以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。尚、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパや画像形成処理を受ける他のシート材料或いは画像形成処理以外の任意の処理を受けるシート材料を意味する。また、「第1方向下流側」とは、各図で矢印によって示される第1方向の矢先側を意味し、「第1方向上流側」とは、同様に矢の基端側を意味するものとする。
図1および図2は、本発明の一実施形態にしたがう画像形成装置1の斜視図である。図3は、図1および図2に示される画像形成装置1の内部構造を概略的に示す断面図である。図1乃至図3に示される画像形成装置1は、上面排紙型のプリンターであるが、他の実施形態において、複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機やトナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。特に、以下の実施形態に係る画像形成装置1の上方に、不図示の読取装置が配置された場合、これらの装置は、いわゆる胴内排紙型の複写機として、機能する。
画像形成装置1には、パーソナルコンピューターなどの画像情報送信装置から送信された画像情報に応じて、シートに画像を形成する。画像形成装置1は、略直方体形状の主筐体2(筺体)を含む。主筐体2は、略直方体形状の下部筐体21と、下部筐体21の後側部分からに立設される略直方体形状の後壁部22(側壁)と、下部筐体21の右側部分から立設される側壁部23(立壁)とを含む。下部筐体21、後壁部22及び側壁部23で囲まれる排出空間24(図3)に印刷処理が施与されたシートが排出される。
側壁部23の前側に突出する操作部231は、例えば、不図示のLCDタッチパネルを含む。操作部231は、画像形成処理に関する情報を入力可能に形成される。使用者は、例えば、LCDタッチパネルを通じて、印刷されるシートの枚数等を入力したり、印刷濃度等を入力したりすることができる。
下部筐体21には、複数のシートを積載するシートトレイ500が配設される。シートトレイ500は、下部筐体21から前方向に引出可能である。シートトレイ500内に収容されたシートPは、下部筐体21内で上方に送り出され、前記画像情報送信装置や操作部231を通じて使用者によって入力された指示に基づき、下部筐体21内で画像形成処理を施与され、排出空間24へ排出される。
排出空間24には、排紙部213および排紙トレイ50が配置される。使用者によって入力された指示、または、予め画像形成装置1において設定された条件に応じて、排紙部213および排紙トレイ50の何れかに、画像形成処理が施されたシートが排紙される。排紙部213は、下部筐体21の上面部に相当する。また、排紙トレイ50は、主筐体2とは別部材として、排紙部213の上方に装着される。排紙トレイ50の構造については、後記で詳述する。
更に、下部筐体21の右面には、トレイ212(図3)が回動可能に取り付けられる。トレイ212が下部筐体21の右方に突出する位置にあるとき、使用者はトレイ212上にシートを載置可能である。トレイ212上のシートは、操作部231を通じて使用者によって入力された指示に基づき、下部筐体21内に引き込まれた後、画像形成処理を施与され、排出空間24へ排出される。トレイ212が上方に回動されると、下部筐体21の右面に凹設された収容空間203内にトレイ212が収容され、シートを下部筐体21内に引き込むための供給口を塞ぐ。
下部筐体21は、シートに画像を形成するための様々な機器を収容する。また、側壁部23は、画像形成処理が施与されたシートを排出空間24へ排出するための様々な機器を収容する。
下部筐体21には、トナーコンテナ900Y、900M、900C、900Bk、中間転写ユニット902、画像形成部903、露光ユニット904、定着ユニット97及び排紙ユニット96、搬送ユニット3が収容される。
画像形成部903は、イエロー用トナーコンテナ900Y、マゼンタ用トナーコンテナ900M、シアン用トナーコンテナ900C、ブラック用トナーコンテナ900Bkを含む。これらコンテナの下方には、YMCBk各色に対応する現像装置10Y、10M、10C、10Bkがそれぞれ配設される。
画像形成部903は、各色のトナー像を担持する感光体ドラム17を含む。感光体ドラム17として、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。各感光体ドラム17には、トナーコンテナ900Y、900M、900C、900Bkからそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが供給される。
感光体ドラム17の周囲には、帯電器16、現像装置10(10Y、10M、10C、10Bk)、転写ローラー19及びクリーニング装置18が配置される。帯電器16は、感光体ドラム17の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム17の表面は、露光ユニット904によって露光され、静電潜像が形成される。露光ユニット904は、上述の画像送信装置から送信されたデジタル信号に基づき、レーザ光を照射する。現像装置10Y、10M、10C、10Bkは、それぞれトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Bkから供給される各色のトナーを用いて、各々の感光体ドラム17上に形成された静電潜像を現像(可視像化)する。転写ローラー19は、中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム17とニップ部を形成し、感光体ドラム17上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置18は、トナー像転写後の感光体ドラム17の周面を清掃する。
各現像装置10Y、10M、10C、10Bkは、現像筐体20を備える。現像筐体20の内部には、磁性キャリアとトナーとを有する2成分現像剤が収納される。また、現像筐体20内には、現像筐体20の底部近傍に長手方向を軸方向として並列に2本の攪拌ローラー11、12が回転可能に配置される。
現像筐体20の内部底面には、現像剤の循環経路が設定されており、攪拌ローラー11、12は循環経路内に配設される。攪拌ローラー11、12の間の軸方向には、現像筐体20の底部から立設された仕切り壁201が設けられる。仕切り壁201は、循環経路を区画する。仕切り壁201の周囲を周回するように、循環経路が形成される。2成分現像剤は、循環経路を攪拌ローラー11及び12によって攪拌、搬送されながら帯電される。
2成分現像剤は、攪拌ローラー11及び12によって攪拌されつつ現像筐体20内を循環し、トナーが帯電される。攪拌ローラー11上の2成分現像剤は、上側に位置する磁気ローラー14に吸引されて搬送される。吸引された2成分現像剤は、磁気ローラー14上に磁気ブラシ(図示せず)を形成する。磁気ブラシは、ドクターブレード13によって層厚規制され、更に上方の現像ローラー15にトナーを供給する。現像ローラー15上のトナー層は、磁気ローラー14と現像ローラー15との間の電位差によって形成される。トナー層によって感光体ドラム17上の静電潜像が現像される。
露光ユニット904は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、画像形成部903の各々に設けられた感光体ドラム17の周面に、画像データに基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
中間転写ユニット902は、中間転写ベルト921、駆動ローラー922及び従動ローラー923を備える。中間転写ベルト921上には、複数の感光体ドラム17からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。重ね塗りされたトナー像は、シートトレイ500又はトレイ212から供給されるシートに二次転写部98において二次転写される。中間転写ベルト921を周回駆動させる駆動ローラー922及び従動ローラー923は、下部筐体21によって回転自在に支持される。
定着ユニット97は、中間転写ユニット902から二次転写されたシート上のトナー像に対し、定着処理を施す。定着処理されたカラー画像付のシートは、定着ユニット97の上部(側壁部23内)に形成された排紙ユニット96へ向けて排出される。
排紙ユニット96は、定着ユニット97から搬送されたシートを、排出空間24に排出する。排紙ユニット96は、排紙弁250と、下方排紙口251(第1排出口)と、上方排紙口252(第2排出口)と、を備える。下方排紙口251および上方排紙口252は、側壁部23に上下方向に間隔をおいて配置され、画像が形成されたシートが、側壁部23の内部から選択的に排出される。上方排紙口252は、下方排紙口251よりも上方に配置される。前述の排紙部213は、下方排紙口251よりも下方に位置する。
排紙弁250は、側壁部23に回動可能に支持される。排紙弁250は、シートの排出先に応じて、不図示の制御部によって、回動される。排紙弁250の右側端部が、図3に示されるように、上方に移動された場合、シートは、定着ユニット97から、下方排紙口251を通って、排紙部213に排紙される。一方、排紙弁250の右側端部が、図3に示される位置よりも下方に移動された場合、シートは、定着ユニット97から、上方排紙口252を通って、排紙トレイ50(図1)に排紙される。下方排紙口251および上方排紙口252には、それぞれ、不図示の排紙ローラーが配置される。
搬送ユニット3は、シートトレイ500に対向して、下部筐体21に配設されている。搬送ユニット3は、ピックアップコロ310、給紙コロ320、搬送ローラー330を有する。搬送ユニット3に設けられたピックアップコロ310および給紙コロ320が回転駆動されることにより、シートトレイ500内のシート束の最上層のシートが1枚ずつ取り出される。更に、搬送ローラー330によって、シート搬送路133の下流側へと繰り出され、画像形成部903へ導入される。ピックアップコロ310、給紙コロ320、搬送ローラー330は、画像形成部903にシートが搬送されるシート搬送路133の一部を形成する。
<排紙トレイ50の構造について>
次に、図4から図8を参照して、本実施形態に係る排紙トレイ50およびその周辺の構造について、詳述する。図4は、本実施形態に係る排紙トレイ50の斜視図である。図5は、排紙トレイ50の平面図である。図6は、排紙トレイ50が装着される画像形成装置の上面部の拡大斜視図である。
図4および図5を参照して、排紙トレイ50は、前後および左右方向に延伸される略板状部材からなる。排紙トレイ50は、前後および左右を、トレイ前壁51、トレイ後壁52、トレイ左壁53、トレイ右壁54によって画定される。排紙トレイ50の上面には、上方排紙面501が配置される。前述のとおり、排紙トレイ50が主筐体2に装着された際、上方排紙面501上に、定着処理が施されたシートが排紙される。
トレイ前壁51は、排紙トレイ50の前方縁を画定する薄肉状の壁部であり、第1前壁511、第2前壁512、第3前壁513、第4前壁514、第5前壁515を備える。第1前壁511は、トレイ前壁51の左端から略中央部まで延設される。第2前壁512は、第1前壁511の右端から、右方かつ後方に向かって、所定の角度をもって延設される。第3前壁513は、第2前壁512の右端から、右方に向かって延設される。第4前壁514は、第3前壁513の右端から、所定の湾曲部を介して、前方に向かって延設される。更に、第5前壁515は、第4前壁514の前方縁から、所定の湾曲部を介して、右方に向かって延設される。第2前壁512、第3前壁513、第4前壁514によって、排紙トレイ50の前方には、切欠き部51Rが形成される。切欠き部51Rの右方であって、排紙トレイ50の前方部分には、トレイ突出部51Sが配置される。切欠き部51Rは、排紙トレイ50の上に、排紙されたシートを、使用者が下方から掴み易くするために、形成される。
トレイ後壁52は、トレイ前壁51の反対側であって、排紙トレイ50の後方縁を画定する薄肉状の壁部である。トレイ後壁52の左方部、中央部、右方部には、後固定部520(第1後装着片521、第2後装着片522、第3後装着片523)(第3固定部)が、配置される。後固定部520の第1後装着片521、第2後装着片522、第3後装着片523は、それぞれ、トレイ後壁52から後方に向かって突設される突片である。排紙トレイ50が、主筐体2に装着される際に、これらの装着片は、後壁部22に固定される。なお、第3後装着片523は、上記装着時に、排紙トレイ50が後壁部22に固定されるために、3つの突片からなるフック形状を備える。第3後装着片523のうちの、中央部の突片は、両端の2つの突片に対してスリットを介して形成されており、上下方向に、弾性変形可能とされる。更に、中央部の突片の先端付近には、上方に向けて突出する突起部が形成されている。
トレイ左壁53は、排紙トレイ50の左方縁を画定する薄肉上の壁部である。トレイ左壁53の前後方向の中央部であって、トレイ左壁53の内側には、上方凹部502および固定凹部503が配置される。上方凹部502は、上方排紙面501の一部が、略正方形形状をもって、下方に凹没して形成される。固定凹部503は、上方凹部502の左端に連設され、上方凹部502よりも前後方向に延設される。固定凹部503も、上方排紙面501の一部が、下方に凹没されることで形成される。固定凹部503の裏側(下側)には、後記の固定部50Aが配置される。
トレイ右壁54は、排紙トレイ50の右方縁を画定する薄肉状の壁部である。トレイ右壁54の後方部、中央部、前方部には、右固定部540(第1右装着片541、第2右装着片542、第3右装着片543)(第1固定部)が配置される。右固定部540の第1右装着片541、第2右装着片542、第3右装着片543は、それぞれ、トレイ右壁54から右方に突出されるとともに、先端が、後方に向かって屈曲された突片である。排紙トレイ50が、主筐体2に装着される際に、これらの装着片は、側壁部23に固定される。
図4を参照して、排紙トレイ50のトレイ後壁52には、前後方向に所定の幅をもち、左右方向に延設されるトレイ水平部504が配置される。そして、前記トレイ水平部504を除いて、排紙トレイ50の上方排紙面501は、トレイ左壁53側からトレイ右壁54側に向かって、下方に傾斜した形状を備える。このため、上方排紙面501の右側端部と、トレイ水平部504の右側端部との間には、図4に示すように、段差が備えられる。
図6を参照して、排紙トレイ50は、画像形成装置1のうち、後壁部22の前方であって、側壁部23の左方に装着される。後壁部22の前側の側面である後内壁221には、後装着部225が配置される。後装着部225は、後内壁221の上端部に、左右方向に沿って延設される。後装着部225には、排紙トレイ50のトレイ後壁52に配置された3つの装着片が挿入される。後装着部225は、後内壁221の左方部、中央部、右方部に、それぞれ、第1後装着部225A、第2後装着部225B、第3後装着部225Cを備える。これらの装着部は、後内壁221において、後方向に向かって形成された穴部である。第1後装着部225A、第2後装着部225B、第3後装着部225Cに、それぞれ、排紙トレイ50の第1後装着片521、第2後装着片522、第3後装着片523が挿入される。第3後装着片523を第3後装着部225Cに挿入する際に、中央の突片の突起部が第3後装着部225Cの内壁に緩衝して弾性変形し、完全に挿入されると、突起部が内壁部を乗り越えて弾性復帰して第3後装着部225Cと突起部が係合状態になる。
また、画像形成装置1のうち、側壁部23の左側の側面である右内壁232には、右装着部255が配置される。前述のとおり、側壁部23には、定着処理が施されたシートが排出される下方排紙口251および上方排紙口252が配置される。右装着部255は、下方排紙口251の上方であって、上方排紙口252の下方に配置される。右装着部255は、前後方向に沿って、延設される。右装着部255は、第1右装着部255A、第2右装着部255B、第3右装着部255Cを備える。これらの装着部は、右内壁232から右方向に向かって、かつ、右内壁232の内部において、後方向に向かって形成される穴部である。
更に、画像形成装置1の排紙部213の左端部には、凹部213A(第2凹部)およびストッパー60(規制部材)が配置される。凹部213Aは、排紙部213の前後方向の中央部であって、排紙部213の左側端部において、排紙部213の一部が、上面視で、略正方形形状に凹没されることで形成される。ストッパー60は、凹部213Aに収容可能な板状部材である。ストッパー60は、排紙部213のシートの排出方向下流側に立設され、排紙部213に排出されたシートの排出方向下流側の端縁に当接可能とされる。ストッパー60の下端部に配置された不図示の軸部(軸支部)が、凹部213Aの左端部に配置された不図示の孔部に挿通される。この結果、ストッパー60が、前記軸部を支点に、回動可能に支持される。この結果、ストッパー60は、排紙部213から立設され、前述の排紙トレイ50を固定する第1の位置と、凹部213Aに収容される第2の位置との間で、状態変更が可能とされる。図6に示されるように、ストッパー60が、上方に回動された場合、ストッパー60は、排紙部213から上方に向かって突出した姿勢をとる。この際、ストッパー60は、下方排紙口251から排紙部213に排紙されたシートが、排紙部213の左方から落下することを防止する機能を備える。
なお、ストッパー60と同じ形状を備え、ストッパー60よりも僅かに小さく形成された不図示のストッパー部材が、前述の排紙トレイ50の上方凹部502(図4)に配置可能とされる。前記ストッパー部材は、ストッパー60と同様に、排紙トレイ50の上方排紙面501に排紙されたシートの移動を規制するために、配置される。
本実施形態では、ストッパー60は、上記のようなシートの脱落を防止する機能に加え、排紙トレイ50を固定すると共に、排紙トレイ50が画像形成装置1に装着される際に、排紙トレイ50の移動をガイドする機能を備える。図7は、排紙トレイ50のトレイ左壁53の裏面の一部を拡大した斜視図である。また、図8は、排紙部213のストッパー60の上端部の拡大斜視図である。
図7を参照して、排紙トレイ50は、上方排紙面501の裏面側であって、トレイ左壁53の内側に、固定部50A(第2固定部)を備える。固定部50Aは、前述のストッパー60に固定される。固定部50Aは、ガイド面505と、ガイド突片507(下方壁)と、ガイド壁部507Aと、突出板506Aと、係合片506と、退避部508(ガイド部、第1凹部)と、を備える。なお、排紙トレイ50の裏面には、図7に示されるように、前後方向および左右方向に延設される複数のリブ50Bが配置される。リブ50Bは、トレイ左壁53の下端と、面一に配置される。リブ50Bによって、排紙トレイ50の剛性が向上される。
ガイド面505は、前述の固定凹部503(図5)の底面の一部に相当する。ガイド面505は、トレイ左壁53の下端よりも、上方に奥まった位置に配置される。ガイド面505は、トレイ左壁53から、内側(右側)に所定の間隔をおいて、前後方向に延設される。ガイド面505は、左右方向に僅かな幅をもって、下方に向かって面する壁面である。ガイド壁部507Aは、ガイド面505よりも右側に所定の間隔をおいて、配置される。ガイド壁部507Aは、上下方向に所定の高さをもって、前後方向に延設される壁面である。ガイド突片507は、ガイド壁部507Aの前後方向の中央部において、ガイド壁部507Aの下端から、左方向に突設される壁部である。ガイド突片507は、左右方向に所定の幅をもって、前後方向に延設される。したがって、ガイド突片507は、ガイド面505よりも下方において、ガイド面505と略平行に配置される。ガイド突片507は、後記のストッパー60の支持面605に支持される。
突出板506Aは、上下方向において、ガイド面505とガイド突片507の間に配置される。また、突出板506Aは、左右方向において、ガイド面505と、ガイド壁部507Aとの間に配置される。突出板506Aは、ガイド突片507よりも前側において、上下方向に所定の幅をもって、前後方向に延設される板部材である。突出板506Aは、後側端部に、固定端506Bを備える。突出板506Aの前側端部は自由端からなる形状を備える。係合片506は、突出板506Aから突設される突片である。係合片506は、突出板506Aから、固定端506Bと突出板506Aの前側端部との間において、左方向に突設される。係合片506は、図3において上方から見ると後側から前側にいくに従って突出する傾斜面を備え、係合片506の前端は突出板506Aに垂直な面となる形状に形成されている。
なお、ガイド面505の後端部と、ガイド壁部507Aの後端部とによって囲まれる空間部には、後固定部505Bが形成される。また、ガイド面505の前後方向の中央部、ガイド壁部507Aおよびガイド突片507によって囲まれる空間部に、中央固定部505A(挿入部)が形成される。換言すれば、ガイド突片507は、中央固定部505Aの下方を画定する。更に、ガイド面505の前端部と、突出板506Aとによって囲まれる空間部に、前固定部505Cが形成される。中央固定部505A、後固定部505B、前固定部505Cは、下記の退避部508よりも、排紙トレイ50の装着方向上流側(前側)に配置される。また、中央固定部505A、後固定部505B、前固定部505Cには、後記のストッパー60の第1突部603から第2突部604に及ぶ部分が挿入される。
退避部508は、固定部50Aよりも後側(排紙トレイ50が主筐体2に装着される方
向の下流側)において、前記リブ50Bの一部が切りかかれることで形成される。したがって、退避部508は、トレイ左壁53の下端およびリブ50Bの下端よりも、上方に離間した位置に配置される。また、退避部508は、ガイド面505と面一に配置される。退避部508は、後記のストッパー60のストッパー上端面602と摺擦可能とされる。
上記の排紙トレイ50の固定部50Aが、ストッパー60の上端部に装着される。図8を参照して、ストッパー60は、ストッパー本体601と、ストッパー上端面602と、第1突部603と、第2突部604と、連設面602Aと、支持面605と、係合面603Aと、挿入部60Aとを備える。
ストッパー本体601は、ストッパー60の本体部分であり、略矩形形状を備える板部材である。ストッパー上端面602は、ストッパー60が、図6に示される姿勢をとった場合の、ストッパー60の上端縁に相当する。第1突部603および第2突部604は、ストッパー上端面602の右側縁から、右方に突出する突出部である。第1突部603および第2突部604は、ストッパー上端面602の前後方向の中央部から、それぞれ、所定の間隔をおいて、突設される。第1突部603および第2突部604は、小さな直方体形状を備える。連設面602Aは、第1突部603および第2突部604の下面を前後方向に連接する。また、第1突部603のうち、前側の壁面には、係合面603Aが配置される。また、係合面603Aに対向する面であって、ストッパー60の前側の壁面の裏面に相当する部分には、内壁面60Bが配置される。係合面603Aと内壁面60Bとの間の空間には、前述の排紙トレイ50の固定部50Aの係合片506が係合される。
支持面605は、第1突部603および第2突部604の下方において、左右方向に所定の幅をもって、前後方向に延設される壁面である。支持面605は、ストッパー上端面602と平行に配置される。第1突部603および第2突部604の下面および連設面602Aと、支持面605との間には、所定の隙間である挿入部60Aが形成される。挿入部60Aには、前述の固定部50Aのガイド突片507が挿通される。
<排紙トレイ50の取り付けについて>
次に、図4から図8に加え、図9から図13を参照して、排紙トレイ50の画像形成装置1への取り付けについて説明する。図9および図10は、画像形成装置1に排紙トレイ50が装着される様子を示した斜視図である。図11は、排紙トレイ50のトレイ右壁54側の接続状態を示した断面図である。図12は、排紙トレイ50とストッパー60との接続状態を示した断面図である。図12は、ストッパー60の前後方向の中央部において、排紙トレイ50およびストッパー60が切断された状態を示している。図13は、排紙トレイ50のトレイ後壁52側の接続状態を示した拡大断面図である。
図9および図10を参照して、画像形成装置1の排出空間24に排紙トレイ50が挿入される(矢印D9)。この際、排紙トレイ50のトレイ後壁52(図5)が、後内壁221に対向して配置される。また、排紙トレイ50のトレイ右壁54が、右内壁232に対向して配置される。排紙トレイ50は、シートが下方排紙口251および上方排紙口252から排出される方向(左方向)と交差する方向(後方向)に向かって、主筐体2に装着される。組立作業者は、排紙トレイ50の退避部508(図7)に、ストッパー60のストッパー上端面602を当接させながら、排紙トレイ50を後方に移動させることが可能となる。すなわち、退避部508が、排紙トレイ50の後方への移動をガイドする機能を備える。このため、組立作業者は、排紙トレイ50の左端部を、ストッパー60に支持させた状態で、排紙トレイ50の第1右装着片541、第2右装着片542、第3右装着片543(図5)を、右内壁232に配置された右装着部255(第1右装着部255A、第2右装着部255B、第3右装着部255C)(図6)に挿入することが可能となる。第1右装着片541、第2右装着片542、第3右装着片543が、それぞれ、第1右装着部255A、第2右装着部255B、第3右装着部255Cに、挿入された後、更に、排紙トレイ50が後方に向かって押し込まれる。この結果、第1右装着片541、第2右装着片542、第3右装着片543の屈曲された先端部が、図11に示されるように、第1右装着部255A、第2右装着部255B、第3右装着部255Cの奥側に挿入される。この結果、排紙トレイ50のトレイ右壁54が、右内壁232に固定される。
この際、図13に例示されるように、排紙トレイ50の第1後装着片521、第2後装着片522、第3後装着片523(図5)が、後内壁221の第1後装着部225A、第2後装着部225B、第3後装着部225Cに装着される。特に、3つの突片からなる第3後装着片523が、第3後装着部225Cに装着され、係合されることで、排紙トレイ50のトレイ後壁52が、後内壁221に固定される。
一方、トレイ後壁52が、後内壁221に装着される段階で、排紙トレイ50の固定部50Aが、ストッパー60に固定される。すなわち、排紙トレイ50の退避部508(図7)が、ストッパー60のストッパー上端面602(図8)に摺擦されながら、排紙トレイ50が後方に挿入される。やがて、ストッパー上端面602から、右方向に突設される第1突部603が、後固定部505Bに挿通される。
更に、排紙トレイ50の後方への移動に伴って、第1突部603は、中央固定部505Aに挿通される。この際、固定部50Aのガイド突片507が、ストッパー60の挿入部60Aに挿入される。そして、図12に示されるように、ガイド突片507の下面が、ストッパー60の支持面605によって支持される。更に、排紙トレイ50が後方に移動されると、第1突部603が、前固定部505Cに挿通される。そして、第1突部603が、突出板506Aの前側端部(自由端側)を右方向に押圧しながら移動される。更に、排紙トレイ50の第3後装着片523(図5)が、後内壁221の第3後装着部225C(図6)に装着される際に、係合片506(図7)が、ストッパー60の内壁面60Bに対向して配置される。この結果、前後方向に所定の交差を有した状態で、係合片506の前端側の垂直面と内壁面60Bとが対向して配置される。一方、係合片506から前側の自由端は、ストッパー60の前側に配置され、係合片506と内壁面60Bのロック(係合)を解除する機能を備える。このように、係合片506が、内壁面60Bに係合され、固定部50Aが、ストッパー60に固定される。
以上、本実施形態によれば、主筐体2の内部には、画像形成部903が配置される。また、主筐体2の外壁を形成する側壁部23には、下方排紙口251および上方排紙口252が配置される。画像形成部903において画像が形成されたシートが、下方排紙口251から排出された場合、前記シートは排紙部213に排出される。排紙部213のシート排出方向下流側には、ストッパー60が突設される。ストッパー60によって、排紙部213に排出されるシートの端縁が規制される。この結果、排紙部213から前記シートが落下することが抑止される。一方、上方排紙口252から排出されたシートは、排紙部213の上方に装着される排紙トレイ50に排出される。この結果、主筐体2には、複数の排紙部を配置することが可能となる。前記排紙トレイ50は、右固定部540と固定部50Aとを備える。右固定部540は、側壁部23に固定される。また、固定部50Aは、ストッパー60の上端部に固定される。このため、ストッパー60を利用して、排紙トレイ50を主筐体2に容易に固定することが可能となる。また、排紙部213から突設されるストッパー60の高さを利用して、排紙トレイ50を排紙部213の上方に配置することができる。このため、排紙トレイ50から下方に突設され、排紙部213に当接する間隔保持部材を配置することがない。したがって、排紙トレイ50の装着時に、このように突設された間隔保持部材が破損することが抑止される。また、排紙トレイ50を主筐体2から取り外す場合は、排紙トレイ50の突出板506Aの先端部を右方に移動させて、係合片506とストッパー60の内壁面60Bとの係合を解除するとともに、トレイ水平部504において後装着片523から延設するスリットの間の部分を、下方に押圧して後装着片523と第3後装着部225Cとの係合を解除する。その状態で、排出トレイ60を前方にスライドさせれば、排紙トレイ50が、ストッパー60および右装着部255にガイドされ、排紙トレイ50を容易に取り外すことが可能である。
更に、上記の実施形態によれば、排紙トレイ50は、上方排紙口252からシートが排出される排出方向と交差する方向に向かって、主筐体2に装着される。また、排紙トレイ50の固定部50Aよりも、装着方向下流側の排紙トレイ50の底部には、退避部508が配置される。退避部508は、ストッパー60のストッパー上端面602との間で、装着方向において摺擦可能とされる。このため、組立作業者は、排紙トレイ50を主筐体2に装着する際に、まず、退避部508をストッパー上端面602に当接させ、退避部508とストッパー上端面602とを摺擦させながら、排紙トレイ50を装着方向に移動させる。その後、固定部50Aとストッパー60の上端部とが固定される。このため、退避部508によって、排紙トレイ50が装着方向にガイドされ、排紙トレイ50の主筐体2への装着が容易に実行される。特に、排紙トレイ50のリブ50Bの一部が上方に切り欠かれることによって、退避部508が構成される。このため、排紙トレイ50から、退避部508が外側に突設されることがない。したがって、排紙トレイ50の操作性が好適に向上される。
また、上記の実施形態では、排紙トレイ50が、退避部508とストッパー上端面602との摺擦によって、装着方向にガイドされた後、固定部50Aとストッパー60とが固定される。この際、排紙トレイ50の移動に伴って、ストッパー60の第1突部603は、固定部50Aの中央固定部505Aに挿入される。また、固定部50Aのガイド突片507は、ストッパー60の第1突部603および第2突部604と支持面605との間に挿入される。そして、固定部50Aのガイド突片507が、ストッパー60の支持面605に支持されることで、排紙トレイ50の上下方向の位置が規制される。更に、固定部50Aの中央固定部505Aよりも装着方向上流側に配置された係合片506が、ストッパー60の内壁面60Bに係合されることで、排紙トレイ50の位置が固定される。このため、排紙トレイ50が、退避部508とストッパー上端面602との摺擦によって、装着方向にガイドされながら移動されたのち、排紙トレイ50が、ストッパー60に固定されることが可能となる。
特に、上記の実施形態では、排紙トレイ50のうち、固定部50Aの中央固定部505Aよりも装着方向上流側に配置された係合片506が、ストッパー60の第1突部603の装着方向上流側の係合面603Aと内壁面60Bに係合されることで、排紙トレイ50の位置が固定される。このため、係合片506が、第1突部603の上流側の壁面である係合面603Aに到達した段階で、排紙トレイ50の装着方向の位置が規制される。したがって、排紙トレイ50の装着方向における移動に連続して、排紙トレイ50の固定部50Aの固定が実現される。
更に、上記の実施形態では、排紙部213は、画像形成部903の上方において、主筐体2(下部筐体21)の上面を画定する。また、側壁部23は、排紙部213の一側縁から立設される。更に、主筐体2は、排紙部213の前記一側縁と交差する他の側縁から立設される後壁部22を有し、排紙トレイ50は、後壁部22に固定される後固定部520を有する。このため、排紙トレイ50の主筐体2への固定が、強固に実現される。
また、上記の実施形態では、ストッパー60は、排紙部213から上方に向かって立設される第1の位置と、凹部213Aに収容される第2の位置との間で、状態変更が可能とされる。このため、ストッパー60が使用されない場合、凹部213Aの中に、ストッパー60が収容されることが可能となる。この際、ストッパー60は、ストッパー60の下端に配置された不図示の軸支部を支点とする回動によって、第1の位置と第2の位置との間で、移動可能とされる。このため、ストッパー60の簡易な操作によって、ストッパー60が、上記の2つの位置の間を移動することが可能となる。
更に、上記の実施形態では、排紙トレイ50は、上方排紙口252が配置される側壁部23に向かって下方に傾斜する上方排紙面501を備える。このため、上方排紙面501の上に、排出されたシートが安定して積載される。一方、排紙トレイ50と後壁部22との固定は、水平な上端部を備えるトレイ後壁52に配置された複数の突片(第1後装着片521、第2後装着片522、第3後装着片523)と、主筐体2の後壁部22に配置された複数の開口部(後装着部225)と、によって実現される。このため、排紙トレイ50と後壁部22との固定が、容易に実現される。
<排出空間24の冷却について>
更に、本実施形態に係る排紙トレイ50は、画像形成装置1に装着されることで、排出空間24に排紙されたシートの冷却効果を高める機能を備える。図14は、本実施形態に係る冷却手段を説明するために、右内壁232に配置された吹出口805を示した断面斜視図である。図14は、画像形成装置1を、上下および左右方向の断面にて切断した図である。また、図15は、シートを冷却する冷却風の流れを示した断面斜視図である。
図14を参照して、画像形成装置1は、側壁部23の右内壁232の周辺に、第1突出壁234と、第2突出壁235と、吸気口236と、吹出口805(吹出し口)と、シロッコファン806(空気流発生手段)と、流入口800(再吸気口)(図15)と、を備える。また、右内壁232のうち、前述の下方排紙口251と、排紙部213との間には、排出内壁面232Aが配置される。排出内壁面232Aの上端側には、下方排紙口251配置され、排出内壁面232Aの下端は、排紙部213に連設される。また、下方排紙口251の直上に、排紙トレイ50が装着され、排紙トレイ50は、排紙部213に対向して配置される。
第1突出壁234は、排出内壁面232Aの前側において、排出内壁面232Aから、左方向に突出する壁部である。また、第2突出壁235は、第1突出壁234よりも上方において、第1突出壁234よりも左方向に、突設される壁部である。第2突出壁235は、排紙部213から見て、排紙トレイ50と略同一の高さに配置される。
吸気口236は、第2突出壁235よりも、前側であって、右内壁232の下方部分に配置される。吸気口236は、右内壁232の壁面に開口された複数の開口部である。
吹出口805は、第2突出壁235の基端部(右側端部)に形成された開口部であり(図14の破線Zで囲む部分を参照)、第2突出壁235において、後方向に向かって開口される。
シロッコファン806は、右内壁232の下方部分の内側であって、第1突出壁234および第2突出壁235の内側に配置される。シロッコファン806は、不図示の回転ファンおよび隔壁を備える。前記回転ファンが回転駆動されると、吸気口236から右内壁232の内部に、空気流がもたらされる。そして、前記空気流は、右内壁232の内部において、前記隔壁によって方向を変え、図14の矢印D14および図15の矢印D15で示すように、吹出口805から後方に向かって、吹き出される。
流入口800は、後内壁221の排紙トレイ50よりも下方部分であって、排出内壁面232Aおよび排紙部213によって形成される楔形状の空間の側方に形成される(図6参照)。流入口800は、後内壁221の内部に向かって開口される複数の孔部である。
流入口800は、吹出口805から排気された空気を再吸気する機能を備える。
図15に示すように、吹出口805から吹き出された空気流は、排紙トレイ50の上方排紙面501と、排紙部213との間を流れながら、流入口800(図6参照)から、後壁部22の内部に流入される。後壁部22の内部に流入された前記空気流は、不図示の排気口から画像形成装置1の外部に排気される。
このように、本実施形態によれば、吹出口805から吹き出される空気流の風路の上側を、排紙トレイ50が画定する。また、前記風路の下側を排紙部213が画定する。このため、前記空気流は、排紙トレイ50の上方排紙面501を冷却するとともに、排紙部213を冷却する。このため、定着ユニット97において定着処理が施された後、下方排紙口251または上方排紙口252から排出されたシートの温度が低下していない場合であっても、前記空気流によって、シートが冷却される。この結果、定着ユニット97を通過した一のシート上において、固化しきれていないトナーが、前記シートの上方に積載される他のシートの裏面に溶着すること(オフセット)が抑止される。
また、本実施形態では、図5に示されるように、排紙トレイ50には、使用者が、上方排紙面501上に排紙されたシートを下方から掴みやすくするために、切欠き部51Rが形成される。切欠き部51Rは、トレイ右壁54に連通されることなく、切欠き部51Rの右側には、上方排紙面501が前方に突出されることで、トレイ突出部51Sが形成される。そして、トレイ突出部51Sは、図14に示されるように、吹出口805の左側部分の上方を覆うように配置される。このため、吹出口805から吹き出された空気流が、後方向に向かって安定して流れ、排紙部213に排紙されたシートの冷却効果が向上される。
なお、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記の実施形態では、排紙トレイ50が、後壁部22および側壁部23に固定されるにあたり、排紙トレイ50には、複数の突片(第1後装着片521、第2後装着片522、第3後装着片523、第1右装着片541、第2右装着片542、第3右装着片543)が配置された。また、後壁部22および側壁部23には、複数の開口部として、後装着部225および右装着部255が配置された。本発明は、これに限定されるものではない。排紙トレイ50のトレイ後壁52およびトレイ右壁54に、複数の開口部が形成され、後壁部22および側壁部23から複数の突片が突設されてもよい。
(2)上記の実施形態では、排紙トレイ50の下面に、退避部508が配置されるにあたり、退避部508は、リブ50Bの一部が切欠かれることで形成される態様にて説明した。本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、排紙トレイ50の下面は、平面からなるものであり、退避部508は、前記平面の一部が凹没された凹部であってもよい。