JP5900268B2 - 情報処理システム、情報処理装置、携帯端末、インストール対象設定方法及びプログラム - Google Patents

Description

本発明は、情報処理システム、このシステムを構成する情報処理装置、このシステムで用いられる携帯端末、情報処理装置で用いられるデバイスドライバのインストール方法、及びそのデバイスドライバのインストールのために情報処理装置及び携帯端末でそれぞれ実行されるプログラムに関する。

パーソナルコンピュータ（以下「ＰＣ」という）等の情報処理装置でスキャナやプリンタ等のデバイスを使用できるようにするためには、デバイスドライバ（以下「ドライバ」という）をインストールする必要がある。ドライバをインストールする際は、通常、ＰＣのインストーラがデバイスから必要な情報（例えばデバイスのＩＰアドレスやＭＡＣアドレス）を取得するなど、ＰＣとデバイスとの間で所定のデータ通信が行われる。インストーラがデバイスから取得した情報は、ＰＣのディスプレイに表示され、ユーザがその表示内容を確認した上で所定の操作を行うと、そのデバイスのインストールが実行される。

インストーラは、ドライバのインストール時に、ＰＣが属する通信ネットワークに対してブロードキャストやマルチキャスト等を行うことで、ＰＣと通信可能なデバイスを検索し、そのデバイスからデバイス情報を取得する。そのため、ＰＣと通信可能なデバイスが複数存在している場合には、その複数のデバイスのデバイス情報がＰＣのディスプレイに表示される。ユーザにより、その複数のデバイスの中から所望のデバイスが選択されると、その所望のデバイスがＰＣにインストールされる（例えば、特許文献１参照。）。

特開２００７−１９６１４号公報

しかし、デバイスのインストール時に、複数のデバイスがインストール対象候補としてディスプレイに一覧表示されると、ユーザは、どのデバイスを選択すればいいのか、自分がインストールしたいデバイスはどれなのか、わかりづらい。特に、ＰＣの通信範囲に同じモデルのデバイスが複数存在している場合にはそのわかりづらさはより顕著になる。

このような場合、インストールさせたい所望のデバイスがＬＣＤ（液晶表示装置）等の表示装置を備えていれば、その表示装置にデバイス情報を表示させることで、ユーザはそのデバイス情報をもとにＰＣ側で所望のデバイスを選択することができる。

しかし、全てのデバイスにＬＣＤ等の表示装置が設けられているとは限らない。特に近年、デバイスの小型化・低コスト化の観点から、表示装置を省いた簡素な構成のデバイスも広く普及してきている。そのような表示装置のないデバイスの場合、ユーザは直接的にはそのデバイス情報を知ることはできない。仮に表示装置を備えていても、例えば数文字のテキストしか表示できなかったりＬＥＤしか備えていなかったりするなど、表示能力が低い場合、ユーザは、直接的にそのデバイス情報を知ることは困難である。

本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、インストール対象のデバイスがＬＣＤ等の表示装置を持たない或いは表示能力の低い表示装置しか持たないデバイスであっても、ＰＣ等の情報処理装置側でそのデバイスを容易に選択してインストールできるようにすることを目的とする。

上記課題を解決するためになされた本発明の情報処理システムは、携帯端末及び少なくとも１つのデバイスと第１の通信方式で相互にデータ通信可能な情報処理装置と、この情報処理装置と第１の通信方式で相互にデータ通信可能であって、第１の通信方式よりも通信範囲の狭い第２の通信方式によりデバイスとの一対一でのデータ通信も可能に構成された携帯端末とを備えるものである。

情報処理装置は、第１の取得手段と、第２の取得手段と、デバイス情報判断手段と、インストール対象設定手段とを備えている。第１の取得手段は情報処理装置と実際に第１の通信方式でデータ通信可能な状態にあるデバイスの各々から、対応するデバイスドライバのインストールに必要なデバイス情報を第１の通信方式で取得する。第２の取得手段は、携帯端末から、その携帯端末が特定のデバイスから取得したデバイス情報である特定デバイス情報を第１の通信方式で取得する。デバイス情報判断手段は、第１の取得手段が取得したデバイス毎のデバイス情報の中に、第２の取得手段が取得した特定デバイス情報と一致するデバイス情報が存在しているか否か判断する。インストール対象設定手段は、デバイス情報判断手段により特定デバイス情報と一致するデバイス情報が存在していると判断された場合に、その一致するデバイス情報に対応したデバイスを、情報処理装置におけるインストール対象のデバイスとして設定する。

携帯端末は、端末側取得手段と、特定デバイス情報送信手段とを備えている。端末側取得手段は、上記特定のデバイスから第２の通信方式で特定デバイス情報を取得する。特定デバイス情報送信手段は、端末側取得手段が取得した特定デバイス情報を情報処理装置へ送信する。

このように構成された情報処理システムによれば、情報処理装置が各デバイスから取得したデバイス情報の中で、同じく情報処理装置が携帯端末から取得した特定デバイス情報と一致するものがあった場合に、その一致するデバイス情報に対応したデバイスがインストール対象として設定される。そのため、インストール対象のデバイスがＬＣＤ等の表示装置を持たない或いは表示能力の低い表示装置しか持たないデバイスであっても、情報処理装置側で所望のデバイスを容易に選択してインストールすることができる。

本発明の情報処理システムにおいて、情報処理装置が備える各手段、及び携帯端末が備える各手段は、それぞれ、コンピュータをそれら各手段として機能させるためのプログラムとして実現することができる。

実施形態の情報処理システムの概略構成を表す構成図である。 デバイスをインストールする際の基本的な手順を表す説明図である。 デバイスインストールの第１の事例を表す説明図である。 デバイスインストールの第２の事例を表す説明図である。 デバイスインストールの第３の事例を表す説明図である。 モバイル端末の画面表示例を表す説明図である。 ＰＣのインストーラの処理を表すフローチャートである。 モバイル端末のデバイスインストールアプリの処理を表すフローチャートである。

以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の情報処理システム１０は、図１に示すように、デバイスとしての３つのスキャナ１，２，３と、情報処理装置としてのＰＣ５と、携帯端末としてのモバイル端末７とを備えたものである。ＰＣ５は、各スキャナ１，２，３及びモバイル端末７と無線ＬＡＮ（本発明の第１の通信方式の一例に相当）によって相互にデータ通信可能である。なお、以下の説明では、各スキャナ１，２，３について、特に区別しない場合は、単に「デバイス」とも称する。

ＰＣ５と各スキャナ１，２，３との無線ＬＡＮによるデータ通信は、相互間で直接通信を行う構成（いわゆるアドホックモード）であってもよいが、本実施形態では、ルータ機能を備えたアクセスポイントである無線ルータ９を中継して相互にデータ通信を行う構成（いわゆるインフラストラクチャーモード）となっている。ＰＣ５とモバイル端末７との無線ＬＡＮによるデータ通信についても同様であり、無線ルータ９を中継して行われる。

そのため、無線ルータ９を中継して無線ＬＡＮ通信を行うＰＣ５，各スキャナ１，２，３、及びモバイル端末７に対しては、無線ルータ９からそれぞれ個別にＩＰアドレスが割り当てられる。別の新たなデバイスをＰＣ５から無線ＬＡＮ経由で使用できるようにしたい場合は、そのデバイスと無線ルータ９との間で、ＩＰアドレスの割り当てを含む所定のデータ通信を実行させることによって、そのデバイスを無線ルータ９に認識させればよく、そうすることでそのデバイスも無線ルータ９を介してＰＣ５やモバイル端末７と無線ＬＡＮによる通信が可能となる。

モバイル端末７と各スキャナ１，２，３とは、ＮＦＣ（Near Field Communication）による無線通信（以下「ＮＦＣ通信」という）によって相互にデータ通信可能である。ＮＦＣは、ごく近い範囲内（例えば１０ｃｍ以内）で一対一の双方向通信を行うことが可能な周知の近距離無線通信規格である。ユーザがモバイル端末７を何れか特定のデバイスの所定部位にかざすと、その特定のデバイスとモバイル端末７との間で自動的にＮＦＣ通信が開始され、所定のデータ通信が行われる。

本実施形態では、モバイル端末７は、ＮＦＣ通信（本発明の第２の通信方式の一例に相当）によって、デバイスからそのデバイスのデバイス情報を取得する。デバイス情報とは、そのデバイスを特定する情報、及びそのデバイスがＰＣ５との間で無線ＬＡＮによるデータ通信が可能な状態にあるか否かを示すための情報である。モバイル端末７が特定のデバイスから取得したデバイス情報は、後述するように、無線ＬＡＮによってＰＣ５へ送信され、ＰＣ５においてその特定のデバイスをインストール（詳しくはその特定のデバイスに対応したデバイスドライバをインストール）する際に用いられる。つまり、デバイス情報は、ＰＣ５でデバイスのインストールを行う際に必要な情報である。

本実施形態では、デバイス情報として少なくとも、そのデバイスのＭＡＣアドレスとＩＰアドレスが設定されている。そのため、ユーザがモバイル端末７を特定のデバイスにかざすと、その特定のデバイスからモバイル端末７へそのデバイスのＭＡＣアドレス及びＩＰアドレスがデバイス情報として送信される。なお、モバイル端末７がデバイスからＮＦＣ通信で取得するデバイス情報は本発明の特定デバイス情報の一例に相当するものである。

各スキャナ１，２，３以外の、無線ルータ９に認識されていない別のデバイスにモバイル端末７をかざした場合は、デバイス情報としてＭＡＣアドレスは送信されるが、ＩＰアドレスは割り当てられていないため送信されない。そのため、デバイス情報としてのＩＰアドレスは、そのデバイスを特定する情報であると共に、そのデバイスが無線ルータ９に認識されているか否かを示す情報でもある。換言すれば、デバイスのＩＰアドレスは、そのデバイスがＰＣ５と無線ＬＡＮによるデータ通信が実際に可能な状態（ＰＣ５と同一の通信ネットワークに存在・接続していて実際に通信可能な状態）になっているのかそれともＰＣ５と無線ＬＡＮによるデータ通信が実際にはまだ行えない未接続状態になっているのか否かを示す情報でもある。なお、デバイス情報としては、ＩＰアドレス及びＭＡＣアドレスだけでなく、他の情報（例えばデバイス名）を含んでいてもよい。また、必ずしもＩＰアドレス及びＭＡＣアドレスを含む必要はなく、ＰＣ５において対応するデバイスをインストールしてそのデバイスをＰＣ５から無線ＬＡＮ経由で使用できるようにするために必要な情報であれば何でもよい。

各スキャナ１，２，３、ＰＣ５、及びモバイル端末７の構成についてより具体的に説明する。まず、各スキャナ１，２，３の構成について説明する。各スキャナ１，２，３は、いずれも同じモデルであって、その構成自体は同じである。そのため、代表として１つのスキャナ１について、その構成を具体的に説明する。

スキャナ１は、ＣＰＵ１１、ＲＯＭ１２、ＲＡＭ１３、画像読取部１４、入力部１５、無線ＬＡＮ通信部１７、及びＮＦＣ通信部１８などを備えている。
ＣＰＵ１１は、ＲＯＭ１２に記憶されている各種プログラムやデータに従ってスキャナ１内の各部の制御及び各種演算を実行する。ＲＯＭ１２には、当該スキャナ１固有のＭＡＣアドレスが保存されている。ＲＡＭ１３は、ＣＰＵ１１から直接アクセスされるメインメモリ等として利用されるものである。ＲＡＭ１３には、無線ルータ９から割り当てられるＩＰアドレスも保存される。画像読取部１４は、イメージセンサを備え、原稿の画像を読み取ってその画像を表す画像データを生成する。

入力部１５は、ユーザがスキャナ１を動作させる際の各種入力操作を受け付けるためのものであり、本実施形態では、少なくとも自動復帰型の小型の押しボタンを含むものである。その押しボタンが押下されると、原稿のスキャンが開始され、スキャンされた原稿の画像データがＰＣ５へ送信される。

無線ＬＡＮ通信部１７は、無線ＬＡＮによるデータ通信を行うための、アンテナを備えた周知の通信モジュールである。ＮＦＣ通信部１８は、ＮＦＣ通信を行うための、アンテナを備えた周知の通信モジュールである。

なお、本実施形態のスキャナ１は、ＬＣＤ等の、ユーザに対して視覚的に情報を提供するための情報表示手段は備えていない。そのため、ユーザは、スキャナ１本体からは、スキャナ１の動作状態や設定状態、上述したデバイス情報などの種々の情報を知ることができない。また、本実施形態のスキャナ１は、ＰＣ５にインストールさせる際にはＰＣ５との間で無線ＬＡＮによるデータ通信を行いながらインストールさせる必要がある、無線ＬＡＮインストール専用機として構成されている。ただし、デバイスが無線ＬＡＮインストール専用機であることは必須ではない。

ＰＣ５は、ＣＰＵ２１、ＲＯＭ２２、ＲＡＭ２３、ＨＤＤ（ハードディスクドライブ）２４、入力部２５、表示部２６、及び無線ＬＡＮ通信部２７などを備えた周知の構成となっている。

入力部２５は、ユーザにより操作される周知のキーボードやマウス、あるいはタッチパネルなどが含まれる。表示部２６は、液晶ディスプレイなどの表示装置により構成される。無線ＬＡＮ通信部２７は、無線ＬＡＮによるデータ通信を行うための、アンテナを備えた周知の通信モジュールである。

ＨＤＤ２４には、各種ソフトウェアが保存されている。その中には、各スキャナ１，２，３のドライバ（デバイスドライバ）や、そのドライバをインストールするためのインストーラが含まれている。ユーザ操作によりインストーラが起動され、インストール対象として所望のデバイスが選択されると、そのデバイス（のドライバ）がインストールされ、そのデバイスをＰＣ５から使用できるようになる。

モバイル端末７は、内蔵バッテリにより動作し、ユーザが手に持って（携帯して）移動しながら各種操作やデータ通信を行うことが可能な小型の携帯無線通信端末であり、その外観（平面図）は図５に示す通りである。このモバイル端末７は、図１に示すように、ＣＰＵ３１、ＲＯＭ３２、ＲＡＭ３３、入力部３５、表示部３６、無線ＬＡＮ通信部３７、及びＮＦＣ通信部３８などを備えた構成となっている。

表示部３６は、各種情報を表示可能なＬＣＤにより構成されている（図５参照）。入力部２５は、表示部３６を構成するＬＣＤの表面全体を覆うように設けられたタッチパネルを備えている。無線ＬＡＮ通信部３７は、無線ＬＡＮによるデータ通信を行うための、アンテナを備えた周知の通信モジュールである。ＮＦＣ通信部３８は、ＮＦＣ通信を行うための、アンテナを備えた周知の通信モジュールである。

ＲＯＭ３２には、各種ソフトウェアが保存されているが、その中に、ＰＣ５におけるデバイスのインストールを補助するための、デバイスインストールアプリが含まれている。デバイスインストールアプリは、後述するように、主に、ＮＦＣ通信により特定のデバイスからデバイス情報を取得してそのデバイス情報を無線ＬＡＮでＰＣ５へ送信する機能を備えている。

次に、ユーザが所望のデバイスをＰＣ５にインストールさせる際の手順について、具体的事例を交えながら説明する。ユーザ操作によってＰＣ５のインストーラが起動されると、インストーラは、無線ＬＡＮによるブロードキャストを実行して、ユーザがインストールさせたい所望のモデルのデバイスを検索し、各デバイスからデバイス情報を取得する。つまり、インストーラは、起動後まず、自身と通信可能な状態にあるデバイス（換言すればインストール可能な状態にあるデバイス）を認識するのである。そのため、起動時のブロードキャストでインストーラに認識されるデバイスは、当然ながら、そのブロードキャスト時にＰＣ５と同一の通信ネットワーク（本例では無線ＬＡＮ）に存在している（通信可能に接続されている）、ＰＣ５と接続状態にあるデバイスである。

インストーラの起動時にＰＣ５と同一の通信ネットワークに接続されていない（即ちＩＰアドレスが割り当てられておらずＰＣ５と無線ＬＡＮ通信ができない）、未接続状態のデバイスは、インストーラ起動時にはインストーラに認識されない。ただし、インストーラ起動時に未接続状態であっても、その後に無線ＬＡＮ通信可能な接続状態となった場合は、そのデバイスはＰＣ５との通信も可能になる。そのため、インストーラ起動時には未接続であったもののその後に接続状態になったデバイスについては、その接続状態となった後にインストーラに再びブロードキャストを実行させることでインストーラに認識させることができる。

ユーザが所望のデバイスをＰＣ５にインストールさせる際の主な事例としては、例えば、インストーラ起動時のブロードキャストでその所望のデバイスがインストーラに認識された状態でインストールを実行させる事例（以下「第１の事例」という）がある。また例えば、インストール起動時はその所望のデバイスが未接続状態であってインストーラに認識されなかったものの、その後その所望のデバイスが接続状態になった後にインストーラに再びブロードキャストを実行させ、その所望のデバイスをインストーラに認識させてからインストールを実行させる事例（以下「第２の事例」）がある。また例えば、所望のデバイスがＰＣ５と未接続状態のままインストールを実行させる事例（以下「第３の事例」）がある。以下、これら各事例を交えながら、ＰＣ５にデバイスをインストールする際の基本的な手順を、図２〜図５を用いて説明する。

まず、第１の事例について、図３を用いて説明する。ＰＣ５のインストーラは、起動後にインストール対象のモデル名（本実施形態ではドキュメントスキャナ）を指定したブロードキャストを行って、自身と接続状態にある該当モデルの各デバイスのデバイス情報（ＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス等）を取得する。このブロードキャストにより、同一モデルの３つのスキャナ１，２，３からそれぞれデバイス情報が無線ＬＡＮ経由で送信され、それぞれインストーラに認識される。即ち、インストーラは、ＰＣ５の表示部２６に、認識した各デバイス（即ちインストール候補のデバイス）のデバイス情報がリスト状に表示されたデバイス選択ウィンドウ４０ａを表示させる。

図３には、接続状態にある指定モデルの３つのデバイスから取得されたデバイス情報（ＩＰアドレス及びＭＡＣアドレス）がそれぞれモデル名と共にデバイス選択ウィンドウ４０ａにリストアップされている例が示されている。

このとき、ユーザが特定のデバイス（例えばスキャナ１）をインストールさせたいと思っても、そのデバイスはデバイス選択ウィンドウ４０ａに表示された３つのデバイスのうちどれなのか、デバイス選択ウィンドウ４０ａを見ただけではわからない。また、本実施形態のスキャナ１は、既述の通り、ＬＣＤ等の情報表示手段を備えない簡素な構成のものであるため、スキャナ１本体側でそのデバイス情報を確認することもできない。

そこで本実施形態では、ユーザが、インストールさせたい所望のデバイスにモバイル端末７をかざして所定の要求操作を行うと、モバイル端末７とその所望のデバイスとの間でＮＦＣ通信による所定のデータ通信が行われ、デバイスからモバイル端末７へそのデバイスのデバイス情報が送信される。その後、ユーザがモバイル端末７で所定の送信操作を行うと、そのＮＦＣ通信で取得したデバイス情報が無線ＬＡＮでインストーラ（ＰＣ５）に送信される。

ＰＣ５のインストーラは、モバイル端末７からデバイス情報を受信すると、デバイス選択ウィンドウ４０ａに表示されている３つのデバイスのうち、その受信したデバイス情報に対応したデバイス（デバイス情報が一致するデバイス）を、インストール対象のデバイスとして自動的に選択する。図３には、所望のデバイスが自動選択されたことにより該当デバイスのチェックボックスが自動的にチェックさた状態のデバイス選択ウィンドウ４０ｂが図示されている。この状態で、ユーザが「次へ」ボタンをクリックすると、そのデバイスのインストールが開始される。

次に、第２の事例について、図４を用いて説明する。本事例においても、インストーラの起動時、ブロードキャストによってＰＣ５と接続状態の３つのスキャナ１，２，３が認識されてそれらがリストアップされたデバイス選択ウィンドウ４０ａが表示されることは、上記第１の事例と同じである。

この状態で、ユーザが、上記３つのスキャナ１，２，３とは別のデバイス（同モデルのスキャナ４。以下「追加デバイス」ともいう。）をＰＣ５にインストールさせたい場合、まずはその追加デバイスを無線ＬＡＮ通信可能な状態にする必要がある。即ち、ユーザは、その追加デバイスに、無線ルータ９からＩＰアドレスを割り当ててもらうなどの所定の通信処理を実行させることで、その追加デバイスをＰＣ５と通信可能な接続状態とする。

ただし、そのようにその追加デバイスを接続状態としても、それだけでは、その追加デバイスをＰＣ５にインストールすることはできない。なぜなら、その追加デバイスはＰＣ５と無線ＬＡＮ通信可能な状態にはなっているものの、ＰＣ５のインストーラにはまだ認識されていないからである。

そこで本実施形態では、ユーザが、モバイル端末７を操作することで、ＰＣ５に対して再ブロードキャスト命令（本発明のデバイス情報取得要求の一例に相当）を送信する。すると、ＰＣ５のインストーラは、該当モデルを対象としたブロードキャストを再び実行する。この再ブロードキャストにより、元々接続状態にあった３つのデバイスに加えて、新たな追加デバイスについても、デバイス情報が取得される。そのため、再ブロードキャスト後のデバイス選択ウィンドウ４０ｃには、その追加デバイスのデバイス情報もリストアップされる。つまり、この時点で、ユーザは、追加デバイスをインストール対象として選択できるようになる。

再ブロードキャストによって追加デバイスがデバイス選択ウィンドウ４０ｃのリストに追加された後、ユーザがモバイル端末７をその追加デバイスにかざして所定の要求操作を行うと、上記第１の事例と同様、その追加デバイスのデバイス情報がモバイル端末７を介してＰＣ５に送信され、これによりＰＣ５のインストーラではその追加デバイスがインストール対象として自動選択される。図４のデバイス選択ウィンドウ４０ｃは、追加デバイスが自動選択された状態（チェックボックスがチェックされた状態）を示している。

図２は、上述した第１の事例及び第２の事例を含む、デバイスをインストールする際の基本的な手順を概略的に表したものである。図２を用いてデバイスインストールの基本的手順の概要をあらためて簡単に説明する。ＰＣ５のインストーラは、起動後に所定の起動処理（モデル選択受け付け、ブロードキャスト等）を行って、デバイス選択ウィンドウ４０ａを表示させる。モバイル端末７でも、ユーザがデバイスインストールアプリを起動させると、所定の起動処理が行われる。ＰＣ５のインストーラは、起動処理後、モバイル端末７へ、所定の初期化情報を無線ＬＡＮで送信する。初期化情報は、例えば、ＰＣ５を示す情報（例えばＰＣ５のＩＰアドレス）や、インストーラがインストール対象とするデバイスのモデル名などがある。ＰＣ５からモバイル端末７へ初期化情報を送信することで、モバイル端末７に、インストール対象のデバイスのモデル名やインストールが行われるＰＣ（即ち通信対象のＰＣ）を認識させるのである。

モバイル端末７は、ＰＣ５からの初期化情報に対してＰＣ５へ初期化完了通知を送信することで、インストールの準備が整ったことをＰＣ５のインストーラに伝える。その後、モバイル端末７から再ブロードキャスト命令が送信されると、ＰＣ５のインストーラは、再ブロードキャストを実行して、その時点でＰＣ５と無線ＬＡＮ通信可能なデバイス（但しインストール対象のモデル）の各々からデバイス情報を取得する。インストーラは、その取得結果に基づき、インストーラが認識しているデバイスが更新されたか否かを示す更新情報をモバイル端末７へ送信する。

インストーラは、更新情報の送信後、ＵＩ表示更新処理を行う。具体的には、再ブロードキャストによってインストーラが認識するデバイスが更新された場合に、その更新された内容に従ってデバイス選択ウィンドウ４０ａのリストが更新され、デバイス選択ウィンドウ４０ｃが表示される（但しこの時点ではインストール対象のデバイスの選択はまだされていない）。モバイル端末７においても、ＰＣ５から受信した更新情報に基づいてＵＩ表示更新処理が行われる。具体的には、後述する図６（ｃ），（ｄ）に例示するように、再ブロードキャストによってリストが更新されたのか否かを示す情報がモバイル端末７の表示部３６に表示される。

なお、モバイル端末７からＰＣ５へ送信される再ブロードキャスト命令には、初期化情報として受信したＰＣ５の情報（例えばＩＰアドレス）やインストーラ情報（インストール対象のモデル名）などが含まれている。

再ブロードキャストの後、ユーザが、インストールさせたい所望のデバイスにモバイル端末７をかざして所定の要求操作を行うと、モバイル端末７からそのデバイスへＮＦＣ通信によってデバイス情報要求が送信され、これに対してそのデバイスからモバイル端末７へＮＦＣ通信によってデバイス情報（デバイスのＩＰアドレス、ＭＡＣアドレス等）が送信される。なお、ＰＣ５に再ブロードキャストさせるか否かはユーザ自身が決めることであるため、ユーザが再ブロードキャストの必要がないと判断した場合は、ユーザは、再ブロードキャスト命令を送信させることなく、所望のデバイスにモバイル端末７をかざしてデバイス情報を要求すればよい。

ＮＦＣ通信によってモバイル端末７がデバイスからデバイス情報を受信した後、ユーザが所定の操作を行うと、モバイル端末７からＰＣ５へそのデバイス情報が送信される。このとき送信されるデバイス情報は、デバイスのＩＰアドレス及びＭＡＣアドレスのほか、インストーラ情報も含まれる。ＰＣ５のインストーラは、モバイル端末７からデバイス情報を受信すると、そのデバイス情報に従ってインストール対象のデバイスを自動選択し、インストールを進める。

図２には、モバイル端末７を介して所望のデバイスをインストールする際の基本的な流れを示した。この基本的な流れは、インストールしたい所望のデバイスがＰＣ５と接続状態にあって、かつＰＣ５に認識された状態であることを前提としている。これに対し、本実施形態では、その基本的な流れ以外に、ＰＣ５と未接続状態にあるデバイスについても、未接続状態のままそのデバイスを暫定的にインストールさせることができる。そのような、未接続状態のままインストールさせる場合の具体的事例を表したものが、図５に示す第３の事例である。

図５に示すように、第３の事例では、ユーザがインストールさせたいと思っている追加デバイス（スキャナ４）は、ＰＣ５に認識されていないだけでなく、ＰＣ５と無線ＬＡＮによるデータ通信もまだ可能な状態にはなっていない。この状態で、ユーザがモバイル端末７をその追加デバイスにかざすと、その追加デバイスからデバイス情報が受信される。ただし、このとき受信されるデバイス情報には、ＩＰアドレスは含まれていない。なぜなら、その追加デバイスは未接続状態であり、ＩＰアドレスが割り当てられていないからである。

しかし、ユーザは、そのＩＰアドレスを含まないデバイス情報を、モバイル端末７からＰＣ５へ無線ＬＡＮで送信することができる。ＰＣ５のインストーラは、モバイル端末７から、そのＩＰアドレスを含まないデバイス情報を受信すると、表示部２６に警告ダイアログ５０をポップアップ表示させる。この警告ダイアログ５０は、図５に示すように、ユーザに対し、未接続状態のデバイスがユーザにより選択されたこと、未接続状態のまま暫定的にインストールさせることができること、実際にＰＣ５からそのデバイスを使用できるようにするためにはそのデバイスを無線ＬＡＮ通信可能な状態にする必要があること、などを知らせるためのものである。

警告ダイアログ５０において、ユーザがＯＫボタンをクリックすると、その未接続状態のデバイスをそのまま暫定的にインストールさせるべき旨の意思表示がなされたものとして、インストーラはそのデバイスのデバイス情報をデバイス選択ウィンドウ４０ａに追加し、その未接続状態のデバイスを自動選択する。図５には、未接続状態のデバイスがリストに追加されて自動選択された状態のデバイス選択ウィンドウ４０ｄが示されている。

このようにして未接続状態のデバイスが自動選択されると、インストーラは、その選択されたデバイスについて、現時点で明らかになっているデバイス情報（本例ではＭＡＣアドレス）に基づいてインストールを進める。ただし、ここで行うインストールは、デバイスのＩＰアドレスとドライバとの関連付けがなされない暫定的なものであり、任意のポート名を用いて行われるものである。そのため、ドライバのインストール自体は一応なされるものの、ＰＣ５から実際にそのデバイスを使用することはまだできない。

ドライバのインストールを暫定的に行ったデバイスを実際にＰＣ５から使用できるようにするためには、あらためて、そのデバイスのＩＰアドレスをドライバに設定（関連付け）する必要がある。その関連付けの方法としては、例えば、ユーザ自らＰＣ５に対してＩＰアドレスを入力する方法や、無線ＬＡＮに接続した後に再ブロードキャストを実行させることによってモバイル端末７経由でＩＰアドレスをＰＣ５へ送信する方法などが考えられる。

なお、警告ダイアログ５０がポップアップされたときに、ユーザは、モバイル端末７からＰＣ５へ再ブロードキャスト命令を送信させることで、図４に示した第２の事例と同様の流れに移行させることもできる。

次に、ＰＣ５のインストーラの処理、及びモバイル端末７のデバイスインストールアプリの処理について、図７，図８を用いてより具体的に説明する。まず、ＰＣ５のインストーラの処理について図７を用いて説明する。ＰＣ５において、ユーザが所定のインストーラ起動操作を行うことによりＣＰＵ１１がインストーラのプログラムの実行を開始すると、ＣＰＵ１１は、Ｓ１１０で、モデル選択の受け付けを行う。具体的には、インストール対象のデバイスのモデル名をユーザに選択させる。ユーザによりインストール対象のデバイスのモデル名が選択されると、Ｓ１２０で、通信インタフェースの選択の受け付けを行う。具体的には、デバイスのインストールを無線ＬＡＮ経由で行うのか、有線ＬＡＮ経由で行うのか、それとも他の通信インタフェース（例えばＵＳＢ）経由で行うのかをユーザに選択される。ユーザにより通信インタフェースの選択がなされると、その選択された通信インタフェースに応じた処理に進むが、図７のＳ１３０以降は、通信インタフェースとして無線ＬＡＮが選択された場合の処理を抜粋して示している。そのため、以下の説明では、通信インタフェースとして無線ＬＡＮが選択されたものとして説明を進める。

Ｓ１３０では、Ｓ１１０で選択されたモデル名のデバイスをブロードキャストで検索し、その検索結果をデバイス選択ウィンドウにて表示する。この検索により、例えば図３に示した第１の事例では、図３のデバイス選択ウィンドウ４０ａが表示される。Ｓ１４０では、デバイス選択ウィンドウに複数のデバイスが表示されたか否か、即ち無線ＬＡＮの通信ネットワーク内に該当モデルのデバイスが複数存在しているか否かを判断する。

デバイスが１つだけ表示されている場合は、インストール対象のデバイスはまさにそのデバイスだけであるため、Ｓ３３０に進んで、そのデバイスを対象としてインストールを進める。デバイスが複数表示された場合は、その中から何れか１つを選択させる必要があるため、Ｓ１５０に進む。Ｓ１５０では、モバイル端末７へ初期化情報（既述のＰＣの情報やインストーラ情報など）を送信する。初期化情報の送信後、１６０で、モバイル端末７から初期化完了通知を受信したか否か判断し、受信していない場合は、Ｓ１７０に進む。Ｓ１７０では、ユーザによりインストール対象のデバイスが選択されたか否か判断し、選択されなければＳ１５０に戻り、選択された場合は、Ｓ３３０で、その選択されたデバイスを対象としてインストールを進める。

Ｓ１６０でモバイル端末７から初期化完了通知を受信したと判断した場合は、Ｓ１８０で、モバイル端末７から何らかの情報を受信したか否か判断する。モバイル端末７から何も受信しない場合は、Ｓ１９０で、ユーザによりインストール対象のデバイスが選択されたか否か判断し、選択されなければＳ１８０に戻り、選択された場合は、Ｓ３３０で、その選択されたデバイスを対象としてインストールを進める。

モバイル端末７から何らかの情報を受信した場合は、Ｓ２００で、その受信した情報が再ブロードキャスト命令であるか否か判断する。受信した情報が再ブロードキャスト命令であった場合は、Ｓ２１０で、Ｓ１１０で選択されたモデルを対象として再びブロードキャストを行い、該当モデルを検索する。そして、Ｓ２２０で、再ブロードキャストの結果、即ちインストーラの認識デバイスが更新されたか否かを示す更新情報を、モバイル端末７へ送信する。その後、Ｓ２３０で、再ブロードキャスト結果に基づき、選択画面（デバイス選択ウィンドウ）の表示内容を更新して、Ｓ１８０に戻る。Ｓ２３０において、例えば図４に示した第２の事例では、デバイスが１つ追加されたデバイス選択ウィンドウ４０ｃが表示される。

Ｓ２００で、受信した情報が再ブロードキャスト命令でなかった場合は、Ｓ２４０で、受信した情報がデバイス情報であるか否か判断する。デバイス情報でなかった場合は、Ｓ２５０で通信失敗メッセージを表示部２６に表示させてＳ１８０に戻るが、デバイス情報であった場合は、Ｓ２６０で、モバイル端末７へ情報受信応答を送信する。そしてＳ２７０で、現在インストーラが認識しているデバイス（即ちデバイス選択ウィンドウに表示されているデバイス）の中に、そのデバイス情報とモバイル端末７から受信したデバイス情報とが一致するデバイスが存在しているか否か判断する。そして、一致するデバイスが存在している場合は、Ｓ２８０で、その一致したデバイスをインストール対象として自動選択し、Ｓ３３０で、その自動選択したデバイスを対象としてインストールを進める。Ｓ２８０において、例えば図３に示した第１の事例では、デバイスが自動選択されたデバイス選択ウィンドウ４０ｂが表示される。

Ｓ２７０で、受信したデバイス情報と一致するデバイスが存在しないと判断した場合は、その受信したデバイス情報に対応したデバイスは未接続状態（未接続デバイス。本発明の未接続特定デバイスの一例に相当。）であることが予想される。そこで、Ｓ２９０で、ネットワーク未接続警告表示を行う。即ち、図５に示した警告ダイアログ５０を表示部２６に表示させる。そして、Ｓ３００で、ユーザにより未接続状態でのインストールが許可されたか否か、即ち警告ダイアログ５０内のＯＫボタンがクリックされたか否かを判断し、許可されなかった場合（例えば「×」ボタンがクリックされた場合）はＳ１８０に戻る。Ｓ３００で、許可された場合は、Ｓ３１０で、その未接続デバイスのデバイス情報（ＩＰアドレスは含まず）を保存し、デバイス選択ウィンドウのリストに追加する。即ち、図５に示した第３の事例においては、未接続状態のデバイスがリストに追加されたデバイス選択ウィンドウ４０ｄが表示されることになる。未接続デバイスをリストに追加したら、Ｓ３２０で、その未接続デバイスをインストール対象デバイスとして自動選択し、Ｓ３３０のインストール処理に進む。この未接続デバイスのインストール処理は、既述の通り、ＩＰアドレスが未定のままＭＡＣアドレスに基づいて暫定的にインストールを進める方法（本発明の暫定インストール方法の一例に相当）により行われる。なお、Ｓ３３０のインストール処理は、実際には、デバイス選択ウィンドウに表示されている「次へ」ボタンをユーザがクリックすることにより行われる。

次に、モバイル端末７のデバイスインストールアプリの処理について、図８を用いて説明する。ユーザが、モバイル端末７において、デバイスインストールアプリを起動させるための所定の起動操作を行うと、モバイル端末７のＣＰＵ３１が、デバイスインストールアプリのプログラムの実行を開始する。モバイル端末７のＣＰＵ３１は、デバイスインストールアプリを開始すると、Ｓ４１０で、図６（ａ）に例示する初期画面を表示させる。Ｓ４２０で、その初期画面に表示されている受信開始ボタン６１がユーザにより押下（タップ）されるのを待ち、押下された場合は、Ｓ４３０に進む。受信開始ボタン６１が押下されることで、デバイスインストールアプリは、ＰＣ５からの初期化情報を受信する処理に入る。

Ｓ４３０では、ＰＣ５から初期化情報を受信したか否か判断し、受信しなかった場合はＳ４４０で受信失敗の旨の表示をさせてＳ４２０に戻るが、受信した場合は、Ｓ４５０で、受信した初期化情報に含まれているインストーラ情報が示すモデル情報を表示させる。具体的には、図６（ｂ）に示すような画面が表示される。図６（ｂ）の例は、ＰＣ５においてインストール対象のモデルとしてドキュメントスキャナが選択されたことを示している。また、このモデル情報の表示画面では、再ブロードキャストを要求するための再ブロードキャストボタン６３と、デバイスからデバイス情報を取得するためのデバイス通信開始ボタン６２も表示される。

モデル情報の表示後、Ｓ４６０で、ＰＣ５へ初期化完了通知を送信して、Ｓ４７０に進む。Ｓ４７０では、再ブロードキャストボタン６３がユーザにより押下されたか否か判断し、押下された場合は、Ｓ４８０で、ＰＣ５へ再ブロードキャスト命令を送信する。そして、Ｓ４９０で、再ブロードキャスト後の更新情報をＰＣ５から受信し、Ｓ５００で、その受信した更新情報を表示して、Ｓ４７０に戻る。なお、Ｓ５００では、具体的には、ブロードキャスト成功時（再ブロードキャストによりリストが更新された場合）は、図６（ｃ）に示すような、ＰＣ５側でリストが更新された旨の情報を表示する。ブロードキャスト失敗時（再ブロードキャストを行ってもリストが更新されなかった場合）は、図６（ｄ）に示すような、ＰＣ５側でリストが更新されなかった旨の情報を表示する。

Ｓ４７０で、再ブロードキャストボタン６３が押下されていない場合は、Ｓ５１０に進み、デバイス通信開始ボタン６２がユーザにより押下されたか否か判断する。デバイス通信開始ボタンが押下された場合は、Ｓ５２０で、該当モデルへＮＦＣ通信によりデバイス情報の要求を行う。このとき、ユーザがモバイル端末７を所望のデバイスへかざした場合は、そのデバイスからＮＦＣ通信にてデバイス情報が受信される。そこで、Ｓ５３０で、デバイス情報要求に対してデバイス情報の応答があったか否か判断する。デバイス情報の応答があった場合は、Ｓ５４０で、受信したデバイス情報を表示部３６に表示させる。

Ｓ５４０では、具体的には、デバイス情報にＩＰアドレスが含まれている場合は、図６（ｅ）に示すように、モバイル端末７をかざしたデバイスが選択対象デバイス（インストール対象としてＰＣ側で選択できるデバイス）である旨の表示、及びデバイスから受信したデバイス情報であるＩＰアドレス及びＭＡＣアドレスの表示がされる。この場合、表示部３６には、そのデバイス情報をＰＣ５へ送信させるためのデバイス情報送信ボタン６４も表示される。

逆に、デバイス情報にＩＰアドレスが含まれていない場合は、図６（ｆ）に示すように、モバイル端末７をかざしたデバイスが選択対象デバイスではない（少なくとも現時点ではインストール対象としてＰＣ側で選択できるデバイスではない）旨の表示、及びデバイスから受信したデバイス情報であるＭＡＣアドレスの表示がなされる。ＩＰアドレスについては、取得できなかったことを示す「未接続」の表示を行う。この「未接続」の表示は、本発明の報知手段が実行する報知の一例に相当するものである。またこの場合、表示部３６には、デバイス情報送信ボタン６４に加えて、再ブロードキャストボタン６３も表示される。そのため、デバイスを無線ＬＡＮに接続した上であらためて再ブロードキャストを行わせることで、ＩＰアドレスを含むデバイス情報を取得することもできる。

Ｓ５３０で、デバイス情報の応答がなかった場合は、Ｓ５５０で、通信失敗メッセージを表示部３６に表示させる。具体的には、図６（ｇ）に示すように、通信失敗である旨の表示がなされると共に、デバイス通信開始ボタン６２及び再ブロードキャストボタン６３が表示される。

Ｓ５１０で、デバイス通信開始ボタン６２が押下されていない場合は、Ｓ５６０に進み、デバイス情報送信ボタン６４がユーザにより押下されたか否か判断する。デバイス情報送信ボタン６４が押下されない場合はＳ４７０に戻るが、デバイス情報送信ボタン６４が押下された場合は、Ｓ５７０で、ＰＣ５へ無線ＬＡＮにてデバイス情報を送信する。そしてＳ５８０で、ＰＣから情報受信応答があったか否か判断し、応答がなければＳ５９０で送信失敗メッセージを表示させてＳ４７０に戻り、応答があった場合はデバイスインストールアプリを終了する。

以上説明した本実施形態の情報処理システム１０では、インストール対象のデバイスが複数ある場合、ユーザが所望のデバイスにモバイル端末７をかざしてデバイス通信開始ボタン６２を押下すると、そのデバイスのデバイス情報がＮＦＣ通信によって取得される。そして、ユーザがモバイル端末７のデバイス情報送信ボタン６４を押下すると、その取得したデバイス情報が無線ＬＡＮにてＰＣ５へ送信される。ＰＣ５のインストーラは、自らブロードキャストにてインストール対象のモデルの各々からデバイス情報を取得・表示する。そして、各デバイスから取得したデバイス情報の中で、モバイル端末７から取得したデバイス情報と一致するものがあった場合に、その一致するデバイス情報に対応したデバイスをインストール対象として設定する。そのため、インストール対象のデバイスがＬＣＤ等の表示装置を持たない或いは表示能力の低い表示装置しか持たないデバイスであっても、ＰＣ５側で所望のデバイスを容易に選択してインストールすることができる。

また、モバイル端末７からＰＣ５に対して再ブロードキャストを要求することができる。そのため、インストールしたい所望のデバイスがまだＰＣ５に認識されていなくても、モバイル端末７からの再ブロードキャスト命令によって容易にその所望のデバイスをＰＣ５に認識させることができ、これによりその所望のデバイスを容易且つ確実にインストール対象に設定することができる。

また、モバイル端末７は、デバイス情報を取得したデバイスがＰＣ５と未接続状態にある場合（即ちＩＰアドレスが未定の場合）にはその旨を報知する（図６（ｆ）参照）。そのため、モバイル端末７でデバイス情報を取得したときに、ユーザは、そのデバイスが無線ＬＡＮに接続状態にあるかどうか、ひいてはＰＣ５に認識されているか否かを迅速に知ることができる。

また、モバイル端末７がデバイスから取得したデバイス情報にＩＰアドレスが含まれていない場合に、それでもそのデバイスのインストールを未接続状態のままでいいから実行させたい場合には、その取得したデバイス情報を、ＩＰアドレスを含まない状態のままＰＣ５へ送信できる。ＰＣ５のインストーラは、モバイル端末７からそのＩＰアドレスを含まないデバイス情報を取得した場合、対応する未接続状態のデバイスのインストールを実行させるか否かをユーザに選択させ、実行させる旨の選択がなされたらそのデバイスを未接続状態のまま暫定的にインストールする。そのため、インストールさせたいデバイスが未接続状態となっていても、ユーザは、必要ならば、その未接続状態のままそのデバイスを暫定的ながらインストールさせることができる。

［変形例］
本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。

例えば、上記実施形態では、ＰＣ５の再ブロードキャストはモバイル端末７からの再ブロードキャスト命令によって行われる構成であったが、ＰＣ５が自ら、所定のタイミングで（例えば所定の時間間隔で定期的に）ブロードキャストを行うようにしてもよい。

また、上記実施形態では、ＰＣ５と各デバイス及びモバイル端末７との通信を無線ＬＡＮで行う構成であったが、これは一例であって、他の無線通信方式を用いて通信を行うようにしてもよい。モバイル端末７とデバイスとの一対一の近距離通信についても、ＮＦＣ通信はあくまでも一例であり、他の近距離無線通信方法を用いて通信を行うようにしてもよい。また、ＰＣ５と各デバイス及びモバイル端末７との通信は、無線に限らず、有線通信であってもよい。

また、上記実施形態では、ＰＣ５にドライバをインストールするデバイスとしてスキャナを例に挙げたが、スキャナはあくまでも一例であり、スキャナ以外の他のデバイスのインストールにおいても本発明を適用できる。

特に、上記実施形態のスキャナのようにＬＣＤ等の情報表示手段を全く持たないデバイス、あるいは、情報表示手段を持ってはいるもののそれがデバイスのＩＰアドレスやＭＡＣアドレスなどの各種デバイス情報の表示までは不可能（又は困難）な簡素な構成である場合に、本発明を適用するとより効果的である。

また、ＰＣ５のインストーラのプログラムは、予めＰＣ５のＨＤＤ２４に保存された状態で提供してもよいし、ＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤ−ＲＯＭのなどの、コンピュータで読み取り可能な各種記録媒体に記憶させた形で提供してもよいし、インターネット等のネットワークを介してコンピュータにダウンロードさせることにより提供してもよく、どのような形態でプログラムを提供するかについては特に限定されるものではない。モバイル端末７のデバイスインストールアプリについても同様である。

１，２，３，４…スキャナ、５…ＰＣ、７…モバイル端末、９…無線ルータ、１１，２１，３１…ＣＰＵ、１２，２２，３２…ＲＯＭ、１３，２３，３３…ＲＡＭ、１４…画像読取部、１５，２５，３５…入力部、１７，２７，３７…無線ＬＡＮ通信部、１８，３８…ＮＦＣ通信部、２６，３６…表示部、４０ａ，４０ｂ，４０ｃ，４０ｄ…デバイス選択ウィンドウ、５０…警告ダイアログ、６１…受信開始ボタン、６２…デバイス通信開始ボタン、６３…再ブロードキャストボタン、６４…デバイス情報送信ボタン

Claims (8)

1. 携帯端末及び少なくとも１つのデバイスと第１の通信方式で相互にデータ通信可能な情報処理装置と、
   前記情報処理装置と前記第１の通信方式で相互にデータ通信可能であって、前記第１の通信方式よりも通信範囲の狭い第２の通信方式により前記デバイスとの一対一でのデータ通信も可能に構成された前記携帯端末と、
   を備え、
   前記情報処理装置は、
   当該情報処理装置と実際に前記第１の通信方式でデータ通信可能な状態にある前記デバイスの各々から、対応するデバイスドライバのインストールに必要なデバイス情報を前記第１の通信方式で取得する第１の取得手段と、
   前記携帯端末から、その携帯端末が特定の前記デバイスから取得した前記デバイス情報である特定デバイス情報を前記第１の通信方式で取得する第２の取得手段と、
   前記第１の取得手段が取得した前記デバイス毎の前記デバイス情報の中に、前記第２の取得手段が取得した前記特定デバイス情報と一致するデバイス情報が存在しているか否か判断するデバイス情報判断手段と、
   前記デバイス情報判断手段により前記特定デバイス情報と一致するデバイス情報が存在していると判断された場合に、その一致するデバイス情報に対応した前記デバイスを前記情報処理装置におけるインストール対象のデバイスとして設定するインストール対象設定手段と、
   を備え、
   前記携帯端末は、
   前記特定のデバイスから前記第２の通信方式で前記特定デバイス情報を取得する端末側取得手段と、
   前記端末側取得手段が取得した前記特定デバイス情報を前記情報処理装置へ送信する特定デバイス情報送信手段と、
   を備えることを特徴とする情報処理システム。
2. 請求項１に記載の情報処理システムであって、
   前記携帯端末は、
   前記情報処理装置に前記デバイスからの前記デバイス情報の取得を実行させるための所定の取得要求操作を受け付ける取得要求操作受付手段と、
   前記取得要求操作受付手段により前記取得要求操作が受け付けられた場合に、前記情報処理装置へ前記第１の通信方式でデバイス情報取得要求を送信するデバイス情報取得要求手段と、
   を備え、
   前記情報処理装置において、
   前記第１の取得手段は、前記携帯端末から前記デバイス情報取得要求を受信した場合、前記第１の通信方式でデータ通信可能な状態にある前記デバイスの各々から前記デバイス情報を取得する
   ことを特徴とする情報処理システム。
3. 請求項１又は請求項２に記載の情報処理システムであって、
   前記携帯端末は、
   前記端末側取得手段が前記特定のデバイスから取得した前記特定デバイス情報に基づいて、その特定のデバイスが前記情報処理装置と前記第１の通信方式でデータ通信可能な状態にあるか否か判断する通信状態判断手段と、
   前記通信状態判断手段により前記特定のデバイスが前記情報処理装置とデータ通信可能な状態ではない未接続状態と判断された場合にその旨を報知する報知手段と、
   を備えることを特徴とする情報処理システム。
4. 請求項３に記載の情報処理システムであって、
   前記携帯端末は、
   前記通信状態判断手段により前記特定のデバイスが前記未接続状態と判断された場合に、その未接続状態の前記特定のデバイスから取得された前記特定デバイス情報である未接続特定デバイス情報を前記情報処理装置へ送信すべきか否かの選択操作を受け付ける送信選択操作受付手段を備え、
   前記特定デバイス情報送信手段は、前記送信選択操作受付手段により前記未接続特定デバイス情報を送信すべき旨の選択がなされた場合に、その未接続特定デバイス情報を前記情報処理装置へ送信する
   ことを特徴とする情報処理システム。
5. 請求項４に記載の情報処理システムであって、
   前記情報処理装置は、
   前記第２の取得手段が取得した前記特定デバイス情報が前記未接続特定デバイス情報であった場合に、その未接続特定デバイス情報に対応した前記特定のデバイスについて、対応するデバイスドライバのインストールを実行させるか否かの選択操作を受け付けるインストール実行選択操作受付手段と、
   前記インストール実行選択操作受付手段により前記インストールを実行させる旨の選択操作が受け付けられた場合に、前記未接続特定デバイス情報に基づいて、対応するデバイスドライバを、対応する前記特定のデバイスと相互にデータ通信を行うことなくインストールを進める所定の暫定インストール方法にてインストールする暫定インストール手段と、
   を備えることを特徴とする情報処理システム。
6. 携帯端末及び少なくとも１つのデバイスと相互にデータ通信可能に構成された情報処理装置であって、
   当該情報処理装置と実際にデータ通信可能な状態にある前記デバイスの各々から、対応
   するデバイスドライバのインストールに必要なデバイス情報を取得する第１の取得手段と、
   前記携帯端末から、その携帯端末が特定の前記デバイスから取得した前記デバイス情報である特定デバイス情報を取得する第２の取得手段と、
   前記第１の取得手段が取得した前記デバイス毎の前記デバイス情報の中に、前記第２の取得手段が取得した前記特定デバイス情報と一致するデバイス情報が存在しているか否か判断するデバイス情報判断手段と、
   前記デバイス情報判断手段により前記特定デバイス情報と一致するデバイス情報が存在していると判断された場合に、その一致するデバイス情報に対応した前記デバイスを前記情報処理装置におけるインストール対象のデバイスとして設定するインストール対象設定手段と、
   を備えることを特徴とする情報処理装置。
7. 情報処理装置と、
   前記情報処理装置と第１の通信方式で相互にデータ通信可能であって、前記第１の通信方式よりも通信範囲の狭い第２の通信方式によるデータ通信も可能に構成された少なくとも１つのデバイスと、
   前記情報処理装置と第１の通信方式で相互にデータ通信可能であって、前記デバイスと前記第２の通信方式による一対一でのデータ通信も可能に構成された携帯端末と、
   を備えた情報処理システムで用いられ、
   前記情報処理装置が、当該情報処理装置と実際に前記第１の通信方式でデータ通信可能な状態にある前記デバイスの各々から、対応するデバイスドライバのインストールに必要なデバイス情報を前記第１の通信方式で取得するデバイス情報取得ステップと、
   前記携帯端末が、特定の前記デバイスから前記第２の通信方式でその特定のデバイスの前記デバイス情報である特定デバイス情報を取得して前記情報処理装置へ送信する特定デバイス情報送信ステップと、
   前記情報処理装置が、前記携帯端末から送信された前記特定デバイス情報を前記第１の通信方式で取得して、その取得した特定デバイス情報と一致するデバイス情報が、前記デバイス情報取得ステップで取得した前記デバイス毎の前記デバイス情報の中に存在している場合に、その一致するデバイス情報に対応した前記デバイスを当該情報処理装置におけるインストール対象のデバイスとして設定するインストール対象設定ステップと、
   を備えることを特徴とするインストール対象設定方法。
8. 携帯端末及び少なくとも１つのデバイスと相互にデータ通信可能に構成された情報処理装置が備えるコンピュータを、
   当該情報処理装置と実際にデータ通信可能な状態にある前記デバイスの各々から、対応するデバイスドライバのインストールに必要なデバイス情報を取得する第１の取得手段と、
   前記携帯端末から、その携帯端末が特定の前記デバイスから取得した前記デバイス情報である特定デバイス情報を取得する第２の取得手段と、
   前記第１の取得手段が取得した前記デバイス毎の前記デバイス情報の中に、前記第２の取得手段が取得した前記特定デバイス情報と一致するデバイス情報が存在しているか否か判断するデバイス情報判断手段と、
   前記デバイス情報判断手段により前記特定デバイス情報と一致するデバイス情報が存在していると判断された場合に、その一致するデバイス情報に対応した前記デバイスを前記情報処理装置におけるインストール対象のデバイスとして設定するインストール対象設定手段と、
   として機能させるためのプログラム。