JP5875032B2 - 高分子/液晶複合材料および液晶素子 - Google Patents
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[2] 液晶材料が、ネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差が3.0℃〜150℃であり、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる組成物である、[1]に記載の液晶材料。
[3] 液晶材料が、ネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差が6.0℃〜150℃であり、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる組成物である、[1]に記載の液晶材料。
液晶組成物Aは透明点T1の成分1を5〜80重量%、透明点T2の成分2を20〜95重量%含み、透明点T1、透明点T2および液晶組成物Bの透明点TxBが、
T1>T2
T1−TxB≧100℃
を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶材料。
[5] 液晶材料が、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる液晶組成物Bであって、
液晶組成物Aは透明点T1の成分1を5〜70重量%、透明点T2の成分2を30〜95重量%含み、透明点T1、透明点T2および液晶組成物Bの透明点TxBが、
T1>T2
T1−TxB≧150℃
を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶材料。
[6] 液晶材料が、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる液晶組成物Bであって、
液晶組成物Aは透明点T1の成分1を5〜70重量%、透明点T2の成分2を30〜95重量%含み、透明点T1、透明点T2および液晶組成物Aの透明点TxBが、
T1>T2
T1−TxB≧200℃
を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶材料。
[7] 液晶材料が、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる液晶組成物Bであって、
液晶組成物Aは透明点T1の成分1を5〜80重量%、透明点T2の成分2を20〜95重量%含み、透明点T1、透明点T2、および、液晶組成物Aから全てのキラル剤を除いた液晶組成物aの透明点Txaが、
T1>T2
T1−Txa≧100℃
を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶材料。
[8] 成分1は透明点が150℃以上の液晶化合物からなり、成分2は透明点が47℃以下の液晶化合物からなる、[4]〜[7]のいずれかに記載の液晶材料。
成分1は、透明点が200℃以上の液晶化合物からなることが好ましく、透明点が220℃以上の液晶化合物からなることがさらに好ましく、透明点が250℃以上の液晶化合物からなることが特に好ましい。
また、成分2は、透明点が25℃以下の液晶化合物からなることが好ましく、透明点が0℃以下の液晶化合物からなることがさらに好ましい。
R2は水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、これらのアルキル中の−CH3は−CNで置き換えられてもよく;
A1〜A5は独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよいが、A1〜A5がテトラヒドロピラン環であることはなく、;
Z1〜Z4は独立して単結合、炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、アルキレン中およびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
n1〜n3は独立して0または1であり、R2が水素またはフッ素の場合はn2およびn3は1であり、Z1〜Z4の少なくとも1つが−CF2O−である場合はn2およびn3は1であり、Z4が−COO−である場合は、n2とn3が1であり、A4またはA5の少なくとも一つが炭素数9以上の縮合環である場合のみn1〜n3すべてが0となりうる。)
で表される化合物からなる、[4]〜[8]のいずれかに記載の液晶材料。
[10] R1は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
R2はハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、これらのアルキル中の−CH3は−CNで置き換えられてもよく;
A1〜A5は独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Z1〜Z4は独立して単結合、炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、アルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい、
[9]に記載の液晶材料。
[11] R1が炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環と隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、このアルキルあるいはアルケニル中の任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく;
R2はフッ素、塩素、−CN、−N=C=Sまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
A1〜A5が独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく、−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Z1〜Z4は独立して単結合、−CF2O−または−C≡C−である、
[9]に記載の液晶材料。
[12] R1が炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、このアルキルあるいはアルケニル中の任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく;
R2がフッ素、塩素、−CN、または炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
A1〜A5が独立してベンゼン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく;
Z1〜Z4は独立して単結合または−C≡C−であり;
n1が1、n2とn3が0である、
[9]に記載の液晶材料。
R4はハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3、−C≡C−CN、−C=C−CF3または−C≡C−CF3であり;
A6、A7およびA8は独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、この環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Z6およびZ7は単結合または炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
n6およびn7は0または1であるが、n6とn7がともに1となるのは、Z6およびZ7の少なくとも一方が−CF2O−である場合のみであり、A7あるいはA8が炭素数9以上の縮合環である場合、n6およびn7は0である。)
で表される化合物からなる、[4]〜[12]のいずれかに記載の液晶材料。
[14] R3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
R4はハロゲン、−CN、−N=C=S、−CF3、−C≡C−CN、−C≡C−CF3であり;
A6、A7およびA8は独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Z6およびZ7は単結合、炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい、
[13]に記載の液晶材料。
[15] R3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
R4はハロゲン、−CN、−N=C=S、−CF3、−OCF3、−C≡C−CN、−CH=CH−CF3,−C≡C−CF3であり;
A6、A7とA8は独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Z6およびZ7は、独立して単結合、−COO−、−CF2O−または−C≡C−である、
[13]に記載の液晶材料。
[16] R3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、―CH=CH−で置き換えられてもよく;
R4はハロゲン、−CNであり;
A7とA8は独立してベンゼン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環の任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく;
Z7は単結合または−COO−であり;
n6は0であり、n7は0または1である
[13]に記載の液晶材料。
Xaはフッ素、塩素、−CN、−N=C=S、−CF3、−OCF3、−C≡C−CN、−CH=CH−CF3または−C≡C−CF3であり;
Z12は単結合、−COO−、−CF2O−または−C≡C−であり;
L8〜L11は独立して水素またはフッ素である。)
で表される化合物からなる、[4]〜[12]のいずれかに記載の液晶材料。
[18] R5は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
Xaはフッ素または−CNであり;
Z12は−COO−であり、
L8〜L11は独立して水素またはフッ素であり、それらの少なくとも2個以上がフッ素である、
[17]に記載の液晶材料。
[19] 成分2が、下記一般式(4)
Xbはフッ素、塩素、−CF3、−OCF3、−C=C−CF3または−C≡C−CF3であり;
Z13およびZ14は、独立して単結合または−CF2O−であるが、少なくとも一つは−CF2O−であり;
L12〜L17は独立して水素、フッ素または塩素である。)
で表される化合物からなる、[4]〜[12]のいずれかに記載の液晶材料。
[20] R6は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
Xbはフッ素、塩素、−CF3、−OCF3または−C=C−CF3であり;
Z13は単結合であり、Z14は−CF2O−であり、
L12〜L17は独立して水素またはフッ素であり、それらの少なくとも2個以上がフッ素である、
[19]に記載の液晶材料。
RKは独立して、水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=Sまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
Aは独立して、芳香族性あるいは非芳香族性の3ないし8員環、または、炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキルまたはハロアルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Zは独立して、単結合、炭素数1〜8のアルキレンであるが、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
Xは単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−または−CH2CH2−であり;
mは1〜4である。)
で表される化合物を1種以上含む、[2]〜[20]のいずれかに記載の液晶材料。
[22] 液晶材料に含まれるキラル剤が、下記式(K2−1)〜(K2−8)および(K5−1)〜(K5−3)
で表される化合物を1種以上含む、[2]〜[20]のいずれかに記載の液晶材料。
[23] 液晶組成物Bの全重量に対して、キラル剤が1〜40重量%含まれる、[2]〜[22]のいずれかに記載の液晶材料。
[1]〜[23]のいずれかに記載の液晶材料と、重合性モノマーとを含む混合物。
[25] 重合性モノマーが光重合性モノマーまたは熱重合性モノマーである、[24]に記載の混合物。
[26] [24]または[25]に記載の混合物を重合して得られる、光学的に等方性の液晶相で駆動される素子に用いられる高分子/液晶複合材料。
[27] 前記混合物が光学的に等方性の液晶相または等方相で重合されて得られる、[26]に記載の高分子/液晶複合材料。
[28] 高分子/液晶複合材料に含まれる高分子がメソゲン部位を有する、[27]に記載の高分子/液晶複合材料。
[29] 高分子/液晶複合材料に含まれる高分子が架橋構造を有する、[26]〜[28]のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
[30] 液晶材料を60〜99重量%、高分子を1〜40重量%含む、[26]〜[29]のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
[31] ピッチが700nm以下である、[26]〜[30]のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
基板間に配置された高分子/液晶複合材料、および
電極を介して高分子/液晶複合材料に電界を印加する電界印加手段を備えた液晶素子であって、
前記高分子/液晶複合材料が、[26]〜[31]のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料である液晶素子。
[33] 一方または両方の面に電極が配置され、少なくとも一方が透明な一組の基板、
基板間に配置された高分子/液晶複合材料、および
基板の外側に配置された偏光板
を有し、電極を介して高分子/液晶複合材料に電界を印加する電界印加手段を備えた液晶素子であって、
前記高分子/液晶複合材料が、[26]〜[31]のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料である液晶素子。
[34] 一組の基板の少なくとも一方の基板上において、少なくとも2方向に電界を印加できるように電極が構成されている[32]または[33]に記載の液晶素子。
[35] 互いに平行に配置された一組の基板の一方または両方に、少なくとも2方向に電界を印加できるように電極が構成されている[32]または[33]に記載の液晶素子。
[36] 電極がマトリックス状に配置されて、画素電極を構成し、各画素がアクティブ素子を備え、このアクティブ素子が薄膜トランジスター(TFT)である[32]〜[35]のいずれかに記載の液晶素子。
ネマチック相(キラルネマチック相を除く)を発現する液晶化合物および組成物は、どのような温度でも光学的に等方性の液晶相を発現しない。したがって、本発明の複合材料および当該複合材料に含まれる液晶材料は、ネマチック相を、どのような温度でも発現しない。
また、ネマチック相とキラルネマチック相は共に光学的に等方性の液晶相ではない。したがって、光学的に等方性の液晶相で駆動する素子に用いる本発明の複合材料は、ネマチック相またはキラルネマチック相で駆動される素子に用いられるものではない。
本発明の高分子/液晶複合材料は、光学的に等方性の液晶相で駆動させる素子に用いられる光学的に等方性の高分子/液晶複合材料である。すなわち、本発明の高分子/液晶複合材料は、液晶素子に用いられる複合材料であって、光学的に等方性の性質を示す液晶状態(例えばブルー相)で液晶素子に用いることができる複合材料である。
本発明の複合材料に含まれる液晶材料は、特に限定されないが、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を4.8℃以上の温度範囲で発現し、ネマチック相を発現しない。
本発明の複合材料に含まれる液晶組成物a(液晶組成物Aから全てのキラル剤を除いた組成物)の誘電率異方性の正負は特に制限されるものではないが、誘電率異方性が正の液晶組成物aが好ましい。また、前記液晶材料の誘電率異方性値(Δε)の絶対値と屈折率異方性値(Δn)とは大きいほど電気複屈折は大きくなるため、いずれも大きいほど好ましい。
本発明の複合材料において、温度差10℃におけるカー係数の比が1.5以下である領域が存在すること、すなわち、電気複屈折率の温度依存性が小さく、広い温度範囲にわたって安定しているということが好ましい。
そして、本発明の高分子/液晶複合材料に用いられる液晶材料としては例えば、式(1)で表される化合物と、式(2)、式(3)または式(4)で表される化合物等とを混合して得られる液晶組成物Aにさらに一定量のキラル剤を添加して得られる、光学的に等方性の液晶相を発現する液晶組成物Bである。ただし液晶組成物Aは光学的に等方性の液晶相を発現しない範囲内でキラル剤を含有していてもよい。
本発明の液晶組成物Aにおいて、成分1は、式(1)で表される1つの化合物、または、式(1)で表される複数の化合物からなることが好ましいが、透明点が高い化合物であれば式(1)で表される化合物に限定されない。同様に、成分2は、式(2)、式(3)または式(4)で表される1つの化合物、または、式(2)、式(3)または式(4)で表される複数の化合物からなることが好ましいが、透明点が低い化合物であれば式(2)、式(3)または式(4)で表される化合物に限定されない。
また、液晶化合物あるいは液晶組成物が液晶相を発現しない場合は、後述する液晶相−非液晶等方相転移点の外挿法による算出法を適用する。液晶相−非液晶等方相転移点が液晶の熱分解温度より高温である化合物、組成物についてもこの外挿法を適用してもよい。
液晶組成物Aは、ネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差が3.0℃以上であり、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない組成物である。
液晶組成物Aは、上記の性質を有せば特に限定されず、キラル剤を含んでも含まなくてもよい。
1.1.1 透明点
本発明の液晶組成物Aにおいて、当該液晶組成物Aに含まれる成分1の透明点(T1)と成分2の透明点(T2)と後述の液晶組成物Bの透明点(TxB)は、
T1>T2
T1−TxB≧100℃
を満たすことが好ましい。また、
T1>T2
T1−TxB≧150℃
であることがさらに好ましい。また、
T1>T2
T1−TxB≧200℃
であることが特に好ましい。
ここで、成分1および成分2がそれぞれ複数の化合物を含む場合、それらの透明点は、成分1または成分2のそれぞれを構成する各化合物の重量比に基づいて得られた組成物の透明点である。
T1>T2
T1−Txa≧100℃
を満たすことが好ましい。また、
T1>T2
T1−Txa≧150℃
を満たすことがさらに好ましく、
T1>T2
T1−Txa≧200℃
を満たすことが特に好ましい。
成分1は、比較的透明点が高い化合物からなることが好ましい。具体的には、成分1は、式(1)で表される化合物からなることが好ましい。式(1)中、R1は水素、炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。これらの中でも、R1は、好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、さらに好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。これらの中でも、R1は炭素数1〜10のアルキルまたはアルコキシが最も好ましい。
成分2は、透明点が低く、誘電率異方性が大きい化合物が好ましい。具体的には、成分2は、式(2)、式(3)または式(4)で表される化合物からなることが好ましい。
式(2)中、R3は水素、炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。これらの中でも、R3は好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、R3は、さらに好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。R3は、最も好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよい。
これらの中でも、A6、A7とA8は、さらに好ましくは、独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく、さらに好ましくは、A6、A7とA8は独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がフッ素または塩素、メチル、またはハロゲン化メチルで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよい。A6、A7とA8は、最も好ましくは、独立してベンゼン環、ピリミジン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環の任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい。
式(3)中、R5は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。これらの中でも、R5は、好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
式(4)中、R6は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。これらの中でも、R6は、好ましくは、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、また芳香族環に隣接しない−CH2−は−CH=CH−で置き換えられてもよい。
成分1の透明点が150〜250℃である場合、液晶組成物Aに対して成分1を10〜80重量%および成分2を20〜90重量%含むことが好ましく、成分1を30〜60重量%および成分2を30〜70重量%含むことがさらに好ましい。また、成分1の透明点が250〜400℃である場合、液晶組成物Aに対して成分1を5〜70重量%および成分2を30〜95重量%含むことが好ましい。なお、上述の通り、本発明の液晶組成物において、成分1として式(1)で表される複数の化合物を含んでもよく、同様に、成分2として式(2)で表される複数の化合物を含んでもよい。したがって、たとえば、式(1)で表される化合物が複数含まれている場合には、式(1)で表される全ての化合物の合計が10〜80重量%(または5〜70重量%)ということになる。
液晶組成物Aは、キラル剤を含んでいない場合、降温過程でネマチック相と非液晶等方相の共存状態が発現し、キラル剤を含んでいる場合、降温過程でキラルネマチック相と非液晶等方相の共存状態が発現する液晶組成物であって、光学的に等方性の液晶相を発現しない組成物である。なお、ネマチック相と非液晶等方相、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する状態は、たとえば偏光顕微鏡観察で確認できる。なお、この共存状態は液晶組成物にかかる温度勾配によるものではない。
1.2.1 液晶組成物Bの組成
液晶組成物B(本発明の液晶材料)は、光学的に等方性の液晶相を発現する組成物である。液晶組成物Bは、例えば、液晶組成物Aにさらにキラル剤を添加して得ることができる。
当該液晶組成物Aの組成およびさらに添加されるキラル剤の種類等に依存するが、液晶組成物Bに含まれるキラル剤が組成物Bの全重量に対して1〜40重量、好ましくは5〜15重量%となるように添加した液晶組成物は、光学的に等方性の液晶相を有するようになりやすく、好ましい。
液晶組成物Aにキラル剤を添加することを特徴とする液晶組成物Bの製造工程において、予め液晶組成物Aが含み得るキラル剤と、液晶組成物Bを得るためにさらに添加されるキラル剤とは同一でも異なっていてもよい。
1.2.2 透明点
本発明の液晶組成物Bにおいて、当該液晶組成物Bの原料である液晶組成物Aに含まれる成分1の透明点(T1)と成分2の透明点(T2)と後述の液晶組成物Bの透明点(TxB)は、
T1>T2
T1−TxB≧100℃
を満たすことが好ましい。また、
T1>T2
T1−TxB≧150℃
であることがさらに好ましい。また、
T1>T2
T1−TxB≧200℃
であることが特に好ましい。
液晶組成物B(本発明の液晶材料)に含まれるキラル剤としては、ねじり力(Helical Twisting Power)が大きい化合物が好ましい。ねじり力が大きい化合物は所望のピッチを得るために必要な添加量が少なくできるので、駆動電圧の上昇を抑えられ、実用上有利である。具体的には、上記式(K1)〜(K5)で表される化合物が好ましい。
液晶組成物B(本発明の液晶材料)は、光学的に等方性の液晶相を有する。液晶組成物が光学的に等方性の液晶相を発現するとは、巨視的には液晶分子配列は等方的であるため光学的に等方性を示すが、微視的には液晶秩序が存在することをいう。液晶組成物Bが微視的に有する液晶秩序に基づくピッチは700nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがさらに好ましく、350nm以下であることが最も好ましい。
本発明の複合材料は、液晶組成物B(本発明の液晶材料)と、予め重合されて得られた高分子とを混合しても製造できるが、高分子の材料となる低分子量のモノマー、マクロモノマー、オリゴマー等(以下、まとめて「モノマー等」という)と液晶組成物Bとを混合してから、当該混合物において重合反応を行うことによって、製造されることが好ましい。モノマー等と液晶組成物Bとを含む混合物を本件明細書では、「重合性モノマー/液晶混合物」と呼ぶ。「重合性モノマー/液晶混合物」には必要に応じて、後述する重合開始剤、硬化剤、触媒、安定剤、二色性色素、またはフォトクロミック化合物等を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでもよい。たとえば、本件発明の重合性モノマー/液晶混合物には必要に応じて、重合性モノマー100重量部に対して重合開始剤を0.1〜20重量部含有してもよい。
また、好適な複合材料を得るためには、高分子はメソゲン部位を有するものが好ましく、高分子の原料モノマーとしてメソゲン部位を有する原料モノマーをその一部に、あるいは全部に用いることができる。
メソゲン部位を有する単官能性、または二官能性モノマーは構造上特に限定されないが、例えば下記の式(M1)または式(M2)で表される化合物を挙げることができる。
Rb−Y−(AM−ZM)p−AM−Y−Rb (M2)
また、基(M3−2)、基(M3−3)、基(M3−4)、基(M3−7)はラジカル重合で重合するのが好適である。基(M3−1)、基(M3−5)、基(M3−6)はカチオン重合で重合するのが好適である。いずれもリビング重合なので、少量のラジカルあるいはカチオン活性種が反応系内に発生すれば重合は開始する。活性種の発生を加速する目的で重合開始剤を使用できる。活性種の発生には例えば光または熱を使用できる。
化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素とが隣接した−CH2−O−O−CH2−よりも、酸素と酸素とが隣接しない−CH2−O−CH2−O−の方が好ましい。硫黄においても同様である。
2−フルオロ−1,4−フェニレンは、3−フルオロ−1,4−フェニレンと構造的に同一であるので、後者は例示しなかった。この規則は、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンと3,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンの関係などにも適用される。
メソゲン部位を有さない重合性のある官能基を持つモノマーとして、例えば、炭素数1〜30の直鎖あるいは分岐アクリレート、炭素数1〜30の直鎖あるいは分岐ジアクリレート、三つ以上の重合性官能基を有するモノマーとしては、グリセロール・プロポキシレート(1PO/OH)トリアクリレート、ペンタエリスリトール・プロポキシレート・トリアクリレート、ペンタエリスリトール・トリアクリレート、トリメチロールプロパン・エトキシレート・トリアクリレート、トリメチロールプロパン・プロポキシレート・トリアクリレート、トリメチロールプロパン・トリアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ペンタエリスリトール・テトラアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、トリメチロールプロパン・トリアクリレートなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の複合材料を構成する高分子の製造における重合反応は特に限定されず、例えば、光ラジカル重合、熱ラジカル重合、光カチオン重合等が行われる。
本発明の複合材料を構成する高分子の製造において、前記モノマー等および重合開始剤の他にさらに1種または2種以上の他の好適な成分、例えば、硬化剤、触媒、安定剤等を加えてもよい。
本発明の高分子/液晶複合材料中における液晶材料(たとえば、液晶組成物B)の含有率は、複合材料が光学的に等方性の液晶相を発現できる範囲であれば、可能な限り高含有率であることが好ましい。液晶材料の含有率が高い方が、本発明の複合材料のカー係数が大きくなるからである。
本発明の高分子/液晶複合材料は、たとえば二色性色素、フォトクロミック化合物を本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。
本明細書において、I−N相転移点をN−I点ということがある。I−N*転移点をN*−I点ということがある。I−BP相転移点をBP−I点ということがある。
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、クロスニコルの状態で、まず試料が非液晶等方相になる温度まで昇温した後、1℃/分の速度で降温し、完全にキラルネマチック相または光学的異方性の相が出現させた。その過程での相転移温度を測定し、次いで1℃/分の速度で加熱し、その過程における相転移温度を測定した。光学的に等方性の液晶相においてクロスニコル下では暗視野で相転移点の判別が困難な場合は、偏光板をクロスニコルの状態から1〜10°ずらして相転移温度を測定した。
ネマチック相を呈する母液晶85重量%と液晶性化合物あるいは液晶性組成物15重量%からなるネマチック液晶組成物を調製する。母液晶の液晶相−非液晶等方相転移点と後者の液晶相−非液晶等方相転移点から直線外挿し、液晶性化合物あるいは液晶性組成物の液晶相−非液晶等方相転移点を求めた。
ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、TC≦−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
粘度の測定にはE型粘度計を用いた。
波長589nmの光によりを用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により測定した。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
1)誘電率異方性が正である液晶組成物a
2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μm、ツイスト角が80度のTNセルに試料を入れた。このセルにサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。このセルにサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μm、ホメオトロピック配向に処理した液晶セルに試料を入れ、サイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後の誘電率(ε‖)を測定した。さらに2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μm、ホモジニアス配向に処理した液晶セルに試料を入れ、サイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後の誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは6μmである。この素子は試料を入れたあと紫外線によって重合する接着剤で密閉した。このTN素子にパルス電圧(5Vで60μ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7m秒のあいだ測定し、単位周期において電圧曲線と横軸との間の面積を求めた。TN素子を取り除いたあと測定した電圧の波形から同様にして面積を求めた。2つの面積の値を比較して電圧保持率を算出した。
ピッチ長は選択反射を用いて測定した(液晶便覧196頁(2000年発行、丸善)。選択反射波長λには、関係式<n>p/λ=1が成立する。ここで<n>は平均屈折率を表し、次式で与えられる。<n>=[(n‖2+n⊥2)/2]1/2。選択反射波長は顕微分光光度計(日本電子(株)、商品名MSV-350)で測定した。得られた反射波長を平均屈折率で除すことにより、ピッチを求めた。
可視光より長波長領域に反射波長を有するコレステリック液晶のピッチは、キラル剤の濃度が低い領域ではキラル剤の濃度の逆数に比例することから、可視光領域に選択反射波長を有する液晶のピッチ長を数点測定し、直線外挿法により求めた。
液晶組成物の調製
下記式(a)〜(f)および(g)で表される化合物を下記に示す重量比で混合してネマチック液晶組成物A−1を調製した。具体的には、上記式(1)で表される成分1に該当する化合物として、透明点であるN−I点が250℃以上である化合物(a)と化合物(b)、上記式(3)で表される成分2の化合物として、K−I点が49.8℃で透明点が7.7℃である化合物(g)、および、化合物(c)〜化合物(f)を混合して調製した。重量比の右に示す値は、各化合物の相転移温度である。なお、化合物(g)の透明点は、7.7℃であった。当該透明点は、母液晶ZLI−1132(メルク社製)に化合物(g)を15重量%混合して測定したNI点の外挿値として求めた。
また、液晶組成物A−4の1℃/minの昇温過程において、光学的に等方性の液晶相が発現する上限温度(41.9℃〜44.9℃)と下限温度(34.7℃)との差(BP温度範囲)は7.2℃〜10.2℃であった。同様に、液晶組成物A−5のBP温度範囲は10℃であった。このように、液晶組成物A−4とA−5は昇温過程で、光学的に等方性の液晶相を広い温度範囲で発現した。したがって、本明細書中で定義される液晶組成物Bは、本実施例の液晶組成物A−1〜A−5の内、A−3とA−4とA−5である。
同様に、液晶組成物A−3〜A−5におけるT1−TxBは以下のとおりであった。ここでTxBとは液晶組成物Bの透明点を表す。
液晶組成物A−3: T1−TxB=270℃以上−51.0℃=219.0℃以上
液晶組成物A−4: T1−TxB=270℃以上−41.9℃=228.1℃以上
液晶組成物A−5: T1−TxB=270℃以上−40℃=230℃以上
他方、液晶組成物A−3、A−4およびA−5のT1は270℃であるから、これらの液晶組成物は、T1>T2を満たす。
液晶材料とモノマーとの混合物として液晶組成物A−5を79.4重量%、トリメチロールプロパントリアクリレートを8.6重量%、1,4−ジ(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−2−メチルベンゼンを11.4重量%、光重合開始剤として2,2’−ジメトキシフェニルアセトフェノンを0.6重量%混合した液晶組成物A−5Mを調製した。
液晶組成物A−5Mを配向処理の施されていない櫛型電極基板と対向ガラス基板(非電極付与)の間に狭持し(セル厚12マイクロメートル)、得られたセルを35.0℃の等方相まで加熱した。この状態で、紫外光(紫外光強度10mWcm-2(365nm))を5分間照射して、重合反応を行った。
実施例1で得られた高分子/液晶複合材料A−5Pが狭持されたセルを、図3に示した光学系にセットし、電気光学特性を測定した。レーザー光のセルへの入射角度がセル面に対して垂直となるようにし、櫛型電極の線方向がPolarizerとAnalyzer偏光板に対してそれぞれ45°となるように前記セルを光学系にセットした。測定温度を20℃として振幅180Vの矩形波を印加すると、透過率が88%となり、透過光強度は飽和した。フォトディテクターで検出した電界無印加時の透過光強度は0.08、電界印加時の透過光強度は252であり、コントラストは3150と算出された。このときの応答速度は立ち上がり(透過光強度が電界印加時の強度の10%から90%まで変化するのに要する時間)が170マイクロ秒、立ち下がり(透過光強度が電界印加時の強度の90%から10%まで変化するのに要する時間)が120マイクロ秒であった。
また電界除去後も残留複屈折は認められなかった。温度を0〜35℃の間で変えて同様に電界オン/オフを試みた所、この温度範囲内で明と暗の2つの状態が出現することを確認した。
液晶組成物の調製
下記式(o−1)、(o−2)、(o−3)および(p)で表される化合物を下記に示す重量比で混合してネマチック液晶組成物F−1を調製した。具体的には、上記式(1)で表される成分1の化合物として、透明点であるN−I点が250℃以上である化合物(o−1)〜(o−3)、上記式(3)で表される成分2の化合物として、K−I点が21.4℃で透明点(外挿値)が−41.6℃である化合物pを混合して調製した。重量比の右に示す値は、各化合物の相転移温度である。
他方、液晶組成物F−3のT1は254℃であるから、これらの液晶組成物は、T1>T2を満たす。
液晶材料とモノマーとの混合物として液晶組成物F−3を79.4重量%、ドデシルアクリレートを8.6重量%、1,4−ジ(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−2−メチルベンゼンを11.4重量%、光重合開始剤として2,2’−ジメトキシフェニルアセトフェノンを0.6重量%混合した液晶組成物F−3Mを調製した。
液晶組成物F−3Mを配向処理の施されていない櫛型電極基板と対向ガラス基板(非電極付与)の間に狭持し(セル厚12マイクロメートル)、得られたセルを65.0℃の等方相まで加熱した。この状態で、紫外光(紫外光強度10mWcm-2(365nm))を5分間照射して、重合反応を行った。
また電界除去後も残留複屈折は認められなかった。
液晶組成物の調製
下記式(q−1)、(q−2)、(q−3)、(c)、(e)、(r)、(a)および(b)で表される化合物を下記に示す重量比で混合してネマチック液晶組成物G−1を調製した。具体的には、上記式(1)で表される成分1の化合物として、透明点であるN−I点が250℃以上である化合物(a)および(b)、上記式(3)で表される成分2の化合物として、K−I点が46.1℃で透明点(外挿値)が−3.6℃である化合物(r)、その他化合物(q−1)〜(q−3)、(c)および(e)を混合して調製した。重量比の右に示す値は、各化合物の相転移温度である。
液晶組成物G−2: T1−TxB=270℃以上−60.5℃=209.5℃以上
他方、液晶組成物F−3のT1は270℃以上であるから、これらの液晶組成物は、T1>T2を満たす。
液晶材料とモノマーとの混合物として液晶組成物G−2を79.4重量%、ドデシルアクリレートを10.0重量%、1,4−ジ(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−2−メチルベンゼンを10.0重量%、光重合開始剤として2,2’−ジメトキシフェニルアセトフェノンを0.6重量%混合した液晶組成物G−2Mを調製した。
液晶組成物G−2Mを配向処理の施されていない櫛型電極基板と対向ガラス基板(非電極付与)の間に狭持し(セル厚14マイクロメートル)、得られたセルを45.0℃の非液晶等方相状態に保ち、この状態で、紫外光(紫外光強度10mWcm-2(365nm))を5分間照射して、重合反応を行った。
また電界除去後も残留複屈折は認められなかった。
Claims (33)
- 液晶材料と高分子とを含み、光学的に等方性の液晶相で駆動される素子に用いられる高分子/液晶複合材料に含まれる液晶材料であって、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を4.8℃以上の温度範囲で発現する液晶材料であって、
前記液晶材料が、ネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差が3.0℃〜150℃であり、
前記液晶材料が、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる液晶組成物Bであり、
液晶組成物Aは透明点T1の成分1を30〜80重量%、透明点T2の成分2を20〜70重量%含み、透明点T1、透明点T2および液晶組成物Bの透明点TxBが、
T1>T2
T1−TxB≧100℃
を満たし、
成分1が、下記一般式(1)
(式中、R1は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF、−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル基中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
R2は水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、これらのアルキル中の−CH3は−CNで置き換えられてもよく;
A1〜A5は独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよいが、A1〜A5がテトラヒドロピラン環であることはなく、;
Z1〜Z4は独立して単結合、炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、アルキレン中およびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
n1〜n3は独立して0または1であり、R2が水素またはフッ素の場合はn2およびn3は1であり、Z1〜Z4の少なくとも1つが−CF2O−である場合はn2およびn3は1であり、Z4が−COO−である場合は、n2とn3が1であり、A4またはA5の少なくとも一つが炭素数9以上の縮合環である場合のみn1〜n3すべてが0となりうる。)
で表される化合物からなる、液晶材料。 - 前記液晶組成物Aは透明点T1の成分1を30〜70重量%、透明点T2の成分2を30〜70重量%含み、透明点T1、透明点T2および液晶組成物Bの透明点TxBが、
T1>T2
T1−TxB≧150℃
を満たす、請求項1に記載の液晶材料。 - 前記液晶組成物Aは透明点T1の成分1を30〜70重量%、透明点T2の成分2を30〜70重量%含み、透明点T1、透明点T2および液晶組成物Bの透明点TxBが、
T1>T2
T1−TxB≧200℃
を満たす、請求項1に記載の液晶材料。 - 液晶材料と高分子とを含み、光学的に等方性の液晶相で駆動される素子に用いられる高分子/液晶複合材料に含まれる液晶材料であって、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を4.8℃以上の温度範囲で発現する液晶材料であって、
前記液晶材料が、ネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差、または、キラルネマチック相と非液晶等方相とが共存する上限温度と下限温度との差が3.0℃〜150℃であり、
液晶材料が、昇温過程において光学的に等方性の液晶相を発現しない液晶組成物Aとキラル剤からなる液晶組成物Bであり、
液晶組成物Aは透明点T1の成分1を30〜80重量%、透明点T2の成分2を20〜70重量%含み、透明点T1、透明点T2、および、液晶組成物Aから全てのキラル剤を除いた液晶組成物aの透明点Txaが、
T1>T2
T1−Txa≧100℃
を満たし、
成分1が、下記一般式(1)
(式中、R1は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF、−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル基中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
R2は水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、これらのアルキル中の−CH3は−CNで置き換えられてもよく;
A1〜A5は独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよいが、A1〜A5がテトラヒドロピラン環であることはなく、;
Z1〜Z4は独立して単結合、炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、アルキレン中およびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
n1〜n3は独立して0または1であり、R2が水素またはフッ素の場合はn2およびn3は1であり、Z1〜Z4の少なくとも1つが−CF2O−である場合はn2およびn3は1であり、Z4が−COO−である場合は、n2とn3が1であり、A4またはA5の少なくとも一つが炭素数9以上の縮合環である場合のみn1〜n3すべてが0となりうる。)
で表される化合物からなる、液晶材料。 - Z1〜Z4の少なくとも1つが−CF2O−である場合、n1は1である、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶材料。
- 成分1は透明点が150℃以上の液晶化合物からなり、成分2は透明点が47℃以下の液晶化合物からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶材料。
- R1は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
R2はハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、これらのアルキル中の−CH3は−CNで置き換えられてもよく;
A1〜A5は独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Z1〜Z4は独立して単結合、炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、アルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい、
請求項1〜5のいずれかに記載の液晶材料。 - R1が炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環と隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、このアルキルあるいはアルケニル中の任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく;
R2はフッ素、塩素、−CN、−N=C=Sまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
A1〜A5が独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく、−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Z1〜Z4は独立して単結合、−CF2O−または−C≡C−である、
請求項1〜5のいずれかに記載の液晶材料。 - R1が炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、このアルキルあるいはアルケニル中の任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく;
R2がフッ素、塩素、−CN、または炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
A1〜A5が独立してベンゼン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく;
Z1〜Z4は独立して単結合または−C≡C−であり;
n1が1、n2とn3が0である、
請求項1〜5のいずれかに記載の液晶材料。 - 成分2が、下記一般式(2)
(式中、R3は水素、炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中およびアルキル中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
R4はハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=S、−CF3、−OCF3、−C≡C−CN、−C=C−CF3または−C≡C−CF3であり;
A6、A7およびA8は独立して芳香族性あるいは非芳香族性の3〜8員環、または炭素数9以上の縮合環であり、この環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、またはハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Z6およびZ7は単結合または炭素数1〜8のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
n6およびn7は0または1であるが、n6とn7がともに1となるのは、Z6およびZ7の少なくとも一方が−CF2O−である場合のみであり、A7あるいはA8が炭素数9以上の縮合環である場合、n6およびn7は0である。)
で表される化合物からなる、請求項1〜9のいずれかに記載の液晶材料。 - R3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
R4はハロゲン、−CN、−N=C=S、−CF3、−C≡C−CN、−C≡C−CF3であり;
A6、A7およびA8は独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−または−S−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Z6およびZ7は単結合、炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキレンおよびアルキレン中の任意の−CH2−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられた基中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい、
請求項10に記載の液晶材料。 - R3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
R4はハロゲン、−CN、−N=C=S、−CF3、−OCF3、−C≡C−CN、−CH=CH−CF3,−C≡C−CF3であり;
A6、A7とA8は独立してベンゼン環、ナフタレン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環の任意の水素がフッ素または塩素で置き換えられてもよく、この環の任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Z6およびZ7は、独立して単結合、−COO−、−CF2O−または−C≡C−である、
請求項10に記載の液晶材料。 - R3は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、―CH=CH−で置き換えられてもよく;
R4はハロゲン、−CNであり;
A7とA8は独立してベンゼン環、ジオキサン環またはシクロヘキサン環であり、ベンゼン環の任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく;
Z7は単結合または−COO−であり;
n6は0であり、n7は0または1である
請求項10に記載の液晶材料。 - 成分2が、下記一般式(3)
(式中、R5は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
Xaはフッ素、塩素、−CN、−N=C=S、−CF3、−OCF3、−C≡C−CN、−CH=CH−CF3または−C≡C−CF3であり;
Z12は単結合、−COO−、−CF2O−または−C≡C−であり;
L8〜L11は独立して水素またはフッ素である。)
で表される化合物からなる、請求項1〜9のいずれかに記載の液晶材料。 - R5は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
Xaはフッ素または−CNであり;
Z12は−COO−であり、
L8〜L11は独立して水素またはフッ素であり、それらの少なくとも2個以上がフッ素である、
請求項14に記載の液晶材料。 - 成分2が、下記一般式(4)
(式中、R6は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
Xbはフッ素、塩素、−CF3、−OCF3、−C=C−CF3または−C≡C−CF3であり;
Z13およびZ14は、独立して単結合または−CF2O−であるが、少なくとも一つは−CF2O−であり;
L12〜L17は独立して水素、フッ素または塩素である。)
で表される化合物からなる、請求項1〜9のいずれかに記載の液晶材料。 - R6は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の芳香族環に隣接しない任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく;
Xbはフッ素、塩素、−CF3、−OCF3または−C=C−CF3であり;
Z13は単結合であり、Z14は−CF2O−であり、
L12〜L17は独立して水素またはフッ素であり、それらの少なくとも2個以上がフッ素である、
請求項16に記載の液晶材料。 - 液晶材料に含まれるキラル剤が、下記式(K1)〜(K5)
(式(K1)〜(K5)中、
RKは独立して、水素、ハロゲン、−CN、−N=C=O、−N=C=Sまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
Aは独立して、芳香族性あるいは非芳香族性の3ないし8員環、または、炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜3のアルキルまたはハロアルキルで置き換えられてもよく、環の−CH2−は−O−、−S−または−NH−で置き換えられてもよく、−CH=は−N=で置き換えられてもよく;
Zは独立して、単結合、炭素数1〜8のアルキレンであるが、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
Xは単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−または−CH2CH2−であり;
mは1〜4である。)
で表される化合物を1種以上含む、請求項1〜17のいずれかに記載の液晶材料。 - 液晶材料に含まれるキラル剤が、下記式(K2−1)〜(K2−8)および(K5−1)〜(K5−3)
(RKは独立して、炭素数3〜10のアルキルであり、このアルキル中の環に隣接する−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は、−CH=CH−で置き換えられてもよい。)
で表される化合物を1種以上含む、請求項1〜18のいずれかに記載の液晶材料。 - 液晶組成物Bの全重量に対して、キラル剤が1〜40重量%含まれる、請求項1〜19のいずれかに記載の液晶材料。
- 請求項1〜20のいずれかに記載の液晶材料と、重合性モノマーとを含む混合物。
- 重合性モノマーが光重合性モノマーまたは熱重合性モノマーである、請求項21に記載の混合物。
- 請求項21または22に記載の混合物を重合して得られる、光学的に等方性の液晶相で駆動される素子に用いられる高分子/液晶複合材料。
- 前記混合物が光学的に等方性の液晶相または等方相で重合されて得られる、請求項23に記載の高分子/液晶複合材料。
- 高分子/液晶複合材料に含まれる高分子がメソゲン部位を有する、請求項24に記載の高分子/液晶複合材料。
- 高分子/液晶複合材料に含まれる高分子が架橋構造を有する、請求項23〜25のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
- 液晶材料を60〜99重量%、高分子を1〜40重量%含む、請求項23〜25のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
- ピッチが700nm以下である、請求項23〜27のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料。
- 一方または両方の面に電極が配置され、
基板間に配置された高分子/液晶複合材料、および
電極を介して高分子/液晶複合材料に電界を印加する電界印加手段を備えた液晶素子であって、
前記高分子/液晶複合材料が、請求項23〜28のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料である液晶素子。 - 一方または両方の面に電極が配置され、少なくとも一方が透明な一組の基板、
基板間に配置された高分子/液晶複合材料、および
基板の外側に配置された偏光板
を有し、電極を介して高分子/液晶複合材料に電界を印加する電界印加手段を備えた液晶素子であって、
前記高分子/液晶複合材料が、請求項23〜28のいずれかに記載の高分子/液晶複合材料である液晶素子。 - 一組の基板の少なくとも一方の基板上において、少なくとも2方向に電界を印加できるように電極が構成されている請求項29または30に記載の液晶素子。
- 互いに平行に配置された一組の基板の一方または両方に、少なくとも2方向に電界を印加できるように電極が構成されている請求項29または30に記載の液晶素子。
- 電極がマトリックス状に配置されて、画素電極を構成し、各画素がアクティブ素子を備え、このアクティブ素子が薄膜トランジスター(TFT)である請求項29〜32のいずれかに記載の液晶素子。
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