JP5913122B2 - 新規発現ベクター - Google Patents

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Description

本発明は、組換え体蛋白質を哺乳動物細胞内で効率よく発現させるための新規発現ベクターに関し、詳しくは、遺伝子発現制御部位、その下流に所望の蛋白質をコードする遺伝子、更に下流に内部リボソーム結合部位、及び更に下流にグルタミン合成酵素をコードする遺伝子を含んでなる、発現ベクターに関する。
所望の蛋白質をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターで形質転換された哺乳動物細胞を用いて、組換え体蛋白質を製造する方法は、医薬品製造等の産業分野で広く普及した技術であり、α-ガラクトシダーゼA、イズロン酸2-スルファターゼ、グルコセレブロシダーゼ、ガルスルファーゼ、α-L-イズロニダーゼ、酸性α-グルコシダーゼ等のリソソーム酵素、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)、血液凝固第VII因子、血液凝固第VIII因子、血液凝固第IX因子等の血液凝固因子、エリスロポエチン、インターフェロン、トロンボモジュリン、卵胞刺激ホルモン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、各種抗体医薬等がこの技術を用いて製造され、医薬品として市販されている。
このとき、発現ベクターとして、強力な遺伝子発現を誘導する遺伝子制御部位、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)由来のプロモーター、SV40初期プロモーター、伸長因子1α(EF−1)プロモーターなどの下流に、所望の蛋白質をコードする遺伝子を組み込んだものを用いるのが一般的である。このような発現ベクターが導入された哺乳動物細胞は、発現ベクターに組み込んだ所望の蛋白質を発現するようになるが、その発現量は個々の細胞により異なり一様ではない。従って、組換え体蛋白質を効率よく生産するためには、発現ベクターが導入された哺乳動物細胞から、所望の蛋白質の発現レベルが高い細胞を選択するステップが必要となる。この選択ステップを行うために、発現ベクターには選択マーカーとして働く遺伝子が組み込まれている。
選択マーカーとして最も一般的なものはピューロマイシン、ネオマイシン等の薬剤を分解する酵素(薬剤耐性マーカー)である。哺乳動物細胞は一定濃度以上の上記薬剤の存在下で死滅する。しかし、発現ベクターが導入された哺乳動物細胞は、発現ベクターに組み込んだ薬剤選択マーカーによりに上記薬剤を分解し、これを無毒化又は弱毒化することができるので、上記薬剤存在下でも生存可能となる。従って、発現ベクターが導入された細胞を、上記薬剤をある一定濃度含む培地中で培養すると、薬剤選択マーカーを高レベルで発現する細胞のみが増殖して、それらが選択される結果となる。薬剤選択マーカーを高レベルで発現する細胞は、発現ベクターに同時に組み込んだ所望の蛋白質をコードする遺伝子も高レベルに発現する傾向があるので、結果として、所望の蛋白質を高レベルで発現する哺乳動物細胞が得られる。
選択マーカーとして、グルタミン合成酵素(GS)を用いる発現ベクターも知られている(特許文献1、2参照)。グルタミン合成酵素は、グルタミン酸とアンモニアからグルタミンを合成する酵素である。哺乳動物細胞をグルタミン合成酵素の阻害剤である一定濃度のメチオニンスルホキシミン(MSX)存在下で、グルタミン欠乏培地で培養すると、細胞は死滅する。しかし、選択マーカーとしてグルタミン合成酵素が組み込まれた発現ベクターを哺乳動物細胞に導入すると、該細胞では、グルタミン合成酵素の発現レベルが上昇するようになるので、より高濃度のMSX存在下でも増殖可能となる。このとき、MSXの濃度を徐々に上昇させながら培養を続けると、より高濃度のMSX存在下でも増殖可能な細胞が得られる。この現象は、哺乳動物細胞のゲノム内に組み込まれた該発現ベクターが、ゲノム内で重複してコピー数を増やすことにより引き起こされると考えられている。すなわち、コピー数が増えることにより、一つの細胞中のゲノム内にある薬剤選択マーカーの遺伝子数が増加することになり、相対的に遺伝子の発現量が増加する。このとき、発現ベクターに組み込んだ所望の蛋白質をコードする遺伝子のコピー数も重複して増加するので、所望の蛋白質を高レベルで発現する哺乳動物細胞が得られる。例えば、特許文献1には、GS発現ベクターとメチオニンスルホキシミン(MSX)を用いることにより、DHFP(ジヒドロ葉酸還元酵素)/MTX(メトトレキセート)を使用する場合よりも、高いコピー数を達成し得ることが記載されている。また、特許文献2には、GS遺伝子とMSXを用いることにより、ホスト細胞のDNA中で、GS遺伝子のコピー数の増加に付随して、これと異なる異型遺伝子のコピー数をも増加させることができ、かくして所望のポリペプチドの生産のレベルを増大できることが記載されている。
このように、選択マーカーを含む発現ベクターは、効率の良い組換え体蛋白質の製造に適しており、広く用いられている。発現ベクター上で、所望の蛋白質をコードする遺伝子と選択マーカーをコードする遺伝子は、一般に、それぞれ別の遺伝子制御部位下に組み込まれる(特許文献3参照)。しかし、一つの遺伝子制御部位下に、所望の蛋白質と選択マーカーをコードする遺伝子を直列に組み込んで発現させる方法も知られており(特許文献4、5、6、7参照)、このとき、所望の蛋白質と選択マーカーをコードする遺伝子の間には、内部リボソーム結合部位(IRES: internal ribosome entry site)などが挿入され、これにより、一つの遺伝子制御部位から2つの遺伝子の発現が可能となる。内部リボソーム結合部位は種々知られており、例えば、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、脳心筋炎ウイルス、鶏伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス、由来のものがある(特許文献8、9、10参照)。
内部リボソーム結合部位を応用した発現ベクターとして、内部リボソーム結合部位の下流に選択マーカーとして単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼを組み込んだ発現ベクター(特許文献11参照)、2以上の内部リボソーム結合部位を用いて3種以上の遺伝子を結合させた発現ベクター(特許文献12参照)が知られている。
上記のように、種々の発現ベクターの開発により、哺乳動物細胞を用いて組換え体蛋白質を製造する方法が、エリスロポエチン等の医薬品の製造において実用化されているが、その製造コストを低減するため、より効率のよい発現ベクターの開発が常に求められている。
特表昭63−502955号公報 特表平5−504050号公報 特開2009−273427号公報 特開昭59−173096号公報 特開昭60−199387号公報 特表平4−500004号公報 特開平8−256776号公報 特表平6−509713号公報 特表平8−502644号公報 特開平10−327871号公報 特表2008−539785号公報 特表2004−520016号公報
組換え体蛋白質を哺乳動物細胞内で効率よく発現させるための新規発現ベクター、該ベクターで形質転換された哺乳動物細胞、及び該哺乳動物細胞の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的に向けた研究において、本発明者らは、遺伝子発現制御部位、並びに、その下流にヒトグルコセレブロシダーゼ等の所望の蛋白質をコードする遺伝子、更に下流に内部リボソーム結合部位、及び更に下流にグルタミン合成酵素をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターを用いて、哺乳動物細胞を形質転換させることにより、該蛋白質をコードする遺伝子を高レベルで発現させることができることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下を提供する。
[1]蛋白質を発現させるための発現ベクターであって、遺伝子発現制御部位、並びに、その下流に該蛋白質をコードする遺伝子、更に下流に内部リボソーム結合部位、および更に下流にグルタミン合成酵素をコードする遺伝子を含んでなる、発現ベクター、
[2]該遺伝子発現制御部位が、サイトメガロウイルス由来のプロモーター、SV40初期プロモーター、伸長因子1プロモーターからなる群から選択されるものである、上記[1]の発現ベクター、
[3]該内部リボソーム結合部位が、ピコルナウイルス科のウイルス、***ウイルス、A型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、コロナウイルス、ウシ腸内ウイルス、サイラーのネズミ脳脊髄炎ウイルス、コクサッキーB型ウイルス、ヒト免疫グロブリン重鎖結合蛋白質遺伝子、ショウジョウバエアンテナペディア遺伝子、ショウジョウバエウルトラビトラックス遺伝子からなる群から選択されるウイルスまたは遺伝子の5’非翻訳領域に由来するものである、上記[1]または[2]の発現ベクター、
[4]該内部リボソーム結合部位が、ピコルナウイルス科のウイルスの5’非翻訳領域に由来するものである、上記[1]または[2]の発現ベクター。
[5]該内部リボソーム結合部位が、マウス脳心筋炎ウイルスの5’非翻訳領域に由来するものである、上記[1]または[2]の発現ベクター、
[6]該内部リボソーム結合部位が、野生型の内部リボソーム結合部位の塩基配列に、1又は2以上の変異を加えたものである、上記[1]ないし[5]のいずれかの発現ベクター、
[7]該内部リボソーム結合部位に開始コドンが複数存在し、そのうちの一部のものが破壊されてなる、上記[6]の発現ベクター、
[8]該内部リボソーム結合部位が、配列番号1の塩基配列を含むものである、上記 [5]の発現ベクター、
[9]該内部リボソーム結合部位が、配列番号2の塩基配列を含むものである、上記 [5]の発現ベクター、
[10]該内部リボソーム結合部位が、配列番号3の塩基配列を含むものである、上記[5]の発現ベクター、
[11]該内部リボソーム結合部位が、配列番号4の塩基配列を含むものである、上記[5]の発現ベクター、
[12]該内部リボソーム結合部位が、配列番号5の塩基配列を含むものである、上記[5]の発現ベクター、
[13]該内部リボソーム結合部位が、配列番号6の塩基配列を含むものである、上記[5]の発現ベクター、
[14]蛋白質をコードする該遺伝子と該内部リボソーム結合部位との間の領域又はグルタミン合成酵素をコードする該遺伝子の下流の領域において、該内部リボソーム結合部位とは別に、内部リボソーム結合部位及びその下流に薬剤耐性遺伝子を更に含んでなる、上記[1]ないし[13]のいずれかの発現ベクター、
[15]該遺伝子発現制御部位とは別に、遺伝子発現制御部位及びその下流に薬剤耐性遺伝子を更に含んでなる、上記[1]ないし[13]のいずれかの発現ベクター、
[16]該薬剤耐性遺伝子が、ピューロマイシンまたはネオマイシン耐性遺伝子である、上記[14]又は上記[15]の発現ベクター、
[17]蛋白質をコードする該遺伝子が、ヒト由来の遺伝子である上記[1]ないし[16]のいずれかの発現ベクター、
[18]ヒト由来の該遺伝子が、リソソーム酵素、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)、血液凝固因子、エリスロポエチン、インターフェロン、トロンボモジュリン、卵胞刺激ホルモン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、および抗体をコードする遺伝子からなる群から選択されるものである、上記[17]の発現ベクター、
[19]ヒト由来の該遺伝子が、リソソーム酵素をコードする遺伝子である、上記[17]の発現ベクター、
[20]該リソソーム酵素が、α-ガラクトシダーゼA、イズロン酸2-スルファターゼ、グルコセレブロシダーゼ、ガルスルファーゼ、α-L-イズロニダーゼ、酸性α-グルコシダーゼからなる群から選択されるものである、上記[19]の発現ベクター、
[21]ヒト由来の該遺伝子が、エリスロポエチンをコードする遺伝子である上記[17]の発現ベクター、
[22]上記[1]ないし[21]のいずれかの発現ベクターで形質転換された哺乳動物細胞、
[23]該哺乳動物細胞が、CHO細胞である上記[22]の細胞、
[24]上記[1]ないし[21]のいずれかの発現ベクターを、哺乳動物細胞に導入するステップと、該発現ベクターが導入された哺乳動物細胞を、グルタミン合成酵素阻害剤の存在下又はグルタミン合成酵素阻害剤及び薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤の存在下、選択培養するステップとを含む、該蛋白質をコードする遺伝子を発現する形質転換細胞の製造方法。
本発明によれば、哺乳動物細胞内で、所望の組換え体蛋白質を効率よく発現させるための、発現ベクターを得ることができる。該発現ベクターを哺乳動物細胞に導入し、次いで選択培養することにより、該組換え体蛋白質を効率よく生産する形質転換細胞を得ることができる。こうして得た形質転換細胞を用いれば、該組換え体蛋白質の製造コストを大幅に低減することができる。
pE-neoベクターの構築方法の流れを示す図。 pE-neoベクターの構築方法の流れを示す図。 pE-hygrベクターの構築方法の流れを示す図。 pE-hygrベクターの構築方法の流れを示す図。 pE-hygrベクターの構築方法の流れを示す図。 pE-IRES-GS-puroの構築方法の流れを示す図。 pE-IRES-GS-puroの構築方法の流れを示す図。 pE-IRES-GS-puroの構築方法の流れを示す図。 pE-IRES-GS-puroの構築方法の流れを示す図。 pE-IRES-GS-puroの構築方法の流れを示す図。 pE-IRES-GS-puroの構築方法の流れを示す図。 pE-IRES-GS-puroの構築方法の流れを示す図。 pE-IRES-GS-puroの構築方法の流れを示す図。 pE-IRES-GS-puroの構築方法の流れを示す図。 pE-mIRES-GS-puroの構築方法の流れを示す図。 pE-mIRES-GSの構築方法の流れを示す図。 発現ベクター(pE-mIRES-GS(GBA))で形質転換したhGBA発現細胞の、生細胞密度を示す図。 発現ベクター(pE-mIRES-GS(GBA)で形質転換したhGBA発現細胞の、グルコセレブロシダーゼの発現量(GBA活性)を示す図。 発現ベクター(pE-IRES-GS-puro(GBA)及びpE-mIRES-GS-puro(GBA))で形質転換したhGBA発現細胞の、生細胞密度を示す図。 発現ベクター(pE-IRES-GS-puro(GBA)及びpE-mIRES-GS-puro(GBA))で形質転換したhGBA発現細胞の、ヒトグルコセレブロシダーゼの発現量(GBA活性)を示す図。 発現ベクター(pE-IRES-GS-puro(EPO)及びpE-mIRES-GS-puro(EPO))で形質転換したhEPO発現細胞の、生細胞密度を示す図。 発現ベクター(pE-IRES-GS-puro(EPO)及びpE-mIRES-GS-puro(EPO))で形質転換したhEPO発現細胞の、ヒトエリスロポエチンの発現量を示す図。
本発明において、「遺伝子発現制御部位」とは、その下流に存在する遺伝子の転写の頻度を調節することができるDNA上の領域のことであり、一般にプロモーター又はプロモーター遺伝子と称されるものである。遺伝子発現制御部位は、生体内で発現する遺伝子のほぼ全ての上流側に存在し、その転写の頻度を調節するものであり、その塩基配列は多様である。本発明において用いることのできる遺伝子発現制御部位は、その下流に組み込んだ遺伝子の転写を、哺乳動物細胞内において強力に誘導することができるものである限り特に限定はないが、好ましくはサイトメガロウイルス(SMV)由来のプロモーター、SV40 初期プロモーター等のウイルス由来のプロモーター、及び伸長因子1α(EF-1)プロモーターなどである。
本発明において、「内部リボソーム結合部位」とは、mRNA鎖の内部に存在する、リボソームが直接結合し且つキャップ構造非依存性に翻訳を開始し得る領域(構造)、又は転写されることにより該領域を生じるDNA鎖の領域(構造)である。また、本発明において、「内部リボソーム結合部位をコードする遺伝子」とは、転写されることにより該領域を生じるDNA鎖の領域(構造)である。内部リボソーム結合部位は、一般に、IRES(internal ribosome entry site)と称され、ピコルナウイルス科のウイルス(ポリオウイルス、ライノウイルス、マウス脳心筋炎ウイルスなど)、***ウイルス、A型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、コロナウイルス、ウシ腸内ウイルス、サイラーのネズミ脳脊髄炎ウイルス、、コクサッキーB型ウイルス等のウイルスの5’非翻訳領域、ヒト免疫グロブリン重鎖結合蛋白質、ショウジョウバエアンテナペディア、ショウジョウバエウルトラビトラックス等の遺伝子の5’非翻訳領域に見出されている。ピコルナウイルスの場合、そのIRESは、mRNAの5’非翻訳領域に存在する約450bpから成る領域である。ここで「ウイルスの5’非翻訳領域」とは、ウイルスのmRNAの5’非翻訳領域、又は転写されることにより該領域を生じるDNA鎖の領域(構造)である。
本発明において、内部リボソーム結合部位は、哺乳動物細胞内、特にチャイニーズハムスターの卵巣に由来する細胞(CHO細胞)内で、内部リボソーム結合部位として機能するものである限り特に限定はなく、いずれのものをも使用することができる。それらのうち、好ましくはウイルスの5’非翻訳領域に由来する内部リボソーム結合部位、より好ましくはピコルナウイルス科のウイルスの5’非翻訳領域に由来する内部リボソーム結合部位、更に好ましくはマウス脳心筋炎ウイルスの5’非翻訳領域に由来する内部リボソーム結合部位が挙げられる。
本発明において、内部リボソーム結合部位は、野生型の塩基配列を有するものをそのまま使用することができる。また、これら野生型の内部リボソーム結合部位の塩基配列に、1又は2以上の変異(例えば、置換、欠損、又は/及び挿入などをいう。)を加えた変異型の内部リボソーム結合部位も、哺乳動物細胞内(特にCHO細胞内)で内部リボソーム結合部位として機能するものである限り、いずれのものをも使用することができる。また、2以上の内部リボソーム結合部位を融合させたキメラ型の内部リボソーム結合部位も、使用することができる。
また、本発明においては、内部リボソーム結合部位の制御下にグルタミン合成酵素をコードする遺伝子(GS遺伝子)を配置することにより,GS遺伝子の発現量を調節することができる。かかる調節により、GS遺伝子の発現量を、選択培養において十分な選択圧が得られる一定の範囲の量に調節すれば、後述するように、組換え体蛋白質を高レベルで発現する哺乳動物細胞を選択することが可能となる。
GS遺伝子の発現量を調節する場合、種々の内部リボソーム結合部位の中から、GS遺伝子の発現量をより増加させる又はより減少させる内部リボソーム結合部位を、適宜選択して使用することにより、当該目的を達成することができる。また、内部リボソーム結合部位に変異を加えることによって、当該目的を達成することもできる。この場合において、当該変異を加える場所等に特に限定はなく、内部リボソーム結合部位の下流に存在するGS遺伝子の発現量を、一定の範囲の量に調節することができる限り如何なるものでもよい。
例えば、GS遺伝子の発現量を減少させる目的で変異を加える場合、野生型の内部リボソーム結合部位に存在する翻訳開始点として使用し得る複数の開始コドン(ATG)がターゲットとなり得る。例えば、これら開始コドンを、変異によって破壊することにより、これら開始コドンに対してインフレームに組み込まれたGS遺伝子の発現量を減少させることができる。ここに、「破壊」とは、ある遺伝子配列に変異を加えることにより、当該遺伝子配列が本来有する機能を発揮させないようにすることをいう。例えば、野生型のマウス脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム結合部位の3'末端には、3つの開始コドン(ATG)が存在しており、その配列を配列番号1(5'- ATGataatATGgccacaaccATG-3':開始コドンは、明示のため、大文字で表した。)で示す。この内部リボソーム結合部位の下流に存在するGS遺伝子の発現量を減少させる場合、変異を加えて破壊する開始コドンは、好ましくは5’側から2番目及び3番目の開始コドンであり、より好ましくは2番目の開始コドンである。したがって、このような変異を加えた内部リボソーム結合部位としては、例えば、その3'末端が配列番号2(5'-atgataatnnngccacaaccnnn-3':nは任意の塩基)若しくは配列番号32(5'-atgataannnngccacaaccnnn-3':nは任意の塩基)の塩基配列であるもの、又は配列番号3(5'-atgataatnnngccacaaccatg-3':nは任意の塩基)若しくは配列番号33(5'-atgataannnngccacaaccatg-3':nは任意の塩基)の塩基配列であるものが挙げられる。より具体的には、その3’末端が配列番号4(5'-atgataagcttgccacaaccatg-3';)の塩基配列である内部リボソーム結合部位であり、変異により5'側から2番目の開始コドンが破壊されたものである。
更に詳しくは、野生型のマウス脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム結合部位は、配列番号5(5'-cccccccccctctccctcccccccccctaacgttactggccgaagccgcttggaataaggccggtgtgcgtttgtctatatgttattttccaccatattgccgtcttttggcaatgtgagggcccggaaacctggccctgtcttcttgacgagcattcctaggggtctttcccctctcgccaaaggaatgcaaggtctgttgaatgtcgtgaaggaagcagttcctctggaagcttcttgaagacaaacaacgtctgtagcgaccctttgcaggcagcggaaccccccacctggcgacaggtgcctctgcggccaaaagccacgtgtataagatacacctgcaaaggcggcacaaccccagtgccacgttgtgagttggatagttgtggaaagagtcaaatggctctcctcaagcgtattcaacaaggggctgaaggatgcccagaaggtaccccattgtatgggatctgatctggggcctcggtgcacatgctttacatgtgtttagtcgaggttaaaaaaacgtctaggccccccgaaccacggggacgtggttttcctttgaaaaacacgatgataatatggccacaaccatg-3')の塩基配列を含むものである。また、該塩基配列に変異を加えたものとしては、配列番号6(5'-cccccccccctctccctcccccccccctaacgttactggccgaagccgcttggaataaggccggtgtgcgtttgtctatatgttattttccaccatattgccgtcttttggcaatgtgagggcccggaaacctggccctgtcttcttgacgagcattcctaggggtctttcccctctcgccaaaggaatgcaaggtctgttgaatgtcgtgaaggaagcagttcctctggaagcttcttgaagacaaacaacgtctgtagcgaccctttgcaggcagcggaaccccccacctggcgacaggtgcctctgcggccaaaagccacgtgtataagatacacctgcaaaggcggcacaaccccagtgccacgttgtgagttggatagttgtggaaagagtcaaatggctctcctcaagcgtattcaacaaggggctgaaggatgcccagaaggtaccccattgtatgggatctgatctggggcctcggtgcacatgctttacatgtgtttagtcgaggttaaaaaaacgtctaggccccccgaaccacggggacgtggttttcctttgaaaaacacgatgataagcttgccacaaccatg-3')の塩基配列が挙げられる。
また、野生型及び/又は変異型の内部リボソーム結合部位の下流に存在するGS遺伝子の発現量を、別の方法で調節することもできる。例えば、GS遺伝子の発現量を減少させる場合、これら内部リボソーム結合部位の開始コドンに対してアウトオブフレームにGS遺伝子を組み込むことや、内部リボソーム結合部位とその下流に存在するGS遺伝子との間に、転写若しくは翻訳を阻害する塩基配列を導入することによっても、該遺伝子の発現量を減少させることができる。転写を阻害する塩基配列は、内部リボソーム結合部位の下流に組み込んだGS遺伝子の転写を阻害するものであれば特に限定はないが、例えば、ポリメラーゼ付加シグナル(5’-aataaa-3’)等がある。また、翻訳を阻害する塩基配列は、内部リボソーム結合部位の下流に組み込んだ該遺伝子の翻訳を阻害するものであれば特に限定はないが、例えば、リーディングスルーを誘導するストップコドン等、正しい翻訳を妨げるもの等がある。
本発明において、「グルタミン合成酵素」というときは、グルタミン酸とアンモニアからグルタミンを合成することができるものである限り特に限定はなく、哺乳動物、爬虫類、鳥類、両生類、麟翅目(Lepidoptera)に属するカイコ(Bombyx mori)、夜盗蛾(Spodoptera frugiperda)、シャクトリムシ(Geometridae)等、双翅目(Diptera)に属するショウジョウバエ(Drosophila)等の昆虫、原核生物、線虫、酵母、放線菌、糸状菌、子嚢菌、坦子菌及び植物由来を含め如何なる生物由来のものでもよいが、好ましくは哺乳動物のものであり、ヒト又はチャイニーズハムスター由来のもの(特に、CHO細胞由来のもの)が好適に使用できる。
また、「グルタミン合成酵素阻害剤」というときは、上記グルタミン合成酵素の活性を阻害することができるものである限り特に限定はなく、いずれのものも用いることができるが、好ましくはメチオニンスルホキシミン(MSX)が挙げられる。
本発明においては、発現ベクターに、GS遺伝子に加えて、追加の選択マーカー遺伝子を導入することができる。該追加の選択マーカー遺伝子は、発現ベクターが導入された哺乳動物細胞に薬剤耐性を付与することができる遺伝子(薬剤耐性遺伝子)である。本発明において、薬剤耐性遺伝子として使用できる遺伝子は、哺乳動物細胞に薬剤耐性を付与することのできる遺伝子である限り特に限定はないが、好ましくは、細胞にピューロマイシン、ハイグロマイシン、ブラストサイジン、ネオマイシン等の薬剤に対する耐性を付与することのできる遺伝子である。ここにおいて、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、ブラストサイジン、ネオマイシン等の薬剤は、それぞれ、「薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤」である。これらの薬剤耐性遺伝子のうち、より好ましくは、ピューロマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ブラストサイジン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子が挙げられる。
本発明において、薬剤耐性遺伝子は、組換え体蛋白質が制御を受ける遺伝子発現制御部位とは別の遺伝子発現制御部位(第2の遺伝子発現制御部位)を設けて、その下流に組み込むことにより、発現量を制御することができる。この場合、該第2の遺伝子発現制御部位は、薬剤耐性遺伝子の発現量を、選択培養において十分な選択圧が得られる一定の範囲の量に調節できるものが用いられる。即ち、薬剤耐性遺伝子の発現量を比較的抑制することにより、発現ベクターで形質転換された哺乳動物細胞の薬剤に対する感受性を高めることができ、これにより、所望の蛋白質をコードする遺伝子を高レベルに発現して、該組換え体蛋白質を高レベルに生産する哺乳動物細胞の選択が可能となる。
また、本発明において、薬剤耐性遺伝子は、その上流に第2の内部リボソーム結合部位を介して、組換え体蛋白質をコードする遺伝子と内部リボソーム結合部位との間の領域又はGS遺伝子の下流の領域に、組み込むことができる。これにより、薬剤耐性遺伝子の発現量を、第2の内部リボソーム結合部位により制御することができる。この場合、第2の内部リボソーム結合部位として、GS遺伝子の上流の内部リボソーム結合部位と同一のものを使用してもよく、また別のものを使用してもよい。また、第2の内部リボソーム結合部位は、上記の種々の内部リボソーム結合部位から任意に選択し得る。第2のリボソーム結合部位に関しても、上述と同様に、適当なものを選択したりあるいは変異を加えたりすることなどにより、薬剤耐性遺伝子の発現量を調節することができる。
本発明において、発現ベクターに組み込まれる組換え体蛋白質をコードする遺伝子の動物種は、ヒトを含む哺乳動物由来のものを含め、特に限定はない。例えば、該遺伝子は、本発明のベクターを医療用医薬品の製造に使用するときは、概ねヒト由来のものとなり、家畜用の医薬品の製造に使用するときも、概ね治療対象とする家畜由来の遺伝子のものとなる。また、該所望の蛋白質をコードする遺伝子の種類にも特に限定はないが、好ましくは、α-ガラクトシダーゼA、イズロン酸2-スルファターゼ、グルコセレブロシダーゼ、ガルスルファーゼ、α-L-イズロニダーゼ、酸性α-グルコシダーゼ等のリソソーム酵素、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)、血液凝固第VII因子、血液凝固第VIII因子、血液凝固第IX因子等の血液凝固因子、エリスロポエチン、インターフェロン、トロンボモジュリン、卵胞刺激ホルモン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、又は各種抗体医薬をコードする遺伝子であり、より好ましくはリソソーム酵素及びエリスロポエチンをコードする遺伝子であり、更に好ましくはグルコセレブロシダーゼ及びエリスロポエチンをコードする遺伝子である。
本発明において、発現ベクターが導入される哺乳動物細胞は、目的の組換え体蛋白質が発現できるものである限り特に限定はないが、生体から取り出した臓器、筋組織、皮膚組織、結合組織、神経組織、血液、骨髄等から採取された細胞の初代培養細胞、継代培養細胞、及び継代培養しても形質が安定であるように株化された細胞のいずれであってもよい。また、細胞は正常細胞、癌化細胞のいずれであってもよい。特に好適に使用できる細胞は、チャイニーズハムスターの卵巣に由来するCHO細胞、ヒトの繊維芽細胞及びアフリカミドリザルの腎線維芽細胞に由来するCOS細胞である。
本発明において、発現ベクターの哺乳動物細胞への導入は、哺乳動物細胞内において組換え体蛋白質をコードする遺伝子が発現されるようにする目的で行うものであり、この目的が達成できる限り如何なる方法を用いてもよい。発現ベクターは、通常環状のプラスミドであるが、これは、環状のままであっても、又は制限酵素で切断して直線状にしてからであっても、細胞に導入することができる。
発現ベクターが導入された哺乳動物細胞(発現ベクター導入細胞)は、グルタミン合成酵素阻害剤(例えば、MSXなど)を添加したグルタミン不含又は低グルタミン培地(該当する場合には、更に薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤(例えば、抗生物質など)を添加した培地)中で培養され、細胞内でGS遺伝子(該当する場合には、更に薬剤耐性遺伝子)(いわゆる選択マーカー)が発現する細胞のみ選択される。これを選択培養といい、このとき使用される培地を選択培地という。
選択培養においては、発現する選択マーカーの量が添加されるGS阻害剤又は薬剤の量等に比して多過ぎる場合には、十分な選択圧がかからず、組換え体蛋白質の発現量の相対的に多い発現ベクター導入細胞を得ることができない一方、発現する選択マーカーの量が極端に少なすぎる場合には、細胞が死滅するか十分に増殖することができず、やはり発現量の相対的に多い発現ベクター導入細胞を得ることができない。しかし、発現する選択マーカーの量を、一定の範囲の量に調節することにより、GS阻害剤や薬剤に対する感受性を高め十分な選択圧を得ることができるようにすれば、以下に述べるが如きに、組換え体蛋白質の発現量が相対的に多い発現ベクター導入細胞を得ることができる。
すわなち、発現する選択マーカーの量を、選択培養において十分な選択圧を得ることができるように、一定の範囲の量に調節した上で、選択培地中に添加されるGS阻害剤の濃度(該当する場合には、更に薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤の濃度)を段階的に上昇させることにより、選択マーカーの発現量がより多い発現ベクター導入細胞を選択することができる。これは、選択培養の過程で、発現ベクター導入細胞のゲノム中に組み込まれた選択マーカーの数が重複により増加し、選択マーカーの発現量が相対的に増加した発現ベクター導入細胞のみが選択的に増殖することなどに起因する。このとき、発現ベクターに組み込んだ組換え体蛋白質をコードする遺伝子のコピー数も増加するので、該遺伝子の発現量も増加する。従って、発現ベクター導入細胞をこのように選択培養することにより、所望の組換え体蛋白質の発現量が相対的に多い発現ベクター導入細胞を選択することができる。本明細書においては、このように選択された発現ベクター導入細胞を、形質転換細胞という。
本発明において、選択マーカーとして、GS遺伝子に加え薬剤耐性遺伝子を更に組み込んだ発現ベクターを哺乳動物細胞に導入する場合には、GS遺伝子のみを組み込んだ場合に比して、更に発現量が多い形質転換細胞を選択することができる。
本発明において、選択培地中に添加されるGS阻害剤又は薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤の濃度を段階的に上昇させる場合において、その最大濃度は、例えば、GS阻害剤がメチオニンスルホキシミンの場合、好ましくは100〜1000μMであり、より好ましくは200〜500μMであり、更に好ましくは約300μMである。あるいは、薬剤がピューロマイシンの場合、その最大濃度は、好ましくは3〜30μMであり、より好ましくは5〜20μMであり、更に好ましくは約10μMである。
以下、実施例を参照して本発明を更に詳細に説明するが、本発明が実施例に限定されることは意図しない。
〔pE-neoベクター及びpE-hygrベクターの構築〕
pEF/myc/nucベクター(インビトロジェン社)を,KpnIとNcoIで消化し,EF-1プロモーター及びその第一イントロンを含む領域を切り出し,これをT4DNAポリメラーゼで平滑末端化処理した。pCI-neo(インビトロジェン社)を,BglII及びEcoRIで消化して,CMVのエンハンサー/プロモーター及びイントロンを含む領域を切除した後に,T4 DNA ポリメラーゼで平滑末端化処理した。これに,上記のEF-1αプロモーター及びその第一イントロンを含む領域を挿入して,pE-neoベクターを構築した(図1−1及び図1−2)。
pE-neoベクターを,SfiI及びBstXIで消化し,ネオマイシン耐性遺伝子を含む約1kbpの領域を切除した(図2−1)。pcDNA3.1/Hygro(+)(インビトロジェン社)を鋳型にしてプライマーHyg-Sfi5’ (5'-gaggccgcctcggcctctga-3';配列番号7)及びプライマーHyg-BstX3’(5’-aaccatcgtgatgggtgctattcctttgc-3’;配列番号8)を用いて,PCR反応によりハイグロマイシン遺伝子を増幅した(図2−2)。増幅したハイグロマイシン遺伝子を,SfiI及びBstXIで消化し,上記のpE-neoベクターに挿入して,pE-hygrベクターを構築した(図2−3)。
〔pE-IRES-GS-puroの構築〕
発現ベクターpPGKIH(Miyahara M. et.al., J. Biol. Chem. 275,613-618(2000) )を制限酵素(XhoI及びBamHI)で消化し、マウス脳心筋炎ウイルス(EMCV)に由来する内部リボソーム結合部位(IRES)、ハイグロマイシン耐性遺伝子(Hygr遺伝子)及びマウスホスホグリセリン酸キナーゼ(mPGK)のポリアデニル化領域(mPGKpA)を含む塩基配列IRES-Hygr-mPGKpA(5’-CTCGAGgaattcactccttcaggtgcaggcttgcctatcagaaggtggtggctggtgtggccaactggctcacaaataccactgagatcgacggtatcgataagcttgatatcgaattcCGCCCCCCCCCCCTCTCCCTCCCCCCCCCCTAACGTTACTGGCCGAAGCCGCTTGGAATAAGGCCGGTGTGCGTTTGTCTATATGTTATTTTCCACCATATTGCCGTCTTTTGGCAATGTGAGGGCCCGGAAACCTGGCCCTGTCTTCTTGACGAGCATTCCTAGGGGTCTTTCCCCTCTCGCCAAAGGAATGCAAGGTCTGTTGAATGTCGTGAAGGAAGCAGTTCCTCTGGAAGCTTCTTGAAGACAAACAACGTCTGTAGCGACCCTTTGCAGGCAGCGGAACCCCCCACCTGGCGACAGGTGCCTCTGCGGCCAAAAGCCACGTGTATAAGATACACCTGCAAAGGCGGCACAACCCCAGTGCCACGTTGTGAGTTGGATAGTTGTGGAAAGAGTCAAATGGCTCTCCTCAAGCGTATTCAACAAGGGGCTGAAGGATGCCCAGAAGGTACCCCATTGTATGGGATCTGATCTGGGGCCTCGGTGCACATGCTTTACATGTGTTTAGTCGAGGTTAAAAAAACGTCTAGGCCCCCCGAACCACGGGGACGTGGTTTTCCTTTGAAAAACACGATGATAATATGGCCACAACCatgaaaaagcctgaactcaccgcgacgtctgtcgagaagtttctgatcgaaaagttcgacagcgtctccgacctgatgcagctctcggagggcgaagaatctcgtgctttcagcttcgatgtaggagggcgtggatatgtcctgcgggtaaatagctgcgccgatggtttctacaaagatcgttatgttcatcggcactttgcatcggccgcgctcccgattccggaagtgcttgacattggggaattcagcgagagcctgacctattgcatctcccgccgtgcacagggtgtcacgttgcaagacctgcctgaaaccgaactgcccgctgttctgcagccggtcgcggaggccatggatgcgatcgctgcggccgatcttagccagacgagcgggttcggcccattcggaccgcaaggaatcggtcaatacactacgtggcgtgatttcatatgcgcgattgctgatccccatgtgtatcactggcaaactgtgatggacgacaccgtcagtgcgtccgtcgcgcaggctctcgatgagctgatgctttgggccgaggactgccccgaagtccggcacctcgtgcacgcggatttcggctccaacaatgtcctgacggacaatggccgcataacagcggtcattgactggagcgaggcgatgttcggggattcccaatacgaggtcgccaacatcttcttctggaggccgtggttggcttgtatggagcagcagacgcgctacttcgagcggaggcatccggagcttgcaggatcgccgcggctccgggcgtatatgctccgcattggtcttgaccaactctatcagagcttggttgacggcaatttcgatgatgcagcttgggcgcagggtcgatgcgacgcaatcgtccgatccggagccgggactgtcgggcgtacacaaatcgcccgcagaagcgcggccgtctggaccgatggctgtgtagaagtactcgccgatagtggaaaccgacgccccagcactcgtccgagggcaaaggaatagTCGAGaaattgatgatctattaagcaataaagacgtccactaaaatggaagtttttcctgtcatactttgttaagaagggtgagaacagagtacctacattttgaatggaaggattggagctacgggggtgggggtggggtgggattagataaatgcctgctctttactgaaggctctttactattgctttatgataatgtttcatagttggatatcataatttaaacaagcaaaaccaaattaagggccagctcattcctccactcacgatctatagatccactagcttggcgtaatcatggtcatagctgtttcctgtgtgaaattgttatccgctcacaattccacacaacatacgagccggaagcataaagtgtaaagcctggggtgcctaatgagtgagctaactcacattaattgcgttgcgctcactgcccgctttccagtcgggaaacctgtcgtgccagcGGATCC-3’;配列番号9。5’端の大文字で示された配列CTCGAGが「XhoIサイト」、その次に大文字で示されたCGCから始まる配列及びそれに続く小文字3文字(atg)からなる領域が「マウス脳心筋炎ウイルスの5’非翻訳領域に由来する内部リボソーム結合部位を含む塩基配列」、該atgから始まる小文字で示された領域が「ハイグロマイシン耐性遺伝子をコードする塩基配列」、その次の小文字で示されたaaaから始まる領域が「マウスホスホグリセリン酸キナーゼ(mPGK)のポリアデニル化領域を含む塩基配列」、及び、3’端の大文字で示された配列GGATCCが「BamHIサイト」である。)のDNA断片を切り出した(なお、Hygr遺伝子に対応するアミノ酸配列は、配列番号10で示されたものである。)。このDNA断片をpBluescript SK(-) (Stratagene社)のXhoIとBamHI間に挿入し、これをpBSK(IRES-Hygr-mPGKpA)とした(図3−1)。
pBSK (IRES-Hygr-mPGKpA)を鋳型としてプライマーIRES5’(5’-caactcgagcggccgccccccccccctctccctcccccccccctaacgttact-3’;配列番号11)及びプライマーIRES3’(5’-caagaagcttccagaggaactg-3’;配列番号12)を用いてPCRによりEMCVのIRESの一部を含むDNA断片を増幅させた。このDNA断片を制限酵素(XhoI及びHindIII)で消化し、pBSK
(IRES-Hygr-mPGKpA) のXhoIとHindIII間に挿入し、これをpBSK (NotI-IRES-Hygr-mPGKpA) とした(図3−2)。
pBSK(NotI-IRES-Hygro-mPGKpA)を制限酵素(NotI及びBamHI)で消化し、pE-hygrベクターのNotIとBamHI間に挿入し、これをプラスミドpE-IRES-Hygrとした(図3−3)。
発現ベクターpPGKIHを鋳型としてプライマーmPGKP5’(5’-gcgagatcttaccgggtaggggaggcgctt-3’;配列番号13)及びプライマーmPGKP3’(5’-gaggaattcgatgatcggtcgaaaggcccg-3’;配列番号14)を用いてPCRによりmPGKのプロモーター領域(mPGKp)含む塩基配列(5’-GCGagatctTACCGGGTAGGGGAGGCGCTTTTCCCAAGGCAGTCTGGAGCATGCGCTTTAGCAGCCCCGCTGGGCACTTGGCGCTACACAAGTGGCCTCTGGCCTCGCACACATTCCACATCCACCGGTAGGCGCCAACCGGCTCCGTTCTTTGGTGGCCCCTTCGCGCCACCTTCTACTCCTCCCCTAGTCAGGAAGTTCCCCCCCGCCCCGCAGCTCGCGTCGTGCAGGACGTGACAAATGGAAGTAGCACGTCTCACTAGTCTCGTGCAGATGGACAGCACCGCTGAGCAATGGAAGCGGGTAGGCCTTTGGGGCAGCGGCCAATAGCAGCTTTGCTCCTTCGCTTTCTGGGCTCAGAGGCTGGGAAGGGGTGGGTCCGGGGGCGGGCTCAGGGGCGGGCTCAGGGGCGGGGCGGGCGCCCGAAGGTCCTCCGGAGGCCCGGCATTCTGCACGCTTCAAAAGCGCACGTCTGCCGCGCTGTTCTCCTCTTCCTCATCTCCGGGCCTTTCGACCgatcatcGAATTCctc-3’;配列番号15。5’末端から最初に小文字で示された配列agatctが「BglIIサイト」、これに続く大文字で示されたTACから始まる配列が「マウスホスホグリセリン酸キナーゼ遺伝子のプロモーター領域を含む塩基配列」、及び、その次に大文字で示された配列GAATTCが「EcoRIサイト」である。)のDNA断片を増幅させた。このDNA断片を制限酵素(BglII及びEcoRI)で消化し、pCI-neo(Promega社)のBglIIとEcoRI間に挿入し、これをpPGK-neoとした(図3−4)。
pE-IRES-Hygrを制限酵素(NotI及びBamHI)で消化してDNA断片(IRES-Hygr)を切り出し、pPGK-neoのNotIとBamHI間に挿入し、これをpPGK-IRES-Hygrとした(図3−5)。
CHO-K1細胞からcDNAを調製し、これを鋳型としてプライマーGS5’(5’-aatatggccacaaccatggcgacctcagcaagttcc-3’;配列番号16)及びプライマーGS3’(5’-ggaggatccctcgagttagtttttgtattggaagggct-3’;配列番号17)を用いてPCRによりGS遺伝子を含むDNA断片を増幅させた。このDNA断片を制限酵素(BalI及びBamHI)で消化し、pPGK-IRES-HygrのBalIとBamHI間に挿入し、これをpPGK-IRES-GS-ΔpolyAとした(図3−6)。
pCAGIPuro(Miyahara
M. et.al., J. Biol. Chem. 275,613-618(2000))を鋳型としてプライマーpuro5’(5’-gcttaagatgaccgagtacaagcccacg-3’;配列番号18)及びプライマーpuro3’(5’-cccatcgtgatggtcaggcaccgggcttgc-3’;配列番号19)を用いてPCRによりピューロマイシン耐性遺伝子(puro遺伝子)を含む塩基配列(5’-GcttaagATGACCGAGTACAAGCCCACGGTGCGCCTCGCCACCCGCGACGACGTCCCCAGGGCCGTACGCACCCTCGCCGCCGCGTTCGCCGACTACCCCGCCACGCGCCACACCGTCGATCCGGACCGCCACATCGAGCGGGTCACCGAGCTGCAAGAACTCTTCCTCACGCGCGTCGGGCTCGACATCGGCAAGGTGTGGGTCGCGGACGACGGCGCCGCGGTGGCGGTCTGGACCACGCCGGAGAGCGTCGAAGCGGGGGCGGTGTTCGCCGAGATCGGCCCGCGCATGGCCGAGTTGAGCGGTTCCCGGCTGGCCGCGCAGCAACAGATGGAAGGCCTCCTGGCGCCGCACCGGCCCAAGGAGCCCGCGTGGTTCCTGGCCACCGTCGGCGTCTCGCCCGACCACCAGGGCAAGGGTCTGGGCAGCGCCGTCGTGCTCCCCGGAGTGGAGGCGGCCGAGCGCGCCGGGGTGCCCGCCTTCCTGGAGACCTCCGCGCCCCGCAACCTCCCCTTCTACGAGCGGCTCGGCTTCACCGTCACCGCCGACGTCGAGGTGCCCGAAGGACCGCGCACCTGGTGCATGACCCGCAAGCCCGGTGCCTGAccatcacgatggG-3’;配列番号20。5’端から最初に小文字で示された配列cttaagが「AflIIサイト」、これに続く大文字で示されたATGから始まる配列が「ピューロマイシン耐性遺伝子(puro遺伝子)をコードする塩基配列」、及び、その次の小文字で示された配列が「BstXIサイト」である。)のDNA断片を増幅させた(なお、puro遺伝子に対応するアミノ酸配列は、配列番号21で示されたものである。)。このDNA断片を制限酵素(AflII及びBstXI)で消化し、発現ベクターpE-neoのAflIIとBstXI間に挿入し、これをpE-puroとした(図3−7)。
pE-puroを鋳型としてプライマーSV40polyA5’(5’-caacaagcggccgccctcgagttccctttagtgagggttaatgc-3’;配列番号22)及びプライマーSV40polyA3’(5’-cccctgaacctgaaacataaaatg-3’;配列番号23)を用いてPCRによりSV40後期ポリアデニル化領域を含むDNA断片を増幅させた。このDNA断片を制限酵素(NotI及びHpaI)で消化し、発現ベクターpE-puroのNotIとHpaI間に挿入し、これをpE-puro(XhoI)とした(図3−8)。
pPGK-IRES-GS-ΔpolyAを制限酵素(NotI及びXhoI)で消化し、IRES-GS領域を含むDNA断片を切り出し、これを発現ベクターpE-puro(XhoI)のNotIとXhoI間に挿入し、これをpE-IRES-GS-puroとした(図3−9)。
〔pE-mIRES-GS-puroの構築〕
発現ベクターpE-IRES-GS-puroを鋳型としてプライマーmIRES-GS5’(5’-acacgatgataagcttgccacaacc-3’;配列番号24)及びプライマーmIRES-GS3’(5’-ctccacgatatccctgccata-3’;配列番号25)を用いてPCRによりEMCVのIRESからGSにかけての領域を増幅させ、EMCVのIRESの5’側から2番目に位置する開始コドン(ATG)に変異を加えて破壊したDNA断片を増幅させた。発現ベクターpE-IRES-GS-puroを鋳型として、このDNA断片と上記のプライマーIRES5’を用いてPCRによりIRESからGSにかけての領域を含むDNA断片を増幅させた。このDNA断片を制限酵素(NotI及びPstI)で消化し、切り出されたDNA断片を、発現ベクターpE-IRES-GS-puroのNotIとPstI間に挿入し、これをpE-mIRES-GS-puroとした(図4)。
〔pE-mIRES-GSの構築〕
発現ベクターpE-neoを鋳型としてプライマーSV40polyA5’-2(5’-actaactcgagttccctttagtg-3’;配列番号26)及びプライマーSV40polyA3’-2(5’-aacggatccttatcggattttaccac-3’;配列番号27)を用いてPCRによりSV40 polyA領域を含むDNA断片を増幅させた。このDNA断片を制限酵素(XhoI及びBamHI)で消化し、pE-mIRES-GS-puroのXhoIとBamHI間に挿入し、これをpE-mIRES-GSとした(図5)。
〔ヒトグルコセレブロシダーゼ(hGBA)発現ベクターの構築〕
ヒト肝臓Quick Clone cDNA(Clontech社)を鋳型としてプライマーhGBA5’(5’-gcaatacgcgtccgccaccatggagttttcaagtccttccagagagg-3’;配列番号28)及びプライマーhGBA3’(5’-ggacgcggccgcgagctctcactggcgacgccacaggtagg-3’;配列番号29)を用いてPCRによりヒトグルコセレブロシダーゼ遺伝子(hGBA遺伝子)を含むDNA断片を増幅させた。このDNA断片を制限酵素(MluI及びNotI)で消化し、pE-IRES-GS-puro、pE-mIRES-GS及びpE-mIRES-GS-puroのMluIとNotI間に挿入し、それぞれGBA発現ベクターpE-IRES-GS-puro(GBA)、pE-mIRES-GS(GBA)、及びpE-mIRES-GS-puro(GBA)とした。
〔ヒトエリスロポエチン(hEPO)発現ベクターの構築〕
pCI-neo (EPO)を鋳型としてプライマーhEPO5’(5’-aagacgcgtcgccaccatgggggtgcacgaatgtcctgc-3’;配列番号30)及びプライマーhEPO3’(5’-aagagcggccgctcatctgtcccctgtcctgcagg-3’;配列番号31)を用いてPCRによりhEPO遺伝子を含むDNA断片を増幅させた。このDNA断片を制限酵素(MluI及びNotI)で消化し、pE-IRES-GS-puro及びpE-mIRES-GS-puroのMluIとNotI間に挿入し、それぞれhEPO発現ベクターpE-IRES-GS-puro(EPO)及びpE-mIRES-GS-puro(EPO)とした。
〔hGBA発現細胞及びhEPO発現細胞の作成〕
チャイニーズハムスターの卵巣に由来する細胞のCHO-K1細胞に、リポフェクタミン2000試薬(Invitrogen社)を用いて、pE-IRES-GS-puro(GBA)、pE-mIRES-GS(GBA)、pE-mIRES-GS-puro(GBA)、pE-IRES-GS-puro(EPO)及びpE-mIRES-GS-puro(EPO)を、それぞれ導入した。これらの細胞を、選択培地を用いて選択培養し、hGBA発現形質転換細胞及びhEPO発現形質転換細胞を得た。
このとき、pE-IRES-GS-puro(GBA)、pE-mIRES-GS-puro(GBA)、pE-IRES-GS-puro(EPO)及びpE-mIRES-GS-puro(EPO)を導入した細胞の選択培養には、メチオニンスルホキシミン(SIGMA社)及びピューロマイシン(SIGMA社)を含むCD Opti CHO培地(Invitrogen社)を選択培地として使用し、pE-mIRES-GS(GBA)を導入した細胞の選択培養には、メチオニンスルホキシミン(SIGMA社)を含むCD Opti CHO培地(Invitrogen社)を選択培地として使用した。選択培養の際、メチオニンスルホキシミン及びピューロマイシンの濃度を段階的に上昇させて、最終的にメチオニンスルホキシミンの濃度を300μM、ピューロマイシンの濃度を10μg/mLとして、薬剤耐性を示す細胞を選択的に増殖させた。この選択培養により、3種類のhGBA発現形質転換細胞と2種類のhEPO発現形質転換細胞を得た。
〔hGBA発現細胞の培養と細胞密度の測定〕
選択培養して得た形質転換細胞を、2×105個/mLの細胞密度で、300μMのメチオニンスルホキシミンと、10μg/mLのピューロマイシンを含有する5mLのCD Opti CHO培地で、5%
CO2存在下で12日間培養した。培養温度は、培養開始から3日目までは37℃に、その後は30℃に設定した。培養、4、7、10及び12日目に培養上清をサンプリングし、細胞密度を測定した。但し、pE-mIRES-GS(GBA)を導入して得たhGBA発現形質転換細胞の培養は、300μMのメチオニンスルホキシミを含有する5mLのCD Opti CHO培地を使用して行った。
〔hEPO発現細胞の培養と細胞密度の測定〕
選択培養して得た形質転換細胞を、2×105個/mLの細胞密度で、300μMのメチオニンスルホキシミンと、10μg/mLのピューロマイシンを含有する5mLのCD Opti CHO培地で、5%
CO2存在下で7日間培養した。培養温度は、培養開始から3日目までは37℃に、その後は30℃に設定した。培養7日目に培養上清をサンプリングし、細胞密度を測定した。
〔hGBAの活性測定〕
GBA活性測定は、Pasmanik-Chor
M. et al., Biochem J 317, 81-88 (1996)に記載された方法を参考にして実施した。リン酸4-メチルウンベリフェリル(4-MUF、Sigma
Chemical Co.製)を希釈用緩衝液(0.125% ナトリウム−タウロコレート、0.15% Triton X-100、0.1% ウシ血清アルブミンを含む100mMリン酸カリウム緩衝液(pH5.96))に溶解した後、段階希釈して、200, 100, 50, 25, 12.5, 6.25及び3.125mM濃度の標準溶液を作製した。4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルコピラノシド(Sigma Chemical Co.製)を、4mMの濃度となるように希釈用緩衝液に溶解し、これを基質溶液とした。検体は、必要に応じて、測定前に希釈用緩衝液を用いて希釈した。フルオロプレートF96に、4-MUF標準溶液又は検体を10μLずつ加えた後、基質溶液を70μL加えて混合した。37℃で1時間反応させた後、反応停止液として、50mM グリシン-NaOH緩衝液(pH10.6)を200μLずつ各ウェルに加えた後、フルオロプレートリーダーを用いて、励起波長355nm、検出波長460nmの条件にて蛍光強度を測定した。4-MUF標準溶液の蛍光強度から検量線を描き、各検体の蛍光強度を検量線に内挿して、活性(nmol/h/mL)を算出した。
〔ELISA法によるhEPOの定量〕
組換え体hEPOを用いて免疫したウサギの血液から、常法によりウサギ抗hEPO抗体溶液を得た。なお、組換え体hEPOは、国際公開公報(WO2008/068879)
に記載された方法を参考にして作成した。ウサギ抗hEPO抗体溶液を96ウェルプレートに100μLずつ加え、4℃で1時間静置して抗体をプレートに固定させた。液を捨てた後、0.075%Tween20を含む1%BSA/TBS−T液(Tris:0.005M、NaCl:0.138M、KCl:0.0027M、pH 8.0)をプレートに100μLずつ加え、4℃で1時間静置してプレートをブロッキングした。液を捨て、プレートを0.075%Tween20を含むTBS−T液で3回洗浄した後、適当な濃度に希釈した検体をプレートに100μLずつ加え、37℃で1時間静置した。このとき、ローリー(Lowry)法により定量した自家製造のhEPOを希釈して1〜16ng/mLの濃度としたものを標準溶液として、検体と同様にプレートに加えて静置した。液を捨て、プレートを前記と同様にして洗浄後、HRP標識したマウス抗hEPOモノクロナール抗体(R&D社製)を2次抗体としてプレートに100μLずつ加え、37℃で1時間静置した。プレートを前記と同様にして洗浄後、HRP基質(プロメガ社)を加え、37℃で15分間静置した後、塩酸を加えて反応を停止した。マイクロウエルプレートリーダーで450nmにおける吸光度を測定して、標準溶液の吸光度との比較から検体中のhEPO濃度を求めた。
〔結果〕
上記のとおり、遺伝子発現制御部位として伸長因子1αプロモーター(EF-1p)、蛋白質をコードする遺伝子としてヒトグルコセレブロシダーゼ(hGBA)遺伝子、内部リボソーム結合部位として配列番号4に示す塩基配列を含む変異型マウス脳心筋炎ウイルス由来の内部リボソーム結合部位(EMCV-mIRES)、及びグルタミン合成酵素をコードする遺伝子(GS遺伝子)をこの順で組み込んだ発現ベクターであるpE-mIRES-GS (GBA)を導入したCHO細胞を、選択培地で培養して、培地中のhGBAの活性を測定するとともに、細胞密度を測定した。実験は独立して4回(バルク1〜4)行った。細胞密度は、4回とも培養7日目にはほぼ2.5×106個/mLに達した(図6−1)。一方、培地中のhGBA活性は、バルク2では培養10日目に30μmol/h/mLに達し(図6−2)、pE-mIRES-GS (GBA)を用いてCHO細胞を形質転換することにより、hGBAを高レベルで発現する細胞が得られることがわかった。但し、バルク1及び3では、培地中のhGBAの活性は極めて低く、pE-mIRES-GS (GBA)を用いた場合、選択培地で培養後の細胞に、hGBAの発現量の低い細胞がかなりの割合で含まれることが示唆された。
次いで、遺伝子発現制御部位としてEF-1p、蛋白質をコードする遺伝子としてhGBA遺伝子、内部リボソーム結合部位として配列番号1に示す塩基配列を含む野生型マウス脳心筋炎ウイルス由来の内部リボソーム結合部位(EMCV-IRES)、及びGS遺伝子をこの順で組み込み、更に薬剤耐性遺伝子としてピューロマイシン耐性遺伝子(puro遺伝子)を組み込んだ発現ベクターであるpE-IRES-GS-puro(GBA)を導入したCHO細胞を、選択培地で培養して、培地中のhGBAの活性を測定するとともに、細胞密度を測定した。実験は独立して3回(バルク1〜3)行った。細胞密度は、3回とも培養7日目にはほぼ3〜4×106個/mLに達し、特にバルク3では、4×106個/mLを超えていた(図7−1右側)。一方、培地中のhGBA活性は、3回とも培養10日目に5〜10μmol/h/mLに達し(図7−2右側)、pE-IRES-GS-puro(GBA)を用いてCHO細胞を形質転換することにより、hGBAを高レベルで発現する細胞が得られることがわかった。
次いで、遺伝子発現制御部位としてEF-1p、蛋白質をコードする遺伝子としてhGBA遺伝子、内部リボソーム結合部位としてEMCV-mIRES、及びGS遺伝子をこの順で組み込み、更に薬剤耐性遺伝子としてpuro遺伝子を組み込んだ発現ベクターであるpE-mIRES-GS-puro(GBA)を導入したCHO細胞を、選択培地で培養して、培地中のhGBAの活性を測定するとともに、細胞密度を測定した。実験は独立して3回(バルク1〜3)行った。細胞密度は、3回とも培養7日目にはほぼ2〜3×106個/mLに達した(図7−1左側)。一方、培地中のhGBA活性は、3回とも培養10日目に15〜25μmol/h/mLに達し(図7−2左側)、その発現量は、pE-IRES-GS-puro(GBA)を用いて形質転換させたCHO細胞のhGBAの発現量と比較しても顕著に高く、pE-mIRES-GS-puro(GBA)を用いてCHO細胞を形質転換することにより、hGBAを極めて高レベルで発現する細胞が得られることがわかった。特にバルク3では、培養12日目にhGBAの活性が35μmol/h/mLを超え、極めて高レベルのhGBAの発現を示した。
次いで、遺伝子発現制御部位としてEF-1p、蛋白質をコードする遺伝子としてヒトエリスロポエチン遺伝子(hEPO遺伝子)、内部リボソーム結合部位としてEMCV-IRES、及びGS遺伝子をこの順で組み込み、更に薬剤耐性遺伝子としてpuro遺伝子を組み込んだ発現ベクターであるpE-IRES-GS-puro(EPO)を導入したCHO細胞を、選択培地で培養して、培地中のhEPOの濃度を測定するとともに、細胞密度を測定した。
実験は独立して2回(バルク1〜2)行った。細胞密度は、2回とも培養7日目にはほぼ2〜3×106個/mLに達した(図8−1右側)。一方、培地中のhEPO濃度は、培養7日目にhEPOの活性が8〜18μg/mLに達し(図8−2右側)、pE-IRES-GS-puro(EPO)を用いてCHO細胞を形質転換することにより、hEPOを高レベルで発現する細胞が得られることがわかった。
次いで、遺伝子発現制御部位としてEF-1p、蛋白質をコードする遺伝子としてhEPO遺伝子、内部リボソーム結合部位としてEMCV-mIRES、及びGS遺伝子をこの順で組み込み、更に薬剤耐性遺伝子としてpuro遺伝子を組み込んだ発現ベクターであるpE-mIRES-GS-puro(EPO)を導入した哺乳動物細胞を、選択培地で培養して、培地中のhEPOの濃度を測定するとともに、細胞密度を測定した。実験は独立して2回(バルク1〜2)行った。細胞密度は、2回とも培養7日目にはほぼ2.5〜3×106個/mLに達した(図8−1左側)。一方、培地中のhGBA濃度は、2回とも培養7日目にhEPOの活性が約63μg/mLに達し(図8−2左側)、その発現量は、pE-IRES-GS-puro(EPO)を用いて形質転換させたCHO細胞のhGBAの発現量と比較しても顕著に高く、pE-mIRES-GS-puro(EPO)を用いてCHO細胞を形質転換することにより、hEPOを極めて高レベルで発現する細胞を得られることがわかった。
これらの結果は、遺伝子発現制御部位の下流に、所望の蛋白質をコードする遺伝子、及び配列番号1又は4の塩基配列を有する内部リボソーム結合部位、及びグルタミン合成酵素をこの順で組み込んだ発現ベクター、又は遺伝子発現制御部位の下流に、所望の蛋白質をコードする遺伝子、配列番号1又は4の塩基配列を有する内部リボソーム結合部位、グルタミン合成酵素をこの順で組み込み更に薬剤耐性遺伝子を組み込んだ発現ベクターが、これらの蛋白質をコードする遺伝子を、高レベルで発現させることができる発現ベクターであることを示す。特に、伸長因子1αプロモーターの下流に、蛋白質をコードする遺伝子、配列番号4の塩基配列を有する内部リボソーム結合部位及びグルタミン合成酵素をこの順で組み込み、更に薬剤耐性遺伝子としてピューロマイシン耐性遺伝子を組み込んだ発現ベクターが、該蛋白質をコードする該遺伝子を高レベルで発現させることができる発現ベクターであることを示す。
本発明によれば、哺乳動物細胞を用いて、組換え体蛋白質を高レベルで発現させることができるので、例えば、組換え体蛋白質を含有する医療用医薬品の製造コストを大幅に削減することができる。
1 LacZプロモーター
2 mPGKプロモーター
3 配列番号1に示す塩基配列を含む野生型マウス脳心筋炎ウイルス由来の内部リボソーム結合部位(EMCV-IRES)
3a 配列番号4に示す塩基配列を含む変異型マウス脳心筋炎ウイルス由来の内部リボソーム結合部位(EMCV-mIRES)
4 mPGKのポリアデニル化領域(mPGKpA)
5 EF-1p及び第一イントロンを含む塩基配列
6 SV40後期ポリポリアデニル化領域
7 SV40初期プロモーターを含む領域
8 合成ポリポリアデニル化領域
9 サイトメガロウイルスプロモーターを含む領域
10 グルタミン合成酵素遺伝子

Claims (13)

  1. 蛋白質を発現させるための発現ベクターであって、遺伝子発現制御部位、並びに、その下流に該蛋白質をコードする遺伝子、更に下流に内部リボソーム結合部位、および更に下流にグルタミン合成酵素をコードする遺伝子を含んでなり、
    該遺伝子発現制御部位が,伸長因子1プロモーターであり、
    該内部リボソーム結合部位が、マウス脳心筋炎ウイルスの5’非翻訳領域に由来するものであって且つ野生型の内部リボソーム結合部位の塩基配列に1又は2以上の変異を加えることにより5’側から2番目又は3番目の開始コドンが破壊されたものであり、
    更に、該遺伝子発現制御部位とは別に、遺伝子発現制御部位及びその下流に薬剤耐性遺伝子を更に含んでなる、
    発現ベクター。
  2. 破壊された開始コドンが該野生型の内部リボソーム結合部位における5’側から2番目目のものである、請求項1の発現ベクター。
  3. 該内部リボソーム結合部位が、配列番号4の塩基配列を含むものである、請求項の発現ベクター。
  4. 該内部リボソーム結合部位が、配列番号6の塩基配列を含むものである、請求項の発現ベクター。
  5. 該薬剤耐性遺伝子が、ピューロマイシン耐性遺伝子である、請求項1ないし4の何れかの発現ベクター。
  6. 蛋白質をコードする該遺伝子が、ヒト由来の遺伝子である請求項1ないしれかの発現ベクター。
  7. ヒト由来の該遺伝子が、リソソーム酵素、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)、血液凝固因子、エリスロポエチン、インターフェロン、トロンボモジュリン、卵胞刺激ホルモン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、および抗体をコードする遺伝子からなる群から選択されるものである、請求項の発現ベクター。
  8. ヒト由来の該遺伝子が、リソソーム酵素をコードする遺伝子である、請求項の発現ベクター。
  9. 該リソソーム酵素が、α-ガラクトシダーゼA、イズロン酸2-スルファターゼ、グルコセレブロシダーゼ、ガルスルファーゼ、α-L-イズロニダーゼ、酸性α-グルコシダーゼからなる群から選択されるものである、請求項の発現ベクター。
  10. ヒト由来の該遺伝子が、エリスロポエチンをコードする遺伝子である請求項の発現ベクター。
  11. 請求項1ないし10何れかの発現ベクターで形質転換された哺乳動物細胞。
  12. 該哺乳動物細胞が、CHO細胞である請求項11の細胞。
  13. 請求項1ないし10何れかの発現ベクターを、哺乳動物細胞に導入するステップと、該発現ベクターが導入された哺乳動物細胞を、グルタミン合成酵素阻害剤の存在下又はグルタミン合成酵素阻害剤及び薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤の存在下、選択培養するステップとを含む、該蛋白質をコードする遺伝子を発現する形質転換細胞の製造方法。
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