本発明に係る遊技機の実施の形態について、図面を用いて具体的に説明する。なお、本明細書では、本発明に係る遊技機の例としてパチンコ遊技機を用いて説明するが、本発明はパチンコ遊技機以外の遊技機にも適用することが可能である。また、本明細書においては、パチンコ遊技機(以下、単に「遊技機」と言う。)及び遊技機を構成する各部材の「前側」、「後側」は、遊技機を正面から見た場合における表面側(前面側)、背面側(後面側)を示すものとし、遊技機及び遊技機を構成する各部材に関して「上側」、「下側」、「左側」及び「右側」は、図1に示すように、遊技機を正面から見た場合における上側、下側、左側及び右側を示すものとする。また、本明細書においては、遊技球が各種入賞口に流入することを「入賞」と言い、遊技球が入賞することによって遊技者に払い出される遊技球のことを「賞球」と言う。
[遊技機1の外観構成]
図1に示すように、遊技機1は、機体の外郭を構成する縦長方形の外枠2を備えている。この外枠2の開口前面側には、縦長方形の中枠3が着脱自在に組み付けられている。中枠3は、全体的に合成樹脂材料を用いて成形されており、内部に遊技盤12等を取付固定することができるように構成されている。前枠4は、中枠3の前面側に、該前枠4の左側に設けられたヒンジを中心に中枠3に対して横開きをすることができるように開閉自在に組み付けられている。前枠4は、ガラス板5を備えており、遊技者が遊技盤12を視認することができ、かつ遊技盤12を保護することができるように構成されている。また、前枠4は、遊技に使用する遊技球を一時的に貯留する上受け皿6と、上受け皿6から溢れ出て流下した遊技球を貯留する下受け皿7とをガラス板5の下方に備えている。
遊技機1は、遊技盤12に向けて遊技球を弾発するための発射装置を内部に備えており、この発射装置の弾発強さを操作ハンドル8の回動量によって調節することができるように構成されている。また、上受け皿6には、遊技球を貯留する貯留スペースの前側に、遊技者が遊技中に押圧操作する各種ボタン9a,9b,9cが配置されている。また、遊技機1の上部には、音声を出力するためのスピーカ10が設けられている。
遊技盤12は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材料で成形された略正方形の平板状の部材である。この遊技盤12の背面側には、裏ユニット13(図2参照)がビス等によって取付固定されている。遊技盤12には、センター役物31の装飾枠32を取り付けるための開口部14が略中央部に開口形成されている。また、遊技盤12の表面には、発射装置で弾発された遊技球を遊技盤12の上部へ案内する案内レール15が設けられている。また、遊技盤12には、案内レール15により遊技盤12の上部に案内された遊技球が該遊技盤12の下部に向けて流下する遊技領域16が形成されている。
遊技領域16には、装飾枠32を取り付けるための上記した開口部14が該遊技領域16の略中央部に開口形成されている。また、遊技領域16には、普通入賞装置17、始動入賞装置18、大入賞装置19等の各種入賞装置が設けられている。また、遊技領域16には、多数の誘導釘20が打たれている。遊技領域16を流下する遊技球は、誘導釘20に当たって流下方向を変化させながら、遊技領域16の上部から下部に向かって流下する。遊技領域16を流下する遊技球の一部は、各種入賞装置に設けられている各種入賞口(図示せず)に入賞する。また、遊技領域16を流下する遊技球のうち、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、遊技領域16の最下部に設けられたアウト口21に流入する。
普通入賞装置17は、遊技領域16に複数個(本実施の形態では3個)設けられている。これら普通入賞装置17は、普通入賞口(図示せず)を有しており、遊技球が普通入賞口に入賞すると、所定数(例えば10個)の賞球を払い出すように構成されている。
始動入賞装置18は、装飾枠32の下方に配置されている。始動入賞装置18は、始動入賞口(図示せず)を有しており、遊技球が始動入賞口に入賞すると遊技者に不利な通常遊技状態から遊技者に有利な大当り遊技状態で遊技を行うか否かを抽選するための大当り抽選が行われるように構成されている。
大入賞装置19は、始動入賞装置18の下方に配置された第1大入賞装置19aと、装飾枠32の下方であって、遊技領域16の左右方向中央よりも右方に配置された第2大入賞装置19bとを備えている。これら第1大入賞装置19a及び第2大入賞装置19bは、大入賞口(図示せず)を備えている。第1大入賞装置19a及び第2大入賞装置19bは、通常遊技状態では遊技球が入賞することがなく、大当り抽選に当選して、遊技状態が通常遊技状態から大当り遊技状態へ移行した時に遊技球が入賞できるように構成されている。これら第1大入賞装置19a及び第2大入賞装置19bは、大当り遊技状態では、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、又は所定時間(例えば30秒)が経過するまでの間、遊技球が入賞するように構成されている。遊技機1は、大入賞口に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の数に対応した数の賞球を遊技者に払い出す。なお、本実施の形態では、大入賞装置19を複数個有する遊技機1を用いて説明したが、大入賞装置19の数はこれに限定されるものではない。
センター役物31は、装飾枠32を備えている。装飾枠32は、各種の装飾が施されている枠状の部材であり、遊技盤12の開口部14に対して、遊技盤12の前側から挿入して取付固定されている。
図2に示すように、裏ユニット13には、図柄表示手段としての液晶表示装置33及び演出用役物34が取付固定されている。液晶表示装置33は、遊技中に所定の図柄等を変動表示及び停止表示するというように、遊技の状態や遊技の進行に応じて種々の演出表示を行うためのものである。この液晶表示装置33で表示される図柄等としては、例えば、数字等から構成される種々の図柄やアニメーション等、各種画像等が挙げられるが、これに限定されるものではない。遊技盤12は、該遊技盤12に形成された開口部14が裏ユニット13に取付固定された液晶表示装置33の表示画面と同じ位置に位置するように裏ユニット13に取付固定されており、液晶表示装置33で表示される図柄等は、遊技盤12に形成されている開口部14を介して遊技者が視認することができるように構成されている。なお、本実施の形態では、図柄表示手段の例として液晶表示装置33を用いて説明したが、上記した演出表示を行うことができるものであれば、液晶表示装置33以外のものを任意に選択して用いてもよい。なお、図1及び図2における符号33aは、液晶表示装置33に形成されている表示領域である。
図2に示すように、演出用役物34は、裏ユニット13において、液晶表示装置33の右側に位置するように配置されている。また、この演出用役物34は、液晶表示装置33の前方に設けられている。この演出用役物34は、裏ユニット13に遊技盤12を取付固定した場合には、遊技領域16内に配置される位置に配置されている。また、この演出用役物34は、遊技盤12に取付固定された装飾枠32の内部に位置するように配置されており、遊技盤12が裏ユニット13に取付固定された場合には、該装飾枠32の内部であって、かつ該装飾枠32の右側に位置するように配置される。なお、本実施の形態では、演出用役物34が液晶表示装置33の右側に位置するように配置した例を用いて説明するが、演出用役物34を設置する位置はこれに限定されるものではない。例えば、液晶表示装置33の右側、上側、又は下側に位置するように取付固定してもよいし、これら以外の場所に取付固定してもよい。
[演出用役物34の構成]
図3及び図4に示すように、演出用役物34は、装飾体35、発光部36、移動体37、駆動機構38及び従動部材39(図6及び図7参照)を備えている。この演出用役物34は、装飾体35が移動体37の上に連結して構成されている。また、この装飾体35の周囲には、発光部36が設けられている。また、移動体37は、従動部材39を介して駆動機構38の駆動力が付与されるように構成されている。移動体37は、駆動機構38から駆動力が付与されると、液晶表示装置33の表示領域33aを覆わないように装飾体35が直立した状態に位置させる第1位置としての直立位置、液晶表示装置33の表示領域33aの少なくとも一部を覆うように装飾体35が所定角度だけ傾いた状態に位置させる傾斜位置、液晶表示装置33の表示領域33aの少なくとも一部を覆うように装飾体35を位置させ、かつ装飾体35を傾斜位置から所定量だけ引き込んだ位置に位置させる第2の位置としての引き込み位置に位置させ、傾斜位置を経由して直立位置と引き込み位置との間を往復運動するように構成されている。即ち、移動体37は、装飾体35が直立位置にあるように位置している場合に駆動機構38から駆動力が付与されると、装飾体35が直立位置から傾斜位置へ移動し、さらに装飾体35が傾斜位置から引き込み位置まで移動するように移動する。そして、移動体37はさらに駆動機構38から駆動力が付与されると、引き込み位置から傾斜位置へ移動し、さらに装飾体35が傾斜位置から直立位置まで移動するように移動し、直立位置と引き込み位置との間を往復運動する。なお、この装飾体35が各位置へ移動する場合における詳細な説明は後述する。
(装飾体35の構成)
装飾体35は、遊技機1における遊技の進行に応じて種々の演出を行うための所定の各種装飾が施されたものである。図5に示すように、装飾体35は、本実施の形態では外観が円柱形状になるものを使用しているが、装飾体35の外観形状は円柱形状以外のものであってもよい。
図5に示すように、装飾体35は、装飾本体41、装飾体用駆動モータ42を備えており、装飾体用駆動モータ42の駆動によって、装飾本体41が所定角度だけ回転することができるように構成されている。また、装飾体35には、移動体37と連結するための連結体43が設けられている。装飾本体41は、光源部材44、光源部材固定体45、第1装飾体46、第2装飾体47、上固定体48、カバー体49、嵌合部材50、従動ギヤ51、第1下固定体52及び第2下固定体53を備えている。光源部材44は、光源用基板54と、この光源用基板54に取り付けられたLED等の発光素子55とから構成されている。また、光源部材44には、光源用基板54の下部にコネクタ56が設けられており、図示しないケーブルが接続できるように構成されている。
光源部材固定体45は、光源部材44を取付固定するためのものである。図5に示すように、光源部材固定体45は、前側に第1開口部57が形成された略半円柱形状となるように形成されており、この第1開口部57を前側から覆うように光源部材44が取付固定されるように構成されている。この第1開口部57には、該第1開口部57の前側端部の位置よりも若干前側に向けて突出したピン57aが形成されている。このピン57aは、光源部材44を取付固定する際、該光源部材44の位置決めを行うためのものである。また、光源部材固定体45は、上部に円形状の天井部57bが形成されている。この天井部57bには円形状の孔部57cが開口形成されており、この孔部57cに上固定体48が嵌合することができるように構成されている。
また、光源部材固定体45には、該光源部材固定体45の下部に図示しないケーブルを導出するとともに、光源部材固定体45を第1下固定体52に取付固定するための固定部材58が取り付けられている。この固定部材58は、前面が開口する半円柱形状に形成されたスリーブ部58aと、このスリーブ部58aの下に形成された貫通孔部58bと、この貫通孔部58bの左右両側に形成された固定ピン58cとを備えている。スリーブ部58aは、光源部材44のコネクタ56に接続されたケーブルを案内し、このケーブルに過度の力が加わらないようにするためのものである。一端側がコネクタ56に接続されたケーブルの他端は、このスリーブ部58aに案内されながら貫通孔部58bを通って光源部材固定体45の外部へ導出される。固定ピン58cは、第1下固定体52に形成された固定孔に挿入することができる大きさに形成されている。
第1装飾体46は、後側が開口形成された略半円柱形状に形成されており、遊技機1において用いられる各種装飾が施された第1装飾面46aが前側の側面部に形成されている。第2装飾体47は、前側が開口形成された略半円柱形状に形成されており、後側の側面部に遊技機1において用いられる各種装飾が施された第2装飾面47aが後側の側面部に形成されている。これら第1装飾体46及び第2装飾体47は、互いの開口を対向させながら組み付けることができ、これら第1装飾体46及び第2装飾体47の内部に空間部(図示せず)が形成されている。この空間部は、光源部材固定体45が配置されることができる大きさに形成されている。即ち、第1装飾体46及び第2装飾体47は、光源部材固定体45の周囲を覆うように取付固定されている。また、第1装飾体46及び第2装飾体47は、光源部材固定体45とは独立して動くことができるように構成されている。即ち、これら第1装飾体46及び第2装飾体47は、光源部材固定体45が固定されている場合であっても、該光源部材固定体45の周囲において回転等の移動をすることができるように構成されている。また、これら第1装飾体46及び第2装飾体47には、上端面よりも下側の所定位置であって空間部の上端部に位置する箇所に天井部46b,47bが形成されている。この天井部46b,47bには、上固定体48と固定するためのネジ孔が設けられている。なお、これら第1装飾体46及び第2装飾体47に施される装飾は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、装飾は、所定の図柄等を描いたものであってもよいし、側面部に所定の凹凸等を設けて装飾を施してもよい。また、これら以外の方法で装飾を施してもよい。
また、第1装飾体46には、第1装飾面46aが形成された側面部の径よりも小径に形成された第1小径部46cが形成されており、第2装飾体47には、第2装飾面47aが形成された側面部の径よりも小径に形成された第2小径部47cが形成されている。これら第1小径部46c及び第2小径部47cは、嵌合部材50に形成されている後述する案内孔と嵌合することが可能な大きさに形成されている。
上固定体48は、それぞれ組み付けられた第1装飾体46及び第2装飾体47を固定するためのものである。この上固定体48は中央部に貫通孔48aが設けられている。上固定体48には、下面において円周状に突出する突出部(図示せず)が形成されており、該上固定体48の上面から突出部の下面に向けて、上記した貫通孔が貫通形成されている。この突出部の外径は、光源部材固定体45の天井部57bに形成されている貫通孔と嵌合することができるような大きさ、即ち、該外径が該貫通孔の内径と略同一か、該内径よりも若干小さな外径を有するように形成されている。
また、上固定体48には、外周面から半径方向の外側に向けて突出するネジ固定部48bが形成されている。このネジ固定部48bは、本実施の形態では2ヶ所に形成されている。これらネジ固定部48bは、第1装飾体46のネジ孔と第2装飾体47のネジ孔のそれぞれにネジ止めすることができる位置に形成されている。
したがって、この上固定体48は、第1装飾体46及び第2装飾体47のそれぞれにネジ止め固定することで、これら第1装飾体46と第2装飾体47を固定し、かつ上固定体48の突出部を光源部材固定体45の貫通孔48aに嵌合することで、第1装飾体46及び第2装飾体47の内部に形成されている空間部内における光源部材固定体45の位置を決めることができるようになっている。
カバー体49は、上固定体48の上方から該上固定体48を覆うためのものである。このカバー体49は円板形状に形成されており、上固定体48にネジ止めするためのネジ穴49aが設けられている。
嵌合部材50は、第1装飾体46及び第2装飾体47の下側を位置決めするとともに、第1装飾体46及び第2装飾体47の回転を可能な状態で支持するためのものである。この嵌合部材50は、第1下固定体52の上に取付固定することができるように形成されており、また嵌合部材50には、嵌合用孔50aが貫通形成されている。この嵌合用孔50aは、第1装飾体46及び第2装飾体47を組み付けた際、第1装飾体46に形成されている第1小径部46c及び第2装飾体47に形成されている第2小径部47cにより形成される小径部分と嵌合可能な大きさに形成されている。即ち、嵌合用孔50aの内径は、小径部分の外径と略同じか、又は該小径部分の外径よりも若干大きくなるように形成されている。
従動ギヤ51は、装飾体用駆動モータ42から伝達される駆動力を第1装飾体46及び第2装飾体47に伝えるためのものである。また、この従動ギヤ51は、第1装飾体46及び第2装飾体47が組み付けられた状態を維持できるように、これら第1装飾体46及び第2装飾体47を固定することができるように構成されている。また、従動ギヤ51は、中央部に固定部材58が挿通可能な大きさ及び形状に形成された挿通孔51aが貫通形成されている。また、従動ギヤ51には、位置検知センサ59が従動ギヤ51の位置、即ち、第1装飾体46及び第2装飾体47の位置を検知する際に用いる突出片51bが形成されている。
第1下固定体52は、固定部材58を介して光源部材44の下部を固定するためのものである。この第1下固定体52は、略長方形状をなすように形成されており、その下に第2下固定体53を取付固定することができるように構成されている。また、第1下固定体52には、装飾体用駆動モータ42の駆動ギヤ60が挿通可能な駆動ギヤ挿通孔52aが形成されている。また、第1下固定体52には、固定部材58の固定ピン58cが挿入可能な固定孔52bが形成されており、固定部材58が取付固定できるように形成されている。
第2下固定体53は、第1下固定体52の下に取付固定されるもので、連結体43及び移動体37と連結することができるように形成されている。連結体43は、第2下固定体53の下に取付固定されており、移動体37は、第2下固定体53の後側に取付固定されている。また、第2下固定体53には、駆動軸が挿通可能な大きさの孔が貫通形成されている。
装飾体用駆動モータ42は、駆動軸に駆動ギヤ60が取り付けられて構成されており、第2下固定体53の下に取付固定されている。駆動ギヤ60は、装飾体用駆動モータ42の駆動軸に取り付けられており、装飾体用駆動モータ42から付与される駆動力を従動ギヤ51に伝達することができるように構成されている。この駆動ギヤ60は、第1下固定体52の駆動ギヤ挿通孔52aを挿通して配置されており、駆動軸は、第2下固定体53の孔を挿通して配置されている。
(発光部36の構成)
図3及び図4に示すように、発光部36は、装飾体35の略前方に配置された第1発光部61と、装飾体35の側方に配置された第2発光部62とを備えている。これら第1発光部61は、発光基板の上に発光素子が設けられて構成されている。これら第1発光部61及び第2発光部62で用いられる発光素子としては、LED等の各種発光素子を任意に選択して用いることができる。第1発光部61は、装飾体35よりも前側に光を照射することができるように設けられており、第2発光部62は、装飾体35の側方から装飾体35に向けて光を照射することができるように設けられている。なお、本明細書では、発光部36としてLED及び発光基板を使用した構成のものを用いて説明したが、これに限定されるものではなく、従来から公知のものを任意に選択して適宜用いてもよい。
(移動体37、駆動機構38及び従動部材39の構成)
移動体37、駆動機構38及び従動部材39の構成を図6及び図7に示す。これら移動体37、駆動機構38及び従動部材39は、移動体37等を移動可能に支持する第1基板72及び第2基板73からなる基板71(図4参照)に組み付けられて一つのユニットとして構成されている。なお、ここでは、説明の便宜上、基板71を構成する第1基板72及び第2基板73の構成を説明した後に、移動体37、駆動機構38及び従動部材39の構成を詳細に説明する。
第1基板72及び第2基板73は、移動体37、駆動機構38及び従動部材39を組み立てる際のベースとなる部材である。図6及び図7に示すように、第1基板72及び第2基板73は前後方向に並んで配置するように構成されている。本実施の形態では、第1基板72が前側に配置され、第2基板73が後側に配置されるように構成されている。
第1基板72は、駆動機構38が取り付けられ、従動部材39の一端及び移動体37の一端を支持することができるように構成されている。この第1基板72には、駆動軸挿通孔74、第1伝達部材用挿通孔75及び第2伝達部材用挿通孔76が貫通形成されている。また、第1基板72には、第1ガイド部77及び第1直線ガイド部78が形成されている。駆動軸挿通孔74は、駆動手段を構成する駆動用モータ79の駆動軸80を前側と後側との間で挿通することができるように形成されている貫通孔で、第1基板72の左側に形成されている。第1伝達部材用挿通孔75は、後述する第1伝達部材91を回転可能に支持する第1伝達部材用駆動軸94aを挿通させることができるように形成されている貫通孔である。また、第2伝達部材用挿通孔76は、後述する第2伝達部材92を回転可能に支持する第2伝達部材用駆動軸94bを挿通させることができるように形成されている貫通孔である。これら第1伝達部材用挿通孔75及び第2伝達部材用挿通孔76は、第1基板72の左右方向略中央に、左右並んで貫通形成されている。第1ガイド部77は、第3の回転軸としての軸S3の移動並びに第2伝達部106の移動、さらには移動体37及び連結体43の動きをガイドするためのもので、円弧状に形成された円弧状部81と、この円弧状部81と連続するように形成された直線部82とを有している。
第1直線ガイド部78は、上記した第1ガイド部77とは別の場所、即ち第1ガイド部77よりも上方に形成されている。この第1直線ガイド部78は、本実施の形態では、第1基板72の背面の所定位置において該背面から後方向に向けて第1ガイド用リブ83を形成することで構成されている。第1直線ガイド部78は、ガイドする方向が上記した第1ガイド部77の直線部82と平行になるように形成されている。また、移動体37が回転運動を行う場合にこの回転運動の回転軸となる第1回転軸用突部84が第1直線ガイド部78には形成されている。この第1直線ガイド部78は、移動体37が直線部88にガイドされて移動するに伴って第1回転受け部113が直線運動をする際に、この第1回転受け部113を案内するためのものである。この第1直線ガイド部78を形成することによって、移動体37が直線方向に運動する際のブレ等をなくすことができ、第1回転受け部113の第1回転軸用突部84との嵌合や分離を確実に行うことが可能になる。
第2基板73は、従動部材39の他端及び移動体37の他端を支持することができるように構成されている。この第2基板73には、第2ガイド部85及び第2直線ガイド部86が形成されている。第2ガイド部85は、第2基板73の上部に形成されており、後述する移動体37の動きをガイドするために形成されている貫通溝である。図6に示すように、第2ガイド部85は、曲線を描く曲線部87が上側に形成されており、この曲線部87と連続するように直線部88が形成されている。第2直線ガイド部86は、本実施の形態では、第2基板73の表面の所定位置であって、第1直線ガイド部78と対向する位置に形成されている。この第2直線ガイド部86は、第2基板73の表面から前方向に向けて第2ガイド用リブ90を形成することで構成されている。第2直線ガイド部86は、第1直線ガイド部78と平行となるように形成されている。また、移動体37が回転運動を行う場合にこの回転運動の回転軸となる第2回転軸用突部89が第2直線ガイド部86の内部に形成されている。この第2直線ガイド部86は、移動体37が直線部88にガイドされて移動するに伴って第2回転受け部114が直線運動をする際に、この第2回転受け部114を案内するためのものである。この第2直線ガイド部86を形成することによって、移動体37が直線方向に運動する際のブレ等をなくすことができ、第2回転受け部114の第2回転軸用突部89との嵌合や分離を確実に行うことが可能になる。また、これは、第1直線ガイド部78と第2直線ガイド部86のいずれをも形成してガイドをすることにより、第1回転受け部113と第1回転軸用突部84と嵌合及び分離、並びに第2回転受け部114と第2回転軸用突部89との嵌合及び分離をさらにより確実に行うことが可能になる。
駆動手段としての駆動機構38は、駆動用モータ79、第1伝達部材91、第2伝達部材92を備えている。駆動用モータ79は、移動体37を第1位置としての直立位置と第2位置としての引き込み位置との間において移動させるための駆動力を付与するためのものである。この駆動用モータ79は、予め定められた所定の一方向にのみ回転駆動するもので、第1基板72の表面側にネジ等のような任意な方法で取付固定される。また、駆動用モータ79は、駆動軸80を有しており、この駆動軸80の先端には駆動ギヤ93が圧入等の従来から任意な方法で取付固定されている。駆動軸80は、駆動用モータ79が第1基板72に取付固定される時は、駆動軸挿通孔74を挿通して、第1基板72の背面に配置されるように構成されている。
第1伝達部材91及び第2伝達部材92は、駆動用モータ79の駆動力を従動部材39に伝達するためのものである。本実施の形態では、これら第1伝達部材91及び第2伝達部材92はギヤで構成されている例を用いて説明するが、駆動用モータ79の駆動力を従動部材39に伝達させることができれば、他の構成であってもよい。
第1伝達部材91は、ギヤとして形成されている部材であり、第1伝達部材用駆動軸94aを圧入等によって取り付けることが可能な第1軸孔95aが形成されている。第1伝達部材91は、第1基板72の背面側に配置されており、第1軸孔95aに取り付けられた第1伝達部材用駆動軸94aを第1基板72の後側から前側に向けて、第1伝達部材用挿通孔75に挿通し、第1基板72の前側に突出した該第1伝達部材用駆動軸94aの先端を第1スナップリング98により固定することができるように構成されている。この第1伝達部材91は、第1伝達部材用駆動軸94aを回転軸部材として回転する。なお、本明細書における「第1回転軸」は、第1伝達部材91が回転する回転軸である軸S1を意味する。
第2伝達部材92は、第1伝達部材91と同様、ギヤとして形成されている部材であり、第2伝達部材用駆動軸94bを圧入等によって取り付けることが可能な第2軸孔95bが形成されている。第2伝達部材92は、第1基板72の背面側に配置されており、第2軸孔95bに取り付けられた第2伝達部材用駆動軸94bを第1基板72の後側から前側に向けて、第2伝達部材用挿通孔76に挿通し、第1基板72の前側に突出した該第2伝達部材用駆動軸94bの先端を第2スナップリング98bにより固定することができるように構成されている。この第2伝達部材92は、第2伝達部材用駆動軸94bを回転軸部材として回転する。
図7に示すように、第1伝達部材91には、その後側に第1伝達部96が形成されている。第1伝達部96は、従動部材39と連結し、第1伝達部材91に付与された駆動力を従動部材39に伝達するためのものである。この第1伝達部96は、第1伝達部材91の第1回転軸から半径方向にRだけ外側に離れた位置に形成されている。この第1伝達部96は、第1伝達部材91が第1回転軸を中心に回転すると、この第1回転軸を中心とした半径Rの弧を描くように回転運動を行う。本実施の形態では、第1伝達部96は第1伝達部材91の背面から後側に突出したピン状の部材として形成しているが、従動部材39と連結することができればよく、その形状は限定されない。
図6及び図7に示すように、従動部材39は、従動部材回転軸部材97を中心として往復運動をすることができるように構成したものであり、第1基板72と第2基板73との間に位置するように配置されている。即ち、従動部材39は、従動部材回転軸部材97が挿通可能な大きさに形成された従動部材回転軸挿通孔99が貫通形成されており、この従動部材回転軸挿通孔99に挿通された従動部材回転軸97の一端が第1基板72の背面側に形成された第1従動部材支持部100によって支持され、従動部材回転軸97の他端が第2基板73の表面に形成された第2従動部材支持部101によって支持されるように構成されている。
従動部材39は、支持部略扇形状に形成された基部102と、この基部102から、該基部102よりも半径方向外側に突出した突出部103とを有している。また、従動部材39には、従動部材回転軸97が挿通可能な大きさ、即ち、内径が従動部材回転軸97の外径と略同一か、又は内径が該従動部材回転軸97の外径に比べて、ガタツキが生じない程度に大径となるように形成された従動部材回転軸挿通孔99が貫通形成されている。なお、本明細書において「第2回転軸」は、従動部材39が回転する回転軸である軸S2を意味する。
この従動部材39は、基部102に第1長孔部104が形成されており、基部102から突出部103にかけて、第2長孔部105が形成されている。第1長孔部104は、第2回転軸よりも半径方向外側に向けて、該半径方向に延びるように形成されており、第1伝達部96の幅よりも大きな幅に形成されて、第1伝達部96がその第1長孔部104の内部においてスライド移動することができるように形成されている。従動部材39は、この第1長孔部104に第1伝達部材91の第1伝達部96がスライド移動可能な状態で嵌合するように配置されており、第1伝達部材91を介して伝達される駆動力が付与されるようになっている。
また、従動部材39には、第2回転軸S2よりも半径方向外側であって、第1長孔部104とは異なる位置において半径方向に延びるように形成された第2長孔部105が形成されている。即ち、この第2長孔部105は、水平方向に対する第1長孔部104の長手方向の中心線の角度をθ1とし、水平方向に対する第2長孔部105の長手方向の中心線の角度をθ2とした場合に、θ1<θ2の関係になるような位置に形成されている(図8参照)。また、この第2長孔部105は、連結体43と従動部材39とを結合する第2伝達部106が内部に配置され、この第2伝達部106が該第2長孔部105の中でスライド移動することができる幅を有するように形成されている。即ち、第2長孔部105の幅は、第2伝達部106の外形形状よりも大きくなるように形成されている。
この従動部材39は、第1伝達部材91の第1伝達部96を介して駆動用モータ79からの駆動力が付与されると、第1伝達部材91が予め定められた所定位置まで回転した時には、その回転に伴って、第2回転軸S2を中心にして、予め定められた第1の方向へ回動する円弧運動を行い、第1伝達部材91が所定位置から更に回転した時は、第2回転軸S2を中心にして、第1の方向とは逆の方向である第2の方向へ回動する円弧運動を行うように配置形成されている。この第2伝達部106は、従動部材39が回動して円弧運動した時に、この従動部材39から付与される駆動力を受け、移動体37及び連結体43にこの駆動力を伝達するためのものである。なお、この第2伝達部106は、移動体37に形成してもよいし、連結体43に形成してもよい。
従動部材39には、基部102において外周が円弧状に形成されている部分の肉厚が、他の部分よりも薄い薄肉部107が形成されている。また、この薄肉に形成された部分である薄肉部107には、切欠き108が形成されている。この切欠き108は、センサ部材110が従動部材39の位置を検知することができるようにするためのものである。センサ部材110には、従来から公知のものを任意に選択して用いることができ、本実施の形態のように、センサ部材110として、発光部と受光部を有する光検知センサを用いてもよい。
移動体37は、従動部材39と連結されており、駆動用モータ79の一方向の回転によって動作する従動部材39の動きに伴って、装飾体35を直立位置、傾斜位置及び引き込み位置の間で移動させるためのものである。図6及び図7に示すように、移動体37は、下部の形状が逆三角形、即ち下へ行くにつれて幅が順次狭くなる形状となるように形成されており、上部の形状は、下部よりも左右方向の幅が広い長方形状に形成されている。下部の下位置には、第2伝達部106が結合される結合孔111が貫通形成されている。また、長方形状をした上部には回転受け部112が形成されている。この回転受け部112は、移動体37の表面側及び後面側の両方に形成されている。移動体37の表面側に形成されている第1回転受け部113と該移動体37の後面側に形成されている第2回転受け部114とは同一の形状になるように形成されている。図6に示すように、第1回転受け部113は、移動体37の表面から前側に向けて所定高さだけ突出したリブ状に形成されている。この第1回転受け部113は、リブが略U字形に形成されており、リブが形成されていない開口部が部分的に形成されている。第1回転受け部113は、リブとリブとが対向する位置にある部分における内側の幅が第1基板72の第1直線ガイド部78の中に形成されている第1回転軸用突部84の外径と略同じか、又はこの第1回転軸用突部84の外径よりもガタツキが生じない程度に大きな寸法となるように形成されている。この第1回転受け部113は、第3の回転軸としての軸S3を有する第1回転軸用突部84と嵌合及び分離が可能に形成されている。即ち、第1回転受け部113は、第2伝達部106等が円弧状部87にガイドされて移動する時は、第1回転軸用突部84と嵌合しており、第2伝達部106等が直線部88にガイドされて移動する時は、第1回転軸用突部84から分離して移動するように構成されている。
第2回転受け部114は、移動体37の後面から後側に向けて所定高さだけ突出したリブ状に形成されている。この第2回転受け部114は、リブが略U字形に形成されており、リブが形成されていない開口部が部分的に形成されている。なお、これら第1回転受け部113の開口部14及び第2回転受け部114の開口部は、前後方向において互いに対向する位置に形成されている。第2回転受け部114は、リブとリブとが対向する位置にある部分における内側の幅が第2基板73の第2直線ガイド部86の中に形成されている第2回転軸用突部89の外径と略同じか、又はこの第2回転軸用突部89の外径よりも、ガタツキが生じない程度に大きな寸法となるように形成されている。この第2回転受け部114は、第3の回転軸としての軸S3を有する第2回転軸用突部89と嵌合及び分離が可能に形成されている。即ち、第2回転受け部114は、第2伝達部106等が円弧状部87にガイドされて移動する時は、第1回転軸用突部89と嵌合しており、第2伝達部106等が直線部88にガイドされて移動する時は、第2回転軸用突部89から分離して移動するように構成されている。なお、本明細書において「第3の回転軸」とは、第1回転軸用突部84及び第2回転軸用突部89により形成される軸S3を意味する。この第3の回転軸としての軸S3は、移動体37、連結体43、第1基板72、第2基板73の少なくともいずれかに形成されていればよい。
[装飾体35の作用効果]
次に、装飾体35の作用について説明する。図3〜図5に示すように、装飾体35は、遊技の進行に応じて光源部材44が所定の態様で発光したり、第1装飾体46又は第2装飾体47がこれら第1装飾体46及び第2装飾体47の内部に配置されている光源部材固定体45の横断面中央において長手方向に延びる軸を中心に回転する。この時の作用について説明する。
図3及び図4に示すように、本実施の形態に係る遊技機1では、通常は第1装飾体46が前側を向き、第2装飾体47が後側を向くように位置している。このように位置している時に、遊技の進行において所定の条件が成立すると、装飾体用駆動用モータ42が回転駆動を開始する。装飾体用駆動用モータ42の回転軸には駆動ギヤ60が取付固定されており、この駆動ギヤ60は従動ギヤ51と噛み合っているので、装飾体用駆動用モータ42が回転駆動すると、この駆動力は駆動ギヤ60を介して従動ギヤ51に伝達される。従動ギヤ51は、第1装飾体46の下部及び第2装飾体47の下部に取付固定されているので、従動ギヤ51が回転を開始すると、それに伴って第1装飾体46及び第2装飾体47も回転を開始する。この時、これら第1装飾体46及び第2装飾体47は、光源部材固定体45とは独立して動くことができるように構成されているので、光源部材固定体45は回転せずに当初の状態を維持しつつ、第1装飾体46及び第2装飾体47のみを回転させることができる。
したがって、本実施の形態の遊技機1に係る装飾体35は、第1装飾体46の図柄等による演出、第1装飾体46の図柄と光源部材44の発光態様との組み合わせによる演出、第2装飾体47の図柄等による演出、及び第2装飾体47の図柄等と光源部材44の発光態様との組み合わせによる演出、というように、遊技の進行に応じて種々の演出を行うことが可能になる。したがって、遊技の進行に応じて遊技者の興趣を向上させるような演出をより多くの演出態様で行うことが可能になる。
[移動体37、駆動機構38及び従動部材39の作用効果]
次に、移動体37、駆動機構38及び従動部材39の作用効果について説明する。この説明は、図8〜図16を用いて説明する。なお、図8〜図16は、移動体37、駆動機構38及び従動部材39の動作を説明するための説明図であり、これらの説明に用いない構成要素に関しては、図面上省略して記載してある。また、演出用役物34には、移動体37の上に装飾体35が取付固定されているが、説明の便宜上、装飾体35の記載は省略する。
図1に示すように、演出用役物34は、通常の場合は装飾体35が直立する第1の位置としての直立位置に位置している。この時の移動体37、駆動機構38及び従動部材39の位置関係を図8に示す。この時は、第1伝達部材91の第1伝達部96は、該第1伝達部96が第1回転軸の周囲を周回する最下端位置に位置している。また、従動部材39及び移動体37を連結する第2伝達部106は、ガイド部における円弧状部81の左端部に位置している。さらに移動体37の第1回転受け部113は、第1基板72の第1回転軸用突部84と嵌合する位置にある。なお、図示はしないが、移動体37の第2回転受け部114は、第2基板73の第2回転軸用突部89と嵌合する位置にある。即ち、移動体37は、第1回転軸用突部84及び第2回転軸用突部89によって、これら第1回転軸用突部84及び第2回転軸用突部89を回転軸として回転することができる位置に位置している。
ここで、駆動用モータ79が回転駆動を開始し、駆動軸80及び第2伝達部材92を介して第1伝達部材91に駆動力が付与されると、第1伝達部材91は図中A方向に回転駆動する。このとき、第1長孔部104の幅は、第1伝達部96の外径よりも広くなるように形成されているので、第1伝達部材91がA方向に回転するうちに、第1伝達部96は第1長孔部104の一方の面104aに当接する。第1長孔部104が図8に示す位置に位置している場合には、一方の面104aは第1長孔部104の上面となるので、第1伝達部材91がA方向に回転すると、第1伝達部96の上部が第1長孔部104の一方の面104aと当接する。そして、第1伝達部材91が回転することによって、第1伝達部96から第1長孔部104へ更に駆動力が付与されると、従動部材39は、第2回転軸を軸としてB方向へ回動する。
図9に示すのは、移動体37が第1の位置としての直立位置から、垂直方向に対して所定角度だけ傾いた傾き位置に移動する途中の様子を表した説明図である。図9に示すように、第1伝達部材91がA方向に回転をし続けると、第1伝達部96は第1回転軸S1を中心として回転し、第1長孔部104を通じて従動部材39をB方向へ回動させる方向に駆動力を付与し続ける。この時、従動部材39は、第2回転軸S2を中心としてB方向へ回動し続け、第2長孔部105の位置もそれに伴って変化する。ここで、従動部材39には、連結体43及び移動体37の第2伝達部106が第2長孔部105においてスライド移動自在に連結されている。そのため、第2長孔部105において連結されている連結体43及び移動体37は、第1回転軸用突部84及び第2回転軸用突部89を回転軸として(即ち、第3回転軸S3を中心として)C方向に回動する。そして、連結体43及び移動体37が回動することによって、連結体43に取付固定されている装飾体35は、直立位置から、液晶表示装置33の少なくとも一部を覆う傾斜位置に向けて、順次傾いていく。
そして、図10に示すように、従動部材39がB方向へ回動し続け、第2伝達部106の位置が第1ガイド部77における円弧状部81と直線部82との境界点に位置すると、連結体43及び移動体37が最も傾斜する位置に位置する。図11に示すように、この時、装飾体35は垂直方向に対して最も傾いた傾斜位置に位置する。この傾斜位置では、装飾体35は、液晶表示装置33を最も大きく覆うように位置する。
図12に示すように、駆動用モータ79は、更に回転駆動するため、第1伝達部材91は、更にA方向へ回転する。この時、第1伝達部96も、第1伝達部材91の回転に伴って、位置を変化させる。この時、第1伝達部96が引き続き第1長孔部104の一方の面と当接しながら該一方の面に対して駆動力を付与する。したがって、従動部材39は、駆動力を受けて、第2回転軸S2を中心として更にB方向へ回動を行う。この時、連結体43及び移動体37の第2伝達部106は、第1ガイド部77において円弧状部81及び直線部82の境界点から直線部82に向けてD方向に移動する。また、この場合、第2伝達部106は、第2長孔部105の位置を変えながら、第1ガイド部77のうちの直線部82にガイドされながら移動する。さらに、第1回転受け部113は、第1回転軸用突部84との嵌合状態を解除し、さらに第1直線ガイド部78に案内されながら、やはりD方向へ移動する。また、第2回転受け部114も、第2回転軸用突部89との嵌合状態を解除し、さらに第2直線ガイド部86に案内されながら、D方向へ移動する。このように、直線部82に沿って第2伝達部106が図中D方向へ移動すると、それに伴って移動体37及び連結体43の位置が傾斜位置から直線部82の長さ分だけ引き込まれた引き込み位置に移動する。この時の遊技盤12における装飾体35の位置関係は、図13に示すようになる。即ち、装飾体35が垂直方向に対して所定角度だけ傾斜することで液晶表示装置33の前側の一部を装飾体35が覆い、さらに直線部82の長さ分だけ傾斜位置よりも引き込まれた位置になる。
連結体43及び移動体37が直線部82の端部に位置した後も、駆動用モータ79は引き続き回転しており、それに伴って第1伝達部材91もA方向に回転する。この時、第1長孔部104は、その幅が第1伝達部96の外径よりも大きくなるように形成されているので、第1伝達部96が従動部材39に駆動力を付与せずに、第1長孔部104内においてスライド移動する。このスライド移動している所定時間の間は、連結体43及び移動体37、さらには装飾体35は引き込み位置に留まっている。したがって、装飾体35は、一端引き込み位置に移動すると、すぐに引き込み位置から傾斜位置へ移動を開始するのではなく、所定時間の間だけ引き込み位置に留まり、その後に引き込み位置から傾斜位置への移動を開始する。このように、所定時間の「溜め」を作ることによって、演出用役物34による演出効果をより豊かなものにすることが可能になる。
図14に示すように、第1伝達部材91がさらにA方向へ回転すると、第1伝達部96は第1長孔部104を形成する他方の面104bと当接する。そして、第1伝達部96は、他方の面104bと当接し、その後、該第1伝達部96の移動に伴って、再度従動部材39に駆動力を付与する。他方の面104bに対して駆動力が付与された従動部材39は、第2回転軸S2を中心としてB方向とは反対のE方向への回動を開始する。それに伴い、従動部材39の第2長孔部105において連結されている第2伝達部106の位置は、ガイド部において直線部82の端部から、直線部82と円弧状部81との境界点の位置に向けて、F方向に移動を開始する。この時、装飾体35は、引き込み位置から直線的に進出して、傾斜位置に向けて移動する。
第1伝達部材91がA方向に回転し、第1伝達部96が移動すると、該第1伝達部96は第1長孔部104の他方の面と当接しながら駆動力を付与する。従動部材39は、この第1伝達部96から付与される駆動力を受けて、E方向へ回動する。また、従動部材39のE方向への回動に伴って、第2伝達部106の位置もガイド部において直線部82と円弧状部81との境界点に位置する。
更に第1伝達部材91がA方向に回転し、第1伝達部96が移動すると、該第1伝達部96は第1長孔部104の他方の面104bと当接しながら駆動力を付与する。従動部材39は、この駆動力を受けて、引き続きE方向へ回動する。また、従動部材39のE方向への回動に伴い、第2伝達部106も移動し、円弧状部81と直線部82との境界点から、円弧状部81を移動するように変化する。円弧状部81の途中を移動している状態を図15に示す。そして、さらに第1伝達部材91がさらにA方向に回転すると、第1伝達部96が第1長孔部104の他方の面と当接しながら駆動力を付与し、従動部材39はこの駆動力を受けてE方向へと回動する。また、従動部材39のE方向への回動に伴い、ガイド部の円弧状部81にガイドされながら、第2伝達部106がG方向に移動する。この第2伝達部106は、最終的に円弧状部81の端部に位置するまで移動する。第2伝達部106が円弧状部81の端部に位置した時の駆動機構38等の状態を図16に示す。
第2伝達部106が円弧状部81の端部まで移動すると、連結体43及び移動体37は直立した状態となり、装飾体35は、傾斜位置から直立位置まで、垂直方向に対する傾斜角を減少させながら、最終的に直立位置まで移動する。
上記した通り、第1長孔部104の幅は、第1伝達部96の外径よりも大きく形成されている。したがって、駆動機構38等が図16に示す状態になると、第1伝達部96は第1長孔部104における他方の面から離れ、第1長孔部104の一方の面と当接するまでの間、従動部材39に駆動力を付与せずに移動する。そして、引き続き第1伝達部材91がA方向へ回転する場合には、第1長孔部104の一方の面と当接して駆動力を付与し、再度従動部材39等を回動させる。
このように、本実施の形態に係る遊技機1は、第1伝達部材91、さらには駆動用モータ79の回転方向を変えずに駆動させることのみによって連結体43及び移動体37を往復運動させることが可能になる。したがって、移動体37を有する演出役物の構成を簡略化することができ、該演出役物を構成する部品点数を削減することが可能になる。また、本発明によれば、部品点数を削減することにより、製造コストも大幅に低減することが可能になる。
本発明に係る遊技機1について詳細に説明したが、本明細書に記載した遊技機1は例であり、これに限定されるものではない。また、本発明に係る遊技機1は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、任意にその構成を変更してもよい。