JP5908635B1 - 化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】難水溶性芳香族化合物の効果が十分に発揮された化粧料の提供。【解決手段】水性媒体の存在下、(A)難水溶性芳香族化合物と(B)二価アルコールと(C)三価以上のアルコールを100〜180℃で加熱処理する工程を含む方法により得られ、(C)三価以上のアルコールに対する(B)二価アルコールの質量比[(B)/(C)]が1.5〜10である難水溶性芳香族化合物含有組成物と、(D)消臭成分、殺菌成分及び感触向上成分から選ばれる1種以上を含有する化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、化粧料に関する。
芳香族化合物は、香粧品、医薬品、食品、日用品等の製品に広く利用されている。芳香族化合物は、常温において固体で、水に難溶性のものが多く、化粧料などに用いる場合には、配合が困難であり、その生理活性効果を十分に得ることはできなかった。
難水溶性の芳香族化合物の利用形態は、アルコールに溶解させて使用するのが一般的である(例えば、特許文献1、2)。
しかしながら、アルコールの皮膚への刺激により使用感を損ないやすい。また、適用できる組成物が制限されてしまう。
そこで、難水溶性の芳香族化合物を水に可溶化させる技術が検討され、例えば、イソプロピルメチルフェノールにグルコース等の糖を結合させたイソプロピルメチルフェノール配糖体(特許文献3)や、界面活性剤と湿潤剤を併用してイソプロピルメチルフェノールを可溶化させる方法(特許文献4)が報告されている。
また、水性媒体の存在下、難水溶性の育毛成分とポリフェノール配糖体等の水溶性芳香族化合物を100〜180℃で加熱処理して、難水溶性の育毛成分を可溶化する方法が報告されている(特許文献5)。
特開2009−96777号公報 特開2011−153122号公報 特開2005−82506号公報 特開2011−98919号公報 特開2013−124225号公報
しかしながら、イソプロピルメチルフェノール配糖体のような難水溶性の芳香族化合物自身に糖を付加した所謂配糖体は水への溶解性が高いものの、製造工程が複雑であるためコストが高い。そのため、イソプロピルメチルフェノールに替えてイソプロピルメチルフェノール配糖体を使用することや、可溶化剤としてポリフェノール配糖体を使用することは経済的に不利である。
一方、界面活性剤を用いて難水溶性の芳香族化合物を可溶化させる方法では、十分な溶解性と抗菌効果といった芳香族化合物の生理効果が得られない場合がある。
従って、本発明は、難水溶性芳香族化合物を安定に含有し、その効果が十分に発揮された化粧料を提供しようとするものである。
本発明者らは、水性媒体の存在下、難水溶性の芳香族化合物と二価アルコールと三価以上のアルコールを100〜180℃で加熱処理することで、通常の難水溶性芳香族化合物の水への溶解度と比較して飛躍的に難水溶性芳香族化合物の溶解濃度が増加すること、また、斯かる処理を経た組成物では室温下においても芳香族化合物の析出が抑えられ、安定的に高い水への溶解性が維持されることを見出した。そして、このような難水溶性芳香族化合物含有組成物と、消臭成分、殺菌成分及び感触向上成分から選ばれる1種以上と組み合わせることにより、難水溶性芳香族化合物の効果が十分に発揮されると共に、組合された成分の効果を十分発現できる化粧料が得られることを見出した。
本発明は、水性媒体の存在下、(A)難水溶性芳香族化合物と(B)二価アルコールと(C)三価以上のアルコールを100〜180℃で加熱処理する工程を含む方法により得られ、
(C)三価以上のアルコールに対する(B)二価アルコールの質量比[(B)/(C)]が1.5〜10である難水溶性芳香族化合物含有組成物と、
(D)消臭成分、殺菌成分及び感触向上成分から選ばれる1種以上
を含有する化粧料に関する。
本発明の化粧料は、水への溶解性に優れる難水溶性芳香族化合物含有組成物を用いることにより、難水溶性芳香族化合物の効果を十分に発揮させることができる。難水溶性芳香族化合物として、芳香族の抗菌成分を用いた場合には、優れた消臭効果、殺菌効果が得られ、べたつき感がなく、すべすべ感を得ることができる。
本発明で用いる難水溶性芳香族化合物含有組成物は、水性媒体の存在下、(A)難水溶性芳香族化合物と(B)二価アルコールと(C)三価以上のアルコールを100〜180℃で加熱処理する工程を含む方法により製造される。
本発明で用いられる(A)難水溶性芳香族化合物としては、難水溶性のもの、例えば、水に対する25℃での溶解度が0.5g/L以下、更に0.3g/L以下、更に0.2g/L以下である芳香族化合物が好ましく適用できる。
また、(B)二価アルコールに対する25℃での溶解度が5g/L以上、更に10g/L以上、更に20g/L以上、である芳香族化合物が好ましく適用できる。ここで溶解度は、溶液1L中に溶解している溶質のグラム数を表し、単位は[g/L]である。
芳香族化合物としては、特に限定されず、抗菌成分、美白成分、育毛成分として用いられる芳香族化合物が例として挙げられる。(A)難水溶性芳香族化合物は、1種であっても、2種以上の混合物であってもよい。
芳香族の抗菌成分としては、例えば、フェノール系抗菌剤、防腐剤などが挙げられる。
フェノール系抗菌剤は、トリクロサン、クロルチモール、カルバクロル、クロロフェン、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、クロロキシレノール、クロロクレゾール等のクロロフェノール系抗菌剤;O−フェニルフェノール、イソプロピルメチルフェノールが好ましく、更にトリクロサン、イソプロピルメチルフェノールがより好ましく、更にイソプロピルメチルフェノールが好ましい。
防腐剤は、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ベンジルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステルが好ましい。
芳香族の美白成分としては、例えば、クロモン誘導体等が挙げられる。
クロモン誘導体は、クロモン、すなわち4H−1−ベンゾピラン−4−オンの2位に炭素数1〜15の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有し、7位に水素原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を有する化合物が好ましい。
このようなクロモン誘導体の例としては、2−ブチルクロモン、2−ペンチルクロモン、2−ヘプチルクロモン、2−ノニルクロモン、2−ヘキサデシルクロモン、2−(1−エチルペンチル)クロモン、2−ブチル−7−メトキシクロモン、2−ペンチル−7−メトキシクロモン、2−ヘプチル−7−メトキシクロモン、2−ノニル−7−メトキシクロモン、2−ペンタデシル−7−メトキシクロモン、2−(1−エチルペンチル)−7−メトキシクロモン、7−ヒドロキシ−2−メチルクロモン、7−ヒドロキシ−2−ブチルクロモン、7−ヒドロキシ−2−ペンチルクロモン、7−ヒドロキシ−2−ヘプチルクロモン、7−ヒドロキシ−2−ノニルクロモン、7−ヒドロキシ−2−ペンタデシルクロモン、7−ヒドロキシ−2−(1−エチルペンチル)クロモン等が挙げられる。なかでも、2−(1−エチルペンチル)−7−メトキシクロモンが好ましい。
クロモン誘導体は、公知の方法、例えば、特開平7−188208号公報に記載の方法により製造することができる。
芳香族の育毛成分としては、例えば、トランス−3,4’−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノン等のフラバノール誘導体;ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸β−ブトキシエチル等のニコチン酸類;α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、天然ビタミンE等のビタミンE類;ミノキシジル、ビマトプロスト、タフルプロスト、ノニル酸バニリルアミド、オトギリ草抽出物、トウガラシチンキ等が挙げられる。
なかでも、トランス−3,4’−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸β−ブトキシエチル、α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、天然ビタミンE、ミノキシジル、ビマトプロスト、タフルプロスト、ノニル酸バニリルアミド、オトギリ草抽出物及びトウガラシチンキが好ましく、トランス−3,4’−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノンがより好ましい。フラバノール誘導体は、公知の方法、例えば、特開2000−198779号公報に記載の方法により製造することができる。
本発明で用いられる(B)二価アルコールは、炭化水素の2個の水素を水酸基で置換したアルコール類の総称であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール等のアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類が挙げられる。なかでも、難水溶性芳香族化合物の可溶化の点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコールが好ましく、更にプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオールがより好ましい。ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、200〜20,000であるのが好ましい。
(B)二価アルコールは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる(C)三価以上のアルコールは、炭化水素の3個以上の水素を水酸基で置換したアルコール類の総称であり、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のグリセリン類;1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等のトリオール類が挙げられ、好ましくは三〜五価のアルコール、より好ましくは三価のアルコールが好ましい。なかでも、難水溶性芳香族化合物の可溶化の点から、グリセリン類が好ましく、化粧料に適用可能であるという観点より、グリセリン、ジグリセリンが更に好ましい。
(C)三価以上のアルコールは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる水性媒体とは、水、及び有機溶媒の水溶液をいう。水としては、水道水、蒸留水、イオン交換水、精製水が例示される。有機溶媒としては、水と均一に混合するものであれば特に限定されない。有機溶媒としては炭素数4以下の一価アルコールが好ましく、プロパノール及びエタノールがより好ましく、化粧料に適用可能であるという観点より、エタノールが更に好ましい。
有機溶媒を使用すると(A)難水溶性芳香族化合物の水に対する溶解度が高くなるが、皮膚への刺激の観点より使用量を少なくすることが望ましい。水溶液中の有機溶媒の濃度は、0〜60質量%(以下、単に「%」とする)が好ましく、0〜30%がより好ましく、0〜10%が更に好ましく、0〜1%が更に好ましく、実質的に0%、すなわち有機溶媒を含まないのが更に好ましい。
(A)難水溶性芳香族化合物は、(B)二価アルコール及び(C)三価以上のアルコールを水性媒体に溶解した溶液へ分散させ、スラリーの状態で加熱処理に供しても良いし、(A)難水溶性芳香族化合物を一旦(B)二価アルコール及び(C)三価以上のアルコールに溶解若しくは分散したものを水性媒体と混合した後に加熱処理に供してもよい。
加熱処理に供する際、水性媒体、(A)難水溶性芳香族化合物、(B)二価アルコール及び(C)三価以上のアルコールを含有する加熱処理原料を調製し、加熱処理を行う。
加熱処理原料中の(A)難水溶性芳香族化合物の含有量は、その種類によって異なるが、通常、生産性の点から、0.1g/L以上、更に0.5g/L以上、更に0.7g/L以上、更に0.9g/L以上、更に1g/L以上が好ましく、また、流動性の点から、150g/L以下、更に100g/L以下、更に75g/L以下、更に60g/L以下、更に55g/L以下、更に50g/L以下が好ましい。また、0.1〜150g/Lが好ましく、0.1〜100g/Lがより好ましく、0.5〜75g/Lがより好ましく、0.7〜60g/Lが更に好ましく、0.9〜55g/Lが更に好ましく、1〜55g/Lが更に好ましく、1〜50g/Lが更に好ましい。
加熱処理原料中の(B)二価アルコールの含有量は、その種類によって異なるが、通常、(A)の溶解性の点から、1g/L以上、更に10g/L以上、更に20g/L以上が好ましく、更に100g/L以上が好ましく、更に300g/L以上が好ましく、また、流動性の点から、700g/L以下、更に600g/L以下、更に500g/L以下が好ましい。また、1〜700g/Lが好ましく、10〜600g/Lがより好ましく、20〜500g/Lが更に好ましく、100〜500g/Lが更に好ましく、300〜500g/Lが更に好ましい。
加熱処理原料中の(C)三価以上のアルコールの含有量は、その種類によって異なるが、(A)の溶解性の点から、1g/L以上、更に10g/L以上、更に50g/L以上、更に100g/L以上が好ましく、また、保存安定性の点、流動性の点から、500g/L以下、更に300g/L以下、更に250g/L以下、更に200g/L以下が好ましい。また、1〜500g/Lが好ましく、1〜300g/Lがより好ましく、10〜250g/Lが更に好ましく、50〜250g/Lが更に好ましく、100〜200g/Lが更に好ましい。
加熱処理原料中、成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]は、冷却後に得られる芳香族化合物含有組成物の溶解性の点から、0.02以上、更に0.025以上が好ましく、更に0.06以上が好ましく、また、1以下、更に0.5以下、更に0.15以下が好ましい。また、0.02〜1が好ましく、0.025〜0.5がより好ましく、0.06〜0.15が更に好ましい。
加熱処理原料中、成分(C)に対する成分(A)の質量比[(A)/(C)]は、冷却後に得られる芳香族化合物含有組成物の溶解性の点から、0.12以上、更に0.15以上、更に0.17以上が好ましく、また、1.5以下、更に1以下、更に0.6以下が好ましい。また、0.12〜1.5が好ましく、0.15〜1が更に好ましく、0.17〜0.6が更に好ましい。
加熱処理原料中、成分(C)に対する成分(B)の質量比[(B)/(C)]は、冷却後に得られる芳香族化合物含有組成物の溶解性の点から、1.5以上、更に2以上、更に2.5以上が好ましく、また、10以下、更に8以下が好ましく、更に6以下が好ましい。また、1.5〜10が好ましく、2〜8が更に好ましく、2.5〜6が更に好ましい。
また、加熱処理原料中、成分(B)と成分(C)の合計量に対する成分(A)の質量比[(A)/{(B)+(C)}]は、冷却後に得られる芳香族化合物含有組成物の溶解性の点、保存安定性の点から、0.015以上、更に0.019以上が好ましく、更に0.05以上が好ましく、また、0.5以下、更に0.2以下、更に0.1以下が好ましい。また、0.015〜0.5が好ましく、0.019〜0.5がより好ましく、0.05〜0.2が更に好ましく、0.05〜0.1が更に好ましい。
本発明において、難水溶性芳香族化合物含有組成物を製造する際には、(A)難水溶性芳香族化合物の生理活性を維持する観点や皮膚への刺激を少なくする観点より、界面活性剤の使用量は少なくすることが望ましい。加熱処理原料中の界面活性剤の含有量は、0〜1g/Lが好ましく、0〜0.5g/Lが更に好ましく、0〜0.1g/Lが更に好ましく、実質的に0g/L、すなわち界面活性剤を含まないのが更に好ましい。
水性媒体の存在下、(A)難水溶性芳香族化合物と(B)二価アルコールと(C)三価以上のアルコールを加熱処理する方法は、特に制限されず、公知の方法を適用できる。
加熱処理の温度は、100〜180℃であるが、(A)難水溶性芳香族化合物の溶解性向上の点から、110℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、また、熱安定性の点から170℃以下がより好ましく、160℃以下がより好ましい。また、加熱処理の温度は、110〜170℃が更に好ましく、120〜160℃が更に好ましい。加熱の手段は、例えば、水蒸気、電気が挙げられる。
加熱処理時の圧力は、ゲージ圧力で0〜10MPaが好ましく、0.1〜8MPaがより好ましく、0.1〜6MPaが更に好ましく、0.2〜6MPaが更に好ましく、0.2〜4MPaが更に好ましく、0.25〜2MPaが更に好ましく、0.3〜1.5MPaが更に好ましく、0.3〜0.6MPaが更に好ましい。なお、ゲージ圧とは、大気圧を0MPaとした圧力である。また、水の飽和蒸気圧以上に設定するのが好ましい。加圧には、ガスを用いてもよく、用いられるガスとしては、例えば、不活性ガス、水蒸気、窒素ガス、ヘリウムガス等が挙げられる。加圧には、ガスを用いず、背圧弁により調整しても良い。
加熱処理は、例えば、回分法、半回分法、流通法等いずれの方法によっても実施できる。なかでも、流通法は、加熱処理時間の制御が容易である点で好ましい。
加熱処理の時間は、(A)難水溶性芳香族化合物の溶解性向上の点から、加熱処理原料が上記加熱処理の温度に達してから0.1分以上が好ましく、0.2分以上がより好ましく、0.5分以上が更に好ましく、熱安定性の点から、30分以下が好ましく、15分以下がより好ましく、8分以下が更に好ましい。また、加熱処理の時間は、加熱処理原料が上記加熱処理の温度に達してから0.1〜30分が好ましく、更に0.2〜15分、更に0.5〜8分が好ましい。
流通法で行う場合、加熱処理の時間は、反応器の高温高圧部の体積を加熱処理原料の供給速度で割ることにより算出される平均滞留時間を用いる。
流通法で行う場合の水性媒体の流速は、反応器の体積によって異なるが、例えば、反応器体積が500Lの場合、15〜5,000L/分が好ましく、更に30〜2,500L/分が好ましく、更に60L/分〜1,000L/分が好ましい。
本発明において、難水溶性芳香族化合物含有組成物を製造する際には、加熱処理して得られた加熱処理液を、90℃以下、好ましくは50℃以下、更に好ましくは30℃以下に冷却する工程を含むことが好ましい。液状の難水溶性芳香族化合物含有組成物を得る場合には、0℃以上が好ましく、10℃以上が好ましい。
加熱処理温度から90℃まで低下するのに要した時間から算出される加熱処理液の冷却速度は0.2℃/s以上、更に0.5℃/s以上、1℃/s以上、更に3℃/s以上、更に5℃/s以上が好ましい。冷却速度が大きいほど難水溶性の芳香族化合物の溶解度を向上することができる。このため、冷却速度の上限は特に定めないが、製造設備の制約等の観点から、例えば100℃/s以下、更に50℃/s以下が好ましい。
更に、加熱処理液から、溶解せずに残留する固形物を除去する工程を行うのが、得られる難水溶性芳香族化合物含有組成物の溶解安定性の点から好ましい。固形物を除去する方法としては、特に制限されず、例えば遠心分離やデカンテーション、ろ過により行うことができる。
かくして得られる難水溶性芳香族化合物含有組成物は、水性媒体中に、(A)難水溶性芳香族化合物、(B)二価アルコール、(C)三価以上のアルコールを含むものであり、(A)難水溶性芳香族化合物の含有量が高いにもかかわらず、室温下においても、また室温保存中も難水溶性芳香族化合物の析出が抑えられる。また、水への溶解性に優れている。
難水溶性芳香族化合物含有組成物における成分(A)の含有量は、物流や使用性の点から、好ましくは1g/L以上であり、更に2g/L以上、更に7.5g/L以上、更に30g/L以上が好ましい。
難水溶性芳香族化合物含有組成物において、成分(B)の二価アルコールの含有量は、冷却後に得られる芳香族化合物含有組成物の溶解性の点から、全組成中に0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましく、10質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましく、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。また、難水溶性芳香族化合物含有組成物における成分(B)の含有量は、全組成中に0.1〜70質量%が好ましく、1〜60質量%がより好ましく、2〜50質量%がより好ましく、10〜50質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。
難水溶性芳香族化合物含有組成物において、成分(C)の三価以上のアルコールの含有量は、冷却後に得られる芳香族化合物含有組成物の溶解性の点から、全組成中に0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。また、難水溶性芳香族化合物含有組成物における成分(C)の含有量は、全組成中に0.1〜50質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましく、1〜25質量%がより好ましく、5〜25質量%がより好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。
難水溶性芳香族化合物含有組成物における、成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]は、難水溶性芳香族化合物の安定性を向上させる観点から、0.02以上、更に0.025以上が好ましく、更に0.06以上が好ましく、また、1以下、更に0.5以下、更に0.15以下が好ましい。また、0.02〜1が好ましく、0.025〜0.5が更に好ましく、0.06〜0.15が更に好ましい。
難水溶性芳香族化合物含有組成物における、成分(C)に対する成分(A)の質量比[(A)/(C)]は、芳香族化合物含有組成物の安定性を向上させる観点から、0.12以上、更に0.15以上、更に0.17以上が好ましく、また、1.5以下、更に1以下、更に0.6以下が好ましい。また、0.12〜1.5が好ましく、0.15〜1が更に好ましく、0.17〜0.6が更に好ましい。
難水溶性芳香族化合物含有組成物における、成分(C)に対する成分(B)の質量比[(B)/(C)]は、冷却後に得られる芳香族化合物含有組成物の溶解性の点から、1.5以上、更に2以上、更に2.5以上が好ましく、また、10以下、更に8以下、更に6以下が好ましい。また、1.5〜10が好ましく、2〜8が更に好ましく2.5〜6が更に好ましい。
また、難水溶性芳香族化合物含有組成物における、成分(B)と成分(C)の合計量に対する成分(A)の質量比[(A)/{(B)+(C)}]は、安定性の点より、0.015以上、更に0.019以上が好ましく、更に0.05以上が好ましく、また、0.5以下、更に0.2以下、更に0.1以下が好ましい。また、0.015〜0.5が好ましく、0.019〜0.5がより好ましく、0.05〜0.2が更に好ましく、0.05〜0.1が更に好ましい。
難水溶性芳香族化合物含有組成物中、有機溶媒、とりわけ炭素数4以下の一価アルコールの含有量は、皮膚への刺激の観点より使用量を少なくすることが望ましい。難水溶性芳香族化合物含有組成物中の有機溶媒の含有量は、0〜60%が好ましく、0〜30%がより好ましく、0〜10%が更に好ましく、0〜1%が更に好ましく、実質的に0%、すなわち有機溶媒を含まないのが更に好ましい。
難水溶性芳香族化合物含有組成物中、界面活性剤の含有量は、(A)難水溶性芳香族化合物の効果を有利に発揮する観点より少なくすることが望ましい。難水溶性芳香族化合物含有組成物中の界面活性剤の含有量は、0〜1g/Lが好ましく、0〜0.5g/Lが更に好ましく、0〜0.1g/Lが更に好ましく、実質的に0g/L、すなわち界面活性剤を含まないのが更に好ましい。
本発明の化粧料は、難水溶性芳香族化合物含有組成物と成分(D)とを含有するが、更に水等の水性媒体を含有することが好ましい。その配合方法は、難水溶性芳香族化合物含有組成物を水性媒体に添加して、その後成分(D)とその他成分を添加して混合してもよいし、難水溶性芳香族化合物含有組成物、成分(D)、その他成分を各々独立に、または一緒に添加して混合してもよい。難水溶性芳香族化合物の水性媒体に対する濃度は、0.1〜50g/L、更に0.2〜30g/L、更に0.5〜10g/L、更に0.5〜5g/L、更に0.5〜2g/Lが好ましい。難水溶性芳香族化合物含有組成物は、通常の難水溶性芳香族化合物の水への溶解度と比較して飛躍的に難水溶性芳香族化合物の溶解濃度が増加しているにも関わらず、所望の濃度に設定することが出来、その場合においても難水溶性芳香族化合物の析出が抑えられ安定性が高い。また、難水溶性芳香族化合物の高い生理活性発現が期待できる。
難水溶性芳香族化合物含有組成物は、水性媒体中に、(A)難水溶性芳香族化合物、(B)二価アルコール、(C)三価以上のアルコールを含むものであり、本発明の化粧料は、上記のようにして得られた難水溶性芳香族化合物含有組成物を含有するものである。
本発明の化粧料において、成分(A)の難水溶性芳香族化合物の含有量は、難水溶性芳香族化合物の効果を十分に発揮させる観点、難水溶性芳香族化合物として、芳香族の抗菌成分を用いた場合には、優れた消臭効果、殺菌効果が得られ、べたつき感がなく、すべすべ感を得る観点から、全組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましく、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.01〜1質量%が好ましく、0.02〜0.5質量%がより好ましく、0.05〜0.3質量%がさらに好ましい。
本発明の化粧料において、成分(B)の二価アルコールの含有量は、難水溶性芳香族化合物の効果を十分に発揮させる観点、難水溶性芳香族化合物として、芳香族の抗菌成分を用いた場合には、優れた消臭効果、殺菌効果が得られ、べたつき感がなく、すべすべ感を得る観点から、全組成中に0.09質量%以上が好ましく、0.18質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましく、0.45質量%以上が更により好ましく、8.4質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5.5質量%以下が更に好ましい、5質量%以下が更により好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.09〜8.4質量%が好ましく、0.18〜7質量%がより好ましく、0.3〜5.5質量%が更に好ましく、0.45〜5質量%が更により好ましい。
本発明の化粧料において、成分(C)の三価以上のアルコールの含有量は、冷難水溶性芳香族化合物の効果を十分に発揮させる観点、難水溶性芳香族化合物として、芳香族の抗菌成分を用いた場合には、優れた消臭効果、殺菌効果が得られ、べたつき感がなく、すべすべ感を得る観点から、全組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.06質量%以上が更に好ましく、0.09質量%以上質量%以上が更により好ましく、2.86質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましく、1.72質量%以下が更により好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に0.01〜2.86質量%が好ましく、0.03〜2.5質量%がより好ましく、0.06〜2質量%が更に好ましく、0.09〜1.72質量%が更により好ましい。
本発明で用いられる成分(D)は、成分(A)以外のもので、消臭成分、殺菌成分及び感触向上成分から選ばれる1種以上のものである。
成分(D)のうち、消臭成分としては、化学的消臭法に関するもの;物理的消臭法に関するもの;生物的消臭法に関するもの;感覚的消臭法に関するもののいずれでも良い。
化学的消臭法に関するものとして、臭い物質を化学的に吸着する酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物;臭い物質を中和するトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)等のアミン類、臭い物質への分解を抑制するジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤などが挙げられる。
物理的消臭法に関するものとして、臭い物質を物理的に吸着させるシクロデキストリン、ヒドロキシアパタイト、キトサン微粒子、活性炭等多孔性物質などが挙げられる。
生物的消臭法に関するものとして、キハダエキス、オレイン酸等が挙げられる。
感覚的消臭法に関するものとして、L−メントール等の香料などが挙げられる。
これらのうち、消臭効果の即効性の観点から、アミン類から選ばれる消臭成分が好ましく、使用性の観点から、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)がより好ましい。
成分(D)として、消臭成分を用いる場合、その含有量は、塗布時のぬるつき感を低減する観点から、全組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.07質量%以上が更に好ましく、0.09質量%以上が更により好ましく、塗布時のべたつき感を低減する観点から、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.9質量%以下が更により好ましい。また、成分(D)として、消臭成分を用いる場合、その含有量は、全組成中に0.01〜2質量%が好ましく、0.05〜1.5質量%がより好ましく、0.07〜1質量%が更に好ましく、0.09〜0.9質量%が更により好ましい。
成分(D)のうち、殺菌成分としては、アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルピリジニウムクロライド、銀担持無機粒子、塩化リゾチーム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム(CPC)、ミョウバン等が挙げられる。銀担持無機粒子としては、銀担持ゼオライト、銀担持カンクリナイト等が挙げられる。
これらのうち、さらさら感の持続性とぬるつきの少なさの観点から、塩化ベンザルコニウムが好ましい。
成分(D)として、殺菌成分を用いる場合、その含有量は、高い殺菌効果が得られる観点から、全組成中に0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上が更に好ましく、0.03質量%以上が更により好ましく、4質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が更により好ましい。また、成分(D)として、殺菌成分を用いる場合、その含有量は、全組成中に0.005〜4質量%が好ましく、0.01〜3質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が更に好ましく、0.03〜0.5質量%が更により好ましい。
成分(D)のうち、感触向上成分としては、粉体が挙げられ、無機粉体、有機粉体、これらを複合した粉体のいずれでも良い。
有機粉体として、例えば、ナイロン樹脂(市販品として、エルフ・アトケム社製、ORGASOL 2002EXD NAT COS TypeS、ORGASOL 4000EXD NAT COS;東レ社製、SP−500等)、ポリスチレン樹脂(市販品として、住友化学工業社製、ファインパール;積水化成品工業社製、テクポリマーSB;綜研化学社製、ファインパウダーSGP等)、ポリエチレン樹脂(市販品として、旭化成社製、サンテック PAK0025;住友精化社製、フロービーズ等)、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(市販品として、松本油脂製薬社製、マツモトマイクロスフェアーM;積水化成品工業社製、テクポリマーMB;綜研化学社製、ファインパウダーMP等)、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、シリコーン樹脂(市販品として、信越化学工業社製、KMP−590;東芝シリコーン社製、トスパール145、トスパール2000B等)、シリコーンゴムパウダー(市販品として、信越化学工業社製、KMP−597、KMP−598;東レ社製、トレフィル501、トレフィル505、トレフィル506、トレフィル601等)、セルロースビーズ(市販品として、旭化成社製、アピセルRC−A591NF等)などが挙げられる。また、メタクリル酸ラウリル・ジメタクリル酸エチレングリコール・メタクリル酸ナトリウム共重合体(特開2006−8659号公報)等の架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体などを用いることもできる。
無機粉体として、例えば、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、ベントナイト、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、雲母、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムなどが挙げられる。
また、無機粉体と有機粉体とを複合化した中間的構造を有する粉体としては、シロキサン結合が三次元的に伸びた網状構造をなし、ケイ素原子1個にメチル基が結合したポリメチルシルセスキオキサン粉末等が挙げられる。
なお、感触向上成分として粉体を用いる場合において、消臭成分にも含まれるものは、消臭成分として、扱うものとする。
これらの感触向上成分は、きしみ感を低減するという観点から、平均粒径が、0.01μm以上であるのが好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.2μm以上がさらに好ましく、ざらつきを抑え、すべすべ感をより向上させる観点から、50μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、8μm以下がさらに好ましい。
成分(D)として、感触向上成分を用いる場合、その含有量は、きしみ感を低減し、ざらつきを抑え、すべすべ感をより向上させる観点から、全組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、1.5質量%以上が更により好ましく、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更により好ましい。また、成分(D)として、感触向上成分を用いる場合、その含有量は、全組成中に0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましく、1.5〜5質量%がさらにより好ましい。
また、成分(D)は、消臭成分、殺菌成分及び感触向上成分から選ばれる1種以上のものであり、例えば、消臭成分と、殺菌成分及び/又は感触向上成分を組み合わせて用いることもできる。
成分(D)の合計含有量は、使用する成分の種類により一概には決まらないが、例えば、各成分の機能、すなわち、消臭機能、殺菌機能、感触向上機能を発現させる観点から、全組成中に0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上が更に好ましく、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、5質量%以下が更により好ましい。また、成分(D)の合計含有量は、全組成中に0.005〜20質量%が好ましく、0.01〜15質量%がより好ましく、0.02〜10質量%がさらに好ましく、0.02〜5質量%がさらにより好ましい。
本発明の化粧料は、前記成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、油性成分、界面活性剤、水溶性高分子、エキス類、酸化防止剤、色素、pH調整剤、紫外線吸収剤、血行促進剤、香料などを含有することができる。
本発明の化粧料は、水系の製品とするのに好適であり、化粧水、メイクアップ用化粧料、日焼け止め用化粧料、ニキビ用化粧料、デオドラント用化粧料、美白用化粧料等の皮膚化粧料として好適である。
[イソプロピルメチルフェノールの定量]
日立製作所製高速液体クロマトグラフを用い、インタクト社製カラムCadenza CD−C18 (4.6mmφ×150mm、3μm)を装着し、カラム温度40℃でグラジエント法により行った。移動相A液は0.05mol/L酢酸水溶液、B液はアセトニトリルとし、1.0mL/分で送液した。グラジエント条件は以下のとおりである。
時間(分) A液(%) B液(%)
0 85 15
20 80 20
35 10 90
50 10 90
50.1 85 15
60 85 15
試料注入量は10μL、検出は、イソプロピルメチルフェノールは波長283nmの吸光度により定量した。
[原材料]
イソプロピルメチルフェノール(IPMP、大阪化成株式会社製、純度100%)
1,3−ブタンジオール(1,3−BG、KHネオケム株式会社製、純度100%)
1,3−プロパンジオール(1,3−PG、デュポン株式会社製、純度100%)
グリセリン(Gly、花王株式会社製、純度100%)
ジグリセリン(DG、阪本薬品工業株式会社製、純度100%)
製造例1
イソプロピルメチルフェノールを30g/L、1,3−ブタンジオールを500g/L、グリセリンを100g/Lとなるように蒸留水に加え、得られたスラリーを内容積190mLのステンレス製回分式反応器(日東高圧社製)で加熱処理を行った。150℃に達温後1分間保持し速やかに室温(25℃)まで冷却を行った(冷却速度0.5℃/s)。加熱処理中の圧力は0.4MPaであった。冷却後速やかに加熱処理液を抜き出し、孔径0.2μmのPTFEフィルターで濾過し、イソプロピルメチルフェノール組成物を得た。
処理条件と25℃における組成物中のイソプロピルメチルフェノール濃度、1,3−ブタンジオール濃度及びグリセリン濃度を測定した結果を表1に示した。
製造例2〜7
イソプロピルメチルフェノール、1,3−ブタンジオール又は1,3−プロパンジオール、グリセリン又はジグリセリンを、それぞれ表1に示した量となるように蒸留水に加え、製造例1と同様に加熱処理して、イソプロピルメチルフェノール組成物を得た。
処理条件と25℃における組成物中のイソプロピルメチルフェノール濃度、1,3−ブタンジオール濃度、1,3−プロパンジオール濃度、グリセリン濃度及びジグリセリン濃度を測定した結果を表1に示した。
Figure 0005908635
比較製造例1
1,3−ブタンジオールとグリセリンを添加せず、イソプロピルメチルフェノール1.5g/Lを蒸留水に分散し、製造例1と同様にして、イソプロピルメチルフェノール組成物を得た。処理条件と組成物中のイソプロピルメチルフェノール濃度を測定した結果を表2に示した。
比較製造例2
イソプロピルメチルフェノール、1,3−ブタンジオール、及びグリセリンを、それぞれ表2に示した量となるように蒸留水に加え、該スラリーを室温で3日間攪拌(スターラー、500rpm)後、固形物を濾別した。処理条件と液部中のイソプロピルメチルフェノール濃度、1,3−ブタンジオール濃度及びグリセリン濃度を測定した結果を表2に示した。
比較製造例3〜4
グリセリンを添加せず、イソプロピルメチルフェノールと1,3−ブタンジオールをそれぞれ表2に示した量となるように蒸留水に加え、製造例1と同様にして、イソプロピルメチルフェノール組成物を得た。処理条件と組成物中のイソプロピルメチルフェノール濃度、1,3−ブタンジオール濃度を測定した結果を表2に示した。
比較製造例5
1,3−ブタンジオールを添加せず、イソプロピルメチルフェノールとグリセリンをそれぞれ表2に示した量となるように蒸留水に加え、製造例1と同様にして、イソプロピルメチルフェノール組成物を得た。処理条件と組成物中のイソプロピルメチルフェノール濃度、グリセリン濃度を測定した結果を表2に示した。
Figure 0005908635
表1〜2より明らかなように、製造例1〜7では、難水溶性芳香族化合物であるイソプロピルメチルフェノールの含有量が多い難水溶性芳香族化合物含有組成物を得ることができ、難水溶性芳香族化合物の溶解度を顕著に増大させることができた。
また、製造例1〜7で得られた難水溶性芳香族化合物含有組成物を、室温に冷却しても沈殿が析出することなく、安定な溶解状態を保っていた。
実施例1〜7、比較例1〜5
製造例1〜7、比較製造例1〜5で得られたイソプロピルメチルフェノール(IPMPF)組成物を用い、表3及び表4示すデオドラント化粧料を製造し、べたつき感、消臭効果、殺菌効果、すべすべ感及び消臭効果の持続性を評価した。結果を表3及び表4に併せて示す。
(製造方法)
製造例1〜7、比較製造例1〜5で得たIPMP組成物のIPMP濃度分析値を基に、IPMP濃度が0.1質量%になるように室温(25℃)撹拌下の水に滴下して希釈した。その際、成分(D)を、IPMP組成物の滴下の前に、所定の濃度となるように予め水に混合しておいた。
(評価方法)
環境調整室(38℃、相対湿度40%)に30分間入室し、全身が発汗した後に退室した男性5名に対し、各デオドラント化粧料を全身に使用し、デオドラント効果を評価した。
(1)べたつき感:
デオドラント化粧料を塗布した胸部のべたつき感を、使用者本人が以下の基準でスコア判定し、5名の平均値を算出した。
0:べたつかない。
1:ややべたつく。
2:べたつく。
3;非常にべたつく。
(2)消臭効果:
デオドラント化粧料を塗布した直後の全身の汗臭の強さを、使用者本人が以下の基準でスコア判定した。すなわち、基準を5段階に分け、全く臭わなくなった場合を4、塗布前と変わらない場合を0として評価し、5名の平均値を算出した。
(3)殺菌効果:
デオドラント化粧料を塗布した腋部にスタンプ培地(クリーンスタンプ「ニッスイ」SCDLP寒天培地、日水製薬社)を押し当て、35℃、24時間後の培地コロニー数を計測した後、以下の基準でスコア化し、5名の平均値を算出した。
0:コロニー数0個/cm2
1:コロニー数1〜10個/cm2以下。
2:コロニー数11〜100個/cm2以下。
3;コロニー数101個/cm2以上。
(4)すべすべ感:
デオドラント化粧料を塗布した後、日常生活を6時間経過した時の胸部のすべすべ感を、使用者本人が以下の基準でスコア判定した。すなわち、基準を5段階に分け、とてもすべすべする場合を4、全くすべすべしない場合を0として評価し、5名の平均値を算出した。
(5)消臭効果の持続性:
デオドラント化粧料を塗布した後、日常生活を6時間経過した時の全身の汗臭の強さを、使用者本人が以下の基準でスコア判定し、5名の平均値を算出した。
0:塗布前より強くなった。
1:塗布前と変わらない。
2:塗布前より弱くなった。
3;全く臭わなくなった。
Figure 0005908635
Figure 0005908635
IPMPと消臭成分を組み合わせると、IPMPによる殺菌効果による汗臭発現抑制効果に加え、すでに発現してしまっている汗臭を即時に消臭する効果が得られた。
IPMPと殺菌成分を組み合わせると、IPMPでは殺菌効果が不十分な皮膚常在菌に対し、他の殺菌成分を併用することで殺菌性能が高まり、汗臭抑制効果が向上した。
IPMPと感触向上成分である粉体を組み合わせると、粉体による汗の蒸散促進効果によって、菌が増殖しにくい環境となり、IPMPの殺菌効果が向上した。また、すべすべ感が得られた。

Claims (6)

  1. 水性媒体の存在下、(A)トリクロサン及びイソプロピルメチルフェノールから選ばれる1種以上の難水溶性芳香族化合物と(B)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる1種以上の二価アルコールと(C)グリセリン、ジグリセリン及びトリグリセリンから選ばれる1種以上の三価以上のアルコールを100〜180℃で加熱処理することにより、(C)三価以上のアルコールに対する(B)二価アルコールの質量比[(B)/(C)]が1.5〜10である難水溶性芳香族化合物含有組成物を得る工程、及び、
    前記工程で得られた難水溶性芳香族化合物に、(D)消臭成分、殺菌成分及び感触向上成分から選ばれる1種以上を配合する工程を含む、化粧料の製造法。
  2. (B)二価アルコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール及び1,3−ブタンジオールから選ばれる1種以上である請求項記載の製造法。
  3. (C)三価以上のアルコールが、グリセリン又はジグリセリンである請求項1又は2記載の製造法。
  4. 加熱処理する工程において、(B)二価アルコールに対する(A)難水溶性芳香族化合物の質量比[(A)/(B)]が0.02〜1である、請求項1〜のいずれか1項記載の製造法。
  5. 加熱処理する工程において、(B)二価アルコールと(C)三価以上のアルコールの合計量に対する(A)難水溶性芳香族化合物の質量比[(A)/{(B)+(C)}]が0.015〜0.5である、請求項1〜のいずれか1項記載の製造法。
  6. 難水溶性芳香族化合物含有組成物を得る工程が、更に、加熱処理して得られた加熱処理液を0.2℃/s以上の冷却速度で冷却する工程含む、請求項1〜のいずれか1項記載の製造法。
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