JP5892317B2 - 高炉用原料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高結晶水含有鉱石から高強度の高炉用原料を製造する方法に関する。
高炉製銑法の主原料としては、現在、塊鉄鉱石、焼結鉱およびペレット等が使用されているが、その大部分は焼結鉱である。
近年、焼結鉱製造プロセスで使用される鉄鉱石粉としては、豪州産のものを中心に赤鉄鉱石等の脈石分の少ない高品位の鉄鉱石が枯渇しつつあることから、その代替として結晶水を多量に含むピソライト鉱石やマラマンバ鉱石のような高結晶水鉄鉱石の使用が増加している。こうした高結晶水含有鉄鉱石粉を焼結用原料として使用するには、該鉄鉱石粉中の結晶水の熱分解のために、熱の供給源となる凝結材(粉コークス等)の使用量が増大するという問題があった。また、通常の原料造粒用水分に加えて、結晶水として水を含有しているため、原料として持ち込む水分量が増加し、このことが原料充填層の湿潤帯の拡張を招いて焼結機の生産性を低下させるという問題もあった。
このような問題に対し従来、特許文献1では、結晶水を含む鉄鉱石については、これを予め還元処理した上で、焼結鉱製造用原料として使用する焼結鉱の製造方法を提案している。この従来方法によれば、高結晶水鉄鉱石を使用するときの上述した問題を確実に解決することができると考えられるからである。
特許第4384698号公報
しかしながら、上記従来技術(特許文献1)については、なお次のよう課題がある。
即ち、特許文献1に開示されているように、結晶水を含む鉄鉱石から予備還元鉱石を製造し、この予備還元鉱石を焼結原料の一部として使用して焼結鉱を製造する場合、約1200℃以上で加熱される焼結機の原料充填層内では、前記予備還元鉱石の酸化による発熱量を熱源として利用することができるので、凝結材の使用量を減らすことができるという利点がある。しかし、基本的に焼結機の反応温度自体を低下させることにはならず、多量の熱の投入および融液量の増大を阻止することまではできない。
また、この特許文献1に開示の技術では、還元性の低い高炉ガスを部分燃焼させたガスを使って鉄鉱石を予備還元処理しているため、このプロセスから排出される排ガスについては、還元性がさらに低下した排ガスとなるので、他の用途に使用することができなくなるという問題がある。即ち、反応条件にもよるがCOを含む該排ガスを可燃性ガスとして利用することができなくなり、効率的でない。つまり、予備還元鉱石を焼結鉱製造用原料とするところに大きな問題があると考えられる。
本発明は、従来技術が抱える上述した課題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、予備還元鉱石を焼結鉱製造用原料としてではなく、高炉用原料として使用できるようにすることで、焼結機で使用するときの上記の課題を払拭することにある。
本発明の他の目的は、低温で焼成しても高炉用原料として十分な強度をもつ塊成鉱を有利に製造する方法を提案することにある。
上記課題の解決に向けて鋭意研究を重ねた結果、発明者らは、結晶水を多量に含む高結晶水含有鉄鉱石については、これをまず予備還元して酸化度を下げておけば、これを酸化性雰囲気の下で加熱すると酸化発熱するため、850℃以下という低温の加熱であっても十分に焼成反応が進行することがわかり、このことによって、焼結機で高温焼成するときの上述した課題が解消できることを確信し、本発明を開発した。
即ち、本発明は、高結晶水鉄鉱石を還元性ガス雰囲気下の予備還元炉内に装入して予備還元し、次いで、得られた予備還元鉱石を、酸化性雰囲気に維持される焼成炉にて250℃以上850℃以下の温度で焼成を行なうことを特徴とする高炉用原料の製造方法である。
なお、本発明方法においては、
(1)前記予備還元に用いる還元性ガスは、下記式に示される酸化度Xg(−)で、0.8以下のガスを用いることを特徴とする請求項1に記載の高炉用原料の製造方法。
Xg=〔(HO + CO)/(H + HO + CO + CO)〕vol.%
(2)前記予備還元鉱石は、鉄の酸化度(FeOxo)が、0≦xo≦1.36で表わされるものであること、
(3)前記還元性ガスは、転炉ガス、高炉ガス、コークスガス、天然ガス、液化石油ガスのいずれか1種以上のガスを用いること、
)前記高結晶水鉄鉱石は、結晶水を3〜15mass%含有する鉄鉱石であること、
)前記高結晶水鉄鉱石がピソライト鉱石かマラマンバ鉱石であること、
がより好ましい解決手段になると考えられる。
上述したように構成される本発明によれば、次のような効果が期待できる。例えば、結晶水を多く含む鉄鉱石を焼結機による処理を経ることなく高炉用原料とすることができる。そのため、焼結段階で見られる過剰溶融に起因する生産性の低下を防ぐことができるようになる。また、本発明においては、高炉用原料の製造のために、予備還元鉱石の酸化発熱を利用することで比較的低温で焼成することができるので熱エネルギー消費が少なく、しかも高強度の高炉用原料を安価に製造することができる。
本発明製造プロセスの概要を説明するための模式図である。 900℃で30分焼成した時の塊成物(ペレット)の断面写真である。 焼成前後での予備還元鉱石の結合状態を示す断面写真である。 塊成物(ペレット)の焼成温度と焼成鉱の圧潰強度の関係を示す図である。 鉄の酸化度に与えるガス酸化度と焼成温度との関係示すグラフである。
本発明は、図1に示すように、ピソライト鉱石やマラマンバ鉱石などの結晶水を多量(3〜15mass%)に含む高結晶水鉄鉱石を予備還元炉に装入し、製鉄所で自生する還元ガスにより還元して予備還元鉱石を製造する。次いで、その予備還元鉱石を必要に応じて、他の原料やコークス粉等を加えた上で造粒し、焼成設備を有する焼成炉内に移し、酸化性雰囲気下において850℃以下の温度にて加熱して焼成し、必要に応じて篩分け処理することで、塊状の高炉用原料鉱石を製造する方法である。
本発明においては、高炉用原料を製造するのに、出発原料として高結晶水鉄鉱石を用いることを前提としている。それは、安価な高結晶水鉄鉱石であっても、これを予備還元鉱石に変えると、焼成時に酸化性雰囲気下に置くと、反応時の酸化発熱により、850℃以下という従来の焼結プロセスに比べて相対的に低い雰囲気温度でも十分な焼成が可能になるからである。以下、本発明方法について、さらに詳述する。
(1)予備還元処理
従来、焼結鉱製造プロセスで使用されている鉄鉱石粉は、8mm程度以下の赤鉄鉱石が用いられているが、上述した結晶水を含む鉄鉱石粉であるピソライト鉱石やマラマンバ鉱石のような高結晶水鉄鉱石は、例えば、ピソライト鉱石の場合、8mass%程度、マラマンバ鉱石の場合、3mass%以上の結晶水を含有していることが知られている。
この点、高結晶水含有鉱石粉を、従来の焼結鉱製造プロセスの原料として使用すると、鉄鉱石粉中の結晶水の熱分解に熱が必要になるため、熱の供給源である凝結材の使用量が増大するという問題がある。しかし、このような高結晶水鉄鉱石を還元性ガスを用いて還元すると、還元に適する温度において酸化鉄が還元されて低酸化度の鉱石に変化する同時に、該鉄鉱石中の結晶水が除去された予備還元鉱石を得ることができる。本発明では、このようにして得られた予備還元鉱石を、焼結機以外のプロセスで塊成化して高炉用原料にしようとするものである。
なお、高結晶水鉄鉱石粉を予備還元するための予備還元炉としては、シャフト炉やロータリーキルンおよび流動層還元炉などの使用が可能である。なお、この予備還元炉内には、還元性ガスを導入して前記鉱石の予備還元処理を行なう。
前記還元性ガスとしては、転炉ガスや高炉ガス、コークス炉ガス、天然ガス、液化石油ガス等のいずれか1種以上のガスが使用できる。これらの還元性ガスは、鉄鉱石の還元に必要な温度(通常、500℃以上)まで昇温する必要があるが、高温の転炉ガスを使用すれば、ガスの顕熱を有効に利用することができるため好ましい。通常、転炉ガスは一旦、除塵、冷却して使用されるが、予備還元炉では、このダストも予備還元鉱石を製造するための原料として使用できるので、除塵、冷却の必要がない。さらに、ピソライト鉱石またはマラマンバ鉱石などに含まれる結晶水は、350℃付近から分解を始めるので、500℃以上の温度で還元処理を行なうことで結晶水も同時に分解、除去することが可能である。鉄鉱石は還元雰囲気で1200℃以上に加熱すると部分的に溶融して粒子同士が融着する可能性があるため、予備還元炉では1200℃以下の温度で還元処理を行なうことが好ましい。
ところで、転炉ガスや高炉ガスは、COガス濃度に対してCOガス濃度が高いものの、通常、ウスタイト(FeO)程度まで還元する能力がある。したがって、転炉ガスや高炉ガスを用いてピソライト鉱石またはマラマンバ鉱石などの結晶水を含む鉄鉱石を予備還元炉で還元すると、結晶水が除去されると同時に、製造条件によっては一部に金属鉄を含む場合もあるが、主としてマグネタイト(Fe)とウスタイトにまで還元された予備還元鉱石とすることができる。
即ち、本発明において用いる予備還元鉱石とは、鉄鉱石の酸化度(FeOxo)で表されるxoが0≦xo≦1.36の範囲内となるように予備還元して、当初の酸化度よりも低い酸化度の鉱石にすることが好ましい。この程度に予備還元された鉱石は、少なくともFeないしFeOを含む形態をとるものになる。
なお、ピソライト鉱石やマラマンバ鉱石のような高結晶水鉄鉱石は、通常、8mm程度以下に整粒されているが、一部は8mm以上の鉄鉱石も含まれており、粒度分布の幅も大きい。そのため、予備還元炉として流動層還元炉を用いる場合には、気泡流動層よりも多段流動層もしくは循環流動層を用いることが好ましい。その理由は、気泡流動層では、ガス流速を粒子の流動開始温度以上かつ終末速度以下に制御して、流動層内での粒子の流動状態を良好に保つとともに、流動層からの粒子の飛散を抑制する必要があるため、粒子の粒度分布が大きいと対応できないからである。この点、多段流動層もしくは循環流動層では、飛散した粒子をサイクロンで捕集して粒子を流動層内に循環させることができるので、大きなガス流速で運転することが可能である。また、この方式の流動層では、サイクロンの捕集限界となる微粒から粗粒までの処理が可能であり、また、粒度分布の大きな粒子でも対応が可能であるため、結晶水を含む鉄鉱石の処理に適している。
本発明において、前記予備還元炉で用いる予備還元用ガスとしては、還元ガス中のH濃度(H:vol.%)、HO濃度(HO:vol.%)、CO濃度(CO:vol.%)、およびCO濃度(CO:vol.%)とすると、下記(1)式で表わされる酸化度Xg(−)が0.8以下であるものを用いる。もし、この還元ガスの酸化度Xg(−)が0.8よりも大きくなると、図5に示すように、焼成温度800℃において少なくともFeを生成させるためのガスの還元駆動力が小さいため、予備還元炉での還元の進行が遅くなって、予備還元鉱石の生産性が低下する。そのため、還元ガスの酸化度Xgは0.8よりも小さいことが好ましい。転炉ガスや高炉ガスの酸化度Xgは、通常、0.1〜0.6程度であり、予備還元炉の還元ガスとして好適に使用できる。
Xg=〔(HO + CO)/(H + HO + CO + CO)〕vol.%
(1)
なお、予備還元炉で鉄鉱石の還元に使用したガスについては、COが含まれているため、ガス中の水分を低減させ、焼結機上から吹き込むことで凝結材の一部代替ガスとして利用したり、焼成設備の熱源として利用することができる。
(2)低温焼成処理
次に、上述したようにして予備還元炉で得られた予備還元鉱石は、場合によってはさらに、他の原料(低結晶水鉄鉱石粉や焼結鉱篩下粉、回収粉、副原料および凝結材)と混合して配合原料とし、これをパンペレタイザーやドラムミキサー等にて造粒し、引き続きロータリーキルン等の焼成設備にて850℃以下の温度で焼成して塊成鉱とする。こうして得られる塊成鉱は、篩分けし、篩上のものを高炉原料として適した粒径の成品塊成鉱とする一方、篩下のものを篩下粉として分別する。この篩下粉は、既に結晶水が除去された状態であるので、この焼成処理プロセスの原料として使用してもよいし、焼結鉱製造時の焼結鉱篩下粉に混合して使用してもよい。
このように、結晶水を含む鉄鉱石を還元性ガスで予備還元して得られた予備還元鉱石は造粒した後、ロータリーキルン等の焼成設備内に装入して加熱し、塊成鉱とするが、この処理において、予備還元鉱石を使用する利点は、焼成設備内では酸化性の高温ガス雰囲気にさらされるので、予備還元鉱石が酸化されて自身発熱することにある。この発熱により、予備還元粒子自体の温度が上昇し、粒子同士が適度に結合し合い、塊成化する。従来技術である焼結プロセスの処理では、原料層内温度を1200℃以上に保持することで焼結反応を進行させるが、本発明では、予備還元粒子が酸化により発熱し、自発的に粒子温度が高くなるため、雰囲気温度は850℃以下と低い温度であっても反応が進行するようになる。
使用する予備還元鉱石は、還元率が高いほど、酸化時の単位質量当たりの発熱量が大きいので、予備還元鉱石の使用量が一定の場合、予備還元鉱石の還元率が高いほど酸化反応が速やかに進行するため好ましいと言える。さらに、予備還元鉱石を製造する工程で鉄鉱石中の結晶水が除去されているので、焼成時(塊成化時)に結晶水の分解に必要な熱を添加する必要がなくなる。
これに対しもし、図2に示すように、この焼成時の雰囲気温度を900℃と高くすると、却って、酸化反応が速く進行し、擬似粒子表面に緻密なシェルを形成する結果、擬似粒子内部まで酸素が拡散せず、塊成化の反応が十分に進行しなくなる。従って、本発明において、この予備還元鉱石の焼成は、850℃以下の温度、好ましくは250〜800℃の温度で行なうことが必要である。
以上の説明から明らかように、結晶水を含むピソライト鉱石またはマラマンバ鉱石を焼結原料として使用することに代えて、本発明のように焼結機以外で塊成化した場合、高炉での原料使用量一定とすれば、焼結機では結晶水を含むピソライト鉱石またはマラマンバ鉱石の使用比率を低下させることができるようになる。その結果、焼結機操業では、結晶水由来の水蒸気の発生量が減少し、かつ結晶水の熱分解に必要な凝結材の使用量低下に伴って、凝結材の燃焼によって形成される高温燃焼領域が減少し、過剰な融液の生成が抑制されるため、焼結層での圧力損失が低下する。このため、焼結機の主排ガス吸引ブロワーの吸引負圧を一定とすると、単位時間当たりの吸引ガス量が増加し、焼結機本体のパレットスピードを増加させることができ、焼結鉱の生産性を向上させるができるという、付随的な効果も生まれる。
この例ではまず、多段流動層にて表に示す鉄鉱石Aの予備還元処理を行なった。即ち、付着水分を5.0mass%含む鉄鉱石A:2.10kgを多段流動層に供給し、還元ガスとして900℃の高炉ガスを2.51Nm使用した。このとき用いた還元ガスの酸化度Xgは0.51のものであった。使用した還元ガスの組成を表に示す。なお、流動層内の雰囲気温度を900℃±50℃に保つために0.69Nmの空気を用いて還元ガスを部分燃焼させた。流動層から排出されたガスは3.41Nmであり、排ガス中にはCOを4.3vol.%含んでいた。このとき、得られた予備還元鉱石は、1.69kgであり、還元率は約30%であった。
同様に、付着水分を5.0mass%含む鉄鉱石A:2.10kgを多段流動層に供給し、還元ガスとして900℃の転炉ガスを2.51Nmを使用した条件では、還元ガスの酸化度Xgは0.19であり、高炉ガスに比べて低くなっている。炉内温度を保持するために使用した空気量は0.67Nmであり、流動層から排出された排ガス量は3.42Nmであった。この時、排ガス中にはCOを32vol.%含有していた。また、得られた還元鉱石は、1.56kgであり、還元率は57%であり、高炉ガスを用いた場合に比べて高くなっていた。
したがって、高炉ガスおよび転炉ガスを用いて多くの結晶水を含む鉄鉱石を予備還元することが可能であることがわかった。特に、転炉ガスでは、回収条件にもよるが900℃以上の高温のガスが回収、使用できること、およびガスの酸化度Xgが低いことから本プロセスでの使用に適していた。
(2)次に、上述したようにして、鉄鉱石Aを多段流動層で予備還元し、段数および還元ガスの酸化度Xgを変えて還元率の異なる予備還元鉱石B〜Dを製造した。その分析値を表2に示す。表2には、予備還元鉱石がヘマタイトまで酸化した場合の発熱量、および焼成実験で使用した粉コークスの発熱量を合わせて示す。
Figure 0005892317
Figure 0005892317
(3)次に、表3に示すように、混合粉重量当たりの発熱量が一定になるように鉄鉱石もしくは予備還元鉱石(B〜F)と粉コークスとを混合し、ペレタイザーにて10〜15mmの大きさのペレットを作成し、電気炉内にて大気雰囲気中、雰囲気温度500℃で30分の低温焼成を行なった。このとき得られた塊成鉱の強度を表3に示す。鉄鉱石Aを用いた場合、この温度では粉コークスを添加しているにもかかわらず焼成せず、塊成鉱が得られなかった。一方、予備還元鉱B〜Eを用いた例では、いずれの試料についてもこの低温焼成で塊成鉱が得られた。なお、表3に示すとおり、予備還元鉱石の還元率が高い方が塊成鉱の強度が高くなっていた。
Figure 0005892317
予備還元鉱石Cを使用した例について、焼成前後のペレットの断面写真を図3に示す。焼成前には予備還元鉱石が結合していないが、焼成後には予備還元鉱石どうしが結合していることがわかる。
次に、上記予備還元鉱石Cに粉コークスを混合したペレットについて、焼成温度の影響を調べた。上述した10〜15mmの大きさのペレットを作成し、電気炉内にて大気雰囲気中、所定の雰囲気温度で30分焼成した。図4に焼成温度と塊成鉱の圧潰強度の関係を示す。この図に示すように、200℃〜900℃の焼成温度では、いずれの条件でも塊成化していたが、900℃ではペレット表面に緻密なシェルを形成し、ペレット内部が焼成されていなかった。また、200℃では、塊成鉱の強度が低くなっているが、反応時間を長くした条件では強度が向上した。したがって、200℃の条件では、反応時間が30分では十分でなかったと考えられる。一方、900℃では、反応時間を長くしても強度が改善されることはなかった。したがって、予備還元鉱石を焼成する温度としては、250℃〜850℃、より好ましくは250℃〜800℃が好適であることが確かめられた。
本発明の技術は、製鉄用、特に高炉用原料として使用される塊成鉱の製造技術として有用であるばかりでなく、その他の鉱石塊成化技術としても利用することができる。

Claims (6)

  1. 高結晶水鉄鉱石を還元性ガス雰囲気下の予備還元炉内に装入して予備還元し、次いで、得られた予備還元鉱石を、酸化性雰囲気に維持される焼成炉にて250℃以上850℃以下の温度で焼成を行なうことを特徴とする高炉用原料の製造方法。
  2. 前記予備還元に用いる還元性ガスは、下記式に示される酸化度Xg(−)で、0.8以下のガスを用いることを特徴とする請求項1に記載の高炉用原料の製造方法。
    Xg=〔(HO + CO)/(H + HO + CO + CO)〕vol.%
  3. 前記予備還元鉱石は、鉄の酸化度(FeOxo)が、0≦xo≦1.36で表わされるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉用原料の製造方法。
  4. 前記還元性ガスは、転炉ガス、高炉ガス、コークスガス、天然ガス、液化石油ガスのいずれか1種以上のガスを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の高炉用原料の製造方法。
  5. 前記高結晶水鉄鉱石は、結晶水を3mass%以上15mass%以下含有する鉄鉱石であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の高炉用原料の製造方法。
  6. 前記高結晶水鉄鉱石がピソライト鉱石かマラマンバ鉱石であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の高炉用原料の製造方法。
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