JP5892719B2 - 人参果から得られる抗TNF−α作用剤及び肝保護作用剤、ヒト又は動物用医薬、新規サポニン化合物、及び新規ポリフェノール化合物 - Google Patents

人参果から得られる抗TNF−α作用剤及び肝保護作用剤、ヒト又は動物用医薬、新規サポニン化合物、及び新規ポリフェノール化合物 Download PDF

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本発明は、バラ科(Rosaceae)植物である人参果、その抽出液もしくは抽出エキス、又はこれらから分離、精製して得られるサポニン化合物(トリテルペン化合物)もしくはポリフェノール化合物を有効成分として含有する抗TNF-α作用剤及び肝保護作用剤、該抗TNF-α作用剤又は肝保護作用剤を含有するヒト又は動物用医薬に関する。又、本発明は、人参果の抽出液もしくは抽出エキスから分離、精製して得られる新規なサポニン化合物及びポリフェノール化合物に関する。
トウツルキンバイ(学名:Potentilla anserina)塊根は、蕨麻(ケツマ)又は人参果と称され、中国北部から南西部にかけて自生する多年生草本である。人参果は、中医学では下痢や貧血の治療に用いられる(非特許文献1)。一方、ドイツでは本植物の全草が、歯痛、月経不順及び胃腸障害の改善に利用されている(非特許文献2)。しかしながら人参果及びその含有成分に、抗TNF−α作用及び肝保護作用は、これまで見出されていなかった。
上海科学技術出版社 編、中薬大辞典、小学館(東京)、1985,pp.656−657 Kombal R., Glasl H., Planta Medica., Vol.61, pp.484−485(1995).
本発明は、人参果に関する、含有成分の薬剤としての作用についての研究に基づいてなされたもので、種々の疾病(リウマチ、糖尿病、メタボリックシンドローム等)の発症及び進展に関わる炎症性サイトカインであるTNF−αの作用を抑制する抗TNF−α作用剤であって、人参果由来のものを提供することを目的とする。本発明は、又、人参果由来の肝保護作用剤を提供することを目的とする。本発明は、さらに、この抗TNF−α作用剤又は肝保護作用剤を含有するヒト又は動物用医薬を提供することを目的とする。本発明は、さらに又、人参果に含まれ、抗TNF−α作用及び/又は肝保護作用を示す新規なサポニン化合物及びポリフェノール化合物を提供することを目的とする。
本発明者は、人参果を水や低級脂肪族アルコール等により抽出して得られた抽出液、又は当該抽出液を濃縮して得られる抽出エキスについて、TNF−α感受性細胞であるL929細胞を用いた細胞障害抑制作用を、抗TNF−α作用剤としての活性評価の指標として検討した。その結果、人参果、その抽出液、及び該抽出液を濃縮して得られる抽出エキスが、抗TNF−α作用を示すことを見出し、以下に示す態様の発明を完成した。
即ち、本発明は、その第1の態様として、人参果、水、低級脂肪族アルコールもしくは低級脂肪族アルコールの含水物により人参果を抽出して得られる抽出液、又は前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキス、を有効成分として含むことを特徴とする抗TNF−α作用剤(請求項1)を提供する。
本発明者は、さらに、前記の抽出液又は抽出エキスを分離、精製し、含有成分の詳細な探索等を行うとともに、この分離、精製により得られた化合物について、L929細胞を用いた抗TNF−α作用を検討したところ、いくつかの化合物が抗TNF−α作用を示すことを見出し、以下に示す態様の発明を完成した。
即ち本発明は第2の態様として、
下記の構造式(1)で表される化合物:
Figure 0005892719
下記の構造式(10)で表される化合物:
Figure 0005892719
下記の構造式(13)で表される化合物:
Figure 0005892719
下記の構造式(15)で表される化合物:
Figure 0005892719
下記の構造式(20)で表される化合物:
Figure 0005892719
下記の構造式(25)で表される化合物:
Figure 0005892719
下記の構造式(26)で表される化合物:
Figure 0005892719
下記の構造式(29)で表される化合物:
Figure 0005892719
下記の構造式(30)で表される化合物:
Figure 0005892719
下記の構造式(31)で表される化合物:
Figure 0005892719
及び、
下記の構造式(32)で表される化合物:
Figure 0005892719
からなる群の中から選ばれる1以上の化合物を有効成分として含むことを特徴とする抗TNF−α作用剤(請求項2)を提供する。
前記の第1の態様及び第2の態様の抗TNF−α作用剤は、TNF−αにより惹起される生物学的応答を抑制することから、これを含有させることにより、体内での過剰なTNF−αの産生により発症及び憎悪が報告されている各種疾病(リウマチ、糖尿病、メタボリックシンドローム等)の、改善又は予防効果を有する医薬や医薬組成物(以後、医薬組成物を含めて医薬と言う。)等を得ることができる。即ち、本発明はその第3の態様として、前記の第1の態様及び第2の態様の抗TNF−α作用剤を含有することを特徴とするヒト又は動物用の医薬(請求項3)を提供する。
前記の抽出液又は抽出エキスからの分離、精製により得られ、かつ抗TNF−α作用を示す化合物の中で、構造式(1)で表される化合物は、新規な化合物である。本発明者はさらに、前記の抽出液又は抽出エキスからの分離、精製により得られる化合物の中に、下記の構造式(2)、構造式(3)、構造式(4)及び構造式(5)から選ばれるいずれかの構造式で表わされる新規サポニン化合物、及び下記の構造式(6)、構造式(7)及び構造式(8)から選ばれるいずれかの構造式で表わされる新規ポリフェノール化合物が含まれること、そしてこの構造式(1)〜(8)のいずれかで表わされる新規化合物は、TNF−αの作用により、発症及び増悪が明らかになっている疾病、具体的には、糖尿病、クローン病、慢性関節リウマチ、アルコール性肝障害や肝炎などの各種臓器障害に対する予防剤または治療剤として使用できること、さらに、ガラクトサミンにより惹起される肝細胞障害を抑制する作用を有し肝保護作用剤として使用できることを見出した。従って、構造式(1)〜(8)のいずれかで表わされる新規化合物を含有する、人参果、水、低級脂肪族アルコールもしくは低級脂肪族アルコールの含水物により人参果を抽出して得られる抽出液、又は前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキスも、肝保護作用剤として使用できる。
本発明はその第4の態様として、前記構造式(1)及び下記構造式(2)〜(8)からなる群より選ばれるいずれかの構造式で表わされることを特徴とする新規サポニン化合物又は新規ポリフェノール化合物(請求項4)を提供する。
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さらに本発明は、その第5の態様として、人参果、水、低級脂肪族アルコールもしくは低級脂肪族アルコールの含水物により人参果を抽出して得られる抽出液、前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキス、又は前記構造式(1)〜(8)のいずれかで表わされる新規サポニン化合物及び新規ポリフェノール化合物からなる群より選ばれる1以上の化合物を有効成分として含むことを特徴とする肝保護作用剤(請求項5)を提供する。
前記の第5の態様の肝保護作用剤は、ガラクトサミンにより惹起される肝細胞障害を抑制する作用を有するので、これを含有させることにより、肝保護作用を有する医薬等を得ることができる。即ち、本発明は、その第6の態様として、前記の第5の態様の肝保護作用剤を含有することを特徴とするヒト又は動物用の医薬(請求項6)を提供する。
本発明の第1の態様、即ち、人参果、その水、低級脂肪族アルコールもしくはその含水物により抽出して得られる抽出液又は当該抽出液を濃縮して得られる抽出エキスを有効成分として含有する抗TNF−α作用剤、又は第2の態様、即ち構造式(1)、(10)、(13)、(15)、(20)、(25)、(26)、(29)、(30)、(31)もしくは(32)のいずれかで表される化合物を有効成分として含有する抗TNF−α作用剤は、TNF−α感受性細胞として知られているL929細胞のTNF−αにより惹起される細胞死に対する抑制作用を示し、抗TNF−α作用剤としての優れた活性を有する。
この抗TNF−α作用剤を含有させたヒト又は動物用医薬(本発明の第3の態様)は、優れた抗TNF−α作用を示すヒト又は動物用医薬である。
本発明の第5の態様の肝保護作用剤は、ガラクトサミンにより惹起される肝細胞障害を抑制する作用を示し、肝保護作用剤としての優れた活性を有する。
この肝保護作用剤を含有させたヒト又は動物用医薬(本発明の第6の態様)は、優れた肝保護作用を示す。
本発明の第4の態様である新規化合物は、前記のように、優れた抗TNF−α作用及び/又は肝保護作用を示す化合物であり、ヒト又は動物用医薬の有効成分として利用できるものである。
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明の範囲はこの実施の形態のみに限定されるものではない。
本発明の態様の第1の態様の抗TNF−α作用剤としては、
1)人参果を(抽出等の処理を行わずに)有効成分として用いるもの、
2)人参果を、水、低級脂肪族アルコ−ルもしくは低級脂肪族アルコ−ルの含水物等により抽出して得られる抽出液を有効成分として用いるもの、及び
3)前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキスを有効成分として用いるもの、
を例示することができる。人参果を用いる場合は、人参果をそのまま用いることができるし、又は、粉砕、破砕、切断、すりつぶし等による形状変化を行ったもの、もしくは、乾燥等の調製を実施したものを用いることもできる。
抽出液は、人参果をそのまま、水、低級脂肪族アルコール及び低級脂肪族アルコールの含水物より選ばれる抽出溶媒により抽出して得ることもできる。しかし、人参果を、粉砕、破砕、切断、すりつぶし等による形状変化を行ったものを用いて抽出する方法が、抽出効率の面で望ましい。
抽出溶媒として用いられるアルコールとしては、炭素数1〜4の低級アルコール類が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール又はこれらの混液が挙げられる。抽出溶媒としては、好ましくはこれらのアルコール、又はこれらのアルコールに30容量%までの水を含有する含水アルコールが用いられる。前記のアルコールの中でもメタノール又はエタノールが好ましい。これらの抽出溶媒は、抽出材料に対して、1〜50倍(重量)程度、好ましくは10〜30倍程度用いられる。
抽出温度は、室温〜溶媒の沸点の間で任意に設定できるが、50℃〜抽出溶媒の沸点の温度が好ましい。抽出は、振盪下もしくは非振盪下又は還流下に、前記の抽出材料、即ち、人参果そのもの、又は、それを粉砕、破砕、切断、すりつぶし等による形状変化を行ったもの等を、前記の抽出溶媒に浸漬することによって行うのが適当である。
好ましい抽出時間は、抽出温度や抽出の際の振盪の有無等により変動し、特に限定されない。例えば、抽出材料を振盪下に浸漬する場合には、30分間〜10時間程度行うのが適当であり、非振盪下に浸漬する場合には、1時間〜20日間程度行うのが適当である。又、抽出溶媒の還流下に抽出するときは、30分間〜数時間加熱還流するのが好ましい。なお、50℃より低い温度で浸漬して抽出することも可能であるが、その場合には、前記の時間よりも長時間浸漬するのが好ましい。抽出操作は、同一材料について1回だけ行ってもよいが、複数回、例えば2〜5回程度繰り返すのが好ましい。
前記の抽出工程により得られた抽出液には、人参果の含有成分が溶出されている。本発明の抗TNF−α作用剤(又は第5の態様の肝保護作用剤)には、このようにして得られた抽出液をそのまま加えてもよいが、前記抽出液を濃縮して抽出エキスにして抗TNF−α作用剤(又は第5の態様の肝保護作用剤)としてもよい。濃縮は、低温で減圧下に行うのが好ましい。なお、濃縮する前に濾過して濾液を濃縮してもよい。抽出エキスは、濃縮したままの状態で抗TNF−α作用剤(又は第5の態様の肝保護作用剤)として用いてもよい。また、濃縮は乾固するまで行ってもよく、粉末状又は凍結乾燥品等として用いてもよい。濃縮する方法、粉末状及び凍結乾燥品とする方法は当該分野での公知の方法を用いることができる。
このようにして得られる抽出液又は抽出エキスを、精製処理に付し、含有される各成分に分離することができる。前記の、構造式(1)、(10)、(13)、(15)、(20)、(25)、(26)、(29)、(30)、(31)又は(32)のいずれかで表される化合物は、この分離により得ることができる。そして、この分離により得られた抗TNF−α作用を有する化合物も、抗TNF−α作用剤として用いることができる(本発明の第2の態様)。前記の構造式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)又は(8)のいずれかで表される新規化合物も、この分離により得ることができ、肝保護作用剤として用いることができる。
精製処理は、例えば、クロマトグラフ法、イオン交換樹脂を使用する溶離法、溶媒による分配抽出等を、単独又は組み合わせて採用することができる。クロマトグラフ法としては、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、遠心液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等を挙げることができ、これらのいずれか、又はそれらを組み合わせて行う方法が挙げられる。この際の担体、溶出溶媒等の精製条件は、各種クロマトグラフィーに対応して適宣選択することができる。
前記のように、人参果そのもの、水、低級脂肪族アルコールもしくは低級脂肪族アルコールの含水物により人参果を抽出して得られる抽出液、前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキス、及び、前記構造式(1)、(10)、(13)、(15)、(20)、(25)、(26)、(29)、(30)、(31)もしくは(32)で表される化合物は、抗TNF−α作用剤としての活性評価の指標として実施したL929細胞を用いたTNF−α誘発細胞障害抑制活性試験において、活性が見出された。さらに、新規化合物として見出された前記構造式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)又は(8)で表される化合物は、肝保護作用剤としての活性評価の指標として実施したマウス肝細胞を用いたガラクトサミン誘発肝細胞障害抑制活性試験において、活性が見出された。
本発明の第1の態様の抗TNF−α作用剤及び第2の態様の抗TNF−α作用剤は、ヒト又は動物用の医薬に適用することができ、この抗TNF−α作用剤を含有させることにより優れた抗TNF−α作用を有するヒト又は動物用の医薬を製造することができる。又、本発明の第5の態様の肝保護作用剤は、ヒト又は動物用の医薬に適用することができ、この肝保護作用剤を含有させることにより優れた肝保護作用を有するヒト又は動物用の医薬を製造することができる。
例えば、人参果そのもの、水、低級脂肪族アルコールもしくは低級脂肪族アルコールの含水物により人参果を抽出して得られる抽出液、前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキス、もしくは前記構造式(1)、(10)、(13)、(15)、(20)、(25)、(26)、(29)、(30)、(31)もしくは(32)で表される化合物(抗TNF−α作用剤)、又は、人参果そのもの、水、低級脂肪族アルコールもしくは低級脂肪族アルコールの含水物により人参果を抽出して得られる抽出液、前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキス、もしくは前記構造式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)もしくは(8)で表される化合物(肝保護作用剤)を、そのままの状態で又は適当な媒体で希釈して、医薬品等の製造分野における公知の方法により、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤又は液剤等の種々の形態にして、医薬品として使用することができる。
これらの形態においては、適当な媒体を添加してもよい。適当な媒体としては、医薬的に許容される賦形剤、例えば結合剤(例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガント又はポリビニルピロリドン)、充填剤(例えば乳糖、砂糖、トウモロコシ澱粉、リン酸カルシウム、ソルビトール又はグリシン)、錠剤用滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカ)、崩壊剤(例えば馬鈴薯澱粉)又は湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)等が挙げられる。
錠剤とする場合は、通常の製薬における周知の方法でコートしてもよい。液体製剤とする場合は、例えば水性又は油性の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ又はエリキシルの形態であってもよい。又、使用前に水や他の適切な賦形剤と混合する乾燥製品として提供してもよい。
こうした液体製剤は、通常の添加剤、例えば、ソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン水添加食用脂等の懸濁化剤、レシチン、ソルビタンモノオレエート、アラビアゴム等の乳化剤(食用脂を含んでもよい)、アーモンド油、分画ココヤシ油又はグリセリン、プロピレングリコールやエチレングリコールのような油性エステル等の非水性賦形剤、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル又はソルビン酸等の保存剤を含んでもよく、さらに所望により着色剤又は香料等を含んでもよい。
本発明の医薬における、前記抽出液、抽出エキス、構造式(1)、(10)、(13)、(15)、(20)、(25)、(26)、(29)、(30)、(31)もしくは(32)で表される化合物(TNF−α作用剤)、又は構造式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)もしくは(8)の使用量は、濃縮、精製の程度、活性の強さ等、使用目的、対象疾患や自覚症状の程度、使用者の体重、年齢等によって適宣調整される。例えば、医薬として成人について使用する場合は、1回の投与毎に、抽出液又は抽出エキスでは、1mg〜20g程度の範囲で使用し、この範囲内で精製度や水分含量等に応じて調整することが適当な場合が多い。又、前記化合物を使用する場合は、1mg〜1g程度が適当な場合が多い。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、実施例は本発明の範囲を限定するものではない。なお、以下の実施例では、特に記載がない限り、以下に示す各種溶媒、濾紙、クロマトグラフィー用担体及びHPLCカラムを用いた。また、特に明記しない試薬については、和光純薬工業社製試薬(特級)を用いた。
[溶媒]
メタノール:ナカライテスク社製、一級
HPLC用メタノール:関東化学社製、特級
[濾紙] アドバンテック社製:No.2
[クロマトグラフィー用担体]
順相シリカゲルカラムクロマトグラフ用担体:富士シリシア社製、BW−200、150〜300メッシュ
逆相ODSカラムクロマトグラフ用担体:富士シリシア社製、Chromatorex ODS1020T、100〜200メッシュ
多孔質ポリマーカラムクロマトグラフ用担体:日本練水社製、ダイアイオンHP−20
[HPLCカラム]
ナカライテスク社製、Cosmosil 5C18−MS−II、20mm(i.d.)×250mm(実施例中カラムAと略記)
又は、ナカライテスク社製、Cosmosil 5C18−PAQ、20mm(i.d.)×250mm(実施例中カラムBと略記)
実施例1 人参果抽出エキスの調製及び含有成分の単離
中国産人参果(Potentilla anserina、塊根)9.7kgを粉砕後、50L(5倍量)のメタノールで3時間還流下抽出し、その後抽出液を濾取し、メタノール抽出液を得た。濾過残渣にメタノールを加え、同様の抽出操作を計3回行い、それぞれメタノール抽出液を得た。得られたメタノール抽出液を合わせた後、減圧下溶媒留去しメタノール抽出エキス(2.23kg、植物からの収率23.0%)を得た。
実施例2 人参果抽出液の分離及び精製
実施例1で得られたメタノール抽出エキス(2130g)を、酢酸エチル(AcOEt)と水で分配抽出した。得られたAcOEt移行部を減圧下溶媒留去し、AcOEt可溶部(53.3g、植物からの収率0.58%)を得た。さらに、水可溶部をDiaion HP−20カラムクロマトグラフィーに付し、水及びメタノールで順次、成分を溶出させて水溶出部(1.99kg、植物からの収率21.4%)及びメタノール溶出部(67.3g、植物からの収率0.73%)を得た。
実施例3 AcOEt可溶部の精製
AcOEt可溶部(43.3g)を、順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー[1.3kg、n−ヘキサン:酢酸エチル=(10:1→2:1→2:5)→メタノール]で順次溶出し、溶出画分E1(1.11g)、E2(5.08g)、E3(7.12g)、E4(871.1mg)、E5(702.2mg)、E6(943.2mg)、E7(465.5mg)、E8(2.74g)、E9(3.58g)、E10(8.00g)及びE11(8.79g)を得た。
実施例4
溶出画分E4(871.1mg)を、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[2.6g、メタノール:水=(70:30→80:20→90:10)→メタノール→acetone]にて画分し、溶出画分E4−1(142.9mg)、E4−2(113.1mg)、E4−3(345.2mg)、E4−4(142.6mg)及びE4−5(142.9mg)を得た。
画分E4−2(113.1mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=80:20]を用いて分離精製し、化合物pomolic acid(9)(9.5mg,0.0001%(植物からの化合物の単離収率。以下同様))、tormentic acid(11)(5.1mg、0.0001%)及び2−oxo−pomolic acid(16)(4.6mg,0.0001%)を単離した。なお、「化合物」との用語の後又は化合物名の後の括弧内の数字は、当該化合物を表す構造式の番号を示し、又「化合物」との用語とその後に記載の括弧内の数字との組合せで、当該数字の番号の構造式で表わされる化合物を示す。以下の実施例においても同様である。
実施例5
溶出画分E5(702.2mg)を、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[23g、メタノール:水=(60:40→70:30→80:20→90:10)→メタノール→acetone]にて画分し、溶出画分E5−1(101.5mg)、E5−2(104.5mg)、E5−3(217.8mg)、E5−4(67.5mg)、E5−5(539.1mg)E5−6(114.4mg)、E5−7(78.8mg)、E5−8(309.9mg)、及びE5−9(25.2mg)を得た。
画分E5−2(104.5mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=70:30]を用いて分離精製し、化合物cecropiacic acid(19)(7.2mg、0.0001%)を単離した。
画分E5−3(217.8mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=70:30]を用いて分離精製し、化合物euscaphic acid(13)(17.8mg、0.0002%),2α,11α−dihydroxy−3−oxo−urs−12−en−28−oic acid(15)(57.2mg,0.0008%)及びcecropiacic acid(19)(5.3mg、0.0001%)を単離した。
画分E5−4(67.5mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=80:20]を用いて分離精製し、化合物pomolic acid(9)(50.8mg、0.0009%),euscaphic acid(13)(10.0mg,0.0001%)、2α,11α−dihydroxy−3−oxo−urs−12−en−28−oic acid(15)(8.3mg,0.0002%)、2α−hydroxyursolic acid(18)(15.0mg,0.00028%)、maslinic acid(20)(21.6mg,0.0004%)及びalphitolic acid(23)(3.2mg,0.0001%)を得た。
実施例6
溶出画分E8(2.74g)を、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[240g、メタノール:水=(10:90→30:70→70:30)→メタノール→acetone]にて画分し、溶出画分E8−1(368.0mg)、E8−2(331.2mg)、E8−3(240.0mg)、E8−4(60.3mg)、E8−5(51.6mg)E8−6(550.1mg)、E8−7(636.0mg)、E8−8(297.2mg)、及びE8−9(168.7mg)を得た。
画分E8−1(368.0mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=10:90]を用いて分離精製し、化合物gallic acid methyl ester(25)(7.8mg、0.0001%)及び(+)−gallocatechin(30)(86.9mg、0.0003%)を単離した。
画分E8−3(240.0mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=10:90]を用いて分離精製し、化合物(+)−catechin(29)(37.2mg、0.0005%)及び(+)−gallocatechin(30)(20.0mg、0.0003%)を単離した。
画分E8−6(550.1mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=50:50、1%酢酸]を用いて分離精製し、化合物rosamutin(12)(112.3mg、0.0015%)及び24−deoxy−sericoside(21)(37.1mg、0.0005%)を単離した。
画分E8−7(636.0mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=70:30]を用いて分離精製し、化合物rosamutin(12)(203.3mg、0.0027%)、kaji−ichigoside F1(14)(143.9mg、0.0019%)及び24−deoxy−sericoside(21)(11.6mg、0.0002%)を単離した。
実施例7
溶出画分E9(3.58g)を、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[130g、メタノール:水=(50:50→70:30→80:20)→メタノール]にて画分し、溶出画分E9−1(344.4mg)、E9−2(111.1mg)、E9−3(1.85g)、E9−4(246.3mg)、E9−5(61.6mg)及びE9−6(360.2mg)を得た。
画分E9−1(344.4mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=15:85]を用いて分離精製し、化合物gallic acid(24)(23.9mg,0.0003%)、gallic acid methyl ester(25)(5.5mg,0.0001%)、(+)−catechin(29)(6.3mg,0.0001%)、及び(+)−gallocatechin(30)(81.7mg,0.0011%)を単離した。
画分E9−3(530.0mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=55:45]を用いて分離精製し、化合物(1)(273.9mg,0.013%)、(2)(14.3mg,0.0007%)、rosamutin(12)(46.1mg,0.0022%)、及びkaji−ichigoside F1(14)(57.0mg,0.0027%)を単離した。
画分E9−4(246.3mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=60:40]を用いて分離精製し、化合物(3)(3.8mg,0.0001%)、28−O−β−D−glucopyranosyl pomolic acid(10)(24.6mg,0.0003%),rosamutin(12)(115.8mg,0.0016%)及び24−deoxy−sericoside(21)(14.6mg,0.0002%)を単離した。
画分E9−5(61.6mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=70:30]を用いて分離精製し、化合物rosamutin(12)(9.2mg,0.0001%)及びkaji−ichigoside F1(14)(10.8mg,0.0002%)を単離した。
実施例8
溶出画分E10(8.00g)を、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[240g、メタノール:水=(50:50→60:40→80:20)→メタノール]にて画分し、溶出画分E10−1(967.4mg)、E10−2(233.0mg)、E10−3(195.8mg)、E10−4(22.7mg)、E10−5(5.97g)、E10−6(308.1mg)及びE10−7(191.1mg)を得た。
画分E10−3(195.8mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=35:65]を用いて分離精製し、化合物(8)(73.4mg,0.0010%)及びellagic acid(26)(21.3mg,0.0003)%)を単離した。
画分E10−5(125.0mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=55:45、1%酢酸]を用いて分離精製し、rosamutin(12)(79.8mg,0.051%)、kaji−ichigoside F1(14)(5.9mg,0.0038%)及び24−deoxy−sericoside(21)(15.4mg,0.0099%)を単離した。
実施例9 メタノール溶出部の精製
メタノール溶出部(55.0g)を、順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー[2.0kg、クロロホルム:メタノール:水=(15:3:0.3→10:3:0.4→7:3:0.5→6:4:1→5:5:1)→メタノール]で順次溶出し、溶出画分M1(20.44g)、M2(8.47g)、M3(2.21g)、M4(4.05g)、M5(3.49g)、M6(5.49g)、M7(3.11g)、及びM8(2.53g)を得た。
実施例10
溶出画分M1(20.44g)を、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[620g、メタノール:水=(60:40→70:30→75:25→90:10→メタノール)→アセトン]にて画分し、溶出画分M1−1(300.2mg)、M1−2(104.9mg)、M1−3(552.2mg)、M1−4(118.8mg)、M1−5(737.4mg)、M1−6(492.1mg)、M1−7(3.03g)、M1−8(6.31g)、M1−9(3.84g)及びM1−10(2.14g)を得た。
画分M1−2(104.9mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=55:45]を用いて分離精製し、化合物(4)(28.8mg,0.0004%)を単離した。
画分M1−3(552.2mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=60:40]を用いて分離精製し、化合物(5)(44.6mg,0.0006%)、rosamutin(12)(216.5mg,0.0029%)、2−oxo−pomolic acid 28−O−β−D−glucopyranosyl ester(17)(36.8mg,0.0005%)及びcecropiacic acid(19)(22.3mg,0.0003%)を単離した。
画分M1−4(118.8mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=60:40]を用いて分離精製し、化合物(4)(5.9mg,0.0001%)を単離した。
画分M1−5をメタノールにて再結晶して、析出した結晶を濾取して化合物tormentic acid(11)(553.2mg,0.0073%)を単離した。
画分M1−6(492.1mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=80:20]を用いて分離精製し、化合物pomolic acid(9)(141.3mg,0.0019%)を単離した。
実施例11
溶出画分M2(8.47g)を、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[255g、メタノール:水=(10:90→30:70→40:60→50:50→60:40)→メタノール→アセトン]にて画分し、溶出画分M2−1(379.5mg)、M2−2(581.0mg)、M2−3(376.5mg)、M2−4(123.6mg)、M2−5(331.3mg)、M2−6(204.5mg)、M2−7(3.37g)及びM2−8(2.21g)を得た。
画分M2−3(376.5mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=20:80]を用いて分離精製し、化合物ducheside B(28)(75.0mg,0.0010%)を単離した。
画分M2−5(331.3mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=50:50]を用いて分離精製し、化合物(5)(58.4mg,0.0008%)及びarjunglucoside I(22)(7.6mg,0.0001%)を単離した。
画分M2−6(204.5mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=55:45]を用いて分離精製し、化合物(5)(9.4mg,0.0001%)、rosamutin(12)(57.0mg,0.0008%)及び24−deoxy−sericoside(21)(11.4mg,0.0002%)を単離した。
実施例12
溶出画分M3(2.21g)を、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[70g、メタノール:水=(10:90→30:70→40:60→60:40→90:10)→メタノール→アセトン]にて画分し、溶出画分M3−1(230.4mg)、M3−2(252.7mg)、M3−3(42.4mg)、M3−4(82.1mg)、M3−5(114.0mg)、M3−6(159.3mg)、M3−7(381.1mg)及びM3−8(268.7mg)を得た。
画分M3−1(230.4mg)を逆相HPLC[カラムB、移動相 MeOH:1%酢酸=5:95]を用いて分離精製し、化合物(+)−gallocatechin(30)(24.0mg,0.0003%)及びL−tryptophan(37)(6.2mg,0.0001%)を単離した。
実施例13
溶出画分M4(4.05g)を、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[125g、メタノール:水=(20:80→30:70→40:60→60:40→95:5)→メタノール→アセトン]にて画分し、溶出画分M4−1(238.5mg)、M4−2(334.3mg)、M4−3(1.17g)、M4−4(295.6mg)、M4−5(334.9mg)、M4−6(128.6mg)、M4−7(78.5mg)、M4−8(632.8mg)、M4−9(321.2mg)、M4−10(134.4mg)及びM4−11(137.5mg)を得た。また、ここで得られた画分M4−3は、L−tryptophan(37)(1.17g,0.016%)であった。
画分M4−4(295.6mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=20:80]を用いて分離精製し、化合物6−p−coumaroylsucrose(35)(50.6mg,0.0007%)、6−feruloylsucrose(36)(8.2mg,0.0001%)及びL−tryptophan(37)(5.7mg,0.0001%)を単離した。
画分M4−5(334.9mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=30:70]を用いて分離精製し、化合物(7)(20.6mg,0.0003%)及びquercetin 3−O−sambubioside(34)(11.0mg,0.0002%)を単離した。
画分M4−6(128.6mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=30:70]を用いて分離精製し、化合物(6)(18.3mg,0.0002%)及びellagic acid 4−α−L−arabiofuranoside(27)(22.6mg,0.0003%)を単離した。
実施例14
溶出画分M5(3.49g)を、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[110g、メタノール:水=(5:95→20:80→50:50→80:20)→メタノール→アセトン]にて画分し、溶出画分M5−1(210.8mg)、M5−2(223.7mg)、M5−3(523.8mg)、M5−4(358.5mg)、M5−5(275.2mg)、M5−6(345.4mg)、M5−7(402.2mg)及びM5−8(448.5mg)を得た。
画分M5−3(523.8mg)を逆相HPLC[カラムB、移動相 MeOH:1%酢酸=5:95]を用いて分離精製し、化合物(+)−catechin 7−O−β−D−glucopyranoside(31)(114.3mg,0.0015%)を単離した。
画分M5−4(358.5mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=30:70]を用いて分離精製し、化合物ellagic acid 4−α−L−arabinofuranoside(27)(10.4mg,0.0001%)及びquercetin 3−O−β−D−glucopyranoside(32)(13.7mg,0.0002%)を単離した。
画分M5−5(275.2mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=30:70]を用いて分離精製し、化合物(6)(10.4mg,0.0001%)、化合物(7)(4.3mg,0.0001%)、ellagic acid(26)(24.3mg,0.0003%)、ellagic acid 4−α−L−arabinofuranoside(27)(14.5mg,0.0002%)及びquercetin 3−O−sambioside−3’−O−β−D−glucopyranoside(34)(10.5mg,0.0001%)を単離した。
実施例15
溶出画分M6(5.49g)を、逆相ODSカラムクロマトグラフィー[180g、メタノール:水=(10:90→30:70→50:50)→メタノール→アセトン]にて画分し、溶出画分M6−1(2.36g)、M6−2(490.0mg)、M6−3(757.1mg)、M6−4(409.5mg)、M6−5(155.0mg)、M6−6(1.03g)及びM6−7(423.0mg)を得た。
画分M6−3(500.0mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=30:70]を用いて分離精製し、化合物ellagic acid 4−α−L−arabinofuranoside(27)(9.4mg,0.0002%)を単離した。
画分M6−4(409.5mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=30:70]を用いて分離精製し、化合物ellagic acid(26)(10.0mg,0.0001%)及びellagic acid 4−α−L−arabinofuranoside(27)(14.0mg,0.0002%)を単離した。
画分M6−5(155.0mg)を逆相HPLC[カラムA、移動相 MeOH:1%酢酸=35:65]を用いて分離精製し、化合物(6)(6.8mg,0.0001%)及びellagic acid(26)(5.0mg,0.0001%)及びellagic acid 4−α−L−arabinofuranoside(27)(4.7mg,0.0001%)を単離した。
実施例16
実施例4〜15で得られた化合物(9)〜(37)について[α]、MS、RI、UV、IR及びH−NMR及び13C−NMR等の測定を、下記実施例17における測定と同様にして行った。それらの測定値と、公知文献記載の物理化学的データの数値との比較から、化合物(9)〜(37)は、それぞれ、以下に示す公知の化合物であることが確認された。それぞれを表す化学構造式及び化合物名([ ]内)を示す(構造式の後の( )内は構造式の番号を示す)。
化合物(9) [pomolic acid(ポモリクアシッド)]
Figure 0005892719
化合物(10) [28−O−β−D−glucopyranosyl pomolic acid(28−O−β−D−グルコピラノシルポモリクアシッド)]
前記の構造式(10)で表わされる化合物である。
化合物(11) [tormentic acid(トルメンティックアシッド)]
Figure 0005892719
化合物(12) [rosamutin(ロサムチン)]
Figure 0005892719
化合物(13) [euscaphic acid(ユースカフィクアシッド)]
前記の構造式(13)で表わされる化合物である。
化合物(14) [kaji−ichigoside F1(カジ−イチゴシド F1)]
Figure 0005892719
化合物(15) [2α,19α−dihydroxy−3−oxo−urs−12−en−28−oic acid(2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイク アシッド)]
前記の構造式(15)で表わされる化合物である。
化合物(16) [2−oxo−pomolic acid(2−オキソ−ポモリクアシッド)]
Figure 0005892719
化合物(17) [2−oxo−pomolic acid β−D−glucopyranosyl ester(2−オキソ−ポモリクアシッド β−D−グルコピラノシド)]
Figure 0005892719
化合物(18) [2−α−hydroxyursolic acid(2−α−ヒドロキシウルソリックアシッド)]
Figure 0005892719
化合物(19) [cecropiacic acid(セクロピアシクアシッド)]
Figure 0005892719
化合物(20) [maslinic acid(マスリニクアシッド)]
前記の構造式(20)で表わされる化合物である。
化合物(21) [24−deoxy−sericoside(24−デオキシ−セリコシド)]
Figure 0005892719
化合物(22) [arjunglucoside(アルジュングルコシド)]
Figure 0005892719
化合物(23) [alphitolic acid(アルフィトリクアシッド)]
Figure 0005892719
化合物(24) [gallic acid(没食子酸)]
Figure 0005892719
化合物(25) [gallic acid methyl ester(没食子酸メチルエステル)]
前記の構造式(25)で表わされる化合物である。
化合物(26) [ellagic acid(エラグ酸)]
前記の構造式(26)で表わされる化合物である。
化合物(27) [ellagic acid 4−O−α−L−arabinofuranoside(エラグ酸 4−O−α−L−アラビノフラノシド)]
Figure 0005892719
化合物(28) [ducheside B(ヅチェシド B)]
Figure 0005892719
化合物(29) [(+)−catechin((+)−カテキン)]
前記の構造式(29)で表わされる化合物である。
化合物(30) [(+)−gallocatechin((+)−ガロカテキン)]
前記の構造式(30)で表わされる化合物である。
化合物(31) [(+)−catechin 7−O−β−D−glucopyranoside((+)−カテキン 7−O−β−D−グルコピラノシド)]
前記の構造式(31)で表わされる化合物である。
化合物(32) [quercetin 3−O−β−D−glucopyranoside(ケルセチン 3−O−β−D−グルコピラノシド)]
前記の構造式(32)で表わされる化合物である。
化合物(33) [quercetin 3−O−sambubioside(ケルセチン 3−O−サンブビオシド)]
Figure 0005892719
化合物(34) [quercetin 3−O−sambubioside−3’−O−β−D−glucopyranoside(ケルセチン 3−O−サンブビオシド−3’−O−β−D−グルコピラノシド)]
Figure 0005892719
化合物(35) [6−p−coumaroylsucrose(6−p−クマロイルスクロース)]
Figure 0005892719
化合物(36) [6−feruloylsucrose(6−フェルロイルスクロース)]
Figure 0005892719
化合物(37) [L−tryptophan(L−トリプトファン)]
Figure 0005892719
実施例17
さらに実施例4〜15で得られた化合物(1)〜(8)については、化合物の諸物性を測定して、化学構造の解析を行った結果、それぞれ、前記の構造式(1)〜(8)のいずれかで表される新規な化合物であることが明らかになった。従って、人参果抽出液中には、化合物(1)〜(8)で表わされる新規な化合物と(9)〜(37)で表わされる公知の化合物が存在していることが明らかになった。
実施例で得られた化合物(1)〜(8)の諸物性の測定結果を以下に示す。なお、実施例で得られた化合物(1)〜(8)は、いずれも不定形粉末であった。
化合物(1)の物性測定値
・旋光度: [α] 26:+20.4 (c=0.11,MeOH)
・高分解能質量分析(High-resolution positive-ion FAB-MS:以下の化合物(2)〜(8)についても同様)
理論値 C365610(M+Na) :671.3771
実測値 :671.3767
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1):3470,1725,1686,1655,1401,1073
・質量分析 positive-ion FAB-MS :m/z 671 [M+Na]
・磁気共鳴スペクトル:H-NMR(600 MHz,ピリジン-d)のδを表1に、13C−NMR(150 MHz,ピリジン-d)のδcを表2に記載する。
以上の結果より、前記構造式(1)で表される化合物であることが判った。
化合物(2)の物性測定値
・旋光度: [α] 26:+29.8 (c=0.62,MeOH)
・高分解能質量分析
理論値 C365610(M+Na) :671.3771
実測値 :671.3764
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1):3470,1719,1686,1655,1397,1075
・質量分析 positive-ion FAB-MS :m/z 671 [M+Na]
・磁気共鳴スペクトル:H-NMR(600 MHz,ピリジン-d)のδを表1に13C−NMR(150 MHz,ピリジン-d)のδcを表2に記載する。
以上の結果より、前記構造式(2)で表される化合物であることが判った。
化合物(3)の物性測定値
・旋光度: [α] 26:+12.8 (c=0.13,MeOH)
・高分解能質量分析
理論値 C386011(M+Na) :715.4033
実測値 :715.4042
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1):3470,1721,1686,1655,1397,1076
・質量分析 positive-ion FAB-MS :m/z 715 [M+Na]
・磁気共鳴スペクトル:H-NMR(600 MHz,ピリジン-d)のδを表1に13C−NMR(150 MHz,ピリジン-d)のδcを表2に記載する。
以上の結果より、前記構造式(3)で表される化合物であることが判った。
化合物(4)の物性測定値
・旋光度: [α] 26:+22.6 (c=0.15,MeOH)
・高分解能質量分析
理論値 C365612(M+Na) :703.3669
実測値 :703.3676
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1):3470,1725,1390,1075
・質量分析 positive-ion FAB-MS :m/z 703 [M+Na]
・磁気共鳴スペクトル:H-NMR(600 MHz,ピリジン-d)のδを表3に13C−NMR(150 MHz,ピリジン-d)のδcを表4に記載する。
以上の結果より、前記構造式(4)で表される化合物であることが判った。
化合物(5)の物性測定値
・旋光度: [α] 26:+22.2 (c=0.13,MeOH)
・高分解能質量分析
理論値 C375812(M+Na) :717.3826
実測値 :717.3822
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1):3470,1720,1075,934
・質量分析 positive-ion FAB-MS :m/z 717 [M+Na]
・磁気共鳴スペクトル:H-NMR(600 MHz,ピリジン-d)のδを表3に13C−NMR(150 MHz,ピリジン-d)のδcを表4に記載する。
以上の結果より、前記構造式(5)で表される化合物であることが判った。
化合物(6)の物性測定値
・旋光度: [α] 26:−2.2 (c=0.11,MeOH)
・高分解能質量分析
理論値 C201612(M+Na) :471.0539
実測値 :471.0544
・紫外吸収スペクトル(MeOH,nm,(logε)):368(4.09),251(4.81)
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1):3340,1725,1610,1063
・質量分析 positive-ion FAB-MS :m/z 471 [M+Na]
・磁気共鳴スペクトル:H-NMR(600 MHz,DMSO-d)のδを、表5に13C−NMR(150 MHz,DMSO-d)のδcを表6に記載する。
以上の結果より、前記構造式(6)で表される化合物であることが判った。
化合物(7)の物性測定値
・旋光度: [α] 28:−52.9 (c=0.05,MeOH)
・高分解能質量分析
理論値 C252416(M+Na) :603.0539
実測値 :603.0544
・紫外吸収スペクトル(MeOH,nm,(logε)):352(4.17,sh),237(4.98)
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1):3340,1725,1610,1063
・質量分析 positive-ion FAB-MS :m/z 603 [M+Na]
・磁気共鳴スペクトル:H-NMR(600 MHz,DMSO-d)のδを表5に13C−NMR(150 MHz,DMSO-d)のδcを表6に記載する。
以上の結果より、前記構造式(7)で表される化合物であることが判った。
化合物(8)の物性測定値
・旋光度: [α] 28:+27.0 (c=0.10,MeOH)
・高分解能質量分析
理論値 C252416(M+Na) :471.0539
実測値 :471.0547
・紫外吸収スペクトル(MeOH,nm,(logε)):354(4.03),315(3.97,sh),254(4.53)
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1):3385,1710,1611,1078
・質量分析 positive-ion FAB-MS :m/z 471 [M+Na]
・磁気共鳴スペクトル:H-NMR(600 MHz,DMSO-d)のδを表5に13C−NMR(150 MHz,DMSO-d)のδcを表6に記載する。
以上の結果より、前記構造式(8)で表される化合物であることが判った。
なお表1〜6中の「位置」の欄に記載された数字は、各H及びCの位置を示す数字であり、その対応関係は、化合物(1)及び化合物(6)ついては以下に示すとおりである。又、化合物(2)〜(5)における位置と数字の対応関係は化合物(1)と、化合物(7)、(8)における対応関係は化合物(6)と同様である。また、表中の略記Glc,Rha及びAra(f)は、それぞれβ−D−グルコピラノシル基、α−L−ラムノピラノシル基及びα−L−アラビノフラノシル基を意味する。
Figure 0005892719
化合物(1)
Figure 0005892719
化合物(6)
Figure 0005892719
Figure 0005892719
Figure 0005892719
Figure 0005892719
Figure 0005892719
Figure 0005892719
実施例18 L929細胞を用いたTNF−α誘発細胞傷害抑制作用試験
実施例1〜2で得られたメタノール抽出エキス、AcOEt移行部、メタノール溶出部及び水溶出部、並びに化合物(1)、(4)〜(15)、(17)〜(21)、(24)〜(33)及び(35)〜(37)について、in vitro試験における抗TNF−α作用の指標として、L929細胞を用いたTNF−α誘発細胞障害に対する保護作用試験を実施した。試験方法を以下に示す。
大日本住友製薬社より購入したL929細胞を10%(v/v)FCS、100 units/mLペニシリンG、100 μg/mLストレプトマイシン及び0.1mM非必須アミノ酸(インビトロジェン社製)を含むminimum essential medium(MEM、シグマ−アルドリッチ社製)培地を用いて培養して、本実験に使用した。96穴平底マイクロプレートに1×10細胞/100μL/穴の割合で細胞を播種した後、5%の二酸化炭素雰囲気下、37℃において20時間培養した。その後、前記培地に1ng/mL TNF−α(シグマ−アルドリッチ社製)及び被験物質のDMSO溶液をそれぞれ含有する培地を加えた。ここで、被験物質のDMSO溶液は、培地中のDMSO濃度が0.5%になるように添加した。44時間培養した後、0.5mg/mLの3−(4,5−dimethyl−2−thiazolyl)2,5−diphenyl−2H−tetrazolium bromide(MTT)を含有する培地と交換し、さらに4時間培養した。培地を除去後、生成したホルマザンを0.04N塩酸含有イソプロピルアルコール100μL/穴で溶解した後、マイクロプレートリーダーを用いて吸光度(測定波長570nm、参照波長660nm、O.D.)を測定した。測定された吸光度を用い、以下の式に従って、TNF−αによる細胞の障害抑制率を算出した。
Figure 0005892719
式中、O.D.Normalは、被験物質を含まない培地(即ち、培地中に0.5%DMSOのみを含むもの)で測定される吸光度を示し、O.D.Controlは、培地中に0.5%DMSO及び1ng/mL TNF−αを含有する場合に測定される吸光度を、O.D.Sampleは、培地中に被験物質及び1ng/mL TNF−αを含有する場合に測定される吸光度を意味する。結果を以下の表7及び8に示す。結果はいずれも平均値と標準誤差で表し、対照群との有意差検定には、Dunnettの多重比較検定を用いた。
Figure 0005892719
Figure 0005892719
前記表7及び8中、障害抑制率の結果の末尾の符号「*」及び「**」は、Dunnettの多重比較検定で検定した対照との有意差:pが0.05及び0.01未満であったことを表す。
前記表7及び8の結果より、人参果から調製されるメタノール抽出エキス、AcOEt移行部及びMeOH溶出部は、L929細胞を用いたTNF−α誘発細胞傷害抑制作用試験において有意な抗TNF−α作用を有することが示されている。また、化合物(1)、(10)、(13)、(15)、(20)、(25)、(26)、(29)、(30)、(31)及び(32)は有意な抗TNF−α作用を有することが示されている。
実施例18は、抗TNF−α作用剤について、TNF−α感受性でマウス由来細胞であるL929細胞を用い、被験物質共存下、培養液中にTNF−αを添加した場合に観察される細胞死又は細胞増殖(細胞障害)を抑制する活性について、MTTアッセイ法を利用して判定したものである。この方法により、培養液中のTNF−αにより惹起される細胞障害を抑制すると判定された物質は、TNF−αによる生物学的な応答を抑制している。即ち、TNF−αによる発症及び増悪が考えられる疾病群の治療剤又は予防剤として利用できる。従って、人参果そのもの、水、低級脂肪族アルコールもしくは低級脂肪族アルコールの含水物により人参果を抽出して得られる抽出液、前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキス、及び、前記構造式(1)、(10)、(13)、(15)、(20)、(25)、(26)、(29)、(30)、(31)又は(32)で表される化合物は、抗TNF−α作用剤として用いることができる。
実施例19 マウス肝細胞を用いたガラクトサミン誘発肝細胞傷害抑制作用試験
実施例1〜2で得られたメタノール抽出エキス、AcOEt移行部、メタノール溶出部及び水溶出部、並びに化合物(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)及び(8)について、in vitro試験における肝保護作用の指標として、マウス肝細胞を用いたガラクトサミン誘発肝細胞障害に対する保護作用試験を実施した。試験方法を以下に示す。
ddY系雄性マウスを、ペントバルビタール麻酔下で開腹し、40℃に保温したLiver Perfusion Medium(GIBCO BRL社製)を門脈より灌流して肝臓を脱血した。前記灌流液を、Collagenase−Type I(GIBCO BRL社製)を0.5mg/mLの濃度で含有するpH7.5の灌流液(塩化ナトリウム:8g/L、塩化カリウム:0.4g/L、塩化カルシウム二水和物:0.74g/L、リン酸二水素ナトリウム・一水和物:78g/L、リン酸水素二ナトリウム・十二水和物:151g/L、HEPES:2.38g/L、炭酸水素ナトリウム:350mg/L、フェノールレッド:6g/L)と交換した後、さらに10分間灌流した。この肝臓をろ過して得られた肝実質細胞を実験に供した。
前記肝実質細胞を、10%牛胎児血清を含むウイリアムズ培地E(シグマーアルドリッチ社製)に懸濁し、96穴平底マイクロプレートに4×104細胞/100μL/穴の割合で細胞を播種した後、5%の二酸化炭素雰囲気下、37℃において4時間培養した。その後、前記培地を1mM D−GalN及び被験物質のDMSO溶液をそれぞれ含有する培地に変えた。ここで、被験物質のDMSO溶液は、培地中のDMSO濃度が0.5%になるように添加した。44時間培養した後、0.5mg/mLの3−(4,5−dimethyl−2−thiazolyl)2,5−diphenyl−2H−tetrazolium bromide(MTT)を含有する培地と交換し、さらに4時間培養した。培地を除去後、生成したホルマザンを0.04N塩酸含有イソプロピルアルコール100μL/穴で溶解した後、マイクロプレートリーダーを用いて吸光度(測定波長570nm、参照波長660nm)を測定した。測定された吸光度を用い、以下の式に従って、肝細胞の障害抑制率を算出した。
Figure 0005892719
式中、O.D.Normalは、被験物質を含まない培地(即ち、培地中に0.5%DMSOのみを含むもの)で測定される吸光度を示し、O.D.Controlは、培地中に0.5%DMSO及び1mM D−GalNを含有する場合に測定される吸光度を、O.D.Sampleは、培地中に被験物質及び1mM D−GalNを含有する場合に測定される吸光度を意味する。結果を以下の表9及び表10に示す。結果はいずれも平均値と標準誤差で表し、対照群との有意差検定には、Dunnettの多重比較検定を用いた。
Figure 0005892719
Figure 0005892719
前記表9及び10中、障害抑制率の結果の末尾の符号「*」及び「**」は、Dunnettの多重比較検定で検定した対照との有意差:pが0.05及び0.01未満であったことを表す。
前記表9及び10の結果より、人参果のメタノール抽出エキス及び該抽出エキスより調製した各分画は、マウス肝初代培養細胞を用いたガラクトサミン誘発肝細胞障害に対する保護作用試験において有意な肝保護作用を有することが示されている。又、構造式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)及び(8)で表される化合物からなる群の中から選ばれる化合物も有意な肝保護作用を有することが示されている。

Claims (1)

  1. 下記構造式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)からなる群より選ばれるいずれかの構造式で表わされることを特徴とする新規サポニン化合物。
    Figure 0005892719
    Figure 0005892719
    Figure 0005892719
    Figure 0005892719
    Figure 0005892719
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