各実施形態を具体的に説明する前に、各実施形態に適用される濃度計の概要について図1〜図10を参照して説明する。
まず、図1は、濃度計3の構成の概要を示す図である。
濃度計3は、濃度検知部であって、流体を出入させるための管路が後述するように2〜4管接続されているが、図1は一例として3管接続の場合を示している。
濃度計3は、センサ容器3aを備えている。センサ容器3aは、第1の流入管路I1の開口である第1流体導入口3dと、第2の流入管路I2の開口である第2流体導入口3eと、を有している。そして、第1流体導入口3dから導入された流体がセンサ容器3aの内部で正方向Aに周回し、第2流体導入口3eから導入された流体がセンサ容器3aの内部で正方向Aとは反対の逆方向Bに周回するようになっている。
また、センサ容器3aには排出管路O12が接続されており、この排出管路O12は、第1流体導入口3dから導入された流体が排出される第1の排出管路と、第2流体導入口3eから導入された流体が排出される第1の排出管路と、を兼ねたものとなっている。
センサ容器3a内には、流体としてセンサ容器3a内に導入された薬液(消毒薬や洗浄液(洗剤液)など)の濃度を測定するための、例えば一対の電極センサ3p,3mが設けられている。これらの電極センサ3p,3mは、上述した流体の正方向Aおよび逆方向Bに対して、軸方向J(図4参照)が垂直となるよう配置されている。そして、電極センサ3p,3mには信号線3i(図4〜図8等参照)が接続されており、信号線3iを介して後述する制御部4(図11〜図26参照)から電極センサ3p,3m間に電流が印加されて、電極センサ3p,3m間の電流値、電圧値(電位差)、あるいは抵抗値などが測定され、測定値に基づき制御部4により薬液の濃度が検出されるようになっている。
ここで、図2は電極センサをセンサ容器の中心を挟んで対称となるように配置した例を示す図、図3は電極センサをセンサ容器の中心を挟んで非対称となるように配置した例を示す図である。
電極センサの配置位置は、流体の流れ方向や、センサ容器3aの形状に応じて適宜決めることができる。例えば、流体の正方向Aおよび逆方向Bに対して、軸方向Jが垂直となるように配置するために、センサ容器3aの天面に電極センサ3p,3mを配置してもよいし(図6参照)、センサ容器3aの側面に電極センサ3p,3mを配置してもよいし(図2、図3参照)、センサ容器3aの底面に電極センサ3p,3mを配置してもよい(図示せず)。
また、電極センサを複数配置する場合、センサ容器3aの中心を挟んで対称となるように配置してもよいし(図2参照)、非対称となるように配置してもよい(図3参照)。
電極センサは、適用する濃度の測定法等により適宜決定される。
例えば、三電極法を用いる場合、作用電極と、対極と、参照電極とが別体となっているものを用いてもよいし、これらのうち、作用電極と、対極とが一体となっているものを用いてもよいし、イオン電極と参照電極とが一体となっているものを用いてもよい。また、イオン濃度測定法を適用する場合、電極として、イオン電極と比較電極とが別体となっているものを用いてもよい。作用電極、対極、および参照電極の本数については限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。
さらに、センサ容器3a内には、上述した薬液、あるいは容器洗浄用の水、あるいは容器乾燥用の空気等の流体の流れに乗って、上述した正方向および逆方向から電極センサ3p,3mを研磨する粒状の洗浄粒3bが封止されている。具体的に、洗浄粒3bは、電極センサ3p,3mを研磨可能な材料からなる、例えばセラミックやガラスなどで形成された研磨ビーズ等として構成されている。
そして、第1流体導入口3dおよび第2流体導入口3eと、排出管路O12の開口とには、洗浄粒3bの大きさよりも細かい網目が形成された網3c(あるいは、洗浄粒3bの大きさよりも細い間隔に形成されたスリット等)が配設されていて、流体の通過を許容しながら、センサ容器3aから洗浄粒3bが流出するのを規制している。
次に、図4および図5を参照して、濃度計3における電極センサ3p,3mの研磨について説明する。ここに図4は使用開始時における電極センサの構成と流体の流れ方向とを示す図、図5は洗浄粒により研磨された後の電極センサの構成を示す図である。
流体は、ある時点では第1流体導入口3dからセンサ容器3a内へ導入され、他のある時点では第2流体導入口3eからセンサ容器3a内へ導入される。これにより流体は、センサ容器3a内を、ある時点では正方向Aに周回し、他のある時点では逆方向Bに周回する。この流体の流れに乗って、洗浄粒3bも、ある時点では正方向Aに周回し、他のある時点では逆方向Bに周回することになる。
従って、電極センサ3p,3mは、ある時点では正方向Aの流れに乗る洗浄粒3bにより研磨され、他のある時点では逆方向Bの流れに乗る洗浄粒3bにより研磨されることになる。そして、正方向Aの洗浄粒3bの流れによる電極センサ3p,3mの研磨と、逆方向Bの洗浄粒3bの流れによる電極センサ3p,3mの研磨とが、なるべく均等となるように流体の制御を行う。これにより、電極センサ3p,3mは、図5に示すように、片減りすることなく均等に研磨され、薬液濃度の測定精度が維持される。そして、正方向Aおよび逆方向Bに電極センサ3p,3mを研磨することで、電極センサ3p,3mの表面全体を比較的短い時間で汚れを残すことなく研磨することができ、薬液の濃度測定を開始するまでの時間を短縮し、限界長さに至るまでの使用時間を長くすることができる。
次に、図6〜図8を参照して、濃度計3への管路の接続本数について説明する。ここに、図6は2管接続の濃度計3の構成例を示す図、図7は3管接続の濃度計3の構成例を示す図、図8は4管接続の濃度計3の構成例を示す図である。
図6に示す2管接続の場合には、濃度計3のセンサ容器3aに、2本の流体管路が接続されている。一方の管路が第1流体導入口3dに接続される第1の流入管路I1(第1管路)、他方の管路が第2流体導入口3eに接続される第2の流入管路I2(第2管路)である。この場合には、第1の流入管路I1から導入された流体の第1の排出管路を第2の流入管路I2が兼ね、第2の流入管路I2から導入された流体の第2の排出管路を第1の流入管路I1が兼ねることになる。
また、図7に示す3管接続の場合には、濃度計3のセンサ容器3aに、3本の流体管路が接続されている。この3管接続の場合の3本の流体管路の役割は後で説明するように幾つかの種類があるが、図7においては、上述した図1と同様に、第1の流入管路I1および第2の流入管路I2と、第1の排出管路と第2の排出管路とを兼ねた排出管路O12と、が接続されている例を示している。
さらに、図8に示す4管接続の場合には、濃度計3のセンサ容器3aに、4本の流体管路が接続されている。これら4本の流体管路は、第1流体導入口3dに接続される第1の流入管路I1(第1管路)、第2流体導入口3eに接続される第2の流入管路I2(第2管路)、第1の流入管路I1から導入された流体を排出する第1の排出管路O1(第3管路)、および第2の流入管路I2から導入された流体を排出する第2の排出管路O2(第4管路)である。なお、第1,第2の排出管路O1,O2の開口にも、洗浄粒3bの流出を規制する網3cが設けられていることはいうまでもない。
続いて、図9は、2〜4管接続において、流体がどの管路から入出流するかを分類した表図である。この図9において、反転接続(記号「~」を付して反転接続であることを示している)は、正接続に対して流入と排出を入れ替えた場合、すなわち、正接続における第1の流入(入1)を第1の排出(出1)に、第1の排出(出1)を第1の流入(入1)に、第2の流入(入2)を第2の排出(出2)に、第2の排出(出2)を第2の流入(入2)に、それぞれ入れ替えた場合を示している。
センサ容器3aに流体が流れる管路が2本接続されている2管接続の場合には、接続Aに示すケースのみであり、図6を参照して説明したように、一方の第1管路が第1の流入(入1)と第2の排出(出2)とを行い、他方の第2管路が第2の流入(入2)と第1の排出(出1)とを行う。なお、反転接続A~は、反対(裏面)側から見れば(左右を入れ替えて見れば)、正接続Aと同一であることが分かる。
また、センサ容器3aに流体が流れる管路が3本接続されている3管接続の場合には、接続Bおよび接続Cと、それぞれの反転接続B~,C~との合計4つのケースがある。
まず、接続Bは、図7を参照して説明したように、3本の管路が、第1流体導入口3dに接続され第1の流入(入1)を行う第1管路、第2流体導入口3eに接続され第2の流入(入2)を行う第2管路、および第1管路から導入された流体に第1の排出(出1)を行う管路と第2管路から導入された流体に第2の排出(出2)を行う管路とを兼ねた第3管路となっている。
次に、接続B~は、上述した接続Bの入出を反転させたものである。この場合には、第1流体導入口3dおよび第2流体導入口3eは、同一の開口として構成されていることになる。そして、3本の管路が、第1流体導入口3dおよび第2流体導入口3eを兼ねる開口に接続され第1の流入(入1)および第2の流入(入2)を行う第1管路、第1管路の開口が第1流体導入口3dとして機能しているときに導入された流体に第1の排出(出1)を行う第2管路、および第1管路の開口が第2流体導入口3eとして機能しているときに導入された流体に第2の排出(出2)を行う第3管路となっている。なお、ポンプ等を利用しない場合に流体が重力方向に流れることを考慮して(すなわち、排出側がなるべく下側となるように)、接続B~を図示する際には、接続Bの入出を反転させた後に、さらに上下方向へも反転させている。
続いて、接続Cは、3本の管路が、第1流体導入口3dに接続され第1の流入(入1)を行う管路と第2管路から導入された流体に第2の排出(出2)を行う管路とを兼ねた第1管路、第2流体導入口3eに接続され第2の流入(入2)を行う第2管路、および第1管路から導入された流体に第1の排出(出1)を行う第3管路となっている。
さらに、接続C~は、3本の管路が、第1流体導入口3dに接続され第1の流入(入1)を行う第1管路、第2流体導入口3eに接続され第2の流入(入2)を行う管路と第1管路から導入された流体に第1の排出(出1)を行う管路とを兼ねた第2管路、および第2管路から導入された流体に第2の排出(出2)を行う第3管路となっている。
そして、センサ容器3aに流体が流れる管路が4本接続されている4管接続の場合には、接続Dに示すケースのみであり、図8を参照して説明したように、第1管路が第1の流入(入1)を行い、第2管路が第2の流入(入2)を行い、第3管路が第1の排出(出1)を行い、第4管路が第2の排出(出2)を行う。なお、反転接続D~は、反対(裏面)側から見て(左右を入れ替えて見て)、さらに−90°回転させて見れば、正接続Dと同一であることが分かる。
次に、図10は、第1の流入(入1)を行う流体源と、第2の流入(入2)を行う流体源とを、どのようにとるかを分類した表図である。この図10において、反転(記号「~」を付して反転であることを示している)は、正に対して、第1の流入(入1)を行う流体源と第2の流入(入2)を行う流体源とを入れ替えた場合を示している。
後述する各実施形態において説明するように、洗浄粒3bを流れに乗せる流体の代表例は内視鏡の洗浄に用いる薬液であり、内視鏡洗浄消毒装置には、薬液を貯留する薬液タンク2と、薬液タンク2から導入された薬液により内視鏡を洗浄消毒する洗浄槽1と、が設けられている(図11〜図26参照)。
そこで、流体源の組み合わせは、以下のように分類される。
まず、分類αは、第1の流入(入1)を行う流体源が薬液タンク2、第2の流入(入2)を行う流体源も薬液タンク2となる場合である。この場合には、反転させた分類α~は分類αと同一である。
次に、分類βは、第1の流入(入1)を行う流体源が薬液タンク2、第2の流入(入2)を行う流体源が洗浄槽1となる場合である。
また、分類βには、反転された分類β~が存在する。この分類β~は、第1の流入(入1)を行う流体源が洗浄槽1、第2の流入(入2)を行う流体源が薬液タンク2となる場合である。
そして、分類γは、第1の流入(入1)を行う流体源が洗浄槽1、第2の流入(入2)を行う流体源も洗浄槽1となる場合である。この場合には、反転させた分類γ~は分類γと同一である。
図9に示した入出流分類と、図10に示した流体源分類とは、任意の組み合わせが可能であるが、その組み合わせ数はかなり多くなるために、以下の実施形態では幾つかの組み合わせのみについて説明することにする。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する内視鏡洗浄消毒装置の各実施形態を示すブロック図において、液体の流れに関し、矢印Gが重力方向となるように概略の図示を行うものとする。
[実施形態1]
図11は本発明の実施形態1を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
内視鏡洗浄消毒装置は、内視鏡を内部に設置して薬液により内視鏡を洗浄消毒するための洗浄槽1と、洗浄槽1へ供給する薬液を貯留するための薬液タンク2と、を備えている。図示の例では、洗浄槽1が重力方向(矢印Gで示す方向)の上側、薬液タンク2が重力方向の下側に配設されている。
洗浄槽1は、すすぎ用の水等を注入するための給水口1aと、洗浄槽1内の流体の排出を制御する弁1bと、洗浄槽1内の液体の量に応じて空気を外部へ出し入れするための通気口1cと、を備えている。
また、薬液タンク2は、薬液を薬液タンク2内へ投入するための薬液投入口2aと、薬液タンク2内の薬液を排出するための排液弁2bと、薬液タンク2内の薬液の量に応じて薬液タンク2内の空気を外部へ出し入れするための通気口2cと、を備えている。
そして、薬液タンク2から洗浄槽1へは、注入管路31を介して薬液が供給されるようになっており、この注入管路31上には、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を汲み上げるための薬液注入ポンプ11が配設されている。
また、洗浄槽1は、弁1bを介して回収管路32が薬液タンク2へ接続されており、洗浄槽1で使用した薬液を薬液タンク2へ再び回収することができるように構成されている。洗浄槽1と薬液タンク2とには上述したような重力方向の上下位置関係があるために、薬液回収時には重力の作用により薬液が洗浄槽1から薬液タンク2へ移動する。従って、本実施形態においては回収管路32上にポンプは設けられていない。
さらに、洗浄槽1からは、弁1bおよび排水管路1dを介して、内視鏡の洗浄に使用した薬液を排液したり、内視鏡洗浄後に洗浄槽1を洗い流すために給水口1aから注入された水を排水したりすることができるようになっている。
濃度計3は、測定管路33と、測定戻り管路34と、を介して薬液タンク2と接続されている。従って、本実施形態は図10に示した流体源分類における分類αに該当する。測定管路33は、薬液タンク2から濃度計3へ至る経路の途中で、第1測定管路35a(第1管路)と第2測定管路35b(第2管路)とに分岐されており、これら第1測定管路35aと第2測定管路35bとが、濃度計3の第1流体導入口3dと第2流体導入口3eとにそれぞれ接続されている。また、測定戻り管路34は、第1測定管路35a(第1管路)から導入された流体を排出する管路と第2測定管路35b(第2管路)から導入された流体を排出する管路とを兼ねた第3管路である。従って本実施形態は、センサ容器3aには流体管路が3本接続されており、図9に示した入出流分類における接続Bに該当する。
測定管路33が第1測定管路35aと第2測定管路35bとに分岐する部分には、三方弁21が配設されている。この三方弁21は、薬液タンク2から導入される薬液を、第1測定管路35aと第2測定管路35bとの何れかへ択一的に排出するものである。
さらに、薬液タンク2と三方弁21との間の測定管路33上には、測定用ポンプ12が配設されている。この測定用ポンプ12は、薬液タンク2から薬液を汲み上げて、三方弁21を介して濃度計3へ供給するためのものである。
なお、ここでは薬液タンク2と三方弁21との間の測定管路33上に測定用ポンプ12を配置したが、これに代えて、濃度計3と薬液タンク2との間の測定戻り管路34上に測定用ポンプ12を配置しても構わない。
また、弁1b、濃度計3、薬液注入ポンプ11、測定用ポンプ12、および三方弁21の制御は、制御部4により行われる。この制御部4は、さらに、濃度計3から測定結果を取得して薬液の濃度を算出し、図示しない表示部等に表示するようになっている。
上述したような本実施形態の構成では、薬液タンク2から洗浄槽1を介して再び薬液タンク2に戻る薬液の循環経路と、薬液タンク2から濃度計3を介して再び薬液タンク2に戻る薬液の循環経路と、は独立して設けられていて、それぞれの循環経路上に薬液注入ポンプ11と測定用ポンプ12とが設けられている。このために本実施形態においては、薬液の濃度測定を、内視鏡を洗浄消毒する工程とは独立した任意のタイミングで行うことが可能となっている。
薬液の濃度測定を行うタイミングの例を幾つか挙げれば、内視鏡洗浄消毒装置の図示しない操作パネルに設けられた消毒洗浄工程開始ボタンが押されたときに、内視鏡を洗浄消毒する工程を実行する前に、自動的に薬液の濃度を確認するタイミングがある。さらに、内視鏡を洗浄消毒する工程が終了した後の洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収する工程の最中あるいは終了後に、自動的に薬液の濃度を確認するタイミングがある。加えて、上述した操作パネルに設けられた濃度チェックボタンが所望のタイミングで押されたときに、薬液の濃度を確認するタイミングがある。
そして、制御部4は、三方弁21を制御して、図1に示したセンサ容器3a内における正方向Aの薬液(ひいては洗浄粒3b)の流れと、逆方向Bの薬液(ひいては洗浄粒3b)の流れと、が均等な時間だけ実行されるようにする。この正逆の流れの均等制御は、濃度測定が行われる1回毎に正逆を変更する方法を採用することができる。あるいは、1回の濃度測定の中で、正または負何れかの流れを開始したときの1回目を含む、2回もしくはそれ以上の偶数回だけ正逆を一定時間毎に切り替えて、正方向Aの流れと逆方向Bの流れとを同一時間ずつ同一回数だけ行うようにしても良い。さらにあるいは、薬液の濃度を確認するタイミングとは独立した一定時間毎に、正逆の流れを切り替えるようにしても構わない。
このような実施形態1によれば、三方弁21を設けて濃度計3内における薬液(ひいては洗浄粒3b)の流れの正逆の制御を実現するようにしたために、電極センサ3p,3mの片減りを抑制してより均等に研磨することができ、薬液濃度の測定精度を容易に維持することが可能となる。
また、薬液タンク2と洗浄槽1とを結ぶ薬液の循環経路とは独立して濃度計3を配置したために、所望のタイミングで濃度測定を行い得る利点がある。
[実施形態2]
図12は本発明の実施形態2を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態2において、上述の実施形態1と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態における、薬液タンク2から洗浄槽1を介して再び薬液タンク2に戻る薬液の循環経路は、上述した実施形態1と同様である。
そして、本実施形態の濃度計3が、測定管路33A(第1管路)と、測定戻り管路34A(第2管路)と、を介して薬液タンク2と接続されていて、図10に示した流体源分類における分類αに該当することも、上述した実施形態1とほぼ同様である。
ただし、本実施形態における測定管路33Aは、途中で分岐することなく、濃度計3の第1流体導入口3dに接続されている。さらに、本実施形態における測定戻り管路34Aは、濃度計3の第2流体導入口3eに接続されている。
すなわち、本実施形態においては、センサ容器3aに接続される流体管路の本数は2本であり、測定管路33Aは測定戻り管路34Aから導入された流体を排出する管路を兼ね、測定戻り管路34Aは測定管路33Aから導入された流体を排出する管路を兼ねている。従って本実施形態は、センサ容器3aには流体管路が2本接続されており、図9に示した入出流分類における接続Aに該当する。
さらに、測定管路33A上には正逆回転可能な測定用ポンプ12Aが配設されていて、制御部4により制御される。なお、ここでは測定管路33A上に測定用ポンプ12を配置したが、これに代えて、測定戻り管路34A上に測定用ポンプ12を配置しても構わない。
そして、本実施形態における濃度計3内の流体の正逆の流れの制御は、制御部4が測定用ポンプ12Aを正方向に回転させるか、逆方向に回転させるかを制御することにより行われる。
このような実施形態2によれば、上述した実施形態1とほぼ同様の効果を奏するとともに、正逆回転可能な測定用ポンプ12Aを設けることにより、配管がより簡単になるとともに、三方弁も不要となる。
[実施形態3]
図13は本発明の実施形態3を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態3において、上述の実施形態1,2と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態における、薬液タンク2から洗浄槽1を介して再び薬液タンク2に戻る薬液の循環経路は、上述した実施形態1,2と同様である。
一方、本実施形態の濃度計3は、測定管路33と、測定戻り管路34Aと、第2測定戻り管路34’と、の3本の流体管路を介して薬液タンク2と接続されている。従って本実施形態は、図10に示した流体源分類における分類αに該当する。
ここに、測定管路33は、濃度計3の第1流体導入口3dに接続される第1管路である。
また、測定戻り管路34Aは、濃度計3の第2流体導入口3eに接続される管路と、測定管路33から導入された流体を排出する管路と、を兼ねた第2管路である。
そして、第2測定戻り管路34’は、流体導入管路として機能する測定戻り管路34Aから導入された流体を排出する第3管路である。
従って本実施形態は、図9に示した入出流分類における接続C~に該当する。
測定管路33上には、薬液タンク2から濃度計3へ向けて薬液を供給し、非動作時には流体の流通を阻止する第1の測定用ポンプ12(第1のポンプ)が配設されている。
また、第2測定戻り管路34’上には、濃度計3から薬液タンク2へ向けて薬液を排出することにより薬液タンク2から測定戻り管路34Aを介して濃度計3へ向けて薬液を供給し、非動作時には流体の流通を阻止する第2の測定用ポンプ13(第2のポンプ)が配設されている。
そして、本実施形態における濃度計3内の流体の正逆の流れの制御は、制御部4が、第2の測定用ポンプ13を停止させた状態で第1の測定用ポンプ12を駆動するか、第1の測定用ポンプ12を停止させた状態で第2の測定用ポンプ13を駆動するか、により行われる。
このような実施形態3によれば、濃度計3内に正方向Aの流れを作るための第1の測定用ポンプ12と、濃度計3内に逆方向Bの流れを作るための第2の測定用ポンプ13と、を独立して設けることによっても、上述した実施形態1,2とほぼ同様の効果を奏することができる。
[実施形態4]
図14は本発明の実施形態4を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態4において、上述の実施形態1〜3と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態における、薬液タンク2から洗浄槽1を介して再び薬液タンク2に戻る薬液の循環経路、および薬液タンク2から濃度計3を介して再び薬液タンク2に戻る薬液の循環経路は、上述した実施形態2と同様である。
従って、本実施形態のセンサ容器3aに接続される流体管路の本数は2本であり、上述した実施形態2と同様であるために、図10に示した流体源分類における分類αに該当し、図9に示した入出流分類における接続Aに該当する。
そして、測定管路33A(第1管路)上には逆止効果のない第1の測定用ポンプ12Aが、測定戻り管路34A(第2管路)上には逆止効果のない第2の測定用ポンプ12A’が配設されていて、制御部4によりそれぞれ制御される。こうして本実施形態における濃度計3内の流体の正逆の流れの制御は、制御部4が第1の測定用ポンプ12Aを駆動するか、第2の測定用ポンプ12A’を駆動するかを制御することにより行われる。
このような実施形態4によれば、正逆回転可能な測定用ポンプに代えて、逆止効果のない2つの測定用ポンプを流体供給方向を反対にして配置しても、上述した実施形態2とほぼ同様の効果を奏することができる。
[実施形態5]
図15は本発明の実施形態5を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態5において、上述の実施形態1〜4と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、濃度計3へ流体を導入する管路を、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を供給する注入管路31と兼ねるとともに、測定用ポンプを薬液注入ポンプ11と兼ねたものとなっている。なお、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収する経路は、上述した実施形態1と同様である。
まず、薬液タンク2から洗浄槽1へ向けて薬液を供給する注入管路31上には、上述した各実施形態と同様に、薬液注入ポンプ11が配設されている。
この薬液注入ポンプ11と洗浄槽1との間の注入管路31上には、第1の三方弁21が配設されている。従って、この第1の三方弁21の、薬液注入ポンプ11から供給された薬液を排出する2つの排出管路の内の一方は、引き続き注入管路31となっていて洗浄槽1へ接続されている。
第1の三方弁21の2つの排出管路の内の他方は、測定管路35cとなっている。この測定管路35cは、濃度計3へ至る経路の途中で、第1測定管路35a(第1管路)と第2測定管路35b(第2管路)とに分岐されており、分岐部分には第2の三方弁21’が配設されている。
この第2の三方弁21’は、第1の三方弁21を経由して薬液タンク2から導入された薬液を、第1測定管路35aと第2測定管路35bとの何れかへ択一的に排出するものである。そして上述した実施形態1と同様に、第1測定管路35aは濃度計3の第1流体導入口3dに接続される第1管路、第2測定管路35bは濃度計3の第2流体導入口3eに接続される第2管路である。
また、濃度計3は、測定戻り管路34を介して薬液タンク2へ接続されている。この測定戻り管路34は、第1測定管路35a(第1管路)から導入された流体を排出する管路と第2測定管路35b(第2管路)から導入された流体を排出する管路とを兼ねた第3管路である。
従って本実施形態は、図10に示した流体源分類における分類αに該当し、図9に示した入出流分類における接続Bに該当する。
このような構成において、制御部4は、第1の三方弁21の排出管路を注入管路31に制御して薬液注入ポンプ11を駆動することにより、洗浄槽1への薬液の供給を行う。
また、制御部4は、第1の三方弁21の排出管路を測定管路35cに制御して薬液注入ポンプ11を駆動することにより、濃度測定を行う。このときに、制御部4は第2の三方弁21’の排出管路を第1測定管路35aに制御することにより正方向Aの流れを作る。また、制御部4は第2の三方弁21’の排出管路を第2測定管路35bに制御することにより逆方向Bの流れを作る。
従って、本実施形態の構成では、洗浄槽1への薬液の供給時には濃度測定を行うことができず、濃度計3による濃度測定時には洗浄槽1への薬液の供給を行うことができないことになる。
このような実施形態5によれば、上述した実施形態1〜4とほぼ同様の効果を奏するとともに、測定用ポンプ12を別途設ける必要がなく、薬液注入ポンプ11を兼用して薬的の濃度測定を行うことができる利点がある。
[実施形態6]
図16は本発明の実施形態6を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態6において、上述の実施形態1〜5と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、上述した実施形態5と同様に、濃度計3へ流体を導入する管路を、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を供給する注入管路31と兼ねるとともに、測定用ポンプを薬液注入ポンプ11と兼ねたものとなっている。なお、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収する経路は、上述した実施形態1と同様である。
本実施形態は、上述した実施形態5における第1の三方弁21および第2の三方弁21’を、1つの四方弁22に置き換えたものとなっている。従って、本実施形態では測定管路35cは設けられていない。
四方弁22は、薬液注入ポンプ11を介して薬液タンク2から導入される薬液を、注入管路31と、第1測定管路35aと、第2測定管路35bと、の何れかへ択一的に排出するものである。
このような実施形態6によれば、2つの三方弁に代えて1つの四方弁22を用いることによっても、上述した実施形態5とほぼ同様の効果を奏することができる。
[実施形態7]
図17は本発明の実施形態7を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態7において、上述の実施形態1〜6と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態も、上述した実施形態5,6と同様に、濃度計3へ流体を導入する管路を、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を供給する注入管路31と兼ねるとともに、測定用ポンプを薬液注入ポンプ11と兼ねたものとなっている。なお、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収する経路は、上述した実施形態1と同様である。
まず、薬液タンク2から洗浄槽1へ向けて薬液を供給する注入管路31上には、上述した各実施形態と同様に、薬液注入ポンプ11が配設されている。
注入管路31は、この薬液注入ポンプ11の経路上後方(洗浄槽1側)において、第2の注入管路31’を分岐している。そしてこの分岐部分に三方弁21が配設されている。従って、この三方弁21の2つの排出管路は、一方が引き続き注入管路31であり、他方が第2の注入管路31’である。
三方弁21から濃度計3の第1流体導入口3dに接続される注入管路31は第1管路であり、三方弁21において分岐された第2の注入管路31’は濃度計3の第2流体導入口3eに接続される第2管路である。
第2の注入管路31’は、濃度計3において再び注入管路31と合流する。従って、濃度計3内の薬液は、1つの注入管路31を介して洗浄槽1へ供給されることになる。ここに、濃度計3から洗浄槽1へ接続される注入管路31は、第1管路である注入管路31から導入された流体を排出する管路と、第2管路である第2の注入管路31’から導入された流体を排出する管路と、を兼ねた第3管路である。
従って本実施形態は、図10に示した流体源分類における分類αに該当し、図9に示した入出流分類における接続Bに該当する。
このような構成において、制御部4は、薬液注入ポンプ11を駆動することにより、洗浄槽1への薬液の供給を行う。
このときに、制御部4は三方弁21の排出管路を、注入管路31に制御することにより正方向Aの流れを作り、第2の注入管路31’に制御することにより逆方向Bの流れを作る。
従って、本実施形態の構成では、濃度計3による濃度測定を、薬液タンク2から薬液を洗浄槽1へ供給するときのみに行うことができることになる。
このような実施形態7によれば、上述した実施形態1〜6とほぼ同様の効果を奏するとともに、濃度測定を行い得るタイミングが限定されるものの、濃度計以外に三方弁を1つ設ければ濃度測定が可能となるために、構成が簡単で低コスト化を図ることができる利点がある。
[実施形態8]
図18は本発明の実施形態8を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態8において、上述の実施形態1〜7と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を供給する注入管路31Aを、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収する流体管路と兼ねたものとなっている。従って、本実施形態には回収管路32は設けられていない。さらに本実施形態は、注入管路31A上に濃度計3を配置して、注入管路31Aが測定管路および測定戻り管路を兼ねるようにしたものとなっている。
まず、薬液タンク2から洗浄槽1へ向けて薬液を供給する注入管路31A上には、薬液注入ポンプ11Aが配設されている。この薬液注入ポンプ11Aは、逆止効果のないポンプ、または正逆回転可能なポンプである。
注入管路31Aは、この薬液注入ポンプ11Aの洗浄槽1側の経路上において、第2の注入管路31A’を分岐しており、この分岐部分に三方弁21が配設されている。
三方弁21で分岐した2つの管路である注入管路31Aと第2の注入管路31A’は、何れも濃度計3に接続されている。そして、第2の注入管路31A’は、濃度計3において再び注入管路31Aと合流する。
その後、濃度計3と洗浄槽1とは、1つの注入管路31Aを介して接続されている。
このような構成の場合には、薬液は、薬液タンク2から洗浄槽1へ供給されるときに濃度計3を通過するだけでなく、洗浄槽1から薬液タンク2へ回収されるときにも濃度計3を通過することになる。
そして本実施形態においては、濃度計3内の流体の正逆の流れの制御は、次のような3つのケースが可能である。
まず、第1のケースは、薬液タンク2から洗浄槽1へ供給されるときの薬液の流れを制御することにより濃度計3内の正逆の流れを作り出す方法である。制御部4は、薬液注入ポンプ11Aを駆動して薬液を薬液タンク2から洗浄槽1へ汲み上げる際に、三方弁21の排出管路を、適宜のタイミングで均等な時間割りとなるように、注入管路31Aと第2の注入管路31A’とに切り替える。
このときには、三方弁21から濃度計3への注入管路31Aは、第1管路として機能して、濃度計3の第1流体導入口3dに接続される。また、三方弁21において分岐された第2の注入管路31A’は、第2管路として機能して、濃度計3の第2流体導入口3eに接続される。また、濃度計3から洗浄槽1へ接続される注入管路31Aは、第1管路である注入管路31Aから導入された流体を排出する管路と、第2管路である第2の注入管路31A’から導入された流体を排出する管路と、を兼ねた第3管路として機能する。
従って、第1のケースでは、図10に示した流体源分類における分類αに該当し、図9に示した入出流分類における接続Bに該当する。
次に、第2のケースは、洗浄槽1から薬液タンク2へ回収されるときの薬液の流れを制御することにより濃度計3内の正逆の流れを作り出す方法である。ここに、薬液注入ポンプ11Aが逆止効果のないポンプである場合には、薬液は重力の作用により洗浄槽1から薬液タンク2へ回収されることになり、また、薬液注入ポンプ11Aが正逆回転可能なポンプである場合には、薬液注入ポンプ11Aを逆回転させることにより薬液が洗浄槽1から薬液タンク2へ回収されることになる。
そして、制御部4は、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収する際に、濃度計3から三方弁21への流入管路を、注入管路31Aと第2の注入管路31A’とに、適宜のタイミングで均等な時間割りとなるように切り替えることで、濃度計3内の正逆の流れを作り出す。
すなわち、この第2のケースは、第1のケースの流体の流れを反転させたものである。この場合には、第1の流入(入1)を行う流体源と第2の流入(入2)を行う流体源とは何れも洗浄槽1となるために、図10に示した流体源分類における分類γに該当することになる。さらに、第1のケースの接続Bを反転させたものであるために、図9に示した入出流分類における接続B~に該当することになる。そして、この第2のケースにおいては、濃度計3の第1流体導入口3dと第2流体導入口3eは、同一の開口(洗浄槽1からの注入管路31Aが濃度計3に接続される部分の開口)を兼用することになる。
続いて、第3のケースは、薬液タンク2から洗浄槽1へ供給されるときの薬液の流れを制御することにより濃度計3内の正方向Aの流れを作り出し、洗浄槽1から薬液タンク2へ回収されるときの薬液の流れを制御することにより濃度計3内の逆方向Bの流れを作り出す方法である。
この場合に制御部4は、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を供給するときと、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収するときと、の両方において、三方弁21を注入管路31A側(ただし、これに代えて第2の注入管路31A’側であっても構わない)にのみ制御することになる(従って、この第3のケースの制御を行う場合には、第2の注入管路31A’および三方弁21は不要である)。
この第3のケースは、図10に示した流体源分類における分類βに該当し、図9に示した入出流分類における接続Aに該当することになる。
ただし、濃度計3内における流れの正逆回転は絶対的なものではなく、一方を正回転と考えれば、他方が逆回転となるだけである。従って、第3のケースは、洗浄槽1への薬液供給時に逆方向Bの流れを作り出し、洗浄槽1からの薬液回収時に正方向Aの流れを作り出すと考えることも可能である。この場合には第3のケースは、第1の流入(入1)を行う流体源と第2の流入(入2)を行う流体源とが逆になって、図10に示した流体源分類における分類β~に該当することになる(なお、図9に示した入出流分類における接続Aに該当するのは同様である)。
また、薬液を洗浄槽1へ汲み上げるときに注入管路31Aを通り、洗浄槽1から回収するときに第2の注入管路31A’を通るケース(あるいはこの逆に、薬液を洗浄槽1へ汲み上げるときに第2の注入管路31A’を通り、洗浄槽1から回収するときに注入管路31Aを通るケース)は、汲み上げ時と回収時とで流れの方向が同じとなるために、上述した3つのケースには入っていない。
そして、本実施形態の構成では、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を汲み上げるとき、および洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収するときのみに、濃度計3による薬液の濃度測定を行うことが可能となっている。
なお、上述では薬液注入ポンプ11Aを、薬液タンク2と三方弁21との間の注入管路31A上に配設したが、これに代えて、濃度計3と洗浄槽1との間の注入管路31A上に配設しても構わない。
このような実施形態8によれば、上述した実施形態1〜7とほぼ同様の効果を奏するとともに、管路構成が極めて簡単になる利点がある。特に、第3のケースにおいて、第2の注入管路31A’および三方弁21を省略する場合には、管路構成を最大限まで簡略化することが可能となる。
[実施形態9]
図19は本発明の実施形態9を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態9において、上述の実施形態1〜8と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収する回収管路32を、濃度計3に接続される測定管路および測定戻り管路と兼ねるようにしたものとなっている。
洗浄槽1の弁1bから薬液タンク2へ向かう回収管路32は、途中で第2の回収管路32’を分岐しており、この分岐部分に三方弁21が配設されている。
三方弁21で分岐した2つの管路である回収管路32と第2の回収管路32’は、何れも濃度計3に接続されている。そして、第2の回収管路32’は、濃度計3において再び回収管路32と合流する。
その後、濃度計3と薬液タンク2とは、1つの回収管路32を介して接続されている。
従って、本実施形態は、図10に示した流体源分類における分類γに該当し、図9に示した入出流分類における接続Bに該当する。
このような構成において、制御部4は、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収する際に、濃度計3へ向かう三方弁21の排出管路を、回収管路32と第2の回収管路32’とに、適宜のタイミングで均等な時間割りとなるように切り替えることで、濃度計3内の正逆の流れを作り出す。
また、本実施形態の構成では、濃度計3による濃度測定を、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収するときのみに行うことができることになる。
なお、上述では回収管路32上にポンプは設けておらず重力の作用により薬液を回収していたが、弁1bと三方弁21との間、または濃度計3と薬液タンク2との間に測定用ポンプ12を追加しても良い。この場合には、薬液の回収時間が短縮されるだけでなく、薬液の流速を高めることができるために、洗浄粒3bによる電極センサ3p,3mの研磨をより短時間で行うことが可能になる。
このような実施形態9によれば、回収管路32上に濃度計3を設けることによっても、上述した実施形態1〜8とほぼ同様の効果を奏することができる。
[実施形態10]
図20は本発明の実施形態10を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態10において、上述の実施形態1〜9と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を供給する注入管路31と、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収する回収管路32と、の両方を濃度計3に接続して、注入管路31が測定管路を、回収管路32が測定戻り管路を、それぞれ兼ねるようにしたものとなっている。
すなわち、薬液タンク2から延出される注入管路31は、弁23を介して濃度計3の第1流体導入口3dに接続されている。
濃度計3からさらに延出され、洗浄槽1に接続される注入管路31の管路上には、薬液注入ポンプ11が設けられている。
また、洗浄槽1の弁1bから延出される回収管路32は、濃度計3の第2流体導入口3eに接続されている。
濃度計3からさらに延出され、薬液タンク2に接続される回収管路32の管路上には、弁23’が設けられている。
このような構成において、薬液注入ポンプ11を駆動すると、薬液タンク2からの薬液が、弁23を介して濃度計3に流れ込んで正方向Aの流れを作り出した後に、洗浄槽1へ供給される。このとき、濃度計3に接続されている回収管路32に関しては、洗浄槽1側へは弁1bを介して薬液の流れが規制され、薬液タンク2側へは弁23’を介して薬液の流れが規制される。
一方、薬液を回収する場合には、重力の作用により、洗浄槽1から弁1bを介して薬液が濃度計3に流れ込んで逆方向Bの流れを作り出した後に、弁23’を介して薬液タンク2内へ戻される。このとき、濃度計3に接続されている注入管路31に関しては、洗浄槽1側へは重力の作用により薬液の流れが規制され、薬液タンク2側へは弁23を介して薬液の流れが規制される。
なお、上述では回収管路32上にポンプは設けておらず重力の作用により薬液を回収していたが、回収管路32上の何れかの箇所に測定用ポンプ12(なお、このポンプは薬液の回収にも用いられるために、薬液回収ポンプと呼んでも差し支えない)を追加しても良い(図20には、一例として、弁1bと濃度計3との間に測定用ポンプ12を追加する場合を示している)。ただし、この場合には、薬液回収時に濃度計3から洗浄槽1へ薬液が流れ込むのを規制するために、薬液注入ポンプ11は非動作時に流体の流通を阻止するポンプである必要がある。そして、測定用ポンプ12を追加すると、上述の実施形態と同様に、薬液の回収時間が短縮されるだけでなく、薬液の流速を高めることができるために、洗浄粒3bによる電極センサ3p,3mの研磨をより短時間で行うことが可能になる利点がある。
こうして、本実施形態は、図10に示した流体源分類における分類βに該当し、図9に示した入出流分類における接続Dに該当する。
また、本実施形態の構成では、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を汲み上げるとき、および洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収するときのみに、濃度計3による薬液の濃度測定を行うことが可能となっている。
このような実施形態10によれば、注入管路31に測定管路を、回収管路32に測定戻り管路を、それぞれ兼用させることによっても、上述した実施形態1〜9とほぼ同様の効果を奏することができる。
[実施形態11]
図21は本発明の実施形態11を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態11において、上述の実施形態1〜10と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を供給する注入管路31,31Aと、洗浄槽1から薬液タンク2側へ薬液を回収する回収管路32と、の両方を濃度計3に接続して、薬液タンク2と濃度計3とを接続する部分の注入管路31Aが、さらに回収管路、測定管路、および測定戻り管路を兼ねるようにしたものとなっている。
すなわち、薬液タンク2から延出される注入管路31Aは、濃度計3の第1流体導入口3dに接続されている。この注入管路31Aは、上述したように、回収管路を兼ねているために、濃度計3と洗浄槽1とを接続する注入管路31とは符号を異ならせている。
濃度計3から延出され、洗浄槽1に接続される注入管路31の管路上には、薬液注入ポンプ11が設けられている。
また、洗浄槽1の弁1bから延出される回収管路32は、濃度計3の第2流体導入口3eに接続されている。
このような構成において、薬液注入ポンプ11を駆動すると、注入管路31内の薬液が、濃度計3に流れ込んで正方向Aの流れを作り出した後に、洗浄槽1へ供給される。
一方、薬液を回収する場合には、重力の作用により、洗浄槽1から弁1bを介して薬液が濃度計3に流れ込んで逆方向Bの流れを作り出した後に、注入管路31Aを介して薬液タンク2内へ戻される。
なお、回収管路32上に測定用ポンプ12を追加しても良く、この場合に薬液注入ポンプ11が非動作時に流体の流通を阻止するポンプである必要があるのは上述した実施形態10と同様である。
また、測定用ポンプ12を追加しない場合であれば、注入管路31上に薬液注入ポンプ11を設けるのに代えて、注入管路31A上に逆止効果のない薬液注入ポンプ11Aを設けても構わない。
こうして、本実施形態は、図10に示した流体源分類における分類βに該当し、図9に示した入出流分類における接続Cに該当する。
また、本実施形態の構成では、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を汲み上げるとき、および洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収するときのみに、濃度計3による薬液の濃度測定を行うことが可能となっている。
このような実施形態11によれば、薬液タンク2と濃度計3とを接続する注入管路31Aに、回収管路、測定管路、および測定戻り管路を兼ねさせた場合でも、上述した実施形態1〜10とほぼ同様の効果を奏することができる。
[実施形態12]
図22は本発明の実施形態12を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態12において、上述の実施形態1〜11と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収する回収管路32を、濃度計3に接続される測定戻り管路と兼ねるようにしたものとなっている。
洗浄槽1の弁1bから延出された回収管路32は、濃度計3の第2流体導入口3eに接続されている。濃度計3からはさらに回収管路32が延出されて、薬液タンク2へ接続されている。
また、薬液タンク2からは測定管路33が延出されていて、逆止効果のある測定用ポンプ12を介して、濃度計3の第1流体導入口3dに接続されている。
このような構成では、測定用ポンプ12を駆動して濃度計3内に正方向Aの流れを作り出し、薬液回収時に濃度計3内に逆方向Bの流れを作り出すことになる。
従って、本実施形態は、図10に示した流体源分類における分類βに該当し、図9に示した入出流分類における接続Bに該当する。
なお、測定用ポンプ12を利用して作り出す正方向Aの流れと、薬液回収時に重力の作用により作り出す逆方向Bの流れとでは流速が異なるために、正逆の流れの流速に応じて洗浄粒3bにより電極センサ3p,3mを研磨する時間の割合を異ならせる必要がある。そこで、洗浄槽1と濃度計3との間の回収管路32上に第2の測定用ポンプ12’(なお、このポンプは薬液の回収にも用いられるために、薬液回収ポンプと呼んでも差し支えない)を追加して構わない。
そして、本実施形態の構成では、濃度計3による濃度測定を、測定用ポンプ12を駆動して任意のタイミングで行うことができるとともに、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収するときにも行うことが可能となっている。
このような実施形態12によれば、回収管路32を測定戻り管路と兼ねることによっても、上述した実施形態1〜11とほぼ同様の効果を奏することができる。
[実施形態13]
図23は本発明の実施形態13を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態13において、上述の実施形態1〜12と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態も、上述した実施形態12と同様に、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収する回収管路32を、濃度計3に接続される測定戻り管路と兼ねるようにしたものとなっている。
洗浄槽1の弁1bから延出された回収管路32は、濃度計3の第2流体導入口3eに接続されている。濃度計3からはさらに回収管路32が延出されて、弁23を介して薬液タンク2へ接続されている。
また、薬液タンク2からは測定管路33Aが延出されていて、正逆回転可能な測定用ポンプ12Bを介して、濃度計3の第1流体導入口3dに接続されている。
このような構成において、濃度計3内に正方向Aの流れを作り出す場合には、測定用ポンプ12Bを正回転させて駆動し、回収管路32から弁23を介して薬液タンク2に戻す制御を行う。
また、濃度計3内に逆方向Bの流れを作り出す場合には、測定用ポンプ12Bを逆回転させて駆動し、洗浄槽1から回収管路32を介して薬液を濃度計3へ流入させ、さらに、測定管路33Aを介して薬液タンク2に戻す制御を行う。
従って、本実施形態は、図10に示した流体源分類における分類βに該当し、図9に示した入出流分類における接続Cに該当する。
そして、本実施形態の構成では、濃度計3による濃度測定を、測定用ポンプ12Bを駆動して任意のタイミングで行うことができるとともに、洗浄槽1から薬液タンク2へ薬液を回収するときにも行うことが可能となっている。
このような実施形態13によれば、正逆回転可能な測定用ポンプ12Bを1つ用いることにより、上述した実施形態12において測定用ポンプ12および第2の測定用ポンプ12’を用いた場合とほぼ同様の効果を奏することができ、ポンプ数を減らすことが可能となる。
[実施形態14]
図24は本発明の実施形態14を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態14において、上述の実施形態1〜13と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
洗浄槽1には、内部の薬液を循環させるための構成が設けられることがある。そこで本実施形態は、洗浄槽1に係る薬液の循環管路上に濃度計3を配設したものとなっている。従って、濃度計3は洗浄槽1のみに接続され、薬液タンク2には接続されていない。そして本実施形態は、実施形態1における濃度計3の管路接続先の薬液タンク2を、洗浄槽1に代えた構成であると見ることもできる。
すなわち、洗浄槽1から延出された循環管路36は、途中で第2の循環管路36’を分岐しており、この分岐部分に三方弁21が配設されている。
三方弁21で分岐した2つの管路である循環管路36と第2の循環管路36’は、何れも濃度計3に接続されている。そして、第2の循環管路36’は、濃度計3において再び循環管路36と合流する。
その後に濃度計3から延出される合流された循環管路36は、循環ポンプ14を介して、洗浄槽1に接続されている。なお、図24には循環ポンプ14を、循環管路36における濃度計3から洗浄槽1への戻り管路部分に配置した例を示しているが、洗浄槽1から三方弁21への循環管路36上に配置しても構わない。
このような構成において、濃度計3内の流体の正逆の流れの制御は、制御部4が三方弁21の排出管路を切り替えることにより行われる。
従って、本実施形態は図10に示した流体源分類における分類γに該当し、図9に示した入出流分類における接続Bに該当する。
そして、本実施形態においては、薬液の濃度測定を、洗浄槽1に係る薬液を循環させるときの任意のタイミングで行うことが可能となっている。
このような実施形態14によれば、洗浄槽1に係る薬液の循環管路上に濃度計3を配設することによっても、上述した実施形態1〜13とほぼ同様の効果を奏することができる。
[実施形態15]
図25は本発明の実施形態15を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態15において、上述の実施形態1〜14と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、上述した実施形態11の図21に示した構成に対して、洗浄槽1から濃度計3へ供給された薬液を、薬液タンク2へ回収することなく排液するように構成したものとなっている。
すなわち、薬液タンク2から延出される注入管路31は、三方弁21に接続されている。三方弁21の2つの排出管路の内の一方は、排液管路37を介して例えば排水管路1dに接続されている。また、三方弁21の2つの排出管路の内の他方は、注入管路31Bを介して濃度計3の第1流体導入口3dに接続されている。ここに注入管路31Bは、相互方向に流体が流れるものであって排液管路も兼ねているために、他の部分の注入管路31とは符号を異ならせている。
濃度計3から延出され、洗浄槽1に接続される注入管路31の管路上には、薬液注入ポンプ11が設けられている。
また、洗浄槽1の弁1bから延出される循環管路36は、濃度計3の第2流体導入口3eに接続されている。
このような構成において、注入管路31が注入管路31Bに接続されるように三方弁21を制御した状態で薬液注入ポンプ11を駆動すると、薬液タンク2からの薬液が濃度計3に流れ込んで正方向Aの流れを作り出した後に、洗浄槽1へ供給される。
一方、濃度計3を介して薬液を排液する場合には、重力の作用により、薬液が洗浄槽1から濃度計3に流れ込んで逆方向Bの流れを作り出した後に、注入管路31B、三方弁21、および排液管路37を介して排液される。
こうして、本実施形態は、図10に示した流体源分類における分類βに該当し、図9に示した入出流分類における接続Cに該当する。
また、本実施形態の構成では、基本的に、薬液タンク2から洗浄槽1へ薬液を汲み上げるとき、および洗浄槽1から薬液を排液するときのみに、濃度計3による薬液の濃度測定を行うことが可能となっている。
ただし、本実施形態の構成において、注入管路31が排液管路37に接続されるように(つまり、注入管路31と注入管路31Bとの接続が遮断されるように)三方弁21を制御した状態で、弁1bが循環管路36に接続されるように制御して薬液注入ポンプ11を駆動すると、洗浄槽1の薬液が、弁1b、循環管路36、濃度計3、および薬液注入ポンプ11が配設された注入管路31の管路部分を介して洗浄槽1へ流れ、つまり洗浄槽1の循環管路として利用することも可能となる。もしこのような運用を行う場合には、薬液の濃度測定を、洗浄槽1に係る薬液を循環させるときの任意のタイミングで行うことが可能となる。そしてこの場合には、図10に示した流体源分類における分類β、および図9に示した入出流分類における接続Bに該当することになる。
このような実施形態15によれば、上述した実施形態1〜14とほぼ同様の効果を奏するとともに、洗浄槽1から薬液を排液するときにも、薬液の濃度測定を行うことが可能となる。また、薬液循環時に濃度測定を行うことも可能となる。
[実施形態16]
図26は本発明の実施形態16を示したものであり、濃度計3を備える内視鏡洗浄消毒装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態16において、上述の実施形態1〜15と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、上述した実施形態15の構成に対して、さらに、制御部4の制御により空気を送風するためのコンプレッサ39を追加したものとなっている。
濃度計3のセンサ容器3aに薬液が残留した状態で、次回の測定までにある程度の時間間隔があると、残留薬液の水分やその他の揮発成分が蒸発して、薬液が濃縮されることがあると考えられる。
この場合には、次回の濃度測定の際にセンサ容器3aに導入された薬液が、センサ容器3a内の濃縮された残留薬液と混合され、本来であれば規定濃度に達していない薬液に対して、規定濃度に達したという測定結果が検出されてしまう可能性、すなわち測定誤差が生じる可能性がある。
そこで、給水口1aからすすぎ用の水を注入して洗浄槽1内を洗い流す際に、上述した実施形態15において説明した循環管路を利用して、濃度計3内も洗い流すと良い。
さらにその後に、本実施形態において追加したコンプレッサ39を用いて、水等で洗い流した後の濃度計3内を乾燥させ、洗い流した水が残らないようにすると良い(水が残っている状態で次回の薬液の濃度測定が行われると、今度は規定濃度に達している薬液に対して、規定濃度に達していないという測定誤差が生じる可能性があるためである)。ここにコンプレッサ39は、洗浄槽1を洗い流した後に、洗浄槽1を乾燥させるために設けられたものであるが、これを濃度計3の乾燥にも兼用している。
このコンプレッサ39は、送風管路38が上述した注入管路31Bに例えば接続されていて、注入管路31Bを介して乾燥用の空気を濃度計3内に送り込むようになっている。三方弁21を、注入管路31が排液管路37に接続されるように(つまり、注入管路31と注入管路31Bとの接続が遮断されるように)制御し、かつ弁1bを循環管路36への接続を遮断するように制御した状態で制御部4がコンプレッサ39を駆動すれば、空気が濃度計3内において正方向Aの流れを作り出した後に洗浄槽1へ送風され、洗浄槽1の乾燥も行われる。
また、コンプレッサ39からの送風管路を循環管路36へも接続して、注入管路31Bへの送風と循環管路36への送風とを択一的に行うことができるように構成しても良い。この場合には、循環管路36を介して送り込まれた乾燥用の空気が、濃度計3内において逆方向Bの流れを作り出すことになる。
従って、洗浄粒3bを流れに乗せる流体は薬液に限定されるものではなく、例えば乾燥用の空気であっても構わない。洗浄粒3bを流れに乗せる流体のさらに他の例は、上述したような、薬液を洗い流すための水等である。そしてこのときにも、水によって濃度計3内の正逆方向の流れを作り出すことが可能である。加えて、正方向Aの流れを作り出す流体と、逆方向Bの流れを作り出す流体とが、異なる流体であっても構わない。こうして、洗浄粒3bを流れに乗せる流体は、洗浄粒3bを搬送可能であれば、特定の流体に限定されるものではない。
このような実施形態16によれば、上述した実施形態15とほぼ同様の効果を奏するとともに、さらに、濃度計3内の薬液の乾燥等による誤検出を防止することができ、また、薬液以外の流体により濃度計3内の正逆方向の流れを作り出すことも可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明の態様を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
[付記]
上述したように、図9に示した構成と、図10に示した構成とは、どのように組み合わせても構わない。すなわち、図9に示したA,B,B~,C,C~,Dの何れにおける第1の流入(入1)および第2の流入(入2)も、図10に示したα,β,β~,γの流体源を採用することが可能である。
従って、本発明は、以下の態様をとることができる。
(付記項1)
開口である第1流体導入口および第2流体導入口を有し、前記第1流体導入口から導入された流体が内部で正方向に周回し、前記第2流体導入口から導入された流体が内部で前記正方向とは反対の逆方向に周回するセンサ容器と、
前記センサ容器内において前記正方向および前記逆方向に対して軸方向が垂直となるよう配置され、前記流体として前記センサ容器内に導入された薬液の濃度を測定する電極センサと、
前記センサ容器内に封止され、前記流体の流れに乗って前記正方向および前記逆方向から前記電極センサを研磨する粒状の洗浄粒と、
を含むことを特徴とする内視鏡洗浄消毒装置。
(付記項2)
前記センサ容器には流体が流れる管路が2本接続されていて、一方の管路が前記第1流体導入口に接続される第1管路、他方の管路が前記第2流体導入口に接続される第2管路であり、前記第1管路は前記第2管路から導入された流体を排出する管路を兼ね、前記第2管路は前記第1管路から導入された流体を排出する管路を兼ねていることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
(付記項3)
前記センサ容器には流体が流れる管路が3本接続されていて、これら3本の管路は、前記第1流体導入口に接続される第1管路、前記第2流体導入口に接続される第2管路、および前記第1管路から導入された流体を排出する管路と前記第2管路から導入された流体を排出する管路とを兼ねた第3管路であることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
(付記項4)
前記第1流体導入口および前記第2流体導入口は同一の開口として構成されており、
前記センサ容器には流体が流れる管路が3本接続されていて、これら3本の管路は、前記第1流体導入口および前記第2流体導入口を兼ねる開口に接続される第1管路、前記開口が前記第1流体導入口として機能しているときに導入された流体を排出する第2管路、および前記開口が前記第2流体導入口として機能しているときに導入された流体を排出する第3管路であることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
(付記項5)
前記センサ容器には流体が流れる管路が3本接続されていて、これら3本の管路は、前記第1流体導入口に接続される管路と前記第2管路から導入された流体を排出する管路とを兼ねた第1管路、前記第2流体導入口に接続される第2管路、および前記第1管路から導入された流体を排出する第3管路であることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
(付記項6)
前記センサ容器には流体が流れる管路が3本接続されていて、これら3本の管路は、前記第1流体導入口に接続される第1管路、前記第2流体導入口に接続される管路と前記第1管路から導入された流体を排出する管路とを兼ねた第2管路、および前記第2管路から導入された流体を排出する第3管路であることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
(付記項7)
前記センサ容器には流体が流れる管路が4本接続されていて、これら4本の管路は、前記第1流体導入口に接続される第1管路、前記第2流体導入口に接続される第2管路、前記第1管路から導入された流体を排出する第3管路、および前記第2管路から導入された流体を排出する第4管路であることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
(付記項8)
前記薬液を貯留する薬液タンクと、
前記薬液タンクから導入された前記薬液により内視鏡を洗浄消毒する洗浄槽と、
をさらに含み、
前記洗浄粒を流れに乗せる流体は、前記薬液であることを特徴とする付記項2〜7の何れか一項に内視鏡洗浄消毒装置。
(付記項9)
前記第1流体導入口および前記第2流体導入口は、前記薬液タンク内の流体を導入するように構成されていることを特徴とする付記項8に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
(付記項10)
前記第1流体導入口と前記第2流体導入口との内の、一方は前記薬液タンク内の流体を導入し、他方は前記洗浄槽内の流体を導入するように構成されていることを特徴とする付記項8に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
(付記項11)
前記第1流体導入口および前記第2流体導入口は、前記洗浄槽内の流体を導入するように構成されていることを特徴とする付記項8に記載の内視鏡洗浄消毒装置。