JP5909176B2 - 陰影情報導出装置、陰影情報導出方法及びプログラム - Google Patents
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Description
光源情報を推定するにあたり、例えば全方位を撮像する全方位カメラを利用するというものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。この手法は、全方位を撮像した画像のいずれかの部分において光源が撮像されていることを前提としている。そのうえで、この手法は、全方位カメラにより撮像した画像に基づいて、シーン画像に対応する光源の位置、色、位置、強度などを推定するというものである。
さらに、反射特性が既知の平面において生じる形状が既知の物体の影に基づいて光源分布を推定するという手法も知られている(例えば、非特許文献4参照)。
また、使用する機器やシーン中の物体の反射特性の測定などの事前手続きを必要としない手法も知られている(例えば、非特許文献5参照)。この手法は、Kinect(登録商標)などのRGB+Dセンサを用いてカラー画像と共に距離計測によって奥行情報を取得することでデプスマップを取得する。そして、この手法は、取得したカラー画像及びデプスマップを入力として少数の球面調和関数の重みのみを求めることで、陰影情報の導出を行う。
また、非特許文献2、3による手法の場合にも、金属球あるいは拡散反射面を有する白色球を準備する必要がある。このような金属球や白色球も器具としては特殊でありエンドユーザが容易に入手できるものではない。
また、非特許文献5による手法の場合、Kinect(登録商標)などのRGB+Dセンサを用いてカラー画像及びデプスマップを取得する必要がある。このようなKinect(登録商標)も装置としては一般的には普及していないため、使用できる場面が限定されてしまう。
[陰影情報導出装置の構成例]
以下、本発明の第1の実施形態の陰影情報導出装置について説明する。本実施形態の陰影情報導出装置は、多視点画像を入力して陰影情報を導出する。多視点画像とは、参照物体を取り囲むように複数の視点から撮影されたシーンとしての画像内容を有する画像である。
図2は、上記のように現実の或る環境を複数の視点から撮像して得られた多視点画像201の画像内容の一例を示している。図2に示す例では、多視点画像201として複数の視点から撮像された10枚のシーン画像201−1〜201−10が示されている。なお、符号20で示されている物体が参照物体である。
図4には、シーン全体の三次元点群202から抽出された参照物体の三次元点群が示されている。図4に示された参照物体の三次元点群を用いて陰影情報を導出する処理が行われる。
図5(A)は正面図、図5(B)は平面図である。また、図5(A)および図5(B)の各三次元点から延びている直線は、導出された参照物体の三次元点群の法線204(法線ベクトル)を表す。
一具体例として、陰影情報導出部105は、以下のように陰影情報を導出する。
図7は、これまでの説明にしたがって求められた陰影情報205を画像により可視化して示したものである。
この際、例えばレンダリングエンジンは、CGオブジェクトの法線方向(θ,φ)にしたがってI(θ,φ)を陰影として適用する。
図9のフローチャートは、第1の実施形態の陰影情報導出装置100が実行する処理手順例を示している。
まず、多視点画像入力部101は、複数の視点から撮像された多視点画像201を入力して記憶部106に記憶させる(ステップS101)。
三次元再構成部102は、導出したシーン全体の三次元点群202を記憶部106に記憶させる(ステップS103)。
領域抽出部103は、抽出した参照物体の三次元点群203を記憶部106に記憶させる(ステップS105)。
法線導出部104は、導出した参照物体の三次元点群の法線204を記憶部106に記憶させる(ステップS107)。
陰影情報導出部105は、入力した参照物体の三次元点群203と参照物体の三次元点群の法線204とを利用して、前述のように、陰影情報205を導出する(ステップS109)。
陰影情報導出部105は、このように導出した陰影情報205を記憶部106に記憶させる(ステップS110)。
また、上述したように、陰影情報導出装置100では、10枚程度の少数の多視点画像を入力として得られる疎な三次元点群を用いた場合であっても十分なサンプルが得られる。そして、陰影情報導出装置100では、少数の多視点画像であっても精度を大きく落とすことなく陰影情報の導出が可能となる。その結果、導出した陰影情報を付与したCGオブジェクトをシーン画像に合成することで現実感を向上させることができる。
多視点画像は、予め記憶部106に記憶されていてもよい。
[陰影情報導出装置の構成例]
次に、第2の実施形態について説明する。
図10は、第2の実施形態における陰影情報導出装置100Aの構成例を示している。
なお、この図において、図1と同一部分には同一符号を付して、ここでの説明は省略する。
陰影情報正則化部109は、正則化された陰影情報205が導出されるように、陰影情報205の導出に利用する所定のパラメータを補正する。ここでの正則化は、導出された陰影が拡散反射の陰影に適合するように制約を加えることをいう。また、陰影情報正則化部109が補正対象とするパラメータは、球面調和関数の係数(重みw)である。
なお、この陰影情報正則化部109は、例えばCPUがプログラムを実行することにより実現できる。
図11は、第2の実施形態の陰影情報正則化部109により正則化されていない陰影情報を可視化して示す図である。図11に示す陰影情報205においては、白抜きの矢印で示すように、円の左下の縁に沿うようにして明線が生じている。この明線がリンギングアーティファクトである。このリンギングアーティファクトとしての明線は、実世界の拡散反射では観察されないものである。このようなリンギングアーティファクトが生じないような陰影情報205を導出することができれば、これによりCGオブジェクトに付与される陰影についての実シーンとの合致度がさらに高くなる。
つまり、陰影情報正則化部109は、先の式(2)により表されるエラー関数E(w)に対して正則化項を加算したエラー関数E’(w)を最小化する重みwを求めるものである。エラー関数E’(w)を以下の式(4)に示す。
このことに基づいて、球面調和関数の次数間の2乗和の関係は以下のように求めることができる。
つまり、0次に対する1次の重みの2乗和は、1次に対応する球面調和関数の数である「3」と、1次の重みの絶対値に対する0次(l=0)の重みの絶対値の比である「2/3」とにより、3×(2/3)2=4/3倍である。
また、0次に対する2次の重みの2乗和は、2次に対応する球面調和関数の数である「5」と、2次(l=1)の重みの絶対値に対する0次(l=0)の重みの絶対値の比である「1/4」とにより、5×(1/4)2=5/16倍である。
式(4)のエラー関数E’(w)は、上記のように求められた2乗和の倍数が示す係数比を維持するように制約を与えたものである。このように制約を与えることは、すなわち、拡散反射の陰影を表現した際の球面調和関数の重みwの比により制約を与えることを意味する。
なお、陰影情報正則化部109は、例えば、式(2)のエラー関数E(w)についての最小化結果を初期値として利用してNewton法により式(4)のエラー関数E’(w)を最小化する重みwを求めてもよい。
図12と図11を比較して分かるように、図12に示す正則化陰影情報205Aでは、白抜きの矢印により示される箇所におけるリンギングアーティフェクトが大幅に低減されている。
そして、この正則化陰影情報205Aにより拡散反射のCGオブジェクトに陰影を付与することによっては、そのCGオブジェクトのシーンにおける実在感が高まる。
図13のフローチャートは、第2の実施形態における陰影情報導出装置100Aが実行する処理手順例を示している。なお、この図に示すステップにおいて、図9と同じ処理のものについては同一符号を付し、ここでの説明を省略する。
陰影情報導出部105は、参照物体の三次元点群203と参照物体の三次元点群の法線204とを入力した後(ステップS108)、式(2)のエラー関数E(w)を最小化する重みwを算出する(ステップS110A)。
次に、陰影情報正則化部109は、ステップS110Aにより求められた重みwについて、式(4)のエラー関数E’(w)を最小化する重みwを求めることにより補正する(ステップS110B)。
そして、陰影情報導出部105は、ステップS110Bにより補正された重みwを利用して、正則化陰影情報205Aを算出する(ステップS110C)。これにより、陰影情報導出部105は正則化された陰影情報を導出したことになる。そして、陰影情報導出部105は、算出した正則化陰影情報205Aを記憶部106に記憶させる(ステップS111A)。このような処理によって、第2の実施形態における陰影情報導出装置100Aは、拡散反射に対応して正則化された陰影情報を得ることができる。
多視点画像は、予め記憶部106に記憶されていてもよい。
なお、図1や図10における各機能部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本実施形態の陰影情報の導出を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
Claims (3)
- 複数の視点から撮影されたシーンとしての画像内容を有する多視点画像に基づいて前記多視点画像が示すシーン全体の三次元点群を導出する三次元再構成部と、
前記三次元再構成部が導出したシーン全体の前記三次元点群の中から参照物体の三次元点群を抽出する参照物体領域抽出部と、
参照物体領域抽出部が抽出した前記参照物体の三次元点群の法線を導出する法線導出部と、
前記参照物体の三次元点群と前記参照物体の三次元点群の法線とに基づいて、実シーンにCGオブジェクトの実体を位置させたとした場合に生じる陰影を、多視点画像において表現するための情報である陰影情報を導出する陰影情報導出部と、
を備え、
正則化された陰影情報が導出されるように、前記陰影情報の導出に利用する所定のパラメータを補正する陰影情報正則化部をさらに備える陰影情報導出装置。 - 複数の視点から撮影されたシーンとしての画像内容を有する多視点画像に基づいて前記多視点画像が示すシーン全体の三次元点群を導出する三次元再構成ステップと、
前記三次元再構成ステップによって導出されたシーン全体の前記三次元点群の中から参照物体の三次元点群を抽出する参照物体領域抽出ステップと、
参照物体領域抽出ステップによって抽出された前記参照物体の三次元点群の法線を導出する法線導出ステップと、
前記参照物体の三次元点群と前記参照物体の三次元点群の法線とに基づいて、実シーンにCGオブジェクトの実体を位置させたとした場合に生じる陰影を、多視点画像において表現するための情報である陰影情報を導出する陰影情報導出ステップと、
を有し、
正則化された陰影情報が導出されるように、前記陰影情報の導出に利用する所定のパラメータを補正する陰影情報正則化ステップをさらに有する陰影情報導出方法。 - コンピュータを、請求項1に記載の陰影情報導出装置として機能させるためのプログラム。
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