JP5875032B2 - 高分子/液晶複合材料および液晶素子 - Google Patents

高分子/液晶複合材料および液晶素子 Download PDF

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本発明は、液晶材料と高分子とを含み、光学的に等方性の液晶相で駆動される素子に用いられる高分子/液晶複合材料に含まれる液晶材料であって、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を5℃以上の温度範囲で発現し、ネマチック相を発現しない液晶材料、この液晶材料とモノマーの混合物、高分子/液晶複合材料およびその複合材料を用いた液晶素子に関する。
ネマチック液晶化合物および組成物をネマチック相が発現している状態から加熱していくと等方相が発現する。このようなネマチック液晶化合物および組成物における等方相(本明細書中、「非液晶等方相」ということがある)では、電気複屈折値(等方性媒体に電界を印加した時に誘起される複屈折値)ΔnEが電場Eの二乗に比例する現象であるカー効果[ΔnE=KλE2(K:カー係数(カー定数)、λ:波長)]が観測される。具体的には、ネマチック相−等方相転移温度直上において、大きなカー係数が観測されている。このようなカー効果は非液晶等方相中において熱ゆらぎによって生じるネマチック的分子配列の短距離秩序の存在に起因するものと考えられている。
液晶材料では、非液晶等方相だけではなくブルー相においてもカー効果が観測される。一般的に、ブルー相はキラルネマチック相と非液晶等方相との間で発現するが、その温度範囲は一般に1〜2℃程度と極めて狭い。
他方、高分子とキラル液晶の複合材料において、比較的広い温度範囲で、「光学的に等方性の液晶相(巨視的には液晶分子配列は等方的であるが微視的には液晶秩序が存在する相)」を発現し、これらの相では大きなカー係数のカー効果が観測されている[例えば、特開2003−327966号公報(特許文献1)、Nature Materials, 1, 64-68 (2002)(非特許文献1)、Advanced Materials, 17, 96-98 (2005) (非特許文献2)、Advanced Materials, 17, 2311-2315 (2005)(非特許文献3)を参照]。
しかしながら、このような複合材料では、広い温度範囲で光学的に等方相の液晶相を発現するものの、高電界印加後に電界を印加しない状態に戻しても複屈折が残存する場合があるという問題点があった。したがって、表示素子等の液晶素子では、高分子との複合材料を用いることができるケースは限られていた。
特開2003−327966号公報 Nature Materials, 1, 64-68 (2002) Advanced Materials, 17, 96-98 (2005) Advanced Materials, 17, 2311-2315 (2005)
上記の状況の下、高電界印加後に電界を印加しない状態に戻しても複屈折が残存しない高分子/液晶複合材料が求められている。長期的信頼性に優れた液晶材料が求められている。
本発明者等は、ネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差が所定の大きさを有し、かつ、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物にキラル剤をさらに加えると、昇温過程において光学的に等方性の液晶相(たとえば、ブルー相)を広い温度範囲で発現するがネマチック相を発現しない液晶材料が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。本発明は以下のような液晶材料等を提供する。
[1] 液晶材料と高分子とを含み、光学的に等方性の液晶相で駆動される素子に用いられる高分子/液晶複合材料に含まれる液晶材料であって、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を4.8℃以上の温度範囲で発現し、ネマチック相を発現しない液晶材料。
[2] 液晶材料が、ネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差が3.0℃〜150℃であり、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる組成物である、[1]に記載の液晶材料。
[3] 液晶材料が、ネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差が6.0℃〜150℃であり、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる組成物である、[1]に記載の液晶材料。
[4] 液晶材料が、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる液晶組成物Bであって、
液晶組成物Aは透明点T1の成分1を5〜80重量%、透明点T2の成分2を20〜95重量%含み、透明点T1、透明点T2および液晶組成物Bの透明点TxBが、
1>T2
1−TxB≧100℃
を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶材料。
[5] 液晶材料が、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる液晶組成物Bであって、
液晶組成物Aは透明点T1の成分1を5〜70重量%、透明点T2の成分2を30〜95重量%含み、透明点T1、透明点T2および液晶組成物Bの透明点TxBが、
1>T2
1−TxB≧150℃
を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶材料。
[6] 液晶材料が、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる液晶組成物Bであって、
液晶組成物Aは透明点T1の成分1を5〜70重量%、透明点T2の成分2を30〜95重量%含み、透明点T1、透明点T2および液晶組成物Aの透明点TxBが、
1>T2
1−TxB≧200℃
を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶材料。
[7] 液晶材料が、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる液晶組成物Bであって、
液晶組成物Aは透明点T1の成分1を5〜80重量%、透明点T2の成分2を20〜95重量%含み、透明点T1、透明点T2、および、液晶組成物Aから全てのキラル剤を除いた液晶組成物aの透明点Txaが、
1>T2
1−Txa≧100℃
を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶材料。
[8] 成分1は透明点が150℃以上の液晶化合物からなり、成分2は透明点が47℃以下の液晶化合物からなる、[4]〜[7]のいずれかに記載の液晶材料。
成分1は、透明点が200℃以上の液晶化合物からなることが好ましく、透明点が220℃以上の液晶化合物からなることがさらに好ましく、透明点が250℃以上の液晶化合物からなることが特に好ましい。
また、成分2は、透明点が25℃以下の液晶化合物からなることが好ましく、透明点が0℃以下の液晶化合物からなることがさらに好ましい。
[9] 成分1が、下記一般式(1)
(式中、R1は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF、−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル基中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
2は水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、これらのアルキル中の−CH3は−CNで置き換えられてもよく;
1〜A5は独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよいが、A1〜A5がテトラヒドロピラン環であることはなく、;
1〜Z4は独立して単結合、炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、アルキレン中およびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
1〜n3は独立して0または1であり、R2が水素またはフッ素の場合はn2およびn3は1であり、Z1〜Z4の少なくとも1つが−CF2O−である場合はn2およびn3は1であり、Z4が−COO−である場合は、n2とn3が1であり、A4またはA5の少なくとも一つが炭素数9以上の縮合環である場合のみn1〜n3すべてが0となりうる。)
で表される化合物からなる、[4]〜[8]のいずれかに記載の液晶材料。
[10] R1は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
2はハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、これらのアルキル中の−CH3は−CNで置き換えられてもよく;
1〜A5は独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
1〜Z4は独立して単結合、炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、アルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい、
[9]に記載の液晶材料。
[11] R1が炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環と隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、このアルキルあるいはアルケニル中の任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく;
2はフッ素、塩素、−CN、−N=C=Sまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
1〜A5が独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく、−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
1〜Z4は独立して単結合、−CF2O−または−C≡C−である、
[9]に記載の液晶材料。
[12] R1が炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、このアルキルあるいはアルケニル中の任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく;
2がフッ素、塩素、−CN、または炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
1〜A5が独立してベンゼン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく;
1〜Z4は独立して単結合または−C≡C−であり;
1が1、n2とn3が0である、
[9]に記載の液晶材料。
[13] 成分2が、下記一般式(2)
(式中、R3は水素、炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
4はハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3、−C≡C−CN、−C=C−CF3または−C≡C−CF3であり;
6、A7およびA8は独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、この環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
6およびZ7は単結合または炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
6およびn7は0または1であるが、n6とn7がともに1となるのは、Z6およびZ7の少なくとも一方が−CF2O−である場合のみであり、A7あるいはA8が炭素数9以上の縮合環である場合、n6およびn7は0である。)
で表される化合物からなる、[4]〜[12]のいずれかに記載の液晶材料。
[14] R3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
4はハロゲン、−CN、−N=C=S、−CF3、−C≡C−CN、−C≡C−CF3であり;
6、A7およびA8は独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
6およびZ7は単結合、炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい、
[13]に記載の液晶材料。
[15] R3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
4はハロゲン、−CN、−N=C=S、−CF3、−OCF3、−C≡C−CN、−CH=CH−CF3,−C≡C−CF3であり;
6、A7とA8は独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
6およびZ7は、独立して単結合、−COO−、−CF2O−または−C≡C−である、
[13]に記載の液晶材料。
[16] R3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、―CH=CH−で置き換えられてもよく;
4はハロゲン、−CNであり;
7とA8は独立してベンゼン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環の任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく;
7は単結合または−COO−であり;
6は0であり、n7は0または1である
[13]に記載の液晶材料。
[17] 成分2が、下記一般式(3)
(式中、R5は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
aはフッ素、塩素、−CN、−N=C=S、−CF3、−OCF3、−C≡C−CN、−CH=CH−CF3または−C≡C−CF3であり;
12は単結合、−COO−、−CF2O−または−C≡C−であり;
8〜L11は独立して水素またはフッ素である。)
で表される化合物からなる、[4]〜[12]のいずれかに記載の液晶材料。
[18] R5は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
aはフッ素または−CNであり;
12は−COO−であり、
8〜L11は独立して水素またはフッ素であり、それらの少なくとも2個以上がフッ素である、
[17]に記載の液晶材料。
[19] 成分2が、下記一般式(4)
(式中、R6は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
bはフッ素、塩素、−CF3、−OCF3、−C=C−CF3または−C≡C−CF3であり;
13およびZ14は、独立して単結合または−CF2O−であるが、少なくとも一つは−CF2O−であり;
12〜L17は独立して水素、フッ素または塩素である。)
で表される化合物からなる、[4]〜[12]のいずれかに記載の液晶材料。
[20] R6は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
bはフッ素、塩素、−CF3、−OCF3または−C=C−CF3であり;
13は単結合であり、Z14は−CF2O−であり、
12〜L17は独立して水素またはフッ素であり、それらの少なくとも2個以上がフッ素である、
[19]に記載の液晶材料。
[21] 液晶材料に含まれるキラル剤が、下記式(K1)〜(K5)
(式(K1)〜(K5)中、
Kは独立して、水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=Sまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
Aは独立して、芳香族性あるいは非芳香族性の3ないし8員環、または、炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキルまたはハロアルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Zは独立して、単結合、炭素数1〜8のアルキレンであるが、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
Xは単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−または−CH2CH2−であり;
mは1〜4である。)
で表される化合物を1種以上含む、[2]〜[20]のいずれかに記載の液晶材料。
[22] 液晶材料に含まれるキラル剤が、下記式(K2−1)〜(K2−8)および(K5−1)〜(K5−3)
(RKは独立して、炭素数3〜10のアルキルであり、このアルキル中の環に隣接する−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよい。)
で表される化合物を1種以上含む、[2]〜[20]のいずれかに記載の液晶材料。
[23] 液晶組成物Bの全重量に対して、キラル剤が1〜40重量%含まれる、[2]〜[22]のいずれかに記載の液晶材料。
[24]
[1]〜[23]のいずれかに記載の液晶材料と、重合性モノマーとを含む混合物。
[25] 重合性モノマーが光重合性モノマーまたは熱重合性モノマーである、[24]に記載の混合物。
[26] [24]または[25]に記載の混合物を重合して得られる、光学的に等方性の液晶相で駆動される素子に用いられる高分子/液晶複合材料。
[27] 前記混合物が光学的に等方性の液晶相または等方相で重合されて得られる、[26]に記載の高分子/液晶複合材料。
[28] 高分子/液晶複合材料に含まれる高分子がメソゲン部位を有する、[27]に記載の高分子/液晶複合材料。
[29] 高分子/液晶複合材料に含まれる高分子が架橋構造を有する、[26]〜[28]のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
[30] 液晶材料を60〜99重量%、高分子を1〜40重量%含む、[26]〜[29]のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
[31] ピッチが700nm以下である、[26]〜[30]のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
[32] 一方または両方の面に電極が配置され、
基板間に配置された高分子/液晶複合材料、および
電極を介して高分子/液晶複合材料に電界を印加する電界印加手段を備えた液晶素子であって、
前記高分子/液晶複合材料が、[26]〜[31]のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料である液晶素子。
[33] 一方または両方の面に電極が配置され、少なくとも一方が透明な一組の基板、
基板間に配置された高分子/液晶複合材料、および
基板の外側に配置された偏光板
を有し、電極を介して高分子/液晶複合材料に電界を印加する電界印加手段を備えた液晶素子であって、
前記高分子/液晶複合材料が、[26]〜[31]のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料である液晶素子。
[34] 一組の基板の少なくとも一方の基板上において、少なくとも2方向に電界を印加できるように電極が構成されている[32]または[33]に記載の液晶素子。
[35] 互いに平行に配置された一組の基板の一方または両方に、少なくとも2方向に電界を印加できるように電極が構成されている[32]または[33]に記載の液晶素子。
[36] 電極がマトリックス状に配置されて、画素電極を構成し、各画素がアクティブ素子を備え、このアクティブ素子が薄膜トランジスター(TFT)である[32]〜[35]のいずれかに記載の液晶素子。
本発明の、「高分子/液晶複合材料」とは、液晶材料と高分子の化合物の両者を含む複合材料であれば特に限定されないが、高分子の一部または全部が液晶材料に溶解していない状態で高分子が液晶材料と相分離している状態でもよい。 なお、本明細書において、特に言及がなければ、ネマチック相はキラルネマチック相を含まない、狭義のネマチック相を意味する。
本発明の好ましい態様に係る高分子/液晶複合材料は、光学的に等方性の液晶相を広い温度範囲で発現させることが可能である。また、本発明の好ましい態様に係る高分子/液晶複合材料は、電界除去後の残留複屈折の軽減が可能である。本発明の好ましい態様に係る高分子/液晶複合材料は、応答速度が極めて速い。また、本発明の好ましい態様に係る高分子/液晶複合材料は、これらの効果に基づいて表示素子等の液晶素子等に好適に用いることができる。
本発明の液晶材料は、液晶材料と、高分子とを含む、光学的に等方性の液晶相で駆動される素子に用いられる、高分子/液晶複合材料に用いられる液晶材料であって、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を4.8℃以上の温度範囲で発現し、ネマチック相を発現しない液晶材料である。
ネマチック相(キラルネマチック相を除く)を発現する液晶化合物および組成物は、どのような温度でも光学的に等方性の液晶相を発現しない。したがって、本発明の複合材料および当該複合材料に含まれる液晶材料は、ネマチック相を、どのような温度でも発現しない。
また、ネマチック相とキラルネマチック相は共に光学的に等方性の液晶相ではない。したがって、光学的に等方性の液晶相で駆動する素子に用いる本発明の複合材料は、ネマチック相またはキラルネマチック相で駆動される素子に用いられるものではない。
本発明の高分子/液晶複合材料は、光学的に等方性の液晶相で駆動させる素子に用いられる光学的に等方性の高分子/液晶複合材料である。すなわち、本発明の高分子/液晶複合材料は、液晶素子に用いられる複合材料であって、光学的に等方性の性質を示す液晶状態(例えばブルー相)で液晶素子に用いることができる複合材料である。
1 液晶材料
本発明の複合材料に含まれる液晶材料は、特に限定されないが、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を4.8℃以上の温度範囲で発現し、ネマチック相を発現しない。
本発明の複合材料に含まれる液晶組成物a(液晶組成物Aから全てのキラル剤を除いた組成物)の誘電率異方性の正負は特に制限されるものではないが、誘電率異方性が正の液晶組成物aが好ましい。また、前記液晶材料の誘電率異方性値(Δε)の絶対値と屈折率異方性値(Δn)とは大きいほど電気複屈折は大きくなるため、いずれも大きいほど好ましい。
本発明の高分子/液晶複合材料は、低駆動電圧を達成するために1×10-11mV-2以上のカー係数を示すことが好ましく、1×10-8mV-2以上のカー係数を示すことがさらに好ましい。
本発明の複合材料において、温度差10℃におけるカー係数の比が1.5以下である領域が存在すること、すなわち、電気複屈折率の温度依存性が小さく、広い温度範囲にわたって安定しているということが好ましい。
本発明の複合材料に含まれる液晶組成物aにおける屈折率異方性(Δn)と誘電率異方性(Δε)の積の絶対値は、0.5〜60であることが好ましく、より好ましくは2〜60であり、特に表示素子に用いる場合には5〜60がさらに好ましい。Δnを大きくする、あるいはΔεを大きくする、あるいは両者を大きくすることで、前述の積を大きくすることができる。一般的に、この積を大きくすることで、ΔnEが大きくなり駆動電圧が低下する。
また、ピッチは相関長と密接な関係があるので、高分子の混合割合、キラル剤の添加割合、キラル剤のHTP等を考慮し目的に応じて最適化することが好ましい。好ましい相関長は10nm〜800nmであるが、カー係数は相関長の二乗に比例するので、光学的に等方性の液晶相が得られる範囲で可能な限り長いことが好ましい。
本発明の複合材料に含まれる液晶材料は、キラル剤と共に光学活性を有さない液晶化合物も使用することもできる。液晶化合物の粘度は屈折率変化の応答時間と相関があり、高速応答性を必要とする場合には、低粘性を持つ液晶化合物が好ましい。そこで、キラル剤と共に用いられる光学活性を有さない液晶化合物の粘度は1000mPa・s以下であることが好ましく、400mPa・s以下であることがさらに好ましく、200mPa・s以下であることが特に好ましい。
一般的に、本発明の液晶材料を構成するキラル剤と光学活性を有さない液晶化合物との重量比が1:99〜40:60の範囲であれば、液晶素子で機能できる程度の粘度を有し、かつ光学的に等方性の液晶相を発現する複合材料が提供できる。
本発明の高分子/液晶複合材料に用いられる液晶化合物としては、たとえば、式(1)で表される化合物と、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、式(4)で表される化合物が挙げられる。
そして、本発明の高分子/液晶複合材料に用いられる液晶材料としては例えば、式(1)で表される化合物と、式(2)、式(3)または式(4)で表される化合物等とを混合して得られる液晶組成物Aにさらに一定量のキラル剤を添加して得られる、光学的に等方性の液晶相を発現する液晶組成物Bである。ただし液晶組成物Aは光学的に等方性の液晶相を発現しない範囲内でキラル剤を含有していてもよい。
本発明の液晶組成物Aにおいて、成分1は、式(1)で表される1つの化合物、または、式(1)で表される複数の化合物からなることが好ましいが、透明点が高い化合物であれば式(1)で表される化合物に限定されない。同様に、成分2は、式(2)、式(3)または式(4)で表される1つの化合物、または、式(2)、式(3)または式(4)で表される複数の化合物からなることが好ましいが、透明点が低い化合物であれば式(2)、式(3)または式(4)で表される化合物に限定されない。
また、本明細書において、液晶組成物とは液晶相を有する組成物、または、液晶相を有する材料との混合により液晶相−非液晶等方相転移温度を著しく低下させることのないものをいう。
また、液晶化合物あるいは液晶組成物が液晶相を発現しない場合は、後述する液晶相−非液晶等方相転移点の外挿法による算出法を適用する。液晶相−非液晶等方相転移点が液晶の熱分解温度より高温である化合物、組成物についてもこの外挿法を適用してもよい。
1.1 液晶組成物A
液晶組成物Aは、ネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差が3.0℃以上であり、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない組成物である。
液晶組成物Aは、上記の性質を有せば特に限定されず、キラル剤を含んでも含まなくてもよい。
1.1.1 透明点
本発明の液晶組成物Aにおいて、当該液晶組成物Aに含まれる成分1の透明点(T1)と成分2の透明点(T2)と後述の液晶組成物Bの透明点(TxB)は、
1>T2
1−TxB≧100℃
を満たすことが好ましい。また、
1>T2
1−TxB≧150℃
であることがさらに好ましい。また、
1>T2
1−TxB≧200℃
であることが特に好ましい。
ここで、成分1および成分2がそれぞれ複数の化合物を含む場合、それらの透明点は、成分1または成分2のそれぞれを構成する各化合物の重量比に基づいて得られた組成物の透明点である。
透明点の高い化合物(群)である成分1および透明点の低い化合物(群)である成分2を選択し、場合によっては、Δn、Δε等の他の物性パラメーターを考慮して成分1にも成分2にも該当しない成分(第3成分)およびキラル剤を加えることによって、透明点TxAの液晶組成物Aが調製できる。
たとえば、液晶組成物Aが5つの化合物A1〜A5からなり、それらの化合物の透明点が高い方から順に、化合物A1、化合物A2、化合物A3、化合物A4、化合物A5であった場合、少なくとも透明点の最も高い化合物A1が成分1に該当し、透明点の最も低い化合物A5が成分2の化合物に該当する。さらに、任意に、透明点が2番目に高い化合物A2が成分1に含まれてもよく、他方、透明点が2番目に低い化合物A4が成分2に含まれてもよい。また、成分1にも成分2にも該当しない化合物があってもよいから、たとえば、化合物A1および化合物A2が成分1の化合物に該当し、化合物A4および化合物A5が成分2の化合物に該当した場合、化合物A3は成分1にも成分2にも該当しない第3成分となる。
すなわち、液晶組成物Aに含まれる各化合物が成分1または成分2に該当するか否かは特に限定されず、液晶組成物Aに含まれる各化合物を比較的透明点の高い成分1と、比較的透明点の低い成分2に分けた場合、成分1と成分2と液晶組成物との透明点が上記式を満たすことが好ましいのである。
液晶組成物Aがキラル剤を含む場合、液晶組成物はキラル剤を含まない液晶組成物aとキラル剤とに区別できるが、一般的に、液晶組成物aの透明点(Txa)は液晶組成物Aの透明点(TxA)よりも高く、液晶組成物Aの透明点(TxA)は液晶組成物Bの透明点(TxB)よりも高い。この場合、T1、T2およびTxaは、
1>T2
1−Txa≧100℃
を満たすことが好ましい。また、
1>T2
1−Txa≧150℃
を満たすことがさらに好ましく、
1>T2
1−Txa≧200℃
を満たすことが特に好ましい。
透明点の算出法は、以下の通りである。すなわち、それぞれの組成比(重量)が、化合物A1:化合物A2:化合物A3:化合物A4:化合物A5=C1:C2:C3:C4:C5であり、成分1は化合物A1と化合物A2からなり、成分2は化合物A4と化合物A5からなる場合、T1は化合物A1と化合物A2をC1:C2の比率(重量)で混合した混合物における透明点であり、T2は化合物A4と化合物A5をC4:C5の比率(重量)で混合した混合物における透明点である。
ここで、透明点とは、化合物または組成物が昇温過程で、非液晶等方相を発現する点をいう。透明点の具体例としては、ネマチック相から非液晶等方相への相転移点であるN−I点等が挙げられる。また、本発明の液晶組成物の場合、非液晶等方相と液晶相の共存状態が発現することがあるが、この場合は昇温過程において非液晶等方相が最初に発現した温度を透明点とする。また液晶相を発現しない化合物、すなわちK−I点を有する化合物の透明点は、K−I点以下であり、必要に応じて、後述の液晶相−非液晶等方相転移点の外挿法による算出法を適用してもよい。
1.1.2 成分1
成分1は、比較的透明点が高い化合物からなることが好ましい。具体的には、成分1は、式(1)で表される化合物からなることが好ましい。式(1)中、R1は水素、炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。これらの中でも、R1は、好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、さらに好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。これらの中でも、R1は炭素数1〜10のアルキルまたはアルコキシが最も好ましい。
式(1)中、R2は水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、このアルキル中の−CH3は−CNで置き換えられてもよい。これらの中でも、R2は好ましくは、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、このアルキル中の−CH3は−CNで置き換えられてもよく、さらに好ましくは、R2はフッ素、塩素、−CN、−N=C=Sまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
式(1)中、A1〜A5は独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよいが、A1〜A5がテトラヒドロピラン環であることはない。これらの中でも、A1〜A5は好ましくは、独立してベンゼン環、ナフタレン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく、さらに好ましくは、A1〜A5は独立してベンゼン環、ナフタレン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環またはナフタレン環の任意の水素がフッ素または塩素、メチル、またはハロゲン化メチルで置き換えられてもよく、−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよい。これらの中でも、A1〜A5は、最も好ましくは、独立してベンゼン環、ピリミジン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環の任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい。
式(1)中、Z1〜Z4は独立して単結合、炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。これらの中でも、Z1〜Z4は好ましくは、独立して単結合、炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、さらに好ましくは、Z1〜Z4は独立して単結合、−COO−、−CF2O−または−C≡C−である。
式(1)中、n1〜n3は独立して0または1であり、R2が水素またはフッ素の場合はn2およびn3は1であり、Z1〜Z4の少なくとも一つが−CF2O−である場合はn2およびn3は1であり、Z4が−COO−である場合は、n2とn3が1であり、A4またはA5の少なくとも一つが炭素数9以上の縮合環である場合のみn1〜n3すべてが0となりうる。これらの中でも、n1〜n3は好ましくは、独立して0または1であり、R2が水素またはフッ素の場合はn2およびn3は1であり、A4またはA5の少なくとも一つが炭素数9以上の縮合環である場合のみn1〜n3すべてが0となりうる。これらの中でも、n1〜n3は、さらに好ましくは、独立して0または1であり、R2が水素またはフッ素の場合はn2およびn3は1であり、A4またはA5の少なくとも一つが炭素数9以上の縮合環である場合のみn1〜n3すべてが0となりうる。
また、式(1)で表される化合物は、透明点が150℃〜400℃であることが好ましく、200℃〜350℃であることがさらに好ましい。透明点が150℃より低いと、成分1の透明点(T1)と液晶組成物Bの透明点(TxB)の関係式(T1−TxB≧100℃)を満たす上で不利となる。透明点が400℃を超えると、組み合わせる他の化合物によっては、相溶性が悪くなり、低温で結晶が析出するなど、液晶相の下限温度が高くなることがある。
1.1.3 成分2
成分2は、透明点が低く、誘電率異方性が大きい化合物が好ましい。具体的には、成分2は、式(2)、式(3)または式(4)で表される化合物からなることが好ましい。
1.1.3.1 式(2)で表される化合物
式(2)中、R3は水素、炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。これらの中でも、R3は好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、R3は、さらに好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。R3は、最も好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよい。
式(2)中、R4はハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3−、−OCF3−、−C≡C−CN、または−C≡C−CF3である。これらの中でも、R4は好ましくは、ハロゲン、−CN、−N=C=S、−CF3、−C≡C−CN、−C≡C−CF3である。
式(2)中、A6、A7とA8は独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、この環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよい。
これらの中でも、A6、A7とA8は、さらに好ましくは、独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく、さらに好ましくは、A6、A7とA8は独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がフッ素または塩素、メチル、またはハロゲン化メチルで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよい。A6、A7とA8は、最も好ましくは、独立してベンゼン環、ピリミジン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環の任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい。
式(2)中、Z6およびZ7は単結合または炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキレン中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。これらの中でも、Z6およびZ7は好ましくは、単結合、炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキレン中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、さらに好ましくは、Z6およびZ7は単結合、−COO−、−CF2O−または−C≡C−である。最も好ましくは、Z6は単結合、−CF2O−または−COO−である。
式(2)中、n6およびn7は0または1であるが、n6とn7が共に1となるのは、Z6およびZ7の少なくとも一方が−CF2O−である場合のみであり、A7あるいはA8が炭素数9以上の縮合環である場合、n6およびn7は0である。これらの中でも、好ましくは、Z7が−CF2O−でn6とn7が共に1であるか、Z7が単結合あるいは−COO−で、n6が0かつn7が1である。
1.1.3.2 式(3)で表される化合物
式(3)中、R5は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。これらの中でも、R5は、好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
式(3)中、Xaはフッ素、塩素、−CN、−N=C=S、−CF3、−OCF3、−C≡C−CNまたは−C≡C−CF3である。
式(3)中、Z12は単結合、−COO−または−C≡C−であり、これらの中でも−COO−が好ましい。
式(3)中、L8〜L11は独立して水素またはフッ素である。これらの中でも、 L8〜L11は、好ましくは、独立して水素またはフッ素であり、それらの少なくとも2個以上がフッ素である。
1.1.3.3 式(4)で表される化合物
式(4)中、R6は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。これらの中でも、R6は、好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、また芳香族環に隣接しない−CH2−は−CH=CH−で置き換えられてもよい。
式(4)中、Xbはフッ素、塩素、−CF3、−OCF3、−C=C−CF3または−C≡C−CF3である。特に好ましくはフッ素、塩素、−CF3、または−OCF3である。
式(4)中、Z13およびZ14は単結合または−CF2O−であるが、少なくとも一つは−CF2O−であり、より好ましくはZ13が単結合である。
式(4)中、L12〜L17は独立して水素、塩素またはフッ素である。これらの中でも、 L12〜L17は、好ましくは、独立して水素またはフッ素であり、それらの少なくとも2個以上がフッ素である。
1.1.4 重量比
成分1の透明点が150〜250℃である場合、液晶組成物Aに対して成分1を10〜80重量%および成分2を20〜90重量%含むことが好ましく、成分1を30〜60重量%および成分2を30〜70重量%含むことがさらに好ましい。また、成分1の透明点が250〜400℃である場合、液晶組成物Aに対して成分1を5〜70重量%および成分2を30〜95重量%含むことが好ましい。なお、上述の通り、本発明の液晶組成物において、成分1として式(1)で表される複数の化合物を含んでもよく、同様に、成分2として式(2)で表される複数の化合物を含んでもよい。したがって、たとえば、式(1)で表される化合物が複数含まれている場合には、式(1)で表される全ての化合物の合計が10〜80重量%(または5〜70重量%)ということになる。
1.1.5 ネマチック相と非液晶等方相、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する温度範囲
液晶組成物Aは、キラル剤を含んでいない場合、降温過程でネマチック相と非液晶等方相の共存状態が発現し、キラル剤を含んでいる場合、降温過程でキラルネマチック相と非液晶等方相の共存状態が発現する液晶組成物であって、光学的に等方性の液晶相を発現しない組成物である。なお、ネマチック相と非液晶等方相、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する状態は、たとえば偏光顕微鏡観察で確認できる。なお、この共存状態は液晶組成物にかかる温度勾配によるものではない。
本発明の液晶材料中の成分である液晶組成物Aはネマチック相と非液晶等方相、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する温度範囲が広いことが好ましく、具体的には、これらの相が共存する上限温度と下限温度との差が、5℃〜150℃であることがさらに好ましい。両者が共存する温度範囲が広いと、さらにキラル剤が添加されて得られる液晶組成物B(本発明の液晶材料)が、広い温度範囲にわたって光学的に等方性の液晶相を有するようになりやすいからである。このような液晶組成物Bを用いた本発明の高分子/液晶複合材料は、電界除去後に複屈折が残存しにくく、高速応答が実現される。
また、ネマチック相と非液晶等方相とが広い温度範囲で共存するキラル剤を含まない液晶組成物Aにキラル剤を添加すると、広い温度範囲でキラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する液晶組成物Aを得ることが容易である。
液晶組成物Aにおいて非液晶等方相と共存しないキラルネマチック相のピッチは、一般的に700nm以上であるが、後述の通り、さらにキラル剤を添加すると、ピッチが短い液晶組成物Bが得られる。
1.2 液晶組成物B
1.2.1 液晶組成物Bの組成
液晶組成物B(本発明の液晶材料)は、光学的に等方性の液晶相を発現する組成物である。液晶組成物Bは、例えば、液晶組成物Aにさらにキラル剤を添加して得ることができる。
当該液晶組成物Aの組成およびさらに添加されるキラル剤の種類等に依存するが、液晶組成物Bに含まれるキラル剤が組成物Bの全重量に対して1〜40重量、好ましくは5〜15重量%となるように添加した液晶組成物は、光学的に等方性の液晶相を有するようになりやすく、好ましい。
液晶組成物Aにキラル剤を添加することを特徴とする液晶組成物Bの製造工程において、予め液晶組成物Aが含み得るキラル剤と、液晶組成物Bを得るためにさらに添加されるキラル剤とは同一でも異なっていてもよい。

1.2.2 透明点
本発明の液晶組成物Bにおいて、当該液晶組成物Bの原料である液晶組成物Aに含まれる成分1の透明点(T1)と成分2の透明点(T2)と後述の液晶組成物Bの透明点(TxB)は、
1>T2
1−TxB≧100℃
を満たすことが好ましい。また、
1>T2
1−TxB≧150℃
であることがさらに好ましい。また、
1>T2
1−TxB≧200℃
であることが特に好ましい。
1.2.3 キラル剤
液晶組成物B(本発明の液晶材料)に含まれるキラル剤としては、ねじり力(Helical Twisting Power)が大きい化合物が好ましい。ねじり力が大きい化合物は所望のピッチを得るために必要な添加量が少なくできるので、駆動電圧の上昇を抑えられ、実用上有利である。具体的には、上記式(K1)〜(K5)で表される化合物が好ましい。
式(K1)〜(K5)中、RKは独立して、水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=Sまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;Aは独立して、芳香族性あるいは非芳香族性の3ないし8員環、または、炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキルまたはハロアルキルで置き換えられてもよく、−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;Zは独立して、単結合、炭素数1〜8のアルキレンであるが、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;Xは単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−または−CH2CH2−であり;mは1〜4である。
これらの中でも、液晶組成物Bに含まれるキラル剤としては、式(K2)に含まれる式(K2−1)〜式(K2−8)、および、式(K5)に含まれる式(K5−1)〜式(K5−3)が好ましい(式中、RKは独立して、炭素数3〜10のアルキルであり、このアルキル中の環に隣接する−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよい。)。
液晶組成物Bの全重量に対して、キラル剤が1〜40重量%含まれることが好ましく、3〜25重量%含まれることがさらに好ましく、5〜15重量%含まれることが最も好ましい。
1.2.4 光学的に等方性の液晶相
液晶組成物B(本発明の液晶材料)は、光学的に等方性の液晶相を有する。液晶組成物が光学的に等方性の液晶相を発現するとは、巨視的には液晶分子配列は等方的であるため光学的に等方性を示すが、微視的には液晶秩序が存在することをいう。液晶組成物Bが微視的に有する液晶秩序に基づくピッチは700nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがさらに好ましく、350nm以下であることが最も好ましい。
ここで、「非液晶等方相」とは一般的に定義される等方相、すなわち、無秩序相であり、局所的な秩序パラメーターがゼロでない領域が生成したとしても、その原因がゆらぎによるものである等方相である。たとえばネマチック相の高温側に発現する等方相は、本明細書では非液晶等方相に該当する。本明細書におけるキラルな液晶についても、同様の定義があてはまるものとする。そして、本明細書において「光学的に等方性の液晶相」とは、ゆらぎではなく光学的に等方性の液晶相を発現する相を表し、たとえばプレートレット組織を発現する相(狭義のブルー相)はその一例である。
一般的に、ブルー相は3種類に分類され(ブルー相I、ブルー相II、ブルー相III)、これら3種類のブルー相はすべて光学活性であり、かつ、光学的に等方性である。ブルー相Iやブルー相IIのブルー相では異なる格子面からのブラッグ反射に起因する2種以上の回折光が観測される。
2 高分子
本発明の複合材料は、液晶組成物B(本発明の液晶材料)と、予め重合されて得られた高分子とを混合しても製造できるが、高分子の材料となる低分子量のモノマー、マクロモノマー、オリゴマー等(以下、まとめて「モノマー等」という)と液晶組成物Bとを混合してから、当該混合物において重合反応を行うことによって、製造されることが好ましい。モノマー等と液晶組成物Bとを含む混合物を本件明細書では、「重合性モノマー/液晶混合物」と呼ぶ。「重合性モノマー/液晶混合物」には必要に応じて、後述する重合開始剤、硬化剤、触媒、安定剤、二色性色素、またはフォトクロミック化合物等を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでもよい。たとえば、本件発明の重合性モノマー/液晶混合物には必要に応じて、重合性モノマー100重量部に対して重合開始剤を0.1〜20重量部含有してもよい。
重合温度は、高分子/液晶複合材料が高透明性と等方性を示す温度であることが好ましい。より好ましくはモノマーと液晶材料の混合物が等方相またはブルー相を発現する温度で重合を開始し、かつ、等方相ないしは光学的に等方性の液晶相で重合を終了する。すなわち、重合後は高分子/液晶複合材料が可視光線より長波長側の光を実質的に散乱せずかつ光学的に等方性の状態を発現する重合温度とするのが好ましい。
本発明の複合材料を構成する高分子の原料としては、例えば低分子量のモノマー、マクロモノマー、オリゴマーを使用することができ、本明細書において高分子の原料モノマーとは低分子量のモノマー、マクロモノマー、オリゴマー等を包含する意味で用いる。また、得られる高分子が三次元架橋構造を有するものが好ましく、そのために、高分子の原料モノマーとして2つ以上の重合性官能基を有する多官能性モノマーを用いることが好ましい。重合性の官能基は特に限定されないが、アクリル基、メタクリル基、グリシジル基、エポキシ基、オキセタニル基、ビニル基などを上げることができるが、重合速度の観点からアクリル基およびメタクリル基が好ましい。高分子の原料モノマー中、二つ以上の重合性のある官能基を持つモノマーをモノマー中に10重量%以上含有させると、本発明の複合材料において高度な透明性と等方性を発現しやすくなるので好ましい。
また、好適な複合材料を得るためには、高分子はメソゲン部位を有するものが好ましく、高分子の原料モノマーとしてメソゲン部位を有する原料モノマーをその一部に、あるいは全部に用いることができる。
2.1 メソゲン部位を有する単官能性・二官能性モノマー
メソゲン部位を有する単官能性、または二官能性モノマーは構造上特に限定されないが、例えば下記の式(M1)または式(M2)で表される化合物を挙げることができる。
a−Y−(AM−ZM)p−AM−Y−Rb(M1)
b−Y−(AM−ZM)p−AM−Y−Rb (M2)
式(M1)中、Raは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、または炭素数1〜20のアルキルであり、これらのアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらのアルキルにおいて任意の水素はハロゲンまたは−CNで置き換えられてもよい。
好ましいRaは、水素、ハロゲン、−CN、−CF3、−CF2H、−CFH2、−OCF3、−OCF2H、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜19のアルコキシ、炭素数2〜21のアルケニル、および炭素数2〜21のアルキニルである。特に好ましいRaは、−CN、炭素数1〜20のアルキルおよび炭素数1〜19のアルコキシである。式(M1)中、Rbは、それぞれ独立して、基(M3−1)〜基(M3−7)の重合性基である。
式(M2)中、Rbは、それぞれ独立して、基(M3−1)〜基(M3−7)の重合性基である。
ここで、基(M3−1)〜基(M3−7)におけるRdは、それぞれ独立して水素、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルであり、これらのアルキルにおいて任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。好ましいRdは、水素、ハロゲンおよびメチルである。特に好ましいRdは、水素、フッ素およびメチルである。
また、基(M3−2)、基(M3−3)、基(M3−4)、基(M3−7)はラジカル重合で重合するのが好適である。基(M3−1)、基(M3−5)、基(M3−6)はカチオン重合で重合するのが好適である。いずれもリビング重合なので、少量のラジカルあるいはカチオン活性種が反応系内に発生すれば重合は開始する。活性種の発生を加速する目的で重合開始剤を使用できる。活性種の発生には例えば光または熱を使用できる。
式(M1)および(M2)中、AMは、それぞれ独立して芳香族性または非芳香族性の5員環、6員環または炭素数9以上の縮合環であるが、環中の−CH2−は−O−、−S−、−NH−、または−NCH3−で、環中の−CH=は−N=で置き換わってもよく、環上の水素原子はハロゲン、および炭素数1〜5のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換わってもよい。好ましいAMの具体例は、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、またはビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイルであり、これらの環において任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、これらの環において任意の水素はハロゲン、炭素数1〜5のアルキルまたは炭素数1〜5のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよい。
化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素とが隣接した−CH2−O−O−CH2−よりも、酸素と酸素とが隣接しない−CH2−O−CH2−O−の方が好ましい。硫黄においても同様である。
これらの中でも、特に好ましいAMは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、およびピリミジン−2,5−ジイルである。なお、前記1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はシスよりもトランスの方が好ましい。
2−フルオロ−1,4−フェニレンは、3−フルオロ−1,4−フェニレンと構造的に同一であるので、後者は例示しなかった。この規則は、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンと3,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンの関係などにも適用される。
式(M1)および(M2)中、Yは、それぞれ独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、これらのアルキレンにおいて任意の−CH2−は−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。好ましいYは、単結合、−(CH2r−、−O(CH2r−、および−(CH2rO−(前記式中、rは1〜20の整数である)である。特に好ましいYは、単結合、−(CH2r−、−O(CH2r−、および−(CH2rO−(前記式中、rは1〜10の整数である)である。化合物の安定性を考慮して、−Y−Raおよび−Y−Rbは、それらの基中に−O−O−、−O−S−、−S−O−、または−S−S−を有しない方が好ましい。
式(M1)および(M2)中、ZMは、それぞれ独立して単結合、−(CH2q−、−O(CH2q−、−(CH2qO−、−O(CH2qO−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−(CF22−、−(CH22−COO−、−OCO−(CH22−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−COO−、−OCO−C≡C−、−CH=CH−(CH22−、−(CH22−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−CH=CH−、−CH=CH−C≡C−、−OCF2−(CH22−、−(CH22−CF2O−、−OCF2−または−CF2O−(前記式中、qは1〜20の整数である)である。
好ましいZMは単結合、−(CH2q−、−O(CH2q−、−(CH2qO−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−(CH22−COO−、−OCO−(CH22−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−OCF2−、および−CF2O−である。
式(M1)および(M2)中、pは1〜6の整数である。好ましいpは、1〜3の整数である。pが1のときは、6員環などの環を2つ有する二環の化合物である。pが2と3のときは、それぞれ三環と四環の化合物である。例えばpが1であるとき、2つのAMは同一であってもよいし、または異なってもよい。また、例えばpが2であるとき、3つのAM(または2つのZM)は同一であってもよいし、または異なってもよい。pが3〜6であるときについても同様である。Ra、Rb、Rd、ZM、AMおよびYについても同様である。
式(M1)で表される化合物(M1)および式(M2)で表される化合物(M2)は2H(重水素)、13Cなどの同位体を天然存在比の量よりも多く含んでいても同様の特性を有するので好ましく用いることができる。
化合物(M1)および化合物(M2)の更に好ましい例は、下記式(M1−1)〜(M1−41)および(M2−1)〜(M2−27)で表される化合物(M1−1)〜(M1−41)および化合物(M2−1)〜(M2−27)である。これらの化合物において、Ra、Rb、Rd、ZM、AM、Yおよびpの意味は、本発明の態様に記載した式(M1)および式(M2)のそれらと同一である。
化合物(M1−1)〜(M1−41)および(M2−1)〜(M2−27)における下記の部分構造について説明する。部分構造(a1)は、任意の水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンを表す。部分構造(a2)は、任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンを表す。部分構造(a3)は、任意の水素がフッ素またはメチルのいずれかで置き換えられてもよい1,4−フェニレンを表す。部分構造(a4)は、9位の水素がメチルで置き換えられてもよいフルオレンを表す。

前述のメソゲン部位を有さないモノマー、およびメソゲン部位を持つモノマー(M1)、および(M2)以外の重合性化合物を必要に応じて使用することができる。
本発明の高分子/液晶複合材料の光学的に等方性の液晶相を最適化する目的で、メソゲン部位を持ち3つ以上の重合性官能基を持つモノマーを使用することもできる。メソゲン部位を持ち3つ以上の重合性官能基を持つモノマーとしては公知の化合物を好適に使用できるが、例えば、(M4−1)〜(M4−3)であり、より具体的な例として、特開2000−327632号、特開2004−182949号、特開2004−59772号に記載された化合物をあげることができる。ただし、(M4−1)〜(M4−3)において、Rb、Za、Y、および(F)は前述と同一の意味を示す。
2.2 メソゲン部位を有さない重合性のある官能基を持つモノマー
メソゲン部位を有さない重合性のある官能基を持つモノマーとして、例えば、炭素数1〜30の直鎖あるいは分岐アクリレート、炭素数1〜30の直鎖あるいは分岐ジアクリレート、三つ以上の重合性官能基を有するモノマーとしては、グリセロール・プロポキシレート(1PO/OH)トリアクリレート、ペンタエリスリトール・プロポキシレート・トリアクリレート、ペンタエリスリトール・トリアクリレート、トリメチロールプロパン・エトキシレート・トリアクリレート、トリメチロールプロパン・プロポキシレート・トリアクリレート、トリメチロールプロパン・トリアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ペンタエリスリトール・テトラアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、トリメチロールプロパン・トリアクリレートなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
2.3 重合開始剤
本発明の複合材料を構成する高分子の製造における重合反応は特に限定されず、例えば、光ラジカル重合、熱ラジカル重合、光カチオン重合等が行われる。
光ラジカル重合において用いることができる光ラジカル重合開始剤の例は、ダロキュア(DAROCUR、登録商標)1173および4265(いずれも商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株))、イルガキュア(IRGACURE、登録商標)184、369、500、651、784、819、907、1300、1700、1800、1850、および2959(いずれも商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株))、などである。
熱ラジカル重合において用いることができる熱によるラジカル重合の好ましい開始剤の例は、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2´−アゾビスイソ酪酸ジメチル(MAIB)、ジt−ブチルパーオキシド(DTBPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)などである。
光カチオン重合において用いることができる光カチオン重合開始剤として、ジアリールヨードニウム塩(以下、「DAS」という。)、トリアリールスルホニウム塩(以下、「TAS」という。)などがあげられる。
DASとしては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナートなどが挙げられる。
DASには、チオキサントン、フェノチアジン、クロロチオキサントン、キサントン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ルブレンなどの光増感剤を添加することで高感度化することもできる。
TASとしては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネートなどが挙げられる。
光カチオン重合開始剤の具体的な商品名の例は、サイラキュア(Cyracure、登録商標)UVI−6990、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUVI−6992(それぞれ商品名、UCC(株))、アデカオプトマーSP−150、SP−152、SP−170、SP−172(それぞれ商品名、(株)ADEKA)、Rhodorsil Photoinitiator 2074(商品名、ローディアジャパン(株))、イルガキュア(IRGACURE、登録商標)250(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株))、UV−9380C(商品名、GE東芝シリコーン(株))などである。
2.4 硬化剤等
本発明の複合材料を構成する高分子の製造において、前記モノマー等および重合開始剤の他にさらに1種または2種以上の他の好適な成分、例えば、硬化剤、触媒、安定剤等を加えてもよい。
硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として使用されている従来公知の潜在性硬化剤が使用できる。潜在性エポキシ樹脂用硬化剤は、アミン系硬化剤、ノボラック樹脂系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられる。アミン系硬化剤の例としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、m−キシレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族ポリアミン、イソフォロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ラロミン等の脂環式ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエタン、メタフェニレンジアミン等の芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
ノボラック樹脂系硬化剤の例としては、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂などが挙げられる。イミダゾール系硬化剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルへキシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウム・トリメリテートなどが挙げられる。
酸無水物系硬化剤の例としては、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルへキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
また、グリシジル基、エポキシ基、オキセタニル基を有する重合性化合物と硬化剤との硬化反応を促進するための硬化促進剤をさらに用いてもよい。硬化促進剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン類、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等の有機リン系化合物、テトラフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等やその有機酸塩等のジアザビシクロアルケン類、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩類、三フッ化ホウ素、トリフェニルボレート等のホウ素化合物などが挙げられる。これらの硬化促進剤は単独または2種以上を混合して使用することができる。
また、例えば貯蔵中の不所望な重合を防止するために、安定剤を添加することが好ましい。安定剤として、当業者に知られているすべての化合物を用いることができる。安定剤の代表例としては、4−エトキシフェノール、ハイドロキノン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)等が挙げられる。
3 液晶材料等の含有率
本発明の高分子/液晶複合材料中における液晶材料(たとえば、液晶組成物B)の含有率は、複合材料が光学的に等方性の液晶相を発現できる範囲であれば、可能な限り高含有率であることが好ましい。液晶材料の含有率が高い方が、本発明の複合材料のカー係数が大きくなるからである。
本発明の高分子/液晶複合材料において、液晶材料の含有率は複合材料に対して60〜99重量%であることが好ましく、60〜95重量%がさらに好ましく、65〜95重量%が特に好ましい。高分子の含有率は複合材料に対して1〜40重量%であることが好ましく、5〜40重量%がさらに好ましく、5〜35重量%が特に好ましい。
4 その他
本発明の高分子/液晶複合材料は、たとえば二色性色素、フォトクロミック化合物を本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。
本発明の液晶組成物aの誘電率異方性の正負に関しては、特に制限されるものではないが、正のものが好ましい。液晶組成物aの誘電率異方性値(Δε)の絶対値と屈折率異方性値(Δn)とは大きいほど電気複屈折は大きくなるため、いずれも大きいほど好ましい。
以下、実施例により本発明さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
本明細書の実施例において、Iは非液晶等方相、Nはネマチック相、N*はキラルネマチック相、BPおよびBPXはブルー相または光学的に等方性の液晶相を表す。2相の共存状態は(N*+I)、(N*+BP)という形式で表記することがある。具体的には、(N*+I)は、それぞれ非液晶等方相とキラルネマチック相がと共存する相を表し、(N*+BP)は、BP相または光学的に等方性の液晶相とキラルネマチック相が共存した相を表す。Unは光学的に等方性ではない未確認の相を表す。
本明細書において、I−N相転移点をN−I点ということがある。I−N*転移点をN*−I点ということがある。I−BP相転移点をBP−I点ということがある。
本明細書の実施例において、物性値等の測定・算出は特に断らない限り、日本電子機械工業規格(Standard of Electronic Industries Association of Japan)、EIAJ・ED−2521Aに記載された方法に従った。具体的な測定方法、算出方法等は以下のとおりである。
相転移点
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、クロスニコルの状態で、まず試料が非液晶等方相になる温度まで昇温した後、1℃/分の速度で降温し、完全にキラルネマチック相または光学的異方性の相が出現させた。その過程での相転移温度を測定し、次いで1℃/分の速度で加熱し、その過程における相転移温度を測定した。光学的に等方性の液晶相においてクロスニコル下では暗視野で相転移点の判別が困難な場合は、偏光板をクロスニコルの状態から1〜10°ずらして相転移温度を測定した。
液晶相−非液晶等方相転移点の外挿法による算出法
ネマチック相を呈する母液晶85重量%と液晶性化合物あるいは液晶性組成物15重量%からなるネマチック液晶組成物を調製する。母液晶の液晶相−非液晶等方相転移点と後者の液晶相−非液晶等方相転移点から直線外挿し、液晶性化合物あるいは液晶性組成物の液晶相−非液晶等方相転移点を求めた。
ネマチック相の下限温度(TC;℃)
ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、TC≦−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
粘度(η;20℃で測定;mPa・s)
粘度の測定にはE型粘度計を用いた。
光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):
波長589nmの光によりを用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により測定した。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
1)誘電率異方性が正である液晶組成物a
2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μm、ツイスト角が80度のTNセルに試料を入れた。このセルにサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。このセルにサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
2)誘電率異方性が負である液晶組成物a
2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μm、ホメオトロピック配向に処理した液晶セルに試料を入れ、サイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後の誘電率(ε‖)を測定した。さらに2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μm、ホモジニアス配向に処理した液晶セルに試料を入れ、サイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後の誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
電圧保持率(VHR;25℃で測定;%)
測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは6μmである。この素子は試料を入れたあと紫外線によって重合する接着剤で密閉した。このTN素子にパルス電圧(5Vで60μ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7m秒のあいだ測定し、単位周期において電圧曲線と横軸との間の面積を求めた。TN素子を取り除いたあと測定した電圧の波形から同様にして面積を求めた。2つの面積の値を比較して電圧保持率を算出した。
ピッチ(P;25℃で測定;nm)
ピッチ長は選択反射を用いて測定した(液晶便覧196頁(2000年発行、丸善)。選択反射波長λには、関係式<n>p/λ=1が成立する。ここで<n>は平均屈折率を表し、次式で与えられる。<n>=[(n‖2+n⊥2)/2]1/2。選択反射波長は顕微分光光度計(日本電子(株)、商品名MSV-350)で測定した。得られた反射波長を平均屈折率で除すことにより、ピッチを求めた。
可視光より長波長領域に反射波長を有するコレステリック液晶のピッチは、キラル剤の濃度が低い領域ではキラル剤の濃度の逆数に比例することから、可視光領域に選択反射波長を有する液晶のピッチ長を数点測定し、直線外挿法により求めた。
[実施例1]
液晶組成物の調製
下記式(a)〜(f)および(g)で表される化合物を下記に示す重量比で混合してネマチック液晶組成物A−1を調製した。具体的には、上記式(1)で表される成分1に該当する化合物として、透明点であるN−I点が250℃以上である化合物(a)と化合物(b)、上記式(3)で表される成分2の化合物として、K−I点が49.8℃で透明点が7.7℃である化合物(g)、および、化合物(c)〜化合物(f)を混合して調製した。重量比の右に示す値は、各化合物の相転移温度である。なお、化合物(g)の透明点は、7.7℃であった。当該透明点は、母液晶ZLI−1132(メルク社製)に化合物(g)を15重量%混合して測定したNI点の外挿値として求めた。
次に、液晶組成物A−1に、下記式で表されるキラル剤ISO−6OBA2を添加して液晶組成物A−2、A−3、A−4およびA−5を得た。具体的には、表1に示すように、キラル剤の濃度が2.9、5.0、8.1、10.0重量%となる液晶組成物を調製し、それぞれ液晶組成物A−2、A−3、A−4、A−5とした。そして、各液晶組成物A−1〜A−5を配向処理の施されていないITO付ガラス2枚からなるセル(セル厚13マイクロメートル)に狭持し、偏光顕微鏡を用いて相転移温度を測定した。
液晶組成物A−1〜A−5の相転移温度は表1に示すとおりであった。具体的には、液晶組成物A−1では−1℃/minの降温過程においてネマチック相(N)と非液晶等方相(I)とが共存する上限温度(60℃)と下限温度(54℃)との差(共存温度範囲)が6.0℃であった。液晶組成物A−2では、−1℃/minの降温過程においてキラルネマチック相(N*)と非液晶等方相(I)とが共存する上限温度(54.7℃)と下限温度(48.6℃)との差(共存温度範囲)が6.1℃であった。
液晶組成物A−3の1℃/minの昇温過程において、光学的に等方性の液晶相が発現する上限温度51.0℃と下限温度46.1℃との差(BP温度範囲)は4.9℃であった。
また、液晶組成物A−4の1℃/minの昇温過程において、光学的に等方性の液晶相が発現する上限温度(41.9℃〜44.9℃)と下限温度(34.7℃)との差(BP温度範囲)は7.2℃〜10.2℃であった。同様に、液晶組成物A−5のBP温度範囲は10℃であった。このように、液晶組成物A−4とA−5は昇温過程で、光学的に等方性の液晶相を広い温度範囲で発現した。したがって、本明細書中で定義される液晶組成物Bは、本実施例の液晶組成物A−1〜A−5の内、A−3とA−4とA−5である。
また、液晶組成物A−2の降温過程における54.5℃、52℃、49℃における偏光顕微鏡像(図1)によれば、当該液晶組成物において非液晶等方相とキラルネマチック相が共存していることがわかった。
成分1の化合物である化合物(a)と化合物(b)を、液晶組成物A−1〜A−5における両者の重量比と同じ重量比で混合した混合物(化合物(a):化合物(b)=5.2:5.2)を調製し、その混合物の透明点であるN−I点(T1)を測定したところ270℃以上であった。液晶組成物A−1の透明点であるN−I点(Txa)は56.5℃であるから(T1−Txa)は213.5℃以上であった。また液晶組成物A−2の透明点であるN*−I点(TxA)は51.5℃であるから、(T1−TxA)は218.5℃以上であった。
同様に、液晶組成物A−3〜A−5におけるT1−TxBは以下のとおりであった。ここでTxBとは液晶組成物Bの透明点を表す。
液晶組成物A−3: T1−TxB=270℃以上−51.0℃=219.0℃以上
液晶組成物A−4: T1−TxB=270℃以上−41.9℃=228.1℃以上
液晶組成物A−5: T1−TxB=270℃以上−40℃=230℃以上
また、成分2の化合物である化合物(g)の透明点は7.7℃であるから、液晶組成物A−3、A−4およびA−5のT2は7.7℃である。
他方、液晶組成物A−3、A−4およびA−5のT1は270℃であるから、これらの液晶組成物は、T1>T2を満たす。
モノマーと液晶材料の混合物の調製
液晶材料とモノマーとの混合物として液晶組成物A−5を79.4重量%、トリメチロールプロパントリアクリレートを8.6重量%、1,4−ジ(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−2−メチルベンゼンを11.4重量%、光重合開始剤として2,2’−ジメトキシフェニルアセトフェノンを0.6重量%混合した液晶組成物A−5Mを調製した。
高分子/液晶複合材料の調製
液晶組成物A−5Mを配向処理の施されていない櫛型電極基板と対向ガラス基板(非電極付与)の間に狭持し(セル厚12マイクロメートル)、得られたセルを35.0℃の等方相まで加熱した。この状態で、紫外光(紫外光強度10mWcm-2(365nm))を5分間照射して、重合反応を行った。
このようにして得られた高分子/液晶複合材料A−5Pは0℃以下の温度まで冷却しても二色以上の回折光を示さない光学的に等方性の液晶相を維持していた。すなわち液晶組成物A−5よりさらに光学的等方相が発現する温度範囲が広がった。
なお、図2に示すように、櫛型電極基板の電極は、左側から伸びる電極1と右側から伸びる電極2が交互に配置される。したがって、電極1と電極2との間に電位差がある場合、図2に示すような櫛型電極基板上では、上方向と下方向の2つの方向の電界が存在する状態を提供できる。
[実施例2]
実施例1で得られた高分子/液晶複合材料A−5Pが狭持されたセルを、図3に示した光学系にセットし、電気光学特性を測定した。レーザー光のセルへの入射角度がセル面に対して垂直となるようにし、櫛型電極の線方向がPolarizerとAnalyzer偏光板に対してそれぞれ45°となるように前記セルを光学系にセットした。測定温度を20℃として振幅180Vの矩形波を印加すると、透過率が88%となり、透過光強度は飽和した。フォトディテクターで検出した電界無印加時の透過光強度は0.08、電界印加時の透過光強度は252であり、コントラストは3150と算出された。このときの応答速度は立ち上がり(透過光強度が電界印加時の強度の10%から90%まで変化するのに要する時間)が170マイクロ秒、立ち下がり(透過光強度が電界印加時の強度の90%から10%まで変化するのに要する時間)が120マイクロ秒であった。
また電界除去後も残留複屈折は認められなかった。温度を0〜35℃の間で変えて同様に電界オン/オフを試みた所、この温度範囲内で明と暗の2つの状態が出現することを確認した。
このように、高分子/液晶複合材料A−5Pは電界のオン/オフで明と暗の2状態を実現でき、かつ透過率が飽和するまで電界を印加しても高速応答が実現できた。
[実施例3]
液晶組成物の調製
下記式(o−1)、(o−2)、(o−3)および(p)で表される化合物を下記に示す重量比で混合してネマチック液晶組成物F−1を調製した。具体的には、上記式(1)で表される成分1の化合物として、透明点であるN−I点が250℃以上である化合物(o−1)〜(o−3)、上記式(3)で表される成分2の化合物として、K−I点が21.4℃で透明点(外挿値)が−41.6℃である化合物pを混合して調製した。重量比の右に示す値は、各化合物の相転移温度である。
次に、液晶組成物F−1に、キラル剤ISO−6OBA2を添加して液晶組成物F−2、F−3を得た。具体的には、表2に示すように、キラル剤の濃度が0.8、10.0重量%となる液晶組成物を調製し、それぞれ液晶組成物F−2、F−3とした。そして、各液晶組成物F−2〜F−3を配向処理の施されていないITO付ガラス2枚からなるセル(セル厚13マイクロメートル)に狭持し、偏光顕微鏡を用いて相転移温度を測定した。ここでF−3の透明点は実施例1で用いたセルと同様のセルを用い、偏光顕微鏡を確認しながら、80V交流正弦波を印加し、昇温条件下、透過率が急激に低下する温度を透明点とした。
液晶組成物F−1〜F−3の相転移温度は表2に示すとおりであった。具体的には、液晶組成物F−1では−1℃/minの降温過程においてネマチック相(N)と非液晶等方相(I)とが共存する上限温度(98.7℃)と下限温度(85℃)との差(共存温度範囲)が13.7℃であった。液晶組成物F−2では、−1℃/minの降温過程においてキラルネマチック相(N*)と非液晶等方相(I)とが共存する上限温度(97.2℃)と下限温度(81℃)との差(共存温度範囲)が16.2℃であった。
また、液晶組成物F−3では、1℃/minの昇温過程において、光学的に等方性の液晶相が発現する上限温度(74℃)と下限温度(54℃)との差(BP(X)またはBP温度範囲)は20℃であった。このように、液晶組成物F−3は昇温過程で、光学的に等方性の液晶相を広い温度範囲で発現した。
成分1の化合物である化合物(o−1)、化合物(o−2)および化合物(o−3)を、液晶組成物F−1〜F−3における3つの化合物の重量比と同じ重量比で混合した混合物(化合物(o−1):化合物(o−2):化合物(o−3)=16.6:16.7:16.7)を調製し、その混合物の透明点であるN−I点(T1)を測定したところ254℃であった。液晶組成物F−1の透明点であるN−I点(Txa)は89.2℃であるから(T1−Txa)は164.8℃以上であった。液晶組成物F−2の透明点N*−I点(TxA)は84℃であるから、(T1−TxA)は170℃であった。液晶組成物F−3の透明点BP(またはBPX)−I点(TxB)は74℃であるから、(T1−TxB)は180℃であった。
また、成分2の化合物である化合物(p)の透明点は−41.6℃であるから、液晶組成物F−3のT2は−41.6℃である。
他方、液晶組成物F−3のT1は254℃であるから、これらの液晶組成物は、T1>T2を満たす。
モノマーと液晶材料の混合物の調製
液晶材料とモノマーとの混合物として液晶組成物F−3を79.4重量%、ドデシルアクリレートを8.6重量%、1,4−ジ(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−2−メチルベンゼンを11.4重量%、光重合開始剤として2,2’−ジメトキシフェニルアセトフェノンを0.6重量%混合した液晶組成物F−3Mを調製した。
高分子/液晶複合材料の調製
液晶組成物F−3Mを配向処理の施されていない櫛型電極基板と対向ガラス基板(非電極付与)の間に狭持し(セル厚12マイクロメートル)、得られたセルを65.0℃の等方相まで加熱した。この状態で、紫外光(紫外光強度10mWcm-2(365nm))を5分間照射して、重合反応を行った。
このようにして得られた高分子/液晶複合材料F−3Pは30℃まで冷却しても二色以上の回折光を示さない光学的に等方性の液晶相を維持していた。すなわち液晶組成物F−3よりさらに光学的等方相が発現する温度範囲が広がった。
なお、図2に示すように、櫛型電極基板の電極は、左側から伸びる電極1と右側から伸びる電極2が交互に配置される。したがって、電極1と電極2との間に電位差がある場合、図2に示すような櫛型電極基板上では、上方向と下方向の2つの方向の電界が存在する状態を提供できる。
実施例3で得られた高分子/液晶複合材料F−3Pが狭持されたセルを、図3に示した光学系にセットし、電気光学特性を測定した。レーザー光のセルへの入射角度がセル面に対して垂直となるようにし、櫛型電極の線方向がPolarizerとAnalyzer偏光板に対してそれぞれ45°となるように前記セルを光学系にセットした。測定温度を55℃として振幅180Vの矩形波を印加した。透過率が飽和するには至らなかったが明状態を実現できた。このときの応答速度は立ち上がり(透過光強度が電界印加時の強度の10%から90%まで変化するのに要する時間)が250マイクロ秒、立ち下がり(透過光強度が電界印加時の強度の90%から10%まで変化するのに要する時間)が110マイクロ秒であった。
また電界除去後も残留複屈折は認められなかった。
このように、高分子/液晶複合材料F−3Pは電界のオン/オフで明と暗の2状態を実現でき、かつ高速応答が実現できた。
[実施例4]
液晶組成物の調製
下記式(q−1)、(q−2)、(q−3)、(c)、(e)、(r)、(a)および(b)で表される化合物を下記に示す重量比で混合してネマチック液晶組成物G−1を調製した。具体的には、上記式(1)で表される成分1の化合物として、透明点であるN−I点が250℃以上である化合物(a)および(b)、上記式(3)で表される成分2の化合物として、K−I点が46.1℃で透明点(外挿値)が−3.6℃である化合物(r)、その他化合物(q−1)〜(q−3)、(c)および(e)を混合して調製した。重量比の右に示す値は、各化合物の相転移温度である。
次に、液晶組成物G−1とキラル剤ISO−6OBA2が94/6の重量比である液晶組成物G−2を得た。具体的には、そして、各液晶組成物G−2を配向処理の施されていないITO付ガラス2枚からなるセル(セル厚13マイクロメートル)に狭持し、偏光顕微鏡を用いて相転移温度を測定した。
液晶組成物G−1は−1℃/minの降温過程においてネマチック相(N)と非液晶等方相(I)とが共存する上限温度(76.2℃)と下限温度(66.2℃)との差(共存温度範囲)が10.0℃であった。また1℃/minの昇温過程において、ネマチック相(N)からネマチック相と非液晶等方相とが共存する相への転移点は71.0℃であった。
また、液晶組成物G−2では、1℃/minの昇温過程において、N* 52.0 BP(またはBPX) 60.5 BP(またはBPX)+I 66.0 Iの相転移を示した。光学的に等方性の液晶相が発現する上限温度(60.5〜66.0℃)と下限温度(52.0℃)との差(BPXまたはBP温度範囲)は7.5〜14.0℃であった。このように、液晶組成物G−2は昇温過程で、光学的に等方性の液晶相を広い温度範囲で発現した。
成分1の化合物である化合物(a)と化合物(b)を、液晶組成物G−1とG−2における両者の重量比と同じ重量比で混合した混合物(化合物(a):化合物(b)=7.5:7.5)を調製し、その混合物の透明点であるN−I点(T1)を測定したところ270℃以上であった。液晶組成物G−1の透明点であるN−I点(Txa)は71.0℃であるから(T1−Txa)は199℃以上であった。液晶組成物G−2におけるT1−TxBは以下のとおりであった。
液晶組成物G−2: T1−TxB=270℃以上−60.5℃=209.5℃以上
また、成分2の化合物である化合物(r)の透明点は−3.6℃であるから、液晶組成物F−3のT2は−3.6℃である。
他方、液晶組成物F−3のT1は270℃以上であるから、これらの液晶組成物は、T1>T2を満たす。
モノマーと液晶材料の混合物の調製
液晶材料とモノマーとの混合物として液晶組成物G−2を79.4重量%、ドデシルアクリレートを10.0重量%、1,4−ジ(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−2−メチルベンゼンを10.0重量%、光重合開始剤として2,2’−ジメトキシフェニルアセトフェノンを0.6重量%混合した液晶組成物G−2Mを調製した。
高分子/液晶複合材料の調製
液晶組成物G−2Mを配向処理の施されていない櫛型電極基板と対向ガラス基板(非電極付与)の間に狭持し(セル厚14マイクロメートル)、得られたセルを45.0℃の非液晶等方相状態に保ち、この状態で、紫外光(紫外光強度10mWcm-2(365nm))を5分間照射して、重合反応を行った。
このようにして得られた高分子/液晶複合材料G−2Pは25℃まで冷却しても二色以上の回折光を示さない光学的に等方性の液晶相を維持していた。すなわち液晶組成物G−2よりさらに光学的等方相が発現する温度範囲が広がった。
なお、図2に示すように、櫛型電極基板の電極は、左側から伸びる電極1と右側から伸びる電極2が交互に配置される。したがって、電極1と電極2との間に電位差がある場合、図2に示すような櫛型電極基板上では、上方向と下方向の2つの方向の電界が存在する状態を提供できる。
実施例4で得られた高分子/液晶複合材料G−3Pが狭持されたセルを、図3に示した光学系にセットし、電気光学特性を測定した。レーザー光のセルへの入射角度がセル面に対して垂直となるようにし、櫛型電極の線方向がPolarizerとAnalyzer偏光板に対してそれぞれ45°となるように前記セルを光学系にセットした。測定温度を35℃として振幅100Vの矩形波を印加したところ透過率が飽和した。電圧70Vを印加したときの応答速度は立ち上がり(透過光強度が電界印加時の強度の10%から90%まで変化するのに要する時間)が1ミリ秒、立ち下がり(透過光強度が電界印加時の強度の90%から10%まで変化するのに要する時間)が0.7ミリ秒であった。
また電界除去後も残留複屈折は認められなかった。
このように、高分子/液晶複合材料G−2Pは電界のオン/オフで明と暗の2状態を実現でき、かつ高速応答が実現できた。
本発明の活用法として、たとえば、液晶材料、液晶材料を用いる液晶素子が挙げられる。
液晶組成物A−2の降温過程における偏光顕微鏡像を示す。 実施例1で用いた櫛型電極基板を示す。 実施例2、3および4で用いた光学系を示す。

Claims (33)

  1. 液晶材料と高分子とを含み、光学的に等方性の液晶相で駆動される素子に用いられる高分子/液晶複合材料に含まれる液晶材料であって、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を4.8℃以上の温度範囲で発現する液晶材料であって、
    前記液晶材料が、ネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差が3.0℃〜150℃であり、
    前記液晶材料が、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる液晶組成物Bであり、
    液晶組成物Aは透明点Tの成分1を30〜80重量%、透明点Tの成分2を20〜70重量%含み、透明点T、透明点Tおよび液晶組成物Bの透明点TxBが、
    >T
    −TxB≧100℃
    を満たし、
    成分1が、下記一般式(1)

    (式中、R1は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF、−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル基中およびアルキル中の任意の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    2は水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF、−OCFまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、これらのアルキル中の−CHは−CNで置き換えられてもよく;
    〜Aは独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよいが、A〜Aがテトラヒドロピラン環であることはなく、;
    〜Zは独立して単結合、炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、アルキレン中およびアルキレン中の任意の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    〜nは独立して0または1であり、R2が水素またはフッ素の場合はnおよびnは1であり、Z〜Zの少なくとも1つが−CFO−である場合はnおよびnは1であり、Zが−COO−である場合は、nとnが1であり、AまたはAの少なくとも一つが炭素数9以上の縮合環である場合のみn〜nすべてが0となりうる。)
    で表される化合物からなる、液晶材料。
  2. 前記液晶組成物Aは透明点Tの成分1を30〜70重量%、透明点Tの成分2を30〜70重量%含み、透明点T、透明点Tおよび液晶組成物Bの透明点TxBが、
    >T
    −TxB≧150℃
    を満たす、請求項1に記載の液晶材料。
  3. 前記液晶組成物Aは透明点Tの成分1を30〜70重量%、透明点Tの成分2を30〜70重量%含み、透明点T、透明点Tおよび液晶組成物Bの透明点TxBが、
    >T
    −TxB≧200℃
    を満たす、請求項1に記載の液晶材料。
  4. 液晶材料と高分子とを含み、光学的に等方性の液晶相で駆動される素子に用いられる高分子/液晶複合材料に含まれる液晶材料であって、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を4.8℃以上の温度範囲で発現する液晶材料であって、
    前記液晶材料が、ネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差が3.0℃〜150℃であり、
    液晶材料が、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる液晶組成物Bであり、
    液晶組成物Aは透明点Tの成分1を30〜80重量%、透明点Tの成分2を20〜70重量%含み、透明点T、透明点T、および、液晶組成物Aから全てのキラル剤を除いた液晶組成物aの透明点Txaが、
    >T
    −Txa≧100℃
    を満たし、
    成分1が、下記一般式(1)

    (式中、R1は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF、−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル基中およびアルキル中の任意の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    2は水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF、−OCFまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、これらのアルキル中の−CHは−CNで置き換えられてもよく;
    〜Aは独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよいが、A〜Aがテトラヒドロピラン環であることはなく、;
    〜Zは独立して単結合、炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、アルキレン中およびアルキレン中の任意の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    〜nは独立して0または1であり、R2が水素またはフッ素の場合はnおよびnは1であり、Z〜Zの少なくとも1つが−CFO−である場合はnおよびnは1であり、Zが−COO−である場合は、nとnが1であり、AまたはAの少なくとも一つが炭素数9以上の縮合環である場合のみn〜nすべてが0となりうる。)
    で表される化合物からなる、液晶材料。
  5. 〜Zの少なくとも1つが−CFO−である場合、nは1である、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶材料。
  6. 成分1は透明点が150℃以上の液晶化合物からなり、成分2は透明点が47℃以下の液晶化合物からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶材料。
  7. 1は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
    2はハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF、−OCFまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH−が、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、これらのアルキル中の−CHは−CNで置き換えられてもよく;
    〜Aは独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
    〜Zは独立して単結合、炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、アルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい、
    請求項1〜5のいずれかに記載の液晶材料。
  8. 1が炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環と隣接しない任意の−CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、このアルキルあるいはアルケニル中の任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく;
    2はフッ素、塩素、−CN、−N=C=Sまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH−が、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    〜Aが独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく、−CH−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
    〜Zは独立して単結合、−CFO−または−C≡C−である、
    請求項1〜5のいずれかに記載の液晶材料。
  9. 1が炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、このアルキルあるいはアルケニル中の任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく;
    2がフッ素、塩素、−CN、または炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH−が、−O−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    〜Aが独立してベンゼン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく;
    〜Zは独立して単結合または−C≡C−であり;
    が1、nとnが0である、
    請求項1〜5のいずれかに記載の液晶材料。
  10. 成分2が、下記一般式(2)

    (式中、R3は水素、炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    4はハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF、−OCF、−C≡C−CN、−C=C−CFまたは−C≡C−CFであり;
    、AおよびAは独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、この環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
    およびZは単結合または炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    およびnは0または1であるが、nとnがともに1となるのは、ZおよびZの少なくとも一方が−CFO−である場合のみであり、AあるいはAが炭素数9以上の縮合環である場合、nおよびnは0である。)
    で表される化合物からなる、請求項1〜9のいずれかに記載の液晶材料。
  11. 3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
    4はハロゲン、−CN、−N=C=S、−CF、−C≡C−CN、−C≡C−CFであり;
    、AおよびAは独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
    およびZは単結合、炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい、
    請求項10に記載の液晶材料。
  12. 3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
    4はハロゲン、−CN、−N=C=S、−CF、−OCF、−C≡C−CN、−CH=CH−CF,−C≡C−CFであり;
    、AとAは独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく、この環の任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
    およびZは、独立して単結合、−COO−、−CFO−または−C≡C−である、
    請求項10に記載の液晶材料。
  13. 3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH−は、―CH=CH−で置き換えられてもよく;
    4はハロゲン、−CNであり;
    とAは独立してベンゼン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環の任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく;
    は単結合または−COO−であり;
    は0であり、nは0または1である
    請求項10に記載の液晶材料。
  14. 成分2が、下記一般式(3)

    (式中、R5は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    はフッ素、塩素、−CN、−N=C=S、−CF、−OCF、−C≡C−CN、−CH=CH−CFまたは−C≡C−CFであり;
    12は単結合、−COO−、−CFO−または−C≡C−であり;
    〜L11は独立して水素またはフッ素である。)
    で表される化合物からなる、請求項1〜9のいずれかに記載の液晶材料。
  15. 5は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
    はフッ素または−CNであり;
    12は−COO−であり、
    〜L11は独立して水素またはフッ素であり、それらの少なくとも2個以上がフッ素である、
    請求項14に記載の液晶材料。
  16. 成分2が、下記一般式(4)

    (式中、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    はフッ素、塩素、−CF、−OCF、−C=C−CFまたは−C≡C−CFであり;
    13およびZ14は、独立して単結合または−CFO−であるが、少なくとも一つは−CFO−であり;
    12〜L17は独立して水素、フッ素または塩素である。)
    で表される化合物からなる、請求項1〜9のいずれかに記載の液晶材料。
  17. は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
    はフッ素、塩素、−CF、−OCFまたは−C=C−CFであり;
    13は単結合であり、Z14は−CFO−であり、
    12〜L17は独立して水素またはフッ素であり、それらの少なくとも2個以上がフッ素である、
    請求項16に記載の液晶材料。
  18. 液晶材料に含まれるキラル剤が、下記式(K1)〜(K5)

    (式(K1)〜(K5)中、
    は独立して、水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=Sまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    Aは独立して、芳香族性あるいは非芳香族性の3ないし8員環、または、炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキルまたはハロアルキルで置き換えられてもよく、環の−CH−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
    Zは独立して、単結合、炭素数1〜8のアルキレンであるが、任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
    Xは単結合、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−または−CHCH−であり;
    mは1〜4である。)
    で表される化合物を1種以上含む、請求項1〜17のいずれかに記載の液晶材料。
  19. 液晶材料に含まれるキラル剤が、下記式(K2−1)〜(K2−8)および(K5−1)〜(K5−3)



    (Rは独立して、炭素数3〜10のアルキルであり、このアルキル中の環に隣接する−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよい。)
    で表される化合物を1種以上含む、請求項1〜18のいずれかに記載の液晶材料。
  20. 液晶組成物Bの全重量に対して、キラル剤が1〜40重量%含まれる、請求項1〜19のいずれかに記載の液晶材料。
  21. 請求項1〜20のいずれかに記載の液晶材料と、重合性モノマーとを含む混合物。
  22. 重合性モノマーが光重合性モノマーまたは熱重合性モノマーである、請求項21に記載の混合物。
  23. 請求項21または22に記載の混合物を重合して得られる、光学的に等方性の液晶相で駆動される素子に用いられる高分子/液晶複合材料。
  24. 前記混合物が光学的に等方性の液晶相または等方相で重合されて得られる、請求項23に記載の高分子/液晶複合材料。
  25. 高分子/液晶複合材料に含まれる高分子がメソゲン部位を有する、請求項24に記載の高分子/液晶複合材料。
  26. 高分子/液晶複合材料に含まれる高分子が架橋構造を有する、請求項23〜25のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
  27. 液晶材料を60〜99重量%、高分子を1〜40重量%含む、請求項23〜25のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
  28. ピッチが700nm以下である、請求項23〜27のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
  29. 一方または両方の面に電極が配置され、
    基板間に配置された高分子/液晶複合材料、および
    電極を介して高分子/液晶複合材料に電界を印加する電界印加手段を備えた液晶素子であって、
    前記高分子/液晶複合材料が、請求項23〜28のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料である液晶素子。
  30. 一方または両方の面に電極が配置され、少なくとも一方が透明な一組の基板、
    基板間に配置された高分子/液晶複合材料、および
    基板の外側に配置された偏光板
    を有し、電極を介して高分子/液晶複合材料に電界を印加する電界印加手段を備えた液晶素子であって、
    前記高分子/液晶複合材料が、請求項23〜28のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料である液晶素子。
  31. 一組の基板の少なくとも一方の基板上において、少なくとも2方向に電界を印加できるように電極が構成されている請求項29または30に記載の液晶素子。
  32. 互いに平行に配置された一組の基板の一方または両方に、少なくとも2方向に電界を印加できるように電極が構成されている請求項29または30に記載の液晶素子。
  33. 電極がマトリックス状に配置されて、画素電極を構成し、各画素がアクティブ素子を備え、このアクティブ素子が薄膜トランジスター(TFT)である請求項29〜32のいずれかに記載の液晶素子。
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