JP5877303B2

JP5877303B2 - 誘導加熱調理器

Info

Publication number: JP5877303B2
Application number: JP2011124811A
Authority: JP
Inventors: 正也武部; 雅志木下; 祐史山本
Original assignee: Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Current assignee: Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date: 2011-06-03
Filing date: 2011-06-03
Publication date: 2016-03-08
Anticipated expiration: 2031-06-03
Also published as: JP2012252883A

Description

本発明は、一般家庭及び業務用として使用される誘導加熱調理器に関するものである。

従来、この種の誘導加熱調理器は、揚げ物調理時において、鍋の油温が設定温度（Ｔ１）に到達した後に、それより高温の設定温度（Ｔ２）の温度内に指定時間を維持し、その指定時間が経過した後に適温報知を行う。また、前記設定温度（Ｔ１）に到達した時点でブザーや音声等により，その旨を使用者に事前に報知するとともに、表示部に指定時間の残時間を表示させる構成となっている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００５−１００７９０号公報

しかしながら、前記従来の構成では適温報知時間において、加熱する鍋の材質や大きさ、厚み及び油量や加熱開始時の鍋の温度や油温の違いにより、適温までの時間が不定であり、設定温度到達から一定時間とする指定時間の構成では、その時間内に適温状態にならずに、適温報知までの残時間の精度が悪いという課題を有していた。

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、油温が適温になるまでの時間を精度よく認識することができ、調理物の準備がしやすく使い勝手が向上し、また、予熱報知後すぐに調理を開始させることができるために余分な加熱時間が低減され、省エネ効果が高く使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供することを目的とする。

前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、被加熱物を載置するトッププレートと、前記被加熱物と磁気結合する加熱コイル、及び前記加熱コイルと共振する共振コンデンサを有する共振回路、並びに、オンオフすることにより前記共振回路に共振電流を発生するスイッチング素子を有し、商用電源から前記共振回路に電力を供給するインバータと、前記被加熱物の底面温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段から得られる温度が所定の制御温度となるように前記スイッチング素子の駆動信号を出力して前記加熱コイルの加熱出力を制御する制御手段と、前記所定の制御温度を設定できる温度設定手段と、前記温度設定手段の設定内容を表示する表示手段と、前記温度設定手段で設定された設定温度で調理を開始できる時点をブザーや光や音声、画面表示により予熱完了として報知する報知手段と、を備え、前記制御手段は、所定の加熱出力で加熱を開始し、前記被加熱物の温度が前記設定温度を超えた後、前記被加熱物から熱伝導した油温が前記設定温度を超えた時点で、加熱を停止するか、または、加熱を弱めた後、前記被加熱物の温度が上昇から下降に変化する変曲点である最高温度到達点を求め、前記最高温度到達点の最高到達温度と前記設定温度との差が大きいと、調理を開始できる予熱完了報知点までの予熱完了報知時間を長く、また、逆に小さいと短い時間に変更し、その変更された前記予熱完了報知点からあらかじめ設定された予熱完了事前報知時間を遡った予熱完了事前報知点でブザーや光や音声、画面表示の前記報知手段により予熱完了の事前報知を行うことにより、加熱する鍋の材質（大きさ、厚み）及び油量や加熱開始時の温度や油温の違いによるそれぞれの加熱環境に合わせて予熱完了の報知時間をそれぞれ変更し、その変更された予熱報知時間を元に、あらかじめ設定された時間を遡った時点を予熱完了の事前報知点とすることで、様々な加熱環境に応じて精度よく予熱完了の事前報知を行うことを可能としたものである。

本発明の誘導加熱調理器は、被加熱物の材質や形状、被加熱物内に収容された油や調理物の量、加熱開始時の被加熱物の温度に影響されない高精度な予熱完了の事前報知をすることができ、余分な加熱時間が低減され、省エネ効果が高く使い勝手を良くすることができる。

本発明の実施の形態１〜５における誘導加熱調理器の構成を示す図本発明の実施の形態１〜５における誘導加熱調理器の油温の加熱制御方法を示す図

第１の発明は、被加熱物を載置するトッププレートと、前記被加熱物と磁気結合する加
熱コイル、及び前記加熱コイルと共振する共振コンデンサを有する共振回路、並びに、オンオフすることにより前記共振回路に共振電流を発生するスイッチング素子を有し、商用電源から前記共振回路に電力を供給するインバータと、前記被加熱物の底面温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段から得られる温度が所定の制御温度となるように、前記スイッチング素子の駆動信号を出力して、前記加熱コイルの加熱出力を制御する制御手段と、前記所定の制御温度を設定できる温度設定手段と、前記温度設定手段の設定内容を表示する表示手段と、前記温度設定手段で設定された設定温度で調理を開始できる時点をブザーや光や音声、画面表示により予熱完了として報知する報知手段と、を備え、前記制御手段は、所定の加熱出力で加熱を開始し、前記被加熱物の温度が前記設定温度を超えた後、前記被加熱物から熱伝導した油温が前記設定温度を超えた時点で、加熱を停止するか、または、加熱を弱めた後、前記被加熱物の温度が上昇から下降に変化する変曲点である最高温度到達点を求め、前記最高温度到達点の最高到達温度と前記設定温度との差が大きいと、調理を開始できる予熱完了報知点までの予熱完了報知時間を長く、また、逆に小さいと短い時間に変更し、その変更された前記予熱完了報知点からあらかじめ設定された予熱完了事前報知時間を遡った予熱完了事前報知点でブザーや光や音声、画面表示示の前記報知手段により予熱完了の事前報知を行うものである。

これによって、被加熱物の材質や形状に応じた正確な予熱完了の事前報知を行う誘導加熱調理器を実現することができる。

第２の発明は、特に、第１の発明において、前記加熱コイルに流れる高周波電流あるいは印加される高周波電圧と、電源電流との関係から前記被加熱物の材質を検出する材質検知手段を備え、前記材質検知手段により前記被加熱物の材質を判別し、前記被加熱物の材質に合わせた加熱出力で加熱開始後、所定時間毎に前記温度検知手段の出力から温度上昇値を求め、前記設定温度に到達点するまでの間に、前記被加熱物の材質毎に決められた所定の温度上昇値を超えると、前記被加熱物の温度があらかじめ温められていたと判定し、前記被加熱物から熱伝導した油温が前記設定温度より低い温度で加熱を停止するか、または、加熱を弱め、前記最高温度到達点があらかじめ温められていない被加熱物を加熱した場合と同じ値となるように制御するものである。

これによって、被加熱物の加熱開始時の状態に左右されずに、正確な予熱完了の事前報知を行う誘導加熱調理器を実現することができる。

第３の発明は、特に、第１の発明において、前記加熱コイルに流れる高周波電流あるいは印加される高周波電圧と、電源電流との関係から前記被加熱物の材質を検出する材質検知手段を備え、前記材質検知手段により前記被加熱物の材質を判別し、前記被加熱物の材質に合わせた加熱出力で加熱開始後、所定時間毎に前記温度検知手段の出力から温度上昇値を求め、前記設定温度に到達するまでの間に、前記被加熱物の材質毎に決められた所定の温度上昇値を下まわると、前記被加熱物内に収容された油や調理物の量が所定の量よりも多い状態であると判定し、調理を開始できる前記予熱完了報知点までの時間を前記所定の量の場合より長く変更するものである。

これによって、正確な予熱完了の事前報知を行う誘導加熱調理器を実現できる。

第４の発明は、特に、第１〜３のいずれか１つの発明において、前記予熱完了事前報知時間を使用者の好みに合わせて変更することができるものである。

これによって、より使い勝手が良い誘導加熱調理器を実現できる。

第５の発明は、特に、第１〜４のいずれか１つの発明において、前記予熱完了事前報知点での前記報知手段を音声または文字出力のみとしたものであある。

これによって、予熱完了報知と予熱完了事前報知とを確実に区別することで、予熱完了の前に食材の投入や、調理を開始するような失敗を回避できる誘導加熱調理器を実現することができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
図１は、本発明の第１の実施の形態における誘導加熱調理器の構成を示す図、図２は本発明の誘導加熱調理器における油温の加熱制御方法を示す図である。

図１、図２において、本実施の形態における誘導加熱装置は、商用交流電源５を駆動電源としており、被加熱物１を載置するトッププレート２と、その下方に設けられ高周波磁界を発生し鍋などの被加熱物１を加熱する加熱コイル３と、被加熱物１の底面の温度を検知する温度検知手段４と、温度検知手段４から得られる温度が温度設定手段８により設定された所定の制御温度となるようにインバータ回路６を通して加熱コイル３の加熱出力を制御する制御手段７と、温度設定手段８の設定内容を表示する表示手段９と、設定された温度で調理を開始できる時点をブザーや光や音声、画面表示などで報知する報知手段１０とで構成している。

以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。

まず、前記インバータ回路６から加熱コイル３に電力を供給すると、加熱コイル３に誘導磁界が発生し、トッププレート２上の被加熱物１が加熱される。この誘導加熱によって被加熱物１の温度が上昇し、被加熱物１内の例えば油温度２１が上昇する。

その油温度２１が、温度設定手段８によって設定された設定温度（Ｔａ）２２を超えた時点で、油温上昇率２９をもとに制御手段７により加熱を停止するか、もしくは、加熱出力を弱め、被加熱物１の温度が上昇から下降に変化する変曲点である最高温度到達点（Ａ）２４を求める。

その変曲点である最高到達温度（Ｔｐ）２３と設定温度（Ｔａ）２２との差より、調理を開始できる予熱完了報知点（Ｃ）２６までの予熱完了報知時間（Ｌａ）２７を決定する。

これにより、例えば、最高到達温度（Ｔｐ）２３と設定温度（Ｔａ）２２との差が大きいと予熱完了報知時間（Ｌａ）２７は長く、また、逆に少ないと短い時間に変更することができる。

次に、その可変される予熱完了報知点（Ｃ）２６が決定されてから、あらかじめ設定されている予熱完了事前報知時間（Ｌｂ）２８を遡った、予熱完了事前報知点（Ｂ）２５において、ブザーや光や音声、画面表示などにより予熱完了の事前報知として、報知手段１０により、使用者に報せる。

また、最高温度到達点（Ａ）２４において、温度検知手段４が最高到達温度（Ｔｐ）２３を検知して、最高到達温度（Ｔｐ）２３と設定温度（Ｔａ）２２との差をもとに調理を開始できる予熱完了報知点（Ｃ）２６までの予熱完了報知時間（Ｌａ）２７を変更してもよい。

また、予熱完了報知時間（Ｌａ）２７は、最高温度到達点（Ａ）２４において、温度検知手段４が検知した最高到達温度（Ｔｐ）２３と油温上昇率２９とから決定してもよい。

以上のように、精度よい予熱完了の事前報知を行うことが可能となる。

（実施の形態２）
次に、実施の形態２について説明する。実施の形態１と同一部分は説明を省略し、相違点のみ説明を行う。

実施の形態１との相違点は、図１に示す加熱コイル３が発生する高周波電流あるいは高周波電圧と、電源電流との関係から被加熱物１の材質を判別し、その材質に合わせた加熱開始後、所定時間毎に温度検知手段４の出力から油温上昇率２９を求める。

そして、設定温度（Ｔａ）２２に到達するまでの間に、被加熱物１の材質毎に決められた所定の温度上昇値を超えると、被加熱物１の温度があらかじめ温まっていたと判定し、設定温度（Ｔａ）２２より低い温度である油温高温スタート設定温度（Ｔｂ）３０に到達した時点で加熱を停止するか、または、加熱を弱める。

これによって、最高温度到達点（Ａ）２４が、あらかじめ温まっていない被加熱物を加熱した場合に達する温度より高くなることを防ぎ、予熱完了報知時間（Ｌａ）２７の値が所定の設計値から外れずに正しい値となるように制御できるため、被加熱物の加熱開始時の状態に左右されずに、正確な予熱完了の事前報知を行うことが可能となる。

（実施の形態３）
次に、実施の形態３について説明する。実施の形態１と同一部分は説明を省略し、相違点のみ説明を行う。

実施の形態１との相違点は、図１に示す加熱コイル３が発生する高周波電流あるいは高周波電圧と、電源電流との関係から被加熱物１の材質を判別し、その材質に合わせた加熱開始後、所定時間毎に前記温度検知手段４の出力から油温上昇率２９を求める。

そして、設定温度（Ｔａ）２２に到達点するまでの間に、被加熱物１の材質毎に決められた所定の温度上昇値を下回ると、被加熱物１内に収容された油や調理物の量が所定の量よりも多い状態であると判定し、予熱完了報知時間（Ｌａ）２７を長く変更するため、この被加熱物の内容量に左右されない正確な予熱完了の事前報知を行うことが可能となる。

（実施の形態４）
次に、実施の形態４について説明する。実施の形態１〜３と同一部分は説明を省略し、相違点のみ説明を行う。

実施の形態１〜３との相違点は、図１示す時間設定手段１１により、図２に示す予熱完了事前報知時間（Ｌｂ）２８を使用者の好みに合わせて変更を行うことで、より使い勝手のよい事前報知を行う誘導加熱調理器を提供することが可能となる。

（実施の形態５）
次に、実施の形態５について説明する。実施の形態１〜４と同一部分は説明を省略し、相違点のみ説明を行う。

実施の形態１〜４との相違点は、図１示す報知手段１０により、出力される方法を予熱完了の予熱完了事前報知点（Ｂ）では、音声出力や文字表現出力のみとし、予熱完了報知点（Ｃ）と確実に区別ができるようにする。

例えば、ブザー音や光の点滅表示などは、それ自身では意味を成すものでなく、使用者がそれ専用に学習して区別がつくものであり、誤解を招く恐れがあるため、予熱完了の事前報知では、それ自身だけでは意味を成さない出力を省くことで、予熱完了前に調理を始
めて失敗する危険を回避できる事前報知を行う誘導加熱調理器を提供することが可能となる。

以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、加熱する鍋の材質、形状、及び油量や加熱開始時の温度や油温の違いによるそれぞれの加熱環境に合わせて予熱完了の報知時間をそれぞれ決定し、その決定された予熱報知時間を元に、ある設定された時間を遡った時点を予熱完了の事前報知点とすることで、様々な加熱環境に応じて精度よく予熱完了の事前報知を行うことができるので、加熱調理器の用途に有効である。

１被加熱物
２トッププレート
３加熱コイル
４温度検知手段
５商用交流電源
６インバータ回路
７制御手段
８温度設定手段
９表示手段
１０報知手段
２１油温度
２２設定温度（Ｔａ）
２３最高到達温度（Ｔｐ）
２４最高温度到達点（Ａ）
２５予熱完了事前報知点（Ｂ）
２６予熱完了報知点（Ｃ）
２７予熱完了報知時間（Ｌａ）
２８予熱完了事前報知時間（Ｌｂ）
２９油温上昇率
３０油温高温スタート設定温度（Ｔｂ）

Claims

被加熱物を載置するトッププレートと、前記被加熱物と磁気結合する加熱コイル、及び前記加熱コイルと共振する共振コンデンサを有する共振回路、並びに、オンオフすることにより前記共振回路に共振電流を発生するスイッチング素子を有し、商用電源から前記共振回路に電力を供給するインバータと、前記被加熱物の底面温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段から得られる温度が所定の制御温度となるように前記スイッチング素子の駆動信号を出力して前記加熱コイルの加熱出力を制御する制御手段と、前記所定の制御温度を設定できる温度設定手段と、前記温度設定手段の設定内容を表示する表示手段と、前記温度設定手段で設定された設定温度で調理を開始できる時点をブザーや光や音声、画面表示により予熱完了として報知する報知手段と、を備え、
前記制御手段は、所定の加熱出力で加熱を開始し、前記被加熱物の温度が前記設定温度を超えた後、前記被加熱物から熱伝導した油温が前記設定温度を超えた時点で、加熱を停止するか、または、加熱を弱めた後、前記被加熱物の温度が上昇から下降に変化する変曲点である最高温度到達点を求め、前記最高温度到達点の最高到達温度と前記設定温度との差が大きいと、調理を開始できる予熱完了報知点までの予熱完了報知時間を長く、また、逆に小さいと短い時間に変更し、その変更された前記予熱完了報知点からあらかじめ設定された予熱完了事前報知時間を遡った予熱完了事前報知点でブザーや光や音声、画面表示の前記報知手段により予熱完了の事前報知を行う誘導加熱調理器。
前記加熱コイルが発生する高周波電流あるいは高周波電圧と、電源電流との関係から前記被加熱物の材質を検出する材質検知手段を備え、
前記材質検知手段により前記被加熱物の材質を判別し、前記被加熱物の材質に合わせた加熱出力で加熱開始後、所定時間毎に前記温度検知手段の出力から温度上昇値を求め、前記設定温度に到達するまでの間に、前記被加熱物の材質毎に決められた所定の温度上昇値を超えると、前記被加熱物の温度があらかじめ温められていたと判定し、前記被加熱物から熱伝導した油温が前記設定温度より低い温度で、加熱を停止するか、または、加熱を弱め、前記最高温度到達点があらかじめ温められていない前記被加熱物を加熱した場合と同じ値となるように制御する請求項１に記載の誘導加熱調理器。
前記加熱コイルが発生する高周波電流あるいは高周波電圧と、電源電流との関係から前記被加熱物の材質を検出する材質検知手段を備え、
前記材質検知手段により前記被加熱物の材質を判別し、前記被加熱物の材質に合わせた加熱出力で加熱開始後、所定時間毎に温度検知手段の出力から温度上昇値を求め、前記設定温度に到達するまでの間に、前記被加熱物の材質毎に決められた所定の温度上昇値を下まわると、前記被加熱物内に収容された油や調理物の量が所定の量よりも多い状態であると判定し、調理を開始できる前記予熱完了報知点までの時間を前記所定の量の場合より長くする請求項１に記載の誘導加熱調理器。
前記予熱完了事前報知時間を使用者の好みに合わせて変更することができる請求項１〜３のいずれか１項に記載の誘導加熱調理器。
前記予熱完了事前報知点での前記報知手段を音声または文字出力のみとした請求項１〜４のいずれか１項に記載の誘導加熱調理器。