JP5877717B2 - シーム溶接方法及びシーム溶接装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ローラ電極により加圧及び通電を行いながら連続的に溶接を行うシーム溶接方法及びシーム溶接装置に関する。
従来、燃料タンクのように封止が必要な製品のワークを溶接する場合には、連続的にナゲットが形成されるシーム溶接が用いられる。シーム溶接では、母材を重ね合わせたワークの溶接部分を一対のローラ電極で挟み、ローラ電極を回転させながら溶接部分に加圧及び通電を施すことによって連続的に抵抗溶接が行われる。ローラ電極への通電は、通電を行う通電期間と通電を休止する休止期間とを所定の周期で繰り返すことにより行われる。
なお、このような抵抗溶接に関する技術として、特許文献1には、1回のスポット溶接を行うに際し、電極によりワークに付与される加圧力に応じて溶接電流の大きさをリアルタイムで制御するようにした抵抗溶接装置が記載されている。この抵抗溶接装置は、加圧力に対する適正な溶接電流の大きさを記録したマップを備える。
この抵抗溶接装置では、一対の電極がワークの挟持を開始したとき以降の加圧力が継続的に検出される。そして、順次検出される加圧力と上記マップとに基づいて溶接電流の大きさがリアルタイムで制御される。
特開2001−138061号公報
上述のシーム溶接において、ナゲットのピッチや大きさは、溶接速度に拘わらず、ある程度一定に維持される。したがって、溶接速度を向上させるためには、溶接速度の上昇に応じて通電期間及び休止期間を短縮するとともに、通電期間に付与する溶接電流を大きくする必要がある。この場合、次のような問題が生じる。
すなわち、比較的低い溶接速度で溶接を行う場合には、通電期間において通電が行われるワーク部分の母材間の接触抵抗は、通電が開始されるタイミングにおいて、ローラ電極からの加圧力より十分消滅した状態にある。この場合、ナゲットは、ワークの厚み方向の比較的中央部に生じ、表チリが生じることはない。
しかしながら、溶接速度を速くすると、通電期間に通電が行われるワーク部分において、ローラ電極の押圧力により母材間の接触抵抗が消滅するタイミングが、通電開始のタイミングより遅くなる。この場合、そのワーク部分における母材間の接触抵抗が十分消滅する前に、そのワーク部分に電流が流れて発熱を生じる。
したがって、溶接速度を速くするほど、発熱により溶融する部分がローラ電極側に寄ってゆき、表チリが発生し易くなる。このため、溶接品質を低下させることなく溶接速度を向上させることは困難である。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、シーム溶接において、溶接品質を低下させることなく溶接速度を向上させることにある。
本発明に係るシーム溶接方法は、一対のローラ電極によりワークに加圧力を付与する加圧工程と、前記加圧工程により加圧力が付与されている状態で、前記ローラ電極を回転させながら溶接軌跡に従って前記ローラ電極又はワークを移動させる移動工程と、前記移動工程による移動中に、前記ローラ電極に溶接電流を通電する通電期間及び該通電を休止する休止期間を交互に繰り返しながら、前記ワークに溶接電流を供給する電流供給工程とを備え、前記休止期間に前記ワークに付与される加圧力は、前記通電期間に前記ワークに付与される加圧力よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、ワークに対し、通電期間に付与される加圧力よりも大きな加圧力が休止期間に付与されるので、その大きな加圧力が付与されるワークの加圧部分では、ワークを構成する各母材のローラ電極側表面の冷却が促進されるとともに、母材間のなじみも向上する。
したがって、次の通電期間に、各母材のローラ電極側表面に溶融部分が寄って表チリが発生するのを防止することができる。また、通電期間には、ワークの通電部分に対し、休止期間の場合よりも低い加圧力が付与されるので、通電部分における母材間の抵抗値が休止期間のときよりも増大し、発熱が促進される。
このため、溶接速度を増大させる場合でも、ワーク中心部に良好なナゲットを、表チリを発生させることなく形成することができる。したがって、溶接品質を低下させることなく、溶接速度を向上させることができる。
また、本発明においては、前記休止期間に前記加圧力の付与方向における前記ローラ電極の位置を検出する位置検出工程と、前記位置検出工程で検出される位置に基づき、前記通電期間に前記ワークに付与される加圧力を補正する加圧力補正工程とを備えていてもよい。
これによれば、加圧力の補正を適切に行うことにより、各通電期間に移動した直後(通電により溶融する前)のワークの通電部分における母材間のギャップを極力一定とすることができる。したがって、母材間のギャップの変動に拘わらず、均一なナゲットを生成し、溶接品質を向上させることができる。
また、ローラ電極の位置の検出が休止期間に行われるので、ナゲットが生成されてワークが膨張している通電期間において検出する場合に比べ、本来のギャップを正確に検出することができる。したがって、通電期間への移行直後における各通電部分のギャップをより均一化させ、溶接品質の向上を図ることができる。
本発明に係るシーム溶接装置は、ワークを挟んで回転しながら溶接電流を該ワークに供給するための一対のローラ電極と、溶接軌跡に従って前記ワーク又はローラ電極を移動させる移動手段と、前記ローラ電極を相互に近接及び離間する接離方向に変位させるアクチュエータと、前記ローラ電極に通電する通電期間及び該通電を休止する休止期間を切り替える通電制御部と、前記アクチュエータにより前記ローラ電極を介して前記ワークに加圧力を付与する加圧力付与部とを備え、前記加圧力付与部は、前記ワークに付与する加圧力として、前記通電期間に付与する加圧力よりも大きな加圧力を前記休止期間に付与することを特徴とする。
本発明によれば、上述のシーム溶接方法の場合と同様に、溶接速度を増大させる場合でも、ワーク中心部に良好なナゲットを、表チリを発生させることなく形成することができるので、溶接品質を低下させることなく、溶接速度を向上させることができる。
本発明においては、前記ローラ電極の前記接離方向の位置を検出する位置検出手段を備え、前記加圧力付与部は、前記休止期間に前記位置検出手段により前記ローラ電極の位置を検出し、検出した位置に基づき、前記通電期間に前記ワークに付与する加圧力を補正するものであってもよい。
これによれば、上述のシーム溶接方法の場合と同様に、各通電期間において、通電部分へ移行直後のワークの母材間のギャップを、極力一定となるように矯正しながら通電を行うことができるので、母材間のギャップの変動に拘わらず、均一なナゲットを生成し、溶接品質を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るシーム溶接装置の構成を示すブロック図である。 図1の装置におけるワークへの加圧力の時間変化を示す波形図である。 図1の装置における溶接処理を示すフローチャートである。 図1の装置の効果を説明するための模式的な断面図である。 図1の装置の別の効果を説明するための模式的な断面図である。 図1の装置のワークでのギャップ、反力及び加圧力の変化を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1に示すように、実施形態のシーム溶接装置1は、ワークに対して加圧力を付与しながら溶接電流を供給する溶接ヘッド2と、溶接ヘッド2を保持して移動させるマニピュレータ3と、溶接電流の供給源である溶接電源4と、装置各部を制御するコントローラ5とを備える。マニピュレータ3は、本発明における移動手段に対応する。
溶接ヘッド2は、ワークを挟んで回転する一対のローラ電極6a及び6bと、ローラ電極6a及び6bをそれぞれ回転させるローラモータ7a及び7bと、ローラ電極6aをローラモータ7aとともに移動させるサーボモータ8とを備える。ワークを構成する母材としては、例えば、車両の燃料タンクを構成するための金属板が該当する。
ローラ電極6a及びローラモータ7aは、溶接ヘッド2により、所定の方向に一体として移動し得るように案内され、保持される。この案内方向は、ローラ電極6aがローラ電極6bに近接及び離間する方向である。サーボモータ8は、この接離方向に沿って、ローラ電極6a及びローラモータ7aを移動させる。
コントローラ5は、CPUや、記憶装置、プログラム等により構成される。コントローラ5は、マニピュレータ3の動作を制御するロボット制御部9と、溶接電源4からローラ電極6a及び6bへ供給される溶接電流についての通電のオンオフを制御する通電制御部10と、サーボモータ8の駆動を制御するサーボモータ制御部11と、ローラモータ7a及び7bの駆動を制御するローラモータ制御部12とを備える。
ロボット制御部9は、マニピュレータ3が、溶接ヘッド2を、予め定められたワーク上の溶接軌跡に従って移動するようにマニピュレータ3を制御する。このとき、ワークは、固定されていてもよいし、他のマニピュレータにより適宜姿勢や位置を変えながら保持されていてもよい。
通電制御部10は、溶接電源4を制御して、溶接電源4からローラ電極6a及び6bへの溶接電流の通電を、所定周期で繰り返す。この周期には、ローラ電極6a及び6bへの通電が行われる通電期間と、該通電が休止される休止期間とが含まれる。この通電期間及び休止期間の長さや溶接電流の大きさは、ワークの材質や溶接速度に応じて決定される。
サーボモータ制御部11によるサーボモータ8の制御は、位置制御やトルク制御により行われる。位置制御は、サーボモータ8のエンコーダ8aの出力に基づいて行われる。トルク制御は、サーボモータ8に流す電流値に基づいて行われる。サーボモータ制御部11は、ワークに加圧力を付与する加圧力付与部11aを備える。この加圧力の付与は、サーボモータ8により、ローラ電極6a及び6bを介して行われる。
図2は、溶接電流の通電期間、休止期間、及びワークへ付与される加圧力の時間変化を示す。図2においては、通電期間及び休止期間の変化をグラフ曲線Caで示し、加圧力の変化をグラフ曲線Cbで示している。
加圧力付与部11aは、図2に示すように、休止期間Tf及び通電期間Tnの切替りに同期して、加圧力を、所定の高加圧力Hpと、これよりも低い所定の低加圧力Lpとで切り替える。すなわち、溶接電流の休止期間Tfにおいて、通電期間Tnのときよりも大きな加圧力をワークへ付与する。後述のように、溶接速度を増大した場合における表チリの発生を極力抑制するためである。
高加圧力Hpとしては、例えば、400kgf程度の圧力が該当し、低加圧力Lpとしては、例えば、300kgf程度の圧力が該当する。休止期間Tf及び通電期間Tnにおいて、それぞれこのような高加圧力Hp及び低加圧力Lpが付与されるように、加圧力付与部11aは、サーボモータ8を、サーボモータ8に流れる電流値に基づいて、トルク制御する。
その際、加圧力付与部11aは、休止期間Tfが到来する毎に、サーボモータ8のエンコーダ8aの出力に基づき、次の通電期間Tnに付与する低加圧力Lpを補正する。後述のように、ワークを構成する金属板間のギャップのばらつきに対応するためである。
低加圧力Lpの補正は、例えば、エンコーダ8aの出力に基づき、低加圧力Lpの基準値に対する補正値を求めることによって行うことができる。図2では、この基準値が、ラインSpで示されている。なお、低加圧力Lpの補正は、通電期間Tn毎に限らず、複数の通電期間Tn毎に行うようにしてもよい。
図3は、コントローラ5による溶接処理を示すフローチャートである。図3に示すように、溶接処理を開始すると、まず、コントローラ5のロボット制御部9が、マニピュレータ3を制御して溶接ヘッド2を移動させ、ローラ電極6a及び6b間にワークの溶接開始位置を配置する(ステップS1)。
次に、サーボモータ制御部11が、サーボモータ8を駆動し、ローラ電極6aを、ローラ電極6bに対峙する所定の位置へ移動させる(ステップS2)。これにより、ワークはローラ電極6a及び6bによって挟まれ、加圧力が付与される。なお、このときのローラ電極6aの位置を基準位置とし、このときの加圧力を低加圧力Lpの基準値として、後述のステップS12における低加圧力Lpの補正を行うようにしてもよい。
次に、加圧力付与部11aが、ローラ電極6a及び6bによるワークへの加圧力が高加圧力Hp又は低加圧力Lpとなるように、サーボモータ8のトルク制御を開始する(ステップS3)。
これと同時に、ロボット制御部9は、予め定められた溶接軌跡に従ってシーム溶接が行われるように、マニピュレータ3による溶接ヘッド2の移動を開始する。また、ローラモータ制御部12は、溶接ヘッド2の移動速度に対応した速度でローラ電極6a及び6bが回転するように、ローラモータ7a及び7bの駆動を開始する(ステップS4)。
次に、コントローラ5は、溶接電流の通電期間Tn又は休止期間Tf(図2参照)へ移行するタイミング、又は溶接処理の終了タイミングが到来するのを待機する(ステップS5、S6、S13)。通電期間Tnへ移行するタイミングが到来したと判定された場合には、通電制御部10が、溶接電源4からワークへの通電をオン状態に切り替える(ステップS7)。
また、これと同時に、加圧力付与部11aが、サーボモータ8の制御により、ワークへの加圧力を低加圧力Lpに切り替える(ステップS8)。これにより通電期間Tnへ移行する。なお、この低加圧力Lpは、後述するステップS12の処理によって、適宜補正される。その後、再び、上述の各タイミングの到来を待機する(ステップS5、S6、S13)。この待機中の通電期間Tnにおいて、ワークへの通電が行われ、ナゲットが形成される。
一方、この待機中(ステップS5、S6、S13)に、休止期間Tfへ移行するタイミングが到来したと判定された場合には、通電制御部10が、溶接電源4からワークへの通電をオフ状態に切り替える(ステップS9)。また、これと同時に、加圧力付与部11aが、サーボモータ8の制御により、ワークへの加圧力を高加圧力Hpに切り替える(ステップS10)。これにより、休止期間Tfへ移行する。
次に、加圧力付与部11aが、ローラ電極6aの位置を計測する(ステップS11)。この計測は、サーボモータ8のエンコーダ8aの出力に基づいて行うことができる。次に、この計測結果に基づき、低加圧力Lpを補正する(ステップS12)。
この補正は、例えば、ローラ電極6aの基準位置からの変位と、低加圧力Lpの基準値に対する補正値とを対応付ける対応テーブルや関数を用いて行うことができる。この場合のローラ電極6aの基準位置としては、例えば、ステップS2における移動後のローラ電極6aの位置を使用することができる。また、低加圧力Lpの基準値としては、この位置に位置するローラ電極6aにより付与される加圧力を用いることができる。
次に、溶接処理を終了するタイミングであるかどうかを判定し(ステップS13)、溶接処理を終了するタイミングでなければステップS5へ戻って溶接処理を続行し、該タイミングであれば、溶接処理を終了する。
なお、本発明における加圧工程は、ステップS3、S8、S10〜S12の処理に対応する。移動工程は、ステップS4の処理に対応する。電流供給工程は、ステップS7、S9の処理に対応する。位置検出工程は、ステップS11の処理に対応する。加圧力補正工程は、ステップS12の処理に対応する。
図3の溶接処理においては、ワークに対して、休止期間Tf中に高加圧力Hpを付与し、通電期間Tn中に低加圧力Lpを付与している。これによれば、次の効果を奏する。
すなわち、従来のシーム溶接では、休止期間Tf及び通電期間Tnを通じてワークに付与される加圧力は一定である。この場合、比較的低い溶接速度では、通電期間Tnに移行したとき、通電されるワーク部分の金属板間の接触抵抗は、ローラ電極からの加圧力によって十分消滅した状態にある。この場合、ナゲットはワークの中心部に生じ、表チリが生じることはない。
しかしながら、ナゲットの生成ピッチや大きさは、溶接速度に拘わらず一定に維持する必要がある。このため、ローラ電極の回転速度及び溶接ヘッドの移動速度を大きくして溶接速度を増大させる場合には、溶接速度の増大に応じて通電期間Tn及び休止期間Tfを短縮するとともに、通電期間Tn中に付与する溶接電流を増大させる必要がある。
この場合、溶接速度が大きくなるほど、通電期間Tnに通電が行われるワーク部分において、通電の開始タイミングに比べて、ローラ電極の加圧力によりワークの金属板同士がなじんで金属板間の接触抵抗が消滅するタイミングが遅くなる。そうすると、金属板間の接触抵抗が十分消滅する前に、金属板に電流が流れて発熱を生じる。
このため、溶接速度が大きくなるほど、図4(a)のように、ワークWの金属板13a及び13bにおいて、発熱により生じる溶融部14が、ローラ電極15a及び15b側に寄ってゆき、表チリ16が発生し易くなる。したがって、従来のシーム溶接によれば、溶接品質を低下させることなく溶接速度を向上させるのは困難である。
これに対し、本実施形態に係る図3の溶接処理によれば、図2のように、通電期間Tn及び休止期間Tfの切替えに同期して、ワークWへの加圧力が、低加圧力Lp及び高加圧力Hpに切り替わる。このため、休止期間Tfにおいては、図5(a)のように、ローラ電極6a及び6bにより、ワークWの金属板13a及び13bに対し、高加圧力Hpが付与される。
これにより、高加圧力Hpが付与された部分においては、各金属板13a及び13bのローラ電極6a及び6b側表面の冷却が促進される。また、各金属板13a及び13b間のなじみが向上する。次の通電期間Tnにおいては、その冷却が促進されかつなじみが向上した部分に対し、図5(b)のように、ローラ電極6a及び6bを介して低加圧力Lpが付与され、通電が行われる。
このとき、通電が行われるワークW部分の加圧力は低加圧力Lpであるから、該ワークW部分における金属板13a及び13b間の抵抗値は、高加圧力Hpが付与されていたときよりも増大する。このため、該ワークW部分においては、通電による発熱が促進されるので、良好なナゲットの生成に支障を生じることはない。
また、該ワークW部分では、加圧力が一様である従来の場合に比べ、各金属板13a及び13bのローラ電極6a及び6b側表面の冷却が促進されており、かつ各金属板13a及び13b間のなじみが向上している。このため、該ワークW部分においては、溶接速度が大きい場合でも、図4(b)のように、溶融部14は、ローラ電極6a及び6b側に寄ることはなく中央部に生じる。
したがって、図5(b)のように、各金属板13a及び13bに跨る中心部に良好なナゲット18が、表チリを生じさせることなく形成される。
また、図3の溶接処理においては、加圧力付与部11aは、休止期間Tfのローラ電極6aの位置に基づき、低加圧力Lpを補正するようにしている。これによれば、次の効果を奏する。
すなわち、図6(a)に示すように、ワークWの金属板13a及び13b間には、一様ではないギャップGが存在する。この場合、ギャップGが最小となるようにローラ電極6a及び6b間の間隔を固定してローラ電極6a及び6bを回転させたとすれば、ローラ電極6aは、金属板13a及び13bから、ギャップGにほぼ比例した反力Fcを受ける。
したがって、各金属板13a及び13bに対し、反力Fcに等しい逆向きの加圧力を付与することにより、ギャップGを一定にすることができる。そして、この反力Fcの大きさは、ローラ電極6a及び6bの回転に際し、ローラ電極6a及び6bが各金属板13a及び13bに一定の加圧力を付与するように、サーボモータ8をトルク制御したときのローラ電極6aの位置の変化にほぼ比例する。
したがって、上述のように、休止期間Tfにローラ電極6aの位置を計測し(ステップS11)、低加圧力Lpを補正する(ステップS12)ことによって、各通電期間Tnにおける通電部分の金属板13a及び13b間のギャップGを極力一定にすることができる。したがって、溶接品質をさらに向上させることができる。
また、ローラ電極6aの位置を、休止期間Tfにおいて計測するようにしているので、通電期間Tnにおいてナゲット18が生成され、各金属板13a及び13bが膨張しつつある状態で計測する場合に比べ、ローラ電極6aの位置を、本来の反力Fcに対応するものとして計測することができる。したがって、各通電期間TnのギャップGを、より正確に一定に維持することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、ローラ電極6a及び6bを接離方向(ワークWへの押圧力の付与方向)に変位させるアクチュエータとして、サーボモータ8の代わりに、エアシリンダを用いてもよい。
また、上記実施形態においては、ローラ電極6aの位置を検出する位置検出手段としてサーボモータ8のエンコーダ8aを用いているが、この代わりに、位置センサを用いてもよい。
また、図3の溶接処理においては、ローラ電極6aの位置の計測を、休止期間Tfに移行した時点で行っているが(ステップS11)、この代わりに、休止期間Tfの中間で行うようにしてもよい。また、休止期間Tf中に複数回計測を行い、その平均値を計測位置として採用するようにしてもよい。
3…マニピュレータ(移動手段)、6a,6b…ローラ電極、8…サーボモータ(アクチュエータ)、8a…エンコーダ(位置検出手段)、10…通電制御部、11a…加圧力付与部。

Claims (4)

  1. 一対のローラ電極によりワークに加圧力を付与する加圧工程と、
    前記加圧工程により加圧力が付与されている状態で、前記ローラ電極を回転させながら溶接軌跡に従って前記ローラ電極又はワークを移動させる移動工程と、
    前記移動工程による移動中に、前記ローラ電極に溶接電流を通電する通電期間及び該通電を休止する休止期間を交互に繰り返しながら、前記ワークに溶接電流を供給する電流供給工程とを備え、
    前記休止期間に前記ワークに付与される加圧力は、前記通電期間に前記ワークに付与される加圧力よりも大きいことを特徴とするシーム溶接方法。
  2. 前記休止期間に前記加圧力の付与方向における前記ローラ電極の位置を検出する位置検出工程と、
    前記位置検出工程で検出される位置に基づき、前記通電期間に前記ワークに付与される加圧力を補正する加圧力補正工程とを備えることを特徴とする請求項1に記載のシーム溶接方法。
  3. ワークを挟んで回転しながら溶接電流を該ワークに供給するための一対のローラ電極と、
    溶接軌跡に従って前記ワーク又はローラ電極を移動させる移動手段と、
    前記ローラ電極を相互に近接及び離間する接離方向に変位させるアクチュエータと、
    前記ローラ電極に通電する通電期間及び該通電を休止する休止期間を切り替える通電制御部と、
    前記アクチュエータにより前記ローラ電極を介して前記ワークに加圧力を付与する加圧力付与部とを備え、
    前記加圧力付与部は、前記ワークに付与する加圧力として、前記通電期間に付与する加圧力よりも大きな加圧力を前記休止期間に付与することを特徴とするシーム溶接装置。
  4. 前記ローラ電極の前記接離方向の位置を検出する位置検出手段を備え、
    前記加圧力付与部は、前記休止期間に前記位置検出手段により前記ローラ電極の位置を検出し、検出した位置に基づき、前記通電期間に前記ワークに付与する加圧力を補正することを特徴とする請求項3に記載のシーム溶接装置。
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