JP5913087B2 - 排水処理システム - Google Patents

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本発明は、臭素イオンを含む排水を処理する排水処理システムに関する。
従来より、臭素イオンを含む排水を処理する方法として、電気泳動を用いた方法、NF膜やRO膜を用いた方法、蒸留設備を用いた方法、またはこれらを組み合わせた方法などが知られている。また、特許文献1には、海水に塩素を吹き込んで臭素を遊離させて回収する「海水法」を用いた方法が記載されている。
特開昭58−167403号公報
しかしながら、上述のような方法を臭素イオンを含む排水の排水処理システムに適用すると、様々な問題によって、良好に処理を行えない場合や設備コストやランニングコストが高くなることがあった。従って、臭素イオンを含む排水を効率よく処理することのできる排水処理システムが求められていた。また、排水処理システムで処理される排水は、時間帯や日時によって臭素イオンの量が変動する。このように臭素イオンの量の変動に対応して、排水を効率良く処理することのできる排水処理システムが求められていた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、含まれる臭素イオンの量の変動によらず、排水を効率良く処理することのできる排水処理システムを提供することを目的とする。
本発明に係る排水処理システムは、臭素イオンを含む排水を処理する排水処理システムであって、排水のpHを酸性にすると共に次亜塩素酸が添加される反応槽と、反応槽の下流側に設けられ、反応槽からの処理水を曝気する曝気槽と、を備える。
本発明に係る排水処理システムによれば、反応槽において、排水のpHを酸性にすると共に次亜塩素酸が添加されることにより、排水に含まれる臭素イオンと次亜塩素酸が反応して、臭素の遊離を進行させることができる。遊離した臭素は、反応槽の下流側に設けられた曝気槽にて曝気されることにより、排水中から放出される。このように、pHを酸性として次亜塩素酸を添加し、曝気するだけの簡易な手順にて臭素を回収することができるため、設備コストを低減すると共にランニングコストを低減することができ、臭素イオンを含む排水を効率良く処理することができる。
本発明に係る排水処理システムにおいて、除去された臭素ガスから臭素をアルカリ溶液によって回収する回収部を更に備え、曝気槽では、回収部によって臭素が回収されたガスを曝気ガスとして用いてよい。回収部は、アルカリ溶液を用いるため、臭素を回収すると同時にガス中のCO も吸収する。従って、回収部によって臭素が回収されたガスは、CO の濃度が低い。曝気槽では、空気に比べ当該CO の濃度が低いガスを曝気ガスとして用いることにより、回収部でのアルカリ損失を抑制することができる。これにより、ランニングコストを低減することができる。
本発明に係る排水処理システムにおいて、反応槽よりも上流側に設けられ、次亜塩素酸が添加される前の排水のpHを酸性に調整するpH調整槽を更に備えてよい。pH調整に影響を与える因子として、排水に含まれる臭素イオンの量の変動(臭素イオンの量が変動すると次亜塩素酸の添加によるpH上昇の度合い、及び曝気槽での曝気によるpH上昇の度合いが変動する)の他、臭素イオンの量とは関連のない外来因子(排水に含まれる炭酸イオンの量や金属酸化物の量など)がある。一つの槽にて、両方の因子に対応するようにpH調整を行う場合、pH調整が困難となる。従って、反応槽よりも上流側のpH調整槽にて、次亜塩素酸が添加される前の排水のpH調整を行うことにより、外来因子に対応するためのpH調整を予め行っておくことが可能となる。これによって、反応槽では、排水に含まれる臭素イオンの量の変動のみに対応するためのpH調整を行うことができる。これによって、反応槽でのpH調整を容易に行うことが可能となり、排水に含まれる臭素イオンの量の変動に、より正確に対応することが可能となる。
ここで、次亜塩素酸の添加によるpH上昇や、曝気槽で曝気することによる処理水のpH上昇により、反応槽でのpHが臭素の遊離反応に適切な値であったとしても、曝気槽の出口側では当該適切な値よりもpHが高くなる場合がある。本発明に係る排水処理システムは、曝気槽の出口側の処理水のpHを測定するpH測定部を更に備えている。従って、当該pH測定部の測定結果に基づいて反応槽に添加する酸の量を調整することにより、曝気槽の出口側においてもpHを臭素の遊離反応のために適切な値に保つことが可能となる。更に、反応槽に供給される排水の臭素イオンの量が変動した場合は、それに対応してpH測定部の測定結果も変動する。従って、当該変動に応じた量の酸を反応槽に添加することが可能となるため、排水中の臭素イオンの量の変動に関わらず、必要以上の酸が添加されることを防止することができる。また、反応槽に供給される排水の臭素イオンの量が変動した場合は、それに対応して曝気槽の出口側の残留塩素濃度測定部の測定結果も変動する。従って、当該変動に応じた量の次亜塩素酸を反応槽に添加することが可能となるため、排水中の臭素イオンの量の変動に関わらず、必要以上の次亜塩素酸が添加されることを防止することができる。以上によって、含まれる臭素イオンの量の変動によらず、排水を効率良く処理することができる。
本発明によれば、含まれる臭素イオンの量の変動によらず、排水を効率良く処理することができる。
本発明の実施形態に係る排水処理システムを示すブロック構成図である。 図1に示す排水処理部の概略構成を示す概略構成図である。 処理水のpHと臭素イオン濃度の関係を示す実験結果のグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明による排水処理システムの一実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る排水処理システム100を示すブロック構成図である。図2は、図1に示す排水処理部110の概略構成を示す概略構成図である。排水処理システム100によって処理される排水には、少なくとも、臭素イオンが含まれている。また、当該排水に含まれる臭素イオンの量は日によって、あるいは時間帯によって大きく変動するものである。臭素イオンは、排水中に1〜300mg/l程度含まれ、当該範囲で変動する。本実施形態に係る排水処理システム100は、当該変動に対応して効率の良い排水処理を行うことができるシステムである。また、排水には、臭素イオンの他にも、有機物、炭酸イオン、金属酸化物など、様々な物質が含まれているが、本実施形態に係る排水処理システムは、それらの物質にも対応しつつ、効率の良い排水処理を行うことができるシステムである。
図1及び図2に示すように、排水処理システム100は、排水の処理を行う排水処理部110と、排水処理部110で除去された臭素ガスから臭素を回収する臭素回収部120と、排水処理システム100全体の制御を行う制御部130と、を備える。排水処理部110は、上流側から下流側へ順番に、処理水槽1と、pH調整槽2と、反応槽3と、曝気槽4と、還元槽6と、中和槽7と、を備えている。なお、pH調整槽2、反応槽3、及び曝気槽4には天井部CEが設けられている。これにより、各槽の処理水の水面と天井部CEとの間の空間にガスを流すことができる。臭素回収部120は、第1の回収部50と、第2の回収部60と、臭素廃液槽70と、を備えている。pH調整槽2と、反応槽3と、曝気槽4と、還元槽6と、中和槽7における、それぞれの処理は、1つまたは複数の槽において、順番に処理を施すバッチ処理としてもよい。連続処理同等の制御を行えば、バッチ処理でも同等の機能を得ることができる。
処理水槽1は、外部から供給された排水(ここでは、活性炭吸着処理がなされた活性炭吸着処理水である)を貯留しておくための槽である。排水には、有機物が含まれている場合があり、このような有機物を含む処理水が後段の各槽へ供給された場合、臭素イオンから生じる臭素酸や添加する次亜塩素酸と反応し、有害な有機ハロゲン化合物を生成してしまう。従って、活性炭によってそれらの有機物を除去しておくことが好ましい。
pH調整槽2は、反応槽3よりも上流側に設けられ、当該反応槽3にて次亜塩素酸が添加される前の処理水(本実施形態では、処理水槽1からの処理水が請求項における「排水」に対応する)のpHを酸性に調整するための槽である。pH調整槽2は、処理水に含まれる炭酸イオンや金属水酸化物などの外来因子に対応するためのpH調整を行う。pH調整槽2に貯留された処理水には、酸供給部11から酸が供給される。酸としては、例えば、HSO、HClなどが採用される。ただし、酸としてHClを採用した場合は塩化物イオンが増えることによって、余分な塩素ガスが生成するため、HSOを採用することがより好ましい。また、pH調整槽2には、pH調整槽2の出口側の処理水のpHを測定するpH測定計12が設けられている。また、pH調整槽2には、処理水を撹拌する撹拌部14が設けられている。pH調整槽2でのpHは、特に限定されないが、3以下に設定することが好ましい。
反応槽3は、pH調整槽2からの処理水のpHを酸性にすると共に次亜塩素酸が添加される槽である。反応槽3では、pHが酸性に保たれた状態で処理水に次亜塩素酸が添加されることによって、処理水中の臭素が遊離する。pH調整槽2にて処理水のpHは既に酸性となっているが、反応槽3で次亜塩素酸が添加される影響によって、処理水のpHは高くなる。また、後述の曝気槽4の影響によっても処理水のpHは高くなる。従って、反応槽3でのpH調整は、次亜塩素酸添加の影響、曝気の影響によってpHが高くなることに対応するために、pHを下げることを目的としたものである。反応槽3に貯留された処理水には、酸供給部16から酸が供給され、次亜塩素酸供給部17から次亜塩素酸が供給される。なお、酸及び次亜塩素酸は、反応槽3の上流側の入口部付近に供給される。酸としては、pH調整槽2に添加されたものと同様のものを用いることができる。次亜塩素酸として、NaClO、Ca(ClO)、などが採用される。ただし、次亜塩素酸としてNaClOを採用した場合、Ca(ClO)とHSOが反応して生成する石膏成分(CaSO)が、処理設備にスケールを生じ、設備や配管を詰まらせるようなトラブルが生じないというメリットがある。また、反応槽3には、処理水を撹拌する撹拌部18が設けられている。
反応槽3の入口付近でのpHは、排水に含まれる臭素の量によって変動するものであるが、曝気槽4の出口付近(次亜塩素酸の添加、及び曝気の影響を受けてpHが上がった状態となっている)でのpHを3.5以下に維持できる程度のpHとしておくことが好ましい。反応槽3及び曝気槽4でのpHが高くなる(例えば4以上)と、BrO が生成する反応も進み、より多くの次亜塩素酸を消費するが、pHを低く抑える調整を行うことで、効率よく臭素の遊離反応を進行させることができる。少なくとも、反応槽3の入口部付近のpHは、pH調整槽2のpHよりも低く、例えば2〜3程度に調整される。供給する次亜塩素酸は、Cl/Brが1〜2(mol比)となるように添加されることが好ましい。
ここで、排水(ここではpH調整槽2からの処理水)のpHを酸性にすると共に次亜塩素酸を添加したときの、反応槽3での反応式を以下の式(1)〜(3)に示す。式(1)〜(3)を整理すると式(4)で示す反応式となる。以下に示すように、臭素(Br)の遊離反応が進行する。pHを下げることによって、臭素イオンが電子を奪われる(酸化される)反応が進行する。

2ClO + 2H → 2HClO …(1)
2HClO + 2H 2e → Cl + 2HO …(2)
2Br → Br(液) + 2e …(3)

2Br + 2ClO + 4H
→ Br(液) + Cl +2HO …(4)
曝気槽4は、反応槽3の出口側に設けられ、反応槽3からの処理水を曝気する槽である。曝気槽4は、反応槽3での反応によって処理水中を遊離している臭素を曝気によって臭素ガスとして放出させる。曝気槽4の底部には、曝気装置19が設けられている。また、曝気槽4には、曝気槽4の出口側の処理水のpHを測定するpH測定計26が設けられている。曝気槽4には、曝気槽4の出口側の処理水の残留塩素濃度を測定する残留塩素濃度測定計27が設けられている。処理水の臭素濃度は、曝気槽に通気する空気量が多いほど低くすることができるため、曝気強度を大きくすれば滞留時間を小さくでき、滞留時間を大きくすれば曝気強度を小さくできる。従って、これらの数値は、必要とする処理水質と設備コストから、最適な組み合わせを選定することがよい。曝気槽4での処理水の滞留時間は、10分〜60分とすることが好ましい。曝気強度は、100〜600m/m・時とすることが好ましい。
また、曝気槽4には、曝気槽4の入口部付近の天井部CEに、臭素ガスを回収するためのガス回収口21が設けられている。ガス回収口21から回収された臭素ガスは、臭素回収部120にて臭素の回収が行われる。詳細については後述するが、臭素回収部120ではアルカリ溶液によって臭素を回収するため、臭素ガス中のCOも同時に吸収される。従って、臭素回収後のガスは、COの濃度が低い。曝気槽4の曝気装置19は、臭素回収部120で臭素が回収された後のガスを曝気ガスとして用いる。このようにCOの濃度が低いガスを用いることにより、空気を曝気ガスとして用いる場合に比して臭素回収部120でのCOによるアルカリ損失を抑制することができる。また、当該ガスには、Clも含まれている。従って、海水法と同様の原理により、「2Br + Cl → Br + 2Cl」の反応を進行させることもできる。これにより、次亜塩素酸の供給量を減らすことができる。
また、曝気槽4には、出口部付近の天井部CEに、空気の供給口22が設けられている。なお、当該供給口22の上流側では、pH調整槽2の入口部付近の天井部CEに空気の供給口23が設けられ、反応槽3の出口部付近の天井部CEに空気の回収口24が設けられ、当該回収口24と曝気槽4の供給口22がラインL1で接続されている。これにより、供給口23から供給された空気は、pH調整槽2及び反応槽3の水面上を流れ、回収口24で回収されると共にラインL1を通過し、供給口22から曝気槽4に供給される。供給口22から供給された空気は、水面から放出された臭素ガスと共に、曝気槽4の水面上を出口側から入口側へ向かって流れ、ガス回収口21にて回収される。曝気槽4の水面から放出される臭素ガスは、出口側よりも入口側の方が多い。従って、多く臭素ガスが放出される入口部付近で直ちにガス回収口21で臭素ガスを回収し、臭素ガスが少ない出口部付近では空気の流れによって入口側へ流して回収する。これによって、処理水中に溶ける臭素の量を減らすことができる。
還元槽6は、曝気槽4にて臭素が除去された後の処理水中に残留する酸化性物質(ClOやBrOなど)を還元するための槽である。例えば、還元槽6に貯留された処理水には、還元剤供給部29から還元剤が供給される。還元剤としては、例えば、Na、FeSOなどが採用される。ただし、還元剤としてNaを採用した場合、SS成分を発生しないというメリットがある。また、還元槽6には、処理水を撹拌する撹拌部31が設けられている。なお、還元槽6と中和槽7との間に他の槽を設けてもよい。
中和槽7は、曝気槽4にて臭素が除去され、還元槽6にて還元された後の処理水を中和するための槽である。すなわち、中和槽7は、臭素除去のために酸性となっていた処理水のpHを中性に戻すための槽である。中和槽7に貯留された処理水には、アルカリ供給部32からアルカリが供給される。アルカリとしては、例えば、NaOH、NaCOなどが採用される。ただし、アルカリとしてNaOHを採用した場合、スケールを発生しにくいメリットがある。また、中和槽7には、処理水を撹拌する撹拌部33が設けられている。また、中和槽7には、中和槽7の出口側の処理水のpHを測定するpH測定計34が設けられている。中和槽7には、中和槽7の出口側の処理水のORP(酸化還元電位)を測定するORP測定計36が設けられ、還元剤の添加量が適性であるかどうかを確認することができる。
図1を参照して、臭素回収部120の構成を説明する。なお、図1において一点鎖線で示す矢印は、曝気槽4と臭素回収部120との間で循環するガスの流れを示している。第1の回収部50は、第1のスクラバー51及び第1の循環槽52を備えている。循環槽52中の循環水は、第2の回収部60から供給されるアルカリ液であって、臭素の吸収によってpHが低下するため、更にアルカリ(例えば、NaOHなどが採用される)が供給される。第1のスクラバー51には噴出部53が設けられている。第1のスクラバー51には曝気槽4で回収された高濃度の臭素ガスが供給され、当該供給部分よりも上方から、循環槽52から組み上げた循環水(アルカリ溶液)を噴出部53より噴出する。これによって、第2の回収部60から供給された低濃度の臭素を含むアルカリ溶液を、更に高濃度の臭素ガスに接触させることで、循環槽52中の循環水中に高濃度に回収される。当該循環水の一部は、臭素廃液槽70へ供給され、ローリーなどによって場外へ搬出される。なお、搬出された臭素は、薬品原液などに有効利用される。一方、第1のスクラバー51で臭素が回収された後のガスは、第2の回収部60へ供給される。
第2の回収部60は、第2のスクラバー61及び第2の循環槽62を備えている。循環槽62中の循環水にはアルカリが添加されることにより、当該循環水はアルカリ溶液となる。第2のスクラバー61には噴出部63が設けられている。第2のスクラバー61には第1のスクラバー51から臭素回収後の低濃度の臭素ガスが供給され、当該供給部分よりも上方から、循環槽62から組み上げた循環水(アルカリ溶液)を噴出部63より噴出する。これによって、第1の回収部50で回収されなかった低濃度の臭素がガス中からアルカリ溶液によって吸収され、循環槽62中の循環水中に回収される。低濃度の臭素を含みアルカリ性の当該循環水の一部は、第1の回収部50の循環槽52へ供給される。一方、第2のスクラバー61で臭素が回収された後のガスは、曝気槽4の曝気ガスとして曝気装置19へ供給される。なお、一部の循環ガスは、大気放出される。なお、臭素回収部120は二段構成であるが、排水の臭素濃度が低い場合には一段でもよく、より高濃度の廃液を得ることで廃液量を削減することと、排気ガス中の臭素をできるだけ低減したい場合には、三段以上としてもよい。
制御部130は、排水処理システム100全体の制御を行う。制御部130は、少なくとも、各供給部11,16,17,29,32と、各種測定計13,26,27,34,36と電気的に接続されている。ただし、制御部130は、排水処理システム100中の他の機器とも電気的に接続されているが、図2では図示を省略している。図1では、電気的な接続は省略されている。
制御部130は、pH測定計13での測定値に基づいて、pH調整槽2へ酸を供給する酸供給部11の制御を行う。すなわち、制御部130は、pH測定計13の測定値が所定の目標値(例えば、pH<3の値)となるように、酸供給部11による酸の供給量を調整する。また、制御部130は、pH測定計26での測定値に基づいて、反応槽3へ酸を供給する酸供給部16の制御を行う。すなわち、制御部130は、pH測定計26の測定値が所定の目標値(例えば、pH<3.5の値)となるように、酸供給部16による酸の供給量を調整する。また、制御部130は、残留塩素濃度測定計27での測定値に基づいて、反応槽3へ次亜塩素酸を供給する次亜塩素酸供給部17の制御を行う。すなわち、制御部130は、残留塩素濃度測定計27の測定値が所定の目標値(例えば、残留塩素濃度<5mg/l)となるように、次亜塩素酸供給部17による次亜塩素酸の供給量を調整する。また、制御部130は、ORP測定計36での測定値に基づいて、還元槽6へ還元剤を供給する還元剤供給部29の制御を行う。すなわち、制御部130は、ORP測定計36の測定値が所定の目標値(例えば、+50mV>ORP>−50mV)となるように、還元剤供給部29による還元剤の供給量を調整する。
次に、本実施形態に係る排水処理システム100の作用・効果について説明する。
従来より、臭素イオンを含む排水を処理する方法として、電気泳動を用いた方法、NF膜やRO膜を用いた方法、蒸留設備を用いた方法、またはこれらを組み合わせた方法が知られている。しかしながら、これらの方法は、様々なイオンや有機物も同時に分離・濃縮するため、多量の濃縮液が発生するという問題があった。濃縮液は、更に熱を加え乾燥させるなどして減量する必要がある。これらの処理は、臭素イオンを低い濃度に低減できるものの、設備コストが上がり、多くのエネルギーが必要になるという問題がある。また、発生した塩の利用価値は少なく、埋立処理も溶出して循環・濃縮が起こることなどにより、処分が難しいという問題がある。その他、活性炭吸着やイオン交換樹脂を用いる方法もあるが、ただちに破過してしまうため、高濃度の臭素イオンを含む排水を処理する方法としては実用的ではないという問題がある。一方、臭素の工業的製造方法として、海水に塩素を吹き込んで臭素を遊離させる「海水法」や、にがりに含まれるMgBrに塩素を吹き込んで臭素を遊離させる「にがり法」が知られている。しかしながら、これらは塩素ガスを用いる方法であるため、排水処理システムに適用するのが困難であるという問題がある。
一方、本実施形態に係る排水処理システム100によれば、反応槽3において、処理水のpHを酸性にすると共に次亜塩素酸が添加されることにより、処理水に含まれる臭素イオンと次亜塩素酸が反応して、臭素の遊離を進行させることができる。遊離した臭素は、反応槽3の下流側に設けられた曝気槽4にて曝気されることにより、処理水中から放出される。このように、pHを酸性として次亜塩素酸を添加し、曝気するだけの簡易な手順にて臭素を回収することができるため、設備コストを低減すると共にランニングコストを低減することができ、排水を効率良く処理することができる。
例えば、排水171mg/Lに対して、NaClOを有効塩素で500mg/L添加し、pHを変化させた場合の実験結果を図3に示す。図3から理解されるように、pHを酸性として次亜塩素酸を添加することによって、臭素の遊離反応が進み、処理水中の臭素イオン濃度が低くなっている。
ここで、曝気槽4で曝気することによって処理水のpHが上がるため、反応槽3でのpHが臭素の遊離反応に適切な値であったとしても、曝気槽4の出口側では当該適切な値よりもpHが高くなる場合がある。例えば、反応槽3にpH測定計を設け、当該pH測定計の測定結果に基づいて反応槽3へ添加する酸の量を調整しても、曝気槽4の出口側では、pHが適切な値でなくなっている可能性がある。これに対して、本実施形態に係る排水処理システム100は、曝気槽4の出口側の処理水のpHを測定するpH測定計26を備えている。従って、制御部130は、当該pH測定計26の測定結果に基づいて酸供給部16を制御し、反応槽3に添加する酸の量を調整することにより、曝気槽4の出口側においてもpHを臭素の遊離反応に適切な値に保つことが可能となる。なお、本実施形態では反応槽3にはpH測定計を設けておらず、曝気槽4のpH測定計26の測定結果のみに基づいて反応槽3へ添加する酸の量を制御している。これにより、不要なpH測定計を省略することができる。
更に、反応槽3に供給される処理水の臭素イオンの量が変動した場合は、それに対応してpH測定計26の測定結果も変動する。従って、当該変動に応じた量の酸を反応槽3に添加することが可能となるため、排水中の臭素イオンの量の変動に関わらず、必要以上の酸が添加されることを防止することができる。また、反応槽3に供給される排水の臭素イオンの量が変動した場合は、それに対応して曝気槽4の出口側の残留塩素濃度測定計27の測定結果も変動する。従って、当該変動に応じた量の次亜塩素酸を反応槽3に添加することが可能となるため、排水中の臭素イオンの量の変動に関わらず、必要以上の次亜塩素酸が添加されることを防止することができる。以上によって、ランニングコストを低減することができ、含まれる臭素イオンの量の変動によらず、排水を効率良く処理することができる。
本実施形態に係る排水処理システム100において、除去された臭素ガスから臭素をアルカリ溶液によって回収する臭素回収部120を更に備え、曝気槽4では、臭素回収部120によって臭素が回収されたガスを曝気ガスとして用いている。臭素回収部120は、臭素の回収にアルカリ溶液を用いるため、臭素を回収すると同時にガス中のCOも吸収する。従って、臭素回収部120によって臭素が回収されたガスは、COの濃度が低い。曝気槽4では、当該COの濃度が低いガスを曝気ガスとして用いることにより、臭素回収部120でのアルカリ損失を抑制することができる。これにより、ランニングコストを低減することができる。
本実施形態に係る排水処理システム100において、反応槽3よりも上流側に設けられ、次亜塩素酸が添加される前の処理水のpHを酸性に調整するpH調整槽2を更に備えている。pH調整に影響を与える因子として、排水に含まれる臭素イオンの量の変動(臭素イオンの量が変動すると次亜塩素酸の添加によるpH上昇の度合い、及び曝気槽での曝気によるpH上昇の度合いが変動する)の他、臭素イオンの量とは関連のない外来因子(排水に含まれる炭酸イオンの量や金属水酸化物の量など)がある。反応槽3のみにて、両方の因子に対応するようにpH調整を行う場合、pH調整が困難となる。従って、反応槽3よりも上流側のpH調整槽2にて、次亜塩素酸が添加される前の排水のpH調整を行うことにより、外来因子に対応するためのpH調整を予め行っておくことが可能となる。これによって、反応槽3では、排水に含まれる臭素イオンの量の変動のみに対応するためのpH調整を行うことができる。これによって、反応槽3でのpH調整を容易に行うことが可能となり、排水に含まれる臭素イオンの量の変動に、より正確に対応することが可能となる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、図1及び図2は排水処理システムのシステム構成の一例に過ぎず、異なるシステム構成を採用してもよい。例えば、臭素回収部120としてスクラバー及び循環槽を用いた構造を採用したが、これに限定されない。また、曝気槽4での曝気ガスとして、臭素回収部120からの循環ガスを用いたが、これに限らず、外部からの空気を用いてもよい。
また、排水処理部110は、少なくとも反応槽3及び曝気槽4を有していればよく、他の槽は適宜省略してよく、図1に示されない他の槽を設けてもよい。
本排水処理システムを適用する排水は、有機物を含まない活性炭吸着処理水などがよいが、有機物を完全に除去できない場合には、臭素イオンから生じる炭素酸や添加する次亜塩素酸と反応し、有害な有機ハロゲン化合物を僅かに生成する。そのため、臭素除去後の処理水は、発生した有機ハロゲン化合物を吸着除去するために、活性炭吸着設備を後段に設けてもよい。また、還元槽において還元しきれなかった僅かな次亜塩素酸などは活性炭により分解されるため、次亜塩素酸が放流されることを防止できることからも、活性炭吸着設備を後段に設けてもよい。
2…pH調整槽、3…反応槽、4…曝気槽、26…pH測定計(pH測定部)、27…残留塩素濃度測定計(残留塩素濃度測定部)、100…排水処理システム、120…臭素回収部。

Claims (3)

  1. 臭素イオンを含む排水を処理する排水処理システムであって、
    前記排水に次亜塩素酸が添加される反応槽と、
    前記反応槽よりも上流側に設けられ、前記次亜塩素酸が添加される前の前記排水のpHを酸性に調整するpH調整槽と、
    前記反応槽の下流側に設けられ、前記反応槽からの処理水を曝気する曝気槽と、
    前記曝気槽の出口側に設けられ、前記曝気槽の出口側の処理水のpHを測定するpH測定部と、
    前記曝気槽の出口側に設けられ、前記曝気槽の出口側の処理水の残留塩素濃度を測定する残留塩素濃度測定部と、を備える、排水処理システム。
  2. 除去された臭素ガスから臭素をアルカリ溶液によって回収する回収部を更に備え、
    前記曝気槽では、前記回収部によって臭素が回収されたガスを曝気ガスとして用いる、請求項1に記載の排水処理システム。
  3. 前記反応槽は、前記排水のpHを酸性に保つための酸供給部を更に備える、請求項1又は2に記載の排水処理システム。
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