JP5915785B2 - 中空容器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、中空容器の製造方法に関する。
例えば、特許文献1には円筒状を呈する金属部材同士を摩擦圧接によって接合する方法が開示されている。この接合方法は、円筒状の金属部材の端面同士を押圧しつつ中心軸周りに高速回転させることで、接合面に摩擦熱を発生させて両部材を接合するというものである。
特開平8−215863号公報
一方、金属部材同士を突き合わせた突合部が平面視矩形枠状を呈する場合、金属部材同士を回転させて接合することができないため、金属部材同士を直線状に往復移動させて接合することが考えられる。図11は課題を説明するための図であって、(a)は接合前の分解斜視図、(b)は接合後の模式平面図である。ここでは、平面視長方形の本体部101と、平面視長方形の蓋部102とを摩擦圧接により接合して中空容器を製造する場合を例示する。本体部101は、長方形を呈する底部103と、底部103に立設された枠状の側壁部104とを有する。側壁部104の長辺部及び短辺部の壁厚さは同一になっている。蓋部102は、本体部101の開口を覆う板状部材である。
このような平面視長方形の部材に対して摩擦圧接を行う際には、側壁部104の上面と蓋部102の下面とを突き合せた後、例えば、図11の(b)に示すように、側壁部104の長辺部の延長方向に対して平行に、本体部101と蓋部102とを相対的に往復移動させて接合することが考えられる。しかし、前記した方法で摩擦圧接を行うと、角部における接合が不十分となり、中空容器の水密性及び密閉性が低下するという問題がある。
このような観点から、本発明は、水密性及び気密性を高めることができる中空容器の製造方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために本発明は、底部と前記底部に立設された側壁部と前記側壁部の上側に形成された平面視矩形枠状の接合部とを備えたアルミニウム合金製の第一部材及び前記第一部材の開口を塞ぐアルミニウム合金製の第二部材を用意する準備工程と、前記接合部と前記第二部材とを面接触させつつ、摩擦圧接する摩擦圧接工程と、を含み、前記接合部は、一対の長辺部と、一対の短辺部と、前記長辺部と前記短辺部を繋ぐ4つの角部とを有し、4つの前記角部全ての外隅部に丸み面取りによる面取り部が形成されており、前記接合部の長辺部の壁厚さをT1とし、前記接合部の短辺部の壁厚さをT2とすると、T2>T1であり、前記摩擦圧接工程では、前記長辺部と実質的に平行な基準線に沿って前記第一部材及び前記第二部材を相対的かつ直線的に往復移動させて摩擦圧接することを特徴とする。
かかる方法によれば、接合部の角部の外隅部が面取りされているため、面取りされていない場合と比べて角部の壁厚さが薄くなる。これにより、摩擦圧接を行う際に、角部に作用する単位面積当りの圧力及び摩擦熱の低下を抑制できるため、角部における接合性が向上する。よって、中空容器の水密性及び気密性を高めることができる。また、4つの角部全ての外隅部に丸み面取りによる面取り部が形成されることにより、第一部材と第二部材とをよりバランスよく接合することができる。また、前記接合部の長辺部の壁厚さをT1とし、前記接合部の短辺部の壁厚さをT2とすると、T2>T1であることで、中空容器の水密性及び気密性をより向上させることができる。
また、前記第一部材には複数の流路孔が形成されており、前記第二部材には複数の前記流路孔に連通するヘッダー流路孔が形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、流路孔及びヘッダー流路孔を備えた中空容器を容易に製造することができる。
本発明に係る中空容器の製造方法によれば、水密性及び気密性の高い中空容器を製造することができる。
本発明の第一実施形態に係る中空容器の分解斜視図である。 第一実施形態に係る中空容器の断面図である。 図2のI−I断面図である。 本発明の第二実施形態に係る中空容器の分解斜視図である。 第二実施形態に係る中空容器の断面図である。 (a)は図5のII−II断面図であり、(b)は(a)のA部の拡大図である。 実施例に係る試験片を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のIII-III断面図である。 実施例に係る試験体の接合条件及び試験結果を示す表である。 実施例に係る第一部材及び第二部材の材質ごとの接合条件を示す表である。 R/T1と圧力低下率との関係を示すグラフである。 課題を説明するための図であって、(a)は接合前の分解斜視図、(b)は接合後の模式平面図である。
[第一実施形態]
本発明の実施形態の中空容器の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態の製造方法で製造された中空容器は、例えば、内部に流体を流して伝熱部材として用いられる。
中空容器1は、図1に示すように、第一部材2と、第二部材3とで構成される。第一部材2及び第二部材3は、いずれもアルミニウム合金で形成されている。第一部材2及び第二部材3は、摩擦圧接が可能な材料であればよく、他の金属材料や樹脂であってもよい。まず、接合する前の第一部材2と第二部材3の構成について説明する。以下の説明における上下、左右、前後は、図1の状態を基準にしているが、便宜的なものであり、摩擦圧接の向きを限定するものではない。
第一部材2は、図1に示すように、底部11と、底部11に立設された平面視矩形枠状の側壁部12と、側壁部12の上側に形成された平面視矩形枠状の接合部13とで主に構成されている。第一部材2の中央には凹部14が形成されている。
側壁部12は、長辺部12a,12aと、短辺部12b,12bと、長辺部12aと短辺部12bとを繋ぐ角部12c,12c,12c,12cとで構成されている。
長辺部12a,12aは、板状を呈し互いに平行に配置されている。短辺部12b,12bは、板状を呈し互いに平行に配置されている。角部12cは、直方体を呈し、側壁部12の四隅に配置されている。角部12cは、長辺部12a及び短辺部12bと同じ高さになっている。
接合部13は、側壁部12の上端面上に形成されており、平面視矩形枠状を呈する。接合部13は、長辺部13a,13aと、短辺部13b,13bと、長辺部13aと短辺部13bとを繋ぐ角部13c,13c,13c,13cとで構成されている。接合部13cの高さは、摩擦圧接工程における寄り代に応じて適宜設定すればよい。
長辺部13a,13aは、板状を呈し互いに平行に配置されている。長辺部13aの壁厚さと、側壁部12の長辺部12aの壁厚さは同じ寸法になっている。短辺部13b,13bは、板状を呈し互いに平行に配置されている。短辺部13bの壁厚さと、側壁部12の短辺部12bの壁厚さは同じ寸法になっている。
角部13cは、板状を呈し接合部13の四隅に配置されている。角部13cは、長辺部13a及び短辺部13bと同じ高さになっている。角部13cの内隅部には面取り部13dが形成されており、外隅部には面取り部13eが形成されている。面取り部13d及び面取り部13eはいずれも丸み面取りとなっている。面取り部13eの曲率半径は、面取り部13dの曲率半径よりも大きくなっている。
第二部材3は、第一部材2と同等の部材である。第二部材3は、第一部材2の凹部14の開口を塞ぐ部材である。第二部材3の各部位には、第一部材2と同様の符号を付して詳細な説明は省略する。
図2に示すように、第一部材2と第二部材3とを突き合わせることにより、突合部J1が形成される。第一部材2の接合部13の上面(端面)と、第二部材3の接合部13の下面(対向面)とを突き合わせると、図3に示すように、突合部J1の形状は、平面視矩形枠状となる。図3のハッチで示す部分のように、本実施形態では、突合部J1と接合部13の上面の形状は同等となる。
図3に示すように、短辺部13bの壁厚さT2は、長辺部13aの壁厚さT1よりも長くなっている。角部13cの外隅部は、面取りされている。そのため、角部13cの壁厚さT3は、面取りされていない場合の長さT4よりも短くなっている。
次に、本実施形態に係る中空容器の製造方法について説明する。本実施形態に係る中空容器の製造方法では、準備工程と、摩擦圧接工程と、バリ切除工程とを行う。
準備工程では、前記した第一部材2及び第二部材3を用意する。第一部材2及び第二部材3の面取り部13d,13eは、素形材に対して面取り加工を施してもよいし、素形材に予め面取り部13d,13eを形成しておいてもよい。
摩擦圧接工程では、摩擦工程と圧接工程とを行う。摩擦工程では、第一部材2の接合部13の上面(端面)と、第二部材3の接合部13の下面(対向面)とを面接触させつつ、第一部材2と第二部材3とを互いに近接する方向に押圧する。図3に示すように、長辺部13aと実質的に平行な基準線Cに沿って、第一部材2及び第二部材3を相対的かつ直線的に往復移動させる。本実施形態では、第一部材2は移動させず、第二部材3のみを直線的に往復移動させている。
摩擦工程における条件は適宜設定すればよいが、周波数を100〜260Hz、振幅を1.0〜2.0mm、摩擦圧力を20〜60MPaに設定する。摩擦工程の時間を5〜10秒程度に設定する。摩擦工程が終了したら、直ちに圧接工程に移行する。
圧接工程では、第一部材2及び第二部材3を相対移動させずに互いに近接する方向に押圧する。圧接工程における条件は適宜設定すればよいが、例えば、アップセット圧力を60〜80MPa、時間を3〜5秒程度に設定する。
摩擦工程によって突合部J1に摩擦熱が発生した後、往復移動を停止させ、圧接工程によって接合部13,13にアプセット圧力を付与すると、突合部J1に分子間引力が働き第一部材2の接合部13の上面と第二部材3の接合部13の下面とが結合する。なお、摩擦工程の際には、第一部材2の接合部13の上面と第二部材3の接合部13の下面とが擦り合わされ、軟化した母材が押し出されることによってバリが発生する。
バリ切除工程では、側壁部12,12の外側面に発生したバリを、カッター装置を用いて切除する。以上の工程により中空容器1が完成する。
以上説明した中空容器の製造方法によれば、接合部13の角部13cは外隅部が面取りされている。そのため、面取りされていない場合の長さT4よりも、角部13cの壁厚さT3が短くなっている。これにより、摩擦圧接時に角部13cに作用する単位面積当りの圧力及び摩擦熱の低下を抑制できる。したがって、中空容器1の水密性及び気密性を高めることができる。
また、本実施形態によれば、角部13cの接合性を高めるために、摩擦圧力を大きくする必要がないため、バリの発生を少なくすることができる。
また、本実施形態のように4つの角部13cに面取り部13eが形成されていることにより、バランスよく接合することができる。また、面取り部13eを丸み面取りとすることで、よりバランスよく接合することができる。
また、面取り部13eの曲率半径をRとし、接合部13の長辺部13aの壁厚さT1とすると、(R/T1)×100≧25を満足することが好ましい。
また、接合部13の長辺部13aの壁厚さT1と短辺部13bの壁厚さT2との関係が、T2>T1であることが好ましい。かかる構成によれば、中空容器の圧力低下率を向上させることができる。仮に、T2≦T1であると、往復移動方向に対する短辺部13bの厚さが薄くなってしまい、長辺部13aに比べて短辺部13bで発生する摩擦熱が低くなる。これにより、長辺部13aと短辺部13bとの密着度が不均衡となってしまう。一方、T2>T1に設定することで、長辺部13a及び短辺部13bに発生する摩擦熱の不均衡を是正してバランスよく接合することができる。
<第二実施形態>
図4は、第二実施形態に係る中空容器の分解斜視図である。図4に示すように、第二実施形態に係る中空容器1Aは、第一部材2Aと、第二部材3Aとで構成されている。第二実施形態では、第一部材2Aの側壁部42及び接合部43の平断面が同じ形状である点で第一実施形態と相違する。また、中空容器1Aの内部には、複数の流路孔45と、流路孔45を連結するヘッダー流路孔64とが形成される点で第一実施形態と相違する。
第一部材2Aは、底部41と、底部41に立設された平面視矩形枠状の側壁部42と、側壁部42の上部に形成された接合部43と、側壁部42及び接合部43の上下方向に沿って形成された複数の仕切り部44と、を備えている。第一部材2Aの内部は、仕切り部44によって、複数の空間に仕切られている。当該空間は、流体を流通させるための流路45となる。なお、第二実施形態では、側壁部42及び接合部43の平断面は同じ形状となっているため、側壁部42については詳細な説明を省略する。
接合部43は、平面視矩形枠状を呈し、長辺部43a,43aと、短辺部43b,43bと、長辺部43aと短辺部43bとを繋ぐ角部43c,43c,43c,43cとで構成されている。
長辺部43a,43aは、板状を呈し互いに平行に配置されている。短辺部43b,43bは、板状を呈し互いに平行に配置されている。
角部43cの内隅部には面取り部43dが形成されており、外隅部には面取り部43eが形成されている。面取り部43d及び面取り部43eはいずれも丸み面取りとなっている。面取り部43eの曲率半径は、面取り部43dの曲率半径よりも大きくなっている。
図4に示すように、第二部材3Aは、底部61と、底部61に立設された平面視矩形枠状の側壁部62と、側壁部62の下部に設けられた接合部63と、側壁部62の内部に形成されたヘッダー流路孔64とを備えている。ヘッダー流路孔64は、第一部材2Aと第二部材3Aとが接合された際に、流路孔45の一端側を連結する部位である。なお、第二実施形態では、側壁部62及び接合部63の平断面は同じ形状となっているため、側壁部62については詳細な説明を省略する。
接合部63は、長辺部63a,63aと、短辺部63b,63bと、長辺部63aと短辺部63bと繋ぐ角部63c,63c,63c,63cとで構成されている。各角部63cの内隅部には面取り部63dが形成されており、外隅部には面取り部63eが形成されている。面取り部63d,63eはいずれも丸み面取りとなっている。面取り部63eの曲率半径は、面取り部63dの曲率半径よりも大きくなっている。
長辺部43a,63aの長さ及び壁厚さT1は同じ寸法になっている。また、短辺部43b,63bの長さ及び壁厚さT2は同じ寸法になっている。さらに、対向する角部43c,63cは、同じ形状になっている。
次に、第二実施形態に係る中空容器の製造方法について説明する。本実施形態に係る中空容器の製造方法では、準備工程と、摩擦圧接工程と、バリ切除工程とを行う。
準備工程では、第一部材2Aと第二部材3Aとを用意する。
摩擦圧接工程では、摩擦工程と圧接工程とを行う。第一部材2Aの接合部43の上面(端面)に、第二部材3Aの接合部63の下面(対向面)を面接触させつつ、側壁部42,62の外側面同士を面一にする。第一部材2Aの接合部43の上面と第二部材3Aの接合部63の下面とが接触した部分が「突合部J2」となる。突合部J2は、平面視矩形枠状を呈する。突合部J2の平面形状は、図6のハッチ部分で示すように、接合部43の上面(端面)と同じ形状となる。
摩擦工程では、第一部材2Aと第二部材3Aとを互いに近接する方向に押圧しつつ、図6に示すように、長辺部43aと実質的に平行な基準線Cに沿って第一部材2Aと第二部材3Aとを相対的かつ直線的に往復移動させる。
バリ切除工程では、側壁部42,62の外側面に発生したバリを、カッター装置を用いて切除する。以上の工程により中空容器1Aが完成する。
以上説明した中空容器の製造方法によれば、接合部43の角部43cの外隅部には面取り部43eが形成されている。そのため、面取りされていない場合の長さT4よりも、角部43cの壁厚さT3が短くなっている。これにより、摩擦圧接時に角部43cに作用する単位面積当たりの圧力及び摩擦熱の低下を抑制できる。したがって、中空容器1の水密性及び気密性を高めることができる。
また、本実施形態によれば、複数の流路孔45と、複数の流路孔45の端部を連結するヘッダー流路孔63とを備えた中空容器1Aを容易に製造することができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において、適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態では、第一部材及び第二部材の両方に面取り部を設けたが、少なくともいずれか一方に面取り部が形成されていればよい。また、本実施形態では、第一部材及び第二部材の4隅全ての角部に面取り部を形成したが、いずれか一つの角部に面取り部を形成するだけでもよい。また、本実施形態では、面取り部を丸み面取り(R面取り)としたが、45°面取り等直線状に面取り(C面取り)を行ってもよい。
また、例えば、第一部材2と、この第一部材2の開口を塞ぐ金属板を蓋部材として中空容器を形成してもよい。この場合は、第一部材2の接合部13の端面と、金属板の下面(対向面)とを突き合わせることにより、接合部13の端面と同等の形状からなる突合部J1が形成される。
また、本実施形態では、カッター装置を用いてバリ切除工程を行ったが、バリ切除工程に換えて、外側面に形成されたバリを溶加材として溶接工程を行ってもよい。バリを溶加材として溶接を行うことで、バリを除去して外側面をきれいにすることができるとともに、仮に、接合箇所に接合欠陥がある場合にその接合欠陥を溶接工程で補修することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。実施例では、前記した第一実施形態のように、同形状からなる部材同士を接合し、製造された中空容器の圧力低下率を計測した。
試験片は、図7に示すように、長辺部の壁厚さT1を1.5mm、2.0mm、2.5mmに設定したものを用意した。これらの三種類の試験片は、壁厚さT1を除いて他の部位の寸法は同等になっている。
また、図8に示すように、第一部材の材質をA1050(JIS)、A6063(JIS)の二種類用意し、第二部材の材質をADC12(JIS)、A6063の二種類用意した。また、第一部材及び第二部材に面取り部を設けない(面取り無し)試験片と、第一部材及び第二部材の面取り部の曲率半径Rを0.5mm、2.0mm、4.0mm、6.0mmとした試験片とを用意した。
これらの条件を適宜組み合わせて、試験体NO.1〜27を設定し、第一実施形態と同様の方法により第一部材と第二部材とを接合した。摩擦圧接における摩擦周波数は、240Hzに設定した。第一部材及び第二部材の材質ごとの接合条件を図9に示す。
第一部材及び第二部材に用いるJIS:A6063は、Si;0.20〜0.60%、Fe;0.35%以下、Cu;0.10%以下、Mn;0.10%以下、Mg;0.45〜0.90%、Cr;0.10%以下、Zn;0.10%以下、Ti;0.10%以下、Al;残部で構成されている。
第一部材に用いるJIS:A1050は、Si;0.25%以下、Fe;0.40%以下、Cu;0.05%以下、Mn;0.05%以下、Mg;0.05%以下、Zn;0.05%以下、V;0.05%以下、Ti;0.03%以下、Al;99.50%以上で構成されている。
第二部材に用いるJIS:ADC12は、Cu;1.5〜3.5%、Si;9.6〜12.0%、Mg;0.3%以下、Zn;1.0%以下、Fe;1.3%以下、Mn;0.5%以下、Ni;0.5%以下、Ti;0.3%以下、Pb;0.2%以下、Sn;0.2%以下、Al;残部で構成されている。
圧力低下率とは、製造された中空容器の一部に穿設した孔からエアーを供給し、エアーの供給を遮断した段階からの減圧速度を意味するものである。本実施例では、中空容器の一部に孔を開け、その孔から500kPaでエアーを供給し、エアーの供給を遮断したときから中空容器の内圧が100kPaになるまでの時間を計測した。計測時間は最大60秒までとし、60秒を超えても内圧が100kPaに到達しない場合は、60秒経過時の内圧を計測した。
圧力低下率(kPa/sec)は以下の式1で示される。
圧力低下率=(P−Pmin)/t (式1)
:初期圧力(500kPa)
min:最低圧力
t :圧力供給遮断から最低圧力に達するまでの時間
要するに、圧力低下率が低い値であるほど、水密性及び気密性は高いことになる。圧力低下率:1.0kPa/secを水密性及び気密性の良好/不良に関する判断のしきい値とする。
図8の試験体NO.1,6,9,14,19,22,25のように、面取り部を設けない場合は、面取り部を設ける場合と比較すると圧力低下率は著しく高くなり、水密性及び気密性が低下することがわかる。面取り部の曲率半径Rを2.0mm、4.0mm、6.0mmにすると、圧力低下率は低くなり、水密性及び気密性が良好となることがわかる。なお、図8において、面取り無しの場合の曲率半径Rとして、実際の試験体の外隅部におけるバリ取り加工後の形状を考慮し、糸面取り程度の0.1mmを代入し、R/T1を計算している。
また、面取り部の曲率半径Rを0.5mmに設定した場合、壁厚みT1を2.5mmにすると圧力低下率は1.0kPa/sec以上となり、水密性及び気密性が低下するが、壁厚さT1を1.5mm、2.0mmにすると、圧力低下率は低くなり、水密性及び気密性が良好であることがわかる。また、面取り部の曲率半径Rを1.0mm以上に設定すれば、壁厚さT1によらず概ね良好な結果が得られると考えられる。
図10は、R/T1と圧力低下率との関係を示すグラフである。図10に示すように、圧力低下率に及ぼす曲率半径R/壁厚さT1の影響を考察すると、(R/T1)×100≧25に設定すると、圧力低下率は著しく低下し、水密性及び気密性が良好になることがわかる。換言すると、面取り部の曲率が小さくなるほど、水密性及び気密性が向上することがわかる。一方、この条件を満たさないと、圧力低下率が上昇し、水密性及び気密性が低下する。
1 中空容器
2 第一部材
3 第二部材
11 底部
12 側壁部
13 接合部
14 凹部
13a 長辺部
13b 短辺部
13c 角部
13d 面取り部
13e 面取り部
45 流路孔
64 ヘッダー流路孔
J1 突合部
J2 突合部
T1 壁厚さ
T2 壁厚さ
T3 壁厚さ
T4 長さ

Claims (2)

  1. 底部と前記底部に立設された側壁部と前記側壁部の上側に形成された平面視矩形枠状の接合部とを備えたアルミニウム合金製の第一部材及び前記第一部材の開口を塞ぐアルミニウム合金製の第二部材を用意する準備工程と、
    前記接合部と前記第二部材とを面接触させつつ、摩擦圧接する摩擦圧接工程と、を含み、
    前記接合部は、一対の長辺部と、一対の短辺部と、前記長辺部と前記短辺部を繋ぐ4つの角部とを有し、4つの前記角部全ての外隅部に丸み面取りによる面取り部が形成されており、
    前記接合部の長辺部の壁厚さをT1とし、前記接合部の短辺部の壁厚さをT2とすると、T2>T1であり、
    前記摩擦圧接工程では、前記長辺部と実質的に平行な基準線に沿って前記第一部材及び前記第二部材を相対的かつ直線的に往復移動させて摩擦圧接することを特徴とする中空容器の製造方法。
  2. 前記第一部材には複数の流路孔が形成されており、前記第二部材には複数の前記流路孔に連通するヘッダー流路孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の中空容器の製造方法。
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