JP5892011B2 - 一軸配向をもつ物品の複屈折測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明はチューブもしくは棒状物のような押出し成形品又は一軸延伸フィルム・シートなど、一軸配向をもつ光透過性物品の複屈折を測定する方法と装置に関するものである。
光透過性被測定物の位相差を測定する一般的な方法としては、偏光子と検光子それぞれの透過軸を平行に配置し、偏光子と検光子との間に被測定物を置き、偏光子と検光子とを平行ニコル状態に保って1回転し、そのときの透過光強度変化から被測定物の位相差と配向角とを求める方法(平行ニコル回転法)がある。
また、透明樹脂成形品のある面積内の位相差分布を測定するために、平行ニコル回転法とCCDカメラとを組み合わせた装置も実用化されており、主に位相差が約260nm以下の比較的低位相差範囲の被測定物を対象とした位相差分布測定に利用されている。
さらに、測定面積内で数千nmの広範囲にわたる位相差変化を有する透明樹脂成形品の位相差分布を測定するためには、白色光と平行ニコル配置の偏光子・検光子とイメージング分光器とを備え、透過光の分光スペクトルから位相差を測定する装置もある(特許文献1参照。)。
医療用カテーテルチューブの製造において分子配向の大小は耐伸び性や耐キンク性と関係することから、分子配向の大小の指標となる複屈折の管理が重要である(特許文献2参照。)。チューブにおける複屈折は、チューブの長手方向とそれに直交する円周方向との屈折率の差を示すものである。複屈折が小さいときは耐伸び性が小さくなり、医療用カテーテルチューブの場合には治療デバイスを挿入の際にチューブが長手方向に変形して位置調節が不正確になるからである。このことは、カテーテルチューブに限らず、その他の医療用チューブ又は一般用途のチューブにおいても同様のことが言える。
特許文献2では、位相差Rを王子計測機器株式会社製の簡易レタデーシヨン測定器を用いて計測し、チューブ肉厚tをレーザーマイクロダイアメーターを用いて計測したチューブ外径と芯線とから算出し、複屈折をR/tとして求めている。
特開2009−281787号公報 WO2007/046348号
日本写真学会誌, Vol.27, No.6, pp.478-483 (1990)
本発明は、一軸配向をもつ光透過性物品の複屈折を簡便に測定する方法と装置を提供することを目的とするものである。
本発明の複屈折測定方法は、一軸配向をもつ光透過性物品からなる被測定物を挟んで偏光子と検光子を平行ニコルに配置するとともに、偏光子・検光子の透過軸を被測定物の配向軸に対して特定の方位角θで固定した状態で、偏光子を通して被測定物に多波長成分を含む測定光を照射し、被測定物を透過した測定光を検光子を通してイメージング分光器に入射させて透過光分光スペクトルを取り込む位相差測定装置を用い、以下のステップ(S1)から(S4)を備えて被測定物の複屈折を測定する。
(S1)計算透過率スペクトルTcal(λ)(=I(θ)/I0(θ))を複数の位相差について予め求めて用意しておくステップ、
(S2)前記位相差測定装置を用いて被測定物の透過光分光スペクトルから透過率スペクトルTobs(λ)(=I(θ)/I0(θ))を求めるステップ、
(S3)ステップS1で用意された計算透過率スペクトルTcal(λ)のうちで透過率スペクトルTobs(λ)に最も近い計算透過率スペクトルTcal(λ)に該当する位相差Rとして位相差Rmを求めるステップ、及び
(S4)ステップS3で求められた位相差Rmを被測定物の厚さtで割り算することにより複屈折ΔnをΔn=Rm/tとして求めるステップ。
ここで、I0は被測定物がないときの検出光強度、Iは被測定物があるときの検出光強度、λは測定光の波長である。
平行ニコル配置の場合、一般的に検出光強度は下記の式で表現される。
I(θ)
=I0{α2cos4(θ−φ)+sin4(θ−φ)+(Cα/2)sin2 2(θ−φ )}
(1)
ただし、C =cos(2πR /λ ) (2)
ここで、αは直交する2つの光学主軸方向に直線偏光が透過するときの振幅透過率比、φは被測定物の配向角(被測定物の2つの光学主軸のうちの屈折率が大きい方向である。θとφは適当に設定した基準方位に対する角度である。
本発明の複屈折測定方法を実施する複屈折測定装置は、偏光子と検光子が平行ニコルに配置され、多波長成分を含む測定光が偏光子から検光子を通してイメージング分光器に入射して透過光分光スペクトルを測定する分光スペクトル測定部と、偏光子と検光子の間に被測定物を保持し、被測定物の配向軸が偏光子・検光子の透過軸に対して特定の方位角θとなるように位置決めする試料台と、分光スペクトル測定部で測定された透過光分光スペクトルから被測定物の複屈折を算出する演算処理部と、を備えている。
そして、演算処理部は、好ましい一実施形態を示す図5に示されるように、計算透過率スペクトルTcal(λ)を複数の位相差について予め求めて保持しておく透過率スペクトル保持部102と、分光スペクトル測定部により測定された被測定物の透過光分光スペクトルから透過率スペクトルTobs(λ)を算出する透過率スペクトル算出部104と、透過率スペクトル保持部102に保持された計算透過率スペクトルTcal(λ)のうちで透過率スペクトル算出部104で算出された透過率スペクトルTobs(λ)に最も近い計算透過率スペクトルTcal(λ)に該当する位相差Rmを求める位相差算出部108と、位相差算出部108で求められた位相差Rmを被測定物の厚さtで割り算することにより複屈折ΔnをΔn=Rm/tとして求める複屈折算出部112と、を備えている。位相差算出部108は、例えば、計算透過率スペクトルTcal(λ)と実測の透過率スペクトルTobs(λ)の差として波長ごとの残差2乗和を計算するようにすることにより、両者の一致を判断する。
透過率スペクトル保持部102は、位相差を異ならせて算出された複数の計算透過率スペクトルTcal(λ)を保持するものであり、例えば100〜10000nmの位相差の範囲について位相差10nmごとに計算透過率スペクトルTcal(λ)求めて保持しておく。
イメージング分光器は、スリットから入射した一直線状の光をグレーティングによってその一直線とは直交する方向に分散させた分光スペクトルをCCDカメラなどの二次元検出器で検出することにより、一直線上の位置ごとの分光スペクトルを一度に検出できるようにしたものである。ここでの一直線上の位置とは、例えば被測定物がチューブ状又は棒状の長尺物である場合には長手方向に直交する一直線上すなわち径方向を意味する。
複屈折測定方法の好ましい形態では、被測定物がチューブ又は棒状物であり、被測定物の厚さtはイメージング分光器に入射した被測定物の画像を処理して得ることにより、一台の位相差測定装置で位相差Rmと厚さtをともに得て複屈折Δnを求める。これにより、厚さtを求める装置を設ける必要がなくなる。イメージング分光器に入射した被測定物の画像から厚さtを求める方法について、後で図8を参照して説明する。
チューブ及び棒状物は通常、押出し成形により製造される。押出し成形により製造されたチューブ及び棒状物は長手方向に一軸配向をもつため長手方向が配向軸方向となる。
この好ましい形態の複屈折測定方法に対応して、複屈折測定装置の好ましい形態では、好ましい一実施形態を示す図5に示されるように、演算処理部10は、被測定物としてチューブ又は棒状物を測定したとき、イメージング分光器に入射した被測定物の画像を処理して被測定物の厚さtを算出する画像処理部110をさらに備えており、複屈折算出部112は被測定物の厚さtとして画像処理部110で算出された被測定物の厚さtを使用する。
複屈折測定方法のさらに好ましい形態では、被測定物の配向軸に対する偏光子・検光子の透過軸の方位角θを45°とし、計算透過率スペクトルTcal(λ)と透過率スペクトルTobs(λ)を(1+C)/2として求める。それに対応して、複屈折測定装置の好ましい形態では、試料台は偏光子・検光子の透過軸に対する被測定物の配向軸の方位角θが45°となるように被測定物を保持するように構成されており、演算処理部10は計算透過率スペクトルTcal(λ)と透過率スペクトルTobs(λ)を(1+C)/2として処理する。
複屈折測定方法のさらに好ましい形態では、ステップ(S2)と(S3)の間に、ステップ(S2)で求められた透過率スペクトルTobs(λ)とステップ(S1)で用意されている計算透過率スペクトルTcal(λ)それぞれの最大値と最小値が一致するように透過率スペクトルTobs(λ)を補正して補正透過率スペクトルT'obs(λ)を算出するステップをさらに備え、ステップ(S3)では透過率スペクトルTobs(λ)に替えて補正透過率スペクトルT'obs(λ)を使用して位相差Rmを求める。それに対応して、複屈折測定装置の好ましい形態では、好ましい一実施形態を示す図5に示されるように、演算処理部10は、透過率スペクトル算出部104で算出された透過率スペクトルTobs(λ)と透過率スペクトル保持部102に保持された計算透過率スペクトルTcal(λ)それぞれの最大値と最小値が一致するように透過率スペクトルTobs(λ)を補正して補正透過率スペクトルT'obs(λ)を算出する透過率スペクトル補正部106をさらに備え、位相差算出部108は透過率スペクトルTobs(λ)に替えて透過率スペクトル補正部106で算出された補正透過率スペクトルT'obs(λ)を使用して位相差Rmを求める。
(1)式において、I0及びRは測定波長λに依存する。また、αはほとんどの場合ほぼ1であるが、被測定物の位相差が大きいときは2つの光学主軸の屈折率差が大きいことに相当するため、2つの方向において表面反射率に差が生じ、その結果2つの光学主軸方向に対する直線偏光の透過率にも差が生じて、αは1より小さくなる。しかし、その場合でもαは0.95程度まで小さくなるだけである。
まず簡単のために、(1)式においてα=1の場合について考える。チューブ状の被測定物の長手方向を角度の基準とすると、押出法によって成形されるチューブ状あるいは棒状の被測定物の配向角φは長手方向であるため、φ=0°と考えてよい。好ましい形態におけるθ=45°のときの検出光強度をI(45)と表記し、このときのI0をI0(45)とすると、次のように表される。
I(45)=I0(45)・(1+C)/2 (3)
したがって、I(45)/I0(45)はCすなわち位相差Rと測定波長λによって決まる。一般的に位相差Rも波長分散があるので、I(45)/I0(45)をTcal(λ)と表わし、計算透過率スペクトルと呼ぶことにする。また、I0(45)とI(45)を実測し、それらの比率として求めた透過率スペクトルをTobs(λ)と表すことにする。
位相差をR(λ)として波長分散を次の(4)式で表し、あらかじめ式中の係数a、b、cを材料ごとに区別して登録しておくことができる。
R(λ)=a+b/(λ2−c2) (4)
a、b、cの各係数の値は、被測定物と同じ材料でフィルム状の試料を作製することにより、例えば王子計測機器(株)製の位相差測定装置KOBRA−WRを用いて容易に求めることができる。波長分散を(4)式で表すことができることについては非特許文献1に記載されている。
任意に定めることができる基準波長をλ0とすると、(4)式より基準波長λ0に対する任意の波長λでの分散比率R(λ)/R(λ0)は容易に求まる。延伸倍率の違いや厚さの違いによって被測定物の位相差R(λ)が異なる場合も、分散比率R(λ)/R(λ0)は材料ごとにほぼ等しくなることがよく知られている。例えば、図2(A)は5種のPETフィルムの位相差の波長依存性を示したものであり、(B)はλ0を590nmとしたときの分散比率の波長依存性を示したグラフであるが、実際に分散比率はほぼ1本の曲線に重なっている。
したがって、(4)式の各係数を設定して波長分散式を登録しておくことにより、基準波長に対する分散比率も求まり、計算上R(λ0)を所定の範囲だけ所定の刻みで変化させれば、その都度任意の波長に対してR(λ)も容易に計算できる。すなわち、被測定物の位相差の波長分散式が既知であれば基準波長に対する位相差を任意に変化させながら、そのときの計算透過率スペクトルTcal(λ)を自由に計算できることを意味している。
そこで、本発明のさらに好ましい形態の複屈折測定方法では、ステップ(S1)での計算透過率スペクトルTcal(λ)は、被測定物についての位相差R(λ)の波長分散式に基づいて基準波長λ0での位相差R(λ0)を複数に変化させたときの対応する位相差R(λ)から算出したものである。
それに対応して、複屈折測定装置の好ましい形態では、好ましい一実施形態を示す図5に示されるように、演算処理部10は、被測定物についての位相差R(λ)の波長分散式から基準波長λ0に対する位相差の分散比率R(λ)/R(λ0)を計算する分散比率算出部100をさらに備えており、透過率スペクトル保持部102に保持されている透過率スペクトルTcal(λ)は、分散比率算出部100においてR(λ0)を複数に変化させたときの対応するR(λ)から算出されたものである。
さらに具体的に示すと、一直線上の位置ごとでのそれぞれの透過光分光スペクトルI0(45)とI(45)を測定する動作を行う。ここで、一直線上とは、例えば、後で説明する実施例の図1に示されるように、被測定物6の径方向(Y方向)の直線上を指しており、被測定物6の長手方向をX方向としている。I(45)は前記一直線上の各位置(Y)によって異なる。透過率スペクトル算出部104では、透過光分光スペクトルI0(45)とI(45)の比を計算して透過率スペクトルTobs(λ)を求める。しかし、例えばR(λo)が1510nmのチューブを測定したときのTobs(λ)とTcal(λ)のグラフは、図3の細実線と破線のようになり必ずしも一致しない場合がある。そこで、好ましい形態では、Tobs(λ)とTcal(λ)それぞれの最大値と最小値を調べて、それらが一致するように補正係数を算出し、実測の透過率スペクトルを次式によって補正してT'obs(λ)を計算する。
T'obs(λ)=(Tobs(λ)−Tobs(λ).mv-min)/K (5)
ただし、
K=(Tobs.mv-max(λ)−Tobs(λ).mv-min)/(Tcal(λ).max−Tcal(λ).min)
Tobs(λ).mv-min:実測透過率スペクトルTobs(λ)の移動平均の最小値
Tobs(λ).mv-max:実測透過率スペクトルTobs(λ)の移動平均の最大値
Tcal(λ).max:計算透過率スペクトルの最大値
Tcal(λ).max:計算透過率スペクトルの最小値
である。
それに対応して、好ましい一実施形態を示す図5に示されるように、演算処理部10は、透過率スペクトル算出部104で算出された透過率スペクトルTobs(λ)と透過率スペクトル保持部102に保持された計算透過率スペクトルTcal(λ)それぞれの最大値と最小値が一致するように透過率スペクトルTobs(λ)を補正して補正透過率スペクトルT'obs(λ)を算出する透過率スペクトル補正部106をさらに備えている。その場合、位相差算出部108は透過率スペクトルTobs(λ)に替えて透過率スペクトル補正部108で算出された補正透過率スペクトルT'obs(λ)を使用して位相差Rmを求める。位相差算出部108は、例えば、計算透過率スペクトルTcal(λ)と実測の補正透過率スペクトルT'obs(λ)の差として波長ごとの残差2乗和を計算するようにすることにより、両者の一致を判断する。
次に、2つの光学主軸方向の振幅透過率比αが1ではない場合を検討する。α≠1のとき(1)式においてθ=45°と置き、仮に材質をPETとしてR(λo)=1500nmの場合の、αが1のときと0.95のときのTcal(λ)を比較すると図4のようになり、確かに計算上でもαの値によって最大透過率が変わる。しかし、実測される透過率は図3のTobs(λ)のようになり、αの影響以上に最大値・最小値が計算上の値からずれることが分かる。したがって、計算上は常にα=1としてTcal(λ)を求め、上述の透過率スペクトル補正部106で実測値を補正処理すればよい。
好ましい形態において、被測定物がチューブ又は棒状物であり、被測定物の厚さtをイメージング分光器に入射した被測定物の画像を処理して得ることにより、一台の位相差測定装置で位相差Rmと厚さtをともに得て複屈折Δnを求める方法について具体的に説明する。図8はチューブ状の被測定物を測定した場合のイメージング分光器の取込み画像の一例であり、測定光が透過せずに陰になる個所があって、実際に光が透過するのはチューブ径方向の中央部である。また、チューブ径方向の中央部のみがチューブの肉厚tの2倍に相当するので、図8の陰部分の位相差は測定する必要がない。
イメージング分光器の取込み画像から画像処理によって、被測定物の径方向の中央部を決定し、さらにチューブの肉厚tあるいは棒状の直径Dを求める方法について説明する。
チューブ状の被測定物は図8に示されるように4本の黒い帯状の画像が得られる。この4本の帯状の暗から明もしくは明から暗への変化点を求め、Y座標の小さい方からY1〜Y8とする。
外径はY1からY8までの距離である。被測定物が棒状の場合はこの距離が直径Dとなるので、画像処理部110はイメージング分光器の取込み画像から棒状物の直径Dを算出することができる。
チューブ状の被測定物の内径Dinは、曲面のため内側2本の黒い帯状のエッジとして検出される位置Y4及びY5より、その帯幅の(1/K)外側にある。
したがって、外径Dout、内径Dinおよびチューブの肉厚tは次式で表される。
Dout=Y8−Y1 (6)
Din=Y5−Y4+(Y4−Y3)/K+(Y6−Y5)/K (7)
t=(Dout−Din)/2 (8)
(7)式におけるKはチューブ材質の屈折率により異なるが、本発明者らの測定により、Kは概ね「3」であることが分かった。要求される測定精度にもよるが、複屈折の概略値でよい場合はK=3として上記(6)〜(8)式によりチューブの肉厚tを算出することができる。
高精度の複屈折値が求められる場合はKをチューブの材質ごとに求めれはよい。Kは屈折率から計算により求めることもできるが、実用的な方法として測定対象の材質のチューブについて、図8のようにイメージング分光器の取込み画像を測定するとともに、そのチューブの内径を機械的に測定してKを決定することができる。測定対象となるチューブの各材質についてKを予め求めたら画像処理部110に記憶させておくことにより、画像処理部110はイメージング分光器の取込み画像から上記(6)〜(8)式によりチューブの肉厚tを算出することができる。
また、他の方法で被測定物の厚さt又は直径Dが測定されている場合は、本装置の測定開始時にその値を入力できるようにすればよい。
チューブの肉厚t又は棒状の直径Dが求まれば、複屈折算出部112は複屈折Δnを次式により算出することができる。
Δn=Rm(λo)/2t又は
Δn=Rm(λo)/D (9)
図6は上記に示した複屈折Δnの決定手順で最も好ましい方法をまとめて示したフローチャートである。
本発明によれば、偏光子と検光子を平行ニコルに配置するとともに、偏光子・検光子の透過軸を一軸配向をもつ被測定物の配向軸に対して特定の方位角θで固定し、被測定物がない状態での透過光の検出光強度I0(θ)と被測定物があるときの透過光の検出光強度I(θ)とからなる透過率スペクトル(=I(θ)/I0(θ))を用い、複数の位相差について予め求めて用意した計算透過率スペクトルTcal(λ)と実測の透過率スペクトルTobs(λ)とを比較して、実測の透過率スペクトルTobs(λ)にもっとも近い計算透過率スペクトルTcal(λ)に該当する位相差Rmをその被測定物の位相差とするようにしたので、位相差範囲が数千nmになる高位相差の被測定物であってもその位相差を容易に測定することができる。
一実施例を示す概略構成図である。 (A)はPETフィルムの位相差の波長依存性を示す図、(B)は同じく分散比率の波長依存性を示す図である。 本発明で扱う透過率スペクトルの例を示す図である。 計算透過率スペクトルに対する被測定物の振幅透過率比αの影響を示す図である。 一実施例における演算処理部を示すブロック図である。 一実施例における複屈折Δnの決定手順を示すフローチャートである。 イメージング分光器を示す概略図である。 イメージング分光器の取込み画像の一例である。
図1は、本発明の複屈折測定装置をチューブ又は棒状物の測定用に適用した一実施例の概略構成図である。この複屈折測定装置は、主な構成部分なとして、試料台5、分光スペクトル測定部、及び演算処理部10を備えている。
試料台5は、被測定物6を分光スペクトル測定部の偏光子4と検光子7の間で測定視野の中央に保持し、被測定物6の配向軸が偏光子4・検光子7の透過軸に対して特定の方位角θとなるように位置決めする。好ましい例では特定の方位角θは45°である。
分光スペクトル測定部は平行ニコルに配置された偏光子4と検光子7の組と、多波長成分を含む測定光を偏光子4に入射させる光学系1,2,3と、検光子7を透過した測定光をレンズ8を経て受光して透過光分光スペクトルを測定するイメージング分光器9とを備えている。
多波長成分を含む測定光を偏光子4に入射させる光学系は、光源1、ライトガイド2及び集光レンズ3を備えている。光源1は例えばハロゲンランプであり、多波長成分を含む測定光として白色光を供給するものである。光源1としては白色LED(発光ダイオード)を用いた光源であってもよい。光源1からの光はライトガイド2によって集光レンズ3に導かれる。
偏光子4は被測定物6に直線偏光の測定光を照射するためのものであり、被測定物6の一方の面と集光レンズ3の間に配置されている。被測定物6を挟んで被測定物6の他方の面側には偏光子4に対向して検光子7が配置されている。偏光子4と検光子7は平行ニコルの状態に固定されて配置されている。被測定物6の長手方向を基準方位として、好ましい形態として偏光方位(θ)が45°となるように、被測定物6が試料台5により位置決めされる。
検光子7を透過した測定光はレンズ8を経てイメージング分光器9に取り込まれる。レンズ8は顕微鏡を構成する1組のレンズ、又はカメラ(例えはCCDカメラ)用のレンズである。レンズ8の倍率と、イメージング分光器9に含まれる受光素子(例えばCCD素子)の大きさ及びそのY方向画素数とによって、取り込めるY方向の視野寸法と空間分解能が定まる。ここでは、被測定物6の長手方向をX方向、それに直交する方向、すなわち被測定物6の径方向をY方向としている。
イメージング分光器9は、例えば図7のような構成になっており、スリット9aを介してY方向の線状の光を受光し、グレーティング9bで分光してモノクロCCDカメラ9dで受光する。グレーティング9bはY方向の線上の各位置の光をX方向に分光する。イメージング分光器9としては、具体的には、ImSpector V8(JFEテクノリサーチ株式会社の製品)が利用できる。
演算処理部10は分光スペクトル測定部で測定された透過光分光スペクトルから被測定物の複屈折を算出するものであり、すでに説明した図5に示された構成をしている。
演算処理部10と試料台5及び被測定物6を除く部分が分光スペクトル測定部を構成している。
イメージング分光器9によって分光され検出された透過光強度は演算処理部10に取り込まれて、上に述べたように、被測定物6の位相差Rm(λ)が算出される。演算処理部10は専用のコンピュータ又は汎用のパーソナルコンピュータにより実現される。
1 光源
2 ライトガイド
3 集光レンズ
4 偏光子
5 試料台
6 被測定物
7 検光子
8 レンズ
9 イメージング分光器
9a スリット
9b グレーティング
9c CCD素子
9d CCDカメラ
10 演算処理部
100 分散比率算出部
102 透過率スペクトル保持部
104 透過率スペクトル算出部
106 透過率スペクトル補正部
108 位相差算出部
110 画像処理部

Claims (10)

  1. 一軸配向をもつ光透過性物品からなる被測定物を挟んで偏光子と検光子を平行ニコルに配置するとともに、偏光子・検光子の透過軸を被測定物の配向軸に対して特定の方位角θで固定した状態で、偏光子を通して被測定物に多波長成分を含む測定光を照射し、被測定物を透過した測定光を検光子を通してイメージング分光器に入射させて透過光分光スペクトルを取り込む位相差測定装置を用い、以下のステップを備えて被測定物の複屈折を測定する複屈折測定方法。
    (S1)計算透過率スペクトルTcal(λ)(=I(θ)/I0(θ))を複数の位相差について予め求めて用意しておくステップ、
    (S2)前記位相差測定装置を用いて被測定物の透過光分光スペクトルから透過率スペクトルTobs(λ)(=I(θ)/I0(θ))を求めるステップ、
    (S3)ステップS1で用意された計算透過率スペクトルTcal(λ)のうちで透過率スペクトルTobs(λ)に最も近い計算透過率スペクトルTcal(λ)に該当する位相差として位相差Rmを求めるステップ、及び
    (S4)ステップS3で求められた位相差Rmを被測定物の厚さtで割り算することにより複屈折Δnを
    Δn=Rm/t
    として求めるステップ。
    ここで、I0は被測定物がないときの検出光強度、Iは被測定物があるときの検出光強度、λは測定光の波長である。
  2. 被測定物がチューブ又は棒状物であり、
    被測定物の厚さtはイメージング分光器に入射した被測定物の画像を処理して得ることにより、一台の位相差測定装置で位相差Rmと厚さtをともに得て複屈折Δnを求める請求項1に記載の複屈折測定方法。
  3. 被測定物の配向軸に対する偏光子・検光子の透過軸の方位角θを45°とし、計算透過率スペクトルTcal(λ)と透過率スペクトルTobs(λ)を
    (1+C)/2
    として求める請求項1又は2に記載の複屈折測定方法。
    ここで、C=cos(2πR/λ)(R:位相差)である。
  4. 前記ステップ(S2)と(S3)の間に、前記ステップ(S2)で求められた透過率スペクトルTobs(λ)と前記ステップ(S1)で用意されている計算透過率スペクトルTcal(λ)それぞれの最大値と最小値が一致するように透過率スペクトルTobs(λ)を補正して補正透過率スペクトルT'obs(λ)を算出するステップをさらに備え、
    前記ステップ(S3)では透過率スペクトルTobs(λ)に替えて補正透過率スペクトルT'obs(λ)を使用して位相差Rmを求める請求項1から3のいずれか一項に記載の複屈折測定方法。
  5. 前記ステップ(S1)での計算透過率スペクトルTcal(λ)は、被測定物についての位相差R(λ)の波長分散式に基づいて基準波長λ0での位相差R(λ0)を複数に変化させたときの対応する位相差R(λ)から算出したものである請求項1から4のいずれかに記載の複屈折測定方法。
  6. 偏光子と検光子が平行ニコルに配置され、多波長成分を含む測定光が偏光子から検光子を通してイメージング分光器に入射して透過光分光スペクトルを測定する分光スペクトル測定部と、
    偏光子と検光子の間に被測定物を保持し、被測定物の配向軸が偏光子・検光子の透過軸に対して特定の方位角θとなるように位置決めする試料台と、
    前記分光スペクトル測定部で測定された透過光分光スペクトルから被測定物の複屈折を算出する演算処理部と、を備え、
    前記演算処理部は、計算透過率スペクトルTcal(λ)を複数の位相差について予め求めて保持しておく透過率スペクトル保持部と、
    前記分光スペクトル測定部により測定された被測定物の透過光分光スペクトルから透過率スペクトルTobs(λ)を算出する透過率スペクトル算出部と、
    前記透過率スペクトル保持部に保持された計算透過率スペクトルTcal(λ)のうちで前記透過率スペクトル算出部で算出された透過率スペクトルTobs(λ)に最も近い計算透過率スペクトルTcal(λ)に該当する位相差Rmを求める位相差算出部と、
    前記位相差算出部で求められた位相差Rmを被測定物の厚さtで割り算することにより複屈折Δnを
    Δn=Rm/t
    として求める複屈折算出部と
    を備えている複屈折測定装置。
  7. 被測定物としてチューブ又は棒状物を測定したとき、前記イメージング分光器に入射した被測定物の画像を処理して被測定物の厚さtを算出する画像処理部をさらに備え、
    前記複屈折算出部は被測定物の厚さtとして前記画像処理部で算出された被測定物の厚さtを使用する請求項6に記載の複屈折測定装置。
  8. 前記試料台は偏光子・検光子の透過軸に対する被測定物の配向軸の方位角θが45°となるように被測定物を保持するものであり、
    前記演算処理部は計算透過率スペクトルTcal(λ)と透過率スペクトルTobs(λ)を
    (1+C)/2
    として処理する請求項6又は7に記載の複屈折測定装置。
  9. 前記透過率スペクトル算出部で算出された透過率スペクトルTobs(λ)と前記透過率スペクトル保持部に保持された計算透過率スペクトルTcal(λ)それぞれの最大値と最小値が一致するように透過率スペクトルTobs(λ)を補正して補正透過率スペクトルT'obs(λ)を算出する透過率スペクトル補正部をさらに備え、
    前記位相差算出部は透過率スペクトルTobs(λ)に替えて前記透過率スペクトル補正部で算出された補正透過率スペクトルT'obs(λ)を使用して位相差Rmを求める請求項6から8のいずれか一項に記載の複屈折測定装置。
  10. 前記演算処理部は被測定物についての位相差R(λ)の波長分散式から基準波長λ0に対する位相差の分散比率R(λ)/R(λ0)を計算する分散比率算出部をさらに備え、
    前記透過率スペクトル保持部に保持されている透過率スペクトルTcal(λ)は、R(λ0)を複数に変化させたときの対応するR(λ)から算出されたものである請求項6から9のいずれか一項に記載の複屈折測定装置。
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