JP5913074B2 - 歯科用硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、歯科医療の分野において、天然歯の一部分又は全体を代替し得る歯科材料、特に歯科用コンポジットレジンとして好適に使用できる歯科用硬化性組成物に関する。
重合性単量体、無機充填材及び重合開始剤等から構成される歯科用硬化性組成物は、コンポジットレジンと呼ばれ、歯の欠損部や虫歯を修復、予防するための材料として今日最も多用される歯科材料となっている。このような歯科用硬化性組成物においては、以下のような特性が要求される。すなわち、重合硬化後の硬化物においては、天然歯と置換可能な十分な機械的強度、硬度、口腔内での噛み合わせに対する耐磨耗性、表面の滑沢性等である。
またさらには、重合硬化前のペースト状態では、シリンジ容器等から押し出しやすく、適度な形態保持性があり、歯科用インスツルメントに付着しない、べとつかない、垂れすぎない等、臨床医や歯科技工士が扱いやすい(取り扱い性が高い)ことが望まれている。該組成物は、特定の配合成分を用いたり、配合成分比などを調整したりすることにより、上記特性に関して、歯科材料として好ましい効果を発揮することができる。
特に歯科用硬化性組成物に必要とされる重合硬化前のペースト取り扱い性に関して、口腔内外で、ペーストを築盛して、歯牙の形態を復元する場合、適度な形態保持性が必要となる。形態保持性が不十分な場合、ペーストが垂れ、歯牙の形態を復元することが困難となる。従って、適度な形態保持性を得るためには、ペースト中の無機充填材量を増やすことによって、ペーストを硬くすればよいが、一方で、ペーストの流動性が低下する。ペーストの流動性が低くなると、シリンジ等の容器から、ペーストを押し出しにくくなり、築盛を行うと、ペーストを伸ばした際に切れや分離が生じ、気泡を巻き込んだり、また、滑沢な表面を得ることが困難となる。また、フロアブルコンポジットと呼ばれる流動性の高いペーストにおいても、流動性が高すぎると窩洞から垂れてしまい、歯牙の形態を復元することが困難となる。とりわけ、近年、サブミクロンサイズの不定形無機充填材を用いることによって、表面の滑沢性と機械的強度の両立をはかれるようになったが、その反面、良好なペースト取り扱い性を得ることが困難になった。
特許文献1には、平均分子量2,000〜4,000のポリグリセリン脂肪酸エステルを少量配合することにより、ペーストの形態保持性とシリンジ等の容器からの押し出し性を両立した取り扱い性の良好な歯科用硬化性組成物が記載されている。当該文献で用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルは、エステル化度が50%以上であることが好ましくと記載されており、実際に、実施例で用いられたポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度は、例えば、オクタエルカ酸デカグリセリルが66.7%、ヘプタミリスチン酸デカグリセリルが58.3%、デカオレイン酸デカグリセリルが83.3%と算出され、58.3%以上であることが分かる。
また、特許文献2には、酸性基含有ビニルモノマー、イオン溶出性フィラーに加え、ノニオン系界面活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルなどを含むことにより、湿潤下で硬化しても歯と確実に接着し、着色が少なく且つその硬化体が十分な強度を有する硬化性組成物が記載されている。
特開2011−190254号公報 特開平5−255035号公報
特許文献1に記載の歯科用硬化性組成物においては、築盛によって、複雑な歯冠形態を精密に再現するためには、形態保持性が弱かった。また、形態保持性を高めるため、ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量を増やす必要があり、機械的物性が低下する恐れがあった。特許文献2に記載の硬化性組成物においては、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するものの、ペーストの形態保持性等のペースト取り扱い性を改善する技術ではなかった。
本発明は、従来技術が抱える上記の課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、機械的物性を低下させず、歯冠形態を精密に再現できるペーストの形態保持性とシリンジ等の容器からの押し出し性を両立した取り扱い性が良好な歯科用硬化性組成物を提供することにある。本発明はまた、歯冠形態を精密に再現できるペーストの形態保持性とシリンジ等の容器からの押し出し性を両立した取り扱い性が良好なコンポジットレジンを提供することを目的とする。
本発明者らが、各種分散剤、乳化剤等の添加剤について鋭意検討した結果、特定範囲の平均分子量とグリセリン重合度を有し、エステル化度の低いポリグリセリン脂肪酸エステルをペースト中に微量配合することにより、構成成分の分子間相互作用を調整し、ペーストのチクソトロピー性を制御できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記〔1〕〜〔2〕に関する。
〔1〕 重合性単量体(A)、充填材(B)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)、及び重合開始剤(D)を含む歯科用硬化性組成物であって、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)が、平均分子量が600〜1500であり、1分子中のグリセリンの平均重合度が6〜10であり、下記式(1)で表されるエステル化度が5〜20%であり、脂肪酸エステル基の脂肪酸の炭素数が8〜22であり、前記充填材(B)100重量部に対して、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)を0.01〜0.5重量部含有してなる歯科用硬化性組成物。
エステル化度(%)=α/(α+β)×100 (1)
α:ポリグリセリン脂肪酸エステル1分子中の脂肪酸エステル基の数
β:ポリグリセリン脂肪酸エステル1分子中のOH基の数
〔2〕 前記〔1〕記載の歯科用硬化性組成物を用いたコンポジットレジン。
本発明の歯科用硬化性組成物は、機械的物性を低下させず、歯冠形態を精密に再現できるペーストの形態保持性とシリンジ等の容器からの押し出し性を両立した取り扱い性に優れるという効果を奏する。また、本発明の歯科用硬化性組成物は、特にコンポジットレジンとして好適に用いることができ、当該コンポジットレジンは、歯冠形態を精密に再現できるペーストの形態保持性とシリンジ等の容器からの押し出し性を両立した取り扱い性が良好なコンポジットレジンとなる。
重合性単量体(A)
本発明で用いられる重合性単量体(A)は、歯科用組成物に使用される公知の重合性単量体が何ら制限無く用いられるが、一般には、ラジカル重合性単量体が好適に用いられる。重合性単量体(A)におけるラジカル重合性単量体の具体例としては、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸などの有機酸のエステル類、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体、スチレン誘導体などが挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。なお、本発明において(メタ)アクリルの表記は、メタクリルとアクリルの両者を包含する意味で用いられる。
(メタ)アクリル酸エステル系の重合性単量体の例を以下に示す。
(I)一官能性(メタ)アクリレート
メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
(II)二官能性(メタ)アクリレート
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート(2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、通称BisGMA)、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス[4−〔3−((メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート(通称UDMA)などが挙げられる。
(III)三官能性以上の(メタ)アクリレート
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタンなどが挙げられる。
前記重合性単量体は、いずれも、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、歯質、金属、セラミックスなどに対する接着性を向上させる場合、本発明の歯科用硬化性組成物には、これらの被着体に対する接着性を付与する機能性モノマーを重合性単量体として含有させることが好ましい場合がある。
機能性モノマーとして、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェートなどのリン酸基を有するモノマー、及び11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸などのカルボン酸基を有するモノマーは、歯質や卑金属に対して優れた接着性を呈するので好ましい。
また、機能性モノマーとして、例えば、10−メルカプトデシル(メタ)アクリレート、6−(4−ビニルベンジル−n−プロピル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオン、特開平10−1473号公報に記載のチオウラシル誘導体や特開平11−92461号公報に記載の硫黄元素を有する化合物は、貴金属に対して優れた接着性を呈するので、好ましい。
さらに、機能性モノマーとして、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤は、セラミックス、陶材、歯科用コンポジットレジンへの接着に効果的である。
重合性単量体(A)の含有量としては、ペーストの取り扱い性および硬化物の機械的強度の観点から、充填材(B)100重量部に対して、5〜100重量部が好ましく、8〜60重量部がより好ましい。なお、本明細書において重合性単量体(A)の含有量とは、重合性単量体を複数用いる場合には、それらの合計含有量のことを意味する。また、充填材(B)100重量部とは、複数の充填材を用いる場合には、それらの合計含有量が100重量部であることを意味する。
また、重合性単量体(A)における機能性モノマーの含有量は、接着性の観点から、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましく、5重量%以上がさらに好ましく、ペースト押し出し性の観点から、30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、15重量%以下がさらに好ましい。
充填材(B)
本発明に用いられる充填材(B)は、歯科用組成物に使用される公知の充填材が何ら制限無く用いられるが、非凝集の無機充填材(B−I)が含まれることが好ましい。非凝集の無機充填材(B−I)の具体例としては、溶融シリカ、石英、ソーダライムシリカガラス、Eガラス、バリウムガラス(GM27884、8235、ショット社製;E2000、E3000、ESSTECH社製)、ストロンチウムガラス(E4000、ESSTECH社製)、ランタンガラスセラミックス(GM31684、ショット社製)等、シリカを主成分とし、必要に応じ、重金属、ホウ素、アルミニウム等の酸化物を含有する各種ガラス類;各種セラミック類;シリカ−チタニア及びシリカ−ジルコニア等の複合酸化物;カオリン、粘土鉱物(モンモリロナイト等)、マイカ、フッ化イッテルビウム、フッ化イットリウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。但し、イオン溶出性フィラーは経時的な強度の低下があるため好ましくない。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ここでいう「非凝集」とは、一次粒子が単分散、または、分子間力のみによって凝集し、物理的な操作によって、容易に単分散できる状態にあることを意味する。
非凝集の無機充填材(B−I)の平均粒子径としては、良好なペーストの取り扱い性と、組成物の硬化物の機械的強度、研磨性が得られやすいことから、0.1〜1μmが好ましく、0.1〜0.7μmがより好ましく、0.1〜0.4μmがさらに好ましい。当該無機充填材(B−I)の平均粒子径が、1μm以下では組成物の硬化物の研磨性が良好であり、0.1μm以上ではペーストのべたつきがなく、取り扱い性に優れるものとなる。なお、当該無機充填材(B−I)の平均粒子径は、レーザー回折散乱法により、求めることができる。具体的には、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2100:島津製作所社製)により、0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を分散媒に用いて測定することができる。
非凝集の無機充填材(B−I)の含有量としては、所定の効果が得られる限り特に限定されないが、当該無機充填材(B−I)が充填材(B)の1〜100重量%を占めることが好ましく、40〜100重量%を占めることがより好ましく、60〜100重量%を占めることがさらに好ましい。
充填材(B)は、ペーストの取り扱い性をさらに向上させるとともに、組成物の硬化物に、十分な研磨性、機械的物性を付与するために、上述の無機充填材(B−I)以外に、無機充填材(B−II)を含んでいても良い。無機充填材(B−II)としては、無機超微粒子、及び、無機超微粒子を凝集して得られる凝集粒子が挙げられる。
無機超微粒子としては、歯科用硬化性組成物等に使用される公知の無機超微粒子が何ら制限なく使用される。好ましくは、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の無機酸化物粒子、又はこれらからなる複合酸化物粒子、燐酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、フッ化イットリウム、フッ化イッテルビウム等の超微粒子が挙げられる。好ましくは、火炎熱分解法で作製されるシリカ、アルミナ、チタニア等の超微粒子であり、例えば、日本アエロジル社製、商品名:アエロジル、アエロキサイドAluC、アエロキサイドTiOP25、アエロキサイドTiOP25S、VP Zirconium Oxide 3−YSZ、VP Zirconium Oxide 3−YSZ PHが挙げられる。
良好なペーストの取り扱い性を得るため、無機超微粒子の平均粒子径としては、5〜50nmが好ましく、10〜40nmがより好ましい。なお、無機超微粒子の平均粒子径は、超微粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、無作為に選択した複数(例えば、100個)の超微粒子の粒子径の平均値として測定できる。なお、超微粒子が非球状である場合には、粒子径は、超微粒子の最長と最短の長さの算術平均をもって粒子径とし、凝集粒子である場合には、一次粒子の粒子径とする。
前記凝集粒子としては、前記無機超微粒子を原料とし、公知の製造方法により作製されたものを制限なく用いることができる。製造方法の具体例としては、シリカゾル(スノーテックスシリーズ;日産化学社製、カタロイドシリーズ;日揮触媒化成社製)、ジルコニアゾル(ナノユースシリーズ;日産化学社製)等の無機超微粒子の分散液を加熱、及び/又は、減圧することにより、溶媒を除去し、得られた固形物を粉砕することによって凝集粒子を得る方法、あるいは、無機超微粒子の分散液を微細な霧状にして乾燥室に噴射して乾燥された凝集粒子を得るいわゆる噴霧乾燥法等が挙げられる。噴霧乾燥法で製造されたものとしては、日揮触媒化成製シリカマイクロビード等が挙げられる。
前記凝集粒子の平均粒子径としては、所定の効果が得られる限り特に限定されないが、ペーストの取り扱い性と組成物の硬化物の研磨性の観点から、0.5〜30μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。なお、当該凝集粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法により、求めることができる。具体的には、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2100:島津製作所社製)により、0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を分散媒に用いて測定することができる。
無機充填材(B−II)の含有量としては、所定の効果が得られる限り特に限定されないが、当該無機充填材(B−II)が充填材(B)の0.5〜30重量%を占めることが好ましく、1〜20重量%を占めることがより好ましく、2〜10重量%を占めることがさらに好ましい。
また、無機充填材(B−I)と無機充填材(B−II)を併用する場合の重量比(B−I/B−II)としては、99/1〜75/25が好ましく、95/5〜85/15がより好ましい。
充填材(B)は、重合性単量体と組み合わせて歯科用組成物に用いることから、該充填材と重合性単量体との親和性を改善したり、該充填材と重合性単量体との化学結合性を高めて硬化物の機械的強度を向上させるために、予め表面処理剤で表面処理を施しておくことが望ましい。表面処理を施す場合、充填材(B)の平均粒子径としては、表面処理後の平均粒子径が測定対象となる。
かかる表面処理剤としては、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、及び有機アルミニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機化合物を用いることができる。有機化合物を2種以上使用する場合は、2種以上の化合物の混合物の表面処理層としてもよいし、複数の有機化合物層が積層した複層構造の表面処理層としてもよい。
有機ケイ素化合物としては、R SiX4−nで表される化合物が挙げられる(式中、Rは炭素数1〜12の置換又は無置換の炭化水素基であり、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又は水素原子を示し、nは0〜3の整数である。R及びXが複数ある場合にはそれぞれ、同一でも異なっていてもよい)。
具体的には、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリメトキシシラン〔(メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12、例、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等〕、ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリエトキシシラン〔(メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12、例、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等〕等が挙げられる。
この中でも、重合性単量体(A)と共重合し得る官能基を有するカップリング剤、例えば、ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリメトキシシラン〔(メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12〕、ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリエトキシシラン〔(メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12〕、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が好ましく用いられる。
有機チタン化合物としては、例えば、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート等が挙げられる。
有機ジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニルアセテート等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウム有機酸塩キレート化合物等が挙げられる。
これらの表面処理剤は、処理前の充填材100重量部に対して、好ましくは、1〜50重量部、より好ましくは、5〜25重量部用いることができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンの重合物であるポリグリセリンと脂肪酸を構成成分として含むものであり、これらの成分は、ポリグリセリンの水酸基と脂肪酸のカルボン酸を介してエステル結合している。本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステル(C)は、平均分子量が600〜1500であり、1分子中のグリセリンの平均重合度が6〜10であり、以下の式(1)で表されるエステル化度が5〜20%であり、脂肪酸エステル基の脂肪酸の炭素数が8〜22である化合物を含む。
エステル化度(%)=α/(α+β)×100 (1)
α:ポリグリセリン脂肪酸エステル1分子中の脂肪酸エステル基の数
β:ポリグリセリン脂肪酸エステル1分子中のOH基の数
1分子中のグリセリンの平均重合度は6〜10、好ましくは8〜10、より好ましくは、9〜10である。なお、本明細書において、ポリグリセリンの重合度とは、以下に記載の方法により算出される。
<ポリグリセリンの平均重合度>
OHV=56110×(n+2)/(74n+18)
OHV:ポリグリセリンの水酸基価
n :ポリグリセリンの平均重合度
また、脂肪酸としては、炭素数が8〜22のものであれば特に限定はないが、好ましくは炭素数8〜18、より好ましくは炭素数12〜18のものが挙げられる。また、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。具体的には、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エルカ酸、ベヘニン酸、パルミチン酸、リノール酸が例示され、これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
エステル化度は、ポリグリセリンと脂肪酸の仕込み比率、反応条件等を変化させることにより調整することができるが、以下の式(1)で表されるエステル化度としては、5〜20%であり、8〜17%が好ましく、8〜13%がより好ましい。
<ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度>
エステル化度(%)=α/(α+β)×100 (1)
α:ポリグリセリン脂肪酸エステル1分子中の脂肪酸エステル基の数
β:ポリグリセリン脂肪酸エステル1分子中のOH基の数
ポリグリセリン脂肪酸エステルの平均分子量とは、重量平均分子量のことであり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。本発明では、該分子量が600〜1500、好ましくは700〜1500、より好ましくは800〜1300である化合物が好ましい。
かかるポリグリセリン脂肪酸エステル(C)としては、微量配合により、ペーストのチクソトロピー性を制御することによって、機械的物性を損なわず、より良好なペースト取り扱い性を有する歯科用硬化性組成物を得る観点から、平均分子量が600〜1500、グリセリンの平均重合度が6〜10、式(1)で表されるエステル化度が5〜20%、脂肪酸エステル基の脂肪酸の炭素数が8〜22である化合物が好ましく、平均分子量が700〜1500、グリセリンの平均重合度が8〜10、式(1)で表されるエステル化度が8〜17%、脂肪酸エステル基の脂肪酸の炭素数が8〜18である化合物がより好ましく、平均分子量が800〜1300、グリセリンの平均重合度が9〜10、式(1)で表されるエステル化度が8〜13%、脂肪酸エステル基の脂肪酸の炭素数が12〜18である化合物がさらに好ましい。
本発明に用いられる好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノカプリル酸オクタグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、ジカプリル酸オクタグリセリル、ジカプリル酸デカグリセリル、ペンタカプリル酸デカグリセリル、モノラウリル酸ヘキサグリセリル、モノラウリル酸オクタグリセリル、モノラウリル酸デカグリセリル、ジラウリル酸オクタグリセリル、ジラウリル酸デカグリセリル、ペンタラウリル酸デカグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸オクタグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、ジミリスチン酸オクタグリセリル、ジミリスチン酸デカグリセリル、ペンタミリスチン酸デカグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸オクタグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、ジオレイン酸オクタグリセリル、ジオレイン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸オクタグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、ジステアリン酸オクタグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、モノエルカ酸ヘキサグリセリル、モノエルカ酸オクタグリセリル、モノエルカ酸デカグリセリル、ジエルカ酸オクタグリセリル、ジエルカ酸デカグリセリル、モノベヘニン酸ヘキサグリセリル、モノベヘニン酸オクタグリセリル、モノベヘニン酸デカグリセリル、ジベヘニン酸オクタグリセリル、ジベヘニン酸デカグリセリル、モノパルミチン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリル、等のポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。上記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とを用いて所望の特性を有するよう、公知のエステル化反応に従って調製してもよく、市販品を用いてもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の含有量としては、ペーストの形態保持性および容器からの押出し性の観点から、充填材(B)100重量部に対して、0.01〜0.5重量部であり、0.05〜0.2重量部が好ましく、0.05〜0.1重量部がより好ましい。
重合開始剤(D)
本発明に用いられる重合開始剤(D)は、一般工業界で使用されている重合開始剤から選択して使用でき、中でも歯科用途に用いられている重合開始剤が好ましく用いられる。特に、光重合及び化学重合の重合開始剤が、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用される。
光重合開始剤としては、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、α−ジケトン類、クマリン類、アントラキノン類、ベンゾインアルキルエーテル化合物類、α−アミノケトン系化合物などが挙げられる。
上記光重合開始剤として用いられる(ビス)アシルホスフィンオキサイド類のうち、アシルホスフィンオキサイド類としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、及びそれらの塩などが挙げられる。ビスアシルホスフィンオキサイド類としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、及びそれらの塩などが挙げられる。
これら(ビス)アシルホスフィンオキサイド類の中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、及びそれらの塩が好ましい。
上記光重合開始剤として用いられるチオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩としては、例えば、チオキサントン、2−クロルチオキサンセン−9−オン、2−ヒドロキシ−3−(9−オキシ−9H−チオキサンテン−4−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(1−メチル−9−オキシ−9H−チオキサンテン−4−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(1,3,4−トリメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライドなどが使用できる。
これらチオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩の中でも、好適なチオキサントン類は、2−クロルチオキサンセン−9−オンであり、好適なチオキサントン類の第4級アンモニウ厶塩は、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライドである。
上記光重合開始剤として用いられるケタール類の例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等が挙げられる。
上記光重合開始剤として用いられるα−ジケトン類としては、例えば、ジアセチル、ジベンジル、カンファーキノン、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、9,10−フェナンスレンキノン、4,4’−オキシベンジル、アセナフテンキノン等が挙げられる。この中でも、可視光域に極大吸収波長を有している観点から、カンファーキノンが好ましい。
上記光重合開始剤として用いられるクマリン化合物の例としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−チェノイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−6−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−8−メトキシクマリン、3−ベンゾイルクマリン、7−メトキシ−3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3,5−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、3−ベンゾイル−6−ブロモクマリン、3,3’−カルボニルビスクマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、3−カルボキシクマリン、3−カルボキシ−7−メトキシクマリン、3−エトキシカルボニル−6−メトキシクマリン、3−エトキシカルボニル−8−メトキシクマリン、3−アセチルベンゾ[f]クマリン、7−メトキシ−3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−6−ニトロクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、7−ジメチルアミノ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノ)クマリン、7−メトキシ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−(4−ニトロベンゾイル)ベンゾ[f]クマリン、3−(4−エトキシシンナモイル)−7−メトキシクマリン、3−(4−ジメチルアミノシンナモイル)クマリン、3−(4−ジフェニルアミノシンナモイル)クマリン、3−[(3−ジメチルベンゾチアゾール−2−イリデン)アセチル]クマリン、3−[(1−メチルナフト[1,2−d]チアゾール−2−イリデン)アセチル]クマリン、3,3’−カルボニルビス(6−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジメチルアミノクマリン)、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジブチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾイミダゾイル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジオクチルアミノ)クマリン、3−アセチル−7−(ジメチルアミノ)クマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)、3,3’−カルボニル−7−ジエチルアミノクマリン−7’−ビス(ブトキシエチル)アミノクマリン、10−[3−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1−オキソ−2−プロペニル]−2,3,6,7−1,1,7,7−テトラメチル1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン、10−(2−ベンゾチアゾイル)−2,3,6、7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン等の特開平9−3109号公報、特開平10−245525号公報に記載されている化合物が挙げられる。
上述のクマリン化合物の中でも、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)及び3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)が好適である。
上記光重合開始剤として用いられるアントラキノン類の例としては、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1−ブロモアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノンなどが挙げられる。
上記光重合開始剤として用いられるベンゾインアルキルエーテル類の例としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
上記光重合開始剤として用いられるα−アミノケトン類の例としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤の中でも、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類及びその塩、α−ジケトン類、及びクマリン化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これにより、可視及び近紫外領域での光硬化性に優れ、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、キセノンランプのいずれの光源を用いても十分な光硬化性を示す組成物が得られる。
本発明に用いられる重合開始剤(D)のうち化学重合開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。上記の化学重合開始剤に使用される有機過酸化物は特に限定されず、公知のものを使用することができる。代表的な有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるケトンパーオキサイドとしては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド及びシクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるハイドロパーオキサイドとしては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及び1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるジアシルパーオキサイドとしては、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるジアルキルパーオキサイドとしては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるパーオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン及び4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレリックアシッド−n−ブチルエステル等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるパーオキシエステルとしては、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,2,4−トリメチルペンチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタラート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート及びt−ブチルパーオキシマレリックアシッド等が挙げられる。
上記化学重合開始剤として用いられるパーオキシジカーボネートとしては、ジ−3−メトキシパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート及びジアリルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
これらの有機過酸化物の中でも、安全性、保存安定性及びラジカル生成能力の総合的なバランスから、ジアシルパーオキサイドが好ましく用いられ、その中でもベンゾイルパーオキサイドがより好ましく用いられる。
本発明に用いられる重合開始剤(D)の含有量は特に限定されないが、得られる組成物の硬化性等の観点からは、重合性単量体(A)100重量部に対して、重合開始剤(D)が0.001〜30重量部含有されることが好ましい。重合を十分に進行させ、接着力を十分に確保する観点から、重合開始剤(D)の含有量は0.001重量部以上が好ましく、より好適には0.05重量部以上、さらに好適には0.1重量部以上である。一方、組成物からの析出を抑制し、接着力を十分に確保する観点から、重合開始剤(D)の含有量は30重量部以下が好ましく、より好適には20重量部以下、さらに好適には15重量部以下、最も好適には10重量部以下である。
前記重合性単量体(A)、前記充填材(B)、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)及び前記重合開始剤(D)の、歯科用硬化性組成物中の含有量の合計としては、例えば、85〜100重量%が好ましく、90〜100重量%がより好ましい。
重合促進剤(E)
本発明の組成物の一態様として、重合促進剤(E)を含む態様が挙げられる。本発明に用いられる重合促進剤(E)としては、アミン類、スルフィン酸及びその塩、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、銅化合物、スズ化合物、バナジウム化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ尿素化合物などが挙げられる。
重合促進剤(E)として用いられるアミン類は、脂肪族アミン及び芳香族アミンに分けられる。脂肪族アミンとしては、例えば、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン等の第1級脂肪族アミン;ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチルエタノールアミン等の第2級脂肪族アミン;N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の第3級脂肪族アミンなどが挙げられる。これらの中でも、組成物の硬化性及び保存安定性の観点から、第3級脂肪族アミンが好ましく、その中でもN−メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンがより好ましく用いられる。
また、芳香族アミンとしては、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル等が挙げられる。これらの中でも、組成物に優れた硬化性を付与できる観点から、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチルエステル及び4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく用いられる。
重合促進剤(E)として用いられるスルフィン酸及びその塩としては、例えば、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸カリウム、p−トルエンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウム等が挙げられ、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウムが好ましい。
重合促進剤(E)として用いられるバルビツール酸誘導体としては、バルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、1,3−ジフェニルバルビツール酸、1,5−ジメチルバルビツール酸、5−ブチルバルビツール酸、5−エチルバルビツール酸、5−イソプロピルバルビツール酸、5−シクロヘキシルバルビツール酸、1,3,5−トリメチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−エチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−n−ブチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−イソブチルバルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−シクロペンチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−シクロヘキシルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−フェニルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−1−エチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸、5−メチルバルビツール酸、5−プロピルバルビツール酸、1,5−ジエチルバルビツール酸、1−エチル−5−メチルバルビツール酸、1−エチル−5−イソブチルバルビツール酸、1,3−ジエチル−5−ブチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−メチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−オクチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−ヘキシルバルビツール酸、5−ブチル−1−シクロヘキシルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸及びチオバルビツール酸類、ならびにこれらの塩(特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属類が好ましい)が挙げられる。また、これらバルビツール酸類の塩としては、例えば、5−ブチルバルビツール酸ナトリウム、1,3,5−トリメチルバルビツール酸ナトリウム及び1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸ナトリウム等が例示される。
好適なバルビツール酸誘導体としては、5−ブチルバルビツール酸、1,3,5−トリメチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸、及びこれらバルビツール酸類のナトリウム塩が挙げられる。
重合促進剤(E)として用いられるトリアジン化合物としては、例えば、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2,4−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(o−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(p−ブトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N−ヒドロキシエチル−N−エチルアミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N,N−ジアリルアミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が例示される。
上記で例示したトリアジン化合物の中で好ましいものは、重合活性の点で2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンであり、また保存安定性の点で、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、及び2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンである。上記トリアジン化合物は1種又は2種以上を組み合わせて用いても構わない。
重合促進剤(E)として用いられる銅化合物としては、例えば、アセチルアセトン銅、酢酸第2銅、オレイン酸銅、塩化第2銅、臭化第2銅等が好適に用いられる。
重合促進剤(E)として用いられるスズ化合物としては、例えば、ジ−n−ブチル錫ジマレート、ジ−n−オクチル錫ジマレート、ジ−n−オクチル錫ジラウレート、ジ−n−ブチル錫ジラウレートなどが挙げられる。好適なスズ化合物は、ジ−n−オクチル錫ジラウレート及びジ−n−ブチル錫ジラウレートである。
重合促進剤(E)として用いられるバナジウム化合物は、好ましくはIV価及び/又はV価のバナジウム化合物類である。IV価及び/又はV価のバナジウム化合物類としては、例えば、四酸化二バナジウム(IV)、酸化バナジウムアセチルアセトナート(IV)、シュウ酸バナジル(IV)、硫酸バナジル(IV)、オキソビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオネート)バナジウム(IV)、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)、五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸ナトリウム(V)、メタバナジン酸アンモン(V)等の特開2003−96122号公報に記載されている化合物が挙げられる。
重合促進剤(E)として用いられるハロゲン化合物としては、例えば、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロマイド等が好適に用いられる。
重合促進剤(E)として用いられるアルデヒド類としては、例えば、テレフタルアルデヒドやベンズアルデヒド誘導体などが挙げられる。ベンズアルデヒド誘導体としては、ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−メチルオキシベンズアルデヒド、p−エチルオキシベンズアルデヒド、p−n−オクチルオキシベンズアルデヒドなどが挙げられる。これらの中でも、硬化性の観点から、p−n−オクチルオキシベンズアルデヒドが好ましく用いられる。
重合促進剤(E)として用いられるチオール化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、チオ安息香酸等が挙げられる。
重合促進剤(E)として用いられる亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウム等が挙げられる。
重合促進剤(E)として用いられる亜硫酸水素塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等が挙げられる。
重合促進剤(E)として用いられるチオ尿素化合物としては、1−(2−ピリジル)−2−チオ尿素、チオ尿素、メチルチオ尿素、エチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジ−n−プロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、トリ−n−プロピルチオ尿素、トリシクロヘキシルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、テトラエチルチオ尿素、テトラ−n−プロピルチオ尿素、テトラシクロヘキシルチオ尿素等が挙げられる。
本発明に用いられる重合促進剤(E)の含有量は特に限定されないが、得られる組成物の硬化性等の観点からは、重合性単量体(A)100重量部に対して、重合促進剤(E)を0.001〜30重量部含有してなることが好ましい。重合を十分に進行させ、接着力を確保する観点から、重合促進剤(E)の含有量は0.001重量部以上が好ましく、より好適には0.05重量部以上、さらに好適には0.1重量部以上である。一方、組成物からの析出を抑制し、十分な接着強さを確保する観点から、重合促進剤(E)の含有量は30重量部以下が好ましく、より好適には20重量部以下、さらに好適には10重量部以下である。
また、本発明の歯科用硬化性組成物には、性能を低下させない範囲内で、公知の添加剤を配合することができる。かかる添加剤としては、重合禁止剤、酸化防止剤、顔料、染料、蛍光剤、紫外線吸収剤、有機溶媒、粘度調整剤等が挙げられる。
歯科用硬化性組成物の調製方法
本発明の歯科用硬化性組成物を調製する方法としては、従来の歯科用硬化性組成物を調製する方法と同様の方法、例えば、各成分を所定の配合量で混合練合して均一にしたものを真空脱泡処理する方法、を採用することができる。
コンポジットレジン
本発明のコンポジットレジンは、上記の本発明の歯科用硬化性組成物を用いてなるものであり、特に充填用コンポジットレジン、または、歯冠材料として、好適に用いられる。また、シーラント、コア材料、セメント等の歯科材料としても用いることができる。剤型については、光重合により硬化できる1ペースト型、光重合・化学重合併用、または、化学重合により硬化できる2ペースト型のいずれにも用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。実施例において用いられる試験方法、材料等を以下にまとめて示す。
〔充填材の粒子の平均粒子径の測定〕
充填材(B−I/B−II)の平均粒子径の測定には、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2100:島津製作所社製)を用いる。分散媒には0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用いる。
〔ポリグリセリン脂肪酸エステルの平均分子量の測定〕
ポリグリセリン脂肪酸エステルの平均分子量の測定には、GPC分析装置(GPC101:Shodex)を用いる。分析条件は以下の通りである。
カラム:KF802.5+KF801(Shodex)
カラムオーブン温度:40℃
移動相:THF
流量:1.0mL/分
検出器:RI
試料濃度:0.1%
注入量:100μL
〔ポリグリセリンの平均重合度〕
ポリグリセリンの重合度は、以下の式に基づいて、水酸基価より決定される。
OHV=56110(n+2)/(74n+18)
OHV:ポリグリセリンの水酸基価
n :ポリグリセリンの重合度
〔ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度〕
ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度は、以下の式(1)に基づいて決定される。
エステル化度(%)=α/(α+β)×100 (1)
α:ポリグリセリン脂肪酸エステル1分子中の脂肪酸エステル基の数
β:ポリグリセリン脂肪酸エステル1分子中のOH基の数
重合性単量体含有組成物の調製例1
2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン(エトキシ基の平均付加モル数:2.6)(D2.6Eと称する)70重量部と、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMAと称する)30重量部を混合し、重合開始剤としてα−カンファーキノン0.5重量部、及び重合促進剤としてN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル1.0重量部を溶解させて、重合性単量体含有組成物(A−1)を調製した。
重合性単量体含有組成物の調製例2
10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(MDPと称する)40重量部と、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン(エトキシ基の平均付加モル数:2.6)(D2.6Eと称する)40重量部と、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)20重量部を混合し、重合開始剤としてα−カンファーキノン0.5重量部、及び重合促進剤としてN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル1.0重量部を溶解させて、重合性単量体含有組成物(A−2)を調製した。
無機充填材の調製例1
バリウムガラス(ショット社製、GM27884NF180)100重量部に対して、13.5重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し、平均粒子径0.18μmの無機充填材B−1を得た。当該無機充填材B−1は、非凝集の無機充填材(B−I)に該当する。
無機充填材の調製例2
日産化学社製シリカゾル、スノーテックスST−20(平均粒子径10〜20nm)1000gをホーロー製バット上に広げ、90℃に設定した熱風乾燥機中に恒量になるまで乾燥後、400℃に設定した電気炉で1時間焼成し、200gの焼成固体を得た。得られた。焼成固体を振動ボールミルにて90分間粉砕後、得られた粉末100重量部に対して、20重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトシキシラン(信越化学社製、KBM503)で表面処理し、平均粒子径5.6μmの無機充填材B−2を得た。当該無機充填材B−2は、無機超微粒子の凝集粒子(B−II)に該当する。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造例1
ディーン・スターク装置へ、デカグリセリン(阪本薬品社製)75.8g、トルエン200g、濃硫酸1.0gを入れ、加熱還流下、ブチル酸8.8gを滴下した。反応によって生成する水の留出がとまった時点で反応を終了し冷却した。反応液を飽和重曹水、及び、飽和食塩水で洗浄した後、トルエンを留去し、モノブチル酸デカグリセリル(C−11)81.3gを得た。GPC測定の結果、平均分子量は828であった。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造例2
ディーン・スターク装置へ、ヘキサグリセリン(阪本薬品社製)46.2g、トルエン200g、濃硫酸1.0gを入れ、加熱還流下、カプリル酸14.4gを滴下した。反応によって生成する水の留出がとまった時点で反応を終了し冷却した。反応液を飽和重曹水、及び、飽和食塩水で洗浄した後、トルエンを留去し、モノカプリル酸ヘキサグリセリル(C−12)57.6gを得た。GPC測定の結果、平均分子量は588であった。
実施例1〜12及び比較例2〜8、13、14
上記で調製した重合性単量体含有組成物、無機充填材、及び、表1に示すポリグリセリン脂肪酸エステルを、表2及び3に示す配合量(重量部)で混合練和して均一にしたものを真空脱泡し、ペースト状の歯科用硬化性組成物を得た。
Figure 0005913074
比較例1、12
上記で調製した重合性単量体含有組成物、及び、無機充填材を、表2及び表3に示す配合量(重量部)で混合練和して均一にしたものを真空脱泡し、ペースト状の歯科用硬化性組成物を得た。
比較例9
上記で調製した重合性単量体含有組成物、無機充填材、及び、モノオレイン酸グリセリル(平均均分子量360;和光純薬社製)を、表2に示す配合量(重量部)で混合練和して均一にしたものを真空脱泡し、ペースト状の歯科用硬化性組成物を得た。
比較例10
上記で調製した重合性単量体含有組成物、無機充填材、及び、ヘキサグリセリン(阪本薬品社製)を、表2に示す配合量(重量部)で混合練和して均一にしたものを真空脱泡し、ペースト状の歯科用硬化性組成物を得た。
比較例11
上記で調製した重合性単量体含有組成物、無機充填材、及び、デカグリセリン(阪本薬品社製)を、表2に示す配合量(重量部)で混合練和して均一にしたものを真空脱泡し、ペースト状の歯科用硬化性組成物を得た。
得られた歯科用硬化性組成物の特性を下記に示す方法で評価した。結果を表2及び表3に示す。なお、表中、原料の使用量は重量部で示す。また、(A)含有量とは、充填材(B)100重量部に対する重合性単量体(A)の含有量(重量部)のことであり、(A)+(B)+(C)+(D)とは、組成物中の重合性単量体(A)、充填材(B)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)、及び重合開始剤(D)の合計含有量(重量%)のことである。
〔形態保持性(垂れ性)〕
製造されたペースト状の歯科用硬化性組成物(約50mg)を、スライドガラスの上に置いた後、37℃の恒温器内に垂直(90°)にして静置した。1分後にペーストが動いた距離を測定した。移動距離は2mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましい。
〔押出し性(押出し力)〕
製造されたペースト状の歯科用硬化性組成物(3g)をクラレメディカル社製マジェスティLVのシリンジ容器に充填した。シリンジを万能試験機(インストロン社製)を用いて、クロスヘッドスピード4mm/分にてピストンをシリンジ内に押し込むことによってペーストをシリンジから押出し、ピストンにかかる力、すなわち押出し力を測定した。押出し力は60N以下が好ましく、50N以下がより好ましい。
〔硬化物の曲げ強度〕
製造した歯科用硬化性組成物を歯科用LED照射器(ペンキュア2000、モリタ社製)を用いて、光硬化させた硬化物からなる試験片(2mm×2mm×30mm)を作製した。試験片は、37℃の水中に24時間浸漬し、万能試験機(インストロン社製)を用いて、クロスヘッドスピードを1mm/分に設定して、支点間距離20mmで3点曲げ試験法により曲げ強度を測定した。曲げ強度80MPa以上が好適とされる。
Figure 0005913074
Figure 0005913074
実施例1〜12の組成の全てにおいて、良好な形態保持性(垂れ性)と押出し性が達成された。さらに、曲げ強さも良好であった。
一方、比較例1及び比較例12の結果から、ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合しない場合は、垂れ性が大きく、形態保持性を示さないことがわかった。比較例2、3、4の結果から、グリセリンの平均重合度が小さい場合、垂れ性が大きく、形態保持性を示さないことがわかった。また、比較例3、4、5、6の結果から、エステル化度が大きい場合も、垂れ性が大きく、形態保持性を示さないことがわかった。また、比較例2、3、4、5、8の結果から、ポリグリセリン脂肪酸エステル平均分子量が600〜1500の範囲外にある場合も、垂れ性が大きく、形態保持性を示さないことがわかった。また、比較例7の結果から、脂肪酸エステル基の脂肪酸の炭素数が小さい場合は、押し出し力が大きくなることがわかった。また、比較例10、11の結果から、脂肪酸エステル基を有しない場合は、垂れ性が大きく、形態保持性を示さないことがわかった。また、比較例13の結果から、ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量を多くすると、押し出し力が大きくなることがわかった。さらに、比較例14の結果から、グリセリンの平均重合度が小さいポリグリセリン脂肪酸エステルを増やしても、十分な形態保持性を示さないことがわかった。
本発明の歯科用硬化性組成物は、歯科材料、特に歯科用コンポジットレジンとして好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 重合性単量体(A)、充填材(B)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)、及び重合開始剤(D)を含む歯科用硬化性組成物であって、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)が、平均分子量が600〜1500であり、1分子中のグリセリンの平均重合度が6〜10であり、下記式(1)で表されるエステル化度が5〜20%であり、脂肪酸エステル基の脂肪酸の炭素数が8〜22であり、前記充填材(B)100重量部に対して、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)を0.01〜0.5重量部含有してなる歯科用硬化性組成物。
    エステル化度(%)=α/(α+β)×100 (1)
    α:ポリグリセリン脂肪酸エステル1分子中の脂肪酸エステル基の数
    β:ポリグリセリン脂肪酸エステル1分子中のOH基の数
  2. 充填材(B)100重量部に対して、重合性単量体(A)を5〜100重量部含有してなる、請求項1に記載の歯科用硬化性組成物。
  3. 充填材(B)が、平均粒子径が0.1〜1μmの非凝集の無機充填材(B−I)を1〜100重量%含む、請求項1又は2に記載の歯科用硬化性組成物。
  4. 重合性単量体(A)、充填材(B)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)、及び重合開始剤(D)の、歯科用硬化性組成物中の含有量の合計が85〜100重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の歯科用硬化性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の歯科用硬化性組成物を用いたコンポジットレジン。
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