JP5915020B2 - 赤外線検出素子及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線検出素子にかかわり、特に、赤外線の照射量を検出する素子に関するものである。
検出部をシリコン基板から浮かせた場所に作成したボロメーター型赤外線検出素子が特許文献1に開示されている。それによると、検出部に当たるボロメーターの上に赤外線吸収膜を設けている。吸収部で赤外線を熱に変換し、この熱によって検出部を暖める。そして、検出部の抵抗温度変化を読み出すことで、赤外線検出素子として機能している。シリコン基板上には検出部と対向する場所に赤外線反射膜を備えている。そして、検出部を透過する赤外線を反射させて検出部を照射する。これにより、効率良く照射された赤外光を検出部に集光させている。
シリコン基板に凹部を形成して、検出部をシリコン基板から離した構造を備える赤外線検出素子が特許文献2に開示されている。それによると、シリコン基板に凹部を形成し、さらに、凹部から柱を立設させている。そして、柱が検出部を支えている。これにより、検出部とシリコン基板との間に空洞を形成している。
特開2001−272271号公報 特開2001−210877号公報
シリコン基板に凹部を形成してシリコン基板と検出部との間に凹部形成するとき、深い空洞を形成するには時間がかかる。そこで、生産性を良くするには凹部を浅くすることが有効となる。空洞を浅くするとき検出部とシリコン基板との間で赤外線の放射による熱伝導が発生する。検出部の熱がシリコン基板に放熱するとき、検出部に赤外線が照射されても、検出部の温度が上昇し難くなるので検出部の感度が悪くなる。そこで、検出部からシリコン基板に放射による熱伝導が抑制できる構造の赤外線検出素子が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
本発明の赤外線検出素子の一態様は、基体と、第1面及び前記第1面の反対側に前記基体に向く第2面を有する支持部と、前記支持部の前記第1面の側に位置し赤外線を検出する検出部と、を含み、前記支持部の前記第2面の側に、光放射低減膜が配置されたことを特徴とする。
[適用例1]
本適用例にかかる赤外線検出素子であって、基体と、第1面及び前記第1面の反対側に前記基体を向く第2面を有し、前記基体に固定される梁によって保持された支持部と、前記支持部の前記第1面に位置し赤外線を検出する検出部と、を有し、前記第2面にはPt、Al、AlOx、Ni、W、Mo、Feのいずれか1つを含む第1金属膜を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、赤外線検出素子は基体を備え、基体に梁の一端が固定されている。そして、梁は支持部を保持する。支持部の第2面は基体を向いており、第1面には赤外線を検出する検出部が設置されている。従って、検出部に赤外線が照射されるとき、赤外線によって検出部及び支持部が加熱される。そして、検出部は温度変化を検出することにより赤外線の照射量を検出する。梁によって支持部は保持されているため、検出部及び支持部に蓄積する熱量は梁以外から熱伝導し難くなっている。
検出部及び支持部に蓄積する熱量の一部は光となって基板に向かって放射される。本適用例の支持部は第2面に第1金属膜を備えている為、支持部に蓄積する熱量が光となって基板に向かって放射されるのを抑制することができる。その結果、検出部及び支持部は放熱し難くなるため、赤外線検出素子は感度良く赤外線を検出することができる。
[適用例2]
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記基体において前記支持部と対向する場所にはPt、Al、AlOx、Ni、W、Mo、Feのいずれか1つを含む第2金属膜を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、赤外線検出素子は支持部と対向する場所の基体に第2金属膜を備えている。これにより、支持部から放射される光は第2金属膜にて反射される。従って、支持部から放出される熱量のうち光となって放射される熱量が基体に伝熱することを抑制することができる。
[適用例3]
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記検出部は、Si、SiN、金黒膜のいずれか1つを含む赤外線吸収膜を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、赤外線検出素子の検出部は赤外線吸収膜を備えている。赤外線吸収膜はSi、SiN、金黒膜のいずれか1つを含み、Si、SiN、金黒膜は赤外線を反射せずに吸収する。従って、検出部は照射される赤外線が反射されるのを抑制することができる為、効率良く赤外線を吸収することができる。その結果、赤外線検出素子は感度良く赤外線を検出することができる。
[適用例4]
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記梁は前記第1金属膜を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、赤外線検出素子の梁は第1金属膜を備えている。これにより、梁は熱を光に変換して放射することを抑制することができる。従って、梁の温度が冷却し難くなるため、支持部の温度を下げ難くすることができる。その結果、赤外線が照射されるとき支持部は効率良く温度上昇する為、赤外線検出素子は感度良く赤外線を検出することができる。
[適用例5]
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記検出部と接続する配線を備え、前記配線は前記第1金属膜に覆われることを特徴とする。
本適用例によれば、検出部は配線と接続されている。配線は熱伝導性が良いので検出部に赤外線が照射されるときに温度が上昇する。そして、温度上昇によって、配線に伝導する熱量が光となって放射される。配線は第1金属膜に覆われている為、配線から熱量が光となって放射するのを防止することができる。その結果、検出部は温度が低下し難くなる為、赤外線検出素子は感度良く赤外線を検出することができる。
[適用例6]
本適用例にかかる電子機器は、赤外線を検出する光検出部を備える電子機器であって、前記光検出部に上記のいずれか一項に記載の赤外線検出素子を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、電子機器は赤外線を検出する光検出部を備えている。そして、光検出部は上記適用例に記載の赤外線検出素子を備えている。上記適用例に記載の赤外線検出素子は熱が光となって放出するのを防止する感度の良い素子である。従って、本適用例の電子機器は光検出部に感度の良い赤外線検出素子を備えた電子機器とすることができる。
第1の実施形態にかかわり、(a)は、赤外線検出装置の構成を示す模式平面図、(b)は、赤外線検出装置の構成を示す模式断面図。 赤外線検出素子の構成を示す要部模式側断面。 2つの面の間の熱移動量の関係を示す図。 赤外線検出素子の製造方法を示すフローチャート。 赤外線検出素子の製造方法を説明するための模式図。 赤外線検出素子の製造方法を説明するための模式図。 赤外線検出素子の製造方法を説明するための模式図。 赤外線検出素子の製造方法を説明するための模式図。 第2の実施形態にかかわり、(a)は、赤外線検出装置の構成を示すブロック図、(b)は、赤外線検出素子の配列を説明するための模式図。 第3の実施形態にかかわる赤外線カメラの構成を示すブロック図。 第4の実施形態にかかわる運転支援装置の構成を示すブロック図。 運転支援装置を搭載した自動車を示す概略斜視図。 第5の実施形態にかかわるセキュリティー機器の構成を示すブロック図。 セキュリティー機器が設置された家を示す模式図。 第6の実施形態にかかわるゲーム機器のコントローラーの構成を示すブロック図。 コントローラーの使用方法を説明するための模式図。 第7の実施形態にかかわる体温測定装置の構成を示すブロック図。 第8の実施形態にかかわる特定物質探知装置の構成を示すブロック図を用いて説明する。
以下、構造に特徴のある赤外線検出素子の実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、赤外線検出素子と赤外線検出素子の組立方法の特徴的な例について図1〜図4に従って説明する。
(赤外線検出装置)
図1(a)は、赤外線検出装置の構成を示す模式平面図であり、図1(b)は、赤外線検出装置の構成を示す模式断面図である。図1(b)は図1(a)のA−A’線に沿った断面図である。図1に示すように、赤外線検出装置1は平面視が四角形の基体としての第1基板2を備えている。第1基板2の4辺のうち直交する2辺の方向をX方向及びY方向とする。そして、鉛直方向を−Z方向とする。第1基板2のZ方向の面を第1表面2aとし、第1基板2の−Z方向の面を第1裏面2bとする。つまり、第1表面2aと第1裏面2bとは互いに反対側を向く面となっている。
第1基板2には16個の赤外線検出素子3が4行4列の格子状に配列して配置されている。赤外線検出素子3の個数や配列の数は特に限定されない。赤外線検出素子3は1個〜15個でも良く、17個以上でも良い。赤外線検出素子3の個数が多い程空間分解能を高くすることができる。
第1基板2の第1表面2a側には赤外線検出素子3毎に赤外線を検出する検出部4が設置されている。検出部4と接続して配線としての上電極配線5と配線としての下電極配線6とが設置されている。第1基板2の第1表面2aから第1裏面2bまで貫通する上貫通電極7と下貫通電極8とが形成されている。そして、上電極配線5は上貫通電極7と接続され、下電極配線6は下貫通電極8と接続されている。
第1基板2の−Z方向側には半導体基板である第2基板9が設置され、第2基板9上のZ方向を向く面には駆動回路10が形成されている。上貫通電極7及び下貫通電極8と対向する場所から駆動回路10の間には配線11が設置されている。そして、配線11と上貫通電極7及び下貫通電極8とはバンプ12を介して接続されている。第1基板2と第2基板9とは接着剤18により接着されている。そして、接着剤18は固化する過程で収縮し、第1基板2と第2基板9とがバンプ12を押圧している。これにより、第1基板2と第2基板9とはバンプ12を介して導通する。
駆動回路10は検出部4を駆動し、複数の検出部4の出力を選択して切替える制御回路を備えている。駆動回路10と接続して配線13が設置され、配線13と接続する出力端子14が1列に並んで配置されている。検出部4が出力する電圧の一方は上電極配線5、上貫通電極7、バンプ12、配線11を介して駆動回路10に出力される。検出部4が出力する電圧の他方は下電極配線6、下貫通電極8、バンプ12、配線11を介して駆動回路10に出力される。駆動回路10は検出部4が出力する電圧を順次検出して、出力端子14に出力する。そして、赤外線検出装置1と接続する図示しない外部機器は出力端子14が出力する電圧信号を入力することが可能になっている。
(赤外線検出素子)
図2は、赤外線検出素子の構成を示す要部模式側断面図である。図2(a)は、図1(a)のA−A’線に沿った断面図である。図2(b)は、図1(a)のC−C’線に沿った断面図であり、図2(c)は、図1(a)のB−B’線に沿った断面図である。図2(a)に示すように、第1基板2は下基板15と下基板15上に形成された絶縁層16とを備えている。下基板15はシリコンからなる板である。図を見やすくするために下基板15は絶縁層16より薄く図示されているが、下基板15は絶縁層16より厚い板となっている。絶縁層16の第1表面2a側には凹部17が形成され、凹部17の側面17bは第1表面2aに対して斜面となっている。絶縁層16はシリコンの酸化膜で構成された層である。
凹部17の底面17aには第2金属膜としての赤外線吸収低減膜20が形成されている。赤外線吸収低減膜20の材質は放射率の小さい物質を主に含んでおり、特に赤外線に対する放射率の低い物質を主に含んでいる。さらに、赤外線吸収低減膜20の材質は酸化シリコンをエッチングするときに用いられるフッ化水素に対して耐食性のある材質が好ましい。具体的には、赤外線吸収低減膜20の材質はPt(白金)、Al(アルミニウム)、AlOx(アルミナ)、Ni(ニッケル)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Fe(鉄)のいずれか1つを含んで構成されている。本実施形態では、例えば、赤外線吸収低減膜20の材質にアルミナを用いている。
凹部17の中は空洞21となっており、空洞21のZ方向側には第1金属膜としての光放射低減膜22が設置されている。光放射低減膜22は赤外線吸収低減膜20と同様な膜であり、光放射低減膜22の材質は放射率の小さい物質を主に含んでおり、特に赤外線に対する放射率の低い物質を主に含んでいる。さらに、光放射低減膜22の材質は酸化シリコンをエッチングするときに用いられるフッ化水素に対して耐食性のある材質が好ましい。具体的には、光放射低減膜22の材質はPt(白金)、Al(アルミニウム)、AlOx(アルミナ)、Ni(ニッケル)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Fe(鉄)のいずれか1つを含んで構成されている。本実施形態では、例えば、光放射低減膜22の材質にアルミナを用いている。
他にも、赤外線吸収低減膜20及び光放射低減膜22は凹部17の周囲に設置されている。さらに、光放射低減膜22は上電極配線5及び下電極配線6と対向する場所にも設置されている。光放射低減膜22の上面には光放射低減膜22と積層して支持層23が設置されている。支持層23の材質は強度があって絶縁性があればよく、SiO2(酸化シリコン)やSi34(窒化シリコン)を用いることができる。本実施形態では、例えば、支持層23の材質にはSiO2(酸化シリコン)やSi34(窒化シリコン)が用いられ、SiO2の層とSi34の層を積層して用いている。
支持層23上には下部電極24が設置され、下部電極24に重ねて焦電体25が設置されている。さらに、焦電体25上には上部電極26が重ねて設置されている。下部電極24、焦電体25、上部電極26等によりキャパシター27が構成され、キャパシター27は温度に基づいて分極量が変化する。従って、キャパシター27分極量を検出することにより温度を推定することができる。
下部電極24の材質は電導性の良い金属であればよく、さらには耐熱性のある金属が好ましい。本実施形態では、例えば、下部電極24の材質にIr(イリジウム)、IrOx(酸化イリジウム)、Pt(白金)をこの順に積層している。Irは配向制御、IrOxは還元ガスバリア、Ptはシード層としての機能を備えている。
焦電体25はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)またはPZTにNb(ニオブ)を添加したPZTNを用いることができる。上部電極26の材質は電導性の良い金属であればよく、さらには耐熱性のある金属が好ましい。本実施形態では、例えば、上部電極26の材質にPt(白金)、IrOx(酸化イリジウム)、Ir(イリジウム)、をこの順に積層している。Ptは配向整合、IrOxは還元ガスバリア、Irは低抵抗層、としての機能を備えている。
キャパシター27を覆って絶縁膜28が設置されている。絶縁膜28には下部電極24に通ずる第1コンタクトホール28aと、上部電極26に通ずる第2コンタクトホール28bとが形成されている。支持層23上及び絶縁膜28上には下電極配線6及び上電極配線5が設置されている。下電極配線6は第1コンタクトホール28aを通じて下部電極24に接続されている。同様に、上電極配線5は第2コンタクトホール28bを通じて上部電極26に接続されている。
絶縁膜28の材料は絶縁性があり、成膜し易い材料であれば良い。本実施形態では、例えば、絶縁膜28はAl23の層とSiO2またはSiNの層とが積層された膜となっている。Al23の層はガスバリアの機能を有し、SiO2またはSiNの層は絶縁性の機能を有している。下電極配線6及び上電極配線5の材質は、導電性が良く成膜し易い材料であれば良く、W(タングステン)、Ti(チタン)またはAl(アルミニウム)等を用いることができる。本実施形態では、例えば、下電極配線6及び上電極配線5の材質には、Al(アルミニウム)を用いている。
下電極配線6及び下電極配線6の周囲の支持層23に重ねて第1金属膜としての光放射低減膜29が設置されている。同様に、上電極配線5及び上電極配線5の周囲の支持層23に重ねて光放射低減膜29が設置されている。光放射低減膜29は光放射低減膜22と同様な材質からなり同様な性能を持った膜である。光放射低減膜29は平面視でキャパシター27と重ならない場所に設置されている。これにより、キャパシター27以外の場所では赤外線が放射し難くすることができる。光放射低減膜29、上電極配線5、下電極配線6及びキャパシター27と重ねて絶縁膜30が形成されている。絶縁膜30は絶縁膜28と同様な材質であり、同様な性能を持った膜である。絶縁膜30は電気的に絶縁させるとともに、覆われた場所を保護する機能も備えている。
キャパシター27と重ねて赤外線吸収膜31が設置されている。これにより、赤外線検出素子3は赤外線を反射させずに吸収するので、感度をさらに良くすることができる。そして、検出部4はキャパシター27、絶縁膜28、下電極配線6、上電極配線5、赤外線吸収膜31等から構成されている。
赤外線吸収膜31は赤外線の吸収率の良い材料からなる膜であれば良く、特に限定されない。赤外線吸収膜31は例えば、Si(シリコン)膜、SiN(窒化シリコン)膜、金黒膜を用いることができる。金黒膜は多孔性の金の膜をガス中蒸着法にて形成したものである。本実施形態では、例えば、SiN膜を採用している。
第1基板2にはビアホール2cが形成されており、ビアホール2c内の側壁及び第1裏面2bには絶縁膜が形成されている。絶縁膜は下基板15を加熱して酸化することにより形成されている。ビアホール2c内には導電体が設置され、ビアホール2c及び導電体により上貫通電極7及び下貫通電極8が構成されている。下電極配線6と下貫通電極8とが接続し、上電極配線5と上貫通電極7とが接続している。上貫通電極7及び下貫通電極8の材質は、導電性が良く成膜し易い材料であれば良く、W(タングステン)、Ti(チタン)またはAl(アルミニウム)等を用いることができる。本実施形態では、例えば、上貫通電極7及び下貫通電極8の材質には、Al(アルミニウム)を用いている。
第1裏面2bには下貫通電極8と接続して第1端子32が設置され、上貫通電極7と接続して第2端子33が設置されている。第1端子32は下貫通電極8、下電極配線6を介して下部電極24と接続されている。そして、第2端子33は上貫通電極7、上電極配線5を経て上部電極26と接続されている。従って、第1端子32及び第2端子33から電圧信号を入力して駆動回路10はキャパシター27の分極量を検出することが可能になっている。
図1に示すように、支持層23は検出部4が設置される四角の支持部34と支持部34を保持する4つの梁35とを備えている。支持部34及び梁35は空洞21の上に位置している。図2(a)に戻って、支持層23は赤外線吸収低減膜20及び光放射低減膜22を介して絶縁層16上に位置する本体部36を備えている。梁35は本体部36と接続して配置され、本体部36を介して第1基板2に固定されている。
図2(b)において、支持部34のZ方向側の面を第1面としての表面34aとし表面34aと反対側の面を第2面としての裏面34bとする。表面34aには下電極配線6が配置されている。そして、支持部34では下電極配線6及び支持部34の表面34aと側面とを覆って光放射低減膜29が設置されている。同様に、図示しないが支持部34の表面34aに上電極配線5が配置されている。そして、支持部34では上電極配線5及び支持部34の表面34aと側面とを覆って光放射低減膜29が設置されている。また、支持部34の裏面34bには光放射低減膜22が設置されている。これにより、支持部34ではキャパシター27が設置された場所を除いて光放射低減膜22及び光放射低減膜29に覆われている。
図2(c)に示すように、梁35のZ方向側の面に下電極配線6が配置されている。そして、梁35では下電極配線6及び梁35の上面と側面とを覆って光放射低減膜29が設置されている。同様に、図示しないが梁35のZ方向側の面に上電極配線5が配置されている。そして、梁35では上電極配線5及び梁35の上面と側面とを覆って光放射低減膜29が設置されている。これにより、梁35は光放射低減膜22及び光放射低減膜29に覆われている。支持部34を保持する他の梁35においても同様に梁35の上面と側面とを覆って光放射低減膜29が設置されている。そして、第1基板2を向く面には光放射低減膜22が設置されている。
赤外線検出素子3に赤外線が照射されるとき、検出部4は赤外線を吸収して温度が上昇する。検出部4において赤外線が照射される面には赤外線吸収膜31が設置されている。従って、検出部4は効率的に赤外線を吸収して温度を上げることができる。検出部4が備える焦電体25は温度に基づいて分極量が変化する。従って、キャパシター27に電圧を印加し焦電体25の分極量を検出することにより検出部4の温度を検出することができる。そして、検出部4における温度変化の検出結果を用いて検出部4に照射された赤外線の照射量を検出することができる。
赤外線の照射により形成される熱量は検出部4に蓄積される。そして、熱量の一部は梁35を通じて第1基板2に伝熱する。熱量の一部は検出部4から空中に向けて赤外線や遠赤外線となって放射される。支持部34のZ方向を向く面においてキャパシター27が位置する場所以外の場所は光放射低減膜29に覆われている。さらに、支持部34の側面も光放射低減膜29に覆われている。従って、熱量の一部は検出部4から空中に向けて赤外線となって放射され難くなっている。
さらに、熱量の一部は検出部4から空洞21に向けて赤外線となって放射され、第1基板2に吸収される。支持部34の空洞21側の面には光放射低減膜22が設置されている。従って、熱量は検出部4から空洞21に向けて赤外線となって放射され難くなっている。さらに、凹部17の底面と側面には赤外線吸収低減膜20が設置されている。つまり凹部17において光放射低減膜22を向く面には赤外線吸収低減膜20が設置されている。従って、検出部4から空洞21に向けて放射された赤外線は第1基板2に吸収され難くすることができる。これにより、空洞21内に気体がある場合には検出部4から空洞21に向けて放射された赤外線は空洞21内の気体の温度を上げる。そして、支持部34から空洞21内の気体に伝熱され難くすることができる。
さらに、熱量の一部は梁35に伝熱し梁35から空洞21及び空中に向けて赤外線となって放射される。梁35を覆って光放射低減膜22及び光放射低減膜29が設置されている。従って、熱量は梁35から空洞21及び空中に向けて赤外線となって放射され難くなっている。
さらに、熱量の一部は上電極配線5及び下電極配線6に伝熱し上電極配線5及び下電極配線6から空中に向けて赤外線となって放射される。上電極配線5及び下電極配線6を覆って光放射低減膜29が設置されている。従って、熱量は上電極配線5及び下電極配線6から空中に向けて赤外線となって放射され難くなっている。
2つの対向する面の間で放射による熱伝導の関係は次の数式(数1)のように表すことができる。
Figure 0005915020
図3は2つの面の間の熱移動量の関係を示す図である。式(数1)において、第1面を支持部34の裏面34bとし、第2面を凹部17の底面17aとする。裏面34bには光放射低減膜22が形成され、底面17aには赤外線吸収低減膜20が形成されている。そして、裏面34bの温度であるT1を40℃とし、底面17aの温度であるT2を30℃とする。e1を光放射低減膜22の放射率とし、e2を赤外線吸収低減膜20の放射率とする。q1-2を裏面34bから底面17aへ移動する熱量とする。
図3において、横軸は底面17aの赤外線吸収低減膜20の放射率を示し0から1まで変化する。縦軸は裏面34bから底面17aへの熱量の移動量を示している。第1相関線37は光放射低減膜22の放射率が1のときの相関を示し、第2相関線38は光放射低減膜22の放射率が0.1のときの相関を示している。
第1相関線37と第2相関線38とを比較してわかるように、光放射低減膜22の放射率が熱移動量に与える影響が大きくなっている。そして、光放射低減膜22の放射率が大きい程赤外線吸収低減膜20の放射率の影響が大きくなる。従って、特に、光放射低減膜22の放射率を小さくすると熱移動が小さくなる。そして、次に、赤外線吸収低減膜20の放射率を小さくすると熱移動が小さくなる。
(赤外線検出素子の製造方法)
次に上述した赤外線検出素子3の製造方法について図4〜図8にて説明する。図4は、赤外線検出素子の製造方法を示すフローチャートであり、図5〜図8は赤外線検出素子の製造方法を説明するための模式図である。
図4のフローチャートにおいて、ステップS1は凹部形成工程に相当し、第1基板に凹部を形成する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は赤外線吸収低減膜形成工程に相当し、凹部内に赤外線吸収低減膜を形成する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は犠牲層形成工程に相当し、凹部内を犠牲層で埋める工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は光放射低減膜形成工程に相当し、犠牲層及び赤外線吸収低減膜と重ねて光放射低減膜を形成する工程である。次にステップS5に移行する。
ステップS5は支持層形成工程に相当し、光放射低減膜と重ねて支持層を形成する工程である。次にステップS6に移行する。ステップS6は貫通電極形成工程に相当し、第1基板を貫通する貫通電極を形成する工程である。次にステップS7に移行する。ステップS7はキャパシター形成工程に相当し、支持層上にキャパシターを形成する工程である。次にステップS8に移行する。ステップS8は配線形成工程に相当し、キャパシターに接続する配線を形成する工程である。次にステップS9に移行する。ステップS9は支持部形成工程に相当し、支持部及び梁の形状を形成する工程である。次にステップS10に移行する。
ステップS10は光放射低減膜形成工程に相当する。キャパシターが位置する場所以外の支持部、梁、配線及びその周囲に光放射低減膜を形成し、光放射低減膜及びキャパシターと重ねて絶縁膜を形成する工程である。次にステップS11に移行する。ステップS11は赤外線吸収膜形成工程に相当し、キャパシターを覆って赤外線吸収膜を形成する工程である。次にステップS12に移行する。ステップS12は空洞形成工程に相当し、凹部と支持層との間に空洞を形成する工程である。以上の製造工程にて赤外線検出素子が完成する。
次に、図5〜図8を用いて図4に示したステップと対応させて製造方法を詳細に説明する。図5(a)はステップS1の凹部形成工程に対応する図である。図5(a)に示すように、下基板15を用意する。次に、下基板15を熱酸化しSiO2の膜を形成する。さらに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いてSiO2の膜を形成する。これにより第1基板2が形成される。次に、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて凹部17を形成する。ドライエッチング法の製造条件を調整して凹部17の側面17bを第1表面2aに対して斜面にする。マスクを除去して凹部17が完成する。
図5(b)はステップS2の赤外線吸収低減膜形成工程に対応する図である。図5(b)に示すように、凹部17及び第1表面2a上に赤外線吸収低減膜20を形成する。CVD法にてアルミナの膜を形成する。
図5(c)はステップS3の犠牲層形成工程に対応する図である。図5(c)に示すように、赤外線吸収低減膜20上にCVD法を用いてSiO2の膜からなる犠牲層41を形成する。このとき、凹部17に加えて第1表面2a上にもSiO2の膜を形成し、膜厚を凹部17の深さより厚くする。次に、CMP法(Chemical Mechanical Polishing)を用いて犠牲層41の上面を平坦にする。さらに、凹部17以外の場所の犠牲層41を除去する。
図5(d)はステップS4の光放射低減膜形成工程に対応する図である。図5(d)に示すように、犠牲層41及び赤外線吸収低減膜20上に光放射低減膜22を形成する。CVD法にてアルミナの膜を形成する。
図6(a)はステップS5の支持層形成工程に対応する図である。図6(a)に示すように、光放射低減膜22上に支持層23を形成する。CVD法を用いてSiO2の膜を形成し、さらにCVD法を用いてSiO2の膜に重ねてSi34の膜を形成する。支持層23を多層にすることにより支持層23の残留応力を相殺させて支持部34及び梁35の反りを抑制している。
図6(b)はステップS6の貫通電極形成工程に対応する図である。図6(b)に示すように、第1基板2及び支持層23を貫通する上貫通電極7及び下貫通電極8を形成する。まず、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いてビアホール2cを形成する。次に、CVD法や蒸着法を用いてSiO2またはSiNの絶縁膜をビアホール2cの側面に形成する。次に、アルミニウム等の金属を埋め込むことで上貫通電極7及び下貫通電極8が形成される。
続いて、上貫通電極7の第1表面2a側の端には端子7aを形成し、上貫通電極7の第1裏面2b側の端には第2端子33を形成する。端子7a及び第2端子33は上貫通電極7を形成するときにできる膜を用いても良く、別途、成膜しても良い。フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて端子7a及び第2端子33を形成する。同様に、下貫通電極8の第1表面2a側の端には端子8aを形成し、下貫通電極8の第1裏面2b側の端には第1端子32を形成する。端子8a及び第1端子32の形成方法は端子7a及び第2端子33の形成方法と同様の方法を用いる。
図6(c)はステップS7のキャパシター形成工程に対応する図である。図6(c)に示すように、まず下部電極24となる膜を形成する。Ir(イリジウム)、IrOx(酸化イリジウム)、Pt(白金)をこの順にスパッタ法を用いて積層する。次に、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて下部電極24を形成する。
キャパシター27の焦電体25、下部電極24及び上部電極26の結晶配向は、その優先配向方位が例えば(111)面方位で揃えられている。(111)面方位に優先配向されることで、他の面方位に(111)配向の配向率が例えば90%以上に制御される。焦電係数を大きくするには(111)配向よりもむしろ(100)配向等が好ましいが、印加電界方向に対して分極を制御しやくするために(111)配向としている。そして、Ir(イリジウム)の配向制御層を例えば(111)面に優先配向するように成膜する。ただし、優先配向方位はこれに限定されない。
次に、焦電体25を形成する。焦電体25の材料となる物質を塗布して加熱し、例えば(111)方位で優先配向させて結晶成長させる。下部電極24が配向制御しているので、焦電体25は下部電極24に倣って配向される。そして、焦電体25の材料を加熱するとき下部電極24のIrOx(酸化イリジウム)が支持層23側からの還元性の阻害要因から焦電体25の材料が還元されるのを防止する。
次に、上部電極26となる膜を形成する。Pt(白金)、IrOx(酸化イリジウム)、Ir(イリジウム)をこの順にスパッタ法を用いて積層する。次に、加熱してPt(白金)を再結晶化する。これにより、Pt(白金)の層は焦電体25と結晶配向が整合する。続いて、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて焦電体25及び上部電極26を形成する。下部電極24、焦電体25、上部電極26の側面はエッチング条件を調整して斜面にするのが好ましい。これにより、キャパシター27上に絶縁膜28を品質良く成膜することができる。
次に、下部電極24、焦電体25、上部電極26と積層して還元ガスバリア層を成膜する。バリア層は、例えば酸化アルミニウムAl23をスパッタ法により成膜して形成する。続いて、絶縁膜28を成膜する。絶縁膜28はSiO2またはSiNをCVDにて成膜する。次に、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて還元ガスバリア層及び絶縁膜28をパターニングする。パターニングでは還元ガスバリア層及び絶縁膜28の外形形状と第1コンタクトホール28a及び第2コンタクトホール28bを形成する。
図7(a)はステップS8の配線形成工程に対応する図である。図7(a)に示すように、絶縁膜28に重ねて上電極配線5及び下電極配線6を形成する。まず、Al(アルミニウム)等の配線材料をスパッタにて膜付けしてパターニングする。上電極配線5は第2コンタクトホール28bから端子7aまで繋げて配線する。下電極配線6は第1コンタクトホール28aから端子8aまで繋げて配線する。
図7(b)はステップS9の支持部形成工程に対応する図である。図7(b)に示すように、梁35を形成する。フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて支持層23をパターニングする。これにより支持層23の平面形状は図1に示す支持部34、梁35、本体部36の形状に形成される。
図7(c)及び図8(a)はステップS10の光放射低減膜形成工程に対応する図である。図7(c)及び図8(a)に示すように、梁35の上面及び側面を覆って光放射低減膜29を成膜する。これにより、梁35の断面は全周が光放射低減膜29と光放射低減膜22とに覆われる。さらに、上電極配線5及び下電極配線6を覆って光放射低減膜29を成膜する。光放射低減膜29はアルミナ(AlOx)の膜をCVDにて成膜する。フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて光放射低減膜29をパターニングする。エッチングするとき梁35及び支持部34の側面に成膜された光放射低減膜29を残すようにする。
続いて、光放射低減膜29、上電極配線5、下電極配線6及びキャパシター27を覆って絶縁膜30を成膜する。絶縁膜30はSiNをCVDにて成膜する。次に、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて絶縁膜30をパターニングする。
図8(b)はステップS11の赤外線吸収膜形成工程に対応する図である。図8(b)に示すように、キャパシター27と重ねて赤外線吸収膜31を形成する。SiNをCVDにて成膜する。そして、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて赤外線吸収膜31をパターニングする。
赤外線吸収膜31と重ねて還元ガスバリア層を形成する。還元ガスバリア層は、赤外線吸収膜31に入射する赤外線の透過率を高くするために薄肉に形成する。酸化アルミニウムAl23を、原子層化学気相成長法(ALCVD)を用いて、例えば、40〜50nmの厚さで成膜する。そして、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて還元ガスバリア層をパターニングする。
図8(c)はステップS12の空洞形成工程に対応する図である。図8(c)に示すように、犠牲層41をエッチングして除去し犠牲層41があった場所を空洞21にする。第1基板2をフッ化水素ベーパー雰囲気にさらすことにより支持層23の本体部36と支持部34との間からフッ化水素を犠牲層41に触れさせる。そして、犠牲層41のSiOが腐食され除去される。その後、洗浄して乾燥することにより赤外線検出素子3が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、検出部4及び支持部34に蓄積する熱量の一部は光となって第1基板2に向かって放射される。支持部34は裏面34bに光放射低減膜22を備えている為、検出部4及び支持部34に蓄積する熱量が光となって第1基板2に向かって放射されるのを抑制することができる。その結果、検出部4及び支持部34は放熱し難くなるため、赤外線検出素子3は感度良く赤外線を検出することができる。
(2)本実施形態によれば、赤外線検出素子3は第1基板2の支持部34と対向する場所に赤外線吸収低減膜20を備えている。これにより、検出部4から放射される光は赤外線吸収低減膜20にて反射される。従って、支持部34から放出される熱量のうち光となって放射される熱量が第1基板2に伝熱することを抑制することができる。
(3)本実施形態によれば、検出部4は赤外線吸収膜31を備えている。従って、検出部4は照射される赤外線が反射されるのを抑制することができる為、効率良く赤外線を吸収することができる。その結果、赤外線検出素子3は感度良く赤外線を検出することができる。
(4)本実施形態によれば、赤外線検出素子3の梁35は光放射低減膜22及び光放射低減膜29を備えている。これにより、梁35は熱を光に変換して放射することを抑制することができる。従って、梁35の温度が冷却し難くなるため、支持部34の温度を下げ難くすることができる。その結果、検出部4に赤外線が照射されるとき支持部34は効率良く温度上昇する為、赤外線検出素子3は感度良く赤外線を検出することができる。
(5)本実施形態によれば、検出部4は上電極配線5及び下電極配線6と接続されている。上電極配線5及び下電極配線6は熱伝導性が良いので検出部4に赤外線が照射されるときに温度が上昇する。そして、温度上昇によって、上電極配線5及び下電極配線6に伝導する熱量が光となって放射される。上電極配線5及び下電極配線6は光放射低減膜29に覆われている為、上電極配線5及び下電極配線6から熱量が光となって放射するのを防止することができる。その結果、検出部4は温度が低下し難くなる為、赤外線検出素子3は感度良く赤外線を検出することができる。
(第2の実施形態)
次に、赤外線検出装置の一実施形態について図9を用いて説明する。図9(a)は、赤外線検出装置の構成を示すブロック図であり、図9(b)は、赤外線検出素子の配列を説明するための模式図である。本実施形態では第1の実施形態における駆動回路10の駆動内容の例を詳しく説明する。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図9(a)に示したように電子機器としてのセンサーデバイス44は、センサーアレイ45と、行選択回路46と、読み出し回路47を含む。またA/D変換部48、制御回路49を含むことができる。行選択回路46と読み出し回路47とを駆動回路と称する。行選択回路46を行ドライバーとも称す。このセンサーデバイスを用いることで、例えばナイトビジョン機器等に用いられる赤外線カメラ等を実現できる。
センサーアレイ45には、例えば図1(a)に示すように二方向に複数の赤外線検出素子3が格子状に配列される。また複数の行線と複数の列線との配線が設けられている。行線はワード線や走査線とも称し、列線はデータ線とも称す。尚、行線及び列線の一方の本数が1本であってもよい。例えば行線が1本である場合には行線に沿った方向(図中横方向)に複数の赤外線検出素子3が配列される。一方、列線が1本である場合には列線に沿った方向(図中縦方向)に複数の赤外線検出素子3が配列される。
図9(b)に示すように、センサーアレイ45の各赤外線検出素子3は、各行線と各列線の交差位置に対応する場所に配置される。例えば、行線WL1と列線DL1の交差位置に対応する場所に赤外線検出素子3の1つが配置されている。他の赤外線検出素子3も同様に配置されている。
図9(a)に戻って、行選択回路46は、1つまたは複数の行線に接続される。そして各行線の選択動作を行う。例えば図9(b)のような320×240画素のQVGA(Quarter Video Graphics Array )のセンサーアレイ45を例にとれば、行線WL0、WL1、WL2・・・・WL239を順次選択して走査する動作を行う。即ちこれらの行線を選択する信号であるワード選択信号をセンサーアレイ45に出力する。
読み出し回路47は、1つまたは複数の列線に接続される。そして各列線の読み出し動作を行う。QVGAのセンサーアレイ45を例にとれば、列線DL0、DL1、DL2・・・・DL319からの検出信号(検出電流、検出電荷)を読み出す動作を行う。
A/D変換部48は、読み出し回路47において取得された検出電圧(測定電圧、到達電圧)をデジタルデータにA/D変換する処理を行う。そしてA/D変換後のデジタルデータDOUTを出力する。具体的には、A/D変換部48には、複数の列線の各列線に対応して各A/D変換器が設けられる。そして、各A/D変換器は、対応する列線において読み出し回路47により取得された検出電圧のA/D変換処理を行う。尚、複数の列線に対応して1つのA/D変換器を設け、この1つのA/D変換器を用いて、複数の列線の検出電圧を時分割にA/D変換してもよい。
制御回路49は、各種の制御信号を生成して、行選択回路46、読み出し回路47、A/D変換部48に出力する。例えば、充電や放電(リセット)の制御信号を生成して出力する。或いは、各回路のタイミングを制御する信号を生成して出力する。第1の実施形態における駆動回路10は行選択回路46、読み出し回路47、A/D変換部48及び制御回路49等により構成されている。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、センサーデバイス44は格子状に配列した赤外線検出素子3を備えている。そして、行選択回路46及び読み出し回路47が順次赤外線検出素子3を選択して赤外線の受光量を検出して出力する。そして、赤外線検出素子3は感度良く赤外線の受光量を検出する。従って、センサーデバイス44は照射される赤外線の分布を感度良く検出することができる。
(第3の実施形態)
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備える電子機器の1つである赤外線カメラの一実施形態について図10の赤外線カメラの構成を示すブロック図を用いて説明する。図10に示すように、電子機器としての赤外線カメラ50は、光学系51、光検出部52、画像処理部53、処理部54、記憶部55、操作部56、表示部57を含んで構成されている。
光学系51は、例えば1枚または複数枚のレンズやレンズを駆動する駆動部等を含む。そして光検出部52への物体像の結像を行う。また必要であればフォーカス調整等も行う。
光検出部52には、上記実施形態の赤外線検出素子3が用いられている。光検出部52は、二次元配列された検出器に加えて行選択回路(行ドライバー)、列線を介して検出器からのデータを読み出す読み出し回路及びA/D変換部等を含むことができる。そして、二次元配列された各検出器からのデータを順次読み出すことで、被写体の画像データを形成することができる。
画像処理部53は、光検出部52からのデジタルの画像データ(画素データ)に基づいて、画像補正処理等の各種の画像処理を行う。
処理部54は、赤外線カメラ50の全体の制御を行い、赤外線カメラ50内の各ブロックの制御を行う。この処理部54は例えばCPU等により実現される。記憶部55は各種の情報を記憶するものであり、例えば処理部54や画像処理部53のワーク領域として機能する。操作部56は、操作者が赤外線カメラ50を操作するためのインターフェイスとなるものであり、例えば、各種ボタンやGUI(Graphical User Interface)画面等により実現される。表示部57は、例えば光検出部52により取得された画像やGUI画面等を表示するものであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の各種のディスプレイにより実現される。
このように、直交する二方向に赤外線検出素子3を二次元配置された光検出部52を用いて熱(光)分布画像を提供することができる。この光検出部52を用いて、サーモグラフィー、車載用ナイトビジョンあるいは監視カメラ等の電子機器を構成することができる。
もちろん、1セル分または複数セルの赤外線検出素子3をセンサーとして用いることで物体の物理情報の解析(測定)を行う解析機器(測定機器)、火や発熱を検知するセキュリティー機器、工場等に設けられるFA(Factory Automation)機器等の各種の電子機器を構成することもできる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、赤外線カメラ50は光検出部52を備え、光検出部52には赤外線検出素子3が用いられている。光検出部52の赤外線検出素子3は感度良く赤外線を検出するので、赤外線カメラ50は感度良く赤外線を検出する赤外線検出素子3を備えた電子機器とすることができる。
(第4の実施形態)
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つである運転支援装置の一実施形態について図11及び図12を用いて説明する。図11は、運転支援装置の構成を示すブロック図であり、図12は、運転支援装置を搭載した自動車を示す概略斜視図である。
図11に示すように、電子機器としての運転支援装置60は、運転支援装置60を制御するCPUを備えた処理ユニット61と、車両外部の所定の撮像領域における赤外線を検出可能な赤外線カメラ50と、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサー63とを備えている。さらに、運転支援装置60は、車両の走行速度を検出する車速センサー64と、運転者のブレーキ操作の有無を検出するブレーキセンサー65と、スピーカー66と、表示装置67とを備えて構成されている。そして、本実施形態の赤外線カメラ50は上記実施形態における赤外線カメラ50と同じカメラが用いられている。
この運転支援装置60の処理ユニット61は、例えば、赤外線カメラ50の撮像により得られる自車両周辺の赤外線画像と、ヨーレートセンサー63、車速センサー64、ブレーキセンサー65により検出される自車両の走行状態にかかる検出信号を用いる。そして、処理ユニット61は赤外線画像及び検出信号を用いて自車両の進行方向前方に存在する物体及び歩行者等の対象物を検出する。検出した対象物と自車両との接触が発生する可能性があると判断したときには、スピーカー66または表示装置67により警報を出力する。
図12に示すように、赤外線カメラ50は、自動車の前部において車幅方向の中心付近に配置されている。表示装置67は、フロントウィンドーにおいて運転者の前方視界を妨げない位置に各種情報を表示するHUD(Head Up Display)68等を備えて構成されている。
(1)本実施形態によれば、運転支援装置60は赤外線カメラ50を備えている。赤外線カメラ50は光検出部52を備え、光検出部52には赤外線検出素子3が用いられている。従って、運転支援装置60は感度良く赤外線を検出する赤外線検出素子3を備えた赤外線カメラ50を備えた電子機器とすることができる。
(第5の実施形態)
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つであるセキュリティー機器の一実施形態について図13及び図14を用いて説明する。図13は、セキュリティー機器の構成を示すブロック図であり、図14はセキュリティー機器が設置された家を示す模式図である。
図13に示すように、電子機器としてのセキュリティー機器71は、少なくとも監視エリアを撮影する赤外線カメラ50と、監視エリアへの侵入者を検知する人感センサー72を備える。さらに、セキュリティー機器71は、赤外線カメラ50から出力された画像データを処理して監視エリアに侵入した移動体を検知する動き検知処理部73と、人感センサー72の検知処理を行う人感センサー検知処理部74を備える。さらに、セキュリティー機器71は、赤外線カメラ50から出力された画像データを所定の方式で圧縮する画像圧縮部75と、圧縮された画像データや侵入者検知情報の送信や外部装置からセキュリティー機器71への各種設定情報等を受信する通信処理部76を備える。さらに、セキュリティー機器71は、セキュリティー機器71の各処理部に対して条件設定、処理コマンド送信、レスポンス処理をCPUで行う制御部77等を備えて構成されている。そして、本実施形態の赤外線カメラ50は上記実施形態における赤外線カメラ50と同じカメラが用いられている。
動き検知処理部73は、図示しないバッファメモリーと、バッファメモリーの出力が入力されるブロックデータ平滑部と、ブロックデータ平滑部の出力が入力される状態変化検出部とを備える。そして、動き検知処理部73の状態変化検出部は、監視エリアが静止状態であれば動画で撮影した異なるフレームでも同一画像データとなるが、状態変化(移動体の侵入)があるとフレーム間の画像データで差が生じることを利用して状態変化を検知している。
図14に示すように、セキュリティー機器71は軒下に赤外線カメラ50及び人感センサー72が設置されている。そして、赤外線カメラ50は撮像エリア78を検出し、人感センサー72は検知エリア79を検出する。
(1)本実施形態によれば、セキュリティー機器71は赤外線カメラ50を備えている。赤外線カメラ50は光検出部52を備え、光検出部52には赤外線検出素子3が用いられている。従って、セキュリティー機器71は感度良く赤外線を検出する赤外線検出素子3を備えた赤外線カメラ50を備えた電子機器とすることができる。
(第6の実施形態)
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つであるゲーム機器の一実施形態について図15及び図16を用いて説明する。図15は、ゲーム機器のコントローラーの構成を示すブロック図であり、図16はコントローラーの使用方法を説明するための模式図である。
図15に示すように、ゲーム機器に用いられる電子機器としてのコントローラー82は、撮像情報演算ユニット83と、操作スイッチ84と、加速度センサー85と、コネクター86と、プロセッサー87と、無線モジュール88と、を備えて構成される。
撮像情報演算ユニット83は、撮像ユニット89と、この撮像ユニット89で撮像した画像データを処理するための画像処理回路90を有する。撮像ユニット89は光検出部91を含み、光検出部91と接続して赤外線だけを通すフィルターである赤外線フィルター92及びレンズ等の光学系93を配置している。そして、画像処理回路90は、撮像ユニット89から得られた赤外線画像データを処理して、高輝度部分を検知し、それの重心位置や面積を検出してこれらのデータを出力する。本実施形態の光検出部91には上記実施形態の赤外線検出素子3が用いられている。
プロセッサー87は、操作スイッチ84からの操作データと、加速度センサー85からの加速度データ及び高輝度部分データを一連のコントロールデータとして出力する。無線モジュール88は所定周波数の搬送波をこのコントロールデータで変調し、アンテナ94から電波信号として出力する。
尚、コントローラー82に設けられているコネクター86を通して入力されたデータもプロセッサー87によって上述のデータと同様に処理されてコントロールデータとして無線モジュール88とアンテナ94を介して出力される。
図16に示すように、ゲーム機器95は、コントローラー82と、ゲーム機本体96と、ディスプレイ97と、LEDモジュール98及びLEDモジュール99とを備え、プレイヤー100が一方の手でコントローラー82を把持してゲームをプレイすることができる。そして、コントローラー82の撮像ユニット89をディスプレイ97の画面101に向けると、ディスプレイ97の近傍に設置された二つのLEDモジュール98及びLEDモジュール99から出力される赤外線を撮像ユニット89が検知する。そして、コントローラー82は、二つのLEDモジュール98,99の位置や面積情報を高輝度点の情報として取得する。輝点の位置や大きさのデータがコントローラー82から無線でゲーム機本体96に送信され、ゲーム機本体96で受信される。プレイヤー100がコントローラー82を動かすと、輝点の位置や大きさのデータが変化する。それを利用して、ゲーム機本体96はコントローラー82の動きに対応した操作信号を取得できる。そして、操作信号にしたがってゲーム機器95はゲームを進行させることができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ゲーム機器95のコントローラー82は光検出部91を備え、光検出部91には赤外線検出素子3が用いられている。光検出部91の赤外線検出素子3は感度良く赤外線を検出するので、ゲーム機器95は感度良く赤外線を検出する赤外線検出素子3が備えられたコントローラー82を有する電子機器とすることができる。
(第7の実施形態)
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つである体温測定装置の一実施形態について図17を用いて説明する。図17は、体温測定装置の構成を示すブロック図である。
図17に示すように、電子機器としての体温測定装置104は、赤外線カメラ50と、体温分析装置105と、情報通信装置106と、ケーブル107とを備えて構成されている。本実施形態の赤外線カメラ50は第3の実施形態の赤外線カメラ50と同じカメラが用いられている。
赤外線カメラ50は所定の対象領域を撮影し、撮影された対象者108の画像情報を、ケーブル107を経由して体温分析装置105に送信する。体温分析装置105は、赤外線カメラ50からの熱分布画像を読み取る画像読取処理ユニットと、画像読取処理ユニットからのデータと画像分析設定テーブルに基づいて体温分析テーブルを作成する体温分析処理ユニットとを含み、体温分析テーブルに基づいて体温情報送信用データを情報通信装置106へ送信する。この体温情報送信用データは体温異常であることに対応する所定のデータを含んでもよい。また、撮影領域内に複数の対象者108を含んでいると判断した場合には、対象者108の人数と体温異常者の人数の情報を体温情報送信用データに含んでもよい。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、体温測定装置104は赤外線カメラ50を備えている。赤外線カメラ50は光検出部52を備え、光検出部52には赤外線検出素子3が用いられている。従って、体温測定装置104は感度良く赤外線を検出する赤外線検出素子3を備えた赤外線カメラ50を備えた電子機器とすることができる。
(第8の実施形態)
次に、光検出部に赤外線検出素子を備える電子機器の1つである特定物質探知装置の一実施形態について図18の特定物質探知装置の構成を示すブロック図を用いて説明する。
図18に示すように電子機器としての特定物質探知装置111は、制御ユニット112と、照射光ユニット113と、光学フィルター114と、撮像ユニット115と、表示部116とを備えて構成されている。撮像ユニット115は、図示しないレンズ等の光学系と光検出部を備え、当該光検出部は第1の実施形態の赤外線検出素子3の検出部4が備える赤外線吸収膜31の吸収波長をテラヘルツ域とした赤外線検出素子3を含んで構成されている。
制御ユニット112は、本装置全体を制御するシステムコントローラーを含み、該システムコントローラーは制御ユニットに含まれる光源駆動部及び画像処理ユニットを制御する。照射光ユニット113は、波長が100μm〜1000μmの範囲にある電磁波であるテラヘルツ光を射出するレーザー装置と光学系を含み、テラヘルツ光を検査対象の人物117に照射する。人物117からの反射テラヘルツ光は、探知対象である特定物質118の分光スペクトルのみを通過させる光学フィルター114を介して撮像ユニット115に受光される。撮像ユニット115で生成された画像信号は、制御ユニット112の画像処理ユニットで所定の画像処理が施され、その画像信号が表示部116へ出力される。そして人物117の衣服内等に特定物質118が存在するか否かにより受光信号の強度が異なるので特定物質118の存在が判別できる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、特定物質探知装置111は撮像ユニット115に光検出部を備え、光検出部には赤外線検出素子3が用いられている。光検出部の赤外線検出素子3は感度良く赤外線を検出するので、特定物質探知装置111は撮像ユニット115に感度良く赤外線を検出する赤外線検出素子3を備えた電子機器とすることができる。
以上、いくつかの実施形態について説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例は総て本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
本発明は、種々の焦電型検出器に広く適用することができる。検出する光の波長は問わない。また、焦電型検出器または焦電型検出装置、あるいはそれらを有する電子機器は、例えば、供給する熱量と流体が奪う熱量とが均衡する条件下にて流体の流量を検出するフローセンサー等にも適用できる。このフローセンサーに設けられる熱伝対等に代えて本発明の焦電型検出器または焦電型検出装置を設けることができ、光以外を検出対象とすることができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、4つの梁35が設置されたが、梁35の個数は限定されない。梁35の個数は1〜3個でも良く、5個以上でも良い。支持部34を安定して支持できれば良い。また、梁35は真っ直ぐな棒状であったが、梁35の形状は曲線でも良い。支持部34を安定して支持できれば良く、設計し易い形状にしても良い。また、梁35を長くすることにより梁35を介して熱伝導する熱量を減らすことができる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、赤外線検出素子3は凹部17を備え、凹部17内が支持部34と第1基板2との間に位置する空洞21となっていた。凹部17がないときでも、支持部34は柱状の構造物で支持されることにより第1基板2と支持部34との間に空洞が形成されても良い。このときにも、同様に光放射低減膜22及び赤外線吸収低減膜20を設置することにより、支持部34からの放射を抑制することができる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、第2基板9に駆動回路10を設置した。駆動回路10は第1基板2に設置しても良い。第1基板2と第2基板9との間で接続するバンプ12の個数を少なくすることができる為、品質良く実装することができる。
2…基体としての第1基板、3…赤外線検出素子、4…検出部、5…配線としての上電極配線、6…配線としての下電極配線、20…第2金属膜としての赤外線吸収低減膜、22,29…第1金属膜としての光放射低減膜、31…赤外線吸収膜、34…支持部、34a…第1面としての表面、34b…第2面としての裏面、35…梁、44…電子機器としてのセンサーデバイス、50…電子機器としての赤外線カメラ、60…電子機器としての運転支援装置、71…電子機器としてのセキュリティー機器、82…電子機器としてのコントローラー、104…電子機器としての体温測定装置、111…電子機器としての特定物質探知装置。

Claims (7)

  1. 基体と、
    第1面及び前記第1面の反対側に前記基体に向く第2面を有する支持部と、
    前記支持部の前記第1面の側に位置し赤外線を検出する検出部と、
    前記支持部の前記第2面の側に配置された光放射低減膜と、
    前記検出部と接続する配線と、を備え、
    前記配線は前記光放射低減膜に覆われることを特徴とする赤外線検出素子。
  2. 請求項1に記載の赤外線検出素子であって、
    前記基体と前記支持部との間に空洞が配置されたことを特徴とする赤外線検出素子。
  3. 請求項1または2に記載の赤外線検出素子であって、
    前記光放射低減膜は、Pt、Al、AlOx、Ni、W、Mo、Feのいずれか1つを含むことを特徴とする赤外線検出素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の赤外線検出素子であって、
    前記基体において前記支持部と対向する側には、赤外線吸収低減膜が配置されたことを特徴とする赤外線検出素子。
  5. 請求項に記載の赤外線検出素子であって、
    前記赤外線吸収低減膜は、Pt、Al、AlOx、Ni、W、Mo、Feのいずれか1つを含むことを特徴とする赤外線検出素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の赤外線検出素子であって、
    前記検出部は、Si、SiN、金黒膜のいずれか1つを含む赤外線吸収膜を備えることを特徴とする赤外線検出素子。
  7. 赤外線を検出する光検出部を備える電子機器であって、
    前記光検出部に請求項1〜のいずれか一項に記載の赤外線検出素子を備えることを特徴とする電子機器。
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