JP5915027B2 - パターン成形用構造体および微細パターン形成方法 - Google Patents

パターン成形用構造体および微細パターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハードマスクを用いたドライエッチングによって被エッチング体に微細なパターンの成形が可能なパターン成形用構造体と、被エッチング体への微細パターン形成方法に関する。
被エッチング体上の感光性レジストをフォトリソグラフィー法でパターニングしてレジストパターン形成し、このレジストパターンをマスクとして被エッチング体をエッチングするパターン形成方法が従来から用いられている。このようなパターン形成方法にてパターンの微細化に対応するためには、感光性レジストの露光に使用する光を、例えば、波長200nm以下の短波長光とする必要がある。しかし、このような短波長に感光域を有する感光性レジストは、ドライエッチング耐性が劣るため、レジストパターンを直接ドライエッチング用のマスクとして使用し被エッチング体をパターニングすることは困難であった。このため、微細なパターン形成では、レジストパターンを転写したハードマスクをエッチングマスクとして使用し被エッチング体をドライエッチングしてパターニングすることが行われている。このようなハードマスクを用いたドライエッチング方法は、ハードマスクと被エッチング体のエッチング選択性を利用して高精度なパターン形成を可能とするものであり、種々のパターン形成に用いられている(特許文献1、2、3、4、5等)。
しかし、レジストパターンをマスクとし、被エッチング体をエッチングストッパー層としてハードマスク材料層をドライエッチングすることにより所望のハードマスクパターンを形成する場合、使用するハードマスク材料によっては、レジストパターンの開口面積および開口率の大小あるいは開口形状により、反応性原子(ラジカル)やイオン種の供給量に差が生じ、ハードマスク材料層のエッチング速度が大きく異なる現象(マイクロローディング効果)が起こる。すなわち、レジストパターンの開口面積および開口率が小さくなるほどエッチング速度が低下するという現象が起こる。
特開2000−58507号公報 特開2000−183303号公報 特開2001−210648号公報 特開2007−53391号公報 特開2010−45398号公報
このようなマイクロローディング効果による影響により、エッチング速度が小さい部位では、ハードマスク材料層のパターンエッチングを完了させるために、レジストパターンがハードマスク材料層のレジストとして耐えうる時間以上のエッチング時間を要する場合がある。その場合、ハードマスク材料層全体がエッチングされ、被エッチング体を加工する際のハードマスクとしての機能を失うという問題がある。
このため、マイクロローディング効果を起すような材料をハードマスクに使用しないことも当然考えられるが、例えば、マイクロローディング効果を起す材料であるクロムは、ハードマスクとして石英ガラスをエッチングする場合のエッチング選択比が大きく、薄膜のハードマスクであっても高精度の微細パターンを石英ガラスに形成することができる等の利点があり、ハードマスクとして広く使用されている。
一方、上記の問題を解消するためには、エッチング速度が小さい部位でのハードマスク材料層のエッチングが完了する前にレジストパターンが消失しないように、レジストパターンを厚くする必要がある。しかし、レジストパターンを厚くすると、レジストパターンの倒れや滑りが生じるという問題がある。また、レジストパターンの倒れや滑りが生じないとしても、エッチング速度が小さい部位ほどハードマスク材料層のエッチングが進行しずらいことに変わりはなく、ハードマスク材料層のエッチング部位のエッチング速度や寸法バラツキが大きくなり、ハードマスクのパターン精度が低下し、その影響が被エッチング体のパターン形成に及ぶという問題があった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、レジストパターンの開口面積および開口率の大小あるいは開口形状によらず高い精度で微細パターンの形成が可能なパターン成形用構造体と微細パターン形成方法とを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、ハードマスクを介して被エッチング体をドライエッチングすることにより微細パターンを形成するためのパターン形成用構造体において、被エッチング体と、該被エッチング体の所望の面に位置するハードマスク材料層と、該ハードマスク材料層上に位置するレジストパターンとを備え、該レジストパターンは複数種の開口部を有し、該開口部のうち、少なくとも前記レジストパターンを介したハードマスク材料層のドライエッチング時のエッチング速度が最も大きい開口部内の前記ハードマスク材料層上にはレジストが存在し、かつ、前記エッチング速度が最も大きい開口部内に存在するレジストが他の開口部内に存在するレジストよりも厚く、ドライエッチング時の前記ハードマスク材料層のエッチング速度が最も小さいRmaである開口部内に存在する前記レジストの厚みをTaとし、ドライエッチング時の前記ハードマスク材料層のエッチング速度が最も大きいRmbである開口部内に存在する前記レジストの厚みをTbとし、前記レジストパターンの厚みをT、ドライエッチング時の前記レジストパターンのエッチング速度をRr、前記ハードマスク材料層の厚みをtとしたときに、下記の関係式が成立するような構成とした。
0 ≦ Ta < Tb
Ta/Rr + t/Rma ≦ (T−Tb)/Rr
Tb/Rr + t/Rmb ≦ (T−Tb)/Rr
Ta/Rr + t/Rma = Tb/Rr + t/Rmb
本発明の他の態様として、レジストパターンの開口部内の前記ハードマスク材料層上に存在するレジストの厚みは、前記ハードマスク材料層のエッチング速度が大きい開口部ほど厚いような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ハードマスク材料層はクロム、モリブデン、チタン、タンタル、ジルコニウム、タングステン、これらの金属の合金、および、酸化クロム、酸化チタン、窒化クロム、窒化チタン、ガリウム砒素からなる群の中の少なくとも1種からなるような構成とした。
本発明の微細パターン形成方法は、被エッチング体の所望の面にハードマスク材料層を形成する工程と、前記ハードマスク材料層上に複数種の開口部を有するレジストパターンを形成する工程と、該レジストパターンを介して前記ハードマスク材料層をドライエッチングしてハードマスクパターンを形成する工程と、該ハードマスクを介して前記被エッチング体をドライエッチングすることにより微細パターンを形成する工程と、を備え、前記レジストパターンを形成する工程では、前記レジストパターンの開口部のうち、少なくとも前記レジストパターンを介したハードマスク材料層のドライエッチング時のエッチング速度が最も大きい開口部内の前記ハードマスク材料層上にレジストを残存させるとともに、前記エッチング速度が最も大きい開口部内に存在するレジストの厚みを他の開口部内に存在するレジストの厚みよりも大きくし、レジストパターンを介した前記ハードマスク材料層のドライエッチング時における最も小さいエッチング速度がRmaであり、最も大きいエッチング速度がRmbであり、前記レジストパターンの厚みがTであり、前記ハードマスク材料層のドライエッチング時の前記レジストパターンのエッチング速度がRrであり、前記ハードマスク材料層の厚みがtであるとしたときに、前記ハードマスク材料層のエッチング速度が最も小さい開口部内の前記ハードマスク材料層上に存在するレジストの厚みTaと、前記ハードマスク材料層のエッチング速度が最も大きい開口部内の前記ハードマスク材料層上に存在するレジストの厚みTbを、下記の関係式が成立するように設定するような構成とした。
0 ≦ Ta < Tb
Ta/Rr + t/Rma ≦ (T−Tb)/Rr
Tb/Rr + t/Rmb ≦ (T−Tb)/Rr
Ta/Rr + t/Rma = Tb/Rr + t/Rmb
本発明の他の態様として、前記レジストパターンを形成する工程では、レジストパターンを介したハードマスク材料層のドライエッチング時におけるレジストパターンの開口部の開口面積、開口率および開口形状の相違に応じたハードマスク材料層のエッチング速度、レジストパターンのエッチング速度、ハードマスク材料層の厚み、レジストパターンの厚みを基に、レジストパターンを介した前記ハードマスク材料層のドライエッチングが完了するまでレジストパターンが存在するように、前記レジストパターンの開口部内の前記ハードマスク材料層上に残存させるレジストの厚みを設定するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記レジストパターンを形成する工程では、レジストパターンの開口部内の前記ハードマスク材料層上に存在するレジストを、前記ハードマスク材料層のエッチング速度が大きい開口部ほど厚く形成するような構成とした。
本発明のパターン成形用構造体は、具備するレジストパターンの開口面積および開口率の大小あるいは開口形状によらず、レジストパターンを介するハードマスク材料層のドライエッチング、これにより形成されたハードマスクを介する被エッチング体のドライエッチングによって、高い精度で微細パターンの形成が可能である。
また、本発明の微細パターン形成方法は、レジストパターンの所定の開口部内においてハードマスク材料層上にレジストを残存させることにより、レジストパターンの倒れや滑りの発生を防止するとともに、レジストパターンの開口面積および開口率の大小あるいは開口形状によらず、マイクロローディング効果による悪影響の発生を抑制してハードマスクパターンを形成することが可能であり、これにより、ハードマスクを介するドライエッチングによって被エッチング体に高精度の微細パターンを形成することができる。
本発明のパターン成形用構造体の一実施形態を示す平面図である。 図1に示されるパターン成形用構造体のI−I線における断面図である。 図2に示されるパターン成形用構造体の断面の部分拡大図である。 本発明のパターン成形用構造体の他の実施形態を示す断面図である。 本発明のパターン成形用構造体の他の実施形態を示す断面図である。 マイクロローディング効果を起す開口部形状の他の例を示す図である。 マイクロローディング効果を起す開口部形状の他の例を示す図である。 本発明の微細パターン形成方法の一実施形態を説明するための工程図である。 本発明の微細パターン形成方法におけるレジストパターン形成の一例を説明するための工程図である。 本発明の微細パターン形成方法におけるレジストパターン形成の他の例を説明するための工程図である。 本発明の微細パターン形成方法におけるレジストパターン形成の他の例を説明するための工程図である。 開口面積とエッチング速度との関係の一例を示す図である。 開口形状とエッチング速度との関係の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[パターン成形用構造体]
図1は、本発明のパターン成形用構造体の一実施形態を示す平面図であり、図2は、図1に示されるパターン成形用構造体のI−I線における断面図であり、図3は、図2に示されるパターン成形用構造体の断面の部分拡大図である。図1〜図3において、本発明のパターン成形用構造体1は、被エッチング体11と、この被エッチング体11の一方の面11aに位置するハードマスク材料層21と、このハードマスク材料層21の表面21a上に位置するレジストパターン31とを備えている。尚、図示例における形状、寸法等は、本発明を説明するために便宜的に記載したものであり、これに限定されるものではなく、以下の図面においても同様である。
被エッチング体11は特に制限はなく、例えば、石英ガラスやソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、金属基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合体であってもよい。また、例えば、半導体やディスプレイ等に用いられる微細配線や、フォトニック結晶構造、光導波路、ホログラフィのような光学的構造等の所望のパターン構造物が形成されたものであってもよい。
ハードマスク材料層21は、被エッチング体11とのエッチング選択性を利用したドライエッチングが可能な材料であれば特に制限はない。また、ハードマスク材料層21は、複数種の開口部を有するレジストパターンを介したドライエッチング時にレジストパターンの開口部の開口面積、開口率および開口形状の相違に応じてエッチング速度に相違(マイクロローディング効果)を生じる材料であってもよく、このような材料としては、例えば、クロム、モリブデン、チタン、タンタル、ジルコニウム、タングステン等の金属、これらの金属の合金、酸化クロム、酸化チタン等の金属酸化物、窒化クロム、窒化チタン等の金属窒化物、ガリウム砒素等の金属間化合物等を挙げることができ、被エッチング体11の材質、被エッチング体11のドライエッチング条件を考慮して1種または2種以上の組み合わせとして適宜選定することができる。一般に、石英の加工、特に石英を基材としたフォトマスクやナノインプリント用モールドの加工において広くハードマスクとして使用実績のあるクロムは、マイクロローディング効果が特に大きく生じる材料であるため、本発明の効果が特に期待できる。
このようなハードマスク材料に対してマイクロローディング効果を起すようなレジストパターンの複数種の開口部とは、開口面積および開口率の大小あるいは開口形状により反応性原子(ラジカル)やイオン種の供給量に相違を生じるような開口部である。すなわち、開口面積が小さい微細な開口部と、この開口部よりも開口面積が大きい開口部が存在する場合、開口面積が小さく微細になるとエッチング速度が低下する。また、開口面積が同じ場合でも、ある一定の面積内における開口率が小さくなるほどエッチング速度が低下する。さらに、同程度の開口面積をもつパターンであっても、開口形状によりエッチング速度に差が生じる場合がある。例えば、同程度の開口面積をもつ1:1の間隔で存在する円形パターン群(縦横の直線の交差により作られる格子の交差点上に円形の開口部が位置するように配置され、各開口部間の非開口部位の幅が開口部の直径と同じ)と、1:3の間隔で存在するライン/スペース群(開口部の幅と非開口部の幅の比が1:3)では、後者の方がエッチング速度は大きくなる。ここで、上記の一定の面積内とは、レジストパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)、AFM(原子間力顕微鏡)などの微細パターン観察ツールで観察したときに、最大開口部をもつパターンが他の開口部とパターン群をなさない1つの開口部、または、複数の開口部からなるパターン群が確認できる任意の観察視野内である。また、開口部の開口率とは、上記の視野内に占める総開口面積の割合である。また、開口部の開口形状とは、開口部自体の形状であり、その例としては、円形、多角形、あるいは、帯状の矩形などが挙げられる。尚、ある一つの開口部に注目し、その開口部の周囲20μm以内に他の開口部が存在しない場合には、その開口部を単体であると定義し、開口部の近隣に他のパターンが存在する場合には、それらをパターン群と呼ぶこととする。ここで、単体の例としては、単体ホール、単体スペース等、パターン群の例としては、密集ホール、ライン/スペース等が挙げられる。
また、ハードマスク材料層21の厚みは、被エッチング体11のドライエッチング条件と、ドライエッチング時のエッチング選択比(被エッチング体のエッチング速度/ハードマスクのエッチング速度)を考慮して設定することができ、例えば、1〜500nmの範囲で適宜設定することができる。
レジストパターン31は、開口面積と開口率と開口形状の相違がある複数種の開口部32を有しており、図示例では、開口面積が小さく、かつ開口率が小さい微細な開口部32aと、この開口部32aよりも開口面積が大きく、かつ開口率が大きい開口部32bの2種の開口部を有している。開口部32aは周囲をレジスト凸部33で囲まれており、一方、開口部32bは微細なレジスト凸部33を介して複数の開口部32bが隣接している。このような開口部32を有するレジストパターン31を介したハードマスク材料層21のドライエッチング時のエッチング速度は、開口面積が大きく、かつ開口率が大きい開口部32bで大きく、開口面積が小さく、かつ開口率が小さい微細な開口部32aで小さくなる。そして、本発明では、レジストパターンの複数種の開口部のうち、少なくともレジストパターンを介したハードマスク材料層のドライエッチング時のエッチング速度が最も大きい開口部内のハードマスク材料層上にはレジストが存在し、かつ、エッチング速度が最も大きい開口部内に存在するレジストが他の開口部内に存在するレジストよりも厚いことを特徴としている。そして、図示例では、ドライエッチング時のエッチング速度が最も大きい開口部32b内のハードマスク材料層21上にレジスト34bが存在している。また、ドライエッチング時のエッチング速度が小さい開口部32a内のハードマスク材料層21上にもレジスト34aが存在しており、このレジスト34aはレジスト34bよりも薄いものである。したがって、開口部32aの深さは、開口部32bの深さよりも深いものとなっている。このようなレジスト34aの厚み、および、レジスト34bの厚みは、レジストパターン31を介したハードマスク材料層21のドライエッチングにおいて、レジスト34aとレジスト34bが除去される時間、開口部32a、開口部32bにおけるハードマスク材料層21のエッチング速度およびハードマスク材料層21の厚みを考慮して、後述するように、ハードマスク材料層21のエッチングが同時、あるいは、ほぼ同時に完了するように設定することができる。
このようなレジストパターン31は、ネガ型あるいはポジ型の感光性レジスト材料、熱硬化性レジスト材料、熱可塑性レジスト材料等を用いて形成されたものとすることができ、レジストパターン31の厚み(開口部が存在しない部位(レジスト凸部33)の厚み)は、ハードマスク材料層21のドライエッチング時のエッチング選択比(ハードマスク材料層のエッチング速度/レジストパターンのエッチング速度)を考慮して設定することができる。
このような本発明のパターン成形用構造体1は、具備するレジストパターン31を介したハードマスク材料層21のドライエッチングにおいて、開口部32a内、開口部32b内にそれぞれレジスト34aおよびレジスト34bが存在し、レジスト34aがレジスト34bよりも薄いので、開口部32aにおけるハードマスク材料層21のドライエッチングは、開口部32bにおけるハードマスク材料層21のドライエッチングよりも早く開始される。これにより、開口部32a、開口部32bにおけるハードマスク材料層21のエッチング完了までの時間の相違が緩和あるいは打ち消される。したがって、高精度のハードマスクパターンを形成することが可能であり、このように形成されたハードマスクを介した被エッチング体11のドライエッチングによって、高い精度で微細パターンの形成が可能である。さらに、開口部内にレジストが存在することにより、レジストパターン31の滑りが防止でき、また、レジスト凸部33の高さが小さくなることにより、レジストパターン31の倒れも防止することができる。尚、レジストパターン31の種類によってもエッチング完了までの時間の相違の緩和程度が異なる。
ここで、図3を参照しながら上記のレジスト34aおよびレジスト34bの厚みの設定の一例について説明する。まず、レジスト34aおよびレジスト34bが存在しない状態でのレジストパターン31を介したハードマスク材料層21のドライエッチング時の開口部32aにおけるハードマスク材料層21のエッチング速度をRma、開口部32bにおけるハードマスク材料層21のエッチング速度をRmbとする。また、ドライエッチング時のレジストパターン31のエッチング速度をRrとし、ハードマスク材料層21の厚みをt、レジストパターン31(レジスト凸部33)の厚みをTとする。このような場合において、開口部32a内のハードマスク材料層21上に存在するレジスト34aの厚みTa、開口部32b内のハードマスク材料層21上に存在するレジスト34bの厚みTbを、下記の関係式が成立するように設定することができる。
0 ≦ Ta < Tb
Ta/Rr + t/Rma ≦ T/Rr
Tb/Rr + t/Rmb ≦ T/Rr
この関係式から明らかなように、開口部32a内のハードマスク材料層21上にはレジストが存在しなくてもよい。
上記の関係式が成立するようにレジスト34aの厚みTa、および、レジスト34bの厚みTbを設定することにより、レジストパターン31を介したハードマスク材料層21のドライエッチングが完了するまでレジストパターン31が確実に残存する。そして、より好ましくは、下記の関係式が成立するように設定することができる。
Ta/Rr + t/Rma ≦ (T−Tb)/Rr
Tb/Rr + t/Rmb ≦ (T−Tb)/Rr
この関係式が成立するようにレジスト34aの厚みTa、および、レジスト34bの厚みTbを設定することにより、レジストパターン31を介したハードマスク材料層21のドライエッチングが完了したときに、レジストパターン31は厚みがTb以上の状態で残存する。したがって、レジストパターン31が消失してハードマスク材料層21全体がエッチングされることによるハードマスクパターンの精度の低下や、ハードマスク材料層21の下の被エッチング体11のエッチングが確実に防止される。
また、上記の関係式が成立することに加えて、下記の関係式が成立することが更に好ましい。このような関係式が成立することにより、開口部32a、開口部32bにおけるハードマスク材料層21のエッチングが同時に完了し、ハードマスク材料層21のエッチング部位の寸法のバラツキ発生が防止され、ハードマスクパターンの精度が向上し、より高い精度で被エッチング体のパターン形成が可能になる。
Ta/Rr + t/Rma = Tb/Rr + t/Rmb
このようなパターン形成用構造体は、例えば、マイクロコンタクトプリント法に使用するスタンプを作製するためのマスター版の製造や、このスタンプを作製するためのマスター版から転写して作製されるレプリカ版の製造、インプリント法に使用するモールドを作製するためのマスター版の製造や、このモールドを作製するためのマスター版から転写して作製されるレプリカ版の製造、あるいは、半導体およびカラーフィルタ等の製造の用途に使用されるフォトマスク、またはトレンチ形成等を行う半導体装置部品の製造等に適用可能である。
上述の実施形態は例示であり、本発明のパターン形成用構造体はこれらに限定されるものではない。例えば、図4に示されるように、開口面積が小さく、かつ開口率が小さい微細な開口部32a内にはレジストが存在せず、開口面積が大きく、かつ開口率が大きな開口部32bのみにレジスト34bが存在するレジストパターン31′を備えたパターン形成用構造体1′であってもよい。
また、図5に示されるように、レジストパターン31″が、開口面積が小さく、かつ開口率が小さい微細な開口部32aと、この開口部32aよりも開口面積が大きく、かつ開口率が大きい開口部32cと、この開口部32cよりも更に開口面積が大きく、かつ開口率が大きな開口部32bの3種の開口部を有しているパターン形成用構造体1″であってもよい。この例では、ドライエッチング時のエッチング速度が最も大きい開口部32b内のハードマスク材料層21上にレジスト34bが存在し、エッチング速度が小さい開口部32a内のハードマスク材料層21上にレジスト34aが存在し、さらに、エッチング速度が中間である開口部32c内のハードマスク材料層21上にレジスト34cが存在している。この場合のレジスト34a、レジスト34bおよびレジスト34cの厚みの設定は、上記のレジスト34a、レジスト34bの厚みの設定と同様に行うことができる。すなわち、上記の設定に加えて、レジスト34cが存在しない状態でのレジストパターン31を介したハードマスク材料層21のドライエッチング時の開口部32cにおけるハードマスク材料層21のエッチング速度をRmcとしたときに、開口部32a内のハードマスク材料層21上に存在するレジスト34aの厚みTa、開口部32b内のハードマスク材料層21上に存在するレジスト34bの厚みTb、開口部32c内のハードマスク材料層21上に存在するレジスト34cの厚みTcを、下記の関係式が成立するように設定することができる。
0 ≦ Ta < Tc < Tb
Ta/Rr + t/Rma ≦ T/Rr
Tb/Rr + t/Rmb ≦ T/Rr
Tc/Rr + t/Rmc ≦ T/Rr
この関係式から明らかなように、開口部32a内のハードマスク材料層21上にはレジストが存在しなくてもよい。
より好ましくは、下記の関係式が成立するように設定することができる。
Ta/Rr + t/Rma ≦ (T−Tb)/Rr
Tb/Rr + t/Rmb ≦ (T−Tb)/Rr
Tc/Rr + t/Rmc ≦ (T−Tb)/Rr
また、上記の関係式が成立することに加えて、下記の関係式が成立することが更に好ましい。
Ta/Rr + t/Rma = Tb/Rr + t/Rmb
= Tc/Rr + t/Rmc
上述の実施形態は例示であり、本発明のパターン成形用構造体はこれらに限定されるものではない。
また、クロム等のハードマスク材料に対してマイクロローディング効果を起す開口部の形状としては、図1に例示した開口部32a、開口部32bの他に、例えば、図6および図7に示すような例が挙げられる。図6に示される例では、レジストパターン31が有する開口部32は、ハーフピッチがP1であるライン/スペースのスペースを構成する開口部32aと、ハーフピッチがP2(P2>P1)であるライン/スペースのスペースを構成する開口部32bの2種からなっている。図中、斜線を付している部位は、ライン/スペースのラインを構成するレジスト凸部33を示している。スペースを構成するこの例では、開口部32aの開口面積が開口部32bの開口面積よりも小さいので、開口部32aにおけるエッチング速度が開口部32bにおけるエッチング速度よりも小さくなる。また、図7に示される例では、レジストパターン31が有する開口部32は、単体ホールである開口部32aと、単体スペースである開口部32bの2種からなっている。図中、斜線を付している部位はレジスト凸部33を示している。この例では、開口部32aの開口幅Lと開口部32bの開口幅Lは同じであるが、開口部32aの開口面積および開口率が開口部32bの開口面積および開口率よりも小さいので、開口部32aにおけるエッチング速度が開口部32bにおけるエッチング速度よりも小さくなる。
[微細パターン成形方法]
図8は、本発明の微細パターン形成方法の一実施形態を説明するための工程図であり、上述の本発明のパターン形成用構造体1の製造例を含むものである。
本発明では、まず、被エッチング体11の所望の面11aにハードマスク材料層21を形成する(図8(A))。被エッチング体11としては、例えば、石英ガラスやソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、金属基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合体等を使用することができる。また、例えば、半導体やディスプレイ等に用いられる微細配線や、フォトニック結晶構造、光導波路、ホログラフィのような光学的構造等の所望のパターン構造物が形成されたものを被エッチング体11としてもよい。
ハードマスク材料層21の形成は、被エッチング体11とのエッチング選択性を利用したドライエッチングが可能な材料を用いて、スパッタリング法等により行うことができる。また、複数種の開口部を有するレジストパターンを介したドライエッチング時にレジストパターンの開口部の開口面積、開口率および開口形状の相違に応じてエッチング速度に相違(マイクロローディング効果)を生じる材料を用いて、スパッタリング法等によりハードマスク材料層21を形成することができる。マイクロローディング効果を生じる材料としては、例えば、クロム、モリブデン、チタン、タンタル、ジルコニウム、タングステン等の金属、これらの金属の合金、酸化クロム、酸化チタン等の金属酸化物、窒化クロム、窒化チタン等の金属窒化物、ガリウム砒素等の金属間化合物等を挙げることができる。使用するハードマスク材料は、被エッチング体11の材質、被エッチング体11のドライエッチング条件、被エッチング体11とのエッチング選択比(被エッチング体のエッチング速度/ハードマスクのエッチング速度)を考慮して適宜選定することができる。また、ハードマスク材料層21の厚みは、被エッチング体11のドライエッチング条件と、ドライエッチング時のエッチング選択比(被エッチング体のエッチング速度/ハードマスクのエッチング速度)を考慮して設定することができ、例えば、1〜500nmの範囲で適宜設定することができる。
上記のような材料に対してマイクロローディング効果を起すようなレジストパターンの複数種の開口部とは、開口面積および開口率の大小あるいは開口形状により反応性原子(ラジカル)やイオン種の供給量に相違を生じるような開口部である。すなわち、開口面積が小さい微細な開口部と、この開口部よりも開口面積が大きい開口部が存在する場合、開口面積が小さく微細になるとエッチング速度が低下する。また、開口面積が同じ場合でも、ある一定の面積内における開口率が小さくなるほどエッチング速度が低下する。さらに、同程度の開口面積をもつパターンであっても、開口形状によりエッチング速度に差が生じる場合がある。例えば、同程度の開口面積をもつ1:1の間隔で存在する円形パターン群と1:3の間隔で存在するライン/スペース群では、後者の方がエッチング速度は大きくなる。ここで、上記の一定の面積内とは、レジストパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)、AFM(原子間力顕微鏡)などの微細パターン観察ツールで観察したときに、最大開口部をもつパターンが他の開口部とパターン群をなさない1つの開口部、または、複数の開口部からなるパターン群が確認できる任意の観察視野内である。また、開口部の開口率とは、上記の視野内に占める総開口面積の割合である。また、開口部の開口形状とは、開口部自体の形状であり、その例としては、円形、多角形、あるいは、帯状の矩形などが挙げられる。尚、ある一つの開口部に注目し、その開口部の周囲20μm以内に他の開口部が存在しない場合には、その開口部を単体であると定義し、開口部の近隣に他のパターンが存在する場合には、それらをパターン群と呼ぶこととする。ここで、単体の例としては、単体ホール、単体スペース等、パターン群の例としては、密集ホール、ライン/スペース等が挙げられる。
次に、ハードマスク材料層21の表面21a上に複数種の開口部を有するレジストパターン31を形成する(図8(B))。レジストパターン31は、開口面積と開口率と開口形状の相違がある複数種の開口部32を有しており、図示例では、開口面積が小さく、かつ開口率が小さい微細な開口部32aと、この開口部32aよりも開口面積が大きく、かつ開口率が大きな開口部32bの2種の開口部を有している。開口部32aは周囲をレジスト凸部33で囲まれており、一方、開口部32bは微細なレジスト凸部33を介して複数の開口部32bが隣接している。このような開口部32を有するレジストパターン31を介したハードマスク材料層21のドライエッチング時のエッチング速度は、開口面積が大きく、かつ開口率が大きい開口部32bで大きく、開口面積が小さく、かつ開口率が小さい微細な開口部32aで小さいものとなる。そして、ドライエッチング時のエッチング速度が大きい開口部32b内のハードマスク材料層21上にレジスト34bが存在している。また、ドライエッチング時のエッチング速度が小さい開口部32a内のハードマスク材料層21上にもレジスト34aが存在している。ここで、本発明では、レジストパターン31を形成する工程において、レジストパターンの開口部のうち、少なくともレジストパターンを介したハードマスク材料層のドライエッチング時のエッチング速度が最も大きい開口部内のハードマスク材料層上にレジストを残存させるとともに、エッチング速度が最も大きい開口部内に存在するレジストの厚みを他の開口部内に存在するレジストの厚みよりも大きくすることを特徴としている。したがって、レジストパターン31を形成する工程では、レジスト34bをレジスト34aよりも厚く形成する。これにより、上述の本発明のパターン形成用構造体1が得られる。尚、レジストパターン31の形成方法については後述する。
次いで、レジストパターン31を介してハードマスク材料層21をドライエッチングしてハードマスクパターンを形成しハードマスク22とする(図8(C))。ハードマスク材料層21のドライエッチングでは、ハードマスク材料、あるいは、エッチング選択比(ハードマスク材料層のエッチング速度/レジストパターンのエッチング速度)を考慮して、例えば、フッ素系ガス、塩素系ガス等を使用することができる。このハードマスク22の形成では、レジストパターン31の開口部32a内、開口部32b内にそれぞれレジスト34aおよびレジスト34bが存在し、レジスト34aがレジスト34bよりも薄いので、開口部32aにおけるハードマスク材料層21のドライエッチングは、開口部32bにおけるハードマスク材料層21のドライエッチングよりも早く開始される。したがって、開口部32a、開口部32bにおけるハードマスク材料層21のエッチング完了までの時間の相違が緩和あるいは打ち消される。これにより、高精度のハードマスク22を形成することが可能である。
次に、ハードマスク22を介して被エッチング体11をドライエッチングすることにより微細パターン12を形成する(図8(D))。この被エッチング体11のドライエッチングでは、エッチング選択比(被エッチング体のエッチング速度/ハードマスクのエッチング速度)を考慮して、例えば、フッ素系ガス、塩素系ガス等を使用することができる。
ここで、上記のレジストパターン31の形成について、図9〜図11を参照して説明する。
図9はモールドを用いたレジストパターン31の形成例であり、ハードマスク材料層21の表面21aに光硬化性、熱硬化性、あるいは、熱可塑性のレジスト材料を用いてレジスト層30Aを形成する(図9(A))。次いで、凸形状パターン42を有するモールド41とレジスト層30Aとを押し付ける(図9(B))。モールド41の凸形状パターン42は、開口部32aを形成するための凸部42aと、開口部32bを形成するための凸部42bを有しており、モールド41とレジスト層30Aとの押し付けは、凸部42aとハードマスク材料層21との距離が上記のレジスト34aの厚みに相当し、凸部42bとハードマスク材料層21との距離が上記のレジスト34bの厚みに相当するように制御する。そして、レジスト層30Aを硬化させた後にモールド41を引き離すことにより、レジストパターン31が得られる(図9(C))。
また、図10はポジ型の感光性レジスト材料を用いたレジストパターン31の形成例であり、ハードマスク材料層21の表面21aにポジ型の感光性レジスト材料を用いてレジスト層30Bを形成する(図10(A))。次いで、レジスト層30Bの開口部32の形成部位に電子線描画装置、レーザ描画装置、ステッパー、スキャナー等の装置を用いて電子線等を照射し、所望のパターン潜像32a′、32b′を形成する(図10(B))。このレジスト層30Bへのパターン潜像の形成における照射量を調整することにより、開口部32a内のレジスト34aの厚み、開口部32b内のレジスト34bの厚みを制御することができる。すなわち、厚みの小さいレジスト34aを残存させる開口部32aの形成部位32a′への照射量を大きく、厚みの大きいレジスト34bを残存させる開口部32bの形成部位32b′への照射量を小さくするように調整する。その後、レジスト層を現像することにより、レジストパターン31が得られる(図10(C))。
また、図11はネガ型の感光性レジスト材料を用いたレジストパターン31の形成例であり、ハードマスク材料層21の表面21aにネガ型の感光性レジスト材料を用いてレジスト層30Cを形成する(図11(A))。次いで、レジスト層30Cの開口部32を形成しない部位に電子線描画装置、レーザ描画装置、ステッパー、スキャナー等の装置を用いて電子線等を照射し、所望のパターン潜像32a′、32b′を形成する(図11(B))。次に、レジスト層30Cの開口部32の形成部位に微量露光を行うことにより、開口部32a内のレジスト34aの厚み、開口部32b内のレジスト34bの厚みを制御する(図11(C))。すなわち、厚みの大きいレジスト34bを残存させる開口部32bの形成部位32b′へ微量の露光を行い、厚みの小さいレジスト34aを残存させるように開口部32aの形成部位32a′へ更に微量の露光を行い、この微量露光の露光量を調整することにより残存するレジストの厚みを制御する。その後、レジスト層を現像することにより、レジストパターン31が得られる(図11(D))。
上記のようなレジストパターン31の形成におけるレジスト34aおよびレジスト34bの厚みの設定は、上述の図3を参照しながら説明した内容と同様に行うことができる。
また、所定のドライエッチング条件における上述の説明のハードマスク材料層21のエッチング速度Rmaとエッチング速度Rmbが不明である場合には、種々の開口部におけるハードマスク材料層のエッチング速度のデータベースを予め作成しておき、該当する条件の開口部に対応するエッチング速度をデータベースから決定することができる。例えば、図12に示されるように、開口部の開口形状を同一とし、開口面積を種々変化させたときのエッチング速度を測定してデータベースとすることができる。この例では、開口面積がナノ単位のS1(例えば、数nm2〜数百nm2)である開口部では、反応性原子(ラジカル)やイオン種の供給が不十分であり、開口面積の増加に応じてエッチング速度が大きくなる。一方、開口面積がミクロン単位のS2(例えば、数μm2〜数百μm2)である開口部では、反応性原子(ラジカル)やイオン種の供給が安定したものであり、エッチング速度が一定となっている。また、図13に示されるように、開口部の開口面積を同一とし、開口形状を種々変化させたときのエッチング速度を測定してデータベースとすることができる。この例では、開口形状を単体ホール、密集ホール、単体スペース、ライン/スペースとし、各開口形状におけるエッチング速度が測定されている。
上述の実施形態は例示であり、本発明の微細パターン形成方法はこれらに限定されるものではない。
次に、より具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
<マイクロローディング効果に関するデータベースの作成>
石英ガラス基板上にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み約20nm)を成膜した。
次いで、ネガ型の感光性レジスト材料としてネガ型電子線感応レジスト(東京応化(株)製 NEB)をスピンコート法で上記のクロム薄膜上に供給してレジスト層(厚み300nm)を形成した。このレジスト層に、電子線描画装置で開口部のパターン潜像を形成し、その後、現像することにより、レジストパターンの開口部の形状が下記のような単体ホール、密集ホール、単体スペース、ライン/スペースである4種のテストサンプルを作製した。
・単体ホール :開口形状は一辺200nmの正方形である。
・密集ホール :一辺200nmの正方形が幅200nmのレジスト凸部を介して
碁盤目状に隣接してパターン群をなしている。
・単体スペース :開口形状は幅200nm、長さ200μmの帯状である。
・ライン/スペース:ライン(nm)/スペース(nm)が200/200のパターン
群である。
上記の4種のテストサンプルにおいて、下記のドライエッチング条件でレジストパターンを介してクロム薄膜のエッチングを行い、エッチング速度を導出した。そして、図13に示すように、単体ホールにおけるエッチング速度が最も小さく、密集ホール、単体スペース、ライン/スペースの順にエッチング速度が大きくなる結果を得てデータベースとした。
(ドライエッチング条件)
・Cl2ガス流量 : 150sccm
・O2ガス流量 : 50sccm
・ICPパワー : 400W
・RIEパワー : 100W
・圧力 : 1.0Pa
<パターン形成用構造体の作製および微細パターンの形成>
被エッチング体として石英ガラス基板(直径6インチ、厚み0.25インチ)を準備した。
次に、この被エッチング体上にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み約20nm)を成膜してハードマスク材料層とした。
次いで、ネガ型の感光性レジスト材料として上記と同じネガ型電子線感応レジストをスピンコート法で上記のハードマスク材料層上に供給してレジスト層を形成した。上記のデータベースから、上記と同じドライエッチング条件でのクロム薄膜(ハードマスク材料層)のドライエッチング速度は、密集ホールの開口部では10.7nm/分であり最も小さく、ライン/スペース(200/200)の開口部では19.3nm/分であり最も大きいものであった。そして、レジスト層は、下記のように形成する密集ホールとライン/スペースのうちエッチング速度が最も小さい密集ホールにおけるクロム薄膜のエッチングが完了するまで消失しないように、厚みT=300nmとした。尚、上記と同じドライエッチング条件でのレジストパターンのドライエッチング速度は20.6nm/分であった。
次いで、レジスト層の開口部非形成部位に電子線描画装置を用いて電子線を照射(露光量50μC/cm2)し、一辺200nmの正方形が幅200nmのレジスト凸部を介して碁盤目状に隣接してパターン群をなしている密集ホールと、ライン/スペース(200/200)の2種のパターン潜像を形成した。次に、ライン/スペース(200/200)の開口部に相当する部位に対して電子線描画装置を用いて微量の電子線を照射(露光量10μC/cm2)した。その後、レジスト層を現像することによりレジストパターンを形成して、パターン形成用構造体を作製した。形成したレジストパターンを、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した結果、ライン/スペース(200/200)におけるレジストパターンの倒れ、滑りは見られなかった。
このように作製したパターン形成用構造体のレジストパターンの開口部に相当する部位を、石英ガラス基板を傾け、斜め方向からSEMを用いて観察した。その結果、密集ホールからなる開口部内にはレジストが存在せず、ライン/スペース(200/200)の開口部内のハードマスク材料層上には厚み約10nmのレジストが存在することが確認された。
ここで、上記の密集ホールからなる開口部におけるクロム薄膜のドライエッチング速度(10.7nm/分)をRmaとし、ライン/スペース(200/200)の開口部におけるクロム薄膜のドライエッチング速度(19.3nm/分)をRmbとし、レジストパターンのドライエッチング速度(20.6nm/分)をRrとし、ハードマスク材料層の厚み(20nm)をtとし、レジストパターンの厚み(300nm)をTとし、密集ホールからなる開口部に存在するレジストの厚み(0nm)をTaとした。さらに、ライン/スペース(200/200)の開口部に存在するレジストの厚みが約10nmであることから、Tb=10nmとした。このときに、下記の関係式が成立することが確認された。
0 ≦ Ta < Tb
Ta/Rr + t/Rma ≦ (T−Tb)/Rr
Tb/Rr + t/Rmb ≦ (T−Tb)/Rr
次いで、レジストパターンを介してハードマスク材料層を上記と同じドライエッチング条件でドライエッチングしてハードマスクパターンを形成してハードマスクとした。このように形成したハードマスクと被エッチング体を、SEMを用いて観察した結果、密集ホールからなる開口部とライン/スペース(200/200)の開口部とにおいて、いずれもハードマスク材料層のエッチングが完了しているとともに、レジストパターンは消失しておらず、また、被エッチング体へのエッチングは生じていないことが確認された。
その後、下記のドライエッチング条件で、このハードマスクを介して被エッチング体をドライエッチングして微細パターンを形成した。
(被エッチング体のドライエッチング条件)
・CF4ガス流量 : 40sccm
・ICPパワー : 400W
・RIEパワー : 200W
・圧力 : 1.5Pa
このように形成した微細パターンの寸法精度をCD−SEMを用いて観察、測定した。その結果、密集ホールおよびライン/スペース(200/200)のいずれの微細パターンも、設計寸法に対するズレが±10nm以下であった。したがって、開口部内のハードマスク材料層上に厚みが約10nmのレジストが存在するライン/スペース(200/200)の開口部であっても、開口部内のハードマスク材料層上にレジストが存在しない密集ホールからなる開口部と同等の加工が可能であることが確認された。
マイクロコンタクトプリント法に使用するスタンプを作製するためのマスター版の製造や、このスタンプを作製するためのマスター版から転写して作製されるレプリカ版の製造、インプリント法に使用するモールドを作製するためのマスター版の製造や、このモールドを作製するためのマスター版から転写して作製されるレプリカ版の製造、あるいは、半導体およびカラーフィルタ等の製造の用途に使用されるフォトマスク、またはトレンチ形成等を行う半導体装置の製造等の微細パターン形成を必要とする種々の加工に利用可能である。
1,1′,1″…パターン形成用構造体
11…被エッチング体
21…ハードマスク材料層
22…ハードマスク
31,31′,31″…レジストパターン
32,32a,32b…開口部
34a,34b…レジスト

Claims (6)

  1. ハードマスクを介して被エッチング体をドライエッチングすることにより微細パターンを形成するためのパターン形成用構造体において、
    被エッチング体と、該被エッチング体の所望の面に位置するハードマスク材料層と、該ハードマスク材料層上に位置するレジストパターンとを備え、
    該レジストパターンは複数種の開口部を有し、該開口部のうち、少なくとも前記レジストパターンを介したハードマスク材料層のドライエッチング時のエッチング速度が最も大きい開口部内の前記ハードマスク材料層上にはレジストが存在し、かつ、前記エッチング速度が最も大きい開口部内に存在するレジストが他の開口部内に存在するレジストよりも厚く、
    ドライエッチング時の前記ハードマスク材料層のエッチング速度が最も小さいRmaである開口部内に存在する前記レジストの厚みをTaとし、ドライエッチング時の前記ハードマスク材料層のエッチング速度が最も大きいRmbである開口部内に存在する前記レジストの厚みをTbとし、前記レジストパターンの厚みをT、ドライエッチング時の前記レジストパターンのエッチング速度をRr、前記ハードマスク材料層の厚みをtとしたときに、下記の関係式が成立することを特徴とするパターン成形用構造体。
    0 ≦ Ta < Tb
    Ta/Rr + t/Rma ≦ (T−Tb)/Rr
    Tb/Rr + t/Rmb ≦ (T−Tb)/Rr
    Ta/Rr + t/Rma = Tb/Rr + t/Rmb
  2. レジストパターンの開口部内の前記ハードマスク材料層上に存在するレジストの厚みは、前記ハードマスク材料層のエッチング速度が大きい開口部ほど厚いことを特徴とする請求項1に記載のパターン成形用構造体。
  3. 前記ハードマスク材料層はクロム、モリブデン、チタン、タンタル、ジルコニウム、タングステン、これらの金属の合金、および、酸化クロム、酸化チタン、窒化クロム、窒化チタン、ガリウム砒素からなる群の中の少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン成形用構造体。
  4. 被エッチング体の所望の面にハードマスク材料層を形成する工程と、
    前記ハードマスク材料層上に複数種の開口部を有するレジストパターンを形成する工程と、
    該レジストパターンを介して前記ハードマスク材料層をドライエッチングしてハードマスクパターンを形成する工程と、
    該ハードマスクを介して前記被エッチング体をドライエッチングすることにより微細パターンを形成する工程と、を備え、
    前記レジストパターンを形成する工程では、前記レジストパターンの開口部のうち、少なくとも前記レジストパターンを介したハードマスク材料層のドライエッチング時のエッチング速度が最も大きい開口部内の前記ハードマスク材料層上にレジストを残存させるとともに、前記エッチング速度が最も大きい開口部内に存在するレジストの厚みを他の開口部内に存在するレジストの厚みよりも大きくし、
    レジストパターンを介した前記ハードマスク材料層のドライエッチング時における最も小さいエッチング速度がRmaであり、最も大きいエッチング速度がRmbであり、前記レジストパターンの厚みがTであり、前記ハードマスク材料層のドライエッチング時の前記レジストパターンのエッチング速度がRrであり、前記ハードマスク材料層の厚みがtであるとしたときに、前記ハードマスク材料層のエッチング速度が最も小さい開口部内の前記ハードマスク材料層上に存在するレジストの厚みTaと、前記ハードマスク材料層のエッチング速度が最も大きい開口部内の前記ハードマスク材料層上に存在するレジストの厚みTbを、下記の関係式が成立するように設定することを特徴とする微細パターン成形方法。
    0 ≦ Ta < Tb
    Ta/Rr + t/Rma ≦ (T−Tb)/Rr
    Tb/Rr + t/Rmb ≦ (T−Tb)/Rr
    Ta/Rr + t/Rma = Tb/Rr + t/Rmb
  5. 前記レジストパターンを形成する工程では、レジストパターンを介したハードマスク材料層のドライエッチング時におけるレジストパターンの開口部の開口面積、開口率および開口形状の相違に応じたハードマスク材料層のエッチング速度、レジストパターンのエッチング速度、ハードマスク材料層の厚み、レジストパターンの厚みを基に、レジストパターンを介した前記ハードマスク材料層のドライエッチングが完了するまでレジストパターンが存在するように、前記レジストパターンの開口部内の前記ハードマスク材料層上に残存させるレジストの厚みを設定することを特徴とする請求項4に記載の微細パターン成形方法。
  6. 前記レジストパターンを形成する工程では、レジストパターンの開口部内の前記ハードマスク材料層上に存在するレジストを、前記ハードマスク材料層のエッチング速度が大きい開口部ほど厚く形成することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の微細パターン成形方法。
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