK樹脂は、熱可塑性の耐熱高分子であり、耐熱性、耐薬品性、耐疲労性、耐衝撃性、耐クリープ性等の物性に優れた特性を有しており、また、生体適合性の観点において適している。したがって、以下の説明ではPEEK樹脂を使用した実施形態について述べることとする。
また、本実施形態に係るインプラントに使用可能な樹脂を更に例示すると、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリカーボネート、シリコーン、アクリル化合物、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で使用しても良く、また、前述のPEEK樹脂や、PPSU樹脂、PES樹脂と混合させても良い。また、所定のパーツに限定して使用しても良い。
樹脂強度とは、インプラントを構成する樹脂部分の物性的な強度を意味するものであり、例えば、樹脂が安定的に硬化した際の硬度と解することができる。
また、樹脂強度は、インプラントを構成する樹脂部分の構造的な強度とも解することができる。例えば、インプラントを構成するステム部やラグスクリュー部の径に依存するものであってもよい。すなわち、この径が大きいほど強度が高く、径が小さいほど強度が低くなると言える。
しかも、ステム部は、ステム部とラグスクリュー部の交差する部分からステム部の両先端に向って漸次PEEK樹脂の硬度を減数するように構成している。或はステム部は、ステム部とラグスクリュー部の交差する部分からステム部の両先端に向って漸次PEEK樹脂の径を細くするように構成してもよい。
ラグスクリュー部は、螺旋状のフィンが形成された先端スクリュー片と、ステム部に固定される基部連結片とに構成しており、先端スクリュー片と基部連結片とは、互いにスプライン嵌合により一体に接続可能に構成している。しかも、先端スクリュー片と基部連結片同士の接続当接面には、ラグスクリュー部の材質よりも硬度の低いPEEK樹脂よりなる緩衝板を介在している。
ラグスクリュー部は、複数本のラグスクリュー本体を並列に並べて構成するようにしてもよい。両ラグスクリュー本体は、これら一方のラグスクリュー本体と他方のラグスクリュー本体とが互いに長手方向周面が凹凸状態で当接するように構成することにより、各ラグスクリュー本体の軸回転を規制すべく構成している。
本実施形態に係るインプラントについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
[第1実施形態のインプラント]
図2に示すように、本実施形態に係るインプラント1は、折損人骨の一方の大腿骨の一端から大腿骨髄内に挿着されるステム部2と、ステム部2と交差して一体となることにより折損人骨の一方の大腿骨から分離した他方の大腿骨にかけて挿着するラグスクリュー部としてのラグスクリュー本体3とから構成している。
ステム部2は、大径のロッド状に形成した上位部と、この上位部の基端側から徐々に細くなるように形成しつつ屈曲した屈曲部と、この屈曲部の基端側から小径のロッド状に形成した下位部とから構成している。上位部の中途には、ラグスクリュー本体3が斜め方向に挿通される貫通孔20が形成される。貫通孔20は、ラグスクリュー本体3を挿通するためにラグスクリュー本体3の略同一径に形成されている。下位部には、ステム部2の長手方向と直交して固定用貫通孔21,22が形成される。固定用貫通孔21,22には、ステム部2を大腿骨の幹部に固定するための後述する固定用ネジ4,5を貫通させる。
図3に示すように、ラグスクリュー本体3は、長手方向へ前後に分割して基部連結片31と先端スクリュー片32とに構成している。先端スクリュー片32の先端部には、一方の大腿骨から分離した他方の大腿骨と係合するためのスクリューフィン部33を備えている。先端スクリュー片32の基端側には、周面において長手方向に凸状部が形成されたスプライン軸32aが形成されており、先端スクリュー片32が基部連結片31に対して、スプライン軸32aの軸方向への動きは許容され、軸周り方向への動きが規制される。なお、この凸条部の構成については、後述の第2実施形態における主ラグスクリュー本体53と同様の構成であり、後に図8を参照しながら説明する。基部連結片31の先端側には、先端スクリュー片32のスプライン軸32aとスプライン嵌合するための軸受孔31aが形成される。
先端スクリュー片32のスプライン軸32aには、略リング形状の緩衝板34が挿着される。
上記スクリューフィン部33は、らせん状に帯状のフィンを突設している。このスクリューフィン部33では、従来よりも直径を大きくし、かつ、山の径と谷の径に大きな差を設けたネジ形状とすることで、セルフタッピング機能を有し、海綿骨との接続も良好とすることができる。
これらステム部2やラグスクリュー本体3や緩衝板34の材料は、PEEK樹脂を主原料としている。
特にステム部2とラグスクリュー本体3の双方が交差する部分24aは、PEEK樹脂の硬度を最高硬度となるように構成している。しかも、ステム部2は、ステム部2とラグスクリュー本体3の交差する部分からステム部2の両先端に向って漸次PEEK樹脂の硬度を減殺するように構成している。
具体的には、ステム部2とラグスクリュー本体3との交差部分24aは、PEEK樹脂の硬度を最高硬度とし、ステム部2の交差部分24aに連続した上部部分24b及び下部部分24cは、高硬度とし、ステム部2の最下部部分24dは、高硬度より若干低い中硬度としている。緩衝板34は、中硬度より低い軟硬度としている。2つの固定用ネジ4,5は、一方を高硬度とし、他方を中硬度としている。
さらに、図3を参照しつつステム部2とラグスクリュー本体3の各部分の構成について説明すると、交差部分24aは、ステム部2の貫通孔20を境とした上下方向の部分とラグスクリュー本体3とからなる部分であり、ステム部2の貫通孔20を境とした上下方向の先端部分は、それぞれ円錐形状をなして上部部分24b及び下部部分24cと一体に形成される。ステム部2の上部部分24bは、一方の下側が略逆円錐形に形成され、他方の上側が略円柱形状に形成される。ステム部2の下部部分24cは、一方の上側が略逆円錐形に形成され、他方の下側が略円錐形状に形成される。ステム部2の最下部部分24dは、一方の上側が略逆円錐形に形成され、他方の下側が略円柱形状に形成される。
最高硬度とは、ヤング率50GPa以上200GPa以下である。高硬度とは、ヤング率15GPa以上50GPa未満であり、大腿骨に1000〜3000μεのひずみを与えて、大腿骨の増骨作用を促す硬度である。中硬度とは、ヤング率0.3GPa以上15GPa未満であり、皮質骨とほぼ同等の硬度である。軟硬度とは、ヤング率0.01GPa以上0.3GPa未満であり、骨折部分Gに仮骨形成を促す1000〜3000μεのひずみを与えて、増骨作用を促す硬度である。
このような各種硬度とするために、PEEK樹脂には副材料として炭素や配向性のある炭素繊維を含有させている。この炭素や炭素繊維の含有量及び炭素繊維の配向を適宜調整することで、最高硬度から軟硬度まで、漸次硬度を異なるように構成することが可能となる。この炭素繊維の配向は、ステム部2及びラグスクリュー本体3の長手方向と同一方向(図中の矢印方向)となるようにしている。
ステム部2やラグスクリュー本体3や緩衝板34や固定用ネジ4,5をPEEK樹脂で構成することで、材料物性的連続性を実現することができる。
この材料物性的連続性とは、構造体内に硬度(またはヤング率)が極端に変化する境界面がないことをいい、仮に、材料物性的連続性が損なわれた境界面が存在する場合、外力による応力が当該面に集中し、構造体の損傷または破壊につながるといわれている。ステム部2やラグスクリュー本体3や緩衝板34や固定用ネジ4,5は最高硬度から軟硬度まで、漸次硬度を異なるように構成されるので、この境界面の影響を僅少にすることが可能になる。
なお、図1及び図2にて示したステム部2は、交差部分24a、上部部分24b、下部部分24c、最下部部分24d(以下、これらを総称して「ステム片」という。)がそれぞれ異なる硬度となるように一体的に整形したものであるが、ステム部2の構成はこれに限定されるものではない。
例えば、図4に示すように、各ステム片をそれぞれ硬度の異なる別パーツとして形成し、これらのステム片を長手方向に連結して固定しステム部2を構成するようにしても良い。
このような構成とすることにより、ステム部2をより容易に構成することができる。また、例えば、同じ形状で硬度の異なる別の交差部分24a’をあらかじめ形成しておき、患者の症例に併せて適切なひずみが発揮されるようパーツ交換して組み合わせることも可能となる。
次に、大腿骨転子部骨折を一例として挙げ、折損人骨同士を接続するインプラントの使用例について説明する。図5は、折損人骨同士をインプラントを用いて接続補修した状態を示す説明図である。
[第1実施形態のインプラントの使用例]
図5に示すように、例えば大腿骨転子部骨折の際には、大腿骨大転子Bの上部をドリルで穿設してステム用貫通孔B1を形成する。このステム用貫通孔B1は、大腿骨髄内Cに貫通している。次に、ステム部2を大腿骨大転子Bのステム用貫通孔B1から大腿骨髄内Cに挿入する。専用の位置決め冶具を用いて、大腿骨幹部Dにおける各固定用ネジ4,5の挿入位置を決めた後に、各固定用ネジ4,5を大腿骨幹部D、ステム部2の各固定用貫通孔21,22、大腿骨幹部Dの順に貫通させてステム部2を大腿骨Aの所定の位置に固定する。
次に、専用の位置決め冶具を用いて、大腿骨大転子Bの側部におけるラグスクリュー用孔の形成位置を決めた後に、ドリルで大腿骨大転子Bの側部を斜め方向に穿設してステム部2の貫通孔20に到達するラグスクリュー用孔B2を形成する。次に、ラグスクリュー本体3を大腿骨大転子Bのラグスクリュー用孔B2からステム部2の貫通孔20に挿入し、さらに、大腿骨頚部E方向に向ってラグスクリュー本体3を螺入、さらにまた螺進していけば、ラグスクリュー本体3の先端が大腿骨頭部Fに到達する。このようにしてラグスクリュー本体3は、ラグスクリュー本体3の先端が大腿骨頭部Fの到達部分の海綿骨と一体となってアンカリングされることとなる。
このように折損した大腿骨内にインプラント1が挿着されることで、折損した大腿骨同士が固接される。
本実施形態のインプラント1によれば、基部連結片31と先端スクリュー片32との間に緩衝板34を介在させることにより、ラグスクリュー本体3が長手方向のみに弾性変形するため、折損人骨に仮骨形成を促す1000με〜3000μεのひずみを与えることによって、増骨作用を促すことができる。また、このラグスクリュー本体3の構造は、大腿骨頭部Fに強固に固定することができるため、折損人骨の骨折部分Gのマイクロモーションを抑制し、一次性骨癒合メカニズムを発現させることができる。
ステム部2は、ステム部2とラグスクリュー本体3の交差する部分からステム部2の両先端に向って漸次PEEK樹脂の硬度を減殺するように構成しているので、ステム部2の交差部分に連続した上部部分24b及び下部部分24cが長手方向に弾性変形するため、折損人骨に仮骨形成を促す1000με〜3000μεのひずみを与えて、増骨作用を促すことができる。
ステム部2の最下部部分24dは、ステム部の交差部分に連続した上部部分24b及び下部部分24cの硬度よりも、低い硬度もしくは皮質骨とほぼ同等の硬度としたPEEK樹脂で構成したので、骨とステム部との材料物性的連続性を実現し、ステム部2による遠位端骨折を抑制する効果がある。
固定用ネジ4,5についてもPEEK樹脂の硬度を調整することで、大腿骨Aとステム部2との材料物性的連続性を阻害するおそれがなくなり、骨折を抑制およびステム部の破損を抑制する効果がある。
ステム部2とラグスクリュー本体3との交差部分24aは、材料物性的連続性をもつPEEK樹脂で作成されることで、ステム部2とラグスクリュー本体との互いの連結性を良好とし、破損を抑制することができる効果がある。
[第2実施形態のインプラント]
第2実施形態のインプラントについて、図6から図9を参照しながら説明する。
第2実施形態のインプラント51は、図6に示すように、2つの貫通孔60,61を形成したステム部52と、ラグスクリュー部を主ラグスクリュー本体53と副ラグスクリュー本体54との2本のラグスクリュー本体よりから構成することとした。
ステム部52は、大径のロッド状に形成した上位部と、この上位部の基端側から徐々に細くなるように形成しつつ屈曲した屈曲部と、この屈曲部の基端側から小径のロッド状に形成した下位部とから構成している。上位部の中途には、2本の両ラグスクリュー本体53,54が斜め方向に挿通される2つの貫通孔60,61が形成される。主貫通孔60は、主ラグスクリュー本体53を挿通するために主ラグスクリュー本体53と略同一径に形成されている。副貫通孔61は、副ラグスクリュー本体54を挿通するために副ラグスクリュー本体54の略同一径に形成されている。下位部には、ステム部52の長手方向と直交して固定用貫通孔62,63が形成される。固定用貫通孔62,63には、ステム部52を大腿骨幹部Dに固定するための固定用ネジ4,5が挿通される。
図7に示すように、主ラグスクリュー本体53は、長手方向へ前後に分割して主基部連結片71と主先端スクリュー片72とに構成している。主先端スクリュー片72の先端部には、一方の大腿骨から分離した他方の大腿骨と係合するためのスクリューフィン部73を備えている。
また、図8に示すように、主先端スクリュー片72の基端側には、周面において長手方向に凸状部が形成されたスプライン軸72aが形成される。なお、図8においてスプライン軸72aの断面は矩形状としており、この四隅の角部がそれぞれ凸条部に相当する。但し、スプライン軸72aの断面形状は矩形状に限定されるものではなく、例えば、図8(b)に示すように、スプライン軸72aの軸周りにおいて長手方向へ向けて複数の突条と溝条とを交互に形成しても良く、また、図8(c)に示すように、スプライン軸72aの軸周りにおいて長手方向へ向けて一本の突条を形成するようにしても良い。すなわち、凸条部は、主先端スクリュー片72が主基部連結片71に対して、スプライン軸72aの軸方向への動きは許容され、軸周り方向への動きが規制されるように設けられたものであれば良い。主基部連結片71の先端側には、主先端スクリュー片72のスプライン軸72aとスプライン嵌合するための軸受孔71aが形成される。
主ラグスクリュー本体53の周面には、図7に示すように、等間隔に溝53aが形成され、この半円弧形状の溝53aに副ラグスクリュー本体54の周面が嵌着する。例えば、主ラグスクリュー本体53には、4本の溝53aを設けているが、4本以上の溝を設けてもよい。副ラグスクリュー本体54と主ラグスクリュー本体53の溝53aとが長手方向周面を凹凸状態で係合することで、主ラグスクリュー本体53の軸方向の回転を規制することができる効果がある。
副ラグスクリュー本体54は、長手方向へ前後に分割して副基部連結片74と副先端スクリュー片75とに構成している。副先端スクリュー片75の先端部には、一方の大腿骨から分離した他方の大腿骨と係合するためのスクリューフィン部76を備えている。副先端スクリュー片75の基端側には、周面において前述の主先端スクリュー片72と同様長手方向に凸状部が形成されたスプライン軸75aが形成される。副基部連結片74の先端側には、副先端スクリュー片75のスプライン軸75aとスプライン嵌合するための軸受孔74aが形成される。
両ラグスクリュー本体53,54の主先端スクリュー片72及び副先端スクリュー片75のスプライン軸72a,75aには、リング形状の緩衝板77,78が挿通される。
スクリューフィン部73は、図7に示すように、らせん状に半円弧状の切り欠き部を設けた帯状のフィンを突設している。スクリューフィン部76は、らせん状に帯状のフィンを突設している。両スクリューフィン部73,76を大腿骨に取り付けた状態において、スクリューフィン部73のフィン片とスクリューフィン部76のフィン片とが交互に重なり合う構造である。このスクリューフィン部73およびスクリューフィン部76では、従来よりも直径を大きくし、かつ、山の径と谷の径に大きな差を設けたネジ形状とすることで、セルフタッピング機能を有し、海綿骨との接続も良好とすることができる。
これらステム部52や両ラグスクリュー本体53,54や緩衝板77,78の材料は、PEEK樹脂を主原料としている。
ステム部52と両ラグスクリュー本体53,54の双方が交差する部分55aは、図6に示すように、PEEK樹脂の硬度を最高硬度となるように構成している。しかも、ステム部52は、ステム部52と両ラグスクリュー本体53,54の交差する部分55aからステム部52の両先端に向って漸次PEEK樹脂の硬度を減数するように構成している。
具体的には、ステム部52と両ラグスクリュー本体53,54との交差部分55aはPEEK樹脂の硬度を最高硬度とし、ステム部52の交差部分55aに連続した上部部分55b及び下部部分55cは高硬度とし、ステム部52の最下部部分55dは高硬度より若干低い中硬度としている。緩衝板77,78は、中硬度より低い軟硬度としている。2つの固定用ネジ4,5は、一方を高硬度とし、他方を中硬度としている。
最高硬度とは、ヤング率50GPa以上200GPa以下である。高硬度とは、ヤング率15GPa以上50GPa未満であり、大腿骨に1000〜3000μεのひずみを与えて、大腿骨の増骨作用を促す硬度である。中硬度とは、ヤング率0.3GPa以上15GPa未満であり、皮質骨とほぼ同等の硬度である。軟硬度とは、ヤング率0.01GPa以上0.3GPa未満であり、骨折部分Gに仮骨形成を促す1000〜3000μεのひずみを与えて、増骨作用を促す硬度である。
このような各種の硬度とするためにPEEK樹脂には、副材料として炭素、配向性のある炭素繊維を含有させている。この炭素、炭素繊維の含有量及び配向を適宜調整することで、最高硬度から軟硬度まで、漸次硬度を異なるように構成することが可能となる。この炭素繊維の配向は、ステム部52及び両ラグスクリュー本体53,54の長手方向と同一方向(図中の矢印方向)となるようにしている。
ステム部52や両ラグスクリュー本体53,54や緩衝板77,78や固定用ネジ4,5をPEEK樹脂で構成することで、材料物性的連続性を実現することができる。
以下、例えば、大腿骨転子部の際に、折損人骨同士を接続するインプラントの使用例について説明する。図9は、折損人骨同士をインプラントを用いて接続補修した状態を示す説明図である。
[第2の実施形態インプラントの使用例]
図9に示すように、例えば大腿骨転子部骨折の際には、大腿骨大転子Bの上部をドリルで穿設してステム用貫通孔B1を形成する。このステム用貫通孔B1は、大腿骨髄内Cに貫通している。次に、ステム部52を大腿骨大転子Bのステム用貫通孔B1から大腿骨髄内Cに挿入する。専用の位置決め冶具を用いて、大腿骨幹部Dにおける各固定用ネジ4,5の挿入位置を決めた後に、固定用ネジ4,5を大腿骨幹部D、ステム部52の固定用貫通孔62,63、大腿骨幹部Dの順に挿通させてステム部52を大腿骨Aの所定の位置に固定する。
次に、専用の位置決め冶具を用いて、大腿骨大転子Bの側部における両ラグスクリュー用孔の形成位置を決めた後に、ドリルで大腿骨大転子Bの側部を斜め方向に穿設してステム部52の各貫通孔60,61に到達する2つのラグスクリュー用孔B2,B3を形成する。主ラグスクリュー本体53を大腿骨大転子Bの主ラグスクリュー用孔B2から、ステム部52の貫通孔60に挿入し、さらに、大腿骨頚部E方向に向って主ラグスクリュー本体53を螺入、さらにまた螺進していけば、主ラグスクリュー本体53の先端が大腿骨頭部Fに到達する。このようにして主ラグスクリュー本体53は、主ラグスクリュー本体53の先端が大腿骨頭部Fの到達部分の海綿骨と一体となってアンカリングされることとなる。
次に、副ラグスクリュー本体54を大腿骨大転子Bの副ラグスクリュー用孔B3からステム部52の貫通孔61に挿入し、さらに、大腿骨頚部E方向に向って副ラグスクリュー本体54を螺進していけば、副ラグスクリュー本体54の先端は大腿骨頭部Fに到達し、副ラグスクリュー本体54の先端が大腿骨頭部Fの到達部分の海綿骨と一体となってアンカリングされることとなる。このとき、副ラグスクリュー本体54が主ラグスクリュー本体53の溝53aに係合された状態で摺動させながら螺入する。
このように主ラグスクリュー本体53の溝53aに副ラグスクリュー本体54が係合することで、主ラグスクリュー本体53の軸方向の回転を規制することができる。また、大腿骨近位部が比較的小さい日本人にも2本の主ラグスクリュー本体53及び副ラグスクリュー本体54を打ち込むことができ、大腿骨の海綿骨と最良なアンカリング機能を得ることが可能となる。両ラグスクリュー本体53,54は、互いが係合状態となることで骨折部分をより強固に固定し、しかも、大腿骨頭部を突き抜けるような沈み込み作用を抑制する効果がある。
このように折損人骨の大腿骨にインプラントが挿着されることで、折損人骨の大腿骨同士が固接される。
本実施形態のインプラントによれば、主ラグスクリュー本体53や副ラグスクリュー本体54における、主基部連結片71と主先端スクリュー片72との間や、副基部連結片74と副先端スクリュー片75との間に緩衝板77,78を介在させることにより両ラグスクリュー本体53,54がそれぞれ長手方向のみに弾性変形するため、折損人骨に仮骨形成を促す1000με〜3000μεのひずみを与えることによって、増骨作用を促すことができる。また、この主ラグスクリュー本体53と副ラグスクリュー本体54の構造は、大腿骨頭部Fの海綿骨に強固に固定することができるため、折損人骨の骨折部分のマイクロモーションを抑制し、一次性骨癒合メカニズムを発現させることができる。
ステム部52は、ステム部52と両ラグスクリュー本体53,54の交差する部分55aからステム部52の両先端に向って漸次PEEK樹脂の硬度を減殺するように構成しているので、ステム部52の交差部分55aに連続した上部部分55b及び下部部分55cが長手方向に弾性変形するため、折損人骨に仮骨形成を促す1000με〜3000μεのひずみを与えて、増骨作用を促すことができる。
ステム部52の最下部部分55dは、ステム部の交差部分に連続した上部部分55b及び下部部分55cの硬度よりも、低い硬度もしくは皮質骨とほぼ同等の硬度としたPEEK樹脂で構成したので、骨とステム部との材料物性的連続性を実現し、ステム部52による遠位端骨折を抑制する効果がある。
固定用ネジ4,5についてもPEEK樹脂の硬度を調整することで、大腿骨Aとステム部52との材料物性的連続性を阻害するおそれがなくなり、骨折を抑制およびステム部の破損を抑制する効果がある。
ステム部52と両ラグスクリュー本体53,54との交差部分55aは、材料物性的連続性をもつPEEK樹脂で作成されることで、ステム部52と両ラグスクリュー本体53,54との互いの連結性を良好とし、破損を抑制することができる効果がある。
[第2実施形態のインプラントの変形例]
第2実施形態のインプラントの変形例について、図10を参照しながら説明する。なお、第2実施形態の変形例としてのインプラントは、第2実施形態のインプラントと同一符号を付して重複説明を省略する。
第2実施形態の変形例としてのインプラント51’は、図10に示すように、ステム部52の頭部にネジ孔が貫通孔61に至るように形成され、このネジ孔に螺杆64を螺入して螺杆64の先端が貫通孔61を貫通した副ラグスクリュー本体54の周面に当接することにより副ラグスクリュー本体54の回転を規制する構成とした。
このように副ラグスクリュー本体54の軸方向の回転を規制できることから、大腿骨頭部Fにさらに強固に固定することができる。したがって、折損人骨の骨折部分のマイクロモーションを抑制し、一次性骨癒合メカニズムを発現させることができる。
[第3実施形態のインプラント]
第3実施形態のインプラントについて、図11〜図13を参照しながら説明する。
第3実施形態のインプラント81は、図11に示すように、大腿骨Aの側面に固定すべく板状に形成したステム部82と、この板状のステム部82の先端に連設した筒状の支持体84に挿着するラグスクリュー本体83とから構成することとした。
ステム部82は、板状に形成した本体85と、この本体85に連設した支持体84とから構成している。支持体84には、貫通孔84aが形成される。貫通孔84aは、ラグスクリュー本体83を挿通するためにラグスクリュー本体83の直径に合わせた大きさに形成されている。本体85には、ステム部82の長手方向と直交して固定用貫通孔86a,86b,86c,86dが複数形成される。固定用貫通孔86a,86b,86c,86dには、ステム部82を大腿骨幹部Dの側面に固定するための固定用ネジ4,5,6,7を挿通させる。
ラグスクリュー本体83は、長手方向へ前後に分割して基部連結片91と先端スクリュー片92とに構成している。先端スクリュー片92の先端部には、一方の大腿骨から分離した他方の大腿骨と係合するためのスクリューフィン部93を備えている。先端スクリュー片92の基端側には、周面において前述の主先端スクリュー片72と同様長手方向に凸状部が形成されたスプライン軸92aが形成される。基部連結片91の先端側には、先端スクリュー片92のスプライン軸92aとスプライン嵌合するための軸受孔91aが形成される。
先端スクリュー片92のスプライン軸92aには、リング形状の緩衝板94が挿着される。
スクリューフィン部93は、らせん状に帯状のフィンを突設している。このスクリューフィン部93では、従来よりも直径を大きくし、かつ、山の径と谷の径に大きな差を設けたネジ形状とすることで、セルフタッピング機能を有し、海綿骨との接続も良好とすることができる。
これらステム部82やラグスクリュー本体83や緩衝板94の材料は、PEEK樹脂を主原料としている。
ステム部82とラグスクリュー本体83の双方が交差する部分、すなわち、ステム部82の支持体84とラグスクリュー本体83の基端側は、PEEK樹脂の硬度を最高硬度となるように構成している。しかも、ステム部82は、支持体84から本体85の下方の先端に向って漸次PEEK樹脂の硬度を減数するように構成している。
具体的には、ステム部82とラグスクリュー本体83との交差部分85aは、PEEK樹脂の硬度を最高硬度とし、ステム部82の交差部分85aに連続した下部部分85bは、高硬度とし、ステム部の最下部部分85cは、高硬度より若干低い中硬度としている。緩衝板94は、中硬度より低い軟硬度としている。固定用ネジ4,5,6は、高硬度とし、固定用ネジ7は、他方を中硬度としている。
最高硬度とは、ヤング率50GPa以上200GPa以下である。高硬度とは、ヤング率15GPa以上50GPa未満であり、大腿骨に1000〜3000μεのひずみを与えて、大腿骨の増骨作用を促す硬度である。中硬度とは、ヤング率0.3GPa以上15GPa未満であり、皮質骨とほぼ同等の硬度である。軟硬度とは、ヤング率0.01GPa以上0.3GPa未満であり、骨折部分Gに仮骨形成を促す1000〜3000μεのひずみを与えて、増骨作用を促す硬度である。
このような各種の硬度とするためにPEEK樹脂には、副材料として炭素、配向性のある炭素繊維を含有させている。この炭素、炭素繊維の含有量及び配向を適宜調整することで、最高硬度から軟硬度まで、漸次硬度を異なるように構成することが可能となる。この炭素繊維の配向は、ステム部82及びラグスクリュー本体83の長手方向と同一方向(図中の矢印方向)となるようにしている。
ステム部82やラグスクリュー本体83や緩衝板94や固定用ネジ4,5,6,7をPEEK樹脂で構成することで、材料物性的連続性を実現することができる。
以下、例えば、大腿骨転子部或は転子下骨折の際に、折損人骨同士を接続するインプラント81の使用例について説明する。図12は、折損人骨同士をインプラントを用いて接続補修した状態を示す説明図である。
[インプラントの使用例]
図12及び図13に示すように、例えば大腿骨転子部骨折の際には、ドリルで大腿骨大転子Bの側部を斜め方向に穿設してステム部82の支持体用貫通孔B4を形成する。
次に、ラグスクリュー本体83を支持体用貫通孔B4から大腿骨頚部E方向に向って螺入して、さらに螺進していけばラグスクリュー本体83の先端が大腿骨頭部Fに到達する。このようにしてラグスクリュー本体83は、ラグスクリュー本体83の先端が大腿骨頭部Fの到達部分の海綿骨と一体となってアンカリングされることとなる。
ステム部82の支持体84を大腿骨大転子Bの支持体用貫通孔B4から挿入して、支持体84にラグスクリュー本体83の基端部が挿着される。固定用ネジ4,5,6,7をステム部の固定用貫通孔86a,86b,86c,86d、大腿骨幹部Dに貫通させてステム部82を大腿骨幹部Dの側部の所定の位置に固定する。
このように折損人骨の大腿骨Aにインプラント81が挿着されることで、折損人骨の大腿骨同士が固接される。
本実施形態のインプラント81によれば、基部連結片91と先端スクリュー片92との間に緩衝板94を介在することでラグスクリュー本体83が長手方向のみに弾性変形するため、折損人骨に仮骨形成を促す1000με〜3000μεのひずみを与えて、増骨作用を促すことができる。また、このラグスクリュー本体83の構造は、大腿骨頭部Fに強固に固定することができるため、折損人骨の骨折部分のマイクロモーションを抑制し、一次性骨癒合メカニズムを発現させることができる。
ステム部82は、ステム部82とラグスクリュー本体83の交差する部分85aからステム部82の本体85の下方の先端に向って漸次PEEK樹脂の硬度を減数するように構成しているので、ステム部の交差部分85aに連続した下部部分85bが長手方向に弾性変形するため、折損人骨に仮骨形成を促す1000με〜3000μεのひずみを与えて、増骨作用を促すことができる。
ステム部82による遠位端骨折を抑制するためステム部82の本体85の最下部部分85cは、ステム部82の本体85の交差部分85aに連続した下部部分85bの硬度よりも、低い硬度もしくは皮質骨とほぼ同等の硬度を有するPEEK樹脂で構成し、骨とステム部との材料物性的連続性を実現する効果がある。
固定用ネジ4,5,6,7についてもPEEK樹脂の硬度を調整することで、大腿骨Aとステム部82との材料物性的連続性を阻害するおそれがなくなり、骨折を抑制およびステム部の破損を抑制する効果がある。
ステム部82とラグスクリュー本体83との交差部分85aは、材料物性的連続性を持つPEEK樹脂で作成されることで、ステム部82とラグスクリュー本体83と連結性を良好とし、破損を抑制することができる効果がある。
なお、上述した実施形態において、樹脂強度が樹脂硬度であるものについて説明したが、樹脂強度がステム部やラグスクリュー部の径に依存するものであってもよい。この場合には径が大きいほど強度が高く、径が小さいほど強度が低くなる。すなわち、ステム部とラグスクリュー部の交差する部分を最大径とし、ステム部の両先端に向って漸次PEEK樹脂の径を小さくするように構成することで、ステム部が長手方向に弾性変形して、折損人骨に仮骨形成を促す1000με〜3000μεのひずみを与えて、増骨作用を促すことができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。