ところで、番組コンテンツの配信者は、放送コンテンツの配信が完了した後に配信先による通信コンテンツの再生動作を制御することを希望する場合がある。
しかしながら、特許文献1の構成では、放送用の電子番組表データまたは放送コンテンツに内包された形でプレイリスト情報が配信されるので、配信者は、放送コンテンツの配信完了後に配信先による通信コンテンツの再生動作を制御することが不可能であった。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その主な目的は、放送コンテンツの配信完了後に、配信先による通信コンテンツの再生動作を制御可能な配信装置を実現することにある。また、そのような配信装置により放送コンテンツの配信完了後に通信コンテンツの再生動作が制御される再生装置を実現することも、本発明の目的の一つである。
本発明に係る配信装置は、上記課題を解決するために、再生装置が放送コンテンツと同一タイトルの通信コンテンツを再生する際に利用する当該コンテンツのメタ情報について、当該メタ情報の取得先を示すリンク情報を、上記放送コンテンツのコンテンツデータと上記放送コンテンツに関する番組情報を含む番組配列情報とのうちの少なくともいずれかのデータに内包する形で配信する第1配信手段と、上記メタ情報を上記再生装置に配信する第2配信手段と、を備え、上記第2配信手段が、上記リンク情報を参照した上記再生装置から上記メタ情報のリクエストを受け付けたことをトリガとして、上記メタ情報を配信するように構成されている、ことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記配信装置は、上記リンク情報を参照した再生装置から上記リクエストを受け付けた時点で最新のメタ情報を、当該再生装置に配信することになる。例えば、メタ情報が放送コンテンツの放送終了時刻直後に通信コンテンツの配信者により更新されており、リクエストを受け付けたタイミングが上記放送終了時刻よりも相当後である場合には、更新後のメタ情報が再生装置に配信される。再生装置は、配信されたメタ情報に基づいて通信コンテンツを再生する。
したがって、本発明に係る配信装置は、通信コンテンツの配信者が放送コンテンツの放送終了後にメタ情報を更新することで、配信先である再生装置による通信コンテンツの再生動作を制御できる。
本発明に係る配信方法は、上記課題を解決するために、再生装置が放送コンテンツと同一タイトルの通信コンテンツを再生する際に利用する当該コンテンツのメタ情報について、当該メタ情報の取得先を示すリンク情報を、上記放送コンテンツのコンテンツデータと上記放送コンテンツに関する番組情報を含む番組配列情報とのうちの少なくともいずれかのデータに内包する形で配信する第1配信工程と、上記メタ情報を上記再生装置に配信する第2配信工程と、を含み、上記第2配信工程は、上記リンク情報を参照した上記再生装置から上記メタ情報のリクエストを受け付けたことをトリガとして、上記メタ情報を配信する工程である、ことを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る配信方法は、本発明に係る配信装置と同様の作用効果を奏する。
本発明に係る配信装置は、上記通信コンテンツを配信する第3配信手段をさらに備えていることが望ましい。
上記の構成によれば、本発明に係る配信装置は、通信コンテンツの配信者に通信コンテンツを配信するための配信装置を別途用意させることなく、通信コンテンツを配信できるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る配信装置は、上記放送コンテンツの内容と上記通信コンテンツの内容とが同一であるか否かを示す情報を配信する第4配信手段をさらに備えていることが望ましい。
上記の構成によれば、本発明に係る配信装置は、上記放送コンテンツの内容と上記通信コンテンツの内容とが同一であるか否かに因って異なる動作を行う再生装置に対して上記情報を配信した場合、上記再生装置に、行うべき動作を上記情報を参照するという単純な処理で決定させることができるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る配信装置では、上記第1配信手段が配信する上記リンク情報が上記番組配列情報に内包されていることが望ましい。
上記の構成によれば、本発明に係る配信装置は、上記放送コンテンツに関する番組情報を含む番組配列情報が配信されている期間内であればいつでも再生装置に上記リンク情報を配信できるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る配信装置では、上記第1配信手段が配信する上記リンク情報が上記コンテンツデータに内包されていることが望ましい。
上記の構成によれば、本発明に係る配信装置は、番組配列情報を受信する機能を備えていない再生装置に上記リンク情報を配信できるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る再生装置は、上記課題を解決するために、放送コンテンツと同一タイトルの通信コンテンツを再生可能な再生装置において、上記タイトルのコンテンツの再生指示を受け付ける指示受付手段と、上記通信コンテンツを再生するために参照すべき当該コンテンツのメタ情報について、当該メタ情報の取得先を示すリンク情報を取得する第1取得手段と、上記リンク情報を参照することで上記メタ情報を配信装置から取得する第2取得手段と、上記通信コンテンツを配信装置から取得する第3取得手段と、上記再生指示が受け付けられた場合に上記通信コンテンツを再生する再生手段と、を備え、上記第1取得手段は、上記リンク情報が内包されている上記放送コンテンツのコンテンツデータと上記リンク情報が内包されている番組配列情報との少なくともいずれかのデータを受信することで、上記リンク情報を取得するように構成されており、上記第2取得手段は、上記再生指示が受け付けられたことをトリガとして、上記メタ情報を取得するように構成されており、上記再生手段は、取得された当該メタ情報に基づいて上記通信コンテンツを再生するように構成されている、ことを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る再生装置は、本発明に係る配信装置から配信される通信コンテンツを再生する場合には、上記第1取得手段が上記配信装置の第1配信手段によって配信された上記少なくともいずれかのデータを受信することで上記リンク情報を取得し、上記第2取得手段が、上記再生指示が受け付けられたことをトリガとして上記配信装置の第2配信手段によって配信される上記メタ情報を取得し、上記第3取得手段が上記配信装置の第3配信手段によって配信された上記通信コンテンツを取得し、上記再生手段が、上記第2取得手段が直近で取得したメタ情報に基づいて、上記通信コンテンツを再生する。
したがって、本発明に係る再生装置は、本発明に係る配信装置から配信される通信コンテンツを、最新のメタ情報に基づいて再生する。例えば、メタ情報が放送コンテンツの放送終了時刻直後に通信コンテンツの配信者により更新され、メタ情報を取得したタイミングが上記放送終了時刻よりも相当後である場合には、本発明に係る再生装置は、更新後のメタ情報に応じた再生動作を行う。したがって、本発明に係る再生装置は、放送コンテンツの放送完了後における配信者の意図に応じた再生動作を行うことができる。
また、本発明に係る再生方法は、放送コンテンツと同一タイトルの通信コンテンツを再生可能な再生装置の再生方法において、上記タイトルのコンテンツの再生指示を受け付ける指示受付工程と、上記通信コンテンツを再生するために参照すべき当該コンテンツのメタ情報について、当該メタ情報の取得先を示すリンク情報を取得する第1取得工程と、上記リンク情報を参照することで上記メタ情報を配信装置から取得する第2取得工程と、上記通信コンテンツを配信装置から取得する第3取得工程と、上記再生指示が受け付けられた場合に上記通信コンテンツを再生する再生工程と、を含み、上記第1取得工程は、上記リンク情報が内包されている上記放送コンテンツのコンテンツデータと上記リンク情報が内包されている番組配列情報との少なくともいずれかのデータを受信することで、上記リンク情報を取得する工程であり、上記第2取得工程は、上記再生指示が受け付けられたことをトリガとして、上記メタ情報を取得する工程であり、上記再生工程は、取得された当該メタ情報に基づいて上記通信コンテンツを再生する工程である、ことを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る再生方法は、本発明に係る再生装置と同様の作用効果を奏する。
本発明に係る再生装置は、上記放送コンテンツの内容と上記通信コンテンツの内容とが同一であるか否かを示す情報を取得する第4取得手段と、
上記第4取得手段が上記通信コンテンツと内容が同一でないと判定した放送コンテンツだけを記録する記録手段と、をさらに備えていることが望ましい。
上記の構成によれば、本発明に係る再生装置は、上記通信コンテンツと内容が同一であると判定された放送コンテンツについては記録しない。したがって、放送コンテンツの記録先となるストレージのリソースを節約することができる。この場合、本発明に係る再生装置は、上記放送コンテンツの内容と同じ内容の通信コンテンツを再生するので、放送コンテンツを記録しておかなくても、放送コンテンツの放送終了後にユーザに放送コンテンツの内容を把握させることができる。
以上のように、本発明に係る再生装置は、放送コンテンツの内容を把握する機会を逃すリスクを回避しつつ、放送コンテンツが記録されるストレージのリソースを節約することができるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る再生装置は、上記リンク情報が上記放送コンテンツのコンテンツデータに内包する形で配信されており、上記第1取得手段が、上記コンテンツデータに内包されているリンク情報を参照することで上記メタ情報を取得する、ことが望ましい。
上記の構成によれば、本発明に係る再生装置は、上記放送コンテンツに関する番組情報を含む番組配列情報が配信されている期間内であればいつでも上記リンク情報を取得できるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る再生装置は、上記リンク情報が番組配列情報に内包する形で配信されており、上記第1取得手段が、上記番組配列情報に内包されているリンク情報を参照することで上記メタ情報を取得する、ことが望ましい。
上記の構成によれば、本発明に係る再生装置は、番組配列情報を受信する機能を備えているか否かに関わらず、上記リンク情報を取得できるというさらなる効果を奏する。
本発明は、配信システムとして実現されてもよい。
具体的には、本発明に係る配信システムは、放送コンテンツと同一タイトルの通信コンテンツを配信する配信装置と、上記通信コンテンツを再生する再生装置と、を含む配信システムであって、上記配信装置は、上記再生装置が上記通信コンテンツを再生する際に利用する当該コンテンツのメタ情報について、当該メタ情報の取得先を示すリンク情報を、上記放送コンテンツのコンテンツデータと上記放送コンテンツに関する番組情報を含む番組配列情報とのうちの少なくともいずれかのデータに内包する形で配信する第1配信手段と、上記メタ情報を上記再生装置に配信する第2配信手段と、を備え、上記再生装置は、上記タイトルのコンテンツの再生指示を受け付ける指示受付手段と、上記少なくともいずれかのデータを受信することで上記リンク情報を取得する第1取得手段と、上記リンク情報を参照することで上記メタ情報を上記配信装置から取得する第2取得手段と、上記通信コンテンツを上記配信装置から取得する第3取得手段と、上記再生指示が受け付けられた場合に上記通信コンテンツを再生する再生手段と、を備え、上記第2取得手段は、上記再生指示が受け付けられたことをトリガとして、上記メタ情報のリクエストを上記配信装置に送信し、上記第2配信手段は、上記リクエストを受け付けたことをトリガとして、上記メタ情報を上記再生装置に配信するように構成されており、上記再生手段は、取得された当該メタ情報に基づいて上記通信コンテンツを再生するように構成されていることを特徴とする配信システムとして実現できる。
また、本発明に係る配信システムは、再生装置が放送コンテンツと同一タイトルの通信コンテンツを再生する際に利用する当該コンテンツのメタ情報について、当該メタ情報の取得先を示すリンク情報を、上記放送コンテンツのコンテンツデータと上記放送コンテンツに関する番組情報を含む番組配列情報とのうちの少なくともいずれかのデータに内包する形で配信する第1配信手段を備えた第1配信装置と、上記メタ情報を上記再生装置に配信する第2配信手段を備えた第2配信装置と、を含み、上記第2配信手段は、上記リンク情報を参照した上記再生装置から上記メタ情報のリクエストを受け付けたことをトリガとして、上記メタ情報を配信するように構成されている、ことを特徴とする配信システムとして実現できる。
また、本発明に係る配信装置としてコンピュータを動作させるプログラムであって、コンピュータを上記配信装置の各手段として機能させることを特徴とするプログラム、および、そのようなプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
同様に、本発明に係る再生装置としてコンピュータを動作させるプログラムであって、コンピュータを上記再生装置の各手段として機能させることを特徴とするプログラム、および、そのようなプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
以上のように、本発明に係る配信装置は、放送コンテンツの配信完了後に、配信先による通信コンテンツの再生動作を制御可能である。
本発明の一実施形態に係る配信システムについて図面を参照しながら以下に説明する。
本実施形態に係る配信システムは、番組コンテンツを配信する配信装置と、配信された番組コンテンツを再生する再生装置と、番組コンテンツの映像を表示し、音声を出力する表示装置と、を含んでいる。配信装置と再生装置とはインターネットを介して通信可能になっている。また、再生装置と表示装置とは、HDMIケーブルで接続されている。
配信装置は、同一番組(同一タイトル)の番組コンテンツを放送でも通信でも配信可能な配信装置である。なお、以下では、必要に応じて、同一タイトルの番組コンテンツのうち放送で配信される番組コンテンツを「放送コンテンツ」と呼称し、通信で配信される番組コンテンツを「通信コンテンツ」と呼称する。
再生装置は、放送コンテンツと通信コンテンツとの双方について録画と再生とが可能である。再生装置は、配信装置から配信されるコンフィギュレーションの記述に基づいて、通信コンテンツを再生するように構成されている。
本実施形態では、コンフィギュレーションとして、MPEG(Moving Picture Experts Group)にて現在標準化作業が進められているDASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)のMPDデータを用いている。本実施形態の配信システムで用いられるMPDデータには、通信コンテンツの再生を開始する上で必要な情報の一部しか記録されていないものと、必要なすべての情報(通信コンテンツのURL、コーデック等)が記載されているものとの2種類が存在する。
前者のMPDデータには、後者のMPDデータの所在を示すリンク情報が含まれている。以下では、必要に応じて、前者のMPDデータを「初期MPDデータ」と呼称し、後者のMPDデータを「詳細MPDデータ」と呼称する。なお、各MPDデータの詳細については後述する。
また、本実施形態では、通信コンテンツがVODコンテンツ(ビデオオンデマンドで配信されるコンテンツ)であるものとして説明を行う。
まず、配信装置の要部構成について図1を参照しながら説明する。
図1は、配信装置の要部構成を示すブロック図である。
図1に示すように、配信装置100は、メタ情報配信部110、リンク情報配信部120、コンテンツ配信部130、記憶部140、通信部150、送出部160、操作部170、およびメタ情報更新部180を備えている。
(メタ情報配信部110)
メタ情報配信部110は、通信部150を介して、記憶部140に記録されている詳細MPDデータ(メタ情報)を配信する配信装置である。
(リンク情報配信部120)
リンク情報配信部120は、記憶部140に記録されている初期MPDデータをコンテンツ配信部130に供給する。
(コンテンツ配信部130)
コンテンツ配信部130は、送出部160を通じて初期MPDデータを含む放送コンテンツおよび番組配列情報を配信し、通信部150を通じて通信コンテンツを配信する。
(記憶部140)
記憶部140は、初期MPDデータ、詳細MPDデータ、放送コンテンツおよび通信コンテンツを保持しているハードディスク装置である。
(通信部150)
通信部150は、TCP/IPプロトコルに準拠したネットワークインターフェースである。
(送出部160)
送出部160は、放送コンテンツを配信するための放送波を送出する。
(操作部170)
操作部170は、キーボードであり、詳細MPDデータの編集のためにユーザによって使用される。
(メタ情報更新部180)
メタ情報更新部180は、操作部170でのユーザの編集操作に従って、詳細MPDデータの内容を更新する。
次に、再生装置の要部構成について図2を参照しながら説明する。
図2は、再生装置の要部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、再生装置200は、メタ情報取得部210、リンク情報取得部220、コンテンツ取得部230、記憶部240、通信部250、チューナ260、再生部270および操作部280を備えている。
(メタ情報取得部210)
メタ情報取得部210は、通信部250を介して、配信装置100から詳細MPDデータを取得する。
(リンク情報取得部220)
リンク情報取得部220は、コンテンツ取得部230が受信した放送コンテンツまたは番組配列情報の中から初期MPDデータを取り出す。
(コンテンツ取得部230)
コンテンツ取得部230は、チューナ260を通じて放送コンテンツおよび番組配列情報を受信し、通信部250を通じて通信コンテンツを受信する。
(記憶部240)
記憶部240は、配信装置100から取得した、初期MPDデータ、詳細MPDデータ、放送コンテンツおよび通信コンテンツを格納するためのハードディスク装置である。
(通信部250)
通信部250は、TCP/IPプロトコルに準拠したネットワークインターフェースである。
(チューナ260)
チューナ260は、放送コンテンツを配信するために配信装置100から送出された放送波を受信する。
(再生部270)
再生部270は、詳細MPDデータの記載内容に従って、番組コンテンツを再生し、番組コンテンツの映像信号および音声信号を外部に出力する。本実施形態では、番組コンテンツの映像信号および音声信号は表示装置300に出力される。
(操作部280)
操作部280は、ユーザが番組コンテンツの再生を指示するための操作ボタンである。
以上、配信装置100および再生装置200の要部構成について説明した。
(初期MPDデータについて)
放送コンテンツは、地上デジタル放送の伝送方式を用いて配信される。具体的には、放送コンテンツは、映像、音声、データカルーセルの各ESが多重化され、TSフォーマットの形式で伝送される。TSには、そのTS内にどのような番組が存在し、各ESがどの番組に属しているかを示す情報として、PSI/SIが含まれている。
図3(a)は、番組コンテンツのTSを模式的に示しており、図3(b)は初期MPDデータの内容を例示したものである。
本実施形態では、コンテンツ配信部130が、番組コンテンツの映像、音声、データカルーセルの情報源符号化、各ESの多重化、および伝送路符号化を行う。リンク情報配信部120は、コンテンツ配信部130によって情報源符号化が施されるデータカルーセル内に、記憶部140から読み出した初期MPDデータを追加するように構成されている。その結果として、データカルーセルES(4c)の中には初期MPDデータ(コンフィギュレーション5a)が含まれ、番組コンテンツを構成するTSの一部として再生装置200に配信されることになる。
図3(b)に示すように、番組コンテンツの初期MPDデータは、1つの要素MPDを含んでいる。要素MPDの内容として、該当番組コンテンツの詳細MPDデータの所在(図3(b)における“http://www.example.com/content1.mpd/”)を示す要素Location(リンク情報)が含まれている。また、要素MPDは、番組コンテンツの再生が可能になる時刻(図3(b)における“2011-10-01T19:00:00”)を示す属性availabilityStartTimeを含んでいるが、この属性は省略可能である。なお、属性availabilityStartTimeは、詳細MPDデータが配信可能となる時刻を示しているものと解釈してもよい。
次に、放送コンテンツの放送時間中にその放送コンテンツ(以下、「対象コンテンツ」とも呼称する)の録画指示を受けた場合の再生装置200の動作について図3および図4を参照しながら以下に説明する。
図4は、再生装置200の上記動作を示すフローチャート図である。
対象コンテンツの放送時間中に対象コンテンツの録画指示を受け付けると、コンテンツ取得部230は、取得中の対象コンテンツの記憶部240への録画を開始する。そして、リンク情報取得部220は、対象コンテンツの初期MPDデータを取得する(S1:第1取得工程、第1配信工程)
具体的には、リンク情報取得部220は、TS内のPAT(4a)に含まれている対象コンテンツのPIDを参照することで、対象コンテンツのPMT(4b)を特定する。そして、リンク情報取得部220は、PMT(4b)に含まれているデータカルーセルESのPIDを参照することで、データカルーセルES(4c)を特定する。リンク情報取得部220は、特定したデータカルーセルES(4c)内から初期MPDデータを抽出する。
S1の後、リンク情報取得部220は、抽出した初期MPDデータを記憶部240に記録する(S2)。
なお、再生装置200は、対象コンテンツの放送時間前に録画指示を受けた場合も同様の動作を行うが、この場合、S1の録画が開始されるタイミングが対象コンテンツの放送開始時点になることは言うまでもない。
次に、操作部280を通じて放送録画済みの対象コンテンツの再生指示を受けた場合の再生装置200の動作について図5〜図7を参照しながら以下に説明する。
図5は上記動作を示すフローチャート図であり、図6は更新前後のMPDデータの内容を示した図である。また、図7は、図5のフローチャート図で示された動作の前後における再生装置200の状態を模式的に例示した図である。図7において、矢印より上部は上記動作前の再生装置200および配信装置100の状態を示しており、矢印より下部は上記動作後の再生装置200および配信装置100の状態を示している。
図7に示すように、上記動作の前には、再生装置200にコンフィギュレーションとして初期MPDデータ5aが記録されている。
図5に示すように、コンテンツ取得部230は、最初に、同一タイトルのVODコンテンツを現時点で取得可能であるか否かを判定する(S11)。具体的には、コンテンツ取得部230は、対象コンテンツの初期MPDデータ5a内に属性availabilityStartTimeの記述が含まれているか否かを判定する。
コンテンツ取得部230は、属性availabilityStartTimeの記述が含まれていると判定した場合には、更に、属性availabilityStartTimeが表す時刻を既に過ぎているか否かを判定する。コンテンツ取得部230は、「過ぎている」と判定した場合にはVODコンテンツが取得可能であると判定し、「過ぎていない」と判定した場合にはVODコンテンツが取得可能になっていないと判定する。コンテンツ取得部230は、属性availabilityStartTimeの記述が含まれていないと判定した場合には、VODコンテンツが取得可能であると判定する。取得可能になっていないと判定された場合(S11においてNO)、再生部270は、放送録画済みの対象コンテンツの再生を開始し、処理を終了する。
一方、取得可能であると判定された場合(S11においてYES)、S12の処理に進む。S12において、メタ情報取得部210は、図6において矢印の上側に示されている初期MPDデータ5aの要素Locationを参照し、図6において矢印の下側に示されている詳細MPDデータ6を配信装置100に対して要求する。そして、メタ情報取得部210は、配信装置100から詳細MPDデータ6を取得し(第2取得工程、第2配信工程)、取得した詳細MPDデータ6によって記憶部240に記録されている初期MPDデータ5aを更新する。
ここで、詳細MPDデータについて説明する。詳細MPDデータにおける属性mediaPresentationTimeはVODコンテンツの再生期間を示している。
また、詳細MPDデータは、VODコンテンツの再生期間を区切った各ピリオドについて、対応する要素Periodの内容として、VODコンテンツの配信開始時間を基準「0」とした場合のそのピリオドの開始時間を示す情報とそのピリオドで再生すべき映像ファイルのURLを示す情報とを含んでいる。図6の詳細MPDデータ6では、ピリオドがたかだか1つであり、ピリオドの開始時間を示す情報は省略されている。
また、詳細MPDデータ6には、ビットレート(および解像度)が相異なる3つの映像ファイルのURLが記述されており、各映像ファイルのコーデックが属性codecの属性値として記述されている。
なお、詳細MPDデータには、VODコンテンツの配信期限を示す情報等の他の情報を含めることもできる。
以上、詳細MPDデータについて説明したが、S12の後、コンテンツ取得部230は詳細MPDデータ6の記載内容に基づいてVODコンテンツを取得し(第3取得工程、第3配信工程)、再生部270は、コンテンツ取得部230が取得したVODコンテンツを再生する(S13:再生工程)。具体的には、コンテンツ取得部230は、再生装置200自身の能力や通信ネットワークの条件を評価し、評価結果に応じたビットレートのVODコンテンツを取得する。より具体的には、コンテンツ取得部230は、再生装置200自身の能力を「上」「中」「下」の3段階で評価し、例えば「中」であると判定した場合には中品質(具体的にはビットレートが1Mbps)のVODコンテンツを取得する。
以上の動作の結果として、記憶部240に記録されているコンフィギュレーションは、初期MPDデータ5aから詳細MPDデータ6に置き換わることになる。以降は、記録した詳細MPDデータを参照することで、VODコンテンツを要求し再生することができる。なお、一旦取得したVODコンテンツは記憶部240に記録してもよい。
(配信システムの利点)
以上のように、本実施形態に係る配信システムは、放送コンテンツと同一タイトルのVODコンテンツを配信する配信装置100と、VODコンテンツを再生する再生装置200と、を含んでいる。
配信装置100では、コンテンツ配信部130が、再生装置がVODコンテンツを再生する際に利用する当該コンテンツの詳細MPDデータについて、詳細MPDデータの取得先を示す初期MPDデータを、放送コンテンツのコンテンツデータに内包する形で配信する。
また、メタ情報配信部110が、詳細MPDデータのリクエストを再生装置200から受け付けたことをトリガとして、詳細MPDデータを再生装置200に配信する。
一方、再生装置200では、リンク情報取得部220が放送コンテンツのコンテンツデータを受信することで初期MPDデータを取得し、メタ情報取得部210が初期MPDデータを参照することで配信装置100から詳細MPDデータを取得する。
そして、番組コンテンツの再生指示を受け付けると、メタ情報取得部210が詳細MPDデータを取得し、再生部270が、メタ情報取得部210が取得した詳細MPDデータに基づいて、コンテンツ取得部230が取得したVODコンテンツを再生する。
上記の構成により、再生装置200は、番組コンテンツの再生指示を受け付けた時点における最新の詳細MPDデータを配信装置100から取得した上で、最新の詳細MPDデータの内容に基づいて番組コンテンツを再生する。例えば、最新の詳細MPDデータにおいて、VODコンテンツの配信期限が「2011年12月31日」から「2012年1月31日」に更新された場合、再生装置200は、VODコンテンツを2012年1月31日まで再生可能である。
したがって、番組コンテンツの配信者は、放送コンテンツの配信完了後に配信装置100に記録されている詳細MPDデータを更新することにより、再生装置200によるVODコンテンツの再生動作を放送コンテンツの配信完了後に制御することができる。
(付記事項1)
S12において再生装置200は詳細MPDデータを配信装置100から取得するものとしたが、本発明はこれに限定されない。図8は、更新前後におけるMPDデータの記述内容を示した図である。
図8に示すように、再生装置200は、初期MPDデータ5a’の属性xlink:hrefを参照して配信装置100から要素Periodに関するXMLデータ6’を取得し、取得したXMLデータ6’を初期MPDデータ5a’内に合成することで、詳細MPDデータ6”
を生成してもよい。
このように再生装置200を構成した場合にも、番組コンテンツの配信者は、放送コンテンツの配信完了後に配信装置100に記録されているXMLデータ6’を更新することにより、再生装置200によるVODコンテンツの再生動作を放送コンテンツの配信完了後に制御することができる。
(再生装置200の録画動作の変形例について)
録画指示を受けた場合における再生装置200の動作の変形例について図9及び図10を参照しながら以下に説明する。
図9は初期MPDデータの内容を例示した図であり、図10は再生装置200の動作を示すフローチャート図である。
図9(a)の初期MPDデータ5bおよび図9(b)の初期MPDデータ5b’に示したように、装置100から再生装置200に配信する初期MPDデータには、属性availabilityStartTime、要素Locationの他に、属性contentTypeを含めてもよい。
属性contentTypeはVODコンテンツのコンテンツタイプを示すものである。属性contentTypeの属性値“original”は、VODコンテンツの内容と同一タイトルの放送コンテンツの内容とが同一であることを示す値である。
また、属性contentTypeの属性値“digest”は、VODコンテンツが同一タイトルの放送コンテンツのダイジェスト版であることを示す値である。さらに、属性contentTypeの属性値“noCommercial”は、VODコンテンツが同一タイトルの放送コンテンツからCM部分を除去したものに相当することを示す値である。
なお、属性contentTypeは、上記以外にも、VODコンテンツが有料であることを示す値、所定期間経過後はダイジェスト版となる(所定期間経過前までは放送コンテンツと同一)ことを示す値、などをとることもできる。
以下に説明する再生装置200の変形例に係る動作は、上述のような初期MPDデータを配信装置100から取得することを前提とする動作である。
対象コンテンツの放送時間中に対象コンテンツの録画指示を受け付けると、リンク情報取得部220は、S1と同様の方法で、対象コンテンツの初期MPDデータを取得する(S21:第1取得工程、第1配信工程、第4取得工程、第4配信工程)。
次に、コンテンツ取得部230は、録画対象を放送コンテンツに代えてVODコンテンツにすることが可能であるか否かを判定する(S22)。具体的には、コンテンツ取得部230は、S21にて取得した初期MPDデータ内に記述されている属性contentTypeの属性値が“original”であるか(すなわち、VODコンテンツの内容が同一タイトルの放送コンテンツの内容と同一であるか)否かを判定する。
上記属性値が“original”であると判定した場合(S22においてYES)、放送コンテンツの録画を行わずにS21にて取得した初期MPDデータを記憶部240に記録し(S25)、処理を終了する。contentTypeが”original”であるコンテンツに対して録画指示がなされた場合、再生装置200のコンテンツ取得部230は、ストレージリソースを節約するために録画を行わない旨のメッセージをユーザに提示(例えば、表示装置300に表示)してもよい。また、コンテンツ取得部230は、同一内容のVODコンテンツの視聴および録画が後でも可能である旨のメッセージをユーザに提示してもよい。
一方、上記属性値が“original”でないと判定した場合(S22においてYES)、コンテンツ取得部230は、ストレージ(記憶部240)の空き容量が十分であるか否かを判定する(S23)。具体的には、コンテンツ取得部230は、記憶部240の空容量が対象コンテンツの長さとビットレートから計算される容量以上であるか否かを判定する。空き容量が十分でないと判定された場合(S23においてNO)、その旨を示すメッセージを表示して、S25の処理に進む。
一方、空き容量が十分であると判定された場合(S23においてYES)、コンテンツ取得部230は、放送コンテンツの録画を開始し(S24)、処理を終了する。
以上のように、再生装置200は、上記動作を行うことにより、ユーザが対象コンテンツの放送後に対象コンテンツを視聴する機会を逃すリスクを回避しつつ、再生装置200のストレージリソースを節約することができる。
(付記事項2)
配信装置100は、放送コンテンツのコンテンツデータ(具体的にはデータカルーセルES)に内包する形で初期MPDデータを再生装置200に配信してもよいが、番組配列情報に内包する形で、表1に例示するような、初期MPDデータを特定するためのコンフィギュレーション記述子を再生装置200に配信してもよい。
図11は、番組コンテンツのTSを模式的に示した図である。初期MPDデータ(コンフィギュレーション)5aを特定するためのコンフィギュレーション記述子(configuration descriptor)が、PSI/SI4d(番組配列情報)に内包する形で再生装置200に定期的に配信される。
以上のように配信装置100を構成した場合には、再生装置200は以下のようにして初期MPDデータを取得すればよい。
すなわち、リンク情報取得部220は、対象コンテンツの録画指示を受け付けた後のS1(S21)にて、PSI/SI4d内の対象コンテンツのコンフィギュレーション記述子を参照すればよい。そして、リンク情報取得部220は、コンフィギュレーション記述子に含まれるURL(リンク情報)をもとに初期MPDデータ(メタ情報)を取得すればよい。
また、再生装置200がVODコンテンツの再生指示を受け付けた場合、リンク情報取得部220は、PSI/SI4d内の対象コンテンツのコンフィギュレーション記述子を参照し、コンフィギュレーション記述子に含まれるURL(リンク情報)をもとに初期MPDデータ(メタ情報)を取得した上で、S11の処理を開始してもよい。
なお、番組配列情報は、放送波に載せて伝送されるEPGデータであってもよいが、通信で伝送されるiEPGデータであってもよい。
(付記事項3)
上記実施形態では、配信装置100が、放送コンテンツ、VODコンテンツ、初期MPDデータおよび詳細MPDデータの配信を行うものとしたが、本発明はこれに限定されない。
図12に示すように、放送コンテンツおよび初期MPDデータを配信する配信装置100a(第1配信装置)と、詳細MPDデータを配信する配信装置100b(第2配信装置)と、VODコンテンツを配信する配信装置100cとが配信システム内に個別に設けられていてもよい。この場合における配信装置100a〜100cの構成を図13(a)〜図13(c)に示しておく。なお、配信装置100a〜100cが備える各部についてはすでに説明を終えているので、ここでは各部の説明を省略する。
(プログラム、記憶媒体)
配信装置100および再生装置200の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、配信装置100および再生装置200は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである配信装置100および再生装置200の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、配信装置100および再生装置200に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、上記プログラムコードは、通信ネットワークを介して配信装置100および再生装置200に供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
なお、ここで開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明だけではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。