JP5915371B2 - Uoe鋼管の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、UOE鋼管の製造方法に関し、特に、引っ張り強度が705MPa以下のUOE鋼管を製造する際に、シーム部の仮付け溶接で能率の向上と溶接欠陥の低減を図ったUOE鋼管の製造方法に関する。
天然ガスを長距離輸送するためのラインパイプは、外径が400〜1600mmの大径溶接鋼管が使用され、この大径溶接鋼管としてはUOE鋼管が多用される。近年、天然ガス輸送用のラインパイプは、ガス輸送時に発生するエネルギー損失を抑制し、時間当たりに大量のガスを送給するために、送給ガス圧が高められ、さらに効率的なガス輸送の実現が求められる傾向にある。
このため、UOE鋼管の製造においては、高圧のガスに耐えることが可能な高い溶接品質の確保と、短期間に大量のラインパイプを供給できる高い生産性が要求されている。これに伴い、UOE鋼管を製造する際、シーム部の本溶接で高速化を図るだけでなく、シーム部の仮付け溶接においても高速化と高品質化が強く求められるようになっている。
UOE鋼管の製造方法は、次のステップからなる:
(1)エッジプレーナにより、タブ板が取り付けられた厚板鋼板の両縁に開先加工を施す;
(2)Cプレス機により、鋼板の開先近辺の形状を製品管(UOE鋼管)の規定外径に近い曲率に変形させるC成形を施し、C管を造形する;
(3)Uプレス機により、C管を断面U字形に変形させるU成形を施し、U管を造形する;
(4)Oプレス機により、U管を断面O字形に変形させるO成形を施し、オープンパイプのO管を造形する;
(5)O管のシーム部である開先同士の突き合わせを行いながら、ガスシールドアーク溶接法(GMAW)により、シーム部の仮付け溶接を行う;
(6)サブマージアーク溶接法(SAW)により、仮付け溶接されたO管のシーム部に、内面側、外面側の順に本溶接を行う;
(7)拡管機により、シーム部が溶接された素管の外径を製品管で規定される寸法に精整し、UOE鋼管を得る。
このようにして製造されたUOE鋼管は、タブ材を切除した後、超音波やX線により溶接部の検査を行い、その後に出荷される。
仮付け溶接においては、CO2を主体としたガスをシールドガスとして溶接を行うMAG溶接や、Ar等の不活性ガスを主体としたガスをシールドガスとして溶接を行うMIG溶接を採用することができるが、通常、前者のMAG溶接を採用することが多い。MAG溶接の方が大電流であり、高い溶け込みと溶金の溶融が得られ、高い生産性を実現できるからである。
ここで、仮付け溶接の目的は、SAWによる内面側の本溶接の際に、供給された溶金が外面側に漏れるいわゆる溶け落ちが発生するのを抑制し、これによって効率的な本溶接を達成することにある。仮にO成形で得られたO管を仮付け溶接することなく本溶接した場合、内面側の本溶接時に供給された溶金が開先突き合わせ部分から溶け落ち、本溶接における生産性が大きく阻害される。
また、仮付け溶接時に、スタッピングやハンピングの不用意な発生により溶接ビード形状が不良となり、これに伴って、ピンホールやブローホールといった溶接欠陥が発生した場合、この溶接欠陥は本溶接後においても残存し、その後の超音波やX線による検査で検出される。この場合、溶接欠陥部の補修や切り下げ等の処置が追加で必要となるため、生産性が大きく阻害される。
さらに、生産性を考慮しつつ設備投資を最小限に抑える観点から、例えば、本溶接の製造ラインが4本であるのに対して、仮付け溶接の製造ラインは1本または2本である場合が多く、仮付け溶接の溶接速度は本溶接の2〜4倍とされている。このため、高品質で高効率な仮付け溶接を行うことは、高い収益性と溶接部の信頼性を確保する上で極めて重要である。
仮付け溶接で能率の向上と溶接欠陥の低減を図る従来技術は、下記のものがある。特許文献1には、仮付け溶接の際、溶接スタート時から定常状態に移行するまでに溶接ビード形状が非連続となるスタッピングが発生したり、定常状態において溶接ビードが飛び飛びに形成されるハンピングが発生したりするのを抑制するため、溶接電流、電圧および溶接速度の適切な諸条件を設定することが開示されている。また、特許文献2には、MIG溶接を採用する場合に、溶接ワイヤの太径化により溶接能率を改善させる方法が開示されている。特許文献3には、シーム部を予熱した状態で仮付け溶接を行うことにより、仮付け溶接の品質を向上させる方法が開示されている。
特開昭58−132374号公報 特開昭54−99053号公報 特開平7−16750号公報
前記特許文献1〜3に開示される技術は、いずれも、主に溶接アークに着目して対策を講じたものであり、U成形後のU管の幅や、仮付け溶接時にO管を拘束するケージロールの押付け量に関しては何ら着目されていない。本発明者が試験検討を重ねたところ、引っ張り強度が705MPa以下(API規格のX80グレード以下)のUOE鋼管を製造する場合、そのようなU管幅や仮付け溶接時のケージロール押付け量が溶接品質に影響を及ぼすことが判明した。すなわち、仮にケージロールの押付けが弱いと、溶接中にO管が変則的に動くため、いかに溶接アークを安定させる溶接条件を設定しても高効率で高精度な仮付け溶接を行うことができない。一方、ケージロールの押付けが強すぎると、溶接部に過大な残留応力が集中するため、仮付け溶接後に溶接部で割れが発生し、その結果として、内面側の本溶接時に溶け落ちが発生することがある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、引っ張り強度が705MPa以下のUOE鋼管を製造するに際し、次の特性を有するUOE鋼管の製造方法を提供することである:
仮付け溶接で能率の向上と溶接欠陥の低減を図ること。
本発明の要旨は、次の通りである。
両縁に開先加工を施した鋼板にC成形およびU成形を順に行ってU管を造形し、このU管にO成形を行ってO管を造形し、このO管のシーム部にガスシールドアーク溶接法による仮付け溶接およびサブマージアーク溶接法による本溶接を順に行って、引っ張り強度が705MPa以下のUOE鋼管を製造する方法であって、
当該UOE鋼管の製造方法は、
U成形の際、U管の幅(W)とUOE鋼管の外径(D)との比(W/D)が0.60〜0.75となる条件でU成形を行い、
仮付け溶接の際、シーム部を上側に位置させたO管に、ケージロールによって、左右からO管の外径の0.5〜1.0%の押付け量を付与するとともに、上方からO管の外径の0.1〜0.5%の押付け量を付与しながら、仮付け溶接を行うこと、
を特徴とするUOE鋼管の製造方法。
このUOE鋼管の製造方法では、前記仮付け溶接の際、溶接電流の印加を開始してから0.5〜2.0秒経過した後にO管の搬送を開始することが好ましい。
また、上記のUOE鋼管の製造方法では、前記仮付け溶接の際、O管の溶接開始管端部分における溶接速度(Ve)を、O管の中央部における溶接速度(Vc)の70〜90%とすることが好ましい。
本発明のUOE鋼管の製造方法は、下記の顕著な効果を有する:
引っ張り強度が705MPa以下のUOE鋼管を製造する際、仮付け溶接で能率を向上でき、溶接欠陥を低減できること。
本発明のUOE鋼管の製造方法における仮付け溶接で用いられる溶接装置の構成を示す模式図であり、同図(a)は側面図を、同図(b)は同図(a)のA−A断面図をそれぞれ示す。 ケージロールの押付け量の最適範囲を示す図である。 U管の幅(W)とUOE鋼管の外径(D)との比(W/D)の最適範囲を示す図である。 仮付け溶接開始後の溶接速度および溶接電流の推移の一例を示す図である。
図1は、本発明のUOE鋼管の製造方法における仮付け溶接で用いられる溶接装置の構成を示す模式図であり、同図(a)は側面図を、同図(b)は同図(a)のA−A断面図をそれぞれ示す。
図1に示すように、C成形、U成形およびO成形を順に経て得られたO管1は、シーム部1aを上側に位置させた状態でチェーントランスファ2上に載置される。チェーントランスファ2は、チェーンドライブモータ3により、図1(a)中の実線矢印で示すように駆動される。チェーントランスファ2にはフック4が取り付けられており、チェーントランスファ2の駆動に伴ってO管1の後端がフック4で押され、これにより、O管1は、図1(a)中の白抜き矢印で示すように一方向に搬送される。
O管1の搬送路には、上流側(図1(a)では左側)から順に、フィンロール5、ケージロール群6、溶接機8および搬出ロール12が配設されている。フィンロール5は鍔状に突出するフィン部を有しており、チェーントランスファ2によって搬送されるO管1は、その先端が先ずフィンロール5に誘導され、そのシーム部である開先同士の間にフィンロール5のフィン部が挿入される。ここで、実際には、O管1は、フィンロール5の前段に配設された図示しないジャッキによって左右に広げられ、適度に広がった開先同士の間にフィンロール5のフィン部が挿入される。これにより、O管1は、搬送中に不用意に周方向に回転することなく、シーム部1aが上側に位置した姿勢に保持される。
ケージロール群6は、図1(b)に示すように、O管1の周囲を囲繞するように等角度間隔に配置された8つのケージロール6a〜6hを一群とし、これが複数段にわたって配設されてなる。これらのケージロール6a〜6hのうち、その位置を時計の文字盤に見立てて0時の位置に配置された上側ケージロール6aは、シームロールとも称され、6時の位置に配置された下側ケージロール6eとの間にO管1を挟み込む。また、3時の位置に配置された右側ケージロール6cと9時の位置に配置された左側ケージロール6gは、O管1を左右から挟み込む。
チェーントランスファ2によって搬送されるO管1は、フィンロール5のフィン部の挿入によってシーム部1aが上側に位置した状態で、上方から上側ケージロール6aが押し付けられ、左右から右側ケージロール6cと左側ケージロール6gが押し付けられ、これらの押付けによって拘束されつつ、開先同士が突き合わされる。なお、上側ケージロール6a、右側ケージロール6c、下側ケージロール6eおよび左側ケージロール6g以外のケージロール6b、6d、6f、6hは、多くの場合O管1に接触することはなく、補助的にO管1を拘束する。
溶接機8は、トーチ9、溶接ワイヤ10およびワイヤ送給電動機11から構成される。トーチ9は、O管1のシーム部1aに対向配置され、ワイヤ送給電動機11の駆動により溶接ワイヤ10が送り込まれる。チェーントランスファ2によって搬送されるO管1は、ケージロール群6によって開先同士が突き合わされた状態で、溶接機8によってシーム部1aを仮付け溶接される。こうして、O管1は、チェーントランスファ2による搬送に追従して溶接機8を作動させることにより、先端から後端までの全域にわたってシーム部1aを仮付け溶接される。
搬出ロール12はO管1の姿勢を保持する。溶接終了間際には、O管1は、搬送の進行によってフィンロール5およびケージロール群6を完全に抜けて拘束を受けないため、周方向に回転し、シーム部1aが上側に位置した状態からずれるおそれがあるからである。搬出ロール12を設置すれば、O管1の仮付け溶接の精度を後端に至るまで維持することができる。
ここで、溶接機8のトーチ9には、デジタル溶接電源13のP極が結線され、ケージロール群6のうちの下側ケージロール6eを支持するフレーム7には、デジタル溶接電源13のN極が結線されている。デジタル溶接電源13には制御盤14が接続され、この制御盤14はワイヤ送給電動機11に接続されている。仮付け溶接時、制御盤14は、デジタル溶接電源13からトーチ9(溶接ワイヤ10)とフレーム7(下側ケージロール6e)との間に印加する溶接電流および電圧を制御するとともに、ワイヤ送給電動機11による溶接ワイヤ10の送り速度を制御する。また、制御盤14は、チェーントランスファ2を駆動させるチェーンドライブモータ3に接続され、O管1の搬送速度、すなわち溶接速度を制御する。
本発明者は、上記目的を達成するため、引っ張り強度が705MPa以下のUOE鋼管を製造することを前提とし、種々の試験を実施して仮付け溶接で能率の向上と溶接欠陥の低減を図る鋭意検討を重ねた。その結果、以下の知見を得て、本発明を完成した。
前記図1に示す溶接装置を用いて仮付け溶接を行う際、上述のとおり、O管1には、上方から上側ケージロール6aを押し付け、左右から右側ケージロール6cと左側ケージロール6gを押し付ける。このとき、右側ケージロール6cと左側ケージロール6gの押付け量は、O管1の外径(OD)の0.5〜1.0%とする。これと同時に、上側ケージロール6aの押付け量は、O管1の外径(OD)の0.1〜0.5%とする。これは以下の理由による。
上側ケージロール(シームロール)6aをO管1の外径(OD)の0.5%を超える強さでO管1に押し付けた場合、仮付け溶接中の溶接ビードには、O管1の曲率とは反対方向の曲げ力が働くため、仮付け溶接ビードが割れる問題が発生する。さらに、この場合、チェーントランスファ2には、チェーンドライブモータ3の回転を妨げる方向の力が働くため、O管1の搬送速度が不安定になりスタッピングやハンピング等の溶接欠陥が発生する。右側ケージロール6cと左側ケージロール6gをO管1の外径(OD)の1.0%を超える強さでO管1に押し付けた場合も同様である。
一方、上側ケージロール6aをO管1の外径(OD)の0.1%を下回る強さでO管1に押し付けた場合、O管1の拘束が緩く、O管1の搬送が不安定になる。右側ケージロール6cと左側ケージロール6gをO管1の外径(OD)の0.5%を下回る強さでO管1に押し付けた場合も同様である。
図2に以上の関係をまとめる。図2は、ケージロールの押付け量の最適範囲を示す図である。右側ケージロール6cと左側ケージロール6gの押付け量をO管1の外径(OD)の0.5〜1.0%とするとともに、上側ケージロール6aの押付け量をO管1の外径(OD)の0.1〜0.5%とした条件で仮付け溶接を行えば、溶接欠陥が極めて少ない良好な溶接品質を確保することができる。
仮付け溶接に先立ち、U成形の際、U管の幅(W)とUOE鋼管の外径(D)との比(W/D)が0.60〜0.75となる条件でU成形を行う。これは以下の理由による。なお、ここでいうU管の幅(W)は、当該U成形によって得られるU管の最大幅を意味し、UOE鋼管の外径(D)は、当該U管を用いて製造されるUOE鋼管の公称外径を意味する。
U管幅(W)が過剰に狭く、W/Dが0.6未満であると、O成形後のO管に内在する残留応力に起因し、開先を非常に強い力で閉じようとする「閉」の力が働くため、前記図1に示す溶接装置を用いて仮付け溶接を行うに際し、O管の開先同士の間にフィンロールのフィン部を挿入するにあたり、ジャッキによって開先同士を適度に広げた状態にするのに多大な力が必要となる。このため、フィンロールの適用が不可能になる。
一方、U管幅(W)が広すぎて、W/Dが0.75を超える程度に大きくなると、O成形後、O管を開こうとする「開」の力が非常に強く働くため、前記図1に示す溶接装置を用いて仮付け溶接を行う際、右側ケージロールと左側ケージロールに多大な負荷がかかる。これに起因し、チェーントランスファがロック状態となり、O管の円滑な搬送ができなくなったり、仮付け溶接後の溶接ビードに割れが発生したりする。
図3に以上の関係をまとめる。図3は、U管の幅(W)とUOE鋼管の外径(D)との比(W/D)の最適範囲を示す図である。W/Dが0.60〜0.75となるU管を用いてO成形を行い、得られたO管に仮付け溶接を行うことにより、支障なくフィンロールを適用することが可能となり、しかも、溶接欠陥が極めて少ない良好な溶接品質を確保することができる。
また、前記図1に示す溶接装置を用いた仮付け溶接においては、制御盤からの指令により、チェーンドライブモータを駆動させてO管を搬送し、O管の先端のタブ材が溶接機のトーチ直下に到達した段階でO管の搬送を一旦停止させる。そして、デジタル溶接電源による溶接電流の印加を開始してから、すなわち仮付け溶接を現実に開始してから0.5〜2.0秒経過した後に、O管の搬送を再び開始することが好ましい。その理由は次のとおりである。
図4は、仮付け溶接開始後の溶接速度および溶接電流の推移の一例を示す図である。同図に示す溶接速度は、設定した速度を1とした比率で示している。同図に示す溶接電流も同様に、設定した電流値を1とした比率で示している。なお、同図は、外径が36インチ、肉厚が25.4mmで、X65グレードのUOE鋼管を製造する際、直径が4.0mmの溶接ワイヤを用い、溶接速度の設定を5.0m/min、溶接電流の設定を1200Aとした条件で仮付け溶接を行った場合の結果である。
図4に示すように、制御盤からの指令により、溶接機への溶接電流の印加開始に伴って仮付け溶接を開始したとき、溶接電流は瞬時に設定電流値に達して安定するわけではなく、約0.5秒経過した後に安定する。このため、溶接電流の印加と同時にO管の搬送を開始するのではなく、0.5〜2.0秒程度のアイドルタイムを設けてO管の搬送を開始すれば、溶接電流が設定電流値に安定し溶接状態も安定する。例えば、図4に示すように、溶接電流の印加を開始してから0.8秒経過した後にO管の搬送を開始すればよい。
さらに、前記図1に示す溶接装置を用いた仮付け溶接においては、制御盤からの指令により、O管の溶接開始管端部分における溶接速度(Ve)を、O管の中央部における溶接速度(Vc)の70〜90%とすることが好ましい。仮付け溶接を高速で行う場合、溶接開始時に、いきなりO管中央部で適用する高速の溶接速度(Vc)にすると、溶接ビードの性状が悪化し易いからである。なお、O管の溶接開始管端部分とは、O管の全長の1%の領域のことである。
加えて、前記図1に示す溶接装置を用いた仮付け溶接においては、溶接機に電流を印加するための溶接電源としてデジタル溶接電源を適用しているので、従来のアナログ式の溶接電源と比較し、溶接電流の波形の位相制御や周波数制御を行える。このため、溶接ビード形状や溶け込みを精緻に調節することができ、溶接速度の高速化も実現できる。例えば、溶接電流の周波数を80kHzとすれば、溶滴のスプレー移行を高速・高頻度とし、溶接時に発生するスパッタを抑制することもできる。
本発明のUOE鋼管の製造方法は、U成形の際、U管の幅(W)とUOE鋼管の外径(D)との比(W/D)が0.60〜0.75となる条件でU成形を行い、仮付け溶接の際、シーム部を上側に位置させたO管に、ケージロールによって、左右からO管の外径の0.5〜1.0%の押付け量を付与するとともに、上方からO管の外径の0.1〜0.5%の押付け量を付与しながら、仮付け溶接を行うこととする。これにより、特に5m/min以上の高速で仮付け溶接を行う場合であっても、ピンホールやブローホール等の溶接欠陥や溶接部の割れを低減させることができる。その結果、内面側の本溶接時に溶け落ちの発生を防止することができ、本溶接後に仮付け溶接欠陥の残存に伴う溶接補修による生産能率の低下や、欠陥部切り下げによる歩留ロスを抑制することができる。したがって、本発明は、高効率的で高品質な溶接を行うことが可能となる。
本発明は、天然ガス輸送用のラインパイプに適用されるUOE鋼管、とりわけAPI規格のX80グレード以下のUOE鋼管の製造に有効に利用できる。
1:O管、 1a:シーム部、 2:チェーントランスファ、
3:チェーンドライブモータ、 4:フック、 5:フィンロール、
6:ケージロール群、 6a〜6h:ケージロール、
7:下側ケージロールのフレーム、 8:溶接機、 9:トーチ、
10:溶接ワイヤ、 11:ワイヤ送給電動機、 12:搬出ロール、
13:デジタル溶接電源、 14:制御盤

Claims (3)

  1. 両縁に開先加工を施した鋼板にC成形およびU成形を順に行ってU管を造形し、このU管にO成形を行ってO管を造形し、このO管のシーム部にガスシールドアーク溶接法による仮付け溶接およびサブマージアーク溶接法による本溶接を順に行って、引っ張り強度が705MPa以下のUOE鋼管を製造する方法であって、
    当該UOE鋼管の製造方法は、
    U成形の際、U管の幅(W)とUOE鋼管の外径(D)との比(W/D)が0.60〜0.75となる条件でU成形を行い、
    仮付け溶接の際、シーム部を上側に位置させたO管に、ケージロールによって、左右からO管の外径の0.5〜1.0%の押付け量を付与するとともに、上方からO管の外径の0.1〜0.5%の押付け量を付与しながら、仮付け溶接を行うこと、
    を特徴とするUOE鋼管の製造方法。
  2. 前記仮付け溶接の際、溶接電流の印加を開始してから0.5〜2.0秒経過した後にO管の搬送を開始すること、
    を特徴とする請求項1に記載のUOE鋼管の製造方法。
  3. 前記仮付け溶接の際、O管の溶接開始管端部分における溶接速度(Ve)を、O管の中央部における溶接速度(Vc)の70〜90%とすること、
    を特徴とする請求項1または2に記載のUOE鋼管の製造方法。
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