JP5902456B2 - 重合体粒子、導電性粒子及び異方性導電材料 - Google Patents

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Description

本発明は、重合体粒子及び該重合体粒子表面に導電性金属層を形成した導電性粒子、並びに該導電性粒子を含有する異方性導電材料に関するものである。
電子機器は、年々小型化、薄型化と共に高機能化が図られている。そのため、例えば、液晶ディスプレイパネルのITO(酸化インジウムスズ)電極と駆動用のLSI(Large Scale Integration)との接続、LSIチップと回路基板との接続、微細パターン電極端子間の接続等の電子機器類の微小部位間の電気的接続には、導電性粒子を含有する異方性導電材料を用いた電気的接続が採用されている。
異方性導電材料に用いられる導電性粒子は、圧縮変形性に優れるという理由から、一般に、樹脂粒子を芯材とし該芯材の表面に導電性金属層が形成されたものが使用される。また、接続安定性の点で優れた異方性導電材料とするためには、柔軟性が高く回復率の高い粒子が用いられている。
このような回復率の高い粒子として、例えば、特定のアクリルモノマーから構成され、圧縮変形回復率が80%以上、圧縮弾性率(20%K値)が1000〜4000mN/mm2である樹脂粒子(特許文献1(請求項4)参照);圧縮弾性率(10%K値)が10〜50kgf/mm2(98〜490N/mm2)、圧縮変形回復率30%以上である重合体微粒子(特許文献2(請求項1)参照);圧縮弾性率(10%K値)が10〜250kgf/mm2(98〜2450N/mm2)、圧縮変形回復率30%以上である重合体微粒子(特許文献3(請求項1)参照);が提案されている。
特開2010−159328号公報 特開2000−309715号公報 特開2000−319309号公報
導電性粒子は、芯材となる粒子が硬質な場合には、電極等を加圧接続する際に導電性粒子が被着体へと押し込まれ、圧痕を形成することができ接続面積が増加する。また、加圧接続時に、導電性粒子と被着体との間に存在するバインダー樹脂を排除しやすくなる。そのため、異方性導電材料を用いた電気的接続において、低抵抗を実現するには、芯材が硬質であることが好ましい。しかしながら、特許文献1〜3に記載されているような重合体粒子は、回復率には優れるものの、硬度が不十分であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、被着体に対して圧痕を形成でき、且つ、接続信頼性に優れた導電性粒子を提供することを目的とする。また、本発明は、上記のような導電性粒子を含有する異方性導電材料を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記のような導電性粒子の芯材として好適に使用し得る重合体粒子を提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明の重合体粒子は、ビニルトリアルコキシシランのシロキサン結合体を含む粒子を、200℃以上の温度で熱処理して得られることを特徴とする。前記ビニルトリアルコキシシランのシロキサン結合体を含む粒子は、さらにビニル重合体を含むことが好ましい。本発明の重合体粒子は、個数平均粒子径が0.5μm〜4.0μmであることが好ましく、10%K値が3000N/mm2以上であることが好ましく、回復率が80%以上であることが好ましい。
本発明には、前記重合体粒子表面に導電性金属層を有する導電性粒子、該導電性粒子とバインダーとを含有する異方性導電材料も含まれる。
本発明の重合体粒子は、回復率に優れ、且つ、高い硬度を有する。よって、本発明の重合体粒子を液晶表示パネルにおける液晶セルやタッチパネルのセルのギャップ保持用スペーサーとして用いると、保持安定性に優れたものとなる。また、本発明の導電性粒子は、前記重合体粒子を芯材とするため、加圧接続時に被着体に圧痕を形成できると共に、接続面積を増加できるため、低抵抗を実現できる。また、圧縮変形回復率に優れるため、長期にわたり良好な接続安定性を維持することができる。また、該導電性粒子を含有した異方性導電材料を用いることにより、低抵抗、且つ、接続安定性に優れた接続構造体が得られる。
1.重合体粒子
本発明の重合体粒子は、ビニルトリアルコキシシランのシロキサン結合体を含む粒子を熱処理して得られる。ビニルトリアルコキシシランを、触媒存在下における溶液中での加水分解・縮合反応させた場合、シロキサン結合体には、未反応のヒドロキシ基(ケイ素に結合するもの)又はアルコキシ基が残存する。シロキサン結合体を含む粒子を熱処理することにより、これらの残存ヒドロキシ基や残存アルコキシ基の加水分解・縮合反応を促進できる。よって、より架橋密度の高いポリシロキサン構造が形成され、回復率が著しく向上した粒子が得られる。
前記熱処理は空気中、不活性ガス中で行うことが好ましく、窒素ガス中で行うことがより好ましい。前記熱処理の温度は200℃以上が好ましく、より好ましくは250℃以上、さらに好ましくは270℃以上であり、熱分解温度未満が好ましく、より好ましくは400℃以下、さらに好ましくは370℃以下である。
前記熱処理の時間は、0.3時間以上が好ましく、より好ましくは0.5時間以上、さらに好ましくは0.7時間以上であり、10時間以下が好ましく、より好ましくは5.0時間以下、さらに好ましくは3.0時間以下である。
前記ビニルトリアルコキシシランのシロキサン結合体を含む粒子としては、例えば、ビニルトリアルコキシシランを含むシラン系単量体の(共)加水分解・縮合物からなる骨格(ポリシロキサン骨格)を含む粒子(i);ビニルトリアルコキシシランを含むシラン系単量体の(共)加水分解・縮合物からなる骨格(ポリシロキサン骨格)と、ビニルトリアルコキシシランを含むビニル系単量体の重合体骨格(ビニル重合体骨格)を含む粒子(ii);等が挙げられる。
これらの中でも、前記(ii)が好ましい。ポリシロキサン骨格とビニル重合体を有する粒子は、弾性変形性及び接触圧に優れ、得られる導電性粒子の接続信頼性がより優れたものとなる。また、液晶表示パネルにおける液晶セルやタッチパネルのセルのギャップ保持用スペーサーとして用いた場合には、ギャップ保持安定性に優れたものとなる。
前記ビニルトリアルコキシシランは、ケイ素原子に、ビニル基と、3つのアルコキシ基が結合している。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基としては、炭素数1〜5のものが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4、さらに好ましくは炭素数1〜3である。なお、3つのアルコキシ基は、同一でも異なっていてもよいが、3つのアルコキシ基が同一のものが好ましい。
前記ビニルトリアルコキシシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリtert−ブトキシシラン等が挙げられる。
前記ポリシロキサン骨格は、ビニルトリアルコキシシラン及び必要に応じてビニルトリアルコキシシラン以外のシラン系単量体(以下、「他のシラン系単量体」という場合がある。)を用いることによって形成でき、この他のシラン系単量体はシラン系架橋性単量体とシラン系非架橋性単量体とに分けられる。また、シラン系単量体としてシラン系架橋性単量体を用いると、架橋構造を形成し得る。シラン系架橋性単量体により形成される架橋構造としては、ビニル重合体とビニル重合体とを架橋するもの(第一の形態);ポリシロキサン骨格とポリシロキサン骨格とを架橋するもの(第二の形態);ビニル重合体とポリシロキサン骨格とを架橋するもの(第三の形態);が挙げられる。
第一の形態(ビニル重合体間架橋)を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン等の2つ以上のラジカル重合性基を有するシラン化合物が挙げられる。
第二の形態(ポリシロキサン間架橋)を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シラン系単量体;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の3官能性シラン系単量体等が挙げられる。
第三の形態(ビニル重合体−ポリシロキサン間架橋)を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するジ又はトリアルコキシシラン;p−スチリルトリメトキシシラン等のビニル基を有するジ又はトリアルコキシシラン;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;が挙げられる。これらのシラン系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シラン系非架橋性単量体として、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルシラン等の2官能性シラン系単量体;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルシラン等の1官能性シラン系単量体等が挙げられる。これらのシラン系非架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シラン系単量体として、ビニルトリアルコキシシラン以外のものを用いる場合、全シラン系単量体中のビニルトリアルコキシシランの含有量は、60質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上が好ましい。なお、シラン系単量体として、ビニルトリアルコキシシランのみを用いることも好適である。ビニルトリアルコキシシランの含有量が60質量%以上であれば、弾性変形性及び接触圧に優れ、得られる導電性粒子の接続信頼性がより優れたものとなる。
前記ビニル重合体は、ビニル系単量体を重合(ラジカル重合)することによって形成でき、このビニル系単量体はビニル系架橋性単量体とビニル系非架橋性単量体とに分けられる。
前記ビニル系架橋性単量体とは、ラジカル重合性基を有し架橋構造を形成し得るものであり、具体的には、1分子中に2個以上のラジカル重合性基を有する単量体(単量体(1))、または、1分子中に1個のラジカル重合性基とこれ以外の結合性官能基(カルボキシル基、ヒドロキシ基等のプロトン性水素含有基、アルコキシ基等の末端官能基等)を有する単量体(単量体(2))が挙げられる。ただし、単量体(2)によって架橋構造を形成させるには、当該単量体(2)の結合性官能基と反応(結合)可能な相手方単量体の存在が必要である。
なお、「ラジカル重合性基」には、炭素−炭素二重結合のみならず、(メタ)アクリロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような官能基と重合性炭素−炭素二重結合から構成される置換基も含まれる。なお、本明細書において「(メタ)アクリロキシ基」、「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、それぞれ「アクリロキシ基及び/又はメタクリロキシ基」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を示すものとする。
前記ビニル系架橋性単量体のうち前記単量体(1)(1分子中に2個以上のラジカル重合性基を有する単量体)の例として、例えば、アリル(メタ)アクリレート等のアリル(メタ)アクリレート類;アルカンジオールジ(メタ)アクリレート(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート等)、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族炭化水素系架橋剤(好ましくはジビニルベンゼン等のスチレン系多官能モノマー);N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のヘテロ原子含有架橋剤;等が挙げられる。単量体(1)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル系架橋性単量体のうち前記単量体(2)(1分子中に1個のラジカル重合性基とこれ以外の結合性官能基を有する単量体)としては、例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基含有スチレン類等のヒドロキシ基を有する単量体;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類等のアルコキシ基を有する単量体;等が挙げられる。単量体(2)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル系非架橋性単量体としては、1分子中に1個のラジカル重合性基を有する単量体(単量体(3))か、もしくは相手方単量体が存在しない場合の前記単量体(2)(1分子中に1個のラジカル重合性基とこれ以外の結合性官能基を有する単量体)が挙げられる。
前記ビニル系非架橋性単量体のうち前記単量体(3)(1分子中に1個のラジカル重合性基を有する単量体)には、(メタ)アクリレート系単官能モノマーやスチレン系単官能モノマーが含まれる。(メタ)アクリレート系単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類が挙げられ、メチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。スチレン系単官能モノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン(エチルビニルベンゼン)、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン基含有スチレン類等が挙げられ、スチレンが好ましい。単量体(3)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル系単量体としては、ビニル系架橋性単量体が好ましく、より好ましくは前記単量体(1)である。特に、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート類(多官能(メタ)アクリレート)や、芳香族炭化水素系架橋剤(特にスチレン系多官能モノマー)が好ましい。前記スチレン系多官能モノマーの中では、ジビニルベンゼンのように1分子中に2個のビニル基を有する単量体が好ましい。ジビニルベンゼンを用いれば、硬度が高く、耐熱性に優れた重合体粒子が得られる。
前記ビニル系単量体を用いる場合、その使用量は、シラン系単量体100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上であり、200質量部以下が好ましく、より好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下である。ビニル系単量体の使用量が10質量部以上であれば、ビニル系重合体の柔軟性を発現することができ、200質量部以下であれば、シラン系縮合体の硬質性を発現することができる。
また、この場合、他のシラン系単量体及び前記ビニル系単量体の合計使用量とビニルトリアルコキシシランの使用量との質量比(他のシラン系単量体+ビニル系単量体/ビニルトリアルコキシシラン)を0.1以上とすることが好ましく、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上であり、2以下とすることが好ましく、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1以下である。
前記ビニルトリアルコキシシランを含む粒子は、例えば、ビニルトリアルコキシシランを含むシラン系単量体の(共)加水分解・縮合物からなる骨格を含む粒子(i)は、ビニルトリアルコキシシランを含むシラン系単量体を加水分解・縮合重合することで得られる。また、ビニルトリアルコキシシランを含むシラン系単量体の(共)加水分解・縮合物からなる骨格と、ビニルトリアルコキシシランを含むビニル系単量体の重合体骨格を含む粒子(ii)は、ビニルトリアルコキシシランを含むシラン系単量体を加水分解、縮合反応を行って、重合性ポリシロキサン粒子を調製した後、該重合性ポリシロキサン粒子にビニル系単量体を吸収させラジカル重合することで得られる。
そして、上述したように、ビニルトリアルコキシシランのシロキサン結合体を含む粒子に熱処理を施すことにより、本発明の重合体粒子が得られる。
本発明の重合体粒子の個数平均粒子径は、0.5μm以上が好ましく、12μm以下が好ましく、より好ましくは4.0μm以下、さらに好ましくは3.5μm以下、特に好ましくは3.2μm以下である。粒子径が0.5μmよりも小さいと、表面を導電性金属層で被覆して導電性粒子とする際に粒子が凝集し易く、均一な導電性金属層を形成し難い場合がある。一方、粒子径が12μmを超えると、導電性粒子としたときの適用用途が限られ、工業上の利用分野が少なくなる傾向がある。
本発明の重合体粒子を基材とする導電性粒子とし、異方性導電材料に用いる場合には、重合体粒子の粒子径は、個数平均粒子径で0.5μm以上が好ましく、より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは1.6μm以上、特に好ましくは2.0μm以上であり、4.0μm以下が好ましく、より好ましくは3.5μm以下、さらに好ましくは3.2μm以下、一層好ましくは3.0μm以下、より一層好ましくは2.8μm以下、さらに一層好ましくは2.7μm以下、特に好ましくは2.6μm以下、最も好ましくは2.5μm以下である。被接続媒体におけるファインピッチ化、低ギャップ化に伴い、導電性粒子にも小粒子径が要求されている。また、被着体又は被着体基板の薄膜化に伴い低圧接続での低い接続抵抗が要求されている。また、特に個数平均粒子径が3.2μm以下であれば、微小変形時の圧縮弾性率(10%K値)が高くなり、被着体への圧痕形成能が一層向上し、安定した接続状態が得られ易くなる。また、粒子径の変動係数は20%以下が好ましく、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは7%以下である。
本発明の重合体粒子の10%圧縮荷重は、0.588mN(0.06gf)以上が好ましく、より好ましくは0.686mN(0.07gf)以上、さらに好ましくは0.784mN(0.08gf)以上であり、1.960mN(0.2gf)以下が好ましく、より好ましくは1.764mN(0.18gf)以下、さらに好ましくは1.568mN(0.16gf)以下である。10%圧縮荷重が上記範囲内であれば、重合体粒子を導電性粒子用の芯材として用いた場合に、電極等の被接続媒体に圧痕を形成することができるとともに実用上問題ない接続面積を確保することができる。
本発明の重合体粒子は、10%圧縮変形させた際の圧縮弾性率が3000N/mm2以上が好ましく、より好ましくは5000N/mm2以上、さらに好ましくは10000N/mm2以上、一層好ましくは12000N/mm2以上、より一層好ましくは15000N/mm2以上、さらに一層好ましくは19600N/mm2超、特に好ましくは20000N/mm2以上であり、50000N/mm2以下が好ましく、より好ましくは40000N/mm2以下、さらに好ましくは30000N/mm2以下である。
すなわち、圧縮変形させる際における、変形初期の圧縮弾性率が高いことが好ましい。芯材となる粒子が軟質な場合には、加圧接続する際に小さな圧力で圧縮変形するため、比較的容易に大きな接続面積を得ることができる。しかしながら、軟質であるため、被着体に対して圧痕を形成することができず、また、導電性粒子と被着体との間に存在するバインダー樹脂を排除しにくいため、接続抵抗値を低くすることが困難となる。しかし、重合体粒子が変形初期において高い圧縮弾性率を有していれば、該重合体粒子を芯材とする導電性粒子では、電極等を加圧接続する際に導電性粒子が被着体へと押し込まれ、圧痕を形成することができる。また、加圧接続時に、導電性粒子と被着体との間に存在するバインダー樹脂を排除しやすくなる。よって、接続抵抗値をより低くすることができる。
なお、重合体粒子の圧縮弾性率は、重合体粒子を圧縮変形させる際の圧縮荷重、圧縮変位、及び粒子径に基づいて下記式により求めることができる。なお、以下では、変位量10%における圧縮弾性率(K値)を、10%K値と称する。
[式中、K:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子半径(mm)を表す。]
本発明の重合体粒子の回復率は、70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上であり、99%以下が好ましく、より好ましくは97%以下、さらに好ましくは95%以下である。前記回復率が70%以上であれば、異方性導電材料として用いた時、経時的な電極ギャップの変化に追随できるため、良好な接続信頼性が得られ、99%以下であれば、圧着時に被着体に圧痕を形成させつつ、接触面積を増大できる。なお、回復率の測定方法は後述する。
本発明の重合体粒子は、適度な硬度を有し、且つ、高い回復率を有するため、液晶表示装置等の表示ディスプレイ、タッチパネル等のセル間隙(又はパネル間隙)用のスペーサー;マイクロ素子実装用の異方性導電材料に使用される導電性粒子の芯材;等に有用である。
2.導電性粒子
本発明の導電性粒子は、上記重合体粒子の表面を被覆する導電性金属層を有するものである。したがって、本発明の導電性粒子は、上述の重合体粒子の特性を備えたものである。上記導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、スズが導電性に優れており好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、銀、銀合金、スズ、スズ合金が好ましく、中でもニッケル、ニッケル合金(Ni−P、Ni−B、Ni−Zn、Ni−Sn、Ni−W、Ni−Co、Ni−Ti)等が好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル/金、ニッケル/パラジウム、ニッケル/パラジウム/金、ニッケル/銀等の組合せが好ましく挙げられる。
上記導電性金属層の厚さは、0.01μm以上が好ましく、より好ましくは0.03μm以上であり、0.20μm以下が好ましく、より好ましくは0.15μm以下である。導電性金属層の厚さが上記範囲内であれは、導電性粒子を異方性導電材料として用いる際に、安定した電気的接続が維持でき、かつ、重合体粒子の機械的特性を十分に生かすことができる。
本発明の導電性粒子は、導電性金属層の表面に、さらに絶縁性樹脂層を有するものであってもよい。上記絶縁性樹脂層としては、導電性粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力及び/又は加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート重合体及び共重合体;ポリスチレン;等の熱可塑性樹脂や特にその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
上記絶縁性樹脂層は、単層であっても、複数の層からなるものであってもよい。例えば、単一又は複数の皮膜状の層;絶縁性を有する粒状、球状、塊状、鱗片状その他の形状の粒子を導電性粒子の表面に付着した層;さらに、導電性粒子の表面を化学修飾することにより形成された層;であってもよい。上記樹脂絶縁層の厚さは0.01μm〜1μmが好ましく、より好ましくは0.1μm〜0.5μmである。樹脂絶縁層の厚さが前記範囲内であれば、導電性粒子による導通特性を良好に維持しつつ、粒子間の電気絶縁性が良好となる。
本発明の導電性粒子の個数平均粒子径は、1.1μm以上が好ましく、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.3μm以上、特に好ましくは1.4μm以上であり、3.5μm以下が好ましく、より好ましくは3.3μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下、一層好ましくは2.9μm以下、より一層好ましくは2.8μm以下、特に好ましくは2.7μm以下である。個数平均粒子径がこの範囲内であれば、圧痕形成能に優れた導電性粒子となる。
2−1.導電性粒子の製造方法
本発明の導電性粒子は、上記重合体粒子の表面に導電性金属層を形成することにより得られる。重合体粒子表面に導電性金属層を被覆する方法は特に限定されず、例えば、無電解めっき、置換めっき等めっきによる方法;金属微粉を単独、又は、バインダーに混ぜ合わせて得られるペーストを重合体粒子にコーティングする方法;真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法が挙げられる。これらの中でも、無電解めっき法は、大掛かりな装置を必要とせず、容易に導電性金属層を形成できるため好ましい。
本発明の導電性粒子が絶縁性樹脂層を有するものである場合、上記無電解めっき工程の後に、導電性金属層の表面に樹脂等による絶縁処理を行う。絶縁性樹脂層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、無電解めっき処理後の導電性粒子の存在下で、絶縁性樹脂層の原料の界面重合、懸濁重合、乳化重合を行い、絶縁性樹脂により導電性粒子をマイクロカプセル化する方法;絶縁性樹脂を有機溶媒に溶解した絶縁性樹脂溶液中に導電性粒子を分散させた後、乾燥させるディッピング法;スプレードライ法、ハイブリダイゼーションによる方法等、従来公知の方法はいずれも用いることができる。
3.異方性導電材料
本発明の導電性粒子は、異方性導電材料の構成材料としても好適であり、本発明の導電性粒子とバインダーとを含む異方性導電材料もまた、本発明の好ましい実施態様の1つである。上記異方性導電材料は、本発明の導電性粒子を用いてなるものであればその形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インク等、様々な形態が挙げられる。すなわち、これらの異方性導電材料を相対向する基材同士や電極端子間に設けることで、電気的に接続することができる。なお、本発明の導電性粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサー及びその組成物)も含まれる。
上記異方性導電材料は、絶縁性のバインダー樹脂中に、本発明の導電性粒子を分散させ、所望の形態とすることで製造されるが、もちろん、絶縁性のバインダー樹脂と導電性粒子とを別々に使用して、基材間あるいは電極端子間を接続してもかまわない。上記バインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマー及びイソシアネート等の硬化剤との反応により硬化する硬化性樹脂組成物や、光や熱により硬化する硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断らない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
1.評価方法
1−1.平均粒子径
<シード粒子、重合体粒子>
粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径を測定し、個数基準の平均粒子径、粒子径の標準偏差を求めるとともに、下記式に従って粒子径の個数基準のCV値(変動係数)を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数平均粒子径)
<導電性粒子>
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製、「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、導電性粒子3000個の粒子径(μm)を測定し、個数平均粒子径を求めた。
1−2.10%K値
微小圧縮試験機(島津製作所社製、「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(2.23mN/秒)で荷重をかけた。そして、圧縮変位が粒子径の10%となったときの荷重を測定した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。測定した圧縮荷重、粒子の圧縮変位及び粒子径から、K値を算出した。
1−3.回復率
微小圧縮試験機(島津製作所社製、「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用い、「軟質表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(0.4462mN/秒)で最大荷重(2.452mN)まで圧縮し、そのときの変位量(μm)を測定し、これを最大変位量L1とした。
次いで、一定の除負荷速度(0.4462mN/秒)で最小荷重(0.049mN)まで荷重を減らしていったときの最大荷重から最小荷重までの間の変位量(μm)を測定し、これを回復変位量L2とした。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。
圧縮変形回復率(%)=(L2/L1)×100
1−4.接続信頼性
異方性導電フィルムを、抵抗測定用の線を有した全面アルミ蒸着ガラス基板と、20μmピッチに銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板との間に挟みこみ、1MPa、190℃の圧着条件で熱圧着し、試験片を作製した。
そして、試験片の電極間の初期抵抗値Aを測定した。さらに、得られた試験片を85℃、85%RHの雰囲気下に500時間放置した後、上記初期抵抗値Aと同様に抵抗値Bを測定した。下記式に基づき算出した抵抗値上昇率(%)が2%以下の場合を「○」、2%を超える場合を「×」、と評価した。
抵抗値上昇率(%)=[(B−A)/A]×100
1−5.圧痕形成
導電性接着ペースト0.1mgを、アルミニウム電極が形成された2枚のガラス基板で挟み、1MPa、190℃で熱圧着を行い、試験片(導電性接着剤硬化物からなる異方導電シートが電極間に挟まれた構造の接続構造体)を得た。
試験片において、異方導電シートが接触した側の電極表面を金属顕微鏡(倍率:1000倍)で観察し、圧痕の有無を評価した。圧痕が確認されたものを「○」、圧痕が確認されなかったものを「×」と評価した。
2.重合体粒子の製造
製造例1
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水720部と25%アンモニア水1.2部、メタノール480部を仕込み25℃に保持した。その中へ架橋性シラン系単量体であるビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM1003」)60部を滴下し、内温を25℃で15分保持した後、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標) NF−08」)の20%水溶液を32部添加し、さらに15分撹拌することにより、ビニルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行い、ビニル基を有するポリシロキサン粒子(重合性ポリシロキサン粒子)の乳濁液を作製した。得られたポリシロキサン粒子の乳濁液をサンプリングし、粒子径を測定したところ、個数平均粒子径は2.25μmであった。
続いて、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール NF−08」)の20%水溶液1.0部をイオン交換水42部で溶解した溶液に、DVB960(新日鐡化学社製、ジビニルベンゼン含量96質量%)42部、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、「V−65」)1.0部とを溶解した溶液を加えて、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)により8000rpmで5分間乳化分散させてモノマーエマルションを調製した。このモノマーエマルションをポリシロキサン粒子の乳濁液中に添加して、さらに撹拌を行った。モノマーエマルション添加から1時間後、反応液をサンプリングして顕微鏡で観察したところ、特定ポリシロキサン粒子が単量体組成物を吸収して肥大化していることが確認された。
次いで、反応液を窒素雰囲気下で65℃に昇温させて、65℃で2時間保持することによりラジカル重合を行った。反応液を冷却した後、得られた乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、次いでメタノールで洗浄した後、120℃で2時間乾燥し、さらに窒素雰囲気下280℃で1時間加熱処理を施すことで、重合体粒子No.1を得た。
製造例2
四つ口フラスコ中の仕込み配合を、イオン交換水680部、25%アンモニア水1.2部、メタノール520部に変更したこと以外は製造例1と同様にして重合性ポリシロキサン粒子を作製した。続いて、吸収させる単量体成分について、DVB960(新日鐡化学社製、ジビニルベンゼン含量96質量%)24部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、単量体成分の吸収、ラジカル重合を行った。
反応液を冷却した後、得られた乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、次いでメタノールで洗浄した後、120℃で2時間乾燥し、さらに窒素雰囲気下350℃で3時間加熱処理を施すことで、重合体粒子No.2を得た。
製造例3
四つ口フラスコ中の仕込み配合を、イオン交換水600部、25%アンモニア水1.2部、メタノール600部に変更したこと以外は製造例2と同様にして重合性ポリシロキサン粒子を作製したこと以外は製造例2と同様にして、単量体成分の吸収、ラジカル重合を行った。
反応液を冷却した後、得られた乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、次いでメタノールで洗浄した後、乾燥工程を経ることなく、200℃で2時間加熱処理を施すことで、重合体粒子No.3を得た。
製造例4
加熱処理条件を、窒素雰囲気下240℃で2時間に変更したこと以外は、製造例3と同様にして重合体粒子No.4を得た。
製造例5
製造例3と同様にして、重合性ポリシロキサン粒子を作製し、単量体成分の吸収、ラジカル重合を行った。
反応液を冷却した後、得られた乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、次いでメタノールで洗浄した後、120℃で2時間乾燥し、さらに窒素雰囲気下320℃で1時間加熱処理を施すことで、重合体粒子No.5を得た。
製造例6
加熱処理条件を、窒素雰囲気下350℃で3時間に変更したこと以外は、製造例5と同様にして重合体粒子No.6を得た。
製造例7
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水720部と25%アンモニア水1.2部、メタノール480部を仕込み25℃に保持した。その中へ架橋性シラン系単量体であるビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM1003」)120部を滴下し、内温を25℃で15分保持した後、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール NF−08」)の20%水溶液を64部添加し、さらに15分撹拌することにより、ビニルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行い、ビニル基を有するポリシロキサン粒子(重合性ポリシロキサン粒子)の乳濁液を作製した。得られたポリシロキサン粒子の乳濁液をサンプリングし、粒子径を測定したところ、個数平均粒子径は2.9μmであった。
続いて、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、「V−65」)1.0部をメタノール30部に溶解した溶液を加えた後、反応液を窒素雰囲気下で65℃に昇温させて、65℃で2時間保持することによりラジカル重合を行った。反応液を冷却した後、得られた乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、次いでメタノールで洗浄した後、120℃で2時間乾燥し、さらに窒素雰囲気下350℃で3時間加熱処理を施すことで、重合体粒子No.7を得た。
製造例8
窒素雰囲気下で加熱処理を行わなかったこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子No.8を得た。
製造例9
窒素雰囲気下で加熱処理を行わなかったこと以外は、製造例6と同様にして重合体粒子No.9を得た。
製造例10
窒素雰囲気下で加熱処理を行わなかったこと以外は、製造例7と同様にして重合体粒子No.10を得た。
3.導電性粒子の製造
重合体粒子No.1〜10に水酸化ナトリウムによるエッチング処理を行った後、二塩化スズ溶液によるセンシタイジングを行った。さらに二塩化パラジウム溶液によるアクチベーティングを行い、パラジウム核を形成させた。次いで、パラジウム核を形成させた重合体粒子2部をイオン交換水400部に添加し、超音波分散処理を行った後、得られた樹脂粒子懸濁液を70℃の温浴で加温した。懸濁液を加温した状態で、別途70℃に加温した無電解メッキ液(日本カニゼン社製、「シューマー(登録商標) S680」)600部を加えることにより、無電解ニッケルメッキ反応を生じさせた。水素ガスの発生が終了したことを確認した後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄し、100℃で2時間真空乾燥して、ニッケルメッキを施した粒子を得た。
次いで、得られたニッケルメッキ粒子を、シアン化金カリウムを含有する置換金メッキ液に加え、ニッケル層表面にさらに金メッキを施すことにより、導電性粒子を得た。得られた導電性粒子における導電性金属層の膜厚は表1に示すとおりであった。
4.異方性導電材料の製造
導電性粒子1部に、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学社製、「JER828」)100部、硬化剤(三新化学社製、「サンエイド(登録商標) SI−150」)2部及びトルエン100部を加えた。さらにφ1mmのジルコニアビーズ50部を加えて、ステンレス鋼製の2枚攪拌羽根を用いて300rpmで10分間攪拌して分散させ、導電性接着ペーストを作製した。
得られたペーストを、剥離処理を施したPETフィルム上に、バーコーターにて塗布し乾燥させることにより異方性導電フィルムを得た。
上記で得た重合体粒子No.1〜10について、平均粒子径、圧縮変形特性の評価結果を表1に示した。また、上記で得た導電性粒子を含有する異方性導電材料についての評価結果を表1に併せて示した。
ビニルトリアルコキシシランのシロキサン結合材を含む粒子に200℃以上の熱処理を施して得られた重合体粒子No.1〜7は、いずれも回復率に優れ、且つ、高い硬度を有する。これらの重合体粒子No.1〜7を芯材とする導電性粒子No.1〜7を用いた場合、得られる接続構造体は接続信頼性に優れていた。
一方、ビニルトリアルコキシシランのシロキサン結合材を含む粒子に200℃以上の熱処理を施していない重合体粒子No.8〜10は、いずれも回復率に劣り、且つ、硬度が低い。これらの重合体粒子No.8〜10を芯材とする導電性粒子No.8〜10を用いた場合、得られる接続構造体は接続信頼性に劣っていた。
本発明の重合体粒子は、回復率に優れ、且つ、高い硬度を有するものである。よって、本発明の重合体粒子を芯材とする導電性粒子を用いれば、低抵抗、且つ、接続安定性に優れた接続構造体が得られる。本発明の導電性粒子は異方性導電フィルム、異方性導電ペースト等の異方性導電材料に好適に用いられる。また、本発明の重合体粒子を液晶表示パネルにおける液晶セルやタッチパネルにおけるセルのギャップ保持用スペーサーとして用いると保持安定性に優れたものとなる。

Claims (3)

  1. ビニルトリアルコキシシランのシロキサン結合体を含み、さらに芳香族炭化水素系架橋剤で架橋されている粒子であり、回復率が70%以上であることを特徴とする重合体粒子。
  2. 請求項1に記載の重合体粒子表面に導電性金属層を有することを特徴とする導電性粒子。
  3. 請求項2に記載の導電性粒子と、バインダーとを含有することを特徴とする異方性導電材料。
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