JP5906029B2 - 電動モータ - Google Patents
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Description
ステータは、モータハウジングに内嵌される略円環状のステータコア本体(ステータ本体)と、このステータコア本体から径方向内側に向かって突設されたティースとにより構成され、ティースにコイルが巻装されている。
そして、各相のコイルに電流を選択的に供給すると、対応する相のティースに磁界が発生する。そして、この磁界とロータのマグネットとの間に吸引力や反発力が生じ、ロータが回転する(例えば、特許文献1参照)。
請求項2に記載した発明は、前記内周被覆部の径方向先端面に、前記軸受ハウジングを避けるように形成された第1段差部と、前記軸受ハウジングに、前記内周被覆部の径方向先端面を避けるように形成された第2段差部とを有し、前記第1段差部の端面は、前記第2段差部の段面と対向して配置され、前記第1段差部の段差面は、前記第2段差部の段差面と対向して配置され、前記第1段差部の段面は、前記第2段差部の端面と対向して配置される。
また、電動モータの性能を向上させることができるので、所定のモータ性能を満足できれば、従来と比較して電動モータの軸短化、軽量化を図ることが可能になる。
また、渡り線同士が交差する部分を軸方向に沿って配置することが可能になり、絶縁性能を高めることができる。さらに、渡り線をコイルボビンにより保護することができるので、渡り線の絶縁性能を高めることができる。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ブラシレスモータの概略構成図である。
同図に示すように、ブラシレスモータ1は、所謂インナーロータ型のブラシレスモータであって、フロントブラケット2とリヤブラケット3とにより構成されたモータハウジング4内に、ステータ5が収納され、さらにこのステータ5の径方向内側にロータ6を回転自在に支持されている。
また、フロントブラケット2の周壁2aには、開口部2b側にボルト座15が一体成形されている。ボルト座15には、フロントブラケット2とリヤブラケット3とを締結固定するためのボルト16が螺入可能な不図示の雌ネジ部が刻設されている。
そして、フロントブラケット2の底壁2cには、内面側の径方向中央に軸受ハウジング10が一体成形されている。この軸受ハウジング10に、ロータ6の一端側を回転自在に支持するための玉軸受11が設けられている。
さらに、リヤブラケット3の底壁3cには、内面側の径方向中央に軸受ハウジング13が一体成形されている。この軸受ハウジング13に、ロータ6の他端側を回転自在に支持するための玉軸受14が設けられている。
図1、図2に示すように、ステータ5は、磁性材からなる板材をプレス等で打ち抜いた金属板を軸方向に積層したものであって、略円筒状のステータコア本体18を有している。ステータコア本体18は、ステータ5の環状の磁路を形成する部分である。また、ステータコア本体18の外周面が、フロントブラケット2の拡径部7bに内嵌される。
さらに、フロントブラケット2の段差部7aに、ステータコア本体18の一面が当接する一方、他面にリヤブラケット3の縮径部12bの先端が当接することにより、ステータコア本体18の軸方向の位置決めが行われる。
ティース19は、軸方向平面視略T字状に形成されたものであって、ステータコア本体18から径方向に延びる巻胴部19aと、巻胴部19aの先端に一体成形され、周方向に沿って延在する内周部19bとにより構成されている。ステータコア本体18、及びティース19は、絶縁性を有する樹脂で形成されたコイルボビン20に被覆されており、ティース19の巻胴部19aには、コイルボビン20の上からコイル21が集中巻方式にて巻装されるようになっている。
図3は、ステータの展開図であって、隣接するティース19,19間の空隙がスロット22に相当している。なお、図3においては、各ティース19、及び巻装されたコイル21にそれぞれ符号を付して説明する。
ここで、同図に示すように、ブラシレスモータ1は、U相、V相、W相の3相構造となっている。つまり、各ティース19は、隣接する2つのティース19を同相のティース19として設定され、且つこれらティース19とロータ6を中心にして対向する2つのティース19も同相のティース19として設定されている。より具体的には、1番ティース19から12番ティース19は、第1U相、第2U相、第3W相、第4W相、第2V相、第1V相、第3U相、第4U相、第3W相、第4W相、第4V相、第3V相の順に割り当てられている。
図4は、図2とは反対側からみたコイルボビンの斜視図である。
図2、図4に示すように、コイルボビン20は、ステータ5の軸方向両端から、ステータ5全体を覆うように装着され、ステータコア本体18、及びティース19を被覆するようになっている。すなわち、コイルボビン20は、ステータ5のリヤブラケット3側(図2における上側)からステータ5に装着される第1コイルボビン28と、ステータ5のフロントブラケット2側(図2における下側)からステータ5に装着される第2コイルボビン29との2分割構成になっている。
第2コイルボビン29のコア被覆部25には、軸方向外側の端面に、渡り線収納溝27が周方向に沿って全周に渡って形成されている。渡り線収納溝27に、各相のコイル21の渡り線21cが収納される。コア被覆部25は、渡り線収納溝27を形成することにより、内周壁25aと外周壁25bとを有した状態になる。
図2、図3、図5に示すように、巻き始めターミナル23は、各相に対応するように、3つインサート成型されている。巻き始めターミナル23は、巻き始め接続端子23aと、外部接続端子23bと、これら巻き始め接続端子23aと外部接続端子23bとに跨る導電部23cとにより構成されている。
巻き始め接続端子23aは、平面視略U字状に形成されたものであって、各相のコイル21の巻き始め端21aが絡げられるようになっている。一方、外部接続端子23bも平面視略U字状に形成されており、不図示の外部電源から延びるリード線30(図1参照)が絡げられるようになっている。
各巻き終わり接続端子24aは、平面視略U字状に形成されたものであって、各相のコイル21の巻き終わり端21bが絡げられるようになっている。これにより、各相のコイル21の巻き終わり端21bが中性点として互いに接続された状態になる。
そして、コア被覆部25の内周壁25aと、巻胴被覆部26aと、内周被覆部26bとにより形成される凹部34に、コイル21が巻回され、収納される。
そして、内周被覆部26bの端壁31には、径方向内側の面に段差部31aが形成されている一方、軸受ハウジング10の外周面には、コイルボビン20の段差部31aに対応する部位に段差により縮径部10aが形成されていると共に、軸受ハウジング13の外周面には、コイルボビン20の段差部31aに対応する部位に段差により縮径部13aが形成されている。
シャフト41は、この両端がそれぞれ玉軸受11,14を介し、フロントブラケット2、及びリヤブラケット3から軸方向外側に向かって突出するように形成されている。
また、フロントブラケット2の軸受ハウジング10には、シム39が設けられている。このシム39は、薄い金属板によりリング状に形成されたものであって、軸受ハウジング10に設けられている玉軸受11の外輪11aに、リヤブラケット3側に向かう与圧を付勢するようになっている。なお、玉軸受11の外輪11aに与圧を付勢できるものであればシム39に限らない。例えば、シム39に代わってウェーブワッシャ等を用いることも可能である。
エンコーダ43としては、例えば、光学式のエンコーダが用いられる。この場合、ロータリ44の表面には、不図示のロータリスケールが配設されている。ロータリスケールには、スリット等の光学パターンが形成されている。
なお、センサ素子は、エンコーダ43が光学式のエンコーダである場合、ロータリ44のロータリスケールに照射光を照射する発光部と、ロータリ44からの反射光を受光する受光部(何れも不図示)とを有する。そして、照射光、及び反射光の波形信号からロータリ44の回転位置信号を検出する。
ここで、ロータ6のリングマグネット42は、軸方向の長さL1がティース19の軸方向の厚さT1よりも長く設定されている。このため、リングマグネット42の磁束が増大し、ロータ6を効率よく回転させることができる。
したがって、上述の実施形態では、フロントブラケット2の玉軸受11の外径DJ1、及びリヤブラケット3の玉軸受14の外径DJ2は、リングマグネット42の外径DMよりも小さく設定されているので、各軸受ハウジング10,13の外径を、コイルボビン20の内周被覆部26bの内径とほぼ同一か、又は若干大きくなる程度に設定し、コイルボビン20の内周被覆部26bの内側に、各軸受ハウジング10,13を僅かに臨ませた状態であっても、軸受けハウジング10の肉厚T2、及び軸受ハウジング13の肉厚T3を所定の厚さだけ確保することができる。すなわち、各軸受ハウジング10,13を、ステータ5に装着されているコイルボビン20と干渉させることなく、従来よりもステータ5側に寄せて配置することが可能になる。このため、ブラシレスモータ1の軸短化を図ることができ、この結果ブラシレスモータ1の小型化、軽量化を図ることが可能になる。
このため、ステータ5の軸方向一端面におけるコイル21の占有面積を縮小することができ、この分、ステータ5の外径を縮径化できる。よって、さらにブラシレスモータ1の小型化、軽量化を図ることが可能になる。
そして、第1コイルボビン28、及び第2コイルボビン29のうち、第2コイルボビン29のコア被覆部25に渡り線収納溝27を形成し、この渡り線収納溝27に各相のコイル21の渡り線21cを収納している。このため、ティース19の巻胴部19a上に巻回されているコイル21のコイルエンドと同じ高さに渡り線21cを配置することができる。よって、ブラシレスモータ1の軸短化を図ることが可能になる。
例えば、上述の実施形態では、コイルボビン20の内周被覆部26bに、軸受ハウジング10,13を避けるように段差部31aを形成すると共に、軸受ハウジング10,13に、それぞれコイルボビン20の内周被覆部26bを避けるように縮径部10a,13aを形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、内周被覆部26bに段差部31aを形成するか、又は軸受ハウジング10,13に縮径部10a,13aを形成するかの何れか一方でもよい。つまり、内周被覆部26b、及び軸受ハウジング10,13を、互いの干渉を回避可能に形成すればよい。
2 フロントブラケット
3 リヤブラケット
4 モータハウジング
5 ステータ
6 ロータ
10,13 軸受ハウジング
10a,13a 縮径部(第2段差部)
11,14 玉軸受(軸受)
18 ステータコア本体
19 ティース
19b 内周部
20 コイルボビン
21 コイル
21a 巻き始め端
21b 巻き終わり端
21c 渡り線
23 巻き始めターミナル
24 中性点ターミナル
25 コア被覆部
26 ティース被覆部
26b 内周被覆部
27 渡り線収納溝
28 第1コイルボビン
29 第2コイルボビン
31 端壁(先端面)
31a 段差部(第1段差部)
33a,33b コイル引き出し用溝
42 リングマグネット(マグネット)
DM,DJ1,DJ2 外径
L1 長さ
T1 厚さ
Claims (7)
- モータハウジングと、
前記モータハウジングに内嵌固定される環状のステータコア本体、及びこのステータコア本体から径方向内側に向かって突設されたティースを有し、このティースにコイルがコイルボビンを介して巻装されているステータと、
前記ステータの径方向内側に、このステータに対して回転自在配置されたロータとを備え、
前記ロータの外周面には、前記ステータに対応する箇所にマグネットが設けられ、
前記モータハウジングには、前記ロータの前記マグネットよりも軸方向両端側に対応する部位に、それぞれ軸受ハウジングが形成されており、各前記軸受ハウジングに、それぞれ前記ロータを回転自在に支持するための軸受が設けられている電動モータであって、
前記コイルボビンは、前記ティースの内周部を被覆する内周被覆部を有し、
前記軸受ハウジングは、この軸受ハウジングの前記マグネット側の端部が、前記内周被覆部の径方向内側に臨まされるように形成されており、
前記内周被覆部の径方向先端面に、前記軸受ハウジングを避けるように形成された第1段差部、および前記軸受ハウジングに、前記内周被覆部の径方向先端面を避けるように形成された第2段差部の少なくとも何れか一方の段差部を有し、
前記マグネットの外径をDMとし、前記軸受の外径をDJとしたとき、
前記外径DJは、前記外径DMよりも小さく設定されていることを特徴とする電動モータ。 - 前記内周被覆部の径方向先端面に、前記軸受ハウジングを避けるように形成された第1段差部と、
前記軸受ハウジングに、前記内周被覆部の径方向先端面を避けるように形成された第2段差部とを有し、
前記第1段差部の端面は、前記第2段差部の段面と対向して配置され、
前記第1段差部の段差面は、前記第2段差部の段差面と対向して配置され、
前記第1段差部の段面は、前記第2段差部の端面と対向して配置されることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。 - 前記マグネットの軸方向の長さは、前記ステータの軸方向の厚さよりも長く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
- 前記マグネットは、極異方性を有するリングマグネットにより構成され、外周面が磁化されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動モータ。
- 前記コイルのうち、同相同士のコイルは、それぞれ対応する前記ティースに一連に集中巻方式にて巻装されており、
各相の巻き始め端、及び巻き終わり端を、前記ステータの軸方向一端面側に配置すると共に、同相のティース間を跨る前記コイルの渡り線を、前記ステータの軸方向他端面側に配置したことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の電動モータ。 - 前記コイルボビンは、前記ティースを被覆するティース被覆部と、前記ステータコア本体を被覆するコア被覆部とを有し、
前記コア被覆部に、前記コイルの各相の巻き始め端と、外部電源とを電気的に接続するための巻き始めターミナルを埋設すると共に、前記コイルの各相の巻き終わり端同士を電気的に接続するための中性点ターミナルを埋設したことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の電動モータ。 - 前記コア被覆部に、前記コイルの渡り線を収納可能な渡り線収納溝を形成すると共に、前記コイルの巻き始め端、及び巻き終わり端に対応する部位に、前記渡り線収納溝と前記ティース被覆部とを連通するコイル引き出し用溝を形成したことを特徴とする請求項6に記載の電動モータ。
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