JP5869234B2 - 配線基板の製造方法および配線基板 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば半導体素子または水晶振動素子等の電子部品を収容して搭載するための配線基板の製造方法および配線基板に関するものである。
従来、電子部品を実装し、電子機器に組み込まれるプリント基板に搭載されるための配線基板としてセラミック製のものが用いられており、上面に電子部品を収容するための凹部を有する形状のものがある。
このような凹部の底面は電子部品搭載領域として用いられる。凹部の周囲の側壁部の上面に形成された電極と、電子部品搭載領域に搭載された電子部品の各電極とは、半田またはボンディングワイヤ等の接続部材を介して電気的に接続される。このような構成とすることによって、電子部品を凹部内に収容して、電子部品と配線基板の外部の部材との接触等によって、電子部品を破損することを抑制した電子装置が作製できる。
このようなセラミック製の配線基板は、グリーンシート積層法によって製作される。例えば、セラミック粉末と有機バインダとを主成分とするセラミックグリーンシートを準備する。次に、金属粉末を主成分とする導体ペーストを印刷するなどして配線導体パターンを形成した第1のセラミックグリーンシートと、貫通孔を形成することによって枠状とするとともに貫通孔の周囲に電極パターンを形成した第2のセラミックグリーンシートとを用意する。次に、第1のセラミックグリーンシート上に、第2のセラミックグリーンシートを積層して圧着することにより積層体を形成する。その後、この積層体を焼成することによってセラミック製の配線基板が製作される(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2001−260120号公報
しかしながら、上記したような従来の凹部を有する配線基板は、凹部の周囲の側壁部において上面の凹部側が、凹部の底面に向かって傾いた傾斜面となることがあった。これは、セラミックグリーンシートを積層して加圧する際に、セラミックグリーンシートに接する板状の加圧部材が撓んで、加圧部材の一部が凹部内に入るためであった。すなわち、加圧部材が、側壁部となるセラミックグリーンシートの上面の凹部側に、凹部の底面に向かって斜めに当接されるので、配線基板の側壁部の上面の凹部側が上記したような傾斜面となっていた。
また、電子装置の小型化に伴って、配線基板の側壁部の上面の幅が短くなってきている。このような側壁部の上面に形成される電極の長さと、側壁の内壁と電極の凹部側の端部との間の長さとが短くなってきている。そのため、傾斜した側壁部の上面に形成された電極が、凹部の底面に向かって傾斜しており、電子部品と電極とをボンディングワイヤで接続するときに、ボンディングワイヤを電極上に良好に接続させることが困難であった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、凹部の周囲の上面の傾きを低減できる配線基板の製造方法および配線基板を提供することにある。
本発明の一つの態様による配線基板の製造方法は、第1のセラミックグリーンシートおよび第2のセラミックグリーンシートを準備する工程と、低収縮部材を設ける工程と、第1のセラミックグリーンシートの上面に、第2のセラミックグリーンシートを積層して積層体を作製する工程と、層体を焼成する工程とをする。第1のセラミックグリーンシートは第1の貫通孔を有している。第2のセラミックグリーンシートは第1の貫通孔よりも小さな第2の貫通孔を有している。低収縮部材は第1のセラミックグリーンシートよりも焼成収縮率が小さく、第1の貫通孔に設けられている。積層体は、第1のセラミックグリーンシートの上面に、第1の貫通孔と第2の貫通孔とが重なかつ低収縮部材の外縁部に第2の貫通孔の開口部が重なるように、第2のセラミックグリーンシートを積層し加圧して積層体を作製する。
本発明の他の態様による配線基板は、凹部が設けられた絶縁基板と、平面視で凹部よりも大きく、凹部と対向し、かつ凹部の内壁と対向する外縁部を有するように絶縁基板に埋設された低収縮部材とを有するものである。
本発明の配線基板の製造方法は、平面視で第1の貫通孔を有する第1のセラミックグリーンシートおよび平面視で第1の貫通孔よりも小さな第2の貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートを準備する工程と、第1の貫通孔に第1のセラミックグリーンシートよりも焼成収縮率の小さい低収縮部材を設ける工程と、第1のセラミックグリーンシートの上面に、第1の貫通孔と第2の貫通孔とが重なかつ低収縮部材の外縁に第2の貫通孔の開口部が重なるように、第2のセラミックグリーンシートを積層し加圧して積層体を作製する工程と、積層体を焼成する工程とを有している。このような製造方法であることから、積層したときに、凹部の周囲の側壁部において上面の凹部側が、凹部の底面に向かって傾斜した傾斜面となっても、焼成する際の低収縮部材の収縮が、第1のセラミックグリーンシートの収縮よりも小さい。このような積層体を焼成すると、積層体は、平面視で低収縮部材と第2のセラミックグリーンシートとが重なっている領域よりも、第1のセラミックグリーンシートと第2のセラミックグリーンシートとが重なっている領域の方が、大きく収縮する。よって、このように低収縮部材によって、積層体の側壁部上面の凹部側が低収縮部材側に変形することを抑制されて、積層体の側壁部上面の傾きを低減できる。したがって、例えば側壁部の上面に電極が形成されたときに、電極の傾斜を抑制できる。
本発明の配線基板は、凹部が設けられた絶縁基板と、平面視で凹部よりも大きく、凹部と対向し、かつ凹部の内壁と対向する外縁部を有するように、絶縁基板に埋設された低収縮部材とを有することから、凹部の周囲の側壁部の上面の傾きが抑えられたものとできる。したがって、例えば側壁部の上面に電極が形成されているときに、電極の傾斜を抑制し
て、電極にボンディングワイヤを良好に接続できる。
(a)は、本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の一工程の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 (a)は、本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の一工程の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 (a)は、本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の一工程の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 (a)、(b)および(c)は、本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の一工程の一例を示す断面図である。 (a)は、本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の一工程の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 図5(a)のA部を拡大して示す平面図である。 本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 (a)は、本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の一工程の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
本発明の配線基板の製造方法および配線基板について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1〜図8において、1は第1のセラミックグリーンシート、1aは第1の貫通孔、2は第2のセラミックグリーンシート、2aは第2の貫通孔、3は低収縮部材、4は電極パターン、5は貫通導体パターン、6は配線導体パターン、7は積層体、7aは凹部、8は第3のセラミックグリーンシート、11は絶縁基板、14は電極、15は貫通導体、16は配線導体である。
まず、第1のセラミックグリーンシート1と第2のセラミックグリーンシート2とを準備する。第1のセラミックグリーンシート1および第2のセラミックグリーンシート2は、作製する配線基板に応じた厚みのものが使用される。
第1のセラミックグリーンシート1および第2のセラミックグリーンシート2は、セラミック粉末に有機バインダおよび溶剤を、また必要に応じて所定量の可塑剤や分散剤を加えてスラリーを得て、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂や紙製の支持体上にドクターブレード法,リップコーター法またはダイコーター法等の成形方法により塗布してシート状に成形し、温風乾燥,真空乾燥または遠赤外線乾燥等の乾燥方法により乾燥することによって作製する。
セラミック粉末としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)粉末,窒化アルミニウム(AlN)粉末,ガラスセラミック粉末等が挙げられ、配線基板に要求される特性に合わせて適宜選択される。
セラミック粉末が酸化アルミニウム粉末や窒化アルミニウム粉末の場合は、酸化珪素(SiO)や酸化マグネシウム(MgO)等の焼結助剤となる成分の粉末が加えられ、また、着色剤として酸化マンガン(MnO)等の粉末を加えてもよい。
ガラスセラミック粉末は、ガラス粉末とフィラー粉末とを10:90乃至99:1、好ましくは40:60乃至80:20の質量比で混合したものである。ガラスセラミック粉末のガラス粉末としては、従来からガラスセラミックスに用いられているものを用いればよく、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(ただし、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す。),SiO−Al−M1O−M2O系(ただし、M1およびM2は同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す。),SiO−B−Al−M1O−M2O系(ただし、M1およびM2は上記と同じである。),SiO−B−M3O系(ただし、M3はLi、NaまたはKを示す。),SiO−B−Al−M3O系(ただし、M3は上記と同じである。),Pb系,Bi系等のガラスの粉末が用いられる。
また、ガラスセラミック粉末のフィラー粉末としては、従来からガラスセラミックスに用いられているものを用いればよく、例えばAlとSiOとZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,AlおよびSiO(クリストバライト,クオーツ)の少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等のセラミック粉末が挙げられる。
有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに用いられているものを用いればよく、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独集合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステ
ル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独共重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解性や揮発性を考慮すると、アクリル系バインダがより好ましい。また、有機バインダの添加量はセラミック粉末により異なるが、焼成時に分解・除去されやすく、かつセラミック粉末が分散され、グリーンシートのハンドリング性や加工性が良好な量であればよく、セラミック粉末に対して10乃至20質量%程度が望ましい。
スラリーに含まれる溶剤は、セラミック粉末および有機バインダを分散させ、グリーンシート成形に適した粘度のスラリーが得られるように、例えば炭化水素類,エーテル類,エステル類,ケトン類,アルコール類等の有機溶剤や水が挙げられる。これらの中で、トルエン,メチルエチルケトン,イソプロピルアルコール等の蒸発係数の高い溶剤は、スラリー塗布後の乾燥工程が短時間で終了できるので好ましい。溶剤の量は、セラミック粉末に対して30乃至100質量%の量で加えることによって、スラリーを良好に支持体上に塗布
することができるような粘度、具体的には3cps乃至100cps程度となるようにする
ことが望ましい。
次に、図1に示す例のように、第1のセラミックグリーンシート1に、第1の貫通孔1aを形成する。その後、図2に示す例のように、第1の貫通孔1aに、第1の貫通孔1aと略同形状で、かつ第1のセラミックグリーンシート1よりも厚み方向への焼成収縮率が小さい低収縮部材3を配置する。
また、図3に示す例のように、第2のセラミックグリーンシート2には、第2の貫通孔2aを形成する。
第1の貫通孔1aおよび第2の貫通孔2aの形成は、金型やパンチングによる打ち抜き加工またはレーザ加工によって形成することができる。
次に、図2および図3に示す例のように、第1のセラミックグリーンシート1および第2のセラミックグリーンシート2に、電極パターン4,貫通導体パターン5,配線導体パターン6等の導体パターンを形成する。
なお、第1の貫通孔1aを形成する工程と、第2の貫通孔2aを形成する工程と、導体パターンを形成する工程とは、どの工程を先に行なってもよい。また、第1の貫通孔1aまたは第2の貫通孔2aの形成と、貫通導体パターン5用の貫通孔の形成とを同時に行っても良いし、導体パターンの形成は同時に行ってもよい。
低収縮部材3は、第1のセラミックグリーンシート1よりも厚み方向への焼成収縮率の小さい材料であって、焼成後に配線基板内に埋設されるものである。このような低収縮部材3としては、例えば、第1のセラミックグリーンシート1の第1の貫通孔1aに、第1のセラミックグリーンシート1よりも焼成収縮率の小さい金属シートまたはセラミックグリーンシートを埋め込むことによって形成する。また、低収縮部材3は、例えば平面視で角部が円弧状である矩形状または円形あるいは楕円形状であって、第1の貫通孔を充填するように設けられている。なお、低収縮部材3は断面視で段差のある形状であってもよい。また、低収縮部材3は、第1のセラミックグリーンシート1に打ち抜き加工で第1の貫通孔1aを設けると同時に埋設させると、効率よく作製できる。
低収縮部材3がセラミックグリーンシートである場合には、セラミックグリーンシートは、第1のセラミックグリーンシート1および第2のセラミックグリーンシート2と同様にして製作できる。なお、低収縮部材3であるセラミックグリーンシートは、セラミック
粉末の添加量やセラミック粉末の大きさ、有機バインダおよび溶剤の添加量等を調整すること等により、第1のセラミックグリーンシート1よりも厚み方向への焼成収縮率が小さくなるよう調整されている。
低収縮部材3が金属シートからなる場合には、金属シートは、例えば以下のようにして作製する。まず、金属粉末に有機バインダおよび有機溶剤を、また必要に応じて所定量の可塑剤や分散剤を加えてスラリーを得る。このようなスラリーをPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂や紙製の支持体上にドクターブレード法,リップコーター法またはダイコーター法等の成形方法によって塗布してシート状に成形する。その後、シート状に成形したスラリーを、温風乾燥,真空乾燥または遠赤外線乾燥等の乾燥方法によって乾燥することによって金属シートが作製される。なお、金属シートは、低収縮部材3であるセラミックグリーンシートと同様に、金属粉末の添加量や金属粉末の大きさ、有機バインダおよび溶剤の添加量等を調整すること等により、第1のセラミックグリーンシート1よりも厚み方向への焼成収縮率が小さくなるよう調整されている。
低収縮部材3は、第2のセラミックグリーンシート2と重なる領域において、第2のセラミックグリーンシート2側に突出するような形状であってもよい。積層時に、第2のセラミックグリーンシート2が低収縮部材3によって押上げられるように変形するので、凹部7aの周囲の上面の傾斜を低減するのに有効である。また、第1のセラミックグリーンシート1の焼成収縮率と低収縮部材3の焼成収縮率との差を小さくしても、傾斜を低減できる。
低収縮部材3用の金属粉末としては、例えば、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),金(Au),銀(Ag),銅(Cu),パラジウム(Pd),白金(Pt)等の1種または2種以上からなる粉末が挙げられ、要求される特性に合わせて適宜選択される。なお、金属粉末が、2種以上からなる場合は混合,合金,コーティング等のいずれの形態であってもかまわない。例えば、Cu粉末とW粉末とを混合した材料を含む低収縮部材3を用いて、焼成後に低収縮部材3を放熱部として利用する場合には、低収縮部材3は、放熱性に優れた銅タングステン(CuW)を用いているので、配線基板に搭載された電子部品で発生する熱を、低収縮部材3を介して外部に逃がす際の放熱性を高めるのに有効である。
電極パターン4は、電子部品の各電極とワイヤボンディングにより電気的に接続される電極となる。このような電極は貫通導体15を介して他の配線導体16に接続されるので、第1のセラミックグリーンシート1および第2のセラミックグリーンシート2には、貫通導体15となる貫通導体パターン5および配線導体となる配線導体パターン6が形成される。図3に示す例では貫通導体パターン5のみが形成されている。配線導体16には、半田等の接合材を介して外部回路基板へ接続するための接続パッドおよび基板内で引き回される内部配線層がある。
電極パターン4および配線導体パターン6は、例えば、第1のセラミックグリーンシート1および第2のセラミックグリーンシート2にパンチングや金型による打ち抜き加工やレーザ加工によって貫通導体パターン5用の貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体パターン5用の導体ペーストをスクリーン印刷法やプレス充填によって埋め込んで貫通導体パターン5を形成し、第1のセラミックグリーンシート1および第2のセラミックグリーンシート2の上面または下面の貫通導体パターン5が露出した部分の上に電極パターン4および配線導体パターン6用の導体ペーストをスクリーン印刷法,グラビア印刷法等の印刷法によって所定パターン形状で印刷することにより、10μm〜20μm程度の厚みで形成される。
導体ペーストは、金属粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を加えてボールミルやプラネタリーミキサー等の混練手段によって均質に分散させて混練した後、溶剤を必要量添加することにより、印刷や貫通孔の充填に適した粘度に調整することによって作製される。
導体ペーストに用いられる金属粉末は、後の焼成工程において第1のセラミックグリーンシート1および第2のセラミックグリーンシート2との同時焼成により焼結する金属の粉末であり、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),金(Au),銀(Ag),銅(Cu),パラジウム(Pd),白金(Pt)等の1種または2種以上が挙げられる。2種以上の場合は混合,合金,コーティング等のいずれの形態であってもかまわない。
導体ペーストの有機バインダとしては、従来から導体ペーストに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解性や揮発性を考慮すると、アクリル系,アルキド系の有機バインダがより好ましい。また、有機バインダの添加量としては、金属粉末によって異なるが、焼成時に分解・除去されやすく、かつ金属粉末を分散できる量であればよく、金属粉末に対して外添加で5乃至20質量%程度の量であることが望ましい。
導体ペーストに用いる溶剤としては、金属粉末と有機バインダとを良好に分散させて混合できるようなものであればよく、例えばテルピネオールやブチルカルビトールアセテートなどが挙げられる。また、印刷後の形成性および乾燥性を考慮して、低沸点溶剤を用いることが好ましい。溶剤は、金属粉末に対して4乃至15質量%の量で加えられ、これらの導体ペーストを良好に形成できる程度の粘度となるように、具体的には、電極パターン4や配線導体パターン6用の導体ペーストでは3000乃至40000cps程度、貫通導体パター
ン5用の導体ペーストでは15000乃至40000cps程度となるように調整される。
導体ペーストには、焼成時の第1のセラミックグリーンシート1または第2のセラミックグリーンシート2の焼成収縮挙動や収縮率と合わせるため、または焼成後の配線導体の接合強度を確保するために、ガラスやセラミックスの粉末を添加してもよい。
電極パターン4は、図3に示す例のように、第2のセラミックグリーンシート2の貫通孔2aから離間させて形成されていてもかまわないし、貫通孔2aまで延びるように形成されていてもかまわない。電極パターン4は、貫通孔2aを形成してから形成する場合には、貫通孔2aから0.1mm程度離間させて形成することにより、貫通孔2aの内壁に導
体ペーストが塗布されてしまい、複数の電極パターン4同士が接続して電極が短絡してしまうことを低減できる。また、電極パターン4が形成されてから貫通孔2aを形成する場合には、電極パターン4の端部と重なるように第2のグリーンシート2を打ち抜くことによって、貫通孔2aまで延びた電極パターン4とできる。
その後、図5に示す例のように、第1のセラミックグリーンシート1の上に、第2のセラミックグリーンシート2を積層して加圧することにより、凹部7aを備えた積層体7が作製される。このとき、低収縮部材3と電極パターン4とが平面視で重なるように積層される。このときの加圧は必要に応じて加熱しながら行なう。加圧および加熱の条件は、用いる有機バインダ等の種類や量によって異なるが、概ね2〜20MPaの圧力および30〜100℃の温度である。また、第1のセラミックグリーンシート1と第2のセラミックグリー
ンシート2との接着性を向上させるために、溶剤と有機バインダや可塑剤等とを混合した
接着剤を用いてもよい。また、積層体7は凹部7aの形状に対応するゴム等から成る弾性体によって加圧されていてもよい。
また、平面視で低収縮部材3と第2のセラミックグリーンシート2とが重なっている部分の長さ(図6に示すL)は、低収縮部材3によって第2のセラミックグリーンシート2の上面の傾斜を低減するために、第1のセラミックグリーンシート1および第2のセラミックグリーンシート2あるいは低収縮部材3の組成にもよるが、L≧0.05mm程度であることが好ましい。
電極パターン4は、通常、貫通孔2aに沿って複数形成されている。図3に示す例では、正方形状の貫通孔2aの対向する2辺に沿って複数の電極パターン4がそれぞれ12個ずつ配列されて形成されているが、貫通孔2aの4辺に沿って形成されていてもよい。また、貫通孔2aが円形状である場合には、貫通孔2aに沿って複数の電極パターン4が配列形成されていてばよい。
なお、図5に示す例においては、積層体7は、第1のセラミックグリーンシート1と第2のセラミックグリーンシート2とをそれぞれ1枚ずつ、合計2枚のセラミックグリーンシートを積層して形成されているが、いずれか一方あるいは両方のセラミックグリーンシートを複数枚で形成して、積層体7を3枚以上のセラミックグリーンシートを積層することによって作製してもよい。
また、低収縮部材3の表面が、平面視で低収縮部材3よりも幅広のメタライズペーストやセラミックペーストで覆われていても構わない。例えば、このようなメタライズペーストやセラミックペーストをスクリーン印刷法等によって形成した際に、第1の貫通孔1aの開口周辺においてメタライズペーストやセラミックペーストが低収縮部材3と第1のセラミックグリーンシート1との間の微細な間隙の間に入り込むことによって、低収縮部材3が第1のセラミックグリーンシート1から抜け落ちることを抑制できる。なお、メタライズペーストは、電極パターン4または配線導体パターン6用の導体ペーストと同じ導体ペーストを用いればよい。セラミックペーストは、第1のセラミックグリーンシート1または第2のセラミックグリーンシート2に用いたセラミック粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を加えて調整したセラミックペーストを用いればよい。
このようにして作製した積層体7を焼成して、図7に示す例のような配線基板11が作製される。焼成する工程は有機成分の除去とセラミック粉末の焼結とから成る。有機成分の除去は100〜1000℃程度の温度範囲で積層体7を加熱することによって、有機成分を分解
し、揮発させることによって行なう。焼結温度はセラミック組成によって異なり、800〜1600℃程度の範囲内で行なう。また、焼成雰囲気はセラミック粉末や導体材料によって異
なり、大気中あるいは還元雰囲気中あるいは非酸化性雰囲気中等で行なわれ、有機成分の除去を効果的に行なうために雰囲気中に水蒸気等を含ませてもよい。
このような積層体7を焼成すると、積層体7は、平面視で低収縮部材3と第2のセラミックグリーンシート2とが重なっている領域よりも、第1のセラミックグリーンシート1と第2のセラミックグリーンシート2とが重なっている領域の方が、大きく収縮する。したがって、このように低収縮部材3によって、積層体7の側壁部上面の凹部7a側が低収縮部材3側に変形することを抑制されて、積層体7の側壁部上面の傾きを低減できる。
なお、低収縮部材3は、後述する第1のセラミックグリーンシート1と第2のセラミックグリーンシート2とを積層し加圧する工程の前または後のいずれかの時点において、第1の貫通孔1aに埋設されていればよいが、図4に示す例のように、積層し加圧する工程の前に低収縮部材3が第1の貫通孔1aに埋設されていると、積層時に凹部7aの周囲の
上面の傾斜を低減するのに有効である。
積層体7を焼成した後、電極14および配線導体16の露出する表面には、電解めっき法あるいは無電解めっき法によりめっき層が被着される。このようなめっき層によって、配線導体16と電子部品との固着、配線導体16と外部回路基板の配線導体との接合、および電極14とボンディングワイヤとの接合を強固にできる。めっき層は、ニッケル,金等の耐蝕性に優れる金属を用いる。例えば、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚さ0.1〜3
μm程度の金めっき層とを順次被着させる。
なお、低収縮部材3が金属部材からなる場合、または低収縮部材3を覆うように金属層を配置した場合には、低収縮部材3または金属層の露出する表面にもめっき層を形成しておくとよい。めっき層は、上記した耐食性に優れる金属の他に、銀等の反射性に優れる金属や、銅等の熱伝導性に優れる金属を用いてもよい。下地めっき層に、銀または銅を用いると、電子部品で発生する熱が低収縮部材3を介して外部に伝導されるのに有効である。また、例えば凹部7aの底面に電子部品として発光素子を搭載する場合には、めっき層は銀を用いると、発光素子からめっき層に放射される光の反射率を高めるのに有効である。
積層体7は、図8に示す例のように、第1セラミックグリーシート1の上面および下面に第3のセラミックグリーンシート8を配置しておくと、低収縮部材3が第1のセラミックグリーンシート1から抜け落ちることを抑制できる。また、第1セラミックグリーシート1の下面に第3のセラミックグリーンシート8を配置しておくと、下面に配線導体パターン6を広い面積に形成できるので、配線基板11の配線導体16と外部電気回路基板の配線との接続信頼性を高めることができる。
なお、第1のセラミックグリーシート1および低収縮部材3と第2のセラミックグリーンシート2との間に第3のセラミックグリーンシート8を配置する場合には、第3のセラミックグリーンシート8の厚みは、0.2mm以下としておくことが好ましい。0.2mmを超えると、第3のセラミックグリーンシート8によって、第2のセラミックグリーンシート2の凹部7a側の傾斜面の傾きを低減する効果が小さくなってしまう。
本発明の一つの態様による配線基板は、凹部7aが設けられた絶縁基板11と、平面視で凹部7aよりも大きく、凹部7aと対向するように絶縁基板11に埋設された低収縮部材3とを有する。このような構成であることから、凹部7aの周囲の側壁部において上面に形成された電極14の傾きが抑えられたものとできる。したがって、例えば、凹部7aの底面に電子部品を搭載して、電子部品の電極と電極14とをワイヤボンディングで接続する場合に、ボンディングワイヤと電極14とが強固に接続される。
また、低収縮部材3の外縁は、第2のセラミックグリーンシート2に保持されて、低収縮部材3の中央部が外縁よりも厚くなるように収縮し、凹部7aの底面を凸状とすることで、凹部7aの底面に電子部品を配置したときに、電子部品を凹部7aの底面に接合するための樹脂が凹部の周囲の側壁の上面に流出することを抑制するのに有効である。
なお、低収縮部材3の形状は、平面視で凹部7aの形状と同様の形状としておくことが好ましい。例えば、図5および図8に示す例のように、凹部7aが平面視で四角形状であれば、低収縮部材3は平面視で角部が円弧状の矩形状としておく。また、凹部7aが平面視で円形状であれば、低収縮部材3は平面視で円形状としておくと、積層体7aを焼成した際に、凹部7aの周辺の第2のセラミックグリーンシート2の変形を均等に抑制して、第2のセラミックグリーンシート2の傾きのばらつきを低減するのに有効である。
なお、本発明は、上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、種々の変更は可能
である。例えば、配線導体として配線基板の側面に形成した溝の内面に導体が形成された、いわゆるキャスタレーション導体を形成しても構わない。また、図8に示す例のように、配線基板の上面外周に配線導体が導出されていても構わない。また、積層体7に配線基板となる複数の配線基板領域を設けた、いわゆる多数個取り基板として製作しても構わない。
また、図8に示す例のように、第1セラミックグリーシート1の上面または下面に第3のセラミックグリーンシート8を配置している場合、凹部7aの底面および第1セラミックグリーンシート1の下面に金属層用のメタライズペーストを形成しても構わない。配線基板の放熱性や外部電気回路基板との接合信頼性を高めるのに有効である。
また、図8に示す例のように、第2のセラミックグリーンシート2の上面に枠状の第3のセラミックグリーンシート8を配置しておいても構わない。また、枠状の第3のセラミックグリーンシート8の内壁面に反射層用のメタライズペーストを形成しておき、配線基板11の凹部7aの内壁面に反射層を形成しておいても構わない。
1・・・・・・第1のセラミックグリーンシート
1a・・・・・第1の貫通孔
2・・・・・・第2のセラミックグリーンシート
2a・・・・・第2の貫通孔
3・・・・・・低収縮部材
4・・・・・・電極パターン
5・・・・・・貫通導体パターン
6・・・・・・配線導体パターン
7・・・・・・積層体
7a・・・・・凹部
8・・・・・・第3のセラミックグリーンシート
11・・・・・・絶縁基板
14・・・・・・電極
15・・・・・・貫通導体
16・・・・・・配線導体

Claims (2)

  1. 平面視で第1の貫通孔を有する第1のセラミックグリーンシートおよび平面視で前記第1の貫通孔よりも小さな第2の貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートを準備する工程と、前記第1の貫通孔に、前記第1のセラミックグリーンシートよりも焼成収縮率の小さい低収縮部材を設ける工程と、前記第1のセラミックグリーンシートの上面に、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とが重なり、かつ前記低収縮部材の外縁部に前記第2の貫通孔の開口部が重なるように、前記第2のセラミックグリーンシートを積層し加圧して積層体を作製する工程と、前記積層体を焼成する工程とを有することを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 凹部が設けられた絶縁基板と、平面視で前記凹部よりも大きく、前記凹部と対向し、かつ前記凹部の内壁と対向する外縁部を有するように、前記絶縁基板に埋設された低収縮部材とを有することを特徴とする配線基板。
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