JP5883015B2 - 換気孔付き喫煙品 - Google Patents

Description

本発明は、換気孔付き喫煙品に関する。特に本発明は、喫煙材ロッドの周囲に巻かれたラッパーのエンボス加工された領域を介して換気される喫煙品に関するが、これに限定されるものではない。

ここで使用する「喫煙品」なる用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているかいないかに拘わらず紙巻きタバコ、シガーおよびシガリロなどの喫煙可能な製品および発熱するが燃焼しない製品を含む。

従来のフィルター付き紙巻きタバコの非通気性チッピング紙は、フィルターと重なる位置で換気孔を含むものがある。これらの換気孔により喫煙中に空気がフィルター内に引き込まれ、喫煙品の吸い口端を出る煙を希釈する。これら換気孔の直径は、比較的大きく、通常パルス状レーザービームの下をフィルターを通過させてチッピング紙およびプラグラップ紙を穿孔することによって形成される。これとは別の方法としては、多孔性プラグラップ紙と予め穿孔されたチッピング紙を組み合わせて使用するものがある。予め穿孔されたチッピング紙および多孔性プラグラップ紙の例を図１および２に示す。

一般にフィルター付き紙巻きタバコは、実質的に均質な多孔性シガレットペーパーをも含み、タバコなどの喫煙材ロッドを形成している。シガレットペーパーが多孔性であることにより、喫煙材とシガレットペーパーの外部との間である程度の気体交換が行われる。しかしながら、シガレットペーパーを介した気体交換の量は、喫煙中に喫煙材ロッドの長さ、従ってシガレットペーパーの表面積が減少するにつれて著しく減少する。従って喫煙材ロッドからフィルターに入る煙の希釈がパフごとに変わってしまう。希釈は、最初のパフから最後のパフまでに減少する可能性がある。

本発明では喫煙材ロッドと、喫煙材ロッドを包むラッパーとを含み、このラッパーが喫煙材の一部を覆う換気エンボスからなる少なくとも１つの領域を含む喫煙品を提供する。

換気エンボスの領域は、ラッパーのロッドの吸い口端に近い所から１／４の所に位置してもよい。

換気エンボスの領域は、ラッパーのロッドの吸い口端に近い所から１／３の所に位置してもよい。

換気エンボスの領域は、ラッパーのロッドの吸い口端に近い所から１／２の所に位置してもよい。

換気エンボスの領域の気体拡散性は、ラッパーの残りの部分の気体拡散性より高くてもよい。

気体拡散性は、二酸化炭素(ＣＯ_２)拡散性であってもよい。

換気エンボスの領域の気体拡散性は、少なくとも０.８０ｃｍ／秒であってもよい。

換気エンボスの領域の気体拡散性は、ラッパーの残りの部分の気体拡散性の少なくとも３倍であってもよい。

換気エンボスの領域の気体拡散性は、ラッパーの残りの部分の気体拡散性の少なくとも５倍超であってもよい。

換気エンボスの領域の気体拡散性は、ラッパーの残りの部分の気体拡散性の少なくとも８倍超であってもよい。

換気エンボスの領域の気体拡散性は、ラッパーの残りの部分の気体拡散性の少なくとも１０倍超であってもよい。

換気エンボス領域の通気度は、ラッパーの残りの部分の通気度より高くてもよい。

換気エンボス領域の通気度は、３０ＣＵから７５ＣＵの間であってもよい。

換気エンボス領域の通気度は、５０ＣＵから１００ＣＵの間であってもよい。

換気エンボス領域の通気度は、１００ＣＵから２００ＣＵの間であってもよい。

ラッパーの残りの部分の通気度は、１ＣＵから２０ＣＵの間であってもよい。

ラッパーの残りの部分の通気度は、２０ＣＵから３０ＣＵの間であってもよい。

ラッパーの残りの部分の通気度は、３０ＣＵから４５ＣＵの間であってもよい。

ラッパーの残りの部分の通気度は、３０ＣＵから６０ＣＵの間であってもよい。

換気エンボス領域の通気度は、約５０ＣＵであってもよく、ラッパーの残りの部分の通気度は、約１０ＣＵであってもよい。

換気エンボス領域の通気度は、約１００ＣＵであってもよく、ラッパーの残りの部分の通気度は、約２５ＣＵであってもよい。

換気エンボス領域の通気度は、約１５０ＣＵであってもよく、ラッパーの残りの部分の通気度は、約５０ＣＵであってもよい。

換気エンボス領域の通気度は、ラッパーの残りの部分の通気度より少なくとも１．５倍大きくてもよい。

換気エンボス領域の通気度は、ラッパーの残りの部分の通気度の少なくとも２倍大きくてもよい。

換気エンボス領域の通気度は、ラッパーの残りの部分の通気度より少なくとも３倍大きくてもよい。

換気エンボス領域の通気度は、ラッパーの残りの部分の通気度より少なくとも５倍大きくてもよい。

換気エンボスの領域は、ラッパーの外表面の６０％以下を覆うようにしてもよい。

換気エンボスの領域は、ラッパーの外表面の４０％以下を覆うようにしてもよい。

換気エンボスの領域は、ラッパーの外表面の３０％以下を覆うようにしてもよい。

換気エンボスの領域は、ラッパーの外表面の２０％以下を覆うようにしてもよい。

換気エンボスの領域は、ラッパーの外表面の１０％以下を覆うようにしてもよい。

喫煙品は、喫煙材ロッドの吸い口端に取り付けられたフィルターを含んでもよい。

換気エンボスの領域は、換気エンボスの領域を通ってロッドに入り、フィルター内に吸引される外部気体によってフィルターを換気するように構成してもよい。

喫煙品は、換気孔を含まないチッピング紙を含んでもよい。

ラッパーは、シガレットペーパーであってもよい。

また本発明では、喫煙品を形成する方法が提供され、この方法は、喫煙品ラッパーに換気領域をエンボス加工によって形成する工程と、この換気領域が喫煙材の一部を覆うように喫煙材ロッドにラッパーを巻く工程とを含む。

また本発明では、喫煙品組み立てユニットが提供され、このユニットは、喫煙品ラッパーに換気領域をエンボス加工によって形成し、この換気領域が喫煙材の一部を覆うように喫煙材ロッドにラッパーを巻くように構成されている。

本発明の実施態様を添付図面を参照し、以下に説明する。

均質なシガレットペーパーに巻かれた喫煙材ロッドと、フィルタープラグと、フィルタープラグに重なるレーザー孔またはピン穿孔を含むチッピング紙とを含む従来のフィルター付き紙巻きタバコを示す断面図である。 図１に示した従来のフィルター付き紙巻きタバコの斜視図である。 吸い口端に近い換気エンボス領域を有するシガレットペーパーに巻かれた喫煙材ロッドを含む紙巻きタバコの断面図である。 図３に示した紙巻きタバコの斜視図である。 下流に位置する換気エンボス領域および非エンボス加工領域によってこの下流領域から隔てられた上流に位置する換気エンボス領域を有するシガレットペーパーに巻かれた喫煙材ロッドを含む紙巻きタバコの斜視図である。 紙巻きタバコ組み立て装置内のエンボス加工ユニットの略図である。 喫煙材ロッドに巻かれたラッパーの換気エンボス領域を有する喫煙品を形成する方法のフロー図である。

図３は、喫煙材ロッド２を含む紙巻きタバコ１を示す。喫煙材ロッド２は、タバコなどの喫煙材からなる実質的に円筒状の芯３とこの芯３の長手方向の面の周囲に巻かれたラッパー４とを含む。芯３の両端は、開口している。タバコは、タバコ葉、タバコ葉柄および再生タバコの内の少なくとも１つを含んでもよい。

また紙巻きタバコ１は、フィルター５と、これを喫煙材ロッド２に接合するするチッピング紙６とを含む。フィルター５は、セルロースアセテートトウを含むフィルター材からなる実質的に円筒状プラグ７を含む。規制認可を受けた上でプラグ７は、好適な風味剤などの他の材料を含んでもよい。あらゆる種類の従来のフィルタープラグ７を使用することができる。フィルター５は、フィルタープラグ７の長手方向表面に巻かれる多孔性プラグラッパー８を含んでもよい。プラグラッパー８は、好適な接着剤を使用して重なるラッパーの継ぎ目に沿って糊付けすることによってフィルタープラグ７の周囲の所定の位置に保持されるようにしてもよい。

図３を参照するとチッピング紙６は、フィルター５および喫煙材ロッド２のある領域に重なり、フィルター５をロッド２に軸方向に接合している。例えば、好適な接着剤をチッピング紙６の内面とフィルター５およびロッド２の外表面との間に設けて、チッピング紙６を所定の位置に保持する。チッピング紙６は、実質的に非孔性であってもよい。しかしながら、任意に１つ以上の従来の換気孔をフィルターの芯７に重なるチッピング紙６の部分に例えば円周方向に延びたリング状にレーザーを使用してまたはチッピング紙６を予め穿孔することによって形成してもよい。これとは別に以下に説明するように、この従来の換気孔を省略してもよい。

ロッド２とフィルター５の端面は、図３に示すように互いに当接する。その位置を図４に点線で示す。

喫煙材からなる芯３の周囲のラッパー４は、原紙を含み、以下シガレットペーパーという意味で説明する。図３および４を参照するとラッパー４は、換気エンボスの領域９を含み、この領域は特定の圧力降下の場合に喫煙材の芯３とロッド２の外部との間でラッパー４の残りの同等の領域を介した気体交換より多くの気体交換を可能にするように構成されている。喫煙材２は、従ってラッパー４のエンボス領域９によって換気される。

換気エンボス９は、拡散領域を構成し、これを介して主流煙の気体分子を紙巻きタバコ１から拡散させることができる。ロッド２からの気体煙成分の拡散によって、パフ中にフィルター５に入る気体煙成分の数を減らすことができる。このような気体相成分としては一酸化炭素および酸化窒素などがある。

同様に換気エンボス９は、紙巻きタバコ１の周囲の空気中の酸素などの気体分子を喫煙材ロッド２内に拡散させることができる拡散領域も構成する。喫煙材の芯３内に拡散する外部空気は、主流煙と混ざり、パフしている間に主流煙と一緒にフィルター５内に引き込まれる。これにより主流煙は、煙がフィルター５に入る前に希釈される。

換気エンボスの領域９のラッパー４の通気度は、ラッパー４の残りの部分の通気度より大きい。さらに換気エンボスの領域９のラッパー４の気体拡散性は、ラッパー４の残りの部分の気体拡散性より大きい。ラッパー４の残りの部分は、図３および４に示すように実質的に均質であり、エンボス加工されてなくてもよい。

例えばラッパー４は、約５０ＣＵなどの４５ＣＵから５５ＣＵの間の通気度を有する換気エンボスの領域９を含んでもよい。ラッパー４の残りの部分は、約１０ＣＵなどの５から１５ＣＵの間の通気度を有してもよい。これとは別に換気エンボスの領域９は、約１００ＣＵなどの９５ＣＵから１０５ＣＵの間の通気度を有してもよく、ラッパー４の残りの部分は、約２５ＣＵなどの２０ＣＵから３０ＣＵの間の通気度を有する。一般に換気エンボス領域９の通気度は、約３０ＣＵから約２００ＣＵの間のいずれの値であってもよい。例えば、４０ＣＵから１５０ＣＵ、５０ＣＵから１２０ＣＵまたは７０ＣＵから１００ＣＵの間のあらゆる値であってもよい。

換気エンボス領域９の通気度は、ラッパー４の残りの部分の通気度の少なくとも２倍であってもよい。例えば換気エンボス９の通気度は、ラッパー４の残りの部分の通気度より約３、４、５、６、７、８、９または１０倍大きくてもよい。また換気エンボス領域９の通気度は、ラッパー４の残りの部分の通気度より２倍未満であってもよい。

換気エンボスの領域９は、任意にエンボス加工されていないラッパー４の領域によって分けられたラッパー４の２つ以上の個別の領域に分割することができる。各換気エンボスの領域９の通気度および／または気体拡散性および／または大きさは、異なってもよい。例えば図５を参照するとラッパー４は、約１００ＣＵなどの９５ＣＵから１０５ＣＵ間の通気度を有する第１換気エンボスの領域９および約７５ＣＵなどの７０ＣＵから８０ＣＵ間の通気度を有する第２換気エンボスの領域９を含むことができる。エンボス加工された領域９は、エンボス加工されていないラッパー４の領域によって互いに隔てられている。エンボス９の第１の領域は、エンボス９の第２の領域よりロッド２の吸い口/フィルター端の近くに位置してもよい。例えば図５に示すように吸い口/フィルター端部から始まってロッド２に沿って長手方向に移動した場合、ラッパー４は、エンボス加工されていないラッパー４の第１領域と、第１(下流)換気エンボスの領域９と、エンボス加工されていないラッパー４の第２領域と、第２(上流)換気エンボスの領域９と、エンボス加工されていないラッパー４の第３領域とを含むことができる。任意にエンボス加工されていないラッパー４の第１領域を省略して、第１換気エンボスの領域９がチッピング紙６に直に隣接して位置するようにしてもよい。

換気エンボス領域９におけるラッパー４のＣＯ_２拡散性は、ＳＯＤＩＭ紙拡散計測計で測定した場合に約０.６０ｃｍ／秒から３.００ｃｍ／秒間の例えば少なくとも０.８０ｃｍ／秒または１.００ｃｍ／秒から２.００ｃｍ／秒の間のあらゆる値であってもよい。ラッパー４の残りの部分の固有のＣＯ_２拡散性は、ＳＯＤＩＭ紙拡散計測計で測定した場合に０.２０ｃｍ／秒から１.８０ｃｍ／秒間のあらゆる値である２.５ｃｍ／秒未満などのあらゆる値であってもよい。ラッパー４の固有のＣＯ_２拡散性と換気エンボス領域９のＣＯ_２拡散性間の違いは、一般に気体拡散性の違いを表す。例えばその違いは、ＣＯ、Ｏ_２、ＮＯおよび他の小さい揮発性化合物への拡散性の違いを表す。換気エンボス領域９のＣＯ_２拡散性は、ラッパー４の残りの部分のＣＯ_２拡散性より少なくとも２倍大きくてもよい。例えば換気エンボス９のＣＯ_２拡散性は、ラッパー４の残りの部分のＣＯ_２拡散性より約３、４、５、６、７、８、９または１０倍大きくてもよい。これとは別に換気エンボス領域９のＣＯ_２拡散性は、ラッパー４の残りの部分のＣＯ_２拡散性の２倍未満であってもよい。

換気エンボス９は、チッピング紙６(ロッド２の吸い口/フィルター端部で)に最も近い所からラッパー４の半分の所に限定されてもよい。換気エンボス９は、好ましくはロッド２の吸い口/フィルター端部の近く、例えばチッピング紙６に最も近い所からラッパー４の１／３、１／４、１／５、１／６、１／７、１／８、１／９または１／１０の所に位置してもよい。

換気エンボス９の領域は、所望のレベルの主流煙希釈および／または気相煙成分の減少に応じて、ラッパー４の約５％から６０％間のいずれか、例えば５％から４０%の間のいずれかを占めてもよい。これ以外の割合も使用することができる。好ましくは領域９は、図４および５に示すように１つ以上の円周方向に延びたバンドを含む。領域９は、あらゆる好適な形状であってもよい。任意にロッド２およびフィルター５の接合部を強化するために、換気エンボス９の領域は、チッピング紙６の下に位置させない。

換気エンボス９とラッパー４の残り部分の通気度と気体拡散性の顕著な違いは、ラッパー４を介して喫煙材の芯３に入る極めて多量の希釈空気が換気エンボス９を介して入ると言うことを意味する。同様にラッパー４を介してロッド２から拡散するかなりの量の気体が換気エンボス９を介して拡散する。ラッパー４の残りの部分の通気度は、従来の均質なラッパーより下げて、換気領域９で起こる希釈の割合を多くするこができる。

従って煙の希釈および気相煙成分の減少は、ロッド２の燃焼端部が換気エンボス９に到達するまで、喫煙している間実質的に一定に維持される。これは、煙希釈および気相煙成分の総減少量の大半が換気エンボスの領域９によるもであるということにより、ラッパー４の残りの部分の燃焼が全体的な煙希釈および気相煙成分の減少という点で殆ど影響しないからである。

換気エンボス９が例えば図３から５に示すようにロッド２のチッピング紙６側に近い所に位置する場合、煙希釈および気体煙成分の拡散は、最後のパフを除いては実質的に一定に維持される。従って煙希釈および気相煙成分のパフごとの変動は、図１および２に示す種類と類似の従来の実質的に均質なラッパーを使用した場合より、かなり小さくなる。ラッパー４は、従って喫煙者に一定の喫煙体験を提供することになる。

上述したように換気エンボス９を介して喫煙材の芯３に入る気体空気分子は、フィルター５からすぐ上流の煙のかなりの量を希釈する。気体空気分子は、パフの間残りの煙成分と一緒にフィルタープラグ７内に引き込まれる。従って換気エンボス９の効果は、フィルター５を換気することであり、フィルター５が従来の手段(チッピング紙６のピンまたはレーザー換気孔などの)によって換気される度合いは、減少できる(フィルターの同等の換気レベルを達成するために)ことを意味する。任意に従来の換気手段を省略することができる。換気エンボス９の気体拡散性は、上述の種類の従来の穿孔されたチッピング紙の気体拡散性よりもかなり高い。実際には従来の紙巻きタバコのフィルターを換気するためにチッピング紙に従来から形成されているようにラッパーにレーザーによってまたは予め穿孔して換気孔を形成してもラッパーの気体拡散性に実質的に影響を与えない。

紙巻きタバコ１は、あらゆ好適な寸法のものであってよい。例えば喫煙材ロッド２は、長さが約６１ｍｍそして円周が約２４.６ｍｍまたは１７.０ｍｍのものであってもよい。フィルター５は、長さが約２２ｍｍそして円周が実質的にロッド２に等しいものであってもよい。その上に位置するチッピング紙６のシートの長さは、約２６ｍｍほどであってもよい。喫煙材の芯３の密度は、約２４０ｍｇ／ｃｍ^３程であってもよい。

ラッパー４は、エンボス加工ユニット１０でエンボス加工することができ、このユニットは、紙巻きタバコまたは他の喫煙品組み立て装置１１に含まれる。エンボス加工ユニット１０の一例を図６に示す。図７は、エンボス加工ユニット１０で行われエンボス加工方法の例を示すフロー図である。エンボス加工ユニット１０は、１つのエンボス加工駆動ローラー１２と１つ以上のエンボス加工コントラストローラー１３とを含み、これらは共にシガレットペーパー４などの原紙のウェブが駆動ローラー１２とコントラストローラー１３の間を移動する際に原紙のウェブをエンボス加工する。紙のウェブの幅は、約２６.５ｍｍほどであればよく、これは喫煙材の芯３の円周を包み、喫煙材の芯３の周囲の所定の位置でラッパー４を糊付けするための継ぎ目を設けるのに充分な幅である。エンボスローラー１２、１３は、それらの円周面にエンボスパターンを含む。

１つ以上のエンボスローラー１２、１３の円周面は、換気エンボス領域９を形成するための第１領域と実質的に滑らかな第２領域とを含んでもよい。第１領域は、上述したように１つの換気エンボス９の領域または複数の個別の換気エンボスの領域９を形成するようにしてもよい。第１領域は、ローラー１２、１３の円周面から実質的に半径方向外方に延びた一連のエンボス突起または突部を含んでもよい。この一連のエンボス突起は、幅が約０.３ｍｍの基部を有する複数の角錐体を含んでもよい。これら角錐体の高さは、約０.１５ｍｍほどであってもよいが、これはエンボス加工される原紙の特徴に応じて変えてもよい。

エンボスコントラストローラー１３の円周面は、ピストン１４を含む空気圧システムによってエンボス駆動ローラー１２の円周面に対して押しつけられる。エンボスローラー１２、１３の間の紙４に作用する力は、空気圧システムのピストン１４に対して作用する空気または流体圧力に比例する。これとは別に一連のカムを使用してローラー１２、１３の相対位置を調整する機械的な手段を採用することも可能である。ピストン１４に作用する空気または流体圧力を所定のまたはエンボス工程の結果に応じて適宜決められる一連の制御パラメータに従って空気圧システム内の空気または流体圧力を増減させるように構成された制御ユニット１５によって変えることができる。ピストン１４の直径は、約２.７５インチ程であってもよい。しかしながらピストン１４の直径は、エンボスローラー１２、１３によって紙４に加えられるエンボス力をより細かく制御するために小さくすることもできる。小さい直径のピストン１４を使用することによって、ピストン１４に加えられる空気または流体圧力の僅かな増加でエンボス力を僅かに増加することになる。空気または流体圧力を減少させた場合にも対応する効果が得られることになる。これとは別のピストン１４の好適な直径は、約１インチ程である。

またエンボス加工ユニット１０は、エンボス加工ユニット１０内で紙ウェブ４を駆動するように構成された１つ以上の追加の駆動ローラー１６を含んでもよい。駆動ローラー１６は、エンボス加工する前にエンボスローラー１２、１３に対して紙ウェブ４を位置決めするために使用してもよい。例えば紙ウェブ４をエンボス加工ユニット１０内の所定の位置とウェブ４上に印刷されたパターンを位置合わせするために光電セルからの信号に応じてエンボスローラー１２、１３に対して前進させたり、後退させたりしてもよい。追加の駆動ローラー１６は、実質的に滑らかな円周面を有する。図６において、一対のこのような追加の駆動ローラー１６がエンボスローラー１２、１３に先行する紙の経路に設けられている。

エンボス加工ユニット１０は、さらに分析ユニット１７を含み、これは紙ウェブ４の特徴を紙ウェブがエンボスローラー１２、１３の間を通過した後に分析するように構成されている。分析ユニット１７は、エンボス加工された紙４の構造についての情報を収集するための１つ以上のセンサー１８を含み、これは上述した光電セルを含んでもよい。収集された情報は、例えば換気エンボスの領域９および紙４の残りの部分の紙４の空気通気度、紙４の厚さおよび紙４の気体拡散性の内の１つ以上を含む。

図６に示すように分析ユニット１７は、制御ユニット１５と通信接続されており、制御信号を分析ユニット１７と制御ユニット１５との間で送れるようにしている。この通信は、既に知られている手段、例えば無線通信リンクを介して行ってもよい。このようにして制御ユニット１５は、エンボス加工されたペーパー４の特徴に関する情報を分析ユニット１７からから受け取るようにしてもよく、その情報を使用してエンボスローラー１２、１３によってペーパー４に作用する力を調整してもよく、これにより換気エンボスの領域９に所望のレベルの通気度および気体拡散性を得て、維持することができる。分析ユニット１７と制御ユニット１５間の上述の通信によって供されるフィードバック機構によって、使用される制御パラメータに応じたエンボスをエンボス加工ユニット１０が維持する。

換気エンボスの領域９の通気度および気体拡散性は、エンボス加工中にペーパー４に加えられる力を変えることによって選択することができる。そのため、紙ウェブ４にそれがエンボスローラー１２、１３の間を通過する際に加えられる力をラッパー４に望ましい正確な特徴に応じて変えることができる。

紙ウェブ４の幅の縁部の継ぎ目は、エンボス加工せずに残し、喫煙材芯３の周囲にラッパー４を糊付けしやすくする。これは、ウェブ４が継ぎ目でエンボス加工されないようにエンボスローラー１２、１３に好適な滑らかな領域を設けることによって得られる。

上述のエンボス加工ユニット１０は、紙巻きタバコ組み立て機１１内に設置され、これによりエンボス加工が総合的な紙巻きタバコ組み立て工程の一部として「オンライン」で行われる。これは、エンボス加工工程が極めて迅速に行われ、原紙４に何ら追加の材料を加えることを必要としないので可能である。紙巻きタバコ組み立てユニット１１にエンボス加工ユニット１０を統合するということは、安価な低空気通気度の原紙４のボビンを連続的なエンボス加工および紙巻きタバコの組み立て用に組み立て機械１０に装填することができ、換気孔付き紙巻きタバコ１を１つの段階で製造することが可能であることを意味する。

例えばエンボス加工に続いて喫煙材を包むための包装ユニット１９に紙ウェブ４を供給することができる。切断ユニット２０で連続したロッドが個別の紙巻きタバコとして使用するのに好適な小さいロッド２に切断される。ロッド２は、２本分の長さの当業界で知られているフィルター付き紙巻きタバコ形成するために使用される。各２本分の長さの紙巻きタバコの中央で２本分の長さを有するフィルターを半分に切断して、一対の個別の紙巻きタバコ１を形成する。

これとは別にエンボス工程をラッパー４が紙巻きタバコ組み立て機１１に装填される前にオフラインで行うことも可能である。

本発明を紙巻きタバコ１に関連して上述したが、当然のことながら本発明は、紙巻きタバコに限定されるものではなく、他の喫煙品にも適用される。

Claims (16)

1. 喫煙材ロッドと、喫煙材ロッドを包む１枚のラッパーとを含み、このラッパーが喫煙材の一部を覆う換気エンボスからなる少なくとも１つの個別の領域と少なくとも１つのエンボス加工されていない領域とを含み、前記個別の領域は、ラッパーの残りの部分より高い気体拡散性を有し、前記１枚のラッパーのロッドの吸い口端に近い所から１／２以内の所にのみ位置する喫煙品。
2. 前記気体拡散性が二酸化炭素（ＣＯ_２）拡散性であることを特徴とする請求項１記載の喫煙品。
3. 前記換気エンボスの領域の気体拡散性が、少なくとも０．８０ｃｍ／秒であることを特徴とする請求項１または２記載の喫煙品。
4. 前記換気エンボスの領域の気体拡散性は、前記１枚のラッパーの残りの部分の気体拡散性の少なくとも３倍、５倍、８倍または１０倍大きいことを特徴とする請求項１乃至３いずれか１項記載の喫煙品。
5. 前記換気エンボス領域の通気度が、前記１枚のラッパーの残りの部分の通気度より高いことを特徴とする請求項１乃至３いずれか１項記載の喫煙品。
6. 前記換気エンボス領域の通気度が、３０ＣＵから７５ＣＵの間、５０ＣＵから１００ＣＵの間または１００ＣＵから２００ＣＵの間であることを特徴とする請求項５記載の喫煙品。
7. 前記換気エンボス領域の通気度が、前記１枚のラッパーの残りの部分の通気度より少なくとも１．５倍大きいことを特徴とする請求項１乃至３いずれか１項記載の喫煙品。
8. 前記換気エンボス領域の通気度が、前記１枚のラッパーの残りの部分の通気度より少なくとも２倍大きいことを特徴とする請求項１乃至３いずれか１項記載の喫煙品。
9. 前記換気エンボス領域の通気度が、前記１枚のラッパーの残りの部分の通気度より少なくとも３または５倍大きいことを特徴とする請求項１乃至３いずれか１項記載の喫煙品。
10. 前記換気エンボスの領域は、前記１枚のラッパーの外表面の６０％以下、４０％以下、３０％以下、２０％以下または１０％以下を覆うことを特徴とする請求項１乃至９いずれか１項記載の喫煙品。
11. 喫煙材ロッドの吸い口端に取り付けられたフィルターを含むことを特徴とする請求項１乃至１０いずれか１項記載の喫煙品。
12. 前記換気エンボスの領域が、換気エンボスの領域を通ってロッドに入り、フィルター内に吸引される外部気体によってフィルターを換気するように構成されていることを特徴とする請求項１１記載の喫煙品。
13. 換気孔を含まないチッピング紙を含むことを特徴とする請求項１乃至１２いずれか１項記載の喫煙品。
14. 前記１枚のラッパーがシガレットペーパーであることを特徴とする請求項１乃至１３いずれか１項記載の喫煙品。
15. 喫煙品を形成する方法であって、
    １枚のラッパーが換気エンボスからなる少なくとも１つの個別の領域と少なくとも１つのエンボス加工されていない領域を含むように前記１枚の喫煙品ラッパーに個別の換気領域をエンボス加工によって形成する工程と、この領域は、ラッパーの残りの部分より高い気体拡散性を有する、
    この換気領域が喫煙材の一部を覆い、１枚のラッパーのロッドの吸い口端に近い所から１／２以内の所にのみ位置するように喫煙材ロッドにラッパーを巻く工程とを含む方法。
16. 喫煙品組み立てユニットであって、１枚のラッパーが換気エンボスからなる少なくとも１つの個別の領域と少なくとも１つのエンボス加工されていない領域を含むように前記１枚の喫煙品ラッパーに個別の換気領域をエンボス加工によって形成し、この換気領域が喫煙材の一部を覆い、前記１枚のラッパーのロッドの吸い口端に近い所から１／２以内の所にのみ位置するように喫煙材ロッドにラッパーを巻くように構成されているユニット。

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