以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る車両用灯具の概略構造を示す正面図である。図2は、図1のA−A線に沿った概略断面図である。図3は、図1のB−B線に沿った概略断面図である。なお、図1では、エクステンションリフレクタ12の図示を省略している。また、図1及び図3では、配光部300の永久磁石312,314の図示を省略している。また、図3では、光源ユニット100の内部を透視した状態を図示している。
本実施形態に係る車両用灯具1は、例えば車両用前照灯装置であり、この車両用前照灯装置は、左右対称に形成された一対の前照灯ユニットを有する。一対の前照灯ユニットは、一方が車両の左前方部分に設けられ、他方が車両の右前方部分に設けられる。図1は、左右いずれかの前照灯ユニットの構成を示す。他方の前照灯ユニットは、左右対称の構造を有する点以外は図1に示す前照灯ユニットと実質的に同一の構成であるため、説明を省略する。
本実施形態に係る車両用灯具1は、車両前方側に開口部を有するランプボディ2と、ランプボディ2の開口部を覆うように取り付けられた透光カバー4とを備える。透光カバー4は、透光性を有する樹脂やガラス等で形成される。ランプボディ2と透光カバー4とにより形成される灯室3内には、支持プレート6、第1灯具ユニット20、第2灯具ユニット40、第3灯具ユニット60、制御ユニット400等が収容される。
第1灯具ユニット20は、いわゆるプロジェクタ型の灯具ユニットであり、支持プレート6の前面に固定されて灯室3内の所定位置に支持される。第2灯具ユニット40は、いわゆるパラボラ型の灯具ユニットであり、第1灯具ユニット20に固定されて灯室3内の所定位置に支持される。第3灯具ユニット60は、レーザ光で車両前方を走査して所定の配光パターンを形成する灯具ユニットであり、支持プレート6の前面に固定されて灯室3内の所定位置に支持される。制御ユニット400は、支持プレート6よりも灯具後方側でランプボディ2に固定される。なお、制御ユニット400を設ける位置は、特にこれに限定されない。支持プレート6は、コーナー部がエイミングスクリュー8によってランプボディ2に接続される。支持プレート6の後面には、複数の放熱フィン14が設けられる。
車両用灯具1は、エイミングスクリュー8を回転させて支持プレート6の姿勢を調節することで第1灯具ユニット20、第2灯具ユニット40及び第3灯具ユニット60の光軸を水平方向及び鉛直方向に調整可能である。灯室3内における第1灯具ユニット20〜第3灯具ユニット60の灯具前方側には、各灯具ユニットから照射される光の灯具前方への進行を許容する開口部を有するエクステンションリフレクタ12が設けられる。
続いて、第1灯具ユニット20、第2灯具ユニット40、第3灯具ユニット60及び制御ユニット400の各構成について詳細に説明する。
(第1灯具ユニット)
図4は、第1灯具ユニットの光源の概略構造を示す鉛直断面図である。図1、図2及び図4に示すように、第1灯具ユニット20は、光源22、シェード部材24、レンズホルダ26及び投影レンズ28を有する。光源22は、発光素子22a、基板22b、枠体22c及び蛍光体22dを有する。発光素子22aは、例えば発光ダイオード(LED)で構成される。基板22bは、平板状に形成され、主表面が灯具前後方向を向くように配置されて、灯具後方側の主表面が支持プレート6の前面に固定される。
枠体22cは、矩形の枠状に形成され、中央に開口部22c1を有する。枠体22cは、開口部22c1が灯具前方側を向くように配置され、基板22bの灯具前方側の主表面上に固定される。発光素子22aは、光出射面22asが灯具前方側を向くように配置され、枠体22cの開口部22c1内で基板22bに固定される。発光素子22aが発する熱は、基板22b、支持プレート6及び放熱フィン14を介して放熱され、発光素子22aの温度上昇が抑制される。蛍光体22dは、枠体22cの開口部22c1内に設けられ、発光素子22aの光出射面22asを被覆する。枠体22cの開口部22c1において露出する蛍光体22dの表面22dsが光源22の発光面となる。光源22は、発光面が投影レンズ28の後方焦点面上に位置するよう配置される。
本実施形態の発光素子22aには、主として青色光を発する青色LEDが採用される。また、蛍光体22dには、青色光を黄色光に波長変換するものが採用される。発光素子22aが発光すると、発光素子22aから発せられる青色光の一部が蛍光体22dにより波長変換されて黄色光が発せられる。そして、発光素子22aの発する青色光と蛍光体22dの発する黄色光とが加法混色され、光源22の発光面から白色光が発せられる。このような発光素子22a及び蛍光体22dにより白色光を生成する方法は公知であるため、詳細な説明は省略する。
シェード部材24は、平板状に形成され、光源22の発光面を覆うように配置されて枠体22cの前端面に固定される。シェード部材24には開口部24aが設けられる。開口部24aにおいて、蛍光体22dの表面22ds、すなわち光源22の発光面が灯具前方に向けて露出する。シェード部材24の開口部24aは、第1灯具ユニット20が形成する配光パターンと同一の形状を有する。
レンズホルダ26は、第2灯具ユニット40の後述する光源42が発する熱を効率よく放熱できるよう、アルミニウムなど熱伝導率が高い材料で形成される。レンズホルダ26は、灯具前後方向に延在し、灯具後方側端面が支持プレート6の前面に固定される。投影レンズ28は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなり、投影レンズ28の後方焦点を含む後方焦点面上に形成される光源像を、反転像として灯具前方の仮想鉛直スクリーン上に投影する。投影レンズ28は、レンズホルダ26の灯具前方側端面に固定される。光源22から照射された光は、シェード部材24の開口部24aを経て投影レンズ28へと導かれ、投影レンズ28を通じて灯具前方へ照射される。
本実施形態では、第1灯具ユニット20はロービーム用配光パターンを形成する灯具ユニットであり、開口部24aはロービーム用配光パターンと同一の形状を有する。開口部24aは、ロービーム用配光パターンの上辺に対応する辺縁部が下側に、下辺に対応する辺縁部が上側に、左辺に対応する辺縁部が右側に、右辺に対応する辺縁部が左側にそれぞれ配置される。なお、第1灯具ユニット20は、いわゆるパラボラ型の灯具ユニット等であってもよい。
(第2灯具ユニット)
第2灯具ユニット40は、光源42及びリフレクタ44を有する。光源42は、発光素子42a、基板42b、枠体42c及び蛍光体42dを有する。光源42の構造は、第1灯具ユニット20の光源22と同様であるため、詳細な説明は省略する。
光源42の基板42bは、主表面が灯具上下方向を向くように配置され、灯具上方側の主表面がレンズホルダ26に固定される。光源42は、発光面が灯具下方側を向くように配置されて基板42bの灯具下方側の主表面上に固定される。発光素子42aが発する熱は、基板42b、レンズホルダ26、支持プレート6及び放熱フィン14を介して放熱され、発光素子42aの温度の上昇が抑制される。リフレクタ44は、略放物柱状の反射面を有し、光源42の発光面が焦点上に位置するよう配置されて、レンズホルダ26に固定される。リフレクタ44は、焦点からの光を灯具前方に向けて反射する。より詳しくは、リフレクタ44は、光源42から出射された光を鉛直方向については略平行に進み、水平方向については拡散させるよう反射する。なお、第2灯具ユニット40は、いわゆるプロジェクタ型の灯具ユニット等であってもよい。
(第3灯具ユニット)
図5は、光源ユニットの概略構造を示す側面図である。図6は、灯具前方側から観察したときの配光部の概略斜視図である。なお、図5では、光源ユニット100の内部を透視した状態を図示している。図1、図3、図5及び図6に示すように、第3灯具ユニット60は、光源ユニット100及び配光部300を有する。
光源ユニット100は、第1光源102、第2光源104、第3光源106、ヒートシンク108、第1レンズ110、第2レンズ112、第3レンズ114、第4レンズ116及び集光部200を有する。
第1光源102は、赤色レーザ光Rを出射する光源であり、赤色レーザダイオードで構成される発光素子102aと、発光素子102aが搭載される基板102bとを有する。第2光源104は、緑色レーザ光Gを出射する光源であり、緑色レーザダイオードで構成される発光素子104aと、発光素子104aが搭載される基板104bとを有する。第3光源106は、青色レーザ光Bを出射する光源であり、青色レーザダイオードで構成される発光素子106aと、発光素子106aが搭載される基板106bとを有する。本実施形態では、発光素子102aのレーザ光出射面102as、発光素子104aのレーザ光出射面104as及び発光素子106aのレーザ光出射面106asが互いに平行である。なお、各光源は、レーザダイオード以外の他のレーザ装置を有してもよい。
第1光源102、第2光源104及び第3光源106は、それぞれのレーザ光出射面が灯具前方を向き、基板が灯具後方を向くように配置され、ヒートシンク108の灯具前方側を向く端面に取り付けられる。ヒートシンク108は、各光源の発光素子102a〜106aが発する熱を効率よく回収できるよう、アルミニウムなど熱伝導率が高い材料で形成される。ヒートシンク108の灯具後方側の端面は、支持プレート6(図1参照)に接する。各光源の発光素子102a〜106aは、それぞれが接する基板102b〜106b、ヒートシンク108、支持プレート6及び放熱フィン14(図2参照)を介して放熱され、温度の上昇が抑制される。
第1レンズ110、第2レンズ112、第3レンズ114及び第4レンズ116は、例えばコリメートレンズで構成される。第1レンズ110は、第1光源102と集光部200との間の赤色レーザ光Rの光路上に設けられ、第1光源102から出射された赤色レーザ光Rを平行光に変換して集光部200に出射する。第2レンズ112は、第2光源104と集光部200との間の緑色レーザ光Gの光路上に設けられ、第2光源104から出射された緑色レーザ光Gを平行光に変換して集光部200に出射する。
第3レンズ114は、第3光源106と集光部200との間の青色レーザ光Bの光路上に設けられ、第3光源106から出射された青色レーザ光Bを平行光に変換して集光部200に出射する。第4レンズ116は、光源ユニット100の筐体に設けられた開口101に嵌め合わされる。また、第4レンズ116は、集光部200と配光部300との間における、後述する白色レーザ光Wの光路上に設けられ、集光部200から出射された白色レーザ光Wを平行光に変換して配光部300に出射する。
集光部200は、赤色レーザ光R、緑色レーザ光G及び青色レーザ光Bを集合させて白色レーザ光Wを生成する。集光部200は、第1ダイクロイックミラー202、第2ダイクロイックミラー204、及び第3ダイクロイックミラー206を有する。
第1ダイクロイックミラー202は、少なくとも、赤色光を反射し青色光及び緑色光を透過させるミラーであり、第1レンズ110を通過した赤色レーザ光Rを第4レンズ116に向けて反射するように配置される。第2ダイクロイックミラー204は、少なくとも、緑色光を反射し青色光を透過させるミラーであり、第2レンズ112を通過した緑色レーザ光Gを第4レンズ116に向けて反射するように配置される。第3ダイクロイックミラー206は、少なくとも、青色光を反射するミラーであり、第3レンズ114を通過した青色レーザ光Bを第4レンズ116に向けて反射するように配置される。
また、第1ダイクロイックミラー202、第2ダイクロイックミラー204及び第3ダイクロイックミラー206は、それぞれが反射したレーザ光の光路が平行で、かつ各レーザ光が集合して第4レンズ116に入射されるように、互いの位置関係が定められる。本実施形態では、第1ダイクロイックミラー202〜第3ダイクロイックミラー206は、各ダイクロイックミラーにおいてレーザ光が当たる領域(レーザ光の反射点)が一直線上に並ぶように配置される。
第3光源106から出射された青色レーザ光Bは、第3ダイクロイックミラー206で反射され、第2ダイクロイックミラー204側に進行する。第2光源104から出射された緑色レーザ光Gは、第2ダイクロイックミラー204により第1ダイクロイックミラー202側に反射されるとともに、第2ダイクロイックミラー204を透過した青色レーザ光Bと重ね合わせられる。第1光源102から出射された赤色レーザ光Rは、第1ダイクロイックミラー202により第4レンズ116側に反射されるとともに、第1ダイクロイックミラー202を透過した青色レーザ光B及び緑色レーザ光Gの集合光と重ね合わせられる。その結果、白色レーザ光Wが形成される。白色レーザ光Wは、第4レンズ116を通過して配光部300に向けて進行する。
第1光源102〜第3光源106は、赤色レーザ光Rを出射する第1光源102が集光部200から最も近い位置に配置され、青色レーザ光Bを出射する第3光源106が集光部200から最も遠い位置に配置され、緑色レーザ光Gを出射する第2光源104が中間の位置に配置される。すなわち、第1光源102〜第3光源106は、出射するレーザ光の波長が長いものほど集光部200に近い位置に配置される。レーザ光は、長波長のものほどレーザ光の拡がり角が大きい。そこで、拡散しやすいレーザ光を出射する光源ほど集光部200の近くに配置する。これにより、集光部200へ入射されるレーザ光量がレーザ光の拡散により低減することを抑制することができ、その結果、レーザ光の利用率を高めることができる。また、各レーザ光の拡がり角の差に起因して各レーザ光の集光部200への入射光量に差が生じることを抑制することができる。
また、第1光源102〜第3光源106は、各光源のレーザ光出射面102as〜106asと交わる方向(図2の矢印X方向、言い換えると、各光源のレーザ光出射方向に平行な方向、もしくは各光源の基板の主表面と交わる方向)から見て、隣り合う光源における基板の一部同士が重なり合うように配置される。本実施形態では、第1光源102及び第2光源104は、基板102bにおける第2光源104側の領域102bgと、基板104bにおける第1光源102側の領域104brとが重なるように配置される。また、第2光源104及び第3光源106は、基板104bにおける第3光源106側の領域104bbと、基板106bにおける第2光源104側の領域106bgとが重なるように配置される。これにより、各光源のレーザ光出射面102as〜106asを互いに近接させることができる。その結果、集光部200の小型化、ひいては光源ユニット100の小型化が可能である。
また、例えばレーザ光の照射強度を高めるべく各色の光源を複数備える場合、同一色の光源を上述のように段違いで配置してレーザ光発光面を近接させることで、同一色のレーザ光を集光させやすくすることができる。これにより、レーザ光の幅を細くして光源像を小さくすることができる。また、3色の光源群同士について、上述した段違い配置を適用することもできる。
光源ユニット100は、各光源のレーザ光の出射を監視する監視部130を有する。監視部130は、第1フォトセンサ132、第2フォトセンサ134、第3フォトセンサ136、第4フォトセンサ138及び出射判定部140を有する。第1フォトセンサ132は、第1光源102から出射される赤色レーザ光Rの照射強度を測定する。第2フォトセンサ134は、第2光源104から出射される緑色レーザ光Gの照射強度を測定する。第3フォトセンサ136は、第3光源106から出射される青色レーザ光Bの照射強度を測定する。第4フォトセンサ138は、集光部200から出射される白色レーザ光Wの照射強度を測定する。各フォトセンサは、測定値を示す信号を出射判定部140に送信する。出射判定部140は、各光源について所定の出射状態判定を実施し、判定結果を示す信号を後述する灯具ECU402(図8参照)に送信する。なお、出射判定部140は、灯具ECU402内に設けられてもよい。
配光部300は、例えば、いわゆるガルバノミラーで構成され、ベース302、第1回動体304、第2回動体306、第1トーションバー308、第2トーションバー310、永久磁石312,314、端子部316及び反射鏡318等を有する。ベース302は、中央に開口部302aを有する枠体であり、灯具前後方向に傾斜した状態で、支持プレート6の前面から灯具前方に突出する突出部10の先端に固定される。ベース302には、所定位置に端子部316が設けられる。ベース302の開口部302aには、第1回動体304が配置される。第1回動体304は、中央に開口部304aを有する枠体であり、灯具後方下側から灯具前方上側に延在する第1トーションバー308により、ベース302に対し左右(車幅方向)に回動可能に支持される。
第1回動体304の開口部304aには、第2回動体306が配置される。第2回動体306は、矩形の平板状に形成され、車幅方向に延在する第2トーションバー310により、第1回動体304に対し上下(鉛直方向)に回動可能に支持される。第2回動体306は、第1回動体304が第1トーションバー308を回動軸として左右に回動すると、第1回動体304とともに左右に回動する。第2回動体306の表面には、メッキ又は蒸着等の方法により反射鏡318が設けられる。
ベース302には、第1トーションバー308の延在方向と直交する位置に、一対の永久磁石312が設けられる。永久磁石312は、第1トーションバー308と直交する磁界を形成する。第1回動体304には第1コイル(図示せず)が配線され、第1コイルは、端子部316を介して制御ユニット400に接続される。また、ベース302には、第2トーションバー310の延在方向と直交する位置に、一対の永久磁石314が設けられる。永久磁石314は、第2トーションバー310と直交する磁界を形成する。第2回動体306には第2コイル(図示せず)が配線され、第2コイルは、端子部316を介して制御ユニット400に接続される。
第1コイル及び永久磁石312と、第2コイル及び永久磁石314とにより走査用アクチュエータ320(図8参照)が構成される。走査用アクチュエータ320は、制御ユニット400の後述するアクチュエータ制御部408(図8参照)により駆動が制御される。アクチュエータ制御部408は、第1コイル及び第2コイルに流れる駆動電流の大きさと向きを制御する。この駆動電流の大きさと向きの制御により、第1回動体304及び第2回動体306が左右に往復回動し、また第2回動体306が単独で上下に往復回動する。これにより、反射鏡318が上下左右に往復回動する。
光源ユニット100と配光部300とは、光源ユニット100から出射された白色レーザ光Wが反射鏡318で灯具前方に反射されるよう互いの位置関係が定められる。そして、配光部300は、反射鏡318の往復回動により白色レーザ光Wで車両前方(灯具前方)を走査する。制御ユニット400の後述する光源制御部410(図8参照)は、配光部300による白色レーザ光Wでの灯具前方のスキャンに合わせて、第1光源102、第2光源104及び第3光源106のレーザ光の出射を制御する。例えば、配光部300は、配光パターンの形成領域よりも広い走査範囲で反射鏡318を回動させる。そして、光源制御部410は、反射鏡318の回動位置が、形成すべき配光パターンの領域に対応する位置にあるとき各光源を点灯させる。このような制御により、灯具前方に所定の配光パターンが形成される。この場合、制御ユニット400の光源制御部410は、配光部300の一部を構成する。
なお、第3灯具ユニット60は、配光部300による白色レーザ光Wの走査領域を、形成すべき配光パターンの領域とし、配光パターンの形成領域のみを白色レーザ光Wで走査して配光パターンを形成してもよい。
図7は、実施形態1に係る車両用灯具により形成される配光パターンの一例を示す図である。なお、図7では、灯具前方の所定位置、例えば灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成された配光パターンを示している。また、図7で図示されている障害物照射用付加配光パターンP4の位置と、モータウェイ用付加配光パターンP2、コーナリング用付加配光パターンP3及び障害物照射用付加配光パターンP4の形状とは例示である。
第1灯具ユニット20は、ロービーム用配光パターンLoを形成する。ロービーム用配光パターンLoは、対向車線側カットオフラインCL1、自車線側カットオフラインCL2及び斜めカットオフラインCL3を有する。ロービーム用配光パターンLoの形状は公知であるため詳細な説明は省略する。第2灯具ユニット40は、拡散配光パターンP1を形成する。拡散配光パターンP1は、H−H線よりも下方で、ロービーム用配光パターンLoよりも水平方向外側にまで拡散する略矩形状の配光パターンである。
第3灯具ユニット60は、モータウェイ用付加配光パターンP2、コーナリング用付加配光パターンP3及び障害物照射用付加配光パターンP4を形成する。これらの付加配光パターンは、ロービーム用配光パターンLoに付加される付加配光パターンである。
モータウェイ用付加配光パターンP2は、H−H線とV−V線との交点である消点の近傍(いわゆる、ホットゾーン)を照射して、車両が所定の高速走行状態にあるときの運転者の遠方視認性を向上させるための付加配光パターンである。ここでいう「高速走行状態」とは、例えば車速が時速80km以上の状態をいう。なお、高速走行状態は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。
コーナリング用付加配光パターンP3は、左方コーナリング用付加配光パターンP3L及び右方コーナリング用付加配光パターンP3Rを含む。左方コーナリング用付加配光パターンP3Lは、H−H線よりも下方で拡散配光パターンP1よりも左方向外側(左側拡散領域)を照射し、左カーブ路の出口方向に対する運転者の視認性を向上させるための付加配光パターンである。右方コーナリング用付加配光パターンP3Rは、H−H線よりも下方で拡散配光パターンP1よりも右方向外側(右側拡散領域)を照射し、右カーブ路の出口方向に対する運転者の視認性を向上させるための付加配光パターンである。なお、コーナリング用付加配光パターンP3は、車両が所定の低速走行状態にあるときの運転者の路肩領域に対する視認性を向上させるために用いられてもよい。ここでいう「低速走行状態」とは、例えば車速が時速30km以下の状態をいう。なお、低速走行状態は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。
障害物照射用付加配光パターンP4は、車両前方の歩行者を含む障害物の存在領域を照射して、障害物に対する運転者の視認性を向上させるための付加配光パターンである。
本実施形態において、配光部300は、車幅方向に延在する矩形の走査領域SA内を白色レーザ光Wでスキャン可能である。制御ユニット400の光源制御部410は、車両が所定の高速走行状態にあるとき、配光部300の走査位置がモータウェイ用付加配光パターンP2内である場合に各光源からレーザ光を出射させ、走査位置が当該付加配光パターン外である場合にレーザ光の出射を停止させる。これにより、モータウェイ用付加配光パターンP2が形成される。なお、車両が高速走行状態にあることは、車速センサ510(図5参照)の測定値から判断することができる。
また、光源制御部410は、車両が左旋回もしくは右旋回するとき、配光部300の走査位置が旋回方向に対応するコーナリング用付加配光パターンP3内である場合にレーザ光を出射させ、当該付加配光パターン外である場合にレーザ光の出射を停止させる。これにより、コーナリング用付加配光パターンP3が形成される。なお、車両が左もしくは右に旋回することは、舵角センサ508(図5参照)の測定値から判断することができる。
また、光源制御部410は、車両前方に障害物が検出されたとき、配光部300の走査位置が障害物照射用付加配光パターンP4内である場合にレーザ光を出射させ、当該付加配光パターン外である場合にレーザ光の出射を停止させる。これにより、障害物照射用付加配光パターンP4が形成される。なお、車両前方の障害物の存在は、画像処理装置504(図5参照)が生成する画像情報を用いて判断することができる。
ロービーム用配光パターンLo及び拡散配光パターンP1は、上述の付加配光パターンに比べて広範囲に光を照射する配光パターンである。一方、上述の付加配光パターンは、ロービーム用配光パターンLo及び拡散配光パターンP1に比べて狭い範囲に局所的に光を照射する配光パターンである。そして、本実施形態に係る車両用灯具1は、レーザ光源に比べて広範囲への光の照射に優れた非レーザ光源(非コヒーレント光源)を有する第1灯具ユニット20及び第2灯具ユニット40を用いて、広範囲に光を照射する配光パターンを形成し、非レーザ光源に比べて局所的な光照射に優れたレーザ光源(コヒーレント光源)を有する第3灯具ユニット60を用いて、局所的に光を照射する配光パターンを形成する。このように、光源の異なる灯具ユニットを照射領域に応じて使い分けることで、運転者の視認性のさらなる向上を図ることができる。
また、車両用灯具1は、赤色レーザ光R、緑色レーザ光G及び青色レーザ光Bを集合させて得られる白色レーザ光Wを車両前方に配光して、所定の付加配光パターンを形成する。レーザ光は、蛍光体等から発せられる光に比べて波長が揃っており、波長のばらつきが少ない。すなわち、レーザ光は、より半値幅が狭く発光ピークが鋭い。したがって、赤色レーザ光R、緑色レーザ光G及び青色レーザ光Bは、蛍光に比べて色純度の高い単色光となる。そのため、これらの単色レーザ光が集合して得られる白色レーザ光Wを用いて配光パターンを形成した場合、被照射体の色コントラストが大きくなる。その結果、運転者は、被照射体を視認しやすくなる。
なお、車両用灯具1は、非レーザ光源を有するハイビーム用配光パターン形成用灯具ユニットをさらに備えてもよく、上述の付加配光パターンは、ハイビーム用配光パターンに付加されてもよい。
(制御ユニット)
図8は、制御ユニットを説明する機能ブロック図である。なお、図8に示す機能ブロックがハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。制御ユニット400は、灯具ECU402、ROM404、RAM406等を有する。灯具ECU402は、アクチュエータ制御部408、光源制御部410及び歩行者判定部412を有する。ROM404は、各種制御プログラムを格納する。RAM406は、データ格納や灯具ECU402によるプログラム実行のためのワークエリアとして利用される。灯具ECU402は、ROM404に格納された複数の制御プログラムを適宜選択的に実行し、各種制御信号を生成する。
アクチュエータ制御部408は、配光部300の走査用アクチュエータ320を制御して、白色レーザ光Wでの車両前方の走査を制御する。光源制御部410は、第1灯具ユニット20の光源22、第2灯具ユニット40の光源42、第3灯具ユニット60の第1光源102、第2光源104及び第3光源106の点消灯を各光源独立に制御する。歩行者判定部412は、所定の灯具至近領域における歩行者の有無を判定し、判定結果を示す信号を光源制御部410に送信する。ここでいう「灯具至近領域」とは、レーザ光に対して歩行者の眼を保護すべき領域であって、例えば車両用灯具1から1000cmまでの範囲をいう。なお、灯具至近領域は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。
また、灯具ECU402は、監視部130の出射判定部140からの信号を受信可能である。また、灯具ECU402は、ライトスイッチ500、車載カメラ502で撮像された画像データを受信して解析する画像処理装置504、ナビゲーションシステム506、舵角センサ508、車速センサ510等からの信号を受信可能である。
続いて、上述した構成を備える車両用灯具1で実施されるレーザ光の照射制御について説明する。本実施形態に係る車両用灯具1において、灯具ECU402の光源制御部410は、運転者によるライトスイッチ500の操作に応じて第1灯具ユニット20及び第2灯具ユニット40の点消灯を制御する。また、光源制御部410は、ライトスイッチ500の操作により、第3灯具ユニット60による付加配光パターン形成モードの実行が指示されると、歩行者判定部412により判定される、灯具至近領域における歩行者の有無に基づいてレーザ光の照射を制御する。
本実施形態では、歩行者判定部412は、車速を用いて歩行者の有無を判定する。すなわち、車両がある程度以上の速度で進行する状態では、上述した範囲の灯具至近領域に歩行者が存在する可能性は極めて低い。そのため、歩行者判定部412は、車速センサ510から得られる車速が所定値以上、例えば時速20km以上であるとき、灯具至近領域に歩行者が存在しないと推定することができる。歩行者判定部412により灯具至近領域に歩行者が存在すると判定されると、光源制御部410は、いずれかの付加配光パターンの形成条件が満たされていても第3灯具ユニット60の点灯を禁止する。そして、光源制御部410は、灯具至近領域に歩行者がいないと判定された後に、第3灯具ユニット60を点灯して、形成条件が満たされた付加配光パターンを形成する。
もしくは、歩行者判定部412により灯具至近領域に歩行者が存在すると判定されると、光源制御部410は、白色レーザ光Wが所定の低照射強度となるように各光源の出力を調整して、形成すべき付加配光パターンを形成するとともに、白色レーザ光Wの照射強度の増大を禁止する。そして、光源制御部410は、灯具至近領域に歩行者がいないと判定された後に、各光源の照射強度を通常設定値まで増大させる。ここでいう「低照射強度」とは、灯具至近領域にいる歩行者が第3灯具ユニット60から照射されるレーザ光を直視した場合であっても、歩行者の眼に対する安全性が確保されるレーザ光の照射強度であり、例えば1000cd以下の範囲をいう。なお、この低照射強度は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。
また、第3灯具ユニット60の点灯状態において、歩行者判定部412により灯具至近領域に歩行者が存在すると判定されると、光源制御部410は、白色レーザ光Wが所定の低照射強度以下となるように第3灯具ユニット60の各光源の照射強度を低減させる(照射強度をゼロにすること、すなわち消灯することも含む)。そして、光源制御部410は、灯具至近領域に歩行者がいないと判定された後に、各光源の照射強度を通常設定値まで増大させる。
図9は、実施形態1に係る車両用灯具により実行される制御の一例を示すフローチャートである。このフローは、ライトスイッチ500により付加配光パターン形成モードの実行が指示された場合に灯具ECU402により所定のタイミングで繰り返し実行される。まず、灯具ECU402は、いずれかの付加配光パターンの形成条件が満たされているか判断する(S101)。いずれかの付加配光パターンの形成条件が満たされていない場合(S101のN)、灯具ECU402は、本ルーチンを終了する。いずれかの付加配光パターンの形成条件が満たされている場合(S101のY)、灯具ECU402は、第3灯具ユニット60が点灯中であるか、すなわち付加配光パターンを形成中であるか判断する(S102)。
第3灯具ユニット60が点灯中でない場合(S102のN)、灯具ECU402は、灯具至近領域に歩行者が存在するか判断する(S103)。灯具至近領域に歩行者が存在する場合(S103のY)、灯具ECU402は、第3灯具ユニット60の点灯を禁止して(S104)、本ルーチンを終了する。灯具至近領域に歩行者が存在しない場合(S103のN)、灯具ECU402は、形成条件を満たす付加配光パターンを形成して(S105)、本ルーチンを終了する。第3灯具ユニット60が点灯中である場合(S102のY)、灯具ECU402は、灯具至近領域に歩行者が存在するか判断する(S106)。灯具至近領域に歩行者が存在する場合(S106のY)、灯具ECU402は、第3灯具ユニット60を消灯して(S107)、本ルーチンを終了する。灯具至近領域に歩行者が存在しない場合(S106のN)、灯具ECU402は、付加配光パターンの形成を維持して(S108)、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用灯具1は、レーザ光源である第1光源102〜第3光源106と、レーザ光に対して歩行者の眼を保護すべき所定の灯具至近領域における歩行者の有無を判定する歩行者判定部412と、灯具至近領域における歩行者の有無に基づいてレーザ光の照射を制御する光源制御部410とを備える。これにより、歩行者が灯具至近領域に存在する場合に、レーザ光の照射を禁止、もしくは当該歩行者の眼の安全性を確保することができる照射強度でレーザ光を照射させることができるため、歩行者の眼に対する安全性をより高めることができる。
また、本実施形態に係る車両用灯具1において、歩行者判定部412は、車両に予め備わる車速センサ510から得られる車速を用いて灯具至近領域における歩行者の有無を判定している。そのため、歩行者の有無を判定するための構成を新たに追加する必要がない。よって、車両用灯具1の構成が複雑になることを抑制することができる。
(実施形態2)
実施形態2に係る車両用灯具1は、灯具ECU402によるレーザ光の照射制御を除き、実施形態1に係る車両用灯具1の構成と共通する。実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明および図示は適宜省略する。
図10は、実施形態2に係る車両用灯具の制御ユニットを説明する機能ブロック図である。本実施形態に係る車両用灯具1において、歩行者判定部412は、車両前方の画像を用いて歩行者の有無を判定する。例えば、灯具ECU402は、歩行者を示す特徴点についての情報と、灯具至近領域についての情報とをROM404に予め保持している。灯具ECU402が画像処理装置504から車両前方の画像情報を受信すると、歩行者判定部412は、得られた画像情報とROM404に格納された歩行者情報及び灯具至近領域情報とを用いて、灯具至近領域における歩行者の有無を判定する。このように、本実施形態では光源制御部410が車両前方の画像を用いて歩行者の有無を判定するため、実施形態1に比べて歩行者の有無の判定をより高精度に実施することができる。また、実施形態1に比べて、第3灯具ユニット60による付加配光パターンの形成頻度もしくは形成時間を増大させることができる。したがって、歩行者の眼に対する安全性を高めながら、運転者の視認性の向上を図ることができる。
また、灯具ECU402は、視認性判定部414を有する。視認性判定部414は、車両の周囲環境が所定の明るさ未満である高視認性要求状態にあることを判定し、判定結果を示す信号を歩行者判定部412に送信する。ここでいう「所定の明るさ」は、車載カメラ502で撮像された画像を用いた歩行者判定部412による歩行者の有無判定に支障をきたさない明るさをいい、「高視認性要求状態」は、車両周囲の明るさが歩行者判定部412による判定に支障をきたす明るさにある状態をいう。この所定の明るさ及び高視認性要求状態は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。視認性判定部414は、例えば車両もしくは車両用灯具1に設けられた照度センサ512の測定値を用いて、高視認性要求状態にあることを判定する。なお、視認性判定部414は、ナビゲーションシステム506等から得られる車両の位置情報、時刻情報、天候情報等を用いて、高視認性要求状態にあることを判定することもできる。
視認性判定部414により車両の周囲環境が高視認性要求状態にあると判定された場合、歩行者判定部412は、第1灯具ユニット20によるロービーム用配光パターンLoの形成後に撮像された車両前方の画像を用いて歩行者の有無を判定する。これにより、視認性判定部414は、歩行者の有無の判定をより高精度に実施することができるため、歩行者の眼に対する安全性をより高めることができる。なお、車両用灯具1がハイビーム用配光パターン形成用灯具ユニットを備える場合には、歩行者判定部412は、ハイビーム用配光パターンの形成後に撮像された画像を用いて歩行者の有無を判定してもよい。
視認性判定部414は、高視認性要求状態にあると判定すると光源制御部410に第1灯具ユニット20の点灯を指示する。歩行者判定部412は、第1灯具ユニット20の点灯を光源制御部410に指示したことを示す信号を視認性判定部414から受信する。もしくは、歩行者判定部412は、第1灯具ユニット20が点灯したことを示す信号を光源制御部410から受信する。その後、歩行者判定部412は、車載カメラ502及び画像処理装置504に対し、車両前方の撮像及び得られた画像の解析を指示し、その結果得られた画像情報を用いて灯具至近領域における歩行者の有無を判定する。なお、歩行者判定部412は、ライトスイッチ500により第1灯具ユニット20の点灯が指示されたことを認識した後に、車載カメラ502及び画像処理装置504に対して撮像及び画像解析を指示してもよい。
以上説明した実施形態2に係る車両用灯具1によれば、歩行者の眼に対する安全性をより高めることができる。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能であり、そのような組み合わせられ、もしくは変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれる。上述の各実施形態同士、および上述の各実施形態と以下の変形例との組合せによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
灯具至近領域は、車両用灯具1からの距離に加えてレーザ光の進行領域を考慮して規定されてもよい。例えば、灯具至近領域は、車両用灯具1から所定の距離内であって、かつ付加配光パターンを形成するレーザ光の進行領域内(すなわち、付加配光パターンの照射領域内)の領域とすることができる。これにより、第3灯具ユニット60による付加配光パターンの形成頻度もしくは形成時間を増大させることができる。したがって、歩行者の眼に対する安全性を高めながら、運転者の視認性の向上を図ることができる。
第3灯具ユニット60が形成する付加配光パターンは、上述のものに限定されない。また、第3灯具ユニット60は、上述した3つの付加配光パターンのうちの1つもしくは2つを形成してもよい。ただし、実施形態1では、歩行者判定部412が車速により灯具至近領域における歩行者の有無を判定している。そのため、第3灯具ユニット60によりモータウェイ用付加配光パターンP2のみを形成する構成は、歩行者の有無の判定条件とモータウェイ用付加配光パターンP2の形成条件によっては除外され得る。
上述の各実施形態において、第3灯具ユニット60は、レーザ光を直接灯具前方に照射するが、レーザ光の照射により蛍光体で生成した非コヒーレント光を照射する構成であってもよい。このような構成としては、例えば、レーザ光源で紫外レーザ光を照射し、蛍光体で白色光を生成するものが挙げられる。また、白色レーザ光Wには、オレンジ色や黄色等の他の色のレーザ光が含まれてもよい。また、配光部300は、ガルバノミラーで構成されているが、例えば、ポリゴンミラー、MEMSミラー、パラボラ型等のリフレクタ、加えられる電界に応じて屈折率が変化する電気光学結晶等であってもよい。
第1灯具ユニット20及び第2灯具ユニット40の光源22,42は、白色光を発するものに限定されず、薄い黄色光や薄い青色光など他の色を発するものであってもよい。また、光源22,42の発光素子22a,42aは、例えば紫外光など青色以外の他の波長の光を主として発するものであってもよい。さらに、光源22,42は、ハロゲンランプなどの白熱灯や、メタルハライドバルブなどのHIDランプ(ディスチャージランプともいう)からなる放電灯等であってもよい。