JP5924302B2 - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明はエンジンの燃料噴射制御装置に関する。
コモンレールに蓄圧された燃料を高圧管によって燃料噴射弁に導き、気筒への燃料噴射をエンジン運転状態に応じて1燃焼サイクルに複数回実行する燃料噴射制御装置が知られている。例えば、ディーゼルエンジンでは、エンジントルクを得るためのメイン噴射に先行して、燃料を微少量噴射して空気と混合させるパイロット噴射、或いは火種を生成するためのパイロット噴射が実行され、また、触媒での排気ガス浄化を促進すべく排気ガス温度を上昇させるためのポスト噴射が実行される。
このような燃料の所謂多段噴射においては、先行する前噴射によって燃料噴射圧の脈動が発生し、この脈動によって燃料噴射弁の噴孔を開閉する弁部材の作動が不安定になって、後噴射の実際の噴射量が目標噴射量からずれることが知られている。燃料噴射弁の噴孔が前噴射の終了に伴って閉じられると、それまで噴孔に向かっていた燃料の流れが急にせき止められる水撃作用によって脈動を生ずるものである。燃料噴射量が目標噴射量からずれると、燃費改善、NV(騒音・振動)の低減、NOxやスモークの低減等に不利になる。
上記燃料噴射圧の脈動による後噴射の噴射量のずれ対策として、特許文献1には、目標後噴射量に対する実際の噴射量のうねりの影響を弱め合う状態となるように、前噴射と後噴射のインターバルを設定することが記載されている。また、上記燃料噴射圧の脈動対策として、特許文献2には、コモンレールと燃料噴射弁を繋ぐ高圧管の内径をコモンレールから燃料噴射弁に向かってテーパー状に拡大することが記載されている。
特開2005−163639号公報 特開2007−327428号公報
燃料噴射弁の先端で発生する水撃作用による圧力波は燃料噴射弁と高圧管との接続部で反射され、その接続部を透過した圧力波は高圧管と蓄圧室(例えば、コモンレール)との接続部で反射される。圧力波が燃料噴射弁と高圧管との接続部で反射されて生ずる脈動と、高圧管と蓄圧室との接続部で反射されて生ずる脈動とでは、圧力波の伝播距離の相違によって脈動の周期が異なる。相対的に、前者は高周波の脈動となり、後者は低周波の脈動となる。従って、実際に観測される燃料噴射圧の脈動は、周期が異なる複数の脈動成分が合わさった複雑な波形になる。そのため、噴射量のずれの補正(例えば、特許文献1に記載されているような前噴射と後噴射のインターバルの補正)が難しくなる。
これに対して、特許文献2に記載されている高圧管は、燃料噴射圧の脈動を抑制する効果があると思われるものの、高圧管をその内径がテーパー状に拡大した形状とするために、製作コストが高くなる。
そこで、本発明は、通路断面積一定の高圧管を採用しながら、燃料噴射圧の脈動によって生ずる噴射ずれ量の補正を容易にする。
本発明は、上記課題を解決するために、燃料噴射弁内の燃料通路の断面積と高圧管の燃料通路の断面積との比によって、低周波の脈動成分と高周波の脈動成分の強さが変わる点に着目した。
本発明に係るエンジンの燃料噴射制御装置は、燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、燃料をエンジンの気筒に噴射する燃料噴射弁と、上記蓄圧室から上記燃料噴射弁に燃料が供給されるように上記蓄圧室と上記燃料噴射弁を結ぶ通路断面積一定の高圧管とを備え、エンジン運転状態に応じて上記燃料噴射弁による気筒への燃料噴射を1燃焼サイクルに複数回実行することを前提とする。
そうして、本発明は、上記燃料噴射弁の先端から該燃料噴射弁と上記高圧管の一端との接続部に至る当該燃料噴射弁内の燃料通路の断面積をa1とし、上記高圧管の燃料通路の断面積をa2とし、上記燃料噴射弁の先端からの燃料噴射によって、該燃料噴射弁の先端と上記高圧管の一端との間で生ずる燃料噴射圧の脈動成分P1のピーク振幅をA1とし、該燃料噴射弁の先端と上記高圧管の他端との間で生ずる燃料噴射圧の脈動成分P2のピーク振幅をA2としたとき、A1がA2の1/2以下となるように、又はA2がA1の1/2以下となるように、上記燃料通路の断面積比R=a2/a1が設定されていることを特徴とする。
ここに、圧力波の脈動の周期は脈動を生ずる通路長さに比例するから、燃料噴射弁の先端と高圧管の一端との間で生ずる脈動成分P1の周期T1は、燃料噴射弁の先端と高圧管の他端との間で生ずる脈動成分P2の周期T2よりも短くなる(脈動成分P1は高周波となり、脈動成分P2は低周波となる。)。一方、通路径が異なる異径点では、圧力波の一部が反射され、残部が透過する。その透過係数Sは異径点における通路断面積比Rが1に近づくほど大きくなる。
本発明では、燃料噴射弁内の燃料通路と高圧管の燃料通路の断面積比Rの設定によって圧力波の透過係数を調整し、脈動の高周波成分及び低周波成分のうちの一方のピーク振幅が他方のピーク振幅の1/2以下になるようにしている。従って、実際の脈動は高周波成分と低周波成分とが合わさった波形になるものの、それは低周波成分のみ又は高周波成分のみの波形に近いシンプルな形になる。すなわち、高周波成分及び低周波成分のうちの一方が支配的になった(強く影響した)脈動となる。
よって、燃料噴射圧の脈動波形に対応して後噴射量のずれ量の変動もシンプルになり、支配的となる一方の脈動成分に基く後噴射量の補正制御であっても、信頼性が高い制御となる。このことは、実用化にあたっての適合工数が少なくなること、従って、開発期間を大幅に短縮することができることを意味する。よって、前噴射と後噴射のインターバルを短くしても後噴射量を目標値からのずれが小さくなるように精度良く補正することが可能になり、燃費、NV、NOx・スモークの改善に有利になる。
好ましいのは、上記燃料通路の断面積比Rを1.25以下とすることである。これにより、上記低周波成分が支配的になった燃料噴射圧の脈動となり、後噴射量及び/又は後噴射時期の補正制御が容易になる。
前噴射に伴って燃料噴射圧の脈動を生ずるとき、後噴射量の目標噴射量からのずれを補正するためには、エンジンの運転状態に応じて上記燃料噴射弁による燃料の噴射時期及び噴射量を制御する制御手段と、上記複数回の燃料噴射のうち先行する前噴射によって生ずる燃料噴射圧の脈動による後噴射の目標噴射量からの噴射ずれ量の変動特性を推定する手段と、この噴射ずれ量の変動特性に基づいて後噴射の噴射量及び/又は噴射時期を補正する補正手段とを備えている構成とすればよい。
好ましいのは、上記噴射ずれ量の変動特性の推定手段は、所定の噴射条件下で前噴射及び後噴射を実行したときの、前噴射によって生ずる燃料噴射圧の脈動波形を反映させた基準となる噴射ずれ量の変動特性に係る減衰振動モデル式を備え、この減衰振動モデル式の振幅、減衰係数、周波数及び位相の少なくとも一つに補正項が設定されており、該補正項を当該燃焼サイクルの噴射条件の変動に応じて変更することによって、上記噴射ずれ量の変動特性を求めることである。
このような燃料噴射制御装置によれば、噴射ずれ量の変動特性の推定にあたっては、基準となる減衰振動モデル式の補正項を当該燃焼サイクルの噴射条件の変動に応じて変更すればよく、減衰振動モデル式の基本パラメータ(振幅、減衰係数、周波数係数、周波数、位相)自体は変化させる必要がない。
例えば、噴射条件としての前噴射量や後噴射量が変動するとき、その変動によって噴射ずれ量の変動特性がどのように変わるかを把握すればよく、実用化にあたっての適合工数が少なくなるため、開発期間を大幅に短縮することができるとともに、噴射ずれ量の変動特性を精度良くとらえることが可能になる。よって、前噴射と後噴射のインターバルを短くしても噴射量を目標値からのずれが小さくなるように精度良く補正することが可能になり、燃費、NV、NOx・スモークの改善に有利になる。
上記補正項は、当該燃料サイクルの噴射条件の変動に応じて、ルックアップテーブル、データマップ、又は関数により変更することができる。好ましい態様では、上記噴射ずれ量の変動特性推定手段は、前噴射量と後噴射量を上記補正項に対応付けたルックアップテーブル、又は前噴射量と後噴射量と上記蓄圧室の燃料圧力を上記補正項に対応付けたデータマップ、又は前噴射量と後噴射量と上記蓄圧室の燃料圧力とを変数とする関数に基づいて補正項を決定する。
このように噴射条件に応じた補正項データを実験又はシミュレーションにより求めておくことで、噴射ずれ量の変動特性の推測精度を向上させることができる。
好ましい態様では、上記補正手段は、後噴射に先行して複数回の前噴射が実行されたとき、各前噴射に伴って生ずる燃料噴射圧の脈動による噴射ずれ量を重み付け加算して後噴射の噴射量及び/又は噴射時期を補正する。後噴射に先行して複数回の前噴射が実行されたとき、各々による燃料噴射圧の脈動が後噴射における噴射量のずれに影響するが、先の前噴射による燃料噴射圧の脈動は次の前噴射による燃料噴射圧の脈動によって減衰されて影響が小さくなる。そこで、各前噴射による噴射ずれ量に重み付けしてそれらを加算するものである。これにより、噴射量を精度良く補正することができる。
好ましい態様では、上記補正手段は、上記噴射ずれ量の変動特性に基づいて、後噴射の噴射時期を噴射ずれ量が小さくなるときに又は噴射ずれ量がゼロになるときに後噴射が開始されるように補正する。これにより、予定された正規の燃料噴射圧で又は正規の燃料噴射圧に近い圧力で後噴射を開始することができるため、その噴射量を目標噴射量に近づけやすくなる。
本発明によれば、燃料噴射弁内の燃料通路断面積a1と高圧管の燃料通路断面積a2の比を、高周波脈動成分P1のピーク振幅A1が低周波脈動成分P2のピーク振幅A2の1/2以下となるように、又は当該A2がA1の1/2以下となるように設定したから、実際の燃料噴射圧の脈動は高周波成分及び低周波成分のうちの一方が支配的になった脈動となる。よって、信頼性が高い補正制御のために高周波成分と低周波成分の双方をみる必要がなくなり、実用化にあたっての適合工数が少なくり、開発期間を大幅に短縮することができるとともに、前噴射と後噴射のインターバルを短くしても後噴射量を目標値からのずれが小さくなるように精度良く補正することが可能になり、燃費、NV、NOx・スモークの改善に有利になる。
エンジンの燃料噴射制御装置の全体構成図である。 前噴射による燃料噴射圧の脈動の説明図である。 燃料噴射圧の脈動と噴射ずれ量との関係を示すグラフ図である。 燃料噴射圧の脈動の周波数分析結果を示すグラフ図である。 燃料噴射圧の脈動成分の重ね合わせの一例を示すグラフ図である。 異径点における圧力波の透過と反射の説明図である。 燃料通路の断面積比と圧力波の透過係数の関係を示すグラフ図である。 燃料通路の断面積比と脈動成分のピーク振幅の関係を示すグラフ図である。 断面積比R=1、R=2.25及びR=4各々における燃料噴射圧の脈動波形を示すグラフ図である。 前噴射量に応じて燃料噴射圧の脈動波形が変わることを示す図である。 後噴射量に応じて後噴射が燃料噴射圧の脈動の影響を受ける時間が変わることを示す図である。 減衰振動モデル式の補正項テーブルの作成方法の説明図である。 減衰振動モデル式の補正項テーブルを示す図である。 2段以上の前噴射があるときの噴射ずれ量の脈動波の足し合わせを示す図である。 後噴射量補正制御のフロー図である。 後噴射量補正制御のサブルーチンのフロー図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(燃料噴射制御装置の全体構成)
本実施形態に係るエンジンの燃料噴射制御装置は、例えば自動車に搭載された4気筒ディーゼルエンジンに用いられる。図1に示す燃料噴射制御装置において、1はエンジンの各気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁、2は燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室としてのコモンレール、3は燃料噴射弁1とコモンレール2を結ぶ高圧管である。燃料タンク4の燃料が燃料供給ポンプ5で加圧されてコモンレール2に供給され高圧状態で蓄えられる。高圧状態の燃料がコモンレール2から高圧管3を通して燃料噴射弁1に供給される。当該燃料噴射制御装置は、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁1による気筒への燃料噴射を1燃焼サイクルに複数回実行する。
なお、図1では、一つの気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁1及び高圧管3を具体的に図示し、他の気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁1及び高圧管3は簡略に図示している。
燃料噴射弁1について説明する。燃料噴射弁1のボディ11にはボディ先端の噴孔12を開閉するニードル(弁部材)13が往復動自在に収容されている。ニードル13はスプリング14によって噴孔12を閉塞する方向に付勢されている。ボディ11には、噴孔12に通ずる燃料室15、ニードル13に噴孔閉塞方向の圧力を加えるための制御室16、並びに燃料室15及び制御室16に高圧燃料を分岐して供給する燃料通路17が形成されている。燃料通路17は制御室16に供給用オリフィス18を介して連通している。制御室16は燃料戻り通路19に戻り用オリフィス21を介して連通している。
また、燃料噴射弁1のボディ11には戻り用オリフィス21を開閉する制御弁22が往復動自在に設けられている。制御弁22はスプリング23によって戻り用オリフィス21を閉塞する方向に付勢されていて、ソレノイド24によって戻り用オリフィス21を開く方向に駆動される。燃料噴射弁1の燃料通路17に高圧管3の燃料通路25が接続されている。燃料噴射弁1の燃料通路17の入口には燃料中の異物を除去するためのフィルタ29が設けられている。コモンレール2と高圧管3とはオリフィス26を介して接続されている。
ここに、ニードル13が燃料室15の燃料によって噴孔開放方向に受ける力をF1とし、制御室16の燃料によって噴孔閉塞方向に受ける力をF2とし、スプリング14による付勢力をF3として、燃料噴射弁1の作動を説明する。
ソレノイド24への通電がオフであるときは、制御弁22がスプリング23の付勢によって制御室16の戻り用オリフィス21を閉塞している。このときはF1<(F2+F3)となり、噴孔12はニードル13によって閉塞されている。ソレノイド24が励磁されると、制御弁22がスプリング23の付勢に抗して移動し、制御室16の戻り用オリフィス21が開放される。これにより、F2が小さくなるため、F1>(F2+F3)となり、ニードル13が噴孔12を開放し、噴孔12から燃料が噴射される。
ソレノイド24への通電の制御はECU27によりソレノイド駆動回路28を通じて行なわれる。ECU27は、マイクロコンピュータによって構成されており、エンジンの運転状態に応じて燃料噴射弁1による燃料の噴射時期及び噴射量を制御する制御手段、上記複数回の燃料噴射のうち後噴射に先行する前噴射に伴って生ずる燃料噴射圧の脈動による後噴射の噴射ずれ量の変動特性を推定する手段、並びに噴射ずれ量の変動特性に基づいて後噴射の噴射量及び/又は噴射時期を補正する補正手段として機能する。
そのため、ECU27には、エンジン回転数を検出する回転数センサ31、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度を検出するアクセルセンサ32、エンジンの吸入空気量を検出するセンサ33,エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ34、エンジンのクランクシャフトの回転角を検出するクランク角センサ35、コモンレール2の内部の燃料圧力(以下、「燃圧」という。)を検出する燃圧センサ36等の各検出信号が入力される。回転数センサ31及びアクセルセンサ32がエンジン運転状態を検出するセンサとして機能する。
(制御手段)
ECU27では、アクセル開度(エンジン負荷)とエンジン回転数に応じた目標トルクを記録した目標トルクマップ、並びにこの目標トルク、吸入空気量及びエンジン回転数に応じた燃料噴射量を記録した燃料噴射量マップが、メモリ上に電子的に格納されている。アクセル開度とエンジン回転数とに基づいて目標トルクが求められ、この目標トルクとエンジン回転数と吸入空気量とに基づいて燃料の主噴射量が求められ、主噴射量とコモンレール2の燃圧とに基づいて、燃料噴射弁1の励磁時間(開弁時間)が決定される。
上記ECU27のメモリには、目標トルク(又はアクセル開度)とエンジン回転数に応じて燃料の噴射パターン(噴射段数、噴射圧力、噴射時期、噴射量)を設定した噴射パターンマップが電子的に格納されており、目標トルクとエンジン回転数とに基づいて噴射パターンが選択される。例えば、主噴射に関しては、燃料を圧縮行程上死点付近で一括して噴射するか、2回に分割して噴射するか、3回に分割して噴射するかのいずれかが選択されるとともに、分割噴射の場合には、その途中の閉弁状態となる噴射インターバルを変更して、燃費性能や排気特性等が最適なものになるように燃焼が制御される。また、燃料予混合等のために主噴射前に実行されるパイロット噴射或いはプレ噴射、並びに、スモークの低減等のための主噴射後のポスト噴射に関しても、エンジンの運転状態に応じた噴射時期を設定した噴射時期マップ、並びにエンジンの運転状態に応じた噴射量を設定した噴射量マップが電子的に格納されており、それらマップに基づいて噴射時期及び噴射量が制御される。なお、パイロット噴射或いはプレ噴射、ポスト噴射が実行されるときは必要に応じて主噴射量が補正される。
(後噴射量の目標値からのずれ)
図2に示すように、燃料噴射弁1による燃料噴射が1燃焼サイクル中に複数回実行されるときは、先行する前噴射の終了に伴って(噴孔12が閉じられたときに)燃料噴射弁1の先端で水撃作用による圧力波が発生して燃料噴射圧の脈動を生ずる。この燃料噴射圧の脈動により、後噴射の噴射量に目標値からのずれを生ずる。
ここに、「後噴射」とは、1燃焼サイクルにおいて、先行する前噴射の後に実行される燃料噴射を意味する。例えば、パイロット噴射が実行されるときは、パイロット噴射が「前噴射」となり、主噴射が「後噴射」となる。或いは、主噴射が分割噴射されるときは、例えば、先行する第1段目の噴射が「前噴射」となり、2段目の噴射、或いは3段目の噴射が「後噴射」となる。或いは、ポスト噴射が実行されるときは、例えば、パイロット噴射や主噴射が「前噴射」となり、ポスト噴射が「後噴射」となる。また、当該噴射に先行する燃料噴射が複数あるときは、そのいずれもが前噴射となる。
図3は前噴射による燃料噴射圧の脈動の一例と、この脈動による後噴射での噴射ずれ量を示している。噴射ずれ量の波形は、前噴射によって発生する燃料噴射弁1の先端部分の燃料噴射圧の脈動波形と位相は異なるが相似の形状(減衰振動の波形)になっている。従って、前噴射による燃料噴射圧の脈動波形をとらえることで後噴射の噴射ずれ量の変動特性を推測することができる。
(燃料噴射圧の脈動波形について)
図3に示す燃料噴射圧の脈動波形は複雑な形になっているが、これは、複数の脈動成分が含まれているためである。図4は実際の脈動の周波数分析結果を示す。同図によれば、この脈動は、主として、高周波の脈動成分P1と低周波の脈動成分P2とよりなることがわかる。この点を具体的に説明する。
図1に示すように、燃料噴射弁1の燃料通路17と高圧管3の燃料通路25の径が異なる場合、燃料噴射弁1の先端で生ずる水撃作用による圧力波は燃料通路17と燃料通路25の接続部Aで反射する。そのため、燃料噴射弁1の先端と接続部Aの間(燃料通路17)で燃料噴射圧の脈動を生ずる(脈動成分P1)。接続部Aを透過した圧力波は高圧管3とオリフィス26の接続部Bで反射する。そのため、燃料噴射弁1の先端と接続部Bの間(燃料通路17,25)で燃料噴射圧の脈動を生ずる(脈動成分P2)。
上記脈動成分P1,P2の脈動周期T1,T2は、燃料噴射弁1の先端から各反射点A,Bまでの距離をL1,L2とすると、次式で表すことができる。αは音速である。
T1=2×2×L1/α
T2=2×2×L2/α
距離L1,L2の違いにより、脈動成分P1,P2は、相対的に前者が高周波成分となり、後者が低周波成分となっている。図5は参考のために典型的な脈動成分P1と脈動成分P2とを重ね合わせた脈動波形を示す。
(燃料噴射圧の脈動波形のシンプル化)
上述の如く、燃料噴射弁1の先端での燃料噴射圧の脈動波形は複数の波の重ね合わせで表現できるが、脈動波形が複雑になると、それだけ後噴射の噴射ずれ量の補正が難しくなる。本発明の特徴の一つは、燃料噴射装置の燃料通路に工夫を加えて燃料噴射圧の脈動波形が複雑にならないようにした点にある。以下、具体的に説明する。
図6に模式的に示すように、燃料噴射弁側の小径の燃料通路17から高圧管3側の大径の燃料通路25に向かって圧力波が進行するとき、その進行波Fは異径点(接続部A)において透過波Fと反射波Fとなる。この圧力波の透過係数Sは、燃料通路17,25での圧力波の伝播速度が等しいとすると、次式で表すことができる。但し、a1及びa2は燃料通路17,25の断面積である。なお、図1では、燃料通路17の径がフィルタ29の収容部において拡大しているが、このフィルタ収容部のフィルタ29を除いた実質的な通路断面積はフィルタ収容部に至るまでの燃料通路17の断面積a1と略同じである。
S=2/(1+(a2/a1))
図7は断面積比R=a2/a1と透過係数Sとの関係を示すグラフである。断面積比Rで透過係数が決まり、断面積比Rが1に近づくに従って、透過係数Sが大きくなっていく。つまり、異径点での圧力波の反射が少なくなって、低周波成分が支配的になった脈動となる。
図8は実際の燃料噴射弁において上記断面積比Rを変化させたときの低周波成分及び高周波成分のピーク振幅の変化を示す。同図によれば、上記断面積比Rを1.25以下にすると、高周波の脈動成分P1のピーク振幅A1が低周波の脈動成分P2のピーク振幅A2の1/2以下となること、つまり、低周波成分が支配的な脈動になることがわかる。また、上記断面積比Rを2.75以上にすると、低周波の脈動成分P2のピーク振幅A2が高周波の脈動成分P1のピーク振幅A1の1/2以下となること、つまり、高周波成分が支配的な脈動になることがわかる。
なお、断面積比R=1では透過係数S=1となるから、理論的には高周波成分がゼロになるが、実際には燃料噴射弁1の燃料通路17には分岐があり、また、フィルタ29も設けられている。そのため、断面積比R=1でも弱い高周波成分が認められ、ノイズ的な影響で図8に示すように高周波成分の振幅が発生していると考えられる。
図9は上記断面積比R=1のとき、R=2.25のとき、並びにR=4のときの燃料噴射圧の脈動波形を示す。R=1のときは実質的に低周波成分のみの脈動となり、R=4のときは実質的に高周波成分のみの脈動となっている。そして、R=2.25のときは低周波成分と高周波成分が合わさった比較的複雑な脈動になっている。
以上から、上記断面積比を1.25以下に、又は2.75以上に設定すると、燃料噴射圧の脈動は低周波成分のみ又は高周波成分のみの波形に近いシンプルな波形になることがわかる。そして、この脈動波形に対応して後噴射量のずれ量の変動もシンプルになり、支配的となる一方の脈動成分に基くだけでも信頼性が高い後噴射量の補正制御を実現できることがわかる。
(噴射ずれ量の変動特性推定手段)
燃料噴射圧の脈動は減衰することから、この脈動波形に対応する噴射ずれ量ΔQの変動特性(脈動波形)は減衰振動式で表すことができる。また、上記断面積比の設定により、支配的になる脈動成分のみで当該脈動波形を表すことができる。その減衰振動式は次のとおりである。
ΔQ=減衰振動(t)=振幅項×減衰項(t)×周期項(t)
=A・exp(-kt)・cos(Kωt-θ)+Const ……(1)
式1において、Aは振幅、kは減衰係数、Kは周波数係数、ωは周波数、θは位相、tは噴射インターバル、Constは前噴射によって生ずる平均燃圧の低下による後噴射全体の噴射ずれ量を補正する項である。式1は燃料噴射圧の脈動波形を反映させた噴射ずれ量ΔQの変動特性を表す減衰振動式である。
[減衰振動モデル式の策定]
ところで、後噴射における噴射ずれ量ΔQの変動特性は前噴射量が変わると変化する。図10に示すように、前噴射量が多くなると燃料噴射圧の脈動波形そのものが変化するためである。一方、前噴射量が同じで当該後噴射量が変わったときも、噴射ずれ量ΔQの変動特性が変化する。図11に示すように、燃料噴射量は燃料噴射弁1の噴孔12の開時間(パルス幅)で制御されるから、後噴射量が多くなるほど前噴射による燃料噴射圧の脈動の影響を受ける時間が長くなるためである。
従って、噴射ずれ量ΔQの変動特性の変化は、前噴射量の影響(燃料噴射圧の脈動自体の変動)による変化と、後噴射量の影響(燃料噴射圧の脈動の影響を受ける期間の変動)による変化とに分けてとらえることができる。
そうして、前噴射量及び後噴射量各々の影響による噴射ずれ量ΔQの変動特性の変化は、式1における振幅A、減衰係数k、周波数係数K、位相θの変化に現れる。よって、式1の振幅A、減衰係数k、周波数係数K及び位相θの各々に前噴射量及び後噴射量各々の影響に係る補正項を設定すれば、前噴射量及び後噴射量各々が基準値から変化したときに噴射ずれ量ΔQの変動特性がどのように変化するかを表す式2の減衰振動モデル式が得られる。
ΔQ=GA・exp(-Mkt)・cos(NKωt-θ+β)+Const ……(2)
式2において、G、M、N及びβは前噴射量の基準値からの変動による振幅、減衰係数、周波数係数及び位相の各補正項である。G、M、N及びβは後噴射量の基準値からの変動による振幅、減衰係数、周波数係数及び位相の各補正項である。
式2の基本パラメータである振幅A、減衰係数k、周波数係数K、周波数ω及び位相θについては、前噴射量、後噴射量、燃圧、噴射インターバル等を所定値(基準値)に設定した所定の噴射条件下で前噴射及び後噴射を実行したときの実測値又はシミュレーションによる値を採用する。つまり、前噴射量、後噴射量又は燃圧が基準値からずれても、基本パラメータ(A、k、K、ω、θ)は変えず、G、M、N、β、G、M、N及びβのうちの必要な補正項の値を変えることになる。
従って、振幅A、減衰係数k、周波数係数K、周波数ω及び位相θに上記実測値又はシミュレーション値を与えた式2は、所定の噴射条件下で前噴射及び後噴射を実行したときの、前噴射によって生ずる燃料噴射圧の脈動波形を反映させた基準となる減衰振動モデル式である。この減衰振動モデル式に設定された補正項の少なくとも一つを噴射条件(前噴射量、後噴射量、或いは燃圧)の変動に応じて変更することによって、当該噴射条件での噴射ずれ量ΔQの変動特性が求まる。
[補正項の決定]
上述の如く、基本パラメータ(A、k、K、ω、θ)については、基準とする前噴射量及び後噴射量の組み合わせで得られる噴射ずれ量ΔQの波形に基づいて決定する。前噴射量の変動による補正項(G、M、N、β)については、図12に示すように、前噴射量のみを基準値から段階的に変化させたときの噴射ずれ量ΔQの波形を実測又はシミュレーションにより求め、それぞれの波形に合うように決定する。同様に、後噴射量の変動による補正項(G、M、N及びβ)についても、後噴射量のみを基準値から段階的に変化させたときの噴射ずれ量ΔQの波形を実測又はシミュレーションにより求め、それぞれの波形に合うように決定する。
従って、図13に示すように、前噴射量を変化させたときの補正項の値a1、a2、a3、a4、a5、a6と、後噴射量を変化させたときの補正項の値b1、b2、b3、b4、b5、b6とを組み合わせることにより、例えば、振幅補正項(G,G)を前噴射量及び後噴射量に応じて決定するルックアップテーブルが得られる。減衰係数補正項(M,M)、周波数係数補正項(N,N)及び位相補正項(β,β)の各々のルックアップテーブルについても同様に得ることができる。ルックアップテーブルによる補正項の決定においては、線形補間を利用することができる。
図13は前噴射量と後噴射量の2つのパラメータで定まる各ポジションに補正項のデータを与えたルックアップテーブルの一例を示す。なお、前噴射量及び後噴射量各々が基準値であるとき、G、G、M、M、N、Nの各々は「1」であり、β及びβは「0」である。
以上のように、前噴射量が噴射ずれ量ΔQの波形に与える影響と後噴射量が噴射ずれ量ΔQの波形に与える影響とを分けて各補正項の値を決定するため、各噴射項の値の決定のために全ての噴射パターンを網羅する必要がなく、適合工数を大幅に削減することができる。また、前噴射量又は後噴射量が同じ場合には、同じ補正値を使用することができるため、補正値データの増大を抑えることができ、前噴射量と後噴射量の組み合わせに制約されることなく、噴射ずれ量ΔQの変動特性(波形)を精度良く推定することができる。
噴射ずれ量ΔQの波形は燃圧にも影響される。よって、前噴射量と後噴射量と燃圧を上記各補正項に対応付けたデータマップを作成し、このマップに基づいて当該補正項の値を決定するようにしてもよい。
[減衰振動モデル式の簡略化]
基本パラメータ(A、k、K、ω、θ)のうち、前噴射量や後噴射量の変動に対する感度が低いパラメータについては補正項を設定せず、基準点で決定した値に固定してもよい。例えば、前噴射量や後噴射量の変動に対する減衰係数及び周波数係数の感度が低い(又は感度がない)場合は、式2の減衰振動モデル式を次に示す式3のようにすることができる。
ΔQ=GA・exp(-kt)・cos(Kωt-θ+β)+Const ……(3)
(補正手段)
上記変動特性推定手段によって得られる噴射ずれ量ΔQの変動特性に基づいて後噴射の噴射量及び/又は噴射時期を補正する。具体的には、振動減衰モデル式に基づいて後噴射の噴射ずれ量ΔQを求め、これに−1を掛けて噴射量の補正量を算出する。この補正量に基づいて後噴射における燃料噴射弁の駆動パルス幅を補正する。
この駆動パルス幅の補正において、駆動パルス信号の立上り時期、すなわち、噴射時期を噴射ずれ量ΔQの脈動波形における噴射ずれ量ΔQが小さい時期に、例えば、噴射ずれ量Qがゼロになる時期に補正するようにしてもよい。これにより、後噴射を予定された正規の燃料噴射圧で開始することができるため、噴射量を目標値に近づけやすくなる。
図14に示すように、後噴射に先行して複数回の前噴射が実行されたときは、各前噴射に伴って生ずる燃料噴射圧の脈動が後噴射に影響を及ぼす。この場合は、各前噴射による噴射ずれ量の変動特性に係る脈動波を足し合わせ、これに基づいて後噴射量の補正量を求めることができる。その場合、各前噴射に伴って生ずる燃料噴射圧の脈動による噴射ずれ量を重み付け加算して後噴射の噴射ずれ量ΔQを求める。例えば、n段の前噴射があるときは次のとおりである。
ΔQ=ΔQ+A×ΔQn−1+A×ΔQn−2+……+An−1×ΔQ
ΔQは後噴射直前のn段目の前噴射による噴射ずれ量、ΔQn−1はn−1段目の前噴射による噴射ずれ量、ΔQn−2はn−2段目の前噴射による噴射ずれ量である。A及びAは重み係数であり、1>A>A>…>An−1>0である。
すなわち、後噴射に先行して複数回の前噴射が実行されたとき、各々による燃料噴射圧の脈動が後噴射における噴射量のずれに影響するが、先の前噴射による燃料噴射圧の脈動は次の前噴射による燃料噴射圧の脈動によって減衰されて影響が小さくなる。そこで、各前噴射による噴射ずれ量に後噴射に近づくほど大きな重み付けをしてそれらを加算するものである。これにより、噴射量を精度良く補正することができる。
3段の前噴射があるときは次のとおりになる。
ΔQ=ΔQ+A×ΔQ+A×ΔQ
(補正制御の流れ)
図15に後噴射量の補正制御の流れの一例を示す。スタート後のステップA1でエンジン運転状態(アクセル開度、エンジン回転数等)が検出される。続くステップA2でエンジン運転状態に基づいてエンジン要求特性(目標トルク)が算出される。続くステップA3で目標トルク及びエンジン回転数に基づいて燃料の噴射パターンを算出される。噴射段数が2段以上であるときは(ステップA4)、ステップA5に進んで前噴射各段によって生ずる燃料噴射圧の脈動に伴う後噴射の噴射ずれ量の重み付け加算がされる。この加算によって得られた噴射ずれ量に基づいて、ステップA6で後噴射量の補正量が算出され、後噴射量の補正(燃料噴射弁1の駆動パルス幅の補正)がされる。
前噴射各段による後噴射の噴射ずれ量の算出はサブルーチンで実行される。図16に示すように、ステップB1で前噴射量、後噴射量及び燃圧に基づいてテーブル又はマップの参照により又は関数に基いて減衰振動モデル式の補正項が決定される。この決定された補正項に基づいて、ステップB2で噴射ずれ量の変動特性が確定される。続くステップB3で噴射ずれ量の変動特性に基づいて後噴射の噴射ずれ量が算出される。
1 燃料噴射弁
2 コモンレール(蓄圧室)
3 高圧管
12 噴孔
13 ニードル(弁部材)
17 燃料通路
25 燃料通路
26 オリフィス
27 ECU(制御手段,噴射ずれ量の変動特性推定手段,補正手段)
31 回転数センサ
32 アクセルセンサ

Claims (7)

  1. 燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、燃料をエンジンの気筒に噴射する燃料噴射弁と、上記蓄圧室から上記燃料噴射弁に燃料が供給されるように上記蓄圧室と上記燃料噴射弁を結ぶ通路断面積一定の高圧管とを備え、エンジン運転状態に応じて上記燃料噴射弁による気筒への燃料噴射を1燃焼サイクルに複数回実行するエンジンの燃料噴射制御装置において、
    上記燃料噴射弁の先端から該燃料噴射弁と上記高圧管の一端との接続部に至る当該燃料噴射弁内の燃料通路の断面積をa1とし、上記高圧管の燃料通路の断面積をa2とし、上記燃料噴射弁の先端からの燃料噴射によって、該燃料噴射弁の先端と上記高圧管の一端との間で生ずる燃料噴射圧の脈動成分P1のピーク振幅をA1とし、該燃料噴射弁の先端と上記高圧管の他端との間で生ずる燃料噴射圧の脈動成分P2のピーク振幅をA2としたとき、
    A1がA2の1/2以下となるように、又はA2がA1の1/2以下となるように、上記燃料通路の断面積比a2/a1が設定されていることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1において、
    上記燃料通路の断面積比a2/a1が1.25以下であることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    エンジンの運転状態に応じて上記燃料噴射弁による燃料の噴射時期及び噴射量を制御する制御手段と、
    上記複数回の燃料噴射のうち先行する前噴射によって生ずる燃料噴射圧の脈動による後噴射の目標噴射量からの噴射ずれ量の変動特性を推定する手段と、
    上記噴射ずれ量の変動特性に基づいて後噴射の噴射量及び/又は噴射時期を補正する補正手段とを備えていることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 請求項3において、
    上記噴射ずれ量の変動特性の推定手段は、所定の噴射条件下で前噴射及び後噴射を実行したときの、前噴射によって生ずる燃料噴射圧の脈動波形を反映させた基準となる噴射ずれ量の変動特性に係る減衰振動モデル式を備え、この減衰振動モデル式の振幅、減衰係数、周波数及び位相の少なくとも一つに補正項が設定されており、該補正項を当該燃焼サイクルの噴射条件の変動に応じて変更することによって、上記噴射ずれ量の変動特性を求めることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 請求項4において、
    上記噴射ずれ量の変動特性の推定手段は、前噴射量と後噴射量を上記補正項に対応付けたルックアップテーブル、又は前噴射量と後噴射量と上記蓄圧室の燃料圧力を上記補正項に対応付けたデータマップ、又は前噴射量と後噴射量と上記蓄圧室の燃料圧力とを変数とする関数に基づいて補正項を決定することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  6. 請求項4又は請求項5において、
    上記補正手段は、後噴射に先行して複数回の前噴射が実行されたとき、各前噴射に伴って生ずる燃料噴射圧の脈動による噴射ずれ量を重み付け加算して後噴射の噴射量及び/又は噴射時期を補正することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  7. 請求項4乃至請求項6のいずれか一において、
    上記補正手段は、上記噴射ずれ量の変動特性に基づいて、後噴射の噴射時期を噴射ずれ量が小さくなるときに又は噴射ずれ量がゼロになるときに後噴射が開始されるように補正することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
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