JP5904571B2 - 端面発光型半導体レーザ素子 - Google Patents

端面発光型半導体レーザ素子 Download PDF

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Description


本発明は、端面発光型半導体レーザ素子に関する。
一般的な半導体レーザ素子は、半導体基板のへき開端面から光を出射するタイプの構造を有しており、端面発光型レーザと呼ばれている。近年、半導体レーザ素子に関して、フォトニック結晶を用いた応用研究(特許文献1〜特許文献4)が行われている。
特開平11−330619号公報 特開2006−186090号公報 特開2004−172506号公報 特開2004−87980号公報
しかしながら、従来の半導体レーザ素子においては、導波路の幅方向に空間横モード制御するための機能を持たないことがほとんどで、特に導波路幅が広い高出力用半導体レーザの場合には、空間横モードが多数発生し、マルチモード発振となる等、空間横モードを安定化させることができない。横マルチモード発振が不安定に生じた場合には、発光端面における近視野像(NFP)、遠視野像(FFP)が不均一な形状となり、さらに駆動条件により形状が変化していく。このような不安定な空間横モード動作は、レンズ系による精密な集光、光整形が困難になるため、半導体レーザ素子の応用の阻害要因となっている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、素子内に生じる光の電磁界分布を規定することのできるフォトニック結晶を用いて、空間横モード動作を安定させることにより、発光形状を均一化し、駆動条件によるモード変化を抑制できる端面発光型半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る端面発光型半導体レーザ素子は、基板上に少なくとも活性層、光ガイド層及びクラッド層が順次積層されてなる半導体層と、前記半導体層に接触し、この半導体層との接触領域が、前記基板の厚み方向に垂直な一方向に沿って延びている駆動電流用電極と、を備え、前記活性層における前記一方向の一端に位置する端面からレーザ光が出射する端面発光型半導体レーザ素子であって、前記半導体層内に形成された2次元フォトニック結晶を更に備え、前記接触領域の前記一方向を長さ方向とし、この長さ方向及び前記基板の厚み方向の双方に垂直な方向を幅方向とした場合、前記2次元フォトニック結晶は、前記基板に垂直な方向から見た場合、前記接触領域を含み前記接触領域よりも幅方向に広い領域内に位置し、且つ、前記一方向に沿った間隔d1毎に屈折率が周期的に変化する屈折率周期構造を備え、q1を自然数、nを活性層における光の実効屈折率とした場合、波長λの前記レーザ光に対して、ブラッグの回折条件:d1=q1×λ/(2×n)を満たしており、前記2次元フォトニック結晶は、前記一方向に交差する方向に沿った間隔d2毎に屈折率が周期的に変化する屈折率周期構造を備え、q2を自然数とした場合、波長λの前記レーザ光に対して、ブラッグの回折条件:d2=q2×λ/(2×n)を満たしていることを特徴とする。
この場合の端面発光型半導体レーザ素子では、電極接触領域の外側のキャリアが食み出す領域まで2次元フォトニック結晶が形成され、共振器長方向にブラッグ回折条件が満たされているので、素子内部で生じる光の電磁界分布が規定され、得られるレーザ光の空間横モードが安定し、発光形状を均一化することができる。
上述のように、前記2次元フォトニック結晶は、前記一方向に交差する方向に沿った間隔d2毎に屈折率が周期的に変化する屈折率周期構造を備え、q2を自然数とした場合、波長λの前記レーザ光に対して、ブラッグの回折条件:d2=q2×λ/(2×n)を満たしている
この場合の端面発光型半導体レーザ素子では、電極接触領域の外側のキャリアが食み出す領域まで2次元フォトニック結晶が形成され、共振器長と交差する方向にもブラッグ回折条件が満たされているので、素子内部で生じる光の電磁界分布が素子面内で2次元的に規定され、得られるレーザ光の空間横モードが安定し、発光形状を均一化することができる。
すなわち、前記2次元フォトニック結晶は、前記基板に垂直な方向から見た場合、前記接触領域を含み前記接触領域よりも、前記活性層内に供給されたキャリアが、幅方向の外側に、前記幅方向両端位置からそれぞれ食み出した寸法以上に、幅方向に広い領域内に位置していることが好ましい。
キャリアが食み出した部分を含むように2次元フォトニック結晶が形成されているため、素子内部で十分に電磁界分布が素子面内で2次元的に規定され、出射するレーザ光モードを安定化、均一化することができる。
この寸法は、キャリアの拡散長に依存し、片側で3μm以上あれば、フォトニック結晶は、染み出したキャリアの全体に、影響を与えることができる。
また、前記2次元フォトニック結晶は、前記基板に垂直な方向から見た場合、前記接触領域を含み前記接触領域よりも、前記活性層内で発生した光が、幅方向の外側に、前記幅方向両端位置からそれぞれ染み出した寸法以上に、幅方向に広い領域内に位置していることが好ましい。
この場合、光の染み出した部分を含むように2次元フォトニック結晶が形成されている。フォトニック結晶の形成境界部では、光の反射が生じるために散乱が生じ、これが本来の半導体レーザの発振モードを乱す原因となるが、この場合、光の染み出した部分を含むように2次元フォトニック結晶が形成され、2次元フォトニック結晶が幅方向に広い領域に形成されているため、反射による影響は少なくなり、安定した空間横モード動作を可能にすることができる。
本発明の端面発光型半導体レーザ素子によれば、安定で均一な空間横モード動作を図ることができる。
半導体レーザ素子の正面図である。 半導体レーザ素子の平面図である。 フォトニック結晶における格子点の配列を示す図である。 半導体レーザ素子の製造方法を説明するための図である。 供給電流J(mA)と光出力P(mW)の関係を示すグラフである。 光の波長λ(nm)と対数表示の強度I(a.u.)の関係を示すグラフである。 比較例に係る半導体レーザ素子の遠視野像の出射角度θ(°)と強度I(a.u.)の光出力依存性の関係を示すグラフである。 実施例に係る半導体レーザ素子の遠視野像の出射角度θ(°)と強度I(a.u.)の光出力依存性の関係を示すグラフである。 比較例に係る半導体レーザ素子の近視野像の距離D(μm)と強度I(a.u.)の関係を示すグラフである。 実施例に係る半導体レーザ素子の近視野像の距離D(μm)とI強度(a.u.)の関係を示すグラフである。
以下、実施の形態に係る端面発光型半導体レーザ素子(以下、単に半導体レーザ素子という)について説明する。なお、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、半導体レーザ素子の正面図である。同図では、XYZ三次元直交座標系が示されており、基板厚み方向をZ軸、共振器長方向をX軸とし、これらに垂直な幅方向をY軸に設定する。
半導体レーザ素子は、半導体基板1上に順次形成された下部クラッド層2、下部光ガイド層3A、活性層3B、上部光ガイド層3C、2次元フォトニック結晶層4、上部クラッド層5、キャップ層(コンタクト層)6を備えている。半導体基板1の裏面側には、電極9が全面に設けられており、キャップ層6のY軸方向の中央部では、駆動電流用電極8が接触している。上部の電極8は、キャップ層6上に設けられた絶縁層7上に形成されているが、絶縁層7には、X軸方向に延びた長方形の開口が形成されており、電極8は、この開口を介して、キャップ層6に接触している。
これらの化合物半導体層の材料/厚みは以下の通りである。なお、導電型の記載のないものは不純物濃度が1015/cm以下の真性半導体である。なお、不純物が添加されている場合の濃度は、1017〜1020/cmである。
また、下記は本実施の形態の一例であって、活性層3Bおよびフォトニック結晶層4を含む構成であれば、材料系、膜厚、層の構成には自由度を持つ。なお、MOCVD法によるAlGaAsの成長温度は500℃〜850℃であって、成長時におけるAl原料としてTMA(トリメチルアルミニム)、ガリウム原料としてTMG(トリメチルガリウム)およびTEG(トリエチルガリウム)、As原料としてはAsH3(アルシン)、N型不純物用の原料としてSi(ジシラン)、P型不純物用の原料としてDEZn(ジエチル亜鉛)を用いた。GaAsの形成時には、AlGaAsの形成工程において、Al原料(TMA)の供給を停止する。
・キャップ層6:
P型のGaAs/50〜500nm
・上部クラッド層5:
P型のAlGaAs/1.0〜3.0μm
・フォトニック結晶層4:
i型のGaAs/50〜500nm
・上部光ガイド層3C:
i型のAlGaAs/10〜500nm
・活性層3B(多重量子井戸構造):
i型のAlGaAs/InGaAs MQW/10〜100nm
・下部光ガイド層3A:
i型のAlGaAs/10〜5000nm
・下部クラッド層2:
N型のAlGaAs/1.0〜3.0μm
・半導体基板1:
N型のGaAs/80〜350μm
なお、電極8は、上述の層2〜6からなる半導体層に接触しており、接触領域はX軸に沿って延びている。上下の電極8,9間に電流を流すと、電極8における接触領域の直下の領域(幅Wの領域)を電流が流れ、この領域の発光層3が発光して、レーザ光が基板の端面に垂直な方向に向かって出力される。なお、ここで発光層3は、活性層3Bと上下のガイド層3A,3Cを含む層とする。
なお、フォトニック結晶層4は、もともとある基本層と、基本層に格子点としての孔(穴)を空けてなる層を備えており、孔の形成された位置を凹部4D、孔の形成されていない位置を凸部4Pと呼ぶことにする。
なお、図1ではフォトニック結晶層4は、基本層に格子点として孔(穴)が形成された後、全体にP型クラッド層5が形成されている構成を示しているが、凹部4DがP型クラッド層と異なる材料で埋め込まれていても良いし、凹部4Dが埋め込まれずに、空孔が残されたまま上部層が形成されていても良い。
なお、凹凸部の関係は逆転させることも可能である。すなわち、フォトニック結晶層4は、もともとある基本層と、基本層に格子点としての円柱が残留するようにエッチングを施し、周囲を埋める埋め込み層を備えており、この場合、円柱が形成された位置を凸部4P、円柱が形成されていない位置を凹部4Dと呼ぶことにする。
図2は、半導体レーザ素子の平面図である。
レーザ光LT1は、共振器の一端に位置する前方の素子端面から出射される。もちろん、逆方向の他端に位置する後方の素子端面からもレーザ光LT2が出射される。この後方端面には高反射膜が設けられ、出力強度は前方への出力強度よりも小さくされる場合もある。
ここで、幅Wで規定される電極8の接触領域の直下に電流が流れるが、キャリアは横方向へも若干食み出す。幅Wの接触領域から幅方向に食み出してキャリアが流れる領域は、幅W1で規定されており、線分L1と線分L0の間の領域である。幅W1は、キャリアの拡散長で規定され、一般的には化合物半導体では3μmである。この寸法W1が片側で3μm以上あれば、フォトニック結晶は、染み出したキャリアの全体に、影響を与えることができる。
更に、活性層3Bで発生した光はガイド層3A、3Bに沿って発光層3を横方向に広がる。幅Wの接触領域から幅方向に染み出して光が広がる領域は、幅W2で規定されており、線分L2と線分L0の間の領域である。この幅W2は、50μm程度である。
Z軸方向から見た場合に、フォトニック結晶は、幅W1を規定する線分L1よりも外側、好ましくは幅W2を規定する線分L2よりも外側の領域まで形成されていることが好ましい。
すなわち、2次元フォトニック結晶は、基板1に垂直な方向(Z軸)から見た場合、幅Wの接触領域を含み接触領域よりも幅方向に広い領域内に位置し、且つ、X軸方向に沿った間隔d1毎に屈折率が周期的に変化する屈折率周期構造を備えている。間隔d1は、フォトニック結晶層において、屈折率が周囲と異なる格子点の重心間距離(X軸方向距離)で与えられる。
屈折率周期構造は、q1を自然数、nを活性層における光の実効屈折率とした場合、波長λのレーザ光に対して、ブラッグの回折条件:d1=q1×λ/(2×n)を満たしている。例えば、波長λ=980nm、q1=2、n=3.35、d1=292.5nmである。
この場合の半導体レーザ素子では、電極接触領域の外側のキャリアが食み出す領域まで2次元フォトニック結晶が形成され、共振器長方向にブラッグ回折条件が満たされているので、光のモードが安定し、発光形状を均一化することができる。
また、2次元フォトニック結晶は、X軸に交差する方向(例:Y軸方向、又は、X軸と60度をなす方向)に沿った間隔d2毎に屈折率が周期的に変化する屈折率周期構造を備え、q2を自然数とした場合、波長λのレーザ光に対して、ブラッグの回折条件:d2=q2×λ/(2×n)を満たしている。
この場合の半導体レーザ素子では、電極接触領域の外側のキャリアが食み出す領域まで2次元フォトニック結晶が形成され、共振器長と交差する方向にもブラッグ回折条件が満たされているので、光のモードが安定し、発光形状を均一化することができる。
すなわち、2次元フォトニック結晶は、基板に垂直な方向から見た場合、幅Wで規定される接触領域を含み接触領域よりも、活性層3B内に供給されたキャリアが、幅方向の外側に、幅方向両端位置からそれぞれ食み出した寸法W1以上に、幅方向に広い領域内に位置している。
キャリアが食み出した部分を含むように2次元フォトニック結晶が形成されているため、素子内の光電磁界分布が規定されることで、光のモードが安定し、発光形状を均一化することができる。
また、2次元フォトニック結晶は、基板に垂直な方向から見た場合、幅Wで規定される接触領域を含み接触領域よりも、活性層3B内で発生した光が、幅方向の外側に、幅方向両端位置からそれぞれ染み出した寸法W2以上に、幅方向に広い領域内に位置している。
この場合、光の染み出した部分を含むように2次元フォトニック結晶が形成されているため、フォトニック結晶の形成境界部での反射に起因した発振モードへの影響を無視することができ、安定した空間横モード動作を可能にすることができる。
図3は、フォトニック結晶における格子点の配列を示す図である。ここでは、エッチングによって形成された円形の凹部4Dが配列している例を示しているが、エッチングによって円柱状の凸部4Pが形成されている構造の場合には、凹部4Dの位置を凸部4Pに読み替える。
図3(a)では、正方格子の格子点位置に凹部4Dが位置しており、X軸方向(共振器方向)には凹部4Dは、間隔a毎に配置されている。間隔aは、上記距離d1に等しい。凹部4Dは、Y軸方向に沿っても、等間隔で配置されており、この間隔は上記距離d1に等しい。
図3(b)では、長方格子の格子点位置に凹部4Dが位置しており、X軸方向(共振器方向)には凹部4Dは、間隔a毎に配置されている。間隔aは、上記距離d1に等しい。凹部4Dは、Y軸方向に沿っても、等間隔で配置されており、ここでは、Y軸方向の間隔d2の方がX軸方向の間隔d1よりも広く設定されているが、狭く設定されていても良い。また、Y軸方向の間隔d2は上記ブラッグ条件を満たしていても良い。
図3(c)では、三角格子の格子点位置に凹部4Dが位置しており、X軸方向(共振器方向)には凹部4Dは、間隔a毎に配置されている。間隔aは、上記距離d1に等しい。凹部4Dは、X軸と60度をなす方向に沿っても、等間隔で配置されており、この間隔は上記距離d1に等しい。ここでは、交差する方向の間隔とX軸方向の間隔d1は等しく設定されている。
図3(d)においても、三角格子の格子点位置に凹部4Dが位置しており、X軸方向(共振器方向)には凹部4Dは、間隔a毎に配置されている。間隔aは、上記距離d1に等しい。凹部4Dは、Y軸方向に沿っても、等間隔で配置されており、ここでは、Y軸方向の間隔d2の方がX軸方向の間隔d1よりも広く設定されている。図3においてはフォトニック結晶の角格子点形状を円形として示したが、これに限らず三角形、台形、楕円形等の他の形状、あるいは複数点からなる格子点形状を用いても良い。
図4は、半導体レーザ素子の製造方法を説明するための図である。
まず、基板1上に、MOCVD法を用いて、下部クラッド層2、発光層3、フォトニック結晶層4を順次積層する(図4(a))。次に、レジストをフォトニック結晶層4上に塗布した後、フォトレジストを露光によりパターニングし、次に、これをマスクとしてフォトニック結晶層4をエッチングし、複数の孔4Dをエッチングで空ける(図4(b))。レジストの露光は通常の紫外線露光装置を用いることもできるが、電子ビーム描画露光、ナノインプリント法、干渉露光法を用いても良い。また、本作製例では2次元フォトニック結晶を素子全体に形成している。
次に、MOCVD法を用いて、この上に上部クラッド層5、キャップ層6を順次積層する(図4(c))。最後に、SiNからなる絶縁層7をプラズマCVD法によりキャップ層6上に形成する。絶縁層7には、レジストを塗布し、これを露光・現像してパターニングすることで、X軸方向に沿った開口が形成されたレジストパターンを得る。次に、このレジストをマスクとして、絶縁層7を反応性イオンエッチングしてパターニングし、X軸方向に沿った開口を形成する。しかる後、絶縁層7上に電極8を蒸着して形成する(図4(d))。この電極材料としては、Ti/Pt/Auを用いることができる。基板1を150μmの厚み以下になるまで研磨し、化学処理を行って、表面の歪み・汚れを除去した後、電極9を基板1の裏面に蒸着する。この電極材料としては、AuGe/Auを用いることができる。以上のようにして作製した素子基板を、所望の素子サイズとなるようにへき開してチップ化する。最後に、必要に応じて、前側の端面に低反射膜、後側の端面に高反射膜を形成することで、図1に示した半導体レーザ素子が完成する。
上記半導体レーザ素子(図3(a):格子点の凹部4Dの直径R=135nm、X軸方向の格子間隔a=292nm、Y軸方向の格子間隔=a)を試作した。なお、フォトニック結晶は、Z軸方向から見て基板全面に形成し、共振器長は2000μm、幅Wは100μmに設定した。これを実施例とし、同様に、フォトニック結晶層を備えないファブリペロー型半導体レーザ素子も作製し、これを比較例とした。
図5は、実施例に係る半導体レーザ素子の連続CW駆動時における供給電流J(mA)と出力P(mW)の関係を示すグラフである。電流の増加と共に、出力は直線的に増加している。
図6は、実施例に係る光の波長λ(nm)と強度I(a.u.)の関係を示すグラフである。強度Iは対数で示されている。波長980nmにおいて単一のピークが得られている。フォトニック結晶のない従来のファブリペロー型素子においては、複数のピークを持つマルチスペクトル発振が生じるため、フォトニック結晶の効果が働くことにより、単一ピークとなっていることが分かる。
図7は、比較例に係るレーザ素子の発光層3に沿った方向の遠視野像の出射角度θ(°)と強度I(a.u.)の関係を示すグラフ、図8は、実施例に係るレーザ素子の発光層3に沿った方向の遠視野像の出射角度θ(°)とI強度(a.u.)の関係を示すグラフである。素子の光出力は、100mWから1000mWまで変化させた。角度θは、レーザ放射光の基準軸(Y軸)方向の広がり角度である。
実施例では、比較例よりも、遠視野像において、出射角度(放射角)θ(°)が狭くなっていることが分かる。実施例では、ピーク数も少なく、また、ピーク形状の出力依存性も小さくなっており、光学系レンズによるレーザ光の取り扱いが容易になると考えられる。
図9は、比較例に係るレーザ素子の近視野像の発光層3に沿った方向の距離D(μm)と強度I(a.u.)の関係を示すグラフ、図10は、実施例に係るレーザ素子の近視野像の距離D(μm)と強度I(a.u.)の関係を示すグラフである。素子の光出力を100mW,500mWとして測定を行った。距離Dは、発光層3の基準軸(Y軸)方向に沿った距離である。比較例では、出力増加に伴って、ピーク数が増加し、発光ピーク位置も変化している。すなわち、空間横モードが安定していない。一方、実施例では、近視野像の強度が均一となっており、発光のばらつきが少なく、空間横モードの変化が抑制され、安定していることが分かる。このような場合、レンズによる集光が精密に行え、位置的に均一な光強度分布が得られるため、応用範囲が広く、デバイスとして優れていると考えられる。
以上のように、実施例の半導体レーザ素子では、単峰性の狭いスペクトル幅で発振動作し、放射パターンが狭く、ピーク数も少なく、且つ、光出力依存性も小さい。また、近視野像においても、均一な光分布を有しており、安定な空間横マルチモードが生じていることが分かる。なお、上述の効果は、フォトニック結晶における共振器長方向の屈折率の周期構造と、フォトニック結晶における共振器の幅方向に広がる領域の存在によって得られていると考えられ、これらの条件が満たされていれば、凹部形状やその配置等が他の構造であっても、同様の効果が得られる。また、製造時のバラツキを考慮すると、製品毎の特性を均一化させるためには、フォトニック結晶の共振器長に対する幅方向の広がりは、発光領域よりも十分に広いことが好ましく、したがって、フォトニック結晶は、活性層の形成領域の全面を覆うように形成されていることが好ましい。
4…2次元フォトニック結晶、8…電極、1…半導体基板、2…下部クラッド層、3B…活性層、5…上部クラッド層、6…キャップ層。

Claims (4)

  1. 基板上に少なくとも活性層、光ガイド層及びクラッド層が順次積層されてなる半導体層と、
    前記半導体層に接触し、この半導体層との接触領域が、前記基板の厚み方向に垂直な一方向に沿って延びている駆動電流用電極と、を備え、前記活性層における前記一方向の一端に位置する端面からレーザ光が出射する端面発光型半導体レーザ素子であって、
    前記半導体層内に形成された2次元フォトニック結晶を更に備え、
    前記接触領域の前記一方向を長さ方向とし、この長さ方向及び前記基板の厚み方向の双方に垂直な方向を幅方向とした場合、
    前記2次元フォトニック結晶は、
    前記基板に垂直な方向から見た場合、前記接触領域を含み前記接触領域よりも幅方向に広い領域内に位置し、且つ、
    前記一方向に沿った間隔d1毎に屈折率が周期的に変化する屈折率周期構造を備え、
    q1を自然数、nを活性層における光の実効屈折率とした場合、波長λの前記レーザ光に対して、ブラッグの回折条件:
    d1=q1×λ/(2×n)を満たしており、
    前記2次元フォトニック結晶は、
    前記一方向に交差する方向に沿った間隔d2毎に屈折率が周期的に変化する屈折率周期構造を備え、
    q2を自然数とした場合、波長λの前記レーザ光に対して、ブラッグの回折条件:
    d2=q2×λ/(2×n)を満たしていることを特徴とする端面発光型半導体レーザ素子。
  2. 前記2次元フォトニック結晶は、前記基板に垂直な方向から見た場合、前記接触領域を含み前記接触領域よりも、前記活性層内に供給されたキャリアが、幅方向の外側に、前記幅方向両端位置からそれぞれ食み出した寸法以上に、幅方向に広い領域内に位置していることを特徴とする請求項1に記載の端面発光型半導体レーザ素子。
  3. 前記寸法は3μmであることを特徴とする請求項2に記載の端面発光型半導体レーザ素子。
  4. 前記2次元フォトニック結晶は、前記基板に垂直な方向から見た場合、前記接触領域を含み前記接触領域よりも、前記活性層内で発生した光が、幅方向の外側に、前記幅方向両端位置からそれぞれ染み出した寸法以上に、幅方向に広い領域内に位置していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の端面発光型半導体レーザ素子。
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