JP5869529B2 - 柱梁接合金物 - Google Patents
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Description
ところで、二つの柱梁接合金物を単に隣接させただけの場合、上部構造等を支持する上で好ましくないため、溶接等により二つの柱梁接合金物を接合する必要がある。しかしながら、サイズが大きい分、これら柱梁接合金物を正確に接合することは容易ではないため、その接合作業や躯体の構築に手間取る場合がある。
八つの角部に配置される八つの角部材41と、
前記横方向に隣り合う角部材41,41間で、かつ前記接合柱3を構成する各柱2,2の接合面を跨ぐ位置に配置される複数の中間部材42と、
上下方向に隣り合う前記角部材41,41同士を連結する複数の縦部材43と、
横方向に隣り合う前記角部材41,41同士、および、横方向に隣り合う前記角部材41と前記中間部材42同士を連結する複数の横部材44と、
上下方向に隣り合う前記中間部材42,42同士を連結する複数の中間用縦部材45と、
横方向に隣り合う前記中間部材42,42同士を連結する複数の中間用横部材46と、を有し、
横方向に隣り合う前記角部材41と前記中間部材42との並び方向に沿う前記中間部材42の幅寸法は、前記角部材41よりも幅広に設定され、
横方向に隣り合う前記角部材41と前記中間部材42との並び方向に沿う前記中間用縦部材45の幅寸法は、前記縦部材43よりも幅広に設定されていることを特徴とする。
これによって、従来とは異なり、複数の柱梁接合金物を接合する手間を省略することができるので、躯体の構築に係る手間を軽減でき、延いては、建物の施工性を向上させることが可能となる。
前記中間部材42の幅寸法は、前記角部材41,41二つ分の幅寸法と略等しく設定され、
前記中間用縦部材45の幅寸法は、前記縦部材43,43二本分の幅寸法と略等しく設定され、
前記中間部材42および前記中間用縦部材45の幅方向一方側は前記接合柱3のうち互いに接合された一方の柱2側に配置され、幅方向他方側は他方の柱2側に配置されていることを特徴とする。
前記複数の中間部材42のうち上方に位置する中間部材42,42同士、および、下方に位置する中間部材42,42同士を連結する前記複数の中間用横部材46,46はそれぞれ二本であり、
前記上方に位置する二本の中間用横部材46,46と、前記下方に位置する二本の中間用横部材46,46との間には中間板材47が設けられ、
当該中間板材47は、上端部が前記上方の二本の中間用横部材46,46間に挟み込まれるとともに接合され、下端部が前記下方の二本の中間用横部材46,46間に挟み込まれるとともに接合され、縦縁部が前記中間用縦部材45,45に接合されていることを特徴とする。
前記中間用横部材46は、前記横部材44と略等しい大きさに設定されていることを特徴とする。
また、前記横部材44と前記中間用横部材46とで部材の共通化を図ることができるので、コストの削減を図ることができる。
隣り合う前記縦部材43,43間、および、隣り合う前記縦部材43と前記中間用縦部材45との間には、それぞれ板材48が設けられ、
当該板材48の縦縁部が前記縦部材43と前記中間用縦部材45にそれぞれ接合され、横縁部が前記横部材44,44に接合されていることを特徴とする。
そして、この建物1は、複数の柱2,3と梁4から形成された躯体を有する軸組み工法によって構築されている。すなわち、建物1の基礎1aに複数の柱2,3が固定され、前記複数の柱2,3のうち隣り合う柱2,2(柱2,3、柱3,3)の上端部間に前記梁4が架設され、柱2,3と梁4とが仕口部材10,11,12,40によって接合されている。また、前記基礎1aはべた基礎であり、柱2,3が固定される部分は、他の部分より高く設定され、それぞれ複数のアンカーボルト(図示せず)が突設されている。
また、柱材2aの下端部にも、上端部と同様にして、4本の連結ボルト5、補強キャップ6等が設けられている。
なお、連結ボルト5は、柱材2aの端部に柱材2aの軸方向に延在し、かつ柱材2aの端面に開口する取付孔を形成し、この取付孔に接着剤を充填したうえで、連結ボルト5の基端部を挿入することによって、柱材2aにその端面から突出するようにして取り付けられている。
なお、構造用パネル2bと柱材2aとの接合は接着剤および釘打ちによってなされている。
また、この接合柱3には、x軸方向に延設する梁が一本、y軸方向に延設する梁が2本接合される。
この接合柱3は、建物1の正面視(y軸方向への視線)において、一階の左右中央の二箇所に左右に離間して配置されている。なお、一階の接合柱3,3の上方に位置する二階および三階の柱2,2は、接合柱3を構成する2本の柱2,2のうち建物1の正面視内側に位置する柱2の上方に位置する。
また、本実施の形態の梁4は、長さの異なる複数の梁4A,4B,4Bを繋げることにより長尺に形成されている。隣接する梁4A,4B,4B同士は、梁接合金物12A,12Aによって接合されている。
なお、構造用パネル4b,4cと梁材4aとの接合は接着剤および釘打ちによってなされている。
また、梁材4aの両端部には、それぞれ4本の連結ボルト5がその一端部を梁材4aの端面から突出させるようにして挿入固定されている。さらに、梁材4aの端部には、柱材2aと同様に、金属製の補強キャップ6が被されている。
また、この柱梁接合金物10は、図6および図7等に示すように、その8つの角部にそれぞれ直方体状の受ブロック13を有しており、上下に離間する受ブロック13,13が四角筒状の縦部材14によって連結されており、前後左右にそれぞれ離間する受ブロック13,13が四角筒状の横部材15によってそれぞれ連結されている。また、隣り合う縦部材14,14間には略矩形状の板材16が設けられており、この板材16の縦縁部が縦部材14に接合され、横縁部が横部材15に接合されている。
なお、板材16の表面は縦部材14および横部材15の表面より内側に凹んでいる。また、受ブロック13は、平面視における大きさが前記縦部材14より大きくなっており、受ブロック13は、その4つの側面を、縦部材14の4つの側面とそれぞれ平行にして配置されている。さらに、受ブロック13の4つの側面は、平面視において、縦部材14の4つの側面より突出している。
そして、柱梁接合金物10の下の4つの受ブロック13の下面部13dは、柱梁接合金物10の下端面の四隅部に設けられる受部13dを構成し、柱梁接合金物10の8個の受ブロック13の外側を向く側面部13bは、柱梁接合金物10の側面の四隅部に設けられる受部13bを構成している。
複数の突出部材15a,15aは、柱梁接合金物10の下側の4つの横部材15の外側面それぞれに一対ずつ設けられている。その形状は、上下左右の面と突出側面とを有する直方体状とされており、溶接等により接合されて横部材15と一体形成されている。
また、一対の突出部材15a,15aのそれぞれは、横部材15の長さ方向の一方の端部側と他方の端部側に間隔を空けて配置されている。すなわち、横部材15に対して比較的広い間隔を空けて配置された状態となっている。
なお、本実施の形態では、突出部材15aは一対としたが、これに限られるものではなく、一つでもよいし、三つ以上でもよい。
本実施の形態において、柱梁接合金物40は、八つの角部材41と、複数の中間部材42と、複数の縦部材43と、複数の横部材44と、複数の中間用縦部材45と、複数の中間用横部材46と、を有する。
また、前記1本の柱2用の柱梁接合金物10の受ブロック13と同様の構成とされている。すなわち、角部材41は、直方体状に形成されており、上側の4つの角部材41の上面部41aと、外側を向く2つの側面部41b,41bとには、それぞれねじ穴41cが形成されており、下側の4つの角部材41の下面部と、外側を向く2つの側面部41b,41bとには、それぞれねじ穴41cが形成されている。
また、この中間部材42は、横方向に隣り合う角部材41と中間部材42との並び方向(柱梁接合金物40の長手方向)に沿う幅寸法が、角部材41よりも幅広に設定されている。具体的には、中間部材42の幅寸法は、角部材41二つ分の幅寸法と略等しく設定されている。すなわち、この中間部材42は、前記角部材41二つを一体形成した構成となっている。また、上下の長さや奥行き(柱梁接合金物40の短手方向)の長さは、角部材41と略等しく設定されている。
さらに、上側の中間部材42の上面部42aと、外側を向く側面部42bとには、2つのねじ穴42c,42cがそれぞれ形成されており、下側の中間部材42の下面部と、外側を向く側面部42bとには、2つのねじ穴41c,42cがそれぞれ形成されている。これら2つのねじ穴42c,42cは、前記角部材41を二つ並べた際の当該角部材41,41の各ねじ穴41c,41cの位置と略同様の位置に形成されているものとする。
そして、中間部材42の幅方向一方側は前記接合柱3のうち互いに接合された一方の柱2側に配置され、幅方向他方側は他方の柱2側に配置されている。
また、柱梁接合金物40の下の2つの中間部材42,42(受ブロックに相当)の下面部42dは、柱梁接合金物40の下端面の四隅部に設けられる受部42dを構成し、柱梁接合金物40の4個の中間部材42(受ブロックに相当)の外側を向く側面部42bは、柱梁接合金物40の側面の四隅部に設けられる受部42bを構成している。
横部材44は、横方向に隣り合う角部材41,41同士、および、横方向に隣り合う角部材41と中間部材42同士を連結するものであり、柱梁接合金物10の横部材15と同様の構成とされている。すなわち、四角筒状に形成され、太さや長さ等のサイズも略等しく設定されている。
また、この中間用縦部材45は、横方向に隣り合う角部材41と中間部材42との並び方向(柱梁接合金物40の長手方向)に沿う幅寸法が、縦部材43よりも幅広に設定されている。具体的には、中間用縦部材45の幅寸法は、縦部材43二本分の幅寸法と略等しく設定されている。また、上下方向の長さや厚みは、縦部材43と略等しく設定されている。
そして、中間用縦部材45の幅方向一方側は前記接合柱3のうち互いに接合された一方の柱2側に配置され、幅方向他方側は他方の柱2側に配置されている。
また、複数の中間部材42のうち上方に位置する中間部材42,42同士、および、下方に位置する中間部材42,42同士を連結する複数の中間用横部材46はそれぞれ二本である。換言すれば、上方に位置する中間部材42,42間には、一対の中間用横部材46,46が設けられ、下方に位置する中間部材42,42間には、一対の中間用横部材46,46が設けられている。
上下の一対の中間用横部材46,46のうち一方の中間用横部材46,46は、前記接合柱3のうち互いに接合された一方の柱2側に配置されている。また、上下の一対の中間用横部材46,46のうち他方の中間用横部材46,46は、前記接合柱3のうち互いに接合された他方の柱2側に配置されている。
当該中間板材47は、上端部が前記上方の二本の中間用横部材46,46間に挟み込まれるとともに接合され、下端部が前記下方の二本の中間用横部材46,46間に挟み込まれるとともに接合され、縦縁部が前記中間用縦部材45,45に接合されている。
すなわち、中間板材47は、柱梁接合金物40のうち、接合柱3の一方の柱2側に配置される部位と、他方の柱2側に配置される部位との中間に設けられることになる。
また、隣り合う縦部材43と中間用縦部材45との間にも板材48が設けられている。当該板材48の縦縁部は縦部材43と中間用縦部材45にそれぞれ接合され、横縁部は上下の横部材44,44に接合されている。
なお、板材48の表面は縦部材43と横部材44と中間用縦部材45の表面より内側に凹んでいる。すなわち、板材48は、柱梁接合金物40の外側面よりも内部側に引っ込んだ位置に配置されている。また、板材48の四つ角は、角部材41の角と干渉しないように斜めに切削されている。
より詳細に説明すると、これら複数の突出部材15a,15aは、柱梁接合金物40の下部に設けられる各横部材44の外側を向く面に設けられている。
柱接合用箱形金物17は、四角筒状に形成された筒部材17aと、この筒部材17aの上下端面を塞ぐようにして当該筒部材17aの上下端にそれぞれ溶接等によって固定された矩形状の板部材17b,17bとによって構成されている。筒部材17aの1つの側面には矩形状の開口部17cが形成されている。また、上の板部材17bの略中央部には貫通孔17dが1つ形成されており、下の板部材17bの四隅部にはそれぞれ貫通孔17eが形成されている。
このような柱接合用箱形金物17は、図8に示すように、それぞれの開口部17cを外側に向けた状態で前後左右に離間して配置され、隣り合う柱接合用箱形金物17,17が連結部材18によって連結されている。
すなわち、柱2の上端面の四隅部、言い換えると柱2の四隅部に位置する柱材2aの上端面から突出する4本の連結ボルト5が、柱接合金物11の柱接合用箱形金物17の下面に形成された4つの貫通孔17eにそれぞれ挿通されるとともに、柱材2aの補強キャップ6の平板部(柱材2aの端面側部分)が柱接合用箱形金物17の下面に当接されたうえで、連結ボルト5にナットが螺合されて締め付けられている。ナットは柱接合用箱形金物17の開口部17cから挿入され、当該開口部17cからレンチ等の工具を挿入し、この工具によって締め付けられている。
このようにして、柱材2aの上端面と構造用パネル2bの上端面とがそれぞれ柱接合用箱形金物17の下面と下のフランジ18bの接合面18cに接合され、これによって柱2の上端面が柱接合金物11の下面に接合されている。
また、このような柱接合金物11は、前記接合柱3に対しては、当該接合柱3を構成する一方の柱2と他方の柱2の上端面に同様の接合形態を採用して接合されている。すなわち、接合柱3の上端面において2つの柱接合金物11,11が隣接して設けられることになる。
箱形金物17Aは、前記柱接合用箱形金物17と同様の構成であり、異なる点は柱接合用箱形金物17より上下の寸法が長い点である。
連結部材18Aは、前記連結部材18と同様の構成であり、異なる点は連結部材18より上下の寸法が長い点である。
なお、箱形金物17Aと箱形金物17とは上下の寸法を等しくしてもよく、連結部材18Aと連結部材18とは上下の寸法を等しくしてもよい。
さらに、柱2の構造用パネル2bの下端面が前記連結部材18Aの上のフランジ18bの上面に当接されたうえで、この上のフランジ18bに形成された多数の孔からビスが構造用パネル2bの下端面にねじ込まれるとともに、フランジ18bと構造用パネル2bの下端面とが接着剤で接着されている。
このようにして、柱材2aの下端面と構造用パネル2bの下端面とがそれぞれ箱形金物17Aの上面と上のフランジ18bの上面(接合面)18cに接合され、これによって、柱2の下端面が柱脚金物20の上面に接合されている。
また、このような柱脚金物20は、前記接合柱3に対しては、当該接合柱3を構成する一方の柱2と他方の柱2の下端面に同様の接合形態を採用して接合されている。すなわち、接合柱3の下端面において2つの柱脚金物20,20が隣接して設けられる。
このようにして、柱2の下端面が柱脚金物20を介して基礎1aの上面に接合されている。
すなわち、図5等に示すように、柱接合金物11は、各柱接合用箱形金物17の上端部壁(板部材)17bを、柱梁接合金物10の下端面の受部13dに当接したうえで、上端部壁17bと受部13dとをボルト接合することによって、柱梁接合金物10に接合される。
具体的には、柱接合用箱形金物17の側面に形成された開口部17cから連結ボルトが柱接合用箱形金物17の内部に挿入され、この連結ボルトが柱接合用箱形金物17の上端部壁17bの貫通孔17dを通して、受ブロック13の受部13dに形成されたねじ穴13cにねじ込まれるとによって、柱接合金物11が柱梁接合金物10に接合される。なお、連結ボルトの頭部と上端部壁17bとの間には、座金が介在されているものとする。
また、接合柱3が接合された2つの柱接合金物11,11も同様の接合形態を採用して柱梁接合金物40に接合される。
梁接合用箱形金物27は、前記柱接合用箱形金物17と略同様に、四角筒状に形成された筒部材27aと、この筒部材27aの左右端面を塞ぐようにして当該筒部材27aの左右端にそれぞれ溶接等によって固定された矩形状の板部材27b,27bとによって構成されている。筒部材27aの1つの側面には矩形状の開口部27cが形成されている。また、左の板部材27bの略中央部より上方位置には貫通孔27dが1つ形成されており、右の板部材27bの四隅部にはそれぞれ貫通孔27eが形成されている。
このような梁接合用箱形金物27は、それぞれの開口部27cを外側(上側と下側)に向けた状態で上下左右に離間して配置され、隣り合う梁接合用箱形金物27,27が連結部材28,29によって連結されている。
前記連結部材29は、鉛直に配置されるものであり、ウエブと左右のフランジを有しており、右のフランジ29aの表面は梁接合用箱形金物27の右側面と略面一か若干低くなっており、左のフランジ29bの表面は梁接合用箱形金物27の左側面と面一になっている。左のフランジ29bは右のフランジ29aより幅が大きく形成されており、この左のフランジ29bの表面29cが前記梁4の端面に接合される接合面29cとなっている。
すなわち、複数の梁4A,4B,4B同士を接合する梁接合金物12Aの方が厚みがあり、その分、梁接合金物12A,12A同士を連結する連結ボルトの長さを長くできる。
これら切欠凹部12a,12aは、前記柱梁接合金物10の前記突出部材15a,15aに上方から載せられるようにして係合するものである。より詳細に説明すると、これら切欠凹部12a,12aは、下方の連結部材28に対しては、前記フランジ28aのうち下方に突出する部分を、前記突出部材15aの形状および位置に合わせて切欠形成してなるものである。また、上方の連結部材28に対しては、前記フランジ28aのうち上方に突出する部分を、前記突出部材15aの形状および位置に合わせて切欠形成してなるものである。
なお、本実施の形態においては切欠凹部12a,12aは、上下の連結部材28,28の双方に形成されるものとしたが、少なくとも下方の連結部材28に切欠形成されていればよい。
また、この切欠凹部12aは、前記突出部材15aの上面に当接する上縁部と、この上縁部の両端部から下方に向かって徐々に広がる傾斜縁部とを有する。
また、切欠凹部12aの上縁部の長さと、前記突出部材15aの上面の幅寸法とが近似していれば、これら上縁部と突出部材15aとが当接した時に、梁接合金物12の横方向の位置決めも同時に行えるので好ましい。
これら横位置決め用孔部12b,12bは、前記縦位置決め手段によって梁接合金物12の縦方向の位置決めが完了した後に、棒状器具12cが挿し込まれる。そして、棒状器具12cによって、梃子の原理を利用して梁接合金物12の横方向の位置を位置決めできる。すなわち、横位置決め用孔部12bとの接触部分を作用点とし、前記突出部材15aを支点とする。
したがって、本実施の形態の仕口部材は、前記縦位置決め手段だけでなく、横位置決め手段も備えて構成されている。
なお、本実施の形態においては横位置決め用孔部12b,12bは、上下の連結部材28,28の双方に形成されるものとしたが、少なくとも下方の連結部材28に切欠形成されていればよい。また、横位置決め用孔部12bの数およびウエブ上の形成位置は、突出部材15aに対応する。また、棒状器具12cは、例えば作業員が所持する工具等が用いられるが、前記横位置決め用孔部12bに挿し込むことができ、梃子の原理を利用して梁接合金物12延いては梁4を位置調整できるものであれば特に限定されるものではない。
すなわち、梁4の端面の四隅部、言い換えると、梁4の四隅部に位置する梁材4aの端面から突出する4本の連結ボルト5が梁接合金物12の梁接合用箱形金物27の端面に形成された4つの貫通孔にそれぞれ挿通されるとともに、梁材4aの補強キャップ6の平板部(梁材4aの端面側部分)が梁接合用箱形金物27の端面に当接されたうえで、連結ボルト5にナットが螺合されて締め付けられている。ナットは梁接合用箱形金物27の開口部27cから挿入され、当該開口部27cからレンチ等の工具を挿入し、この工具によって締め付けられている。
さらに、梁4の構造用パネル4b,4cの端面が前記連結部材28,29の左のフランジ28b,29bの表面(接合面)28c,29cに当接されたうえで、この左のフランジ28b,29bに形成された多数の孔からビスが構造用パネル4b,4cの端面にねじ込まれている。
このようにして、梁材4aの端面と構造用パネル4b,4cの端面とがそれぞれ梁接合用箱形金物27の端面と左のフランジ28b,29bの接合面28c,29cに接合され、これによって、梁4の端面が梁接合金物12の側面に接合されている。
まず、梁4をクレーン等によって、隣り合う柱2,2の柱梁接合金物10,10間に吊り上げる。この時、柱梁接合金物10,10よりもやや上方に吊り上げるようにする。
続いて、梁4の位置を徐々に下げていき、梁接合金物12側の前記切欠凹部12a,12aを、柱梁接合金物10側の前記突出部材15a,15aに載せるようにして係合させる。この時、切欠凹部12a,12aの位置が前記突出部材15a,15aに対して僅かにずれていたとしても、切欠凹部12aの傾斜縁部と突出部材15aとが当接した状態であれば、そのまま梁4を下ろすだけで徐々に梁4の横方向の位置も真っ直ぐな状態となる。以上のようにして、梁接合金物12の縦方向の位置を位置決めすることができる。また、このような縦方向の位置決め作業は、梁4の両端部で同時に行われる。
その後、横方向の位置決めが必要となる場合は、横位置決め用孔部12bに棒状器具12cを挿し込んで、梃子の原理を利用して梁接合金物12の横方向の位置決め作業を行うようにする。また、このような縦方向の位置決め作業は、梁4の両端部で行われる。
具体的には、梁接合用箱形金物27の側面に形成された開口部27cから連結ボルトが梁接合用箱形金物27の内部に挿入され、この連結ボルトが梁接合用箱形金物27の端部壁27bの貫通孔27dを通して、受ブロック13の受部13bに形成されたねじ穴13cにねじ込まれるとによって、梁接合金物12が柱梁接合金物10に接合される。なお、連結ボルトの頭部と上端部壁17bとの間には、座金が介在されているものとする。
また、柱梁接合金物40に対しては、当該梁4が接合された梁接合金物12が2本並んだ状態で接合される。
隣り合う柱2,2の上端部間に梁4が配置され、柱2の上端部と梁4の端部とが、柱梁接合金物10、柱接合金物11、梁接合金物12によって構成された仕口部材によって接合されて、ラーメン構造となっている。
さらに、前記柱梁接合金物10の上面には、(上の)柱接合金物11が、柱梁接合金物10の下面に接合されている下の柱接合金物11と上下逆にして、かつ下の柱接合金物11と同様にして接合されている。
また、上の柱接合金物11には上階の柱2が、前記柱脚金物20に1階の柱2を接合した同様の構造によって接合されている。
また、隣り合う柱2,2と梁4とで囲まれる空間には、柱2,2や梁4に接合させるようにして耐力壁を設けることができる。
これによって、従来とは異なり、複数の柱梁接合金物を接合する手間を省略することができるので、躯体の構築に係る手間を軽減でき、延いては、建物の施工性を向上させることが可能となる。
また、前記横部材44と前記中間用横部材46とで部材の共通化を図ることができるので、コストの削減を図ることができる。
2 柱
3 柱(接合柱)
4 梁
10 柱梁接合金物
11 柱接合金物
12 梁接合金物
40 柱梁接合金物
41 角部材
42 中間部材
43 縦部材
44 横部材
45 中間用縦部材
46 中間用横部材
Claims (5)
- 複数本の柱を接合してなる接合柱と梁との延長線上の交差部に配置される略直方体フレーム状の柱梁接合金物において、
八つの角部に配置される八つの角部材と、
前記横方向に隣り合う角部材間で、かつ前記接合柱を構成する各柱の接合面を跨ぐ位置に配置される複数の中間部材と、
上下方向に隣り合う前記角部材同士を連結する複数の縦部材と、
横方向に隣り合う前記角部材同士、および、横方向に隣り合う前記角部材と前記中間部材同士を連結する複数の横部材と、
上下方向に隣り合う前記中間部材同士を連結する複数の中間用縦部材と、
横方向に隣り合う前記中間部材同士を連結する複数の中間用横部材と、を有し、
横方向に隣り合う前記角部材と前記中間部材との並び方向に沿う前記中間部材の幅寸法は、前記角部材よりも幅広に設定され、
横方向に隣り合う前記角部材と前記中間部材との並び方向に沿う前記中間用縦部材の幅寸法は、前記縦部材よりも幅広に設定されていることを特徴とする柱梁接合金物。 - 請求項1に記載の柱梁接合金物において、
前記中間部材の幅寸法は、前記角部材二つ分の幅寸法と略等しく設定され、
前記中間用縦部材の幅寸法は、前記縦部材二本分の幅寸法と略等しく設定され、
前記中間部材および前記中間用縦部材の幅方向一方側は前記接合柱のうち互いに接合された一方の柱側に配置され、幅方向他方側は他方の柱側に配置されていることを特徴とする柱梁接合金物。 - 請求項1または2に記載の柱梁接合金物において、
前記複数の中間部材のうち上方に位置する中間部材同士、および、下方に位置する中間部材同士を連結する前記複数の中間用横部材はそれぞれ二本であり、
前記上方に位置する二本の中間用横部材と、前記下方に位置する二本の中間用横部材との間には中間板材が設けられ、
当該中間板材は、上端部が前記上方の二本の中間用横部材間に挟み込まれるとともに接合され、下端部が前記下方の二本の中間用横部材間に挟み込まれるとともに接合され、縦縁部が前記中間用縦部材に接合されていることを特徴とする柱梁接合金物。 - 請求項3に記載の柱梁接合金物において、
前記中間用横部材は、前記横部材と略等しい大きさに設定されていることを特徴とする柱梁接合金物。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の柱梁接合金物において、
隣り合う前記縦部材間、および、隣り合う前記縦部材と前記中間用縦部材との間には、それぞれ板材が設けられ、
当該板材の縦縁部が前記縦部材と前記中間用縦部材にそれぞれ接合され、横縁部が前記横部材に接合されていることを特徴とする柱梁接合金物。
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