図1は、本発明の実施形態としての撮像装置の構成を説明するブロック図である。撮像装置1は、レンズユニット300とカメラ本体100とを備える。
レンズユニット300は、交換レンズタイプのレンズユニットである。レンズユニット300は、次の構成要素を備える。
レンズマウント306は、レンズユニット300をカメラ本体100と機械的に結合する。レンズマウント306内には、レンズユニット300をカメラ本体100と電気的に接続する各種機能が含まれている。
レンズ310は、入射した光を屈折させてカメラ本体100へ導く。レンズ310は、破線で示す撮影光路OP1に沿って駆動可能なフォーカスレンズおよびズームレンズを含む。絞り312は、レンズ310を通過後にカメラ本体100へ導かれる光の量を調節する。
インタフェース320は、レンズマウント306内において、レンズユニット300をカメラ本体100と接続する。コネクタ322は、レンズユニット300をカメラ本体100と電気的に接続するコネクタである。コネクタ322は、カメラ本体100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給される、あるいは供給する機能も備えている。
絞り制御部340は、カメラ本体100における後述の測光部46からの測光情報に基づいて、シャッタ12を制御するシャッタ制御部40と連携しながら、絞り312を制御する。
フォーカス制御部342は、フォーカスレンズを駆動することにより、レンズ310のフォーカシングを制御する。ズーム制御部344は、ズームレンズを駆動することにより、レンズ310のズーミングを制御する。
レンズシステム制御部350は、レンズユニット300の各部を全体的に制御する。
カメラ本体100には、レンズユニット300が装着される。また、カメラ本体100には、記録ユニット200が着脱可能に接続される。カメラ本体100は、次の構成要素を備える。
シャッタ12は、撮像センサ13の露光を制御する。シャッタ12が開いた状態において、レンズ310に入射した光線は、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306および106、シャッタ12を介して撮像センサ13へ導かれ、撮像センサ13の撮像面(画素配列)に被写体の像として形成される。このとき、ミラー130は、一点鎖線で示すように、撮影光路OP1から退避したミラーアップ状態にある。
撮像センサ13は、撮像面(画素配列)に形成された被写体の像を光電変換して画像信号を生成する。撮像センサ13は、その画像信号を画素配列から読み出して出力する。
A/D変換部16は、撮像センサ13から出力された画像信号(アナログ信号)を画像データ(デジタル信号)へ変換する。A/D変換部16は、変換した画像データ(デジタル信号)を出力する。
タイミング発生部18は、メモリ制御部22およびシステム制御部50により制御され、その制御に応じて、撮像センサ13、A/D変換部16、D/A変換部26にクロック信号や制御信号を供給する。
画像処理部20は、A/D変換部16から出力された画像データ或いはメモリ制御部22から出力された画像データに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。画像処理部20は、処理後の画像データを出力する。
メモリ制御部22は、A/D変換部16、タイミング発生部18、画像処理部20、画像表示メモリ24、D/A変換部26、メモリ30、および圧縮・伸長部32を制御する。A/D変換部16から出力された画像データが画像処理部20、メモリ制御部22を介して、或いはA/D変換部16から出力された画像データが直接メモリ制御部22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
画像表示メモリ24は、画像表示部28に表示すべき画像データを一時的に記憶する。D/A変換部26は、メモリ制御部22経由で画像表示メモリ24にアクセスし、表示すべき画像データを取得する。D/A変換部26は、表示すべき画像データを表示用の画像信号(アナログ信号)へ変換して画像表示部28へ供給する。画像表示部28は、表示用の画像信号に応じた画像を表示する。画像表示部28は、例えば、TFT−LCDを含む。
メモリ30は、撮影した静止画像の画像データを一時的に格納(記憶)する。また、メモリ30は、システム制御部50の作業領域としても使用され得る。
圧縮・伸長部32は、適応離散コサイン変換(ADCT)処理等により画像データを圧縮又は伸長する。圧縮・伸長部32は、メモリ30に格納(記憶)された画像データを読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理後の画像データをメモリ30に書き込む(記憶させる)。
シャッタ制御部40は、測光部46からの測光情報に基づいて、絞り312を制御する絞り制御部340と連携しながら、シャッタ12を制御する。シャッタ制御部40は、シャッタ駆動用モータ40bを制御する。位置検出部40aは、後述するシャッタ12のカムギヤ401の回転位置を検出する。シャッタ駆動用モータ40bは、シャッタ12をチャージするとともに、シャッタ12を固定した保持状態とシャッタ12の固定を解除した解除状態とを切り換えるように動作する。
シャッタ駆動用モータ40bは、OUT1端子およびOUT2端子に入力される信号によって、通常駆動状態、ショートブレーキ状態、オープン状態の3つの動作状態に切り換えることができる。OUT1端子にLow信号が入力され、OUT2端子にHi信号が入力されることで、シャッタ駆動用モータ40bは通常駆動状態となる。OUT1端子にLow信号が入力され、OUT2端子にLow信号が入力されることで、シャッタ駆動用モータ40bはショートブレーキ状態となる。ショートブレーキ状態では、シャッタ駆動用モータ40bのコイルに接続される端子同士を短絡させる。OUT1端子にHi信号が入力され、OUT2端子にHi信号が入力されることで、シャッタ駆動用モータ40bはオープン状態となる。オープン状態では、シャッタ駆動用モータ40bのコイルに接続される端子に通電せず、コイルに接続される端子同士を短絡させない。したがって、通常駆動状態からオープン状態に切り換えられると、シャッタ駆動用モータ40bの回転軸は惰性で回転する。すなわち、シャッタ駆動用モータ40bが通常駆動状態からオープン状態に切り換えられると、シャッタ駆動用モータ40bは空転する。
また、OUT1端子にLow信号が入力され、OUT2端子にPWM方式で生成されるパルス信号が入力されると、シャッタ駆動用モータ40bは通常駆動状態よりも減速されたPWMブレーキ状態となる。ショートブレーキ状態では、PWMブレーキ状態よりも強くシャッタ駆動用モータ40bを減速させる。PWMブレーキ状態が第1のブレーキ状態に相当し、ショートブレーキ状態が第2のブレーキ状態に相当する。
ミラー制御部41は、ミラー駆動機構を介して、ミラー130を(一点鎖線で示す)ミラーアップ位置又は(実線で示す)ミラーダウン位置に駆動する。ミラー制御部41は、ミラー駆動用モータ41aを含む。ミラー駆動用モータ41aに通電することで、ミラー130が撮像センサ13へ至る撮影光路OP1から退避したミラーアップ状態と、撮影光路OP1に侵入したミラーダウン状態とを切り換えるように動作する。
焦点検出部42は、焦点検出処理を行う。レンズ310に入射した光線を一眼レフ方式により、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、不図示の焦点検出用サブミラーを介して入射し、光学像として形成された画像の合焦状態を検出する。焦点検出部42は、その検出結果をシステム制御部50へ供給する。
測光部46は、測光処理を行う。レンズ310に入射した光線を一眼レフ方式により、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、132、不図示の測光用レンズを介して入射し、光学像として形成された画像の露出状態を検出する。測光部46は、その検出結果をシステム制御部50へ供給する。また、測光部46は、発光制御部48と連携することにより、EF処理(プリ発光処理)も行う。測光部46は、その処理結果をシステム制御部50へ供給する。
発光制御部48は、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。発光制御部48は、システム制御部50からの指示を受け、その指示に応じて所定のタイミングで発光する。
システム制御部50は、カメラ本体100の各部を全体的に制御する。システム制御部50は、判定部50a、判定部50bおよび制御部50cを含む。判定部50aは、ミラー駆動用モータ41aによるミラーダウン状態からミラーアップ状態への切り換えが可能な状態になったか否かを判定する。判定部50bは、位置検出部40aで検出されるカムギヤ401の回転位置から、カムギヤ401が所定の位置まで回転されたか否かを判定する。具体的には、判定部50bは、シャッタ12が保持状態となったか否か、シャッタ12が解除状態となったか否か、シャッタ駆動用モータ40bがショートブレーキ状態に切り換える状態であるか否かを判定する。制御部50cは、判定部50aおよび判定部50bの判定結果に応じて、シャッタ駆動用モータ40bの動作を制御する。判定部50a、判定部50bおよび制御部50cの詳細動作は、後述する。判定部50aが第1の判定手段として機能する。判定部50bが第2の判定手段として機能する。制御部50cが制御手段として機能する。メモリ52は、システム制御部50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶する。
報知部54は、システム制御部50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を報知する液晶表示装置やスピーカー等を含む。報知部54は、カメラ本体100の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置され、例えばLCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。また、報知部54は、その一部の機能が光学ファインダ104内に設置されている。報知部54の表示内容のうち、LCD等に表示するものとしては、例えば、単写/連写撮影表示、残撮影可能枚数表示、シャッタスピード表示、絞り値表示、露出補正表示、調光補正表示、電池残量表示、等がある。
また、報知部54の表示内容のうち、光学ファインダ104内に表示するものとしては、例えば、合焦表示、フラッシュ充電完了表示、シャッタスピード表示、絞り値表示、露出補正表示、等がある。さらに、報知部54の表示内容のうち、LED等に表示するものとしては、例えば、記録媒体書き込み動作表示等がある。そして、報知部54の表示内容のうち、ランプ等に表示するものとしては、例えば、セルフタイマー通知ランプ、等がある。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリである。不揮発性メモリ56は、例えばEEPROM等を含む。
入力部80は、システム制御部50の各種の動作指示をユーザから受け付ける。入力部80は、スイッチやダイアル等の単数或いは複数の組み合わせの構成を含む。入力部80は、モードダイアル60、シャッタスイッチ62、および操作部70を含む。
モードダイアル60は、通常撮影モードおよび連続撮影モードを含む複数の撮影モードを指定するための指示を受け付ける。モードダイアル60は、連続撮影モードを指定するための指示を受け付けた場合、その指示をシステム制御部50へ供給する。
シャッタスイッチ62は、その操作のされ方が第1段階であるか第2段階であるかに応じて、異なる指示を受け付ける。シャッタスイッチ62は、操作のされ方が第1段階(例えば、半押し)である場合、第1の指示を受け付ける。シャッタスイッチ62は、第1の指示を受け付けたことに応じて、第1のスイッチSW1をONさせる。すなわち、シャッタスイッチ62は、第1の指示に応じて、AF処理、AE処理、EF処理等の動作開始の指示をシステム制御部50へ供給する。
また、シャッタスイッチ62は、操作のされ方が第2段階(例えば、全押し)である場合、第2の指示を受け付ける。シャッタスイッチ62は、第2の指示を受け付けたことに応じて、第2のスイッチSW2をONさせる。すなわち、シャッタスイッチ62は、第2の指示に応じて、一連の露光処理、現像処理、記録処理を含む撮影処理の動作開始の指示をシステム制御部50へ供給する。ここで、露光処理は、撮像センサ13から読み出した信号を、A/D変換部16、メモリ制御部22を介してメモリ30に画像データを書き込む処理である。現像処理は、画像処理部20やメモリ制御部22での演算を用いた処理である。記録処理は、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長部32で圧縮を行い、記録ユニット200に画像データを書き込む処理である。
操作部70は、各種ボタン等を含む。操作部70は、例えば、メニューボタン、セットボタン、単写/連写/セルフタイマー切り換えボタン、撮影画質選択ボタン、ISO感度選択ボタン、露出補正ボタン、調光補正ボタン等を含む。更に、操作部70は、例えば、再生スイッチ、ホワイトバランスモードを選択するホワイトバランス設定スイッチ、各種設定を選択するためのダイヤル等を含む。
インターフェース120は、レンズマウント106内において、カメラ本体100をレンズユニット300と接続するためのインターフェースである。コネクタ122は、カメラ本体100をレンズユニット300と電気的に接続するコネクタである。コネクタ122は、カメラ本体100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給する機能も備えている。
ミラー132は、一眼レフ方式によって、レンズ310に入射しミラー130で反射した光線をさらに反射させて光学ファインダ104に導く。この光線の光路OP2は、撮像センサ13へ至る光路OP1に対して、ミラー130の反射面の位置で分岐したものとなっている。ミラー132は、撮影光路に侵入するミラーダウン状態と、撮影光路から退避するミラーアップ状態とに切り換わる。なお、ミラー132は、クイックリターンミラーの構成としても、ハーフミラーの構成としても、どちらでも構わない。
記録ユニット200は、例えば、メモリカードやハードディスク等を含む。記録ユニット200は、記録媒体202、インタフェース204、およびコネクタ206を含む。記録媒体202は、半導体メモリや磁気ディスク等を含む。インタフェース204は、カメラ本体100とのインタフェースである。コネクタ206は、カメラ本体100と接続を行うコネクタである。
図2は、シャッタ12の構成を説明する概念図である。
図2において、シャッタ先羽根群413はシャッタ開口を露光前に閉鎖しているシャッタ羽根群である。シャッタ先羽根駆動レバー403は、シャッタ先羽根群413と連結されている。シャッタ先羽根駆動ばね404はシャッタ先羽根駆動レバー403を付勢する。シャッタ先羽根駆動ばね404の付勢力によって、シャッタ先羽根駆動レバー403が駆動されることで、シャッタ先羽根群413はシャッタ開口を閉鎖する状態からシャッタ開口を開放する状態に走行する。
シャッタ後羽根群414はシャッタ開口を露光前に開放しているシャッタ羽根群である。シャッタ後羽根駆動レバー408は、シャッタ後羽根群414と連結されている。シャッタ後羽根駆動ばね409はシャッタ後羽根駆動レバー408を付勢する。シャッタ後羽根駆動ばね409の付勢力によって、シャッタ後羽根駆動レバー408が駆動されることで、シャッタ後羽根群414はシャッタ開口を開放する状態からシャッタ開口を閉鎖する状態に走行する。シャッタ先羽根駆動レバー403およびシャッタ後羽根駆動レバー408は、シャッタ駆動部材として機能する。
カムギア401は、シャッタ駆動用モータ40bにより時計回りに回転駆動される。チャージレバー402は、不図示のばねによって時計回りに付勢されている。チャージレバー402には、カムギア401に形成されるカムをトレースするカムフォロアが形成されている。カムギア401の回転位置は位置検出部40aによって検出される。
カムレバー407には、シャッタ先羽根駆動レバー403に当接する第1のカム部、シャッタ後羽根駆動レバー408に当接する第2のカム部およびチャージレバー402に当接する当接部が形成されている。
シャッタ先羽根駆動レバー403およびシャッタ後羽根駆動レバー408が走行完了位置に位置するとき、カムレバー407が時計回りに回転することで、シャッタ先羽根駆動レバー403およびシャッタ後羽根駆動レバー408を走行前位置に移動させる。これによって、シャッタ先羽根駆動ばね404およびシャッタ後羽根駆動ばね409はチャージされる。カムレバー407は、チャージレバー402に当接するように、不図示のばねで付勢されている。
シャッタ先羽根駆動レバー403が走行前位置に位置するとき、シャッタ先羽根緊定駆動部材406に通電することで、シャッタ先羽根緊定レバー405は、シャッタ先羽根駆動レバー403を走行前位置に保持する。シャッタ先羽根緊定駆動部材406への通電を切ることで、シャッタ先羽根緊定レバー405は、シャッタ先羽根駆動レバー403の保持を解除する。
シャッタ後羽根駆動レバー408が走行前位置に位置するとき、シャッタ後羽根緊定駆動部材412に通電することで、シャッタ後羽根緊定レバー410は、シャッタ後羽根駆動レバー408を走行前位置に保持する。シャッタ後羽根緊定駆動部材412への通電を切ることで、シャッタ後羽根緊定レバー410は、シャッタ後羽根駆動レバー408の保持を解除する。
上記構成において、カムギヤ401、チャージレバー402、カムレバー407がシャッタチャージ手段として機能している。シャッタ先羽根緊定レバー405、シャッタ先羽根緊定駆動部材406、シャッタ後羽根緊定レバー410、シャッタ後羽根緊定駆動部材412が緊定手段として機能している。
図2(a)は、シャッタ12の保持状態を示す図である。
この状態では、シャッタ先羽根緊定駆動部材406およびシャッタ後羽根緊定駆動部材412に通電することなく、シャッタ先羽根駆動レバー403およびシャッタ後羽根駆動レバー408が走行前位置に保持される。この状態では、カムレバー407の第1のカム部がシャッタ先羽根駆動レバー403に当接し、カムレバー407の第2のカム部がャッタ後羽根駆動レバー408に当接している。そして、チャージレバー402のカムフォロアが、カムギヤ401に形成されるカム部のカムトップに当接し、チャージレバー402がカムレバー407に当接している。したがって、シャッタ12の保持状態では、シャッタ先羽根駆動レバー403およびシャッタ後羽根駆動レバー408がカムギヤ401、チャージレバー402、カムレバー407によって保持されている状態である。このとき、シャッタ先羽根緊定駆動部材406およびシャッタ後羽根緊定駆動部材412には通電しない。
図2(b)は、シャッタ12の解除状態を示す図である。
この状態では、カムギヤ401、チャージレバー402、カムレバー407によるシャッタ先羽根駆動レバー403およびシャッタ後羽根駆動レバー408の保持が解除される。
図2(a)に示す保持状態から、シャッタ先羽根緊定駆動部材406およびシャッタ後羽根緊定駆動部材412にそれぞれ通電した後、シャッタ駆動用モータ40bに通電することでカムギヤ401を時計回りに回転させた状態である。カムギヤ401を時計回りに回転させたことで、チャージレバー402のカムフォロアは、カムギヤ401に形成されるカム部のカムボトムに落ち、チャージレバー402が時計回りに回転する。カムレバー407はチャージレバー402に当接する方向に付勢されているので、カムレバー407は反時計回りに回転する。これによって、カムレバー407の第1のカム部とシャッタ先羽根駆動レバー403との当接が解除され、カムレバー407の第2のカム部とャッタ後羽根駆動レバー408との当接が解除される。このとき、シャッタ先羽根緊定駆動部材406に通電することで、シャッタ先羽根緊定レバー405がシャッタ先羽根駆動レバー403を走行前位置に保持している。シャッタ後羽根緊定駆動部材412に通電することで、シャッタ後羽根緊定レバー410がシャッタ後羽根駆動レバー408を走行前位置に保持している。
図2(c)は、シャッタ12の走行完了状態を示す図である。
この状態では、シャッタ先羽根駆動レバー403はシャッタ先羽根駆動ばね404の付勢力によって、走行完了位置に駆動され、シャッタ後羽根駆動レバー408はシャッタ後羽根駆動ばね409の付勢力によって、走行完了位置に駆動される。
図2(b)に示す解除状態から、所定のタイミングでシャッタ先羽根緊定駆動部材406への通電を切ることで、シャッタ先羽根緊定レバー405がシャッタ先羽根駆動レバー403の保持を解除する。シャッタ先羽根駆動レバー403はシャッタ先羽根駆動ばね404の付勢力によって、走行完了位置に駆動され、シャッタ先羽根群413はシャッタ開口を閉鎖する状態からシャッタ開口を開放する状態に走行する。その後、所定のタイミングでシャッタ後羽根緊定駆動部材412への通電を切ることで、シャッタ後羽根緊定レバー410がシャッタ後羽根駆動レバー408の保持を解除する。シャッタ後羽根駆動レバー408はシャッタ後羽根駆動ばね409の付勢力によって、走行完了位置に駆動され、シャッタ後羽根群414はシャッタ開口を開放する状態からシャッタ開口を閉鎖する状態に走行する。
図2(c)に示す走行完了状態から、シャッタ駆動用モータ40bに通電することでカムギヤ401を時計回りに回転させることで、チャージレバー402は反時計回りに回転する。これによって、カムレバー407は時計回りに回転し、カムレバー407の第1のカム部がシャッタ先羽根駆動レバー403に当接し、カムレバー407の第2のカム部がャッタ後羽根駆動レバー408に当接する。シャッタ先羽根駆動レバー403を走行前位置に駆動することで、シャッタ先羽根駆動ばね404をチャージし、シャッタ後羽根駆動レバー408を走行前位置に駆動することで、シャッタ後羽根駆動ばね409をチャージする。カムギヤ401を図2(a)に示す保持状態まで回転させると、再びシャッタ12の保持状態となる。
したがって、シャッタ12は、保持状態と、解除状態と、走行完了状態とに切り換わる。シャッタ駆動用モータ40bは、シャッタ12を走行完了状態から保持状態へ駆動するとともに、シャッタ12を保持状態から解除状態へ駆動する。
次に、撮像装置1の動作について、図3および図4のフローチャートを用いて説明する。
図3は、第1の実施形態において、撮像装置1が撮影要求を受け付けた際の露光完了までの動作を示すフローチャートである。
ステップS501において、システム制御部50は、第1のスイッチSW1がオンしていない(ステップS501でNO)場合、ステップS501を繰り返す。システム制御部50は、第1のスイッチSW1がオンされたことを検出する(ステップS501でYES)と、処理をステップS502へ進める。
ステップS502において、システム制御部50は、焦点検出部42による焦点検出処理、測光部46による測光処理をおこなわせ、それぞれの処理結果を受ける。システム制御部50は、焦点検出処理および測光処理の両方の結果を受けたことに応じて、処理をステップS503へ進める。
ステップS503において、システム制御部50は、第2のスイッチSW2がオンしていない(ステップS503でNO)場合、ステップS503を繰り返す。システム制御部50は、第2のスイッチSW2がオンされたことを検出する(ステップS503でYES)と、処理をステップS504へ進める。
ステップS504において、システム制御部50は、焦点検出処理の結果に応じて、レンズ310が合焦状態にあるかどうかを判定する。また、システム制御部50は、メモリ30、および記録ユニット200内に十分な空き容量があるかなどを判定する。システム制御部50は、それらの判定結果に応じて、撮影が可能かどうか判定する。システム制御部50は、撮影が可能でないと判定した場合(ステップS504でNO)、ステップS504を繰り返す。システム制御部50は、撮影が可能と判定された場合(ステップS504でYES)、ステップS505の動作とステップS507の動作とを並行して開始させる。
ステップS505において、システム制御部50は、ミラー駆動用モータ41aへの通電を開始する。ここで、ミラー駆動用モータ41aへの通電は、ミラー130を撮影光路外に退避させるためのミラーアップ動作を行うための通電である。
ステップS506において、システム制御部50は、ミラー130がミラーアップ状態まで到達したか否かの判定を行う。すなわち、ミラーアップ動作が完了したか否かの判定を行う。システム制御部50は、ミラーアップ動作が完了していないと判定した場合(ステップS506でNO)、ステップS506を繰り返す。システム制御部50は、ミラーアップ動作が完了したと判定した場合(ステップS506でYES)、ミラー駆動用モータ41aへの通電を切る。そして、処理をステップS510へ進めるための待機状態に移行させる。
ステップS507において、システム制御部50は、シャッタ先羽根緊定駆動部材406およびシャッタ後羽根緊定駆動部材412にそれぞれ通電する。
その後、システム制御部50の制御部50cがシャッタ駆動用モータ40bのOUT1端子にLow信号を入力し、シャッタ駆動用モータ40bのOUT2端子にHi信号を入力することで、シャッタ駆動用モータ40bを通常駆動状態とする。これによって、図2(a)に示す保持状態からカムギヤ401が時計回りに回転し、図2(b)に示す解除状態への移行を開始する。
ステップS508において、システム制御部50の判定部50bは、カムギヤ401が図2(b)に示す解除状態の位置まで回転したか否かの判定を行う。すなわち、シャッタ12が図2(a)に示す保持状態から図2(b)に示す解除状態への移行が完了したか否かの判定を行う。判定部50bは、移行が完了していないと判断した場合(ステップS508でNO)、ステップS508を繰り返す。判定部50bは、移行が完了していると判断した場合(ステップS508でYES)、処理をステップS509に進める。
ステップS509において、システム制御部50の制御部50cは、シャッタ駆動用モータ40bのOUT1端子にLow信号を入力し、シャッタ駆動用モータ40bのOUT2端子にHi信号を入力する。これによって、シャッタ駆動用モータ40bをショートブレーキ状態とする。その後、処理をステップS510へ進めるための待機状態に移行させる。
システム制御部50は、ステップS506から待機状態への移行とステップS508からへの待機状態への移行との双方の条件が成立すると、処理をステップS510へ進める。
ステップS510において、システム制御部50は、シャッタ先羽根緊定駆動部材406への通電を切ることで、シャッタ先羽根緊定レバー405はシャッタ先羽根駆動レバー403の保持を解除する。これによって、シャッタ先羽根群413はシャッタ開口を閉鎖する状態からシャッタ開口を開放する状態に走行する。
その後、所定のタイミングで、シャッタ後羽根緊定駆動部材412への通電を切ることで、シャッタ後羽根緊定レバー410はシャッタ後羽根駆動レバー408の保持を解除する。これによって、シャッタ後羽根群414はシャッタ開口を開放する状態からシャッタ開口を閉鎖する状態に走行する。
ここでは、ステップS502の測光結果に応じた露出制御値に基づき、上記の所定のタイミングの制御をおこなう。
図4は、第1の実施形態において、撮像装置1が撮影要求を受け付け、露光処理を完了した後の動作を示すフローチャートである。
ステップS601において、システム制御部50は、連続撮影のコマ速を安定させるための時間の計測をコマ速安定タイマーに開始させる。コマ速安定タイマーは、連続撮影中のミラーアップ開始タイミングを規定するタイマーであり、ミラーダウン動作に要する時間や連続撮影のコマ間での測光、焦点検出時間のばらつきを吸収するためのものである。その後、システム制御部50は、処理をステップS602へ進める。
ステップS602において、システム制御部50は、ミラー駆動用モータ41aの通電を開始する。ここで、ミラー駆動用モータ41aへの通電は、ミラー130を撮影光路内に侵入させるためのミラーダウン動作を行うための通電である。これにより、ミラー130がミラーダウン動作を開始する。
ステップS603において、システム制御部50は、ミラー130がミラーダウン完了位置に到達し、ブレーキをかける位置に到達したか否か、すなわちミラーダウン動作が完了したか否かを判定する。システム制御部50は、ミラーダウン動作が完了していないと判定した場合(ステップS603でNO)、ステップS603を繰り返す。システム制御部50は、ミラーダウン動作が完了したと判定した場合(ステップS603でYES)、ミラー駆動用モータ41aの通電を停止し、処理をステップS604へ進める。
ステップS604において、システム制御部50は、焦点検出部42による焦点検出処理、測光部46による測光処理をおこなわせ、それぞれの処理結果を受ける。システム制御部50は、焦点検出処理及び測光処理の両方の結果を受けたことに応じて、処理をS605へ進める。測光処理及び焦点検出処理が完了していることによって、判定部50aはミラーダウン状態からミラーアップ状態への切り換えが可能になったと判定する。
ステップS605において、システム制御部50は、第2のスイッチSW2の状態を検出する。システム制御部50は、第2のスイッチSW2がオフされている場合(ステップS605でNO)、撮影終了指示を受け付けたと判断し、連続撮影を終了する。システム制御部50は、シャッタスイッチSW2(64)がオンされている場合(ステップS605でYES)、処理をステップS606へ進める。
ステップS606において、システム制御部50は、メモリ30、および記録ユニット200内に十分な空き容量があるかなどを判定する。システム制御部50は、十分な空き容量が画像メモリに確保されていないと判定した場合(ステップS606でNO)、処理をステップS605へ進める。システム制御部50は、十分な空き容量が画像メモリに確保されていると判定した場合(ステップS606でYES)、処理をS607へ進める。
ステップS607において、システム制御部50は、コマ速安定タイマーの計測が完了したか否かを判定する。すなわち、ミラー130がミラーアップ状態からミラーダウン状態への切り換えを開始してからあらかじめ設定した時間が経過したか否かを判定する。システム制御部50は、計測が完了していないと判定した場合(ステップS607でNO)、処理をステップS605へ進める。システム制御部50は、計測が完了していると判定した場合(ステップS607でYES)、処理をステップS608へ進める。
ステップS608において、システム制御部50は、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに、ミラーダウン状態からミラーアップ状態への切り換えが可能になったことを示す値(例えば、1)をセットする。
ステップS609において、システム制御部50は、ミラー駆動用モータ41aの通電を開始する。ここで、ミラー駆動用モータ41aへの通電は、ミラー130を撮影光路外に退避させるためのミラーアップ動作を行うための通電である。これにより、ミラー130がミラーアップ動作を開始する。
ステップS610において、システム制御部50は、ミラー130がミラーアップ状態まで到達したか否かの判定を行う。すなわち、ミラーアップ動作が完了したか否かの判定を行う。システム制御部50は、ミラーアップ動作が完了していないと判定した場合(ステップS610でNO)、ステップSS610を繰り返す。システム制御部50は、ミラーアップ動作が完了したと判定した場合(ステップS610でYES)、ミラー駆動用モータ41aへの通電を切る。そして、処理をステップS650へ進めるための待機状態に移行させる。
ステップS611において、システム制御部50の制御部50cは、シャッタ駆動用モータ40bの通電をおこない、シャッタ12をチャージするための動作を開始させる。
ステップS612において、システム制御部50の判定部50bは、カムギヤ401が図2(a)に示す保持状態の位置まで回転したか否かの判定を行う。すなわち、シャッタ12が図2(c)に示す走行完了状態から図2(a)に示す保持状態への移行が完了したか否かの判定を行う。判定部50bは、移行が完了していないと判定した場合(ステップS612でNO)、ステップS612を繰り返す。判定部50bは、移行が完了していると判定した場合(ステップS612でYES)、処理をステップS613に進める。
ステップS613において、システム制御部50の判定部50aは、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGを確認することにより、ミラー駆動用モータ41aによるミラーダウン状態からミラーアップ状態への切り換えが可能な状態になったか否かを判定する。
具体的には、判定部50aは、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされているか否かを判定する。ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされている場合、つまりミラーアップ動作が許可されている場合(ステップS613でYES)、処理をステップS614へ進める。ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされていない場合、つまりミラーアップ動作が許可されていない場合(ステップS613でNO)、処理をステップS617へ進める。
ステップS614において、システム制御部50は、シャッタ先羽根緊定駆動部材406およびシャッタ後羽根緊定駆動部材412にそれぞれ通電する。
ステップS613において、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされている場合には、図2(a)に示す保持状態で、シャッタ駆動用モータ40bを停止させることなく、通常駆動状態を継続して、図2(b)に示す解除状態へ移行させる。
ステップS615において、システム制御部50の判定部50bは、カムギヤ401が図2(b)に示す解除状態の位置まで回転したか否かの判定を行う。すなわち、シャッタ12が図2(a)に示す保持状態から図2(b)に示す解除状態への移行が完了したか否かの判定を行う。判定部50bは、移行が完了していないと判断した場合(ステップS615でNO)、ステップS615を繰り返す。判定部50bは、移行が完了していると判断した場合(ステップS615でYES)、処理をステップS616に進める。
ステップS616において、システム制御部50の制御部50cは、シャッタ駆動用モータ40bのOUT1端子にLow信号を入力し、シャッタ駆動用モータ40bのOUT2端子にHi信号を入力する。これによって、シャッタ駆動用モータ40bをショートブレーキ状態とする。その後、処理をステップS627へ進めるための待機状態に移行させる。
システム制御部50は、ステップS610から待機状態への移行とステップS616からへの待機状態への移行との双方の条件が成立すると、処理をステップS627へ進める。
ステップS613において、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされていない場合には、処理をステップS617に進める。ステップS617において、システム制御部50の制御部50cは、シャッタ駆動用モータ40bのOUT1端子にLow信号を入力し、OUT2端子にPWM信号を入力する。これによって、シャッタ駆動用モータ40bをPWMブレーキ状態とする。
ステップS618において、システム制御部50の判定部50bは、カムギア401がショートブレーキ位置となったか否かの判定を行う。すなわち、シャッタ12が図2(b)に示す解除状態に近い状態となったか否かの判定を行う。具体的には、判定部50bは、カムギア401の回転角度を検出することで、カムギア401がショートブレーキ位置となったか否かを判定する。
判定部50bは、カムギア401がショートブレーキ位置となっていないと判定した場合(ステップS618でNO)、処理をステップS619へ進める。判定部50bは、カムギア401がショートブレーキ位置となった場合(ステップS618でYES)、処理をステップS624へ進める。
ステップS619において、システム制御部50の判定部50aは、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGを確認することにより、ミラー駆動用モータ41aによるミラーダウン状態からミラーアップ状態への切り換えが可能な状態になったか否かを判定する。
具体的には、判定部50aは、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされているか否かを判定する。ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされている場合、つまりミラーアップ動作が許可されている場合(ステップS619でYES)、処理をステップS620へ進める。ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされていない場合、つまりミラーアップ動作が許可されていない場合(ステップS619でNO)、処理をステップS618へ進める。
ステップS620において、システム制御部50の制御部50cは、所定時間だけシャッタ駆動用モータ40bのOUT1端子にHi信号を入力し、シャッタ駆動用モータ40bのOUT2端子にHi信号を入力する。これによって、シャッタ駆動用モータ40bは所定時間だけオープン状態となる。シャッタ駆動用モータ40bをオープン状態とすると、シャッタ駆動用モータ40bの回転軸は所定時間の間、惰性で回転する。その後、処理をステップS621へ進めるための待機状態に移行させる。
ステップS621において、システム制御部50は、シャッタ先羽根緊定駆動部材406およびシャッタ後羽根緊定駆動部材412にそれぞれ通電する。
その後、システム制御部50の制御部50cは、シャッタ駆動用モータ40bのOUT1端子にLow信号を入力し、シャッタ駆動用モータ40bのOUT2端子にHi信号を入力することで、シャッタ駆動用モータ40bを通常駆動状態とする。これによって、図2(a)に示す保持状態からカムギヤ401が時計回りに回転し、図2(b)に示す解除状態への移行を開始する。
ステップS622において、システム制御部50の判定部50bは、カムギヤ401が図2(b)に示す解除状態の位置まで回転したか否かの判定を行う。すなわち、シャッタ12が図2(a)に示す保持状態から図2(b)に示す解除状態への移行が完了したか否かの判定を行う。判定部50bは、移行が完了していないと判断した場合(ステップS622でNO)、ステップS622を繰り返す。判定部50bは、移行が完了していると判断した場合(ステップS622でYES)、処理をステップS623に進める。
ステップS623において、システム制御部50の制御部50cは、シャッタ駆動用モータ40bのOUT1端子にLow信号を入力し、シャッタ駆動用モータ40bのOUT2端子にHi信号を入力する。これによって、シャッタ駆動用モータ40bをショートブレーキ状態とする。その後、処理をステップS627へ進めるための待機状態に移行させる。
システム制御部50は、ステップS610から待機状態への移行とステップS623からへの待機状態への移行との双方の条件が成立すると、処理をステップS627へ進める。
ステップS618において、システム制御部50の判定部50bは、カムギア401がショートブレーキ位置となった場合(ステップS618でYES)、処理をステップS624へ進める。ステップS624において、システム制御部50の制御部50cは、シャッタ駆動用モータ40bのOUT1端子にLow信号を入力し、シャッタ駆動用モータ40bのOUT2端子にHi信号を入力する。これによって、シャッタ駆動用モータ40bをショートブレーキ状態とする。その後、処理をステップS625へ進める。
ステップS625において、システム制御部50の判定部50aは、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGを確認することにより、ミラー駆動用モータ41aによるミラーダウン状態からミラーアップ状態への切り換えが可能な状態になったか否かを判定する。
具体的には、判定部50aは、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされているか否かを判定する。ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされている場合、つまりミラーアップ動作が許可されている場合(ステップS625でYES)、処理をステップS626へ進める。ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされていない場合、つまりミラーアップ動作が許可されていない場合(ステップS625でNO)、処理をステップS624へ進める。
ステップS626において、システム制御部50の制御部50cは、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされていると判定してから所定時間だけシャッタ駆動用モータ40bをショートブレーキ状態とする。すなわち、シャッタ駆動用モータ40bのOUT1端子にLow信号を入力し、シャッタ駆動用モータ40bのOUT2端子にHi信号を入力する状態とする。このとき、カムギア401が完全に停止していても、シャッタ駆動用モータ40bのショートブレーキ状態を所定時間だけ継続する。その後、処理をステップS621へ進める。
図5は、ステップS611、S612、S613、S617、S618、S619、S620、S621、S622、S623のフローにおけるミラー駆動用モータ41aおよびシャッタ駆動用モータ40bの状態を示すシーケンス図である。
ステップS617において、PWMブレーキを開始するタイミングは、図5に示すAの時点である。ステップS619において、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされるタイミングは、図5に示すCの時点である。ステップS620において、シャッタ駆動用モータ40bをオープン状態とするタイミングは、図5に示すCの時点である。シャッタ駆動用モータ40bをオープン状態とする所定時間は、図5に示すCの時点からDの時点までである。
ステップS611、S612、S613、S617、S618、S619、S620、S621、S622、S623のフローでは、カムギア401の回転位置がショートブレーキ位置となる前に、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされる。これによって、シャッタ駆動用モータ40bは、ショートブレーキ状態となることなく、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされた時点で、オープン状態となる。
図5のシーケンス図に示すように、シャッタ駆動用モータ40bを所定時間オープン状態とすることで、ミラー駆動用モータ41aの駆動開始タイミングとシャッタ駆動用モータ40bの駆動開始タイミングとが重なり合うことがない。すなわち、ミラー駆動用モータ41aがミラーアップ動作のために通電されて、所定時間経過した後、シャッタ駆動用モータ40bが通常駆動状態へ切り換わる。これによって、2つのモータの駆動タイミングが重なり合うことで発生していたラッシュ電流の増加を回避することができる。ラッシュ電流の増加を回避することで、電源となる電池にダメージを与えるリスクを低減することができる。また、シャッタ駆動用モータ40bをオープン状態とすることで、解除状態への移行を開始する際にも、惰性で回転している状態から通常駆動に切り換えることができる。これによって、停止している状態からシャッタ駆動用モータ40bを起動させた場合よりも、短い時間で、シャッタ12を解除状態へ移行させることができる。さらに、シャッタ12を解除状態へ移行させるために必要な電流量を小さくすることができる。
図6は、ステップS611、S612、S613、S617、S618、S624、S625、S621、S626、S621、S622、S623のフローにおけるミラー駆動用モータ41aおよびシャッタ駆動用モータ40bの状態を示すシーケンス図である。
ステップS617において、PWMブレーキを開始するタイミングは、図6に示すAの時点である。ステップS624において、ショートブレーキを開始するタイミングは、図6に示すBの時点である。ステップS625において、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされるタイミングは、図6に示すCの時点である。シャッタ駆動用モータ40bをショートブレーキ状態とする所定時間は、図6に示すCの時点からDの時点までである。
図6のシーケンス図に示すように、シャッタ駆動用モータ40bを所定時間オープン状態とすることで、ミラー駆動用モータ41aの駆動開始タイミングとシャッタ駆動用モータ40bの駆動開始タイミングとが重なり合うことがない。すなわち、ミラー駆動用モータ41aがミラーアップ動作のために通電されて、所定時間経過した後、シャッタ駆動用モータ40bが通常駆動状態へ切り換わる。これによって、2つのモータの駆動タイミングが重なり合うことで発生していたラッシュ電流の増加を回避することができる。ラッシュ電流の増加を回避することで、電源となる電池にダメージを与えるリスクを低減することができる。
本実施形態では、シャッタ駆動用モータ40bによるチャージ動作にて、PWMブレーキ状態となっているときに、ショートブレーキ位置を検出する前に、ミラーアップ動作が許可される際には、シャッタ駆動用モータ40bを惰性で回転させる。すなわち、ミラーアップ動作が許可されている場合には、すぐに解除動作を開始することが想定されるので、シャッタ駆動用モータ40bをこれ以上減速させないようにしている。一方、シャッタ駆動用モータ40bによるチャージ動作にて、PWMブレーキ状態となっているときに、ミラーアップ動作が許可される前に、ショートブレーキ位置を検出する際には、シャッタ駆動用モータ40bを停止させる。すなわち、ミラーアップ動作が許可されない場合には、すぐに解除動作を開始することが想定できないので、シャッタ駆動用モータ40bを停止させるようにしている。
そして、いずれの場合にも、ミラー駆動用モータ41aの駆動開始タイミングとシャッタ駆動用モータ40bの駆動開始タイミングとが重なり合うことがないように、シャッタ駆動用モータ40bの駆動開始タイミングを遅らせている。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、シャッタ駆動用モータ40bによるチャージ動作にて、PWMブレーキ状態となっているときに、ショートブレーキ位置を検出する前に、ミラーアップ動作が許可される際には、シャッタ駆動用モータ40bを惰性で回転させている。そして、シャッタ駆動用モータ40bによるチャージ動作にて、PWMブレーキ状態となっているときに、ミラーアップ動作が許可される前に、ショートブレーキ位置を検出する際には、シャッタ駆動用モータ40bを停止させている。
第2の実施形態では、シャッタ駆動用モータ40bによるチャージ動作にて、ショートブレーキを開始した後、シャッタ駆動用モータ40bの停止を検出する前に、ミラーアップ動作が許可される際には、シャッタ駆動用モータ40bを惰性で回転させる。そして、シャッタ駆動用モータ40bによるチャージ動作にて、ショートブレーキを開始した後、ミラーアップ動作が許可される前に、シャッタ駆動用モータ40bの停止を検出する際には、シャッタ駆動用モータ40bの停止を維持する。
第2の実施形態において、シャッタ駆動用モータ40bは、出力軸が回転状態を示す信号をシステム制御部50に出力する。したがって、システム制御部50は、シャッタ駆動用モータ40bの出力軸が回転しているか、停止しているかを判定することができる。これが、第2の判定手段として機能する。
図7は、第2の実施形態において、撮像装置1が撮影要求を受け付け、露光処理を完了した後の動作を示すフローチャートである。図7において、図4と同じステップに関しては、図4のフローチャートと同じ符号を付与して、説明を省略する。
ステップS612において、システム制御部50は、カムギヤ401が図2(a)に示す保持状態の位置まで回転したか否かの判定を行う。すなわち、シャッタ12が図2(c)に示す走行完了状態から図2(a)に示す保持状態への移行が完了したか否かの判定を行う。システム制御部50は、移行が完了していないと判断した場合(ステップS612でNO)、ステップS612を繰り返す。システム制御部50は、移行が完了していると判断した場合(ステップS612でYES)、処理をステップS713に進める。
ステップS713において、システム制御部50の判定部50aは、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGを確認することにより、ミラー駆動用モータ41aによるミラーダウン状態からミラーアップ状態への切り換えが可能な状態になったか否かを判定する。
ステップS713において、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされていない場合には、処理をステップS717に進める。ステップS713において、ミラーアップ開始フラグMUP_FLGに1がセットされている場合には、処理をステップS615に進める。
ステップS717において、システム制御部50は、シャッタ駆動用モータ40bのOUT1端子にLow信号を入力し、シャッタ駆動用モータ40bのOUT2端子にHi信号を入力する。これによって、シャッタ駆動用モータ40bをショートブレーキ状態とする。
ステップS718において、システム制御部50は、シャッタ駆動用モータ40bの出力軸が回転しているか、停止しているかを判定する。ステップS718において、シャッタ駆動用モータ40bの出力軸が回転している場合には、処理をステップS620へ進める。ステップS718において、シャッタ駆動用モータ40bの出力軸が停止している場合には、処理をステップS625へ進める。
第2の実施形態では、シャッタ駆動用モータ40bがショートブレーキを開始した後、シャッタ駆動用モータ40bの停止を検出するよりも前に、ミラーアップ動作が許可される際には、シャッタ駆動用モータ40bを惰性で回転させる。すなわち、ミラーアップ動作が許可されている場合には、すぐに解除動作を開始することが想定されるので、シャッタ駆動用モータ40bをこれ以上減速させないようにしている。
一方、シャッタ駆動用モータ40bがショートブレーキを開始した後、シャッタ駆動用モータ40bの停止を検出した後、ミラーアップ動作が許可される際には、ミラーアップ動作が許可された後、所定時間が経過するまでショートブレーキ状態を継続する。
いずれの場合にも、ミラー駆動用モータ41aの駆動開始タイミングとシャッタ駆動用モータ40bの駆動開始タイミングとが重なり合うことがないように、シャッタ駆動用モータ40bの駆動開始タイミングを遅らせている。