JP5880028B2 - ターボ過給機付圧縮自己着火エンジンの制御装置 - Google Patents

ターボ過給機付圧縮自己着火エンジンの制御装置 Download PDF

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Description

ここに開示する技術は、ターボ過給機付圧縮自己着火エンジンの制御装置に関する。
気筒内に供給された燃料を圧縮自己着火により燃焼させるディーゼルエンジンにおいて、特許文献1には、燃料の着火性が低下する極低温時には、比較的大量のパイロット噴射を行って気筒内の温度を高めた後に主噴射を行うことで、失火を抑制する技術が記載されている。
特開平11−93735号公報
圧縮自己着火エンジンにおける燃料の着火性に関し、前述した極低温時の他にも、例えば高地であるといった特定の環境条件下、又は、エンジンの水温が低い、油温が低いといった特定の運転条件下、又は、それらの特定の環境条件と特定の運転条件とが重なった条件下では、気筒内の圧縮端温度及び/又は圧縮端圧力が低くなるため、燃料の着火性が低下する。
そのような圧縮端温度及び/又は圧縮端圧力が低くなるような特定の条件下において、燃料カットを伴う車両の減速時には、その減速の最中に燃焼が行われないことに起因して、気筒内の温度が次第に低下してしまうから、減速終了後に燃料供給が復帰される際、例えば減速終了後の再加速時に、燃料の着火性がさらに悪化してしまうという問題がある。
これは特に、エンジンの回転数が高回転側でかつ負荷が低い運転領域のような、エンジンの回転数が比較的高いが故にクランク角変化に対する実時間が短くて燃料の反応時間が確保し難いと共に、気筒内の圧力が比較的低くなる運転領域、言い換えると燃料の着火性に不利な運転領域での減速時に問題となり易い。このような運転領域は、例えば小型ターボ過給機と大型ターボ過給機とを備えかつ、概ねエンジン回転数に応じて小型ターボ過給機と大型ターボ過給機との作動の切り替えを行うように構成された2ステージターボ過給機付ディーゼルエンジンにおいては、大型ターボ過給機の作動領域内における低回転側の領域(小型ターボ過給機と大型ターボ過給機との作動を切り替えるラインの近傍)でかつ、エンジン負荷が低くて過給圧が低くなるような運転領域に相当し、この場合、減速終了後の再加速時には、大型ターボ過給機が作動するようになるから、過給圧の立ち上がりも緩慢になり、着火性がさらに不利になる。
加えて、排気エミッション性能の向上や燃費の向上を図るために、幾何学的圧縮比を、例えば16未満といった比較的低い圧縮比にした圧縮自己着火エンジンにおいては、幾何学的圧縮比が低い分だけ、圧縮端温度及び圧縮端圧力が低くなってしまうため、前述した特定の条件下でかつ、特定の運転領域における減速終了後に、燃料の着火性を確実に確保することが、さらに困難になる。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ターボ過給機付圧縮自己着火エンジンにおいて、燃料カットを行うように設定された減速後の着火性を、確実に確保することにある。
ここに開示するターボ過給機付圧縮自己着火エンジンの制御装置は、気筒内に供給した燃料を自己着火させるよう構成された圧縮自己着火エンジンと、前記気筒内に燃料を噴射するよう構成された燃料噴射弁と、前記圧縮自己着火エンジンの排気通路に配置されたタービン及び吸気通路に配置されたコンプレッサを有しかつ、前記気筒に供給する吸気の過給を行うよう構成されたターボ過給機と、前記タービンをバイパスするバイパス路に配置されかつ、その開度を調整することによって前記ターボ過給機の作動を制御するよう構成された流量調整弁と、前記気筒に設けられた吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の動作を制御することによって既燃ガスの一部を前記気筒内に残留させるよう構成された内部EGR手段と、少なくとも前記燃料噴射弁、前記流量調整弁及び前記内部EGR手段の制御を通じて前記圧縮自己着火エンジンを運転するよう構成された制御器と、を備える。
そして、前記制御器は、前記気筒内の圧縮端温度及び圧縮端圧力の少なくとも一方が所定値以下となる特定の条件下において、車両の減速が開始して燃料カットを行う条件が成立したときには、前記圧縮自己着火エンジンの軸トルクが所定値以下となるように、前記燃料噴射弁から微少の燃料を噴射しかつ当該微少燃料を燃焼させ、前記内部EGR手段により既燃ガスの一部を前記気筒内に残留させ、前記流量調整弁の開度調整により、前記ターボ過給機を作動させる気筒内温度維持制御を行う
前記制御器はまた、前記車両の減速が終了したときには、前記気筒内温度維持制御を終了すると共に、アクセル開度に応じて、前記燃料噴射弁から燃料を噴射しかつ、前記流量調整弁の開度調整を行い、さらに、前記特定の条件下において前記燃料カットを行う条件が成立したときの前記内部EGR手段による既燃ガスの残留を停止する。
ここで、「圧縮端温度及び圧縮端圧力の少なくとも一方が所定値以下となる特定の条件下」とは、具体的には外気温が所定温度(例えば0℃以下)であることや、高地である(例えば2000m以上)ことを含む特定の環境条件、エンジン水温が所定温度以下(例えば60℃以下)であることや、油温が所定温度以下(例えば50℃以下)であることを含む特定の運転条件、並びに、それら特定の環境条件及び特定の運転条件の組み合わせを、例示することができる。
また、「微少の燃料」は、気筒内に噴射した燃料が着火して燃焼する量以上でかつ、軸トルクが所定値以下、言い換えるとエンジンの機械抵抗以下となって、軸トルクが実質的に発生しない量以下に設定することである。燃料の微少量は、燃料の噴射タイミング等の様々な要因によって変更され得る。例えば燃料の噴射タイミングを圧縮上死点以降の遅いタイミングに設定したときには、燃料噴射量が比較的多くても、膨張行程での燃焼になるため、発生する軸トルクは小さくなる。従って、「微少量」を比較的多く設定することが可能である。尚、噴射タイミングが遅すぎるときには着火性が悪くなって、燃焼しなくなる。また、燃料を分割して噴射することによって燃料の着火性をコントロールすることが可能であるから、そのことによっても、噴射量が変更され得る。
「内部EGR手段」は、具体的には吸気行程中に排気弁を開弁する排気の二度開き、排気行程中に吸気弁を開弁する吸気の二度開き、又は、吸気弁の開弁時期と排気弁の開弁時期とが重ならないようにするネガティブオーバーラップによって、既燃ガスの一部を気筒内に残留させればよい。
燃料カットを行うように設定された車両の減速中は燃焼が行われないため、気筒内の温度が次第に低下する。そのため、前述した圧縮端温度及び圧縮端圧力の少なくとも一方が所定値以下となり、燃料の着火性に不利な特定の条件下においては、燃料カットを伴う車両の減速後、例えばアクセルペダルの踏み込み操作によって再加速を行おうとしたときに、燃料の着火性が大幅に悪化してしまう。
これに対し、前記の構成では、制御器は、特定の条件下における車両の減速時には、燃料カットを行うように設定されていても燃料カットを行わず、エンジンの軸トルクが所定値以下となるように、燃料噴射弁が微少の燃料を噴射しかつ、その微少燃料を燃焼させる。これによって、車両の減速を阻害することなく、気筒内の温度の低下を抑制することが可能になる。
また制御器は、微少燃料の噴射及び燃焼と共に、内部EGR手段の制御を通じて、燃焼によって高温となった既燃ガスの一部を気筒内に残留させるから、気筒内の温度が高く維持される。また、制御器は、流量調整弁の制御、具体的にはバイパス路を閉じることによって、減速中にターボ過給機を作動させる。ターボ過給機の作動は、エンジンの背圧を高めるから、内部EGR手段によって必要十分な量の既燃ガスを気筒内に残留させることを可能にする。つまり、ターボ過給機の作動と内部EGRの実行との組み合わせは、気筒内の温度の維持に、より一層有利になる。
そうして、減速終了後の、例えば再加速時には、気筒内の温度が高い温度に維持されていると共に、ターボ過給機の作動が継続していて過給の遅れがなくなるから、圧縮端温度及び圧縮端圧力が十分に高くなり、燃料の着火性を確実に確保することが可能になる。
前記圧縮自己着火エンジンは、その幾何学的圧縮比が16未満に設定されている、としてもよい。低圧縮比エンジンは、燃費の向上及び排気エミッション性能の向上に有利である一方で、圧縮端温度及び圧縮端圧力が比較的低くなり、燃料の着火性には不利である。そのため、前記の特定の条件下における減速後の、例えば再加速時には、着火性が悪化し易いものの、前述したように、減速中に微少燃料の燃焼、内部EGRの実行、及びターボ過給機の作動を行うことで、低圧縮比エンジンであっても、減速後の着火性を確実に確保することが可能になる。
前記ターボ過給機は、前記排気通路に配置された第1タービン及び前記吸気通路に配置された第1コンプレッサを有する第1ターボ過給機と、前記排気通路に配置されかつ、前記第1タービンよりも大きいイナーシャの第2タービン及び前記吸気通路に配置された第2コンプレッサを有する第2ターボ過給機と、を含み、前記流量調整弁は、前記第1タービンをバイパスするバイパス路に配置されており、前記制御器は、前記特定の条件下における車両の減速中には、前記流量調整弁の開度調整によって前記第1ターボ過給機を作動させる、としてもよい。
減速中においては、第1及び第2ターボ過給機の内、相対的にイナーシャの小さい第1ターボ過給機を作動させるようにすることで、微少燃料を燃焼させることに起因して排気エネルギが低いときであってもターボ過給機の作動が可能になり、減速中及び減速終了後において気筒内の圧力を高く維持する上で有利になる。これは特に、エンジンの運転状態が高回転でかつ低負荷の運転領域にあって、着火性に不利な運転領域における減速時において、減速終了後の着火性の確保に有効である。
尚、減速終了後においても、第1ターボ過給機が継続して作動することが好ましい。こうすることで、過給圧が速やかに立ち上がるようになり、加速性能が良好になる。
以上説明したように、前記のターボ過給機付圧縮自己着火エンジンの制御装置によると、気筒内の圧縮端温度及び圧縮端圧力の少なくとも一方が所定値以下となる特定の条件下において、燃料カットを行うように設定された車両の減速中に、気筒内の温度及び圧力を高く維持することが可能になるから、その減速終了後の着火性を確実に確保することが可能になる。
ディーゼルエンジンの構成を示す概略図である。 ディーゼルエンジンの制御に係るブロック図である。 2ステージターボ過給機の作動マップの一例を示す図である。 PCMが実行するエンジン制御のフローチャートである。 減速中に気筒内の温度維持制御を実行したときの(a)アクセル開度、(b)燃料噴射量、(c)レギュレートバルブ開度、(d)VVMの作動、(e)過給圧、(f)筒内温度、の変化に係るタイムチャートの一例である。
以下、実施形態に係るディーゼルエンジンを図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。図1,2は、実施形態に係るエンジン(エンジン本体)1の概略構成を示す。このエンジン1は、車両に搭載されると共に、軽油を主成分とした燃料が供給されるディーゼルエンジンである。
エンジン1は、複数の気筒11a(1つのみ図示)が設けられたシリンダブロック11と、このシリンダブロック11上に配設されたシリンダヘッド12と、シリンダブロック11の下側に配設され、潤滑油が貯溜されたオイルパン13とを有している。このエンジン1の各気筒11a内には、ピストン14が往復動可能にそれぞれ嵌挿されていて、このピストン14の頂面にはリエントラント形燃焼室14aを区画するキャビティが形成されている。このピストン14は、コンロッド14bを介してクランクシャフト15と連結されている。
前記シリンダヘッド12には、各気筒11a毎に吸気ポート16及び排気ポート17が形成されているとともに、これら吸気ポート16及び排気ポート17の燃焼室14a側の開口を開閉する吸気弁21及び排気弁22がそれぞれ配設されている。
これら吸排気弁21,22をそれぞれ駆動する動弁系において、排気弁側には、当該排気弁22の作動モードを通常モードと特殊モードとに切り替える油圧作動式の可変機構(図2参照。以下、VVM(Variable Valve Motion)と称する)が設けられている。このVVM71は、その構成の詳細な図示は省略するが、カム山を1つ有する第1カムとカム山を2つ有する第2カムとの、カムプロファイルの異なる2種類のカム、及び、その第1及び第2カムのいずれか一方のカムの作動状態を選択的に排気弁22に伝達するロストモーション機構を含んで構成されており、第1カムの作動状態を排気弁22に伝達しているときには、排気弁22は、排気行程中において一度だけ開弁される通常モードで作動するのに対し、第2カムの作動状態を排気弁22に伝達しているときには、排気弁22が、排気行程中において開弁すると共に、吸気行程中においても開弁するような、いわゆる排気の二度開きを行う特殊モードで作動する。
VVM71の通常モードと特殊モードとの切り替えは、エンジン駆動の油圧ポンプ(図示省略)から供給される油圧によって行われ、特殊モードは、内部EGRに係る制御の際に利用される。尚、こうした通常モードと特殊モードとの切り替えを可能にする上で、排気弁22を電磁アクチュエータによって駆動する電磁駆動式の動弁系を採用してもよい。また、内部EGRの実行としては、排気の二度開きに限定されるものではなく、例えば吸気弁21を2回開く、吸気の二度開きによって内部EGR制御を行ってもよいし、排気行程乃至吸気行程において吸気弁21及び排気弁22の双方を閉じるネガティブオーバーラップ期間を設けて既燃ガスを残留させる内部EGR制御を行ってもよい。尚、VVM71による内部EGR制御は、主に燃料の着火性が低いエンジン1の冷間時に行われる。
前記シリンダヘッド12には、燃料を噴射するインジェクタ18と、エンジン1の冷間時に各気筒11a内の吸入空気を暖めて燃料の着火性を高めるためのグロープラグ19とが設けられている。前記インジェクタ18は、その燃料噴射口が燃焼室14aの天井面から該燃焼室14aに臨むように配設されていて、基本的には圧縮行程上死点付近で、燃焼室14aに燃料を直接噴射供給するようになっている。
前記エンジン1の一側面には、各気筒11aの吸気ポート16に連通するように吸気通路30が接続されている。一方、前記エンジン1の他側面には、各気筒11aの燃焼室14aからの既燃ガス(つまり、排気ガス)を排出する排気通路40が接続されている。これら吸気通路30及び排気通路40には、詳しくは後述するが、吸入空気の過給を行う大型ターボ過給機61と小型ターボ過給機62とが配設されている。
吸気通路30の上流端部には、吸入空気を濾過するエアクリーナ31が配設されている。一方、吸気通路30における下流端近傍には、サージタンク33が配設されている。このサージタンク33よりも下流側の吸気通路30は、各気筒11a毎に分岐する独立通路とされ、これら各独立通路の下流端が各気筒11aの吸気ポート16にそれぞれ接続されている。
吸気通路30におけるエアクリーナ31とサージタンク33との間には、大型及び小型ターボ過給機61、62のコンプレッサ61a,62aと、該コンプレッサ61a,62aにより圧縮された空気を冷却するインタークーラ35と、前記各気筒11aの燃焼室14aへの吸入空気量を調節するスロットル弁36とが配設されている。このスロットル弁36は、基本的には全開状態とされるが、エンジン1の停止時には、ショックが生じないように全閉状態とされる。
前記排気通路40の上流側の部分は、各気筒11a毎に分岐して排気ポート17の外側端に接続された独立通路と該各独立通路が集合する集合部とを有する排気マニホールドによって構成されている。
この排気通路40における排気マニホールドよりも下流側には、上流側から順に、小型ターボ過給機62のタービン62b、大型ターボ過給機61のタービン61bと、排気ガス中の有害成分を浄化する排気浄化装置41と、サイレンサ42とが配設されている。
この排気浄化装置41は、酸化触媒41aと、ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、フィルタという)41bとを有しており、上流側から、この順に並んでいる。酸化触媒41a及びフィルタ41bは1つのケース内に収容されている。前記酸化触媒41aは、白金又は白金にパラジウムを加えたもの等を担持した酸化触媒を有していて、排気ガス中のCO及びHCが酸化されてCO及びHOが生成する反応を促すものである。また、前記フィルタ41bは、エンジン1の排気ガス中に含まれる煤等の微粒子を捕集するものである。尚、フィルタ41bに酸化触媒をコーティングしてもよい。このエンジン1は、後述するように、低圧縮比化によってRawNOxの生成を大幅に低減乃至無くしており、NOx処理用の触媒を省略している。
前記吸気通路30における前記サージタンク33とスロットル弁36との間の部分(つまり小型ターボ過給機62の小型コンプレッサ62aよりも下流側部分)と、前記排気通路40における前記排気マニホールドと小型ターボ過給機62の小型タービン62bとの間の部分(つまり小型ターボ過給機62の小型タービン62bよりも上流側部分)とは、排気ガスの一部を吸気通路30に還流するための排気ガス還流通路51によって接続されている。この排気ガス還流通路51には、排気ガスの吸気通路30への還流量を調整するための排気ガス還流弁51a及び排気ガスをエンジン冷却水によって冷却するためのEGRクーラ52とが配設されている。
大型ターボ過給機61は、吸気通路30に配設された大型コンプレッサ61aと、排気通路40に配設された大型タービン61bとを有している。大型コンプレッサ61aは、吸気通路30におけるエアクリーナ31とインタークーラ35との間に配設されている。一方、大型タービン61bは、排気通路40における排気マニホールドと酸化触媒41aとの間に配設されている。
小型ターボ過給機62は、吸気通路30に配設された小型コンプレッサ62aと、排気通路40に配設された小型タービン62bとを有している。小型コンプレッサ62aは、吸気通路30における大型コンプレッサ61aの下流側に配設されている。一方、小型タービン62bは、排気通路40における大型タービン61bの上流側に配設されている。
すなわち、吸気通路30においては、上流側から順に大型コンプレッサ61aと小型コンプレッサ62aとが直列に配設され、排気通路40においては、上流側から順に小型タービン62bと大型タービン61bとが直列に配設されている。これら大型及び小型タービン61b,62bが排気ガス流により回転し、これら大型及び小型タービン61b,62bの回転により、該大型及び小型タービン61b,62bとそれぞれ連結された前記大型及び小型コンプレッサ61a,62aがそれぞれ作動する。
小型ターボ過給機62は、相対的に小型のものであり、大型ターボ過給機61は、相対的に大型のものである。すなわち、大型ターボ過給機61の大型タービン61bの方が小型ターボ過給機62の小型タービン62bよりもイナーシャが大きい。
吸気通路30には、小型コンプレッサ62aをバイパスする小型吸気バイパス通路63が接続されている。この小型吸気バイパス通路63には、該小型吸気バイパス通路63へ流れる空気量を調整するための小型吸気バイパス弁63aが配設されている。この小型吸気バイパス弁63aは、無通電時には全閉状態(つまり、ノーマルクローズ)となるように構成されている。
一方、排気通路40には、小型タービン62bをバイパスする小型排気バイパス通路64と、大型タービン61bをバイパスする大型排気バイパス通路65とが接続されている。小型排気バイパス通路64には、該小型排気バイパス通路64へ流れる排気量を調整するためのレギュレートバルブ64aが配設され、大型排気バイパス通路65には、該大型排気バイパス通路65へ流れる排気量を調整するためのウエストゲートバルブ65aが配設されている。レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aは共に、無通電時には全開状態(つまり、ノーマルオープン)となるように構成されている。
これら大型ターボ過給機61と小型ターボ過給機62は、それらが配設された吸気通路30及び排気通路40の部分も含めて、一体的にユニット化されて、過給機ユニット60を構成している。この過給機ユニット60がエンジン1に取り付けられている。
このように構成されたディーゼルエンジン1は、パワートレイン・コントロール・モジュール(以下、PCMという)10によって制御される。PCM10は、CPU、メモリ、カウンタタイマ群、インターフェース及びこれらのユニットを接続するパスを有するマイクロプロセッサで構成されている。このPCM10が制御器を構成する。PCM10には、図2に示すように、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサSW1、サージタンク33に取り付けられて、燃焼室14aに供給される空気の圧力を検出する過給圧センサSW2、吸入空気の温度を検出する吸気温度センサSW3、クランクシャフト15の回転角を検出するクランク角センサSW4、車両のアクセルペダル(図示省略)の操作量に対応したアクセル開度を検出するアクセル開度センサSW5、排気中の酸素濃度を検出するOセンサSW6、及び、小型タービン62bよりも上流側における排気圧力を検出する排気圧力センサSW7の検出信号が入力され、これらの検出信号に基づいて種々の演算を行うことによってエンジン1や車両の状態を判定し、これに応じてインジェクタ18、グロープラグ19,動弁系のVVM71、各種の弁36、51aのアクチュエータへ制御信号を出力する。
また、PCM10は、エンジンの運転状態において大型及び小型ターボ過給機61、62の動作を制御している。具体的には、PCM10は、小型吸気バイパス弁63a、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aの各開度をエンジン1の運転状態に応じて設定した開度にそれぞれ制御する。詳しくは、図3に作動マップの一例を示すように、PCM10は、実線で示す切替ラインよりも低回転側の第1領域(A)では、小型吸気バイパス弁63a及びレギュレートバルブ64aを全開以外の開度とし、ウエストゲートバルブ65aを全閉状態とすることによって、小型ターボ過給機62のみ、又は、大型及び小型ターボ過給機61、62の両方を作動させる。一方、実線で示す切替ラインに対し高回転側の第2領域(B)では、小型ターボ過給機62が排気抵抗になるため、小型吸気バイパス弁63a及びレギュレートバルブ64aを全開状態とし、ウエストゲートバルブ65aを全閉状態に近い開度にすることによって、小型ターボ過給機62をバイパスさせて大型ターボ過給機61のみを作動させる。尚、ウエストゲートバルブ65aは、大型ターボ過給機61の過回転を防止するために少し開き気味に設定している。
そうして、このエンジン1は、その幾何学的圧縮比を12以上16未満(例えば14)とした、比較的低圧縮比となるように構成されており、これによって排気エミッション性能の向上及び熱効率の向上を図るようにしている。
(エンジンの燃焼制御の概要)
前記PCM10によるエンジン1の基本的な制御は、主にアクセル開度に基づいて目標トルク(言い換えると目標となる負荷)を決定し、これに対応する燃料の噴射量や噴射時期等をインジェクタ18の作動制御によって実現するものである。目標トルクは、アクセル開度が大きくなるほど、またエンジン回転数が高くなるほど、大きくなるように設定され、目標トルクとエンジン回転数とに基づいて燃料の噴射量が設定される。噴射量は、目標トルクが高くなるほど、また、エンジン回転数が高くなるほど大きくなるように設定される。また、スロットル弁36、及び排気ガス還流弁51aの開度の制御(つまり、外部EGR制御)や、VVM71の制御(つまり、内部EGR制御)によって、気筒11a内への排気の還流割合を制御する。
さらに、PCM10は、定常時には、エンジン1の運転状態に応じて目標過給圧を設定し、その目標過給圧が達成されるように、レギュレートバルブ64a及びウエストゲートバルブ65aの開度調整を行うと共に、小型吸気バイパス弁63aの開閉を制御する過給圧フィードバック制御を行う。
(減速時の気筒内温度維持制御)
前述の通り、このエンジン1は、幾何学的圧縮比が16未満の比較的低い圧縮比に設定されており、圧縮端温度及び圧縮端圧力が低くなるから、燃料の着火性に不利なエンジン1である。このようなエンジン1において、例えば外気温が0℃以下の低外気温であるという条件、及び、例えば高度2000m以上の高地であるといった特定の環境条件下では、気筒18a内の温度及び圧力がさらに低下し、燃料の着火性がさらに不利になる。また、例えばエンジン1の水温が60℃以下であったり、油温が50℃以下であったりするようなエンジン1の運転条件下でも、気筒18a内の温度が低下するため、燃料の着火性は低下する。そうした特定の環境条件と特定の運転条件とが重なったときには、着火性はさらに悪化する。
そのような条件下において、燃料カットを伴う車両の減速時には、燃焼の停止により減速中に気筒内の温度が次第に低下してしまうから、減速終了後の例えば再加速時に、燃料供給が復帰しても、着火性の悪化により失火する可能性がある。
特にエンジン1の運転状態が、大型ターボ過給機61が作動をする高回転側の領域であって、負荷が低い領域、図3に「C」で示す、燃料カットラインを含むような特定領域においては、エンジン1の回転数が比較的高いことで、クランク角変化に対する実時間が短く、燃料の反応時間を十分に確保することができないと共に、負荷が低いことで気筒11a内の圧力も低下し、着火性が悪くなる。そのため、前述した特定の環境条件かつ特定の運転条件で、このような特定運転領域Cにおいて燃料カットを伴う減速時には、その減速後の着火性が極めて悪化してしまうことになる。しかも、この運転領域は、図3に示すように大型ターボ過給機61の作動領域であり、減速後にアクセルペダルを踏み込んで再加速時をしようとしても、過給圧の立ち上がりが悪くて気筒18a内の圧力がなかなか上昇しないため、着火性が益々悪くなってしまう。
そこで、このエンジンシステムでは、前述した特定の環境条件及び特定の運転条件が共に成立し、しかもエンジン1の運転領域が図3に示す特定運転領域Cにあるときの、減速時には、燃料カットは行わずに、気筒18a内の温度及び圧力を高く維持する気筒内温度維持制御を行い、それによって、減速終了後の着火性の悪化を回避するようにしている。
具体的に、PCM10は、図4に示すようなフローチャートに従って、インジェクタ18、VVM71及びレギュレートバルブ64aの制御を行う。先ず、スタート後のステップS1では、前提条件が成立したか否かを判定する。ここでの前提条件とは、前述した環境条件及び運転条件の双方を含み、詳しくは、外気温が所定温度以下(例えば0℃以下)であること、及び、所定以上(例えば2000m以上)の高地であること(以上、環境条件)、並びに、エンジン1の水温が所定温度以下(例えば60℃以下)であること、及び、油温が所定温度以下(例えば50℃以下)であること(以上、運転条件)、である。これら全てを満足したときに前提条件が成立し、それ以外のときには前提条件が不成立と判定する。尚、前述した環境条件の少なくとも一方と、前述した運転条件の少なくとも一方を満足したときに、前提条件が成立したと判定してもよい。ステップS1の判定においてYESのときにはステップS2に移行し、NOのときにはステップS2に移行せずにステップS3に移行する。
ステップS2では、図3に示す2ステージターボ過給機の作動マップにおいて、小型ターボ過給機62及び大型ターボ過給機61の切替ラインを変更する。具体的には、図3に実線で示す通常の切替ラインに対し、小型ターボ過給機62の作動領域が高回転側に拡大するように、切替ラインを高回転側に変更する(図3の矢印及び破線参照)。この変更後の切替ラインは、変更前の切替ラインを高回転側に平行に移動させたものではなく、小型ターボ過給機62の作動領域が、低負荷側においては、高負荷側と比較して、高回転側に大きく広がるように設定されている。このことにより、着火性が不利になる前述の特定運転領域Cは、通常の作動マップにおいては、大型ターボ過給機61の作動領域Bに含まれるところ、この特定運転領域Cの全体が、小型ターボ過給機62の作動領域Aに含まれることになる。
ステップS3では、エンジン1の運転状態が、特定運転領域C、つまり通常の切替ライン(実線参照)では、大型ターボ過給機61が作動する高回転側の領域(但し、切替ライン近傍の領域)でかつ、負荷が低い領域にあるか否かを判定する。特定運転領域Cにあるとき(つまり、YESのとき)には、ステップS4に移行し、特定運転領域Cにないとき(つまり、NOのとき)には、ステップS4に移行せずにステップS5に移行する。
ステップS4ではフラグFを1にし、続くステップS5では、アクセル開度がゼロとなって減速が開始されたか否かを判定する。この判定がNOのときにはステップS5を繰り返し、この判定がYESのときにはステップS6に移行する。
ステップS6では、フラグF=1であるか否かを判定し、フラグF≠1であるときにはステップS7に移行し、フラグF=1であるときにはステップS8に移行する。
ステップS7では、エンジン1の運転状態が特定運転領域Cになく、燃料の着火性は比較的有利な状態であるため、後述する微少燃料噴射は行わず、予め設定されているように、減速中の燃料カットを行う。
一方、エンジン1の運転状態が特定運転領域Cにあるとして移行をしたステップS8では、燃料カットを行わずに、微少燃料をインジェクタ18から噴射してそれを燃焼させる。
ステップS9では、VVM71の作動による排気の二度開きを行って、内部EGRガスを気筒18a内に導入する。さらに、ステップS10では、レギュレートバルブ64aを閉じ、それによって小型ターボ過給機62を作動させる。尚、前述の通り、ターボ過給機の切替ラインの変更により特定運転領域Cでは、小型ターボ過給機62が作動するように、レギュレートバルブ64aが、減速前から閉じているため、その閉じ状態を継続し、減速中も小型ターボ過給機62の作動を継続することになる。
こうして減速中においても燃焼を継続するため、気筒18a内の温度の低下が抑制されると共に、その燃焼による高温の既燃ガスを、排気の二度開きによって気筒18a内に残留させることで、気筒18a内の温度を高い温度に維持することが可能になる。また、この微少燃料の噴射及び内部EGRの実行と共に、小型ターボ過給機62の作動を行うことで、エンジン1の背圧が高まり、排気の二度開きによって必要十分な量の既燃ガスを気筒18a内に残留させることが可能になる。このこともまた、減速中に気筒18a内の温度を高く維持する上で有利になる。尚、ステップS8、S9、S10は、制御の順番を示すものではない。
そうしてステップS11で、減速が終了したか否かを判定し、減速が終了していないときにはステップS6に戻る一方、減速が終了したときにはステップS12に移行する。
ステップS12では、アクセル開度等に応じた通常の燃料噴射に復帰すると共に、内部EGRを実行していた場合はこれを停止する。尚、レギュレートバルブ64aの開度は、目標過給圧に応じて設定され、閉状態が継続することもある。
前述の通り、ステップS8、9、10において、微少燃料噴射及び内部EGRを実行しかつ、小型ターボ過給機62を作動させることで、減速中に気筒18a内の温度及び圧力を高く維持しているから、減速終了後の、例えば再加速時に、燃料の着火性が悪化せず、着火性を良好にすることが可能になる。
図5は、PCM10が、図4のフローチャートに従って、インジェクタ18、VVM71及びレギュレートバルブ64aの制御を行った場合の、各種パラメータの変化の一例を示している。同図における実線は、気筒内温度維持制御(以下、本制御ともいう)を実行した場合であり、同図における破線は、本制御を実行しない従来制御の場合である。尚、ここで言う従来制御とは、前提条件の成立による切替ラインの変更を行わずかつ、減速中の微少燃料噴射、内部EGRの実行、小型ターボ過給機62の作動のいずれも行わない制御である。従って、エンジン1の運転状態は、大型ターボ過給機61が作動をする領域であり、減速中は燃料カットを行うと共に、VVM71は非作動となる。
先ず、図5(a)に示すように、アクセル開度がゼロになり減速が開始したときには、同図(b)に実線で示すように、本制御では微少の燃料噴射を行う。これに対し、従来制御では減速中に燃料カットを行うため、燃料噴射量はゼロになる。
ここで、微少噴射制御において噴射する燃料量は、気筒11a内に噴射した燃料が着火して燃焼する量以上でかつ、軸トルクが所定値以下となる範囲で、適宜設定すればよい。尚、燃料の微少量は、燃料噴射形態(つまり、噴射タイミングや、一括噴射か分割噴射かの相違)等の様々な要因によって変更され得る。燃料噴射はまた、例えば圧縮上死点前のタイミングで、微少量の噴射(プレ噴射)を行うと共に、圧縮上死点後のタイミングで、複数回の燃料噴射(メイン噴射)を行うようにしてもよい。こうした燃料噴射態様は、燃料の着火性を確保しつつもトルクの発生を抑制する上で有利である。
図5に戻り、本制御ではまた、前提条件が成立した場合は、小型ターボ過給機62及び大型ターボ過給機61の切替ラインが変更されることで、エンジン1の運転状態が特定運転領域Cにあるときには、小型ターボ過給機62が作動をする。つまり、図5(c)に実線で示すように、レギュレートバルブ64aが閉じられる。そして、減速が開始した後も、レギュレートバルブ64aの閉弁が継続する。これによって、減速中も小型ターボ過給機62が作動をする。本制御では、微少燃料を燃焼させるため、排気エネルギが低いものの、大型ターボ過給機61ではなく、小型ターボ過給機62を作動させることで過給が可能になる。
尚、同図(c)の破線に示すように、従来制御では、特定運転領域Cにあるときは、大型ターボ過給機61が作動する領域であるため、レギュレートバルブ64aは開いたままになる。
この小型ターボ過給機62の作動によって、本制御では、同図(e)に示すように、減速中の過給圧が比較的高い状態に維持される。これに対し従来制御では、小型ターボ過給機62が非作動でかつ、減速中は燃焼を行わないことで、大型ターボ過給機61も実質的に非作動であるため、同図(e)に破線で示すように、過給圧が低下してしまう。
また、本制御では、同図(d)に実線で示すように、減速中にVVM71を作動させる。つまり、微少燃料の燃焼によって生じた高温の既燃ガスを、内部EGRの実行によって気筒18a内に残留させるから、同図(f)に実線で示すように、減速中における気筒18a内の温度を高い温度に維持することを可能にする。
また、前述したように、減速中には小型ターボ過給機62が作動しているから、エンジン1の背圧が高まり、排気の二度開きにより必要十分量の既燃ガスを気筒18a内に残留させることが可能になる。このこともまた、気筒18a内の温度を高く維持する上で有利になる。
こうして本制御の実行により、減速中の気筒18a内の温度は、同図(f)に破線で示す従来制御時よりも高くなると共に、気筒18a内の圧力も高くなる。
そして、同図(a)に例示するように、アクセルペダルの踏み込みによって再加速を行うときには、本制御実行時は、気筒18a内の温度及び圧力が十分に高く維持されているため、燃料の着火性が確実に確保される。これに対し従来制御時は、減速終了時の気筒18a内の温度及び圧力が低いため、着火性が悪化してしまう。
また、本制御では、減速終了後も、イナーシャの小さい小型ターボ過給機62が作動するため、従来制御と比較して、再加速時の過給圧の立ち上がりが良好になるという利点もある。
尚、前述した気筒内温度維持制御においては、エンジン1の運転状態が、特定運転領域C(つまり、高回転側の負荷が低い領域)にあることを実行条件の一つとしているが、このエンジン1の運転状態に係る実行条件を省略してもよい。すなわち、減速後に、燃料の着火性が悪化するようなときには、エンジン1の運転状態に拘わらず、気筒内温度維持制御を実行してもよい。
また、ここに開示した技術は、2ステージターボ過給機を有する圧縮自己着火エンジンに限定されず、シングルターボ過給機を有する圧縮自己着火エンジンに適用してもよい。
1 ディーゼルエンジン(圧縮自己着火エンジン)
10 PCM(制御器)
11a 気筒
18 インジェクタ(燃料噴射弁)
21 吸気弁
22 排気弁
30 吸気通路
40 排気通路
61 大型ターボ過給機(第2ターボ過給機)
61a 大型コンプレッサ(第2コンプレッサ)
61b 大型タービン(第2タービン)
62 小型ターボ過給機(第1ターボ過給機)
62a 小型コンプレッサ(第1コンプレッサ)
62b 小型タービン(第1タービン)
64 小型排気バイパス通路(バイパス路)
64a レギュレートバルブ(流量調整弁)
71 VVM(内部EGR手段)

Claims (3)

  1. 気筒内に供給した燃料を自己着火させるよう構成された圧縮自己着火エンジンと、
    前記気筒内に燃料を噴射するよう構成された燃料噴射弁と、
    前記圧縮自己着火エンジンの排気通路に配置されたタービン及び吸気通路に配置されたコンプレッサを有しかつ、前記気筒に供給する吸気の過給を行うよう構成されたターボ過給機と、
    前記タービンをバイパスするバイパス路に配置されかつ、その開度を調整することによって前記ターボ過給機の作動を制御するよう構成された流量調整弁と、
    前記気筒に設けられた吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の動作を制御することによって既燃ガスの一部を前記気筒内に残留させるよう構成された内部EGR手段と、
    少なくとも前記燃料噴射弁、前記流量調整弁及び前記内部EGR手段の制御を通じて前記圧縮自己着火エンジンを運転するよう構成された制御器と、を備え、
    前記制御器は、前記気筒内の圧縮端温度及び圧縮端圧力の少なくとも一方が所定値以下となる特定の条件下において、車両の減速が開始して燃料カットを行う条件が成立したときには、
    前記圧縮自己着火エンジンの軸トルクが所定値以下となるように、前記燃料噴射弁から微少の燃料を噴射しかつ当該微少燃料を燃焼させると共に
    前記内部EGR手段により既燃ガスの一部を前記気筒内に残留させかつ
    前記流量調整弁の開度調整により、前記ターボ過給機を作動させる気筒内温度維持制御を行い、
    前記制御器は、前記車両の減速が終了したときには、前記気筒内温度維持制御を終了すると共に、アクセル開度に応じて、前記燃料噴射弁から燃料を噴射しかつ、前記流量調整弁の開度調整を行うターボ過給機付圧縮自己着火エンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のターボ過給機付圧縮自己着火エンジンの制御装置において、
    前記圧縮自己着火エンジンは、その幾何学的圧縮比が16未満に設定されているターボ過給機付圧縮自己着火エンジンの制御装置。
  3. 請求項1に記載のターボ過給機付圧縮自己着火エンジンの制御装置において、
    前記ターボ過給機は、前記排気通路に配置された第1タービン及び前記吸気通路に配置された第1コンプレッサを有する第1ターボ過給機と、前記排気通路に配置されかつ、前記第1タービンよりも大きいイナーシャの第2タービン及び前記吸気通路に配置された第2コンプレッサを有する第2ターボ過給機と、を含み、
    前記流量調整弁は、前記第1タービンをバイパスするバイパス路に配置されており、
    前記制御器は、前記特定の条件下における車両の減速中には、前記流量調整弁の開度調整によって前記第1ターボ過給機を作動させるターボ過給機付圧縮自己着火エンジンの制御装置。
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