JP5877282B1 - プリント配線板用銅箔及び銅張積層板 - Google Patents

プリント配線板用銅箔及び銅張積層板 Download PDF

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【課題】回路パターン形成後の視認性が良好であり、常態ピール強度が高くかつ耐熱ピール強度が高水準で維持される配線板用銅箔及び銅張積層板を提供する。【解決手段】銅箔の少なくとも一表面に算術平均高さが0.05〜0.5μmである粗化粒子からなる粗化粒子層を有し、前記粗化粒子層の上に、少なくともニッケルと亜鉛を含み、亜鉛の前記粗化粒子層への付着量に対するニッケルの前記粗化粒子層への付着量の比(質量比)が0.5〜20の範囲内の拡散防止被覆を有する銅箔であって、前記一表面側から測定した波長600nmにおける拡散反射率(Rd)が5〜50%の範囲内及び彩度(C*)が30以下である銅箔と銅張積層板、及び特定の銅害防止剤を含むポリイミド樹脂層を該銅箔の前記一表面側に有する銅張積層板。【選択図】なし

Description

本発明は、配線板用の銅箔及び銅張積層板に関し、より詳しくは樹脂密着性と回路パターン形成後の樹脂透過視認性に優れる配線板用銅張積層板及びこれに使用する銅箔に関する。
各種電子機器類において基板や接続材料として配線板が用いられており、配線板の導電層には銅箔が一般的に使用されている。
上記配線板に採用される銅箔は一般的に圧延銅箔または電解銅箔の形で供給される。
配線板は、一般的には、電解銅箔などの銅箔とポリイミドなどの樹脂フィルムとを貼り合わせ、エッチングで回路パターンを形成する。回路パターンを形成された配線板は、その後の実装工程においては、回路パターン形成時に銅箔をエッチングして除去した箇所の樹脂フィルムを透かしてアライメントマーク等をカメラで認識し位置決めを行う場合がある。そのため、この樹脂フィルムを透過した光が拡散せず明瞭にカメラで認識できる樹脂透過視認性を有することが要求される。本明細書では以下、この樹脂透過視認性を単に「視認性」と表現する。
樹脂フィルムの視認性は一般的にヘイズ値(曇値)で表される。樹脂フィルムの全光線透過率(T)、拡散透過率(T)に対してヘイズ値は、下記式
(T/T)×100(%)
で表される。この値が小さいほど視認性が高い。視認性の評価には一般に波長600nmのヘイズ値が採用される。
樹脂フィルムの種類が同一であれば、樹脂フィルムのヘイズ値は表面形状に左右される。表面が荒れていると拡散透過成分が大きくなりヘイズ値は高くなるため、視認性を高くするには表面をある程度は平滑にする必要がある。
また、樹脂フィルムの表面形状は、貼り合せた銅箔の表面形状を転写する。そのため、平滑な樹脂表面を得るためには平滑な銅箔を使用することが必要になる。
一方、配線板としての使用に対しては、樹脂フィルムと銅箔の密着性が要求される。密着性向上のためには銅箔表面を粗くして接触表面積の増大及びアンカー効果を利用することが多い。そのため密着性の向上は、一方で視認性の悪化に繋がり、樹脂密着性と視認性との両立は困難であるとされている。
銅箔表面を粗くする方法(粗化処理)としては、銅箔上に粒状の銅めっきを施す(粗化めっき)ことが一般的である。その他にエッチングで表面を荒らす方法、銅以外の金属または合金めっきで粗化めっきを施すといった方法が用いられる。
特許文献1は、銅の粗化めっきを2種類施すことにより、一次粗化粒子の上により小さい二次粗化粒子を析出させることで樹脂との密着力を高めた電解銅箔を開示している。しかし、この電解銅箔は、表面が荒れすぎているために、密着性は優れるが視認性が低く、なお改良の余地があった。
特許文献2は、特殊な熱圧着で得られる多層ポリイミドフィルムを平滑な銅箔に特殊な条件で熱圧着した銅張積層板を開示している。しかし、この銅張積層板では、樹脂の構成及び銅張積層板の製法に制約が多く、ある特定の条件でのみ実現できる内容であるといえる。
また銅箔と樹脂フィルム密着性に関して、特にフレキシブルプリント配線基板(FPC)の基材として用いられるポリイミド樹脂との密着性に関しては、銅箔とポリイミド樹脂を積層した直後の密着強度(以後、常態ピール強度と呼称する。)の他に、長期信頼性の観点から長時間の熱負荷を加えた後のピール強度(以後、耐熱ピール強度と呼称する。)も重要である。
ポリイミド樹脂を基材としたプリント配線板の耐熱ピール強度は、150℃の大気雰囲気下で1000時間の熱負荷を加えた後に測定されることが一般的である。
上記の条件での熱負荷をプリント配線板に加えている最中に、銅箔表面の銅原子が銅イオンとなり、これが高分子樹脂を分解する現象(以後、銅害と呼称する。)が発生する。このため、一般的に耐熱ピール強度は常態ピール強度と比較して低い。
耐熱ピール強度の向上には、前述の粗化によるアンカー効果を向上する手段がある。しかし、粗化粒子を大きくしすぎると視認性が低下するので、アンカー効果の向上のみで耐熱ピール強度を向上させることには限界がある。
粗化によるアンカー効果向上の他に、特許文献3のように、粗化処理(粗化めっき)を施していない平滑な銅箔表面にニッケル及び亜鉛からなる銅以外の異種金属原子層(以後、拡散防止層と呼称する。)を形成して、銅の熱拡散による樹脂の劣化を防ぎ、ピール強度の向上を行うことが知られている。この手法のみでは、150℃で50時間という低い熱履歴ではピール強度がある一定以上の値が保たれる。しかし、銅箔が平滑であるが故にアンカー効果はほとんど得られないので、150℃で1000時間という高熱負荷の試験後にピール強度を高水準に保つことは困難である。また特許文献3では、ニッケル及び亜鉛を多く付着させて処理するものであり、銅箔のエッチング性が犠牲になる。加えて、ニッケル及び亜鉛の処理に用いるめっき液からの金属成分の持ち出し量が多くなり、製造コストの面から見ても不利になる。
耐熱試験中の樹脂への銅害を防止するため、銅害防止剤を樹脂中に添加する手法がある。銅害防止剤により、銅イオンをキレート化することによって、銅イオンを不活性化し、過酸化物が接触分解してオキシラジカルを発生させるのを抑制することができる。すなわち、銅害防止剤の添加により、高分子材料が酸化劣化するのを抑制できる。具体的には、銅害防止剤としては、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
しかしながら表面凹凸が小さく視認性に優れる銅箔を用いたFPCにおいて、FPCの耐熱試験条件である150℃で1000時間という厳しい熱負荷では、銅害防止剤の添加のみで耐熱ピール強度の劣化を防ぐことは困難である。
特開平11−340596号公報 特開2011−119759号公報 特許4090467号公報
本発明は、回路パターン形成後の視認性が良好であり、常態ピール強度が高くかつ耐熱ピール強度が高水準で維持される配線板用銅箔及び銅張積層板を提供することを課題とする。
本発明者らは、銅箔の一表面に視認性を低下させない範囲の凹凸高さを有する粗化処理を行って特定の粒子高さの、純銅で構成された粗化粒子層を形成するとともに、前記表面に、少なくともニッケル及び亜鉛を含んで構成される特定のニッケル/亜鉛付着量比の拡散防止被覆を有し、かつ、粗化処理を施した銅箔の前記一表面側の拡散反射率及び彩度を所定の範囲に制御することによって、高耐熱ピール強度と高視認性が実現されることを見出した。ここで拡散反射率とは、物体表面に入射した光束に対する拡散反射(乱反射)した光束の比をいい、物体表面の凹凸の程度を判定する指標となる。また、彩度とは色の三属性の1つで、色の鮮やかさの尺度である。また本発明者らは、絶縁層として使用されるポリイミド樹脂層にシュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体、トリアゾール類から選ばれる少なくとも1種類以上の銅害防止剤を含有させることで、耐熱ピール強度がさらに向上した全く新しい銅張積層板が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。
(1)銅箔の少なくとも一表面に算術平均高さが0.05〜0.5μmである粗化粒子からなる粗化粒子層を有し、前記粗化粒子が純銅からなり、前記粗化粒子層の上に、少なくともニッケルと亜鉛を含み、亜鉛の前記粗化粒子層(表面)への付着量に対するニッケルの前記粗化粒子層への付着量の比(質量比)が0.5〜20の範囲内の拡散防止被覆を有する銅箔であって、前記一表面側から測定した波長600nmにおける拡散反射率(R)が5〜50%の範囲内及び彩度(C)が30以下であることを特徴とする銅箔。
(2)(1)項に記載の銅箔を有することを特徴とする銅張積層板。
(3)シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体、及びトリアゾール類から選ばれる少なくとも1種の銅害防止剤を含むポリイミド樹脂層を、(1)項に記載の銅箔の前記一表面側に有する銅張積層板。
本発明により、回路パターン形成後の視認性と樹脂密着性の両者に優れるプリント配線板用銅箔及び銅張積層板を提供することができる。
本発明における粗化粒子高さの測定法を説明する図である。
本発明の銅箔は、その少なくとも一表面に算術平均高さが0.05〜0.5μmである粗化粒子からなる粗化粒子層を有するとともに、前記粗化粒子層の上に、少なくともニッケルと亜鉛を含み、亜鉛の表面への付着量に対するニッケルの表面への付着量の比(質量比)が0.5〜20の範囲内の拡散防止被覆を有する銅箔であって、前記一表面側から測定した波長600nmにおける拡散反射率(R)が5〜50%の範囲内及び彩度(C)が30以下であることを特徴とする。
本発明の銅箔は、プリント配線板に好適に用いることができる。
樹脂フィルムの全光線透過率は、樹脂の種類及び厚さによっておおよそ定まり、樹脂表面形状によって少しは変化するもののその変化の程度は小さい。そのため、視認性を評価するヘイズ値は拡散透過率に大きく影響される。樹脂の拡散透過率はその表面形状に大きく影響される。樹脂の表面形状は銅箔の表面形状を転写したものとなる。そのため、銅箔の形状が樹脂の拡散透過率に大きく影響する。
銅箔表面の波長600nmにおける拡散反射率が50%より大きいと、転写された表面形状を持つ樹脂は拡散透過率が上昇し、密着力は優れるが視認性が悪くなる。一方、拡散反射率が5%より小さいと、極めて良好な光沢を持つ銅箔表面となるが、平滑すぎるために視認性は優れるが樹脂との密着性は低下する。
色を、明度指数Lとクロマネティクス指数a、bから成る均等色空間上の座標で表わした、CIE L表色系において、彩度(C)は式(1)で算出される。彩度が低いほど灰色な表面になる。彩度が高い表面は反射率が波長によって大きく異なり、反対に彩度が低い表面は分光反射率が平坦である。
式(1)
銅箔表面の色相は、表面処理によって大きく異なる。しかしヘイズ値は一般的に波長600nmの値を評価に使用する。
ヘイズ値の評価が一般的に波長600nmの値を採用することに注目した本発明者らは、彩度(C)が30以下、つまり彩度が低いことでどの色相の表面においても波長600nmの反射率は一定以上に保たれ、このような表面を有する銅箔は、表面を転写した樹脂フィルムの視認性に優れることを見出した。
また銅箔の表面から視認性が決定されるために、樹脂の種類、樹脂の製法、配線板の製法等に左右されにくいことを見出した。
本発明のプリント配線板に用いる銅箔は、ポリイミド樹脂からなる絶縁層と接する側の銅箔の少なくとも一表面上に形成された粗化処理層における粗化粒子の算術平均高さが0.05μm〜0.5μmである。0.05μmより低いと初期ピール強度及び耐熱ピール強度が低下する。0.5μmより高いと視認性が低下する。
粗化処理層の形態をまとめると、表1のようになる。
本発明で規定する銅箔の断面形状は表1の形状1に相当する。
これに対して、形状2〜5は、本発明の規定範囲外の形状を示す。
形状2のように粗化粒子高さが形状1と同じ範囲であっても、最表面がなだらかになると、拡散反射率及び彩度は本発明の規定を超える。加えて、表面凹凸によるアンカー効果が少ないので密着性が低下する。
形状3のように粗化粒子高さが形状1と同じ範囲でも粗化粒子が細くなると、拡散反射率が本発明の規定未満となる。視認性は良いが、粗化粒子が脱落しやすくなり(粗化粒子が根元で折れ易くなるため)密着性が低下する。
形状4のように粗化粒子高さが高いと、拡散反射率及び彩度が本発明の規定を超える。粗化粒子が大きいのでアンカー効果が大きく密着性は満足するが、銅箔エッチング後の樹脂の視認性は悪くなる。
形状5のように粗化粒子高さが小さいと拡散反射率が本発明の規定未満となる。凹凸が小さい分アンカー効果が小さいので、密着性が低下する。
本発明のプリント配線板に用いる銅箔は、ポリイミド樹脂からなる絶縁層と接する側の銅箔表面上に、少なくともニッケル及び亜鉛を含んで構成され、かつ亜鉛の表面への付着量に対するニッケルの表面への付着量の比(Ni/Znの質量比)が0.5〜20の範囲内の拡散防止被覆を有する。付着量比が20より高いと銅箔をエッチングする際の障害となり、配線の短絡を生じる。付着量比が0.5より低いと、銅の拡散を防止する効果が低下し、耐熱ピール強度の低下を招く。
ここで、前記拡散防止被覆は、銅箔の前記表面の全面に行ってもよく、あるいは、その一部に行ってもよい。前記銅箔表面の一部を拡散防止被覆する場合は、被覆率が50%以上であることが好ましい。ここで、被覆率とは銅箔の前記表面の全面積を100%とした場合の、被覆面積の割合をいう。
銅箔に積層するポリイミド樹脂としては、市販のポリイミドフィルムをそのまま使用することも可能である。絶縁層としてのポリイミド樹脂層の厚さや物性のコントロールのし易さの観点からは、ポリアミド酸溶液を銅箔上に直接塗布した後、熱処理により乾燥、硬化する所謂キャスト(塗布)法によって生成させたポリイミド樹脂が好ましい。ポリイミド樹脂は、単一層から形成されるものでもよい。ポリイミド樹脂と銅箔との接着性等を考慮すると、複数層からなるポリイミド樹脂層とすることが好ましい。ポリイミド樹脂層を複数層とする場合、あるポリアミド酸溶液の上に異なる構成成分からなるポリアミド酸溶液を順次塗布して形成することができる。
上記ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸溶液は、常法に従って、任意のジアミンと任意の酸二無水物とを溶媒の存在下で重合して製造することができる。この溶媒としては、常法に従って任意の溶媒を用いることができる。
ポリイミド樹脂の原料として用いられるジアミンとしては、例えば、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノメシチレン、4,4’−メチレンジ−o−トルイジン、4,4’−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4’−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、2,4−トルエンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3’−ジアミノ−p−テルフェニル、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、ピペラジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,7−ジアミノジベンゾフラン、1,5−ジアミノフルオレン、ジベンゾ−p−ジオキシン−2,7−ジアミン、4,4’−ジアミノベンジルなどが挙げられる。
また、ポリイミド樹脂の原料として用いられる酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’,4,4’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’’,3,3’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’’,4’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−2,3,8,9−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−4,5,10,11−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−5,6,11,12−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
本発明のプリント配線板に用いるポリイミド樹脂からなる絶縁層は、銅害防止剤としてシュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体、及びトリアゾール類から選ばれる少なくとも1種類以上を含むポリイミド樹脂で構成されることが好ましい。
本発明に用いられる銅害防止剤は、2,2’−オキサミド−ビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)プロピオネート]等のシュウ酸誘導体、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール等のサリチル酸誘導体及びトリアゾール類、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン等のヒドラジド誘導体、等を使用することができる。これらの銅害防止剤を単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。また、あらかじめ複数の銅害防止剤等が混合されている市販の銅害防止剤としては、アデカスタブZS−27(商品名、(株)ADEKA製)などを使用することもできる。
その中でも、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール等のサリチル酸誘導体及びトリアゾール類を用いた場合に本発明の効果がより顕著となる。
銅害防止剤の添加量は、ベース樹脂であるポリイミド樹脂100質量部に対して、0.05〜5.0質量部が好ましい。銅害防止剤の添加量が少なすぎると所望の効果が得られず、また、多すぎると銅害防止剤が樹脂表面にブルームする問題やコスト上昇などの問題が生じるようになるからである。
また、本発明では上記の銅害防止剤の他に、市販の高分子材料に使用される酸化防止剤を併用することもできる。銅害防止剤と酸化防止剤を併用することで高分子材料の酸化劣化をより効果的に抑制することができる。本発明で用いられる酸化防止剤とは、高分子材料の酸化劣化途中に生じた過酸化物を分解し、その後の自動酸化のサイクルを停止するような機能を持つものである。
具体的には、本発明に係るポリイミド樹脂と銅害防止剤からなる組成物には、必要に応じて、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等の酸化防止剤を併用することができる。
前記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、イルガノックス1010(商品名:Irganox 1010、物質名:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス1076(商品名:Irganox 1076、物質名:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス1330(商品名:Irganox 1330、物質名:3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−t−ブチル−α,α’,α’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス3114(商品名:Irganox 3114、物質名:1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス3790(商品名:Irganox 3790、物質名:1,3,5−トリス((4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス1035(商品名:Irganox1035、物質名:チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス1135(商品名:Irganox1135、物質名:ベンゼンプロパン酸 3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシのC7−C9側鎖アルキルエステル、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス1520L(商品名:Irganox1520L、物質名:4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス3125(商品名:Irganox 3125、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス565(商品名:Irganox565、物質名:2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3’,5’−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、BASFジャパン(株)製)、アデカスタブAO−80(商品名:ADK STAB AO−80、物質名:3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、(株)ADEKA製)、スミライザーBHT(商品名:Sumilizer BHT、住友化学(株)製)、スミライザーGA−80(商品名:Sumilizer GA−80、住友化学(株)製)、スミライザーGS(商品名:Sumilizer GS、住友化学(株)製)、シアノックス1790(商品名:Cyanox 1790、(株)サイテック製)及びビタミンE(例えば、エーザイ(株)製)などが挙げられる。
上記フェノール系酸化防止剤の含有量は、ベース樹脂であるポリイミド樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部である。
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、イルガフォス168(商品名:Irgafos 168、物質名:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、BASFジャパン(株)製)、イルガフォス12(商品名:Irgafos 12、物質名:トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、BASFジャパン(株)製)、イルガフォス38(商品名:Irgafos 38、物質名:ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステル亜りん酸、BASFジャパン(株)製)、アデカスタブ329K(商品名、(株)ADEKA製)、アデカスタブPEP36(商品名、(株)ADEKA製)、アデカスタブPEP−8(商品名、(株)ADEKA製)、Sandstab P−EPQ(商品名、クラリアント社製)、ウェストン618(商品名:Weston 618、GE社製)、ウェストン619G(商品名:Weston 619G、GE社製)、ウルトラノックス626(商品名:Ultranox 626、GE社製)及びスミライザーGP(商品名:Sumilizer GP、物質名:6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン)(住友化学(株)製)などが挙げられる。
上記リン系酸化防止剤の含有量は、ポリイミド樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部である。
前記硫黄系酸化防止剤としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類、及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
上記硫黄系酸化防止剤の含有量は、ポリイミド樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部用いられる。
銅害防止剤をポリイミド樹脂中に含有させることによって、耐熱ピール強度をさらに向上させることができるので好ましい。
以下本発明の一実施形態につき詳細に説明する。
使用する本発明の銅箔は、ポリイミド樹脂と積層させる面(積層前に、粗化処理を含む以下に述べる各種の処理を行う面)が、後述する処理前の時点で光沢度が10以上であることが好ましい。使用前の未処理銅箔の光沢度は、無光沢箔で0〜30程度、光沢箔で100〜500程度であり、光沢度が10未満の表面形状では、粗化処理後に十分な視認性を得ることが難しくなるためである。
所望の表面光沢を有する銅箔は、以下の条件で作製することが可能である。以下、電解銅箔を例に説明する
〔電解銅箔製造条件〕
3−メルカプト1−プロパンスルホン酸ナトリウム:0.5〜3.0ppm
ヒドロキシエチルセルロース:2〜20ppm
膠(分子量=3000):1〜10ppm
Cu:40〜150g/L
SO:60〜160g/L
液温:40℃〜60℃
電流密度:30〜90A/dm
上記銅箔の少なくとも片面(電解銅箔の場合はM面(Matte面)またはS面(Shiny面)の少なくとも一方の面(好ましくはM面)、圧延銅箔の場合は圧延面の少なくとも一方の面)に粗化処理を行う。無粗化の状態の銅箔では、視認性と樹脂密着性を両立することは難しい。以下に述べる後処理で箔表面を適切な状態に調整することが重要となる。
粗化処理の代表例の一つに、電気めっきにより微細な粒状の純銅を銅箔表面に形成する純銅(Cu)系粗化めっきがある。純銅系粗化めっきには硫酸銅めっき液を用いる。粗化めっき液の硫酸濃度は50〜250g/Lが好ましく、特に70〜200g/Lが好ましい。硫酸濃度が低すぎると導電率が低く、粗化粒子の電着性が悪くなる。硫酸濃度が高すぎると設備の腐食が促進される。
純銅系粗化めっき液の銅濃度は6〜100g/Lが好ましく、特に10〜50g/Lが好ましい。銅濃度が低すぎると粗化粒子の電着性が悪くなる。銅濃度が高すぎると粒子状にめっきするにはより大電流が必要になり、設備上も現実的でない。
もう一つの粗化処理の代表例として、電気めっきにより微細な粒状のCu−Co−Ni合金を銅箔表面に形成する合金系粗化めっきがある。Cu−Co−Ni合金めっきは、電気めっきにより、付着量が5〜15mg/dmの銅−20〜90μg/dmのコバルト−100〜900μg/dmのニッケルであるような3元系合金層を形成するように実施することができる。Co付着量が低すぎると、耐熱試験後のピール強度が低下することがある。Co付着量が高すぎると、エッチング残渣が発生しやすくなるので好ましくない。Ni付着量が低すぎると、耐熱試験後のピール強度が低下することがある。他方、Ni付着量が高すぎると、エッチング残渣が発生しやすくなるので好ましくない。より好ましいCo付着量は30〜80μg/dmであり、より好ましいニッケル付着量は200〜400μg/dmである。
Cu−Co−Ni合金系粗化めっき液の銅濃度は2〜10g/L、コバルト濃度は20〜40g/L、ニッケル濃度は20〜40g/L、硫酸濃度は50〜250g/Lとすることが好ましい。銅、コバルト及びニッケル濃度が前述の範囲未満となると、粗化粒子の電着性が悪くなり、前述の範囲を超えると粒子状にめっきするにはより大電流が必要になり、設備上も現実的でない。
純銅系及びCu−Co−Ni合金系粗化めっきする電流密度は共に5〜120A/dmが好ましく、特に25〜100A/dmが好ましい。電流密度が低すぎると処理に時間を要するために生産的でない。電流密度が高すぎると粗化粒子の電着性が悪くなる。
粗化処理後の粗化粒子の脱落を防止するため、粗化粒子層の表面に薄い銅の平滑めっき(被せめっき)を行ってもよい。この時の液組成は銅濃度が40〜200g/L、硫酸濃度が70〜200g/Lで、電流値を0.4〜20A/dm、液温を40〜60℃、処理時間を1〜10秒間とすることが好ましい。
本発明で用いる粗化条件では、「粗化めっき」部分において、形成される粗化粒子の高さが優先的に変化する傾向にある。一方、「被せめっき」部分において、粗化粒子の幅が優先的に変化する傾向にある。また、被せめっきは粗化粒子間の谷を埋める働きもあるので、被せめっきをかけすぎると粗化粒子高さが減少しすぎる場合もある。この二種類のめっきを適宜制御することで、用途に応じた粗化粒子の形状が制御可能である。例えば粗化めっき電気量が小さく被せめっき電気量が大きい条件であれば、粗化粒子は裾が大きいなだらかな形状となる(例えば、前記表1に示した形状2)。逆に粗化めっき電気量が大きく被せめっき電気量が小さい条件であれば、粗化粒子が細長い形状となる(例えば、前記表1に示した形状3)。また粗化めっき液の銅濃度に関しては、濃度が濃いと粗化粒子形状がなだらかになり(例えば、前記表1に示した形状2)、薄いと細長い粗化粒子が高密度に形成される(例えば、前記表1に示した形状3)傾向にある。
また、粗化めっき以外の手法により粗化処理を行ってもよい。例としては、エッチング処理によるもの、酸化剤または雰囲気調整により箔表面を酸化させ表面を荒らすもの、酸化させた表面を再還元することで表面を荒らすもの、及びこれらを組み合わせた処理によるものなどが挙げられる。
次に、電解銅箔の少なくとも粗化処理した方の片面にPRパルス電解による処理を行う。PRパルス電解を施すことで粗化粒子の溶解、析出が繰り返され、粗化粒子の小型化、粗化粒子数の増大、粗化粒子表面の平滑化などが行われ、視認性を向上する粗化粒子形状となる。
PRパルス電解処理に用いる電解液は、前述の純銅系粗化めっき液及びCu−Co−Ni合金系粗化めっき液を用いることが好ましい。また純銅系粗化処理を行ったものはPRパルス電解処理も純銅系粗化めっき液を用い、Cu−Co−Ni合金系粗化処理を行ったものはPRパルス電解処理もCu−Co−Ni合金系粗化めっき液を用いることで、使用する液の種類が少なくなり、めっき液の管理が容易になるメリットがある。
PRパルス電解の順電解時間および逆電解時間は50〜500ミリ秒の範囲が好ましい。この時間が短すぎると、PRパルス電解の効果が現れにくく、長すぎると粗化粒子がより粗大化する恐れがある。
PRパルス電解の順電流密度は0.5〜10A/dmが好ましい。この順電流密度が小さすぎるとパルス1回あたりの析出量が小さく、表面形状への効果が得られにくい。大きすぎると電着性が悪くなる。
逆電流密度は1〜20A/dmが好ましい。またこの範囲内であっても順電流密度に対して大きく下回る、または上回るような条件は好ましくない。PRパルス電解の条件は、それぞれの項目が密接に影響しあうために総合的に判断して条件を決定する。
更に必要に応じて、後処理としてアルカリ浸漬処理を行う。この処理は、製箔用添加剤等の表面汚染物の残渣の除去や粗化粒子表面の平滑化を目的として行う。アルカリ溶液としてはNaOH水溶液を使用する。NaOH濃度は10〜60g/Lの範囲が好ましい。溶液温度は20〜50℃、浸漬時間は5〜50秒が好ましい。
粗化処理をした後に、粗化粒子を覆うニッケル及び亜鉛の拡散防止被覆を行う。本発明では下記条件でニッケル→亜鉛連続電気めっきまたはニッケル/亜鉛合金電気めっき法を用いることが好ましい
〔ニッケル→亜鉛連続電気めっき〕
・ニッケルめっき浴
NiSO・6HO:45g/L〜450g/L
BO:10g/L〜50g/L
pH:3.0〜4.5
浴温:30℃〜60℃
電流密度:0.1A/dm〜2.0A/dm
めっき時間:2秒〜30秒
・亜鉛めっき浴
ZnSO・7HO:3g/L〜100g/L
NaOH:20g/L〜80g/L
浴温:20℃〜40℃
電流密度:0.1A/dm〜2.0A/dm
めっき時間:2秒〜30秒
〔ニッケル/亜鉛合金電気めっき〕
NiSO・6HO:45g/L〜450g/L
ZnSO・7HO:3g/L〜100g/L
(NHSO:3g/L〜30g/L
pH:4.0〜6.0
浴温:30℃〜50℃
電流密度:0.1A/dm〜2.0A/dm
めっき時間6秒〜60秒
上記電解銅箔の少なくとも片方の面(好ましくは、前記粗化処理と拡散防止被覆を行った側の銅箔表面)には、更に表面処理を施してもよい。具体的には密着性、耐薬品性、防錆を目的とした表面処理が挙げられる。表面処理の内、金属表面処理に用いる処理剤としてはCr、Si、Co、Moの単体または水和物が挙げられる。合金表面処理としては、Si、Co、Moの少なくとも1種類の金属または1種類以上の金属を含有する合金を付着させた後、Crを付着させる。
上記金属表面処理または合金表面処理を施す(当該金属または合金を付着させる)めっき液とめっき条件の一例を下記に示す。
〔Mo−Coめっき〕
NaMoO・2HO 1〜30g/L
CoSO・7HO 1〜50g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物 30〜200g/L
電流密度 1〜50A/dm
浴温 10〜70℃
処理時間 1秒〜2分
pH 1.0〜4.0
〔Crめっき〕
CrO 0.5〜40g/L
浴温 20〜70℃
処理時間 1秒〜2分
電流密度 0.1〜10A/dm
pH 1.0〜4.0
前記拡散防止被覆に含有される及び前記表面処理によって粗化処理後の銅箔表面上に付着されるNiやMo等は、エッチング性を悪くする金属である。従って、これらの金属については表面への付着量を1mg/dm以下とすることが好ましい。また、Znについては表面への付着量が多すぎるとエッチング時に溶けてピール強度の劣化の原因になることがあるため0.2mg/dm以下であることが好ましい。また、いずれもこの程度の付着量であれば、上記表面処理後の電解銅箔粗化面の形状及び表面の色(外観)を大きく損なうことはない。
ピール強度向上のために、これら金属表面処理が施された表面上を、シランカップリング剤で処理(シランカップリング処理)することが好ましい。シランカップリング剤としては一般的に使用されているアミノ系、ビニル系、イソシアネート系、エポキシ系が挙げられるが、本発明においてはその種類は特に限定されない。
本発明の銅張積層板においては、銅箔とポリイミド樹脂層の積層には、接着剤の使用や熱圧着が不要である。銅箔の一表面上に粗化粒子層を設けて、この上にさらに前記特定のNi/Zn比を有する拡散防止被覆を行い、さらにその表面を金属表面処理または合金表面処理、クロメート処理及びシランカップリング処理、必要に応じて後処理としてアルカリ浸漬処理することで、銅箔のポリイミド樹脂層との密着性を担保することができる。
本発明の銅箔として圧延銅箔の場合には、タフピッチ銅箔、銅銀合金箔(Cu−Ag0.02〜0.03質量%)など任意のものを用いることができる。圧延銅箔に対しても、前述の電解銅箔の場合と同様に、各種の処理を施してから、ポリイミド樹脂と積層する。
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜13、比較例1〜12
<銅箔の調製>
M面(Matte面)の光沢度が230、S面(Shiny面)の光沢度が100である下記の電解銅箔製造条件で製造した電解銅箔(厚さ12μm)を準備した(以下、この銅箔の種類を「電解」と略記する。)。これとは別に圧延銅箔(タフピッチ銅、アズロール箔(as rolled foil))(厚さ12μm)も準備した(以下、この銅箔の種類を「圧延」と略記する。)。
〔電解銅箔製造条件〕
3−メルカプト1−プロパンスルホン酸ナトリウム:0.5〜3.0ppm
ヒドロキシエチルセルロース:2〜20ppm
膠(分子量=3000):1〜10ppm
Cu:40〜150g/L
SO:60〜160g/L
浴温:40℃〜60℃
電流密度:30〜90A/dm
これらの各銅箔を常法に従って脱脂、酸洗した後、下記に記載の条件で銅箔の片面に(電解銅箔ではマット面側に)純銅系又は合金系粗化処理を行い、次いで被せめっき処理を行った。純銅系及び合金系粗化めっき液の温度はともに25℃とした。
被せめっき液の銅濃度は70g/L、硫酸濃度は110g/L、液温は50℃とした。
その他の詳細な条件は表2に示す。「粗化めっき処理」と「被せめっき処理」の条件を、表2に示したように適宜制御することで、粗化粒子の形状を制御した。
一部の被せめっき後の試料の粗化処理面側に、粗化めっき液と同じ組成のめっき液を用いPRパルス電解処理を行った。パルス順電解(350ミリ秒)、パルス逆電解(100ミリ秒)、パルス電解停止(200ミリ秒)の順に、所定の時間この処理を繰り返し行った。その他の詳細な条件は表2に示す。
前記粗化めっきと被せめっき及びPRパルス電解処理を施した各銅箔にアルカリ浸漬処理を実施した。処理液はNaOHを40g/Lとし、液温を50℃とし、処理時間は32秒間とした。
アルカリ浸漬処理後の銅箔の粗化処理面上に、拡散防止被覆(下記のニッケル→亜鉛連続電気めっき)、表面防錆処理(下記のCrめっき処理)及びシランカップリング処理をこの順で行った。シランカップリング剤にはアミノ系(信越化学製、商品名:KBM−903)を用い、濃度0.2質量%の水溶液に調製し、銅箔に塗布及び乾燥(120℃)を行ってシランカップリング処理を施した。
〔ニッケル→亜鉛連続電気めっき〕
・ニッケルめっき浴
NiSO・6HO:45g/L〜450g/L
BO:10g/L〜50g/L
pH:3.0〜4.5
浴温:30℃〜60℃
電流密度:0.1A/dm〜2.0A/dm
めっき時間:2秒〜30秒
・亜鉛めっき浴
ZnSO・7HO:3g/L〜100g/L
NaOH:20g/L〜80g/L
浴温:20℃〜40℃
電流密度:0.1A/dm〜2.0A/dm
めっき時間:2秒〜30秒
〔Crめっき〕(クロメート処理)
CrO 0.5〜40g/L
浴温 20〜70℃
処理時間 1秒〜2分
電流密度 0.1〜10A/dm
pH 1.0〜4.0
<ポリイミド樹脂の調製>
〔ポリアミド酸の合成〕
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れ、さらに、この反応容器に2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を投入して容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、ピロメリット酸二無水物(PMDA)を、前記ジアミン(BAPP)と酸二無水物(PMDA)とが約1:1のモル比、かつ、これらの合計量であるモノマーの投入総量が12質量%となるように投入した。
前記調製したポリアミド酸100質量部に対して、下記の銅害防止剤の1種を0.2質量部加えたポリアミド酸も同様に作製した。
銅害防止剤1:サリチル酸誘導体・トリアゾール類(商品名:アデカスタブCDA−1、(株)ADEKA製)
物質名:3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール
銅害防止剤2:シュウ酸誘導体(商品名:Naugard XL−1、Addivant製)
物質名:2,2’−オキサミド−ビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)プロピオネート]
銅害防止剤3:ヒドラジド誘導体(商品名:イルガノックスMD1024、BASFジャパン(株)製)
物質名:N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン
各銅箔の前記シランカップリング処理まで施した表面上に、前記銅害防止剤を含有したもしくは銅害防止剤を含まないポリアミド酸溶液を、硬化後に生成されるポリイミド樹脂の厚みが2.5μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次に、この塗布面側に銅害防止剤を含まないポリアミド酸溶液を硬化後に生成されるポリイミド樹脂の厚みが20.0μmとなるように均一に塗布し、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、この塗布面側に第1層目で塗布したものと同じ(前記銅害防止剤を含有したもしくは銅害防止剤を含まない)ポリアミド酸溶液を硬化後に生成されるポリイミド樹脂の厚みが2.5μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。この長尺状の各銅箔を130℃から開始して300℃まで段階的に温度が上がるように設定した連続硬化炉にて、合計6分程度の時間をかけて熱処理し、各ポリアミド酸のイミド化を行って、生成した全3層からなるポリイミド樹脂層の合計厚みが25μmの銅張積層板を得た。
作製した各実施例、各比較例の銅箔について、各特性を表3に示す。
各実施例、各比較例において、各特性の測定は、以下の方法で行った。
(1)拡散反射率の測定
測定には、日本分光製 紫外可視分光光度計V−660(商品名、積分球ユニット)を使用した。ポリイミド樹脂に張り付ける前の銅箔の粗化処理面に対して垂直に測定光を入射し拡散反射率(Rd)を測定した。いずれも波長600nmのときの値を評価に使用した。
(2)表面色(彩度(C))の測定
測定には、日本分光製 紫外可視分光光度計V−660(商品名、積分球ユニット)を使用した。波長870〜200nmの間でポリイミド樹脂に張り付ける前の銅箔の粗化処理面の全光線分光反射率を測定した。そのスペクトルから、測定機付属ソフトウェアによりL、a、bを算出した。Cは前記式1によりaとbから算出した。
(3)粗化粒子高さの測定
作製した各銅張積層版を樹脂埋めし、断面出しを行った後にFE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)(日立ハイテク製、商品名:SU8020)を用い50000倍で観察した。5μm角の視野中から無作為に選択した十個の粗化粒子の高さを測定し、その算術平均値を粗化粒子高さとした。粗化粒子高さの測定法の詳細を図1に示す。すなわち、
[1] 断面出しの際に切断された粗化粒子(図示したSEM写真中で最も手前側に見えている粗化粒子)の付け根二点と、粗化粒子の高さが最も高い点を結んだ三角形を描く。50000倍の観察では5μmの視野角を観察しきれず、条件によっては10個の粗化粒子を観察することができない場合があるので、その場合には、撮影箇所の異なる断面SEM画像を2〜3枚用いて算術平均高さを求める。
[2] [1]で描いた三角形について、粗化粒子の高さが最も高い点を頂点、粗化粒子の付け根を結んだ線を底辺とした場合の三角形の高さを測り、これを粗化粒子高さとする。その算術平均高さを求めて、粗化粒子高さとする。
(4)元素付着量比の測定
ICP発光分析装置(島津製作所製、商品名:ICPS−7000)を用い、ポリイミド樹脂に貼り付ける前の銅箔の粗化処理面のニッケル及び亜鉛付着量を、JIS K 0553−2002の規格に準じた手法で測定した。合金系粗化処理品のNi付着量は、粗化粒子を構成するNi及び拡散防止層を構成するNiの付着量の合計を測定した。測定された付着量から、Ni/Zn付着量比(質量比)を算出した。
各実施例、各比較例の銅箔の性能評価は、以下の方法で行った。
(5)フィルム視認性評価
前記の各実施例、各比較例で作製した銅張積層板に対して、塩化銅エッチング液で銅箔を全て溶解させ、片面側に銅箔表面が転写されたポリイミドフィルムを作製した。
測定には、日本分光製 紫外可視分光光度計V−660(商品名、積分球ユニット)を使用し、光源は波長600nmの単色光を用い、その他の測定条件はJIS K 7136−2000に準拠した。ポリイミドフィルムの銅箔表面凹凸が転写された面に対して垂直に測定光を入射し、その透過光が積分球に入るようにした。入射光の光軸と積分球内壁が交差する箇所に積分球内壁と同様の標準反射板を設置したときの透過率が全光線透過率(T)であり、同箇所にトラッピングを設置し垂直に透過してきた光を積分球の外に出し除外した上で測定したときの透過率が拡散透過率(T)である。測定結果を表4に記載した。
(T/T)×100(%)をヘイズ値として算出した。
視認性の評価としては、ヘイズ値<40(%)のときを「優(A)」、40≦ヘイズ値<80(%)のときを「良(B)」、80(%)≦ヘイズ値のときを「劣(E)」とした。視認性評価Eのものは、プリント配線板用途としては適さない程度の劣った視認性であり、視認性評価Bのものはプリント配線板用途として適する程度の良好な視認性である。BからAの順に視認性が高くなり、視認性評価Aであればより好ましい視認性である。ヘイズ値を表4に併せて記載した。
(6)銅箔/樹脂間のピール強度の測定
銅箔とポリイミド樹脂層との密着性の尺度として、常態ピール強度及び耐熱ピール強度を以下のように測定した。前記の各実施例、各比較例で作製した銅張積層板の耐熱試験(150℃の大気中で1000時間の熱処理)前後の試料を使用して、銅箔部を10mm巾テープでマスキングし塩化銅エッチングを行った後でテープを除去して10mm巾のサンプルを作製し、JIS C 6481−1996の規格に従って常態ピール強度及び耐熱ピール強度を測定した。
常態ピール強度及び耐熱ピール強度の双方が1.0kN/m以上のときを「(A)」とし、どちらか一方のピール強度が1.0kN/m未満0.8kN/m以上のときを「(B)」とし、どちらか一方のピール強度が0.8kN/m未満0.5kN/m以上のときを「(C)」とし、どちらか一方のピール強度が0.5kN/m未満のときを「(D)」とした。結果を表4に併せて記載した。
(7)視認性と密着性の総合評価
上記(5)及び(6)の結果から、以下の基準に基づいて総合評価を行った。結果を表4に併せて記載した。
視認性、密着性の一つでも評価又はE評価のもの:
密着性評価に評価があり、かつ視認性がE評価で無いもの:
認性、密着性の少なくとも一方がB評価で、かつD評価及びE評価が無いもの: B
両方の評価項目でA評価であるもの: A
実施例1〜13は全て総合評価がC、B、Aであり、実用上問題のないレベルであると言える。銅箔表面の粗化の形状に関しても、断面観察の結果より全て本発明の規定を満たし、表1の形状1で示される形状となっていた。
施例1と実施例12の比較で、銅害防止剤を含むものの方が耐熱ピール強度は高く、より好ましいことが分かる。実施例1と実施例9の比較で、Rdはより好ましくは24%以上が良いことが分かる。実施例1〜6と実施例7〜11を比較すると、純銅系粗化処理で銅害防止剤を使用したものの中でも、Rdが24〜38%、Ni付着量比が5.6〜20%の方がより好ましいことが分かる。実施例1と実施例13とは同等の粗化粒子高さであったにもかかわらず、実施例13の方がヘイズ値が高く視認性に劣るが、圧延銅箔特有のオイルピットによる凹凸によるものと考えられ、電解銅箔を用いる方が好ましいことが分かる。
これに対して、各比較例は、いずれも劣った性質を示した。
比較例1はR、C及び粗化粒子高さがいずれも本発明の規定より高く、断面観察を行うと表1の形状4で表される形状であった。それゆえ密着性には優れるが視認性が低く、実用には適さない。
比較例2は比較例1とは逆に、R及び粗化粒子高さが本発明の規定より低く、断面観察を行うと表1の形状5で表される形状であった。それゆえいずれも視認性には優れるが密着性が低いので実用には適さない。
比較例3及び4は、粗化粒子高さ、ニッケル/亜鉛付着量比が本発明の規定範囲内で、樹脂中に銅害防止剤を含むが、R及びCの少なくとも1つが本発明の規定範囲外であり、断面観察を行うとそれぞれ表1の形状2及び3で表される形状であった。共に視認性は良いが、密着性が低いので実用には適さない。
比較例5及び6はニッケル/亜鉛付着量比が本発明の規定よりも低かった。いずれも視認性は良いが、密着性が劣るので実用には適さない。
比較例7はR、C及び粗化粒子高さがいずれも本発明の規定より高く、断面観察を行うと表1の形状4で表される形状であった。それゆえ密着性には優れるが視認性が低く、実用には適さない。
比較例8は比較例1とは逆に、R及び粗化粒子高さが本発明の規定より低く、断面観察を行うと表1の形状5で表される形状であった。それゆえ視認性には優れるが密着性が低いので実用には適さない。
比較例10〜12はそれぞれ実施例1、8、12のPRパルス電解処理を行わなかったものに相当する。比較例10〜12の断面観察をすると、粗化粒子間の谷が非常に深くなっていた。それゆえ粗化粒子高さの平均値が高くなり、表1の形状4で表される形状に近くなった。よって密着性には優れるが、視認性が低いので実用に適さない。本発明のPRパルス電解処理は、粗化粒子間の谷をある程度埋めることで粗化粒子の高さを低くし、表1の形状1に近づけることで視認性の向上に寄与している。
以上のように、銅箔表面の粗化粒子高さ、拡散反射率、彩度、拡散防止被覆のニッケル/亜鉛付着量比について、全て本発明の規定通りとなることで初めて実用上問題の無い水準に到達することがわかる。さらに銅害防止剤をポリイミド樹脂中に含有させることで、耐熱ピール強度が更に向上されることがわかる。
本発明によって、プリント配線板用途に好適な樹脂密着性と視認性が優れた配線板用銅張積層板及びこれに使用される銅箔を提供することが可能となる。

Claims (3)

  1. 銅箔の少なくとも一表面に算術平均高さが0.05〜0.5μmである粗化粒子からなる粗化粒子層を有し、前記粗化粒子が純銅からなり、前記粗化粒子層の上に、少なくともニッケルと亜鉛を含み、亜鉛の前記粗化粒子層への付着量に対するニッケルの前記粗化粒子層への付着量の比(質量比)が0.5〜20の範囲内の拡散防止被覆を有する銅箔であって、前記一表面側から測定した波長600nmにおける拡散反射率(R)が5〜50%の範囲内及び彩度(C)が30以下であることを特徴とする銅箔。
  2. 請求項1に記載の銅箔を有することを特徴とする銅張積層板。
  3. シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体、及びトリアゾール類から選ばれる少なくとも1種の銅害防止剤を含むポリイミド樹脂層を、請求項1に記載の銅箔の前記一表面側に有する銅張積層板。
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