JP5667652B2 - 防水コネクタ - Google Patents
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Description
また、電子機器においては、防水機能に対する要求が高く、これに伴い、防水性を備えた防水コネクタの開発が進められている。
このような、電磁波に対するシールドと防水性を兼ね備えたコネクタが、例えば、特許文献1に開示されている。このコネクタは、図32に示されるように、筒形状の金属製のシェル1の内側に導電接続のためのコンタクト2を配置し、これらシェル1およびコンタクト2をインサート成形等により絶縁性樹脂からなるハウジング3内に一体にモールド成形した構造を有している。
また、シェル1がハウジング3内に一体にモールド成形されているため、シェル1の表面がハウジング3を形成する絶縁性樹脂と密着し、コネクタの外部からハウジング3とシェル1との境界部を通して接地端子4側、すなわちコネクタが搭載される基板側に水が浸入することが防止される。
さらに、同様にして、ハウジング3の絶縁性樹脂がコンタクト2の表面から剥離することによっても、防水性が損なわれる事態となる。
また、防水溝は、丸みのある溝底部を有することが好ましい。
さらに、防水溝は、ハウジングに接触するハウジング保持部のすべての面にそれぞれ形成することが好ましい。この場合、防水溝は、ハウジング保持部のいずれの面に対しても互いに同一方向に傾斜する中心線を有していてもよく、あるいは、ハウジング保持部の複数の面に応じてそれぞれの面に対して異なる方向に傾斜する中心線を有していてもよい。
防水溝の開口部は、ハウジング保持部の表面において、ハウジング保持部の中心軸に対して垂直な方向、あるいは、ハウジング保持部の中心軸に対して斜めに延びるように構成することもできる。
あるいは、導電部材は、シェルからなり、相手側コネクタ接続部は、相手側コネクタと嵌合する嵌合部からなり、ハウジング保持部は、中空の形状を有し、防水形状部が、ハウジング保持部の外周面および内周面にそれぞれ形成されるように構成することもできる。
また、導電部材は、1つ以上のコンタクトからなり、相手側コネクタ接続部は、相手側コネクタのコンタクトに接触する接点部からなり、ハウジング保持部は、接点部および基板接続部よりも細く形成されたコンタクト狭窄部を含み、防水形状部が、コンタクト狭窄部の表面に形成されていてもよい。
さらに、導電部材は、シェルおよび1つ以上のコンタクトからなり、防水形状部が、シェルおよび1つ以上のコンタクトにそれぞれ形成されるように構成してもよい。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る防水コネクタの構成を示す。防水コネクタは、ほぼ直方体形状の外形を有するハウジング10と、ハウジング10に固定された複数のコンタクト20と、ハウジング10に固定され且つ複数のコンタクト20をシールドするためのシェル30を有している。ハウジング10は、絶縁性樹脂から形成され、コンタクト20およびシェル30は、導電性を有する金属材料から形成されている。
また、シェル30は、一対の基板取付部32を有し、これらの基板取付部32が、ハウジング10の下面10cからハウジング10の外部に露出している。
保持部33の後方突出部33a、一対の腕部33bおよび一対の脚部33cは、いずれも嵌合部31よりも細いシェル狭窄部を形成しており、このようなシェル狭窄部を有する保持部33は、シェル30がハウジング10にモールド成形される際に、ハウジング10内に埋め込まれる。
図7の展開図から明らかなように、嵌合部31を形成する帯状部分35aから基板取付部32を形成する一対の平板部分35bに至る経路の途中に、それぞれシェル溝34を有する腕部33bが存在している。
このような、斜めに掘り下げられたコンタクト溝24とすることにより、電流Iが流れる方向から見た固定部23の断面積の減少を抑えながら、同じ溝深さのコンタクト溝24を形成することができ、防水に必要な溝深さを確保しながらも、断面積の減少による電気抵抗の増大を抑制して動作時における温度上昇を抑えることが可能となる。
このとき、コンタクト20の接点部21がシェル30の嵌合部31内に位置するように複数のコンタクト20とシェル30を図示しない金型内にセットし、金型を閉じて金型内に溶融した絶縁性樹脂材料を注入した後、冷却することで、ハウジング10と複数のコンタクト20およびシェル30とを一体成形して、図1に示したような防水コネクタを製造することができる。
特に、複数のシェル溝34が形成されている腕部33bは、嵌合部31よりも細いシェル狭窄部を構成するため、水の浸入路が狭められて浸入する水の量が制限されており、シェル溝34により効果的に防水機能を発揮することができる。
このようにして、ハウジング10とシェル30およびコンタクト20との間の防水性を向上させて装置内部、すなわち防水コネクタが搭載される基板側に水が浸入することを防止することが可能となる。
このようなシェル溝34およびコンタクト溝24は、例えば、レーザ加工、プレス加工、研削加工等の機械加工、または、エッチング等の化学処理を用いることによって形成することができる。
このような構成により、筐体40の外部における水分は、ハウジング10内に埋め込まれているシェル30の保持部33の複数のシェル溝34とコンタクト20の固定部23の複数のコンタクト溝24によって、シェル30の嵌合部31からの筐体40内への浸入が阻止されると共に、ガスケット43によって筐体40とハウジング10との間からの筐体40内への浸入が阻止され、防水機能を果たすことが可能となる。
なお、シェル30の嵌合部31は、複数のコンタクト20の接点部21の全周を覆うような扁平な筒形状を有していたが、これに限るものではなく、複数のコンタクト20の接点部21の一部のみを覆うものであっても、防水コネクタの使用状況によっては、シールド効果を奏することができる。さらに、シールド効果を得る必要がなく、基板取付部32を介して防水コネクタを基板41に取り付けるためのものとしてシェルを使用する場合には、シェルは、複数のコンタクト20の接点部21を覆っていなくてもよい。
上記の実施の形態1で用いられたシェル30では、複数のシェル溝34が、保持部33の腕部33bに形成されていたが、腕部33bに限るものではなく、ハウジング10内に埋め込まれて嵌合部31から基板取付部32に至る経路の途中に配置される保持部33の狭窄部に形成されていればよい。
同様にして、後方突出部53aの代わりに、一対の脚部53cの表面にそれぞれ複数のシェル溝54を形成してもよい。このようにしても、同様の防水効果が得られることとなる。
上記の実施の形態1および2で用いられたシェル30および50では、複数のシェル溝34および54が、狭窄部である脚部33cおよび後方突出部53aにそれぞれ形成されていたが、必ずしも、狭窄部に形成しなくてもよい。
図21に、実施の形態3に係る防水コネクタの分解図を示す。この防水コネクタは、実施の形態1の防水コネクタにおいて、シェル30の代わりに、狭窄部を有しないシェル60を用いたものである。
嵌合部61は、複数のコンタクト20の前端に配置された接点部21の周囲を覆いながら、内面部分がハウジング10から露出し、保持部63は、内面部分および外面部分がすべてハウジング10内に埋め込まれる。
シェル60の表面に沿って嵌合部61から双方の基板取付部62に至るには、シェル溝64あるいはシェル溝65を越える必要があり、これらのシェル溝64および65により、保持部63とハウジング10との界面に沿った水の浸入を遮断することが可能となる。
このように、中空の保持部63を有するシェル60を用いても、ハウジング10とシェル60およびコンタクト20との間に優れた防水効果が得られる。
上記の実施の形態1〜3で用いられたシェル溝34、54、64および65並びにコンタクト溝24からなる防水溝は、図5および図10に示したように、それぞれ鋭く尖った溝底部を有していたが、例えば、図27に示されるように、丸みを帯びた曲面からまる溝底部Rを有していてもよい。このような丸みのある溝底部Rを有することにより、防水溝が形成されたシェルおよびコンタクトの剛性がさらに増し、コネクタ組立工程における作業性が向上する。
この場合、図5および図10に示したように、防水溝が、ハウジング保持部のいずれの面においても互いに同じ位置に形成されていてもよいが、図28に示されるように、防水溝Gを、ハウジング保持部の面によって位置ずれ量dだけ位置をずらして、互いに異なる位置に形成することもできる。また、図5および図10では、防水溝が、ハウジング保持部のいずれの面においても互いに同一方向に傾斜する中心線Cを有していたが、図29に示されるように、防水溝Gを、ハウジング保持部の面によって中心線Cが異なる方向に傾斜するように形成することもできる。
このように、ハウジング保持部の面に応じて防水溝Gの形成位置をずらす、あるいは、ハウジング保持部の面に応じて防水溝Gの中心線Cの傾斜の向きを異ならせることにより、電流が流れる方向から見たシェルおよびコンタクトの断面積の減少がさらに抑制され、防水溝Gの形成によるシェルおよびコンタクトの電気抵抗の増大および剛性の低下をさらに抑えることが可能となる。
このように、ハウジング保持部の1つの面上に、互いに異なる傾斜方向に掘り下げられた複数の防水溝Gを形成することにより、いわゆる意地悪嵌合等に起因して、ハウジング10とハウジング保持部の間にいずれの方向から応力が加わっても、ハウジング10の絶縁性樹脂とハウジング保持部との間に剥離が発生しにくくなり、防水性をさらに向上させることができる。
また、シェルを有しないコネクタの1つ以上のコンタクトのハウジング保持部に防水溝を形成することもできる。
Claims (15)
- 導電部材が絶縁性樹脂からなるハウジングに一体に成形された防水コネクタにおいて、
前記導電部材は、前記ハウジングから露出して相手側コネクタと接続される相手側コネクタ接続部と、前記ハウジングから露出して基板に取り付けられる基板取付部と、前記相手側コネクタ接続部と前記基板取付部との間を接続し且つ前記ハウジング内に埋め込まれるハウジング保持部とを有し、
前記ハウジング保持部の表面に、前記ハウジング保持部と前記ハウジングとの界面に沿った水の浸入を遮断するための防水形状部が形成され、
前記防水形状部が、前記ハウジング保持部の表面を前記相手側コネクタ接続部の側と前記基板取付部の側とに分離するように形成され且つ前記ハウジング保持部の周囲を囲って閉じるように形成された1つ以上の防水溝からなり、断面形状における前記防水溝の開口部から底部に至る中心線が前記ハウジング保持部の表面に対して深さ方向に斜めに延びることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記防水溝は、0.01mm以上の溝深さを有する請求項1に記載の防水コネクタ。
- 前記防水溝は、丸みのある溝底部を有する請求項1または2に記載の防水コネクタ。
- 前記防水溝は、前記ハウジングに接触する前記ハウジング保持部のすべての面にそれぞれ形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
- 前記防水溝は、前記ハウジング保持部のいずれの面に対しても互いに同一方向に傾斜する前記中心線を有する請求項4に記載の防水コネクタ。
- 前記防水溝は、前記ハウジング保持部の複数の面に応じてそれぞれの前記面に対して異なる方向に傾斜する前記中心線を有する請求項4に記載の防水コネクタ。
- 前記防水形状部は、前記ハウジング保持部の1つの面上に形成された複数の前記防水溝を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
- 前記ハウジング保持部の1つの面上に形成された前記複数の防水溝は、前記面に対して互いに同一方向に傾斜する前記中心線を有する請求項7に記載の防水コネクタ。
- 前記ハウジング保持部の1つの面上に形成された前記複数の防水溝は、前記面に対して前記中心線が互いに異なる方向に傾斜する前記防水溝を含んでいる請求項7に記載の防水コネクタ。
- 前記防水溝の前記開口部は、前記ハウジング保持部の表面において、前記ハウジング保持部の中心軸に対して垂直な方向に延びている請求項1〜9のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
- 前記防水溝の前記開口部は、前記ハウジング保持部の表面において、前記ハウジング保持部の中心軸に対して斜めに延びている請求項1〜9のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
- 前記導電部材は、シェルからなり、
前記相手側コネクタ接続部は、相手側コネクタと嵌合する嵌合部からなり、
前記ハウジング保持部は、前記嵌合部よりも細く形成されたシェル狭窄部を含み、
前記防水形状部は、前記シェル狭窄部の表面に形成されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の防水コネクタ。 - 前記導電部材は、シェルからなり、
前記相手側コネクタ接続部は、相手側コネクタと嵌合する嵌合部からなり、
前記ハウジング保持部は、中空の形状を有し、
前記防水形状部は、前記ハウジング保持部の外周面および内周面にそれぞれ形成されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の防水コネクタ。 - 前記導電部材は、1つ以上のコンタクトからなり、
前記相手側コネクタ接続部は、前記相手側コネクタのコンタクトに接触する接点部からなり、
前記ハウジング保持部は、前記接点部および前記基板接続部よりも細く形成されたコンタクト狭窄部を含み、
前記防水形状部は、前記コンタクト狭窄部の表面に形成されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の防水コネクタ。 - 前記導電部材は、シェルおよび1つ以上のコンタクトからなり、
前記防水形状部は、前記シェルおよび前記1つ以上のコンタクトにそれぞれ形成されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
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