JP5916197B2 - 防水コネクタ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、簡単な構造で確実に水、塵などの侵入を阻止、特に、コネクタを構成する部品間の隙間から毛細管現象により水などが侵入するのを確実に阻止できる防止コネクタ及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記目的を有し、さらに部品点数を少なくして、しかも小型化、例えば背低化できる防水コネクタ及びその製造方法を提供することにある。
前記金属製コネクタ部品は、一端に相手方コネクタのコンタクトと電気的に接触されるコンタクトと、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とし、一対の対向する短辺を隙間を設けて突き合わせた突合せ接合部を有する金属製管状体からなる金属シェルであって、
前記コンタクト及び前記金属シェルと前記コネクタハウジングとの間の隙間が防水シール材により防水シールされていると共に、前記金属シェルの前記突合せ接合部の隙間が前記防水シール剤により防水シールされていることを特徴とする。
(a)コネクタを構成する一端に相手方コネクタのコンタクトと電気的に接触させるコンタクトと、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とし、一対の対向する短辺を隙間を設けて突き合わせた突合せ接合部を有する金属製管状体からなる金属シェルを作製し、前記金型の内部に前記コンタクトを前記金属シェルの内壁から離して支持・固定して該金型内に前記電気絶縁性樹脂を注入して、該電気絶縁性樹脂をコネクタハウジングとしたモールドコネクタを作製する工程、
(b)前記モールドコネクタの前記コンタクト及び前記金属シェルと前記コネクタハウジング間に生じた隙間に、前記防水シール剤を充填して防水シールすると共に、前記金属シェルの前記突合せ接合部の隙間にも防水シール剤を充填して防水シールする工程。
(c)所定大きさの良導電性金属板を打抜き・折曲加工して、キャリアに連結片で連結して、前記コンタクト及び金属シェルを一体に形成するコンタクト及び金属シェル一体形成工程、
(d)前記工程(c)で一体成形した前記コンタクト及び金属シェルの周囲に金型を配設して、前記金属シェル内部に電気絶縁性合成樹脂を注入して前記コンタクトをモールドして樹脂成型体からなる前記ハウジングを成型するハウジング成型工程、
(e)前記工程(d)でハウジングをモールド成型した後に、前記コンタクト、前記金属シェル及び連結片を前記キャリアから切断するキャリア切断工程。
図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る防水コネクタを説明する。なお、図1は本発明の実施形態1に係る防水コネクタを示し、図1Aは前方からみた前方斜視図、図1Bは後方からみた後方斜視図、図2は図1の防水コネクタの詳細図、図2Aは正面図、図2Bは上面図、図2Cは下面図、図2Dは左側面図、図2Eは右側面図、図3Aは図2AのIII−III線で切断した断面図、図3Bは図3Aの一部の拡大断面図、図3Cは図3AのIIIC部分の拡大断面図である。
まず、図6を参照して、コンタクトを説明する。なお、図6Aはコンタクトを複数本併設・配列したコンタクト群の斜視図、図6Bは図6Aのコンタクトの1本のコンタクトの側面図である。
図10〜図13を参照して、モールドコネクタ1Mを説明する。なお、図10は製造工程の一部を示し、図10Aはコンタクトと金属シェルとを一体に成形した成形体を示し、図10Aは前方の斜視図、図10Bは後方の斜視図、図11は図10の詳細図で、図11Aは正面図、図11Bは上面図、図11Cは底面図、図11Dは一方の側面図、図11Eは他方の側面図、図12は図11AのXII−XII線で切断した拡大断面図、図13は図10のコンタクト/金属シェル成形体に金型を配設した状態を示した図12に対応する拡大断面図である。
まず、コンタクト2と金属シェル3とは、連続供給される長尺金属板の所定エリアに形成する。コンタクト2と金属シェル3とを同一材料で成形するので、長尺金属板には、所定の肉厚、幅長を有し長尺の良導電性の金属板を使用する。この長尺金属板には、その長さ方向に、一個のコネクタ分のコンタクト2及び金属シェル3を作成するエリアを区画する。この区画は、図10〜図13に示すように、長尺金属板に繋がったキャリア部5Aと、このキャリア部から前方へ比較的長く延ばしたコンタクト作成エリア2Aと、このコンタクト作成エリア2Aの先の金属シェル作成エリア3Aとに区分して、これらのエリア内でそれぞれコンタクト2及び金属シェル3を形成する。すなわち、コンタクト作成エリア2Aでは、キャリア部5Aを位置決め・固定して、打ち抜き・折曲加工により、5本のコンタクト21〜25、2本のアース端子3r2及び基板固定脚3r1を形成する。このとき、金属シェル3の上板部3aを二分して置き、各コンタクトの折曲を行なう。金属シェル作成エリア3Aも同様にして、打ち抜き・折曲加工により、前後に開口3F、3R及び内部に空間3Sを有し、上下板部3a、3b及び左右板部3c、3dで囲まれた扁平角型の管状体を形成する。符号3a'は接合部を示している。5本のコンタクト21〜25は、それぞれの接点部2aを、金属シェルの内壁面、すなわち管状体の内壁面から所定距離離して配設し、各コンタクトの接続部2c及び金属シェル3から延設したアース端子3r2はキャリア部5Aに連結している。このように金属シェル3とキャリア部5とがアース端子3r2で連結されているので、コンタクト/金属シェルの成形体を一体部品として扱うことができる。すなわち、5本のコンタクト21〜25が金属シェルの内壁面から所定距離離されて金属シェルに連結されてなくとも、アース端子で連結されているので、一体部品として扱うことができる。なお、金属シェル3とキャリア部5とをアース端子で連結したが、他の連結片を使用してもよい。
上記(a)工程で一体化したコンタクト2及び金属シェル3をキャリア部5で位置決め・固定して、コンタクト2及び金属シェル3と金型との間に所定の空間が形成されるように、金属シェル3の外周囲に複数個の金型を配置する。すなわち、図13に示すように、金属シェル3の前方に前方金型MF、上方に上方金型MT、下方に下方金型MB、左右に左右金型(図示省略)及び後方に後方金型MRを配置して、コンタクト2及び金属シェル3との間に空間Sa、Sb、Sc、Sc1及びSrを形成する。上方金型MT、下方金型MB及び左右金型には、金属シェル3の前方開口3Fの近傍に凹み溝7が設けられている。一体化したコンタクト2及び金属シェル3をキャリア部5の周囲にスペースがあるので、前方金型MF、上方金型MT、下方金型MB及び、左右金型及び後方金型MRを簡単に配置できる。特に、キャリア部5Aと金属シェル作成エリア3A間のコンタクト作成エリア2Aは、幅広にしてあるので、後方金型MRをも簡単に配置できる。
上記工程(b)でモールド成型した後に、前方金型MF、上下方金型MT、MB、後方金型MR及び左右金型を外して、各コンタクト21〜25及びアース端子3r2に繋がれたキャリア部5を切り離す。この切り離しは、アース端子3r2が各コンタクト21〜25より若干長くして切断する。これらの工程(a)〜(c)により、一個のコネクタを作製し、次いで、キャリア部5Aが移動して、次のコネクタを順次連続作製する。
外周囲8bは、機器筐体の装着溝(図示省略)に嵌入される形状、例えば半円形状に膨らましてある。また、開口8aの内壁面には凹み溝81が形成されている。この外装防水シール部材8は、図15に示すように、ハウジング4の外周囲の係止突起4a1に装着する。この装着により、機器筐体との間で防水できる。
図5に示すように、モールドコネクタ1Mを防水シール剤Li1を貯留した所定形状の容器Box1に入れて、この防水シール剤に浸漬する(図3A参照)。この防水シール剤Li1には、サンケイ化学社製の商品名「WPS−100」を使用する。この防水シール剤は、液状をなし、モールドコネクタに充填された後に、固化しシールする特性を有するものを使用する。
モールドコネクタ1Mを入れ防水シール剤Li1に浸漬した容器Box1を真空処理工程へ移送して、減圧処理装置9で処理する。この減圧処理装置9は、開閉蓋を有する密閉容器Box2と、この密閉容器内を真空排気するための排気手段(真空ポンプ)Pと、真空排気された密閉容器内を常圧に戻すための給気バルブV2とで構成されている。なお、減圧処理装置9には、減圧中に容器Box1内からモールドコネクタ1Mが浮上しないように、防水シール剤中に強制的に沈めて支持するための液中支持手段(図示省略)が設けられている。この減圧処理装置9での処理は、バルブV1を開成して排気手段(真空ポンプ)Pを作動して、密閉容器Box2内上部の空気を排気し、内部の気圧を減圧させる。この減圧により、密閉容器Box2内の気圧の低下とともに、防水シール剤Li1をも上方へ吸い上げようとする力が働く。ところが密閉容器のため、防水シール剤Li1は上方へ移動しないが、モールドコネクタ1Mの隙間内の空気に負の圧力を与えることになる。その結果、モールドコネクタ1Mの隙間内の空気が膨張して、この膨れた部分が気泡となって防水シール剤の液面へ浮上する。さらに排気を行い、真空に近くなると、モールドコネクタ1Mの隙間内の空気も真空に近い気圧となり、膨張して殆どが気泡となって排出される。この状態で排気手段を停止し、給気バルブV2を開いて密閉容器Box2上部の気圧を常圧に戻すと、モールドコネクタ1Mの隙間内の気圧も元に戻る。このモールドコネクタ1Mの隙間内の空気も膨張し、超希薄となった空気は、収縮して元に戻るが、殆どの空気は既に気泡となっているため、代わりに周囲の防水シール剤Li1がモールドコネクタ1Mの隙間内へ充填される。その結果、モールドコネクタ1Mの隙間内には、空気が殆ど残らず、代わりに防水シール剤が充填されることになる。すなわち、図3に示すように、コンタクト2及び金属シェル3とハウジング4間の微細な隙間G1、G2及びハウジングとシール部材間の隙間G3並びに金属シェル3の接合部3a’間の隙間に防水シール剤が充填されて防水シールする。
前工程IVで処理したコネクタ1は、コンタクトやアース端子などの接点部及び端子部などに防水シール剤が付着しているので、これらの部分を洗浄装置、例えば超音波洗浄装置で防水シール剤を洗い落して、製造工程が終了し、コネクタ1が完成VIする。なお、この洗浄は、洗浄液を溜めた容器Box3にコネクタを入れて超音波洗浄する。
上記製造方法で製造したコネクタの防水試験を以下の方法で行った。なお、この試験はJISC0920に準拠したものである。
試験1
図17に示すように、器具Kに、未防水処理コネクタ及防水処理コネクタを取付けて、この器具を床面に15度傾斜して設置し、この器具の上方200mmの位置から3mm/minの水滴を落下。器具の各位置で2.5分間、4位置で合計10分間試験を行った。
その結果、未防水処理コネクタは、殆ど水漏れが発生したが、一方、防水処理コネクタは水漏れが無かった。
未防水処理コネクタ及防水処理コネクタを水深1mの水中に30分間水没させて、コネクタ内側への水の侵入の有無を確認した。
その結果、未防水処理コネクタは、全て水漏れが発生したが、一方防水処理コネクタは水漏れが無かった。
図18を参照して、本発明の実施形態2の防水コネクタを説明する。なお、図18は本発明の実施形態2の防水コネクタを示し、図18Aは正面図、図18Bは上面図、図18Cは底面図、図18Dは一方の側面図、図18Eは他方の側面図、図18Fは背面図、図18Gは図18AのXVIII―XVIII線の断面図である。
1M モールドコネクタ
2、21〜25、2' コンタクト
2a 接点部
2b 中間固定部
2c 接続部
3 金属シェル
3F 前方開口
3R 後方開口
3S 空洞孔(穴)(空間)
3a 上板部
3a' 接合部
3a1 凹み穴
3b 下板部
3c、3d 側板部
3c1、3d1 基板固定脚(取付け固定片)
3r1 基板固定脚(取付け固定片)
3r2 アース端子(連結片)
4、4' ハウジング
4a〜4d 外部ハウジング部
4e コンタクト固定ハウジング部
4r 後方ハウジング部
5 キャリア部
8 外装防水シール部材
9 減圧処理装置
MF 前方金型
MT 上方金型
MB 下方金型
MR 後方金型
Li1 防水シール剤
Li2 洗浄液
Box1 容器
Box2 密閉容器
P 減圧手段(真空ポンプ)
Claims (10)
- コネクタを構成する金属製コネクタ部品が電気絶縁性樹脂内に配置されて、前記電気絶縁性樹脂をコネクタハウジングとした防水コネクタにおいて、
前記金属製コネクタ部品は、一端に相手方コネクタのコンタクトと電気的に接触されるコンタクトと、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とし、一対の対向する短辺を隙間を設けて突き合わせた突合せ接合部を有する金属製管状体からなる金属シェルであって、
前記コンタクト及び前記金属シェルと前記コネクタハウジングとの間の隙間が防水シール材により防水シールされていると共に、前記金属シェルの前記突合せ接合部の隙間が前記防水シール剤により防水シールされていることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記金属シェルは、外周囲に回路配線基板等に実装する取付け固定片及びアース端子が設けられて、これらの箇所と前記コネクタハウジングとの間が前記防水シール剤により防水シールされていることを特徴とする請求項1に記載の防水コネクタ。
- 以下の(a)、(b)の工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の防水コネクタの製造方法、
(a)コネクタを構成する一端に相手方コネクタのコンタクトと電気的に接触させるコンタクトと、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とし、一対の対向する短辺を隙間を設けて突き合わせた突合せ接合部を有する金属製管状体からなる金属シェルを作製し、前記金型の内部に前記コンタクトを前記金属シェルの内壁から離して支持・固定して該金型内に前記電気絶縁性樹脂を注入して、該電気絶縁性樹脂をコネクタハウジングとしたモールドコネクタを作製する工程、
(b)前記モールドコネクタの前記コンタクト及び前記金属シェルと前記コネクタハウジング間に生じた隙間に、前記防水シール剤を充填して防水シールすると共に、前記金属シェルの前記突合せ接合部の隙間にも防水シール剤を充填して防水シールする工程。 - 前記(b)の工程は、前記モールドコネクタを液状の防水シール剤を溜めた容器に浸漬して、前記容器を他の密閉容器に入れて該密閉容器内を減圧して前記金属製コネクタ部品と前記電気絶縁性樹脂間の隙間に前記防水シール剤を充填して防水シールすることを特徴とする請求項3に記載の防水コネクタの製造方法。
- 上記(a)の工程は、以下(c)〜(e)の工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の防水コネクタの製造方法、
(c)所定大きさの良導電性金属板を打抜き・折曲加工して、キャリアに連結片で連結して、前記コンタクト及び金属シェルを一体に形成するコンタクト及び金属シェル一体形成工程、
(d)前記工程(c)で一体成形した前記コンタクト及び金属シェルの周囲に金型を配設して、前記金属シェル内部に電気絶縁性合成樹脂を注入して前記コンタクトをモールドして樹脂成型体からなる前記ハウジングを成型するハウジング成型工程、
(e)前記工程(d)でハウジングをモールド成型した後に、前記コンタクト、前記金属シェル及び連結片を前記キャリアから切断するキャリア切断工程。 - 前記(d)の工程は、前記工程(c)で一体成形した前記コンタクト及び金属シェルの周囲を金型で囲んで、前記金属シェルの内部に前記電気絶縁性樹脂を注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体からなる前記ハウジングを成型することを特徴とする請求項5に記載の防水コネクタの製造方法。
- 前記金属シェルは、外周囲に回路配線基板等に実装する取付け固定片及びアース端子が設けられて、これらの箇所も前記電気絶縁性樹脂でモールドすることを特徴とする請求項3に記載の防水コネクタの製造方法。
- 前記連結片は、前記アース端子であることを特徴とする請求項5又は7に記載の防水コネクタの製造方法。
- 前記工程(b)の後に、洗浄工程を付加して、前記洗浄工程で前記金属製コネクタ部品の外部電気接続部に付着した防水シール剤を除去することを請求項3に記載の防水コネクタの製造方法。
- 前記防水シール剤は、前記モールドコネクタの隙間に充填される前に液状をなし、充填された後に固化するものであることを特徴とする請求項3に記載の防水コネクタの製造方法。
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