JP5911021B2 - 車両衝突判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の側面衝突を検知するのに好適な、車両衝突判定装置に関する。
従来、車両のサイドドア内部の圧力変化に基づいて側面衝突を検知する技術が知られている。また、側面衝突の検知精度を向上させるために、ドア内に設けた加速度センサまたは圧力センサ、Bピラー内に設けられた加速度センサおよび車体の床面に設けたフロアセンサの組み合わせにより側面衝突を判定する技術も知られている。すなわち、車体側面に実装されたセンサと車体中央に実装されたセンサにより側面衝突を検知していた。
上記した側面衝突を検知する技術は多数特許出願されている。例えば、特許文献1に、多様の衝突物を精度よく検出するとともに、センサの個数を最小個数に留めることができる側面衝突判定システムが開示されている。また、特許文献2に、前方衝突や側面衝突のような衝突形態に応じてその作動が異なる2以上の乗員安全手段を適正に作動させる衝突検知装置が開示されている。
特開2007−55509号公報 国際公開96/27514号公報
しかしながら、特許文献1に開示された側面衝突判定システムによれば、衝突検知の速度は速くなるものの、車両の左右側部のどこであっても衝突を検知するために、横方向加速度、もしくは変位を検出するための第1左センサ、第1右センサ、第2左センサ、第2右センサを必要とし、依然として必要なセンサの個数が少なくない。また、特許文献2に開示された衝突検知装置によれば、各衝突検知軸に対する2つの加速度センサから両加速度の成分を演算し、この演算値に基づき各衝突検知軸に対応付けられた乗員安全手段を選択し動作させるため、特許文献1に開示された技術に比べ加速度センサの数は少なくて済むものの、少ない分だけ演算により加速度成分を求めるため、衝突検知に時間を要する。
一方、車室がカーボン繊維強化樹脂(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)製で作られ、あるいは骨格がバスタブ構造で一体形成された車両については、側面衝突が発生しても車体が局所的に変形せず、側面衝突時の直接変形が減少するため、車両の側面に実装されたセンサでの直接変形の検知ができなくなっており、このための対応が望まれている。また、車両に側面衝突が発生すると、従来のようにBピラー等の側面部材のみが振動せず車室全体で振動するため、車両側面に実装されたセンサよりも車体に実装されたセンサで検出した加速度信号を使用することで側面衝突を迅速に検出することができる場合が多い。なお、ここで、バスタブ構造とは、車体を囲む枠が強度の高いメンバで結合されているか、上記したCFRP等の硬化樹脂で一体となっている骨格をいう。
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、少ない数の加速度センサで、かつ迅速に側面衝突の検知が可能な車両衝突判定装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明の車両衝突判定装置は、車体を囲む枠が強度の高いメンバで結合され、または強化樹脂で一体化された骨格を有し、前記車体に実装されたセンサで検出した加速度信号により側面衝突を検出する車両衝突判定装置であって、
車室内に設けられ、車両の側面方向の第1の加速度を検知する、前記センサのうちの前記車両の前後方向の重心位置までの第1の距離を有する第1のセンサと、前記車室内に設けられ、前記第1のセンサが配置された位置より前記車両の後方向に位置して前記車両の前記側面方向の第2の加速度を検知する、前記センサのうちの前記重心位置までの前記第1の距離よりも大きい第2の距離を有する第2のセンサと、前記車両の側部側のエアバッグを展開させるために、前記第1の加速度の積分値と前記第2の加速度の積分値とを用いて前記車両の側面衝突が発生したか否かを判定する判定部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、車体を囲む枠が強度の高いメンバで結合され、または強化樹脂で一体化された骨格を有し、前記車体に実装されたセンサで検出した加速度信号により側面衝突を検出する車両衝突判定装置であって、車室内に設けられ、車両の側面方向の第1の加速度を検知する、前記センサのうちの前記車両の前後方向の重心位置までの第1の距離を有する第1のセンサと、前記車室内に設けられ、前記第1のセンサが配置された位置より前記車両の後方向に位置して前記車両の前記側面方向の第2の加速度を検知する、前記センサのうちの前記重心位置までの前記第1の距離よりも大きい第2の距離を有する第2のセンサと、前記車両の側部側のエアバッグを展開させるために、前記第1の加速度の積分値と、記第2の加速度と前記第1の加速度との差の積分値とを用いて前記車両の側面衝突が発生したか否かを判定する判定部と、を備えたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の車両衝突判定装置において、前記車室はカーボン繊維強化樹脂で形成され、前記車室は、フロントフロアパネルと、前記フロントフロアパネルの後端にキックアップ部を介して接続されるリヤフロアパネルと、前記フロントフロアパネルおよび前記リヤフロアパネルの車幅方向両側縁に沿って前後方向に延びる左右のサイドシル部と、前記フロントフロアパネルおよび前記サイドシル部の前端から起立するフロント壁部と、前記リヤフロアパネルおよび前記左右のサイドシル部の後端から起立するリヤ壁部と、を備えてバスタブ状に形成されることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1記載の車両衝突判定装置において、前記第1のセンサ及び/又は前記第2のセンサは、前記車両の中心線上に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、少ない数の加速度センサで、かつ迅速に側面衝突の検知が可能な車両衝突判定装置を提供することができる。
車両に設けられた複数のセンサの配置例を表す平面図を示す。 本発明の実施形態に係る車両衝突判定装置の構成を示す。 車両の車体骨格の構造例とセンサの配置例を表す斜視図を示す。 側面衝突試験の各実験条件を示す。 本発明の実施形態に係る車両衝突判定装置の基本動作を示す。 実施例1で使用されるS−Vマップ(高速)およびその判定閾値を示す。 実施例1で使用されるS−Vマップ(低速)およびその判定閾値を示す。 実施例2で使用されるS−Vマップおよびその判定閾値を示す。 実施例3で使用されるS−Vマップおよびその判定閾値を示す。 比較例のS−Vマップおよびその判定閾値を示す。
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
(実施形態の構成)
図1は、車両に設けられるセンサの配置例を表す平面図を示す。車両100は、車両100の衝突を判定する車両衝突判定ユニット20(以下、単にユニット20という)を備えることができ、ユニット20は、車両100の中央部に設けられている。ユニット20は、車両100の車室のフロアに設けることができ、ユニット20は、図2に示されるフロアセンサ(第1のセンサまたは第2のセンサ)22を内蔵することができる。
なお、図2のフロアセンサ22は、ユニット20の外部である室(例えば図示せぬインストルメントパネル、ステアリングハンドル等)に設けられてもよい。代替的に、フロアセンサ22を内蔵するユニット20は、フロア以外の車室(例えばインストルメントパネル、ステアリングハンドル等)に設けられてもよい。フロアセンサ22は、ユニットセンサと呼ぶことができる。
車両100は、サテライトセーフィングセンサ18(第2のセンサまたは第1のセンサ)を更に備えることができ、図1のサテライトセーフィングセンサ(以下、単にSSS18という)は、車両100の中心線0B上に配置されている。ユニット20は、SSS18の出力を用いることができ、これにより、ユニット20は、例えば、側部側のエアバッグを展開させるべきか否かをより一層適切に判定することができる。
図2は、本実施形態に係る車両衝突判定装置10の構成例を示す。車両衝突判定装置10は、例えば、ユニット20を備えている。ユニット20は、車両100のY軸(側面方向)の加速度(第1の加速度)を検出するフロアセンサ22を有している。このとき判定部24は、第1の加速度の積分値を用いて側面衝突が発生したか否かを判定する。ここで、積分値は、第1の加速度の1階積分値と、2階積分値とを有する。これら積分値は、演算部26で演算される。詳細は後述する。
また、車両衝突判定装置10は、車両100のY軸(側面方向)の加速度(第2の加速度)を検出するSSS18も有している。判定部24は、フロアセンサ22およびSSS18の出力に基づき側面衝突を検知してもよい。このとき、判定部24は、フロアセンサ22から出力される第1の加速度(ユニットG)と、SSS18から出力される第2の加速度の積分値とを用いて側面衝突が発生したか否かを判定する。また、判定部24は、第1の加速度の積分値と、第2の加速度と第1の加速度との差(SSS−UnitY)Gの積分値とを用いて側面衝突が発生したか否かを判定してもよい。これは後部座席に衝突があった場合の側部衝突の判定に有効である。詳細は後述する。
すなわち、本実施形態に係る車両衝突判定装置10は、前部座席に衝突があった場合、車両の前後方向の重心位置までの距離が短いため、車体は全体的に押され、したがって、ユニット20単体で衝突の大きさがわかる。それにより判定が可能になる。一方、後部座席に衝突が発生した場合は、重心位置までの距離が長いため、車体は回転し、したがって、それにより衝突の大きさが車体の移動に表れにくい。逆に、回転の速さに差が出る。このため、ユニット20(フロアセンサ22)とSSS18の出力の差に回転の速さの差が現れるため、これを利用することにより側面衝突の検知を行う。
図2に示されるように、フロアセンサ22の出力は2軸化されている。具体的には、フロアセンサ22の出力は、車両100の前方向DF及び後方向DBの加速度と車両100の右方向DR及び左方向DLの加速度との両者を有している。但し、車両100の前方向DF及び後方向DBの加速度は、車両100の後方向DBだけの加速度(減速度)であってもよい。また、車両100の右方向DF及び左方向DLの加速度は、車両100の右方向DRだけの加速度であってもよく、或いは、車両100の左方向DLだけの加速度であってもよい。
また、2軸のうちの一方は、側面方向よりも第1の所定の角度だけ傾きがあってもよい。このとき第1の加速度は、第1の所定の角度から算出される。すなわち、フロアセンサ22を含む加速度センサの解像度の向上に伴い、フロアセンサ22の斜め実装も可能になった。また、フロアセンサ22は車両のX方向の第3の加速度を検知し、このとき、2軸のうちの他方の軸は、側面方向よりも第2の所定の角度だけ傾きがあってもよい。このとき、第3の加速度は、第2の所定の角度から算出され、判定部24は、第3の加速度の積分値を用いて側面衝突が発生したか否かを判定する。ここで、第3の加速度の積分値を用いて衝突が発生したことが判定され、かつ第1の加速度の積分値を用いて衝突が発生したことが判定されたときに側面衝突が発生したことを確定させてもよい。すなわち、セーフィング判定をフロアセンサ22とSSS18の出力を使用して行うことで側面衝突発生の検知を正確に行うことができる。
このように、判定部24は、第1の加速度(減速度)の積分値と第2の加速度の積分値とを用いて、側面衝突の大きさを判定することができる。判定部24で側面衝突の大きさが判定されるため、車両衝突判定装置10は、その大きさを、例えば、右側部側のエアバッグモジュール27および左側部側エアバッグモジュール28に利用して、乗員をより適切に保護することができる。したがって、判定部24を有するユニット20は、SRS(Supplemental Restraint System)又はSRSユニットと呼ぶことができる。
図3は、図1の車両100の車体骨格の構造、並びにフロアセンサ22とSSS18の配置例を表す斜視図を示す。
図3によれば、カーボン繊維強化樹脂(CFRP)で作られた車室110は、フロントフロアパネル112と、フロントフロアパネル12の後端にキックアップ部13を介して接続されたリヤフロアパネル114と、フロントフロアパネル112およびリヤフロアパネル114の車幅方向両側縁に沿って前後方向に延びる左右のサイドシル部115,115と、フロントフロアパネル112および左右のサイドシル部115,115の前端から起立するフロント壁部116と、リヤフロアパネル114および左右のサイドシル部115,115の後端から起立するリヤ壁部117と、を備えてバスタブ状に形成される。
ユニット20に内蔵されるフロアセンサ22は、例えば、センタートンネル216の前部)に固定され、フロアセンサ22は、好ましくは、図1の車両100の車幅方向の中心線0B上に配置されている。フロアセンサ22は、例えば、ダッシュロアに固定又は配置されてもよい。もちろん、フロアセンサ22はユニットセンサとして、例えば図示せぬインストルメントパネルに固定又は配置されてもよい。
SSS18は、車両100の中心線0B上に配置されている。なお、SSS18は、例えば、リヤフロアパネル114、あるいはセンタートンネル216に固定されてもよい。
図4は、側面衝突試験の各実験モードを示す。図4(A)(B)は、衝突時に変形し得るアルミハニカムを装着した障壁501を有する台車500(ムービングバリア)を車両の運転手席側の側面に衝突させる試験方法(ハニカムモード)である。例えば、質量950kgの台車500を時速55km(高速)で衝突させる。なお、また、図4(C)は、局所的に加速度が作用する一方で車両100全体に及ぼす減速作用の小さい衝突形態である側面ポール衝突試験(ポール衝突モード)である。ここでは、時速32kmで254mm径のポール502に75°の角度で衝突させる。
なお、上記した側面衝突の試験方法又は条件(衝突モード)は、国別の基準、あるいは法律等によって定めることができ、車両100に求められる仕様に応じて選択され設定される。後述する、MDB18k,MDB30k,SICE,SINCAPは、ハニカム衝突モード、FRPole7k,RRPole7k,214Pole13kAF,214Pole32kAF,214Pole13kAM,214Pole32kAMは、ポール衝突モードである。
(実施形態の動作)
図5は、本実施形態に係る車両衝突判定装置10の基本動作を示すために引用した図であり、具体的には、衝突判定用の2次元マップ(図2のS−Vマップ260)を示す。このS−Vマップ260は、記憶部26の所定の領域に割り当てられ記憶される。判定部24は、このS−Vマップ260を参照し、乗員の移動量ΔSと乗員の移動速度変化ΔVの相関関係が、設定される衝突判定閾値Thを超えたか否かにより乗員保護装置を多段階に制御することができる。
図5(A)は、前部座席への衝突検知に使用されるS−Vマップ260の概略を示し、縦軸には、フロアセンサ22またはSSS18の、ある一定時間の1階または2階積分値が、横軸には、フロアセンサ22またはSSS18の、ある一定時間の1階または2階積分値がそれぞれ設定される。すなわち、演算部25は、フロアセンサ22またはSSS18から出力される加速度信号Gを時間について1階積分することにより現在時刻に対する所定の時間幅の時間区分での乗員移動速度ΔVを算出し、また、加速度信号Gを時間について2階積分することにより現在時刻に対する所定の時間幅の時間区分での乗員移動量ΔSを算出し、それぞれ判定部24へ出力する。
判定部24は、乗員移動速度変化ΔVと乗員移動量ΔSとの相関関係を示すS−Vマップ260上において、乗員保護装置に対する作動許可または不許可を指定する各領域の境界値である衝突判定閾値Thを、フロアセンサ22またはSSS18にて所定の大きさの衝突が検知されたか否かの判定結果を参照しつつ設定する。そして、その相関関係が衝突判定閾値Thを超えた場合(ON波形)、例えば、運転席側部のエアバッグモジュール21及び助手席側部のエアバッグモジュール23を展開制御することにより、あるいは、シートベルト装置のウエビング46を制御して乗員を保護する。
なお、判定部24は、フロアセンサ22を斜め配置してX軸の加速度成分を使用することにより、セーフィングの判定を行うこともできる。この場合、判定部24は、フロアセンサ22のX軸方向の加速度の積分値を用いて側面衝突が発生したか否かを判定し、ここで、衝突が発生したことが判定され、かつY軸方向の加速度の積分値を用いて衝突が発生したことが判定されたときに側面衝突が発生したことを確定させる。
図5(B)は、後部座席への衝突も検知する場合に使用されるS−Vマップ260の概略を示し、縦軸には、ある一定時間のSSS18の加速度の1階または2階積分値、または、SSS18の加速度とフロアセンサ22の加速度との差(SSS−UnitY)Gの1階または2階積分値が、横軸には、ある一定時間のフロアセンサ22の1階または2階積分値がそれぞれ設定される。このため、演算部26は、(SSS−UnitY)Gの1階または2階積分値を演算するが、他は、図5(A)に示した前部座席への衝突を検知する場合と同様である。
そして判定部24は、乗員移動速度変化ΔVと乗員移動量ΔSとの相関関係を示すS−Vマップ260上において、乗員保護装置に対する作動許可または不許可を指定する各領域の境界値である衝突判定閾値Thを、フロアセンサ22またはSSS18にて所定の大きさの衝突が検知されたか否かの判定結果を参照しつつ設定する。そして、その相関関係が衝突判定閾値Thを超えた場合(ON波形)、例えば、右側部側のエアバッグモジュール27および左側部側エアバッグモジュール28を展開制御することにより、あるいは、シートベルト装置のウエビング46を制御することにより乗員を保護する。なお、判定部24は、フロアセンサ22から出力されるユニットGと、SSS18から出力されるGとを使用することによりセーフィング判定を行う。
以下、図6〜図10を参照して本実施形態に係る側面衝突判定装置10の動作について実施例毎、詳細に説明する。
(実施例1)
図6,図7は、高速衝突、低速衝突で使用されるそれぞれのS−Vマップ、およびその衝突判定閾値Thを示す図である。
図6のS−Vマップ260は、縦軸に、フロアセンサ22出力であるユニット20の5ms区間長の1階積分値(mps(UnitY dv5))が、横軸に、36〜50ms区間長の2階積分値(mm(UnitY ds))が割り当てられ、その相関関係において、側面衝突試験に採用した各モード(MDB18K,FRPole7k,RRPole7k,SINCAP,SICE,214Pole32kAF,214Pole32kAM,RR Pole29k)毎のON/OFF切り分けの波形を示す。
図7のS−Vマップ260は、縦軸に、フロアセンサ22出力であるユニット20の8ms区間長の1階積分値(mps(UnitY dv8))が、横軸に、36〜50ms区間長の2階積分値(mm(UnitY ds))が割り当てられており、その相関関係において、側面衝突試験に採用した各テストモード(MDB18K,FRPole7k,RRPole7k,SINCAP,SICE,214Pole32kAF,214Pole32kAM,RR Pole29k)毎のON/OFF切り分けの波形を示す。
判定部24は、図6に示した高速衝突用のS−Vマップ260と、図7に示した低速衝突用のS−Vマップ260を同時に使用することにより側面衝突の判定を行う。但し、高速衝突用のS−Vマップ260によれば、前部座席については、ユニット20(フロアセンサ22)のY方向のG出力のみで、RRPole29kモードを除いてON波形とOFF波形の切り分けができており、低速衝突モード用のS−Vマップ260によれば、RRPole13kモードを除きON波形とOFF波形の切り分けができている。ここに示される閾値Thは、各試験条件に対して切り分けが容易なように予めチューニングした値である。
高速テストモードと低速テストモードのいずれにおいても、前部座席に衝突があっても車体の前後方向の重心位置までの距離が短いためユニット20(フロアセンサ22)単体で側面衝突の大きさが検知できるが、後部座席に衝突があると、重心位置までの距離が長いため衝突の大きさが車体の移動に現れにくく、したがってユニット20のみでON波形とOFF波形の切り分けが困難になる。このため、本実施形態に係る車両衝突判定装置10は、ユニット20とSSS18のG出力とを組み合わせることにより、後部座席に衝突があってもON波形とOFF波形の切り分けを容易にした。図8、図9に、そのとき使用されるS−Vマップ260が、それぞれ実施例2,実施例3として示されている。
(実施例2)
図8のS−Vマップ260は、縦軸に、SSS18のG出力の8ms区間長の1階積分値(mps(UnitY dv8))が、横軸に、ユニット20(フロアセンサ22)のG出力の36〜50ms区間長の2階積分値(mm(UnitY ds))が割り当てられており、その相関関係において側面衝突試験に採用した各テストモード(MDB18K,FRPole7k,RRPole7k,SINCAP,SICE,214Pole32kAF,214Pole32kAM,RR Pole29k)毎のON/OFF切り分けの波形が示されている。
図8では、後部座席への衝突において最大の懸案であったテストモードRRPole13のON衝突がユニットとSSS18との組み合わせにより検知可能であることを示している。なお、このケースでは、ユニット20(フロアセンサ22)のGとSSS18のGの両方でセーフィング判定を行う。
(実施例3)
図9のS−Vマップ260は、縦軸に、SSS18とユニット20のGを組み合わせた8ms区間長の1階積分値SSS−UnitY( dv8)が、横軸に、ユニット20(フロアセンサ22)のG出力の36〜50ms区間長の2階積分値(mm(UnitY ds))が割り当てられており、その相関関係において、側面衝突試験に採用した各テストモード(MDB18K,FRPole7k,RRPole7k,SINCAP,SICE,214Pole32kAF,214Pole32kAM,RR Pole29k)毎のON/OFF切り分けの波形が示されている。
図9によれば、FRPole7k,RRPole7k,MDB18kの各テストモードがユニット20のOFF衝突であり、その3つとRRPole13kのユニット20のON衝突との切り分けができているのが理解できる。SSS18のG単体で使用した場合に比較してMDB18kモードのOFF波形がかなり低くなるため、切り分けが容易になり衝突判定の性能が向上している。実施例2との差異は、車両側面にハニカムが衝突してくるテストモードMDB18kにおいて、衝突後の車両の回転は少なく、横にそのまま押されるため、SSS18のG出力とユニット20(フロアセンサ22)のY軸のG出力は同じになることが多く、したがって減算することによってユニット20のOFF衝突(EU18kモード)の切り分けが容易になることである。但し、減算して積分するため演算部25の演算負荷は増大する。
なお、本発明の実施形態に係る車両衝突判定装置10において使用されるS−Vマップ260は、例えば、特許文献1の図2にマップ24として示されているように、左右方向(Y軸加速度)の積分値と現在の時間との関係で閾値Thを超えるか否かを判定するのではなく、特徴的には時間に代わってY軸加速度の積分値を使用している。以下に、この違いによって得られる効果について以下に説明を行う。
仮に横軸に時間を割り当てた場合、縦軸の閾値は、衝突現象に時間の概念がないためある一定の値Thyになってしまう。何らかのGが発生した時点を0msと定義しても衝突によるG波形か、通常走行で石を跳ねた場合に発生するG波形かを区別することができない。したがって、縦軸の演算値がある一定の閾値Thyを超えた場合にエアバッグ等の制御対象をONさせるものしか作ることができない。このため、図示するようにOFF衝突波形のピーク値より高い閾値Thyを持つ必要がある。
これに対し、横軸に積分値を割り当てれば、衝突毎に縦軸と横軸の値が決まり、S−Vマップ260の軌跡がその衝突毎に変化し、そのS−Vマップ260中に自由に閾値Thxを設定することができる。このため、OFF衝突の波形の軌跡を回避してON衝突と区別する閾値Thxを作ることができる。ほぼ100%マップを使用した方が閾値Thxを下げることができるため、判定部24による衝突判定が早くなる。この場合、演算部25の演算量が増加するため演算負荷が増加するが、縦軸、横軸共に積分値を割り当てることで、図中矢印表記したように閾値を下げる余地が増えるため衝突判定が早くなり、したがって、演算性能の限界を超えない限りS−Vマップ260を使用した方が性能的に優れていることが言える。
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態に係る車両衝突判定装置10によれば、判定部24は、第1の加速度センサ(例えば、フロアセンサ22)から出力されるY軸方向の第1の加速度の積分値と、第2の加速度センサ(例えば、SSS18)から出力されるY軸方向の第2の加速度の積分値とを用いて車両100の側面衝突が発生したか否かを判定する。具体的に、判定部24は、縦軸、横軸共に、演算部25により演算された加速度の積分値が割り当てられ、その相関関係において、衝突判定閾値がチューニングされたS−Vマップ260を参照して側面衝突検知を行うことにより、少ない数の加速度センサで、かつ、早い速度で衝突判定が可能になる。また、前部座席は、第1の加速度センサの出力のみで側面衝突検知が可能であり、更に、第2の加速度センサの出力を組み合わせることで後部座席に対する側面衝突の検知も可能になる。
また、本実施形態に係る車両衝突判定装置10によれば、縦軸の第1の加速度センサの積分値に変え、第1の加速度の積分値と、第2の加速度と第1の加速度との差の積分値を使用して側面衝突判定を行うことで、Pole衝突等におけるON衝突とOFF衝突の切り分けが容易になる。また、本実施形態に係る車両衝突判定装置10によれば、第1の加速度センサの出力は2軸化されており、2軸のうちの一方は、側面方向よりも第1の所定の角度だけ傾きを持つ斜め実装も可能である。例えば、フロアセンサ22を斜め配置した場合、判定部24は、X軸の加速度成分を使用することにより、セーフィングの判定を行うこともできる。この場合、判定部24は、フロアセンサ22のX軸方向の加速度の積分値を用いて側面衝突が発生したか否かを判定し、ここで、衝突が発生したことが判定され、かつY軸方向の加速度の積分値を用いて衝突が発生したことが判定されたときに側面衝突が発生したことを確定させる。このように、セーフィング判定を第1の加速度センサと第2の加速度センサの出力を使用して行うことで側面衝突発生の検知を正確に行うことができる。
なお、本実施形態に係る車両衝突判定装置10は、フロントフロアパネル112と、リヤフロアパネル114と、両サイドのサイドシル部115,115と、フロントフロアパネルおよびサイドシル部の前端から起立するフロント壁部116と、リヤフロアパネルおよび左右のサイドシル部の後ろ端から起立するリヤ壁部117とを備えてバスタブ状に形成されるCFRP製の車室110を持つ車両100に適用し、また、車両100のOBに第1の加速度センサと第2の加速度センサを実装することにより、上記した効果が一層顕著に表れる。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
10・・車両衝突判定装置、18・・・サテライトセーフィングセンサ(第1のセンサまたは第2のセンサ)、20・・・ユニット(車両衝突判定ユニット)、22・・・フロアセンサ(第2のセンサまたは第1のセンサ)、24・・・判定部、25・・・演算部、26・・・記憶部、27・・・右側部側のエアバッグモジュール、28・・・左側部側エアバッグモジュール、100・・・車両、110・・車室、112・・フロントフロアパネル、114・・リヤフロアパネル、115・・サイドシル部、116・・フロント壁部、117・・リヤ壁部、216・・センタートンネル

Claims (4)

  1. 車体を囲む枠が強度の高いメンバで結合され、または強化樹脂で一体化された骨格を有し、前記車体に実装されたセンサで検出した加速度信号により側面衝突を検出する車両衝突判定装置であって、
    車室内に設けられ、車両の側面方向の第1の加速度を検知する、前記センサのうちの前記車両の前後方向の重心位置までの第1の距離を有する第1のセンサと、
    前記車室内に設けられ、前記第1のセンサが配置された位置より前記車両の後方向に位置して前記車両の前記側面方向の第2の加速度を検知する、前記センサのうちの前記重心位置までの前記第1の距離よりも大きい第2の距離を有する第2のセンサと、
    前記車両の側部側のエアバッグを展開させるために、前記第1の加速度の積分値と前記第2の加速度の積分値とを用いて前記車両の側面衝突が発生したか否かを判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする車両衝突判定装置。
  2. 車体を囲む枠が強度の高いメンバで結合され、または強化樹脂で一体化された骨格を有し、前記車体に実装されたセンサで検出した加速度信号により側面衝突を検出する車両衝突判定装置であって、
    車室内に設けられ、前記車両の側面方向の第1の加速度を検知する、前記センサのうちの前記車両の前後方向の重心位置までの第1の距離を有する第1のセンサと、
    前記車室内に設けられ、前記第1のセンサが配置された位置より前記車両の後方向に位置して前記車両の前記側面方向の第2の加速度を検知する、前記センサのうちの前記重心位置までの前記第1の距離よりも大きい第2の距離を有する第2のセンサと、
    前記車両の側部側のエアバッグを展開させるために、前記第1の加速度の積分値と、記第2の加速度と前記第1の加速度との差の積分値とを用いて前記車両の側面衝突が発生したか否かを判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする車両衝突判定装置。
  3. 前記車室はカーボン繊維強化樹脂で形成され、
    前記車室は、
    フロントフロアパネルと、前記フロントフロアパネルの後端にキックアップ部を介して接続されるリヤフロアパネルと、前記フロントフロアパネルおよび前記リヤフロアパネルの車幅方向両側縁に沿って前後方向に延びる左右のサイドシル部と、前記フロアパネルおよび前記サイドシル部の前端から起立するフロント壁部と、前記リヤフロアパネルおよび前記左右のサイドシル部の後ろ端から起立するリヤ壁部とを備えてバスタブ状に形成される、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の車両衝突判定装置。
  4. 前記第1のセンサ及び/又は前記第2のセンサは、前記車両の中心線上に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両衝突判定装置。
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