以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態では、操作装置101及び操作装置101を用いた車両用操作装置500について説明する。図1は、本発明の第1実施形態の操作装置101及び車両用操作装置500を説明する構成斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の操作装置101及び車両用操作装置500を説明する構成図であって、図1に示すY2側から見た正面図である。図3は、本発明の第1実施形態の操作装置101及び車両用操作装置500を説明する構成図であって、図2に示すIII−III線における断面図である。図4は、本発明の第1実施形態の操作装置101を説明する構成図であって、配線パネルLP5の平面図である。なお、図1において、操作パネルPN1のパターン部11及び表示部91は、ハッチングで示しており、図2に示す詳細な図柄は省略している。また、図4において、説明を分かり易くするため、操作パネルPN1のパターン部11及び表示部91を破線で重ねて示している。
本発明の第1実施形態の車両用操作装置500は、図1及び図2に示すような外観を呈し、図3に示すように、操作者により操作される操作パネルPN1を有した操作装置101と、操作装置101から出力される信号に基づいて命令信号を車両側に送信する制御部511と、操作パネルPN1を照光する照光部材SB6と、を備えて構成されている。他に、本発明の第1実施形態の車両用操作装置500には、操作装置101、制御部511及び照光部材SB6を収容する筐体515と、照光部材SB6の発光光源LEと制御部511とを搭載する回路基板519と、を有している。そして、この車両用操作装置500は、車両に搭載され、車両内の各種電子機器の操作をするために用いられる。
車両用操作装置500の操作装置101は、図1に示すように、箱状の筐体515内に収容されており、操作者により操作される操作パネルPN1が前面(図1に示すY2側)の表面に露出するようにして配設されている。また、操作パネルPN1には、図2に示すように、操作者により操作されるパターン部11が複数個形成されているとともに、操作者に情報を与えるための表示部91が複数個形成されている。そして、図3に示すように、操作者が操作パネルPN1のパターン部11を操作者の指等の身体特定部位F9で操作することにより、パターン部11に対応した操作が行えるようになっている。例えば、図2に示す空調のレベルを示したパターン部11(11a、11b、11c、11d)のいずれかに身体特定部位F9が触れられると、そのレベルに合わせるように空調の送風が制御されるようになる。
車両用操作装置500の制御部511は、集積回路(IC、Integrated Circuit)を用いて構成され、図3に示すように、回路基板519に搭載されている。そして、制御部511は、図示していないコネクタを介して、身体特定部位F9によって操作されたパターン部11に対応した命令信号を車両側に送信している。この命令信号を受けて、車両側では、パターン部11に対応した動作を行うようにしている。
また、制御部511は、表示が可変の表示部91、例えば、図2に示す温度表示である表示部91a及び表示部91bにおける表示の制御も行っている。なお、本発明の第1実施形態では、操作パネルPN1のパターン部11として、車両の空調に関する入力部を用いたが、これに限るものではなく、例えば、オーディオ操作やナビゲーション操作の入力部であっても良い。
車両用操作装置500の照光部材SB6は、図3に示すように、回路基板519に搭載された発光光源LEと、発光光源LEからの光が入光する入光部16nを有するとともに操作パネルPN1と対向するように配設されたライトガイドG16と、ライトガイドG16と操作パネルPN1との間に配設された散乱部材S56と、を備えて構成されている。そして、照光部材SB6は、操作パネルPN1の裏面側(図1に示すY1側)に配置され、透光性の複数のパターン部11を照光している。
照光部材SB6の発光光源LEは、上面発光方式のLED(Light Emitting Diode)を好適に用いており、図3に示すように、入光部16nと対向する位置に配置されているとともに、入光部16nに光を入光できる向きに発光面を向けて配置されている。
照光部材SB6のライトガイドG16は、図3に示すように、ブロック状の形状を有し、その材質として、透光性を有したアクリルの合成樹脂を用いている。そして、入光部16nから入光した光は、ライトガイドG16の内部を伝搬して、ライトガイドG16から操作パネルPN1に向かって出射し、散乱部材S56に入射するようになっている。なお、合成樹脂材料として、アクリル樹脂を用いたが、これに限るものではなく、例えばポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂やシリコーン樹脂等を用いても良い。
照光部材SB6の散乱部材S56は、層内部で光を反射、散乱させる性質を有するフィルム材を用い、図3に示すように、操作パネルPN1と対向する側のライトガイドG16に貼り付けられている。これにより、散乱部材S56に入射した光は、反射、散乱されて、前面側(図1に示すY2側)へ照射光として放射される。そして、この照射光は、透光性のパターン部11を照射し、表面側から操作装置101を視認した際、ユーザは、この照射光を視認することができ、照明されたパターン部11を確認することができる。
車両用操作装置500の筐体515は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、Poly Butylene Terephtalate)等の合成樹脂を用いて、図1に示すように、箱状に成形されており、上ケース513と下ケース514とを組み合わせて構成されている。また、上ケース513には、操作者が操作する前面側に矩形状の開口部513kを有しており、操作パネルPN1の表面が露出するようになっている。
車両用操作装置500の回路基板519は、一般に広く用いられているプリント配線板(PWB、Printed Wiring Board)を用いており、図3に示し前述したように、照光部材SB6の発光光源LEと制御部511とがはんだ付けされて搭載されている。
次に、本発明の操作装置101について、更に詳細に説明する。本発明の操作装置101は、図3に示すように、透光性の複数のパターン部11が表面側に形成された操作パネルPN1と、操作パネルPN1の裏面側に配置され複数の電極A3を有する配線パネルLP5と、電極A3の静電容量を検出する静電容量検出部17と、を備えて構成されている。
操作装置101の操作パネルPN1は、図3に示すように、透光性の基材P19と、基材P19の裏面に形成された遮光層P21と、基材P19の表面に形成された表示層P31と、から構成されている。
操作パネルPN1の基材P19は、無色で透光性のポリカーボネートの合成樹脂からなり、図3に示すように、板状で、基材P19の表面がユーザから視認される位置に配置される。なお、合成樹脂材料として、ポリカーボネート樹脂を用いたが、これに限るものではなく、例えばアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂等を用いても良い。
操作パネルPN1の遮光層P21は、黒色で遮光性を有するアクリル系の合成樹脂からなり、図3に示すように、基材P19の裏面に形成されており、照光部材SB6からの照射光を遮光している。このため、この遮光層P21が形成されていない部分のみ照射光が透過されて、照光時において、ユーザに照光部として視認される。この照光部は、前述したパターン部11及び一部の表示部91を形成している。そして、この透光性の複数のパターン部11が操作者により視認され、このパターン部11を操作者が操作することとなる。この遮光層P21の作製は、カーボンの粉末とアクリル系樹脂と溶剤とが混合された黒色インクをスクリーン版で基材P19の裏面に印刷し、乾燥,固化することにより、容易に行うことができる。
操作パネルPN1の表示層P31は、有色のアクリル系の合成樹脂からなり、図3に示すように、基材P19の表面に形成されており、表示が不変の表示部91を形成している。この表示層P31の作製は、顔料または染料とアクリル系樹脂と溶剤とが混合された有色インクを、遮光層P21と同様に、スクリーン版で基材P19の表面に印刷し、乾燥,固化することにより、容易に行うことができる。
操作装置101の配線パネルLP5は、図3に示すように、透光性の基材L19と、基材L19の前面(図3に示すY2側)に形成された導電部材12と、導電部材12を覆うようにして形成された粘着層L22と、から構成されている。そして、操作パネルPN1の裏面側に配置され、粘着層L22により、操作パネルPN1に貼り付けられている。なお、粘着層L22は、透光性のアクリル系の合成樹脂からなり、照光部材SB6からの照射光が透過可能となっている。
配線パネルLP5の基材L19は、無色で透光性のポリエチレンテレフタレート(PET、Polye Ethylene Terephthalate)の合成樹脂のフィルム基材からなり、照射光を透過可能にしている。なお、合成樹脂材料として、ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いたが、これに限るものではなく、例えばポリウレタン樹脂、アクリル樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂(PEN、Polyethylene naphthalate)等を用いても良い。
配線パネルLP5の導電部材12は、図4に示すように、パターン部11の周囲に配置された複数の電極A3と、複数の電極A3のそれぞれと接続された複数の配線部A5と、を有して構成され、複数の電極A3及び複数の配線部A5は、平面視において、パターン部11に重ならない位置に配置されている。特に、複数の電極A3の内、所定のパターン部11が操作されたことを検出する検出電極AD4は、所定のパターン部11の周囲に少なくとも2つ配置されている。
導電部材12の作製は、銀の粉末とポリエステル樹脂と溶剤とが混合された銀インクをスクリーン版で基材P19の前面に印刷し、乾燥,固化することにより、容易に行うことができる。
操作装置101の静電容量検出部17は、図3に示すように、回路基板519に搭載されており、容量検出回路を有した集積回路を備え、電極A3と身体特定部位F9との静電容量を検出している。また、静電容量検出部17は、集積回路に制御回路を有したコントロール部を備えており、検出した静電容量の検出結果から所定のパターン部11への操作の有無を判断し、その判断結果からの命令信号を車両側に送信している。なお、複数の電極A3及び複数の配線部A5と静電容量検出部17との接続は、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC、Flexible printed circuits)により行っている。
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置101では、静電容量検出部17のコントロール部が、2つの検出電極AD4における静電容量の変化を同時に検出した際に、2つの検出電極AD4が取り囲む所定のパターン部11が操作されたと判断するようにしている。これにより、前述した比較例のように、静電容量センサS09の1つの電極E9で判定する場合と比較して、入力判定領域を制限することができ、入力判定領域を所望の領域として特定することができる。このため、身体特定部位F9の操作する位置が所定のパターン部11からずれた場合には、入力判定を出力しないようにできる。このことにより、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。
また、他のパターン部11の配線部A5が所定のパターン部11の近傍に敷設されていたとしても、所定のパターン部11を操作する際に、この他のパターン部11の配線部A5が検知したのみでは、他のパターン部11の操作がされたと判断されない。このことにより、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。
また、本発明の第1実施形態では、図4に示すように、複数の検出電極AD4の内、所定のパターン部11を挟んで、第1検出電極D14と第2検出電極D24とが対向して配置されている(例えば、図4に示すヒータ表示や風量表示のパターン部11aやパターン部11eに配設された第1検出電極D14及び第2検出電極D24を参照)。これにより、2つの電極A3間の中心と所定のパターン部11の中心とを一致させることができる。このため、所定のパターン部11の中心部を中心とした領域を入力判定領域とすることができ、身体特定部位F9が操作する位置が所定のパターン部11から少しでもずれた場合であっても、入力判定を出力しないようにできる。このことにより、適切な操作に対応してより確実に入力判定することができ、誤動作をより確実に低減することができる。
また、複数の検出電極AD4の内、図4に示すように、複数個隣り合っているパターン部11に対応した位置に配置された複数の検出電極AD4が、電気的に接続されて連結検出電極D74になっている(例えば、図4に示す風量表示のパターン部11a及びパターン部11bに配設された連結検出電極D74a、パターン部11b及びパターン部11cに配設された連結検出電極D74cを参照)。これにより、1つの連結検出電極D74に1つ配線部A5を接続させるだけで良く、トータルの配線部A5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、検出電極AD4及び配線部A5の配設の自由度を増加させることができる。更に、トータルの配線部A5の数を減らすことができるので、配線部A5が接続される集積回路で処理するデータ量を減らせることができ、集積回路への負担を軽減することができる。
また、本発明の第1実施形態では、配線部A5においても、図4に示すように、複数のパターン部11に対応して配置された少なくとも2つの検出電極AD4に接続された配線部A5の内、パターン部11に対応して配置された検出電極AD4の一方に接続された複数の配線部A5を集めて第1配線群AG15とし、パターン部11に対応して配置された検出電極AD4の他方に接続された複数の配線部A5を集めて第2配線群AG25としている。そして、第1配線群AG15と第2配線群AG25が配設される領域が異なるようにしている。これにより、少なくとも2つの配線部A5を同時に触れることが少なくなる。このため、配線部A5による誤検出の発生を低減することができる。このことにより、適切な操作に対応してより一層確実に入力判定することができ、誤動作をより一層確実に低減することができる。
更に、図4に示すように、第1配線群AG15内において複数の配線部A5のいくつかが接続され一つの配線群に集約されているとともに(図4に指し示すJ1部分を参照)、第2配線群AG25内において複数の配線部A5のいくつかが接続され一つの配線群に集約されている(図4に指し示すJ2部分を参照)。これにより、複数の配線部A5が集約されており、トータルの配線部A5の数を減らすことができる。このことにより、検出電極AD4及び配線部A5の配設の自由度が増加するとともに、省スペース化が可能となる。
また、本発明の第1実施形態では、以上のような効果を有した操作装置101を車両用操作装置500に用いている。特に、車両用操作装置500では、車両内での操作に対して、ブラインド操作や注視できない操作が多いので、身体特定部位F9が操作する位置が所定のパターン部11からずれた場合であっても、入力判定を出力しないようにでき、誤動作を確実に低減することができる。また、車両用操作装置500では、車両内での操作に対して、車の振動の影響を受けることがあり、確実に操作できない場合でも、誤動作を確実に低減することができる。このように、本発明の第1実施形態の操作装置101を車両用操作装置500に好適に適用することができる。
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置101及び車両用操作装置500における、効果について、以下に纏めて説明する。
本発明の第1実施形態の操作装置101は、所定のパターン部11の周囲に少なくとも2つの検出電極AD4を配置し、静電容量検出部17が、この検出電極AD4の静電容量変化を同時に検出した際に、所定のパターン部11が操作されたと判断する構成にした。これにより、前述した比較例のように、静電容量センサS09の1つの電極E9で判定する場合と比較して、入力判定領域を制限することができ、入力判定領域を所望の領域として特定することができる。このため、操作者の指等の身体特定部位F9の操作する位置が所定のパターン部11からずれた場合には、入力判定を出力しないようにできる。このことにより、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。
また、他のパターン部11の配線部A5が所定のパターン部11の近傍に敷設されていたとしても、所定のパターン部11を操作する際に、この他のパターン部11の配線部A5が検知したのみでは、他のパターン部11の操作がされたと判断されない。このことにより、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。
また、複数の検出電極AD4の内、第1検出電極D14と第2検出電極D24が、所定のパターン部11を挟んで対向して配置されている。これにより、2つの電極A3間の中心と所定のパターン部11の中心とを一致させることができる。このため、所定のパターン部11の中心部を中心とした領域を入力判定領域とすることができ、身体特定部位F9が操作する位置が所定のパターン部11から少しでもずれた場合には、入力判定を出力しないようにできる。このことにより、適切な操作に対応してより確実に入力判定することができ、誤動作をより確実に低減することができる。
また、複数の検出電極AD4の内、複数個隣り合っているパターン部11に対応して配置された複数の検出電極AD4が、電気的に接続されて連結検出電極D74になっている。これにより、1つの連結検出電極D74に1つ配線部A5を接続させるだけで良く、トータルの配線部A5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、検出電極AD4及び配線部A5の配設の自由度を増加させることができる。更に、トータルの配線部A5の数を減らすことができるので、配線部A5が接続される集積回路で処理するデータ量を減らせることができ、集積回路への負担を軽減することができる。
また、複数のパターン部11に対応して配置された検出電極AD4の一方に接続された第1配線群AG15とパターン部11に対応して配置された検出電極AD4の他方に接続された第2配線群AG25が配設される領域が異なるので、2つの配線群(第1配線群AG15及び第2配線群AG25)を同時に触れることが極めて少なくなる。このため、配線部A5による誤検出の発生を低減することができる。このことにより、適切な操作に対応してより一層確実に入力判定することができ、誤動作をより一層確実に低減することができる。
また、第1配線群AG15内の配線部A5のいくつかが一つの配線群に集約されているとともに、第2配線群AG25内の配線部A5のいくつかが一つの配線群に集約されているので、複数の配線部A5が集約されており、トータルの配線部A5の数を減らすことができる。このことにより、検出電極AD4及び配線部A5の配設の自由度が増加するとともに、省スペース化が可能となる。
本発明の第1実施形態の車両用操作装置500は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の操作装置101を備えているので、車両内での操作に対して、ブラインド操作や注視できない操作により、操作者の指等の身体特定部位F9の位置が所定のパターン部11からずれた場合であっても、入力判定を出力しないようにでき、誤動作を確実に低減することができる。また、車両内での操作に対して、車の振動の影響によって確実に操作できない場合でも、誤動作を確実に低減することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態では、操作装置102について説明する。図5は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する構成斜視図である。図6は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する構成図であって、図5に示すY2側から見た正面図である。図7は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する構成図であって、図6に示すVII−VII線における断面図である。図8は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する構成図であって、配線パネルLP7の平面図である。なお、図5において、操作パネルPN2のパターン部21及び表示部9Bは、ハッチングで示しており、図6に示す詳細な図柄は省略している。また、図8において、説明を分かり易くするため、操作パネルPN2のパターン部21及び表示部9Bを破線で重ねて示している。また、第2実施形態の操作装置102は、第1実施形態の操作装置101に対し、操作パネルPN2の構成が異なる。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明の第2実施形態の操作装置102は、図5及び図6に示すような外観を呈し、図7に示すように、透光性の複数のパターン部21が表面側に形成された操作パネルPN2と、操作パネルPN2の裏面側に配置され複数の電極B3を有する配線パネルLP7と、電極B3の静電容量を検出する静電容量検出部27と、を備えて構成されている。他に、本発明の第2実施形態の操作装置102には、配線パネルLP7を裏面側から照光する照光部材SB7と、照光部材SB7の裏面側に配設された回路基板529と、操作パネルPN2、配線パネルLP7、照光部材SB7及び回路基板529を収容する筐体525と、を有している。そして、この操作装置102は、各種電子機器に接続され、静電容量式の入力装置として利用される。
操作装置102の操作パネルPN2は、図7に示すように、透光性の基材P29と、基材P29の裏面に形成された遮光層P41と、基材P29の表面に形成された表示層P51と、から構成されている。
操作パネルPN2の基材P29は、無色で透光性のポリウレタンの合成樹脂からなり、図7に示すように、板状で、基材P29の表面がユーザから視認される。なお、合成樹脂材料として、ポリウレタン樹脂を用いたが、これに限るものではなく、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂やシリコーン樹脂等を用いても良い。
操作パネルPN2の遮光層P41は、黒色で遮光性を有するアクリル系の合成樹脂からなり、図7に示すように、基材P29の裏面に形成されており、照光部材SB7からの照射光を遮光している。このため、この遮光層P41が形成されていない部分のみ照射光が透過されて、照光時において、ユーザに照光部として視認される。この照光部は、前述したパターン部21及び一部の表示部9Bを形成している。そして、この透光性の複数のパターン部21が操作者により視認され、このパターン部21を操作者が操作することとなる。この遮光層P41の作製は、カーボンの粉末とアクリル系樹脂と溶剤とが混合された黒色インクをスクリーン版で基材P29の裏面に印刷し、乾燥,固化することにより、容易に行うことができる。
操作パネルPN2の表示層P51は、有色のアクリル系の合成樹脂からなり、図7に示すように、基材P29の表面に形成されており、表示が不変の表示部9Bを形成している。この表示層P51の作製は、顔料または染料とアクリル系樹脂と溶剤とが混合された有色インクを、遮光層P41と同様に、スクリーン版で基材P29の表面に印刷し、乾燥,固化することにより、容易に行うことができる。
操作装置102の配線パネルLP7は、図7に示すように、透光性の基材L29と、基材L29の前面(図7に示すY2側)に形成された導電部材22と、導電部材22を覆うようにして形成された粘着層L42と、から構成されている。そして、操作パネルPN2の裏面側に配置され、粘着層L42により、操作パネルPN2に貼り付けられている。なお、粘着層L42は、透光性のアクリル系の合成樹脂からなり、照光部材SB7からの照射光が透過可能となっている。
配線パネルLP7の基材L29は、無色で透光性のポリエチレンナフタレートの合成樹脂のフィルム基材からなり、照射光を透過可能にしている。なお、合成樹脂材料として、ポリエチレンナフタレート樹脂を用いたが、これに限るものではなく、例えばポリウレタン樹脂、アクリル樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等を用いても良い。
配線パネルLP7の導電部材22は、図8に示すように、パターン部21の周囲に配置された複数の電極B3と、複数の電極B3のそれぞれと接続された複数の配線部B5と、を有して構成され、複数の電極B3及び複数の配線部B5は、平面視して、パターン部21に重ならない位置に配置されている。特に、複数の電極B3の内、所定のパターン部21が操作されたことを検出する検出電極BD4は、所定のパターン部21の周囲に少なくとも2つ配置されている。
操作装置102の静電容量検出部27は、図7に示すように、回路基板529に搭載されており、容量検出回路を有した集積回路を備え、電極B3と操作者の指等の身体特定部位F9との静電容量を検出している。また、静電容量検出部27は、集積回路に制御回路を有したコントロール部を備えており、検出した静電容量の検出結果を判断し、その判断結果からの命令信号を接続される電子機器に送信している。なお、複数の電極B3及び複数の配線部B5と静電容量検出部27との接続は、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC、Flexible Printed Circuits)により行っている。
以上のように構成された本発明の第2実施形態の操作装置102では、静電容量検出部27のコントロール部が、2つの検出電極BD4における静電容量の変化を同時に検出した際に、2つの検出電極BD4が取り囲む所定のパターン部21が操作されたと判断するようにしている。これにより、前述した比較例のように、静電容量センサS09の1つの電極E9で判定する場合と比較して、入力判定領域を制限することができ、入力判定領域を所望の領域として特定することができる。このため、身体特定部位F9の操作する位置が所定のパターン部21からずれた場合には、入力判定を出力しないようにできる。このことにより、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。
また、他のパターン部21の配線部B5が所定のパターン部21の近傍に敷設されていたとしても、所定のパターン部21を操作する際に、この他のパターン部21の配線部B5が検知したのみでは、他のパターン部21の操作がされたと判断されない。このことにより、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。
また、本発明の第2実施形態では、図8に示すように、複数の検出電極BD4の内、所定のパターン部21を挟んで、第1検出電極D34と第2検出電極D44とが対向して配置されている(例えば、図8に示す切り換え表示や送り表示のパターン部21aやパターン部21bに配設された第1検出電極D34及び第2検出電極D44を参照)。これにより、2つの電極B3間の中心と所定のパターン部21の中心とを一致させることができる。このため、所定のパターン部21の中心部を中心とした領域を入力判定領域とすることができ、身体特定部位F9が操作する位置が所定のパターン部21から少しでもずれた場合には、入力判定を出力しないようにできる。このことにより、適切な操作に対応してより確実に入力判定することができ、誤動作をより確実に低減することができる。
また、複数の検出電極BD4の内、図8に示すように、複数個隣り合っているパターン部21に配置された複数の検出電極BD4が、電気的に接続されて連結検出電極D94になっている(例えば、図8に示す送り表示のパターン部21b及びパターン部21cに配設された連結検出電極D94b、パターン部21d及びパターン部21eに配設された連結検出電極D94cを参照)。これにより、1つの連結検出電極D94に1つ配線部B5を接続させるだけで良く、トータルの配線部B5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、検出電極BD4及び配線部B5の配設の自由度を増加させることができる。更に、トータルの配線部B5の数を減らすことができるので、配線部B5が接続される集積回路で処理するデータ量を減らせることができ、集積回路への負担を軽減することができる。
また、本発明の第2実施形態では、配線部B5においても、図4に示すように、少なくとも2つの検出電極BD4と接続された配線部B5のそれぞれが、一定の距離を隔てて配設されている(例えば、図8に示す配線部B5aと配線部B5b、線部B5cと配線部B5dを参照)。これにより、少なくとも2つの配線部B5を同時に触れることが少なくなる。このため、配線部B5による誤検出の発生を低減することができる。このことにより、適切な操作に対応してより一層確実に入力判定することができ、誤動作をより一層確実に低減することができる。
更に、図8に示すように、複数のパターン部21に対応して配置された検出電極BD4の一方に接続された複数の配線部B5のいくつかが接続されているとともに(図8に指し示すJ3部分を参照)、パターン部21に対応して配置された検出電極BD4の他方に接続された複数の配線部B5のいくつかが接続されている(図8に指し示すJ4部分を参照)。これにより、複数の配線部B5が集約されており、トータルの配線部B5の数を減らすことができる。このことにより、検出電極BD4及び配線部B5の配設の自由度が増加するとともに、省スペース化が可能となる。
操作装置102の照光部材SB7は、図7に示すように、フィルム状に形成された平面発光光源OLEと、平面発光光源OLEと操作パネルPN2との間に配設された散乱部材S57と、を備えて構成されている。そして、照光部材SB7は、操作パネルPN2の裏面側(図5に示すY1側)に配置され、透光性の複数のパターン部21を照光している。
照光部材SB7の平面発光光源OLEは、有機エレクトロルミネッセンス(OLE、Organic Electro-Luminescence)を好適に用いており、図7に示すように、操作パネルPN2の向きに発光面を向けて配置されている。また、平面発光光源OLEは、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC)により、平面発光光源OLEを駆動するドライバ回路SD3と接続されている。
照光部材SB7の散乱部材S57は、層内部で光を反射、散乱させる性質を有するフィルム材を用い、操作パネルPN2と対向する側の平面発光光源OLEに貼り付けられている。これにより、散乱部材S57に入射した光は、反射、散乱されて、前面側(図1に示すY2側)へ照射光として放射される。そして、この照射光は、透光性のパターン部21を照射し、表面側から操作装置102を視認した際、ユーザは、この照射光を視認することができ、照明されたパターン部21を確認することができる。なお、本発明の第2実施形態では、平面発光光源OLEを用いた照光部材SB7を好適に用いたが、本発明の第1実施形態の照光部材SB6を用いても良い。
操作装置102の筐体525は、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の合成樹脂を用いて、図5に示すように、箱状に成形されており、上ケース523と下ケース524とを組み合わせて構成されている。また、上ケース523には、操作者が操作する前面側に矩形状の開口部523kを有しており、操作パネルPN2の表面側が露出するようになっている。
操作装置102の回路基板529は、一般に広く用いられているプリント配線板(PWB)を用いており、図7に示し前述したように、静電容量検出部27と平面発光光源OLEのドライバ回路SD3とがはんだ付けされて搭載されている。
以上のように構成された本発明の第2実施形態の操作装置102における、効果について、以下に纏めて説明する。
本発明の第2実施形態の操作装置102は、所定のパターン部21の周囲に少なくとも2つの検出電極BD4を配置し、静電容量検出部27が、この検出電極BD4の静電容量変化を同時に検出した際に、所定のパターン部21が操作されたと判断する構成にした。これにより、前述した比較例のように、静電容量センサS09の1つの電極E9で判定する場合と比較して、入力判定領域を制限することができ、入力判定領域を所望の領域として特定することができる。このため、操作者の指等の身体特定部位F9の操作する位置が所定のパターン部21からずれた場合には、入力判定を出力しないようにできる。このことにより、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。
また、他のパターン部21の配線部B5が所定のパターン部21の近傍に敷設されていたとしても、所定のパターン部21を操作する際に、この他のパターン部21の配線部B5で検知が検知したのみでは、他のパターン部21の操作がされたと判断されない。このことにより、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。
また、複数の検出電極BD4の内、第1検出電極D34と第2検出電極D44が、所定のパターン部21を挟んで対向して配置されている。これにより、2つの電極B3間の中心と所定のパターン部21の中心とを一致させることができる。このため、所定のパターン部21の中心部を中心とした領域を入力判定領域とすることができ、身体特定部位F9が操作する位置が所定のパターン部21から少しでもずれた場合には、入力判定を出力しないようにできる。このことにより、適切な操作に対応してより確実に入力判定することができ、誤動作をより確実に低減することができる。
また、複数の検出電極BD4の内、複数個隣り合っているパターン部21に配置された複数の検出電極BD4が、電気的に接続されて連結検出電極D94になっている。これにより、1つの連結検出電極D94に1つ配線部B5を接続させるだけで良く、トータルの配線部B5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、検出電極BD4及び配線部B5の配設の自由度を増加させることができる。更に、トータルの配線部B5の数を減らすことができるので、配線部B5が接続される集積回路で処理するデータ量を減らせることができ、集積回路への負担を軽減することができる。
また、少なくとも2つの検出電極BD4と接続された配線部B5のそれぞれが、一定の距離を隔てて配設されている。これにより、少なくとも2つの配線部B5を同時に触れることが少なくなる。このため、配線部B5による誤検出の発生を低減することができる。このことにより、適切な操作に対応してより一層確実に入力判定することができ、誤動作をより一層確実に低減することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
図9は、本発明の第1実施形態の車両用操作装置500の変形例1を説明する構成図であって、図3と同じ箇所を表した断面図である。
<変形例1>
上記第1実施形態では、上面発光方式のLEDの発光光源LEとブロック形状のライトガイドG16と散乱部材S56とを用いて照光部材SB6を構成したが、これに限るものではない。例えば図9に示すように、側面発光方式のLEDの発光光源CLEと平板形状のライトガイドGC6とライトガイドGC6の裏面側に形成された拡散層C56とを用いて照光部材SC6を構成しても良い。これにより、車両用操作装置C500の厚みを薄くすることができる。
<変形例2>
上記第2実施形態においても、散乱部材S57に換えて、照光部材SC6を用いた構成にしても良い。
<変形例3>
上記第2実施形態の操作装置102を車両用のオーディオ装置に適用し、車両用操作装置として構成しても良い。
<変形例4>
上記実施形態では、配線パネル(LP5、LP7)の基材(L19、L29)として、無色で光透光性を有する基材を用いて照射光を透過するように構成したが、操作パネル(PN1、PN2)のパターン部(11、21)に相当する領域を開口させることで、照射光を透過させても良い。これにより、無色透明な基材を用いなくても良い。
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。